JP2003293953A - レシプロ式密閉型電動圧縮機 - Google Patents
レシプロ式密閉型電動圧縮機Info
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Landscapes
- Compressor (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】本発明は、駆動軸の回転にともなって十分な遠
心力作用をなし、たとえ低速回転しても高い給油性を確
保して信頼性の向上と低騒音化が図れるレシプロ式密閉
型電動圧縮機を提供する。 【解決手段】駆動軸6の主軸部7下端からクランク軸部
9上端に亘って設けられ駆動軸の回転にともなう遠心力
の作用で油溜り部19の潤滑油を汲み上げて各摺動部へ
供給する給油通路20は、油溜り部から吸い上げた潤滑
油を主軸部周面に導く油溝33と、この油溝上端と連通
され潤滑油を主軸部の中心軸方向へ導く主軸油穴34
と、この主軸油穴の先端に連通され潤滑油をクランク軸
部端面に開口する開口部aから放出する導出穴35とを
備え、主軸部の中心軸Lから導出穴開口部までの半径d
は、主軸部の中心軸から主軸油穴と油溝との連設部まで
の距離(溝底半径)Dよりも大(d>D)に設定され
る。
心力作用をなし、たとえ低速回転しても高い給油性を確
保して信頼性の向上と低騒音化が図れるレシプロ式密閉
型電動圧縮機を提供する。 【解決手段】駆動軸6の主軸部7下端からクランク軸部
9上端に亘って設けられ駆動軸の回転にともなう遠心力
の作用で油溜り部19の潤滑油を汲み上げて各摺動部へ
供給する給油通路20は、油溜り部から吸い上げた潤滑
油を主軸部周面に導く油溝33と、この油溝上端と連通
され潤滑油を主軸部の中心軸方向へ導く主軸油穴34
と、この主軸油穴の先端に連通され潤滑油をクランク軸
部端面に開口する開口部aから放出する導出穴35とを
備え、主軸部の中心軸Lから導出穴開口部までの半径d
は、主軸部の中心軸から主軸油穴と油溝との連設部まで
の距離(溝底半径)Dよりも大(d>D)に設定され
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば冷凍冷蔵
庫等に搭載されるレシプロ式密閉型電動圧縮機に係り、
特に、給油構造の改良に関する。
庫等に搭載されるレシプロ式密閉型電動圧縮機に係り、
特に、給油構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば冷凍冷蔵庫等では、冷凍サイク
ルを構成する圧縮機として、レシプロ式密閉型電動圧縮
機が多用される。この種の圧縮機は、密閉ケース内に、
下部側の電動機部および上部側の圧縮機構部が駆動軸を
介して一体化された電動圧縮機本体が収容される。さら
に、密閉ケースの底部には潤滑油を集溜する油溜り部が
形成され、駆動軸の下端部が油溜り部の潤滑油に浸漬し
ている。上記駆動軸には給油通路が設けられ、この回転
にともなって発生する遠心力を利用して油溜り部の潤滑
油を吸い上げ、圧縮機部などの各摺動部に給油するよう
になっている。
ルを構成する圧縮機として、レシプロ式密閉型電動圧縮
機が多用される。この種の圧縮機は、密閉ケース内に、
下部側の電動機部および上部側の圧縮機構部が駆動軸を
介して一体化された電動圧縮機本体が収容される。さら
に、密閉ケースの底部には潤滑油を集溜する油溜り部が
形成され、駆動軸の下端部が油溜り部の潤滑油に浸漬し
ている。上記駆動軸には給油通路が設けられ、この回転
にともなって発生する遠心力を利用して油溜り部の潤滑
油を吸い上げ、圧縮機部などの各摺動部に給油するよう
になっている。
【0003】実開昭62−90987号公報には、この
種の圧縮機における給油構造に係る技術が開示されてい
る。図6(A)(B)は、従来技術の圧縮機要部の断面
図である。主軸部50とクランク軸部51とから構成さ
れる駆動軸52の、主軸部50周面に螺旋状に油溝53
が設けられる。上記油溝53の上端と連通して潤滑油を
主軸部50の中心軸L方向へ導く主軸油穴54が設けら
れ、この主軸油穴54の先端に連通しクランク軸部51
側に亘って導出穴55が設けられる。
種の圧縮機における給油構造に係る技術が開示されてい
る。図6(A)(B)は、従来技術の圧縮機要部の断面
図である。主軸部50とクランク軸部51とから構成さ
れる駆動軸52の、主軸部50周面に螺旋状に油溝53
が設けられる。上記油溝53の上端と連通して潤滑油を
主軸部50の中心軸L方向へ導く主軸油穴54が設けら
れ、この主軸油穴54の先端に連通しクランク軸部51
側に亘って導出穴55が設けられる。
【0004】図6(A)において、上記導出穴55はや
や傾いて形成され、この上端はクランク軸部51の直径
よりわずかに小さい直径で、かつクランク軸部51の上
端に開放する凹部56の底面に開口する。また、凹部5
6周面とクランク軸部51周面とはクランク油穴57が
貫通して設けられる。図6(B)において、上記導出穴
55は主軸部50の中心軸Lと並行して設けられ、その
直径のままでクランク軸部51の上端面において開口す
る。導出穴55の略中間部には、導出穴55とクランク
軸部51周面とを連通するクランク油穴57が設けられ
る。
や傾いて形成され、この上端はクランク軸部51の直径
よりわずかに小さい直径で、かつクランク軸部51の上
端に開放する凹部56の底面に開口する。また、凹部5
6周面とクランク軸部51周面とはクランク油穴57が
貫通して設けられる。図6(B)において、上記導出穴
55は主軸部50の中心軸Lと並行して設けられ、その
直径のままでクランク軸部51の上端面において開口す
る。導出穴55の略中間部には、導出穴55とクランク
軸部51周面とを連通するクランク油穴57が設けられ
る。
【0005】また、いずれの構成においても、クランク
軸部51の周面には、クランク油穴57とクランク軸部
51上端とを連通する螺旋状のクランク油溝58が設け
られる。このようにして構成される給油通路60A,6
0Bであって、駆動軸52の回転にともなう遠心力の作
用で潤滑油が油溝53に吸い上げられ、主軸部50周面
と図示しないフレームの枢支孔部との間の摺動部の潤滑
をなす。さらに、潤滑油は油溝53から主軸油穴54に
導かれ、一旦、主軸部50の中心軸L方向へ導びかれ
る。そして、主軸油穴54先端から導出穴55に導か
れ、凹部56を介して、もしくは直接、クランク軸部5
1上端面やクランク軸部周面等の各摺動部に給油される
ようになっている。
軸部51の周面には、クランク油穴57とクランク軸部
51上端とを連通する螺旋状のクランク油溝58が設け
られる。このようにして構成される給油通路60A,6
0Bであって、駆動軸52の回転にともなう遠心力の作
用で潤滑油が油溝53に吸い上げられ、主軸部50周面
と図示しないフレームの枢支孔部との間の摺動部の潤滑
をなす。さらに、潤滑油は油溝53から主軸油穴54に
導かれ、一旦、主軸部50の中心軸L方向へ導びかれ
る。そして、主軸油穴54先端から導出穴55に導か
れ、凹部56を介して、もしくは直接、クランク軸部5
1上端面やクランク軸部周面等の各摺動部に給油される
ようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記給油通
路60A,60Bにおける潤滑油の揚程能力は、潤滑油
に対する遠心力作用および潤滑油自体が持つ粘性力で決
定されるが、当然、遠心力作用がより大きく影響する。
具体的には、遠心力は主軸部50の中心軸Lから導出穴
55の開口部aまでの導出穴開口部半径dの大小で決ま
る。上述の先行技術の構成では、導出穴55の開口部a
が主軸部50の中心軸Lとは極く近い位置に開口してい
て、導出穴開口部半径dが、主軸部中心軸Lから主軸油
穴54と油溝53との連設部までの距離(溝底半径)D
より小さく(d<D)設定されている。
路60A,60Bにおける潤滑油の揚程能力は、潤滑油
に対する遠心力作用および潤滑油自体が持つ粘性力で決
定されるが、当然、遠心力作用がより大きく影響する。
具体的には、遠心力は主軸部50の中心軸Lから導出穴
55の開口部aまでの導出穴開口部半径dの大小で決ま
る。上述の先行技術の構成では、導出穴55の開口部a
が主軸部50の中心軸Lとは極く近い位置に開口してい
て、導出穴開口部半径dが、主軸部中心軸Lから主軸油
穴54と油溝53との連設部までの距離(溝底半径)D
より小さく(d<D)設定されている。
【0007】そのため、駆動軸52の回転があっても導
出穴55の開口部aに対する充分な遠心力が作用せず、
各摺動部に対する給油量が不足し勝ちになり、特に駆動
軸52を低速回転で運転するとほとんど給油ができなか
った。本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、
その目的とするところは、駆動軸の回転にともなって常
に十分な遠心力作用をなし、たとえ低速回転しても高い
給油性を確保して信頼性の向上と低騒音化が図れ、たと
えば冷凍冷蔵庫に搭載した場合には高いセット性能を得
られるレシプロ式密閉型電動圧縮機を提供しようとする
ものである。
出穴55の開口部aに対する充分な遠心力が作用せず、
各摺動部に対する給油量が不足し勝ちになり、特に駆動
軸52を低速回転で運転するとほとんど給油ができなか
った。本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、
その目的とするところは、駆動軸の回転にともなって常
に十分な遠心力作用をなし、たとえ低速回転しても高い
給油性を確保して信頼性の向上と低騒音化が図れ、たと
えば冷凍冷蔵庫に搭載した場合には高いセット性能を得
られるレシプロ式密閉型電動圧縮機を提供しようとする
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を満足するた
め本発明は、密閉ケースと、この密閉ケース内に収容さ
れ下部側の電動機部および上部側の圧縮機構部とからな
る電動圧縮機本体と、この電動圧縮機本体の電動機部に
嵌め込まれる主軸部および圧縮機構部に嵌め込まれるク
ランク軸部とが一体に連設される駆動軸と、密閉ケース
内底部に形成され駆動軸の主軸部下端が浸漬する潤滑油
の油溜り部と、駆動軸の主軸部下端からクランク軸部上
端に亘って設けられ駆動軸の回転にともなう遠心力の作
用で油溜り部の潤滑油を汲み上げて各摺動部へ供給する
給油通路とを具備し、上記給油通路は、油溜り部から吸
い上げた潤滑油を主軸部周面に導く油溝と、この油溝上
端と連通され潤滑油を主軸部の中心軸方向へ導く横穴で
ある主軸油穴と、この主軸油穴に連通され潤滑油を上記
クランク軸部端面に開口する開口部から放出する導出穴
とを備え、主軸部の中心軸から導出穴開口部までの半径
dは、主軸部の中心軸から主軸油穴と油溝との連設部ま
での距離(溝底半径)Dよりも大(d>D)に設定され
る。
め本発明は、密閉ケースと、この密閉ケース内に収容さ
れ下部側の電動機部および上部側の圧縮機構部とからな
る電動圧縮機本体と、この電動圧縮機本体の電動機部に
嵌め込まれる主軸部および圧縮機構部に嵌め込まれるク
ランク軸部とが一体に連設される駆動軸と、密閉ケース
内底部に形成され駆動軸の主軸部下端が浸漬する潤滑油
の油溜り部と、駆動軸の主軸部下端からクランク軸部上
端に亘って設けられ駆動軸の回転にともなう遠心力の作
用で油溜り部の潤滑油を汲み上げて各摺動部へ供給する
給油通路とを具備し、上記給油通路は、油溜り部から吸
い上げた潤滑油を主軸部周面に導く油溝と、この油溝上
端と連通され潤滑油を主軸部の中心軸方向へ導く横穴で
ある主軸油穴と、この主軸油穴に連通され潤滑油を上記
クランク軸部端面に開口する開口部から放出する導出穴
とを備え、主軸部の中心軸から導出穴開口部までの半径
dは、主軸部の中心軸から主軸油穴と油溝との連設部ま
での距離(溝底半径)Dよりも大(d>D)に設定され
る。
【0009】さらに、上記導出穴の穴径または断面の等
価直径(=4×断面積/断面の周長)は、この導出穴よ
り上流側の給油通路の穴径または断面の等価直径より小
さく設定される。さらに、上記導出穴は、主軸部の中心
軸に対して斜めに設けられる。上記の目的を満足するた
め本発明は、密閉ケースと、この密閉ケース内に収容さ
れ下部側の電動機部および上部側の圧縮機構部とからな
る電動圧縮機本体と、この電動圧縮機本体の電動機部に
嵌め込まれる主軸部および上記圧縮機構部に嵌め込まれ
るクランク軸部とが一体に連設される駆動軸と、密閉ケ
ース内底部に形成され駆動軸の主軸部下端が浸漬する潤
滑油の油溜り部と、駆動軸の主軸部下端からクランク軸
部上端に亘って設けられ駆動軸の回転にともなう遠心力
の作用で油溜り部の潤滑油を汲み上げて各摺動部へ供給
する給油通路とを具備し、上記給油通路は、油溜り部か
ら吸い上げた潤滑油を主軸部周面に導く油溝と、この油
溝上端と連通され潤滑油を主軸部の中心軸方向へ導く横
穴である主軸油穴と、この主軸油穴に連通して設けられ
る導出穴と、この導出穴の上端と連通され上記クランク
軸部の上端面に開放して設けられる凹部と、この凹部底
面と所定の間隙を存して嵌め込まれ凹部を閉塞する栓部
材と、この栓部材に設けられる開口部とを備え、主軸部
の中心軸から上記栓部材開口部までの半径dは、主軸部
の中心軸から上記主軸油穴と油溝との連設部までの距離
(溝底半径)Dよりも大(d>D)に設定され、かつ栓
部材開口部の穴径もしくは断面の等価直径(=4×断面
積/断面の周長)は、開口部より上流側の給油通路の穴
径もしくは断面の等価直径よりも小さく設定される。
価直径(=4×断面積/断面の周長)は、この導出穴よ
り上流側の給油通路の穴径または断面の等価直径より小
さく設定される。さらに、上記導出穴は、主軸部の中心
軸に対して斜めに設けられる。上記の目的を満足するた
め本発明は、密閉ケースと、この密閉ケース内に収容さ
れ下部側の電動機部および上部側の圧縮機構部とからな
る電動圧縮機本体と、この電動圧縮機本体の電動機部に
嵌め込まれる主軸部および上記圧縮機構部に嵌め込まれ
るクランク軸部とが一体に連設される駆動軸と、密閉ケ
ース内底部に形成され駆動軸の主軸部下端が浸漬する潤
滑油の油溜り部と、駆動軸の主軸部下端からクランク軸
部上端に亘って設けられ駆動軸の回転にともなう遠心力
の作用で油溜り部の潤滑油を汲み上げて各摺動部へ供給
する給油通路とを具備し、上記給油通路は、油溜り部か
ら吸い上げた潤滑油を主軸部周面に導く油溝と、この油
溝上端と連通され潤滑油を主軸部の中心軸方向へ導く横
穴である主軸油穴と、この主軸油穴に連通して設けられ
る導出穴と、この導出穴の上端と連通され上記クランク
軸部の上端面に開放して設けられる凹部と、この凹部底
面と所定の間隙を存して嵌め込まれ凹部を閉塞する栓部
材と、この栓部材に設けられる開口部とを備え、主軸部
の中心軸から上記栓部材開口部までの半径dは、主軸部
の中心軸から上記主軸油穴と油溝との連設部までの距離
(溝底半径)Dよりも大(d>D)に設定され、かつ栓
部材開口部の穴径もしくは断面の等価直径(=4×断面
積/断面の周長)は、開口部より上流側の給油通路の穴
径もしくは断面の等価直径よりも小さく設定される。
【0010】さらに、上記栓部材に設けられる開口部は
栓部材の外周面に開放する切欠きであり、この切欠き開
口部は凹部周面からクランク軸部周面を貫通して設けら
れるクランク油穴と連通される。さらに、上記栓部材に
設けられる開口部は栓部材の外周面とは離間して貫通す
る孔部であり、栓部材の下部側に凹部周面からクランク
軸部周面を貫通するクランク油穴が設けられる。さら
に、主軸部の中心軸から開口部までの半径dと、主軸部
の中心軸から主軸油穴と油溝との連設部までの距離(溝
底半径)Dとの比(d/D)は、100〜130%にな
るように設定される。
栓部材の外周面に開放する切欠きであり、この切欠き開
口部は凹部周面からクランク軸部周面を貫通して設けら
れるクランク油穴と連通される。さらに、上記栓部材に
設けられる開口部は栓部材の外周面とは離間して貫通す
る孔部であり、栓部材の下部側に凹部周面からクランク
軸部周面を貫通するクランク油穴が設けられる。さら
に、主軸部の中心軸から開口部までの半径dと、主軸部
の中心軸から主軸油穴と油溝との連設部までの距離(溝
底半径)Dとの比(d/D)は、100〜130%にな
るように設定される。
【0011】以上の課題を解決する手段を採用すること
により、常に駆動軸の回転にともなって十分な遠心力作
用をなし、たとえ低速回転しても高い給油性を確保して
信頼性の向上と低騒音化が図れ、たとえば冷凍冷蔵庫に
搭載し、負荷が軽い場合でもオン/オフを繰り返すこと
なく連続的に運転できるようになり、省エネ性が向上す
るとともに、庫内の温度変動を低減させて保存性が向上
するなどの高いセット性能を得られる。
により、常に駆動軸の回転にともなって十分な遠心力作
用をなし、たとえ低速回転しても高い給油性を確保して
信頼性の向上と低騒音化が図れ、たとえば冷凍冷蔵庫に
搭載し、負荷が軽い場合でもオン/オフを繰り返すこと
なく連続的に運転できるようになり、省エネ性が向上す
るとともに、庫内の温度変動を低減させて保存性が向上
するなどの高いセット性能を得られる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
にもとづいて説明する。図1は、たとえば冷凍冷蔵庫の
冷凍サイクルを構成する圧縮機である、レシプロ式密閉
型電動圧縮機を縦断面にした正面図を示している。図中
1は縦型の密閉ケースであり、この密閉ケース1内には
フレーム2が図示しないスプリングを介して弾性的に支
持されている。上記フレーム2の上部側には圧縮機構部
3が載設され、下部側には電動機部4が設けられ、これ
ら圧縮機構部3と電動機部4とで電動圧縮機本体5が構
成される。
にもとづいて説明する。図1は、たとえば冷凍冷蔵庫の
冷凍サイクルを構成する圧縮機である、レシプロ式密閉
型電動圧縮機を縦断面にした正面図を示している。図中
1は縦型の密閉ケースであり、この密閉ケース1内には
フレーム2が図示しないスプリングを介して弾性的に支
持されている。上記フレーム2の上部側には圧縮機構部
3が載設され、下部側には電動機部4が設けられ、これ
ら圧縮機構部3と電動機部4とで電動圧縮機本体5が構
成される。
【0013】上記圧縮機構部3は、いわゆるレシプロ式
圧縮機構が採用されている。すなわち、上記フレーム2
の中心部に沿って枢支用孔2aが設けられ、駆動軸6を
構成する主軸部7の一部が回転自在に嵌め込まれてい
る。この主軸部7の上端部には、フレーム2上面に摺動
自在に載る鍔部8が一体に設けられ、さらに鍔部8の上
部には、主軸部7の中心軸とは所定量偏心する中心軸を
もったクランク軸部9が連設される。
圧縮機構が採用されている。すなわち、上記フレーム2
の中心部に沿って枢支用孔2aが設けられ、駆動軸6を
構成する主軸部7の一部が回転自在に嵌め込まれてい
る。この主軸部7の上端部には、フレーム2上面に摺動
自在に載る鍔部8が一体に設けられ、さらに鍔部8の上
部には、主軸部7の中心軸とは所定量偏心する中心軸を
もったクランク軸部9が連設される。
【0014】このことから、主軸部7が回転駆動される
と、鍔部8はフレーム2上面で摺接状態で回転し、かつ
上記クランク軸部9は主軸部7の中心軸の周囲に沿って
偏心回転するようになっている。さらに、上記圧縮機構
部3はフレーム2上面に載設され、軸方向を水平に向け
たシリンダ10を備えている。このシリンダ10の内部
は、ピストン11が往復動自在に収容されるシリンダ室
12となっている。
と、鍔部8はフレーム2上面で摺接状態で回転し、かつ
上記クランク軸部9は主軸部7の中心軸の周囲に沿って
偏心回転するようになっている。さらに、上記圧縮機構
部3はフレーム2上面に載設され、軸方向を水平に向け
たシリンダ10を備えている。このシリンダ10の内部
は、ピストン11が往復動自在に収容されるシリンダ室
12となっている。
【0015】上記ピストン11には、コンロッド13の
一端がボールジョイント機構部14を介して連結され
る。上記コンロッド13の他端には、上記クランク軸部
9に回転自在に嵌め合う大端部15が設けられる。この
ことにより、クランク軸部9の偏心回転にともない、コ
ンロッド13がボールジョイント機構部14を支点とし
として揺動運動をなすことができ、ピストン11はシリ
ンダ10内において往復運動するようになっている。
一端がボールジョイント機構部14を介して連結され
る。上記コンロッド13の他端には、上記クランク軸部
9に回転自在に嵌め合う大端部15が設けられる。この
ことにより、クランク軸部9の偏心回転にともない、コ
ンロッド13がボールジョイント機構部14を支点とし
として揺動運動をなすことができ、ピストン11はシリ
ンダ10内において往復運動するようになっている。
【0016】一方、シリンダ10の開口端は、詳細を省
略する弁機構によって閉塞され、かつバルブカバー16
で覆われる。図示していないが、上記バルブカバー16
には、内部を二分する仕切り部が設けられ、その一方空
間は吸込み室、他方空間は吐出室となっている。上記弁
機構は、吸込み口と、吐出口を備えた弁板が設けられ、
それぞれの吸込み口と、吐出口は吸込み弁と吐出弁によ
って開閉される。そして、上記吸込み口は吸込み室と対
向し、吐出口は吐出室に対向する。
略する弁機構によって閉塞され、かつバルブカバー16
で覆われる。図示していないが、上記バルブカバー16
には、内部を二分する仕切り部が設けられ、その一方空
間は吸込み室、他方空間は吐出室となっている。上記弁
機構は、吸込み口と、吐出口を備えた弁板が設けられ、
それぞれの吸込み口と、吐出口は吸込み弁と吐出弁によ
って開閉される。そして、上記吸込み口は吸込み室と対
向し、吐出口は吐出室に対向する。
【0017】このようにして構成される圧縮機構部3に
対して、上記電動機部4は、上記主軸部7のフレーム2
から下方に突出する部位に嵌着されるロータ17と、こ
のロータ17の周面と狭小の間隙を存する内周面を備
え、上記フレーム2から適宜な手段で垂設固定されるス
テータ18とからなる。さらに、上記密閉ケース1の底
部には潤滑油を集溜する油溜り部19が形成され、上記
駆動軸6には油溜り部19の潤滑油を圧縮機構部3など
の各摺動部に導く、後述する給油通路20が設けられ
る。上記密閉ケース1の側壁には冷凍サイクル機器(蒸
発器)と連通する吸込み管21が接続され、その開口端
を密閉ケース1内に臨ませている。さらに、圧縮機構部
3から延出されるケース内吐出管(図示しない)と一体
で、冷凍サイクル機器(凝縮器)に連通する吐出管22
が密閉ケース1の側壁を貫通している。
対して、上記電動機部4は、上記主軸部7のフレーム2
から下方に突出する部位に嵌着されるロータ17と、こ
のロータ17の周面と狭小の間隙を存する内周面を備
え、上記フレーム2から適宜な手段で垂設固定されるス
テータ18とからなる。さらに、上記密閉ケース1の底
部には潤滑油を集溜する油溜り部19が形成され、上記
駆動軸6には油溜り部19の潤滑油を圧縮機構部3など
の各摺動部に導く、後述する給油通路20が設けられ
る。上記密閉ケース1の側壁には冷凍サイクル機器(蒸
発器)と連通する吸込み管21が接続され、その開口端
を密閉ケース1内に臨ませている。さらに、圧縮機構部
3から延出されるケース内吐出管(図示しない)と一体
で、冷凍サイクル機器(凝縮器)に連通する吐出管22
が密閉ケース1の側壁を貫通している。
【0018】図2は、給油通路20を説明するための駆
動軸6一部の断面図である。以下、図1および図2にも
とづき、上記給油通路20について詳述する。上記主軸
部7の下端部に一体に設けられる油吸込み口体30が油
溜り部19に集溜される潤滑油中に浸漬している。この
油吸込み口体30は、下端部直径が小で、上端部直径が
大である、断面略ホーン状に形成される筒体であり、上
端部が主軸部7下端に嵌め込まれる。
動軸6一部の断面図である。以下、図1および図2にも
とづき、上記給油通路20について詳述する。上記主軸
部7の下端部に一体に設けられる油吸込み口体30が油
溜り部19に集溜される潤滑油中に浸漬している。この
油吸込み口体30は、下端部直径が小で、上端部直径が
大である、断面略ホーン状に形成される筒体であり、上
端部が主軸部7下端に嵌め込まれる。
【0019】上記主軸部7の下端面から略中間部まで、
主軸部7の中心軸Lとは偏心し、かつ中心軸Lと並行し
て偏心油穴31が設けられ、この偏心油穴31の上端部
と主軸部7周面とは油横穴32を介して連通される。な
お、上記油吸込み口体30は必ずしも備える必要はな
く、主軸部7の下端部を延長して油溜り部19の潤滑油
中に直接浸漬し、上記偏心油穴31の下端部を油吸込み
口体に代えてもよい。
主軸部7の中心軸Lとは偏心し、かつ中心軸Lと並行し
て偏心油穴31が設けられ、この偏心油穴31の上端部
と主軸部7周面とは油横穴32を介して連通される。な
お、上記油吸込み口体30は必ずしも備える必要はな
く、主軸部7の下端部を延長して油溜り部19の潤滑油
中に直接浸漬し、上記偏心油穴31の下端部を油吸込み
口体に代えてもよい。
【0020】上記油横穴32の主軸部7周面開口端と連
通し、主軸部7周面に螺旋状の油溝33が設けられてい
て、この油溝33は主軸部7の上端部である上記鍔部8
のわずか下部に亘って形成される。上記油溝33上端か
ら主軸部7の中心軸L方向へ横穴からなる主軸油穴34
が設けられていて、油溝33と主軸油穴34が連通され
る。この主軸油穴34の先端には導出穴35の下端部が
連通するように設けられる。
通し、主軸部7周面に螺旋状の油溝33が設けられてい
て、この油溝33は主軸部7の上端部である上記鍔部8
のわずか下部に亘って形成される。上記油溝33上端か
ら主軸部7の中心軸L方向へ横穴からなる主軸油穴34
が設けられていて、油溝33と主軸油穴34が連通され
る。この主軸油穴34の先端には導出穴35の下端部が
連通するように設けられる。
【0021】上記導出穴35は、主軸部7の中心軸Lに
対して斜めに傾斜した状態でクランク軸部9を貫通し、
クランク軸部9の上端面で、クランク軸部9の周面に極
く近い位置で開口する開口部aを備えている。そして、
上記主軸部7の中心軸Lから導出穴35の開口部aまで
の半径をdとし、主軸部7の中心軸Lから主軸油穴34
と油溝33との連設部までの距離(以下、溝底半径と言
う)をDとしたとき、dはDよりも大(d>D)に設定
したことを特徴としている。
対して斜めに傾斜した状態でクランク軸部9を貫通し、
クランク軸部9の上端面で、クランク軸部9の周面に極
く近い位置で開口する開口部aを備えている。そして、
上記主軸部7の中心軸Lから導出穴35の開口部aまで
の半径をdとし、主軸部7の中心軸Lから主軸油穴34
と油溝33との連設部までの距離(以下、溝底半径と言
う)をDとしたとき、dはDよりも大(d>D)に設定
したことを特徴としている。
【0022】さらに、上記導出穴35の穴径または断面
の等価直径(=4×断面積/断面の周長)を、この導出
穴35より上流側の給油通路20の穴径または断面の等
価直径より小さく設定したことも特徴の一つとしてい
る。なお、上記等価直径とは、その流路が、流動の点か
ら、直径いくらの円管の集合と等価であるかを示す代表
長さであり、水のような流体が流れる場合に、壁面の摩
擦損失が問題となるためDe(等価直径)を使って評価
されることが多いものである。上記導出穴35における
略中間部位には、導出穴35とクランク軸部9周面とを
連通する横穴からなるクランク油穴36が設けられる。
さらに、クランク軸部9の周面で、クランク油穴36か
らクランク軸部9上端面に亘って螺旋状のクランク油溝
37が設けられる。
の等価直径(=4×断面積/断面の周長)を、この導出
穴35より上流側の給油通路20の穴径または断面の等
価直径より小さく設定したことも特徴の一つとしてい
る。なお、上記等価直径とは、その流路が、流動の点か
ら、直径いくらの円管の集合と等価であるかを示す代表
長さであり、水のような流体が流れる場合に、壁面の摩
擦損失が問題となるためDe(等価直径)を使って評価
されることが多いものである。上記導出穴35における
略中間部位には、導出穴35とクランク軸部9周面とを
連通する横穴からなるクランク油穴36が設けられる。
さらに、クランク軸部9の周面で、クランク油穴36か
らクランク軸部9上端面に亘って螺旋状のクランク油溝
37が設けられる。
【0023】つぎに、上記レシプロ式密閉型電動圧縮機
の圧縮運転について説明する。電動機部4に通電して駆
動軸6を回転駆動すると、クランク軸部9が一体に偏心
回転する。この偏心回転に応じて、コンロッド13とボ
ールジョイント機構部14を介してピストン11がシリ
ンダ室12内を往復運動する。
の圧縮運転について説明する。電動機部4に通電して駆
動軸6を回転駆動すると、クランク軸部9が一体に偏心
回転する。この偏心回転に応じて、コンロッド13とボ
ールジョイント機構部14を介してピストン11がシリ
ンダ室12内を往復運動する。
【0024】密閉ケース1内には、蒸発器で蒸発して低
圧化した冷媒ガスが吸込み管21を介して導かれ充満し
ている。冷媒ガスは、バルブカバー16内の吸込み室に
導かれ、さらにピストン11の移動(往動)にともなっ
てシリンダ10のシリンダ室12に吸込まれる。ピスト
ン11が逆方向に移動(復動)することで冷媒ガスが圧
縮され、ピストン7がいわゆる上死点位置まで移動する
と、吐出弁が開放される。したがって、シリンダ室12
で圧縮され高圧化したガスがバルブカバー16の吐出室
に吐出される。
圧化した冷媒ガスが吸込み管21を介して導かれ充満し
ている。冷媒ガスは、バルブカバー16内の吸込み室に
導かれ、さらにピストン11の移動(往動)にともなっ
てシリンダ10のシリンダ室12に吸込まれる。ピスト
ン11が逆方向に移動(復動)することで冷媒ガスが圧
縮され、ピストン7がいわゆる上死点位置まで移動する
と、吐出弁が開放される。したがって、シリンダ室12
で圧縮され高圧化したガスがバルブカバー16の吐出室
に吐出される。
【0025】この高圧ガスは、図示しないケース内吐出
管を介して密閉ケース1を貫通する吐出管22から凝縮
器に導かれる。主軸部7が継続して回転しているところ
から、ピストン11が復動して上述の冷凍サイクルが繰
り返される。つぎに、上述の圧縮作用にともなう給油動
作について説明する。上記駆動軸6が回転すると、主軸
部7の下端部に設けられる油吸込み口体30が一体に回
転し、その形状から遠心力が作用して潤滑油を吸い上げ
る。主軸部7に設けられる偏心油穴31も偏心回転する
ので遠心力が作用し、油吸込み口体30が吸い上げた潤
滑油をさらに上部側へ導く。
管を介して密閉ケース1を貫通する吐出管22から凝縮
器に導かれる。主軸部7が継続して回転しているところ
から、ピストン11が復動して上述の冷凍サイクルが繰
り返される。つぎに、上述の圧縮作用にともなう給油動
作について説明する。上記駆動軸6が回転すると、主軸
部7の下端部に設けられる油吸込み口体30が一体に回
転し、その形状から遠心力が作用して潤滑油を吸い上げ
る。主軸部7に設けられる偏心油穴31も偏心回転する
ので遠心力が作用し、油吸込み口体30が吸い上げた潤
滑油をさらに上部側へ導く。
【0026】潤滑油は偏心油穴31の上端から主軸横穴
34を介して油溝33へと導かれ、遠心力を受けるとと
もにそれ自体の粘性力で油溝33を導通し、主軸部7周
面と上記フレーム2の枢支用孔2aとの間である摺動部
の潤滑をなす。さらに、潤滑油は油溝33から主軸油穴
34に導かれる。この主軸油穴34は横穴であるので、
潤滑油は一旦、主軸部7の中心軸L方向へ導びかれて、
さらに主軸油穴34の先端から導出穴35に導かれる。
34を介して油溝33へと導かれ、遠心力を受けるとと
もにそれ自体の粘性力で油溝33を導通し、主軸部7周
面と上記フレーム2の枢支用孔2aとの間である摺動部
の潤滑をなす。さらに、潤滑油は油溝33から主軸油穴
34に導かれる。この主軸油穴34は横穴であるので、
潤滑油は一旦、主軸部7の中心軸L方向へ導びかれて、
さらに主軸油穴34の先端から導出穴35に導かれる。
【0027】上記導出穴35は斜めに傾いて形成される
ところから、潤滑油は効率よく吸い上げられクランク軸
部9上端面から導出される。一部の潤滑油は、導出穴3
5からクランク油穴36を介してクランク油溝37に導
かれる。導出穴35の開口部aおよびクランク油溝37
に導かれるいずれの潤滑油も、クランク軸部9に嵌合す
る大端部15や、コンロッド機構14およびシリンダ1
0とピストン11との間などの各摺動部に給油されるこ
ととなる。
ところから、潤滑油は効率よく吸い上げられクランク軸
部9上端面から導出される。一部の潤滑油は、導出穴3
5からクランク油穴36を介してクランク油溝37に導
かれる。導出穴35の開口部aおよびクランク油溝37
に導かれるいずれの潤滑油も、クランク軸部9に嵌合す
る大端部15や、コンロッド機構14およびシリンダ1
0とピストン11との間などの各摺動部に給油されるこ
ととなる。
【0028】このような給油通路20において、特に、
主軸油穴34が横穴として設けられているので、潤滑油
は主軸部9周面から中心軸L方向へと、遠心力作用によ
る移動とは逆方向に移動しなければならない。これは、
潤滑油を主軸油穴34の先端から導出穴35を介してク
ランク軸部9端面および周面に導くことの給油特性の損
失となる構成である。しかるに、この圧縮機において
は、上記主軸部7の中心軸Lから導出穴35の開口部a
までの半径dを、上記主軸油穴34における溝底半径D
よりも大(d>D)に設定してある。
主軸油穴34が横穴として設けられているので、潤滑油
は主軸部9周面から中心軸L方向へと、遠心力作用によ
る移動とは逆方向に移動しなければならない。これは、
潤滑油を主軸油穴34の先端から導出穴35を介してク
ランク軸部9端面および周面に導くことの給油特性の損
失となる構成である。しかるに、この圧縮機において
は、上記主軸部7の中心軸Lから導出穴35の開口部a
までの半径dを、上記主軸油穴34における溝底半径D
よりも大(d>D)に設定してある。
【0029】したがって、たとえ駆動軸6を低速回転さ
せても導出穴35に作用する遠心力を大きく確保でき、
主軸油穴35での損失を補なって充分な量の潤滑油を導
出穴35およびクランク油穴36を介してクランク油溝
37へ導くことができ、これらの周辺における各摺動部
への給油が確実に行われる。さらに、上記導出穴35の
穴径または断面の等価直径(=4×断面積/断面の周
長)を、導出穴35より上流側の給油通路20の穴径ま
たは断面の等価直径より小さく設定したことも特徴の一
つとしている。
せても導出穴35に作用する遠心力を大きく確保でき、
主軸油穴35での損失を補なって充分な量の潤滑油を導
出穴35およびクランク油穴36を介してクランク油溝
37へ導くことができ、これらの周辺における各摺動部
への給油が確実に行われる。さらに、上記導出穴35の
穴径または断面の等価直径(=4×断面積/断面の周
長)を、導出穴35より上流側の給油通路20の穴径ま
たは断面の等価直径より小さく設定したことも特徴の一
つとしている。
【0030】このような条件から、駆動軸6の回転にと
もなう潤滑油に対する最終の遠心力が働くところ、すな
わち導出穴35において作用する遠心力を充分に活かす
ことができる。潤滑油は導出穴35に沿って連続し、か
つ確実に吸い上げられる。たとえ導出穴35より上流側
の給油通路20において抵抗があっても、クランク軸部
9へは充分な給油が行われる。なお、上記導出穴35を
主軸部7の中心軸Lに対して斜めに設けるとともに、上
方に向けて径が広がるように形成すると、徐々に遠心力
を増すことができるため、導出穴35に入った潤滑油を
さらに確実に開口部aへ揚油でき、クランク油穴36か
らクランク油溝37への給油が確実に行われる。
もなう潤滑油に対する最終の遠心力が働くところ、すな
わち導出穴35において作用する遠心力を充分に活かす
ことができる。潤滑油は導出穴35に沿って連続し、か
つ確実に吸い上げられる。たとえ導出穴35より上流側
の給油通路20において抵抗があっても、クランク軸部
9へは充分な給油が行われる。なお、上記導出穴35を
主軸部7の中心軸Lに対して斜めに設けるとともに、上
方に向けて径が広がるように形成すると、徐々に遠心力
を増すことができるため、導出穴35に入った潤滑油を
さらに確実に開口部aへ揚油でき、クランク油穴36か
らクランク油溝37への給油が確実に行われる。
【0031】図3(A)は、他の実施の形態の給油通路
構造を備えた駆動軸6Aの一部断面図を示す。鍔部8を
介して主軸部7およびクランク軸部9が一体に連結され
る駆動軸6A自体の形状構造は変わりがない。この駆動
軸6Aに設けられる給油通路20Aは、上記吸込み口体
30から偏心油穴31と油溝33を介して主軸油穴34
までの構成も先に説明したものと同一である。
構造を備えた駆動軸6Aの一部断面図を示す。鍔部8を
介して主軸部7およびクランク軸部9が一体に連結され
る駆動軸6A自体の形状構造は変わりがない。この駆動
軸6Aに設けられる給油通路20Aは、上記吸込み口体
30から偏心油穴31と油溝33を介して主軸油穴34
までの構成も先に説明したものと同一である。
【0032】上記主軸油穴34の先端と連通する導出穴
35Aは、主軸部7の中心軸Lと極めて近い位置で、か
つ主軸部7の中心軸Lと並行して垂直に設けられる。こ
の導出穴35Aの上端と連通して凹部38が設けられ
る。上記凹部38は、クランク軸部9の上端面に開放
し、クランク軸部9の強度を必要最小限確保する肉厚を
残して凹陥形成される。そして、凹部38には栓部材4
0が嵌め込まれていて、栓部材40は凹部38を閉塞し
ている。
35Aは、主軸部7の中心軸Lと極めて近い位置で、か
つ主軸部7の中心軸Lと並行して垂直に設けられる。こ
の導出穴35Aの上端と連通して凹部38が設けられ
る。上記凹部38は、クランク軸部9の上端面に開放
し、クランク軸部9の強度を必要最小限確保する肉厚を
残して凹陥形成される。そして、凹部38には栓部材4
0が嵌め込まれていて、栓部材40は凹部38を閉塞し
ている。
【0033】なお、上記凹部38における栓部材40が
嵌め込まれる位置は、凹部38のほとんど底面である
が、栓部材40と凹部38底面との間にはある程度の空
間部が形成されている。上記栓部材40は所定肉厚の板
部材であって、凹部38に嵌め込まれるところから、そ
の周面と凹部周面とは密に嵌合して潤滑油の通過および
浸透がない。この栓部材40における主軸部中心軸Lか
ら最も離間した位置に開口部bが設けられている。
嵌め込まれる位置は、凹部38のほとんど底面である
が、栓部材40と凹部38底面との間にはある程度の空
間部が形成されている。上記栓部材40は所定肉厚の板
部材であって、凹部38に嵌め込まれるところから、そ
の周面と凹部周面とは密に嵌合して潤滑油の通過および
浸透がない。この栓部材40における主軸部中心軸Lか
ら最も離間した位置に開口部bが設けられている。
【0034】すなわち、凹部38底面に開口する導出穴
35Aの位置は主軸部7の中心軸Lからわずかの距離し
か離間していないが、栓部材40に設けられる開口部b
の位置は、栓部材40における主軸部7の中心軸Lから
最も離間している。上記栓部材40に設けられる開口部
bが、先に図1および図2で説明した導出穴35の開口
部aに相当していて、主軸部7の中心軸Lから開口部b
までの半径dが主軸油穴34における溝底半径Dよりも
大(d>D))に設定されることを特徴としている。
35Aの位置は主軸部7の中心軸Lからわずかの距離し
か離間していないが、栓部材40に設けられる開口部b
の位置は、栓部材40における主軸部7の中心軸Lから
最も離間している。上記栓部材40に設けられる開口部
bが、先に図1および図2で説明した導出穴35の開口
部aに相当していて、主軸部7の中心軸Lから開口部b
までの半径dが主軸油穴34における溝底半径Dよりも
大(d>D))に設定されることを特徴としている。
【0035】さらに、上記栓部材40の開口部aの穴径
もしくは断面の等価直径は、この開口部aより上流側の
給油通路20Aの穴径もしくは断面の等価直径よりも小
さく設定されることも特徴の一つとしている。これによ
り、導出穴35Aにおける通路抵抗が減少し、栓部材4
0と凹部38底との間に形成される空間部に潤滑油が充
満する。最終の遠心力が作用する部位に有効な構成とな
り、潤滑油を連続して確実に吸い上げ各摺動部へ充分な
量の給油を行うことができる。
もしくは断面の等価直径は、この開口部aより上流側の
給油通路20Aの穴径もしくは断面の等価直径よりも小
さく設定されることも特徴の一つとしている。これによ
り、導出穴35Aにおける通路抵抗が減少し、栓部材4
0と凹部38底との間に形成される空間部に潤滑油が充
満する。最終の遠心力が作用する部位に有効な構成とな
り、潤滑油を連続して確実に吸い上げ各摺動部へ充分な
量の給油を行うことができる。
【0036】なお、上記栓部材40に設けられる開口部
bは、図3(C)に示すように、栓部材40の外周面に
開放する切欠きである。この切欠き開口部bは、再び図
3(A)に示すように、クランク軸部9の凹部38周壁
とクランク軸部9周壁に貫通して設けられるクランク油
穴36と連通している。栓部材40の切欠き開口部bを
導通する潤滑油の一部は、栓部材40上面側の凹部38
内に導かれ、残りの一部はクランク油穴36を介してク
ランク油溝37に導かれる。したがって、クランク軸部
9上面およびクランク油溝37に充分な量の潤滑油が導
かれて潤滑をなす。
bは、図3(C)に示すように、栓部材40の外周面に
開放する切欠きである。この切欠き開口部bは、再び図
3(A)に示すように、クランク軸部9の凹部38周壁
とクランク軸部9周壁に貫通して設けられるクランク油
穴36と連通している。栓部材40の切欠き開口部bを
導通する潤滑油の一部は、栓部材40上面側の凹部38
内に導かれ、残りの一部はクランク油穴36を介してク
ランク油溝37に導かれる。したがって、クランク軸部
9上面およびクランク油溝37に充分な量の潤滑油が導
かれて潤滑をなす。
【0037】図3(B)は、さらに他の実施の形態の給
油通路構造を備えた駆動軸6Aの一部断面図を示す。こ
こでも切欠き開口部bを備えた栓部材40が、導出穴3
5Aと連通する凹部38に嵌め込まれることは変わりが
ない。先に説明したものと相違するのは、上記栓部材4
0をクランク軸部9に設けられるクランク油穴36の穴
中心から上部側に嵌め込んだ構成である。
油通路構造を備えた駆動軸6Aの一部断面図を示す。こ
こでも切欠き開口部bを備えた栓部材40が、導出穴3
5Aと連通する凹部38に嵌め込まれることは変わりが
ない。先に説明したものと相違するのは、上記栓部材4
0をクランク軸部9に設けられるクランク油穴36の穴
中心から上部側に嵌め込んだ構成である。
【0038】したがって、凹部38底面と栓部材40下
面との距離をある程度大きく確保でき、この間の空間部
の容積が大となるから、空間部に収容する潤滑油の量が
図3(A)の構成のものよりも大になる。その結果、よ
り多量の潤滑油をクランク軸部9等の各摺動部へ供給で
き、上記駆動軸6Aをより低速回転した場合でも、給油
特性を確保する。
面との距離をある程度大きく確保でき、この間の空間部
の容積が大となるから、空間部に収容する潤滑油の量が
図3(A)の構成のものよりも大になる。その結果、よ
り多量の潤滑油をクランク軸部9等の各摺動部へ供給で
き、上記駆動軸6Aをより低速回転した場合でも、給油
特性を確保する。
【0039】図4(A)は、さらに異なる他の実施の形
態の給油通路構造を備えた駆動軸6Bの一部断面図を示
し、図4(B)はここに用いられる栓部材40aの平面
図を示す。上記駆動軸6Bに設けられる給油通路20B
において、後述する開口部cを備えた栓部材40aが導
出穴35Aと連通する凹部38に嵌め込まれる。なお、
上記栓部材40aをクランク軸部9に設けられるクラン
ク油穴36より上部側に嵌め込んでいる。
態の給油通路構造を備えた駆動軸6Bの一部断面図を示
し、図4(B)はここに用いられる栓部材40aの平面
図を示す。上記駆動軸6Bに設けられる給油通路20B
において、後述する開口部cを備えた栓部材40aが導
出穴35Aと連通する凹部38に嵌め込まれる。なお、
上記栓部材40aをクランク軸部9に設けられるクラン
ク油穴36より上部側に嵌め込んでいる。
【0040】上記栓部材40aに設けられる開口部c
は、栓部材40aの周面と干渉しない位置に設けられ、
板厚方向に貫通する孔部となしている。このような構成
であるところから、凹部38底面と栓部材40下面との
距離をある程度大きく確保でき、空間部の容積が大とな
って充分な量の潤滑油を収容すきる。
は、栓部材40aの周面と干渉しない位置に設けられ、
板厚方向に貫通する孔部となしている。このような構成
であるところから、凹部38底面と栓部材40下面との
距離をある程度大きく確保でき、空間部の容積が大とな
って充分な量の潤滑油を収容すきる。
【0041】そのうえで、上記栓部材40aの開口部c
は孔部状をなして絞られているから、クランク油穴36
およびクランク油溝37に充分な量の潤滑油を導くこと
ができる。図5は、先に説明した各実施の形態における
主軸部7の中心軸Lから開口部a,b,cまでの半径d
と上記溝底半径Dとの比(d/D)である半径距離比に
対する給油量比を示す特性図である。
は孔部状をなして絞られているから、クランク油穴36
およびクランク油溝37に充分な量の潤滑油を導くこと
ができる。図5は、先に説明した各実施の形態における
主軸部7の中心軸Lから開口部a,b,cまでの半径d
と上記溝底半径Dとの比(d/D)である半径距離比に
対する給油量比を示す特性図である。
【0042】半径距離比が100〜110%のところで
は給油量比がわずかに増すだけであるが、110〜12
0%では給油量比の増大傾向が明確となり、120〜1
30%では給油量比の増大が顕著なものとなる。したが
って、従来(給油量比:100)に比べて潤滑油の揚程
を最大5割以上も向上することが判明した。また、蒸発
器と凝縮器を備えている冷凍サイクルに組み込む圧縮機
として、上述のレシプロ式密閉型電動圧縮機の構成を採
用することにより、最低回転数を5%以上下げることが
できた。
は給油量比がわずかに増すだけであるが、110〜12
0%では給油量比の増大傾向が明確となり、120〜1
30%では給油量比の増大が顕著なものとなる。したが
って、従来(給油量比:100)に比べて潤滑油の揚程
を最大5割以上も向上することが判明した。また、蒸発
器と凝縮器を備えている冷凍サイクルに組み込む圧縮機
として、上述のレシプロ式密閉型電動圧縮機の構成を採
用することにより、最低回転数を5%以上下げることが
できた。
【0043】なお、以上説明した圧縮機構部3における
ピストン駆動方式としてボールジョイント方式を採用し
て説明したが、これに限定されるものではなく、たとえ
ばスコッチヨーク方式やコンロッド方式など、他の駆動
方式を用いても同一の作用効果が得られる。また、上述
の圧縮機構部3においては1シリンダ式のものとして説
明したが、2つのシリンダを備えた2シリンダ式のもの
でも同様な作用効果が得られ、さらに冷媒や潤滑油の種
類が異なった場合でも同様な作用効果が得られる。
ピストン駆動方式としてボールジョイント方式を採用し
て説明したが、これに限定されるものではなく、たとえ
ばスコッチヨーク方式やコンロッド方式など、他の駆動
方式を用いても同一の作用効果が得られる。また、上述
の圧縮機構部3においては1シリンダ式のものとして説
明したが、2つのシリンダを備えた2シリンダ式のもの
でも同様な作用効果が得られ、さらに冷媒や潤滑油の種
類が異なった場合でも同様な作用効果が得られる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、低
速回転時での高い信頼性を確保でき、たとえば冷凍冷蔵
庫に搭載した場合には、高いセット性能を得られるレシ
プロ式密閉型電動圧縮機を提供できる。
速回転時での高い信頼性を確保でき、たとえば冷凍冷蔵
庫に搭載した場合には、高いセット性能を得られるレシ
プロ式密閉型電動圧縮機を提供できる。
【図1】本発明の一実施の形態を示す、レシプロ式密閉
型電動圧縮機の縦断正面図。
型電動圧縮機の縦断正面図。
【図2】同実施の形態を示す、給油通路構成を説明する
ための駆動軸の一部断面図。
ための駆動軸の一部断面図。
【図3】他の実施の形態を示す、互いに異なる給油通路
構成を説明するための駆動軸の一部断面図と、栓部材に
おける開口部を説明する図。
構成を説明するための駆動軸の一部断面図と、栓部材に
おける開口部を説明する図。
【図4】さらに異なる他の実施の形態を示す、給油通路
構成を説明するための駆動軸の一部断面図と、栓部材に
おける開口部を説明する図。
構成を説明するための駆動軸の一部断面図と、栓部材に
おける開口部を説明する図。
【図5】本発明における、半径距離比に対する給油量比
の特性図。
の特性図。
【図6】従来の、互いに異なる給油通路構成を説明する
ための駆動軸の一部断面図。
ための駆動軸の一部断面図。
1…密閉ケース、
4…電動機部、
3…圧縮機構部、
7…主軸部、
9…クランク軸部、
6,6A,6B…駆動軸、
19…油溜り部、
20,20A,20B…給油通路、
33…油溝、
34…主軸油穴、
35,35A…導出穴、
a,b,c…開口部、
38…凹部、
40…栓部材、
36…クランク油穴。
Claims (7)
- 【請求項1】密閉ケースと、 この密閉ケース内に収容され、下部側の電動機部および
上部側の圧縮機構部とからなる電動圧縮機本体と、 この電動圧縮機本体の上記電動機部に嵌め込まれる主軸
部および上記圧縮機構部に嵌め込まれるクランク軸部と
が一体に連設される駆動軸と、 上記密閉ケース内底部に形成され、上記駆動軸の主軸部
下端が浸漬する潤滑油の油溜り部と、 上記駆動軸の主軸部下端からクランク軸部上端に亘って
設けられ、駆動軸の回転にともなう遠心力の作用で油溜
り部の潤滑油を汲み上げて各摺動部へ供給する給油通路
とを具備し、 上記給油通路は、油溜り部から吸い上げた潤滑油を主軸
部周面に導く油溝と、この油溝上端と連通され潤滑油を
主軸部の中心軸方向へ導く横穴である主軸油穴と、この
主軸油穴に連通され潤滑油を上記クランク軸部端面に開
口する開口部から放出する導出穴とを備え、 上記主軸部の中心軸から上記導出穴開口部までの半径d
は、上記主軸部の中心軸から上記主軸油穴と油溝との連
設部までの距離(溝底半径)Dよりも大(d>D)に設
定されることを特徴とするレシプロ式密閉型電動圧縮
機。 - 【請求項2】上記導出穴の穴径または断面の等価直径
(=4×断面積/断面の周長)は、この導出穴より上流
側の給油通路の穴径または断面の等価直径より小さく設
定されることを特徴とする請求項1記載のレシプロ式密
閉型電動圧縮機。 - 【請求項3】上記導出穴は、主軸部の中心軸に対して斜
めに設けられることを特徴とする請求項1記載のレシプ
ロ式密閉型電動圧縮機。 - 【請求項4】密閉ケースと、 この密閉ケース内に収容され、下部側の電動機部および
上部側の圧縮機構部とからなる電動圧縮機本体と、 この電動圧縮機本体の上記電動機部に嵌め込まれる主軸
部および上記圧縮機構部に嵌め込まれるクランク軸部と
が一体に連設される駆動軸と、 上記密閉ケース内底部に形成され、上記駆動軸の主軸部
下端が浸漬する潤滑油の油溜り部と、 上記駆動軸の主軸部下端からクランク軸部上端に亘って
設けられ、駆動軸の回転にともなう遠心力の作用で油溜
り部の潤滑油を汲み上げて各摺動部へ供給する給油通路
とを具備し、 上記給油通路は、油溜り部から吸い上げた潤滑油を主軸
部周面に導く油溝と、この油溝上端と連通され潤滑油を
主軸部の中心軸方向へ導く横穴である主軸油穴と、この
主軸油穴に連通して設けられる導出穴と、この導出穴の
上端と連通され上記クランク軸部の上端面に開放して設
けられる凹部と、この凹部底面と所定の間隙を存して嵌
め込まれ凹部を閉塞する栓部材と、この栓部材に設けら
れる開口部とを備え、 上記主軸部の中心軸から上記栓部材開口部までの半径d
は、上記主軸部の中心軸から上記主軸油穴と油溝との連
設部までの距離(溝底半径)Dよりも大(d>D)に設
定され、 かつ上記栓部材開口部の穴径もしくは断面の等価直径
(=4×断面積/断面の周長)は、上記開口部より上流
側の給油通路の穴径もしくは断面の等価直径よりも小さ
く設定されることを特徴とするレシプロ式密閉型電動圧
縮機。 - 【請求項5】上記栓部材に設けられる開口部は、栓部材
の外周面に開放する切欠きであり、この切欠き開口部
は、上記凹部周面からクランク軸部周面を貫通して設け
られるクランク油穴と連通されることを特徴とする請求
項4記載のレシプロ式密閉型電動圧縮機。 - 【請求項6】上記栓部材に設けられる開口部は、栓部材
の周面とは離間して貫通する孔部であり、 上記栓部材の下部側に、凹部周面からクランク軸部周面
を貫通してクランク油穴が設けられることを特徴とする
請求項4記載のレシプロ式密閉型電動圧縮機。 - 【請求項7】上記主軸部の中心軸から上記開口部までの
半径dと、上記主軸部の中心軸から上記主軸油穴と油溝
との連設部までの距離(溝底半径)Dとの比(d/D)
は、100〜130%になるように設定されることを特
徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のレ
シプロ式密閉型電動圧縮機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002102779A JP2003293953A (ja) | 2002-04-04 | 2002-04-04 | レシプロ式密閉型電動圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002102779A JP2003293953A (ja) | 2002-04-04 | 2002-04-04 | レシプロ式密閉型電動圧縮機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003293953A true JP2003293953A (ja) | 2003-10-15 |
Family
ID=29242392
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002102779A Pending JP2003293953A (ja) | 2002-04-04 | 2002-04-04 | レシプロ式密閉型電動圧縮機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003293953A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100708551B1 (ko) * | 2005-07-19 | 2007-04-18 | 삼성광주전자 주식회사 | 밀폐형 압축기 |
CN108443115A (zh) * | 2018-05-08 | 2018-08-24 | 青岛万宝压缩机有限公司 | 改善排油量的压缩机曲轴及压缩机 |
CN109185146A (zh) * | 2018-09-25 | 2019-01-11 | 珠海凌达压缩机有限公司 | 一种轴、泵体组件及压缩机 |
CN115789066A (zh) * | 2023-01-18 | 2023-03-14 | 无锡市宏泰电机股份有限公司 | 一种电机曲轴 |
-
2002
- 2002-04-04 JP JP2002102779A patent/JP2003293953A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100708551B1 (ko) * | 2005-07-19 | 2007-04-18 | 삼성광주전자 주식회사 | 밀폐형 압축기 |
CN108443115A (zh) * | 2018-05-08 | 2018-08-24 | 青岛万宝压缩机有限公司 | 改善排油量的压缩机曲轴及压缩机 |
CN108443115B (zh) * | 2018-05-08 | 2023-08-15 | 青岛万宝压缩机有限公司 | 改善排油量的压缩机曲轴及压缩机 |
CN109185146A (zh) * | 2018-09-25 | 2019-01-11 | 珠海凌达压缩机有限公司 | 一种轴、泵体组件及压缩机 |
CN115789066A (zh) * | 2023-01-18 | 2023-03-14 | 无锡市宏泰电机股份有限公司 | 一种电机曲轴 |
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