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JP2003306347A - 防汚性ガラス - Google Patents

防汚性ガラス

Info

Publication number
JP2003306347A
JP2003306347A JP2002111523A JP2002111523A JP2003306347A JP 2003306347 A JP2003306347 A JP 2003306347A JP 2002111523 A JP2002111523 A JP 2002111523A JP 2002111523 A JP2002111523 A JP 2002111523A JP 2003306347 A JP2003306347 A JP 2003306347A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
treatment
antifouling
coating layer
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002111523A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuma Nakazawa
一真 中沢
Daisuke Sugio
大輔 杉生
Fumitaka Ino
文隆 井野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2002111523A priority Critical patent/JP2003306347A/ja
Publication of JP2003306347A publication Critical patent/JP2003306347A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Laminated Bodies (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、汚染物質を分解、除去する光触媒作
用をガラス表面に付加したものであり、ガラス表面を親
水化する機能とガラス表面に付着する油分等の汚れを分
解する機能を備え、これらを分解・除去することにより
常に清潔性を保つと共に、見通しのよいガラスを提供す
ることを目的とする。 【解決手段】住宅用或いは自動車等に用いられるガラス
であって、基材の表面にコロナ放電処理、プラズマ放電
処理、紫外線処理、オゾン処理等によって親水処理を施
し、当該処理面上に水系の防汚剤を塗工(第2塗膜層)
することを特徴とするもので、好ましくは、水系の防汚
剤は光触媒能を有する光触媒体であり、これがアナター
ゼ型酸化チタンである防汚性ガラスに係る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は防汚機能及び空気浄
化機能を付与した住宅の窓ガラスや車両用のガラス(以
下、単にガラスという)の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ガラスの特に屋外側は排気ガスや埃によ
って極めて汚れやすい。更に、屋内側はたばこの煙やペ
ット臭、塵、埃、石油ストーブ等から発生するNOX
SOX等による空気の汚れが問題となっており、特に近
年における最大の問題は素材(建材)からのホルムアル
デヒドの発生である。これに対して新素材の開発や空気
清浄器の開発が行われている。また、ガラス表面に撥水
性をもたらすような主として車両用のウインドウオッシ
ャー液が提案され、酸化チタンをガラスの表面に高温で
処理する親水性に富んだ防曇ガラスが提案されている。
【0003】しかるに、空気清浄器では機器を作動させ
た時しか効果が得られず、作動させるためには電気エネ
ルギーが必要であり、エネルギーを消費するという問題
もある。又、ノンホルムアルデヒド建材として、建材か
らの汚染は防げるが、その他から発生する汚染物質を積
極的に除去する効果はない。更に、防曇ガラスでは、親
水化の効果のみで、汚染物質に対する分解活性はなく、
防汚効果を発揮することはなく、また、空気を浄化する
機能を持っていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明では、電力等の
人工的エネルギーを必要とせず、かつ汚染物質が発生す
ると自発的に物質を分解、除去する光触媒作用をガラス
表面に付加したガラス構造にかかり、更に言えば、ガラ
ス表面を親水化する機能とガラス表面に付着する油分等
の汚れを分解する機能を備え、これらを分解・除去する
ことにより常に清潔性を保つと共に、見通しのよいガラ
ス構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、住宅用或いは
自動車等に使用されるガラス構造であって、ガラス基材
の少なくとも一方の表面に親水処理を施し、当該処理面
上に水系の防汚剤を塗工(第2塗膜層)することを特徴
とするもので、好ましくは、水系の防汚剤は光触媒能を
有する光触媒体であり、これがアナターゼ型酸化チタン
である防汚性ガラス構造に係るものである。
【0006】そして、更に好ましくは、親水処理が施さ
れたガラスの表面と防汚剤(第2塗膜層)との間に中間
層(第1塗膜層)を設けた構造のものであって、上記中
間層(第1塗膜層)が光触媒能を有さないアモルフアス
型過酸化チタンからなり、アモルフアス型酸化チタンと
の混合物であってもよい。場合によっては、この中間層
(第1塗膜層)が界面活性剤及び/又は親水剤を含有す
るものである。
【0007】上記防汚性ガラス構造にあって、ガラス基
材の表面を親水処理するものであり、係る親水処理手段
がコロナ放電処理、プラズマ放電処理、紫外線処理、オ
ゾン処理を施したものである。尚、コロナ放電処理によ
る当該表面の親水化は、水の接触角は10〜40度程度
がよい。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明について更に言及すると、
各種の用途に用いられるガラスの表面に上記した特殊な
塗膜層を形成したもので、光触媒能を有する酸化物粒子
が外気と接触し、有機物分解能と親水性をもたらす表面
層が形成されている。このため、ガラスの表面に付着し
た汚れは分解され簡単に水にて洗浄可能となったもので
ある。即ち、この塗膜層は光触媒作用による防汚機能と
親水性をもたらし、更に塗膜層による光触媒とガラス面
との固着バインダー機能とガラスへのぬれ性(均一塗膜
層の形成を目的)を向上させる機能を付与したものであ
る。
【0009】更に具体的には、ガラスの表面に形成する
塗装層は、光触媒機能を有さないアモルファス型過酸化
チタンからなる第1層と、光触媒能を有する光触媒体か
らなる第2層(光触媒層)である。そして、その塗工性
をよくするため、好ましくはガラス側にコロナ放電処理
等を行ってぬれ性を改良し、更なる性能を向上させたも
のである。
【0010】第1塗膜層を構成するアモルファス型過酸
化チタンTiO3 やアモルファス型酸化チタンTiO2
は、紫外線によって光励起して光触媒能を有するアナタ
ーゼ型酸化チタンやルチル型酸化チタンとは異なり光触
媒機能はない。これら光触媒機能を有さないアモルファ
ス型チタン酸化物の中でも、水を溶媒とするアモルファ
ス型過酸化チタンゾルが膜形成性等の点から好ましい。
かかる塗装層を構成する場合、ノニオン系界面活性(花
王株式会社製「クリンスル」、アニオン系界面活性剤
(ライオン株式会社製「サンノール」)等の界面活性
剤、或いは親水剤としては、nーメチルピロリドンやコ
ロイダルシリカ等の二酸化珪素、シロキサン類化合物、
水ガラス等のケイ素酸化物の含有剤が挙げられる。
【0011】このアモルファス型過酸化チタンゾルの製
造例としては、例えば、四塩化チタンTiCl4 等のチ
タン塩水溶液に、例えば、水酸化ナトリウム等のアルカ
リを加えて生成された無定型の水酸化チタンTi(O
H)4 を洗浄・分離した後、これを過酸化水素水で処理
することにより、アモルファス形態の過酸化チタン液を
得る。上記アモルファス型過酸化チタンゾルは常温では
アモルファス状態で、未だアナターゼ型酸化チタンには
結晶化していないため、密着性に優れ、膜生成性が高
く、均一でフラットな薄膜を形成することができ、乾燥
皮膜は水に溶けないという性質の他に、親水機能性が付
与され、かつ、光触媒に対して安定であるという特性を
有する。
【0012】更に、防汚機能を相乗させるため、光触媒
機能を有する光触媒体を含有させたもので、紫外線照射
時には優れた親水機能と光触媒による防汚磯能とを有
し、紫外線非照射時には光触媒による防汚機能は発揮し
得ないが優れた親水機能を有するという特徴をもつ。即
ち、この光触媒能を有する光触媒体を含有する塗装層を
備えたガラスは、紫外線照射時には優れた親水性と光触
媒による防汚機能とを有し、紫外線の非照射時に光触媒
による防汚機能は発揮し得ないが、優れた親水機能を有
するという特徴をもつ。
【0013】ここで光触蝶とはその結晶の伝導帯と価電
子帯との間のエネルギーギャップよりも大きなエネルギ
ーの光を照射したときに価電子帯中の電子の励起が生じ
て伝導電子と正孔を生成しうる物質をいい、上記活性化
された光触媒体が空気中の水分や酸素から活性酸素を作
り出し、この活性酸素により空気中の有機物や無機ガス
と反応する。光触媒酸化物としてはアナターゼ型酸化チ
タン、ルチル型酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、三酸化
ニビスマス等の酸化物が用いられる。中でもゾル状のア
ナターゼ型酸化チタンTiO2 が好ましい。ゾル状のも
のは接触する相手側が親水性であれば、極めて平滑な面
を構成することとなるからである。
【0014】光触媒体の好ましい材料としては、光触媒
機能を有するアナターゼ型酸化チタンやルチル型酸化チ
タン等を含有する光触媒体が用いられるが、光触媒機能
を有さないアモルファス型過酸化チタンゾル等と、上記
光触媒機能を有する光触媒体との混合物を含有したもの
である。
【0015】光触媒の光励起に用いる光源としては太陽
光がそのまま利用できる。そして、光励起に応じて基材
表面が親水化されるためには、励起光の照度は0.00
1mw/cm2 以上、好ましくは0.01mw/cm2
以上、更に好ましくは0.1mw/cm2 以上とするの
がよい。
【0016】ここで、光触媒性酸化物粒子が外気と接す
るように霧出した親水性を呈する塗装層は、スプレー
法、ディップ法、フローコーティング法、ロール法、刷
毛塗り等の公知の方法が採用される。形成された塗膜層
の膜厚は、0.05〜0.5μm、好ましくは0.08
〜0.4μm、更に好ましくは0.1〜0.2μmであ
る。この範囲では光の乱反射に起因する白濁を防止でき
実質的に透明となり、表面層の発色を防止することがで
きる。更に、薄膜とすればそれだけ耐摩耗性が向上す
る。尚、あまり薄くなると塗りむらが生じ、コーティン
グされていないガラス表面が存在することとなってしま
う。尚、表面層にはAg、Cu、Znのような金属を添
加することができ、これによって抗菌効果をもたらすこ
とも可能となる。又、Pt、Pd、Ru、Rh、Trの
ような白金族の金属を添加することもでき、この場合に
は光触媒の活性を増強できることとなり、汚れの分解、
有害臭気や悪臭の分解をもたらすこととなる。
【0017】尚、ガラスの表面と塗膜層との積層には、
両者が完全に行われなくてはならないが、ガラスの表面
に、コロナ放電処理、紫外線処理、プラズマ処理、オゾ
ン処理等を施して、塗膜層に対してぬれ特性及び/又は
反応性を向上させることが好ましい。
【0018】尚、コロナ放電処理等による当該表面の親
水化は、水の接触角は10〜40度程度がよい。40度
以上であるとこの上に塗布される水溶液をはじいて均一
な塗膜を得ることが難しくなり、一方、10度以上であ
れば水溶液を十分に塗膜することができるからである。
【0019】ここでコロナ放電処理を説明する。即ち、
被処理物であるガラス基材の表面にコロナ放電処理を行
う。かかる被処理面は、コロナ放電による電子の衝突や
二次的に発生するオゾンや紫外線の作用により、反応性
の高い活性基が発生するので、上記処理面のぬれ特性や
反応性を向上させることができる。
【0020】上記コロナ放電処理装置20は、図1に示
すように、上記被処理面10Sに近接して設置される第
1の電極21と、上記第1の電極21と被処理物10に
対して同じ側に、上記第1の電極21に近接して設置さ
れた第2の電極22との間に、高周波発振器23Aと高
圧トランス23Bとを備えた高電圧発生装置23によ
り、高電庄の高周波電圧を印加して上記電極21、22
間にコロナ放電を発生させるもので、具体的には、上記
第1の電極21は、被処理面10Sを回転しながら移動
するロール状の被覆部材24により被覆されたステンレ
ス製棒から構成される。又、第2の電極22はステンレ
ス製の平板から構成され、上記被覆部材24の回転に伴
って、上記第1の電極21と所定の距離を保持しながら
被処理面10S上を移動する。従って、上記第1の電極
21と第2の電極間でコロナ放電を発生させながら、上
記第1の電極21と第2の電極を被処理面10S上に沿
って移動させることにより、被処理面10Sを均一にコ
ロナ放電処理することができる。尚、被処理物を互いに
対向する放電電極と対向電極との間に設置するタイプの
コロナ放電処理装置を用いてもよいことは勿論である。
【0021】次いで、上記コロナ放電処理した被処理面
に防汚剤を塗布して防汚層を形成する。本発明では、上
記防汚剤として、水とチタン酸化物とを含む水系の防汚
剤を用いて形成することが推奨される。
【0022】この防汚層12としては、例えば、上記コ
ロナ放電処理された被処理面10S上に形成された過酸
化チタン層(第1塗膜層)と、上記過酸化チタン層上に
形成された酸化チタン層(第2塗膜層)から構成され
る。即ち、上記過酸化チタン層は、光触媒能を有さない
アモルフアス型過酸化チタンからなり、場合によっては
アモルフアス型酸化チタンとの混合物を含有する光触媒
機能を有さないアモルフアス型過酸化チタン(TiO
3 )から形成され、界面活性剤及び/又は親水剤とを含
有していてもよい。
【0023】酸化チタン層は光触媒機能を有するアナタ
ーゼ型酸化チタン(TiO2 )やルチル型酸化チタン
(TiO2 )等の光触媒体から形成されるが、光触媒機
能を有さないアモルフアス型過酸化チタンゾル等と、上
記光触媒機能を有する光触媒体との混合物を含有したも
のであってもよい。かかるコロナ放電処理した後に塗布
して形成した上記の第1及び第2塗膜層は、ぬれ性も高
く、又、接触角も小さいので、優れた防汚効果を得るこ
とができる。
【0024】本発明における表面処理の第2は、紫外線
処理を行うことで被処理面(通常は樹脂表面)を親水化
するものであり、その紫外線の波長が150〜365n
mであることが好ましい。波長が365nm以上の紫外
線では、被処理面の親水化を十分に行うことができず、
一方、広範囲で使用されている紫外線ランプから150
nm以下の波長を得ることは困難だからである。更に、
上記紫外線処理をする際に、空気、水蒸気、オゾン雰囲
気下で行うことが好ましく、空気中の酸素やオゾン、水
を反応させることで、被処理面にカルボニル基、カルボ
キシル基、水酸基等を生成させ、被処理面を親水化させ
ることによって水系塗料を均一かつ強固に塗工しやすく
するからである。特に、被処理面に水を付着させ、紫外
線処理を行うと表面の親水化効率を上げることができ
る。
【0025】紫外線処理は被処理面を洗浄した後に処理
を行うのが好ましく、被処理面は紫外線処理による電子
の衝突等により反応性の高い活性基が発生するので、ぬ
れ性や反応性を向上させることができることになる。こ
のため、接着性が極めて向上することとなる。
【0026】紫外線処理装置に用いられる紫外線光源と
しては、低圧紫外線ランプが好ましい。低圧紫外線ラン
プは、254nmと184.9nmの光を主成分とし
た、短波長がピークとなっており、照射されるエネルギ
ーは非常に大きく、基材の親水化に適しているからであ
る。即ち、被処理面に対し所定の距離を保ちつつ紫外線
を照射していくことにより、被処理面を均一に処理する
ことができる。
【0027】上記被処理面は、前記コロナ放電処理と同
じくぬれ特性や反応性が向上する。水の接触角について
も同様である。又、既に説明した防汚層の形成等も前例
と同様にして行うことができることは言うまでもない。
【0028】本発明の第3の表面処理手段として、プラ
ズマ放電処理が採用されるが、この場合、活性ガス種中
で行うのがよく、ガス種がAr、02 、CO、CO2
2、NO、NO2 、NH3 、空気(02 +CO2 +N2
等)が用いられ、極性基を表面に導入できるものであ
れば特に限定はない。望ましくは、Ar、02 、N2
よい。プラズマ処理する際のチヤンバー内の真空度は1
0〜0.1torr、好ましくは1〜0.1torrで
ある。これにより、被処理面を均一に処理することがで
きる。処理時間は1〜60分である。
【0029】アーク放電の発生の際に生じる電離したガ
スの電子による自由電子とそれによる陽イオン及び未だ
電離されていない中性ガスからなり、正電荷と負電荷の
夫々の密度が等しく電気的中性状態に有るガスをプラズ
マというが、被処理面はこのプラズマ放電処理による電
子の衝突や、処理雰囲気中に含まれる気体の作用によ
り、反応性の高い活性基が発生するので、ぬれ性や反応
性を向上させることができるものである。それにより、
前例の処理と同じくこの層上に形成される表面層との接
着性が極めて向上することとなる。
【0030】ここでプラズマ放電処理の概要を述べる
と、ガラス基材の被処理面をプラズマ放電処理すると、
プラズマ放電による電子の衝突や二次的に発生するオゾ
ンや紫外線の作用により、反応性の高い活性基が発生す
るので、被処理面のぬれ特性や反応性を向上させること
ができる。水の接触角の関係も前記例と同様である。勿
論、第1塗膜層及び第2塗膜層の形成も前述したと同様
に形成されることは言うまでもない。
【0031】図2はプラズマ放電処理装置40の概要も
示すが、チャンバー41内に被処理面10Sに近接して
設置される第1の電極42と、上記第1の電極42と上
記被処理面10Sに対して反対側に設置された第2の電
極43と、高圧トランス44を備えた電源装置45を備
えたものである。チヤンバー41は真空ポンプ46と気
体ボンべ47を備え、チヤンバー41内の雰囲気ガスを
入れ替えるものであり、電極42と43との間に高電圧
を印加して上記電極42、43間にプラズマ放電を発生
させて、気体を活性化させて被処理面10Sを均一に処
理するものである。図2における被処理面10Sへの防
汚層も同様である。
【0032】尚、オゾン処理についても特に言及はしな
いが、適当な容量のオゾナイザーを用いて被処理面を処
理し、水の接触角を上記のような関係とする処理を行う
こととなる。
【0033】第1塗膜層及び第2塗膜層(防汚剤層・光
触媒層)の厚さについて言えば、第1塗膜層としての
(TiO3保護層)は、0.02〜4.0μm、好まし
くは0.1〜2.0μm、更に好ましくは0.2〜0.
5μmの厚さ、第2塗膜層である光触媒としてのアナタ
ーゼ型TiO2層は、0.02〜4.0μm、好ましく
は0.1〜2.0μm、更に好ましくは0.3〜1.0
μmの厚さである。いずれも余り薄過ぎるとピンホール
等の塗装の欠陥等の不具合が出やすくなり、厚過ぎても
光の干渉による外観の不具合が生じてしまう。
【0034】従来の光触媒層は、シリコン等の中にアナ
ターゼ型TiO2 粒子を分散させた塗装層を直接有機物
表面に塗るものであったが、TiO2 が母材を分解して
しまうため触媒効果が弱く、光触媒能の持続は比較的短
かった。しかるに、本発明の場合には、例えばコロナ放
電処理をすることによって基材との間で接着性が極めて
良好となり、しかも第1塗装層は基材を分解する機能は
ほとんどなく、第2塗装層の光分解能は基材を分解する
おそれもなく、これらの塗装層が劣化することもないの
で親水能や光分解能が長い間持続することとなる。
【0035】防汚効果を発現するためのガラスの表面の
水の接触角は、40度以下、好ましくは25度以下、更
に好ましくは10度以下である。40度より大きい場合
には、ガラスの凸部等水の流れにくいところで雨だれが
残ることがあり、十分な防汚効果が得られない。
【0036】
【実施例】以下、実施例をもって更に説明する。(コロ
ナ放電処理の例)実施例として、ガラスの表面にコロナ
放電処理を施した(水の接触角は20度)。その後、第
1塗膜層としてアモルフアス型過酸化チタンゾル(TK
−100、0.85重量%の過酸化チタンを含む水溶
液、(TAO社製))を均一にスプレー塗布し、室温に
て乾燥し、これを3回繰り返した。更に第2塗膜層(光
触媒層)としてその上にアモルフアス型過酸化チタンゾ
ルとアナターゼ型酸化チタンの混合液(TAK−70、
1.70重量%の酸化チタンと過酸化チタンを含む水溶
液、酸化チタン:過酸化チタン=7:3(TAO社
製))を均一にスプレー塗布し、室温で乾燥し、これを
3回繰り返した。その後、140℃で1時間焼き付け、
表面に親水性を備えたガラス構造体を得た。コロナ放電
処理した場合、水の接触角は小さく、ぬれ性も高いの
で、優れた塗工性を得ることができる。又、塗工性の向
上により各塗膜層が強固に基材に固定し、優れた防汚効
果を得ることとなる。この効果はいずれの処理によって
も同様に発揮される。
【0037】図3は得られたガラス構造体の断面図であ
り、51はガラス基材(10)、52はガラス被処理面
(10S)、53は第1塗膜層、54は第2塗膜層であ
る。尚、図示はしないが、必要であれば、ガラスの表裏
両面に各塗膜層を形成できることは言うまでもない。
【0038】比較例として、表面に上記塗膜層を形成し
なかったガラスを用いた。尚、水の接触角は60度であ
り、上記第1及び第2塗膜層を塗工してもはじいてしま
い膜の形成はできなかった。
【0039】(比較試験・1)実施例及び比較例のガラ
ス構造体をもって窓枠に嵌め込み、被処理面を屋外側と
して12か月放置し、色差計をもって色差を測定した。
実施例のガラス構造体では6.2(△E)、比較例の場
合は15(△E)であった。比較例ではその表面に油状
の黒い付着物が多く見られた。尚、色差の測定はミノル
タCM−508dを用いて測定した。測定方法は汚れる
前のE0 を測定しておき、汚れた後のElとの差△Eの
値が大きい程汚れていることを示す。
【0040】(プラズマ放電処理の例)実施例として、
ガラス基材の表面にプラズマ放電処理を施した。即ち、
パネルをエタノールにて脱脂しチヤンバー内に入れ、チ
ヤンバー内を真空引き後、02、N2 、Arガスを夫々
充填し圧力1torrとし、100Wの電圧を10分か
け放電処理した。
【0041】夫々のガラス構造体の水の接触角は夫々2
3度、32度、35度であった。第1塗膜層の塗工及び
第2塗膜層の塗工は前例と同様である。TiO2 の塗工
性は実施例の場合は容易である。
【0042】(比較試験・1)実施例及び比較例のガラ
スを窓枠内に嵌め込み、これを12か月屋外に放置し、
色差計をもって色差を測定した。実施例のものは、夫々
1、6、8(△E)であった。
【0043】(紫外線処理の例)実施例として、ガラス
基材の表面に紫外線処理を施した。即ち、ガラス基材表
面をエタノールにて脱脂し、センエンジニアリング社製
110W低庄紫外線ランプSUVllOGS−36を用
いて、処理面と低庄紫外線ランプとの距離を1.5cm
に保って、常圧にて5分間、紫外線処理を行った。水の
接触角は25度であった。各塗膜層の形成は前記と同様
に行った。
【0044】(比較試験1:空気清浄化)いわゆる新建
材より発生するといわれているホルムアルデヒドガスの
分解性について試験を行った。初期ガスとして濃度1.
0ppmのガス(10リットル)を作成した。本実施例
のガラスサンプルをもってホルムアルデヒドの分解につ
いて試験した。照射した紫外線ランプはUPLAND・
UVM−28を用い、サンプルまでの距離を50mmに
保ち、1時間照射した。一方、紫外線を全く照射せずに
1時間ホルムアルデヒド雰囲気中に放置した。
【0045】測定の結果、前者の場合ではホルムアルデ
ヒドの濃度は0.0ppmであったが、後者の濃度は
0.6ppmであった。後者の試験より0.4ppm分
がサンプルに吸収されることが分かるが、前者との差即
ち、0.6ppmのホルムアルデヒドはサンプルを紫外
線照射することによって分解されたことが証明される。
かかる大気中のガスの分解能はタバコの煙、NOx 、S
x 、アンモニア、トリメチルアミン等の人体に有害と
いわれているガス体の分解も可能であることを示すもの
である。
【0046】
【発明の効果】本発明はガラスの表面に光触媒性酸化物
により親水性を呈する表面層が形成されたことにより、
汚れ等がガラス表面に付着することがなくなり、その表
面は清浄な状態が保たれることとなった。又、室内の汚
れ物質を分解し、空気清浄化の効果が得られることとも
なった。そして、波及効果としては室内への紫外線カッ
トにも大きな効果をもたらされるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明のコロナ放電処理装置の構成を示
す図である。
【図2】図2は本発明のプラズマ放電処理装置の構成を
示す図である。
【図3】図3はガラス構造体の断面を示す図である。
【符号の説明】
10‥基材、 10S‥処理面、 20‥コロナ放電処理装置、 21‥第1の電極、 22‥第2の電極、 23‥高電圧発生装置、 24‥ロール状の被覆部材、 40‥プラズマ放電処理装置、 41‥チヤンバー、 42‥第1の電極、 43‥第2の電極、 44‥高圧トランス、 45‥電源装置、 46‥真空ポンプ、 47‥気体ボンべ、 50‥ガラス構造体、 51‥ガラス基材(10)、 52‥ガラス被処理面(10S)、 53‥第1塗膜層、 54‥第2塗膜層。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA21B AA21H AG00A BA02 BA03 BA05 BA06 BA10A BA10B CA18C CA30C CC00B CC00C EJ54 EJ55 EJ61 EJ64 GB07 GB32 JB05C JL06B JL08B YY00B 4G059 AA01 AB01 AC22 AC30 EA01 EA02 EA04 EA18 EB05 GA01 GA04 GA12 4G069 AA03 AA08 BA04B BA48A CA01 CA11 EA08 EC22Y ED02 FA03 FB24

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 住宅用或いは自動車等に使用されるガラ
    ス構造であって、その少なくとも一方の表面に親水処理
    を施し、当該処理面上に水系の防汚剤を塗工(第2塗膜
    層)することを特徴とする防汚性ガラス。
  2. 【請求項2】 上記水系の防汚剤が光触媒能を有する光
    触媒体である請求項1記載の防汚性ガラス。
  3. 【請求項3】 上記光触媒能を有する光触媒体がアナタ
    ーゼ型酸化チタンである請求項2記載の防汚性ガラス。
  4. 【請求項4】 上記光触媒体がアモルファス型過酸化チ
    タンを含有する請求項3記載の防汚性ガラス。
  5. 【請求項5】 上記親水処理が施されたガラスの表面と
    防汚剤(第2塗膜層)との間に中間層(第1塗膜層)を
    設けた請求項1乃至4いずれか1項記載の防汚性ガラ
    ス。
  6. 【請求項6】 上記中間層(第1塗膜層)が光触媒能を
    有さないアモルフアス型過酸化チタンである請求項1乃
    至5いずれか1項記載の防汚性ガラス。
  7. 【請求項7】 上記中間層(第1塗膜層)が界面活性剤
    及び/又は親水剤を含有する請求項5又は6記載の防汚
    性ガラス。
  8. 【請求項8】 上記防汚剤の層(第2塗膜層)の厚さが
    0.02〜4.0〃mである請求項1乃至7いずれか1
    項記載の防汚性ガラス。
  9. 【請求項9】 上記中間層(第1塗膜層)の厚さが0.
    02〜4.0〃mである請求項1乃至8いずれか1項記
    載の防汚性ガラス。
  10. 【請求項10】 上記親水処理がコロナ放電処理である
    請求項1乃至9いずれか1項記載の防汚性ガラス。
  11. 【請求項11】 上記親水処理がプラズマ放電処理であ
    る請求項1乃至9いずれか1項記載の防汚性ガラス。
  12. 【請求項12】 上記親水処理が紫外線処理である請求
    項1乃至9いずれか1項記載の防汚性ガラス。
  13. 【請求項13】 上記親水処理がオゾン処理である請求
    項1乃至9いずれか1項記載の防汚性ガラス。
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