JP2011132173A - キサンチンオキシダーゼ阻害剤及び尿酸生成阻害剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】キサンチンオキシダーゼ活性阻害効果を有するキサンチンオキシダーゼ阻害剤、及び尿酸生成阻害効果を有する尿酸生成阻害剤を提供する。
【解決手段】ピメントールを有効成分として含有する、キサンチンオキシダーゼ阻害剤及び尿酸生成合成阻害剤。
【選択図】なし
【解決手段】ピメントールを有効成分として含有する、キサンチンオキシダーゼ阻害剤及び尿酸生成合成阻害剤。
【選択図】なし
Description
本発明は、キサンチンオキシダーゼ阻害剤及び尿酸生成阻害剤に関する。
尿酸は遺伝情報の担体である核酸やエネルギーの担体であるATPに由来する代謝産物であり、哺乳類等においてプリン化合物の最終分解産物として排泄される。この代謝のメカニズムとしては、ヒポキサンチンがキサンチンに変換され、キサンチンが尿酸に変換される。この反応はキサンチンオキシダーゼが触媒する。
キサンチンオキシダーゼによるプリン化合物の代謝異常が起こるとさまざまな疾病を引き起こす。その1つとしては、高尿酸血症が挙げられる(非特許文献1)。通常、摂氏37度での血漿中の尿酸ナトリウムの飽和溶解度は7mg/dLとされている。従って、尿酸の血中濃度が7mg/dLを超えると体内で尿酸結晶が析出する可能性が出てくる。このように、尿酸の血中濃度が7mg/dLを超える症状を高尿酸血症という。また、プリン化合物の代謝異常は痛風の原因ともなる。尿酸の血中濃度が高い状態が継続すると関節内又は関節周囲に尿酸塩の結晶が沈着する。この現象により、急性関節炎発作、痛風結節、関節機能障害、関節の変形等の症状をきたす。この症状を痛風といい、腎障害、血管障害等、多くの合併症を引き起こす病気である。さらに、尿酸は循環器疾患の危険因子(非特許文献2〜7)であり、血中尿酸値が増加すると、高血圧(非特許文献8〜11)などの循環器疾患を引き起こすことが知られている。
従来、痛風及び高尿酸血症患者は我が国ではそれほど多くなかった。そのため、痛風及び高尿酸血症の予防に関心が持たれることも少なかった。しかしながら、近年、生活様式が急速に変化し、食生活においても高カロリー、高タンパク、高脂肪の食事をとる人が増加している。さらに、ストレスの増加等に伴い痛風発症例が増加しつつある。このため、痛風又は高尿酸血症の予防と改善に対する関心が高まっている。
これまでに、血中尿酸量の高値によって引き起こされる高尿酸血症、痛風又は循環器疾患を改善又は予防するために、尿酸排泄剤「プロベネシド(商品名)」や尿酸生成抑制剤「アロプリノール(商品名)」などが提供されている。しかし、それらの効果が一過性であることや、胃腸障害、発疹、白血球減少、血小板減少、肝障害、腎障害などの副作用を伴うこと等の問題点がある。したがって、高尿酸血症、痛風又は循環器疾患等の疾病を予防又は改善するために、体内中で尿酸の生成を阻害し、血中尿酸値を適正な値に制御又は低下させることが求められている。
これまでに、ケルセチンの配糖体又は茶カテキン類を含有するキサンチンオキシダーゼ阻害剤又は尿酸生成阻害剤が知られている(例えば、特許文献1〜2参照)。しかし、これらのキサンチンオキシダーゼ阻害剤又は尿酸生成阻害剤では効果が不十分であった。
さらに、バリニン又は下記式で表される配糖体を有効成分とする活性酸素補足組成物が知られている(例えば、特許文献3)。また、キサンチンオキシダーゼとキサンチンとの反応によっても、活性酸素が副生する。しかし、生体内で既に発生した活性酸素を補足・消去して生体の酸化傷害を防御するメカニズムと、生体内でキサンチンオキシダーゼによってキサンチンから尿酸への変換を阻害し、活性酸素生成及び尿酸生成を抑制するメカニズムとは、全く異なるメカニズムである。さらに、このように生体内でのメカニズムが異なるため、活性酸素が引き起こすことが知られている疾病は老化、発癌、白内障、虚血性疾患であり、キサンチンの代謝異常によって引き起こす前記疾病とは全く異なる。
小笠原 正志ら、「プリン・ピリミジン代謝」、1994年、第18巻、第1号、p.1〜10
Franse L.V.ら、「J Hypertens」、2000年、第18巻、p.1149〜1154
Fang J.ら、「JAMA」、2000年、第283巻、第18号、p.2404〜2410
富田 真佐子ら、「プリン・ピリミジン代謝」、1998年、第22巻、第1号、p.133〜139
Hakoda M.ら、「J Rheumatol」、2005年、第32巻、p.906〜912
Alderman M.H.ら、「Hypertention」、1999年、第34巻、p.144〜150
Verdecchia P.ら、「Hypertention」、2000年、第36巻、p.1072〜1078
Johonson R.J.ら、「Hypertention」、2005年、第45巻、p.18〜20
Feig D.I.ら、「Kidney Int」、2004年、第66巻、p.281〜287
Mahomed F.A.「Lancet」、1879年、第1巻、p.399〜401
Haig A.ら、「British Medical Journal」、1889年、第1巻、p.288〜291
本発明は、優れたキサンチンオキシダーゼ活性阻害効果を有するキサンチンオキシダーゼ阻害剤を提供することを課題とする。また、本発明は、優れた尿酸生成阻害効果を有する尿酸生成阻害剤を提供することを課題とする。また、本発明は、連用しても副作用の恐れがなく、効果的で安全性の高い、痛風、高尿酸血症又は循環器疾患の改善又は予防効果を有する、痛風、高尿酸血症又は循環器疾患の改善又は予防剤を提供することを課題とする。さらに、本発明は、キサンチンオキシダーゼ活性阻害効果、尿酸生成阻害効果、及び/又は痛風、高尿酸血症若しくは循環器疾患の改善若しくは予防効果を有する、食品及び飲料を提供することを課題とする。
本発明者等は上記課題に鑑み、下記式で表されるピメントールが、尿酸の生成を抑制すること及びキサンチンオキシダーゼ活性阻害活性を有することを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
本発明は、ピメントールを有効成分として含有するキサンチンオキシダーゼ阻害剤に関する。
また、本発明は、ピメントールを有効成分として含有する尿酸生成阻害剤に関する。
また、本発明は、ピメントールを有効成分として含有する痛風又は高尿酸血症の改善又は予防剤に関する。
また、本発明は、ピメントールを有効成分として含有する循環器疾患の改善又は予防剤に関する。
さらに、本発明は、前記キサンチンオキシダーゼ阻害剤又は前記尿酸生成阻害剤を有効成分として含有する飲食品に関する。
本発明のキサンチンオキシダーゼ阻害剤は、優れたキサンチンオキシダーゼ活性阻害効果を有する。また、本発明の尿酸生成阻害剤は、優れた尿酸生成阻害効果を有する。また、本発明の痛風、高尿酸血症又は循環器疾患の改善又は予防剤は、連用しても副作用の恐れがなく、効果的で安全性が高く、優れた痛風、高尿酸血症又は循環器疾患の改善又は予防効果を有する。さらに、本発明の食品及び飲料は、優れたキサンチンオキシダーゼ活性阻害効果、尿酸生成阻害効果、及び/又は痛風、高尿酸血症若しくは循環器疾患の改善若しくは予防効果を有する。
本発明におけるピメントールとは、下記式で表される化合物である。
本発明のキサンチンオキシダーゼ阻害剤及び尿酸生成阻害剤等に使用するピメントールは、ピメントールを含有する植物を抽出することにより得ることもできる。本発明において、前記植物はピメントールを含有する限り特に制限はなく、ピメンタ(Pimenta officinalis)、ロザリナ(Melaleuca ericifolia)等が挙げられる。本発明において、ピメントールを得るためにピメンタを抽出することが好ましい。
ピメンタはオールスパイスとも呼ばれ、ジャマイカ原産で、フトモモ(Myrtaceae)科ピメント(Pimenta)属の常緑高木の果実又は葉を指し、従来、香辛料として主に用いられてきたものある。ロザリナは、フトモモ(Myrtaceae)科メラレウカ(Melaleuca)属の常緑小高木であり、水蒸気蒸留品はエッセンシャルオイルとして使用される。従来、香辛料等、食用、エッセンシャルオイルとして用いられているピメンタ又はロザリナからピメントールを抽出し、抽出したピメントールからキサンチンオキシダーゼ阻害剤及び尿酸生成阻害剤を調製することで、連用しても副作用がなく、安全性の高い、痛風、高尿酸血症又は循環器疾患の改善又は予防効果を発揮する医薬、食品及び飲料を提供することができる。
ピメントールを得るために、ピメンタ又はロザリナの全ての任意の部分が使用可能である。例えば、前記植物の全木、全草、根、根茎、幹、枝、茎、葉、樹皮、樹液、樹脂、花、果実、種子、果皮、莢、芽、花穂、心材等の任意の部分、及びそれらの組み合わせのいずれか1種又は複数種を使用することができる。
本発明において、ピメントールを得るために、ピメンタの果実を抽出することが好ましい。また、本発明において、ピメントールを得るために、ロザリナの葉を抽出することも好ましい。
本発明において、ピメントールを得るために、ピメンタの果実を抽出することが好ましい。また、本発明において、ピメントールを得るために、ロザリナの葉を抽出することも好ましい。
本発明において、ピメントールを前記植物のいずれか1種から抽出してもよいし、前記植物を組み合わせて用いてピメントールを抽出してもよい。
ピメントールを含有する植物の抽出物とは、当該植物を一定温度(低温、常温又は加温)下にて抽出すること;又はソックスレー抽出器等の抽出器具を用いて抽出すること等の抽出手段により得られる各種溶剤抽出液、その希釈液、その濃縮液又はその粉末を意味するものである。抽出手段は、具体的には、固液抽出、液液抽出、浸漬、煎出、浸出、還流抽出、超音波抽出、マイクロ波抽出、攪拌等の手段を用いることができる。
具体的には、ピメントールを含有する植物を乾燥させた乾燥物、その粉砕物、それら自身を圧搾抽出することにより得られる搾汁、水、又はアルコール、エーテル及びアセトンなどの有機溶媒による粗抽出物、並びに粗抽出物を分配又はカラムクロマトなどの各種クロマトグラフィーなどで精製して得られた抽出物画分などを用いることができる。これらは単独で用いても良く、また2種以上混合して用いても良い。本発明においては、ピメントールを含有する植物を乾燥させた乾燥物又はその粉砕物から、水、アルコール、又はこれらの混合液を用いて得られた抽出物を用いることが好ましい。
具体的には、ピメントールを含有する植物を乾燥させた乾燥物、その粉砕物、それら自身を圧搾抽出することにより得られる搾汁、水、又はアルコール、エーテル及びアセトンなどの有機溶媒による粗抽出物、並びに粗抽出物を分配又はカラムクロマトなどの各種クロマトグラフィーなどで精製して得られた抽出物画分などを用いることができる。これらは単独で用いても良く、また2種以上混合して用いても良い。本発明においては、ピメントールを含有する植物を乾燥させた乾燥物又はその粉砕物から、水、アルコール、又はこれらの混合液を用いて得られた抽出物を用いることが好ましい。
本発明で用いられるピメントールを得るためにピメントールを含有する植物を抽出する時間及び温度については特に制限はない。抽出時間については、30分〜20日が好ましく、1日〜10日がより好ましい。抽出温度については、0〜100℃が好ましく、10〜70℃がより好ましい。
本発明において、ピメントールを含有する植物を抽出し、ピメントールを活性の主体成分として含有する溶出画分(以下、「活性画分」とも云う)をそのまま用いてもよいし、活性画分からピメントールを単離/精製して用いてもよい。
本発明において、ピメントールの中間体を植物から抽出し、次いで化学合成によりピメントールを合成して用いても良い。例えば、茶の一種(Camellia taliensis)等から得られる6−O−ガロイル−β−D−グルコピラノース(例えば、Gao D-F.ら、「Journal of Agricultural food chemistry」、2008年、第56巻、p.7517〜7521参照)をグリコシルドナーとし、1−ヒドロキシオイゲノールとのグリコシル化反応により、ピメントールを得ることができる。
本発明に用いるピメントールは、Hasegawa T.ら、「Phytochemistry」、2008年、第69巻、p.747〜753及びMamouni R.ら、「Tetrahedron Letters」、2004年、第45巻、p.2631〜2633等を参考に化学合成することができる。例えば、1−ヒドロキシオイゲノールとグルコース由来のグリコシルドナーを用いたグリコシル化反応を行い、続いて没食子酸を縮合することにより合成することができる。
本発明において、前記製造法により得られたピメントールをそのままキサンチンオキシダーゼ阻害剤又は尿酸生成阻害剤として用いてもよいし、活性炭処理、液体クロマトグラフィー、液々分配、ゲルろ過、精密蒸留等の分離精製技術に供し、不活性な夾雑物等を除去し、ピメントールを精製及び単離してキサンチンオキシダーゼ阻害剤又は尿酸生成阻害剤に用いてもよい。
上記の製造法により得られたピメントールはそのままキサンチンオキシダーゼ阻害剤又は尿酸生成阻害剤として用いてもよい。又は、例えば酸化チタン、炭酸カルシウム、蒸留水、乳糖、デンプン等の適当な液体又は固体の賦形剤又は増量剤を加えてキサンチンオキシダーゼ阻害剤又は尿酸生成阻害剤として用いてもよい。この場合、キサンチンオキシダーゼ阻害剤又は尿酸生成阻害剤中のピメントールの配合量は特に制限されないが、ピメントールが固形分濃度として0.0001〜100質量%含まれるのが好ましく、0.001〜80質量%含まれるのがより好ましく、0.01〜80質量%含まれるのがさらに好ましい。
ピメントールは、キサンチンオキシダーゼ阻害活性及び尿酸生成阻害活性を有している。したがって、ピメントールは、痛風、高尿酸血症又は高血圧症などの循環器疾患の予防、発症可能性の低下又は改善を目的とした医薬として使用可能である。さらに、ピメントールを含有する食品及び飲料は、キサンチンオキシダーゼ阻害効果、尿酸生成阻害効果、血中尿酸上昇抑制効果、又は痛風、高尿酸血症若しくは循環器疾患の改善、予防若しくは発症可能性の低下効果を有する。ピメントールがキサンチンオキシダーゼ阻害活性を有することは、従来全く知られておらず、本発明者等により得られた新しい知見である。
ピメントールを有効成分として含有するキサンチンオキシダーゼ阻害剤及び尿酸生成阻害剤は、そのままで本発明の飲料又は食品として用いてもよいし、飲料又は食品の添加剤又は配合剤として用いてもよい。本発明において、飲料又は食品の添加剤又は配合剤とは、香料、色素、酸化防止剤など、飲料又は食品に通常用いられる添加剤又は配合剤に、ピメントールを有効成分として含有するキサンチンオキシダーゼ阻害剤又は尿酸生成阻害剤を混合したものをいう。
本発明のキサンチンオキシダーゼ阻害剤又は尿酸生成阻害剤をそのまま痛風、高尿酸血症又は循環器疾患の改善又は予防剤とすることもできる。あるいは、本発明のキサンチンオキシダーゼ阻害剤又は尿酸生成阻害剤を有効成分として含有させ、他の成分とを配合して痛風、高尿酸血症又は循環器疾患の改善又は予防剤とすることもできる。
本発明の痛風、高尿酸血症又は循環器疾患の改善又は予防剤は、必要により各種添加剤を配合しピメントールを適量含有させて、各種剤形の医薬として調製することができる。例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤、エキス剤等の経口医薬として、又は、軟膏、眼軟膏、ローション、クリーム、貼付剤、坐剤、点眼薬、点鼻薬、注射剤といった非経口医薬として調製することができる。これらの医薬は、各種添加剤を用いて常法に従って製造すればよい。使用する添加剤には特に制限はなく、通常用いられているものを使用することができる。その例としては、デンプン、乳糖、白糖、マンニトール、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩等の固形担体、蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、エタノール等のアルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の液体担体、各種の動植物油、白色ワセリン、パラフィン、ロウ類等の油性担体、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、結合剤、等張化剤等が挙げられる。
本発明の痛風、高尿酸血症又は循環器疾患の改善又は予防剤において、ピメントールの混合比率に特に制限はなく、ピメントールが固形分濃度として0.0001〜100質量%混合されているのが好ましく、0.001〜80質量%混合されているのがより好ましく、0.01〜80質量%混合されているのがさらに好ましい。
本発明の痛風、高尿酸血症又は循環器疾患の改善又は予防剤の有効投与量は、患者の年齢、体重、症状、患者の程度、投与経路、投与スケジュール、製剤形態、素材の阻害活性の強さなどにより、適宜選択、決定される。例えば、経口投与の場合、一般に1日当たり0.0001〜10g/kg体重が好ましく、1日数回に分けて投与してもよい。
ピメントールを有効成分として含有するキサンチンオキシターゼ阻害剤又は尿酸生成阻害剤は、そのまま食品又は飲料とすることができる。さらに、ピメントールを有効成分として含有するキサンチンオキシターゼ阻害剤又は尿酸生成阻害剤を添加剤として含有する食品又は飲料を提供することができる。前記化合物を含有する本発明の食品又は飲料はキサンチンオキシダーゼ阻害効果、尿酸生成阻害効果及び血中尿酸上昇抑制効果を有し、さらには痛風、高尿酸血症及び高血圧症等の循環器疾患の改善、予防及び発祥可能性の低下効果を有する。そのため、ピメントールを含有する本発明の食品又は飲料は、キサンチンオキシダーゼ阻害効果、尿酸生成阻害効果、血中尿酸上昇抑制効果又は痛風、高尿酸血症若しくは高血圧症等の循環器疾患の改善、予防若しくは発祥可能性の低下効果をコンセプトとし、必要に応じてその旨を表示した機能性飲食品、病者用飲食品、特定保健用食品に応用できる。また、本発明のキサンチンオキシダーゼ阻害剤及び尿酸生成阻害剤は前述した機能性飲食品、病者用飲食品、特定保健用食品の製造の為に使用することができる。
本発明のキサンチンオキシダーゼ阻害剤又は尿酸生成阻害剤を有効成分として含有する食品は、ピメントールを有効成分として含有するキサンチンオキシターゼ阻害剤又は尿酸生成阻害剤に適当な助剤を添加した後、通常の手段を用いて、食用に適した形態、例えば、顆粒状、粒状、錠剤、カプセル、ペーストなどに成形して提供することができる。また、本発明の食品は、飴、トローチ、ガム、ヨーグルト、アイスクリーム、プリン、ゼリー、水ようかん等に対して、ピメントールを有効成分として含有するキサンチンオキシターゼ阻害剤又は尿酸生成阻害剤を適量含有させて提供することができる。これらの食品は、必要により各種添加剤を配合し、常法に従って提供することができる。
本発明の飲料は、アルコール飲料、コーヒー飲料、ジュース、果汁飲料、炭酸飲料、清涼飲料水、牛乳、乳清飲料、乳酸菌飲料等に対してピメントールを有効成分として含有するキサンチンオキシダーゼ阻害剤又は尿酸生成阻害剤を適量含有させて提供することができる。これらの飲料は、必要により各種添加剤を配合し、常法に従って得ることができる。
これらのキサンチンオキシダーゼ阻害剤又は尿酸生成阻害剤を有効成分として含有する食品又は飲料は、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイド、ルブソサイド、コーンシロップ、乳糖、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、L−アスコルビン酸、dl−α−トコフェノール、エリソルビン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルアラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB類、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、色素、香料、保存剤等、通常の食品又は飲料に使用されている添加剤を適宜配合して、常法に従って製造することができる。
本発明のキサンチンオキシダーゼ阻害剤又は尿酸生成阻害剤を有効成分として含有する食品又は飲料において、ピメントールの混合比率に特に制限はなく、0.0001〜100質量%混合されているのが好ましく、0.001〜80質量%混合されているのがより好ましく、0.01〜80質量%混合されているのがさらに好ましい。
本発明のキサンチンオキシダーゼ阻害剤又は尿酸生成阻害剤を有効成分として含有する食品、飲料又は医薬を調製する際、他のキサンチンオキシダーゼ阻害作用又は尿酸生成阻害作用を奏する抽出物(例えば、ローズマリー、ペパーミントなどの抽出物(特開2003−252776参照)や化合物を併せて用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(製造例) ピメントールの製造
オールスパイス(フトモモ科Pimenta dioica Merrillの果実、ジャマイカ産、栃本天海堂より入手)100gをミルにて粉砕した後、50%エタノール水1Lを加え、室温下、7日間浸漬抽出した。不溶物をろ別したのち、減圧濃縮、凍結乾燥を行い、粗抽出物13gを得た。
このうち、粗抽出物7gを水200mLに溶解し、酢酸エチル200mLで抽出した。水層には、さらに酢酸エチル200mLを加え、分液操作を行った。得られた酢酸エチル層を濃縮し、酢酸エチル画分(OSP−A画分)1.6gを得た。
オールスパイス(フトモモ科Pimenta dioica Merrillの果実、ジャマイカ産、栃本天海堂より入手)100gをミルにて粉砕した後、50%エタノール水1Lを加え、室温下、7日間浸漬抽出した。不溶物をろ別したのち、減圧濃縮、凍結乾燥を行い、粗抽出物13gを得た。
このうち、粗抽出物7gを水200mLに溶解し、酢酸エチル200mLで抽出した。水層には、さらに酢酸エチル200mLを加え、分液操作を行った。得られた酢酸エチル層を濃縮し、酢酸エチル画分(OSP−A画分)1.6gを得た。
得られたOSP−A画分1.3gについて、シリカゲルカラムクロマト分画を行なった。具体的には、ULTRAPAC Si−40B(商品名、26×300mm、山善社製)を用い、溶離液(ヘキサン/酢酸エチル/メタノール)にて、OSP−A画分を6画分(OSP−A1〜A6画分)に分画した(OSP−A1画分(固形分:37mg)、OSP−A2画分(固形分:523mg)、OSP−A3画分(固形分:34mg)、OSP−A4画分(固形分:102mg)、OSP−A5画分(固形分:145mg)、OSP−A6画分(固形分:478mg))。各画分の分取条件を下記に示す。
(分取条件概要)
カラム:ULTRAPAC Si−40B、(商品名、26×300mm、山善社製)
溶媒:A ヘキサン、B 酢酸エチル、C メタノール
溶出条件: 0分(A:100%、B: 0%、C: 0%)→
200分(A: 0%、B:100%、C: 0%)→
240分(A: 0%、B: 0%、C:100%)
流速:7.5mL/min
分画:OSP−A1: 0〜 54mL
OSP−A2: 55〜 62mL
OSP−A3: 63〜 78mL
OSP−A4: 79〜136mL
OSP−A5:137〜216mL
OSP−A6:217〜242mL
カラム:ULTRAPAC Si−40B、(商品名、26×300mm、山善社製)
溶媒:A ヘキサン、B 酢酸エチル、C メタノール
溶出条件: 0分(A:100%、B: 0%、C: 0%)→
200分(A: 0%、B:100%、C: 0%)→
240分(A: 0%、B: 0%、C:100%)
流速:7.5mL/min
分画:OSP−A1: 0〜 54mL
OSP−A2: 55〜 62mL
OSP−A3: 63〜 78mL
OSP−A4: 79〜136mL
OSP−A5:137〜216mL
OSP−A6:217〜242mL
各画分について、下記に示すキサンチンオキシダーゼ活性評価方法により、キサンチンオキシダーゼ阻害率を算出した。
(キサンチンオキシダーゼ活性評価方法)
ヒポキサンチン(和光純薬工業製、濃度:100μM/L)及びキサンチンオキシダーゼ(バターミルク由来;和光純薬工業製、濃度:0.01unit/mL)をリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.6、反応液中濃度:25mM/L)に溶解し、試料溶液を調製した。この試料溶液に、各画分を下記に示す濃度で添加し、各成分を反応させた。室温で反応液を30分間反応させた後、0.3mol/Lの過塩素酸を反応液に対して半分量を加えることで反応を停止させた。
反応停止後、0.2mol/Lの燐酸二水素ナトリウムを上記反応液に対して半分量を加え、HPLC用試料とした。得られたHPLC用試料中に含まれる尿酸量を、HPLCシステム(島津製作所製)を用い測定した。HPLCシステムの概要は下記に記す。
ヒポキサンチン(和光純薬工業製、濃度:100μM/L)及びキサンチンオキシダーゼ(バターミルク由来;和光純薬工業製、濃度:0.01unit/mL)をリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.6、反応液中濃度:25mM/L)に溶解し、試料溶液を調製した。この試料溶液に、各画分を下記に示す濃度で添加し、各成分を反応させた。室温で反応液を30分間反応させた後、0.3mol/Lの過塩素酸を反応液に対して半分量を加えることで反応を停止させた。
反応停止後、0.2mol/Lの燐酸二水素ナトリウムを上記反応液に対して半分量を加え、HPLC用試料とした。得られたHPLC用試料中に含まれる尿酸量を、HPLCシステム(島津製作所製)を用い測定した。HPLCシステムの概要は下記に記す。
(HPLCシステム概要)
システムコントローラー:SCL−10A(商品名、島津製作所製)
カラムオーブン:CTO−10A(商品名、島津製作所製)
ポンプ:LC−10AD(商品名、島津製作所製)
オートサンプラー:SIL−10A(商品名、島津製作所製)
ディテクター:SPD−10A(商品名、島津製作所製)
システムコントローラー:SCL−10A(商品名、島津製作所製)
カラムオーブン:CTO−10A(商品名、島津製作所製)
ポンプ:LC−10AD(商品名、島津製作所製)
オートサンプラー:SIL−10A(商品名、島津製作所製)
ディテクター:SPD−10A(商品名、島津製作所製)
上記HPLC用試料50μLをカラム(商品名、Inertsil ODS−3(粒子径5μm、内径4.6mm、長さ250mm、ジーエルサイエンス製))に注入し、カラム温度摂氏40度下で、溶離液(5%メタノール、60mM燐酸、14mM燐酸水素二ナトリウム(pH2.2))を用い、流速1.0mL/minで溶離した。265nmの吸光度を測定することで生成した尿酸量の測定を行った。
対照実験として、前記粗抽出物及びOSP−A画分についても同様に、生成した尿酸量をHPLCにて測定した。
対照実験として、前記粗抽出物及びOSP−A画分についても同様に、生成した尿酸量をHPLCにて測定した。
評価画分を添加したときのキサンチンオキシダーゼ阻害活性(尿酸生成阻害活性)は、次式に従い算出した。
キサンチンオキシダーゼ阻害活性(キサンチンオキシダーゼ阻害率)(%)={(B−A)/B}×100
ここで、Aは評価画分を添加したときの尿酸の生成量を示し、Bは評価画分を添加しなかったときの尿酸の生成量を示す。
結果を表1に示す。
キサンチンオキシダーゼ阻害活性(キサンチンオキシダーゼ阻害率)(%)={(B−A)/B}×100
ここで、Aは評価画分を添加したときの尿酸の生成量を示し、Bは評価画分を添加しなかったときの尿酸の生成量を示す。
結果を表1に示す。
表1に示すように、OSP−A6画分に特に高いキサンチンオキシダーゼ阻害活性が認められた。なお、上記抽出物又は画分と酵素(キサンチンオキシダーゼ)を含まない反応液では、尿酸が生成されないことを別途確認した。
得られたOSP−A6画分のうち400mgをSephadex LH−20(商品名、15×500mm、GEヘルスケア社製)カラムに吸着させ、50%メタノール水360mLにて溶出して得られた画分をOSP−A6a画分(固形分:282.6mg)とした。次に、メタノール180mLにて溶出して得られた画分をOSP−A6b画分(固形分:70.7mg)とした。次に、70%アセトン水360mLにて溶出して得られた画分をOSP−A6c画分(固形分:28.7mg)とした。次に、エタノール450mLで溶出して得られた画分をOSP−A6d画分(固形分:1.8mg)とした。このようにして得られた各画分について、前記キサンチンオキシダーゼ活性評価方法によりキサンチンオキシダーゼ阻害率を算出した。その結果を表2に示す。
表2に示すように、OSP−A6a画分に特に高いキサンチンオキシダーゼ阻害活性が認められた。なお、上記画分と酵素(キサンチンオキシダーゼ)を含まない反応液では、尿酸が生成されないことを別途確認した。
OSP−A6a画分80mgをODSカラム(Inertsil ODS−3、20×250mm、ジーエルサイエンス社製)を備えた高速液体クロマトグラフィーに5回に分けて供し、図1に示すように、吸光度を測定しながらOSP−A6a1画分(固形分:15.7mg)、OSP−A6a2画分(固形分:14.3mg)、OSP−A6a3画分(固形分:15.3mg)、OSP−A6a4画分(固形分:12.6mg)、OSP−A6a5画分(固形分:13.3mg)の5画分を得た。各画分の分取条件を下記に示す。
(分取条件)
カラム:Inertsil ODS−3(商品名、20×250mm、ジーエルサイエンス社製)
溶媒:A 水、B アセトニトリル
溶出条件:0分(B 20%)→30分(B 50%)
流速:18.9mL/min
検出:280nm
カラム:Inertsil ODS−3(商品名、20×250mm、ジーエルサイエンス社製)
溶媒:A 水、B アセトニトリル
溶出条件:0分(B 20%)→30分(B 50%)
流速:18.9mL/min
検出:280nm
各画分について、前記キサンチンオキシダーゼ活性評価方法によりキサンチンオキシダーゼ阻害率を算出した。その結果を表3に示す。
表3に示すように、各画分の活性評価の結果、OSP−A6a3画分に活性が認められた。なお、上記画分と酵素(キサンチンオキシダーゼ)を含まない反応液では、尿酸が生成されないことを別途確認した。
OSP−A6a3画分について以下の条件で成分分析を行った。その結果を図2に示す。
(分析条件)
カラム:Shim−pack XR−ODS 2.2mm(商品名、3.0×50mm、島津製作所製)
溶媒:A 0.1%トリフルオロ酢酸水溶液、B アセトニトリル
溶出条件:0分(B 10%)→10分(B 50%)
流速:1mL/min
検出:280nm
図2に示すように、OSP−A6a3画分に含まれる成分は単一の成分であることを確認した。
(分析条件)
カラム:Shim−pack XR−ODS 2.2mm(商品名、3.0×50mm、島津製作所製)
溶媒:A 0.1%トリフルオロ酢酸水溶液、B アセトニトリル
溶出条件:0分(B 10%)→10分(B 50%)
流速:1mL/min
検出:280nm
図2に示すように、OSP−A6a3画分に含まれる成分は単一の成分であることを確認した。
OSP−A6a3画分に含まれる活性成分の構造決定を1H NMR、13C NMR、1H−1H COSY、HMQC、HMBC及びESI MSにより行った。その結果、前記活性成分はピメントールであることがわかった。なお、1H NMRの内部基準はCD2HODを3.31ppmとし、13C NMRの内部基準はCD3ODを49.00ppmとした。ESI MSはネガティブモードで測定した。
(活性成分の同定データ)
ESI MS(m/z):493[M−H]−
1H NMR(600MHz,CD3OD):δ3.01(2H,m,H−7),3.44(1H,dd,J=9.2,9.3Hz,H−4’),3.50(1H,m,H−3’),3.51(1H,m,H−2’),3.73(1H,ddd,J=2.1,6.8,9.2Hz,H−5’),3.79(3H,s,OMe),4.45(1H,dd,J=6.8,11.8Hz,H−6’),4.59(1H,dd,J=2.2,11.8Hz,H−6’),4.73(1H,d,J=7.4Hz,H−1’),4.87−4.91(2H,m,H−9),5.75(1H,ddd,J=6.7,10.4,16.6Hz,H−8),6.47(1H,d,J=1.8Hz,H−4),6.53(1H,d,J=1.8Hz,H−6),7.09(2H,s,H−2’’,H−6’’)
13CNMR(150MHz,CD3OD):δ40.72(C−7),56.63(OMe),64.81(C−6’),71.78(C−4’),74.83(C−2’),75.81(C−5’),77.36(C−3’),104.06(C−1’),108.38(C−4),110.17(C−2’’,C−6’’),111.43(C−6),115.58(C−9),121.27(1’’),132.59(C−2),135.45(C−5),138.99(C−8),139.94(C−4’’),146.57(C−1),146.70(C−3’’,C−5’’),149.44(C−3),168.23(C=O)
ESI MS(m/z):493[M−H]−
1H NMR(600MHz,CD3OD):δ3.01(2H,m,H−7),3.44(1H,dd,J=9.2,9.3Hz,H−4’),3.50(1H,m,H−3’),3.51(1H,m,H−2’),3.73(1H,ddd,J=2.1,6.8,9.2Hz,H−5’),3.79(3H,s,OMe),4.45(1H,dd,J=6.8,11.8Hz,H−6’),4.59(1H,dd,J=2.2,11.8Hz,H−6’),4.73(1H,d,J=7.4Hz,H−1’),4.87−4.91(2H,m,H−9),5.75(1H,ddd,J=6.7,10.4,16.6Hz,H−8),6.47(1H,d,J=1.8Hz,H−4),6.53(1H,d,J=1.8Hz,H−6),7.09(2H,s,H−2’’,H−6’’)
13CNMR(150MHz,CD3OD):δ40.72(C−7),56.63(OMe),64.81(C−6’),71.78(C−4’),74.83(C−2’),75.81(C−5’),77.36(C−3’),104.06(C−1’),108.38(C−4),110.17(C−2’’,C−6’’),111.43(C−6),115.58(C−9),121.27(1’’),132.59(C−2),135.45(C−5),138.99(C−8),139.94(C−4’’),146.57(C−1),146.70(C−3’’,C−5’’),149.44(C−3),168.23(C=O)
(試験例) ピメントールのキサンチンオキシダーゼ阻害効果の測定
前記キサンチンオキシダーゼ活性評価方法で調製した試料溶液に、ピメントールの濃度が表4に示す濃度となるように、溶媒を留去して粉末状(固形状)にした前記OSP−A6a3画分を添加し、各成分を反応させ、前記キサンチンオキシダーゼ活性評価方法によりピメントールのキサンチンオキシダーゼ阻害率を算出した。その結果を表4に示す。
前記キサンチンオキシダーゼ活性評価方法で調製した試料溶液に、ピメントールの濃度が表4に示す濃度となるように、溶媒を留去して粉末状(固形状)にした前記OSP−A6a3画分を添加し、各成分を反応させ、前記キサンチンオキシダーゼ活性評価方法によりピメントールのキサンチンオキシダーゼ阻害率を算出した。その結果を表4に示す。
表4から明らかなように、ピメントールはキサンチンオキシダーゼ阻害活性を有することがわかる。このことから、ピメントールは、キサンチンオキシダーゼが触媒する尿酸の生成を阻害することが明らかとなった。なお、ピメントールと酵素(キサンチンオキシダーゼ)を含まない反応液では、尿酸が生成されないことを別途確認した。したがって、ピメントールを有効成分として含有する本発明のキサンチンオキシダーゼ阻害剤及び尿酸生成阻害剤は、ぞれぞれ、優れたキサンチンオキシダーゼ活性阻害効果及び尿酸生成阻害効果を有する。
以上の結果から、ピメントールは、キサンチンオキシダーゼ活性阻害効果、尿酸生成阻害効果、及び痛風、高尿酸血症又は循環器疾患の改善又は予防効果を有する。したがって、本発明のキサンチンオキシダーゼ阻害剤、尿酸生成阻害剤、及び痛風、高尿酸血症又は循環器疾患の改善又は予防剤は、キサンチンオキシダーゼによるプリン化合物の代謝異常によって引き起こされる痛風、高尿酸血症又は循環器疾患の改善又は予防に好適である。
(処方例)
(1)本発明の痛風、高尿酸血症又は循環器疾患の改善又は予防剤の製造
本発明の痛風、高尿酸血症又は循環器疾患の改善又は予防剤について、下記の組成の軟カプセル剤皮の中にピメントール100mgを定法により充填し、軟カプセル剤を製造した。
(組成) (配合:質量%)
ゼラチン 70.0
グリセリン 22.9
パラオキシ安息香酸メチル 0.15
パラオキシ安息香酸プロピル 0.51
水 6.44
(1)本発明の痛風、高尿酸血症又は循環器疾患の改善又は予防剤の製造
本発明の痛風、高尿酸血症又は循環器疾患の改善又は予防剤について、下記の組成の軟カプセル剤皮の中にピメントール100mgを定法により充填し、軟カプセル剤を製造した。
(組成) (配合:質量%)
ゼラチン 70.0
グリセリン 22.9
パラオキシ安息香酸メチル 0.15
パラオキシ安息香酸プロピル 0.51
水 6.44
(2)本発明の飲料の製造
本発明の飲料について、ピメントールを用いて、常法に従って、下記の組成の飲料を製造した。
(組成) (配合:質量%)
脱脂粉乳 3.5
ミルクカゼイン酵素分解物 3.5
フラクトース 9.0
ピメントール 0.5
クエン酸 0.1
アスコルビン酸 0.1
香料 0.1
水 83.2
本発明の飲料について、ピメントールを用いて、常法に従って、下記の組成の飲料を製造した。
(組成) (配合:質量%)
脱脂粉乳 3.5
ミルクカゼイン酵素分解物 3.5
フラクトース 9.0
ピメントール 0.5
クエン酸 0.1
アスコルビン酸 0.1
香料 0.1
水 83.2
Claims (6)
- ピメントールを有効成分として含有するキサンチンオキシダーゼ阻害剤。
- ピメントールを有効成分として含有する尿酸生成阻害剤。
- ピメントールを有効成分として含有する痛風又は高尿酸血症の改善又は予防剤。
- ピメントールを有効成分として含有する循環器疾患の改善又は予防剤。
- 前記循環器疾患が高血圧症であることを特徴とする、請求項4に記載の改善又は予防剤。
- 請求項1記載のキサンチンオキシダーゼ阻害剤又は請求項2記載の尿酸生成阻害剤を含有する飲食品。
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---|---|---|---|---|
JP2020026417A (ja) * | 2018-08-17 | 2020-02-20 | 株式会社サナス | ヒト血中尿酸値の正常化剤 |
JP2022128558A (ja) * | 2021-02-23 | 2022-09-02 | 株式会社ナチュファルマ琉球 | 尿酸産生抑制剤 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004010488A (ja) * | 2002-06-03 | 2004-01-15 | National Food Research Institute | アレルゲンの腸管透過抑制剤 |
-
2009
- 2009-12-24 JP JP2009293063A patent/JP2011132173A/ja active Pending
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