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JP2004053628A - 光硬化性黒色組成物及びそれを用いて形成したバス電極 - Google Patents

光硬化性黒色組成物及びそれを用いて形成したバス電極 Download PDF

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JP2004053628A JP2002206656A JP2002206656A JP2004053628A JP 2004053628 A JP2004053628 A JP 2004053628A JP 2002206656 A JP2002206656 A JP 2002206656A JP 2002206656 A JP2002206656 A JP 2002206656A JP 2004053628 A JP2004053628 A JP 2004053628A
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Hideyuki Ito
伊藤 秀之
Koichi Takagi
高木 幸一
Kazunobu Fukushima
福島 和信
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Abstract

【課題】黒層のアンダーカットによるライン欠損を生じることなく、1回のパターン露光で線幅40μm以下の細線パターンを形成し得るバス電極用の光硬化性組成物を提供すること。
【解決手段】本発明の光硬化黒色性組成物は、白黒二層構造のバス電極における厚さ1μm以下の黒層に用いる、(A)有機バインダー、(B)黒色微粒子、(C)光重合性モノマー、(D)光重合開始剤、(E)有機溶剤を含有する黒色組成物であって、前記有機バインダー(A)は、酸価が120〜300mgKOH/gで重量平均分子量が20,000〜100,000の樹脂であり、前記有機溶剤(E)は、有機バインダー(A)100質量部に対して200〜400質量部の割合で配合されていることを特徴とする。
【選択図】     なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと略称する)の前面基板に高精細な電極回路を形成するために有用な、アルカリ現像型で感光性の黒色組成物及びそれを用いて形成したバス電極に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
PDPはプラズマ放電による発光を利用して映像や情報の表示を行う平面ディスプレイである。PDPによるカラー表示の原理は、リブ(隔壁)によって離間された前面ガラス基板と背面ガラス基板に形成された対向する両電極間のセル空間(放電空間)内でプラズマ放電を生じさせ、各セル空間内に封入されているHe、Xe等のガスの放電により発生する紫外線で背面ガラス基板内面に形成された蛍光体を励起し、3原色の可視光を発生させるものである。各セル空間は、現在主流となっているAC型PDPにおいては基板面に平行に列設されたリブにより区画される。以下、添付図面を参照しながら説明する。
【0003】
図1は、フルカラー表示3電極構造の面放電方式PDPの構造例を部分的に示している。前面ガラス基板1の下面には、放電のための透明電極3a又は3bと該透明電極のライン抵抗を下げるためのバス電極4a又は4bとから成る一対の表示電極2a、2bが所定のピッチで多数列設されている。これらの表示電極2a、2bの上には、電荷を蓄積するための透明誘電体層5(低融点ガラス)が印刷、焼成によって形成され、その上に保護層(MgO)6が蒸着されている。保護層6、表示電極の保護、放電状態の維持等の役割を有している。
一方、背面ガラス基板11の上には、放電空間を区画するストライプ状のリブ(隔壁)12と各放電空間内に配されたアドレス電極(データ電極)13が所定のピッチで多数列設されている。また、各放電空間の内面には、赤(14a)、青(14b)、緑(14c)の3色の蛍光体膜が規則的に配されている。フルカラー表示においては、前記のように赤、青、緑の3原色の蛍光体膜14a、14b、14cで1つの画素が構成される。
上記PDPでは、一対の表示電極2aと2bの間に交流のパルス電圧を印加し、同一基板上の電極間で放電させるので、「面放電方式」と呼ばれている。また、放電により発生した紫外線は背面基板11の蛍光体膜14a、14b、14cを励起し、発生した可視光を前面基板1の透明電極3a、3bを透して見る構造となっている(反射型)。
【0004】
前記バス電極4a、4bの形成は、従来、Cr−Cu−Crの3層を蒸着やスパッタリングにより成膜した後、フォトリソグラフィー法でパターニングが行われてきた。しかし、工程数が多く高コストとなるため、最近では、銀ペースト等の導電性ペーストをスクリーン印刷した後、焼成する方法、あるいは150μm以下の線幅とするためには、感光性導電性ペーストを塗布し、パターンマスクを通して露光した後、現像し、次いで焼成する方法が行われている。
【0005】
また、バス電極4a,4bが形成されるPDPの前面基板においては、近年、画面のコントラストを向上させるために、バス電極を形成する際に、表示側となる下層(透明電極3a、3bと接触する層)に黒色ペーストを印刷し、その上に銀ペーストの白層を印刷して、白黒二層構造の電極を形成する構造が採用されている。
しかしながら、かかる白黒二層構造の一般的な形態では、白層の光透過性が乏しいため、下層である黒層の充分な光硬化が行えず、現像によるアンダーカットによりラインが欠損するという問題があった。そのため、白黒二層構造の電極においては、一回のパターン露光で線幅40μm以下の細線パターンを形成するのは困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、黒層のアンダーカットによるライン欠損を生じることなく、1回のパターン露光で線幅40μm以下の細線パターンを形成し得るバス電極用の光硬化性組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、白黒二層構造のバス電極における黒層の膜厚を薄くすれば、黒層のアンダーカットによる影響も少なくなるという知見に着目し、上記目的の実現に向け鋭意研究を行った。その結果、従来の組成物では、スクリーン印刷による乾燥前の膜厚では10μm程度が薄膜化の限界であった。そこで、溶剤の配合量を多くして収縮量を大きくすることによりさらなる薄膜化を図ることを考えた。ところが、溶剤の配合量を多くすると組成物の粘度が低くなりすぎて印刷性が悪くなるという問題を招いた。これに対し、発明者らはさらに、印刷に適正な粘度に調整するために、より高分子量のバインダーを配合することを考えたが、現像性が悪化するという他の問題を招いた。これについては、樹脂酸価を高くすることで対処し得ることを突き止めた。
このように、発明者らは種々検討した結果、以下に示すような内容を要旨構成とする光硬化性黒色組成物を提供することにより、黒層のアンダーカットによるライン欠損を生じることなく、1回のパターン露光で線幅40μm以下の細線パターンを有するバス電極を形成し得ることを見出したのである。
【0008】
すなわち、本発明の光硬化性黒色組成物は、白黒二層構造のバス電極における厚さ1μm以下の黒層に用いる、(A)有機バインダー、(B)黒色微粒子、(C)光重合性モノマー、(D)光重合開始剤、(E)有機溶剤を含有する黒色組成物であって、前記有機バインダー(A)は、酸価が120〜300mgKOH/gで重量平均分子量が20,000〜100,000の樹脂であり、前記有機溶剤(E)は、有機バインダー(A)100質量部に対して200〜400質量部の割合で配合されていることを特徴とする。
このような本発明の光硬化性黒色組成物は、ペースト状形態でも予めフィルム状に成膜したドライフィルムの形態であってもよい。
さらに本発明によれば、光硬化性導電組成物の焼成物パターンからなる主導電層と光硬化性黒色組成物の焼成物パターンからなる黒色層の白黒二層構造で構成されるPDPのバス電極において、前記光硬化性導電組成物は、酸価が20〜120mgKOH/gで重量平均分子量が1,000〜20,000の有機バインダーを少なくとも含む組成物からなり、前記光硬化性黒色組成物は上述した組成物からなることを特徴とする電極が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の光硬化性黒色組成物は、白黒二層構造のバス電極において、黒層の薄膜化と高精細化を同時に実現するために、有機バインダー(A)として、酸価が120〜300で重量平均分子量が20,000〜100,000である樹脂を用い、一方で、有機溶剤(E)を前記有機バインダー(A)100質量部に対して200〜400質量部とより多く配合した点に特徴がある。
これにより、上記バス電極を構成する黒層は、1μm以下という薄膜化が実現でき、その結果、アンダーカットの発生を最小限に抑え、十分な基板への密着力を確保し、現像時にラインが欠損するのを防止することができる。
【0010】
このように、本発明の光硬化性黒色組成物は、有機バインダー(A)として、酸価が120〜300mgKOH/g、好ましくは150〜250mgKOH/gで、重量平均分子量が20,000〜100,000、好ましくは30,000〜60,000の樹脂を用いる。
この理由は、分子量が20,000より小さいと、現像時にラインの密着性が損なわれ、細線の形成が難しくなる。しかも乾燥後のタックが悪く、引き続き行う白層のスクリーン印刷時に版離れがしにくくなる。一方、分子量が100,000を超えると、アルカリ現像時の溶解スピードが低下し、現像不良が生じ易いので好ましくない。さらに、2〜5μmの乾燥膜厚を容易に得るためには分子量は30,000〜60,000が望ましい。これは溶剤の希釈量と粘度のバランスから決まる。
酸価については、150mgKOH/gより低い場合、アルカリ現像時の溶解スピードが低下し、現像不良が生じ易いので好ましくない。一方、酸価が300mgKOH/gより大きいと、アンダーカットが生じやすく、解像性の低下を招き、さらに焼成後のラインがエッジカールしてしまうといった問題が生じる。
【0011】
このような有機バインダー(A)としては、カルボキシル基を有する樹脂、具体的にはそれ自体がエチレン性不飽和二重結合を有するカルボキシル基含有感光性樹脂及びエチレン性不飽和二重結合を有さないカルボキシル基含有樹脂のいずれも使用可能である。好適に使用できる樹脂(オリゴマー及びポリマーのいずれでもよい)としては、以下のようなものが挙げられる。
(1)(a)不飽和カルボン酸と(b)不飽和二重結合を有する化合物を共重合させることによって得られるカルボキシル基含有樹脂
(2)(a)不飽和カルボン酸と(b)不飽和二重結合を有する化合物の共重合体にエチレン性不飽和基をペンダントとして付加させることによって得られるカルボキシル基含有感光性樹脂
(3)(c)グリシジル基と不飽和二重結合を有する化合物と(b)不飽和二重結合を有する化合物の共重合体に、(a)不飽和カルボン酸を反応させ、生成した2級の水酸基に(d)多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂
(4)(e)不飽和二重結合を有する酸無水物と(b)不飽和二重結合を有する化合物の共重合体に、(f)水酸基と不飽和二重結合を有する化合物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂
(5)(g)エポキシ化合物と(h)不飽和モノカルボン酸を反応させ、生成した2級の水酸基に(d)多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂
(6)(b)不飽和二重結合を有する化合物とグリシジル(メタ)アクリレートの共重合体のグリシジル基に、(i)1分子中に1つのカルボキシル基を有し、エチレン性不飽和結合を持たない有機酸を反応させ、生成した2級の水酸基に(d)多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂
(7)(j)水酸基含有ポリマーに(d)多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂
(8)(j)水酸基含有ポリマーに(d)多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂に、(c)グリシジル基と不飽和二重結合を有する化合物をさらに反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂
上記に列挙したもののなかでも、それ自体がエチレン性不飽和二重結合を有するカルボキシル基含有感光性樹脂(2)〜(5)及び(8)が好ましい。
【0012】
また、本発明の光硬化性黒色組成物は、有機溶剤(E)を前記有機バインダー(A)100質量部に対して200〜400質量部とより多く配合する。
この理由は、白黒二層構造のバス電極において1μm以下の黒層を得るためには、スクリーン印刷法による塗膜厚の薄膜化に限界があるため、乾燥による収縮量を大きくする必要性があるからである。しかし、単にこの有機溶剤の配合量を多くすると、粘度が低くなりすぎて塗布性が悪化するので、前記有機バインダー(A)の重量平均分子量と酸価によるタック性や現像性とかかる有機溶剤による塗布性とのバランスから前記有機バインダー(A)100質量部に対して200〜400質量部の範囲内で適宜調整することが好ましい。
【0013】
このような有機溶剤(E)としては、具体的には、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの酢酸エステル類;エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール類;オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサなどの石油系溶剤が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0014】
次に、本発明における黒色微粒子(B)は、PDPの電極作成工程では500〜600℃という高温焼成を伴うため、高温での色調等の安定性を有するものである必要があり、例えばルテニウム酸化物やルテニウム化合物、銅−クロム系黒色複合酸化物、銅−鉄系黒色複合酸化物、コバルト系酸化物等が好適に用いられる。特に、四三酸化コバルトなどのコバルト系酸化物は、ペーストの安定性、コスト面に極めて優れることから最適である。また、最大粒経5μm以下の四三酸化コバルトを溶剤に均一に分散したスラリーを用いることにより、二次凝集物のないペースト容易に得ることができる。
【0015】
このような黒色微粒子(B)の形状は、球状、フレーク状、デンドライト状など種々のものを用いることができるが、光特性、分散性を考慮すると、球状のものを用いることが好ましい。
【0016】
この黒色微粒子(B)の配合量は、有機バインダー100質量部当り0.1〜100重量部、好ましくは0.1〜50質量部の範囲が適当である。この理由は、黒色微粒子(B)の配合量が上記範囲よりも少ないと、焼成後に充分な黒さが得られず、一方、上記範囲を超える配合量では、光の透過性が劣化する他に、コスト高となり好ましくないからである。
【0017】
本発明において光重合性モノマー(C)は、組成物の光硬化性の促進及び現像性を向上させるために用いる。光重合性モノマー(C)としては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート,2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリウレタンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド変性トリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート及び上記アクリレートに対応する各メタクリレート類;フタル酸、アジピン酸、マレイン酸、イタコン酸、こはく酸、トリメリット酸、テレフタル酸等の多塩基酸とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとのモノ−、ジ−、トリ−又はそれ以上のポリエステルなどが挙げられるが、特定のものに限定されるものではなく、またこれらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの光重合性モノマーの中でも、1分子中に2個以上のアクリロイル基又はメタクリロイル基を有する多官能モノマーが好ましい。
【0018】
このような光重合性モノマー(C)の配合量は、前記有機バインダー(カルボキシル基含有感光性樹脂及び/又はカルボキシル基含有樹脂)(A)100質量部当り20〜100質量部が適当である。光重合性モノマー(C)の配合量が上記範囲よりも少ない場合、組成物の充分な光硬化性が得られ難くなり、一方、上記範囲を超えて多量になると、皮膜の深部に比べて表面部の光硬化が早くなるため硬化むらを生じ易くなる。
【0019】
前記光重合開始剤(D)の具体例としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインとベンゾインアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシー2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシー2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン等のアセトフェノン類;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1等のアミノアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;又はキサントン類;(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−ペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、エチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルフォスフィネイト等のフォスフィンオキサイド類;各種パーオキサイド類などが挙げられ、これら公知慣用の光重合開始剤を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの光重合開始剤(D)の配合割合は、前記有機バインダー(カルボキシル基含有感光性樹脂及び/又はカルボキシル基含有樹脂)(B)100質量部当り1〜30質量部が適当であり、好ましくは、5〜20質量部である。
【0020】
また、上記のような光重合開始剤(D)は、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の三級アミン類のような光増感剤の1種あるいは2種以上と組み合わせて用いることができる。さらに、より深い光硬化深度を要求される場合、必要に応じて、可視領域でラジカル重合を開始するチバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製イルガキュア784等のチタノセン系光重合開始剤、ロイコ染料等を硬化助剤として組み合わせて用いることができる。
【0021】
本発明の光硬化性黒色組成物は、焼成後導体回路の密着性向上のため、必要に応じてガラス転移点(Tg)300〜500℃、軟化点(Ts)400〜600℃の低融点ガラス粉末を、有機バインダー(A)100質量部当り100部以下、好ましくは50部以下の割合で配合することができる。
本発明の光硬化性黒色組成物では燃焼性の良好なアルカリ可溶性の有機バインダーが用いられ、ガラスフリットが溶融する前に脱バインダーが完了するように組成されているものの、ガラス粉末の軟化点が400℃より低いと、これよりも低い温度で溶融が生じて有機バインダーを包み込み易くなり、残存する有機バインダーが分解することによって組成物中にブリスターが生じ易くなるので好ましくない。
【0022】
このような低融点ガラス粉末としては、酸化鉛、酸化ビスマス、又は酸化亜鉛を主成分とするガラス粉末が好適に使用できる。
酸化鉛を主成分とするガラス粉末の好ましい例としては、酸化物基準の質量%で、PbOが48〜82%、Bが0.5〜22%、SiOが3〜32%、Alが0〜12%、BaOが0〜10%、ZnOが0〜15%、TiOが0〜2.5%、Biが0〜25%の組成を有し、軟化点が420〜590℃である非結晶性フリットが挙げられる。
【0023】
酸化ビスマスを主成分とするガラス粉末の好ましい例としては、酸化物基準の質量%で、Biが35〜88%、Bが5〜30%、SiOが0〜20%、Alが0〜5%、BaOが1〜25%、ZnOが1〜20%の組成を有し、軟化点が420〜590℃である非結晶性フリットが挙げられる。
【0024】
酸化亜鉛を主成分とするガラス粉末の好ましい例としては、酸化物基準の質量%で、ZnOが25〜60%、KOが2〜15%、Bが25〜45%、SiOが1〜7%、Alが0〜10%、BaOが0〜20%、MgOが0〜10%の組成を有し、軟化点が420〜590℃である非結晶性フリットが挙げられる。
【0025】
また必要に応じて、無機粉末として、導電性粉末やシリカ粉末等を配合することができる。
導電性粉末としては、比抵抗値が1×10Ω・cm以下の導電性粉末であれば幅広く用いることができ、銀(Ag)、金(Au)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、錫(Sn)、鉛(Pb)、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、白金(Pt)、イリジウム(Ir)オスミウム(Os)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)などの単体とその合金の他、酸化錫(SnO)、酸化インジウム(In)、ITO(Indium Tin Oxide)などを用いることができる。これらは単独で又は2種類以上の混合粉として用いることができる。
【0026】
この導電性粉末は、球状、フレーク状、デンドライト状など種々の形状のものを用いることができるが、光特性、分散性を考慮すると球状のものを用いることが好ましい。また、平均粒径としては、解像度の点から20μm以下のもの、好ましくは5μm以下のものを用いることが好ましい。また、導電性粉末の酸化防止、組成物内での分散性向上、現像性の安定化のため、特にAg、Ni、Alについては脂肪酸による処理を行うことが好ましい。脂肪酸としては、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアリン酸等が挙げられる。
【0027】
この導電性粉末の配合量は、前記有機バインダー(B)100質量部当り100質量部以下となる割合が適当である。100質量部を超えて多量に配合すると、光の透過を損ない、組成物の充分な光硬化性が得られ難くなる。また、黒色を呈さない導電性粉末を添加した場合には、充分な黒さを満足し得る黒層電極用の組成物を得ることができなくなるからである。
【0028】
このような光硬化性黒色組成物に多量の導電性粉末や低融点ガラス粉末を配合した場合、得られる組成物の保存安定性が悪く、ゲル化や流動性の低下により塗布作業性が悪くなる傾向があり、組成物の保存安定性向上のため、導電性粉末や低融点ガラスの成分である金属との錯体化あるいは塩形成などに効果のある化合物を、安定剤として添加することが好ましい。
この安定剤としては、無機酸、有機酸、リン酸化合物(無機リン酸、有機リン酸)などの酸が挙げられる。このような安定剤は、前記の低融点ガラス粉末や導電性粉末100質量部当り0.1〜10質量部の割合で添加することが好ましい。
【0029】
シリカ粉末としては、特に合成アモルファスシリカ微粉末が望ましく、その具体例としては、日本アエロジル(株)製のAEROSIL(登録商標)50、130、200、200V、200CF、200FAD、300、300CF、380、OX50、TT600MOX80、MOX170、COK84、日本シリカ工業(株)製のNipsil(登録商標)AQ、AQ−S、VN3、LP、L300、N−300A、ER−R、ER、RS−150、ES、NS、NS−T、NS−P、NS−KR、NS−K、NA、KQ、KM、DS等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、一次粒子径が5〜50nm、比表面積が50〜500m/gのものが好ましい。
【0030】
上記のようなシラノール基を有する合成アモルファスシリカ微粉末を、前記したようなカルボキシル基を有する樹脂と黒色導電性粉末を組み合わせて含有する光硬化型導電性組成物に添加すると、乾燥、露光、現像、焼成の各工程において基板に対して安定した密着性を示すと共に、バス電極作製の焼成工程において、基板と黒層との間及び黒層と白層との間の剥離やカールの発生を抑制できる。このような作用を奏する理由は未だ充分に解明されてはいないが、焼成前においては、合成アモルファスシリカ表面のシラノール基の水素原子と基板として用いられるガラス基板や樹脂のカルボキシル基の酸素原子との水素結合や、シラノール基の電気的に陰性の酸素原子と導電性粉末の電気的に陽性の金属との間のクーロン力により、基板との密着性に優れた緻密な塗膜が形成され、焼成後においては、合成アモルファスシリカ微粒子がガラス基板と導電性粒子との間の隙間及び導電性粒子間の隙間に入り込んでそれらの接着強度を増大させているものと推測される。
【0031】
本発明の光硬化性黒色組成物は、さらに必要に応じて、シリコーン系、アクリル系等の消泡・レベリング剤、皮膜の密着性向上のためのシランカップリング剤、等の他の添加剤を配合することもできる。さらにまた、必要に応じて、導電性金属粉の酸化を防止するための公知慣用の酸化防止剤や、保存時の熱的安定性を向上させるための熱重合禁止剤、焼成時における基板との結合成分としての金属酸化物、ケイ素酸化物、ホウ素酸化物などの微粒子を添加することもできる。
【0032】
本発明のバス電極の上層(白層)に用いられる光硬化性導電組成物は、有機バインダーとして、重量平均分子量が1,000〜20,000、好ましくは5,000〜20,000で、酸価が20〜120mgKOH/g、好ましくは50〜120mgKOH/gのものを用い、黒色微粒子(B)がAg、Au、Al、Pt、Pd等の導電性粉末で置き換えられていること以外は、上述した光硬化性黒色組成物と同様な成分組成とする。
ここで、分子量が1,000より小さいとラインの強度が不足し、現像時にラインがよれ易くなる。また分子量が20,000より大きいと現像時の溶解スピードが低下し、現像不良が生じ易いので好ましくない。一方、酸価が20mgKOH/gより小さいと同様に現像時の溶解スピードの低下が起こる。また、酸価が120mgKOH/gより大きいと現像くわれが生じ易くなり、ラインの形状が悪くなる。
【0033】
以上説明したよな本発明の光硬化性黒色組成物あるいは光硬化性導電組成物は、予めフィルム状に成膜されている場合には基板上にラミネートすればよいが、ペースト状組成物の場合、スクリーン印刷法、バーコーター、ブレードコーターなど適宜の塗布方法で、基板、例えばPDPの前面基板となるガラス基板に塗布し、次いで指触乾燥性を得るために熱風循環式乾燥炉、遠赤外線乾燥炉等で例えば約60〜120℃で5〜40分程度乾燥させて有機溶剤を蒸発させ、タックフリーの塗膜を得る。その後、選択的露光、現像、焼成を行って所定のパターンの電極回路を形成する。
【0034】
露光工程としては、所定の露光パターンを有するネガマスクを用いた接触露光及び非接触露光が可能であるが、解像度の点からは接触露光が好ましい。露光光源としては、ハロゲンランプ、高圧水銀灯、レーザー光、メタルハライドランプ、ブラックランプ、無電極ランプなどが使用される。露光量としては50〜1000mJ/cm程度が好ましい。
【0035】
現像工程としてはスプレー法、浸漬法等が用いられる。現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウムなどの金属アルカリ水溶液や、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアミン水溶液、特に約1.5重量%以下の濃度の希アルカリ水溶液が好適に用いられるが、組成物中のカルボキシル基含有樹脂のカルボキシル基がケン化され、未硬化部(未露光部)が除去されればよく、上記のような現像液に限定されるものではない。また、現像後に不要な現像液の除去のため、水洗や酸中和を行うことが好ましい。
【0036】
焼成工程においては、現像後の基板を空気中又は窒素雰囲気下で約400〜600℃の加熱処理を行い、所望の導体パターンを形成する。なお、この時の昇温速度は、20℃/分以下に設定することが好ましい。
【0037】
特に、バス電極の形成においては、まず、図2(A)に示すように、予めスパッタリング、イオンプレーティング、化学蒸着、電着等の従来公知である適宜の手段によりITO、SnO等により透明電極3が形成された前面ガラス基板1に、前記したような光硬化性黒色組成物を塗布し、乾燥してタックフリーの黒層(下層)20を形成する。次に、図2(B)に示すように、前記光硬化性導電組成物を塗布し、乾燥してタックフリーの白色系導電層(上層)21を形成する。その後、図2(C)に示すように、これに所定の露光パターンを有するフォトマスク22を重ね合わせ、露光する。次いで、アルカリ水溶液により現像して非露光部分を除去し、図2(D)に示すような所定の電極パターンを形成する。その後、焼成することにより、図2(E)に示すように、透明電極3の上に黒層(下層)電極20aと白層(上層)電極21aとからなるバス電極4が形成される。なお、光硬化性黒色組成物と光硬化性導電組成物が予めフィルム状に成膜されたドライフィルムを用いる場合には、前面ガラス基板上に熱圧着して順次ラミネートした後、露光、現像及び焼成の各工程を行えばよい。また、前面ガラス基板上に前記した光硬化性黒色組成物を塗布し、乾燥、露光、現像、焼成の各工程を行って黒層(下層)電極を形成した後、光硬化性導電組成物を塗布し、乾燥、露光、現像、焼成の各工程を行って白層(上層)電極を形成する方法を採用することもできる。
【0038】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものでないことはもとよりである。なお、「部」及び「%」とあるのは、特に断りがない限り全て質量基準である。
【0039】
合成例1
温度計、攪拌機、滴下ロート、及び還流冷却器を備えたフラスコに、メチルメタクリレートとメタクリル酸を0.55:0.45のモル比で仕込み、溶媒としてジプロピレングリコールモノメチルエーテル、触媒としてアゾビスイソブチロニトリルを入れ、窒素雰囲気下、80℃で12時間攪拌し、樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を冷却し、重合禁止剤としてメチルハイドロキノン、触媒としてテトラブチルホスホニウムブロミドを用い、グリシジルメタクリレートを、100℃で16時間の条件で、上記樹脂のカルボキシル基1モルに対し0.06モルの割合で付加反応させ、冷却後取り出し、有機バインダーAを生成した。
この有機バインダーAは、重量平均分子量が約50,000、酸価が208mgKOH/gであった。なお、得られた有機バインダーAの重量平均分子量の測定は、(株)島津製作所製ポンプLC−6ADと昭和電工(株)製カラムShodex(登録商標)KF−804、KF−803、KF−802を三本つないだ高速液体クロマトグラフィーにより測定した。
【0040】
合成例2
温度計、攪拌機、滴下ロート、及び還流冷却器を備えたフラスコに、メチルメタクリレートとメタクリル酸を0.66:0.36のモル比で仕込み、溶媒としてジプロピレングリコールモノメチルエーテル、触媒としてアゾビスイソブチロニトリルを入れ、窒素雰囲気下、80℃で6時間攪拌し、樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を冷却し、重合禁止剤としてメチルハイドロキノン、触媒としてテトラブチルホスホニウムブロミドを用い、グリシジルメタクリレートを、100℃で16時間の条件で、上記樹脂のカルボキシル基1モルに対し0.08モルの割合で付加反応させ、冷却後取り出し、有機バインダーBを生成した。
この有機バインダーBは、重量平均分子量が約30,000、酸価が121mgKOH/gであった。なお、得られた有機バインダーBの重量平均分子量の測定は、上述した方法と同様である。
【0041】
合成例3
温度計、攪拌機、滴下ロート、及び還流冷却器を備えたフラスコに、メチルメタクリレートとメタクリル酸を0.76:0.24のモル比で仕込み、溶媒としてジプロピレングリコールモノメチルエーテル、触媒としてアゾビスイソブチロニトリルを入れ、窒素雰囲気下、80℃で2時間攪拌し、樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を冷却し、重合禁止剤としてメチルハイドロキノン、触媒としてテトラブチルホスホニウムブロミドを用い、グリシジルメタクリレートを、100℃で16時間の条件で、上記樹脂のカルボキシル基1モルに対し0.12モルの割合で付加反応させ、冷却後取り出し、有機バインダーCを生成した。
この有機バインダーCは、重量平均分子量が約10,000、酸価が59mgKOH/gであった。なお、得られた有機バインダーCの重量平均分子量の測定は、上述した方法と同様である。
【0042】
このようにして得られた有機バインダーA、BまたはCを用い、以下に示す成分組成にて配合し、攪拌機により攪拌後、3本ロールミルにより練肉してペースト化を行った。
なお、低融点ガラス粉末としては、PbO  60%、B 20%、SiO15%、Al 5%の組成を有し、熱膨張係数α300=70×10−7  /℃、ガラス転移点445℃である非結晶性フリットを粉砕し、平均粒径1.6μmとしたものを使用した。
【0043】
Figure 2004053628
【0044】
Figure 2004053628
【0045】
Figure 2004053628
【0046】
Figure 2004053628
【0047】
Figure 2004053628
【0048】
このようにして得られた上層(白)用導電性ペーストと、下層(黒)用ペーストとして組成物例1,2,3及び比較組成物例とを組み合わせ、白黒二層構造のバス電極を作製するに当り、現像時間を20秒、30秒とした場合の解像性、比抵抗値、L値を評価した。その評価方法は以下のとおりである。
(解像性):
ガラス基板上に、評価用ペースト(下層用ペースト)を300メッシュのポリエステルスクリーンを用いて全面に塗布し、次いで、熱風循環式乾燥炉にて80℃で20分間乾燥して指触乾燥性の良好な皮膜を形成した。次に、この皮膜上に、上層(白)用導電性ペーストを300メッシュのポリエステルスクリーンを用いて全面に塗布し、次いで、熱風循環式乾燥炉にて90℃で20分間乾燥して指触乾燥性の良好な二層の皮膜を形成した。その後、光源をメタルハライドランプとし、ライン/スペース=10/100μm、20/100μm、30/100μmm、40/100μm、50/100μm、となるネガマスクを用いて、組成物上の積算光量が300mJ/cmとなるように露光した後、液温25℃の0.5wt%NaCO水溶液を用いて現像を20秒または30秒行い、水洗を経て、エアーナイフで乾燥した。その後、残存ラインを観察し、欠損なく残存した最小幅のラインを解像性とした。
(比抵抗値):
ガラス基板上に、評価用ペースト(下層用ペースト)を300メッシュのポリエステルスクリーンを用いて全面に塗布し、次いで、熱風循環式乾燥炉にて80℃で20分間乾燥して指触乾燥性の良好な皮膜を形成した。次に、この皮膜上に、上層(白)用導電性ペーストを300メッシュのポリエステルスクリーンを用いて全面に塗布し、次いで、熱風循環式乾燥炉にて80℃で20分間乾燥して指触乾燥性の良好な二層の皮膜を形成した。その後、光源をメタルハライドランプとし、パターン寸法100μm×10cmのネガマスクをもちいて、組成物上の積算光量が300mJ/cmとなるように露光した後、液温25℃の0.5wt%NaCO水溶液を用いて現像を20秒または30秒で行い、水洗を経て、エアーナイフで乾燥した。最後に空気雰囲気下にて5℃/分で昇温し、550℃で30分間焼成して試験基板を作製した。
こうして得られた試験基板について、焼成被膜の抵抗値をミリオームテスターを用いて測定し、次いで、サーフコーターを用いて焼成皮膜の膜厚を測定し、焼成皮膜の比抵抗値を算出した。
(L*値):
パターン寸法3cm×10cmのネガマスクを用いて露光すること以外は、上記の比抵抗値における方法と同様にして試験基板を作製した。
こうして得られた試験基板について、色彩色差計(ミノルタカメラ(株)製、CR−221)を用いてL*a*b*表色系の値をJIS−Z−8729に従って測定し、明度を表す指数であるL*値を黒色度の指標として評価した。このL*値が小さいほど黒色度に優れる。
【0049】
これらの評価結果を表1に示す。
【表1】
Figure 2004053628
表1に示す結果から明らかなように、本発明の組成物に係るペーストは、比較組成物のペーストと比較すると、比抵抗値とL*値の点では同等の特性であり、解像性の点で優れていることがわかる。すなわち、本発明によれば、焼成後の比抵抗値、L*値、ライン形状を損なうことなく、高精細なPDPバス電極を安定して形成することができる。
【0050】
なお、上記評価用ペーストについて、現像後のライン形状、焼成後のライン形状を評価したが、いずれも問題はなかった。その評価基準は、現像後のライン形状については、現像まで終了したパターンを顕微鏡観察し、ラインに不規則なばらつきがなく、よれ等がないかどうかで評価し、焼成後のライン形状については、焼成まで終了したパターンを顕微鏡観察し、ラインに不規則なばらつきがなく、よれ等がないかどうかで評価した。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、黒層のアンダーカットによるライン欠損などを生じることなく、1回のパターン露光で線幅40μm以下の細線パターンを形成し得るバス電極用の光硬化性組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】面放電方式のAC型PDPの部分分解斜視図である。
【図2】本発明の光硬化性黒色組成物を用いてPDPのバス電極を形成する工程例の概略断面図である。
【符号の説明】
1 前面ガラス基板
2a,2b 表示電極
3,3a,3b 透明電極
4,4a,4b バス電極
5 透明誘電体層
6 保護層
10 ブラックマトリックス
11 背面ガラス基板
12 リブ
13 アドレス電極
14a,14b,14c 蛍光体膜
20 黒層(下層)
20a 黒層(下層)電極
21 白色系導電層(上層)
21a 白層(上層)電極
22 フォトマスク

Claims (2)

  1. 白黒二層構造のバス電極における厚さ1μm以下の黒層に用いる、(A)有機バインダー、(B)黒色微粒子、(C)光重合性モノマー、(D)光重合開始剤、(E)有機溶剤を含有する黒色組成物であって、前記有機バインダー(A)は、酸価が120〜300mgKOH/gで重量平均分子量が20,000〜100,000の樹脂であり、前記有機溶剤(E)は、有機バインダー(A)100質量部に対して200〜400質量部の割合で配合されていることを特徴とする光硬化性黒色組成物。
  2. 光硬化性導電組成物の焼成物パターンからなる主導電層と光硬化性黒色組成物の焼成物パターンからなる黒色層の白黒二層構造で構成されるバス電極において、前記光硬化性導電組成物は、酸価が20〜120mgKOH/gで重量平均分子量が1,000〜20,000の有機バインダーを含む組成物からなり、前記光硬化性黒色組成物は請求項1に記載の組成物からなることを特徴とするバス電極。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8057979B2 (en) 2005-01-05 2011-11-15 Samsung Sdi Co., Ltd. Photosensitive paste composition and plasma display panel manufactured using the same
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