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JP3776704B2 - 昇華転写用染料層インキ及び熱転写シート - Google Patents

昇華転写用染料層インキ及び熱転写シート Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱転写シートに関し、特に基材シート上に染料層を備え、被転写体の基材材質に影響されることがなく、被転写体との剥離性が安定して、優れていて、良好な転写画像形成が可能であり、かつ塗工前の昇華転写用染料層インキの保存安定性に優れた、昇華転写用染料層インキ及び熱転写シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、熱転写方法を用いて被転写体に階調画像や文字、記号等の単調画像を形成することが行われている。その熱転写方法は、昇華転写方式と熱溶融転写方式が広く用いられている。このうち、昇華転写方式は、色材として用いる昇華性染料をバインダー樹脂に溶解または分散させた染料層を基材シートに担持させた熱転写シートを被転写体に重ね、サーマルヘッドやレーザー等の加熱手段により、画像情報に応じたエネルギーを印加することにより熱転写シート上の昇華性染料層中に含まれる染料を被転写体に移行させて画像を形成するものである。この昇華転写方式は、熱転写シートに印加するエネルギー量によって、ドット単位で染料の移行量を制御することができるため、階調性のフルカラー画像の形成ができ、銀塩写真の画像に匹敵する高品質な画像を得ることができる。したがって、昇華転写方式は注目され、種々の分野で情報記録手段として利用されている。
【0003】
マルチメディアに関連した様々なハード及びソフトの発達により、この熱転写方法は、コンピューターグラフィックス、衛星通信による静止画像そしてCD−ROMその他に代表されるデジタル画像及びビデオ等のアナログ画像のフルカラーハードコピーシステムとして、その市場を拡大している。この熱転写方法による被転写体の具体的な用途は、多岐にわたっている。代表的なものとして、印刷の校正刷り、画像の出力、CAD/CAMなどの設計及びデザインなどの出力、CTスキャンや内視鏡カメラなどの各種医療用分析機器、測定機器の出力用途そしてインスタント写真の代替として、また身分証明書やIDカード、クレジットカード、その他カード類の顔写真等の出力、さらに遊園地、ゲームセンター、博物館、水族館等のアミューズメント施設における合成写真、記念写真としての用途等を挙げることができる。
【0004】
このような昇華転写方式の熱転写シートに要求される重要な特性の一つとして、被転写体との剥離性が挙げられる。すなわち、上述のように熱転写シートと被転写体とを重ねて加熱するので、転写後における両者の剥離性が良好なことが、転写を円滑に行う上で重要である。さらに、通常、転写前後において熱転写シートと被転写体とが重ねられた状態で搬送されるため、両者のブロッキングを防止する上においても、熱転写シートが被転写体との剥離性を具備することが重要である。このような中で、従来は、シリコーン等の離型剤を染料層に添加して剥離性をもたせた熱転写シートが使用されている。
【0005】
熱転写方法は、モノカラーおよび多色カラー画像の形成が可能であり、多色カラー画像の場合には、例えば、イエロー、マゼンタ、シアンさらに必要に応じてブラックの三色ないし四色の熱転写シートを用意し、同一の被転写体の表面に各色を熱転写して、カラー画像を形成するものである。また、各色は昇華転写方式の染料層や、熱溶融転写方式の熱転写層を任意に選択することができ、熱転写シートにおいて、三色ないし四色は、同一シート上に面順次で、繰り返して塗り分けられているものが使用されている。また、イエロー、マゼンタ、シアンないしブラックの染料層ないし溶融熱転写層だけでなく、保護層を同一シート上に面順次で、塗り分けて設ける熱転写シートも使用されるようになってきた。この保護層は、熱転写層が被転写体へ熱転写された後に、その熱転写された画像上に熱転写して、画像を被い保護するものである。
【0006】
シリコーン等の離型剤を染料層に添加した従来の熱転写シートは、離型剤とバインダー樹脂との相溶性が良好ではなく、離型剤成分が分離して染料層表面に浮き出ることがあり、被転写体との安定した剥離性を具備するものではない。この欠点を解決するため、ポリマーに離型性化合物をグラフト共重合させた離型性グラフトポリマーをバインダー樹脂として使用した熱転写シートが開発されている。
また、被転写体の基材材質に影響されずに、被転写体との剥離性が良好である熱転写シートとして、染料層に離型剤としてリン酸エステルを含有させることが、特開平10−67182号公報に記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、昇華転写方式の熱転写シートの使用範囲が拡大し、例えば、IDカード等では、住所、氏名等の文字情報とともに、顔写真の画像を形成するような用途では、被転写体の種類が増加し、特に受容層を備えていない被転写体の基材に直接画像等を形成する場合等で、被転写体の基材材質によっては、上記の熱転写シートを使用しても被転写体の基材との貼り付きの現象が生じて、円滑な熱転写が行えないことがあるという問題があった。
【0008】
また、染料層に離型剤としてリン酸エステルを含有させる場合に、染料の種類によっては、リン酸エステルと染料とが反応して、塗工インキの保存中にインキの色相が変化してしまうことがあり、問題となっている。
したがって、本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、被転写体の基材材質に影響されることなく、被転写体との剥離性に安定して、優れていて、良好な転写画像形成が可能であり、また染料層の塗工インキの保存安定性に優れている染料層インキ及び熱転写シートを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記の課題を解決するために、少なくとも昇華性染料と、バインダー樹脂とリン酸エステル及び溶媒を含有するグラビア印刷で用いられる昇華転写用染料層インキにおいて、該リン酸エステルが下記の構造式(I)または構造式(II)で示される酸型リン酸エステルと、下記の構造式(III)で示される中和型リン酸エステルを混合したものであり、リン酸エステルの酸型と中和型の混合比が、酸型/中和型=80/20〜50/50であり、かつ前記の混合されたリン酸エステルが、バインダー樹脂に対して、1.4〜5.7質量%の範囲で含有していることを特徴とする。この染料層インキで基材シート上に染料層を設けた熱転写シートは、被転写体との剥離性で、優れたものとなる。
【化4】
Figure 0003776704
〔式中、Rはアルキル基またはアルキルアリル基であり、nはエリレンオキサイド付加モル数を表し、Xは1または2である。〕
【化5】
Figure 0003776704
〔式中、Rはアルキル基またはアルキルアリル基、アルキルフェノール基であり、nはエリレンオキサイド付加モル数であり、AはOHまたは、RO(C 2 4 O) n を表す。〕
【化6】
Figure 0003776704
〔式中、Rはアルキル基またはアルキルアリル基であり、nはエリレンオキサイド付加モル数を表し、Xは1または2である。〕
【0010】
基材シートの一方の面に、少なくとも1色以上の染料層を設けた熱転写シートにおいて、該染料層が上記に記載する昇華転写用染料層インキを塗工して形成されたことを特徴とする。上記の熱転写シートは、少なくとも1色の前記染料層は複層構造であることが好ましく、1色の染料層に必要な膜厚が、層を複数重ねることで均一に形成できる。また、本発明の熱転写シートは、基材シートの一方の面に、少なくとも1色以上の染料層と、熱溶融性インキ層及び/または転写性保護層積層体を面順次に塗り分けることが好ましく、それによって、一つの熱転写シートで被転写体に対し、染料画像の形成、熱溶融性インキによる画像の形成、またそれらの画像上への保護層転写が行なえ、非常に効率的である。
【0011】
(作用)
少なくとも昇華性染料と、バインダー樹脂とリン酸エステル及び溶媒を含有するグラビア印刷で用いられる昇華転写用染料層インキにおいて、該リン酸エステルが上記の構造式(I)または構造式(II)で示される酸型リン酸エステル、上記の構造式(III)で示される中和型リン酸エステルを混合したものであり、リン酸エステルの酸型と中和型の混合比が、酸型/中和型=80/20〜50/50であり、かつ前記の混合されたリン酸エステルが、バインダー樹脂に対して、1.4〜5.7質量%の範囲で含有しているものを用いるものである。染料の種類によっては、リン酸エステルと染料とが反応して、染料層インキの色相が変化してしまうが、リン酸エステルを酸型と中和型の混合することで、その反応するリン酸エステル種の含有量を制限することで、そのインキの色相変化を最小限に抑えた。そして、酸型と中和型リン酸エステルが離型剤として機能し、被転写体との剥離性に優れ、良好な転写画像が形成できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を実施の形態を挙げて、図面を参照して更に説明する。
図1は、本発明の熱転写シートである1つの実施形態であり、(a)〜(c)にあるように、染料層3を面順次に塗り分けたものである。すなわち、(a)はイエロー、マゼンタ及びシアンの各色相の染料層Y、M、Cが面順次に塗り分けられている。また、(b)はイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色相の染料層Y、M、C、BKが面順次に塗り分けられている。さらに、(c)はイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色相の染料層Y、M、C、BKと転写性保護層積層体4が面順次に塗り分けられている。但し、(b)と(c)におけるブラック染料層BKは、必要に応じて熱溶融性ブラックインキ層とすることができる。
【0013】
染料層3の設け方は、図1のように、同じ基材シートの中で塗り分けるだけでなく、図2の(d)〜(g)に示されるように、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色相の染料層Y、M、C、BKを、別々の基材シートの全面に設けることができる。このように、熱転写シートが色別に複数ある場合は、その色別の熱転写シート毎に対応させて、印字加熱手段を複数個もたせて、フルカラーの画像形成を行うことができる。以上のような染料層の設け方に限らず、用途に合わせて、例えばブラック以外の色相の熱溶融性インキ層を設けたり、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラック以外の色相の染料層を設けたりして、目的に応じて上記のものに限定されず、任意に変更することができる。
【0014】
以下に、本発明の染料層インキについて、説明する。
(染料インキ)
染料層インキは、少なくとも昇華性染料と、バインダー樹脂とリン酸エステル及び溶媒を含有するもので、該リン酸エステルは酸型と中和型を混合したものである。
まず、上記の昇華性染料としては、従来公知の昇華転写方式の熱転写シートに使用される昇華性染料はいずれも本発明に有効に使用可能であり、特に限定されない。具体的には、例えば、黄色染料としては、ホロンブリリアントイエローS−6GL、PTY−52、マクロレックスイエロー6G等が挙げられ、赤色染料として、MSレッド、マクロレックスレッドバイオレットR、セレスレッド7B、サマロンレッドHBSL、SKルビンSEGL等が挙げられ、さらに、青色染料としては、カヤセットブルー714、ワクソリンブルーAP−FW、ホロンブリリアントブルーS−R、MSブルー100、ダイトーブルーNo.1等が挙げられる。また、上記の各色相の昇華性染料を組み合わせることによりブラック等の任意の色相の染料層を形成することができる。
【0015】
また、染料インキに含有するバインダー樹脂は、上記の如き昇華性染料を担持するためのもので、従来公知のバインダー樹脂がいずれも使用でき、好ましいものを例示すれば、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂、ポリエステル等が挙げられる。
【0016】
染料インキに含有するリン酸エステルは、リン酸のエステル化によって得られるが、本発明の酸型のリン酸エステルは、下記の構造式(I)、構造式(II)を使用する。
【化7】
Figure 0003776704
〔式中、Rはアルキル基またはアルキルアリル基であり、nはエリレンオキサイド付加モル数を表す。〕
【0017】
市販されている上記構造式(I)で示されるリン酸エステルは、例えば第一工業製薬株式会社製プライサーフA−208S等が挙げられる。
また、リン酸エステルの構造として、下記の構造式(II)が挙げられる。
【化2】
Figure 0003776704
〔式中、Rはアルキル基またはアルキルアリル基、アルキルフェノール基であり、nはエリレンオキサイド付加モル数であり、AはOHまたは、RO(C24O)nを表す。〕
【0018】
市販されている上記構造式(II)で示されるリン酸エステルは、例えば第一工業
製薬株式会社製プライサーフA−208Fや、東邦化学工業株式会社製PHOSPHANOLシリーズ等が挙げられる。
また、その他の構造の酸型のリン酸エステルは、堺化学工業株式会社製(大崎工業株式会社製造)PhoslexAシリーズとして、
(Cn2n+1O)2P(O)OH+Cn2n+1OP(O)(OH)2、(Cn2n-1O)2P(O)OH+Cn2n-1OP(O)(OH)2、(C1835O)2P(O)OH+C1835OP(O)(OH)2、(C817O)2P(O)OH等の構造が挙げられる。
【0019】
また、本発明で使用する中和型のリン酸エステルは、PHが7〜9で、以下の構造式(III)で示されるものである。
【化8】
Figure 0003776704
〔式中、Rはアルキル基またはアルキルアリル基であり、nはエリレンオキサイド付加モル数を表す。〕
また、中和型のリン酸エステルとして、上記の構造式(I)で示される酸型のリン酸エステルと、(H2NC24OH)の基が混在し、両者が化学結合していても、結合していなくてもいずれでも良いものが、挙げられる。市販されている中和型のリン酸エステルは、例えば第一工業製薬株式会社製プライサーフM−208F、M−208BM等が挙げられる。
【0020】
以上のような酸型と中和型のリン酸エステルを混合して、染料インキに添加する。リン酸エステルの酸型と中和型の混合比は、酸型/中和型=80/20〜50/50の範囲であり、酸型のリン酸エステルの混合割合が多すぎると、例えばインドアニリンタイプの染料と反応して、色相変化が生じてしまう。また、中和型のリン酸エステルの混合割合が多すぎると、例えばメチン系の染料と反応して、色相変化が生じてしまう。したがって、リン酸エステルの酸型と中和型の混合比を上記の範囲にすることにより、インドアニリン系、メチン系、アントラキノン系等の各種染料を、同一の染料層に混合して使用し、色相や耐光性の調整を行なう際に、染料とリン酸エステルとの反応を抑えることができ、色相の変化を防止することができる。特に、インドアニリン系とメチン系の染料を併用して、濃度向上させる場合に、本発明の染料インキを適用することが効果的である。
【0021】
本発明の染料インキは、酸型と中和型のリン酸エステルを合計した量が、バインダー樹脂に対して、1.4〜5.7質量%の範囲で含有している。上記のリン酸エステル含有量が少なすぎると、染料層として基材シートに形成して、被転写体と重ねて、熱転写する際に、被転写体と染料層との剥離性が低下し、好ましくない。また、リン酸エステル含有量が多すぎると、基材シートと染料層との接着性が低下したり、巻取状態の熱転写シートで染料の背面側への移行転移が生じやすくなる。以上のように、リン酸エステルの染料層中への添加量を規定することにより、被転写体の基材材質に影響されることなく、被転写体との剥離性に安定して、優れたものとすることができる。
【0022】
以上説明してきた昇華性染料、バインダー樹脂とリン酸エステルを溶媒に溶解または分散させて、染料インキを調整するが、溶媒としては、アルコール系溶剤として、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブタノール等、ケトン系溶剤として、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等、芳香族系溶剤として、トルエン、キシレン等や、水等が挙げられる。
【0023】
さらに、染料層インキには、有機または無機の微粉末を添加して、その染料層インキで形成した染料層を有する長尺状の熱転写シートを巻取りで保管中に、染料の背面側への移行転移を防止することができる。その添加する有機または無機の微粉末は、染料層インキのバインダー樹脂に対して、1〜7質量%の範囲で含有していることが好ましい。
上記の微粉末の含有量が少なすぎると、染料層において染料の背面側への移行転移が生じやすくなる等、好ましくない。一方で、微粉末の含有量が上記の範囲より多すぎると、染料層の表面が荒れてきて、熱転写時に染料の転写ムラが生じる等、好ましくない。
【0024】
このように、有機微粉末もしくは無機微粉末を染料層のバインダー樹脂に対して、1〜7質量%の範囲で、染料層インキに含有させることにより、染料層を形成する際の塗膜均一性等の塗膜形成適性を向上させることができる。さらに、この微粉末を含有させることで、巻取状態の熱転写シートで染料の背面側への移行転移を防止することができる。このような有機微粉末としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、ナイロン樹脂等のポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、スチレン・アクリル系架橋樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等の微粉末が好ましく用いられ、特にポリエチレン微粉末が好ましい。また、無機微粉末としては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、クレー、タルク、酸化チタン、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛等の微粉末が好ましく用いられる。
【0025】
また、染料層インキには、上述のような昇華性染料、バインダー樹脂及びリン酸エステル、有機または無機の微粉末に加えて、ワックスを含有させることができる。使用するワックスとしては、例えば、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、各種低分子量ポリエチレン、木ロウ、ミツロウ、鯨ロウ、イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワックス、キャンデリラワックス、ペトロラクタム、一部変性ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等のワックス類や、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、硝化綿等を挙げることができる。
このようなワックスは、染料層インキ中に染料層として形成された状態の全固形分に対し、0.1〜10質量%、好ましくは1〜3質量%の範囲で含有させることができる。
【0026】
次に、本発明の熱転写シートの構成について説明する。
基材シート2の一方の面に、少なくとも1色以上の染料層を設けた熱転写シート1において、該染料層3が上記に説明した染料層インキを塗工して形成されたものである。
(基材シート)
基材シート2は、従来公知のある程度の耐熱性と強度を有するものであれば、いずれのものでもよい。好ましい基材シートの具体例は、グラシン紙、コンデンサー紙、パフィン紙等の薄紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルサルホン等の耐熱性の高いポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレンの誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペンテン、アイオノマー等のプラスチックの延伸あるいは未延伸フィルムや、これらの材料を積層したものが挙げられる。この基材シートの厚さは、強度及び耐熱性等が適切になるように材料に応じて適宜選択することができるが、通常は1〜100μm程度のものが好ましく用いられる。
【0027】
(染料層)
本発明の染料層3は、適当な溶媒中に昇華性染料、バインダー樹脂及びリン酸エステル、その他必要に応じて、有機または無機の微粉末やワックス等の添加剤を加えて、各成分を溶媒に溶解又は分散させた、上記に説明した染料層インキを用いて、グラビア印刷法の形成手段により、基材シート上に塗布し、乾燥して、形成される。染料層の厚みは、乾燥状態で0.2〜5g/m2程度、好ましくは0.4〜2g/m2程度とすることができ、染料層中の昇華性染料の含有量は5〜90質量%、好ましくは10〜70質量%程度である。
【0028】
また、本発明の熱転写シートは少なくとも1色以上の染料層を設け、その染料層にリン酸エステルを含有している。具体的には図1の(a)、(b)、(c)の各熱転写シート1において、少なくとも1色以上の染料層3にリン酸エステルを含有させればよい。図2の(d)〜(g)では、4種の熱転写シート1の少なくとも1種の熱転写シート1の染料層3にリン酸エステルを含有させればよい。図1の(a)で示される熱転写シートでは、一般的にイエロー、マゼンタ、シアンの順に印字されるため、例えば、最終印字部のシアン染料層Cにのみ、リン酸エステルを含有させれば、被転写体との剥離性が良好であり、本発明の目的を果たすには十分である。但し、1色の染料層3だけにリン酸エステルを含有させる場合、そのリン酸エステルの添加量が多く必要となり、熱転写シート1の巻取状態で、リン酸エステルが裏移りしやすくなる。したがって、シアン染料層Cのリン酸エステルの含有量を減らし、イエロー染料層Yやマゼンタ染料層Mにもリン酸エステルを添加することが好ましい。
【0029】
また、印字の順序によって、被転写体との剥離性が変化するため、例えば、イエロー、マゼンタ、シアンの順に印字する場合、イエロー染料層Yよりマゼンタ染料層Mに多く、リン酸エステルを含有させ、マゼンタ染料層Mよりシアン染料層Cに多くのリン酸エステルを含有させることが行われる。本発明では、被転写体との剥離性を良好にし、裏移りを防止できれば、リン酸エステルの含有される染料層3は1色のみや全色などに限定されず、自由に設定することができる。
【0030】
本発明の染料層は、図3に示すような構成をとることができる。イエロー染料層Y、マゼンタ染料層Mが単層構造であり、シアン染料層Cとブラック染料層BKが2層構造となっている。本発明の熱転写シートでは、染料層は単層構造および2層構造ないし3層以上の複層構造のいずれであってもよく、また、染料層を構成する各色の染料層の中に単層構造のものと複層構造のものとが混在していてもよい。染料層を2層ないし3層以上の複層構造とする場合、染料層を構成する各層が少なくとも昇華性染料、バインダー樹脂、酸型と中和型のリン酸エステルを含有するようにしてもよく、あるいは、染料層を構成する層のうち、最表面に位置する層のみが少なくとも昇華性染料、バインダー樹脂、酸型と中和型のリン酸エステルを含有し、他の層は例えば、酸型と中和型のリン酸エステルを含有しないような層とすることもできる。
【0031】
また、染料層が2層の場合、下層(基材シート側)にのみ、酸型と中和型のリン酸エステルを含有させ、最表面層に酸型と中和型のリン酸エステルを含有させなくてもよい。それは、下層の酸型と中和型のリン酸エステルが最表面にブリードしてくるからである。染料層が複層の場合、各層の酸型と中和型のリン酸エステルの含有量を変えることができ、被転写体との剥離性を良好にし、裏移りを防止できれば、積層される染料層の酸型と中和型のリン酸エステルの含有量は自由に設定することができる。このような複層構造の染料層全体の厚みは0.2〜5g/m2程度、好ましくは0.4〜2g/m2程度とすることができ、染料層を構成する1層の厚みは0.2〜2g/m2の範囲が好ましい。また、染料層全体に含有される昇華性染料は5〜90質量%、好ましくは10〜70質量%程度である。
【0032】
(転写性保護層積層体)
転写性保護層積層体4は、熱転写された画像の上に、熱転写で形成し、画像を覆い保護する機能を有している。本発明では、多用途の被転写体において耐光性、耐候性等の耐久性を向上させるため、転写性保護層積層体4を用いることができる。熱転写シート1を構成する転写性保護層積層体4は、例えば図3に示すように、基材シート2上に、離型層4a、保護層4b、接着剤層4cをこの順に形成することができる。尚、離型層、接着剤層は、保護層がそれらの機能を兼ね備えていれば、適宜省くことができる。
保護層4bは、従来から保護層形成用樹脂として知られている各種の樹脂で形成することができる。保護層形成用樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、これらの各樹脂をシリコーン変性させた樹脂、これらの各樹脂の混合物、電離放射線硬化性樹脂、紫外線遮断性樹脂等を例示することができる。このほかに必要に応じて、紫外線吸収剤、有機フィラー及び/又は無機フィラーを適宜添加することが出来る。
【0033】
電離放射線硬化性樹脂を含有する保護層は、耐可塑剤性や耐擦過性が特に優れている。電離放射線硬化性樹脂としては公知のものを使用することができ、例えば、ラジカル重合性のポリマー又はオリゴマーを電離放射線照射により架橋、硬化させ、必要に応じて光重合開始剤を添加し、電子線や紫外線によって重合架橋させたものを使用することができる。
紫外線遮断性樹脂や、紫外線吸収剤を含有する保護層は、印画物に耐光性を付与することを主目的とする。紫外線遮断性樹脂としては、例えば、反応性紫外線吸収剤を熱可塑性樹脂又は上記の電離放射線硬化性樹脂に反応、結合させて得た樹脂を使用することができる。より具体的には、サリシレート系、フェニルアクリレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、クマリン系、トリアジン系、ニッケルキレート系の様な従来公知の非反応性の有機系紫外線吸収剤に、付加重合性二重結合(例えばビニル基、アクリロイル基、メタアクリロイル基など)、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基のような反応性基を導入したものを例示することができる。紫外線吸収剤は、従来公知の非反応性の有機系紫外線吸収剤で、サリシレート系、フェニルアクリレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、クマリン系、トリアジン系、ニッケルキレート系が挙げられる。
【0034】
有機フィラー及び/又は無機フィラーとしては、具体的にはポリエチレンワックス、ビスアマイド、ナイロン、アクリル樹脂、架橋ポリスチレン、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、タルク、炭酸カルシウム、酸化チタン、マイクロシリカ、コロイダルシリカ等のシリカ微粉末等が挙げられるが、特に限定はされず何でも使用できる。有機フィラー及び/又は無機フィラーは、滑り性が良く、粒径は、10μm以下好ましくは0.1〜3μmの範囲のものが好ましい。フィラーの添加量は、上記のような樹脂分100質量部に対して、0〜100質量部の範囲で、転写した時に透明性が保たれる程度が好ましい。
上記のごとき保護層は、保護層形成用樹脂の種類にもよるが、前記染料層の形成方法と同様の、従来から行われている方法で、通常は0.5〜10μm程度の厚さに形成する。
【0035】
(離型層)
離型層4aは基材シートと保護層との間に形成することができる。離型層は、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、弗素樹脂等の如く離型性に優れた材料、或はサーマルヘッドの熱によって溶融しない比較的高軟化点の樹脂、例えば、セルロース系樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、あるいはこれらの樹脂にワックス等の熱離型剤を含有させた樹脂から形成する。形成方法は前記染料層の形成方法と同様でよく、その厚みは0.5〜5μm程度で十分である。又、転写後に艶消し状態が望ましい場合には、離型層中に各種の粒子を包含させるか、あるいは離型層の保護層側の表面をマット処理することにより、表面をマット状にすることも出来る。
【0036】
(接着剤層)
また、保護層の上に、転写性保護層積層体の最上層として、保護層の転写性を良好にする為に接着剤層4cを設けることが好ましい。これらの接着剤層は、従来公知の粘着剤や感熱接着剤がいずれも使用できるが、ガラス転移温度が50℃〜80℃の熱可塑性樹脂から形成することがより好ましく、例えば、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル樹脂、紫外線吸収剤樹脂、ブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂等の如く熱時接着性の良好な樹脂から、適当なガラス転移温度を有するものを選択することが好ましい。特に、接着剤層は、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル樹脂、紫外線吸収剤樹脂、ブチラール樹脂、エポキシ樹脂の少なくとも一つを含有していることが好ましい。また、接着性や、サーマルヘッド等の加熱手段にて全面ではなく一部がパターン形成される場合には、前記に挙げたような樹脂は分子量の小さい方が好ましい。
【0037】
上記の紫外線吸収剤樹脂は、反応性紫外線吸収剤を熱可塑性樹脂又は電離放射線硬化性樹脂に反応、結合させて得た樹脂を使用することができる。具体的には、サリシレート系、フェニルアクリレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、クマリン系、トリアジン系、ニッケルキレート系の様な従来公知の非反応性の有機系紫外線吸収剤に、付加重合性二重結合(例えばビニル基、アクリロイル基、メタアクリロイル基など)、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基のような反応性基を導入したものを例示することができる。
上記のような接着剤層を構成する樹脂に必要に応じて、無機または有機フィラー等の添加剤を加えた塗工液を、従来から知られた塗工方法で、塗布及び乾燥することによって、好ましくは0.5〜10μm程度の厚みに形成する。
【0038】
(背面層)
本発明の熱転写シートは、基材シートの裏面に背面層5を設けることが好ましい。背面層は、サーマルヘッド等の加熱デバイスと基材シートとの熱融着を防止し、走行を滑らかに行う目的で設けられる。この背面層に用いる樹脂としては、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリルアミド、アクリロニトリル−スチレン共重合体等のアクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン変性又はフッ素変性ウレタン等の天然又は合成樹脂の単体又は混合物が用いられる。背面層の耐熱性をより高めるために上記の樹脂のうち、水酸基系の官能基を有している樹脂を使用し、架橋剤としてポリイソシアネート等を併用して、架橋樹脂層とすることが好ましい。
【0039】
さらに、サーマルヘッドとの摺動性を付与するために、背面層に固形あるいは液状の離型剤又は滑剤を加えて耐熱滑性をもたせてもよい。離型剤又は滑剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス等の各種ワックス類、高級脂肪酸アルコール、オルガノポリシロキサン、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、有機カルボン酸およびその誘導体、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、タルク、シリカ等の無機化合物の微粒子等を用いることができる。背面層に含有される滑剤の量は5〜50質量%、好ましくは10〜30質量%程度である。
【0040】
このような背面層は、従来から知られた塗工方法で、形成し、その厚みは0.1〜10μm程度、好ましくは0.5〜5μm程度とすることができる。尚、本発明の熱転写シート1は、図3に示すように染料層3がイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(BK)の4色のものがあるが、本発明の熱転写シートはこれに限定されるものではなく、目的に応じて任意の色相の染料層を設けることができる。
【0041】
図4は本発明の熱転写シートである他の実施形態を示す平面図である。図4において、熱転写シート1は、基材シート(図示せず)上にイエロー、マゼンタ、シアンの各色相の昇華性染料を含有する各染料層Y、M、Cからなる染料層3、熱溶融性インキ層6および転写性保護層積層体4を面順次に形成したものである。この熱転写シート1を構成する基材シートは上述で説明した基材シートを使用することができる。また、染料層3は上述で説明した染料層と同様にして形成することができ、染料層3の3色の染料層Y、M、Cのうちの少なくとも1つを上述のような2層構造とすることができる。さらに、転写性保護層積層体4は上述で説明した転写性保護層積層体と同様に形成することができる。
【0042】
(熱溶融性インキ層)
熱転写シート1の熱溶融性インキ層6は、従来公知の熱溶融性インキ層とすることができ、特に制限されるものではない。
例えば、基材シート上に、必要に応じて剥離層及び/又はマット層を介して熱溶融性インキ層を形成することができる。熱溶融性インキは、着色剤とバインダーとからなり、更に必要に応じて種々の添加剤を加えたものでもよい。この着色剤としては、有機又は無機の顔料若しくは染料のうち、記録材料として良好な特性を有するもの、例えば、十分な着色濃度を有し、光、熱、温度等により変褪色しないものが好ましい。又、非加熱時には無色であるが加熱時に発色するものや、被転写体に塗布されているものと接触することにより発色するような物質でもよい。シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックを形成する着色剤の外に、他の種々の色の着色剤を用いることができる。
【0043】
バインダーとしては、樹脂及びワックス等の混合物が用いられる。ワックスとしては、例えば、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、各種低分子量ポリエチレン、木ロウ、ミツロウ、鯨ロウ、イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワックス、キャンデリラワックス、ペトロラタム、一部変性ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等を挙げることができる。また、樹脂としては、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。また、熱溶融性インキ層に良好な熱伝導性及び溶融転写性を与えるために、熱伝導性物質を熱溶融性インキに配合することができる。これらの物質としては、カーボンブラック等の炭素質物質、アルミニウム、銅、酸化スズ、二酸化モリブデン等がある。
【0044】
基材シートの表面(又は剥離層及び/又はマット層の表面)に熱溶融性インキ層を形成する方法としては、ホットメルトコートの外、ホットラッカーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、ロールコート、その他多くの手段で上記インキを塗布する方法等が挙げられる。形成されるインキ層の厚さは、必要な濃度と熱感度との調和がとれるように決定すべきであって、0.1〜30μmの範囲、好ましくは1〜20μmの範囲である。
【0045】
基材シートと熱溶融性インキ層との間に剥離層及び/またはマット層を形成することができる。剥離層は、印字時におけるインキ層の良好な剥離を促進させるものであって、インキ層を構成しているビヒクルよりも幾分低融点又は低軟化点のワックス等により約0.1〜3.0μmの厚みに形成する。
剥離層として適当な材料は前記インキ層のビヒクルの中から容易に選択することができる。また、剥離層は、印字後に形成された画像の保護層としても役に立つ。
【0046】
また、マット層は、印字画像に艶消し効果を付与するものであって、マット剤としての無機顔料、例えば、シリカ、炭酸カルシウム等を適宜の樹脂溶液に分散させたマット層形成用インキを用いて、例えば、グラビア印刷方法等により約0.05〜1.0μmの厚みに形成することができる。
また、熱溶融性インキ層の表面に接着層を形成することができる。該接着層は、転写時に被転写紙に対する接着性を向上させてインキ層の転写性を促進する。接着層を構成する材料としては比較的低融点の熱可塑性樹脂、例えば、エチレン/酢酸ビニル共重合体等のホットメルト接着剤が好ましく使用される。
【0047】
【実施例】
以下に、実施例及び参考例を示し、本発明を詳述する。尚、文中部または%とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
以下に示す染料層インキを作製した。
下記構造式(IV)で示すインドアニリン系染料A 1.8部
下記構造式(V)で示すアントラキノン系染料 1.8部
下記構造式(VI)で示すメチン系染料A 0.9部
アセトアセタール樹脂(積水化学工業(株)製、KS−5) 3.5部
ポリエチレンパウダー(ASTOR WAX Co.製、MF8F)0.5部
メチルエチルケトン 12部
トルエン 12部
【0048】
【化4】
Figure 0003776704
【化5】
Figure 0003776704
【化6】
Figure 0003776704
【0049】
上記の染料層インキ100部に対し、下記条件のリン酸エステルを20g加え、実施例及び参考例の試験用インキを得た。
酸型のリン酸エステル(第一工業製薬(株)製、プライサーフA−208S)と中和型のリン酸エステルA(第一工業製薬(株)製、プライサーフM−208F)または中和型のリン酸エステルB(第一工業製薬(株)製、プライサーフM−208BM)を、下記表1、2に示す混合比で混合したものを用意した。
【0050】
上記の得られた各試験用インキを1ヶ月間暗所常温にて保存後、溶媒トルエン/メチルエチルケトン=1/1(質量比)を用いて、3600倍に希釈し、測定溶液とした。分光光度計((株)島津製作所製、UV3100PC)にて、上記測定溶液の吸光度を測定し、下記条件にて、分解率を算出した。
分解率=(1−測定溶液の吸光度MAX/リファレンスの吸光度MAX)×100(%)
但し、リファレンスは上記の測定溶液作製のリン酸エステルを加える代わりに、トルエン/メチルエチルケトン=1/1(質量比)を同量加えたものを用いた。
【0051】
また、上記の算出された分解率が、15%以下であるものは「○」、15%を越えるものは「×」の評価を行なった。以上、分解率と、その評価を表1、2に示す。
【表1】
Figure 0003776704
【表2】
Figure 0003776704
【0052】
上記で作製した染料層インキにおいて、インドアニリン系染料A、アントラキノン系染料、メチン系染料Aの3種類の染料合計量4.5部の代わりに、インドアニリン系染料A、B、Cとメチン系染料A、B、C及びアントラキノン系染料を各染料を単独で、それぞれ4.5部加えて、各染料1種類毎の染料層インキを作製した。
上記の染料層インキ100部に対し、下記条件のリン酸エステルを20g加え、実施例及び参考例の試験用インキを得た。
酸型のリン酸エステル(第一工業製薬(株)製、プライサーフA−208S)と中和型のリン酸エステルA(第一工業製薬(株)製、プライサーフM−208F)または中和型のリン酸エステルB(第一工業製薬(株)製、プライサーフM−208BM)を、下記表3に示す混合比で混合したものを使用した。
【0053】
尚、各染料の構造式は以下の通りである。
インドアニリン系染料A:上記構造式(IV)
インドアニリン系染料B:下記構造式(VII)
インドアニリン系染料C:下記構造式(VIII)
メチン系染料A:上記構造式(VI)
メチン系染料B:下記構造式(IX)
メチン系染料C:下記構造式(X)
【0054】
【化7】
Figure 0003776704
【化8】
Figure 0003776704
【化9】
Figure 0003776704
【化10】
Figure 0003776704
【0055】
酸型と中和型のリン酸エステルの混合比と、各染料の分解率を表3に示す。
【表3】
Figure 0003776704
【0056】
以上の通り、インドアニリン系染料は、酸型のリン酸エステルにより、分解が著しく生じ、メチン系染料は、中和型のリン酸エステルにより分解が著しく生じてしまう。表3では、酸型と中和型のリン酸エステルを1/1(質量比)に混合したものでは、インドアニリン系とアントラキノン系染料は比較的分解が少ないが、メチン系染料はその構造の違いで差があるが、分解率は酸型のリン酸エステルを添加した時と、中和型のリン酸エステルを添加した時との中間的な値であり、酸型と中和型のリン酸エステルを適切な混合割合にすれば、メチン系染料の分解を低くすることが可能であることが判る。
【0057】
また、厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製、ルミラー)の一方の面に、下記組成の背面層インキをグラビアコート法により、塗工量を乾燥時で1.0g/m2になるように、塗布して、乾燥し、その後60℃でエージング処理を行なって、硬化処理された背面層を形成した。
(背面層用インキ組成)
ポリビニルブチラール樹脂 3.6部
(積水化学工業(株)製、エスレックBX−1)
ポリイソシアネート 8.4部
(大日本インキ(株)製、バーノックD750)
リン酸エステル系界面活性剤 2.8部
(第一工業製薬(株)製、プライサーフA208S)
タルク(日本タルク(株)製、ミクロエースP−3) 0.6部
トルエン/メチルエチルケトン(質量比1/1) 190部
【0058】
次に、下記組成のイエロー、マゼンタ、シアンの染料層用インキ及びブラックの熱溶融転写用インキを調整した。
(イエロー染料層インキ組成)
下記構造式(XI)で示すキノフタロン染料 5.5部
アセトアセタール樹脂(積水化学工業(株)製、KS−5) 3.5部
リン酸エステル系界面活性剤 0.1部
(第一工業製薬(株)製、プライサーフA208S)
ポリエチレンパウダー(ASTOR WAX Co.製、MF8F)0.1部
トルエン/メチルエチルケトン(質量比1/1) 90部
【0059】
【化11】
Figure 0003776704
【0060】
(マゼンタ染料層インキ組成)
上記のイエロー染料層インキの染料の代わりに、マゼンタ分散染料(C.I.Disperse Red 60)を5.5部使用した他は、イエロー染料層インキと同様である。
【0061】
(シアン染料層インキ組成)
上記構造式(IV)で示すインドアニリン系染料A 1.8部
上記構造式(V)で示すアントラキノン系染料 1.8部
上記構造式(VI)で示すメチン系染料A 0.9部
アセトアセタール樹脂(積水化学工業(株)製、KS−5) 3.5部
ポリエチレンパウダー(ASTOR WAX Co.製、MF8F)0.1部
メチルエチルケトン 12部
トルエン 12部
このシアン染料層インキに下記表に示す組み合せと添加量のリン酸エステル(いずれも第一工業製薬(株)製)を加えた。
【0062】
【表4】
Figure 0003776704
【0063】
(ブラック熱溶融転写用離型層インキ組成)
アクリル系樹脂 20部
メチルエチルケトン 100部
トルエン 100部
【0064】
(ブラック熱溶融転写用インキ組成)
アクリル−塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂 20部
カーボンブラック 10部
メチルエチルケトン 35部
トルエン 35部
【0065】
上記のポリエチレンテレフタレートフィルムの背面層を形成した面と反対側の面に、グラビアコート法により、上記の染料層インキによりイエロー、マゼンタ、シアンの染料層を各塗工量を乾燥時1g/m2で設け、及び上記の離型層インキにより、塗工量を乾燥時0.5g/m2で離型層を設け、その離型層の上に上記のブラック熱溶融転写用インキにより、塗工量を乾燥時1.0g/m2でブラック熱溶融転写層を設け、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順に面順次に、繰り返して、全て長さ10cm(基材シートの流れ方向の長さ)毎に設け、4色1セットの熱転写シートを作製した。尚、各セット間には10cmの間隔を設けた。
【0066】
次に下記組成の保護層用離型層インキ、保護層用インキ及び保護層用接着層インキを用意した。
(保護層用離型層インキ)
シリコン変性アクリル樹脂 16部
アルミ触媒 3部
メチルエチルケトン 8部
トルエン 8部
【0067】
(保護層用インキ組成)
アクリル樹脂 15部
塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体 5部
ポリエチレンワックス 0.3部
ポリエステル樹脂 0.1部
メチルエチルケトン 40部
トルエン 40部
【0068】
(接着層用インキ組成)
塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体 20部
メチルエチルケトン 100部
トルエン 100部
【0069】
次いで、上記のポリエチレンテレフタレートフィルムの染料層が形成されていない領域(長さ10cm)に上記の保護層用離型層インキをグラビアコート法により、塗工量を乾燥時1.0g/m2で設けて離型層を形成した。その離型層上に上記の保護層用インキをグラビアコート法により、塗工量を乾燥時4g/m2で設けて保護層を形成し、更に、この保護層上に上記の接着層用インキをグラビアコート法により、塗工量を乾燥時1.0g/m2で設けて接着層を形成し、転写性保護層積層体を形成した。これにより本発明の実施例5〜8、比較例15,16の熱転写シートを得た。
【0070】
(実施例9)
イエロー、マゼンタ染料層は実施例5〜8と同様である。
(シアン染料層用インキA)
上記構造式(IV)で示すインドアニリン系染料A 1.8部
上記構造式(V)で示すアントラキノン系染料 1.8部
上記構造式(VI)で示すメチン系染料A 0.9部
アセトアセタール樹脂(積水化学工業(株)製、KS−5) 3.5部
リン酸エステル 0.1部
(第一工業製薬(株)製、プライサーフA208S/M208BM=65/35
;質量比)
ポリエチレンパウダー(ASTOR WAX Co.製、MF8F)0.1部
メチルエチルケトン 12部
トルエン 12部
【0071】
(シアン染料層用インキB)
上記構造式(IV)で示すインドアニリン系染料A 1.8部
上記構造式(V)で示すアントラキノン系染料 1.8部
上記構造式(VI)で示すメチン系染料A 0.9部
アセトアセタール樹脂(積水化学工業(株)製、KS−5) 4.5部
ポリエチレンパウダー(ASTOR WAX Co.製、MF8F)0.1部
メチルエチルケトン 12部
トルエン 12部
【0072】
ブラック熱溶融転写用インキ、保護層用インキ組成は、実施例5〜8と同様である。
実施例5〜8と同様に準備したポリエチレンテレフタレートフィルムの背面層を形成した面と反対の面に、上記のインキで、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順に面順次に、繰り返して、全て長さ10cm(基材シートの流れ方向の長さ)毎に設け、4色1セットの熱転写シートを作製した。尚、各セット間には10cmの間隔を設けた。
但し、イエロー、マゼンタの各染料層インキをグラビアコート法により、各塗工量を乾燥時1g/m2で各染料層を設け、シアン染料層はシアン染料層用インキBをグラビアコート法により、塗工量を乾燥時0.7g/m2でシアン染料層を設け、その上にシアン染料層用インキAをグラビアコート法により、塗工量を乾燥時0.7g/m2で2層からなるシアン染料層を設けた。また、ブラック熱溶融転写層は、上記と同様で離型層インキにより、塗工量を乾燥時0.5g/m2で離型層を設け、その離型層の上に上記のブラック熱溶融転写用インキにより、塗工量を乾燥時1.0g/m2でブラック熱溶融転写層を設けた。
【0073】
次に、ポリエチレンテレフタレートフィルムの染料層が形成されていない領域(基材シートの流れ方向の長さ10cm)に上記の離型層用インキをグラビアコート法により、塗工量を乾燥時0.5g/m2で、離型層を形成した。その離型層上に保護層用インキをグラビアコート法により、塗工量を乾燥時4g/m2で、保護層を形成し、更に、この保護層上に上記の接着層用インキをグラビアコート法により、塗工量を乾燥時1.0g/m2で、接着層を形成し、転写性保護層積層体を形成した。これにより本発明の実施例9の熱転写シートを得た。
【0074】
上記の得られた実施例5〜9及び比較例15、16の熱転写シートに対し、下記の方法にて、剥離性及び基材シートとの密着性について評価した。
(剥離性評価条件)
上記のように作製した各熱転写シートを用いて、温度35℃、湿度85%RHの環境下で、大日本印刷(株)製ICカードへ熱転写した。プリンタはVDS社製CP−510を用い、転写度合いを目視により評価し、判定を行なった。印画は、イエロー、マゼンタ、シアンの順に昇華転写を行なって、フルカラー画像を形成し、更にブラック熱溶融転写層を用いて、署名文字を形成した。形成したフルカラー画像を覆うように、上記の熱転写シートの転写性保護層積層体を転写して、カードを作製した。
【0075】
剥離性評価は以下の基準を用いた。
A:異常転写、熱融着の発生が無い。
B:異常転写及び熱融着の発生が無いが、熱転写シートからの染料のとられが生じる。
C:熱融着は発生しないが、異常転写が発生する。
D:熱融着が発生する。
【0076】
(基材シートとの密着性評価条件)
作製した各熱転写シートのシアン染料層の上にニチバン(株)製のメンディングテープMDLP−12を貼り付け、剥離角180°にてそのテープを剥離し、基材シートと染料層との密着性を評価した。
○:染料層の取られ無し。
×:染料層がテープに接着し、剥がれる。
【0077】
上記の実施例5〜9及び比較例15、16の熱転写シートに対する剥離性及び基材シートとの密着性の評価結果と、さらに各例のシアン染料層のバインダー樹脂に対するリン酸エステルの含有する割合を%(質量比)で表したものを下記の表5に示す。
【表5】
Figure 0003776704
【0078】
上記の評価結果により、熱転写シートの染料層にリン酸エステルが、バインダー樹脂に対して、1.4〜5.7質量%の範囲で含有していれば、、被転写体との剥離性で、良好なものとなる。そして、このようにリン酸エステル種の含有量を制限することで、基材シートと染料層との密着性が低下することが無い。
【0079】
【発明の効果】
本発明によれば、以上説明したように、少なくとも昇華性染料と、バインダー樹脂とリン酸エステル及び溶媒を含有するグラビア印刷で用いられる昇華転写用染料層インキにおいて、該リン酸エステルが上の構造式(I)または構造式(II)で示される酸型リン酸エステル、上記の構造式(III)で示される中和型リン酸エステルを混合したものであり、リン酸エステルの酸型と中和型の混合比が、酸型/中和型=80/20〜50/50であり、かつ前記の混合されたリン酸エステルが、バインダー樹脂に対して、1.4〜5.7質量%の範囲で含有しているものを用いるものである。染料の種類によっては、リン酸エステルと染料とが反応して、染料層インキの色相が変化してしまうが、リン酸エステルを酸型と中和型の混合することで、その反応するリン酸エステル種の含有量を制限することで、そのインキの色相変化を最小限に抑えることができる。そして、酸型と中和型リン酸エステルが離型剤として機能し、上記染料層インキを用いて、基材シート上に少なくとも1色以上の染料層を設けた熱転写シートは、被転写体との剥離性に優れ、良好な転写画像が形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱転写シートである1つの実施形態を示す平面図である。
【図2】本発明の熱転写シートである1つの実施形態を示す平面図である。
【図3】本発明の熱転写シートである1つの実施形態の構成を示す概略断面図である。
【図4】本発明の熱転写シートである1つの実施形態を示す平面図である。
【符号の説明】
1 熱転写シート
2 基材シート
3 染料層
4 転写性保護層積層体
5 背面層
6 熱溶融性インキ層
Y イエロー染料層
M マゼンタ染料層
C シアン染料層
BK ブラック染料層

Claims (4)

  1. 少なくとも昇華性染料と、バインダー樹脂とリン酸エステル及び溶媒を含有するグラビア印刷で用いられる昇華転写用染料層インキにおいて、該リン酸エステルが下記の構造式(I)または構造式(II)で示される酸型リン酸エステルと、下記の構造式(III)で示される中和型リン酸エステルを混合したものであり、リン酸エステルの酸型と中和型の混合比が、酸型/中和型=80/20〜50/50であり、かつ前記の混合されたリン酸エステルが、バインダー樹脂に対して、1.4〜5.7質量%の範囲で含有していることを特徴とする昇華転写用染料層インキ。
    Figure 0003776704
    〔式中、Rはアルキル基またはアルキルアリル基であり、nはエリレンオキサイド付加モル数を表し、Xは1または2である。〕
    Figure 0003776704
    〔式中、Rはアルキル基またはアルキルアリル基、アルキルフェノール基であり、nはエリレンオキサイド付加モル数であり、AはOHまたは、RO(C 2 4 O) n を表す。〕
    Figure 0003776704
    〔式中、Rはアルキル基またはアルキルアリル基であり、nはエリレンオキサイド付加モル数を表し、Xは1または2である。〕
  2. 基材シートの一方の面に、少なくとも1色以上の染料層を設けた熱転写シートにおいて、該染料層が請求項1に記載する昇華転写用染料層インキを塗工して形成されたことを特徴とする熱転写シート。
  3. 少なくとも1色の前記染料層は複層構造であることを特徴とする請求項2に記載する熱転写シート。
  4. 基材シートの一方の面に、少なくとも1色以上の染料層と、熱溶融性インキ層及び/または転写性保護層積層体を面順次に塗り分けたことを特徴とする請求項2または3に記載する熱転写シート。
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