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JP2003339567A - ウエットティッシュ - Google Patents

ウエットティッシュ

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JP2003339567A
JP2003339567A JP2002151783A JP2002151783A JP2003339567A JP 2003339567 A JP2003339567 A JP 2003339567A JP 2002151783 A JP2002151783 A JP 2002151783A JP 2002151783 A JP2002151783 A JP 2002151783A JP 2003339567 A JP2003339567 A JP 2003339567A
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JP
Japan
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weight
wet tissue
wiping
polylysine
acid
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JP2002151783A
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Satoshi Hiraga
平賀  敏
Emi Koide
恵美 小出
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Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
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Publication date
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Publication of JP2003339567A5 publication Critical patent/JP2003339567A5/ja
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  • Cosmetics (AREA)
  • Media Introduction/Drainage Providing Device (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
  • Cleaning Implements For Floors, Carpets, Furniture, Walls, And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 人体に対して肌荒れが少なく、経口しても安
全性が高く、保存中の抗菌性能、防カビ効果を有し、清
拭後乾燥しても拭き残りが発生しにくい、対人、対物用
のウエットティッシュを提供すること。 【解決手段】 0.01〜3.00重量%のε−ポリリ
ジン又はその塩、及び0.01〜3.00重量%のソル
ビン酸のアルカリ金属塩を含む薬液が不織布に付与され
ていることを特徴とするウエットティッシュ。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は対人、対物用のウエ
ットティッシュに関する。更に詳しくは、人体に対する
安全性が高く、防カビ効果の高いウエットティッシュに
関する。 【0002】 【従来の技術】一般にウエットティッシュは、水を主成
分とする水溶液を不織布等の布帛に含浸させた状態で使
用される。このようなウエットティッシュで人体や日用
雑貨類を拭き取ることにより、ゴミや汚れを効率的に除
去することができるため、衛生・快適性を向上させる商
品として広く利用されている。ウエットティッシュは、
その製造工程や使用時において、落下菌等、空気中に存
在する細菌類やカビ等の真菌類が混入し、これらが保管
中に基材である不織布上で繁殖することがある。この状
態で清拭操作を行うと拭き取り面をかえって汚染してし
まうという問題点があった。このため、以前からウエッ
トティッシュにはパラベン等が添加され、基材上で細菌
類やカビ等の真菌類の繁殖を防止していた。しかしなが
ら、パラベンは、細菌類やカビ等の真菌類の繁殖抑制効
果が高いものの、消費者の安全意識が高まるにつれて、
より安全性が高く、繁殖抑制効果が高い薬剤が求められ
ていた。 【0003】パラベンを使用せずに細菌類やカビ等の真
菌類の繁殖を抑制するには、通常のウエットティッシュ
に除菌剤、殺菌剤及び速乾剤として使用されるアルコー
ルの濃度を高くすることが考えられる。しかし、アルコ
ール濃度が50重量%を越えると、皮膚が弱い人が使用
した場合、皮脂を必要以上に除去し、手荒れを起こすこ
とが懸念される。パラベンや高濃度アルコール以外に抗
菌性能を有する剤として、ポリリジン及びその塩が公知
である。特開平8−175901号公報には、ε−ポリ
リジンが吸着された抗菌素材が、特開平11−7637
6号公報には、ε−ポリリジン又はその塩、及び有機酸
を付着させた抗菌素材がそれぞれ提案されている。しか
し、ε−ポリリジン単独又はε−ポリリジン又はその塩
と有機酸抗菌素材の組み合わせは、細菌類に対する繁殖
抑制効果(以下、抗菌効果、という)を有するが、カビ
等の真菌類に対する繁殖抑制効果(以下、防カビ効果、
という)は高くないため、真菌類の繁殖を抑制できない
という問題があった。 【0004】パラベンや高濃度アルコールを用いず、抗
菌、防カビ効果を付与したウエットティッシュの例とし
て、特開平11−113780号公報には、アルコール
の使用量を抑制し、ε−ポリリジンまたはその塩、及び
グリセリン脂肪酸エステルを含浸させ、皮膚等の肌荒れ
を起こしにくく、経口しても安全性の高い除菌ウエット
ティッシュが開示されている。特開平11−11377
9号公報には、アルコールを使用せず、ε−ポリリジン
又はその塩、及びグリセリン脂肪酸エステルを含浸させ
た除菌ウエットティッシュが開示されている。これらの
ウエットティッシュは、抗菌、防カビ効果を有し、安全
性は高いものの、グリセリン脂肪酸エステルを含有する
ため、ウエットティッシュ使用時に泡が発生したり、清
拭した部分に不揮発性のこれらの物質が残留して、清拭
後乾燥すると拭き残りが発生したりする等、実用上の問
題点があった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、人体に対し
て肌荒れが少なく、経口しても安全性が高く、保存中の
抗菌性能及び防カビ効果に優れ、清拭後乾燥しても拭き
残りが発生しにくいウエットティッシュを提供すること
を目的とする。 【0006】 【発明を解決するための手段】本発明は、0.01〜
3.00重量%のε−ポリリジン又はその塩、及び0.
01〜3.00重量%のソルビン酸のアルカリ金属塩を
含む薬液が不織布に付与されていることを特徴とするウ
エットティッシュである。本発明は、不織布にε−ポリ
リジン又はその塩、及びソルビン酸のアルカリ金属塩を
含有する薬液(以下、薬液、という)が付与されている
点が特徴である。 【0007】ε−ポリリジン又はその塩、及びソルビン
酸のアルカリ金属塩は、それぞれの化合物自体で防カビ
効果を有するためには、非常に多くの使用量を必要と
し、経済的に不都合が生じるばかりでなく、使用量が増
えると肌の弱い人が使用した場合、手荒れを起こすこと
が懸念されたり、基材によっては変色することがある。
また、それぞれの化合物は不揮発性のため、清拭時に拭
き跡が残ることがある。本発明においては、不織布に、
ε−ポリリジン又はその塩、及びソルビン酸のアルカリ
金属塩の特定濃度の薬液が付与されているために、それ
ぞれを単独で使用した場合には防カビ効果が発現しない
低濃度の添加量においても、優れた防カビ効果が発現す
る。また、それぞれが低濃度であるために泡の発生を抑
えることができ、清拭時の拭き残りが発生しにくい効果
を有する。 【0008】本発明で用いられるε−ポリリジンは、例
えば、特公昭59−20359号公報に記載のε−ポリ
リジン生産菌である、ストレプトマイセス属に属するス
トレプトマイセス・アルプラス・サブスピーシーズ・リ
ジノポリメラスを培地に培養し、得られた培養物からε
−ポリリジンを分離、採取することによって得られる。
ε−ポリリジンは、厚生省の既存添加物名簿にも記載さ
れている物質であり、食品保存料等に使用されている。 【0009】本発明において、ε−ポリリジンを遊離の
形で用いることができるが、塩酸、硫酸、リン酸等の無
機酸、又は酢酸、プロピオン酸、フマル酸、リンゴ酸、
クエン酸、マレイン酸、アジピン酸、グルコン酸等の有
機酸の塩の形で用いることもできる。用途、使用目的に
応じて、カプロン酸、ラウリン酸、ステアリン酸等の中
鎖及び長鎖の飽和脂肪酸、オレイン酸、リノール酸、ア
ラキドン酸等の中鎖及び長鎖の不飽和脂肪酸の塩として
用いることもできる。ε−ポリリジンは、遊離の形であ
れ、前述の無機酸又は有機酸との塩の形であれ、その抗
菌効果に本質的な差はない。 【0010】本発明で用いられるソルビン酸塩は、化学
式(1)で表されるソルビン酸のアルカリ金属塩であ
る。 CH3CH=CHCH=CHCOOR (Rは、Na、K等) (1) ソルビン酸塩の中でも、ソルビン酸カリウムが食品添加
物として認定されており、また長期間に亘り、さまざま
な食品の保存に使用され、人体に対する安全性も確認さ
れており、更に防カビ効果が単独で用いても比較的高い
ので好ましい。 【0011】本発明においてε−ポリリジン又はその
塩、及びソルビン酸塩は、溶媒中に溶解または分散させ
た薬液として不織布に付与されている。水が溶媒、すな
わち、水溶液であれば、均一に付与でき経済的にも優位
であるため好ましい。不織布に付与されているε−ポリ
リジン又はその塩の薬液中における濃度は0.01〜
3.00重量%、好ましくは0.01〜1.00重量
%、より好ましくは0.01〜0.50重量%である。
ε−ポリリジン又はその塩が0.01重量%未満では、
防カビ効果が少なく、3.00重量%を越えると、防カ
ビ効果は、濃度が増加してもほとんど変わらず、肌の弱
い人が使用すると肌荒れを起こすことが懸念され、ま
た、基材が黄変したり、拭き残りが発生する。 【0012】不織布に付与されているソルビン酸のアル
カリ金属塩の薬液中における濃度は、0.01〜3.0
0重量%、好ましくは0.01〜1.00重量%、より
好ましくは0.01〜0.50重量%である。ソルビン
酸のアルカリ金属塩が0.01重量%未満では、防カビ
効果が減少し、3.00重量%を越えると、防カビ効果
は、濃度が増加してもほとんど変わらず、肌の弱い人が
使用すると肌荒れを起こすことが懸念され、また、基材
が黄変したり、拭き残りが発生する。本発明においてε
−ポリリジン又はその塩と、ソルビン酸塩の防カビ効果
を更に向上するために、薬液のpHを4〜6に調整する
ことが好ましい。pHを調整するためには、有機酸と有
機酸塩からなる緩衝液を用いればよく、食品添加物とし
て認定されており、長期間に渡りさまざまな食品に使用
され安全性が高いクエン酸とクエン酸塩、例えば、クエ
ン酸ナトリウムを用いるのが好ましい。 【0013】本発明のウエットティッシュには、その他
の添加剤として、通常のウエットティッシュに用いられ
る添加剤、例えば、殺菌剤や乾燥速度の向上剤としての
エタノールやイソプロピルアルコール等、保湿剤として
のグリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレング
リコール等、また香料や抗菌剤、除菌剤、増粘剤、色
素、酸化防止剤、界面活性剤を用途に応じて適量添加さ
れていてもよい。 【0014】アルコールを添加する場合は、安全性の面
から毒性の少ないエタノールが好ましい。添加量は、長
期間使用時における皮膚の肌荒れの観点から水溶液の5
0重量%以下が好ましく、より好ましくは30重量%以
下、最も好ましくは15重量%以下である。保湿剤とし
てのグリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレン
グリコール等の添加量は、薬液の10重量%以下が好ま
しく、より好ましくは5重量%以下である。10重量%
を越えると清拭後の清拭面に泡やべたつき、拭き残りが
発生することがある。抗菌剤や除菌剤としては、竹抽出
物、ヒノキチオ−ル、プロタミン、茶抽出物、リゾチ−
ム、キトサン等を所望に応じて添加してもよい。ただ
し、ポリリジンのように、人体に対して安全性が確認さ
れたものであることが好ましい。その他の添加物も、人
体に対して安全性が確認されたものであることが望まし
い。 【0015】本発明のウエットティッシュに用いる不織
布に付与される薬液量は、不織布重量に対して100〜
400重量%が好ましく、より好ましくは150〜30
0重量%である。付与される薬液量が100重量%未満
であると保存中に薬液が蒸発し、ウエット状態を保つこ
とができなかったり、清拭時の拭き取り効果が低下する
ことがある。付与される薬液量が400重量%を越える
と、清拭時に薬液が垂れて床等を汚したり、拭き取り面
に多量の薬液が残留し拭き跡が残ることがある。 【0016】本発明のウエットティッシュを構成する不
織布の素材は限定されない。例えば、コットン、ビスコ
ースレーヨン、キュプラレーヨン等のセルロース系の繊
維素材、アクリル、ポリエステル、ナイロン、ポリプロ
ピレン等の合成繊維系の素材等が用途に応じて用いられ
る。また、これらの素材が混合されていてもよい。例え
ば、セルロース系の繊維を含む素材で構成された不織布
をウエットティッシュの基材として用いると、吸水性が
向上するので好ましい。コットンのような短繊維で構成
された不織布を用いると、吸水性が良好であるばかりで
なく、柔軟性に優れるので肌触りが良好となり好まし
い。セルロース長繊維で構成された不織布を用いると、
拭き取り時に不織布からの繊維の脱落を抑制し、清拭面
を汚染することが少ないので好ましい。 【0017】本発明における不織布を構成する繊維の繊
度は限定されない。拭き取り面が極細繊維を含む素材で
不織布を構成すれば、ウエットティッシュの基材として
表面積が増加し、拭き取り性が向上するので好ましい。
アクリル系の割繊、フィブリル化した超極細繊維を用い
れば、拭き取り性も向上し、親水性も向上するのでより
好ましい。繊維の単糸径が小さい方が、より表面積が増
加して拭き取り性が向上する。 【0018】ウエットティッシュの拭き取り面となる不
織布表面のうち、面積率20%以上が単糸径0.2〜
5.0μmの繊維であることが好ましい。単糸径が5μ
m以下であればゴミ等の拭き取り効果に優れ、0.2μ
m以上であれば摩擦による単繊維の切断を抑えることが
できる。より好ましくは面積率40%以上が単糸径0.
3〜4.0μmの繊維であり、最も好ましくは面積率6
0%以上が単糸径0.35〜3.5μmの繊維である。
ここでいう単糸径とは、単繊維の断面が円状の場合の直
径をいい、断面が楕円状の場合は長径を、扁平の場合は
最大幅がこれに相当する。面積率は数式(1)で与えら
れる。 面積率(%)=(単糸径が所定範囲である繊維が拭き取り面に占める面積)× 100/(拭き取り面に占める全繊維の面積) (1) 【0019】素材の混合の状態も限定されず、繊維同士
が混合されていてもよいし、層状に複合されていてもよ
い。素材の混合方法や複合方法についても限定されず、
繊維を混合して抄紙法で不織布にしてもよく、不織布同
士を高圧水流やエンボス等によって複合してもよく、不
織布上に素材を分散させて複合するいわゆるエアレイド
法で複合してもよい。 【0020】不織布の製造方法も限定されない。例え
ば、湿式法、抄紙法、乾式法で作られた不織布でもよ
く、これらが複合された不織布でもよい。本発明に用い
る不織布の表面状態も限定されない。例えば、不織布に
貫通孔があってもよいし、不織布表面に円形、楕円形、
長方形等の凹部があってもよいし、不織布表面に縦筋や
横筋があってもよい。ここでいう凹部とは、貫通はして
いないが、へこんだ部分のことをいう。不織布表面に貫
通孔、凹部、筋等が存在すると、清拭時に汚れの掻き取
り効果が向上するので好ましい。 【0021】本発明のウエットティッシュに用いる不織
布の目付は15〜200g/m2が好ましい。不織布の
目付が15g/m2未満では、清拭中に不織布が破れる
ことがある。また、目付が200g/m2を越えると、
不織布が地厚となりすぎて拭き取り面へ沿いにくくな
り、拭き取り性が低下することがある。不織布の厚み
は、耐久性および取り扱い性の面から、0.98N/c
2の荷重下で測定した時に0.1〜2.0mmである
ことが好ましく、より好ましくは0.2〜1.0mm、
最も好ましくは0.3〜0.7mmである。 【0022】ウエットティッシュの形態は、通常、内部
が密封可能に形成された容器に収納されて、容器からウ
エットティッシュ用の基材を1枚ずつ引き出し可能な包
装体の形態であり、限定されない。例えば、ロール状に
巻かれたウエットティッシュ用基材を収納した筒状のプ
ラスチック容器や1枚ずつ折り重ねた状態で収納したピ
ロー包装体や紙容器でもよく、これらが複合された形態
でもよい。 【0023】ウエットティッシュの製造方法は限定され
ない。例えば、ロール状に巻かれたウエットティッシュ
用の基材を、一方向のみ開封している筒状のプラスチッ
ク容器に収納し薬液を一定量含浸させ、プラスチックシ
ート等で上部にヒートシールを行い、口を有する蓋を嵌
め込む方法でもよい、1枚づつ折り重ねた不織布をプラ
スチックシート等で1方向のみ開封している製袋された
容器に収納し、薬液を一定量含浸させた後、開いていた
口をヒートシールする方法や、1枚づつ折り重ねた状態
で薬液を一定量含浸させ、濡らした状態でプラスチック
シート等を製袋を行いながら収納する方法、不織布ロー
ルからシート状に引き出しながら薬液を一定量含浸させ
た後に、カットし1枚づつ折り重ねたり、ロール状にリ
ワインドしたりし容器に収納する方法でもよく、これら
が複合された製造方法でもよい。 【0024】不織布に薬液を含浸する工程は、ロール状
の不織布をスリットする前でも後でもよく、容器に不織
布を収納する前でも後でもよい。1枚づつ折り重ねる場
合においても同様で、不織布に薬液を含浸する工程は折
り重ねる前でも後でもよく、これらが複合された方法で
もよい。 【0025】 【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例によりさら
に具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定され
るものではない。防カビ性、肌荒れ性、拭き残りの評価
は下記に示す方法で行った。 (1)防カビ性評価方法 試料の防カビ性の評価は、ハロー法(JIS L190
2−1990)に準拠して行った。すなわち、黒カビの
保存用のサブロー寒天培地(10ml)に2週間生育し
た黒カビ(IFO−4414)の試験管1本分の分生子
を菌糸と共に胞子分散剤(0.005%ジオクチルスル
ホコハク酸)10mlに分散させ、滅菌脱脂綿で濾過
し、溶解して45℃に保った100mlのサブロー寒天
培地に加え、シャ−レ1枚当り10ml分注して平板培
地を作製した。得られたウエットティッシュを2cm×
2cmの大きさに切り、作製した培地の上におき、25
℃で7日間の培養を行った。評価は、試料の周囲に生育
阻止帯(ハロ−)の形成されたものを(−−)、試料上
で菌の生育が認められなかったものを(−)、試料上に
まで菌の生育の認められたものを(+)とした。 【0026】(2)肌荒れ性評価方法 得られたウエットティッシュをパネラーの両手に5分間
接触させた後、風乾した。この操作を1日あたり2回の
割合で1カ月間繰り返した。その後、肌の状態を自己申
告させた。パネラーの数は20名とした。 【0027】(3)拭き残り性評価方法 得られたウエットティッシュでパネラーに拭き跡等のな
いきれいな鏡の表面を5往復清拭させ、鏡表面を乾燥さ
せた。パネラーが拭き取り面を観察して、拭き残りにつ
いて3段階で評価した。 5:ほとんど拭き残りが目立たない、又は拭き残りがあ
っても気にならない。 3:若干拭き残りがあり、拭き残りが少し気になる。 1:拭き残りがあるため、拭き残りが気になり、乾拭き
が必要である。 パネラーは20名とし、その平均点を評価結果とした。 【0028】 【実施例1】平均目付30g/m2のアクリル系の超極
細繊維の短繊維90重量%とポリエステル短繊維10重
量%を含む不織布(シャレリア(登録商標)C103
0、旭化成(株)社製)を用意した。ε−ポリリジン
(チッソ(株)社製)0.02重量%、ソルビン酸カリ
ウム(チッソ(株)社製)0.025重量%、エタノー
ル5重量%、プロピレングリコール2.5重量%、クエ
ン酸0.19重量%、クエン酸ナトリウム0.74重量
%および精製水91.525重量%を配合して含浸液を
得た。上記不織布100gに上記含浸液を200g含浸
させ、ウエットティッシュを得た。表1に示すとおり、
得られたウエットティッシュは、人体に対する安全性、
保存における防カビ性、拭き残り性が極めて良好であっ
た。また、基材にアクリル系の極細繊維が含まれている
ため拭き取り性も良好であった。 【0029】 【実施例2】平均目付38g/m2の再生セルロース連
続長繊維不織布(ベンリーゼ(登録商標)JS384、
旭化成(株)社製 )を用いた以外は実施例1と同様の
方法でウエットティッシュを得た。表1に示すとおり、
得られたウエットティッシュは人体に対する安全性、保
存における防カビ性、拭き残り性が極めて良好であっ
た。また、基材が再生セルロース連続長繊維不織布のた
め、拭き取り後に繊維の脱落がほとんど見られなかっ
た。 【0030】 【実施例3】レーヨン短繊維40重量%と、ナイロンと
ポリエステルを複合紡糸した割繊タイプ糸の短繊維60
重量%を混合し、スパンレース法により平均目付40g
/m 2の複合不織布を得た。この複合不織布は製造工程
中の高圧水流によりナイロンとポリエステルがかなりな
部分分離し、極細繊維となっていた。この複合不織布を
用いた以外は実施例1と同様の方法でウエットティッシ
ュを得た。表1に示すとおり、得られたウエットティッ
シュは人体に対する安全性、保存における防カビ性、拭
き残り性が極めて良好であった。また、基材に極細繊維
が含まれているため拭き取り性も良好であった。 【0031】 【実施例4】ε−ポリリジン(チッソ(株)社製)0.
75重量%、ソルビン酸カリウム(チッソ(株)社製)
0.75重量%、精製水90.070重量%にした以外
は実施例1と同様の方法でウエットティッシュを得た。
表1に示すとおり、得られたウエットティッシュは人体
に対する安全性、保存における防カビ性、拭き残り性が
良好であった。 【0032】 【実施例5】ε−ポリリジン(チッソ(株)社製)2重
量%、ソルビン酸カリウム(チッソ(株)社製)2.5
重量%、精製水87.070重量%にした以外は実施例
1と同様の方法でウエットティッシュを得た。表1に示
すとおり、得られたウエットティッシュは人体に対する
安全性、保存における防カビ性、拭き残り性が良好であ
った。 【0033】 【比較例1】ε−ポリリジンを配合せず、その分、精製
水の重量%を増加させた以外は実施例1と同様の方法で
ウエットティッシュを得た。表1に示すとおり、得られ
たウエットティッシュは、人体に対する安全性及び拭き
残り性は良好なものの、保存における防カビ性に問題が
あり実用に耐えないものであった。 【0034】 【比較例2】ソルビン酸カリウムを配合せず、その分、
精製水の重量%を増加させた以外は実施例1と同様の方
法でウエットティッシュを得た。表1に示すとおり、得
られたウエットティッシュは人体に対する安全性、拭き
残り性は良好なものの、保存における防カビ性に問題が
あり実用に耐えないものであった。 【0035】 【比較例3】ε−ポリリジン(チッソ(株)社製)0.
02重量%、ソルビン酸カリウム(チッソ(株)社製)
15重量%、精製水76.550重量%にした以外は実
施例1と同様の方法でウエットティッシュを得た。表1
に示すとおり、得られたウエットティッシュは保存にお
ける防カビ性は良好なものの、人体に対する安全性、拭
き残り性に問題があり実用に耐えないものであった。 【0036】 【比較例4】ε−ポリリジン(チッソ(株)社製)15
重量%、ソルビン酸カリウム(チッソ(株)社製)0.
025重量%、精製水76.545重量%にした以外は
実施例1と同様の方法でウエットティッシュを得た。表
1に示すとおり、得られたウエットティッシュは保存に
おける防カビ性は良好なものの、人体に対する安全性、
拭き残り性に問題があり実用に耐えないものであった。 【0037】 【表1】 【0038】 【発明の効果】本発明の抗菌ウエットティッシュは、天
然成分であるε−ポリリジンと食品添加物であるソルビ
ン酸塩を併用することにより、パラベンを使用すること
なく、優れた抗菌、防カビ効果を有し、拭き残りも少な
い。そのため、人体に対する皮膚清拭用、赤ちゃんや老
人が使用する身の回り品の清拭用、台所、冷蔵庫等の生
活空間や日用雑貨の清拭用、メディカル用の皮膚清拭
用、雑品清拭用、食品や食品用の容器の清拭用として、
衛生、安全上の面で好ましく使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 7/02 A61K 7/02 A A61L 2/16 A61L 2/16 Z 2/18 2/18 A61M 35/00 A61M 35/00 Z Fターム(参考) 3B074 AA01 AA02 AA08 AB01 AB05 AC03 CC03 4C058 AA03 AA04 AA22 BB07 CC02 JJ06 JJ08 JJ21 4C083 AC27 AD41 CC24 DD12 EE09 4C167 AA62 BB05 BB23 BB39 CC01 GG01 GG06 GG07 GG08 GG16 HH10 4H011 AA01 AA03 BA06 BB06 DA13 DD05 DD07 DE17 DF04 DG05

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 0.01〜3.00重量%のε−ポリリ
    ジン又はその塩、及び0.01〜3.00重量%のソル
    ビン酸のアルカリ金属塩を含む薬液が不織布に付与され
    ていることを特徴とするウエットティッシュ。
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