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JP2003321589A - 塩化ビニル系ペースト樹脂 - Google Patents

塩化ビニル系ペースト樹脂

Info

Publication number
JP2003321589A
JP2003321589A JP2002129223A JP2002129223A JP2003321589A JP 2003321589 A JP2003321589 A JP 2003321589A JP 2002129223 A JP2002129223 A JP 2002129223A JP 2002129223 A JP2002129223 A JP 2002129223A JP 2003321589 A JP2003321589 A JP 2003321589A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
parts
vinyl chloride
alkyl group
carbon atoms
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002129223A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuko Shimada
島田和子
Hiroshi Nabekura
弘 鍋倉
Nobuki Toba
信樹 鳥羽
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP2002129223A priority Critical patent/JP2003321589A/ja
Publication of JP2003321589A publication Critical patent/JP2003321589A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ペーストゾルの粘度が低く、かつ発泡セルが微
細で均一な発泡体を与える塩化ビニル系ペースト樹脂、
これを用いたペーストゾルおよび発泡体を提供する。 【解決手段】 塩化ビニル系ペースト樹脂100重量部
に対して、アルキル基の炭素数が奇数のアルキル硫酸ナ
トリウムが0.1〜2重量部、アルキル基の炭素数が偶
数のアルキル硫酸ナトリウムが0〜1重量部、アルキル
基の炭素数が奇数のアルキル硫酸ナトリウムとアルキル
基の炭素数が偶数のアルキル硫酸ナトリウムが合計で
0.6〜3量部含有されている塩化ビニル系ペースト樹
脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩化ビニル系ペー
スト樹脂、これを用いたペーストゾルおよび発泡体に関
する。さらに詳しくは、ペーストゾルの粘度が低く、か
つ発泡セルが微細で均一な発泡体を与える塩化ビニル系
ペースト樹脂、これを用いたペーストゾル組成物および
発泡体に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系ペースト樹脂の主要用途で
ある壁紙、床材クッションフロア、天井材、レザー等の
発泡用途では、塩化ビニル系ペースト樹脂、可塑剤、発
泡剤、発泡促進剤、必要に応じて他の成分を添加してペ
ーストゾル化し、その流動性を利用して賦形し、加熱に
より2倍から20倍程度に発泡させた発泡体が用いられ
る。発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、その発泡
促進剤として亜鉛系化合物が使われることが多い。これ
らの発泡体は、意匠性を高めるため、メカニカルエンボ
ス法、ケミカルエンボス法、ロータリースクリーン法等
により凹凸を加えることが多い。メカニカルエンボス法
では、発泡体に機械的な力を加えて凹凸付けを行う。ケ
ミカルエンボス法では、発泡抑制剤または促進剤を含む
インキで印刷を行い、発泡が抑制または促進されるイン
キ印刷部と非印刷部とで凹凸付けを行う。ロータリース
クリーン法では、発泡剤を含んだペーストゾルを模様状
に原反に転写して、凹凸付けを行う。メカニカルエンボ
ス法、ロータリースクリーン法では、発泡促進剤として
用いられる亜鉛系化合物は、カルボン酸亜鉛、酸化亜
鉛、塩化亜鉛等種々のものが使用される。一方、ケミカ
ルエンボス法においては、抑制作用の容易さから、酸化
亜鉛が使用されることが多い。
【0003】特開平3−239748号公報には、可塑
剤や有機液状媒体中に分散せしめた分散液(プラスチゾ
ルやオルガノゾル)にしたときのペースト粘度が低く、
かつ同ペースト分散液よりは色目が白く、発泡セルが微
細(緻密)で、初期発泡速度(発泡初期の倍率増加)の
速い発泡体を与えることができる塩化ビニル系重合体組
成物、および同重合体分散液を得るために、「(A)塩
化ビニル単独又は塩化ビニルとこれと共重合可能な他の
単量体との混合物を、酸化剤成分として過酸化水素若し
くは有機過酸化物(有機ハイドロパーオキサイドを含
む)を用いた酸化−還元開始剤を使用し、かつ重合用乳
化剤として高級アルコール硫酸エステル(その塩を含
む)を用いて乳化重合又は微細懸濁重合させて得られた
塩化ビニル系重合体に、(B)一般式RO(CH2CH2
O)nH(式中、Rはアルキル基であり、nは重合度)
を表す数である。)で表わされ、かつHLBが10〜1
7のポリオキシエチレンアルキルエーテル(その混合物
を含む)を含有せしめてなる塩化ビニル系重合体組成
物」が提案されている。高級アルコール硫酸エステル塩
(ラウリル硫酸ナトリウム)によって、発泡セルが微細
(緻密)な発泡体が得られるものの、粘度上昇が発生す
るという問題があり、ポリオキシエチレンアルキルエー
テルの添加では、粘度上昇を十分に押さえることは困難
である。
【0004】特開平8−269281号公報には、ペー
スト分散液とした際の粘度が低く、かつ発泡性が良好で
ある塩化ビニル系樹脂組成物を得るために、「塩化ビニ
ル単独または塩化ビニルとこれと共重合可能なモノマー
との混合物を乳化重合または微細懸濁重合して製造され
た塩化ビニル系樹脂に、該塩化ビニル系樹脂100重量
部当たりスルホン酸系乳化剤0.1〜1重量部および数
平均重合度が4〜15でありかつアルキレン基の炭素数
が2〜4であるポリアルキレンオキサイド0.1〜3重
量部を含有せしめる塩化ビニル系樹脂組成物」が提案さ
れている。しかし、発泡促進剤として酸化亜鉛を用いた
場合には、ポリアルキレンオキサイドによるペーストゾ
ルの低粘度化は認められるものの、スルホン酸系乳化剤
によっては発泡セルが微細で均一な発泡体は得られ難
い。
【0005】特開2000−336200号公報には、
無機充填剤を多量に含む配合であっても、発泡倍率が大
きく、表面が平滑で、セルが緻密で均一な発泡体を得る
ために、「アルキルアリールスルホン酸塩を含有する塩
化ビニル系樹脂100重量部、可塑剤30〜120重量
部、熱分解型発泡剤0.1〜10重量部、無機充填剤8
0〜220重量部およびエチレングリコール、プロピレ
ングリコールまたはそれらの誘導体0.01〜10重量
部を含有してなる発泡用塩化ビニル系プラスチゾル組成
物」が提案されている。しかし、発泡促進剤として酸化
亜鉛を用いた場合には、エチレングリコール、プロピレ
ングリコールまたはそれらの誘導体による低粘度化は認
められるものの、アルキルアリールスルホン酸塩によっ
ては発泡セルが微細で均一な発泡体は得られ難い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解決するもので、ペーストゾルの粘度が低く、
かつ発泡セルが微細で均一な発泡体を与える塩化ビニル
系ペースト樹脂、これを用いたペーストゾルおよび発泡
体を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく、アルキル基の炭素数が奇数のアルキル硫
酸ナトリウムを特定量含有させることで、ペーストゾル
の粘度が低く、かつ発泡セルが微細で均一な発泡体を与
える塩化ビニル系ペースト樹脂、これを用いたペースト
ゾルおよび発泡体が得られることを見い出し、鋭意検討
の結果、本発明を完成したものである。
【0008】すなわち、本発明は、(1)塩化ビニル系
ペースト樹脂100重量部に対して、アルキル基の炭素
数が奇数のアルキル硫酸ナトリウムが0.1〜2重量
部、アルキル基の炭素数が偶数のアルキル硫酸ナトリウ
ムが0〜1重量部、アルキル基の炭素数が奇数のアルキ
ル硫酸ナトリウムとアルキル基の炭素数が偶数のアルキ
ル硫酸ナトリウムが合計で0.6〜3量部含有されてい
る塩化ビニル系ペースト樹脂、(2)塩化ビニル系ペー
スト樹脂100重量部に対して、アルキル基の炭素数が
奇数のアルキル硫酸ナトリウムが0.6〜2重量部含有
されている請求項1に記載の塩化ビニル系ペースト樹
脂、(3)塩化ビニル系ペースト樹脂100重量部に対
して、アルキル基の炭素数が奇数のアルキル硫酸ナトリ
ウムが0.6〜2重量部含有されている塩化ビニル系ペ
ースト樹脂、(4)アルキル基の炭素数が奇数のアルキ
ル硫酸ナトリウムのアルキル基の炭素数が5、7、9、
11、13、15、17、19、21よりなる群から選
ばれた少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか1
項に記載の塩化ビニル系ペースト樹脂、(5)アルキル
基の炭素数が奇数のアルキル硫酸ナトリウムのアルキル
基の炭素数が9、11、13、15、17よりなる群か
ら選ばれた少なくとも1種である請求項1〜3のいずれ
か1項に記載の塩化ビニル系ペースト樹脂、(6)アル
キル基の炭素数が奇数のアルキル硫酸ナトリウムのアル
キル基の炭素数が5、7、9、11、13、15、1
7、19、21よりなる群から選ばれた少なくとも2種
である請求項1〜3のいずれか1項に記載の塩化ビニル
系ペースト樹脂、(7)アルキル基の炭素数が奇数のア
ルキル硫酸ナトリウムのアルキル基の炭素数が9、1
1、13、15、17よりなる群から選ばれた少なくと
も2種である請求項1〜3のいずれか1項に記載の塩化
ビニル系ペースト樹脂、(8)請求項1〜7のいずれか
1項に記載の塩化ビニル系ペースト樹脂を用いたペース
トゾル、(9)請求項1〜7のいずれか1項に記載の塩
化ビニル系ペースト樹脂を用いた発泡体、(10)請求
項1〜7のいずれか1項に記載の塩化ビニル系ペースト
樹脂と塩化ビニル系ブレンド樹脂の合計量100重量
部、可塑剤30〜100重量部、アゾジカルボンアミド
1〜8重量部、および亜鉛系化合物0.2〜10重量部
を含んでなる発泡体、および(11)請求項1〜7のい
ずれか1項に記載の塩化ビニル系ペースト樹脂と塩化ビ
ニル系ブレンド樹脂の合計量100重量部、可塑剤30
〜100重量部、アゾジカルボンアミド1〜8重量部、
および酸化亜鉛0.2〜5重量部を含んでなる発泡体、
を内容とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明のペースト加工に適した塩化ビニル
系ペースト樹脂は、塩化ビニル単量体単独、または塩
化ビニル単量体とこれと共重合可能な単量体の混合物
(これらをあわせて塩化ビニル系単量体という)を水性
媒体中で、乳化剤、更に油溶性重合開始剤を添加して均
質化した後、微細懸濁重合する。必要に応じて高級アル
コール、高級脂肪酸等の分散助剤を用いても良い。前
記塩化ビニル系単量体を水性媒体中で、乳化剤、更に水
溶性開始剤を添加して乳化重合やシ−ド乳化重合する。
必要に応じて高級アルコール、高級脂肪酸等の分散助剤
を用いても良い。塩化ビニル系ペースト樹脂の重合にお
いて、用いた塩化ビニル系単量体は、一般に80〜98
重量%が塩化ビニル系ペースト樹脂となり、残りの未反
応の単量体は除去する。ついで、重合後の塩化ビニル系
ペースト樹脂のラテックス(水性均質分散液)を噴霧乾
燥する等して得られる。前記およびの重合で得られ
たラテックスを混合して、噴霧乾燥してもよい。一般に
粒子径分布を多分散分布とした場合、ペーストゾルの粘
度が低くなる傾向にあり、微細懸濁重合、乳化重合、シ
ード乳化重合で得られたラテックスを混合する場合もあ
る。必要に応じて、噴霧乾燥後の樹脂を粉砕しても良
い。乾燥の際、一般に脱水、ろ過等を行わないため、乳
化剤等の原料は、樹脂中に残留する。塩化ビニル系ペー
スト樹脂は、基本粒子径が一般に0.001〜10m
で、汎用塩化ビニル系樹脂よりも粒子径が細かいため、
可塑剤への分散性が良好で、ペースト加工に適してい
る。
【0011】塩化ビニルと共重合可能な単量体の例とし
ては、例えばエチレン、プロピレン、ブテン等のオレフ
ィン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン
酸ビニル等のカルボン酸のビニルエステル類、メチルビ
ニルエーテル、エチルビニルエーテル、オクチルビニル
エーテル、ラウリルビニルエーテル等のアルキル基を有
するビニルエーテル類、塩化ビニリデン等のハロゲン化
ビニリデン類、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、
マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イタコ
ン酸等の不飽和カルボン酸およびその酸無水物、アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、マレイン酸モノメチ
ル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ブチルベンジル等
の不飽和カルボン酸エステル類、スチレン、αーメチル
スチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル化合物、
アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類、更にはジアリ
ルフタレート等の架橋性モノマー等が挙げられる。これ
らは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用い
てもよい。該塩化ビニルと共重合可能な単量体は、塩化
ビニル単量体に対して、50重量%以下の範囲で使用す
るのが好ましい。50重量%を越えて使用すると、重合
が不安定となり、更には得られた塩化ビニル系ペースト
樹脂の可塑剤への分散性が低下し、ペースト加工性が不
良となる傾向がある。
【0012】本発明の塩化ビニル系ペースト樹脂は、塩
化ビニル系ペースト樹脂100重量部に対して、アルキ
ル基の炭素数が奇数のアルキル硫酸ナトリウムが0.1
〜2重量部、アルキル基の炭素数が偶数のアルキル硫酸
ナトリウムが0〜1重量部、アルキル基の炭素数が奇数
のアルキル硫酸ナトリウムとアルキル基の炭素数が偶数
のアルキル硫酸ナトリウムが合計で0.6〜3量部含有
されている。アルキル基の炭素数が偶数のアルキル硫酸
ナトリウムの含有量は0を含む。
【0013】アルキル基の炭素数が奇数のアルキル硫酸
ナトリウムおよび偶数のアルキル硫酸ナトリウムと共
に、重合および重合ラテックスの機械的安定化、また塩
化ビニル系ペースト樹脂によるプラスチゾルの低粘度化
などの目的で、他のアニオン系乳化剤、ノニオン系乳化
剤、ポリエチレングリコールおよびその誘導体、ポリプ
ロピレングリーコルおよびその誘導体などを使用しても
よい。なお、これらは塩化ビニル系ペースト樹脂の重合
前の水性媒体中に添加してもよく、重合中に連続添加し
てもよく、重合後のラテックスに添加してもよい。必要
に応じて、これらを組み合わせてもよい。
【0014】他のアニオン系乳化剤としては、カルボン
酸、アルキルスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン
酸、スルホコハク酸、αーオレフィンスルホン酸、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル硫酸、ポリオキシエチ
レンアルキルアリルエーテル硫酸、アルキルリン酸、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、ポリオキシ
エチレンアルキルアリルエーテルリン酸のアルカリ金属
塩(ナトリウム塩、カリウム塩など)あるいはアンモニ
ウム塩が必要に応じて用いられる。これらは単独で用い
てもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0015】これらの他のアニオン系乳化剤は、塩化ビ
ニル系ペースト樹脂100重量部に対して、1重量部以
下の範囲で使用される。他のアニオン系乳化剤の含有量
は0を含む。1重量部を超えて使用しても、重合および
重合ラテックスの機械的安定化等への効果は増加せず、
実用的ではない。ノニオン系乳化剤としては、例えばポ
リオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアル
ケニルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、グリセリ
ン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレ
ン脂肪酸エステル、シリコン系乳化剤、などがあげられ
る。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わ
せて用いてもよい。ノニオン系乳化剤、ポリエチレング
リコールおよびその誘導体、ポリプロピレングリーコル
およびその誘導体の添加量に特に制限は無いが、塩化ビ
ニル系ペースト樹脂100重量部に対して、その合計量
が3重量部以下の範囲で使用される。3重量部を超えて
使用した場合、乳化剤のブリードが起こり易くなるた
め、好ましくない。
【0016】本発明においては、前記乳化剤と共に、重
合および重合ラテックスの安定化のために、分散助剤を
使用してもよい。分散助剤の具体例としては、たとえば
ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルア
ルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール
類、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸等の高級脂肪酸類などが挙げられる。これらは単
独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
【0017】微細懸濁重合に用いる油溶性開始剤として
は、たとえばジラウロイルパーオキサイド、ジ−3、
5、5、トリメチルヘキサノイルパーオキサイド等のジ
アシルパーオキサイド類、ジイソプロピルパーオキシジ
カーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカ
ーボネート等のパーオキシジカーボネート類、t−ブチ
ルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデ
カノエート等のパーオキシエステル類等の有機過酸化物
系開始剤および2、2’−アゾビスイソブチロニトリ
ル、2、2’−アゾビス(2、4−ジメチルバレロニト
リル)、2、2’−アゾビス(4−メトキシ−2、4−
ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系開始剤などがあげ
られる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み
合わせて用いてもよい。
【0018】乳化重合およびシード乳化重合に用いる水
溶性開始剤としては、たとえば過硫酸アンモニウム、過
硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過酸化水素等などが
挙げられ、必要に応じて亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナ
トリウム、ナトリウム・ホルムアルデヒド・スルホキシ
レート(ロンガリット)、アスコルビン酸、アスコルビ
ン酸ナトリウム等の還元剤が併用される。これらは単独
で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
【0019】本発明の塩化ビニル系ペースト樹脂は、塩
化ビニル系ペースト樹脂100重量部に対して、アルキ
ル基の炭素数が奇数のアルキル硫酸ナトリウムを0.1
〜2重量部、アルキル基の炭素数が偶数のアルキル硫酸
ナトリウムを0〜1重量部、アルキル基の炭素数が奇数
のアルキル硫酸ナトリウムとアルキル基の炭素数が偶数
のアルキル硫酸ナトリウムを合計で0.6〜3量部使用
し、必要に応じて他の乳化剤、分散助剤等を使用して、
油溶性開始剤を添加して微細懸濁重合、水溶性開始剤を
添加して乳化重合、シード乳化重合などさせることによ
り製造される。アルキル基の炭素数が偶数のアルキル硫
酸ナトリウムの含有量は0を含む。
【0020】ペーストゾルの流動性改良等の目的のた
め、塩化ビニル系ブレンド樹脂を併用して用いることも
できる。塩化ビニル系ブレンド樹脂は、粒子径が一般に
10〜100mの範囲で、塩化ビニル系ペースト樹脂に
対して、一般に50重量%以下の範囲で使用される。塩
化ビニル系ブレンド樹脂を50重量%を越えて使用する
と、可塑剤への分散性が低下し、ペースト加工性が不良
となる傾向がある。該塩化ビニル系ブレンド樹脂は、例
えば、塩化ビニル単量体単独、または塩化ビニル単量体
とこれと共重合可能な単量体の混合物を高分子系懸濁安
定剤等を含む水性媒体中で、油溶性重合開始剤を加えて
懸濁重合を行い、重合後のスラリーを遠心脱水機等で脱
水し、更に気流乾燥、流動乾燥する等により得られる。
塩化ビニル単量体と共重合可能な単量体としては、前記
塩化ビニル系ペースト樹脂と同様のものが、塩化ビニル
単量体に対して、50重量%以下の範囲で使用される。
【0021】こうして得られた本発明の塩化ビニル系ペ
ースト樹脂は、壁紙、天井材、床材クッションフロア等
の住宅内装用途、および塩ビレザー等の発泡用途に好適
である。発泡用途では、塩化ビニル系ペースト樹脂に、
可塑剤、発泡剤、発泡促進剤を添加し、必要に応じて安
定剤およびその他の成分を添加してペーストゾル化し、
その流動性を利用して賦形し、加熱により2倍から20
倍程度に発泡させる。これらの発泡体は、意匠性を高め
るため、メカニカルエンボス法、ケミカルエンボス法、
ロータリースクリーン法等により凹凸を加えることが多
い。ケミカルエンボス法による壁紙および天井材は、コ
ーティング法、カレンダー法等により原反を作製する。
コーティング法では、ペーストゾルを裏打材上にドクタ
ーコータ、ロールコータおよびリップコーター等で塗工
し、熱風循環炉、遠赤外炉等の加熱炉により、一般に1
00℃〜180℃で加熱ゲル化させて原反を作製する。
カレンダー法は、カレンダーロールで製造した塩ビ系シ
ートと裏打材とを熱接着する。これらの中では、コーテ
ィング法が用いられることが多い。裏打材としては、難
燃紙、普通紙、織布、不織布、網布およびガラスバッカ
ー等が用いられる。得られた原反は、ロール面に設けた
凹部にインキを付け原反に転写するグラビア方式、ロー
ル面に設けた凸部にインキを付け原反に転写するフレキ
ソ方式等により、印刷される。これらの印刷に用いるイ
ンキは、一般に発泡抑制剤を含有し、必要に応じて顔料
および塗料等が含まれている。発泡抑制剤と原反に含ま
れる発泡促進剤とでキレート化合物が生成し、発泡促進
剤の機能が抑制される。必要に応じて、発泡抑制剤を含
有しないインキを組み合わせて使用してもよい。
【0022】印刷を施した原反を熱風循環炉や遠赤外炉
等の加熱炉により一般に180℃〜280℃で加熱して
発泡させる。この際、発泡抑制剤を含有したインキが印
刷されていない部分では、発泡促進剤により発泡が促進
されるのに対し、発泡抑制剤を含有したインキが印刷さ
れている部分では、発泡促進剤の機能が抑制されている
ため、印刷模様に同調した凹凸模様が形成される。印刷
工程で、発泡促進剤を含有したインキを使用しても良
く、この場合は、インキが印刷されている部分で発泡が
促進され、凹凸模様が形成される。
【0023】塩化ビニル系ペースト樹脂の発泡では、原
反を加熱して発泡させるときの温度が発泡セルの緻密さ
に大きな影響を与える。180℃よりも低い温度では発
泡速度が遅すぎるために不適である。280℃を越える
温度では発泡体のセル荒れ、および発泡セルの崩壊によ
る発泡倍率の低下が起きやすい。発泡温度を低くした場
合、発泡セルが微細で均一な発泡体が得られ易くなる
が、発泡時間を延長する必要があるため、生産時のコス
トアップとなる。高温短時間発泡とした場合でも、発泡
セルが微細で均一な発泡体が得れらることが望ましい。
発泡速度、発泡セル特性のバランスから、発泡温度を2
00〜250℃とするのが好ましい。こうして作製され
た発泡体は、必要に応じて他のシートをラミネートして
もよい。ラミネートにより、汚れ防止、吸湿防止、表面
強化等の機能が付加される。これらの工程は必要に応じ
て様々に選択され、様々な順序で組み合わせられる。
【0024】メカニカルエンボス法による壁紙および天
井材では、ケミカルエンボス法同様の方法で原反を作製
する。得られた原反は、必要に応じて印刷を行い、熱風
循環炉や遠赤外炉等の加熱炉により一般に180℃〜2
80℃で加熱して発泡させる。
【0025】得られた発泡体は、凹凸を付けたロールを
押し付けて、機械的に凹凸模様付けを行う。発泡後直ち
にインラインでエンボスする場合、および発泡後一旦巻
き取り、別工程で、発泡体を再加熱によって軟化させた
後に、エンボスする場合などがある。あるいは、発泡前
の原反に予め、凹凸を付けたロールを押し付けて、機械
的に凹凸模様を付けた後に、発泡させても良い。こうし
て作製された発泡体は、必要に応じて他のシートをラミ
ネートしてもよい。これらの工程は必要に応じて様々に
選択され、様々な順序で組み合わせられる。
【0026】ロータリースクリーン法による壁紙および
天井材では、ペーストゾルをスクリーン内部に装着され
たスケージの作用で、スクリーンメッシュを通して押し
出し、種々の塗工厚みで基材状に印刷した後、熱風循環
炉、遠赤外炉等の加熱炉により、一般に100℃〜18
0℃で加熱ゲル化させて原反を作製する。印刷ラインを
組み合わせて、多色印刷を行う場合もある。
【0027】発泡工程では、印刷を施した原反を熱風循
環炉や遠赤外炉等の加熱炉により一般に180℃〜28
0℃で加熱して発泡させる。この際、ロータリースクリ
ーン印刷に同調した凹凸模様が形成される。
【0028】こうして作製された発泡体は、必要に応じ
て他のシートをラミネートしてもよい。これらの工程は
必要に応じて様々に選択され、様々な順序で組み合わせ
られる。
【0029】壁紙および天井材は、ケミカルエンボス
法、メカニカルエンボス法、ロータリースクリーン法の
いずれで作製してもよく、更にはこれらを組み合わせて
作製してもよい。
【0030】床材クッションフロアでは、壁紙および天
井材よりも強度が必要とされるため、発泡層の上に、非
発泡のトップ層が塗工される。
【0031】ケミカルエンボス法による床材では、壁紙
および床材と同様の方法で原反を作製する。得られた原
反は、発泡抑制剤を含有したインキを用いて印刷を行
う。必要に応じて、発泡抑制剤を含有しないインキある
いは、発泡促進剤を含有したインキを組み合わせて用い
てもよい。
【0032】印刷を施した原反は、更にその上に、トッ
プ層用のペーストゾルを塗工する。熱風循環炉や遠赤外
炉等の加熱炉により一般に180℃〜280℃で加熱
し、発泡層を発泡させると同時に、トップ層をゲル化さ
せる。この際、発泡抑制剤を含有したインキが印刷され
ていない部分では、発泡促進剤により発泡が促進される
のに対し、発泡抑制剤を含有したインキが印刷されてい
る部分では、発泡促進剤の機能が抑制されているため、
印刷模様に同調した凹凸模様が形成される。印刷工程
で、発泡促進剤を含有したインキを使用した場合は、イ
ンキが印刷されている部分で発泡が促進され、凹凸模様
が形成される。
【0033】トップ層の上に、必要に応じて他のシート
をラミネートしてもよい。これらの工程は必要に応じて
様々に選択され、様々な順序で組み合わせられる。メカ
ニカルエンボス法、あるいはロータリースクリーン法に
よる床材でも同様に、発泡前の原反にトップ層を塗工
し、発泡層を発泡させると同時に、トップ層をゲル化さ
せることで得られる。
【0034】床材は、ケミカルエンボス法、メカニカル
エンボス法、ロータリースクリーン法のいずれで作製し
てもよく、更にはこれらを組み合わせて作製しても良
い。
【0035】塩ビレザーは、塩化ビニル層単独、あるい
は必要に応じて織布、編布、不織布、および紙等の基布
に塩化ビニル層を付着して一体化したもので、車や電車
のシート等の内装用途、椅子、ソファー等の家具用途、
ジャンパー等の衣料用途、履物用途、および鞄用途等に
用いられる。塩ビレザーは、ペーストゾルを基布に直接
塗工してゲル化させる方法、離型紙に塗工して加熱ゲル
化させ、離形紙から剥離させる方法、あるいは基布と接
着させた後に離型紙と剥離させる方法等で作製される。
塩ビレザーも、必要に応じて壁紙、床材等で用いられる
印刷方法、発泡方法、エンボス方法、およびラミネート
方法が用いられる。
【0036】これらの塩化ビニル系ペースト樹脂の発泡
用途では、可塑剤、発泡剤、発泡促進剤を含有する。必
要に応じて、安定剤、充填剤、補強剤、希釈剤、減粘
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤、
滑剤、顔料、塗料、表面処理剤、チキソトロープ剤、接
着性付与剤、防カビ剤、セル調整剤等を使用しても良
い。ケミカルエンボス法では、発泡抑制剤を含有したイ
ンキを使用する。
【0037】上記の可塑剤、発泡剤、発泡促進剤の好ま
しい添加量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し
て、可塑剤30〜100重量部、発泡剤1〜8重量部、
および亜鉛系化合物0.2〜10重量部である。
【0038】塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、
可塑剤は30〜100重量部用いる。可塑剤が30重量
部よりも少ない場合は、ペーストゾルの粘度が高くな
り、また100重量部を超える場合は、可塑剤のブリー
ドが起こり易くなるため、好ましくない。塩化ビニル系
樹脂100重量部に対して、可塑剤の量は、40〜75
重量部であれば好ましい。
【0039】可塑剤について特に制限は無いが、1次可
塑剤としては、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジ
ノルマルオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ
イソノニルフタレート、ブチルベンジルフタレート等の
フタル酸エステル系可塑剤、トリクレジルホスフェー
ト、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート等のリン酸
エステル系可塑剤、ジ−2−エチルヘキシルアジペート
等のアジピン酸エステル系可塑剤、ジ−2−エチルヘキ
シルセバケート等のセバシン酸エステル系可塑剤、ジ−
2−エチルヘキシルアゼレート等のアゼライン酸エステ
ル系可塑剤、トリ−2−エチルヘキシルトリメリテート
等のトリメリット酸エステル系可塑剤、ジ−2−エチル
ヘキシルベンゾエート、ジエチレングリコールジベンゾ
エート、2、2、4ートリメチルー1、3ーペンタンジ
オールイソブチレートベンゾエート等の安息香酸エステ
ル系可塑剤、アセチルトリブチルシトレート等のクエン
酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤等が挙げら
れる。また、グリコール酸エステル系可塑剤、塩素化パ
ラフィン系可塑剤、塩素化脂肪酸エステル系可塑剤、エ
ポキシ系可塑剤、テキサノールイソブチレート等の2次
可塑剤を併用してもよい。これらはこれらは単独で用い
てもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0040】塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、
発泡剤は1〜8重量部用いる。発泡剤が1重量部よりも
少ない場合は、発泡倍率が十分に上がらず、また8重量
部を超える場合は、発泡体のセル荒れが生じ易くなるた
め、好ましくない。塩化ビニル系樹脂100重量部に対
して、発泡剤の量は、1〜6重量部であれば好ましい。
【0041】発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、
アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾアミノベンゼン等
のアゾ系、P、P’−オキシビス(ベンゼンスルホニル
ヒドラジド)、P−トルエンスルホニルヒドラジド、ベ
ンゼンスルホニルヒドラジド等のヒドラジド系、N、
N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N、N’
−ジニトロソ−N、N’−ジメチルテレフタルアミド等
のニトロソ系、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、
重炭酸アンモニウム等の炭酸系等が用いられる。これら
は単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いても
よい。
【0042】これらの中では、アゾジカルボンアミド、
4、4'−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジ
ド)、N、N'−ジニトロソペンタメチレンテトラミン
等が好ましい。アゾジカルボンアミドは、毒性が少な
い、不燃性、自己消火性、水との接触で安定、分解熱量
が少なく焦げを生じ難いおよび発泡促進剤との組み合わ
せで分解温度が広範囲に調節可能という点で、特に好ま
しい。
【0043】塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、
発泡促進剤は0.2〜10重量部用いる。発泡促進剤が
0.2重量部よりも少ない場合は、発泡速度が遅く、ま
た10重量部を超える場合は、発泡体のセル荒れが生じ
易くなるため、好ましくない。塩化ビニル系樹脂100
重量部に対して、発泡促進剤の量は、0.5〜6重量部
であれば好ましい。
【0044】発泡促進剤としては、亜鉛系化合物、鉛系
化合物、カドミウム系化合物が挙げられるが、毒性が少
ない点で亜鉛系化合物が好ましい。
【0045】亜鉛系化合物としては、酸化亜鉛(亜鉛
華)、塩化亜鉛、カルボン酸亜鉛等が用いられる。カル
ボン酸亜鉛の具体例としては、例えばカプロン酸亜鉛、
エナント酸亜鉛、カプリル酸亜鉛、2−エチルヘキサン
酸亜鉛、ペルラゴン酸亜鉛、カプリン酸亜鉛、ウンデシ
ル酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、トリデシル酸亜鉛、ミリス
チン酸亜鉛、ペンタデシル酸亜鉛、パルミチン酸亜鉛、
ヘプタデシル酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ノナデカン酸
亜鉛、アラキン酸亜鉛等の炭素数6〜30の飽和脂肪酸
亜鉛、またウンデシレン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、エラ
イジン酸亜鉛、リノール酸亜鉛、リノレン酸亜鉛、ステ
アロール酸亜鉛等の炭素数6〜30の不飽和脂肪酸亜
鉛、またリシノール酸亜鉛、ヒドロキシラウリン酸亜
鉛、ジヒドロキシラウリン酸亜鉛、ヒドロキシステアリ
ン酸亜鉛、ジヒドロキシステアリン酸亜鉛等の置換基を
持った炭素数6〜30の脂肪酸亜鉛、アジピン酸亜鉛、
ピメリン酸亜鉛、スベリン酸亜鉛、アゼライン酸亜鉛、
セバシン酸亜鉛、マレイン酸亜鉛等の炭素数6〜30の
ジカルボン酸亜鉛、また、安息香酸亜鉛、サリチル酸亜
鉛、フタル酸亜鉛、トルイル酸亜鉛、フェニル酢酸亜
鉛、フェニルプロピオン酸亜鉛、フェニルラウリン酸亜
鉛等の芳香族カルボン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛等が挙げ
られる。
【0046】一般にこれらのカルボン酸亜鉛は、上記カ
ルボン酸のバリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム
塩、カリウム塩、ナトリウム塩、リチウム塩との複合安
定剤として市販されている。これらの複合安定剤の中に
は、トリフェニルホスファイト、トリイソデシルホスフ
ァイト、トリ−2−エチルヘキシルホスファイト、トリ
ノニルフェニルホスファイト等のホスファイト系化合
物、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ
樹脂等のエポキシ系化合物、ペンタエリスリトール、ソ
ルビトール等のポリオール系化合物、有機スズメルカプ
タイド、有機スズマレート、有機スズラウレート等のス
ズ系化合物、石油系炭化水素、合成イソパラフィン系炭
化水素、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素等の希釈剤、
トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イソプ
ロパノール等の溶剤が含まれている場合もある。これら
は単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いても
よい。また、上記安定剤、希釈剤、溶剤等は、亜鉛系化
合物に加えて、ゾル作製時に添加しても良い。
【0047】ケミカルエンボス法で用いる発泡抑制剤と
しては、無水トリメリット酸、無水フタル酸等の有機酸
無水物、ベンゾトリアゾール、チオール−S−トリアジ
ン等の環状アミン化合物等が用いられる。ケミカルエン
ボス法においては、酸化亜鉛が、シャープな凹凸模様を
与える点で好ましい。酸化亜鉛は、塩化ビニル系ペース
ト樹脂100重量部に対して、0.2〜5重量部使用す
るのが好ましい。酸化亜鉛が0.2重量部よりも少ない
場合は、発泡速度が遅く、また5重量部を超える場合
は、発泡体のセル荒れが生じ易くなるため、好ましくな
い。塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、酸化亜鉛
の量は、0.5〜3重量部であれば好ましい。
【0048】メカニカルエンボス法、ロータリースクリ
ーン法では、酸化亜鉛、塩化亜鉛、カルボン酸亜鉛のい
ずれも好適に使用される。
【0049】顔料および塗料としては、酸化チタン等の
白色系、カーボンブラック、鉄黒、アニリンブラック等
の黒色系、チタンエロー、黄色酸化鉄、ベンジジンエロ
ー、ハンザエロー、クロモフタルエロー、オイルエロー
等の黄色系、ブロンズオレンジ、ジニトロアニリンオレ
ンジ、ベンジジンオレンジ、ピラゾロンオレンジ等の橙
色系、ベンガラ(酸化鉄赤)、ピラゾロンレッド、オイ
ルレッド、パーマネントレッド等の赤色系、コバルトバ
イオレット、ミネラルバイオレット等の紫色系、群青、
紺青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー等の青
系、フタロシアニングリーン等の緑系が使用される。こ
れらは単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用い
てもよい。
【0050】また、充填剤として、炭酸カルシウム、炭
酸リチウム、ケイ酸カルシウム、クレー、タルク、シリ
カ等が使用される。これらは単独で用いてもよく、2種
以上組み合わせて用いてもよい。
【0051】補強剤、減粘剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、難燃剤、帯電防止剤、滑剤、表面処理剤、チキソト
ロープ剤、接着性付与剤、防カビ剤、セル調整剤等も種
々のものが使用される。これらは単独で用いてもよく、
2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0052】ケミカルエンボス法に好適な酸化亜鉛を用
いた場合、発泡セルが微細で均一な発泡体を得るために
は、乳化剤として、アルキル硫酸のアルカリ金属塩(ナ
トリウム塩、カリウム塩など)特にアルキル硫酸ナトリ
ウムが好ましい。
【0053】これまで使用されてきたアルキル基の炭素
数が偶数のアルキル硫酸ナトリウムは、発泡セルが微細
で均一な発泡体を与えるものの、ペーストゾルの粘度を
上昇させるという問題があった。前記、特開平3−23
9748号公報でも、アルキル基の炭素数が12のラウ
リル硫酸ナトリウムを使用する方法が提案されている。
【0054】アルキル基の炭素数が偶数のアルキル硫酸
ナトリウムは、偶数の単一炭素数のアルキル硫酸ナトリ
ウムを単独で使用してもよいが、調整が容易で、単一炭
素数のものよりも安価であることから、2種以上のアル
キル基の炭素数が奇数のアルキル硫酸ナトリウム混合物
を使用することが多い。種々の炭素数のアルキル硫酸ナ
トリウムの混合物が市販されている。
【0055】アルキル基の炭素数が偶数のアルキル硫酸
ナトリウムは、一般にアルキル基の炭素数が多いほど、
ペーストゾルの粘度が高くなり、一方で発泡セルが微細
で均一な発泡体が得られる傾向にある。炭素数10以下
では、粘度上昇は引き起こさないものの、発泡性改良効
果も少なくなり、炭素数14以上では発泡性は良好とな
るものの、粘度上昇への影響が無視できなくなり、更に
炭素数16以上では、粘度上昇への影響が著しくなる。
【0056】アルキル基の炭素数が偶数のアルキル硫酸
ナトリウムの含有量は、塩化ビニル系ペースト樹脂10
0重量部に対して0〜1重量部とする。含有量は0を含
む。1重量部を超えて使用すると、ペーストゾルの粘度
が高くなる。
【0057】アルキル基の炭素数が奇数のアルキル硫酸
ナトリウムは、奇数の単一炭素数のアルキル硫酸ナトリ
ウムを単独で使用してもよいが、調製が容易であること
から2種以上のアルキル基の炭素数が奇数のアルキル硫
酸ナトリウム混合物を使用することが多い。種々の炭素
数のアルキル硫酸ナトリウムの混合物が市販されてい
る。
【0058】奇数のアルキル基の炭素数は、具体的には
5、7、9、11、13、15、17、19、21が好
ましく、更に9、11、13、15、17が特に好まし
く使用される。アルキル基の炭素数が奇数のアルキル硫
酸ナトリウムは、アルキル基の炭素数が偶数のアルキル
硫酸ナトリウムよりもペーストゾルの粘度への影響が少
ない。例えば、炭素数14および16のアルキル硫酸ナ
トリウムは、粘度上昇を起こすが、炭素数15のアルキ
ル硫酸ナトリウムは粘度上昇を起こし難い。
【0059】更に、2種以上のアルキル基の炭素数が奇
数のアルキル硫酸ナトリウム混合物の使用例として、ア
ルキル基の炭素数が奇数のアルキル硫酸ナトリウムは、
アルキル基の炭素数11、13、15の合計が55%以
上、9と17の合計が40%以下、7以下と19以上の
合計を5%以下のもとするのが好ましく使用される。
【0060】塩化ビニル系ペースト樹脂100重量部に
対して、アルキル基の炭素数が奇数のアルキル硫酸ナト
リウムを0.1〜2重量部、アルキル基の炭素数が偶数
のアルキル硫酸ナトリウムを0〜1重量部、アルキル基
の炭素数が奇数のアルキル硫酸ナトリウムとアルキル基
の炭素数が偶数のアルキル硫酸ナトリウムを合計で0.
6〜3量部含有させる。アルキル基の炭素数が偶数のア
ルキル硫酸ナトリウムを併用しない場合は、塩化ビニル
系ペースト樹脂100重量部に対して、アルキル基の炭
素数が奇数のアルキル硫酸ナトリウムを0.6〜2重量
部を含有させる必要がある。アルキル基の炭素数が偶数
のアルキル硫酸ナトリウムの含有量は0を含む。
【0061】アルキル基の炭素数が奇数のアルキル硫酸
ナトリウムが0.1重量部以下の場合には、粘度上昇の
防止、発泡性の改良は認められない。アルキル基の炭素
数が奇数のアルキル硫酸ナトリウムとアルキル基の炭素
数が偶数のアルキル硫酸ナトリウムの合計量が0.6重
量部以下の場合には、発泡セルが微細で均一な発泡体を
得ることは困難である。特に発泡セルが微細で均一な発
泡体を得るためには、これらの合計量が1重量部以上で
あることが好ましい。これらの合計量が3重量部を超え
る場合、乳化剤のブリードが起こり易くなるため、好ま
しくない。乳化剤のブリード防止のためには、2重量部
以下とするのが好ましい。
【0062】アルキル基の炭素数が奇数および偶数のア
ルキル硫酸ナトリウムは、塩化ビニル系ペースト樹脂の
重合前に水生媒体中に添加してもよいし、重合中に連続
添加してもよいし、重合後のラテックスに添加してもよ
い。必要に応じて、これらを組み合わせてもよい。
【0063】例えば、塩化ビニル系ペースト樹脂の重合
前の水性媒体中、およびまたは重合中にアルキル基の炭
素数が偶数のアルキル硫酸ナトリウムを添加し、重合後
のラテックスにアルキル基の炭素数が奇数のアルキル硫
酸ナトリウム添加してもよい。あるいは、塩化ビニル系
ペースト樹脂の重合前の水性媒体中、およびまたは重合
中にアルキル基の炭素数が奇数のアルキル硫酸ナトリウ
ムを添加し、重合後のラテックスにアルキル基の炭素数
が偶数のアルキル硫酸ナトリウム添加してもよい。ある
いは、これらを組み合わせてもよい。
【0064】本発明のアルキル基の炭素数が奇数のアル
キル硫酸ナトリウムが特定量含有されている塩化ビニル
系ペースト樹脂は、発泡促進剤として、酸化亜鉛、塩化
亜鉛、カルボン酸亜鉛等のいずれの亜鉛系化合物を使用
しても発泡セルが微細で均一な発泡体を与え、かつペー
ストゾルの粘度が低くなるため、ケミカルエンボス法、
メカニカルエンボス法、ロータリースクリーン法のいず
れの発泡用途にも好適である。
【0065】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0066】本発明において、アルキル基の炭素数が奇
数のアルキル硫酸ナトリウムは表1記載、アルキル基の
炭素数が偶数のアルキル硫酸ナトリウムは、表2記載の
ものを用いた。これらの乳化剤の量は、水分等を除いた
有効成分量を記載した。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】 ペーストゾルおよび発泡体の作製およびペーストゾルの
粘度、発泡体の発泡倍率、発泡性の判定は、以下に示す
方法で行った。 (1)発泡層用ペーストゾル作製方法 塩化ビニルペースト樹脂(それぞれの実施例および比較
例に記載)を70重量部、PBM−B5F(塩化ビニル
ブレンド樹脂、鐘淵化学工業株式会社製)を30重量
部、DINP(ジイソノニルフタレート、株式会社ジェ
イ・プラス製)を46重量部、ビニホールAC#3C−
K2(アゾジカルボンアミド、永和化成工業株式会社
製)を2.4重量部、酸化亜鉛ニ種(正同化学工業株式
会社製)を1.5重量部、ホワイトンH(炭酸カルシウ
ム、東洋ファインケミカル株式会社製)を40重量部、
JR−600A(酸化チタン、テイカ株式会社製)を5
重量部計量して、ステンレスビーカーに投入し、ケミス
ターラー(TOKYO RIKAKIKAI製)を用
い、1100rpmで4分間混合して発泡層用ペースト
ゾルを作製した。 (2)トップ層用ペーストゾルの作製 XH−27B(塩化ビニルペースト樹脂、鐘淵化学工業
株式会社製)を60重量部、PBM−B5F(塩化ビニ
ルブレンド樹脂、鐘淵化学工業株式会社製)を40重量
部、DINP(ジイソノニルフタレート、株式会社ジェ
イ・プラス製)を54重量部、アデカスタブAC−31
9(Ba−Zn系安定剤、旭電化工業株式会社製)を2
重量部、アデカサイザーFEP−13(エポキシ系樹
脂、旭電化工業株式会社製)を1重量部計量して、乳鉢
に投入し、石川式擂潰機を用い、20分混練脱泡して、
トップ層用ペーストゾルを作製した。 (3)発泡体の作製方法 遠赤外線加熱炉型シート加工機(鐘淵化学工業株式会社
製)を用い、発泡層用ペーストゾルをドクターコーター
で紙基材にコーティングし、140Vで加熱ゲル化させ
て、塗工厚300μmの原反を作製した。原反にトップ
層用ペーストゾルを塗工厚180μmにコーテングし、
ギアオーブン(GEER AGING OVEN N
O.102−SHF−77、Yasuda製)を用い、
AGING:Highにて、230℃で、60秒および
65秒加熱を行い、発泡体を作製した。 (4)粘度 発泡層用ペーストゾルを23℃で保存し、1時間後、1
日後、3日後の粘度をBM型粘度計(TOKIMEC
製)により、ローター4、6rpmで測定した。1時間
後、1日後、3日後の粘度がいずれも30000mPa
・s以下を合格とする。これらを1つでも満たさないも
のは、不合格とする。 (5)発泡倍率 発泡体全体の厚みを測定し、下記式により、発泡倍率を
求めた 発泡倍率=(発泡体全体の厚み−紙基材の厚み−トップ
層の厚み)/(原反の厚み−紙基材の厚み) (6)発泡セルの判定 発泡セルの観察を行い、下記基準でセルを判定した。 ○:セルが緻密である。 ○△:セルは緻密であるが、小さな欠点が少量存在す
る。 △○:セルの緻密性に若干劣り、小さな欠点も若干量存
在する。 △:セルの緻密性に劣るが、大きな欠陥はほとんどな
い。 △×:セルの緻密性に劣り、大きな欠陥が若干量存在す
る。 ×△:セルが荒れており、大きな欠陥が多数存在する。 ×:セル荒れが著しい。セル崩壊により発泡倍率の低下
が見られる 230℃で60秒加熱した条件で、発泡倍率が4倍以
上、セル判定が○△以上、230℃で65秒加熱した条
件で、発泡倍率が4.5倍以上、セル判定が△×以上を
合格とする。これらを1つでも満たさないものは、不合
格とする。
【0069】
【製造例1】ステンレス製撹拌装置付耐圧容器に、イオ
ン交換水を100重量部、テイカライトN8035(表
1記載のアルキル基の炭素数が奇数のアルキル硫酸ナト
リウム、テイカ株式会社製)を有効成分として0.5重
量部相当量、ステアリルアルコールを1重量部および
2、2’−アゾビス(2、4−ジメチルバレロニトリ
ル)を0.05重量部仕込んで脱気した後、塩化ビニル
モノマー100を重量部送入し、均質化した後、50℃
に昇温して重合を行い、重合圧力が降下した時点で未反
応のモノマーを除去して重合を終了させた。重合転化率
は94%であり、塩化ビニル系ペースト樹脂100重量
部に対するテイカライトN8035の有効成分としての
含有量は0.53重量部となる。得られたラテックスの
コールターマルチサイザーII(コールターエレクトロ
ニクス製)によるピーク径は、1.4μmであった。結
果を表3に示す。
【0070】
【製造例2】製造例1において、テイカライトN803
5に替えて、エマール2Fニードル(表2記載のアルキ
ル基の炭素数が偶数のアルキル硫酸ナトリウム、花王株
式会社製)を用い、同様に重合を行った。重合転化率は
95%であり、塩化ビニル系ペースト樹脂100重量部
に対するエマール2Fニードルの有効成分としての含有
量は0.53重量部となる。得られたラテックスのコー
ルターマルチサイザーII(コールターエレクトロニク
ス製)によるピーク径は、1.4μmであった。結果を
表3に示す。
【0071】
【製造例3】製造例1において、テイカライトN803
5に替えて、ネオペレックスNo.6(ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム、花王株式会社製)を用い、同
様に重合を行った。重合転化率は93%であり、塩化ビ
ニル系ペースト樹脂100重量部に対するネオペレック
スNo.6の有効成分としての含有量は0.54重量部
となる。得られたラテックスのコールターマルチサイザ
ーII(コールターエレクトロニクス製)によるピーク
径は、1.4μmであった。結果を表3に示す。
【0072】
【製造例4】ステンレス製撹拌装置付耐圧容器にイオン
交換水を150重量部、エマール2Fニードルを有効成
分として0.03重量部相当量、ナトリウム・ホルムア
ルデヒド・スルホキシレート(ロンガリット)を0.0
3重量部、硫酸第1鉄を0.0003重量部、塩酸を
0.003重量部を仕込んで脱気した後、塩化ビニルモ
ノマーを100重量部送入した。攪拌しながら、50℃
まで昇温し、過酸化水素水を過酸化水素の純分として
0.01重量部相当量およびエマール2Fニードルを有
効成分として0.27重量部相当量を連続追加し、重合
圧力が降下した時点で未反応のモノマーを除去して重合
を終了させた。重合転化率は93%であり、塩化ビニル
系ペースト樹脂100重量部に対するエマール2Fニー
ドルの有効成分としての含有量は0.32重量部とな
る。得られたラテックスのNICOMPMODEL37
0(PACIFIC SCIENTIFIC HIAC
/ROYCO製)によるピーク径は、0.3μmであっ
た。結果を表3に示す。
【0073】
【表3】
【0074】
【比較例1】製造例1で得られたラテックスに、塩化ビ
ニル樹脂100重量部当たり、エマルゲンLS−114
(ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、花王株式会
社製)を有効成分として0.3重量部相当量添加し、ス
プレー乾燥機(三菱化工機株式会社製)を用い、入口1
35℃、出口52℃の条件で噴霧乾燥した。噴霧乾燥後
の樹脂をバンタムミル(AP−B型、ホソカワミクロン
製)で粉砕した。この樹脂の粘度および発泡性を評価
し、判定を行った。結果を表4に示す。
【0075】
【実施例1】、
【実施例2】製造例1で得られたラテックスに、塩化ビ
ニル樹脂100重量部当たり、エマルゲンLS−114
を有効成分として0.3重量部相当量、テイカライトN
8035(表1記載のアルキル基の炭素数が奇数のアル
キル硫酸ナトリウム、テイカ株式会社製)を有効成分と
して、それぞれ0.2重量部相当量(実施例1)および
0.57重量部相当量(実施例2)添加し、比較例1と
同様に乾燥・粉砕を行い、同様の評価・判定を行った。
結果を表4に示す。
【0076】
【実施例3】製造例2で得られたラテックスに、塩化ビ
ニル樹脂100重量部当たり、エマルゲンLS−114
を有効成分として0.3重量部相当量、テイカライトN
8035を有効成分として0.2重量部相当量、エマー
ル2Fニードル(表2記載のアルキル基の炭素数が偶数
のアルキル硫酸ナトリウム、花王株式会社製)を有効成
分として、0.37重量部相当量添加し、比較例1と同
様に乾燥・粉砕を行い、同様の評価・判定を行った。結
果を表4に示す。
【0077】
【比較例2】製造例3で得られたラテックスに、塩化ビ
ニル樹脂100重量部当たり、エマルゲンLS−114
を有効成分として0.3重量部相当量、ネオペレックス
No.6(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、花
王株式会社製)を有効成分として、0.56重量部相当
量添加し、比較例1と同様に乾燥・粉砕を行い、同様の
評価・判定を行った。結果を表4に示す。
【0078】
【表4】
【0079】
【比較例3】製造例2で得られたラテックスに、塩化ビ
ニル樹脂100重量部当たり、エマルゲンLS−114
を有効成分として0.3重量部相当量添加し、比較例1
と同様に乾燥・粉砕を行い、同様の評価・判定を行っ
た。結果を表5に示す。
【0080】
【比較例4】製造例2で得られたラテックスに、塩化ビ
ニル樹脂100重量部当たり、エマルゲンLS−114
を有効成分として0.3重量部相当量、エマール3F
(表2記載のアルキル基の炭素数が偶数のアルキル硫酸
ナトリウム、花王株式会社製)を有効成分として、0.
57重量部相当量添加し、比較例1と同様に乾燥・粉砕
を行い、同様の評価・判定を行った。結果を表5に示
す。
【0081】
【比較例5】製造例2で得られたラテックスに、塩化ビ
ニル樹脂100重量部当たり、エマルゲンLS−114
を有効成分として0.3重量部相当量、エマール0(表
2記載のアルキル基の炭素数が偶数のアルキル硫酸ナト
リウム、花王株式会社製)を有効成分として、0.57
重量部相当量添加し、比較例1と同様に乾燥・粉砕を行
い、同様の評価・判定を行った。結果を表5に示す。
【0082】
【比較例6】製造例2で得られたラテックスに、塩化ビ
ニル樹脂100重量部当たり、エマルゲンLS−114
を有効成分として0.3重量部相当量、エマール10ニ
ードル(表2記載のアルキル基の炭素数が偶数のアルキ
ル硫酸ナトリウム、花王株式会社製)を有効成分とし
て、0.57重量部相当量添加し、比較例1と同様に乾
燥・粉砕を行い、同様の評価・判定を行った。結果を表
5に示す。
【0083】
【比較例7】製造例2で得られたラテックスに、塩化ビ
ニル樹脂100重量部当たり、エマルゲンLS−114
を有効成分として0.3重量部相当量、エマール2Fニ
ードルを有効成分として、0.57重量部相当量添加
し、比較例1と同様に乾燥・粉砕を行い、同様の評価・
判定を行った。結果を表5に示す。
【0084】
【表5】
【0085】
【実施例4】製造例2で得られたラテックスに、塩化ビ
ニル樹脂100重量部当たり、エマルゲンLS−114
を有効成分として0.3重量部相当量、シノモールAH
−130(表1記載のアルキル基の炭素数が奇数のアル
キル硫酸ナトリウム、東邦理化株式会社製)を有効成分
として、0.57重量部相当量添加し、比較例1と同様
に乾燥・粉砕を行い、同様の評価・判定を行った。結果
を表6に示す。
【0086】
【実施例5】製造例2で得られたラテックスに、塩化ビ
ニル樹脂100重量部当たり、エマルゲンLS−114
を有効成分として0.3重量部相当量、テイカライトN
8035を有効成分として、0.57重量部相当量添加
し、比較例1と同様に乾燥・粉砕を行い、同様の評価・
判定を行った。結果を表6に示す。
【0087】
【実施例6】製造例2で得られたラテックスに、塩化ビ
ニル樹脂100重量部当たり、エマルゲンLS−114
を有効成分として0.3重量部相当量、テイカライトN
8235(表1記載のアルキル基の炭素数が奇数のアル
キル硫酸ナトリウム、テイカ株式会社製)を有効成分と
して、0.57重量部相当量添加し、比較例1と同様に
乾燥・粉砕を行い、同様の評価・判定を行った。結果を
表6に示す。
【0088】
【比較例8】製造例2で得られたラテックスに、塩化ビ
ニル樹脂100重量部当たり、エマルゲンLS−114
を有効成分として0.3重量部相当量、エマール20C
(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウ
ム、花王株式会社製)を有効成分として、0.57重量
部相当量添加し、比較例1と同様に乾燥・粉砕を行い、
同様の評価・判定を行った。結果を表6に示す。
【0089】
【比較例9】製造例2で得られたラテックスに、塩化ビ
ニル樹脂100重量部当たり、エマルゲンLS−114
を有効成分として0.3重量部相当量、エマールNC−
35(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸
ナトリウム、花王株式会社製)を有効成分として、0.
57重量部相当量添加し、比較例1と同様に乾燥・粉砕
を行い、同様の評価・判定を行った。結果を表6に示
す。
【0090】
【表6】
【0091】
【実施例7】〜
【実施例10】製造例1で得られたラテックスに、塩化
ビニル樹脂100重量部当たり、エマルゲンLS−11
4を有効成分として0.3重量部相当量、テイカライト
N8035を有効成分として、それぞれ0.37重量部
相当量(実施例7)0.67重量部相当量(実施例
8)、0.87重量部相当量(実施例9)および1.0
7重量部相当量(実施例10)添加し、比較例1と同様
に乾燥・粉砕を行い、同様の評価・判定を行った。結果
を表7に示す。
【0092】
【比較例10】製造例2で得られたラテックスに、塩化
ビニル樹脂100重量部当たり、エマルゲンLS−11
4を有効成分として0.3重量部相当量、エマール2F
ニードルを有効成分として、1.07重量部相当量添加
し、比較例1と同様に乾燥・粉砕を行い、同様の評価・
判定を行った。結果を表7に示す。
【0093】
【表7】
【0094】
【比較例11】製造例2で得られたラテックスと製造例
4で得られたラテックスを固形分の重量比で80:20
になるように混合したラテックスに、塩化ビニル樹脂1
00重量部当たり、エマルゲンLS−114を有効成分
として0.3重量部相当量添加し、比較例1と同様に乾
燥・粉砕を行い、同様の評価・判定を行った。結果を表
8に示す。
【0095】
【比較例12】製造例2で得られたラテックスと製造例
4で得られたラテックスを固形分の重量比で80:20
になるように混合したラテックスに、塩化ビニル樹脂1
00重量部当たり、エマルゲンLS−114を有効成分
として0.3重量部相当量、エマール2Fニードルを有
効成分として、0.61重量部相当量添加し、比較例1
と同様に乾燥・粉砕を行い、同様の評価・判定を行っ
た。結果を表8に示す。
【0096】
【実施例11】製造例2で得られたラテックスと製造例
4で得られたラテックスを固形分の重量比で80:20
になるように混合したラテックスに、塩化ビニル樹脂1
00重量部当たり、エマルゲンLS−114を有効成分
として0.3重量部相当量、テイカライトN8035を
有効成分として、0.61重量部相当量添加し、比較例
1と同様に乾燥・粉砕を行い、同様の評価・判定を行っ
た。結果を表8に示す。
【0097】
【実施例12】製造例2で得られたラテックスと製造例
4で得られたラテックスを固形分の重量比で80:20
になるように混合したラテックスに、塩化ビニル樹脂1
00重量部当たり、エマルゲンLS−114を有効成分
として0.3重量部相当量、テイカライトN8235を
有効成分として、0.61重量部相当量添加し、比較例
1と同様に乾燥・粉砕を行い、同様の評価・判定を行っ
た。結果を表8に示す。
【0098】
【実施例13】製造例2で得られたラテックスと製造例
4で得られたラテックスを固形分の重量比で80:20
になるように混合したラテックスに、塩化ビニル樹脂1
00重量部当たり、エマルゲンLS−114を有効成分
として0.3重量部相当量、テイカライトN8235を
有効成分として0.61重量部相当量、エマール20C
を有効成分として0.3重量部相当量添加し、比較例1
と同様に乾燥・粉砕を行い、同様の評価・判定を行っ
た。結果を表8に示す。
【0099】
【表8】
【0100】
【発明の効果】アルキル基の炭素数が奇数のアルキル硫
酸ナトリウムは、アルキル基の炭素数が偶数のアルキル
硫酸ナトリウムよりもペーストゾルの粘度上昇を起こし
難い。本発明のアルキル基の炭素数が奇数のアルキル硫
酸ナトリウムを単独使用、またはアルキル基の炭素数が
奇数のアルキル硫酸ナトリウムとアルキル基の炭素数が
偶数のアルキル硫酸ナトリウムを併用した塩化ビニル系
ペースト樹脂は、ペーストゾルの粘度が低く、かつ発泡
セルが微細で均一な発泡体を与えることができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F074 AA35 AA36 AA64 AA97 AA98 AC21 AD11 AD14 AG02 AG03 BA13 CA29 CC04X CC04Y DA02 DA10 DA50 DA58 DA59 4J002 BD041 BD042 BD051 BD052 BD061 BD071 BD081 BD091 CF003 DD079 DE109 EG049 EG059 EH098 EH128 EH148 EQ019 EV186 EV187 EW048 FD010 FD020 FD023 FD028 FD030 FD090 FD200 FD310 FD316 FD317 FD329 GF00 GL00 HA00

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系ペースト樹脂100重量部
    に対して、アルキル基の炭素数が奇数のアルキル硫酸ナ
    トリウムが0.1〜2重量部、アルキル基の炭素数が偶
    数のアルキル硫酸ナトリウムが0〜1重量部、アルキル
    基の炭素数が奇数のアルキル硫酸ナトリウムとアルキル
    基の炭素数が偶数のアルキル硫酸ナトリウムが合計で
    0.6〜3量部含有されている塩化ビニル系ペースト樹
    脂。
  2. 【請求項2】 塩化ビニル系ペースト樹脂100重量部
    に対して、アルキル基の炭素数が奇数のアルキル硫酸ナ
    トリウムが0.6〜2重量部含有されている請求項1に
    記載の塩化ビニル系ペースト樹脂。
  3. 【請求項3】 塩化ビニル系ペースト樹脂100重量部
    に対して、アルキル基の炭素数が奇数のアルキル硫酸ナ
    トリウムが0.6〜2重量部含有されている塩化ビニル
    系ペースト樹脂。
  4. 【請求項4】 アルキル基の炭素数が奇数のアルキル硫
    酸ナトリウムのアルキル基の炭素数が5、7、9、1
    1、13、15、17、19、21よりなる群から選ば
    れた少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか1項
    に記載の塩化ビニル系ペースト樹脂。
  5. 【請求項5】 アルキル基の炭素数が奇数のアルキル硫
    酸ナトリウムのアルキル基の炭素数が9、11、13、
    15、17よりなる群から選ばれた少なくとも1種であ
    る請求項1〜3のいずれか1項に記載の塩化ビニル系ペ
    ースト樹脂。
  6. 【請求項6】 アルキル基の炭素数が奇数のアルキル硫
    酸ナトリウムのアルキル基の炭素数が5、7、9、1
    1、13、15、17、19、21よりなる群から選ば
    れた少なくとも2種である請求項1〜3のいずれか1項
    に記載の塩化ビニル系ペースト樹脂。
  7. 【請求項7】 アルキル基の炭素数が奇数のアルキル硫
    酸ナトリウムのアルキル基の炭素数が9、11、13、
    15、17よりなる群から選ばれた少なくとも2種であ
    る請求項1〜3のいずれか1項に記載の塩化ビニル系ペ
    ースト樹脂。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の塩
    化ビニル系ペースト樹脂を用いたペーストゾル。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の塩
    化ビニル系ペースト樹脂を用いた発泡体。
  10. 【請求項10】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の
    塩化ビニル系ペースト樹脂と塩化ビニル系ブレンド樹脂
    の合計量100重量部、可塑剤30〜100重量部、ア
    ゾジカルボンアミド1〜8重量部、および亜鉛系化合物
    0.2〜10重量部を含んでなる発泡体。
  11. 【請求項11】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の
    塩化ビニル系ペースト樹脂と塩化ビニル系ブレンド樹脂
    の合計量100重量部、可塑剤30〜100重量部、ア
    ゾジカルボンアミド1〜8重量部、および酸化亜鉛0.
    2〜5重量部を含んでなる発泡体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013147552A (ja) * 2012-01-18 2013-08-01 Shinshu Univ 誘電体用ポリ塩化ビニル系成形体及びその製造方法並びにその用途
JP2018048268A (ja) * 2016-09-21 2018-03-29 日本ゼオン株式会社 塩化ビニル樹脂組成物、塩化ビニル樹脂成形体および積層体

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