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JP2003082381A - 非引火性水系切削液組成物及び非引火性水系切削液 - Google Patents

非引火性水系切削液組成物及び非引火性水系切削液

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Publication number
JP2003082381A
JP2003082381A JP2001271553A JP2001271553A JP2003082381A JP 2003082381 A JP2003082381 A JP 2003082381A JP 2001271553 A JP2001271553 A JP 2001271553A JP 2001271553 A JP2001271553 A JP 2001271553A JP 2003082381 A JP2003082381 A JP 2003082381A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cutting fluid
water
based cutting
flammable water
abrasive grains
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001271553A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiichi Nabeshima
敏一 鍋島
Yoshiori Sugiyama
佳織 杉山
Hitoshi Niike
仁志 新池
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DKS Co Ltd
Original Assignee
Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd filed Critical Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd
Priority to JP2001271553A priority Critical patent/JP2003082381A/ja
Priority to TW91119355A priority patent/TW575660B/zh
Priority to EP02256127A priority patent/EP1291408A1/en
Priority to US10/236,899 priority patent/US6673754B1/en
Priority to CNB021318522A priority patent/CN1234827C/zh
Priority to KR10-2002-0053770A priority patent/KR100494296B1/ko
Publication of JP2003082381A publication Critical patent/JP2003082381A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B24GRINDING; POLISHING
    • B24CABRASIVE OR RELATED BLASTING WITH PARTICULATE MATERIAL
    • B24C11/00Selection of abrasive materials or additives for abrasive blasts
    • B24C11/005Selection of abrasive materials or additives for abrasive blasts of additives, e.g. anti-corrosive or disinfecting agents in solid, liquid or gaseous form

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Lubricants (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 砥粒の分散性が良好で、硬脆材料の切断加工
への使用に際しても引火性の問題がなく、水での洗浄が
容易な非引火性水系切削液組成物を提供する。 【解決手段】 重量平均分子量が1,000〜200,
000のポリカルボン酸系高分子化合物及び/又はその
塩を5〜45重量%で含有している非引火性水系切削液
組成物である。ポリカルボン酸系高分子化合物及び/又
はその塩は、5〜45重量%で配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、非引火性水系切
削液組成物及び非引火性水系切削液に関し、更に詳しく
は、半導体結晶材料の単結晶シリコンや多結晶シリコ
ン、石英、水晶、セラミック等のインゴットの切断加工
に好適な水系切削液及びこれに砥粒を配合したスラリー
状の非引火性水系切削液に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、シリコンインゴット等の硬脆
材料の切断用の切削液に於いては、砥粒分散媒として、
主に鉱物油を主成分とする非水系の切削液が用いられて
いる。この非水系切削液は、切削油に炭化ケイ素等の砥
粒を1:1(重量比)の割合で分散させたスラリー状で
あり、このスラリーが切断加工面に連続供給される。切
り出されたウエハーの洗浄には、トリクロロエタンや塩
化メチレン等の塩素系有機溶剤や、高濃度の非イオン系
界面活性剤が洗浄液として用いられている。
【0003】しかし、鉱物油は引火性のある危険物であ
るため、防爆対策を施した設備が必要であり、貯蔵数量
等の制限もあり、環境保全や製造管理に問題が生じるお
それがある。また、鉱物油を用いて切断されたウエハー
の洗浄に用いられる上述のような塩素系有機溶剤の洗浄
剤は発ガン性を有しているため、安全衛生上問題があ
る。更に、大気汚染やオゾン層の破壊の主原因であると
して、近年使用が禁止されるに至っている。その代替洗
浄として、非イオン系界面活性剤が用いられているが、
この非イオン系界面活性剤の洗浄では、その洗浄力の低
さから大型の洗浄設備が必要となり、更には高濃度で使
用することが必要であるため、廃水処理や廃棄処理に問
題が生じている。
【0004】一方、鉱物油を主成分とせず、かつ切断工
程後に水での洗浄が可能なものとして、ポリオキシアル
キレングリコール及びその誘導体等の水溶性エーテル類
を主成分とするグリコールタイプの水可溶系の水溶性切
削液(特開平3−181598公報及び特開平11−1
98016公報参照)が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、グリコ
ールタイプの水溶性切削液は、引火点消失のために水を
配合する必要があるが、水分量が低くなると引火性を生
ずるという問題や、水分量を多く配合すると砥粒の分散
性が悪くなる等、製造管理に問題が生じている。また、
グリコールタイプの水溶性切削液は、水での洗浄が容易
であっても、洗浄水の廃水負荷が高く、廃液処理にも問
題を残している。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような従来
の問題点に着目してなされたものであって、特定のポリ
カルボン酸系高分子化合物を用いることにより、多量の
水を配合した組成物でも砥粒の分散性が良好であり、硬
脆材料の切断加工に使用しても引火性の問題なく、且
つ、水での洗浄が容易で、廃水処理性の良好な非引火性
水系切削液組成物及び非引火性水系切削液を提供するこ
とを可能とした。
【0007】即ち、本発明の非引火性水系切削液組成物
は、重量平均分子量が1,000〜200,000のポ
リカルボン酸系高分子化合物及び/又はその塩を5〜4
5重量%で含有していることを特徴とする。
【0008】ポリカルボン酸系高分子化合物は砥粒粒子
に吸着し、保護コロイド効果により安定な分散効果を発
揮するものと考えられる。また、ポリカルボン酸系高分
子化合物の塩はイオン性が付与されているため、静電気
的な反発力を生じて更に優れた分散性が得られるものと
考えられる。
【0009】このポリカルボン酸系高分子化合物の分子
量や配合量が低い場合には、粒子表面に均一な保護コロ
イド層が形成されず、粒子間の反発力が弱くなり、分散
性や再分散性が悪くなるものと考えられる。また、分子
量が200,000を超える場合には凝集作用が現れ、
再分散性が低下するものと考えられる。
【0010】前記ポリカルボン酸系高分子化合物及び/
又はその塩は、アクリル酸、マレイン酸及びメタクリル
酸からなる群から選択されるモノマーの1種又は2種以
上から調製されるポリマー、該ポリマーのアルカリ金属
塩、該ポリマーのオニウム塩及びこれらの1種又は2種
以上の混合物からなる群から選択されるものであること
が好ましい。
【0011】また、前記ポリカルボン酸系高分子化合物
及び/又はその塩は、化2の一般式(1)で示すポリマ
ーであることが好ましい。
【0012】
【化2】
【0013】ここで、一般式(1)に於いて、Rは水素
原子又はメチル基であり、M1、M2、及びM3は、水素
原子、アルカリ金属原子又はオニウムの何れかであって
同じか又は互いに異なってもよい。nは1以上の整数、
mは0以上の整数である。
【0014】本発明の非引火性水系切削液は、上記非引
火性水系切削液組成物と、砥粒とを含有することを特徴
とする。
【0015】ここで、前記砥粒の粒径は、0.5〜50
μmであることが好ましい。また、非引火性水系切削液
組成物と砥粒とを、重量比1:0.5〜1:1.5の割
合で分散させた切削液が好ましい。
【0016】このような本発明の非引火性水系切削液
は、ワイヤーソー又はバンドソーに好適に使用され、特
に、硬脆材料からなるインゴットの切断に好適に使用さ
れる。前記硬脆材料としては、シリコン、石英及び水晶
から選択されるものを挙げることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0018】本発明に用いられるポリカルボン酸系高分
子化合物として、アクリル酸、マレイン酸若しくはメタ
クリル酸のホモポリマー若しくはコポリマー、又はこれ
らとエチレン、プロピレン、スチレン、メタクリル酸エ
ステル、マレイン酸モノエステル、マレイン酸ジエステ
ル、酢酸ビニル等とのコポリマーを使用することができ
る。また、上記ポリカルボン酸系高分子化合物のアルカ
リ金属塩及び/又はオニウム塩も使用することができ
る。ここで、塩の種類としては、ナトリウム、カリウ
ム、リチウム等の金属イオンの塩、アンモニア、モノエ
タノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノール
アミン、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルア
ミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミ
ン、メチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミ
ン、メチルジエタノールアミン、エチルエタノールアミ
ン、ジエチルエタノールアミン、エチルジエタノールア
ミン等のオニウムイオンの塩が挙げられる。これらの塩
のうち、好ましいものは、ナトリウム、カリウム、アン
モニア、モノエタノールアミン及びジエタノールアミン
の塩である。
【0019】上記のポリカルボン酸系高分子化合物のう
ち、特に好適に使用されるのは、前述の化2の一般式
(1)で示されるアクリル酸のホモポリマー及び/又は
アクリル酸とマレイン酸のコポリマーのアルカリ金属塩
及び/又はオニウム塩である。
【0020】ポリカルボン酸系高分子化合物及び/又は
その塩の重量平均分子量は、1,000〜200,00
0であることが好ましいが、5,000〜20,000
のものが取り扱い易く、水溶液にしたときに適正な粘度
が得られる。分子量が1,000未満の場合は、砥粒の
分散能力が低く、50重量%を超える配合量が必要とな
り、廃水負荷が増大する。分子量が200,000を超
える場合は、適正な粘度を得るために配合量を低くする
必要が生じ、加えて砥粒の分散性が低下する。
【0021】ポリカルボン酸系高分子化合物及び/又は
その塩の配合量の下限は、5重量%以上、好ましくは2
0重量%以上であり、上限は45重量%以下、好ましく
は40重量%以下である。配合量が5重量%未満の場
合、十分な砥粒分散性が得られず、45重量%を超える
と、切削液の粘度が上昇して砥粒の混合が困難となり、
切削装置への連続供給も不可能となる。
【0022】非引火性水系切削液に配合する水分量は5
5〜95重量%であり、55重量%未満の場合、ポリカ
ルボン酸塩型高分子化合物を均一に溶解することができ
なくなるので好ましくない。また、水分量を55〜95
重量%の範囲で配合することにより、切断後の被切断物
(ウエハー等)の洗浄に於いても、水のみでスラリー状
の本発明の非引火性水系切削液の除去が可能となり、洗
浄が容易となる。また本発明の非引火性水系切削液に
は、所望により各種の添加補助剤を配合してもよい。こ
のような添加補助剤として、水溶性溶剤、潤滑剤、粘性
調整剤、非鉄金属用防食剤、消泡剤等を挙げることがで
きる。水溶性溶剤の例としては、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロ
ピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリ
ン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール−ポリブロピレングリコー
ル共重合体、ヘキシレングリコール、グリセリン、1,
3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、ペンタエリストール、ソルビト
ール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレ
ングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール
モノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチル
エーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、
ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコ
ールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノ
ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエー
テル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ト
リプロピレングリコールモノメチルエーテル及びこれら
の混合物を挙げることができる。また、潤滑剤として、
例えば非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、脂肪
酸、脂肪酸重縮合物等を挙げることができる。粘性調整
剤としては、例えばベントナイト、水性シリカゾル、ポ
リビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース等を
挙げることができる。非鉄金属用防食剤として、例えば
ベンゾトリアゾール系化合物等を挙げることができ、消
泡剤としては、例えばシリコーン系、アセチレンジオー
ル系、ポリグリコール系のものや、アルコール類等を挙
げることができる。
【0023】本発明の非引火性水系切削液に分散させる
砥粒は特に制限されるものではなく、炭化ケイ素、酸化
アルミニウム、酸化ジルコニウム、二酸化ケイ素、二酸
化セシウム、ダイヤモンド等が挙げられる。砥粒の平均
粒径は0.5〜50μmが好ましく、より好ましくは5
〜30μmである。砥粒の平均粒径が50μmを超える
と、砥粒の沈降速度が速くなり、分散しにくくなる。ま
た、砥粒の平均粒径が0.5μmより小さいと、切削液
の切削能力が低下するので好ましくない。非引火性水系
切削液1に対して、砥粒の配合割合の下限は0.5(重
量比)以上であり、好ましくは0.8以上である。ま
た、砥粒の配合割合の上限は、1.5(重量比)以下で
あり、好ましくは1.2以下である。砥粒の配合割合が
0.5未満の場合は、スラリー中の砥粒量が少な過ぎ、
切断加工に長時間を有する。また、砥粒の配合割合が
1.5を超えると、砥粒の分散性が悪く、本発明のスラ
リー状の切削液の切削装置への連続供給も困難となるの
で好ましくない。
【0024】本発明の非引火性水系切削液は硬脆材料の
切断に使用され、この硬脆材料には特に制限ないが、単
結晶シリコン、多結晶シリコン、石英、水晶、ガラス、
ガリウム−ヒ素、セラッミク等の硬脆材料に好適に使用
することができ、より好ましくは、単結晶シリコンイン
ゴット又は石英(水晶)インゴットに適用される。ま
た、本発明の非引火性水系切削液は、遊離砥粒を用い、
硬脆材料の切断を行う切削装置であれば何れのタイプで
も使用可能であるが、好ましい切削装置としては、例え
ばワイヤーソー、バンドソー等が挙げられる。
【0025】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例に基づいて
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。
【0026】(実施例1〜14及び比較例1〜7)表1
及び表2に記載した各成分を、記載した割合にて配合
し、切削液組成物を得た。得られた切削液組成物に砥粒
を加えて切削液を調製し、各切削液の分散性、再分散
性、粘度変化、切断加工精度、洗浄性及び廃水処理性
を、次のようにして調べ、その結果を表3及び表4に示
した。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】(砥粒の分散性と再分散性)表1及び表2
に挙げる切削剤組成物500gと炭化ケイ素砥粒(GP
#800、(株)フジミインコーポレーテッド製)500
gとを1,000mlのポリ容器に採取し、室温(25
℃)にてホモディスパー(特殊機化工業(株)製)を用
い、回転速度3,000rpmで3分間撹拌し、均一な
スラリー状の非引火性水系切削液を得た。
【0030】この水系切削液100mlを100mlの
ネスラー管(直径24mm、高さ200mm)に入れ、
静置後1時間、6時間、24時間及び48時間のそれぞ
れの時点で、下層の砥粒の容量の測定と沈降状態の観察
を行った。下層の容量の大きいものは上部分離水量が少
なく、砥粒の分散性に優れていると判断することができ
る。
【0031】砥粒の再分散性については、静置48時間
後に、スラリーの入ったネスラー管を水平に傾け、砥粒
層の流動性から、以下のような基準で判断した。
【0032】 ◎…砥粒層の全体がスムーズに流動する ○…砥粒層の全体がゆっくり流動する △…砥粒層上部のみが流動する ×…砥粒層が殆ど流動しない。
【0033】表3及び表4から明らかなように、各実施
例の非引火性水系切削液は、鉱物油系の切削液(比較例
7)に匹敵する安定な分散効果を発揮している。これ
は、各実施例の非引火性水系切削液に配合されているポ
リカルボン酸系高分子化合物が、砥粒粒子に吸着して保
護コロイドを形成していることを示している。また、ポ
リカルボン酸系高分子化合物のアルカリ金属塩及びオニ
ウム塩はイオン性を有しているため、静電気的な反発力
が発揮されるものと考えられ、更に優れた分散性が得ら
れている。ポリカルボン酸系高分子化合物が一定の分子
量以下である場合や配合量が低い場合には、粒子表面に
均一な保護コロイド層が形成されず、粒子間の反発力が
弱くなるものと考えられ、分散性や再分散性が低下して
いる。また、分子量が20万を超える場合は、凝集作用
が発現し、再分散性が低下している。
【0034】(粘度変化)表1及び表2に挙げる切削液
組成物500gと炭化ケイ素砥粒(GP#800、(株)
フジミインコーポレーテッド製)500gとを1,00
0mlのポリ容器に採取し、室温(25℃)にてホモデ
ィスパー(特殊機化工業(株)製)回転速度3,000r
pmで3分間撹拌し、均一なスラリー状の非引火性水系
切削液を得た。この水系切削液について25℃での粘度
をBM型粘度計で測定した。次に、ホモミキサー(ディ
スパー羽根)を用いて回転速度10,000rpmにて
1時間撹拌し、25℃に調温した後、粘度を測定した。
撹拌前後の粘度変化率=(10,000rpmで1時間
撹拌後の粘度)/(撹拌前の粘度)を求め、剪断力によ
る影響を調べた。粘度変化率が1に近いほど、インゴッ
ト等の切断時に於ける粘度変化が少なく、安定した加工
性が得られることを示している。
【0035】表3及び表4から明らかなように、各実施
例の非引火性水系切削液を用いた場合、比較例の切削液
に比較して粘度変化が小さく、鉱物油系の切削液(比較
例7)と同等以上の粘度安定性を有していることが分か
る。
【0036】(切断加工精度)表1及び表2に挙げる切
削液組成物と炭化ケイ素砥粒(GP#800、(株)フジ
ミインコーポレーテッド製)とを1:1(重量比)で撹
拌混合し、均一なスラリー状の非引火性水系切削液を得
た。この切削液を用い、ワイヤー線径が180μmのワ
イヤーソー切削装置にて、6インチ径の単結晶シリコン
インゴットの切断加工を行ない、切断されたウエハーの
加工精度を評価した。
【0037】加工精度はウエハーのソリ(WARP、中
央部と外周部を合わせ計5点の高さの差の最大値)を測
定し、10枚の平均値を求め、以下の基準で切断加工精
度を判定した。
【0038】 ◎…0μm以上〜10μm未満 ○…10μm以上〜20μm未満 △…20μm以上〜30μm未満 ×…30μm以上のもの。
【0039】表3及び表4から明らかなように、各実施
例の非引火性水系切削液を用いた場合、比較例の切削液
に比較して切断加工精度が高く、鉱物油系の切削液(比
較例7)と同等以上の切断加工精度を発揮し得ることが
分かる。
【0040】(洗浄性)表1及び表2に挙げる切削液組
成物500gと炭化ケイ素砥粒(GP#800、(株)フ
ジミインコーポレーテッド製)500gとを1,000
mlのポリ容器に採取し、室温(25℃)にてホモミキ
サー(ディスパー羽根)回転速度3,000rpmで3
分間撹拌し、均一なスラリー状の非引火性水系切削液を
得た。
【0041】シリコンウエハー及び石英ウエハーに上記
切削液を塗布し、80℃にて1時間乾燥後、切断加工後
の模擬検体とした。この模擬検体のウエハーを流水(室
温25℃)で3分間洗浄し、以下の基準で洗浄性を判断
した。
【0042】 ○…砥粒残渣がなく洗い落とせたもの ×…砥粒が残り洗い落とせないもの。
【0043】表3及び表4から明らかなように、各実施
例の非引火性水系切削液を用いた場合、シリコンウエハ
ー及び石英ウエハーの何れの場合にも、比較例の切削液
を用いた場合と同等以上の洗浄性が得られている。な
お、鉱物油系の切削液(比較例7)は水による洗浄が不
可能であり、洗浄性の評価は×となっているが、この場
合は砥粒の除去は全くできておらず、各実施例に比較し
て明らかに洗浄性が劣っている。
【0044】(廃水処理性)表1及び表2に挙げる切削
液組成物の0.1%水溶液を調製し、その化学的酸素要
求量(COD)及び生化学的酸素要求量生(BOD)を
測定し、以下の基準で廃水処理性を判断した。
【0045】 ○…COD及びBODが1,000mg/l未満 ×…COD及びBODが1,000mg/l以上。
【0046】表3及び表4から明らかなように、各実施
例の非引火性水系切削液を用いた場合、比較例の切削液
より優れた廃水処理性を示すことが分かる。なお、鉱物
油系の切削液(比較例7)は産業廃棄物として処理さ
れ、廃水処理は不可能である。処理コストや環境に対す
る影響を考慮すると、各実施例の優位性は明らかであ
る。
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】
【発明の効果】本発明の非引火性水系切削液組成物は、
ポリカルボン酸系高分子化合物及び/又はその塩を含有
しているので、水を多量に配合した場合にも砥粒の分散
性が良好であり、硬脆材料の切断加工に際しての引火性
の問題がなく、安全衛生上の問題もなく使用することが
できる。
【0050】また、本発明の非引火性水系切削液は上記
組成物に砥粒を配合したので、ワイヤーソー、バンドソ
ー等の切削装置に連続して供給することができ、加工精
度の高いウエハーの切断を行うことができる。また、加
工後の被加工物(ウエハー等)の洗浄を水を用いて容易
に行うことができ、廃水処理性も良好である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10M 145/14 C10M 145/14 145/16 145/16 // C10N 10:02 C10N 10:02 10:06 10:06 10:08 10:08 20:04 20:04 20:06 20:06 Z 30:00 30:00 Z 30:04 30:04 40:22 40:22 Fターム(参考) 4H104 AA04C AA13C AA21C AA22C CB08A CB08C CB09A CB09C EA03A EA08C FA01 FA03 FA04 LA02 LA20 PA22 RA01

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量平均分子量が1,000〜200,
    000のポリカルボン酸系高分子化合物及び/又はその
    塩を5〜45重量%で含有している非引火性水系切削液
    組成物。
  2. 【請求項2】 前記ポリカルボン酸系高分子化合物及び
    /又はその塩が、アクリル酸、マレイン酸及びメタクリ
    ル酸からなる群から選択されるモノマーの1種又は2種
    以上から調製されるポリマー、該ポリマーのアルカリ金
    属塩、該ポリマーのオニウム塩及びこれらの1種又は2
    種以上の混合物からなる群から選択されるものである請
    求項1記載の非引火性水系切削液組成物。
  3. 【請求項3】 前記ポリカルボン酸系高分子化合物及び
    /又はその塩が、化1の一般式(1)で示すポリマーで
    ある請求項1又は2記載の非引火性水系切削液組成物。 【化1】 (式中Rは水素原子又はメチル基であり、M1、M2、及
    びM3は、水素原子、アルカリ金属原子又はオニウムの
    何れかであって同じか又は互いに異なってもよく、nは
    1以上の整数、mは0以上の整数である。)
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3の何れかに記載の非引火
    性水系切削液組成物と、砥粒とを含有する非引火性水系
    切削液。
  5. 【請求項5】 前記砥粒の粒径が0.5〜50μmであ
    る請求項4記載の非引火性水系切削液。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至3の何れかに記載の非引火
    性水系切削液組成物と、砥粒とを、重量比1:0.5〜
    1:1.5の割合で分散させた請求項4又は5記載の非
    引火性水系切削液。
  7. 【請求項7】 ワイヤーソー又はバンドソーに使用され
    る請求項4乃至6の何れかに記載の非引火性水系切削
    液。
  8. 【請求項8】 硬脆材料からなるインゴットの切断に使
    用される請求項4乃至7の何れかに記載の非引火性水系
    切削液。
  9. 【請求項9】 前記硬脆材料が、シリコン、石英及び水
    晶から選択されるものである請求項8記載の非引火性水
    系切削液。
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