JP2003337251A - 偏波保持光ファイバカプラおよびその製造方法 - Google Patents
偏波保持光ファイバカプラおよびその製造方法Info
- Publication number
- JP2003337251A JP2003337251A JP2002143638A JP2002143638A JP2003337251A JP 2003337251 A JP2003337251 A JP 2003337251A JP 2002143638 A JP2002143638 A JP 2002143638A JP 2002143638 A JP2002143638 A JP 2002143638A JP 2003337251 A JP2003337251 A JP 2003337251A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polarization
- adhesive
- optical fiber
- maintaining optical
- fiber coupler
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 239000013307 optical fiber Substances 0.000 title claims abstract description 63
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 title claims abstract description 15
- 239000000853 adhesive Substances 0.000 claims abstract description 60
- 230000001070 adhesive effect Effects 0.000 claims abstract description 59
- 230000010287 polarization Effects 0.000 claims abstract description 42
- 230000009477 glass transition Effects 0.000 claims abstract description 8
- 229920005989 resin Polymers 0.000 claims abstract description 7
- 239000011347 resin Substances 0.000 claims abstract description 7
- 239000003822 epoxy resin Substances 0.000 claims description 4
- 229920000647 polyepoxide Polymers 0.000 claims description 4
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 abstract description 19
- 230000008033 biological extinction Effects 0.000 abstract description 15
- 230000001678 irradiating effect Effects 0.000 abstract description 2
- 230000003287 optical effect Effects 0.000 description 12
- 238000000137 annealing Methods 0.000 description 10
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 10
- 239000000835 fiber Substances 0.000 description 7
- 230000004927 fusion Effects 0.000 description 7
- VYPSYNLAJGMNEJ-UHFFFAOYSA-N Silicium dioxide Chemical compound O=[Si]=O VYPSYNLAJGMNEJ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 5
- 239000003365 glass fiber Substances 0.000 description 5
- 238000000034 method Methods 0.000 description 5
- 239000011248 coating agent Substances 0.000 description 4
- 238000000576 coating method Methods 0.000 description 4
- 230000008878 coupling Effects 0.000 description 4
- 238000010168 coupling process Methods 0.000 description 4
- 238000005859 coupling reaction Methods 0.000 description 4
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 4
- 239000011253 protective coating Substances 0.000 description 3
- 239000000919 ceramic Substances 0.000 description 2
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 2
- 238000011156 evaluation Methods 0.000 description 2
- 239000011521 glass Substances 0.000 description 2
- 239000000463 material Substances 0.000 description 2
- 238000009281 ultraviolet germicidal irradiation Methods 0.000 description 2
- ZOXJGFHDIHLPTG-UHFFFAOYSA-N Boron Chemical compound [B] ZOXJGFHDIHLPTG-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 238000005452 bending Methods 0.000 description 1
- 229910052796 boron Inorganic materials 0.000 description 1
- 238000005253 cladding Methods 0.000 description 1
- 238000004891 communication Methods 0.000 description 1
- 230000000052 comparative effect Effects 0.000 description 1
- 230000008602 contraction Effects 0.000 description 1
- 238000007796 conventional method Methods 0.000 description 1
- 238000006073 displacement reaction Methods 0.000 description 1
- 238000007499 fusion processing Methods 0.000 description 1
- 238000005259 measurement Methods 0.000 description 1
- 238000012544 monitoring process Methods 0.000 description 1
- 238000005086 pumping Methods 0.000 description 1
- 230000007704 transition Effects 0.000 description 1
Landscapes
- Optical Couplings Of Light Guides (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 実装部材への固定に比較的ヤング率の大きい
接着剤を用いても偏波消光比を低下させない偏波光ファ
イバカプラとその製造方法を提供する。 【解決手段】 1対の偏波保持光ファイバ11を融着延
伸し、実装部材5に接着剤7にて接着固定してなる偏波
保持光ファイバカプラであって、接着剤7に硬化後の常
温ヤング率が1800MPa〜5000MPaで、紫外
線硬化型樹脂が用いられ、接着剤7を30℃以上、ガラ
ス転移温度未満で加温しながら紫外線を照射して硬化さ
せている。
接着剤を用いても偏波消光比を低下させない偏波光ファ
イバカプラとその製造方法を提供する。 【解決手段】 1対の偏波保持光ファイバ11を融着延
伸し、実装部材5に接着剤7にて接着固定してなる偏波
保持光ファイバカプラであって、接着剤7に硬化後の常
温ヤング率が1800MPa〜5000MPaで、紫外
線硬化型樹脂が用いられ、接着剤7を30℃以上、ガラ
ス転移温度未満で加温しながら紫外線を照射して硬化さ
せている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信分野で光信
号の分岐・結合または分波・合波等に用いられる光ファ
イバカプラに関し、特に偏波保持光ファイバを用いた偏
波保持光ファイバカプラとその製造方法に関する。
号の分岐・結合または分波・合波等に用いられる光ファ
イバカプラに関し、特に偏波保持光ファイバを用いた偏
波保持光ファイバカプラとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光信号装置において、光増幅器の
励起合波や光信号のモニタ光の取り出し等に、光ファイ
バカプラが多用されている。この光ファイバカプラは、
単一波長の光信号を複数に分岐または一つに結合した
り、波長の異なる複数の信号を波長毎に分波または一つ
に合波するのに用いられている。
励起合波や光信号のモニタ光の取り出し等に、光ファイ
バカプラが多用されている。この光ファイバカプラは、
単一波長の光信号を複数に分岐または一つに結合した
り、波長の異なる複数の信号を波長毎に分波または一つ
に合波するのに用いられている。
【0003】図4は、一般的な光ファイバカプラの製造
方法の一例を示す図で、図4(A)は加熱融着工程を示
す図、図4(B)は延伸工程を示す図、図4(C)は実
装工程を示す図、図4(D)はアニール工程を示す図で
ある。図中、1は光ファイバ、2はガラスファイバ部、
3は融着延伸部、4は非延伸部、5は実装部材、6は蓋
部材、7は接着剤、8は恒温槽を示す。
方法の一例を示す図で、図4(A)は加熱融着工程を示
す図、図4(B)は延伸工程を示す図、図4(C)は実
装工程を示す図、図4(D)はアニール工程を示す図で
ある。図中、1は光ファイバ、2はガラスファイバ部、
3は融着延伸部、4は非延伸部、5は実装部材、6は蓋
部材、7は接着剤、8は恒温槽を示す。
【0004】光ファイバカプラの製造に際して、先ず、
図4(A)に示すように、例えば、2本の光ファイバ1
を準備し、光ファイバ途中の保護被覆を所定長さだけ除
去し、ガラスファイバ部2を露出させる。この後、露出
したガラスファイバ部2の中央部分を互いに平行に密接
させ加熱により融着させる。この加熱にはバーナ、マイ
クロトーチ等(図示せず)が用いられる。
図4(A)に示すように、例えば、2本の光ファイバ1
を準備し、光ファイバ途中の保護被覆を所定長さだけ除
去し、ガラスファイバ部2を露出させる。この後、露出
したガラスファイバ部2の中央部分を互いに平行に密接
させ加熱により融着させる。この加熱にはバーナ、マイ
クロトーチ等(図示せず)が用いられる。
【0005】図4(B)は、融着された部分を延伸させ
る状態を示し、加熱融着時でガラスが軟化状態にある間
に延伸させるか、または、光ファイバを再度加熱軟化さ
せて延伸させる。延伸後の融着延伸部3は、例えば、長
さが15mm程度で、ガラス径は平均直径で0.15m
m程度(円形ではない)とされる。なお、延伸量により
光ファイバ間の結合度が変わるので、光パワーメータ等
を用いて結合度をモニタしながら延伸してもよい。
る状態を示し、加熱融着時でガラスが軟化状態にある間
に延伸させるか、または、光ファイバを再度加熱軟化さ
せて延伸させる。延伸後の融着延伸部3は、例えば、長
さが15mm程度で、ガラス径は平均直径で0.15m
m程度(円形ではない)とされる。なお、延伸量により
光ファイバ間の結合度が変わるので、光パワーメータ等
を用いて結合度をモニタしながら延伸してもよい。
【0006】融着延伸された光ファイバは、図4(C)
に示すように、機械的保護のため実装部材5に収納さ
れ、接着剤7により接着固定される。実装部材5は断面
U字状に形成され、開口の中央部に蓋部材6を接着して
閉鎖する。実装部材5および蓋部材6は、一般に熱膨張
係数が光ファイバに近い石英ガラス、セラミックで形成
されている。
に示すように、機械的保護のため実装部材5に収納さ
れ、接着剤7により接着固定される。実装部材5は断面
U字状に形成され、開口の中央部に蓋部材6を接着して
閉鎖する。実装部材5および蓋部材6は、一般に熱膨張
係数が光ファイバに近い石英ガラス、セラミックで形成
されている。
【0007】接着剤7は、光カプラとして機能する融着
延伸部3の両側の非延伸部4に塗布して、実装部材5に
接着固定される。例えば、実装部材5の両側で塗布長2
6mm、すなわち実装部材5の端部から融着延伸部3の
股部分まで塗布する。接着剤7の塗布量としては、片側
で0.013cm3程度である。接着剤7は、紫外線硬化
性のエポキシ系樹脂等が用いられる。次に、接着剤の硬
化度を上げるために、図4(D)で示すように恒温槽8
で加熱する。加熱温度は、光ファイバの保護被覆の耐熱
性を考慮して、120℃位で1時間程度加熱する。
延伸部3の両側の非延伸部4に塗布して、実装部材5に
接着固定される。例えば、実装部材5の両側で塗布長2
6mm、すなわち実装部材5の端部から融着延伸部3の
股部分まで塗布する。接着剤7の塗布量としては、片側
で0.013cm3程度である。接着剤7は、紫外線硬化
性のエポキシ系樹脂等が用いられる。次に、接着剤の硬
化度を上げるために、図4(D)で示すように恒温槽8
で加熱する。加熱温度は、光ファイバの保護被覆の耐熱
性を考慮して、120℃位で1時間程度加熱する。
【0008】上述した光ファイバカプラを、偏波保持光
ファイバで構成し、偏波保持光ファイバカプラとするこ
とも知られている。偏波保持光ファイバは、コア部に直
交する2方向から異なる応力を与えることにより、等価
的に複屈折性を持たせたものである。この偏波保持光フ
ァイバの代表的なものとしては、クラッド部とは熱膨張
係数の異なるボロン等を含んだ応力付与部をコア部の両
側に配置した構造で、パンダ型ファイバ、ボータイ型フ
ァイバ等が知られている。これらの偏波保持光ファイバ
は、側圧や曲げ等の外乱に対する偏波変動を抑制するこ
とができる。
ファイバで構成し、偏波保持光ファイバカプラとするこ
とも知られている。偏波保持光ファイバは、コア部に直
交する2方向から異なる応力を与えることにより、等価
的に複屈折性を持たせたものである。この偏波保持光フ
ァイバの代表的なものとしては、クラッド部とは熱膨張
係数の異なるボロン等を含んだ応力付与部をコア部の両
側に配置した構造で、パンダ型ファイバ、ボータイ型フ
ァイバ等が知られている。これらの偏波保持光ファイバ
は、側圧や曲げ等の外乱に対する偏波変動を抑制するこ
とができる。
【0009】偏波保持光ファイバカプラは、例えば、カ
プラの入射側に直線偏波のX偏波のみを入力したとき
は、出射側にX偏波のみが出力され、カプラを通過して
も光の偏波状態が変わらないようにすることができる。
この偏波保持光ファイバカプラは、高精度の単一偏波を
用いた光ファイバシステムを構成するのに必要とされ
る。
プラの入射側に直線偏波のX偏波のみを入力したとき
は、出射側にX偏波のみが出力され、カプラを通過して
も光の偏波状態が変わらないようにすることができる。
この偏波保持光ファイバカプラは、高精度の単一偏波を
用いた光ファイバシステムを構成するのに必要とされ
る。
【0010】図5は、偏波保持光ファイバを用いたカプ
ラ素子の概略図である。11は偏波保持光ファイバ、1
2は非延伸部、13は融着延伸部、14はコア部、15
はクラッド部、16は応力付与部、17は偏波主軸面を
示す。偏波保持光ファイバカプラは、図4の場合と同様
に被覆が除去されたガラスファイバ部の中央部分を互い
に平行に密接させ加熱により融着させ、延伸して形成さ
れる。偏波保持光ファイバ11は、クラッド部15で囲
われるコア部14の両側に応力付与部16を有し、コア
部と応力付与部の中心を通る偏波主軸面17を有してい
る。
ラ素子の概略図である。11は偏波保持光ファイバ、1
2は非延伸部、13は融着延伸部、14はコア部、15
はクラッド部、16は応力付与部、17は偏波主軸面を
示す。偏波保持光ファイバカプラは、図4の場合と同様
に被覆が除去されたガラスファイバ部の中央部分を互い
に平行に密接させ加熱により融着させ、延伸して形成さ
れる。偏波保持光ファイバ11は、クラッド部15で囲
われるコア部14の両側に応力付与部16を有し、コア
部と応力付与部の中心を通る偏波主軸面17を有してい
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】偏波保持光ファイバを
用いたカプラ素子の作製では、偏波主軸面を平行にした
状態で融着・延伸が行なわれる。この偏波主軸面17の
ずれがあると、損失の増加、結合率の低下、偏波消光比
の低下が生じる。なお、実装部材への接着剤による実装
は、図4の場合と同様に紫外線硬化型樹脂が用いられ、
歪除去または接着剤の硬化度アップのためアニールが行
なわれる。
用いたカプラ素子の作製では、偏波主軸面を平行にした
状態で融着・延伸が行なわれる。この偏波主軸面17の
ずれがあると、損失の増加、結合率の低下、偏波消光比
の低下が生じる。なお、実装部材への接着剤による実装
は、図4の場合と同様に紫外線硬化型樹脂が用いられ、
歪除去または接着剤の硬化度アップのためアニールが行
なわれる。
【0012】実装部材にカプラ素子を接着固定させる接
着剤7には、光ファイバカプラへの応力緩和の観点か
ら、従来、種々の接着材料が提案されている。光ファイ
バカプラを実装部材に保持固定するためには、接着剤
は、ある程度の硬さを有していることが必要である。こ
のため、接着剤にはヤング率の大きいものを用いるのが
望ましい。
着剤7には、光ファイバカプラへの応力緩和の観点か
ら、従来、種々の接着材料が提案されている。光ファイ
バカプラを実装部材に保持固定するためには、接着剤
は、ある程度の硬さを有していることが必要である。こ
のため、接着剤にはヤング率の大きいものを用いるのが
望ましい。
【0013】しかし、偏波保持光ファイバカプラの作製
においては、実装部材への固定に、ヤング率の大きい紫
外線硬化型接着剤を用いると、接着剤の硬化後に偏波消
光比が低下するという問題がある。この原因として、接
着剤の硬化収縮時にファイバに不均一な応力がかかり、
特にヤング率の大きい接着剤の場合、その応力が大き
く、偏波消光比が低下するものと考えられる。
においては、実装部材への固定に、ヤング率の大きい紫
外線硬化型接着剤を用いると、接着剤の硬化後に偏波消
光比が低下するという問題がある。この原因として、接
着剤の硬化収縮時にファイバに不均一な応力がかかり、
特にヤング率の大きい接着剤の場合、その応力が大き
く、偏波消光比が低下するものと考えられる。
【0014】本発明は、上述した事情に鑑みてなされた
もので、実装部材への固定に比較的ヤング率の大きい接
着剤を用いても偏波消光比を低下させない偏波光ファイ
バカプラとその製造方法の提供を課題とする。
もので、実装部材への固定に比較的ヤング率の大きい接
着剤を用いても偏波消光比を低下させない偏波光ファイ
バカプラとその製造方法の提供を課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の偏波保持光ファ
イバカプラは、1対の偏波保持光ファイバを融着延伸
し、実装部材に接着剤にて接着固定してなる偏波保持光
ファイバカプラであって、接着剤に硬化後の常温ヤング
率が1800MPa〜5000MPaで、紫外線硬化型
樹脂が用いられ、接着剤を30℃以上、ガラス転移温度
未満で加温しながら紫外線を照射して硬化されているこ
とを特徴とする。
イバカプラは、1対の偏波保持光ファイバを融着延伸
し、実装部材に接着剤にて接着固定してなる偏波保持光
ファイバカプラであって、接着剤に硬化後の常温ヤング
率が1800MPa〜5000MPaで、紫外線硬化型
樹脂が用いられ、接着剤を30℃以上、ガラス転移温度
未満で加温しながら紫外線を照射して硬化されているこ
とを特徴とする。
【0016】また本発明の偏波保持光ファイバカプラの
製造方法は、1対の偏波保持光ファイバを融着延伸し、
実装部材に接着剤にて接着固定してなる偏波保持光ファ
イバカプラの製造方法であって、接着剤に硬化後の常温
ヤング率が1800MPa〜5000MPaで、紫外線
硬化型樹脂を用い、接着剤を30℃以上、ガラス転移温
度未満で加温しながら紫外線を照射して硬化することを
特徴とする。
製造方法は、1対の偏波保持光ファイバを融着延伸し、
実装部材に接着剤にて接着固定してなる偏波保持光ファ
イバカプラの製造方法であって、接着剤に硬化後の常温
ヤング率が1800MPa〜5000MPaで、紫外線
硬化型樹脂を用い、接着剤を30℃以上、ガラス転移温
度未満で加温しながら紫外線を照射して硬化することを
特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】図1および図2により、本発明の
実施の形態を説明する。図1は偏波保持光ファイバカプ
ラの斜視図、図2は接着剤の硬化状態を説明するであ
る。図中の符号は、図4に用いたのと同じ符号を用いる
ことにより説明を省略する。本発明による偏波保持光フ
ァイバカプラは、図5で説明したのと同様な偏波保持光
ファイバの偏波主軸面を互いに平行にした状態で融着・
延伸が行なわれたカプラ素子が使用される。
実施の形態を説明する。図1は偏波保持光ファイバカプ
ラの斜視図、図2は接着剤の硬化状態を説明するであ
る。図中の符号は、図4に用いたのと同じ符号を用いる
ことにより説明を省略する。本発明による偏波保持光フ
ァイバカプラは、図5で説明したのと同様な偏波保持光
ファイバの偏波主軸面を互いに平行にした状態で融着・
延伸が行なわれたカプラ素子が使用される。
【0018】また、本発明による偏波保持光ファイバカ
プラは、図1に示すように機械的保護のために石英ガラ
ス等で形成された実装部材5に収納され、融着延伸部の
両側の股部分から非延伸部を接着剤7により接着固定す
る。実装部材5は、例えば、断面U字状に形成し、開口
の中央部に蓋部材6を接着して構成する。接着剤7には
紫外線硬化型樹脂を用い、好ましくはエポキシ系樹脂を
用いる。以上の偏波保持光ファイバカプラの外観的な構
造自体は、図4(C)で説明したのと同様なものであ
る。
プラは、図1に示すように機械的保護のために石英ガラ
ス等で形成された実装部材5に収納され、融着延伸部の
両側の股部分から非延伸部を接着剤7により接着固定す
る。実装部材5は、例えば、断面U字状に形成し、開口
の中央部に蓋部材6を接着して構成する。接着剤7には
紫外線硬化型樹脂を用い、好ましくはエポキシ系樹脂を
用いる。以上の偏波保持光ファイバカプラの外観的な構
造自体は、図4(C)で説明したのと同様なものであ
る。
【0019】本発明では、特に、図2に示すように接着
剤7に紫外線を照射して硬化させる際に、接着剤7を常
温以上に加温しながら硬化させる。接着剤7を加温する
ことで、紫外線照射による硬化を促進させ、紫外線照射
終了時の未硬化分を減らすことができる。未硬化分は、
その後の高温アニールにより硬化させることができる
が、このアニールにより硬化した分は、アニール終了か
ら常温に戻す際に収縮して応力を増やす原因となる。
剤7に紫外線を照射して硬化させる際に、接着剤7を常
温以上に加温しながら硬化させる。接着剤7を加温する
ことで、紫外線照射による硬化を促進させ、紫外線照射
終了時の未硬化分を減らすことができる。未硬化分は、
その後の高温アニールにより硬化させることができる
が、このアニールにより硬化した分は、アニール終了か
ら常温に戻す際に収縮して応力を増やす原因となる。
【0020】加温しながら紫外線照射を行なうと、紫外
線照射で硬化する割合が増え、アニールで硬化する割合
が減るので、アニール後の応力の増加を減らすことがで
き、偏波消光比の低下を抑制することができる。
線照射で硬化する割合が増え、アニールで硬化する割合
が減るので、アニール後の応力の増加を減らすことがで
き、偏波消光比の低下を抑制することができる。
【0021】なお、接着剤7の硬化後の常温でのヤング
率は、1800MPa〜5000MPaの範囲のものが
望ましい。ヤング率が1800MPa未満では、光ファ
イバの接着固定が不充分であり、また、上述した加温に
よる接着剤硬化の影響が小さくあまり意味がない。紫外
線照射時の加温には、ヒータ等を用いて簡単に実施する
ことができ、加温温度は、常温以上であればよいが、3
0℃以上で行なうのが望ましい。また、接着剤のガラス
転移温度以上に加温すると、接着剤が軟化された状態と
なってカプラ素子の位置固定ができず安定しないので、
接着剤のガラス転移温度未満で実施するのが望ましい。
率は、1800MPa〜5000MPaの範囲のものが
望ましい。ヤング率が1800MPa未満では、光ファ
イバの接着固定が不充分であり、また、上述した加温に
よる接着剤硬化の影響が小さくあまり意味がない。紫外
線照射時の加温には、ヒータ等を用いて簡単に実施する
ことができ、加温温度は、常温以上であればよいが、3
0℃以上で行なうのが望ましい。また、接着剤のガラス
転移温度以上に加温すると、接着剤が軟化された状態と
なってカプラ素子の位置固定ができず安定しないので、
接着剤のガラス転移温度未満で実施するのが望ましい。
【0022】次に、本発明の実施例と比較例について説
明する。実装部材5および蓋部材6は、種々の材料で形
成することができるが、熱膨張係数が光ファイバに近い
石英ガラス、セラミックで形成するのがよい。実装部材
5は、石英ガラスにより、光ファイバの収納凹部の溝断
面を0.7×0.7mmで、長さ67mmとした細長の方
形ケースで形成した。また、蓋部材6は、同じく石英ガ
ラスにより、厚さ0.8mm、幅2mm、長さ17mm
の板状に形成した。
明する。実装部材5および蓋部材6は、種々の材料で形
成することができるが、熱膨張係数が光ファイバに近い
石英ガラス、セラミックで形成するのがよい。実装部材
5は、石英ガラスにより、光ファイバの収納凹部の溝断
面を0.7×0.7mmで、長さ67mmとした細長の方
形ケースで形成した。また、蓋部材6は、同じく石英ガ
ラスにより、厚さ0.8mm、幅2mm、長さ17mm
の板状に形成した。
【0023】接着剤7は、実装部材5内で、光カプラと
して機能する融着延伸部3の両側の非延伸部4に塗布し
た。具体的は、実装部材5の両側で塗布長26mm、す
なわち実装部材5の端部から融着延伸部13の股部分ま
で塗布し、接着剤7の塗布量としては、片側で0.01
3cm3とした。接着剤7には、紫外線硬化性のエポキ
シ系樹脂を用い、硬化後の常温ヤング率が、A(100
MPa)、B(1020MPa)、C(1910MP
a)、D(3040MPa)、E(4810MPa)、
F(5910MPa)の6種類のサンプルを用いた。
して機能する融着延伸部3の両側の非延伸部4に塗布し
た。具体的は、実装部材5の両側で塗布長26mm、す
なわち実装部材5の端部から融着延伸部13の股部分ま
で塗布し、接着剤7の塗布量としては、片側で0.01
3cm3とした。接着剤7には、紫外線硬化性のエポキ
シ系樹脂を用い、硬化後の常温ヤング率が、A(100
MPa)、B(1020MPa)、C(1910MP
a)、D(3040MPa)、E(4810MPa)、
F(5910MPa)の6種類のサンプルを用いた。
【0024】接着剤を硬化するため紫外線量は200m
W/cm2で10分間照射した。接着剤7に紫外線を照
射する際に、実装部材5の温度を25℃、45℃、70
℃、150℃にして接着剤を加温した。この後、紫外線
照射から1時間以内に、恒温槽でアニールを行なった。
このアニールでは、光ファイバの保護被覆の耐熱性を考
慮して、120℃位で1時間程度加熱した。
W/cm2で10分間照射した。接着剤7に紫外線を照
射する際に、実装部材5の温度を25℃、45℃、70
℃、150℃にして接着剤を加温した。この後、紫外線
照射から1時間以内に、恒温槽でアニールを行なった。
このアニールでは、光ファイバの保護被覆の耐熱性を考
慮して、120℃位で1時間程度加熱した。
【0025】以上の製造方法で作製した偏波保持光ファ
イバカプラについて、表1および表2に示すように偏波
消光比を測定して評価を行なった。なお、偏波消光比
は、入射側の一つのポートより偏波光を入射し、出射側
のポート(2つのうちの何れか)で、光パワーメータで
光パワーの最大値と最小値の差を測定した。
イバカプラについて、表1および表2に示すように偏波
消光比を測定して評価を行なった。なお、偏波消光比
は、入射側の一つのポートより偏波光を入射し、出射側
のポート(2つのうちの何れか)で、光パワーメータで
光パワーの最大値と最小値の差を測定した。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】以上の測定結果を、グラフで示すと図3の
ようになる。この結果から、接着剤を加温しながら、紫
外線を照射し硬化することにより偏波消光比が良くな
り、また、加温温度が高いほど偏波消光比が良くなる傾
向がある。これは、接着剤中の硬化成分が加温により活
性化し、紫外線を照射した際に硬化度が上がったため、
その後のアニールによる硬化分が減りファイバにかかる
応力が少なくなったためと考えられる。ただ、ヤング率
が比較的小さいサンプルA,Bは、常温(25℃)で紫
外線照射しても、偏波消光比はかなり高いため、加温に
よる効果は少ない。また、ヤング率が小さい場合は、フ
ァイバの固着力が弱く温度変化により固定が緩み変位が
生じるなどして特性変動が生じやすい。
ようになる。この結果から、接着剤を加温しながら、紫
外線を照射し硬化することにより偏波消光比が良くな
り、また、加温温度が高いほど偏波消光比が良くなる傾
向がある。これは、接着剤中の硬化成分が加温により活
性化し、紫外線を照射した際に硬化度が上がったため、
その後のアニールによる硬化分が減りファイバにかかる
応力が少なくなったためと考えられる。ただ、ヤング率
が比較的小さいサンプルA,Bは、常温(25℃)で紫
外線照射しても、偏波消光比はかなり高いため、加温に
よる効果は少ない。また、ヤング率が小さい場合は、フ
ァイバの固着力が弱く温度変化により固定が緩み変位が
生じるなどして特性変動が生じやすい。
【0029】一方、ヤング率が大きいサンプルFでは、
70℃の加温で偏波消光比の向上はあるものの、その値
は合格レベル(18dB以上)に達していない。したが
って、表1、表2の評価結果からは、サンプルC,D,
Eが適切で、加温による偏波消光比の向上も顕著であ
る。すなわち、接着剤の硬化後の常温ヤング率は、18
00MPa〜5000MPa程度のものが好ましい。
70℃の加温で偏波消光比の向上はあるものの、その値
は合格レベル(18dB以上)に達していない。したが
って、表1、表2の評価結果からは、サンプルC,D,
Eが適切で、加温による偏波消光比の向上も顕著であ
る。すなわち、接着剤の硬化後の常温ヤング率は、18
00MPa〜5000MPa程度のものが好ましい。
【0030】また、加温温度を高くするほど偏波消光比
はよくなるが、接着剤の転移温度Tg以上の150℃位
になると、紫外線照射で硬化されたにもかかわらず、非
常に軟らかな状態となり、ファイバを実装部材に接着固
定するという本来の目的を達し得なくなる。したがっ
て、上記の加温温度は、室温(25℃)を超え、好まし
くは30℃以上で接着剤のガラス転移温度未満とするの
が望ましい。
はよくなるが、接着剤の転移温度Tg以上の150℃位
になると、紫外線照射で硬化されたにもかかわらず、非
常に軟らかな状態となり、ファイバを実装部材に接着固
定するという本来の目的を達し得なくなる。したがっ
て、上記の加温温度は、室温(25℃)を超え、好まし
くは30℃以上で接着剤のガラス転移温度未満とするの
が望ましい。
【0031】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、実装部材への固定に比較的ヤング率の大きい
接着剤を用いても、接着剤を加温させながら紫外線照射
で硬化させることにより、偏波消光比の低下を抑制した
偏波保持光ファイバカプラを作製することができる。
によれば、実装部材への固定に比較的ヤング率の大きい
接着剤を用いても、接着剤を加温させながら紫外線照射
で硬化させることにより、偏波消光比の低下を抑制した
偏波保持光ファイバカプラを作製することができる。
【図1】本発明による偏波保持光ファイバカプラの概略
を示す図である。
を示す図である。
【図2】本発明による接着剤の硬化状態を説明する図で
ある。
ある。
【図3】本発明の評価結果をグラフ化した図である。
【図4】従来の光ファイバカプラの製造方法を説明する
図である。
図である。
【図5】一般的な偏波保持光ファイバカプラの概略を説
明する図である。
明する図である。
1…光ファイバ、2…ガラスファイバ部、3…融着延伸
部、4…非延伸部、5…実装部材、6…蓋部材、7…接
着剤、8…恒温槽、11…偏波保持光ファイバ、12…
非延伸部、13…融着延伸部、14…コア部、15…ク
ラッド部、16…応力付与部、17…偏波主軸面。
部、4…非延伸部、5…実装部材、6…蓋部材、7…接
着剤、8…恒温槽、11…偏波保持光ファイバ、12…
非延伸部、13…融着延伸部、14…コア部、15…ク
ラッド部、16…応力付与部、17…偏波主軸面。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 平井 茂
神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電
気工業株式会社横浜製作所内
(72)発明者 池知 麻紀
神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電
気工業株式会社横浜製作所内
(72)発明者 木谷 昌幸
神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電
気工業株式会社横浜製作所内
(72)発明者 中山 実
埼玉県行田市埼玉4125 トヨクニ電線株式
会社埼玉工場内
(72)発明者 島崎 善昭
埼玉県行田市埼玉4125 トヨクニ電線株式
会社埼玉工場内
Claims (3)
- 【請求項1】 1対の偏波保持光ファイバを融着延伸
し、実装部材に接着剤にて接着固定してなる偏波保持光
ファイバカプラであって、前記接着剤に硬化後の常温ヤ
ング率が1800MPa〜5000MPaの紫外線硬化
型樹脂が用いられ、前記接着剤を30℃以上ガラス転移
温度未満で加温しながら紫外線を照射して硬化されてい
ることを特徴とする偏波保持光ファイバカプラ。 - 【請求項2】 前記接着剤は紫外線硬化型エポキシ樹脂
であることを特徴とする請求項1に記載の偏波保持光フ
ァイバカプラ。 - 【請求項3】 1対の偏波保持光ファイバを融着延伸
し、実装部材に接着剤にて接着固定してなる偏波保持光
ファイバカプラの製造方法であって、前記接着剤に硬化
後の常温ヤング率が1800MPa〜5000MPaの
紫外線硬化型樹脂を用い、前記接着剤を30℃以上ガラ
ス転移温度未満で加温しながら紫外線を照射して硬化す
ることを特徴とする偏波保持光ファイバカプラの製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002143638A JP2003337251A (ja) | 2002-05-17 | 2002-05-17 | 偏波保持光ファイバカプラおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002143638A JP2003337251A (ja) | 2002-05-17 | 2002-05-17 | 偏波保持光ファイバカプラおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003337251A true JP2003337251A (ja) | 2003-11-28 |
Family
ID=29703584
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002143638A Pending JP2003337251A (ja) | 2002-05-17 | 2002-05-17 | 偏波保持光ファイバカプラおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003337251A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018225554A1 (ja) * | 2017-06-06 | 2018-12-13 | タツタ電線株式会社 | 光ファイバカプラ |
JP2020021088A (ja) * | 2017-06-06 | 2020-02-06 | タツタ電線株式会社 | 光ファイバカプラ |
-
2002
- 2002-05-17 JP JP2002143638A patent/JP2003337251A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018225554A1 (ja) * | 2017-06-06 | 2018-12-13 | タツタ電線株式会社 | 光ファイバカプラ |
JP2018205569A (ja) * | 2017-06-06 | 2018-12-27 | タツタ電線株式会社 | 光ファイバカプラ |
CN110720066A (zh) * | 2017-06-06 | 2020-01-21 | 拓自达电线株式会社 | 光纤耦合器 |
JP2020021088A (ja) * | 2017-06-06 | 2020-02-06 | タツタ電線株式会社 | 光ファイバカプラ |
US11275216B2 (en) | 2017-06-06 | 2022-03-15 | Tatsuta Electric Wire & Cable Co., Ltd. | Optical fiber coupler |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA2074860C (en) | Method of reinforcing optical fiber coupler | |
JPS63118107A (ja) | 光フアイバ接続用フエル−ル | |
EP0957379A3 (en) | Optical fiber wavelength filter and manufacturing method for the same | |
US5148508A (en) | Optical coupler housing | |
JP7372578B2 (ja) | 光モジュール | |
US5263104A (en) | Optical fiber directional coupler housing | |
JP2003337251A (ja) | 偏波保持光ファイバカプラおよびその製造方法 | |
JPH0534543A (ja) | 導波型光部品 | |
JPH08146245A (ja) | 光ファイバカプラ | |
JP3279438B2 (ja) | 光ファイバと光導波路の結合構造 | |
Arkwright et al. | High-isolation demultiplexing in bend-tuned twin-core fiber | |
Beasley et al. | Evanescent wave fiber optic couplers: three methods | |
JPH0651155A (ja) | 光ファイバと光導波路の接続方法 | |
JPH11211929A (ja) | 光ファイバコネクタおよびその製造方法 | |
JP2002169053A (ja) | 光ファイバ型カプラおよびその製造方法 | |
JP3329951B2 (ja) | 光学素子と接続用光部品の接続構造 | |
JP2975504B2 (ja) | 光ファイバ固定用部材 | |
JPH0426804A (ja) | 光ファイバカプラ | |
JP3430501B2 (ja) | 光導波路デバイスおよびその製造方法 | |
US20230358965A1 (en) | Optical Module | |
JP2957321B2 (ja) | 光ファイバカプラの補強方法 | |
JPH04281407A (ja) | 光ファイバ形カプラの補強構造 | |
JPH0815561A (ja) | 光導波路用ファイバアレイ | |
JPH1010360A (ja) | 光ファイバカプラおよびその製造方法 | |
JP2002107564A (ja) | 光導波路モジュール |