JP2003201575A - 加工性に優れたリン酸塩処理亜鉛系めっき鋼板の製造方法 - Google Patents
加工性に優れたリン酸塩処理亜鉛系めっき鋼板の製造方法Info
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Abstract
善し、更に、加工性に優れるリン酸塩処理亜鉛系めっき
鋼板を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明者らは、先の国際公開番号:「W
O01/11110 A1」の「リン酸塩皮膜の結晶形
態が粒状結晶を主体とするリン酸塩処理亜鉛系めっき鋼
板」の高面圧下でのビード摺動特性の改善について種々
検討した結果、リン酸塩処理に先立って行われる表面調
整処理の種類が極めて重要な役割を果たすことを見いだ
し、本発明に至った。すなわち本発明は、亜鉛系メッキ
鋼板の表面に、以下、の順の工程を経てリン酸塩結
晶形成することを特徴とするものである。 多価金属のリン酸塩と促進成分からなる表面調整処
理剤に接触させる。 Mgを含有するリン酸塩処理液に接触させてリン酸
塩皮膜を形成する。
Description
材等の用途に用いられる加工性に優れたリン酸塩処理亜
鉛系めっき鋼板に関するものである。
る亜鉛系めっき鋼板は、従来よりリン酸塩処理、クロメ
ート処理、更には有機被覆処理を施し、耐食性、加工性
等の付加価値を向上させて使用されることが多かった。
近年環境上の問題から、特にクロメート処理された鋼板
は、6価のクロムを含む可能性があることから嫌われる
傾向にあり、リン酸塩処理に対する要望が高まってい
る。また、加工性の観点からは、Zn−Ni系の合金め
っき鋼板が良好な特性を示すことから、広く用いられて
いるが、Niを含む合金めっきであることから製造コス
トが高価になるといった問題がある。このため、製造コ
ストの安価な電気亜鉛めっき鋼板、あるいは、溶融亜鉛
めっき鋼板、あるいは、合金化溶融亜鉛めっき鋼板にリ
ン酸塩処理を施し、付加価値を向上させる試みがなされ
ている。
溶融亜鉛めっき鋼板、あるいは、合金化溶融亜鉛めっき
鋼板に対する従来のリン酸塩処理では、Zn−Ni系合
金めっき鋼板に比較して、必ずしも十分な加工性が得ら
れていない。特に近年増加しているビード押さえで鋼板
流入量を規制して絞り加工を行う用途においては、加工
性が不十分である。
おいて、Fe,Co,Ni,Ca,Mg,Mn等の1種
以上を含有するプレス性に優れたリン酸塩処理亜鉛系め
っき鋼板が開示されているが、この技術においても、先
のビード押さえ絞り加工においては十分な性能が得られ
ていない。
においても充分な絞り加工が得られる方法について種々
検討し、国際公開番号:「WO01/11110 A
1」の「粒状結晶を主体とする形態を有するリン酸塩処
理亜鉛系めっき鋼板」を開発した。このリン酸塩処理亜
鉛系めっき鋼板は、先のビード押さえ加工絞りの加工性
を充分に向上し、自動車用鋼板として実用化され、現
在、適用部品が順次拡大されていっている。
開番号:「WO01/11110A1」の「粒状結晶を
主体とする形態を有するリン酸塩処理亜鉛系めっき鋼
板」でも、ビード部の摺動不良によるネッキングや割れ
が発生するものがでてきた。
生について、種々調査検討した結果、このネッキングや
割れが発生するのは、先の国際公開番号:「WO01/
11110 A1」での開発において評価したビード押
さえ条件より更に厳しいプレス条件(ビードのRが小さ
いダブルビードを有するプレス金型等の高面圧下での優
れたビード摺動特性が要求されるプレス条件)で成型さ
れる部品であることを突き止めた。このような厳しい摺
動条件下では、リン酸塩皮膜が損傷し金型等に堆積し
て、やがてネッキングや割れに至るようになる。 即
ち、一部の用途においては、「WO01/11110
A1」の鋼板でも、更なるプレス摺動特性を改善する必
要があることが判明した。
のビード摺動特性を改善し、更に、加工性に優れるリン
酸塩処理亜鉛系めっき鋼板を提供することを目的とす
る。
公開番号:「WO01/11110 A1」の「リン酸
塩皮膜の結晶形態が粒状結晶を主体とするリン酸塩処理
亜鉛系めっき鋼板」の高面圧下でのビード摺動特性の改
善について種々検討した結果、リン酸塩処理に先立って
行われる表面調整処理の種類が極めて重要な役割を果た
すことを見いだし、本発明に至った。すなわち本発明
は、亜鉛系メッキ鋼板の表面に、以下、の順の工程
を経てリン酸塩結晶形成することを特徴とするものであ
る。 多価金属のリン酸塩と促進成分からなる表面調整処
理剤に接触させる。 Mgを含有するリン酸塩処理液に接触させてリン酸
塩皮膜を形成する。
には特に限定がなく、純亜鉛めっき、合金めっきのいず
れについても使用でき、その良好な加工性改善効果を享
受できるが、製造コストの観点からは、電気亜鉛めっ
き、溶融亜鉛めっき、合金化溶融亜鉛めっき等が好まし
い。
経て特定のリン酸塩処理を施すことが必要であり、まず
表面調整処理について説明する。
と促進成分を含むことが必要である。多価金属として
は、好ましいものとしてZn、Fe、Mn、Ni、C
o、Ca、Mg、Al等を例示できるがこれらに限定さ
れるものではない。促進成分としては、正りん酸、ポリ
りん酸または有機ホスホン酸化合物、オルソりん酸塩、
メタりん酸塩、オルソ珪酸塩、メタ珪酸塩、炭酸塩、重
炭酸塩、およびホウ酸塩、 単糖類、多糖類、及びその
誘導体、水溶性または水分散性の高分子化合物、等を例
示できる。処理方法は、スプレー、ディップ等、特に限
定されない。
面調整(例えば、TiO2コロイド処理、プレメッキ処
理、ブラシ研削処理)を併用することも可能である。表
面調整処理の後は、水洗してもしなくてもよいが、水洗
してしまうと表面調整の効果が薄れることがあるため、
水洗せずそのまま次のリン酸塩処理を行うことが望まし
い。
でのリン酸塩処理とは、その処理浴中にリン酸イオンと
Znイオン、さらに必要に応じてZn以外の金属塩、さ
らに促進成分として、硝酸イオン、亜硝酸イオン、弗化
物イオン等を含有し、いわゆるホパイト(Zn3(P
O4)2・4H2O)結晶を形成するものを言う。本発明
においては前述の処理浴中にMgイオンを含有させるこ
とが必須である。先に述べた特定の表面調整を施した上
にMgイオンを含有するリン酸塩処理を行うことで、そ
の理由は不明であるが、高面圧下でのビード摺動特性を
改善することが可能である。処理浴中のMgイオンの好
ましい濃度としては5g/l以上、より好ましくは10
g/l以上である。Mgイオン濃度の増加とともに、W
O01/11110 A1にて述べられている様に結晶
が粒状化し、摺動性が良好となる。Mgイオン濃度の上
限は、溶解度に基づく溶液の安定性により規定され、例
えばMgを硝酸塩で添加する場合には、40g/l程度
が上限となる。Mgイオン濃度以外の成分濃度は、通常
のリン酸塩処理の範囲で良く、その一例を述べるなら
ば、Znイオンは0.1〜5g/l、PO4イオンは1
〜40g/l、Fイオンまたは弗化物イオンをFとし
て、0〜1g/l、硝酸イオンを0〜10g/l、であ
る。なお、Mgは硝酸イオンで添加するのがコストの観
点から好ましいが、この場合の浴中の硝酸イオン濃度
は、先に記載した濃度に更に硝酸Mg由来の硝酸イオン
が上乗せされることになる。また、浴中には、Zn、M
g以外に、Na,K,Ni,Co,Mn,Fe,Cu,
Ca等の金属イオンを共存させることも可能である。処
理方法は、スプレー、ディップ等、特に限定されない。
処理浴温度は、40〜70℃程度が望ましい。
の付着量については、高面圧下でのビード摺動特性の点
からは、0.01〜1.5g/m2程度が好ましいが、
耐食性その他特性も考慮すると0.4〜1.5g/m2
程度が望ましい。
酸塩皮膜の上に、更にMg等の多価金属イオンを含有す
るリン酸水溶液を塗布乾燥させた皮膜を複合すること
も、耐食性の観点からは好ましい。
し、調質圧延で、表面粗さ(Ra=0.5μm)を調整
した板厚0.65mm、r(ランクフォード値)=1.
9の電気亜鉛めっき鋼板(目付量30g/m2(片面あ
たり))を素材とした。
径0.5μmの第三リン酸亜鉛1g/lとポリビニルア
ルコール1g/lからなる)を45℃にて2秒間スプレ
ー処理を行った。
径0.5μmの第三リン酸亜鉛鉄1g/lとグルコース
0.1g/lからなる)を45℃にて2秒間スプレー処
理を行った。
系表面調整処理剤(日本パーカライジング(株)製PL
−Zn)を2g/l、45℃にて2秒間スプレー処理を
行った。
イオン2g/l,Niイオン4g/l,Mgイオン0.
5g/l,フッ素0.15g/l、硝酸イオン1g/
l)(処理浴A)を用い、処理浴温度を60℃としスプ
レー4秒処理して水洗、乾燥させた。
様に添加した浴(処理浴B)を用い、処理浴温度を60
℃としスプレー4秒処理して水洗、乾燥させた。
る様に添加した浴(処理浴C)を用い、処理浴温度を6
0℃としスプレー4秒処理して水洗、乾燥させた。
る様に添加した浴(処理浴D)を用い、処理浴温度を6
0℃としスプレー0.5〜4秒処理して水洗、乾燥させ
た。
絞り加工性 サンプルを30mm×300mmにせん断した後、洗浄
油(RL55出光興産製)に浸漬、ロール絞りした後、
連続でのダブルビードでの高面圧下のUビード絞り加工
を行った。加工は、60トンクランクプレス機を用い、
加工条件は、BHF=0.9ton、加工速度=45s
pm、である。評価は、連続絞り成型を行いリン酸塩皮
膜の損傷程度を目視で評価した(××=全面損傷,×=
一部損傷,△=軽微な損傷,○=損傷なし)。
は、ダブルビードの高面圧下のビード付き成形性におい
ても優れた加工性が得られるのに対し、本発明範囲から
外れる比較例については、加工性が顕著に悪化した。
圧下のUビード絞り加工性という厳しい高面圧下での摺
動下においても、良好な加工性を有したリン酸塩処理亜
鉛系めっき鋼板を得ることが可能になる。本発明の鋼板
は、簡易的でコスト的にも優れ、自動、家電、建材等各
種の用途に好適なものである。
Claims (3)
- 【請求項1】 亜鉛系メッキ鋼板の表面に、以下、
の順の工程を経てリン酸亜鉛結晶を形成することを特徴
とする、加工性に優れたリン酸塩処理亜鉛系めっき鋼板
の製造方法。 多価金属のリン酸塩と促進成分からなる表面調整処
理剤に接触させる。 Mgを含有するリン酸塩処理液に接触させてリン酸
塩皮膜を形成する。 - 【請求項2】 リン酸塩処理液中のMg濃度が5g/l
以上であることを特徴とする請求項1に記載の亜鉛系メ
ッキ鋼板の製造方法。 - 【請求項3】 リン酸塩処理液中のMg濃度が10g/
l以上であることを特徴とする請求項1に記載の亜鉛系
メッキ鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002002604A JP2003201575A (ja) | 2002-01-09 | 2002-01-09 | 加工性に優れたリン酸塩処理亜鉛系めっき鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002002604A JP2003201575A (ja) | 2002-01-09 | 2002-01-09 | 加工性に優れたリン酸塩処理亜鉛系めっき鋼板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003201575A true JP2003201575A (ja) | 2003-07-18 |
Family
ID=27642416
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002002604A Pending JP2003201575A (ja) | 2002-01-09 | 2002-01-09 | 加工性に優れたリン酸塩処理亜鉛系めっき鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003201575A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014510197A (ja) * | 2011-03-22 | 2014-04-24 | ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン | 亜鉛を有する金属部材の多段耐食処理 |
-
2002
- 2002-01-09 JP JP2002002604A patent/JP2003201575A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014510197A (ja) * | 2011-03-22 | 2014-04-24 | ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン | 亜鉛を有する金属部材の多段耐食処理 |
US9534301B2 (en) | 2011-03-22 | 2017-01-03 | Henkel Ag & Co. Kgaa | Multi-stage anti-corrosion treatment of metal components having zinc surfaces |
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