JP2003113364A - 低起泡性界面活性剤 - Google Patents
低起泡性界面活性剤Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】pH安定性に優れ、界面活性能を有するが低起
泡性であることを特徴とする低起泡性界面活性剤で、各
種用途に使用できる低起泡性界面活性剤を提供する。 【解決手段】スクロース(蔗糖)のOH基をエーテル化
した誘導体である、炭素数が8〜24であるアルキル
基、または炭素数10〜24のアルケニル基で、その平
均置換数が1〜3のスクロースのアルキルエーテル及び
/又はスクロースのアルケニルエーテル体からなる低起
泡性界面活性剤によって達成される。
泡性であることを特徴とする低起泡性界面活性剤で、各
種用途に使用できる低起泡性界面活性剤を提供する。 【解決手段】スクロース(蔗糖)のOH基をエーテル化
した誘導体である、炭素数が8〜24であるアルキル
基、または炭素数10〜24のアルケニル基で、その平
均置換数が1〜3のスクロースのアルキルエーテル及び
/又はスクロースのアルケニルエーテル体からなる低起
泡性界面活性剤によって達成される。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、界面活性能を有す
るが、低起泡性であることを特徴とする新規な界面活性
剤に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、各種の糖誘導体が開発されてお
り、スクロース(ショ糖)の誘導体、特に脂肪酸エステ
ルの開発が盛んである。例えば特開2000−4442
4号公報にはショ糖脂肪酸エステルを配合した透明ゲル
状組成物が記載され、特開2000−129287号公
報にはショ糖脂肪酸エステルを配合した中性液体洗浄剤
組成物が記載され、特開2001−25654号公報に
はショ糖脂肪酸ジエステルを配合した界面活性剤助剤が
記載され、また、特開平8−143420号公報にはシ
ョ糖脂肪酸エステルを配合したマイクロエマルションを
含む化粧料が記載されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
技術はスクロースの脂肪酸エステルでの応用が中心であ
り、これらエステル体はpH安定性に劣り、pHが中性
から酸性やアルカリ性にかたよるとエステル結合が切れ
たり、またpH領域によっては配合した乳化組成物の乳
化状態等の経日安定性に問題がある。一方、pH安定性
などに優れるエーテル体については今まで検討がされて
いなかった。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明人らは、上記の問
題に対応して、炭素数が8〜24であるアルキル基、ま
たは炭素数10〜24のアルケニル基で、その平均置換
数が1〜3であるスクロースのアルキルエーテル及び/
又はスクロースのアルケニルエーテル体を合成し、その
界面化学的特性について検討を行った結果、界面活性能
を有するものの泡安定性が低く、低起泡性を有する独特
の性質を有していることを見出し本発明を完成した。 【0005】すなわち、本発明は、炭素数が8〜24で
あるアルキル基、または炭素数10〜24のアルケニル
基で、その平均置換数が1〜3であるスクロースのアル
キルエーテル及び/又はスクロースのアルケニルエーテ
ル体からなる低起泡性界面活性剤である。 【0006】 【発明の実施の形態】本発明で用いるスクロースは、サ
ッカロース、蔗糖とも呼ばれ、その構造はβ−D−フル
クトフラノシル−α−D−グルコピラノシドであり、工
業的には天然物の甜菜や甘蔗から得られる。 【0007】本発明で用いる、炭素数が8〜24である
アルキル基、または炭素数10〜24のアルケニル基
で、その平均置換数が1〜3であるスクロースのアルキ
ルエーテル又はスクロースのアルケニルエーテル体を得
る方法としては、後記の実施例で詳細に示すが、例えば
以下のような合成方法が挙げられる。また、本発明では
特に炭素数10〜14の範囲にあるアルキル基またはア
ルケニル基を用い、平均置換度が1〜1.5であるもの
が特に界面活性能と低起泡性が両立することから好まし
い。なお、スクロースのOH基がエーテル化された置換
基の数は、例えばプロトンNMR(核磁気共鳴スペクト
ル)を用いて測定することができる。 【0008】例えば(1)プロピレングリコールなどの
反応溶媒中で、ナトリウムメトキシドなどのアルカリ、
ステアリン酸ナトリウムなどの界面活性剤の存在下、こ
こに置換数に応じた量の炭素数8〜24のアルキルブロ
マイド、アルキルクロライドなどのアルキルハライド、
または炭素数10〜24のアルケニルブロマイド、アル
ケニルクロライドなどのアルケニルハライドを反応させ
エーテル誘導体を製造する方法、(2)ジメチルスルホ
キシド、N,N−ジメチルホルムアミドなどの非プロト
ン系溶媒中で、水素化ナトリウムやナトリウムメトキシ
ドなどを用いてスクロースの水酸基をアルコキシドに
し、ここに置換数に応じた量の炭素数8〜24のアルキ
ルブロマイド、アルキルクロライドなどのアルキルハラ
イド、または炭素数10〜24のアルケニルブロマイ
ド、アルケニルクロライドなどのアルケニルハライドを
反応させエーテル誘導体を製造する方法、(3)ジメチ
ルスルホキシド、N−メチルピロリジノンなどの非プロ
トン系溶媒を用い、ここに置換数に応じた量の炭素数8
〜24のアルキルハライド及び/又は炭素数10〜24
のアルケニルハライドとスクロースを、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、酸化カルシウム、もしくはナトリ
ウムメトキシドなどのナトリウムアルコキシド等のアル
カリと共に、好ましくは高い反応収率が得られるアルカ
リである水酸化ナトリウム、水酸化カリウムと共に加え
て反応させエーテル誘導体を製造する方法などが挙げら
れるが、特に(3)の製造方法は収率が良く、かつ使用
する原料として汎用原料が使用でき、コストを低くでき
ることから好ましい。すべての方法で、さらに反応時に
アルゴンや窒素などの不活性ガスを用いることが好まし
い。また、この際のアルキルエーテル化、アルケニルエ
ーテル化の状況は得られた合成物をカラムで分離した
後、プロトンNMRを用いて分析することが好ましい。 【0009】また、製造時の条件としては、(1)の方
法では反応温度は70〜150℃が好ましく、反応時間
としては例えば120℃で1〜8時間、(2)の方法で
は反応温度は好ましくは20〜100℃、反応時間とし
ては例えば45℃で5〜60時間、(3)の方法では反
応温度は好ましくは60〜150℃、反応時間としては
例えば100℃で1〜8時間が好適である。原料比率と
しては、スクロース1当量に対して、アルキルハライド
又はアルケニルハライド0.5〜6当量が好ましい。反
応が終了した溶液は、反応溶媒を減圧・加温条件等で除
去し、残査を(1)酢酸エチル、トルエンなどエーテル
誘導体があまり溶解しない溶剤を添加して沈澱化させ
る、(2)シリカゲルなどを充填したカラムを用い、不
純物を除去する方法により精製することができる。未反
応のスクロース上記(2)の方法で除去できる他、イソ
プロパノールなどエーテル誘導体が溶解しスクロースが
溶解しない溶剤を用いて分離除去することができる。必
要により反応副生成物の塩を脱塩樹脂等で除去すること
ができる。 【0010】本発明のスクロースのアルキルエーテル又
はスクロースのアルケニルエーテル体は界面活性能を有
するが低起泡性であり、化粧品、医薬品、窓用洗浄剤、
家庭用洗浄剤、衣料用洗浄剤、食器用洗浄剤、塗料、工
業用界面活性剤、工業用乳化剤、界面活性剤兼用消泡剤
など、界面活性剤は必要であるが、起泡性が問題となる
用途、または排水の泡処理に問題がある用途などに好適
である。 【0011】本発明のスクロースのアルキルエーテル及
び/又はスクロースのアルケニルエーテル体は、同時に
各種の界面活性剤と組み合わせて使用することが好まし
い。非スクロース系の界面活性剤の例としては、アニオ
ン、ノニオン、カチオン両性界面活性剤が用いられ、特
にノニオン界面活性剤が好ましく用いられる。より詳し
くは脂肪酸石鹸、α−アシルスルホン酸塩、アルキルス
ルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、アルキルナ
フタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエー
テル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルキルリン酸
塩、アルキルアミドリン酸塩、直鎖アルキルベンゼンス
ルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキロイ
ルアルキルタウリン塩、N−アシルアミノ酸塩、スルホ
コハク酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル等の
アニオン性界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモ
ニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化
ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セトステアリ
ルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチル
アンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモ
ニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム等のカチ
オン性界面活性剤、ラウリン酸アルカノールアミド、P
OEソルビタン脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪
酸エステル、POE脂肪酸エステル、ポリエーテル変性
シリコーン等のノニオン性界面活性剤、カルボキシベタ
イン型、アミドベタイン型、スルホベタイン型、ヒドロ
キシスルホベタイン型、アミドスルホベタイン型、ホス
ホベタイン型、アミノカルボン酸塩型、イミダゾリン誘
導体型、アミドアミン型等の両性界面活性剤が挙げられ
る。また、サポニン、アルキルグルコシド、スクロース
脂肪酸エステルなどの糖脂肪酸エステル類、トレハロー
スアルキルエーテル、ラフィノースアルキルエーテルな
どの糖系界面活性剤等の天然系界面活性剤を用いること
もできる。 【0012】 【実施例】以下、実施例によって、本発明を具体的に説
明する。また、実施例で得られた界面活性剤の特性評価
方法を以下に示す。 【0013】[起泡力および泡安定性試験]試料の水溶
液を作成し、その起泡力および泡安定性をTjutju
nikow−Kassjanowa法(TK法)により
評価した。試験方法としては、スクロースドデシルエー
テル体の1.0〜0.005質量%の水溶液5mLを装
置内で1分間起泡させ、その時点での泡の体積を測定し
てこれを起泡力とした。また、その後5分間放置して再
び泡の体積を測定し、これを泡の安定性とした。結果を
図1に示す。 【0014】[濃度−表面張力試験]試料の濃度−表面
張力曲線をガラス製平板を用いたウイルヘルミー法にて
測定した。 【0015】実施例1 下記反応式で示すように、アルゴン乾燥させたフラスコ
にスクロース10.3質量部と予め蒸留しておいたジメ
チルホルムアミド200質量部を入れ、さらに水素化ナ
トリウム1.20質量部を加えて、アルゴンガス雰囲気
下において室温で2時間攪拌した。 【0016】 【0017】その後、下記反応式で示すように、ドデシ
ルブロミド7.5質量部を反応系に加えた。アルゴンガ
ス雰囲気下においてこの系を90℃に保ち、攪拌した。
24時間後、精製水100質量部を加えて反応を終了し
た。 【0018】【0019】次いで得られた反応溶液を水/メタノール
/ヘキサン=1/1/2で抽出した。ここで、水、メタ
ノール層(下層)を回収して濃縮し、シリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(溶媒:メタノール/クロロホルム=
1/5)を用いて精製分離した。精製分離した区画をそ
れぞれ濃縮し、1H NMRによりその構造を確認し、平
均置換度が1.0のドデシル化スクロースであることを
確認した。 【0020】図1の試験結果より、実施例1で作製した
ドデシル化スクロースは界面活性能を有することが判
る。一方、図2から実施例1のドデシル化スクロースは
起泡直後には起泡するものの、5分後にはほぼその泡は
消えており、泡安定性が大変悪いことが判る。このこと
から本実施例は界面活性機能を持ちながら、低い泡安定
性を持つ特異な性質を有する界面活性剤であることが判
る。 【0021】 【発明の効果】以上のことから、本発明は、炭素数が8
〜24であるアルキル基、または炭素数10〜24のア
ルケニル基で、その平均置換数が1〜3であるスクロー
スのアルキルエーテル及び/又はスクロースのアルケニ
ルエーテル体を含む低起泡性界面活性剤が得られること
は明らかである。
るが、低起泡性であることを特徴とする新規な界面活性
剤に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、各種の糖誘導体が開発されてお
り、スクロース(ショ糖)の誘導体、特に脂肪酸エステ
ルの開発が盛んである。例えば特開2000−4442
4号公報にはショ糖脂肪酸エステルを配合した透明ゲル
状組成物が記載され、特開2000−129287号公
報にはショ糖脂肪酸エステルを配合した中性液体洗浄剤
組成物が記載され、特開2001−25654号公報に
はショ糖脂肪酸ジエステルを配合した界面活性剤助剤が
記載され、また、特開平8−143420号公報にはシ
ョ糖脂肪酸エステルを配合したマイクロエマルションを
含む化粧料が記載されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
技術はスクロースの脂肪酸エステルでの応用が中心であ
り、これらエステル体はpH安定性に劣り、pHが中性
から酸性やアルカリ性にかたよるとエステル結合が切れ
たり、またpH領域によっては配合した乳化組成物の乳
化状態等の経日安定性に問題がある。一方、pH安定性
などに優れるエーテル体については今まで検討がされて
いなかった。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明人らは、上記の問
題に対応して、炭素数が8〜24であるアルキル基、ま
たは炭素数10〜24のアルケニル基で、その平均置換
数が1〜3であるスクロースのアルキルエーテル及び/
又はスクロースのアルケニルエーテル体を合成し、その
界面化学的特性について検討を行った結果、界面活性能
を有するものの泡安定性が低く、低起泡性を有する独特
の性質を有していることを見出し本発明を完成した。 【0005】すなわち、本発明は、炭素数が8〜24で
あるアルキル基、または炭素数10〜24のアルケニル
基で、その平均置換数が1〜3であるスクロースのアル
キルエーテル及び/又はスクロースのアルケニルエーテ
ル体からなる低起泡性界面活性剤である。 【0006】 【発明の実施の形態】本発明で用いるスクロースは、サ
ッカロース、蔗糖とも呼ばれ、その構造はβ−D−フル
クトフラノシル−α−D−グルコピラノシドであり、工
業的には天然物の甜菜や甘蔗から得られる。 【0007】本発明で用いる、炭素数が8〜24である
アルキル基、または炭素数10〜24のアルケニル基
で、その平均置換数が1〜3であるスクロースのアルキ
ルエーテル又はスクロースのアルケニルエーテル体を得
る方法としては、後記の実施例で詳細に示すが、例えば
以下のような合成方法が挙げられる。また、本発明では
特に炭素数10〜14の範囲にあるアルキル基またはア
ルケニル基を用い、平均置換度が1〜1.5であるもの
が特に界面活性能と低起泡性が両立することから好まし
い。なお、スクロースのOH基がエーテル化された置換
基の数は、例えばプロトンNMR(核磁気共鳴スペクト
ル)を用いて測定することができる。 【0008】例えば(1)プロピレングリコールなどの
反応溶媒中で、ナトリウムメトキシドなどのアルカリ、
ステアリン酸ナトリウムなどの界面活性剤の存在下、こ
こに置換数に応じた量の炭素数8〜24のアルキルブロ
マイド、アルキルクロライドなどのアルキルハライド、
または炭素数10〜24のアルケニルブロマイド、アル
ケニルクロライドなどのアルケニルハライドを反応させ
エーテル誘導体を製造する方法、(2)ジメチルスルホ
キシド、N,N−ジメチルホルムアミドなどの非プロト
ン系溶媒中で、水素化ナトリウムやナトリウムメトキシ
ドなどを用いてスクロースの水酸基をアルコキシドに
し、ここに置換数に応じた量の炭素数8〜24のアルキ
ルブロマイド、アルキルクロライドなどのアルキルハラ
イド、または炭素数10〜24のアルケニルブロマイ
ド、アルケニルクロライドなどのアルケニルハライドを
反応させエーテル誘導体を製造する方法、(3)ジメチ
ルスルホキシド、N−メチルピロリジノンなどの非プロ
トン系溶媒を用い、ここに置換数に応じた量の炭素数8
〜24のアルキルハライド及び/又は炭素数10〜24
のアルケニルハライドとスクロースを、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、酸化カルシウム、もしくはナトリ
ウムメトキシドなどのナトリウムアルコキシド等のアル
カリと共に、好ましくは高い反応収率が得られるアルカ
リである水酸化ナトリウム、水酸化カリウムと共に加え
て反応させエーテル誘導体を製造する方法などが挙げら
れるが、特に(3)の製造方法は収率が良く、かつ使用
する原料として汎用原料が使用でき、コストを低くでき
ることから好ましい。すべての方法で、さらに反応時に
アルゴンや窒素などの不活性ガスを用いることが好まし
い。また、この際のアルキルエーテル化、アルケニルエ
ーテル化の状況は得られた合成物をカラムで分離した
後、プロトンNMRを用いて分析することが好ましい。 【0009】また、製造時の条件としては、(1)の方
法では反応温度は70〜150℃が好ましく、反応時間
としては例えば120℃で1〜8時間、(2)の方法で
は反応温度は好ましくは20〜100℃、反応時間とし
ては例えば45℃で5〜60時間、(3)の方法では反
応温度は好ましくは60〜150℃、反応時間としては
例えば100℃で1〜8時間が好適である。原料比率と
しては、スクロース1当量に対して、アルキルハライド
又はアルケニルハライド0.5〜6当量が好ましい。反
応が終了した溶液は、反応溶媒を減圧・加温条件等で除
去し、残査を(1)酢酸エチル、トルエンなどエーテル
誘導体があまり溶解しない溶剤を添加して沈澱化させ
る、(2)シリカゲルなどを充填したカラムを用い、不
純物を除去する方法により精製することができる。未反
応のスクロース上記(2)の方法で除去できる他、イソ
プロパノールなどエーテル誘導体が溶解しスクロースが
溶解しない溶剤を用いて分離除去することができる。必
要により反応副生成物の塩を脱塩樹脂等で除去すること
ができる。 【0010】本発明のスクロースのアルキルエーテル又
はスクロースのアルケニルエーテル体は界面活性能を有
するが低起泡性であり、化粧品、医薬品、窓用洗浄剤、
家庭用洗浄剤、衣料用洗浄剤、食器用洗浄剤、塗料、工
業用界面活性剤、工業用乳化剤、界面活性剤兼用消泡剤
など、界面活性剤は必要であるが、起泡性が問題となる
用途、または排水の泡処理に問題がある用途などに好適
である。 【0011】本発明のスクロースのアルキルエーテル及
び/又はスクロースのアルケニルエーテル体は、同時に
各種の界面活性剤と組み合わせて使用することが好まし
い。非スクロース系の界面活性剤の例としては、アニオ
ン、ノニオン、カチオン両性界面活性剤が用いられ、特
にノニオン界面活性剤が好ましく用いられる。より詳し
くは脂肪酸石鹸、α−アシルスルホン酸塩、アルキルス
ルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、アルキルナ
フタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエー
テル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルキルリン酸
塩、アルキルアミドリン酸塩、直鎖アルキルベンゼンス
ルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキロイ
ルアルキルタウリン塩、N−アシルアミノ酸塩、スルホ
コハク酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル等の
アニオン性界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモ
ニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化
ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セトステアリ
ルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチル
アンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモ
ニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム等のカチ
オン性界面活性剤、ラウリン酸アルカノールアミド、P
OEソルビタン脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪
酸エステル、POE脂肪酸エステル、ポリエーテル変性
シリコーン等のノニオン性界面活性剤、カルボキシベタ
イン型、アミドベタイン型、スルホベタイン型、ヒドロ
キシスルホベタイン型、アミドスルホベタイン型、ホス
ホベタイン型、アミノカルボン酸塩型、イミダゾリン誘
導体型、アミドアミン型等の両性界面活性剤が挙げられ
る。また、サポニン、アルキルグルコシド、スクロース
脂肪酸エステルなどの糖脂肪酸エステル類、トレハロー
スアルキルエーテル、ラフィノースアルキルエーテルな
どの糖系界面活性剤等の天然系界面活性剤を用いること
もできる。 【0012】 【実施例】以下、実施例によって、本発明を具体的に説
明する。また、実施例で得られた界面活性剤の特性評価
方法を以下に示す。 【0013】[起泡力および泡安定性試験]試料の水溶
液を作成し、その起泡力および泡安定性をTjutju
nikow−Kassjanowa法(TK法)により
評価した。試験方法としては、スクロースドデシルエー
テル体の1.0〜0.005質量%の水溶液5mLを装
置内で1分間起泡させ、その時点での泡の体積を測定し
てこれを起泡力とした。また、その後5分間放置して再
び泡の体積を測定し、これを泡の安定性とした。結果を
図1に示す。 【0014】[濃度−表面張力試験]試料の濃度−表面
張力曲線をガラス製平板を用いたウイルヘルミー法にて
測定した。 【0015】実施例1 下記反応式で示すように、アルゴン乾燥させたフラスコ
にスクロース10.3質量部と予め蒸留しておいたジメ
チルホルムアミド200質量部を入れ、さらに水素化ナ
トリウム1.20質量部を加えて、アルゴンガス雰囲気
下において室温で2時間攪拌した。 【0016】 【0017】その後、下記反応式で示すように、ドデシ
ルブロミド7.5質量部を反応系に加えた。アルゴンガ
ス雰囲気下においてこの系を90℃に保ち、攪拌した。
24時間後、精製水100質量部を加えて反応を終了し
た。 【0018】【0019】次いで得られた反応溶液を水/メタノール
/ヘキサン=1/1/2で抽出した。ここで、水、メタ
ノール層(下層)を回収して濃縮し、シリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(溶媒:メタノール/クロロホルム=
1/5)を用いて精製分離した。精製分離した区画をそ
れぞれ濃縮し、1H NMRによりその構造を確認し、平
均置換度が1.0のドデシル化スクロースであることを
確認した。 【0020】図1の試験結果より、実施例1で作製した
ドデシル化スクロースは界面活性能を有することが判
る。一方、図2から実施例1のドデシル化スクロースは
起泡直後には起泡するものの、5分後にはほぼその泡は
消えており、泡安定性が大変悪いことが判る。このこと
から本実施例は界面活性機能を持ちながら、低い泡安定
性を持つ特異な性質を有する界面活性剤であることが判
る。 【0021】 【発明の効果】以上のことから、本発明は、炭素数が8
〜24であるアルキル基、または炭素数10〜24のア
ルケニル基で、その平均置換数が1〜3であるスクロー
スのアルキルエーテル及び/又はスクロースのアルケニ
ルエーテル体を含む低起泡性界面活性剤が得られること
は明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたドデシル化スクロースの濃
度−表面張力試験結果を示す図である。 【図2】実施例1で得られたドデシル化スクロースの起
泡力および泡安定性試験結果を示す図である。
度−表面張力試験結果を示す図である。 【図2】実施例1で得られたドデシル化スクロースの起
泡力および泡安定性試験結果を示す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 小山内 州一
神奈川県鎌倉市梶原3丁目2番12号
Fターム(参考) 4C083 AD221 AD222 BB01 EE50
FF01
4H003 AC03 DA01 DA02 DA05 DA17
DA19 FA19
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 炭素数が8〜24であるアルキル基、ま
たは炭素数10〜24のアルケニル基で、その平均置換
数が1〜3であるスクロースのアルキルエーテル及び/
又はスクロースのアルケニルエーテル体からなる低起泡
性界面活性剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001307180A JP2003113364A (ja) | 2001-10-03 | 2001-10-03 | 低起泡性界面活性剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001307180A JP2003113364A (ja) | 2001-10-03 | 2001-10-03 | 低起泡性界面活性剤 |
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-
2001
- 2001-10-03 JP JP2001307180A patent/JP2003113364A/ja active Pending
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JPWO2004101103A1 (ja) * | 2003-05-15 | 2006-07-13 | サンノプコ株式会社 | 界面活性剤及びこの製造方法 |
JP4528910B2 (ja) * | 2003-05-15 | 2010-08-25 | サンノプコ株式会社 | 界面活性剤及びこの製造方法 |
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