JP2003166175A - 繊維加工用架橋型樹脂水性組成物 - Google Patents
繊維加工用架橋型樹脂水性組成物Info
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Abstract
き、有害物質の発生や排水中への混入がなく、且つ優れ
た樹脂加工繊維製品が得られる繊維加工用架橋型樹脂水
性組成物の提供。 【解決手段】アルキルフェニル系界面活性剤を実質的に
含まず、特定のノニオン系界面活性剤を主成分として含
む界面活性剤の存在下に、カルボニル基含有単量体を含
む特定のアクリル系単量体を乳化共重合してなる、特定
ガラス転移点(Tg)範囲のカルボニル基含有アクリル系
共重合体に対して、カルボジヒドラジドを特定量含有し
てなることを特徴とする繊維加工用架橋型樹脂水性組成
物。
Description
維、合成繊維等からなる織布、編布、不織布、フェル
ト、紙など繊維基材の樹脂加工剤のバインダー、例え
ば、不織布バインダー、捺染バインダー、コーティング
剤用バインダー、含浸加工剤用バインダー、カーペット
バッキング剤用バインダー、植毛加工用バインダー等と
して有用であり、特に自動車のシートやインテリアなど
に用いられる織布もしくは編布のコーティング剤用又は
含浸加工剤用バインダー、及び繊維基材にプリント捺染
するためのスクリーン捺染用バインダーとして好適に用
いられる架橋型樹脂水性組成物に関する。
加工に際して健康上有害なホルムアルデヒドを発生させ
ることがなく、またその際生じる排水中に生物の内分泌
機能破壊物質を含まず、且つ得られる樹脂加工された繊
維製品も実質的にホルムアルデヒドなどの有害物質を含
有することのない、環境衛生上の卓越した特性を有する
繊維加工用架橋型樹脂水性組成物に関し、さらに詳しく
は、カルボニル基含有アクリル系共重合体(A)と、分子
中に複数のヒドラジド残基を有するヒドラジン誘導体
(B)とを含有してなる繊維加工用架橋型樹脂水性組成物
において:該アクリル系共重合体(A)が、アルキルフェ
ニル系界面活性剤を実質的に含まず、炭素数10〜20の脂
肪族アルコールポリオキシエチレンエーテル型ノニオン
系界面活性剤を主成分として含む界面活性剤の存在下
に、特定の(メタ)アクリル酸エステル(a)、シアン化ビ
ニル単量体(b)、カルボニル基含有単量体(c)、不飽和カ
ルボン酸(d)を必須成分として、それぞれ特定量を乳化
共重合してなる、特定ガラス転移点(Tg)範囲のアクリ
ル系共重合体であり、これに対して、該ヒドラジン誘導
体(B)としてカルボジヒドラジドを特定量含有してなる
ことを特徴とする樹脂水性組成物に関する。
品を得るため、前記繊維基材に水性樹脂エマルジョンを
主成分とする樹脂加工剤を用いることは公知であり、例
えば、織布や編布などの繊維基材に水性樹脂エマルジョ
ンを主成分とする顔料捺染剤を用いてプリント捺染する
ことも知られている。
ては、多くの水溶性合成樹脂又は水分散型樹脂の使用が
知られており、アクリル系共重合体エマルジョンもしば
しば使用されている。アクリル系共重合体エマルジョン
は比較的安価で、耐候性に優れ、共重合体組成の選択の
自由度が高く所望の風合いの製品を提供することが可能
であり、且つ堅牢度も比較的良好であるという長所を有
しており現在広く使用されているが、堅牢度、耐洗濯性
及び耐ドライクリーニング性と共に、貯蔵時に製品の表
面同士ブロッキングの発生や使用時の埃などによる汚染
を防止するための不粘着性を同時に満足するものはほと
んど存在しない。
いられる織布もしくは編布のコーティング剤用又は含浸
加工剤用バインダーとしては、耐候性、柔軟性と共に不
粘着性が要求される。
性官能基や反応性官能基を付加した自己架橋型又は反応
型のアクリル系共重合体エマルジョンも使用可能である
が、加工に高温を要するものが多く基布が変形を起こす
ことがあり、また自己架橋性官能基や併用する架橋剤に
よっては基布が変色することもあり、さらに架橋反応時
に多量のホルムアルデヒド等の有害物質が発生し、それ
が加工された繊維製品に残留するなどの問題もある。そ
のためこれら繊維加工の分野では、比較的穏やかな加工
条件下で加工することができ、且つホルムアルデヒドな
どの有害物質を発生することのないバインダーの出現が
強く要望されている。
体エマルジョンに汎用されているアルキルフェニル基を
含む界面活性剤が排水中に含まれて河川等に排出される
と、その加水分解によって生じるアルキルフェノール
が、それら河川及びそれが流入する海の中に生息する生
物、特に魚貝類に取り込まれて、それら生物の内分泌機
能(エンドクリン)破壊物質(所謂、環境ホルモン)と
して作用することが知られるようになった。このような
アルキルフェノールは、これら魚介類の摂取を通して、
又は直接それら河川等の水を使用する上水道の水を通し
て、人の体内に入る危険性が高いことが指摘されてい
る。
ステムについても幾つかの提案がなされており、例え
ば、特開昭54-110248号公報にはヒドラジン誘導体を含
有するカルボニル基含有共重合物の水性分散液の使用に
ついて提案されている。そしてこの提案には、本発明に
用いるカルボジヒドラジドの使用についても開示されて
いる。
である実施例においては、カルボジヒドラジドは、アク
リルアミドビバリンアルデヒドを共重合したブタジエン
・スチレン・アクリル共重合体エマルジョンに対して用
いられており、ジエン系単量体を含まない共重合体エマ
ルジョンに用いられたものではない。そしてこの実施例
による水性分散液を繊維加工用バインダーとしたとき、
得られる樹脂加工繊維製品は耐候性や耐溶剤性の点で問
題がある。また該提案の実施例には、本発明に用いるジ
アセトンアクリルアミドを含む各種のアルド基もしくは
ケト基を含む単量体を共重合した、ジエン系単量体を含
まないアクリル系又はアクリル・スチレン系共重合体エ
マルジョンに、コハク酸ジヒドラジドなどカルボジヒド
ラジド以外の各種ヒドラジン誘導体を配合した水性分散
液も記載されているが、これらは何れもアルキルフェニ
ル系界面活性剤又はアルキル硫酸ナトリウム塩を用いて
乳化共重合されたものであって、本発明のように特定の
脂肪族アルコールポリオキシエチレンエーテル型ノニオ
ン系界面活性剤を主成分として含む界面活性剤の存在下
に乳化共重合されたものではない。
較的穏やかな加工条件下で加工することができ、ホルム
アルデヒドなどの有害物質の発生や、排水中へのアルキ
ルフェニル系界面活性剤などの環境ホルモン原因物質の
混入がなく、且つ得られる樹脂加工繊維製品が優れた柔
軟性と共に、堅牢度、耐洗濯性、耐ドライクリーニング
性、不粘着性、耐熱性、耐候性等の諸物性を保持するよ
うな繊維加工用架橋型樹脂水性組成物を開発するための
研究を行った。
ドなど有害物質の発生のないカルボニル基含有アクリル
系共重合体をヒドラジン誘導体で架橋する方法を検討し
たところ、ヒドラジン誘導体としてアジピン酸ジヒドラ
ジドなどを使用すると、得られる樹脂加工繊維製品が、
意外なことに少量のホルムアルデヒドを含有しているこ
とを見出した。これは大気中に微量存在するホルムアル
デヒドをヒドラジン誘導体が選択的に吸着して濃縮する
ためと思われる。そして本発明者等の研究によれば、意
外にも、ヒドラジン誘導体としてカルボジヒドラジドを
使用したときにのみ、ホルムアルデヒドの検出量が極微
量に抑えられることを見出した。
まず、特定の脂肪族アルコールポリオキシエチレンエー
テル型ノニオン系界面活性剤を主成分として含む界面活
性剤を用いて、ジアセトンアクリルアミドなどのカルボ
ニル基含有単量体を含むアクリル系単量体を共重合して
得られるアクリル系共重合体水性分散液に、ヒドラジン
誘導体としてアジピン酸ジヒドラジドなどを配合して得
られる組成物のフィルム物性を調べたところ、十分な架
橋が形成されないこと、そして意外にもヒドラジン誘導
体としてカルボジヒドラジドを用いたときにのみ十分な
架橋が形成されることを見出し、さらに研究を続けた結
果本発明に至った。
ニル基含有アクリル系共重合体(A)と、分子中に複数の
ヒドラジド残基を有するヒドラジン誘導体(B)とを含有
してなる繊維加工用架橋型樹脂水性組成物において:
界面活性剤を実質的に含まず、炭素数10〜20の脂肪族ア
ルコールポリオキシエチレンエーテル型ノニオン系界面
活性剤を主成分として含む界面活性剤の存在下に、下記
単量体(a)〜(e)、(a) 下記一般式(1)で表される単量体
45〜94.4重量%、
炭素数1〜10の直鎖もしくは分枝アルキル基を表す)
%、(c) カルボニル基含有単量体 0.1〜5重量%、(d)
炭素数3〜5のα,β−不飽和モノ−又はジ−カルボン
酸 0.5〜10重量%、(e) 上記単量体(a)〜(d)と共重合
可能な、該単量体(a)〜(d)以外の共単量体0〜20重量
%、〔但し、上記(a)〜(e)の合計を100重量%とする〕
g)−40〜+10℃のアクリル系共重合体であること、上
記ヒドラジン誘導体(B)がカルボジヒドラジドであるこ
と、並びに上記カルボニル基含有アクリル系共重合体
(A)のカルボニル基1当量に対して該ヒドラジン誘導体
(B)を0.25〜2重量部含有することを特徴とする樹脂水
性組成物が提供される。以下本発明を詳細に説明する。
性組成物に用いられるアクリル系共重合体(A)は、主成
分として前記一般式(1)で示される(メタ)アクリル酸エ
ステル(a)〔以下主単量体(a)ということがある〕を共重
合してなるものである。
般式(1)におけるR1が水素であり、R2が炭素数1〜10の
直鎖もしくは分枝アルキル基である単量体、具体的に
は、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-プロ
ピルアクリレート、i-プロピルアクリレート、n-ブチル
アクリレート、i-ブチルアクリレート、t-ブチルアクリ
レート、n-オクチルアクリレート、i-オクチルアクリレ
ート、2-エチルヘキシルアクリレート、n-ノニルアクリ
レート、i-ノニルアクリレート、n-デシルアクリレート
等のアクリル酸エステル単量体;前記一般式(1)におけ
るR1がメチル基であり、XがCOOR2であって、R2が炭素数
1〜12の直鎖もしくは分枝アルキル基である単量体、具
体的には、メチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、n-ブチルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタク
リレート、n-デシルメタクリレート等のメタクリル酸エ
ステル単量体;などを挙げることができる。
の共重合性、重合安定性、得られる架橋型樹脂水性組成
物を用いて加工された繊維製品の耐洗濯性などよさの観
点から、ブチルアクリレート、エチルアクリレート、メ
チルメタクリレートの使用が特に好ましい。
リル系共重合体(A)を構成する単量体(a)〜(e)の合計100
重量%に対して45〜94.4重量%で有ることが必要であ
り、好ましくは60〜90重量%、さらに好ましくは70〜85
重量%であるのがよい。主単量体(a)の使用量が該下限
値未満と少なすぎては、得られる樹脂加工繊維製品の耐
洗濯性、耐溶剤性、柔軟性、耐ブロッキング性等の品質
バランスが不十分となりがちとなり好ましくなく、一
方、該上限値を超えて多すぎては、相対的にシアン化ビ
ニル単量体(b)、カルボニル基含有単量体(c)及び/又は
不飽和カルボン酸(d)が少なくなって、耐溶剤性、耐ブ
ロッキング性、耐洗濯性が不足しがちで好ましくない。
単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル等を挙げることができる。
〜(e)の合計100重量%に対して5〜20重量%の範囲内で
あることが必要であり、好ましくは6〜18量%、さらに
好ましくは7〜16重量%であるのがよい。該単量体(b)
の使用量が、該下限値未満と少なすぎては、得られる架
橋型樹脂水性組成物を樹脂加工用バインダー、特に顔料
捺染用バインダーとして用いたときの加工繊維製品の耐
ドライクリーニング性、耐熱性、耐ブロッキング性等が
不十分となりがちで好ましくない。一方、使用量が該上
限値を超えて多すぎると、得られる該繊維製品の柔軟性
が損なわれる傾向にあり好ましくない。
有単量体としては、分子中に少なくとも1個のアルド基
またはケト基と1個の重合可能な二重結合を有する単量
体、すなわち、特に重合可能なモノエチレン系不飽和の
アルド化合物及びケト化合物であって、エステル結合
(−COO−)、カルボキシル基(−COOH)のみを有する
化合物は除外される。
ば、アクロレイン、ジアセトンアクリルアミド、ホルミ
ルスチロール、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケト
ン、ビニルイソブチルケトン、(メタ)アクリルオキシア
ルキルプロパナール、ジアセトンアクリレート、アセト
ニルアクリレート、ジアセトンアクリレート、ジアセト
ンメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート
-アセチルアセテート、ブタンジオール-1,4-アクリレー
ト-アセチルアセテートを挙げることができる。入手の
容易性、重合反応操作の容易性などの観点から、これら
の中でもジアセトンアクリルアミド及びビニルメチルケ
トンが好ましく、ジアセトンアクリルアミドが特に好ま
しい。
は、前記単量体(a)〜(e)の合計100重量%に対して0.1〜
5重量%の範囲内であることが必要であり、好ましくは
0.2〜3重量%、さらに好ましくは0.3〜2重量%である
のがよい。該単量体(c)の使用量が該上限量を超えて多
すぎては、得られる架橋型樹脂水性組成物の皮膜が脆く
なる傾向にあり、加工繊維製品の堅牢度がかえって低下
することがあるので好ましくない。一方、該単量体(c)
の使用量が該下限量未満で少なすぎては、得られる架橋
型樹脂水性組成物を樹脂加工用バインダー、特に顔料捺
染用バインダーとして用いたときの加工繊維製品の耐ド
ライクリーニング性、耐熱性、耐ブロッキング性等が不
十分となりがちで好ましくない。
α,β−不飽和モノ−又はジ−カルボン酸〔以下不飽和
カルボン酸(d)ということがある〕としては、例えば、
アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、
フマル酸、クロトン酸、シトラコン酸などを挙げること
ができる。これらの中では、アクリル酸、メタクリル酸
及びイタコン酸の利用がより好ましい。
(e)の合計100重量%に対して0.5〜10重量%の範囲内で
あることが必要であり、好ましくは0.6〜6重量%、さ
らに好ましくは0.8〜4重量%であるのがよい。該単量
体(d)の使用量が該上限量を超えて多すぎると、共重合
に際して重合安定性が損なわれたり、貯蔵時に共重合体
水性分散液がゲル化を起こしたりすることがあり、また
得られる樹脂加工品の耐水性が不十分となりがちで好ま
しくない。一方、該使用量が該下限量未満で少なすぎる
と、得られる架橋型樹脂水性組成物が貯蔵安定性及び機
械安定性(分散物を狭い間隙に充填してせん断力を加え
た時の耐分散破壊性)が不足しがちになるので好ましく
ない。
(e)は、前記単量体(a)〜(d)と共重合可能な、該単量体
(a)〜(d)以外の共単量体である。このような単量体の具
体例としては、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル、「バーサチック酸ビニル」(商品名)(好まし
くは酢酸ビニル)等の飽和脂肪酸ビニルエステル;例え
ば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン
(好ましくはスチレン)等の芳香族ビニル単量体;など
を挙げることができる。
応じて、分子内に1個のラジカル重合性不飽和基の他に
少なくとも1個の官能基を有する単量体であって、上記
単量体(b)及び(c)以外の単量体(以下、官能性共単量体
ということがある)を共重合することもできる。
基として、例えば、アミド基もしくは置換アミド基、ア
ミノ基もしくは置換アミノ基、ヒドロキシル基、低級ア
ルコキシル基、エポキシ基、メルカプト基又は珪素含有
基等を有する単量体を挙げることができ、また、分子内
にラジカル重合性不飽和基を2個以上有する単量体も使
用できる。
アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリ
ルアミド、N-メチロールアクリルアミド、N-メチロール
メタクリルアミド、N-n-ブトキシメチルアクリルアミ
ド、N-i-ブトキシメチルアクリルアミド、N,N-ジメチル
アクリルアミド、N-メチルアクリルアミド等のアミド基
もしくは置換アミド基含有単量体;例えば、アミノエチ
ルアクリレート、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレー
ト、N,N-ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N-ジメ
チルアミノエチルメタクリレート、N,N-ジエチルアミノ
エチルメタクリレート等のアミノ基もしくは置換アミノ
基含有単量体;
ト、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシ
エチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリ
レート、アリルアルコール、メタリルアルコール、ポリ
エチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレング
リコールモノメタクリレート等のヒドロキシル基含有単
量体;例えば、2-メトキシエチルアクリレート、2-エト
キシエチルアクリレート、2-n-ブトキシエチルアクリレ
ート、2-メトキシエトキシエチルアクリレート、2-エト
キシエトキシエチルアクリレート、2-n-ブトキシエトキ
シエチルアクリレート、2-メトキシエチルメタクリレー
ト、2-エトキシエチルメタクリレート、2-n-ブトキシエ
チルメタクリレート、2-メトキシエトキシエチルメタク
リレート、2-エトキシエトキシエチルメタクリレート、
2-n-ブトキシエトキシエチルメタクリレート、メトキシ
ポリエチレングリコールモノアクリレート、メトキシポ
リエチレングリコールモノメタクリレート等の低級アル
コキシル基含有単量体;
ジルメタクリレート、グリシジルアリルエーテル、グリ
シジルメタリルエーテル等のエポキシ基含有単量体;ア
リルメルカプタン等のメルカプト基含有単量体;
トリブロモシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニル
トリエトキシシラン、ビニルトリ-n-プロポキシシラ
ン、ビニルトリ-i-プロポキシシラン、ビニルトリ-n-ブ
トキシシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラ
ン、ビニルトリス(2-ヒドロキシメトキシエトキシ)シラ
ン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルジエトキシシ
ラノール、ビニルエトキシシラジオール、ビニルメチル
ジエトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビ
ニルメチルジアセトキシシラン、アリルトリメトキシシ
ラン、アリルトリエトキシシラン、3-メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルト
リエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリス(2
-メトキシエトキシ)シラン、3-メタクリロキシプロピル
メチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルジ
メチルエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルジメチ
ルメトキシシラン、2-アクリルアミドエチルトリエトキ
シシラン等の珪素含有基を有する単量体;
レート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシア
ヌレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
1,2-プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-
プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタ
ンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオー
ルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート等の2個
以上のラジカル重合性不飽和基を有する単量体;等の単
量体群を挙げることができる。
単量体(a)〜(e)の合計100重量%に対して、一般に0〜2
0重量%、好ましくは0〜15重量%、特に好ましくは0
〜10重量%であるのがよい。該共単量体(e)の使用量
は、その種類により変わるので一義的には決められない
が、得られる本発明の架橋型樹脂水性組成物の優れた性
能を損なわないように上記範囲内の量で適宜に選択する
ことができる。該共単量体(e)の使用量が上記範囲の上
限値を超えて多すぎては、乳化重合安定性及び得られる
共重合体水性分散液の安定性が損なわれる傾向にあり、
また、得られる樹脂加工品の耐水性が不十分となりがち
で好ましくない。また該使用量を上記範囲内とした場合
には共重合体水性分散液の貯蔵安定性及び機械的安定性
が損なわれず、また、得られる樹脂加工品の耐水性、耐
溶剤性などの向上が期待できる。
のガラス転移点(Tg)が−40〜+10℃の範囲であること
が必要であり、−35〜−5℃の範囲であることが好まし
い。Tgが該上限温度を超えて高すぎては、得られる樹脂
加工繊維製品の風合いが硬くなりすぎるので好ましくな
く、該下限温度未満と低すぎては、得られる樹脂加工繊
維製品に粘着感が生じがちであり、また十分な強度が得
られない傾向にあるので好ましくない。
体のガラス転移点(Tg)は下記により測定決定された値
である。
ニウム箔製の、内径約5mm、深さ約5mmの円筒型のセル
に、アクリル系共重合体の水性分散液の試料約10mgを秤
り取り、100℃で2時間乾燥したものを測定試料とす
る。セイコー電子工業(株)製SSC-5000型示差走査熱量計
(Differential Scanning Calorimeter)を用い、−150
℃から昇温速度10℃/minで測定する。
に用いられるアクリル系共重合体は、前記の単量体(a)
〜(e)を、アルキルフェニル系界面活性剤を実質的に含
まず、炭素数10〜20の脂肪族アルコールポリオキシエチ
レンエーテル型ノニオン系界面活性剤を主成分として含
む界面活性剤の存在下に乳化共重合してなるものであ
る。
を実質的に含まず」とは、乳化共重合に当たって、該ア
ルキルフェニル系界面活性剤を意図的には使用しないこ
とを意味するものであり、仮に各素原料中に夾雑物とし
て該界面活性剤が含まれていたとしても、乳化共重合の
結果得られるアクリル系共重合体水性分散液中に含まれ
るアルキルフェニル系界面活性剤の量は100ppm以下、好
ましくは50ppm以下であることを意味する。
のノニオン系界面活性剤として、下記一般式(2)で示さ
れる、炭素数10〜20の脂肪族アルコールポリオキシエチ
レンエーテル型ノニオン系界面活性剤が使用される。
くはヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数10〜
20の直鎖又は分枝鎖の脂肪族基を表す)
は、炭素鎖に結合する水素が置換されていない直鎖のア
ルキル基又はアルケニル基であることが好ましく、炭素
鎖に結合する水素が置換されていない直鎖のアルキル基
であることが特に好ましい。
しては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテ
ル、ポリオキシエチレンパルミチルエーテル、ポリオキ
シエチレンステアリルエーテル(好ましくはポリオキシ
エチレンラウリルエーテル)等のポリオキシエチレンア
ルキルエーテル、及びポリオキシエチレンオレイルエー
テル等のポリオキシエチレンアルケニルエーテルを例示
することができる。
るポリオキシエチレン鎖の長さ(nの値)としては、好
ましくは10〜120の範囲、より好ましくは15〜100の範
囲、さらに好ましくは17〜90の範囲であるのがよい。n
の値が該範囲内であれば、水性乳化重合の際の凝集物の
発生が少なく、得られる水性分散液の機械的及び化学的
安定性が良好なので好ましい。
オン系界面活性剤は、それぞれ単独で又は2種以上組み
合わせて使用することができ、その使用量は、得られる
アクリル系共重合体100重量部に対して、すなわち前記
単量体(a)〜(e)の合計100重量部に対して、該ノニオン
系界面活性剤有効成分で0.6〜10重量部であることが好
ましく、1〜6重量部の範囲であることが特に好まし
い。該ノニオン系界面活性剤の使用量が、該上限値以下
であれば、水性乳化重合に際して重合安定性が良好であ
ると共に、得られる水性分散液の繊維基材への密着性を
損なうことがなく、さらに得られる樹脂加工繊維製品が
優れた耐水強度を有しているので好ましい。一方、該下
限値以上であれば、水性乳化重合の際の凝集物の発生や
乳化状態の破壊、得られる水性分散液の貯蔵安定性や機
械的安定性の低下などの不都合を引き起こすことがない
ので好ましい。
際しては、必要に応じて、前記必須のノニオン系界面活
性剤の一部を、アルキルフェニル系界面活性剤以外のノ
ニオン系界面活性剤で置き換えることができる。このよ
うなノニオン系界面活性剤としては、例えば、ソルビタ
ンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソル
ビタントリオレエート等のソルビタン高級脂肪酸エステ
ル類;例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウ
レート等のポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エ
ステル類;例えば、ポリオキシエチレンモノラウレー
ト、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシ
エチレンモノオレエート等のポリオキシエチレン高級脂
肪酸エステル類;例えば、グリセロールモノオレエー
ト、グリセロールモノステアレート等のグリセロール高
級脂肪酸エステル類;例えば、ポリオキシエチレン・ポ
リオキシプロピレン・ブロックコポリマー;等を例示す
ることができる。
重合に際しては、前記必須のノニオン系界面活性剤と共
に、必要に応じてさらに、アルキルフェニル系以外のア
ニオン系界面活性剤を併用することができる。
は、例えば、下記一般式(3)、
くはヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数10〜
20の直鎖又は分枝鎖の脂肪族基を表し、M+はNa+、K+又
はNH4 +等の一価の対イオンを表す)
はアルケニルエーテル硫酸エステル塩型アニオン系界面
活性剤が好適に使用される。
は、炭素鎖に結合する水素が置換されていない直鎖のア
ルキル基又はアルケニル基であることが好ましく、炭素
鎖に結合する水素が置換されていない直鎖のアルキル基
であることが特に好ましい。
しては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル
硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンパルミチルエーテ
ル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンステアリルエー
テル硫酸エステル塩等のポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル硫酸エステル塩、及びポリオキシエチレンオレイ
ルエーテル硫酸エステル塩等のポリオキシエチレンアル
ケニルエーテル硫酸エステル塩を例示することができ
る。
るポリオキシエチレン鎖の長さ(pの値)としては、好
ましくは5〜50の範囲、より好ましくは10〜40の範囲、
さらに好ましくは15〜30の範囲であるのがよい。
ン系界面活性剤としては、また、下記一般式(4)、
又NH4 +等の一価の対イオンを表す)
型アニオン系界面活性剤を例示することができ、具体的
にはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等を例示す
ることができる。
ン系界面活性剤としては、さらに、下記一般式(5)、
Na+、K+又NH4 +等の一価の対イオンを表す)
ルエーテル型アニオン系界面活性剤を例示することがで
きる。
構造式で示されるジスチリルの何れか又はそれらの混合
物から誘導されたものであることが好ましい。
面活性剤におけるポリオキシエチレン鎖の長さ(qの
値)としては、一般に4〜50の範囲であり、好ましく5
〜45の範囲であるのがよい。これらアニオン系界面活性
剤の具体例としては、例えば、ハイテノールNF-13、ハ
イテノールNF-17〔商品名;以上第一工業製薬(株)
製〕、ニューコール707SF、ニューコール710SF、ニュー
コール714SF、ニューコール723SF、ニューコール740SF
〔商品名;以上日本乳化剤(株)製〕等を挙げることがで
きる。
面活性剤としては、さらに、例えば、オレイン酸ナトリ
ウム、ステアリン酸ナトリウム等の高級脂肪酸塩;例え
ば、モノオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチ
ルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウ
リルスルホコハク酸ナトリウム等のアルキルスルホコハ
ク酸エステル塩及びその誘導体;等を例示することがで
きる。
又は2種以上組み合わせて使用することができ、その使
用量は、得られるアクリル系共重合体100重量部に対し
て、該アニオン系界面活性剤有効成分として合計で5重
量部以下であることが好ましく、0.1〜2重量部の範囲
であることが特に好ましい。該アニオン系界面活性剤の
使用量が、該上限値以下であれば、得られる水性分散液
の機械的安定性、化学的安定性がよく、また得られる樹
脂加工繊維製品の吸水性、保水性がよいので好ましい。
また、該下限値以上用いることによって、水性乳化重合
の際の凝集物の発生や乳化状態の破壊を防止し、得られ
る水性分散液の貯蔵安定性や機械的安定性を向上させる
可能性があるので好ましい。
合は、使用される全界面活性剤量に対して、有効成分比
率で40重量%以下であることが好ましく、5〜30重量%
の範囲内であることがより好ましい。該使用割合が該上
限値以下であれば、得られる水性分散液の化学的安定性
が優れており、さらにこの水性分散液を用いて得られる
樹脂加工繊維製品が卓越した吸水性、保水性を有するの
で好ましい。また該下限値以上用いることにより、乳化
重合の際の凝集物の発生や乳化状態の破壊、得られる水
性分散液の貯蔵安定性や機械的安定性を向上させること
ができるので好ましい。
重合体の重合に際しての全界面活性剤の使用量は、有効
成分としてアクリル系共重合体100重量部に対して、1
〜10重量部の範囲であることが好ましく、1.5〜8重量
部の範囲であることがより好ましく、2.5〜7重量部の
範囲であることが特に好ましい。該使用割合が該上限値
以下であれば、乳化重合安定性が優れており、得られる
水性分散液の機械的安定性、化学的安定性が優れている
と共に、水性分散液の基材への密着性を阻害せずに吸水
性、保水性のよい樹脂加工繊維製品が得られるので好ま
しい。また該下限値以上用いることにより、乳化重合の
際の凝集物の発生や乳化状態の破壊、得られる水性分散
液の貯蔵安定性や機械的安定性を向上させることができ
るので好ましい。
乳化重合に際しては、前記のノニオン系及びアニオン系
界面活性剤と共に、必要に応じ、且つ本発明の優れた効
果を損なわない範囲において、保護コロイドを併用する
ことができる。
ば、部分ケン化ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリ
ビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール等のポリ
ビニルアルコール類;例えば、ヒドロキシエチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース塩等のセルロース誘導体;及びグアーガム
などの天然多糖類;などが挙げられる。
アクリル系共重合体100重量部に対して0〜3重量部程
度の量を例示できる。
重合に際しては、重合開始剤として、例えば、過硫酸ア
ンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムなどの
過硫酸塩類;t-ブチルハイドロペルオキシド、クメンハ
イドロペルオキシド、p-メンタンハイドロペルオキシド
などの有機過酸化物類;過酸化水素;などを、一種もし
くは複数種併用して使用することができる。
が、例えば、アクリル系共重合体100重量部に対して約
0.05〜1重量部、より好ましくは約0.1〜0.7重量部、特
に好ましくは約0.1〜0.5重量部の如き使用量を例示する
ことができる。
剤を併用することができる。該還元剤としては、例え
ば、アスコルビン酸、酒石酸、クエン酸、ブドウ糖等の
還元性有機化合物;例えば、チオ硫酸ナトリウム、亜硫
酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナト
リウム等の還元性無機化合物を例示できる。
ば、アクリル系共重合体100重量部に対して約0.05〜1
重量部の如き使用量を例示することができる。
り連鎖移動剤を用いることもできる。このような連鎖移
動剤としては、例えば、シアノ酢酸;シアノ酢酸の炭素
数1〜8アルキルエステル類;ブロモ酢酸;ブロモ酢酸
の炭素数1〜8アルキルエステル類;例えば、アントラ
セン、フェナントレン、フルオレン、9-フェニルフルオ
レンなどの芳香族化合物類;例えば、p-ニトロアニリ
ン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、p-ニトロ安息
香酸、p-ニトロフェノール、p-ニトロトルエン等の芳香
族ニトロ化合物類;例えば、ベンゾキノン、 2,3,5,6-
テトラメチル-p-ベンゾキノン等のベンゾキノン誘導体
類;トリブチルボラン等のボラン誘導体;例えば、四臭
化炭素、四塩化炭素、 1,1,2,2-テトラブロモエタン、
トリブロモエチレン、トリクロロエチレン、ブロモトリ
クロロメタン、トリブロモメタン、3-クロロ-1-プロペ
ン等のハロゲン化炭化水素類;例えば、クロラール、フ
ラルデヒド等のアルデヒド類;炭素数1〜18のアルキル
メルカプタン類;例えば、チオフェノール、トルエンメ
ルカプタン等の芳香族メルカプタン類;メルカプト酢
酸;メルカプト酢酸の炭素数1〜10アルキルエステル
類;炭素数1〜12のヒドロキルアルキルメルカプタン
類;例えば、ビネン、テルピノレン等のテルペン類;等
を挙げることができる。
は、アクリル系共重合体100重量部に対して約0.005〜3
重量部であるのが好ましい。
記の界面活性剤及び/又は保護コロイドを含有し、或い
はこれらを含有しない水性媒体中に、前記単量体(a)〜
(e)、界面活性剤及び/又は保護コロイド、重合開始
剤、並びに、必要に応じて使用する還元剤を逐次添加す
る態様を例示することができる。共重合温度は、約40〜
100℃、好ましくは約50〜90℃程度であるのがよい。
性分散液は、必要に応じて、アンモニア水等によってp
H調節してもよい。このような分散液は、通常、固形分
濃度30〜55重量%、粘度10〜3000cps(BH型回転粘度
計、25℃、20rpm;粘度測定条件以下同様)、pH2〜9
程度であり、水性媒体中のアクリル系共重合体粒子の平
均粒子径は、好ましくは0.2μm以上、より好ましくは0.
23〜0.35μmであるのがよい。平均粒子径が該下限値以
上であれば、比較的低粘度で固形分の高い共重合体水性
分散液が得られやすく、各種添加剤との混和性も優れる
傾向にあるので好ましい。
の平均粒子径は、日本化学会編「新実験化学講座4 基
礎技術3 光(II)」第725〜741頁(昭和51年7月20日
丸善株式会社発行)に記載された動的光散乱法(以下、
DLS法ということがある)により測定された値であり、
具体的には以下に述べる方法で測定決定した値である。
で5万〜15万倍に希釈し、十分に攪拌混合した後、21mm
φガラスセル中にパスツールピペットを用いて約10ml採
取し、これを動的光散乱光度計「DLS-700」〔大塚電子
(株)製〕の所定の位置にセットして、以下の測定条件下
で測定し、測定結果をコンピュータ処理して平均粒子径
を求める。
は、得られる捺染加工製品など樹脂加工繊維製品の堅牢
度、耐洗濯性、耐ドライクリーニング性等の耐久性を向
上させるため、得られたアクリル系共重合体の水性分散
液に、ヒドラジン誘導体(B)としてカルボジヒドラジド
を含有させてなるものである。
較的穏やかな加工条件下で加工することができ、ホルム
アルデヒドなどの有害物質の発生や、排水中へのアルキ
ルフェニル系界面活性剤などの環境ホルモン原因物質の
混入がなく、且つ得られる樹脂加工繊維製品が優れた柔
軟性と共に、堅牢度、耐洗濯性、耐ドライクリーニング
性、不粘着性、耐熱性、耐候性等の諸物性を保持するよ
うな繊維加工用架橋型樹脂水性組成物を開発するための
研究を行ってきた。
ドなど有害物質の発生のないカルボニル基含有アクリル
系共重合体をヒドラジン誘導体で架橋する方法を検討し
たところ、アジピン酸ジヒドラジドなどのヒドラジン誘
導体の使用では、意外なことに、得られる樹脂加工繊維
製品が少量のホルムアルデヒドを含有していることを見
出した。これは大気中に微量存在するホルムアルデヒド
をヒドラジン誘導体が選択的に吸着して濃縮するためと
思われる。そして本発明者等の研究によれば、意外に
も、ヒドラジン誘導体としてカルボジヒドラジドを使用
したときにのみ、ホルムアルデヒドの検出量が極微量に
抑えられることを見出した。
含まず、特定の脂肪族アルコールポリオキシエチレンエ
ーテル型ノニオン系界面活性剤を主成分として含む界面
活性剤を用いて、ジアセトンアクリルアミドなどのカル
ボニル基含有単量体を含むアクリル系単量体を共重合し
て得られるアクリル系共重合体水性分散液に、ヒドラジ
ン誘導体としてアジピン酸ジヒドラジドなどを配合して
得られる組成物のフィルム物性を調べたところ、十分な
架橋が形成されないことを見出した。そして意外なこと
に、ヒドラジン誘導体としてカルボジヒドラジドを用い
たときにのみ十分な架橋が形成されることを見出した。
は、前記のカルボニル基を含有するアクリル系共重合体
(A)の水性分散液に、ヒドラジン誘導体(B)としてカルボ
ジヒドラジドを含有させてなるものである。
ラジドの使用量は、前記アクリル系共重合体(A)のカル
ボニル基1当量に対し、すなわち該共重合体を構成する
前記単量体(a)〜(e)のうちカルボニル基含有単量体(c)
1モルに対して、0.25〜2当量の範囲であることが必要
であり、好ましくは0.3 〜1.5当量、さらに好ましくは
0.4〜1.2当量の範囲であることが望ましい。カルボジヒ
ドラジドの使用量が該下限値未満で少なすぎては、アク
リル系共重合体(A)の架橋が不十分となり、得られる樹
脂加工繊維製品の耐洗濯性、耐ドライクリーニング性、
不粘着性、耐熱性等の諸物性が不十分となる傾向にあり
好ましくない。一方、該上限値を超えて多すぎては、余
剰のカルボジヒドラジドが無駄になり、得られる架橋型
樹脂水性組成物の皮膜も脆くなり、得られる樹脂加工品
の堅牢度がかえって低下する傾向にあるので好ましくな
い。
性組成物は、乾燥させるだけで、カルボジヒドラジドの
ヒドラジン残基が共重合体のカルボニル基と架橋反応し
て強固な架橋被膜を与えることができ、布、紙、繊維等
の被着材に対し強力な密着力を有する被膜を与えると共
に、耐熱性、耐水性、耐溶剤性を向上させる。
成されるフィルムの動的粘弾性特性を測定することによ
り知ることができる。
的粘弾性特性を表す概念図である。縦軸に弾性率(例え
ばN/m2)、横軸に温度(℃)をとるとき、一般に樹脂
は、極低温域ではガラス状態を呈するガラス状領域で高
い弾性率を維持しているが、温度上昇につれて次第に長
鎖分子が全体としてゆっくりと動き始め、ある温度を超
えると急激にその弾性率が低下する。この時の温度がガ
ラス転移点(Tg)であり、温度上昇に伴って弾性率が急
激に低下するこの領域が転移域である。さらに温度が上
昇すると再び弾性率の低下率が小さい段丘状の領域、す
なわちゴム状領域に至る。この領域では、樹脂の分子鎖
の絡み合い(物理的)及び分子の架橋度合(化学的)に
よって弾性率が維持されるものといわれている。このゴ
ム状領域が高温側にまで及んでいる樹脂は高温弾性率が
高いことになる。さらに温度を上昇させると、樹脂は急
激にその弾性率を低下させて流動域に至る。この領域で
は、樹脂の分子鎖は自由熱運動(ブラウン運動)を行う
ことになる。
転移域、ゴム状領域及び流動域における温度−弾性率曲
線の接線の交点をそれぞれu、v及びwとし、それら交
点のそれぞれに対応する温度をTu、Tv及びTwとすると
き、温度Tuはガラス転移点Tgと一致するものとし、この
温度より低温の領域をガラス状領域、温度TuとTvとの間
を転移域、温度TvとTwとの間をゴム状領域、温度Twは軟
化点Tmと一致するものとし、この温度より高温の領域を
流動域と定義する。
橋フィルムの動的粘弾性特性は、そのゴム状領域の上限
が高温領域、例えば160℃以上の温度域にまで及んでい
る。それに対して非架橋又は低架橋フィルムの動的粘弾
性曲線はゴム状領域の上限はより低い温度、例えば140
℃以下の温度域までしか及んでおらず、それ以上の温度
では流動域に移行してしまう。このことは、本発明の樹
脂水性組成物が優れた耐熱性を有していることを示して
いる。
粘弾性特性は下記により測定決定された値である。
性は、完全自動低駆動粘弾性測定器〔レオバイブロンDD
V-III-EP;東洋ボールドウィン(株)製〕を用いて測定し
た。測定方法は、該測定器の取扱説明書V-1180に記載さ
れている方法に従った。以下その方法を概説する。
〜2mmになる量のエマルションを流し込み、室温で3日
間乾燥後さらに40℃の乾燥器中で8時間乾燥して、得ら
れる乾燥皮膜を試料とした。測定は以下の条件下で行っ
た。
は、必要に応じて、さらに各種の添加剤を配合すること
ができる。
ニルアルコール、セルロース系誘導体、ポリカルボン酸
系樹脂、アルキルフェニル系を除く界面活性剤系等の増
粘剤及び粘性改良剤;例えば、無機質分散剤(ヘキサメ
タリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム等)、
有機質分散剤〔ノプコスパース 44C(商品名)、ポリカ
ルボン酸系;サンノプコ(株)製〕などの分散剤;例え
ば、シリコーン系などの消泡剤;例えば、ターペンエチ
レングリコール、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトー
ル、ブチルカルビトールアセテート等の有機溶剤;老化
防止剤;防腐剤・防黴剤;紫外線吸収剤;帯電防止剤;
等を挙げることができる。
水性組成物は、天然繊維、再生繊維、合成繊維等からな
る織布、編布、不織布、フエルトなど繊維製品の樹脂加
工に好適に使用することができ、特に、繊維製品の捺染
加工や含浸又はコーティングによるの樹脂加工、特に自
動車シートなどの織布、編布等の樹脂加工に有用であ
る。
する。なお本実施例における試験方法及び評価方法は以
下のとおりである。
捺染加工し、25℃で 24時間乾燥し、試験用シートとし
た。捺染糊の配合 レデューサー 65 共重合体水性分散液 25 青顔料ペースト 10
後、学振型試験器を用いて摩擦堅牢度の測定を行った。 摩擦条件 摩擦子 45R、カナキン被覆(水で充分に濡らす。) 荷重 200g 回数 100回 評価の基準は次のとおり。 ○ ・・・・・・ 摩擦子への色落ちほとんどなし △ ・・・・・・ 摩擦子への色落ち少しあり × ・・・・・・ 摩擦子への色落ち多い
に1分間浸漬後、学振型試験機を用いて摩擦堅牢度の測
定を行った。 摩擦子 45R、カナキン被覆(テトラクロロエチレン
で充分に濡らす。) 荷重 200g 回数 20回 評価の基準は次のとおり。 ○ ・・・・・・ 摩擦子への色落ちほとんどなし。 △ ・・・・・・ 摩擦子への色落ち少しあり。 × ・・・・・・ 摩擦子への色落ち多い。
を合わせ、200g/cm2 の荷重で 25℃で 16時間放置後剥
離し、剥離抵抗より耐ブロッキング性を判定した。評価
の基準は、次のとおり。 ○ ・・・・・・ 剥離時ほとんど抵抗なし △ ・・・・・・ 剥離時やや抵抗あり × ・・・・・・ 剥離時抵抗あり
風合を評価した。評価の基準は次のとおり。 ○ ・・・・・・ 非常に柔軟 △ ・・・・・・ やや硬い × ・・・・・・ 硬い
IS L 1041(樹脂加工織物及び編物の試験方法)5.2 遊
離ホルムアルデヒド試験、(1.2) アセチルアセトン法、
(1.2.1) A法に準拠する方法により測定した。得られる
吸光度の値(A-A0)の値は、0.04以下であることが好ま
しい。
製造〕 製造例1 温度計、攪拌機、窒素導入管及び還流冷却器を備えた反
応器内にイオン交換水54重量部を仕込み、内温を60℃に
昇温させた。一方、別の容器にイオン交換水24重量部、
乳化重合用の界面活性剤(以下、単に乳化剤ということ
がある)として、「DKS NL250」〔ポリオキシエチレン
(n=25)ラウリルルエーテル型ノニオン系界面活性剤(有
効成分濃度100重量%);第一工業製薬(株)製〕(NL25
0)3重量部及び「モノゲンY-500」〔ラウリル硫酸エス
テルソーダ型アニオン系界面活性剤(有効成分濃度100
重量%);第一工業製薬(株)製〕(Y-500)0.4重量部、
並びにカルボニル含有単量体(c)としてジアセトンアク
リルアミド(DAAM)0.5重量部を仕込んで攪拌溶解して
乳化剤水溶液を作成し、次いでこれに、主単量体(a)と
してブチルアクリレート(BA)80重量部及びメチルメタ
クリレート(MMA)10重量部、シアン化ビニル単量体(b)
としてアクリロニトリル(AN)8重量部、並びに不飽和
カルボン酸(d)としてアクリル酸(AA)1.5重量部よりな
る単量体混合物を加えて攪拌し、単量体乳化液を得た。
ら加熱し、反応器内の水温が60℃に達した時点で、重合
開始剤及び還元剤として過硫酸カリウム(KPS)及びメ
タ重亜硫酸ナトリウム(SMBS)をそれぞれ0.1重量部添
加した後、単量体乳化液及び2.5重量%の過硫酸カリウ
ム水溶液12重量部、2.5重量%のメタ重亜硫酸ナトリウ
ム12重量部を逐次添加して60℃で約3時間重合反応を行
った。重合反応終了後、同温度で約1時間攪拌を継続し
てから冷却し、次いで25重量%アンモニア水でpHを6〜
8に調整してカルボニル基含有アクリル系共重合体の水
性分散液を得た。得られたアクリル系共重合体の水性分
散液は、固形分50.1重量%、pH7.3、粘度120mPa・s(25
℃、BH型回転粘度計20rpm)、分散粒子の平均粒子径0.2
8μmであり、該アクリル系共重合体のTgは−24℃であっ
た。
Mの使用量を変え又はこれを用いず、必要に応じて主単
量体(a)のBA及びMMA使用量を加減する以外は製造例1と
同様にして、Tgがほぼ同じアクリル系共重合体の水性分
散液を得た。使用した単量体及び乳化剤の組成を表1
に、得られたアクリル系共重合体の水性分散液の固形
分、pH、粘度及び分散粒子の平均粒子径、並びに該アク
リル系共重合体のTgを表2に示した。
種類及び/又は量を変え、シアン化ビニル単量体(b)の
量を変え又はこれを用いず、カルボニル含有単量体(c)
の量を変え、不飽和カルボン酸(d)の種類及び/もしく
は量を変え又はこれを用いず、また粉末状の不飽和カル
ボン酸であるイタコン酸(IA)を用いるときにはこれを
単量体混合物に混合する代わりに乳化剤水溶液に溶解
し、必要に応じて、共単量体(e)を用い、乳化剤の種類
を変え、さらに乳化剤水溶液の脱イオン水の量を加減す
る以外は製造例1と同様にして、Tgの異なるアクリル系
共重合体の水性分散液を得た。使用した単量体及び乳化
剤の組成を表1に、得られたアクリル系共重合体の水性
分散液の固形分、pH、粘度及び分散粒子の平均粒子径、
並びに該アクリル系共重合体のTgを表2に示した。
例1と同様にしてアクリル系共重合体の水性分散液を得
た。使用した単量体及び乳化剤の組成を表1に、得られ
たアクリル系共重合体の水性分散液の固形分、pH、粘度
及び分散粒子の平均粒子径、並びに該アクリル系共重合
体のTgを表2に示した。
用割合を変える以外は製造例1と同様にしてアクリル系
共重合体の水性分散液を得た。使用した単量体及び乳化
剤の組成を表1に、得られたアクリル系共重合体の水性
分散液の固形分、pH、粘度及び分散粒子の平均粒子径、
並びに該アクリル系共重合体のTgを表2に示した。
乳化剤の略号は次のとおりである。 EHA:2-ヘキシルアクリレート BA:ブチルアクリレート EA:エチルアクリレート MMA:メチルメタクリレート AN:アクリロニトリル DAAM:ジアセトンアクリルアミド AA:アクリル酸 MAA:メタクリル酸 IA:イタコン酸 St:スチレン TAC:トリアリルシアヌレート
レン(n=22)ラウリルルエーテル型ノニオン系界面活性剤
(有効成分濃度100重量%);第一工業製薬(株)製 NL-250:「DKS NL250」;ポリオキシエチレン(n=25)ラ
ウリルルエーテル型ノニオン系界面活性剤(有効成分濃
度100重量%);第一工業製薬(株)製 NL-450:「DKS NL450」;ポリオキシエチレン(n=50)ラ
ウリルルエーテル型ノニオン系界面活性剤(有効成分濃
度100重量%);第一工業製薬(株)製 Y-500:「モノゲンY-500」;ラウリル硫酸エステル塩型
アニオン系界面活性剤(有効成分濃度100重量%);第
一工業製薬(株)製 No.6:「ネオペレックスNo.6」;ドデシルベンゼンスル
ホン酸塩型アニオン系界面活性剤(有効成分濃度60重量
%);花王(株)製 H-08E:「ハイテノール-08E」;ポリオキシエチレン(n=
8)オレイルエーテル硫酸エステル塩型アニオン系界面活
性剤(有効成分濃度95重量%);第一工業製薬(株)製
製〕 実施例1 製造例1のカルボニル基含有アクリル系共重合体の水性
分散液 重量部〔固形分約103.4重量部;共重合体と
して約100重量部;カルボニル基含有量約0.00296当量部
(なお「当量部」とは、100重量部を100gと読み替えた
ときの当量数をもって表すものとする)〕に、ヒドラジ
ン誘導体(B)としてカルボジヒドラジド(CDH)0.133重
量部(約0.00296当量部;共重合体のカルボニル基1当
量に対して約1当量)を添加して繊維加工用架橋型樹脂
水性組成物を得た。得られた組成物は、固形分50.1重量
%、pH7.3、粘度120mPa・s(25℃、BH型回転粘度計20rp
m)であった。
前記に従って動的粘弾性特性測定を行い、さらに前記試
験法に従って各種試験を行った。動的粘弾性特性測定結
果(ゴム状領域の上限温度)及び各種試験結果を表4に
示す。
る以外は実施例1と同様にして、繊維加工用架橋型樹脂
水性組成物を得た。得られた架橋型樹脂水性組成物を用
いて前記に従って動的粘弾性特性測定を行い、さらに前
記試験法に従って各種試験を行った。繊維加工用架橋型
樹脂水性組成物の配合組成を表3に、該組成物の特性
値、動的粘弾性特性測定結果(ゴム状領域の上限温度)
及び各種試験結果を表4に示す。
33重量部用いる代わりに、アジピン酸ジヒドラジド(AD
H)0.240重量部(約0.00296当量部;共重合体のカルボ
ニル基1当量に対して約1当量)を用いる以外は実施例
1と同様にして、繊維加工用架橋型樹脂水性組成物を得
た。得られた架橋型樹脂水性組成物を用いて前記に従っ
て動的粘弾性特性測定を行い、さらに前記試験法に従っ
て各種試験を行った。繊維加工用架橋型樹脂水性組成物
の配合組成を表3に、該組成物の特性値、動的粘弾性特
性測定結果(ゴム状領域の上限温度)及び各種試験結果
を表4に示す。
いる代わりに製造例2〜21のアクリル系共重合体をそれ
ぞれ用い用いる以外は実施例1と同様にして、繊維加工
用架橋型樹脂水性組成物を得た。得られた架橋型樹脂水
性組成物を用いて前記に従って動的粘弾性特性測定を行
い、さらに前記試験法に従って各種試験を行った。繊維
加工用架橋型樹脂水性組成物の配合組成を表3に、該組
成物の特性値、動的粘弾性特性測定結果(ゴム状領域の
上限温度)及び各種試験結果を表4に示す。
いない製造例10により得られたアクリル系共重合体水性
分散液は、機械的安定性が悪く、この分散液を用いた比
較例6における捺染糊の配合は著しく困難であった。
物は、アルキルフェニル系界面活性剤を実質的に含ま
ず、特定の脂肪族アルコールポリオキシエチレンエーテ
ル型ノニオン系界面活性剤を主成分として含む界面活性
剤の存在下に、特定の(メタ)アクリル酸エステル(a)、
シアン化ビニル単量体(b)、カルボニル基含有単量体
(c)、不飽和カルボン酸(d)を必須成分として、それぞれ
特定量を乳化共重合してなる、特定ガラス転移点(Tg)
範囲のカルボニル基含有アクリル系共重合体(A)に対し
て、ヒドラジン誘導体(B)としてカルボジヒドラジドを
特定量含有してなることを特徴とするものである。
繊維加工用架橋型樹脂水性組成物は、室温乾燥程度の比
較的穏やかな加工条件下で加工することができ、ホルム
アルデヒドなどの有害物質の発生や、排水中へのアルキ
ルフェニル系界面活性剤などの環境ホルモン原因物質の
混入がなく、且つ得られる樹脂加工繊維製品が優れた柔
軟性と共に、堅牢度、耐洗濯性、耐ドライクリーニング
性、不粘着性、耐熱性、耐候性等の諸物性を発揮するこ
とができる。
弾性特性を表す概念図である。
ガラス転移点(Tg)と等しいものとして定義する。 Tv:転移域及びゴム状領域を表す曲線の交点の温度。 Tw:ゴム状領域及び流動域を表す曲線の交点の温度、軟
化点(Tm)と等しいものとして定義する。
Claims (11)
- 【請求項1】カルボニル基含有アクリル系共重合体(A)
と、分子中に複数のヒドラジド残基を有するヒドラジン
誘導体(B)とを含有してなる繊維加工用架橋型樹脂水性
組成物において:上記共重合体(A)が、アルキルフェニ
ル系界面活性剤を実質的に含まず、炭素数10〜20の脂肪
族アルコールポリオキシエチレンエーテル型ノニオン系
界面活性剤を主成分として含む界面活性剤の存在下に、
下記単量体(a)〜(e)、(a) 下記一般式(1)で表される単
量体 45〜94.4重量%、 【化1】 (但し、式中R1は水素又はメチル基、R2は炭素数1〜10
の直鎖もしくは分枝アルキル基を表す) (b) シアン化ビニル単量体 5〜20重量%、 (c) カルボニル基含有単量体 0.1〜5重量%、 (d) 炭素数3〜5のα,β−不飽和モノ−又はジ−カル
ボン酸 0.5〜10重量%、 (e) 上記単量体(a)〜(d)と共重合可能な、該単量体(a)
〜(d)以外の共単量体0〜20重量%、 〔但し、上記(a)〜(e)の合計を100重量%とする〕を乳
化共重合してなる、ガラス転移点(Tg)−40〜+10℃の
アクリル系共重合体であること、上記ヒドラジン誘導体
(B)がカルボジヒドラジドであること、並びに上記カル
ボニル基含有アクリル系共重合体(A)のカルボニル基1
当量に対して該ヒドラジン誘導体(B)を0.25〜2当量含
有することを特徴とする樹脂水性組成物。 - 【請求項2】炭素数10〜20の脂肪族アルコールポリオキ
シエチレンエーテル型ノニオン系界面活性剤のエチレン
オキシド付加モル数(n)が15〜100の範囲である請求
項1に記載の樹脂水性組成物。 - 【請求項3】界面活性剤としてさらに、アルキルフェニ
ル系以外のアニオン系界面活性剤を含有する請求項1に
記載の樹脂水性組成物。 - 【請求項4】アニオン系界面活性剤の使用量が、有効成
分として、全界面活性剤の使用量の40重量%以下である
請求項3に記載の樹脂水性組成物。 - 【請求項5】全界面活性剤の使用量が、有効成分として
アクリル系共重合体100重量部に対して、1〜10重量部
の範囲である請求項1に記載の樹脂水性組成物。 - 【請求項6】単量体(a)が、ブチルアクリレート、エチ
ルアクリレート、メチルメタクリレートよりなる群から
選ばれる1種以上の単量体である請求項1に記載の樹脂
水性組成物。 - 【請求項7】単量体(b)が(メタ)アクリロニトリルであ
る請求項1に記載の樹脂水性組成物。 - 【請求項8】単量体(c)がジアセトン(メタ)アクリルア
ミドである請求項1に記載の樹脂水性組成物。 - 【請求項9】アクリル系共重合体(A)の水性媒体中にお
ける分散粒子の平均粒子径が0.2μm以上である請求項1
に記載の樹脂水性組成物。 - 【請求項10】上記樹脂水性組成物から形成される厚さ
3〜5mmの架橋フィルムの動的粘弾性曲線におけるゴム
状領域の上限が160℃以上の温度域まで及ぶ請求項1に
記載の樹脂水性組成物。 - 【請求項11】捺染バインダー用、カーペット及び自動
車シートバッキング用に使用される請求項1に記載の樹
脂水性組成物。
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