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JP2003045437A - 固体高分子型燃料電池用のガス拡散電極の製造方法及び固体高分子型燃料電池の製造方法 - Google Patents

固体高分子型燃料電池用のガス拡散電極の製造方法及び固体高分子型燃料電池の製造方法

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Publication number
JP2003045437A
JP2003045437A JP2001232316A JP2001232316A JP2003045437A JP 2003045437 A JP2003045437 A JP 2003045437A JP 2001232316 A JP2001232316 A JP 2001232316A JP 2001232316 A JP2001232316 A JP 2001232316A JP 2003045437 A JP2003045437 A JP 2003045437A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas diffusion
fuel cell
diffusion electrode
ion exchange
catalyst layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001232316A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshihiro Tanuma
敏弘 田沼
Hiroshi Shimoda
博司 下田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP2001232316A priority Critical patent/JP2003045437A/ja
Publication of JP2003045437A publication Critical patent/JP2003045437A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Inert Electrodes (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な多孔性、導電性、撥水性及び耐久性を
有する固体高分子型燃料電池用のガス拡散電極の製造方
法及び当該ガス拡散電極を備えた出力特性の高い固体高
分子型燃料電池の製造方法の提供。 【解決手段】 触媒と含フッ素イオン交換樹脂とを含む
触媒層を有しており、イオン交換膜に隣接して配置され
る固体高分子型燃料電池用のガス拡散電極の製造する際
に、触媒、含フッ素イオン交換樹脂、アニオン系分散剤
及び分散媒を含む混合物を調製し、これを用いて触媒層
を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体高分子型燃料
電池用のガス拡散電極の製造方法及び固体高分子型燃料
電池の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】水素と酸素を使用する燃料電池は、その
反応生成物が原理的に水のみであり環境への悪影響がほ
とんどない発電システムとして注目されている。近年、
燃料電池のなかでも、プロトン導電性のイオン交換膜を
電解質と使用する固体高分子型燃料電池は、作動温度が
低く、出力密度が高く、かつ、小型化が容易に可能なた
め、車載用電源などへの使用が有望視されている。
【0003】固体高分子型燃料電池は、上記のように作
動温度が低いこと(50〜120℃)が特徴であるが、
そのために排熱が補機動力などに有効利用しがたい難点
がある。これを補う意味でも固体高分子型燃料電池に
は、水素及び酸素の利用率の高い運転条件下において、
高い発電効率及び高い出力密度を得ることのできる性能
が要求されている。
【0004】固体高分子型燃料電池の単位セルは、触媒
と含フッ素イオン交換樹脂とを含む触媒層を有するガス
拡散電極からなるアノード及びカソードと、アノードと
カソードとの間に配置されるイオン交換膜とから構成さ
れている。
【0005】従来、ガス拡散電極の触媒層は、炭素材料
等からなる多孔体を担体としこれに金属粒子を担持させ
た触媒粉末と、触媒層内の導電性を高めかつ水蒸気の凝
縮による多孔体の閉塞(フラッデイング)を防止するた
めの含フッ素イオン交換樹脂とを、エタノールなどのア
ルコール類の分散媒に分散又は溶解させることにより得
られる粘性混合物を用いて形成されている。例えば、こ
の粘性混合物をイオン交換膜の表面に直接塗布すること
により、イオン交換膜上に触媒層を形成することができ
る。また、その他にも、例えば、この粘性混合物をシー
ト状基材に塗布して該基材上に触媒層を一旦形成し、次
いで、この触媒層をイオン交換膜の表面に転写を行うこ
と若しくは張り付けることにより形成することができ
る。
【0006】ここで、シート状基材とは、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート等から
なる基材、及び、ガス拡散性の向上を図る観点からガス
拡散層として使用されるカーボンクロス、カーボンペー
パー等を示す。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来使
用されていた粘性混合物を用いて形成された触媒層を有
するガス拡散電極は、多孔性(ガス拡散性)、導電性、
撥水性及び耐久性が不十分であり、十分な分極特性を得
ることができなかった。そのため、このガス拡散電極を
用いて構成された固体高分子型燃料電池も十分な電池出
力を得ることができなかった。
【0008】本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑
みてなされたものであり、良好な多孔性、導電性、撥水
性及び耐久性を有する固体高分子型燃料電池用のガス拡
散電極の製造方法及び当該ガス拡散電極を備えた出力特
性の高い固体高分子型燃料電池の製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するべく鋭意研究を重ねた結果、上述した従来の
方法によりガス拡散電極を形成する場合、従来使用され
ていた粘性混合物のイオン交換膜又はシート状基材に対
する塗工性及び該粘性混合物中の分散物の分散安定性が
不十分であることが優れた分極特性を有するガス拡散電
極を得ることができない要因の一つであることを見出し
た。そして、本発明者らは、触媒と含フッ素イオン交換
樹脂とを含む粘性混合物を調製する際に、特定のアニオ
ン系分散剤を添加することにより、粘性混合物の塗工性
及び該粘性混合物中の分散物の分散安定性を大きく向上
させることが可能となることを見出し、本発明に到達し
た。
【0010】すなわち、本発明は、触媒と含フッ素イオ
ン交換樹脂とを含む触媒層を有しており、イオン交換膜
に隣接して配置される固体高分子型燃料電池用のガス拡
散電極の製造方法であって、触媒、含フッ素イオン交換
樹脂、アニオン系分散剤及び分散媒を含む混合物を用い
て触媒層を形成すること、を特徴とする固体高分子型燃
料電池用のガス拡散電極の製造方法を提供する。
【0011】本発明においては、アニオン系分散剤を用
いることにより、イオン交換膜又はシート状基材に対す
る塗工性及び含有される分散物の分散安定性の極めて高
い触媒層形成用の混合物を得ることができる。そのた
め、この混合物を用いて触媒層を形成することにより、
良好な多孔性、導電性、撥水性及び耐久性を兼ね備えた
高い分極特性を有する固体高分子型燃料電池用のガス拡
散電極を容易に製造することができる。
【0012】ここで、本発明において、「アニオン系分
散剤」とは、水溶液中でイオン解離してアニオン部分が
界面活性を示す分散剤を示す。
【0013】また、本発明は、ガス拡散電極からなるア
ノード及びカソードと、アノードとカソードとの間に配
置されたイオン交換膜とを有する固体高分子型燃料電池
の製造方法であって、アノードとカソードの少なくとも
一方を上述の本発明のガス拡散電極の製造方法により製
造することを特徴とする固体高分子型燃料電池の製造方
法を提供する。
【0014】上述した本発明のガス拡散電極の製造方法
により製造されたガス拡散電極を用いることにより、高
い出力特性を有する固体高分子型燃料電池を構成するこ
とができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の固体高分子型燃料
電池用のガス拡散電極の製造方法及び固体高分子型燃料
電池の製造方法の好適な実施形態について詳細に説明す
る。
【0016】先ず、触媒、含フッ素イオン交換樹脂、ア
ニオン系分散剤及び分散媒を含む混合物(以下、触媒層
形成用の混合物という)の構成要素について説明する。
【0017】触媒層形成用の混合物に含有させる触媒
は、アノード及び/又はカソードの電極反応を促進する
触媒であれば特に限定されないが、好ましくは白金など
の白金族元素又はその合金が挙げられる。触媒は微粒子
の状態でそのまま使用してもよいが、上記金属等の触媒
微粒子を活性炭又はカーボンブラック等の担体に担持さ
せた担持触媒を使用してもよい。高い電極の分極特性を
得る観点から担持触媒の場合、担体の比表面積は200
2/g以上であることが好ましい。また、上記と同様
の観点から、金属等の触媒微粒子の担持量は、担持触媒
の総質量に対して10〜70質量%であることが好まし
い。
【0018】触媒層形成用の混合物に含有させる含フッ
素イオン交換樹脂は、その導電性及びガスの透過性の観
点から、そのイオン交換容量(以下、ARという)が
0.5〜2.0ミリ当量/グラム乾燥樹脂(以下、me
q./gとする)である樹脂が好ましく、0.8〜1.
5meq./gであることがより好ましい。
【0019】ここで、含フッ素イオン樹脂は、テトラフ
ルオロエチレンに基づく繰返し単位と、スルホン酸基を
有するパーフルオロビニルエーテルに基づく繰返し単位
とを含む共重合体からなるものが好ましい。このような
スルホン酸基を有するパーフルオロビニルエーテルとし
ては、下記式(1)で表される化合物が好ましい。
【化1】
【0020】ここで、mは0〜3の整数、nは1〜12
の整数、pは0又は1であり、Xはフッ素原子又はトリ
フルオロメチル基である。
【0021】更に、式(1)で表されるパーフルオロビ
ニルエーテルの好ましい具体例としては、下記式(2)
〜(4)で表される化合物が挙げられる。ただし、下記
式(2)〜(4)中、q、r及びsはそれぞれ1〜8の
整数、tは1〜3の整数である。
【化2】
【0022】電極形成後の触媒層において十分な導電性
と撥水性とをより確実に得る観点から、触媒層形成用の
混合物に含有させる触媒と含フッ素イオン交換樹脂との
比率(電極形成後の触媒層中の触媒と含フッ素イオン交
換樹脂との比率)は、質量比で触媒の質量:含フッ素イ
オン交換樹脂の質量=0.4:0.6〜0.95:0.
05であることが好ましく、0.6:0.4〜0.8:
0.2であることがより好ましい。なお、ここでいう触
媒の質量とは、担持触媒の場合には担体の質量を含めた
担持触媒の総質量を示す。
【0023】触媒層形成用の混合物について、優れた塗
工性と含有される分散物に対する優れた分散性をより確
実に得る観点から、分散媒は、アルコール、エーテル、
ジアルキルスルホキシド及び水からなる群から選択され
る少なくとも一種であることが好ましい。ここで、上記
の分散媒を2種以上併用する場合には、少なくとも水を
含む水性分散媒とすることが好ましく、水とアルコール
の混合分散媒とすることがより好ましい。
【0024】上記のアルコール、エーテル及びジアルキ
ルスルホキシドは、炭素数が1〜6の範囲である化合物
が好ましい。更に、このような化合物の中でも沸点が4
0〜160℃である化合物が好ましく、60〜120℃
である化合物がより好ましい。上記の各条件を満たす好
ましい分散媒の具体例としては、例えば、アルコールと
しては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、
2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等
が挙げられ、エーテルとしては、例えば、1,4−ジオ
キサン、n−プロピルエーテル等が挙げられ、ジアルキ
ルスルホキシドとしては、例えば、ジメチルスルホキシ
ド、ジエチルスルホキシドなどが挙げられる。
【0025】触媒層形成用の混合物中の固形分の濃度は
1〜40質量%であることが好ましい。固形分の濃度が
1質量%未満であると十分な触媒層の塗工厚を得られな
いおそれがあり、固形分の濃度が40質量%を超えると
分散安定性が悪化しやすくなる。
【0026】触媒層形成用の混合物に含有させるアニオ
ン系分散剤は、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合
物、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム等のポリスチレ
ンスルホン酸塩、ポリアクリル酸ナトリウム等のポリカ
ルボン酸塩、ポリスチレンスルホン酸−マレイン酸共重
合物のナトリウム塩等のポリスチレンスルホン酸系共重
合物、ポリアクリル酸系共重合物、ポリジシクロペンタ
ジエンスルホン酸塩及びポリ脂肪族ジエンスルホン酸塩
からなる群から選択される少なくとも一種であることが
好ましい。
【0027】また、触媒層形成用の混合物に含有させる
アニオン系分散剤について、その含有量を、触媒及び含
フッ素イオン交換樹脂の総質量に対するアニオン系分散
剤の質量の割合として表した場合、0.01〜30質量
%であることが好ましく、1〜20質量%であることが
より好ましい。この含有量が0.01質量%未満となる
と分散物の十分な分散安定性が得られないおそれがあ
る。一方、この含有量が30質量%を超えると、分散物
が凝集し易くなり分散安定性が悪化するおそれがある。
【0028】次に、触媒層形成用の混合物の調製方法に
ついて説明する。
【0029】本発明において、上述した構成要素からな
る触媒層形成用の混合物の調製は、触媒、含フッ素イオ
ン交換樹脂及びアニオン系分散剤を上述の分散媒中に分
散又は溶解させることにより行えばよく、分散媒に対し
て触媒、含フッ素イオン交換樹脂及びアニオン系分散剤
をそれぞれ添加する順序は特に限定されない。
【0030】ただし、混合物中において触媒を極めて良
好に分散させる観点から、混合物を調製する際に、触媒
を分散媒中に混合させた液を調製し、次いで、前記液中
に含フッ素イオン交換樹脂及び前記アニオン系分散剤を
混合させることが好ましい。このようにすれば、電極の
分極特性をより確実に向上させることができる。
【0031】なお、触媒層形成用の混合物には、先に述
べた触媒、含フッ素イオン交換樹脂及びアニオン系分散
剤の他に必要に応じて他の物質を加えてもよい。例え
ば、カソード用に触媒層形成用の混合物を調製する場合
には、カソードにおいて生成する水による触媒層内の細
孔の閉塞をより確実に防止するための撥水剤を添加して
もよい。このような、撥水剤としては、好ましくは、テ
トラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの
共重合体、テトラフルオロエチレンとパーフルオロ(ア
ルキルビニルエーテル)との共重合体、ポリテトラフル
オロエチレン等が挙げられる。
【0032】ここで、触媒層形成用の混合物に撥水化剤
を添加する場合、撥水化剤は、触媒を分散媒に混合させ
た液を調製した後に添加することが好ましい。このよう
に、触媒を分散媒に混合させた液に、含フッ素イオン交
換樹脂とアニオン系分散剤を添加する前に撥水化剤を添
加することにより、カソードで生成する水による触媒層
の細孔内の閉塞を防ぐことができる。
【0033】また、混合物には、上述の撥水化剤の他
に、例えば該混合物の粘度を調節するための増粘剤又は
希釈剤、更には増孔剤などを添加してもよい。例えば、
増粘剤としては、セロソルブ系のものが使用できる。ま
た、希釈剤としては、例えば、水、炭化水素、含フッ素
炭化水素等が使用できる。更に、増孔剤としては、例え
ば、シリカ、アルミナ等が使用できる。
【0034】本発明の固体高分子型燃料電池用のガス拡
散電極の製造方法は、上述した触媒層形成用の混合物を
調製し、この触媒層形成用の混合物を用いて触媒層を形
成すること以外の製造工程は特に限定されず、触媒層形
成用の混合物の調製を行う工程以外の製造工程は、例え
ば、公知のガス拡散電極の製造工程を採用してよい。
【0035】例えば、触媒層形成用の混合物を用いてガ
ス拡散電極を製造する方法としては、作業効率の観点か
ら、触媒層形成用の混合物をイオン交換膜の表面に塗布
することにより、イオン交換膜に触媒層を隣接して形成
することが好ましい。同様に、作業効率の観点から、触
媒層形成用の混合物をシート状基材に塗布することによ
り該基材上に触媒層を形成し、次いで、触媒層をイオン
交換膜の表面に転写を行うこと若しくは張り付けること
により、イオン交換膜に触媒層を隣接して形成すること
が好ましい。
【0036】このときの触媒層形成用の混合物のイオン
交換膜又はシート状基材への塗布は、ダイコーター、ス
クリーン印刷などの既存の方法を適用できる。触媒層を
シート状基材に形成しこれをイオン交換膜に転写し又は
張り付ける場合、ホットプレス法、又は、特開平7−2
20741公報及び特開平7−254420公報に開示
されている接着法等が使用できる。
【0037】なお、良好な触媒層のガス拡散性を得る観
点から、触媒層の厚さは、1〜50μmであることが好
ましく、5〜30μmであることがより好ましい。
【0038】また、本発明のガス拡散電極の製造方法に
おいては、ガス拡散電極内におけるガス拡散性を十分に
確保して高い電極反応活性を得る観点から、ガス拡散電
極は、触媒層のイオン交換膜に接触していない側の面に
ガス拡散層を更に配置した構成とすることが好ましい。
このようなガス拡散層の構成材料は特に限定されない
が、例えば、電子伝導性を有する多孔質体(例えば、カ
ーボンクロスやカーボンペーパー)を用いてもよい。
【0039】ガス拡散層を設けた構成のガス拡散電極を
作製する場合、このガス拡散層となる基材をシート状基
材として使用し、これに触媒層形成用の混合物を塗布し
てもよい。また、触媒層形成用の混合物をイオン交換膜
に塗布して乾燥後、イオン交換膜上に形成された触媒層
の該イオン交換膜に接触していない側の面にガス拡散層
を配置することによりガス拡散電極を作製してもよい。
更に、ガス拡散層以外のシート状基材を使用して上述の
ように、触媒層形成用の混合物をシート状基材に塗布し
て該基材上に触媒層を形成し、これをイオン交換膜上に
転写し、又は張り付け、その後、イオン交換膜上に形成
された触媒層の該イオン交換膜に接触していない側の面
にガス拡散層を配置することによりガス拡散電極を作製
してもよい。
【0040】次に、本発明の固体高分子型燃料電池の製
造方法について説明する。本発明の固体高分子型燃料電
池の製造方法は、上述の方法により作製したガス拡散電
極をアノードとカソードの少なくとも一方として使用す
ること以外の製造条件は特に限定されない。
【0041】例えば、上述したように触媒層形成用の混
合物をイオン交換膜又はシート状基材への塗布すること
により、イオン交換膜の両面にアノード用の触媒層及び
カソード用の触媒層を形成し、更に、それぞれの触媒層
の該イオン交換膜に接触していない側の面にガス拡散層
を配置し、必要に応じて熱処理によりアノードの触媒層
及びカソードの触媒層とこれらの間に配置された高分子
電解質膜との接合、及び、アノード及びカソードのそれ
ぞれにおける触媒層とガス拡散層との接合を同時に行
い、単位セルをいわゆる膜・電極接合体として作製して
もよい。
【0042】このときの熱処理による接合は、例えば、
上述したホットプレスやロールプレスにより行ってもよ
い。このとき、特開平7−220741号公報等に開示
されているように、特殊な接着剤を用いて接合させても
よい。そして、ガス拡散電極の外側に、ガスの流路が形
成されたセパレータを配置し、固体高分子型燃料電池の
単位セルが構成される。
【0043】また、固体高分子型燃料電池を構成するイ
オン交換膜は、湿潤状態下で良好なイオン伝導性を示す
イオン交換膜であれば特に限定されない。このようなイ
オン交換膜としては、先に述べたガス拡散電極の触媒層
の形成に使用した含フッ素イオン交換樹脂からなる膜を
使用することができる。その中でも、スルホン酸基を有
する含フッ素イオン交換樹脂が好ましく、特には、テト
ラフルオロエチレンに基づく繰返し単位と先に述べた式
(1)で表されるモノマーに基づく繰返し単位とからな
る共重合体からなる樹脂がより好ましい。また、イオン
交換膜のARは0.5〜2.0meq./gであること
が好ましい。また、イオン交換膜の厚さは、10〜80
μmであることが好ましい。
【0044】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の固
体高分子型燃料電池用のガス拡散電極の製造方法及び固
体高分子型燃料電池の製造方法について更に詳しく説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0045】(実施例1)以下に説明する手順により、
実施例1の固体高分子型燃料電池を作製した。先ず、テ
トラフルオロエチレンに基づく繰返し単位と下記式
(5)で表されるモノマーに基づく繰返し単位とからな
る共重合体(AR=1.1meq./g)からなる含フ
ッ素イオン交換樹脂の9.0質量%エタノール溶液5.
55g及び水4.65gの混合物に対して、カーボンブ
ラック粉末に白金を50質量%担持した担持触媒(田中
貴金属社製、商品名:TEC10E50E)1.0g、
10質量%ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(アニオ
ン系分散剤)水溶液0.45gを添加し分散させて、触
媒層形成用の混合物を調製した。
【化3】
【0046】次に、イオン交換膜として、スルホン酸基
を有するパーフルオロカーボン重合体からなるイオン交
換膜(商品名:フレミオンS、旭硝子社製、AR=1.
0meq./g、乾燥膜厚50μm)を使用し、該イオ
ン交換膜に対して、カソード側及びアノード側の両面に
上述の触媒層形成用の混合物を、いずれも白金含有量が
0.5mg/cm2となるようにダイコーターにて塗布
した。次いで、大気中、120℃にて1時間乾燥するこ
とにより、イオン交換膜の両面に触媒層(厚さ:20μ
m)を形成し、イオン交換膜・触媒層接合体(触媒層の
面積:10cm 2)を作製した。これを2枚のカーボン
クロス(ジャパンゴアテックス社製、商品名:カーベル
CL)で挟み、膜・電極接合体を作製した。
【0047】(実施例2)実施例1において用いたポリ
スチレンスルホン酸ナトリウムのかわりにナフタレンス
ルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物を分散剤として
用いてカソードの触媒層形成用の混合物を調製したこと
以外は、実施例1と同様にして膜・電極接合体を作製し
た。
【0048】(実施例3)実施例1において用いたポリ
スチレンスルホン酸ナトリウムのかわりにポリジシクロ
ペンタジエンスルホン酸ナトリウムを分散剤として用い
てカソードの触媒層形成用の混合物を調製したこと以外
は、実施例1と同様にして膜・電極接合体を作製した。
【0049】(比較例1)実施例1において用いたポリ
スチレンスルホン酸ナトリウムを添加せずにカソードの
触媒層形成用の混合物を調製したこと以外は、実施例1
と同様にして膜・電極接合体を作製した。
【0050】[電池特性試験]上述の実施例1及び比較例
1の各イオン交換膜・触媒層接合体にガス流路の形成さ
れたセパレータを装着して測定セルとし、電子負荷と直
流電源(高砂製作所社製,FK400L及びEX750
L)を用いて測定セルの電流電圧特性試験を行った。測
定条件は、水素導入口圧力;0.2MPa、空気導入口
圧力;0.2MPa、測定セルの作動温度;70℃とし
た。
【0051】そして、端子間電圧を0.6Vに保持した
定電圧駆動条件のもとで各測定セルを作動させ、各測定
セルの出力電流密度(A/cm2)の経時変化を測定し
た。なお、各測定セルの出力電流密度は、起動後10時
間、500時間、1000時間の値を測定した。また、
この作動条件において水素利用率が70%、空気利用率
が40%となるように水素ガス及び空気の流量を調節し
た。その結果を表1に示す。
【表1】 [触媒層形成用の混合物の保存安定性(含有される分散
物の分散安定性)評価試験]上述の実施例1〜3の膜・
電極接合体を作製する際に調製した、本発明にかかるア
ニオン系分散剤を含む触媒層形成用の混合物と、比較例
1の膜・電極接合体のカソードを作製する際に調製し
た、アニオン系分散剤を含まない触媒層形成用の混合物
の保存安定性(含有される分散物の分散安定性)を比較
するために、調製してから1日経過後及び1ヶ月経過後
の各混合物の塗工性を比較した結果を表2に示す。
【0052】なお、各混合物の塗工性は、2;イオン交
換膜に塗布する際に、ダイに混合物が詰まることなくス
ムーズに塗布できる、1;イオン交換膜に塗布する際
に、ダイに混合物が詰まり、スムーズに塗布できない、
とした評価基準に基づいて評価した。
【表2】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
良好な多孔性、導電性、撥水性及び耐久性を有する固体
高分子型燃料電池用のガス拡散電極を製造することがで
きる。また、そのガス拡散電極を備えた高い出力特性を
有する固体高分子型燃料電池を製造することができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 5H018 AA06 BB08 BB12 EE17 HH05 5H026 AA06 BB00 BB04 BB08 CX05 EE02 EE18 HH05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触媒と含フッ素イオン交換樹脂とを含む
    触媒層を有しており、イオン交換膜に隣接して配置され
    る固体高分子型燃料電池用のガス拡散電極の製造方法で
    あって、 前記触媒、前記含フッ素イオン交換樹脂、アニオン系分
    散剤及び分散媒を含む混合物を用いて前記触媒層を形成
    すること、を特徴とする固体高分子型燃料電池用のガス
    拡散電極の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記アニオン系分散剤が、ナフタレンス
    ルホン酸ホルマリン縮合物、ポリスチレンスルホン酸
    塩、ポリカルボン酸塩、ポリスチレンスルホン酸系共重
    合物、ポリアクリル酸系共重合物、ポリジシクロペンタ
    ジエンスルホン酸塩及びポリ脂肪族ジエンスルホン酸塩
    からなる群から選択される少なくとも一種であることを
    特徴とする請求項1に記載の固体高分子型燃料電池用の
    ガス拡散電極の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記分散媒が、アルコール、エーテル、
    ジアルキルスルホキシド及び水からなる群から選択され
    る少なくとも一種であることを特徴とする請求項1又は
    2に記載の固体高分子型燃料電池用のガス拡散電極の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 前記混合物を調製する際に、前記触媒を
    前記分散媒中に混合させた液を調製し、次いで、前記液
    中に前記含フッ素イオン交換樹脂及び前記アニオン系分
    散剤を混合させることを特徴とする請求項1〜3の何れ
    かに記載の固体高分子型燃料電池用のガス拡散電極の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 前記混合物を前記イオン交換膜の表面に
    塗布する方法、及び、前記混合物をシート状基材に塗布
    することにより該基材上に前記触媒層を形成し、次い
    で、前記触媒層を前記イオン交換膜の表面に転写若しく
    は張り付けを行う方法の何れかを行うことにより、前記
    イオン交換膜に前記触媒層を隣接して形成することを特
    徴とする請求項1〜4の何れかに記載の固体高分子型燃
    料電池用のガス拡散電極の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記混合物中の前記アニオン系分散剤の
    含有量が、前記触媒及び前記含フッ素イオン交換樹脂の
    総質量に対して、0.01〜30質量%であり、かつ、 前記混合物中の固形分の濃度が1〜40質量%であるこ
    と、を特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の固体高
    分子型燃料電池用のガス拡散電極の製造方法。
  7. 【請求項7】 ガス拡散電極からなるアノード及びカソ
    ードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置され
    たイオン交換膜とを有する固体高分子型燃料電池の製造
    方法であって、 前記アノードと前記カソードの少なくとも一方を請求項
    1〜6の何れかに記載のガス拡散電極の製造方法により
    製造することを特徴とする固体高分子型燃料電池の製造
    方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102437343A (zh) * 2011-11-17 2012-05-02 华南理工大学 阳极催化层含亲水性高分子聚合物的膜电极及其制备方法
CN102544547A (zh) * 2012-01-06 2012-07-04 东华大学 具有耐碱稳定性的碱性阴离子交换复合膜及其制备和应用

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