JP2003151425A - チップ型電流ヒューズ及びその製造方法 - Google Patents
チップ型電流ヒューズ及びその製造方法Info
- Publication number
- JP2003151425A JP2003151425A JP2001345145A JP2001345145A JP2003151425A JP 2003151425 A JP2003151425 A JP 2003151425A JP 2001345145 A JP2001345145 A JP 2001345145A JP 2001345145 A JP2001345145 A JP 2001345145A JP 2003151425 A JP2003151425 A JP 2003151425A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- substrate
- fuse
- chip
- type current
- fuse element
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Fuses (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 良好な溶断特性が得られ、且つ容易に製造す
ることができるチップ型電流ヒューズを提供する。 【解決手段】 角板状の絶縁性基板11の表面にヒュー
ズエレメント14を形成し、ヒューズエレメント14を
保護膜15で被覆し、基板11の両端部に電極12を配
設したチップ型電流ヒューズ10において、絶縁性基板
11としてガラスセラミック基板を用いた。
ることができるチップ型電流ヒューズを提供する。 【解決手段】 角板状の絶縁性基板11の表面にヒュー
ズエレメント14を形成し、ヒューズエレメント14を
保護膜15で被覆し、基板11の両端部に電極12を配
設したチップ型電流ヒューズ10において、絶縁性基板
11としてガラスセラミック基板を用いた。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はチップ型電流ヒュー
ズに係り、特に外形寸法が1〜2mm程度の角板状の絶
縁性基板の表面にヒューズエレメントを配置したチップ
型の電流ヒューズ素子に関する。
ズに係り、特に外形寸法が1〜2mm程度の角板状の絶
縁性基板の表面にヒューズエレメントを配置したチップ
型の電流ヒューズ素子に関する。
【0002】
【従来の技術】チップ型の電流ヒューズとしては、例え
ば図3(a)に示す構造のものが知られている。これは
アルミナ等のセラミック基板21の両側に電極部22を
設け、両電極間に蓄熱層となる熱絶縁層23を設け、そ
の絶縁層の上にヒューズエレメントとなる金属被膜を配
置したものである。金属被膜24は保護膜25で被覆さ
れており、その平面形状は図3(b)に示すように、そ
の略中央部に細幅部を備えている。
ば図3(a)に示す構造のものが知られている。これは
アルミナ等のセラミック基板21の両側に電極部22を
設け、両電極間に蓄熱層となる熱絶縁層23を設け、そ
の絶縁層の上にヒューズエレメントとなる金属被膜を配
置したものである。金属被膜24は保護膜25で被覆さ
れており、その平面形状は図3(b)に示すように、そ
の略中央部に細幅部を備えている。
【0003】係るヒューズ素子においては、過電流が流
れると、ヒューズエレメント24の細幅部に電流が集中
し、発熱を起こすことによりヒューズエレメントが溶断
し、このチップ型電流ヒューズに接続された各種電子機
器を保護するようになっている。しかしながら、セラミ
ック基板21は一般に熱伝導率が高く、熱が逃げやすい
性質を有している。このため、ガラス又はガラスエポキ
シ樹脂等からなる熱絶縁材23をヒューズエレメント2
4とセラミック基板21との間に挿入して蓄熱部とし、
これによりヒューズエレメントの溶断部に生じる熱が逃
げて冷却されることを防止している。
れると、ヒューズエレメント24の細幅部に電流が集中
し、発熱を起こすことによりヒューズエレメントが溶断
し、このチップ型電流ヒューズに接続された各種電子機
器を保護するようになっている。しかしながら、セラミ
ック基板21は一般に熱伝導率が高く、熱が逃げやすい
性質を有している。このため、ガラス又はガラスエポキ
シ樹脂等からなる熱絶縁材23をヒューズエレメント2
4とセラミック基板21との間に挿入して蓄熱部とし、
これによりヒューズエレメントの溶断部に生じる熱が逃
げて冷却されることを防止している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、蓄熱層
の形成は工程を複雑化して好ましいものではない。ま
た、アルミナ基板上に蓄熱層となるガラス層等を形成す
ると、被着する金属材料が流れてしまい、ヒューズエレ
メントパターンに波うち現象が現れ、溶断特性がバラつ
いてしまうという問題がある。
の形成は工程を複雑化して好ましいものではない。ま
た、アルミナ基板上に蓄熱層となるガラス層等を形成す
ると、被着する金属材料が流れてしまい、ヒューズエレ
メントパターンに波うち現象が現れ、溶断特性がバラつ
いてしまうという問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のチップ型電流ヒ
ューズは、角板状の絶縁性基板の表面にヒューズエレメ
ントを形成し、該ヒューズエレメントを保護膜で被覆
し、前記基板の両端部に電極を配設したチップ型電流ヒ
ューズにおいて、前記絶縁性基板としてガラスセラミッ
ク基板を用いたことを特徴とする。
ューズは、角板状の絶縁性基板の表面にヒューズエレメ
ントを形成し、該ヒューズエレメントを保護膜で被覆
し、前記基板の両端部に電極を配設したチップ型電流ヒ
ューズにおいて、前記絶縁性基板としてガラスセラミッ
ク基板を用いたことを特徴とする。
【0006】上述した本発明によれば、角板状の絶縁性
基板にガラスセラミック基板を用いたので、従来のアル
ミナ等のセラミック基板と比較して、熱伝導率が一桁程
度小さくなる。これにより、従来の蓄熱層であるガラス
層等の挿入を必要とすることなく、良好なヒューズエレ
メントの溶断特性が得られる。従って、蓄熱層の挿入が
不要となることから、その構造をより簡素化することが
でき、製造工程を短縮してその製造コストを低減するこ
とができる。また、ガラスセラミック基板は、良好な曲
げ強度特性を有するため、回路基板に実装後の良好な曲
げ強度耐性が得られる。
基板にガラスセラミック基板を用いたので、従来のアル
ミナ等のセラミック基板と比較して、熱伝導率が一桁程
度小さくなる。これにより、従来の蓄熱層であるガラス
層等の挿入を必要とすることなく、良好なヒューズエレ
メントの溶断特性が得られる。従って、蓄熱層の挿入が
不要となることから、その構造をより簡素化することが
でき、製造工程を短縮してその製造コストを低減するこ
とができる。また、ガラスセラミック基板は、良好な曲
げ強度特性を有するため、回路基板に実装後の良好な曲
げ強度耐性が得られる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図1(a)及び図1(b)を参照しながら説明する。
このチップ型電流ヒューズ10は、角板状の絶縁性基板
としてガラスセラミック基板11を採用し、その上に直
接ヒューズエレメント14を配置している。基板11の
寸法としては、例えば2mm×1.25mm、1.6m
m×0.8mm又は1.0mm×0.5mm程度の通常
の標準チップ部品のサイズが採用されている。ヒューズ
エレメント14は、厚膜導体ペースト(例えば、Cu,
Ag,Au,Alなど)または厚膜抵抗ペーストをスク
リーン印刷して焼成したものが用いられている。しかし
ながら、ヒューズエレメントとしては、例えば金属薄膜
をスパッタリングまたは蒸着により形成し、フォトリソ
グラフィによりパターンを形成したものであってもよ
く、また、めっきにより形成したものであってもよい。
て図1(a)及び図1(b)を参照しながら説明する。
このチップ型電流ヒューズ10は、角板状の絶縁性基板
としてガラスセラミック基板11を採用し、その上に直
接ヒューズエレメント14を配置している。基板11の
寸法としては、例えば2mm×1.25mm、1.6m
m×0.8mm又は1.0mm×0.5mm程度の通常
の標準チップ部品のサイズが採用されている。ヒューズ
エレメント14は、厚膜導体ペースト(例えば、Cu,
Ag,Au,Alなど)または厚膜抵抗ペーストをスク
リーン印刷して焼成したものが用いられている。しかし
ながら、ヒューズエレメントとしては、例えば金属薄膜
をスパッタリングまたは蒸着により形成し、フォトリソ
グラフィによりパターンを形成したものであってもよ
く、また、めっきにより形成したものであってもよい。
【0008】ヒューズエレメント14はガラス及び/又
はエポキシ樹脂等の保護膜15により(例えば、下地の
第1層をガラスとし、その上の第2層をエポキシ樹脂等
の保護膜15により)被覆され、保護されている。電極
12は、基板11の端面および裏面側に設けられた下地
金属上にNiめっきおよびはんだめっきが施されて形成さ
れている。
はエポキシ樹脂等の保護膜15により(例えば、下地の
第1層をガラスとし、その上の第2層をエポキシ樹脂等
の保護膜15により)被覆され、保護されている。電極
12は、基板11の端面および裏面側に設けられた下地
金属上にNiめっきおよびはんだめっきが施されて形成さ
れている。
【0009】また、チップ型電流ヒューズは試験基板に
実装後、曲げ試験を実施するが、チップが試験基板から
受ける荷重はかなり大きく素体の曲げ強度が必要とな
る。素体の曲げ強度はヒューズエレメントを形成する基
板の曲げ強度と相関があり、表1に示すように、マイカ
系セラミック基板、石英ガラス基板については、曲げ強
度が弱く、曲げ試験のたわみ量2mm弱で素体が割れて
しまう。ガラスセラミック基板においては、基板の曲げ
強度も高く素体の曲げ試験に対する強度を満足する。
実装後、曲げ試験を実施するが、チップが試験基板から
受ける荷重はかなり大きく素体の曲げ強度が必要とな
る。素体の曲げ強度はヒューズエレメントを形成する基
板の曲げ強度と相関があり、表1に示すように、マイカ
系セラミック基板、石英ガラス基板については、曲げ強
度が弱く、曲げ試験のたわみ量2mm弱で素体が割れて
しまう。ガラスセラミック基板においては、基板の曲げ
強度も高く素体の曲げ試験に対する強度を満足する。
【表1】
【0010】また、チップ型電流ヒューズは、製造段階
で多数個取りのシート状基板を用い、多数個のパターン
を一括形成した後に個々のチップに分離する。このシー
ト状基板から個々のチップに分離する際に、マイカ系セ
ラミック基板、石英ガラス基板では、ダイシング加工等
の切削加工が必要となる。ガラスセラミック基板(例え
ばLTCC又はHTCCなど)は、アルミナ基板と同様
に基板内に金型スリットを入れることができ、表裏両面
の互いに対応する位置の縦横方向にまたは表か裏の片側
主平面に切溝を配設し、クラッキングにより個々のチッ
プに分離することができる。従って、容易に且つ安価に
チップ型電流ヒューズを製造することができる。
で多数個取りのシート状基板を用い、多数個のパターン
を一括形成した後に個々のチップに分離する。このシー
ト状基板から個々のチップに分離する際に、マイカ系セ
ラミック基板、石英ガラス基板では、ダイシング加工等
の切削加工が必要となる。ガラスセラミック基板(例え
ばLTCC又はHTCCなど)は、アルミナ基板と同様
に基板内に金型スリットを入れることができ、表裏両面
の互いに対応する位置の縦横方向にまたは表か裏の片側
主平面に切溝を配設し、クラッキングにより個々のチッ
プに分離することができる。従って、容易に且つ安価に
チップ型電流ヒューズを製造することができる。
【0011】ヒューズ機能で安定した溶断特性を得るた
めには、ヒューズエレメントパターンを精度よく加工す
る必要がある。このため、基体となる基板の面粗さを小
さくする必要がある。表1に示すように、ガラスセラミ
ックス基板(例えばLTCC又はHTCCなど)は高い
平滑性(面粗さRa<0.3μm)があり、厚膜導体ペ
ーストでヒューズエレメントパターンの形成が安定して
且つ精度よくできる。これに対して、マイカ系セラミッ
ク基板(マシナブルセラミックス)は、面粗さを小さく
するために、ラッピング、ポリッシング、研削等の処理
を必要とする。
めには、ヒューズエレメントパターンを精度よく加工す
る必要がある。このため、基体となる基板の面粗さを小
さくする必要がある。表1に示すように、ガラスセラミ
ックス基板(例えばLTCC又はHTCCなど)は高い
平滑性(面粗さRa<0.3μm)があり、厚膜導体ペ
ーストでヒューズエレメントパターンの形成が安定して
且つ精度よくできる。これに対して、マイカ系セラミッ
ク基板(マシナブルセラミックス)は、面粗さを小さく
するために、ラッピング、ポリッシング、研削等の処理
を必要とする。
【0012】ガラスセラミック基板には、上述したよう
にLTCC又はHTCCと呼ばれるものがある。LTC
C(Low Temperature Co−fire
dCeramic:低温同時焼成セラミック)は、アル
ミナ成分とガラス成分とをそれぞれ50%程度の割合
で、800℃〜1000℃の焼成を行ない基板状に形成
したものである。HTCC(High Tempera
ture Co−fired Ceramic:高温同
時焼成セラミック)は、アルミナ成分とガラス成分とを
それぞれ50%程度の割合で1000℃以上の焼成を行
ない基板状に形成したものである。これらのガラスセラ
ミック基板では、ヒューズ特性に必要な低熱伝導率、高
い曲げ強度、及び良好な面粗さを得ることができる。な
お、アルミナ成分とガラス成分の比は上記割合に限定す
るものでなく、ガラス成分を増加すると、より低熱伝導
率化が可能で、ヒューズ特性のより良いものが得られ
る。
にLTCC又はHTCCと呼ばれるものがある。LTC
C(Low Temperature Co−fire
dCeramic:低温同時焼成セラミック)は、アル
ミナ成分とガラス成分とをそれぞれ50%程度の割合
で、800℃〜1000℃の焼成を行ない基板状に形成
したものである。HTCC(High Tempera
ture Co−fired Ceramic:高温同
時焼成セラミック)は、アルミナ成分とガラス成分とを
それぞれ50%程度の割合で1000℃以上の焼成を行
ない基板状に形成したものである。これらのガラスセラ
ミック基板では、ヒューズ特性に必要な低熱伝導率、高
い曲げ強度、及び良好な面粗さを得ることができる。な
お、アルミナ成分とガラス成分の比は上記割合に限定す
るものでなく、ガラス成分を増加すると、より低熱伝導
率化が可能で、ヒューズ特性のより良いものが得られ
る。
【0013】これらの基板は、800℃〜1000℃の
焼成を行なうので、ヒューズエレメントとして厚膜導体
ペーストの使用が可能で、セラミックグリーンシートに
パターン形成後、同時焼成によりヒューズの発熱体を内
層化することも可能である。
焼成を行なうので、ヒューズエレメントとして厚膜導体
ペーストの使用が可能で、セラミックグリーンシートに
パターン形成後、同時焼成によりヒューズの発熱体を内
層化することも可能である。
【0014】これに対して、他の絶縁性基板を用いた場
合には、以下のデメリットがある。まず、アルミナ基板
(Al2O3 90%〜96%)の場合には、表1に示
すように熱伝導率が高い。このため、基板上のヒューズ
溶断部直下に無機材料(例えば、ガラス、JCR)、ま
たは有機材料(例えば、ポリイミド、エポキシレジン)
で作成される蓄熱層が必要となることは上述した通りで
ある。このような蓄熱層を設けない場合、表面の平滑性
がないため、安定したヒューズエレメントが作成でき
ず、ヒューズ特性も不安定となるという問題もある。
合には、以下のデメリットがある。まず、アルミナ基板
(Al2O3 90%〜96%)の場合には、表1に示
すように熱伝導率が高い。このため、基板上のヒューズ
溶断部直下に無機材料(例えば、ガラス、JCR)、ま
たは有機材料(例えば、ポリイミド、エポキシレジン)
で作成される蓄熱層が必要となることは上述した通りで
ある。このような蓄熱層を設けない場合、表面の平滑性
がないため、安定したヒューズエレメントが作成でき
ず、ヒューズ特性も不安定となるという問題もある。
【0015】マイカ系セラミック基板の場合には、曲げ
強度が比較的低いため、チップ状態での素体強度が弱
く、実装後に実装回路基板を分割する際、実装回路基板
に強度な負荷が掛かるとチップが割れる危険性がある。
また、実装回路基板へ搭載する際にマウンターでチップ
に過負荷が掛かると、チップが損傷する危険性があると
いう問題もある。また、面粗さが比較的大きく、表面の
平滑性が悪く、安定したヒューズエレメントの形成が難
しいという問題もある。
強度が比較的低いため、チップ状態での素体強度が弱
く、実装後に実装回路基板を分割する際、実装回路基板
に強度な負荷が掛かるとチップが割れる危険性がある。
また、実装回路基板へ搭載する際にマウンターでチップ
に過負荷が掛かると、チップが損傷する危険性があると
いう問題もある。また、面粗さが比較的大きく、表面の
平滑性が悪く、安定したヒューズエレメントの形成が難
しいという問題もある。
【0016】また、石英ガラス基板の場合には、同様に
曲げ強度が低いため、チップ状態での素体強度が弱く、
実装後に実装回路基板を分割する際、実装回路基板に強
度な負荷が掛かるとチップが割れる危険性がある。ま
た、実装回路基板へ搭載する際にマウンターでチップに
過負荷が掛かると、チップが損傷する危険性がある。
曲げ強度が低いため、チップ状態での素体強度が弱く、
実装後に実装回路基板を分割する際、実装回路基板に強
度な負荷が掛かるとチップが割れる危険性がある。ま
た、実装回路基板へ搭載する際にマウンターでチップに
過負荷が掛かると、チップが損傷する危険性がある。
【0017】ガラスエポキシ系、ポリイミド系の各基板
は、表1に示すように、熱伝導率がかなり低く、チップ
型電流ヒューズとして直接ヒューズエレメントを形成す
るには良い基板である。一方で、ヒューズの溶断特性を
安定して得るためには、ヒューズエレメントの材質、パ
ターンの精度が必要となり、上記表における基板の面粗
さがヒューズエレメントパターンの寸法精度を損なわす
要因となっている。基板の面粗さは、ラッピング、ポリ
ッシング、研削等で改善されるが高価となる。電流ヒュ
ーズを構成する上で、ヒューズエレメントパターンを形
成する工程の熱処理温度及びその後の熱工程における温
度が重要となる。その熱処理方法は基板や基板上におけ
るヒューズ機能を満足させ得る構造とするため、物質の
耐熱温度により制約をうけるため、工程や方法が限定さ
れることが多く、耐熱温度の半分以下に押さえる必要が
ある。このような観点からすると、ガラスエポキシ系、
ポリイミド系の基板は、耐熱温度がかなり低く、ヒュー
ズエレメントの形成方法に制約がある。
は、表1に示すように、熱伝導率がかなり低く、チップ
型電流ヒューズとして直接ヒューズエレメントを形成す
るには良い基板である。一方で、ヒューズの溶断特性を
安定して得るためには、ヒューズエレメントの材質、パ
ターンの精度が必要となり、上記表における基板の面粗
さがヒューズエレメントパターンの寸法精度を損なわす
要因となっている。基板の面粗さは、ラッピング、ポリ
ッシング、研削等で改善されるが高価となる。電流ヒュ
ーズを構成する上で、ヒューズエレメントパターンを形
成する工程の熱処理温度及びその後の熱工程における温
度が重要となる。その熱処理方法は基板や基板上におけ
るヒューズ機能を満足させ得る構造とするため、物質の
耐熱温度により制約をうけるため、工程や方法が限定さ
れることが多く、耐熱温度の半分以下に押さえる必要が
ある。このような観点からすると、ガラスエポキシ系、
ポリイミド系の基板は、耐熱温度がかなり低く、ヒュー
ズエレメントの形成方法に制約がある。
【0018】次にこのチップ型電流ヒューズの製造方法
について図2(a)〜(d)を参照しながら説明する。
なお、この各図の左側は平面図、右側は縦断面図であ
る。まず、図2(a)に示すように、ガラスセラミック
基板11を準備する。尚、図2に示す各図は、シート状
(多数個取り)の基板のうちの、不図示の縦横に基板の
分割溝に沿って基板を分割した後に1個のチップ型電流
ヒューズとなる一部分のみを示している。次に、図2
(b)に示すように、厚膜導体ペーストまたは厚膜抵抗
ペーストをスクリーン印刷により塗布する。そして、6
00〜900℃で焼成し、メタルグレーズ系のヒューズ
エレメントパターン14を形成する。基体にガラスセラ
ミック基板を用いると、厚膜ペーストの熱収縮もわずか
であるため、加熱することによるパターンの変形がな
く、安定したヒューズエレメントパターンの形成が可能
である。
について図2(a)〜(d)を参照しながら説明する。
なお、この各図の左側は平面図、右側は縦断面図であ
る。まず、図2(a)に示すように、ガラスセラミック
基板11を準備する。尚、図2に示す各図は、シート状
(多数個取り)の基板のうちの、不図示の縦横に基板の
分割溝に沿って基板を分割した後に1個のチップ型電流
ヒューズとなる一部分のみを示している。次に、図2
(b)に示すように、厚膜導体ペーストまたは厚膜抵抗
ペーストをスクリーン印刷により塗布する。そして、6
00〜900℃で焼成し、メタルグレーズ系のヒューズ
エレメントパターン14を形成する。基体にガラスセラ
ミック基板を用いると、厚膜ペーストの熱収縮もわずか
であるため、加熱することによるパターンの変形がな
く、安定したヒューズエレメントパターンの形成が可能
である。
【0019】また、ガラスセラミック基板のグリーンシ
ート(生基板)を準備し、厚膜導体ペーストを印刷し、
両者を同時に焼成することもできる。これにより、ガラ
スセラミック基板の焼成と厚膜導体ペーストの焼成を同
時に行うことができるので、製造コストを低減すること
が可能である。また、ヒューズエレメントをガラスセラ
ミック基板へサンドイッチ状に挟み込んで内装化するこ
とで、更に製造コストを低減することが可能となる。L
TCCは低温焼成で低温収縮のため、生基板(グリーン
シート)と導体とを同時に焼成することができ、内装化
した積層体を一括して形成できる。
ート(生基板)を準備し、厚膜導体ペーストを印刷し、
両者を同時に焼成することもできる。これにより、ガラ
スセラミック基板の焼成と厚膜導体ペーストの焼成を同
時に行うことができるので、製造コストを低減すること
が可能である。また、ヒューズエレメントをガラスセラ
ミック基板へサンドイッチ状に挟み込んで内装化するこ
とで、更に製造コストを低減することが可能となる。L
TCCは低温焼成で低温収縮のため、生基板(グリーン
シート)と導体とを同時に焼成することができ、内装化
した積層体を一括して形成できる。
【0020】このように厚膜プロセスを用いることで、
ガラスセラミック基板上にヒューズエレメントを容易に
且つ安価に製造することが可能である。
ガラスセラミック基板上にヒューズエレメントを容易に
且つ安価に製造することが可能である。
【0021】次に、図2(c)に示すように、ヒューズ
エレメント部及び電極12(これは表電極を兼用してい
る)の一部を被覆するようにガラスコート層及び又は樹
脂コート層からなる保護層を設ける。このガラスコート
/樹脂コート層は、ガラスペースト/樹脂ペーストをス
クリーン印刷等により所定の部分に形成した後に、加熱
焼成及び/又は加温硬化して形成する。
エレメント部及び電極12(これは表電極を兼用してい
る)の一部を被覆するようにガラスコート層及び又は樹
脂コート層からなる保護層を設ける。このガラスコート
/樹脂コート層は、ガラスペースト/樹脂ペーストをス
クリーン印刷等により所定の部分に形成した後に、加熱
焼成及び/又は加温硬化して形成する。
【0022】次に、図2(d)に示すように、裏面及び
端面の電極12を形成する。この電極は例えばAgペー
ストを用いてスクリーン印刷を行い、その後に加熱焼成
することにより形成してもよく、又、全面に金属をスパ
ッタリングにより被着して、フォトリソグラフィにより
不要部分を除去するようにして形成しても良い。又、メ
タルマスク等による部分着膜で電極をスパッタリングに
より形成してもよい。
端面の電極12を形成する。この電極は例えばAgペー
ストを用いてスクリーン印刷を行い、その後に加熱焼成
することにより形成してもよく、又、全面に金属をスパ
ッタリングにより被着して、フォトリソグラフィにより
不要部分を除去するようにして形成しても良い。又、メ
タルマスク等による部分着膜で電極をスパッタリングに
より形成してもよい。
【0023】更に、電極部分にNi/ハンダによる電極
メッキを行う。これは、例えば電解バレルメッキにより
まずNiメッキを行い、次に引き続きハンダメッキを行
うことにより上述した電極メッキを施した電極12が形
成される。これにより、表面実装に好適なチップ型電流
ヒューズが完成する。
メッキを行う。これは、例えば電解バレルメッキにより
まずNiメッキを行い、次に引き続きハンダメッキを行
うことにより上述した電極メッキを施した電極12が形
成される。これにより、表面実装に好適なチップ型電流
ヒューズが完成する。
【0024】上述したようにガラスセラミック基板は、
基板表面とそれに対応する裏面にブレーク用のスリット
を設けることが可能である。従って、多数個取りの基板
から個々のチップに分離するに際して、アルミナ系のセ
ラミック基板と同様にブレーク(クラッキング)により
分離することが可能である。即ち、個々のチップに分離
するに際してダイシングソーを用いて切断する必要がな
く、これにより低コストでチップ型電流ヒューズを製造
することができる。
基板表面とそれに対応する裏面にブレーク用のスリット
を設けることが可能である。従って、多数個取りの基板
から個々のチップに分離するに際して、アルミナ系のセ
ラミック基板と同様にブレーク(クラッキング)により
分離することが可能である。即ち、個々のチップに分離
するに際してダイシングソーを用いて切断する必要がな
く、これにより低コストでチップ型電流ヒューズを製造
することができる。
【0025】なお、上述した実施形態においては、ヒュ
ーズエレメントを厚膜導体ペーストを用いて厚膜技術に
より形成する例について説明したが、その他のヒューズ
エレメントの形成方法も採用が可能である。例えば、基
板上に金属薄膜をスパッタリングまたは蒸着等により被
着し、フォトリソグラフィを用いてヒューズエレメント
パターンを形成するようにしてもよい。また、金属薄膜
によるヒューズエレメントパターンの形成後、電解また
は無電解めっきにより厚い金属膜のヒューズエレメント
パターンを形成するようにしてもよい。
ーズエレメントを厚膜導体ペーストを用いて厚膜技術に
より形成する例について説明したが、その他のヒューズ
エレメントの形成方法も採用が可能である。例えば、基
板上に金属薄膜をスパッタリングまたは蒸着等により被
着し、フォトリソグラフィを用いてヒューズエレメント
パターンを形成するようにしてもよい。また、金属薄膜
によるヒューズエレメントパターンの形成後、電解また
は無電解めっきにより厚い金属膜のヒューズエレメント
パターンを形成するようにしてもよい。
【0026】尚、上記実施の形態はチップ型の電流ヒュ
ーズについて説明したが、チップ型以外にも、角板状の
絶縁性基板にヒューズエレメントを配置した各種の電流
ヒューズに適用可能なことは勿論である。このように、
本発明の趣旨を逸脱することなく、種々の変形実施例が
可能である。
ーズについて説明したが、チップ型以外にも、角板状の
絶縁性基板にヒューズエレメントを配置した各種の電流
ヒューズに適用可能なことは勿論である。このように、
本発明の趣旨を逸脱することなく、種々の変形実施例が
可能である。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、構
造が簡単で且つ溶断特性が改良されたチップ型電流ヒュ
ーズが提供される。
造が簡単で且つ溶断特性が改良されたチップ型電流ヒュ
ーズが提供される。
【図1】本発明の実施の形態のチップ型電流ヒューズの
(a)縦断面図、(b)平面図である。
(a)縦断面図、(b)平面図である。
【図2】本発明の実施の形態のチップ型電流ヒューズの
製造工程の前半部を示す左側が平面図であり、右側が縦
断面図である。
製造工程の前半部を示す左側が平面図であり、右側が縦
断面図である。
【図3】従来のチップ型電流ヒューズの(a)縦断面
図、(b)平面図である。
図、(b)平面図である。
【符号の説明】
10 チップ型電流ヒューズ
11 ガラスセラミック基板
12 電極
14 ヒューズエレメント
15 保護膜
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 金丸 展大
長野県上伊那郡箕輪町大字中箕輪14016
コーア株式会社内
Fターム(参考) 5G502 AA01 BA08 BD02
Claims (4)
- 【請求項1】 角板状の絶縁性基板の表面にヒューズエ
レメントを形成し、該ヒューズエレメントを保護膜で被
覆し、前記基板の両端部に電極を配設したチップ型電流
ヒューズにおいて、 前記絶縁性基板としてガラスセラミック基板を用いたこ
とを特徴とするチップ型電流ヒューズ。 - 【請求項2】 前記ヒューズエレメントは、厚膜導体ペ
ーストを印刷し、焼成して形成したものであることを特
徴とする請求項1記載のチップ型電流ヒューズ。 - 【請求項3】 角板状の絶縁性基板の表面にヒューズエ
レメントを形成し、該ヒューズエレメントを保護膜で被
覆し、前記基板の両端部に電極を配設するチップ型電流
ヒューズの製造方法において、 ガラスセラミック基板上に、厚膜導体ペーストを印刷
し、焼成して、ヒューズエレメントを形成することを特
徴とするチップ型電流ヒューズの製造方法。 - 【請求項4】 前記ガラスセラミックのグリーンシート
上に、前記厚膜導体ペーストを印刷し、同時に焼成する
ことを特徴とする請求項3記載のチップ型電流ヒューズ
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001345145A JP2003151425A (ja) | 2001-11-09 | 2001-11-09 | チップ型電流ヒューズ及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001345145A JP2003151425A (ja) | 2001-11-09 | 2001-11-09 | チップ型電流ヒューズ及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003151425A true JP2003151425A (ja) | 2003-05-23 |
Family
ID=19158540
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001345145A Pending JP2003151425A (ja) | 2001-11-09 | 2001-11-09 | チップ型電流ヒューズ及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003151425A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007019054A (ja) * | 2005-07-05 | 2007-01-25 | Nichicon Corp | ヒューズ内蔵型固体電解コンデンサ |
KR100856318B1 (ko) * | 2007-06-25 | 2008-09-03 | 주식회사 동부하이텍 | 반도체 소자용 퓨즈 |
JP2011233316A (ja) * | 2010-04-27 | 2011-11-17 | Kyocera Corp | 電流ヒューズ装置および回路基板 |
KR101342501B1 (ko) | 2012-04-02 | 2013-12-19 | 주식회사 에스엠하이테크 | 표면실장형 초소형-퓨즈용 도체 패턴구조 |
-
2001
- 2001-11-09 JP JP2001345145A patent/JP2003151425A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007019054A (ja) * | 2005-07-05 | 2007-01-25 | Nichicon Corp | ヒューズ内蔵型固体電解コンデンサ |
KR100856318B1 (ko) * | 2007-06-25 | 2008-09-03 | 주식회사 동부하이텍 | 반도체 소자용 퓨즈 |
JP2011233316A (ja) * | 2010-04-27 | 2011-11-17 | Kyocera Corp | 電流ヒューズ装置および回路基板 |
KR101342501B1 (ko) | 2012-04-02 | 2013-12-19 | 주식회사 에스엠하이테크 | 표면실장형 초소형-퓨즈용 도체 패턴구조 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4722318B2 (ja) | チップ抵抗器 | |
JP4204029B2 (ja) | チップ抵抗器 | |
JPH02503969A (ja) | 金属有機物膜からなる少量アンペア用ヒューズ及びその製造方法 | |
CN100555500C (zh) | 厚膜片式保险丝及其制造方法 | |
JP2008235523A (ja) | 抵抗素子を有する電子部品およびその製造法 | |
CN101010768B (zh) | 芯片的熔断保险装置 | |
JP2003151425A (ja) | チップ型電流ヒューズ及びその製造方法 | |
JP4384787B2 (ja) | チップ抵抗器 | |
JPH11204315A (ja) | 抵抗器の製造方法 | |
JPH05267025A (ja) | チップ部品の製造法及び電子部品の製造法 | |
JP2003045703A (ja) | チップ抵抗器及びその製造方法 | |
JP2002140975A (ja) | ヒューズ素子及びその製造方法 | |
JP3825576B2 (ja) | チップ抵抗器の製造方法 | |
JPH10125508A (ja) | チップサーミスタ及びその製造方法 | |
JPH08213221A (ja) | 角形薄膜チップ抵抗器の製造方法 | |
WO2005050677A1 (ja) | 表面実装型複合電子部品及びその製造法 | |
JP2003234057A (ja) | ヒューズ抵抗器およびその製造方法 | |
JP2001291615A (ja) | 3端子型可変インダクタンス素子 | |
JP2003173728A (ja) | チップ型電流ヒューズの製造方法 | |
JPH0380501A (ja) | チップ抵抗器及びその製造方法 | |
JP2002246206A (ja) | チップ抵抗器及びその製造方法 | |
JPH01189102A (ja) | 回路部品の電極製造方法 | |
JP2005108865A (ja) | チップ抵抗器及びチップ抵抗器の製造方法 | |
JPH0277101A (ja) | 混成集積回路用厚膜チップ抵抗及びその製造方法 | |
JP2003297670A (ja) | チップ型複合部品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040325 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060725 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060922 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070220 |