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JP2003091869A - 多層相変化型情報記録媒体 - Google Patents

多層相変化型情報記録媒体

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Publication number
JP2003091869A
JP2003091869A JP2001282959A JP2001282959A JP2003091869A JP 2003091869 A JP2003091869 A JP 2003091869A JP 2001282959 A JP2001282959 A JP 2001282959A JP 2001282959 A JP2001282959 A JP 2001282959A JP 2003091869 A JP2003091869 A JP 2003091869A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
recording
phase change
information
recording medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001282959A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Iwasa
博之 岩佐
Yuji Miura
裕司 三浦
Michiaki Shinozuka
道明 篠塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2001282959A priority Critical patent/JP2003091869A/ja
Publication of JP2003091869A publication Critical patent/JP2003091869A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/24Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material
    • G11B7/2403Layers; Shape, structure or physical properties thereof
    • G11B7/24035Recording layers
    • G11B7/24038Multiple laminated recording layers

Landscapes

  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 1回の初期化工程で2層の記録層の初期特性
を最適化できる多層相変化型情報記録媒体を提供する。 【解決手段】 光透過層1と保護基板5との間に第1情
報層2と第2情報層4が透明層3を介して積層される多
層相変化型情報記録媒体において、第2情報層4の記録
層42に隣接する位置にBiを含む結晶化促進層43を
設け、この結晶化促進層43に接して空間群Fm3mに
属する準安定Sb3Te相を有する記録層42を成膜す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、レーザーなどの光によ
り情報の記録あるいは再生を行なう情報記録媒体に係
り、特に多層相変化型情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】CD−RやCD−RWなどの光ディスク
は、ポリカーボネートなどプラスチックの円形基板の上
に記録層を設け、さらにその上にアルミニウムや金、銀
などの金属を蒸着またはスパッタリングして反射層を形
成したもので、基板面側からレーザー光を入射して、信
号の記録、再生を行なう。近年、コンピューター等で扱
う情報量が増加したことから、DVD−RAM、DVD
−RWのような光ディスクの信号記録容量の増大、及び
信号情報の高密度化が進んでいる。CDの記録容量は6
50MB程度で、DVDは4.7GB程度であるが、今
後、さらなる高記録密度化が要求されている。
【0003】このような高記録密度媒体を実現するため
に、使用するレーザー波長を青色光領域まで短波長化す
ることが提案されている。また、記録再生を行なうピッ
クアップに用いられる対物レンズの開口数を大きくする
ことで、光記録媒体に照射されるレーザー光のスポット
サイズを小さくして、高記録密度が可能となる。しかし
ながら、レーザーの短波長化や対物レンズの開口数の増
大などによりスポットサイズを小さくして記録密度を高
める方法には限界があり、情報記録層を片面に2層設け
ることによって容量を高める技術が、例えば特許公報第
2702905号に提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、書き換え可
能な相変化型の光記録媒体は、初期状態(消去状態)は
結晶相であるが、記録層は一般に非晶相であるために、
これを結晶化させる処理が必要である。これが初期化工
程である。上述したような片面記録層2層の光記録媒体
を初期化する場合、それぞれの記録層に大出力の半導体
レーザーをフォーカシングさせて初期化を行なうが、一
方の記録層を初期化中に、他方の記録層が、熱の影響を
受けてしまう。初期化を行なう際、レーザーパワー、回
転速度などをいかに最適な条件で行なうかで、初期のジ
ッター値、オーバーライト特性などが決まってくる。多
層相変化型光ディスクの場合、ある記録層を最適条件で
初期化しても、隣接した記録層の初期化時の熱影響によ
り、最初に初期化した記録層の特性が劣化してしまうと
いった問題が生じてくる。
【0005】この問題を解決するためには、一方の記録
層だけ初期化を行ない、他方は、その熱影響のみで初期
特性をよくすることができる光ディスクが考えられる。
つまり、片方の記録層は、成膜工程時にすでにある程度
結晶化しており、従来の初期化工程を要することなく、
もう一方の記録層の初期化工程時に、その熱影響で、完
全に結晶化されるような光ディスクが提案される。
【0006】本発明は、上記観点からなされたもので、
一回の初期化工程で2層の記録層の初期特性を最適化す
ることができる多層相変化型記録媒体を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1の発
明は、光の入射による結晶状態と非晶質状態の相変化に
よって情報を記録しうる記録層を2層有する多層相変化
型情報記録媒体において、一方の記録層の少なくとも一
部分に接してBi原子を含む結晶化促進層が形成され、
この結晶化促進層に接する記録層が空間群Fm3mに属
する準安定Sb 3Te相を有することを特徴とする。
【0008】本発明においては、結晶化促進層に接する
記録層の初期化工程が不要となり、2層の記録層の初期
化工程が1回ですむ多層相変化型情報記録媒体を提供す
ることができる。
【0009】本発明の多層相変化型情報記録媒体におい
て、初期化工程を必要としない記録層は、Sb、Teを
主体として、さらに好ましくはIb族元素、II族元素、
III族元素、IV族元素、V族元素、VI族元素、希土類元
素及び遷移金属元素から選ばれた少なくとも1種の元素
を含有する。なお、IV族元素としては、Geが挙げられ
る。そして、この記録層の結晶化温度(Tc)は、14
5℃≦Tc≦185℃の範囲が好ましい。また、この記
録層に接する結晶化促進層は、好ましくは0.5〜5.
0nmの膜厚に形成される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。
【0011】図1は、本発明の多層相変化型情報記録媒
体の一実施形態の概略断面を示すもので、レーザー光の
入射側から順に、光透過層1上に第1情報層2、透明層
3、第2情報層4、保護基板5が積層された構成となっ
ている。また、第1情報層2は、第1保護層21、記録
層22、第2保護層23から構成されており、第2情報
層4は、第1保護層41、記録層42、結晶化促進層4
3、第2保護層44、反射層45から構成されている。
【0012】上記構成において、光透過層1及び透明層
3は通常、ガラス、セラミックスあるいは樹脂で形成さ
れ、樹脂基板が成形性、コストの点で好適である。樹脂
の例としては、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、
エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−
スチレン共重合体樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピ
レン樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ABS樹
脂、ウレタン樹脂などが挙げられるが、成形性、光学特
性、コストの点でポリカーボネート樹脂やポリメチルメ
タクリレート(PMMA)などのアクリル系樹脂が好ま
しい。
【0013】光透過層1あるいは透明層3にはあらかじ
め案内溝などの凹凸パターンが射出成形またはフォトポ
リマー法によって形成される。透明層3の厚さは、記録
再生を行なう際に、ピックアップが上下の情報層を識別
し、光学的に分離できるように、20〜50μmが好ま
しい。20μmより薄いと、光学的に分離できなくなる
ばかりでなく、記録再生する際、層間クロストークが生
じてしまう。また、50μmより厚いと、奥側の第2情
報層4を記録再生する際に、球面収差が発生し、記録再
生が困難になってしまう。
【0014】結晶化促進層43は、Bi原子を含む材料
で形成される。例えば、Bi単体、Bi合金(固溶体、
金属間化合物、共晶など)、Bi混合物などである。本
発明において使用可能なBi合金としては、Biと、A
g、Ca、Cd、Ce、Co、Cr、Cu、Fe、G
a、Ge、H、Hg、In、Ir、K、La、Li、M
g、Mn、Mo、N、Na、Ni、O、P、Pb、P
d、Po、Pr、Pt、Pu、Rb、Rh、Ru、S、
Sb、Se、Si、Sn、Sr、Te、Th、Ti、T
l、U、Cl及びBrから選ばれた少なくとも1種の元
素とからなる合金等を挙げることができる。この場合、
同合金中においてBiの組成比は、原子数濃度で通常
は、5〜100原子%、好ましくは、25〜100原子
%、より好ましくは、40〜100原子%である。
【0015】本発明においては、結晶化促進層43は記
録層42の全面に接して設けてもよく、一部分に接して
設けてもよい。また、本実施の形態では記録層42と第
2保護層44との間に結晶化促進層43が設けられてい
るが、第1保護層41と記録層42との間に設けてもよ
く、また図2に示すように両方に設けてもよい。情報層
を積層させて光情報記録媒体を作製する際、結晶化促進
層、記録層の順に積層すると、結晶化促進作用が効果的
に発揮する。したがって、第2保護層44側から成膜す
る場合は、第2保護層44と記録層42との間に、第1
保護層41側から成膜する場合は、第1保護層41と記
録層42の間に結晶化促進層43を設けることが望まし
い。また、結晶化促進層43は連続膜であってもよく、
島状の不連続膜であってもよく、共に所望の結晶化促進
効果が得られる。
【0016】結晶化促進層43は、スパッタリング、蒸
着などの真空成膜法で形成される。結晶化促進層43の
膜厚は、0.2〜10nm、好ましくは0.5〜5.0
nmである。また、結晶化促進層43の膜厚は、記録層
42の膜厚の1/100〜1/2であることが望まし
く、さらには1/50〜1/4が望ましい。結晶化促進
層43の膜厚がこの範囲内であると、所望の結晶化促進
効果がえられるとともに、記録時に記録層42と結晶化
促進層43の混ざり合いの影響を少なくすることがで
き、品質のより安定した光記録情報媒体の提供が可能と
なる。
【0017】結晶化促進層43の隣接した初期化工程不
要の記録層42には、空間群Fm3mに属する準安定S
3Te相を有する記録層が使用される。そして、保存
信頼性の向上、記録特性の向上など、必要に応じて、該
記録層にIb族元素、II族元素、III族元素、IV族元
素、V族元素、VI族元素、希土類元素及び遷移金属元素
から選ばれた元素の少なくとも1種が添加される。
【0018】添加元素は、空間群Fm3mに属する準安
定Sb3Te相の出現を妨げない範囲で、かつ記録層4
2の結晶化温度が、200℃を越えない範囲で添加する
ことができる。記録層42の結晶化のしやすさは、いず
れの元素を添加した場合においても記録層42の結晶化
温度に依存し、結晶化温度が低いほど結晶化しやすい。
記録層42の結晶化温度は、熱分析により求めることが
でき、昇温速度10℃/分での測定値においては、結晶
化温度が200℃を越えると、成膜プロセスを経ただけ
では結晶化しなくなるので好ましくない。結晶化温度
は、好ましくは、145℃〜185℃、より好ましく
は、155〜180℃であり、この範囲において、上記
元素を添加することができる。
【0019】上記元素の中では、Geが特有な添加元素
である。Geは保存信頼性、記録特性を向上させる効果
が顕著であり、Geは、Geだけを単独で添加してもよ
く、他の元素と共に添加してもよい。このような記録層
としては、例えば、Sb、Te主成分として、Geのみ
を添加したGeSbTe、Ag、Inと共に添加したG
eAgInSbTe、Inと共に添加したGeInSb
Te、Agと共に添加したGeAgSbTeなどがあ
る。なお、ここでいうGeSbTeは、従来から知られ
ている化合物系材料のGe2Sb2Te5系とは異なった
ものである。従来から知られているGe2Sb2Te5
がGeTe−Sb2Te3系であるのに対し、本発明で
は、あくまでもSb3Te準安定相とアモルファス相と
の間の相転移において光学的性質が変化することを利用
したものである。また、組成範囲も大きく異なってい
る。
【0020】Geの添加量としては、添加量が少なすぎ
ると、添加元素としての効果が小さくなってしまい、好
ましくない。逆に多すぎると、Sb3Te準安定相の形
成が困難となるため好ましくない。よって、好ましくは
0.5原子%以上10原子%未満であり、より好ましく
は2原子%以上10原子%未満であり、さらに好ましく
は4原子%以上10原子%未満である。
【0021】記録層42の膜厚は通常は、4〜100n
m、好ましくは8〜35nm、より好ましくは10〜2
5nmである。4nmより薄いと、光吸収能が低下し記
録層としての機能を失い、100nmより厚いと、透過
光が少なくなるため干渉効果が期待できなくなる。
【0022】初期化工程を必要とする記録層22の場合
は、Ge2Sb2Te5、Ge4Sb2Te7などのGeTe
−Sb2Te3擬似二元化合物合金や、準安定Sb3Te
相を有するSb−Sb2Te3擬似二元合金でも構わな
い。これらの記録膜材料にはさらなる性能向上、信頼性
向上などを目的に、Ib族元素、II族元素、III族元
素、IV族元素、V族元素、VI族元素、希土類元素及び遷
移金属元素から選ばれた元素の少なくとも1種を添加す
ることができる。
【0023】記録層22の膜厚は、4〜30nm、好ま
しくは6〜20nm、より好ましくは6〜12nmであ
る。4nmより薄いと、光吸収能が低下し記録層として
の機能を失い、30nmより厚いと、透過光が少なくな
るため、第2情報層4への記録再生が困難になる。
【0024】記録層22、42は、各種気相成長法、た
とえば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD
法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム
蒸着法などによって形成できる。なかでも、スパッタリ
ング法が、量産性、膜質等に優れている。
【0025】本発明においては、第1情報層2に、初期
化工程不要な記録層を用いても構わない。この場合の、
記録層材料、結晶化促進層の材料、配置は、上記第2情
報層4の場合と同様である。結晶化促進層の膜厚は、
0.2〜5nm、好ましくは0.5〜3nmである。ま
た、結晶化促進層の膜厚は、記録層膜厚の1/100〜
1/2であることが望ましく、さらに望ましくは、1/
50〜1/4である。結晶化促進層の膜厚が上記の範囲
内であると、所望の結晶化促進効果がえられるととも
に、記録時に記録層と結晶化促進層の混ざり合いの影響
を少なくすることができ、品質のより安定した光記録情
報媒体の提供が可能となる。記録層の膜厚は、4〜30
nm、好ましくは6〜20nmである。4nmより薄い
と、光吸収能が低下し記録層としての機能を失い、30
nmより厚いと、透過光が少なくなるため、第2情報層
4への記録再生が困難になる。
【0026】保護層21、23、41、44は、記録層
22、42の劣化変質を防ぎ、記録層22、42の接着
強度を高め、かつ記録特性を高めるなどの作用を有する
もので、SiO、SiO2、ZnO、SnO2、Al
23、TiO2、In23、MgO、ZrO2などの金属
酸化物、Si34、AlN、TiN、BN、ZrNなど
の窒化物、ZnS、In23、TaS4などの硫化物、
SiC、TaC、B4C、WC、TiC、ZrCなどの
炭化物やダイヤモンド状カーボンあるいは、それらの混
合物が用いられる。これらの材料は、単体で保護膜とす
ることもできるが、互いの混合物としてもよい。また、
必要に応じて不純物を含んでもよい。例えば、混合物と
しては、ZnSとSiOx、Ta25とSiOxが挙げら
れる。保護層の融点は記録層よりも高いことが必要であ
る。このような保護層は、各種気相成長法、たとえば真
空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光C
VD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法な
どによって形成できる。なかでも、スパッタリング法
が、量産性、膜質等に優れている。
【0027】第1保護層21、41の膜厚は、50〜2
50nmの範囲として、75〜200nmが好ましい。
50nmより薄くなると、耐環境性保護機能の低下、耐
熱性低下、畜熱効果の低下となり好ましくない。250
nmより厚くなると、スパッタ法等による成膜過程にお
いて、膜温度の上昇により膜剥離やクラックが生じた
り、記録時の感度の低下をもたらすので好ましくない。
第2保護層23、44の膜厚は5nm〜100nmの範
囲とし、15nm〜50nmが好ましい。第2保護層2
3、44の場合、5nmより薄いと、基本的に耐熱性が
低下し好ましくない。100nmを越えると、記録感度
の低下、温度上昇による膜剥離、変形、放熱性の低下に
より繰り返しオーバーライト特性が悪くなる。
【0028】反射層45としては、Al、Au、Ag、
Cu、Taなどの金属材料、またはそれらの合金などを
用いることができる。また、添加元素としては、Cr、
Ti、Si、Cu、Ag、Pd、Taなどが使用され
る。このような反射層45は、各種気相成長法、たとえ
ば真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、
光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着
法などによって形成できる。なかでも、スパッタリング
法が量産性、膜質等に優れている。この層は、熱を効率
的に放散させることが重要であり、膜厚は、30〜25
0nm、好ましくは50〜150nmである。膜厚が厚
すぎると、放熱効率が大きすぎて感度が悪くなり、薄す
ぎると、感度は良好であるが繰り返しオーバーライト特
性が悪くなる。特性としては、熱伝導率が高く、高融点
で保護層材料との密着性がよいこと等が要求される。
【0029】第1情報層2の第2保護層23と透明層3
の間にこれらの材料を用いた反射層を設けることもでき
る。反射膜を設けることにより、記録時の記録層22の
熱が、第1保護層23を介して反射膜に拡散されるの
で、より冷却速度が速くなる。また、光学シミュレーシ
ョンによれば、結晶部の反射率と非晶質の反射率の差を
大きくすることができ、大きな再生信号振幅を得られ
る。しかしながら、第2情報層4へ透過するレーザー光
を考慮すると、第1情報層2の反射層の膜厚は1〜20
nmが好ましく、3〜10nmがより好ましい。20n
mより厚いと、透過率が減少し、第2情報層4の記録再
生が困難になる。1nmより薄いと、反射層を設けるこ
との効果が得られず、また、厚さが均一で緻密な膜を作
ることが困難になる。
【0030】本発明は、図1に示す実施の形態に限定さ
れず、図2に示すように、第1保護層41と記録層42
の間に結晶化促進層43を設けてもよい。また、図に示
してはいないが、第1情報層2に、記録再生を行なう光
の波長域で透過率が極端に低減しない範囲であれば、結
晶化促進層を設けてもよいし、金属からなる反射層や、
誘電体材料などからなる放熱層を設けても何等構わな
い。
【0031】上記のように構成することにより、2層の
記録層を有する多層相変化型情報記録媒体において、一
方の記録層の初期化工程のみで他方の記録層の初期特性
も共に最適化させることが可能となる。
【0032】
【実施例】実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、
本発明はこれらの実施例になんら限定されるものではな
い。
【0033】[実施例1〜8]直径12cm、厚さ0.
6mmで表面に連続溝によるトラッキングガイドの凹凸
を持つポリカーボネート基板上に、(ZnS)80・(Si
2)20からなる第1保護層100nm、Ag1In7Sb
70Te22からなる記録層6nm、(ZnS) 80・(SiO
2)20からなる第2保護層30nm、AgCuからなる反
射層10nmをマグネトロンスパッタ法で順次成膜し、
第1情報層を形成した。この第1情報層上に、2P(pho
to polymerization)法によって、連続溝によるトラッキ
ングガイドの凹凸を持つ透明層を厚さ40μmに形成し
た。さらに、その上に、(ZnS) 80・(SiO2) 20
らなる第1保護層を90nmの厚さに、Biからなる結
晶化促進層を0.75nm、2.5nm、5.0nmの
3通りの厚さに、表1に挙げた組成を有する空間群Fm
3mに属する準安定Sb3Te相を有する記録層を12
nmの厚さに、(ZnS) 80・(SiO2) 20からなる第
2保護層を15nmの厚さに、AlTiからなる反射層
を150nmの厚さに順次成膜し、第2情報層を形成し
た。成膜方法はArガス雰囲気中のマグネトロンスパッ
タ法を用いた。その上に、スピンコーターを用いてオー
バーコート層を設けて相変化型光ディスクを作成した。
ついで、第1情報層だけを、大口径の半導体レーザーを
有する初期化装置によって、初期化処理を行なった。
【0034】[実施例9〜13]第2情報層の記録層及
び結晶化促進層をそれぞれ表1に示す組成とした以外
は、上記実施例と同様にして相変化型光ディスクを作成
し、第1情報層だけを初期化処理した。
【0035】[比較例1〜8]実施例1〜8に対して結
晶化促進層を設けない構成とした以外は同様にして相変
化型光ディスクを作成し、第1情報層だけを初期化処理
してそれぞれ比較例1〜8とした。
【0036】
【表1】
【0037】実施例1〜13で作成した相変化型光ディ
スクについて、X線回折装置により第2情報層の記録層
の結晶構造を調べたところ、いずれも結晶で、空間群F
m3mに属するものであった。結晶化促進層は膜厚が
0.75nmの場合には薄膜状になっておらず、膜厚が
2.5nm及び5.0nmの場合には連続膜であった。
一方、比較例1〜8について、第2情報層の記録層をX
線回折装置により調べたところ、アモルファスであるこ
とがわかった。
【0038】また、実施例1〜13において、第2情報
層の初期化プロセスなしで情報の記録再生を行ったとこ
ろ、問題なく記録再生を行うことができた。特に、Ge
含有の記録層では(実施例1、2、4、5、7〜1
3)、繰り返し記録特性が極めて良好であり、保存信頼
性も良好であった。一方、比較例1〜8においては、第
2情報層の初期化プロセスなしでは情報の記録再生を行
うことができなかった。なお、記録条件は以下のとおり
である。 レーザー波長 407nm NA=0.65 線速 6.5m/s トラックピッチ 0.40μm 線密度 0.20μm/bit
【0039】以上の結果より、実施例1〜13による相
変化型光ディスクでは、第2情報層は成膜完了時にはす
でに結晶化しており、第1情報層の初期化プロセスのみ
で2層の記録再生が行なえることが確認できた。
【0040】[実施例14〜21]直径12cm、厚さ
0.6mmで表面に連続溝によるトラッキングガイドの
凹凸を持つポリカーボネート基板上に、(ZnS) 80
(SiO2) 20からなる第1保護層を100nmの厚さ
に、Biからなる結晶化促進層を0.75nm、2.5
nmの2通りの厚さに、表2に挙げた組成を有する空間
群Fm3mに属する準安定Sb3Te相を有する記録層
を6nmの厚さに、(ZnS) 80・(SiO2) 20からな
る第2保護層を30nmの厚さに、AgCuからなる反
射層を10nmの厚さに順次マグネトロンスパッタ法で
成膜し、第1情報層を形成した。この第1情報層上に、
2P(photo polymerization)法によって、連続溝による
トラッキングガイドの凹凸を持つ透明層を40μmの厚
さに形成した。さらにその上に、(ZnS) 80・(SiO
2) 20からなる第1保護層90nm、Ag1In7Sb70
Te 22からなる記録層12nm、(ZnS) 80・(SiO
2) 20からなる第2保護層15nm、AlTiからなる
反射層150nmを順次成膜し、第2情報層を形成し
た。成膜方法はArガス雰囲気中のマグネトロンスパッ
タ法である。その上に、スピンコーターを用いてオーバ
ーコート層を設けて相変化型光ディスクを作成した。つ
いで、第2情報層だけを、大口径の半導体レーザーを有
する初期化装置によって、初期化処理を行なった。
【0041】[実施例22〜26]第1情報層の記録層
及び結晶化促進層をそれぞれ表2に示す組成とした以外
は、実施例14〜21と同様にして相変化型光ディスク
を作成し、第2情報層のみ初期化処理を行なった。
【0042】[比較例9〜16]実施例14〜21に対
して結晶化促進層を設けない構成とした以外は同様にし
て相変化型光ディスクを作成し、第2情報層だけを初期
化処理してそれぞれ比較例9〜16とした。
【0043】
【表2】
【0044】実施例14〜26で作成した相変化型光デ
ィスクについて、X線回折装置により第1情報層の記録
層の結晶構造を調べたところ、いずれも結晶で、空間群
Fm3mに属するものであった。結晶化促進層は膜厚が
0.75nmの場合には薄膜状になっておらず、膜厚が
2.5nmの場合には連続膜であった。一方、比較例9
〜16において、第1情報層の記録層についてX線回折
装置により調べたところ、アモルファスであることがわ
かった。
【0045】実施例14〜26において、第1情報層の
初期化プロセスを行わずに情報の記録再生を行ったとこ
ろ、問題なく記録再生を行うことができた。特に、Ge
含有の記録層では(実施例14、15、17、18、2
0〜26)、繰り返し記録特性が極めて良好であり、保
存信頼性も良好であった。一方、比較例9〜16におい
ては、第1情報層の初期化プロセスなしでは情報の記録
再生を行うことができなかった。なお、記録条件は以下
のとおりである。 レーザー波長 407nm NA=0.65 線速 6.5m/s トラックピッチ 0.40μm 線密度 0.20μm/bit
【0046】以上の結果より、実施例14〜26による
相変化型光ディスクでは、第1情報層の記録層は成膜完
了時にはすでに結晶化しており、初期化プロセスが不要
であることが確認された。
【0047】[実験例1〜6]第2情報層に表3に示す
組成及び結晶化温度を有する記録層を用いた以外は、実
施例1〜8と同様にして相変化型光ディスクを作成し、
第1情報層の初期化処理のみ行なった。これらについ
て、第2情報層の記録層のX線回折、および保存信頼特
性を評価した。保存信頼特性は、記録線速6.5m/
s、線密度0.20μm/bitで記録した後、80℃85
%雰囲気下に100時間保存後、3Tのジッターを評価
し、行なった。
【0048】
【表3】
【0049】実験例2〜4では、X線回折の結果、第2
情報層の記録層は結晶化しており、第2情報層の初期化
プロセスなしで、記録再生を行なうことができた。ま
た、保存信頼性も良好であった。これらに対し、実験例
1では、第2情報層の記録層は結晶化していたが、保存
信頼性は満足されなかった。また、実験例5、6では、
第2情報層の記録層の結晶化は十分でなく、記録再生が
困難であった。通常の第2情報層の初期化を行ない、記
録したところ、保存信頼性は良好であった。
【0050】以上の結果より、第2情報層の結晶化促進
層に接する記録層の結晶化温度が145℃以上185℃
以下の範囲にあるとき、第1情報層の初期化プロセスに
より第2情報層の初期特性も最適化され、良好な記録再
生と保存信頼性が得られることが確認された。
【0051】
【発明の効果】上述したように、請求項1の発明によれ
ば、1つの記録層を空間群Fm3mに属する準安定Sb
3Te相を有するものとし、この記録層に接してBiを
含む結晶化促進層を設けることにより、この記録層の初
期化工程を不要とすることができ、1回の初期化工程で
2層の記録層の初期特性を最適化することが可能な多層
相変化型情報記録媒体を得ることができる。
【0052】請求項4の発明によれば、初期化工程不要
の記録層の結晶化温度を所定の範囲に調整することによ
り、記録再生特性及び保存信頼性に優れた多層相変化型
情報記録媒体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層相変化型情報記録媒体の一実施の
形態を示す概略断面図である。
【図2】本発明の多層相変化型情報記録媒体の他の実施
の形態を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1……光透過層 2……第1情報層 3……透明層 4……第2情報層 5……保護基板 21、41……第1保護層 22、42……記録層 23、44……第2保護層 43……結晶化促進層 45……反射層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光の入射による結晶状態と非晶質状態の
    相変化によって情報を記録しうる記録層を2層有する多
    層相変化型情報記録媒体において、一方の記録層の少な
    くとも一部分に接してBi原子を含む結晶化促進層が形
    成され、この結晶化促進層に接する記録層が空間群Fm
    3mに属する準安定Sb3Te相を有することを特徴と
    する多層相変化型情報記録媒体。
  2. 【請求項2】 結晶化促進層に接する記録層が、Ib族
    元素、II族元素、III族元素、IV族元素、V族元素、VI
    族元素、希土類元素及び遷移金属元素から選ばれた少な
    くとも1種の元素を含有することを特徴とする請求項1
    記載の多層相変化型情報記録媒体。
  3. 【請求項3】 IV族元素が、Geである請求項3記載の
    多層相変化型情報記録媒体。
  4. 【請求項4】 結晶化促進層に接する記録層の結晶化温
    度が、145℃以上185℃以下の範囲にあることを特
    徴とする請求項1記載の多層相変化型情報記録媒体。
  5. 【請求項5】 結晶化促進層の膜厚が、0.5〜5.0
    nmであることを特徴とする請求項1記載の多層相変化
    型情報記録媒体。
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