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JP2003096309A - 光硬化性組成物及びそれを用いて黒色パターンを形成したプラズマディスプレイパネル - Google Patents

光硬化性組成物及びそれを用いて黒色パターンを形成したプラズマディスプレイパネル

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Publication number
JP2003096309A
JP2003096309A JP2001292712A JP2001292712A JP2003096309A JP 2003096309 A JP2003096309 A JP 2003096309A JP 2001292712 A JP2001292712 A JP 2001292712A JP 2001292712 A JP2001292712 A JP 2001292712A JP 2003096309 A JP2003096309 A JP 2003096309A
Authority
JP
Japan
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parts
acid
black
photocurable composition
composition
Prior art date
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Application number
JP2001292712A
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English (en)
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JP3548146B2 (ja
Inventor
Kazunobu Fukushima
和信 福島
Takeshi Mitani
毅 三谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiyo Holdings Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Ink Mfg Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
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Publication date
Application filed by Taiyo Ink Mfg Co Ltd filed Critical Taiyo Ink Mfg Co Ltd
Priority to JP2001292712A priority Critical patent/JP3548146B2/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保存安定性に優れると共に、乾燥、露光、現
像、焼成の各工程において基板に対する優れた密着性、
解像性、焼成性を損なうことなく、焼成後において充分
な黒さを有する焼成皮膜を形成できる光硬化性組成物を
提供すること。 【解決手段】 本発明の光硬化性組成物の基本的な第一
の態様は、(A)ランタン複合酸化物微粒子、(B)有
機バインダー、(C)光重合性モノマー、及び(D)光
重合開始剤を含有し、第二の態様は、上記各成分に加え
てさらに(E)無機微粒子を含有する。このような光硬
化性組成物を前面ガラス基板上に塗布し、所定のパター
ンに露光し、現像、焼成することにより、PDPにおけ
るバス電極の黒層やブラックマトリックスの黒色パター
ンが形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマディスプ
レイパネル(以下、PDPと略称する)の前面基板に精
細な電極回路、ブラックパターンを形成するのに有用な
アルカリ現像型でかつ光硬化型の組成物、及びそれを用
いて白黒二層構造を有するバス電極の下層(黒層)、ブ
ラックマトリックスを形成した前面基板を備えるPDP
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】PDPはプラズマ放電による発光を利用
して映像や情報の表示を行なう平面ディスプレイであ
り、パネル構造、駆動方法によってDC型とAC型に分
類される。PDPによるカラー表示の原理は、リブ(隔
壁)によって離間された前面ガラス基板と背面ガラス基
板に形成された対向する両電極間のセル空間(放電空
間)内でプラズマ放電を生じさせ、各セル空間内に封入
されているHe、Xe等のガスの放電により発生する紫
外線で背面ガラス基板内面に形成された蛍光体を励起
し、3原色の可視光を発生させるものである。各セル空
間は、DC型PDPにおいては格子状のリブにより区画
され、一方、AC型PDPにおいては基板面に平行に列
設されたリブにより区画されるが、いずれにおいてもセ
ル空間の区画は、リブによりなされている。以下、添付
図面を参照しながら簡単に説明する。
【0003】図1は、フルカラー表示の3電極構造の面
放電方式PDPの構造例を部分的に示している。前面ガ
ラス基板1の下面には、放電のための透明電極3a又は
3bと該透明電極のライン抵抗を下げるためのバス電極
4a又は4bとから成る一対の表示電極2a、2bが所
定のピッチで多数列設されている。これらの表示電極2
a、2bの上には、電荷を蓄積するための透明誘電体層
5(低融点ガラス)が印刷、焼成によって形成され、そ
の上に保護層(MgO)6が蒸着されている。保護層6
は、表示電極の保護、放電状態の維持等の役割を有して
いる。一方、背面ガラス基板11の上には、放電空間を
区画するストライプ状のリブ(隔壁)12と各放電空間
内に配されたアドレス電極(データ電極)13が所定の
ピッチで多数列設されている。また、各放電空間の内面
には、赤(14a)、青(14b)、緑(14c)の3
色の蛍光体膜が規則的に配され、フルカラー表示におい
ては、前記のように赤、青、緑の3原色の蛍光体膜14
a、14b、14cで1つの画素が構成される。さら
に、放電空間を形成する一対の表示電極2a、2bの両
側部には、画像のコントラストをさらに高めるために、
同様にストライプ状のブラックマトリックス10,10
が形成されている。なお、上記構造のPDPでは、一対
の表示電極2aと2bの間に交流のパルス電圧を印加
し、同一基板上の電極間で放電させるので、「面放電方
式」と呼ばれている。また、上記構造のPDPでは、放
電により発生した紫外線が背面基板11の蛍光体膜14
a、14b、14cを励起し、発生した可視光を前面基
板1の透明電極3a、3bを透して見る構造となってい
る。
【0004】このような構造のPDPにおいて、前記バ
ス電極4a、4bの形成は、従来、Cr−Cu−Crの
3層を蒸着やスパッタリングにより成膜した後、フォト
リソグラフィー法でパターニングが行なわれてきた。し
かし、工程数が多く高コストとなるため、最近では、銀
ペースト等の導電性ペーストをスクリーン印刷した後、
焼成する方法、あるいは150μm以下の線幅とするた
めには、感光性導電性ペーストを塗布し、パターンマス
クを通して露光した後、現像し、次いで焼成する方法が
行なわれている。
【0005】このようにしてバス電極4a、4bが形成
されるPDPの前面基板においては、近年、画面のコン
トラストを向上させるために、バス電極を形成する際
に、表示側となる下層(透明電極3a、3bと接触する
層)に黒色ペーストを印刷し、その上に導電性の銀ペー
ストの白層を印刷して、白黒二層構造の電極を形成する
ことが行なわれている。この場合、黒色ペーストとして
は、銅―鉄系、銅―クロム系等の黒色複合酸化物を配合
した樹脂組成物が用いられている。
【0006】また前記ブラックマトリックスの形成は、
従来、CRTディスプレイや液晶ディスプレイパネル等
のブラックマトリックスの形成に使用されている遮光膜
形成用感光性樹脂組成物を転用することが試みられてき
た。しかし、PDPの製造においては高温焼成工程があ
り、この工程で遮光膜形成用感光性樹脂組成物中に含有
されるカーボンブラックが分解し、満足できるブラック
マトリックスの形成は困難であった。そこで、光重合性
化合物、光重合開始剤及び遮光性材料を含有する遮光膜
形成用感光性樹脂組成物においても、上記遮光性材料と
して、銅―鉄系、銅―クロム系等の黒色複合酸化物を配
合した樹脂組成物が用いられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、銅―鉄
系、銅―クロム系等の黒色複合酸化物を配合した樹脂組
成物を用いてバス電極における黒層(下層)、ブラック
マトリックスを形成すると、焼成の際に赤っぽく変色
し、画面のコントラスト向上のための充分な黒さを得る
ことができない。また、銅―鉄系、銅―クロム系等の黒
色複合酸化物を配合した樹脂組成物は、ペーストとして
の保存安定性が悪く、また、光重合性モノマー及び光重
合開始剤と共に配合して光硬化性組成物に構成した場
合、光重合性モノマーの重合が開始してゲル化してしま
う。そのため、低温で保管する必要があり、量産性に対
応できないという問題があった。さらに、黒色度を上げ
るために黒色複合酸化物微粒子の配合量を増大すれば、
光の透過を妨げ、充分な光硬化性が得られないという問
題が発生する。
【0008】そこで本発明は、このような従来技術が抱
える課題を解決するためになされたものであり、その主
たる目的は、保存安定性に優れると共に、乾燥、露光、
現像、焼成の各工程において基板に対する優れた密着
性、解像性、焼成性を損なうことなく、焼成後において
充分な黒さを有する焼成皮膜を形成できる光硬化性組成
物を提供することにある。本発明の他の目的は、このよ
うな光硬化性組成物から高精細の電極回路、特に前面基
板に形成される、白黒2層構造のバス電極において充分
な層間導電性(透明電極とバス電極白層との層間導通)
と黒さを同時に満足し得る下層(黒層)電極回路、なら
びにブラックマトリックスを形成したPDPを提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の光硬化性組成物の基本的な第一の態様は、
(A)ランタン複合酸化物微粒子、(B)有機バインダ
ー、(C)光重合性モノマー、及び(D)光重合開始剤
を含有することを特徴としており、また第二の態様は、
上記各成分に加えて、(E)無機微粒子を含有すること
を特徴としている。このような本発明の光硬化性組成物
は、ペースト状形態であってもよく、また予めフィルム
状に製膜したドライフィルムの形態であってもよい。さ
らに本発明によれば、このような光硬化性組成物の焼成
物から前面基板の電極回路、ブラックマトリックスが形
成されてなるPDPが提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明者らは、前記目的の実現に
向け鋭意研究した結果、光硬化性樹脂組成物に、黒色化
成分としてランタン複合酸化物微粒子を添加すると、形
成される黒色皮膜が緻密なものとなり、薄膜でも充分な
黒さを呈することができ、その結果、乾燥、露光、現
像、焼成の各工程において基板に対する優れた密着性、
解像性、焼成性を損なうことなく、焼成後において充分
な黒さを有する焼成皮膜(バス電極の黒層、ブラックマ
トリックス)を形成し得ることを見出した。
【0011】さらに本発明者らの研究によれば、ランタ
ン複合酸化物微粒子を光重合性モノマー及び光重合開始
剤と共に配合した光硬化性組成物の場合、理由は必ずし
も明確ではないが極めて保存安定性に優れ、量産性に充
分対応可能であること、さらにまた、上記のように少量
でも充分な黒色度の緻密な焼成皮膜が得られることか
ら、薄い膜厚で充分なコントラストを達成できできるこ
とを見出し、本発明を完成するに至ったものである。し
かも、本発明の光硬化性組成物は、前記したように保存
安定性に優れ、かつ、薄い膜厚で充分なコントラストが
得られることから、PDPの量産性、低コスト化にとっ
て極めて有用なものである。
【0012】このような本発明の光硬化性樹脂組成物に
おいて、ランタン複合酸化物微粒子は、粒径が5μm以
下、好ましくは0.01μm以上5μm以下の微粒子を
用いることが望ましい。この理由は、粒径が5μmより
小さいと、少量の添加でも、密着性等を損なうことなく
緻密な黒色焼成皮膜を形成できる樹脂組成物を提供する
ことができるからである。一方、ランタン複合酸化物微
粒子の粒径が5μmよりも大きくなると、焼成皮膜の緻
密性が悪くなり、形成される焼成皮膜の黒色度が低下し
易い。
【0013】このランタン複合酸化物微粒子(A)の配
合量は、有機バインダー(B)100質量部当り0.1
〜100質量部、好ましくは5〜50質量部の範囲が適
当である。この理由は、黒色微粒子の配合量が上記範囲
よりも少ないと、焼成後に充分な黒さが得られず、一
方、上記範囲を超える配合量では、光の透過性が劣化す
る他に、コスト高となり好ましくないからである。
【0014】前記、有機バインダー(B)としては、カ
ルボキシル基を有する樹脂、具体的にはそれ自体がエチ
レン性不飽和二重結合を有するカルボキシル基含有感光
性樹脂及びエチレン性不飽和二重結合を有さないカルボ
キシル基含有樹脂のいずれも使用可能である。好適に使
用できる樹脂(オリゴマー及びポリマーのいずれでもよ
い)としては、以下のようなものが挙げられる。 (1)(a)不飽和カルボン酸と(b)不飽和二重結合
を有する化合物を共重合させることによって得られるカ
ルボキシル基含有樹脂 (2)(a)不飽和カルボン酸と(b)不飽和二重結合
を有する化合物の共重合体にエチレン性不飽和基をペン
ダントとして付加させることによって得られるカルボキ
シル基含有感光性樹脂 (3)(c)エポキシ基と不飽和二重結合を有する化合
物と(b)不飽和二重結合を有する化合物の共重合体
に、(a)不飽和カルボン酸を反応させ、生成した2級
の水酸基に(d)多塩基酸無水物を反応させて得られる
カルボキシル基含有感光性樹脂 (4)(e)不飽和二重結合を有する酸無水物と(b)
不飽和二重結合を有する化合物の共重合体に、(f)水
酸基を有する化合物を反応させて得られるカルボキシル
基含有感光性樹脂 (5)(e)不飽和二重結合を有する酸無水物と(b)
不飽和二重結合を有する化合物の共重合体に、(f)水
酸基と不飽和二重結合を有する化合物を反応させて得ら
れるカルボキシル基含有感光性樹脂 (6)(g)エポキシ化合物と(h)不飽和モノカルボ
ン酸を反応させ、生成した2級の水酸基に(d)多塩基
酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光
性樹脂 (7)(b)不飽和二重結合を有する化合物とグリシジ
ル(メタ)アクリレートの共重合体のエポキシ基に、
(i)1分子中に1つのカルボキシル基を有し、エチレ
ン性不飽和結合を持たない有機酸を反応させ、生成した
2級の水酸基に(d)多塩基酸無水物を反応させて得ら
れるカルボキシル基含有樹脂 (8)(j)水酸基含有ポリマーに(d)多塩基酸無水
物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂 (9)(j)水酸基含有ポリマーに(d)多塩基酸無水
物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂に、
(c)エポキシ基と不飽和二重結合を有する化合物をさ
らに反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂
【0015】前記したようなカルボキシル基含有感光性
樹脂及びカルボキシル基含有樹脂は、単独で又は混合し
て用いてもよいが、いずれの場合でもこれらは合計で組
成物全量の10〜80質量%の割合で配合することが好
ましい。これらのポリマーの配合量が上記範囲よりも少
な過ぎる場合、形成する皮膜中の上記樹脂の分布が不均
一になり易く、充分な光硬化性及び光硬化深度が得られ
難く、選択的露光、現像によるパターニングが困難とな
る。一方、上記範囲よりも多過ぎると、焼成時のパター
ンのよれや線幅収縮を生じ易くなるので好ましくない。
【0016】また、上記カルボキシル基含有感光性樹脂
及びカルボキシル基含有樹脂としては、それぞれ重量平
均分子量1,000〜100,000、好ましくは5,
000〜70,000、及び酸価50〜250mgKO
H/g、かつ、カルボキシル基含有感光性樹脂の場合、
その二重結合当量が350〜2,000、好ましくは4
00〜1,500のものを好適に用いることができる。
上記樹脂の分子量が1,000より低い場合、現像時の
皮膜の密着性に悪影響を与え、一方、100,000よ
りも高い場合、現像不良を生じ易いので好ましくない。
また、酸価が50mgKOH/gより低い場合、アルカ
リ水溶液に対する溶解性が不充分で現像不良を生じ易
く、一方、250mgKOH/gより高い場合、現像時
に皮膜の密着性の劣化や光硬化部(露光部)の溶解が生
じるので好ましくない。さらに、カルボキシル基含有感
光性樹脂の場合、感光性樹脂の二重結合当量が350よ
りも小さいと、焼成時に残渣が残り易くなり、一方、
2,000よりも大きいと、現像時の作業余裕度が狭
く、また光硬化時に高露光量を必要とするので好ましく
ない。
【0017】本発明において光重合性モノマー(C)
は、組成物の光硬化性の促進及び現像性を向上させるた
めに用いる。光重合性モノマー(C)としては、例え
ば、2−ヒドロキシエチルアクリレート,2−ヒドロキ
シプロピルアクリレート、ジエチレングリコールジアク
リレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポ
リエチレングリコールジアクリレート、ポリウレタンジ
アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエ
リスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロ
パンエチレンオキサイド変性トリアクリレート、トリメ
チロールプロパンプロピレンオキサイド変性トリアクリ
レート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート及び上記ア
クリレートに対応する各メタクリレート類;フタル酸、
アジピン酸、マレイン酸、イタコン酸、こはく酸、トリ
メリット酸、テレフタル酸等の多塩基酸とヒドロキシア
ルキル(メタ)アクリレートとのモノ−、ジ−、トリ−
又はそれ以上のポリエステルなどが挙げられるが、特定
のものに限定されるものではなく、またこれらを単独で
又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これ
らの光重合性モノマーの中でも、1分子中に2個以上の
アクリロイル基又はメタクリロイル基を有する多官能モ
ノマーが好ましい。このような光重合性モノマー(C)
の配合量は、前記有機バインダー(カルボキシル基含有
感光性樹脂及び/又はカルボキシル基含有樹脂)(B)
100質量部当り20〜100質量部が適当である。光
重合性モノマー(C)の配合量が上記範囲よりも少ない
場合、組成物の充分な光硬化性が得られ難くなり、一
方、上記範囲を超えて多量になると、皮膜の深部に比べ
て表面部の光硬化が早くなるため硬化むらを生じ易くな
る。
【0018】前記光重合開始剤(D)の具体例として
は、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイ
ンエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等
のベンゾインとベンゾインアルキルエーテル類;アセト
フェノン、2,2−ジメトキシー2−フェニルアセトフ
ェノン、2,2−ジエトキシー2−フェニルアセトフェ
ノン、1,1−ジクロロアセトフェノン等のアセトフェ
ノン類;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニ
ル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベン
ジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフ
ェニル)−ブタノン−1等のアミノアセトフェノン類;
2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノ
ン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアント
ラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオ
キサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−ク
ロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサ
ントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチル
ケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;
ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;又はキサントン
類;(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−
ペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−ト
リメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイ
ド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォ
スフィンオキサイド、エチル−2,4,6−トリメチル
ベンゾイルフェニルフォスフィネイト等のフォスフィン
オキサイド類;各種パーオキサイド類などが挙げられ、
これら公知慣用の光重合開始剤を単独で又は2種以上を
組み合わせて用いることができる。これらの光重合開始
剤(D)の配合割合は、前記有機バインダー(カルボキ
シル基含有感光性樹脂及び/又はカルボキシル基含有樹
脂)(B)100質量部当り1〜30質量部が適当であ
り、好ましくは、5〜20質量部である。
【0019】また、上記のような光重合開始剤(D)
は、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、
N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、
ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、トリエチ
ルアミン、トリエタノールアミン等の三級アミン類のよ
うな光増感剤の1種あるいは2種以上と組み合わせて用
いることができる。さらに、より深い光硬化深度を要求
される場合、必要に応じて、可視領域でラジカル重合を
開始するチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製イルガ
キュアー784等のチタノセン系光重合開始剤、ロイコ
染料等を硬化助剤として組み合わせて用いることができ
る。
【0020】さらに、より深い光硬化深度を要求される
場合、必要に応じて、熱重合触媒を前記光重合開始剤
(D)と併用して用いることができる。この熱重合触媒
は、数分から1時間程度にわたって高温におけるエージ
ングにより未硬化の光重合性モノマーを反応させうるも
のであり、具体的には、過酸化ベンゾイル等の過酸化
物、アゾイソブチロニトリル等のアゾ化合物等があり、
好ましくは、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、
2,2´−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,
2´−アゾビス−2,4−ジバレロニトリル、1´−ア
ゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル、ジメチル
−2,2´−アゾビスイソブチレイト、4,4´−アゾ
ビス−4−シアノバレリックアシッド、2−メチル−
2,2´−アゾビスプロパンニトリル、2,4−ジメチ
ル−2,2,2´,2´―アゾビスペンタンニトリル、
1,1´−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエ
タン)、2,2,2´,2´−アゾビス(2−メチルブ
タナミドオキシム)ジヒドロクロライド等が挙げられ、
より好ましいものとしては環境にやさしいノンシアン、
ノンハロゲンタイプの1,1´−アゾビス(1−アセト
キシ−1−フェニルエタン)が挙げられる。
【0021】本発明の組成物は、必要に応じて軟化点4
00〜600℃のガラス粉末、導電性粉末、耐熱性黒色
顔料、シリカ粉末等の無機微粒子(E)を、本発明の光
硬化性樹脂組成物の特性を損なわない量的割合で配合す
ることができる。ガラス粉末は、焼成後の導体回路との
密着性向上のために、ランタン複合酸化物微粒子(A)
100質量部当り300質量部以下、好ましくは200
質量部以下の割合で添加できる。このガラス粉末として
は、ガラス転移点(Tg)300〜500℃、ガラス軟
化点(Ts)400〜600℃のものが好ましい。ま
た、解像度の点からは、平均粒径20μm以下、好まし
くは5μm以下のガラス粉末を用いることが好ましい。
【0022】上記のようなガラス粉末を光硬化性樹脂組
成物に添加することにより、露光・現像後の皮膜は60
0℃以下で容易に焼成可能となる。但し、本発明の組成
物では燃焼性の良好な有機バインダーが用いられ、ガラ
ス粉末が溶融する前に脱バインダーが完了するように組
成されているものの、ガラス粉末の軟化点が400℃よ
り低いと、これよりも低い温度で溶融が生じて有機バイ
ンダーを包み込み易くなり、残存する有機バインダーが
分解することによって組成物中にブリスターが生じ易く
なるので好ましくない。ガラス粉末としては、酸化鉛、
酸化ビスマス、又は酸化亜鉛などを主成分とする非結晶
性フリットが好適に使用できる。
【0023】光硬化性樹脂組成物に多量の無機フィラー
やガラス粉末を配合した場合、得られる組成物の保存安
定性が悪く、ゲル化や流動性の低下により塗布作業性が
悪くなる傾向がある。従って、本発明の組成物では、組
成物の保存安定性向上のため、無機フィラーやガラス粉
末の成分である金属あるいは酸化物粉末との錯体化ある
いは塩形成などの効果のある化合物を、安定剤として添
加することが好ましい。安定剤としては、硝酸、硫酸、
塩酸、ホウ酸等の各種無機酸;ギ酸、酢酸、アセト酢
酸、クエン酸、ステアリン酸、マレイン酸、フマル酸、
フタル酸、ベンゼンスルホン酸、スルファミン酸等の各
種有機酸;リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、リン酸メチ
ル、リン酸エチル、リン酸ブチル、リン酸フェニル、亜
リン酸エチル、亜リン酸ジフェニル、モノ(2−メタク
リロイルオキシエチル)アシッドホスフェート等の各種
リン酸化合物(無機リン酸、有機リン酸)などの酸が挙
げられ、単独で又は2種以上を組み合わせて用いること
ができる。このような安定剤は、前記のガラス粉末や無
機微粒子(E)100質量部当り0.1〜10質量部の
割合で添加することが好ましい。
【0024】耐熱性黒色顔料としては、耐熱性に優れる
無機顔料を広く用いることができる。一般には、Cr、
Co、Ni、Fe、Mn,Ruなどの酸化物、複合酸化
物がこれにあたり、これらを単独で又は2種以上を組合
わせて用いることができる。
【0025】シリカ粉末としては、特に合成アモルファ
スシリカ微粉末が望ましく、その具体例としては、日本
アエロジル(株)製のAEROSIL(登録商標)5
0、130、200、200V、200CF、200F
AD、300、300CF、380、OX50、TT6
00、MOX80、MOX170、COK84、日本シ
リカ工業(株)製のNipsil(登録商標)AQ、A
Q−S、VN3、LP、L300、N−300A、ER
−R、ER、RS−150、ES、NS、NS−T、N
S−P、NS−KR、NS−K、NA、KQ、KM、D
S等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合
わせて用いることができる。これらの中でも、一次粒子
径が5〜50nm、比表面積が50〜500m/gの
ものが好ましい。
【0026】上記のような合成アモルファスシリカ微粉
末を、前記したような光硬化性樹脂組成物に添加する
と、焼成工程において骨材して働き焼成時の変形を抑え
ることができるためである。
【0027】本発明においては、組成物を希釈すること
によりペースト化し、容易に塗布工程を可能とし、次い
で乾燥させて造膜し、接触露光を可能とさせるために、
適宜の量の有機溶剤を配合することができる。具体的に
は、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケト
ン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼンなど
の芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、
カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトー
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロ
ピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレング
リコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコール
モノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類;酢酸
エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセ
ロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチル
カルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメ
チルエーテルアセテートなどの酢酸エステル類;エタノ
ール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレン
グリコール、テルピネオールなどのアルコール類;オク
タン、デカンなどの脂肪族炭化水素;石油エーテル、石
油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサなどの石
油系溶剤が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組
み合わせて用いることができる。
【0028】本発明の光硬化性樹脂組成物は、さらに必
要に応じて、シリコーン系、アクリル系等の消泡・レベ
リング剤、皮膜の密着性向上のためのシランカップリン
グ剤、等の他の添加剤を配合することもできる。さらに
また、必要に応じて、公知慣用の酸化防止剤や、保存時
の熱的安定性を向上させるための熱重合禁止剤、焼成時
における基板との結合成分としての金属酸化物、ケイ素
酸化物、ホウ素酸化物などの微粒子を添加することもで
きる。
【0029】本発明の光硬化性樹脂組成物は、予めフィ
ルム状に成膜されている場合には基板上にラミネートす
ればよいが、ペースト状組成物の場合、スクリーン印刷
法、バーコーター、ブレードコーターなど適宜の塗布方
法で基板、例えばPDPの前面基板となるガラス基板に
塗布し、次いで指触乾燥性を得るために熱風循環式乾燥
炉、遠赤外線乾燥炉等で例えば約60〜120℃で5〜
40分程度乾燥させて有機溶剤を蒸発させ、タックフリ
ーの塗膜を得る。その後、選択的露光、現像、焼成を行
なって所定のパターンの電極回路、ブラックマトリクス
を形成する。
【0030】露光工程としては、所定の露光パターンを
有するネガマスクを用いた接触露光及び非接触露光が可
能である。露光光源としては、ハロゲンランプ、高圧水
銀灯、レーザー光、メタルハライドランプ、ブラックラ
ンプ、無電極ランプなどが使用される。露光量としては
50〜1000mJ/cm程度が好ましい。
【0031】現像工程としてはスプレー法、浸漬法等が
用いられる。現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナト
リウムなどの金属アルカリ水溶液や、モノエタノールア
ミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなど
のアミン水溶液、特に約1.5質量%以下の濃度の希ア
ルカリ水溶液が好適に用いられるが、組成物中のカルボ
キシル基含有樹脂のカルボキシル基がケン化され、未硬
化部(未露光部)が除去されればよく、上記のような現
像液に限定されるものではない。また、現像後に不要な
現像液の除去のため、水洗や酸中和を行なうことが好ま
しい。
【0032】焼成工程においては、現像後の基板を空気
中又は窒素雰囲気下で約400〜600℃の加熱処理を
行ない、所望のパターンを形成する。なお、この時の昇
温速度は、15℃/分以下に設定することが好ましい。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明するが、本発明が下記実施例に限定されるものでない
ことはもとよりである。なお、以下において「部」は、
特に断りのない限りすべて質量部であるものとする。 (合成例1)温度計、攪拌機、滴下ロート、及び還流冷
却器を備えたフラスコに、メチルメタクリレートとメタ
クリル酸を0.87:0.13のモル比で仕込み、溶媒
としてジプロピレングリコールモノメチルエーテル、触
媒としてアゾビスイソブチロニトリルを入れ、窒素雰囲
気下、80℃で2〜6時間攪拌し、樹脂溶液として有機
バインダーAを得た。この有機バインダーA中の共重合
樹脂は、重量平均分子量が約10,000、酸価が74
mgKOH/gであった。なお、得られた共重合樹脂の
重量平均分子量の測定は、島津製作所製ポンプLLC−
6ADと昭和電工製カラムShodex(登録商標)K
F−804、KF−802を三本つないだ高速液体クロ
マトグラフィーにより測定した。
【0034】このようにして得られた有機バインダーA
を用い、以下に示す組成比にて配合し、攪拌機により攪
拌後、3本ロールミルにより練肉してペースト化を行な
った。なお、低融点ガラス粉末としては、Bi23
0% 、B23 15%、ZnO15%、SiO2
%、BaO 17%を粉砕し、熱膨張係数α300=85
×10-7 /℃、ガラス転移点460℃、平均粒径1.
6μmとしたものを使用した。
【0035】 上層用(白色系)感光性導電ペースト; 有機バインダーA 100.0部 ペンタエリスリトールトリアクリレート 50.0部 2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1− (4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン 5.0部 ジプロピレングリコールモノメチルエーテル 80.0部 銀粉 450.0部 ガラス粉末 22.0部 リン酸エステル 1.0部
【0036】 下層用(黒色系)感光性黒色ペースト: (組成物例1) 有機バインダーA 100.0部 ペンタエリスリトールトリアクリレート 50.0部 2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1− (4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン 5.0部 ジプロピレングリコールモノメチルエーテル 80.0部 ランタン複合酸化物微粒子(La0.7Sr0.3CoO)40.0部 (粒径0.5μm)
【0037】 (組成物例2) 有機バインダーA 100.0部 ペンタエリスリトールトリアクリレート 50.0部 2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1− (4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン 5.0部 ジプロピレングリコールモノメチルエーテル 80.0部 ランタン複合酸化物微粒子(La0.7Sr0.3MnO)40.0部 (粒径0.5μm)
【0038】 (組成物例3) 有機バインダーA 100.0部 ペンタエリスリトールトリアクリレート 50.0部 2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1− (4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン 5.0部 ジプロピレングリコールモノメチルエーテル 80.0部 ランタン複合酸化物微粒子(La0.7Sr0.3MnO)20.0部 (粒径0.5μm) 四三酸化コバルト(Co) 20.0部 (粒径0.20μm、比表面積4.9m/g) ガラス粉末 20.0部 マロン酸 1.0部
【0039】 (組成物例4) 有機バインダーA 100.0部 ペンタエリスリトールトリアクリレート 50.0部 2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1− (4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン 5.0部 ジプロピレングリコールモノメチルエーテル 80.0部 ランタン複合酸化物微粒子(La0.7Sr0.3MnO)20.0部 (粒径0.5μm) 酸化ルテニウム 20.0部 (粒径0.20μm、比表面積4.9m/g) ガラス粉末 20.0部 マロン酸 1.0部
【0040】 (組成物例5) 有機バインダーA 100.0部 ペンタエリスリトールトリアクリレート 50.0部 2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1− (4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン 5.0部 ジプロピレングリコールモノメチルエーテル 80.0部 ランタン複合酸化物微粒子(La0.7Sr0.3MnO)40.0部 (粒径0.5μm) ガラス粉末 20.0部 リン酸エステル 1.0部 合成アモルファスシリカ微粉末 5.0部 (日本アエロジル(株)製、AEROSIL200; 1次粒子の平均粒径12nm、BET法による 比表面積200±25m/g)
【0041】 (組成物例6) 有機バインダーA 100.0部 ペンタエリスリトールトリアクリレート 50.0部 2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1− (4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン 5.0部 ジプロピレングリコールモノメチルエーテル 80.0部 ランタン複合酸化物微粒子(La0.7Sr0.3MnO)40.0部 (粒径0.5μm) ガラス粉末 20.0部 次亜リン酸 1.0部
【0042】 (比較組成物例1) 有機バインダーA 100.0部 ペンタエリスリトールトリアクリレート 50.0部 2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1− (4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン 5.0部 ジプロピレングリコールモノメチルエーテル 80.0部 銅−鉄系黒色複合酸化物 40.0部 (CuO−Fe−Mn、粒径0.17μm)
【0043】 (比較組成物例2) 有機バインダーA 100.0部 ペンタエリスリトールトリアクリレート 50.0部 2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1− (4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン 5.0部 ジプロピレングリコールモノメチルエーテル 80.0部 銅−クロム系黒色複合酸化物 40.0部 (CuO−Cr−Mn、粒径0.45μm)
【0044】このようにして得られた組成物例1〜6及
び比較組成物例1、2の各ペーストについて、バス電極
評価(抵抗値、層間導通、焼成後色調、L値)、ブラ
ックマトリクス評価(焼成後色調、L値)、ペースト
安定性の評価を行った。その評価方法は以下のとおりで
ある。
【0045】抵抗値:ガラス基板上に、評価用ペースト
を300メッシュのポリエステルスクリーンを用いて全
面に塗布し、次いで、熱風循環式乾燥炉にて90℃で2
0分間乾燥して指触乾燥性の良好な皮膜を形成した。次
に、この皮膜上に、上層(白)用導電性ペーストを20
0メッシュのポリエステルスクリーンを用いて全面に塗
布し、次いで、熱風循環式乾燥炉にて90℃で20分間
乾燥して指触乾燥性の良好な二層の皮膜を形成した。そ
の後、光源をメタルハライドランプとし、パターン寸法
100μm×10cmのネガマスクをもちいて、組成物
上の積算光量が500mJ/cmとなるように露光し
た後、液温30℃の0.5wt%NaCO水溶液を
用いて現像を行ない、水洗した。最後に空気雰囲気下に
て5℃/分で昇温し、550℃で30分間焼成して基板
を作製した。こうして得られた焼成皮膜について抵抗値
を測定した。
【0046】層間導通:ITO膜付きガラス基板上に上
記と同様の方法により100μm×3cmのパターン形
成を行なった。これにより得られた焼成皮膜の上層(白
層)とITOにテスターをあて導通の確認を行なった。
【0047】焼成後色調:ITO膜付きガラス基板上に
上記と同様の方法(ブラックマトリクス評価については
上層(白)用導電性ペーストを塗布、乾燥しない)によ
り3cm×10cmのパターン形成を行なった。これに
より得られた焼成皮膜をガラス側から目視により観察
し、色調の確認を行なった。
【0048】L値:上記焼成後色調を確認した試験片
を用いて色彩色差計(ミノルタカメラ(株)製、CR−
221)を用いてL表色系の値をJIS−Z
−8729に従って測定し、明度を表す指数であるL
値を黒色度の指標として評価した。このL値が小さい
ほど黒色度に優れる。
【0049】ペースト安定性:組成物例1〜6及び比較
組成物例1、2の各ペーストを300gづつ密閉容器に
入れ30℃で1ヶ月間放置した後の状態の確認を行なっ
た。
【0050】これらの評価結果を表1および表2に示
す。
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】表1および表2に示す結果から明らかなよ
うに、本発明の組成物に係るペーストは、比較組成物の
ペーストに比べてペースト安定性に優れ、焼成後におい
ても、充分な黒さを満足し得るバス電極用下層(黒
層)、ブラックマトリクスを形成できることがわかっ
た。
【0053】なお、上記評価用ペーストについて、現像
後のライン形状、焼成後のライン形状、密着性を評価し
たが、いずれも問題はなかった。これらの評価に使用す
る基板は、ガラス基板上に形成した皮膜を、ライン/ス
ペース=50/100μmとなるネガフィルムを用いて
パターン露光し、次いで、液温が30℃の0.5wt%
NaCO水溶液にて現像を行ない、水洗し、その
後、焼成すること以外は、上記抵抗値評価の場合と同様
にしてパターン焼成基板を作成した。これらの評価方法
は、現像後のライン形状については、現像まで終了した
パターンを顕微鏡観察し、ラインに不規則なばらつきが
なく、よれ等がないかどうかで評価し、焼成後のライン
形状については、焼成まで終了したパターンを顕微鏡観
察し、ラインに不規則なばらつきがなく、よれ等がない
かどうかで評価した。また密着性は、セロハン粘着テー
プによるピーリングを行ない、パターンの剥離がないか
どうかで評価した。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光硬化性
樹脂組成物によれば、乾燥、露光、現像、焼成の各工程
において基板に対する優れた密着性、解像性、焼成性を
損なうことなく、焼成後において充分な黒さを満足し得
る、PDPバス電極の黒層、ブラックマトリクスを形成
することができる。さらに本発明の光硬化性樹脂組成物
は、保存安定性に優れ、かつ、薄い膜厚で充分なコント
ラストが得られることから、PDPの量産性、低コスト
化にとって極めて有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】面放電方式のAC型PDPの部分分解斜視図で
ある。
【符号の説明】
1 前面ガラス基板 2a,2b 表示電極 3a,3b 透明電極 4a,4b バス電極 5 透明誘電体層 6 保護層 10 ブラックマトリックス 11 背面ガラス基板 12 リブ 13 アドレス電極 14a,14b,14c 蛍光体膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/004 505 G03F 7/004 505 H01J 11/02 H01J 11/02 B Z Fターム(参考) 2H025 AA02 AA14 AB14 AC01 AD01 BC13 BC42 CA00 CB08 CB42 CC11 FA17 FA29 4J002 BG011 BG021 DE096 DJ017 DL007 EH078 EN009 FD017 FD096 FD208 FD209 GP00 HA08 4J038 CG122 CH172 DB222 FA081 FA111 FA121 FA201 HA166 HA446 HA486 KA03 KA08 NA12 NA26 PA17 PB09 5C040 FA01 GB03 GC05 GH07 JA02 JA09 KA16 KA17 KB14 KB17 MA04 MA23 MA26

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ランタン複合酸化物微粒子、
    (B)有機バインダー、(C)光重合性モノマー、及び
    (D)光重合開始剤を含有することを特徴とする光硬化
    性組成物。
  2. 【請求項2】 さらに(E)無機微粒子を含有する請求
    項1に記載の光硬化性組成物。
  3. 【請求項3】 前記ランタン複合酸化物微粒子(A)が
    La1-xSrCoOまたはLa1-xSrMnO
    で表される化合物である請求項1または2に記載の光硬
    化性組成物。
  4. 【請求項4】 前記請求項1乃至3に記載の光硬化性組
    成物の焼成物から黒色パターンが形成されてなる前面基
    板を備えるプラズマディスプレイパネル。
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