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JP2003095941A - 糖質消化酵素阻害剤、血糖値上昇抑制剤、肥満治療予防剤、糖尿病治療予防剤、健康飲食物 - Google Patents

糖質消化酵素阻害剤、血糖値上昇抑制剤、肥満治療予防剤、糖尿病治療予防剤、健康飲食物

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Publication number
JP2003095941A
JP2003095941A JP2001294640A JP2001294640A JP2003095941A JP 2003095941 A JP2003095941 A JP 2003095941A JP 2001294640 A JP2001294640 A JP 2001294640A JP 2001294640 A JP2001294640 A JP 2001294640A JP 2003095941 A JP2003095941 A JP 2003095941A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
baroneaic
digestive enzyme
sugar
active ingredient
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001294640A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroko Suzuki
裕子 鈴木
Iwao Sakane
巌 坂根
Hirokazu Hosoyama
広和 細山
Akio Sugimoto
明夫 杉本
Kozo Nagata
幸三 永田
Takami Tsunoda
隆巳 角田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ito En Ltd
Original Assignee
Ito En Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ito En Ltd filed Critical Ito En Ltd
Priority to JP2001294640A priority Critical patent/JP2003095941A/ja
Publication of JP2003095941A publication Critical patent/JP2003095941A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バナバに由来する特定成分の新たな用途、詳
しくはα-アミラーゼの阻害活性阻害作用に基づく新た
な用途を提供する。 【解決手段】 バナバ抽出物を液液分配並びにカラムク
ロマトグラフィー等によって分離して得られたバロネア
酸に優れたαアミラーゼ阻害活性を見出し、かかる知見
に基づいて、バロネア酸を有効成分として含有する糖質
消化酵素阻害剤を提案する。α−アミラーゼは、特にデ
ンプン、グリコーゲンのα−1,4結合を切断する酵素
であるから、これらの消化吸収を阻害することにより、
食後血糖値の急激な上昇を抑制し、インスリンの分泌も
抑えることができ、糖尿病の治療予防、肥満防止に効果
を発揮する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バナバに由来する或る
特定成分の新たな用途、詳しくは糖質消化酵素活性、血
糖値上昇、肥満、糖尿病等に関する新たな用途に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】バナバ
(Lagerstroemia speciosa(L.)Pers.)は、フトモモ
目ミソハギ科に属し、オオバナサルスベリともいわれる
熱帯アジアに分布するサルスベリの一種である。この葉
や花を煮た汁は、フィリピンなどでは古くから糖尿病の
治療薬として飲用され、最近では我が国でもその糖尿病
治療効果や血糖値抑制効果が着目され、健康茶などとし
て飲用する人が増えている。
【0003】バナバの薬理効果については、1940年
代には既にバナバの乾燥葉の煎出汁を正常家兎に投与し
た結果、乾燥葉1〜2g/体重1kgの投与量で血糖値
を16〜49mg/dl下げることができたという報告
がなされている(F.Garcia:On the hypoglycemic effe
ct of decoction of Lagerstroemia speciosa(Banaba)
J.Philip.Med.Assoc. 20,395(1940))。
【0004】また、特開平5−310587号は、II型
糖尿病マウスにバナバ抽出粉末エキスを3%混合した食
餌を1週間投与し、その後バナバ抽出粉末エキスを5%
混合した食餌で3週間飼育した結果、バナバ抽出粉末エ
キス摂取群の血糖値が有意に抑制されたことを開示し、
特開平9−227398号は、バナバ葉乾燥粉砕物に1
00倍量50%エタノールを加え、1時間加熱還流して
なる抽出液を減圧濃縮して得た試料、すなわちバナバ葉
抽出物がアミラーゼ及びリパーゼの阻害効果を発揮した
ことを開示すると共に、バナバ葉抽出物が肥満、糖尿
病、高脂血症、動脈硬化症、ニキビ、皮膚炎等の治療・
予防に有用である旨の知見を開示している。
【0005】バナバの血糖低下作用の主な作用機序につ
いては、上記特開平9−227398号のほかにも、バ
ナバにデンプンの消化酵素であるα―アミラーゼの酵素
活性阻害作用があることが確認された(日本農芸化学会
誌、1997 Mar.71)結果、糖質消化酵素の阻
害作用によって摂取した飲食物中の糖類分解を阻害し、
腸管からの単糖吸収を遅延させて血糖値の上昇を抑制す
るという作用機序が確からしくなってきた。ちなみに、
医療の現場では消化酵素阻害剤は既に抗肥満症剤や抗糖
尿病剤などとして使われている。
【0006】そこで本発明者は、代表的な消化酵素の一
つであるα-アミラーゼの阻害活性を指標にバナバ抽出
物について精査した結果、バナバ抽出物中の或る特定成
分に強い活性を見出し、かかる知見に基づいて本発明を
想到したものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】バナバ抽出成分のαアミ
ラーゼ阻害活性について精査した結果、バナバ抽出物を
液液分配並びにカラムクロマトグラフィー等によって分
離して得られた画分に優れたαアミラーゼ阻害活性を見
出すと共に、当該画分がバロネア酸であることを同定
し、かかる知見に基づいて本発明を想到するに至ったも
のである。
【0008】すなわち、本発明は、バロネア酸を有効成
分として含有する糖質消化酵素阻害剤を提案するもので
ある。
【0009】バロネア酸は、次の式で表される。
【0010】
【化2】
【0011】また、バロネア酸配糖体すなわちバロネア
酸を基本骨格とする配糖体は、体内においてバロネア酸
に分解するため、バロネア酸配糖体を有効成分として含
有する糖質消化酵素阻害剤も同様の効果を発揮するもの
と考えることができる。
【0012】そこで本発明は、バロネア酸配糖体を有効
成分として含有する糖質消化酵素阻害剤を提案する。こ
の際のバロネア酸配糖体は、次の式(式中、R1〜R4
の少なくともいずれか一つが糖であって、R1〜R4の
残りが水素原子、炭素数1以上を有する官能基、糖のい
ずれかである。)で表される。
【0013】
【化3】
【0014】本発明の糖質消化酵素阻害剤は、糖質消化
酵素、特にα―アミラーゼの酵素活性を阻害する。α−
アミラーゼは、デンプン(アミロース、アミロペクチ
ン)、グリコーゲンのα−1,4結合を任意に切断する
酵素である。この消化酵素の活性を阻害してこれらの消
化吸収を阻害することにより、食後血糖値の急激な上昇
を抑制し、インスリンの分泌も抑えることができ、糖尿
病の治療予防、肥満防止に効果を発揮する。そこで本発
明は、バロネア酸、バロネア酸配糖体のいずれか、或い
はこれらの混合物を有効成分として含有する血糖値上昇
抑制剤、肥満治療予防剤、糖尿病治療予防剤をも提案す
る。
【0015】本発明の糖質消化酵素阻害剤、血糖値上昇
抑制剤、肥満治療予防剤、糖尿病治療予防剤は、上記の
効果以外にも、栄養過多を原因とする心筋梗塞、動脈硬
化、高血圧等の心臓管系の疾病や、ニキビ、吹出物等の
皮膚系の疾病、その他の疾病の治療及び予防に効果を発
揮することが期待できる。また、安全性の面でも有用で
ある。バナバはフィリピンなどにおいて昔から常用され
ているから安心して摂取することができ、特に継続摂取
に適している。よって、上記疾病の根本治療のための長
期摂取や予防のための日常摂取のほか、ダイエット食品
や体質改善飲食品などとしても有用である。また、ヒト
以外の動物にも有効であるから、ペットや家畜その他の
動物のための血糖値上昇抑制剤、糖尿病治療・予防剤、
肥満予防剤、ダイエットペットフード、ダイエット飼料
などの素材、原料としても有用である。
【0016】本発明の有効成分は上記の如くα―アミラ
ーゼの酵素活性を阻害するから、食事と共に、又は食事
の前後に摂取できる形態の食品(茶飲料などの飲料やス
ープ、味噌汁など)に添加したり、ご飯、パン、麺類な
どデンプンを多く含む食品に添加したりして健康飲食物
を製造し、血糖値上昇抑制飲食品、糖尿病治療予防飲食
品、肥満治療予防飲食品、ダイエット飲食品、ダイエッ
トペットフード、或いはダイエット飼料などとして様々
に提供することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0018】本発明の糖質消化酵素阻害剤、血糖値上昇
抑制剤、肥満治療予防剤、糖尿病治療予防剤(以下、こ
れらを総括して「糖質消化酵素阻害剤等」という。)
は、バロネア酸、或いは、バロネア酸配糖体、或いはバ
ロネア酸とバロネア酸配糖体の混合物を配合することに
より製造することができる。
【0019】バロネア酸及びバロネア酸配糖体は、バナ
バその他の植物から抽出・精製することにより得ること
ができる。
【0020】抽出に用いる溶媒としては、水、温水、熱
水、メタノール、エタノールなどのアルコール類、アセ
トンなどのケトン類等、その他の有機溶媒、或いはこれ
らのうち二種類以上の混合溶液などを用いることが可能
である。ヒト或いはその他の動物が体内に摂取すること
を考えると、水、エタノール、またはアセトンなどが望
ましい。抽出するの際の植物と抽出溶液との比率、抽出
温度、抽出時間等の抽出条件については、抽出する植物
及び抽出溶媒によって任意に調整すればよい。そして、
抽出によって得られた植物抽出物は、更に吸着剤処理
法、膜分離法、或いは溶媒分画法、その等の精製法によ
りバロネア酸或いはバロネア酸配糖体の含有濃度を高め
るように精製すればよい。
【0021】ここで、「バナバ」を抽出・精製してバロ
ネア酸及びバロネア酸配糖体を得る方法について説明す
る。
【0022】バナバすなわちLagerstroemia speciosa
(L.)Pers.は、フトモモ目ミソハギ科に属する植物で
あり、これの葉や、花、或いは、これらと茎、木部、
根、実のいずれかの混合物などを抽出に用いることがで
きる。但し、バナバは、極めて多くの雑菌を含んでいる
ため、抽出処理を行う前に、オートクレーブ殺菌などの
加熱殺菌を充分に行う必要がある。特に、特許第281
8458号記載の特許発明の如く、乾燥させ破砕したバ
ナバ葉を加熱殺菌処理後、いったん細菌培養環境下で保
管し、その後加熱殺菌処理を行うのが好ましい。
【0023】加熱殺菌したバナバは、水(熱水含む)、
エタノールまたはアセトンなどで抽出し、次いで抽出に
よって得られた抽出液を液液分配並びにカラムクロマト
グラフィーなどによって分取し、バロネア酸及びバロネ
ア酸配糖体を精製すればよい。この際、抽出溶媒には下
記試験に示すようにアセトンを用いるのが好ましく、抽
出条件については限定しないが、抽出操作及び効率の点
で5〜100倍容の抽出溶媒にて、抽出温度50℃〜沸
点の下、抽出時間1分〜3日程度で抽出するのが望まし
い。飲料用に供する場合は、有効成分の抽出状況と抽出
液自体の食味を考慮に入れて抽出条件を適宜設定するの
が好ましい。液液分配及びカラムクロマトグラフィーに
よる分取については、例えば、抽出液を水に転溶し、酢
酸エチル、ブタノールで順次分配して「酢酸エチル相」
「ブタノール相」及び「水相」を得、その中の「酢酸エ
チル相」をカラムクロマトグラフィーで分離すればよ
い。
【0024】本発明の有効成分すなわちバロネア酸、バ
ロネア酸配糖体或いはこれらの混合物は、それぞれ単独
で本発明の有効成分として用いることもできるが、これ
らを従来公知或いは将来公知の消化酵素活性阻害物質等
と組み合わせて有効成分とすることにより消化酵素活性
阻害作用を相乗的に高めることが可能である。従来公知
の消化酵素活性阻害物質としては、例えば、小麦より抽
出した蛋白性物質(M.D.O'Donnell et.al., Biochemi.
Biophys. Acta 422 (1976) 159-169)、大豆由来の多糖
(特開平3−290187公報)、サトイモ(Colocasi
a esculenta)より抽出した蛋白性物質NSAI−I、
NSAI−II(特願平2−95992)、月桂樹(Laur
us nobilis L.)より抽出した粗エキス(特願平2−1
30852)、そのほか小麦アルブミン、桑属のアルカ
ロイド、ニシキギ科植物の含硫加工物、ナンバンカラス
ウリなどの天然物由来の消化酵素活性阻害物質を好まし
い例として挙げることができる。なお、単独の有効成分
として配合する場合、例えば、バロネア酸、バロネア酸
配糖体或いはこれらの混合物をそれぞれ、精製水又は生
理食塩水などに溶解して薬剤(経口投与剤)などとして
提供することができる。
【0025】本発明の糖質消化酵素阻害剤等はいずれも
経口投与剤として使用することができ、この場合それぞ
れの投与に適した配合及び剤型とするのが好ましい。剤
型について言えば、経口投与剤用として液剤、錠剤、散
剤、顆粒、糖衣錠、カプセル、懸濁液、乳剤、丸剤など
の形態に調製することができる。配合(製剤)について
言えば、通常用いられている賦形剤、増量剤、結合剤、
湿潤化剤、崩壊剤、表面活性剤、潤滑剤、分散剤、緩衝
剤、保存剤、溶解補助剤、防腐剤、矯味矯臭剤、無痛化
剤、安定化剤などを用いて常法により製造することがで
きる。また、例えば乳糖、果糖、ブドウ糖、でん粉、ゼ
ラチン、炭酸マグネシウム、合成ケイ酸マグネシウム、
タルク、ステアリン酸マグネシウム、メチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロースまたはその塩、アラビ
アゴム、ポリエチレングリコール、シロップ、ワセリ
ン、グリセリン、エタノール、プロピレングリコール、
クエン酸、塩化ナトリウム、亜硫酸ソーダ、リン酸ナト
リウムなどの無毒性の添加剤を配合することも可能であ
る。
【0026】また、本発明の糖質消化酵素阻害剤等は、
医薬品のほか、医薬部外品、薬理効果を備えた健康食品
・健康飲料・特定保健用食品・機能性食品、食品添加
剤、その他ヒト以外の動物に対する薬剤や飼料、飼料用
添加剤などとして提供することもできる。例えば、医薬
部外品として調製し、これを瓶ドリンク飲料等の飲用形
態、或いはタブレット、カプセル、顆粒等の形態とする
ことにより、より一層摂取し易くすることができる。薬
理効果を備えた健康食品・健康飲料・特定保健用食品・
機能性食品としては、例えば本発明の有効成分を、炭
酸、賦形剤(造粒剤含む)、希釈剤、或いは更に甘味
剤、フレーバー、小麦粉、デンプン、糖、油脂類等の各
種タンパク質、糖質原料やビタミン、ミネラルなどの飲
食品材料群から選ばれた一種或いは二種以上と混合した
り、或いは、現在公知の飲食品、例えばスポーツ飲料、
果実飲料、乳飲料、茶飲料、野菜ジュース、乳性飲料、
アルコール飲料、ゼリー、ゼリー飲料、炭酸飲料、チュ
ーインガム、チョコレート、キャンディ、ビスケット、
スナック、パン、乳製品、魚肉練り製品、畜肉製品、冷
菓、乾燥食品、サプリメント、ペットフード、飼料など
に添加して製造することができる。
【0027】上記本発明の糖質消化酵素阻害剤等は、肥
満や糖尿病などの栄養過多による悩みや疾病を予防する
ために食事の前に予め摂取するようにしても勿論よい
が、食事と同時に或いは食後に摂取するようにしても、
又、食事に混ぜて摂取するようにしてもよい。
【0028】本発明の摂取量は、使用方法、投与方法、
病気の重軽、摂取するヒト或いは動物の年齢等によって
も異なるが、一般的に言って、医薬品であれば、バロネ
ア酸は、大人ならば有効成分として一日当たり20mg
〜1,000mg、子供ならば6mg〜300mgが好
ましく、バロネア酸及びその配糖体は、大人ならば有効
成分として一日当たり40mg〜2,000mg、子供
ならば12mg〜600mgが好ましい。医薬品として
の有効成分の濃度は、バロネア酸としては、乾燥重量換
算にして0.01〜10重量%、中でも0.1〜5重量
%が好ましく、バロネア酸及びその配糖体としては、乾
燥重量換算にして0.004〜40重量%、中でも0.
04〜20重量%とするのが好ましい。他方、医薬品以
外については、バロネア酸は、大人ならば有効成分とし
て一日当たり20mg〜500mg、子供ならば6mg
〜150mgの摂取量が好ましく、バロネア酸及びその
配糖体としては、大人ならば40mg〜1,000m
g、子供ならば12mg〜300mgの摂取量が好まし
い。有効濃度は、バロネア酸としては、乾燥重量換算に
して0.01〜5重量%、中でも0.1〜2重量%が好
ましく、バロネア酸及びその配糖体としては、乾燥重量
換算にして0.004〜20重量%、中でも0.04〜
8重量%配合するのが好ましい。
【0029】(健康飲食物)本発明の健康飲食物は、バ
ロネア酸、バロネア酸配糖体、或いはこれらの混合物
を、デンプン(アミロース、アミロペクチン)、その他
のα−グルコシド結合を有する糖質を含有、好ましくは
当該糖質を主材とする飲食物素材に添加することにより
製造することができる。
【0030】この際のバロネア酸及びバロネア酸配糖体
は、上記と同様の方法により入手可能である。
【0031】α−グルコシド結合を有する糖質とは、デ
ンプン(アミロース、アミロペクチン)以外の糖質でも
構わない。要するに、本発明の有効成分はα−グルコシ
ド結合に作用するα―アミラーゼの酵素活性を阻害する
から、α−グルコシド結合を有する糖質であれば当該糖
質の消化・吸収を妨げることができる。
【0032】α−グルコシド結合を有する糖質を含有或
いは主材とする飲食物素材としては、野菜・果物ジュー
ス、お茶、乳飲料、乳性飲料、アルコール飲料などの飲
料、加工水産物、乳製品、カレーやシチューなどの調理
品、ご飯、麺類、菓子、パン、アイスクリーム、ペット
フード、飼料などを挙げることができる。また、デンプ
ンを多く含む飲食物のみでなく、食事の際に摂取する
茶、飲料、スープ、味噌汁なども好ましい。
【0033】なお、健康飲食物の調製に当たっては、常
法に従って、増量剤、賦形剤、炭酸、賦形剤(造粒剤含
む)、希釈剤、甘味剤、フレーバー、油脂類等の各種タ
ンパク質、ビタミン、ミネラルなど飲食品製造上許容さ
れ得る基剤や食品等を配合することは任意である。ま
た、健康飲食物中の有効成分の濃度は0.1〜2重量%
とするのが好ましい。
【0034】本発明の健康食品は、日常的に摂取してい
る飲食物の消化・吸収を阻害することができるから、日
常的に摂取している飲食物をダイエット食品や糖尿病患
者用の飲食物、その他の体質改善飲食物などに容易に改
良することができる。特にダイエット食品としては、摂
食しながらダイエットすることができる点で大きな効果
を期待することができる。
【0035】なお、上記医薬品、医薬部外品、薬理効果
を備えた健康食品・健康飲料・特定保健用食品・機能性
食品、食品添加剤、その他ヒト以外の動物に対する薬剤
や飼料、飼料用添加剤などにおいて、バロネア酸の定量
法は、バロネア酸そのものを高速液体クロマトグラフィ
ーを用いて定量分析する方法が好ましい。(分離条件:
グラジエント法、A液:アセトニトリル/水/酢酸=5/95
/0.1、B液:アセトニトリル/水/酢酸=50/50/0.1、カ
ラム:YMC J'sphere-H80、測定波長:254および350ナノ
メートル)。一方、バロネア酸配糖体の定量法について
は、ポリフェノール含量を測定する方法が有用である。
測定方法は科学的な根拠があれば特に限定されないが、
特に茶などのポリフェノール分析において公定分析法と
して採用されている酒石酸鉄比色法が簡便かつ信用でき
る点で好ましい。
【0036】以下、試験に基づいて本発明の構成及び効
果について考察する。
【0037】(試験材料の調製)フィリピン産バナバの
生葉を適宜量自然乃至強制的に乾燥、殺菌し、乾燥・殺
菌したバナバ葉を粉砕器で粉砕し、得られた粉砕バナバ
葉10gを熱水100mLで85℃・15分間抽出し、
得られた抽出物を濾過、冷却及び凍結乾燥して「熱水抽
出物」を得た。
【0038】他方、乾燥・殺菌したバナバ葉1kgを8
0%含水アセトン3Lで室温にて2回抽出し、得られた
抽出物を濃縮して「アセトン抽出物」を得た。この「ア
セトン抽出物」は更に水に転溶した後、酢酸エチル、ブ
タノールで順次分配し、「酢酸エチル相」「ブタノール
相」及び「水相」を得た。「酢酸エチル相」については
更に、カラム(MCI gel、20×300mm)に吸着させた後、
カラム体積4倍容の70%エタノール及び100%エタ
ノールを用いて溶出させた。70%エタノール画分をカ
ラムクロマトグラフィー(Sephadex LH20、20×300mm)
で分離後、展開溶媒にエタノール/メタノール系(10
0:0〜0:100)を用いて順次溶出させ、下記表1
の「酢酸エチル−1〜7」を得た。そして更に、「酢酸
エチル−4(エタノール/メタノール=40:60)」
については、高速液体クロマトグラフィー(C18、Capce
ll Pak、20×300mm、展開溶媒30%エタノール/0.
1%酢酸、流速8mL/min)で単離することにより
下記表2の「酢酸エチル−4-1(後にバロネア酸と同
定。)」を得る一方、バロネア酸以外の溶出液を濃縮、
凍結乾燥して「酢酸エチル−4-2」を得た。
【0039】(有効成分の活性評価)α-アミラーゼ阻
害試験は、Klein et al.1)の方法に従い測定した。すな
わち、酵素としてブタ膵液由来のα-アミラーゼ(Sigma
社製)を、基質にStarch azure(Sigma社製)を用いた。
25mL容の三角フラスコに200mgの基質及び4.
5mLの20mM塩化ナトリウムを含む40mMリン酸
緩衝液(pH7.0)を加え、40℃に保温した。50
μLの酵素溶液と50μLの試料とを200μg/ml
又は100μg/mlとなるように加え、振盪させ(8
0ストローク/min)15分間反応させた。この際、
下記表1の試料(酢酸エチル−1〜7等)については2
00μg/mlとなるように加え、下記表2の試料(酢
酸エチル−4−1〜2等)については100μg/ml
となるように加えた。上記の如く試料を加えた後、2.
4mLの100mMリン酸緩衝液(pH4.3)を加え
て反応を停止させ、フラスコの内容物をよく攪拌した
後、15mL遠沈管に移し、遠心分離後、上清の625
nmの吸光度を測定し、下記式(KleinB, Foreman JA,
Searcy RL(1969) The synthesis and utilization of c
ibachron blue-amylase: A new chromogenic substrate
for determination of amylaseactivity. Anal Bioche
m 31:412-25)にてα-アミラーゼ阻害率(%)を求め
た。
【0040】
【数1】
【0041】上記式において、 A:試料溶液を加えない対照溶液の吸光度 B:対照溶液のブランク C:試料溶液の吸光度 D:試料溶液のブランク である。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】上記画分の中で最もアミラーゼ阻害率
(%)の高かった「酢酸エチル−4−1」について機器
分析を行ったところ“バロネア酸”であることが判明し
た。なお、この際の機器分析は、分離条件:グラジエン
ト法、A液:アセトニトリル/水/酢酸=5/95/
0.1、B液:アセトニトリル/水/酢酸=50/50
/0.1、カラム:C18逆相カラム(YMC J'sphere-H
80,測定波長:254および350nm、流速1ml/
min)の条件で行った。
【0045】(実施例1)バロネア酸、ビタミンC、重
曹を配合した調合液を再度95℃に加熱し、缶に充填し
レトルト殺菌し、下記配合の糖質消化酵素阻害剤、血糖
値上昇抑制剤、肥満治療予防剤又は糖尿病治療予防剤を
作成した。
【0046】 全量 200mL バロネア酸を含むバナバ抽出物 ・・300mg ビタミンC ・・ 40mg 重曹 ・・ 40mg 香料 ・・ 適量 水 ・・ 適量
【0047】(実施例2)バロネア酸及びバロネア酸配
糖体混合物、ビタミンC、重曹を配合した調合液を再度
95℃に加熱し、缶に充填しレトルト殺菌し、下記配合
の糖質消化酵素阻害剤、血糖値上昇抑制剤、肥満治療予
防剤又は糖尿病治療予防剤を作成した。
【0048】 全量 200mL バロネア酸及びバロネア酸配糖体混合物 ・・100mg ビタミンC ・・ 40mg 重曹 ・・ 40mg 香料 ・・ 適量 水 ・・ 適量
【0049】(実施例3)下記配合で、健康飲食物(ジ
ュース)を作成した。
【0050】 全量 200mL バロネア酸 ・・ 50mg みかん果汁 ・・ 20g ショ糖 ・・ 20g クエン酸 ・・ 2g ビタミンC ・・ 適量 香料 ・・ 適量 水 ・・ 適量
【0051】(実施例4)下記配合で、健康飲食物(パ
ン)を作成した。
【0052】 バロネア酸及びバロネア酸配糖体 ・・600mg 強力粉 ・・300g 砂糖 ・・ 15g 塩 ・・ 6g スキムミルク ・・ 6g ドライイースト ・・ 6g 水 ・・195g ショートニング ・・ 15g
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 35/78 A61P 3/04 4C088 A61P 3/04 3/06 3/06 43/00 111 43/00 111 C07D 493/06 C07D 493/06 C12N 9/99 C12N 9/99 C07H 13/08 // C07H 13/08 17/04 17/04 A23L 2/00 F (72)発明者 細山 広和 静岡県榛原郡相良町女神21番地 株式会社 伊藤園内 (72)発明者 杉本 明夫 静岡県榛原郡相良町女神21番地 株式会社 伊藤園内 (72)発明者 永田 幸三 静岡県榛原郡相良町女神21番地 株式会社 伊藤園内 (72)発明者 角田 隆巳 静岡県榛原郡相良町女神21番地 株式会社 伊藤園内 Fターム(参考) 4B017 LC03 LC04 LK06 4B018 MD07 MD42 ME01 ME03 ME04 4C057 BB02 CC01 DD01 KK02 KK11 4C071 AA02 BB01 BB06 CC12 EE07 FF17 HH09 JJ01 LL01 4C086 AA01 AA02 CA01 EA11 MA01 MA04 NA14 ZA70 ZC20 ZC35 4C088 AB71 AC04 ZA70 ZC20 ZC35

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バロネア酸を有効成分として含有する糖
    質消化酵素阻害剤。
  2. 【請求項2】 バロネア酸配糖体を有効成分として含有
    する糖質消化酵素阻害剤。
  3. 【請求項3】 バロネア酸配糖体は、次の式(式中、R
    1〜R4の少なくともいずれか一つが糖であって、R1
    〜R4の残りが水素原子、炭素数1以上を有する官能
    基、糖のいずれかである。)で表されるものである請求
    項2に記載の糖質消化酵素阻害剤。 【化1】
  4. 【請求項4】 バロネア酸、バロネア酸配糖体のいずれ
    か、或いはこれらの混合物を有効成分として含有する血
    糖値上昇抑制剤。
  5. 【請求項5】 バロネア酸、バロネア酸配糖体のいずれ
    か、或いはこれらの混合物を有効成分として含有する肥
    満治療予防剤。
  6. 【請求項6】 バロネア酸、バロネア酸配糖体のいずれ
    か、或いはこれらの混合物を有効成分として含有する糖
    尿病治療予防剤。
  7. 【請求項7】 バロネア酸、バロネア酸配糖体のいずれ
    か或いはこれらの混合物を、α−グルコシド結合を有す
    る糖質を含有する飲食物素材に添加してなる健康飲食
    物。
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