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JP2003142659A - 半導体記憶装置 - Google Patents

半導体記憶装置

Info

Publication number
JP2003142659A
JP2003142659A JP2001336083A JP2001336083A JP2003142659A JP 2003142659 A JP2003142659 A JP 2003142659A JP 2001336083 A JP2001336083 A JP 2001336083A JP 2001336083 A JP2001336083 A JP 2001336083A JP 2003142659 A JP2003142659 A JP 2003142659A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
pzt
memory device
ferroelectric
semiconductor memory
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001336083A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiko Ito
仁彦 伊藤
Toru Tatsumi
徹 辰巳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Corp filed Critical NEC Corp
Priority to JP2001336083A priority Critical patent/JP2003142659A/ja
Publication of JP2003142659A publication Critical patent/JP2003142659A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 450℃以下の温度で強誘電体薄膜の成膜を
行っても、初期状態における強誘電ヒステリシス特性に
電圧オフセットを発生させることがなく、分極反転繰り
返しにおける読み出し電荷の変動を発生することもない
ようにする。 【構成】 下部電極101上に、PTO成長核層102
と、Zr/Ti比の異なる3層のPZT層103、10
4、105と、上部電極側PTO層106と、上部電極
107が積層される。3層のPZT層103、104、
105のZr/Ti比は、それぞれ、0.2、0.3
5、0.55の程度である。(1)PTO成長核層10
2の上にPTO成長核層との格子定数差を緩和するPZ
T層103が形成され、(2)上部電極107とPZT
層との界面に抗電界の小さなPZT層105が配置され
て、90°ドメイン回転が容易化され、(3)上部電極
とPZT層105との間に成長核層102と同じPTO
層が形成され、分極反転のきっかけとなる反転核形成が
上下界面ともに同じ条件で起こる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強誘電体容量素子
を有する半導体記憶装置、特に強誘電体としてチタン酸
ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O3、以下「PZ
T」と呼ぶ)を用いた半導体記憶装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、強誘電体容量を利用した不揮発性
記憶装置の研究開発が活発化している。この不揮発性記
憶装置は選択トランジスタを備えており、選択トランジ
スタの一方の拡散層に接続された強誘電体容量をメモリ
セルとして情報を蓄える仕組みになっている。強誘電体
容量の材料としてはチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等
の強誘電体薄膜が用いられており、強誘電体薄膜が分極
することにより不揮発性の情報が蓄えられる。
【0003】強誘電体薄膜の堆積方法としては、化学的
気相成長法(CVD法)が大口径ウエハにおける均一性
および表面段差に対する被覆性に優れ、ULSIに適用
する場合の量産化技術として有望であると考えられてい
る。一般にPZT等のセラミックスの構成元素である金
属の水素化物や塩化物は蒸気圧が低いため、CVD法の
中でも、有機金属原料を用いた有機金属気相成長法(M
OCVD法)が、これらの強誘電体薄膜の堆積方法とし
て多く用いられる。MOCVD法に用いる有機金属原料
は室温では固体もしくは液体のものが多いため、通常
は、これら原料を加熱し気化し、キャリアガスと混合し
て基板を設置した成長槽まで輸送し、基板上に堆積する
方法がとられる。
【0004】例えば特開平11−317500号公報
に、MOCVD法によって強誘電体薄膜が形成されてい
る半導体記憶装置のデバイス構造が開示されている。こ
のデバイス構造においては、多層メタル配線形成後のデ
バイス最上部に強誘電体容量素子が最後に設置されるた
め、強誘電体容量素子の高低差に起因して多層メタル配
線の形成が妨げられるという事態が発生することなく、
CMOSプロセスとの優れた整合性が維持される。しか
しながら、このデバイス構造を実現するためには、強誘
電体容量素子形成に先だって形成されたメタル配線の断
線や高抵抗化を回避するために、強誘電体薄膜を450
℃以下の低温で形成する必要性がある。このような低温
におけるMOCVD法による強誘電体薄膜の成膜技術
が、特開2000−58525号公報に開示されてい
る。同公報によれば、まず最初にPbの有機金属原料だ
けが下部電極表面に流され、次いでZr/Ti比の小さ
なPZT成長核層が形成され、しかる後に、その成長核
層の上に成長核層よりもZr/Ti比の大きなPZT薄
膜が強誘電体層として堆積される。このような手法によ
り、配向性が制御された結晶性の良好なPZT薄膜の低
温下での成長が可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来の成膜方
法においては、Zr/Ti比の小さなPZT成長核層の
上に成長核層よりもZr/Ti比の大きなPZT強誘電
体層が形成されるが、Zr/Ti比を大きくしすぎる
と、その界面近傍に、格子定数差による歪みが発生しや
すい。この歪みは界面から遠ざかるにつれて急激に減衰
していく。歪みの存在する界面には荷電層が発生しやす
いので、界面近傍のみに荷電層が形成されることにな
る。この荷電層は、強誘電体層に電極を形成して強誘電
体容量素子を作製したとき、その初期状態における強誘
電ヒステリシス特性に、電圧オフセットを発生させる。
強誘電体容量の強誘電ヒステリシス特性における電圧オ
フセットは、書き込み極性による保持特性のアンバラン
スを引き起こすので好ましくない。
【0006】このような現象を避けるためには、Zr/
Ti比を減少させればよいが、Zr/Ti比を減少させ
ると、抗電界が大きくなる。一般に強誘電体薄膜の上部
表面と上部電極との界面には上部電極形成プロセスに伴
うダメージや歪みが導入されるため、界面の原子の運動
が妨げられるが、PZT薄膜の抗電界が大きいと、そう
した歪の影響が助長され、この界面付近においては、分
極反転が起こりにくい状態になる。また、PZT薄膜の
成膜直後においてa軸に配向していた領域が電界印加に
よって分極軸であるc軸に配向する90°ドメイン回転
も妨げられ、最初の書き込み動作時において完了するこ
とができなくなり、その後の電界印加によって徐々に起
こることとなる。これらの結果が相乗して、分極反転繰
り返しにおいて、読み出し電荷の変動が発生する。強誘
電体容量素子を用いた不揮発性記憶装置において、この
読出し電荷の変動は記憶装置内部の信号電圧変動の直接
的な原因となり、装置の動作信頼性を低下させてしま
う。
【0007】本発明はこの点に鑑みてなされたものであ
って、その目的は、450℃以下の温度で成膜を行って
も、初期状態における強誘電ヒステリシス特性に電圧オ
フセットを発生させることがなく、また、分極反転繰り
返しにおける読み出し電荷の変動を発生することもな
く、併せて、初期状態における残留分極値が大きく、強
誘電ヒステリシスの形状も良好な強誘電体容量を有す
る、高い動作信頼性の高い半導体記憶装置を提供するこ
とである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明によれば、PZT層が上下電極間に挟まれた
構造を有する強誘電体容量素子を有する半導体記憶装置
において、PZT層のZr/Ti比を下部電極側から上
部電極側の間で変化させたことを特徴とする半導体記憶
装置、が提供される。そして、好ましくは、Zr/Ti
比が下部電極側から上部電極側へ単調に増加するように
なされる。また、一層好ましくは、下部電極および上部
電極と前記PZT層との界面にチタン酸鉛(PTO)層
が形成されている。
【0009】また、本発明によれば、PZT層が上下電
極間に挟まれた構造を有する強誘電体容量素子を有する
半導体記憶装置において、下部電極と前記PZT層との
界面、および、上部電極と前記PZT層との界面にそれ
ぞれPTO層が形成されていることを特徴とする半導体
記憶装置、が提供される。そして、好ましくは、前記下
部電極側に形成されたPTO層と前記上部電極側に形成
されたPTO層との膜厚がほぼ等しくなされる。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。 〔第1の実施の形態〕図1は、本発明の第1の実施の形
態の強誘電体装置の断面図〔(a)〕と、膜厚方向の組
成比分布図〔(b)〕である。図2は、図1の強誘電体
装置の初期状態における強誘電ヒステリシス特性図
〔(a)〕と、疲労特性図〔(b)〕と、疲労特性測定
後における強誘電ヒステリシス特性図〔(c)〕であ
る。図1(a)に示すように、本実施の形態の強誘電体
装置は、下部電極101上に、チタン酸鉛(PTO)成
長核層102と、Zr/Ti比の異なる第一、第二、第
三のPZT層103、104、105と、上部電極側の
PTO層106と、が積層され、PTO層106の上に
上部電極107が形成されたものである。
【0011】PZT薄膜の成長、特にMOCVD法を用
いた450℃以下の低温成膜においては、成膜初期にお
いて可能な限り結晶性の良好な成長核を形成することが
重要である。成膜初期において成長核を形成する土台と
なるのが成長核層である。PbとTiとの反応性は、P
bとZrとの反応性より高いため、Ti量の多い成長核
層を用いると、低温でも良質の結晶核を形成できる。
[Zr]/([Zr]+[Ti])比が0.15以下の
PZT膜であれば結晶核層として働くが、Zrを全く含
まないPTO膜の結晶性が最も良好になるので、成長核
層としては、PTO単独のPTO成長核層が最も好まし
い。ここで、[A]は、PZT中の成分Aのモル%濃度
を表している。Aに該当するPb、ZrあるいはTiの
モル%濃度は、蛍光X線分析や二次イオン質量分析(S
IMS)等の手段により容易に測定することができる。
また、この成長核層は下部電極全体を覆った連続膜とし
てもよいが、島状とする方がより好ましい。成長核層が
連続膜であると、組成および誘電率の異なる2つの誘電
体層が下部電極との界面に形成され、電界の偏りや誘電
率の低下を招くためである。また、成長核層が島状であ
る方が、配向性や結晶粒径の制御が容易となる。
【0012】図1(b)に示すように、第一のPZT層
103、第二のPZT層104、第三のPZT層105
の[Zr]/([Zr]+[Ti])比は、それぞれ、
0.2、0.35、0.55の程度である。第一、第
二、第三のPZT層103、104、105の膜厚は、
それぞれ、20〜30nm、200nm、10〜20n
mの程度となるように調整される。PTO層106の膜
厚は5nm程度である。
【0013】次に、本実施の形態の強誘電体装置を、そ
の製造方法とともに、より詳細に説明する。本実施の形
態においては、下部電極101としてルテニウム(R
u)を用いた。MOCVD原料としては、Pb用にビス
ジピバロイルメタナート鉛〔Pb(DPM)〕、Ti
用にチタンイソプロポキシド〔Ti(OiPr)〕、
Zr用にジルコニウムブトキシド〔Zr(OtB
u)〕を用い、酸化剤として二酸化窒素(NO)を
用いた。PTO層ならびにPZT層の成膜中、真空容器
内のガスの全圧は100mTorr(13.33P
a)、基板温度は430℃に保たれた。最初にPb(D
PM)を流量0.2SCCMで2秒間供給し、次い
で、Pb(DPM)を流した状態のままNOを流量
3.0SCCMの条件で10秒間供給し、次に、そのま
まの状態でTi(OiPr)の供給を始める。Pb
(DPM)の流量0.2SCCM、Ti(OiPr)
の流量0.25SCCM、NOの流量3.0SCC
Mという成膜条件を30秒間保持し、島状構造のPTO
成長核層102を形成する。次に、原料ガス供給条件を
変更し、Pb(DPM)の流量0.25SCCM、Z
r(OtBu)の流量0.2SCCM、Ti(OiP
r)の流量0.4SCCM、NOの流量3.0SC
CMという成膜条件を200秒間保持し、膜厚30nm
を有する[Zr]/([Zr]+[Ti])比が約0.
2の第一のPZT層103を得る。次に、Pb(DP
M)の流量0.25SCCM、Zr(OtBu)
流量0.3SCCM、Ti(OiPr)の流量0.3
2SCCM、NOの流量3.0SCCMという成膜条
件を1100秒間保持し、膜中央部に膜厚200nmを
有する[Zr]/([Zr]+[Ti])比が約0.3
5の第二のPZT層104を形成する。その後、Pb
(DPM)の流量0.25SCCM、Zr(OtB
u)の流量0.4SCCM、Ti(OiPr)の流
量0.2SCCM、NOの流量3.0SCCMという
成膜条件を100秒間保持し、膜厚20nmを有する
[Zr]/([Zr]+[Ti])比が約0.55の第
三のPZT層105を形成する。さらに、Pb(DP
M)の流量0.2SCCM、Ti(OiPr)の流
量0.25SCCM、NOの流量3.0SCCMとい
う成膜条件を30秒間保持し、PTO層106を形成す
る。最後に、上部電極107として、上部電極形成中の
膜構造への加熱効果を回避するために、真空蒸着にてA
uを堆積して、本実施の形態の強誘電体容量素子の製造
工程を完了する。電極としてAuを使用した場合には、
分極反転の繰り返しにおいて、早期に反転電荷に変化が
現れるということはよく知られた事実であるが、上部電
極形成中の膜構造への加熱効果の影響を排除するため
に、上部電極として真空蒸着法によるAuをあえて使用
した。
【0014】図2(a)に示すように、上述のように作
製した本実施の形態の強誘電体容量素子は、その初期状
態における強誘電ヒステリシス特性において左右対称で
あり、電圧シフトを示さない。なお、図2(a)は、±
2V、±3V、±4V、±5Vの両極性の単発電圧掃引
で得られた初期状態のヒステリシス(シングルショット
ヒステリシス)を重ね合わせて示したものである。図2
(b)に示すように、本実施の形態の強誘電体装置は、
±3Vの両極性電圧パルスを繰り返し印加して分極反転
を行ったところ、上部電極としてよく知られたRuを用
いた場合に比して、予期されるように、早期に反転電荷
に変化が現れる。しかしながら、10〜10回程度
の分極反転回数までは、その反転電荷および非反転電荷
はほとんど変化を示さない。また、図2(c)は、図2
(b)に示す各点における疲労特性実験後に測定したシ
ングルショットヒステリシスを重ね合わせて示してい
る。残留分極が反転開始初期からほとんど変動がなく、
また、ヒステリシス形状も全く重なっている。なお、図
2(c)においては、印加電圧零の場合の残留電荷を零
にしている。
【0015】〔比較例〕図3は、比較例の強誘電体容量
素子の断面図〔(a)〕と、膜厚方向の組成比分布図
〔(b)〕である。図4は、図3の強誘電体容量素子の
初期状態における強誘電ヒステリシス特性図〔(a)〕
と、疲労特性図〔(b)〕と、疲労特性測定後における
強誘電ヒステリシス特性図〔(c)〕である。図3
(a)に示すように、本実施の形態の強誘電体容量素子
は、下部電極201上に、PTO成長核層202と、P
ZT層204と、上部電極側PTO層206と、が積層
され、PTO層206の上に上部電極207が形成され
ている。図3(b)に示すように、PZT層204は、
その[Zr]/([Zr]+[Ti])比が0.35程
度である単一の強誘電体薄膜層である。PZT層204
の膜厚は250nm、PTO層206の膜厚は5nm程
度である。
【0016】次に、本比較例の強誘電体容量素子を、そ
の製造方法とともに、より詳細に説明する。本比較例に
おける下部電極、MOCVD原料、酸化剤は、第1の実
施の形態と同じである。PTO層ならびにPZT層の成
膜中を通して、真空容器内のガスの全圧は100mTo
rr(13.33Pa)、基板温度は430℃に保たれ
た。最初にPb(DPM)を流量0.2SCCMで2
秒間供給し、次いで、Pb(DPM)を流した状態の
ままNOを流量3.0SCCMの条件で10秒間供給
し、次に、そのままの状態でTi(OiPr)の供給
を始める。Pb(DPM)の流量0.2SCCM、T
i(OiPr)の流量0.25SCCM、NOの流
量3.0SCCMという成膜条件を30秒間保持し、島
状構造のPTO成長核層202を形成する。次に、原料
ガス供給条件を変更し、Pb(DPM) の流量0.2
5SCCM、Zr(OtBu)の流量0.3SCC
M、Ti(OiPr)の流量0.32SCCM、NO
の流量3.0SCCMという成膜条件を1500秒間
保持し、膜厚250nmを有する[Zr]/([Zr]
+[Ti])比が約0.35のPZT層204を形成す
る。さらに、Pb(DPM) の流量0.2SCCM、
Ti(OiPr)の流量0.25SCCM、NO
流量3.0SCCMという成膜条件を30秒間保持し、
膜厚5nmを有するPTO層206を形成する。最後
に、上部電極207として真空蒸着法にてAuを堆積し
て、本比較例の強誘電体容量素子の製造工程を完了す
る。
【0017】図4(a)に示すように、上述のように作
製した本比較例の強誘電体記憶素子は、その初期状態に
おける強誘電ヒステリシス(シングルショットヒステリ
シス)において左右非対称であり、明らかな電圧シフト
を示す。図4(a)は、第1の実施の形態の図2(a)
と同様に、±2V、±3V、±4V、±5Vの両極性の
単発電圧掃引で得られた初期状態のヒステリシス(シン
グルショットヒステリシス)を重ね合わせて示したもの
である。また、図4(b)に示すように、本比較例の強
誘電体容量素子は、±3Vの両極性電圧パルスを繰り返
し印加して分極反転を行う際、初期における分極反転に
おいて既に、特に反転電荷に、大きな変動を示す。さら
に、図4(c)に示すように、本比較例の強誘電体容量
素子においては、残留分極が反転開始初期において既に
大きく変動し、また、ヒステリシス形状も大きく変化す
る。図4(c)は、第1の実施の形態の図2(c)と同
様に、図4(b)に示す各点における疲労特性実験後に
測定したシングルショットヒステリシスを重ね合わせて
示してものである。
【0018】図2(a)〜(c)に示す第1の実施の形
態の強誘電体容量素子の強誘電ヒステリシス特性や疲労
特性と、図4(a)〜(c)に示す比較例の強誘電体容
量素子の強誘電ヒステリシス特性や疲労特性との間の顕
著な差は、第1の実施の形態の強誘電体容量素子におけ
る、PTO成長核層102と第二のPZT層104との
間に存在する第一のPZT層103、および、第二のP
ZT層104と上部電極側PTO層106との間に存在
する第三のPZT層105の効果を物語るものである。
【0019】以下に、第一のPZT層103と第三のP
ZT層105との効果について考察する。従来の技術に
おいて述べたように、Zr/Ti比の小さな、あるいは
PTOよりなる成長核層上にZr/Ti比の大きなPZ
T強誘電体層を成長させると、その界面に格子定数差に
伴う歪みが発生する。この歪みは界面から遠ざかるにつ
れて急激に減衰していくので、界面近傍のみに荷電層を
形成することになる。この荷電層は、作製した強誘電体
容量素子の初期状態における強誘電ヒステリシス特性
に、電圧オフセットを発生させる。
【0020】これに対して、第1の実施の形態において
は、PTO成長核層102と、Zr/Ti比の比較的大
きな、[Zr]/([Zr]+[Ti])比が約0.3
5の第二のPZT層104との間に、[Zr]/([Z
r]+[Ti])比が0.35より小さな0.2である
第一のPZT層103を20〜30nm形成することに
よって、この第一のPZT層103が歪みの緩衝層とし
て働き、発生する界面電荷量を抑制する効果を有する。
ただし、この第一のPZT層103の[Zr]/([Z
r]+[Ti])比を0.15よりも小さくすると、P
ZT層全体としての抗電界が大きくなりすぎ、かつ分極
値が減少してしまうことを確認している。一方、[Z
r]/([Zr]+[Ti])比を0.25より大きく
すると、第一のPZT層103の上に堆積する第二のP
ZT層104とのZr/Ti比の差が小さくなるため、
第一のPZT層103の緩衝層としての効果が現れなく
なることも確認している。したがって、第一のPZT層
103の[Zr]/([Zr]+[Ti])比は、0.
15以上、0.25以下とすることが好ましく、約0.
2とすることが最も好ましい。また、第一のPZT層1
03の膜厚は、20〜30nmにすることが好ましい。
第一のPZT層103の膜厚を20nmよりも薄くする
と、第一のPZT層103に緩衝層としての効果が見ら
れなくなる。一方、第一のPZT層103の膜厚を30
nmよりも厚くすると、第一のPZT層103のZr/
Ti比の小さな強誘電体層としての効果が大きくなり、
PZT層全体としての抗電圧を大きくするように働く。
【0021】次に、第三のPZT膜105の効果につい
て説明する。PZT層の上部表面と上部電極との界面に
は、上部電極形成プロセスによりダメージや歪みが導入
される。ダメージによって発生した電荷に加えて、PZ
T層に加えられる応力も、強誘電ドメインの挙動に影響
を与える。このような作用によって、上部電極との界面
付近のPZT層は分極反転しにくくなり、また、初期状
態における強誘電ヒステリシスに電圧オフセットが発生
する。さらに、強誘電性を示す正方晶構造のPZTにお
いては、電界印加によってa軸と分極軸であるc軸とが入
れ替わる90°ドメイン回転が分極反転中に起こると、
読出し電荷が変動する。上部電極との界面付近に歪みが
導入されていると、その歪み効果によって90°ドメイ
ン回転が最初の書き込み動作時において完了することが
困難になっていき、その後の電界印加によって徐々に起
こるという現象が生じやすくなる。特に、上部電極との
界面付近に存在するPZT層の抗電界が大きい、即ち、
Zr/Ti比の小さい組成においては、a軸長とc軸長
との差が大きいので、90°ドメイン回転が歪みを増加
させる方向に働き、その傾向が顕著になる。
【0022】PZT中のZr/Ti比の増加に伴い、抗
電界が小さくなる傾向があることが一般的に認められて
いる。これはイオン半径の大きなZrがランダムにBサ
イト、即ち、ZrやTiのはいるサイトを占めることに
より、Bサイト空間が拡大され、同じBサイトを占める
イオン半径の小さなTiが比較的自由に動けるようにな
るためであると理解されている。Tiイオンが自由に動
けるようになると、Tiイオンの移動に伴い分極反転が
おこるわけであるから、分極反転が起こり易くなる。第
1の実施の形態のように、[Zr]/([Zr]+[T
i])比が約0.35の第二のPZT層104の上に、
[Zr]/([Zr]+[Ti])比が0.35より大
きな0.55である第三のPZT層105を成長させる
ことは、上部電極との界面付近に抗電界の小さなPZT
層を形成することになり、上部電極との界面付近の分極
反転を容易にする作用をもたらす。それに加え、[Z
r]/([Zr]+[Ti])比、したがって、Zr/
Ti比を大きくすると、正方晶PZT分子におけるa軸
長とc軸長との比が1に近づくので、90°ドメイン回転
に伴って発生する膜中歪みが小さくなり、90°ドメイ
ン回転が容易となる。この効果により最初の書き込み動
作時に90°ドメイン回転を完了させることができ、そ
れ以降の分極反転繰り返しによる読出し電荷変動を抑制
することができる。
【0023】このような効果は、第三のPZT層105
の[Zr]/([Zr]+[Ti])比を0.43より
よりも小さくすると薄れてしまう。また、第三のPZT
層105の[Zr]/([Zr]+[Ti])比を0.
58よりも大きくすると、結晶相が正方晶から菱面晶に
変化し分極軸が変化してしまうため、所望の分極値を得
られなくなる。したがって、第三のPZT層105の
[Zr]/([Zr]+[Ti])比は、0.43以上
で0.58以下とするのが好ましい。また、第三のPZ
T層105の膜厚は、10〜20nmにするのが好まし
い。第三のPZT層105の膜厚を20nmよりも厚く
すると、全体としての強誘電体容量素子に常誘電成分を
増加させ、そのヒステリシス形状を悪化させる。一方、
第三のPZT層105の膜厚を10nmよりも薄くする
と、上述の効果が現れなくなる。なお、上述の実験を通
じて、第二のPZT層104の[Zr]/([Zr]+
[Ti])比は、0.3以上で0.4以下であることが
好ましく、0.35であるのが最も好ましいことが見出
された。その膜厚は、100〜200nmであることが
好ましい。
【0024】〔確認実験1〕図5は、本発明の効果を確
認するための、確認実験1の強誘電体容量素子の膜厚方
向の組成比分布図〔(a)および(b)〕と、それぞれ
の強誘電体容量素子の強誘電ヒステリシス特性図
〔(c)および(d)〕である。本実験においては、上
部電極と強誘電体層との界面に設けられた上部電極側の
PTO層の効果が調べられた。まず、基板温度を430
℃に設定し、第1の実施の形態と同じ条件で島状構造の
PTO成長核層を5nm形成した後、第1の実施の形態
における第二のPZT層104と同じ組成のPZT層を
220nm形成し、次いで、PTO層を15nm形成し
た後、再度、同じ組成のPZT層を15nm形成して、
試料Aを作製した。次に、試料Aと同じ条件で島状構造
のPTO成長核層、PZT層、PTO層、PZT層を形
成した後、PTO層を15nm形成して、試料Bを作製
した。ただし、最初のPZT層の膜厚だけは205nm
と、試料Aと異なる厚さとした。また、いずれの試料に
おいても、最後に上部電極を作製したが、上部電極作製
中に熱処理効果が発生しないように、真空蒸着法によっ
てAuを堆積して上部電極を形成した。
【0025】図5(a)、図5(b)は、それぞれ、試
料A、試料Bの膜厚方向の組成比分布を示している。試
料Aと試料Bとの総膜厚は、同じである。総膜厚に対す
るPZT層の割合は、試料Aの方が高い。図5(c)、
図5(d)は、それぞれ、試料A、試料Bに±2V、±
3V、±4V、±5Vの両極性の単発電圧を掃引したと
きに得られた初期状態の強誘電ヒステリシス(シングル
ショットヒステリシス)を重ね合わせて示したものであ
る。図5(c)と図5(d)とを比較すると、残留分極
の大きさ、強誘電ヒステリシスの角型性などから見て、
試料Bの図5(d)の方が良好な特性を有している。総
膜厚に対するPZT層の割合の高い試料Aよりも、総膜
厚に対するPZT層の割合の低い試料Bの方が良好な強
誘電ヒステリシスを示すということは、試料Bの上部電
極との界面に形成されているPTO層が、強誘電ヒステ
リシス特性の向上に大きな効果を有しているということ
を示している。
【0026】〔確認実験2〕図6は、本発明の効果を確
認するために用いられた、確認実験2の強誘電体容量素
子の膜厚方向の組成比分布図〔(a)〕と、強誘電ヒス
テリシス特性図〔(b)〕である。本実験においては、
上部電極と強誘電体層との界面に設けたPTO層の膜厚
の強誘電ヒステリシス特性に対する効果が調べられた。
まず、基板温度を430℃に設定し、第1の実施の形態
と同じ条件で島状構造のPTO成長核層を5nm形成し
た後、第1の実施の形態における第二のPZT層104
と同じ組成のPZT層を220nm形成し、次いで、種
々の膜厚のPTO層を形成した後、真空蒸着法によって
Auを堆積して上部電極を形成して、本例の強誘電体容
量素子の製造工程を完了した。
【0027】図6(a)は、このようにして作製した本
実験の強誘電体記憶素子の膜厚方向の組成比分布を示し
ている。上部電極とPZTとの界面に作製したPTO層
の膜厚xの値は、0、5、10、20、33nmであ
る。図6(b)は、それらの膜厚xを有する試料に、そ
れぞれ、±2V、±3V、±4V、±5Vの両極性の単
発電圧を掃引したときに得られた初期状態の強誘電ヒス
テリシス(シングルショットヒステリシス)を重ね合わ
せて示したものである。x=0nm、即ち、上部電極と
PZTとの界面にPTO層を形成しなかった場合と、x
=5nmの場合とを比較すると、残留分極の大きさ、強
誘電ヒステリシス特性の角型性から見て、x=5nmの
場合の強誘電ヒステリシス特性の方が優れている。特
に、掃引電圧が小さい場合に、その差が顕著である。一
方、x=10、20、33nmとPTO層の膜厚を厚く
していくと、抗電圧値が大きくなり、残留分極値が小さ
くなる。これは、PTO層の膜厚が厚くなるにつれて、
PZT層に比して誘電率の低いPTO層に印加される電
圧が大きくなり、PZT層にかかる電圧の割合が低下し
ていくためである。本発明者は、詳細な評価から、この
PTO層の膜厚は3〜7nmの極薄でよく、約5nmで
あるのが最も好ましいことを見出した。即ち、このPT
O層の膜厚を、PTO成長核層の膜厚と同じにした場合
に、最も優れた強誘電ヒステリシス特性が得られる。こ
の結果から、得られる効果はPTO結晶そのものの効果
(バルク効果)ではなく、電極界面の効果であることが
確認された。上下の電極との界面に同じPTO層を形成
することによって、両界面におけるPZTも同じ状態に
なり、分極反転のきっかけとなる反転核形成が上下界面
ともに同じ条件でおこるようになるからであると判断さ
れる。なお、本実施例においては、PZT層の膜厚方向
にPZT層のZr/Ti比が一定の場合について記した
が、第1の実施の形態のように、膜厚方向にPZT層の
Zr/Ti比が変化する場合においても、同様の効果が
得られている。
【0028】以上説明したように、本発明の強誘電体容
量素子においては、(1)PTO成長核層の上にPTO
成長核層との格子定数差を緩和するZr/Ti比の小さ
なPZT層を形成することにより、PTO成長核層とP
ZT強誘電体層との界面における電荷層の形成を防ぎ、
(2)上部電極とPZT層との界面にZr/Ti比の大
きなPZT層を形成して抗電界の小さなPZT層を配置
することにより、上部電極との界面付近の分極反転およ
び90°ドメイン回転を容易にし、(3)上部電極とZ
r/Ti比の大きなPZT層との間にPTO成長核層と
同じPTO層を形成することにより、分極反転のきっか
けとなる反転核形成が上下界面ともに同じ条件でおこる
ようにしている。これらのPZT膜内部の構造改善と界
面状態の改善効果とによって、初期状態の強誘電ヒステ
リシスの電圧シフト、分極反転繰り返し中の読み出し電
荷変動が、大幅に抑制される。
【0029】〔第2の実施の形態〕図7は、本発明の第
2の実施の形態の強誘電体容量素子の断面図〔(a)〕
と、膜厚方向の組成比分布図〔(b)〕である。図7
(a)に示すように、本実施の形態の強誘電体容量素子
は、下部電極301上に、PTO成長核層302と、Z
r/Ti比の異なる5層のPZT層308、309、3
04、310、311と、上部電極側のPTO層306
と、が積層され、PTO層306の上に上部電極307
が形成されたものである。第1の実施の形態の第一のP
ZT層103を2層のPZT層308、309に、第三
のPZT層105を2層のPZT層310、311に、
それぞれ、置き換えたものである。本実施の形態の強誘
電体容量素子は、第1の実施の形態の強誘電体容量素子
よりもZr/Ti比の異なるPZT層の界面の数が増え
るが、隣接するPZT層間の格子定数差が小さくなるの
で、界面歪みをよりいっそう抑制できるという利点があ
る。
【0030】本発明者は、鋭意研究の結果、PZT層3
08の[Zr]/([Zr]+[Ti])比は0.1以
上で0.2以下、PZT層309の[Zr]/([Z
r]+[Ti])比は約0.2とすることが好ましいこ
とを見出した。また、それぞれの膜厚は、PZT層30
8の膜厚がPZT層309の膜厚より薄く、かつ、PZ
T層308とPZT層309との膜厚の和が、20〜4
0nmであることが好ましく、30nmとなるようにす
ることがより好ましく、PZT層308の膜厚を10n
m、PZT層309の膜厚を20nmとすることが最も
好ましい。PZT層308をPZT層309に比して薄
くすることによって、Zr/Ti比の小さな層を薄く
し、PZT層全体としての抗電圧が増大することを抑制
することができる。PZT層310の[Zr]/([Z
r]+[Ti])比は0.4以上で0.55以下、PZ
T層311の[Zr]/([Zr]+[Ti])比は約
0.55とすることが好ましい。PZT層310の[Z
r]/([Zr]+[Ti])比は0.4以上にしない
と、上部電極との界面付近の分極反転および90°ドメ
イン回転を容易にする効果が弱くなる。それぞれの膜厚
は、PZT層310の膜厚がPZT層311の膜厚より
薄く、PZT層310とPZT層311との膜厚の和
は、15〜30nmが好ましく、20nmとなるように
することがより好ましく、PZT層310の膜厚を8n
m、PZT層311の膜厚を12nmとすることが最も
好ましい。PZT層310をPZT層311に比して薄
くしないと、上部電極との界面付近の分極反転および9
0°ドメイン回転を容易にする効果が弱くなる。
【0031】〔第3の実施の形態〕図8は、本発明の第
3の実施の形態の強誘電体容量素子の断面図〔(a)〕
と、膜厚方向の組成比分布図〔(b)〕である。図8
(a)に示すように、本実施の形態の強誘電体容量素子
は、下部電極401上に、PTO成長核層402と、Z
r/Ti比が連続的に変化するPZT層412と、上部
電極側のPTO層406と、が積層され、PTO層40
6の上に上部電極407が形成されものである。第1の
実施の形態の第一のPZT層103と第二のPZT層1
04との界面、および、第二のPZT層104と第三の
PZT層105との界面を、それぞれ、Zr/Ti比が
連続的に滑らかに変化するようにしたものである。成膜
法としてMOCVD法を使用する場合には、MOCVD
原料の供給量を細かいステップで制御することによっ
て、このような連続的にZr/Ti比が変化する界面を
実現することが可能である。このような界面の方が、図
1や図7に示す階段状にZr/Ti比が変化する界面よ
りも、電荷のトラップサイトとなりやすい結晶粒界が発
生しにくくなり、強誘電ヒステリシスへの電圧オフセッ
トの発生を抑える効果が大きくなる。組成変調を施す領
域の厚さは、下部電極側で20〜30nm、上部電極側
で10〜20nmと、それぞれ、第1の実施の形態の第
一のPZT層103、第三のPZT層105と同じ厚さ
とされることが好ましい。また、PZT膜の中央部のZ
r/Ti比の変化しない領域の[Zr]/([Zr]+
[Ti])比は約0.35、その膜厚は100〜200
nmとされることが好ましい。なお、第1の実施の形態
から第3の実施の形態にいたるまで、成膜温度が450
℃以上であっても、上述した本発明の強誘電構造の効果
は維持されることが確認された。さらに、第1の実施の
形態から第3の実施の形態において、強誘電体としてP
ZTが用いられたが、本発明の半導体記憶装置は、PZ
Tに限定されず、少なくとも陰性元素としてZrおよび
Tiを有する強誘電体を用いて構成できる。このような
強誘電体として、(Pb,La)(Zr,Ti)O
(Pb,Nb)(Zr,Ti)O、La(Zr,T
i)O、(Pr,Ce)Pb(Zr,Ti)
3n+1等の、単純ペロブスカイト型結晶構造あるいは
層状ペロブスカイト型結晶構造を有する強誘電体が挙げ
られる。さらに、MOCVD法における原料の供給手段
はキャリアガスによる搬送を用いても、液体原料搬送を
用いてもよく、また、成膜方法をゾルゲル法、スパッタ
リング法、もしくはレーザーアブレーション法にして
も、同様の効果を再現できた。
【0032】〔第4の実施の形態〕図9は、本発明の第
4の実施の形態の強誘電体メモリ装置の製造方法を説明
するための工程順の断面図である。まず、LOCOS法
によりシリコン基板に分離用酸化膜606を形成して素
子形成領域を画定した後、必要に応じて、リン、ボロン
等を不純物としてイオン注入することによりnウェル
(図示せず)、あるいは/および、pウェル(図示せ
ず)を形成する。次に、ゲート酸化膜601をウエット
酸化により形成した後、全面にポリシリコン膜を成膜
し、成膜したポリシリコン膜を通常のフォトエッチング
技術によりエッチングすることによって、ゲートポリシ
リコン層602を形成する。このゲートポリシリコン層
602の周囲にシリコン酸化膜を成膜した後、エッチン
グして、側壁酸化膜603を形成する。次に、不純物を
イオン注入することにより拡散層605を形成する。n
型拡散層を形成するためには例えば砒素が、p型拡散層
を形成するためには例えばボロンが、不純物として使用
される。さらに、全面にTi膜を成膜し、熱処理を行っ
た後、シリコンと未反応のTi膜をエッチングにより除
去することにより、ゲートポリシリコン層602および
拡散層605の上に、それぞれ、Tiシリサイド膜60
4を形成する。以上の工程により、図9(a)に示すよ
うに、シリコン基板上において分離用酸化膜606によ
って画定された領域内にnチャネルあるいはpチャネル
のMOS型トランジスタが形成される。
【0033】次に、第一層間絶縁膜607aとしてシリ
コン酸化膜又はボロンの酸化物とリンの酸化物を添加し
たシリコン酸化膜(BPSG膜)を全面に成膜した後、
化学機械研磨法(CMP法)やエッチバック法を用い
て、その表面を平坦化する。次いで、拡散層605への
接続を形成するためのコンタクトホールをエッチングに
より第一層間絶縁膜607aに形成した後、拡散層60
5に対してn型またはp型の不純物を注入し、750℃
で10秒間の熱処理を行う。この後、拡散層605への
バリア層となるTi膜とTiN膜を連続して成膜する。
さらに、タングステンをCVD法により成膜した後、C
MP法により表面を平坦化して、第一プラグ608aを
形成する。この上に、下部電極のバリア層となるTi膜
609、TiN膜610およびTi膜611を連続して
スパッタ法にて成膜し、さらに、強誘電体容量素子の下
部電極を形成するために、膜厚100nmのRu膜61
2を成膜する〔図9(b)〕。
【0034】次に、第1の実施の形態から第3の実施の
形態のいずれかに記載された構造を有する、PTO成長
核層とPZT層と上部電極側PTO層とよりなる積層膜
を膜厚が200nmになるように形成する。続いて、強
誘電体容量素子の上部電極を形成するために、スパッタ
リング法によりRu膜を成膜する。さらに、ドライエッ
チングによって、強誘電体容量素子上部電極を形成する
ためのRu膜、PTO成長核層とPZT層と上部電極側
PTO層とよりなる積層膜、および、Ru膜614、T
i膜611とTiN膜610とTi膜609をパターニ
ングすることによって、それぞれ、上部電極614、P
TO成長核層とPZT層と上部電極側PTO層とよりな
る強誘電体薄膜構造層613、Ru膜612とバリアメ
タル層(609〜611)からなる下部電極615を形
成する。以上の工程により、図9(c)に示すように、
上部電極614、強誘電体薄膜構造層613および下部
電極615よりなるPZT強誘電体容量素子が形成され
る。
【0035】次に、図9(d)に示すように、第二層間
絶縁膜607bとしてシリコン酸化膜をプラズマCVD
法により全面に形成した後、PZT強誘電体容量素子の
上に開口を設け、第一プラグと同様な方法で第二プラグ
608bを形成する。次いで、WSi、TiN、Al、
Cu、TiNを、この順にスパッタ法にて成膜した後、
エッチングにより加工して、第二プラグ608bの上
に、紙面前方から後方に延びるメタル配線616を形成
する。メタル配線616は、メモリセルのプレート線と
なる。さらに、シリコン酸化膜およびシリコン窒化酸化
膜(SiO膜)よりなるパッシベーション膜61
7を形成して、本実施の形態の第1の製造方法により強
誘電体メモリ装置を製造する工程を終了する。なお、メ
モリセルのプレート線は、通常、セルアレイの末端にお
いて、プレート線駆動回路のインバータに接続される。
【0036】次に、上述の製造方法によって製造された
強誘電体メモリ装置の電気特性が評価された。まず、初
期状態における強誘電ヒステリシス特性から、反転電荷
量と非反転電荷量とが算出された。算出された反転電荷
量と非反転電荷量との差として、30μC/cm以上
の値が得られ、初期状態における電圧オフセットはない
と結論された。また分極反転繰り返しによる読出し電荷
変動も抑制され、疲労特性及び保持特性等も良好であっ
た。リーク電流は、10V印加時において、10−4
/cm以下と良好であった。また、強誘電体容量素子
の下に形成されたMOS型FETの特性を評価したとこ
ろ、ゲートを0.26μmのゲート長に形成した場合、
pチャネルFET、nチャネルFETともに、しきい値
電圧Vtのばらつきがウエハー全面で10%以下であ
り、良好であった。さらに、0.4μm角の第一プラグ
608aの抵抗を、プラグ・チェーンにより測定したと
ころ、プラグ1個当たりの抵抗は10Ωcm以下であ
り、良好であった。
【0037】〔第5の実施の形態〕図10は、本発明の
第5の実施の形態の強誘電体メモリ装置の製造方法を説
明するための工程順の断面図である。本実施の形態の製
造方法において、下部電極を形成するためのRu膜を成
膜する工程までは、第4の実施の形態の製造方法におけ
るそれと同じである。即ち、まず、図10(a)に示す
ように、シリコン基板701の分離用酸化膜706によ
って画定される素子形成領域内に、ゲート酸化膜701
と、ゲート酸化膜701の上にゲートポリシリコン層7
02と、ゲートポリシリコン層702の側壁に側壁酸化
膜703と、拡散層705と、ゲートポリシリコン層7
02と拡散層705との表面に、それぞれ、Tiシリサ
イド膜704が形成される。次に、第4の実施の形態の
製造方法と同様に、第一層間絶縁膜707aと、拡散層
705の上に第一プラグ708aと、Ti膜709、T
iN膜710およびTi膜711と、Ru膜712と、
が形成される。次いで、ドライエッチングによって、R
u膜、および、Ti膜とTiN膜とTi膜と、を加工す
ることによって、下部電極715を形成する。以上の工
程により、図10(b)に示すように、第一プラグ70
8aおよび下部電極715が形成される。
【0038】次に、第1の実施の形態から第3の実施の
形態のいずれかに記載された構造を有する、PTO成長
核層とPZT層と上部電極側PTO層とよりなる積層か
らなる強誘電体薄膜構造層713を膜厚が200nmに
なるように形成する。以上の工程により、図10(c)
に示すように、強誘電体薄膜構造層713が形成され
る。
【0039】次に、図10(d)に示すように、上部電
極を形成するために、スパッタリング法によりRu膜を
成膜し、ドライエッチングによってそのRu膜をパター
ニングすることによって、Ru膜よりなる上部電極71
4を形成する。次いで、第1の製造方法と同様に、第二
層間絶縁膜707bと、PZT強誘電体容量素子の上に
第二プラグ708bと、第二プラグ708bの上にメモ
リセルのプレート線となる紙面前方から後方に延びるメ
タル配線716と、パッシベーション膜717と、を形
成して、本実施の形態の強誘電体メモリ装置を製造する
工程を終了する。
【0040】本実施の形態の製造方法においては、1回
のドライエッチングにおいてエッチングされる層の層厚
が薄く、第4の実施の形態の製造方法に比して、より微
細なパターンの形成が可能である。また、強誘電体薄膜
構造層713がエッチイングされることなく、したがっ
て、強誘電体薄膜構造層713の側面が、いずれのドラ
イエッチング中にもプラズマにさらされることがないの
で、強誘電体薄膜構造層713中への欠陥の導入も軽減
される。本実施の形態の製造方法によって製造された強
誘電体メモリ装置も、第4の実施の形態の製造方法によ
って製造された強誘電体メモリ装置と同様の優れた電気
特性を示した。
【0041】〔第6の実施の形態〕図11は、本発明の
第5の実施の形態の強誘電体メモリ装置の一部の製造方
法を説明するための工程順の断面図である。本実施の形
態の強誘電体メモリ装置は、メモリ部とロジック回路部
とが同一の基板上に集積されている。図11を用いて、
本実施の形態の強誘電体薄膜デバイスのメモリ部の製造
方法について説明する。本実施の形態の製造方法におい
て、タングステンよりなる第一プラグ808aを作製す
る工程までは、第4、第5の実施の形態の製造方法にお
けるそれと同じである。次いで、第一層間絶縁膜807
a上の全面にTiおよびTiNよりなるバリアメタル、
AlCu合金が、それぞれ、スパッタリング法やCVD
法によって成膜された後、ドライエッチングにより加工
され、第一プラグ808aの上に第一のメタル配線81
6a、816a′が形成される。第一のメタル配線81
6a′は、紙面左右方向に延びて、紙面左右にある第一
のメタル配線816aの奥に形成されており、メモリセ
ルのビット線を形成している。
【0042】次に、第二層間絶縁膜807bとしてシリ
コン酸化膜又はBPSG膜を全面に成膜した後、CMP
法を用いて、その表面を平坦化する。次いで、ビアホー
ルをエッチングにより開口した後、バリア層となるTi
膜とTiN膜を連続して成膜する。この後、タングステ
ンをCVD法により成膜した後、CMP法により表面を
平坦化して、第二プラグ808bを形成する。平坦化の
方法としては、CMP法に代えて、エッチバック法を用
いてもよい。次いで、第一のメタル配線816a、81
6a′を形成する工程と同様の工程によって、第二のメ
タル配線816bを形成する。このとき同時に、図示さ
れた第二のメタル配線816bの奥にあって紙面左右方
向に延びる配線(図示せず)をも形成する。第二のメタ
ル配線816bの奥にあって紙面左右方向に延びる第二
のメタル配線は、ロジック回路における配線として利用
される。第一のメタル配線はメモリセルのビット配線と
してのみ用いることができ、セル面積を縮小させること
ができる。
【0043】次に、第三層間絶縁膜807cとしてシリ
コン酸化膜またはBPSG膜を成膜し、CMP法により
平坦化した後ビアホールを開口し、第一プラグ808a
と同様に、タングステンプラグ等により、第二のメタル
配線816b上に、第三プラグ808cを形成する。以
下、同様の手法を用いてさらに層間絶縁膜とメタル配線
を形成してもよい。次いで、第三層間絶縁膜807c上
に、Ti膜809、TiN膜810およびTi膜811
を連続してスパッタ法にて成膜し、その上に100nm
厚のRu膜812を形成する。以上の工程によって、図
9(b)に示すように、複数のプラグおよび下部電極を
形成するためのRu膜812とバリアメタル(809〜
811)が形成される。
【0044】次に、第4の実施の形態の第1の製造方法
と同様に、第1の実施の形態から第3の実施の形態のい
ずれかに記載された構造を有する、PTO成長核層とP
ZT層と上部電極側PTO層とよりなる積層膜を膜厚が
200nmになるように形成し、続いて、上部電極を形
成するために、スパッタリング法によりRu膜を成膜す
る。さらに、ドライエッチングによって、上部電極を形
成するためのRu膜、PTO成長核層とPZT層と上部
電極側PTO層とよりなる積層膜、Ru膜812、およ
び、Ti膜811とTiN膜810とTi膜809とを
加工することによって、それぞれ、上部電極814、P
TO成長核層とPZT層と上部電極側PTO層とよりな
る強誘電体薄膜構造層813、下部電極815を形成す
る。以上の工程により、図11(c)に示すように、上
部電極814、強誘電体薄膜構造層813および下部電
極815よりなるPZT強誘電体容量素子が形成され
る。
【0045】次に、図9(d)に示すように、第四層間
絶縁膜807dとしてシリコン酸化膜をプラズマCVD
法により全面に形成した後、PZT強誘電体容量素子の
上に開口を設け、第一プラグ808aと同様な方法で第
四プラグ808dを形成する。次いで、WSi、Ti
N、Al、Cu、TiNを、この順にスパッタ法にて成
膜した後、エッチングにより加工して、第四プラグ80
8dの上に、紙面前方から後方に延びる第三のメタル配
線816cを形成する。第三のメタル配線816cは、
メモリセルのプレート線となる。さらに、シリコン酸化
膜およびSiO膜よりなるパッシベーション膜8
17を形成して、本実施の形態の製造方法により強誘電
体メモリ装置を製造する工程を終了する。
【0046】次に、上述の製造方法によって製造された
強誘電体メモリ装置の電気特性が評価された。まず、初
期状態における強誘電ヒステリシス特性から、初期状態
における強誘電ヒステリシス特性から、反転電荷量と非
反転電荷量とが算出された。算出された反転電荷量と非
反転電荷量との差として、30μC/cm以上の値が
得られ、初期状態における電圧オフセットはないと結論
された。また分極反転繰り返しによる読出し電荷変動も
抑制され、疲労特性及び保持特性等も良好であった。リ
ーク電流は、10V印加時において、10−4A/cm
以下と良好であった。また、強誘電体容量素子の下に
形成したMOSFETの特性を評価したところ、ゲート
を0.26μmのゲート長に形成した場合、pチャネル
FET、nチャネルFETともに、しきい値電圧Vtの
ばらつきがウエハー全面で10%以下であり、良好であ
った。さらに、0.4μm角の第三プラグ808cの抵
抗をコンタクト・チェーンにより測定したところ、コン
タクト1個当たりの比抵抗は10Ωcm以下であり、良
好であった。
【0047】本実施の形態の製造方法においても、図1
0に示す第5の実施の形態の製造方法と同様に、強誘電
体容量素子作製に当って、Ru膜812、および、Ti
膜811とTiN膜810とTi膜809とを加工して
下部電極を形成してから、全面に誘電体薄膜構造層を形
成し、その上に成膜したRu膜を加工することによって
強誘電体容量素子上部電極を形成してもよい。この場合
には、1回のドライエッチングにおいてエッチングされ
る層の層厚が薄く、より微細なパターンの形成が可能で
ある。また、誘電体薄膜構造層がエッチイングされるこ
となく、したがって、誘電体薄膜構造層の側面が、いず
れのドライエッチング中にもプラズマにさらされること
がないので、誘電体薄膜構造層中への欠陥の導入も軽減
される。
【0048】以上、本発明をその好適な実施の形態に基
づいて説明したが、本発明の強誘電体容量素子は、上述
した実施の形態のみに制限されるものではなく、本願発
明の要旨を変更しない範囲で種々の変化を施した強誘電
体容量素子も、本発明の範囲に含まれる。例えば、下部
電極および上部電極は、Ruに限られず、Ru、Pt、
Ir等の純金属、それらの酸化物、あるいはそれらを含
む積層構造を用いて形成されてもよい。また、プラグ
は、タングステンプラグに限られず、ポリシリコンを用
いて形成されてもよい。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の半導体記
憶装置は、PZT強誘電体薄膜のZr/Ti比を膜厚方
向に変化させることによりPZT強誘電体薄膜中の歪み
を緩和し、かつ内部電界の発生を防止するものであるか
ら、強誘電体薄膜を用いた不揮発性記憶装置の性能に直
接影響する初期状態の電圧オフセットを抑制することが
可能である。また、本発明の半導体記憶装置は、成長核
層とPZT強誘電体薄膜との界面における歪みの緩和、
および上部電極形成による歪み効果の緩和を可能にする
ものであるから、初期状態の強誘電ヒステリシス特性を
良好にし、かつ分極反転(スイッチング)繰り返しによ
る読出し電荷変動を抑制することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態の強誘電体容量素
子の断面図〔(a)〕と、膜厚方向の組成比分布図
〔(b)〕。
【図2】 図1の強誘電体容量素子の初期状態における
強誘電ヒステリシス特性図〔(a)〕と、疲労特性図
〔(b)〕と、疲労特性測定後における強誘電ヒステリ
シス特性図〔(c)〕。
【図3】 比較例の強誘電体容量素子の断面図
〔(a)〕と、膜厚方向の組成比分布図〔(b)〕。
【図4】 図3の強誘電体容量素子の初期状態における
強誘電ヒステリシス特性図〔(a)〕と、疲労特性図
〔(b)〕と、疲労特性測定後における強誘電ヒステリ
シス特性図〔(c)〕。
【図5】 本発明の効果を確認するために作製された強
誘電体容量素子の膜厚方向の組成比分布図〔(a)およ
び(b)〕と、それぞれの強誘電体容量素子の強誘電ヒ
ステリシス特性図〔(c)および(d)〕。
【図6】 本発明の効果を確認するために作製された強
誘電体容量素子の膜厚方向の組成比分布図〔(a)〕
と、強誘電ヒステリシス特性図〔(b)〕。
【図7】 本発明の第2の実施の形態の強誘電体容量素
子の断面図〔(a)〕と、膜厚方向の組成比分布図
〔(b)〕。
【図8】 本発明の第3の実施の形態の強誘電体容量素
子の断面図〔(a)〕と、膜厚方向の組成比分布図
〔(b)〕。
【図9】 本発明の第4の実施の形態の強誘電体メモリ
装置の製造方法を説明するための工程順の断面図。
【図10】 本発明の第5の実施の形態の強誘電体メモ
リ装置の製造方法を説明するための工程順の断面図。
【図11】 本発明の第6の実施の形態の強誘電体メモ
リ装置の一部の製造方法を説明するための工程順の断面
図。
【符号の説明】
101、201、301、401 下部電極 102、202、302、402 PTO成長核層 103 第一のPZT層 104 第二のPZT層 105 第三のPZT層 106、206、306、406 PTO層 107、207、307、407 上部電極 204、304、308、309、310、311、4
12 PZT層 601、701 ゲート酸化膜 602、702 ゲートポリシリコン層 603、703 側壁酸化膜 604、704 Tiシリサイド膜 605、705 拡散層 606、706 分離用酸化膜 607a、707a、807a 第一層間絶縁膜 607b、707b、807b 第二層間絶縁膜 807c 第三層間絶縁膜 807d 第四層間絶縁膜 608a、708a、808a 第一プラグ 608b、708b、808b 第二プラグ 808c 第三プラグ 808d 第四プラグ 609、611、709、711、809、811 T
i膜 610、710、810 TiN膜 612、712、812 Ru膜 613、713、813 強誘電体薄膜構造層 614、714、814 上部電極 615、715、815 下部電極 616、716 メタル配線 816a、816a′ 第一のメタル配線 816b 第二のメタル配線 816c 第三のメタル配線 617、717、817 パッシベーション膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5F058 BA11 BD02 BD05 BF06 5F083 FR01 FR02 GA21 GA29 JA15 JA35 JA36 JA37 JA38 JA39 JA40 JA53 JA56 MA06 MA16 MA17 PR21 PR40

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陰性元素としてジルコニウム(Zr)お
    よびチタン(Ti)を含む単純ペロブスカイト型結晶構
    造あるいは層状ペロブスカイト型結晶構造を有する強誘
    電体が上下電極間に挟まれた構造を有する強誘電体容量
    素子を有する半導体記憶装置において、強誘電体層のZ
    r/Ti比を下部電極側から上部電極側の間で変化さ
    せ、前記強誘電体層と前記下部電極との界面に成長核層
    を形成させたことを特徴とする半導体記憶装置。
  2. 【請求項2】 前記成長核層が前記強誘電体層の陰性元
    素の一部を除去して構成されることを特徴とする請求項
    1に記載の半導体記憶装置。
  3. 【請求項3】 陰性元素としてジルコニウム(Zr)
    およびチタン(Ti)を含む単純ペロブスカイト型結晶
    構造あるいは層状ペロブスカイト型結晶構造を有する強
    誘電体が上下電極間に挟まれた構造を有する強誘電体容
    量素子を有する半導体記憶装置において、前記強誘電体
    層の陰性元素の一部を除去して構成される層が、前記強
    誘電体層と前記上下電極との界面にほぼ等しい膜厚で形
    成されることを特徴とする半導体記憶装置。
  4. 【請求項4】 前記単純ペロブスカイト型結晶構造を有
    する強誘電体がチタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,T
    i)O3、以下「PZT」と呼ぶ)であることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれかに記載の半導体記憶装置。
  5. 【請求項5】 前記成長核層あるいは前記強誘電体層の
    陰性元素の一部を除去して構成される層がチタン酸鉛
    (以下「PTO」と呼ぶ)であることを特徴とする請求
    項1〜4のいずれかに記載の半導体記憶装置。
  6. 【請求項6】 前記PTO層が前記下部電極あるいは上
    部電極上に島状に形成されていることを特徴とする請求
    項5に記載の半導体記憶装置。
  7. 【請求項7】 Zr/Ti比が下部電極側から上部電極
    側へ単調に増加していることを特徴とする請求項1〜6
    のいずれかに記載の半導体記憶装置。
  8. 【請求項8】 Zr/Ti比が階段状に変化しているこ
    とを特徴とする請求項7に記載の半導体記憶装置。
  9. 【請求項9】 Zr/Ti比が異なる3層のPZT層を
    有し、最下層のPZT層のZr/Ti比が0.17〜
    0.33、中間のPZT層のZr/Ti比が0.43〜
    0.67、最上層のPZT層のZr/Ti比が0.75
    〜1.4であることを特徴とする請求項8に記載の半導
    体記憶装置。
  10. 【請求項10】 前記最下層のPZT層の膜厚が20〜
    30nm、前記中間のPZT層の膜厚が100〜200
    nm、前記最上層のPZT層の膜厚が10〜20nmで
    あることを特徴とする請求項9に記載の半導体記憶装
    置。
  11. 【請求項11】 Zr/Ti比が異なる5層のPZT層
    を有し、最下層のPZT層のZr/Ti比が0.11〜
    0.25、中間のPZT層のZr/Ti比が0.43〜
    0.67、下から第4層のPZT層のZr/Ti比が
    0.67〜1.22であることを特徴とする請求項8に
    記載の半導体記憶装置。
  12. 【請求項12】 前記最下層のPZT層の膜厚が下から
    第2層のPZT層の膜厚より薄く、前記下から第4層の
    PZT層の膜厚が最上層のPZT層の膜厚より薄いこと
    を特徴とする請求項11に記載の半導体記憶装置。
  13. 【請求項13】 前記最下層のPZT層と下から第2層
    のPZT層との膜厚の合計が20〜40nm、前記下か
    ら第4層のPZT層と最上層のPZT層との膜厚の合計
    が15〜30nmであることを特徴とする請求項11ま
    たは12に記載の半導体記憶装置。
  14. 【請求項14】 Zr/Ti比が連続的に変化している
    ことを特徴とする請求項7に記載の半導体記憶装置。
  15. 【請求項15】 中間部にZr/Ti比が一定のPZT
    層を有することを特徴とする請求項14に記載の半導体
    記憶装置。
  16. 【請求項16】 前記中間部のZr/Ti比が一定のP
    ZT層の膜厚が100〜200nmであることを特徴と
    する請求項15に記載の半導体記憶装置。
  17. 【請求項17】 前記中間部のPZT層のZr/Ti比
    が0.43〜0.67であることを特徴とする請求項1
    5または16に記載の半導体記憶装置。
  18. 【請求項18】 上部電極と前記PZT層との界面にP
    TO層が形成されていることを特徴とする請求項5〜1
    7のいずれかに記載の半導体記憶装置。
  19. 【請求項19】 前記下部電極側に形成されたPTO層
    と前記上部電極側に形成されたPTO層との膜厚がほぼ
    等しいことを特徴とする請求項18に記載の半導体記憶
    装置。
  20. 【請求項20】 少なくとも前記強誘電体層が有機金属
    気相成長法で形成されていることを請求項1〜19のい
    ずれかに記載の半導体記憶装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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