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JP2003094845A - 熱転写シート - Google Patents

熱転写シート

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Publication number
JP2003094845A
JP2003094845A JP2001292874A JP2001292874A JP2003094845A JP 2003094845 A JP2003094845 A JP 2003094845A JP 2001292874 A JP2001292874 A JP 2001292874A JP 2001292874 A JP2001292874 A JP 2001292874A JP 2003094845 A JP2003094845 A JP 2003094845A
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Japan
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layer
thin film
metal thin
thermal transfer
pigment
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JP2001292874A
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Daigo Morizumi
大悟 森住
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 明るく、高輝度なメタリックカラーを有する
印字物を簡便に得ることができる熱転写シートを提供す
ることである。 【解決手段】 本発明の熱転写シートは、耐熱層4を設
けた基材フィルム1の他方の面に、少なくともパール顔
料を含有する光沢層2、金属薄膜層3を順次設けた構成
で、該金属薄膜層3はアルミニウム顔料含有層、または
アルミニウム蒸着層により形成される。アルミニウム顔
料は優れた隠蔽力、反射特性を有するため、被転写体の
下地の色の影響をほとんど受けずに、高輝度なメタリッ
クカラーを再現でき、光沢層2のパール顔料は、隠蔽力
においてはアルミニウム顔料に大きく劣るものの、規則
的多重反射、光の干渉といった光学特性を有するため、
明るい金属光沢感を発現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サーマルヘッドの
加熱手段を用いる熱転写プリンターに使用される熱転写
シートに関わり、さらに詳しくは明るく、高輝度なメタ
リックカラーを有する印字物を簡便に得ることができる
熱転写シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、顔料、染料等の着色剤を熱溶融性
のワックスや樹脂等のバインダーに分散させた着色層
を、プラスチックフィルム等の基材シートに担持させた
熱転写シートを用いて、サーマルヘッド等の加熱デバイ
スにより画像情報に応じたエネルギーを印加し、紙やプ
ラスチックシートなどの受像シート上に着色剤をバイン
ダーとともに転写する溶融転写方式が知られている。
【0003】この溶融転写方式によって形成される印字
画像は、高濃度で鮮鋭性に優れ、文字、線画等の2値画
像の記録に適している。また、イエロー、マゼンタ、シ
アン、ブラック等の着色層を有する熱転写シートを用い
て、受像シート上に各着色層を重ねて印字記録すること
で、減色混合により多色ないしフルカラー画像の形成も
可能である。また、このような溶融転写方式を利用し
て、金属光沢を有する、意匠性に優れた印字物を得たい
という要求が増えている。その要望に対して、特開平1
0−16415号公報等のように、基材の一方の面に、
蒸着アンカー層、金属蒸着層、接着層を順次設けた金属
光沢を有する熱転写シートが提示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような金属蒸着層を設けた熱転写シートを用いた印字物
は、その金属蒸着層表面の平滑性が高く、高輝度なもの
と成る反面、いわゆるスパークリング効果が高すぎるた
め、光源の位置や見る角度によっては、着色層本来の色
味が消されて、暗い印象の印字物となってしまうといっ
た問題があった。また、金属薄膜層として、ノンリーフ
ィング型のアルミ顔料を用いた熱転写シートを用いた印
字物が挙げられるが、この場合、その金属薄膜層表面の
平滑性が落ちるために、乱反射成分が多くなり、明るめ
の色合いとはなるが、その分スパークリング効果も落ち
るために、輝度が足りなくなってくる。
【0005】また、リーフィング型のアルミ顔料を用い
た熱転写シートを用いた印字物では、スパークリング効
果の低下もノンリーフィング型のアルミ顔料系ほど落ち
ないために、比較的高輝度な印字物が得られるが、やは
り明るさの点で、やや暗い印象が残ってしまうといった
問題があった。したがって、本発明の目的とするところ
は、明るく、高輝度なメタリックカラーを有する印字物
を簡便に得ることができる熱転写シートを提供すること
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の熱転写シートは、基材フィルムの一方の面
に耐熱層を設け、該基材フィルムの他方の面に少なくと
もパール顔料を含有する光沢層、金属薄膜層を順次設け
た構成とした。前記の基材フィルムと金属薄膜層との間
に、着色層を設けることが好ましく、得られる印字物の
金属薄膜層に様々な色味を加えることができる。また、
前記の光沢層に着色剤が含有されていてもよい。前記の
金属薄膜層が、アルミニウム顔料を含有することが望ま
しい。さらに、前記の金属薄膜層が、アルミニウムの蒸
着層から形成することができる。前記の金属薄膜層の透
過濃度が1.0以上であることが好ましく、これにより
優れた隠蔽性を有したものとなる。
【0007】本発明の作用は、以下の通りである。本発
明の熱転写シートは、耐熱層を設けた基材フィルムの他
方の面に、少なくともパール顔料を含有する光沢層、金
属薄膜層を順次設けた構成で、該金属薄膜層はアルミニ
ウム顔料含有層、またはアルミニウム蒸着層により形成
される。アルミニウム顔料は優れた隠蔽力、反射特性を
有するため、被転写体の下地の色の影響をほとんど受け
ずに、高輝度なメタリックカラーを再現できる。一方、
パール顔料は、隠蔽力においてはアルミニウム顔料に大
きく劣るものの、規則的多重反射、光の干渉といった光
学特性を有するため、明るい金属光沢感を発現できる。
すなわち、金属薄膜層を設けることにより、金属光沢
性、下地の隠蔽性をもたせて、さらにパール光沢層を設
けることにより、金属光沢性を大幅に下げることなく、
明るさをもたせたメタリックカラーを再現することが可
能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、発明の実施の形態につい
て、詳述する。本発明の熱転写シートの基本形態は、図
1に示すように、基材フィルム1の一方の面に耐熱層4
を設け、該基材フィルム1の他方の面にパール顔料を含
有する光沢層2、金属薄膜層3を順次設けた構成であ
る。また、図2は本発明の熱転写シートである一つの実
施形態であり、基材フィルム1の一方の面に耐熱層4を
設け、該基材フィルム1の他方の面にパール顔料を含有
する光沢層2、着色層5、金属薄膜層3を順次設けたも
のである。図3は、本発明の熱転写シートである他の実
施形態であり、基材フィルム1の一方の面に耐熱層4を
設け、該基材フィルム1の他方の面に、着色層5、パー
ル顔料を含有する光沢層2、金属薄膜層3を順次設けた
ものである。図示した以外に、必要に応じて、例えば、
金属薄膜層の上に、接着層を設けたり、層を追加でき
る。
【0009】(基材フィルム)本発明で用いる基材フィ
ルム1としては、従来の熱転写シートに使用されている
と同じ基材フィルムがそのまま用いることが出来ると共
に、その他のものも使用することが出来、特に制限され
ない。好ましい基材フィルムの具体例としては、例え
ば、ポリエステル、ポリプロピレン、セロハン、ポリカ
ーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリ塩化
ビニル、ポリスチレン、ナイロン、ポリイミド、ポリ塩
化ビニリデン、ポリビニルアルコール、フッ素樹脂、塩
化ゴム、アイオノマー等のプラスチックフィルム、コン
デンサー紙、パラフィン紙等の紙類、不織布等があり、
又、これらを複合した基材フィルムであってもよい。特
に好ましい基材フィルムはポリエチレンテレフタレート
フィルムである。この基材フィルムの厚さは、その強度
及び熱伝導性が適切になるように材料に応じて適宜変更
することが出来るが、その厚さは、好ましくは、例え
ば、2〜25μmである。
【0010】(光沢層)本発明の熱転写シートは、基材
フィルムと金属薄膜層との間に、パール顔料を含有する
光沢層2が形成される。この光沢層は、熱転写時に金属
薄膜層の基材フィルムからの剥離性を良くし、転写後は
転写画像の表面に少なくとも一部が金属薄膜層と共に転
写され、金属薄膜層を保護し光沢、明るさを付与する層
として機能し、転写画像の耐擦過性を向上させる働きも
できる。また、光沢層に着色剤を含有させて、得られる
印画物の金属薄膜層に色味と光沢を加えることができ
る。したがって、光沢層は転写画像の状態で、金属薄膜
層の上に位置するため、金属薄膜層の金属表面を透視で
きる程度に透明性、平滑性を有するものである。
【0011】この光沢層を構成するバインダーとして、
例えば、アクリル樹脂、オレフィン系樹脂、スチレン樹
脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース樹
脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール
樹脂、シリコーン樹脂、弗素樹脂、シリコーン或は弗素
で変性した各種の樹脂等の単独又は混合物、共重合物、
が使用でき、この他に離型性、滑り性を調整する為にワ
ックス等を加えることができる。特に剥離性、解像性と
いった点で、剥離性の高いTgが100℃以上の上記バ
インダー樹脂と、解像性や基材フィルムとの接着性を調
整するためのTgが60〜100℃程度の上記バインダ
ー樹脂を混合する系が好ましく、さらに、金属薄膜層に
使用されるバインダー樹脂と同系等のバインダー樹脂を
含ませる方が好ましい。例えばTgが100℃以上アク
リル樹脂を主体に、Tgが60〜100℃程度の塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合樹脂を混合した系等が透明性の
点でも好ましい。
【0012】かかるワックスとしては、印字時に溶融し
て剥離性を発揮する各種のワックスが好ましい。好適に
使用されるワックスとしては、例えば、マイクロクリス
タリンワックス、カルナバワックス、パラフィンワック
ス、フィッシャートロプシュワックス、各種低分子量ポ
リエチレン、木ロウ、ミツロウ、鯨ロウ、イボタロウ、
羊毛ロウ、セラックワックス、キャンデリラワックス、
ペトロラクタム、一部変性ワックス、脂肪酸エステル、
脂肪酸アミド等、種々のワックスが挙げられる。特に好
ましいワックスは比較的融点が高く且つ溶剤に溶けにく
いマイクロクリスタリンワックス及びカルナバワックス
等である。
【0013】光沢層に、含有するパール顔料は、天然パ
ールエッセンス、塩化水銀、塩基性炭酸鉛、酸塩化ビス
マス、雲母等の従来から用いられているものが使用で
き、特に屈折率の低い天然マイカ(雲母)の表面を、屈
折率の高い金属酸化物で被覆したものが好ましく、天然
マイカと金属酸化物の屈折率の差を利用して反射した光
がパール光沢をもたらす。その金属酸化物は、光沢性お
よび屈折率から酸化チタン、酸化鉄が好ましく用いられ
る。パール顔料としては鱗片状のもので、粒径が0.0
1〜500μm、粒子厚が0.05〜1.0μmのもの
が用いられ、好ましくは粒径が1.0〜25μmの範囲
が用いられる。また、光沢層には、染料や顔料等の着色
剤を含有させることができ、光沢層に含有するパール顔
料の固有の色相を他の色相に変えて、装飾性をさらに向
上させられる。上記の着色剤としては、従来公知の染料
や顔料等の着色剤を単独又は任意の組合せで使用するこ
とができる。具体的には、例えば、カーボンブラック、
ニグロシン染料、ランプ黒、スーダンブラックSM、ア
ルカリブルー、ファーストイエローG、ベンジジン・イ
エロー、ピグメント・イエロー、インドファースト・オ
レンジ、イルガジン・レッド、パラニトロアニリン・レ
ッド、トルイジン・レッド、カーミンFB、パーマネン
ト・ボルドーFRR、ピグメント・オレンジR、リソー
ル・レッド20、レーキ・レッドC、ローダミンFB、
ローダミンBレーキ、メチル・バイオレットBレーキ、
フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、ブリリアン
ト・グリーンB、フタロシアニングリーン、オイルイエ
ローGG、ザボンファーストイエローCGG、カヤセッ
トY963、カヤセットYG、スミブラスト・イエロー
GG、ザボンファースト・オレンジRR、オイルスカー
レット、スミブラストオレンジG、オラゾール・ブラウ
ンB、ザボンファーストスカーレットCG、アイゼンス
ピロン・レッドBEH、オイルピンクOP、ビクトリア
ブルーF4R、ファーストゲンブルー5007、スーダ
ンブルー、オイルピーコックブルー等が挙げられる。
【0014】光沢層は、パール顔料と、必要に応じて着
色剤等の添加剤を加えたものを、光沢層全体の固形分に
対して、90〜20重量%、バインダーを80〜10重
量%の割合で混合したインキ組成物を使用することが好
ましい。パール顔料が上記の範囲より少ない場合、光沢
性を得るために、塗布量を多くしなくてはならず、印字
感度、解像性が不足する。また、パール顔料が上記の範
囲より多い場合、柔軟性、成膜性が得られず、感度低下
や箔落ち、印字物の耐擦過性低下等の原因になる。ま
た、着色剤の含有量は、転写した際に下層となる金属薄
膜層を完全に隠蔽しないこと、また印字物の輝度を損な
わないことを考慮して任意に選択することができる。
【0015】金属薄膜層を、アルミニウム蒸着層で形成
する場合は、光沢層を、蒸着アンカー層として機能させ
ることができる。つまり、金属蒸着の際の下地を提供
し、且つ基材フィルム等を蒸着時の熱から保護するため
のものである。また、転写印字後はアルミニウム蒸着層
と共に被転写体に転写移行し、蒸着層の上層に位置して
蒸着層に密着して記録物の一構成要素となり、蒸着層を
擦り傷や腐食等の機械的及び化学的強度を向上させる保
護層としても機能する。また、光沢層に着色剤を含有さ
せる場合、顔料含有率によっては基材からの剥離性が安
定しなくなる場合が有るため、剥離性ををより安定させ
るために、剥離層と、着色剤を含有しない光沢層の2層
構成とすることも可能である。上記光沢層は熱転写シー
トの感度を低下させることがないように、従来公知のグ
ラビアダイレクトコート、グラビアリバースコート、ナ
イフコート、エアコート、ロールコート等の方法によ
り、薄い層、例えば、乾燥状態で0.1〜2g/m2
度の厚みが好ましい。
【0016】(金属薄膜層)本発明の熱転写シートにお
ける、金属薄膜層3は、アルミニウム顔料を含有する
層、またはアルミニウム蒸着層で形成される。アルミニ
ウム顔料含有層としての金属薄膜層は、鱗片状アルミ顔
料、ノンリーフィング型アルミ顔料等のアルミ顔料と、
さらにバインダーと、必要に応じて、着色剤や、分散
剤、帯電防止剤など、種々の添加剤を加えることができ
る。
【0017】鱗片状アルミ顔料は以下に示す方法で製造
することができる。 1.ロール状ないし連続状のキャリヤシート上に、剥離
層を形成する。 2.上記剥離層上に、アルミニウムを蒸着法により付着
させ、アルミニウム皮膜を形成する。 3.上記剥離層を溶解又は基材から剥離し、アルミニウ
ム皮膜とキャリヤシートを互いに分離させる。 4.上記の分離されたアルミニウム皮膜を塗工インキで
使用する際に適する寸法に細分化する。 上記のように製造される鱗片状アルミ顔料は、その蒸着
厚さは0.01〜0.1μm程度であり、また平均直径
が5〜50μm程度の大きさで、鱗片状のものであり、
表面を樹脂等で処理してあっても良い。上記のような製
法で製造された鱗片状アルミ顔料は、従来のアルミペー
ストに比べその厚みが薄く軽いため沈降速度が遅く、イ
ンキ塗工時の乾燥速度を遅くすることにより塗膜の表面
側(上側)にほぼ均一に配向させることができる。また
アルミ平面の平滑性も蒸着膜と同等で有るため、アルミ
蒸着膜に近い輝度が得られる。
【0018】ノンリーフィング型アルミ顔料は、その表
面張力が小さく、溶剤、塗料との親和性が強いため、塗
膜の裏面(下側)に沈降したり、塗膜中に分散し、不均
一に配向する傾向がある。金属薄膜層に含有させるアル
ミニウム顔料は、最終印画物としての、明るさ、輝度、
金属光沢性、被転写体の下地の隠蔽性等を考慮して、鱗
片状アルミ顔料とノンリーフィング型アルミ顔料を併用
したり、鱗片状アルミ顔料のみを使用したり、ノンリー
フィング型アルミ顔料のみを使用したりすることができ
る。
【0019】アルミニウム顔料含有層としての金属薄膜
層は、鱗片状アルミ顔料、ノンリーフィング型アルミ顔
料等のアルミニウム顔料を保持するために、バインダー
を使用する。そのバインダーとしては、樹脂を主体とし
て構成することが好ましく、樹脂として具体的には、セ
ルロース系樹脂、メラミン系樹脂、ポリエステル系樹
脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリ
ル系樹脂、スチレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、スチレン−
ブタジエンゴム等の熱可塑性エラストマーが挙げられ
る。特に従来より感熱接着剤として使用されている比較
的低軟化点、例えば、50〜150℃の軟化点を有する
ものが好ましい。バインダーとして用いられる樹脂のな
かでも、特に転写性、耐擦過性、耐熱性、光沢層との接
着性等の点で、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、
セルロース系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂
の単独もしくは混合物が、好ましく用いられる。
【0020】その他、必要に応じて、耐熱性等を阻害し
ない程度に、ワックス成分を混合し使用することができ
る。ワックスとしては、例えば、マイクロクリスタリン
ワックス、カルナバワックス、パラフィンワックス等が
ある。更に、フィッシャートロプシュワックス、各種低
分子量ポリエチレン、木ロウ、ミツロウ、鯨ロウ、イボ
タロウ、羊毛ロウ、セラックワックス、キャンデリラワ
ックス、ペトロラクタム、ポリエステルワックス、一部
変性ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等、種々
のワックスが挙げられる。このなかで、特に融点が50
〜85℃であるものが好ましい。50℃以下であると、
保存性に問題が生じ、また85℃以上であると印字の感
度不足になる。
【0021】金属薄膜層は、鱗片状アルミ顔料、ノンリ
ーフィング型アルミ顔料の各顔料と、必要に応じて各種
の添加剤を加えたものを、金属薄膜層全体の固形分に対
して、90〜20重量%、バインダーを80〜10重量
%の割合で混合したインキ組成物を使用することが好ま
しい。顔料が上記の範囲より少ない場合、濃度を得るた
めに、塗布量を多くしなくてはならず、印字感度が不足
する。また、顔料が上記の範囲より多い場合、成膜性が
得られず、印字後に、耐擦過性の低下の原因になる。鱗
片状アルミ顔料、ノンリーフィング型アルミ顔料を組み
合わせて使用する場合、その混合比に関しては、設定す
る隠蔽性、光沢性、明るさ、金属薄膜層のコート量によ
り異なるため一概には言えないが、隠蔽性に関しては金
属薄膜層の透過濃度が1.0以上となるように設定する
ことが好ましい。
【0022】この透過濃度は以下の規定による。与えら
れた物質層(金属薄膜層)が光を吸収する度合いを示す
量であって、吸光度と同一の意義をもつものである。数
値が高いほど光吸収量が大きい(光を透過しにくい)。
吸光度Asとは、光が物質層を通過する間に吸収によっ
てその強さがIoからIになったとき、次の式で表わせ
る。 As=log10(Io/I) 透過濃度は分光光度計により、可視光を測定光として使
用する。
【0023】アルミニウム顔料含有層としての金属薄膜
層の形成は、上記のような鱗片状アルミ顔料、ノンリー
フィング型アルミ顔料と、必要に応じて各種の添加剤を
加え、バインダー成分と、さらに有機溶剤等の溶媒成分
を配合調整した金属薄膜層形成用塗工液を、従来公知の
グラビアダイレクトコート、グラビアリバースコート、
ナイフコート、エアコート、ロールコート等の方法によ
り、乾燥状態で厚さ0.1〜5g/m2、好ましくは
0.3〜1.5g/m2を設けるものである。乾燥塗膜
の厚さが、0.1g/m2未満の場合、十分な隠蔽性が
得られず、また、厚さが5g/m2を越えた場合、印字
転写の際に、高エネルギーが必要となり解像度も低下
し、特殊な熱転写プリンターでしか印字できない問題が
ある。
【0024】アルミニウム蒸着により形成する金属薄膜
層は、アルミニウム単体、あるいはアルミニウムと他の
金属との合金を真空蒸着、スパッタリング等の真空下に
よるメタライジング法で形成したものである。アルミニ
ウム蒸着層の厚みは、通常、100〜1000Å、好ま
しくは200〜600Åの範囲とすれば、金属光沢性、
被転写体の下地の隠蔽性等が十分であり、金属薄膜層の
透過濃度が1.0以上を確保できる。アルミニウム蒸着
層の厚さが薄すぎると部分的なムラが生じて、ピンホー
ル等が発生したりする。一方、厚すぎると印字時の箔切
れが悪くなり、印字物の解像性が良くなく、また不経済
である。
【0025】(着色層)本発明の熱転写シートでは、基
材フィルムと金属薄膜層との間に、着色層5を設けて、
得られる印字物の金属薄膜層に多様な色味を加えること
ができる。また、光沢層に着色剤を含有させるときにパ
ール顔料と着色剤の比重が著しく異なる場合は、塗工時
に転移される顔料比率に差が生じ色調が安定しないとい
った不具合が起こる為、発色性をより安定させるため
に、着色層と、着色剤を含有しない光沢層の2層構成と
することも可能である。そして、着色層とパール顔料を
含有する光沢層との設けられる位置関係は、基材フィル
ム/光沢層/着色層/金属薄膜層の順序であっても、ま
た、基材フィルム/着色層/光沢層/金属薄膜層の順に
設けても、いずれでも良い。着色層は、樹脂やワックス
またはその混合物からなるバインダーと、従来公知の染
料や顔料等の着色剤を単独又は任意に組合せて、構成さ
れる。バインダーに用いる樹脂としては、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体等の
ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステ
ル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アク
リル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系
樹脂、石油系樹脂、フェノール系樹脂、ポリスチレン系
樹脂等が挙げられる。バインダーに用いるワックスとし
ては、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバワッ
クス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワ
ックス、各種低分子量ポリエチレン、木ロウ、ミツロ
ウ、鯨ロウ、イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワック
ス、キャンデリラワックス、ペトロラクタム、一部変性
ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等、種々のワ
ックスが挙げられる。
【0026】着色剤としては、従来公知の染料や顔料等
の着色剤を単独又は任意の組合せで使用することがで
き、具体的な着色剤としては、前記の光沢層で説明した
ものを同様に用いることができる。着色層中の着色剤の
含有量は、転写した際に下層となる金属薄膜層を完全に
隠蔽しないこと、また印字物の輝度を損なわないこと等
を考慮して任意に選択することができるが、好ましく
は、バインダー100重量部に対し3〜100重量部の
割合で含有される。着色層は、従来公知のグラビアダイ
レクトコート、グラビアリバースコート、ナイフコー
ト、エアコート、ロールコート等の方法により、薄い
層、例えば、乾燥状態で0.1〜2g/m2程度の厚み
が好ましい。その厚みが多すぎると、転写感度が低下し
良好な印字が得られないという問題がある。また、厚み
が少なすぎると、着色性が低下してくる。
【0027】(耐熱層)また、本発明においては、サー
マルヘッドに接する側の表面に、サーマルヘッドの滑り
性を良くし、かつスティッキングを防止するために、基
材フィルム上に耐熱層4を設けることが好ましい。耐熱
層は、耐熱性のある樹脂と熱離型剤または滑剤の働きを
する物質とを基本的な構成成分とする。このような耐熱
層を設けることによって、熱に弱いプラスチックフィル
ムを基材とした熱転写シートにおいても、スティッキン
グが起こることなく熱印字が可能であって、プラスチッ
クフィルムのもつ切れにくさ、加工のし易さ等のメリッ
トが生かせる。
【0028】この耐熱層は、バインダー樹脂に滑り剤、
界面活性剤、無機粒子、有機粒子、顔料等を添加したも
のを、好適に使用し、形成される。耐熱層に使用される
バインダー樹脂は、例えば、エチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロ
ース、硝化綿などのセルロース系樹脂、ポリビニルアル
コール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリ
ビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、アクリル樹
脂、ポリアクリルアミド、アクリロニトリル−スチレン
共重合体などのビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ
ウレタン樹脂、シリコーン変性またはフッ素変性ウレタ
ン樹脂などが、あげられる。
【0029】これらのなかで、数個の反応性基、例え
ば、水酸基を有しているものを使用し、架橋剤として、
ポリイソシアネートなどを併用して、架橋樹脂を使用す
ることが好ましい。耐熱層を形成する手段は、上記のご
とき、バインダー樹脂に滑り剤、界面活性剤、無機粒
子、有機粒子、顔料等を添加した材料を、適当な溶剤中
に溶解または分散させて、塗工液を調製し、この塗工液
をグラビアコーター、ロールコーター、ワイヤーバーな
どの慣用の塗工手段により、塗工し、乾燥するものであ
る。耐熱層の厚さは、乾燥状態で、0.01〜3g/m
2程度が好ましい。
【0030】(接着層)本発明の熱転写シートは、転写
性を上げる為に金属薄膜層の上に接着層を設けることが
できる。接着層は、受像シートと転写される金属薄膜層
との接着性を向上させることができる。この接着層は、
サーマルヘッドの加熱により、軟化して接着性を発揮す
る熱可塑性樹脂を主体とし、得られる熱転写シートをロ
ール状に巻き取った時にブロッキングを防止するため
に、ワックス類、高級脂肪酸のアミド、エステル及び
塩、フッ素樹脂や無機物質の粉末のようにブロッキング
防止剤を添加することができる。
【0031】熱可塑性樹脂として、例えば、エチレン−
酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸
エステル共重合体、ポリエステル樹脂、ポリプロピレ
ン、石油樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリビニルブ
チラール、ポリ酢酸ビニル、などが挙げられ、特に従来
感熱接着剤として使用されている比較的低軟化点、例え
ば、50〜150℃の軟化点を有するものが好ましい。
また、転写感度を高めたり、表面平滑性の低いラフ紙等
への転写性を高める為に、接着層を前記のごときワック
ス成分を主体に構成することも可能である。
【0032】接着層の形成は、上記の熱可塑性樹脂と添
加剤をホットメルトコートまたは適当な有機溶剤または
水に溶解または分散した接着層形成用塗工液を、従来公
知のホットメルトコート、ホットラッカーコート、グラ
ビアダイレクトコート、グラビアリバースコート、ナイ
フコート、エアコート、ロールコート等の方法により、
乾燥状態で厚さ0.05〜5g/m2を設けるものであ
る。乾燥塗膜の厚さが0.05g/m2未満の場合、被
転写体及びメタリック層との接着性が劣り、印字の際に
転写不良となる。また、厚さが5g/m2を越えた場
合、印字時の解像度、転写感度が低下し、満足のいく印
字品質が得られない。
【0033】本発明の熱転写シートは、ケント紙等のラ
フ紙や、中質紙、上質紙、アート紙、軽量コート紙、微
塗工紙、コート紙、キャストコート紙、合成樹脂または
エマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成
樹脂内添紙や、合成紙、プラスチックシート等や、それ
らを組み合わせた積層体等を被転写体として使用でき
る。また、上記被転写体の基材の裏面に粘着加工を施
し、離型シートと貼り合せた、いわゆるラベルを被転写
体として使用することもできる。
【0034】
【実施例】次に実施例及び比較例をあげて、本発明を更
に具体的に説明する。尚、文中、部又は%とあるのは、
特に断りのない限り重量基準である。 (実施例1)基材フィルムとして、厚さ6.0μmのポ
リエチレンテレフタレートフィルムの一方の面に、下記
組成の光沢層用塗工液をグラビアコーティングにより、
乾燥塗布量が0.9g/m2になるように塗布、乾燥し
て光沢層を形成する。さらに、その光沢層の上に、下記
組成の金属薄膜層用塗工液をグラビアコーティングによ
り、乾燥塗布量が0.6g/m2になるように塗布、乾
燥して金属薄膜層を形成し、実施例1の熱転写シートを
作製する。尚、上記の基材フィルムの他方の面に、予め
下記組成の耐熱層用塗工液をグラビアコーティングによ
り、乾燥塗布量が0.3g/m2になるように塗布、乾
燥して、耐熱層を形成しておく。
【0035】 [光沢層用塗工液] パール顔料 2部 (メルクジャパン社製 IRIOZIN 111) 着色剤(ピグメントレッド122) 2部 アクリル樹脂(Tg:105℃) 12部 メチルエチルケトン 42部 トルエン 42部
【0036】 [金属薄膜層用塗工液] 鱗片状アルミ顔料 4部 (AVERY DENNISON製、商品名:Metalure) アクリル樹脂(Tg:105℃) 4部 トルエン 40部 メチルエチルケトン 40部 プロピレングリコールモノメチルエーテル 10部
【0037】 [耐熱層用塗工液] スチレンアクリロニトリル共重合体樹脂 11部 線状飽和ポリエステル樹脂 0.3部 ジンクステアリルホスフェート 6部 メラミン樹脂粉末 3部 メチルエチルケトン 80部
【0038】(実施例2)上記の実施例1で使用した耐
熱層付き基材フィルムと同じものに、下記組成の着色層
をグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が0.6g
/m2になるように塗布乾燥した後、下記組成の光沢層
用塗工液をグラビアコーティングにより乾燥塗布量が
1.0g/m2になるように塗布、乾燥して光沢層を形
成する。さらに、その光沢層の上に、下記組成の金属薄
膜層用塗工液をグラビアコーティングにより乾燥塗布量
が0.7g/m2になるように塗布、乾燥して金属薄膜
層を形成し、実施例2の熱転写シートを作製する。
【0039】 [着色層用塗工液] 着色剤(ピグメントレッド122) 2部 アクリル樹脂(Tg:105℃) 12部 メチルエチルケトン 42部 トルエン 42部
【0040】 [光沢層用塗工液] パール顔料 2部 (メルクジャパン社製 IRIOZIN 111) アクリル樹脂(Tg:105℃) 12部 メチルエチルケトン 42部 トルエン 42部 [金属薄膜層用塗工液] 鱗片状アルミ顔料 3部 (AVERY DENNISON製、商品名:Metalure) ノンリーフィング型アルミ顔料 1部 アクリル樹脂(Tg:105℃) 4部 トルエン 40部 メチルエチルケトン 40部 プロピレングリコールモノメチルエーテル 10部
【0041】(実施例3)上記の実施例1で使用した耐
熱層付き基材フィルムと同じものに、下記組成着色層を
グラビアコーティングにより、乾燥塗布量が0.8g/
2になるように塗布乾燥した後、下記組成の光沢層用
塗工液をグラビアコーティングにより乾燥塗布量が0.
5g/m2になるように塗布、乾燥して光沢層を形成す
る。さらに、その光沢層の上に、真空蒸着法により膜厚
350Åのアルミ蒸着層で金属薄膜層を形成した上に、
下記組成の接着層を、グラビアコーティングにより、乾
燥塗布量が0.5g/m2になるように塗布、乾燥し
て、実施例3の熱転写シートを作製した。
【0042】 [着色層用塗工液] 着色剤(赤染料) 1部 アクリル樹脂(Tg:105℃) 12部 メチルエチルケトン 42部 トルエン 42部
【0043】 [光沢層用塗工液] パール顔料 12部 (メルクジャパン社製 IRIOZIN 111) アクリル樹脂(Tg:105℃) 12部 メチルエチルケトン 38部 トルエン 38部
【0044】 [接着層用塗工液] 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂(Tg:70℃) 20部 トルエン 40部 メチルエチルケトン 40部
【0045】(比較例1)上記の実施例1で使用した耐
熱層付き基材フィルムと同じものに、下記組成の着色層
をグラビアコーティングにより、乾燥塗布量が0.9g
/m2になるように塗布乾燥した後、その他は実施例1
と同様にして金属薄膜層を形成して比較例1の熱転写シ
ートを作製した。
【0046】 [着色層用塗工液] 着色剤(ピグメントレッド122) 2部 アクリル樹脂(Tg:105℃) 12部 メチルエチルケトン 42部 トルエン 42部
【0047】(比較例2)上記の実施例2で使用した耐
熱層付き基材フィルムと同じものに、光沢層を設けない
で、その他は実施例2と同様にして着色層、金属薄膜層
を形成して比較例2の熱転写シートを作製した。
【0048】(比較例3)上記の実施例3の着色層上
に、光沢層を設けないで、その他は実施例3と同様にし
て、金属薄膜層、接着層を形成して比較例3の熱転写シ
ートを作製した。
【0049】上記、実施例および比較例の熱転写シート
を用いて、下記の印字条件にて、印字を実施し、その印
字物を下記の評価方法にて、光沢性、隠蔽性及び明るさ
の評価を行う。 (印字条件)市販の昇華型プリンタ(解像度300dp
i)を用いて、被転写体には予め半面に写真画像を印字
してある専用熱転写受像シートを使用し、実施例および
比較例の熱転写シートを使用して、テストパターンの印
字を行い、評価サンプルを作成した。
【0050】(光沢性の評価方法)上記の印字条件に
て、得られた印字物について、目視にて金属光沢性の評
価を行なった。以下の判断基準にて、評価した。 ○:金属光沢性が高く、見栄えのある良好なものであ
る。 △:金属光沢性があまり高くなく、見栄えもあまりしな
いものである。 ×:金属光沢性が低く、見栄えのしないものである。
【0051】(隠蔽性の評価方法)上記の印字条件に
て、得られた印字物について、目視にて下地に位置する
写真画像が透けて見えるかを調べ、隠蔽性の評価とす
る。以下の判断基準にて、評価した。 ○:下地に位置する写真画像が透けて見えず、隠蔽性の
優れた画像である。 △:下地に位置する写真画像がわずかに透けて見え、本
来のメタリック層の色相とわずかに異なって見え、やや
隠蔽性の不足した画像である。 ×:下地に位置する写真画像がはっきりと透けて見え、
画像の色相が本来のメタリック層の色相とかなり異なっ
て見え、隠蔽性の非常に不足した画像である。
【0052】(明るさの評価方法)上記の印字条件に
て、得られた印字物について、見る角度を変えて見て暗
く見えるかを調べ、明るさの評価とする。以下の判断基
準にて、評価した。 ○:広範な角度で明るく見える。 △:見る角度を印字物と平行に近づけると暗くなってく
る。 ×:ある一定角度で見る以外は、ほとんど暗く見える。
【0053】また、上記の実施例及び比較例で作成した
熱転写シートにおける、各例の熱転写シートの金属薄膜
層の塗工液組成及び塗工厚の条件での金属薄膜層のみの
光透過濃度を、Macbeth社の透過濃度計TR−9
24にて、status Ablue フィルターを使
用して測定し、金属薄膜層の透過濃度とした。
【0054】(評価結果)上記の評価結果を以下の表1
に示す。
【表1】
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の熱転写シ
ートは、耐熱層を設けた基材フィルムの他方の面に、少
なくともパール顔料を含有する光沢層、金属薄膜層を順
次設けた構成で、該金属薄膜層はアルミニウム顔料含有
層、またはアルミニウム蒸着層により形成される。アル
ミニウム顔料は優れた隠蔽力、反射特性を有するため、
被転写体の下地の色の影響をほとんど受けずに、高輝度
なメタリックカラーを再現でき、光沢層のパール顔料
は、隠蔽力においてはアルミニウム顔料に大きく劣るも
のの、規則的多重反射、光の干渉といった光学特性を有
するため、明るい金属光沢感を発現できる。したがっ
て、金属薄膜層を設けることにより、金属光沢性、下地
の隠蔽性をもたせて、さらにパール光沢層を設けること
により、金属光沢性を大幅に下げることなく、明るさを
もたせたメタリックカラーを再現することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱転写シートの基本形態の例を示す概
略断面図である。
【図2】本発明の熱転写シートである一つの実施形態を
示す概略断面図である。
【図3】本発明の熱転写シートである他の実施形態を示
す概略断面図である。
【符号の説明】
1 基材フィルム 2 光沢層 3 金属薄膜層 4 耐熱層 5 着色層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材フィルムの一方の面に耐熱層を設
    け、該基材フィルムの他方の面に少なくともパール顔料
    を含有する光沢層、金属薄膜層を順次設けたことを特徴
    とする熱転写シート。
  2. 【請求項2】 前記の基材フィルムと金属薄膜層との間
    に、着色層を設けたことを特徴とする請求項1に記載す
    る熱転写シート。
  3. 【請求項3】 前記の光沢層に着色剤が含有されている
    ことを特徴とする請求項1に記載する熱転写シート。
  4. 【請求項4】 前記の金属薄膜層が、アルミニウム顔料
    を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一
    つに記載する熱転写シート。
  5. 【請求項5】 前記の金属薄膜層が、アルミニウムの蒸
    着層から成り、かつ該蒸着層上に接着層を設けたことを
    特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載する熱転
    写シート。
  6. 【請求項6】 前記の金属薄膜層の透過濃度が1.0以
    上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つ
    に記載する熱転写シート。
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