JP2003026927A - 水性樹脂組成物、水性樹脂組成物の製造方法、水性塗料、塗膜形成方法及び塗装物 - Google Patents
水性樹脂組成物、水性樹脂組成物の製造方法、水性塗料、塗膜形成方法及び塗装物Info
- Publication number
- JP2003026927A JP2003026927A JP2001210689A JP2001210689A JP2003026927A JP 2003026927 A JP2003026927 A JP 2003026927A JP 2001210689 A JP2001210689 A JP 2001210689A JP 2001210689 A JP2001210689 A JP 2001210689A JP 2003026927 A JP2003026927 A JP 2003026927A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- polysiloxane
- resin composition
- polymer
- silicon atom
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Paints Or Removers (AREA)
- Silicon Polymers (AREA)
Abstract
染性に優れ、かつ優れた耐温水性を有する硬化物を与え
る水性樹脂組成物及びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 加水分解性基及び/又は水酸基が結合し
た珪素原子を有するポリシロキサンセグメントと、親水
性基を有するポリシロキサン以外の重合体セグメントと
で構成される複合樹脂(A)、及び加水分解性基及び/
又は水酸基が結合した珪素原子を有するポリシロキサン
以外の重合体(B)を混合し、水性媒体中に溶解もしく
は分散せしめて得られる水性樹脂組成物。
Description
る水性樹脂組成物、水性樹脂組成物の製造方法、、該水
性樹脂組成物を必須の成分として含有する水性塗料、該
水性塗料を用いる塗膜形成方法及び該水性塗料を塗装し
てなる塗装物に関するものである。さらに詳細には本発
明の水性樹脂組成物は、耐候性及び耐酸性雨性に代表さ
れる耐久性、耐曝露汚染性、さらには耐温水性に優れる
硬化物を与えるものであり、建築外装用、建材用、重防
食用あるいは車両用等の各種の塗料、インキ、繊維処理
剤、接着剤あるいはシーリング剤等の各種の用途に適用
可能である。
得られる硬化塗膜は、耐候性ならびに耐酸性雨性などの
耐久性や耐曝露汚染性が不十分であり、したがって、高
度の耐久性や耐曝露汚染性が要求されるような用途に
は、従来の水性樹脂を利用することが出来ないという問
題があった。
らはビニル系重合体をポリシロキサンで変性する処方を
検討し、ポリシロキサンで変性したビニル系重合体をベ
ース樹脂成分とする組成物は、耐久性や耐曝露汚染性に
優れる硬化物を与えることを見いだした(特開平11−
279408号公報)。しかし、前記したポリシロキサ
ンで変性したビニル系重合体をベース樹脂成分とする組
成物から得られる硬化塗膜は、耐温水性が不充分で温水
と接触する条件下で長期間使用されるとクラックが発生
する問題点があり、その改良が望まれていた。
は、上述したような従来技術における問題点を解消する
べく、鋭意、研究を開始した。
題は、耐候性や耐酸性雨性などの耐久性ならびに耐曝露
汚染性に優れ、且つ、優れた耐温水性を有する硬化物を
与える水性樹脂組成物及びその製造方法を提供するこ
と、併せて、該水性樹脂組成物を含んでなる水性塗料、
該水性塗料を用いる塗膜形成方法及び該水性塗料を塗装
してなる塗装物を提供することにある。
上述の課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、加水
分解性基及び/又は水酸基が結合した珪素原子を有する
ポリシロキサンセグメントと、親水性基を有するポリシ
ロキサン以外の重合体セグメントとで構成される複合樹
脂(A)と、加水分解性基及び/又は水酸基が結合した
珪素原子を有するポリシロキサン以外の重合体(B)を
混合し、さらに必要に応じてそれらを縮合したのち、水
性媒体中に溶解もしくは分散せしめて得られる水性樹脂
組成物及びそれを含んでなる水性塗料が上記課題を解決
しうることを見いだした。すなわち該水性樹脂組成物あ
るいはそれを含んでなる水性塗料などは、耐酸性雨性や
耐候性などの耐久性、屋外曝露時の耐汚染性等に優れる
とともに、耐温水性に優れる硬化物を与えることを確認
し、本発明を完成させるに到った。
は水酸基が結合した珪素原子を有するポリシロキサンセ
グメント(A−1)と、親水性基を有するポリシロキサ
ン以外の重合体セグメント(A−2)とで構成される複
合樹脂(A)と、加水分解性基及び/又は水酸基が結合
した珪素原子を有するポリシロキサン以外の重合体
(B)を混合し、さらに必要に応じてそれらを縮合せし
めたのち、水性媒体中に溶解もしくは分散せしめること
を特徴とする、水性樹脂組成物の製造方法、及び該製造
方法により得られる水性樹脂組成物を提供するものであ
る。
でなる水性塗料、該水性塗料を用いる塗膜形成方法、さ
らには該水性塗料を塗装してなる塗装物を提供するもの
である。
にする。本発明に係る水性樹脂組成物(I)を調製する
際に使用される複合樹脂(A)は、加水分解性基及び/
又は水酸基が結合した珪素原子を有するポリシロキサン
セグメント(A−1)と、親水性基を有するポリシロキ
サン以外の重合体セグメント(A−2)より構成される
ものである。
ロキサンセグメント(A−1)は加水分解性基及び/又
は水酸基が結合した珪素原子を有するポリシロキサンセ
グメントであり、線状、分岐状あるいは環状のうちの、
いずれの構造を有するものであってもよい。
1)に含有される加水分解性基が結合した珪素原子と
は、水素原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、イミ
ノオキシ基、アルケニルオキシ基、ハロゲン原子の如
き、容易に加水分解されて珪素原子に結合した水酸基を
生成する加水分解性基が結合した珪素原子を指称するも
のである。
特に望ましいものの一つとしては、アルコキシ基が挙げ
られる。そしてかかるアルコキシ基の代表的なものとし
ては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基及び
n−ブトキシ基等が挙げられ、これらのうちで、特に好
ましいものとしては、メトキシ基及びエトキシ基が挙げ
られる。
ト(A−2)の代表的なものとしては、アクリル系重合
体、フルオロオレフィン系重合体、ビニルエステル系重
合体、芳香族ビニル系重合体、ポリオレフィン系重合体
の如き、各種のビニル系重合体に基づくセグメント、ポ
リエステル樹脂、アルキド樹脂又はポリウレタン系重合
体などの如き、ビニル系重合体以外の、各種の重合体に
基づくセグメントが挙げられる。
ビニル系重合体セグメント又はポリウレタン系重合体セ
グメントが挙げられる。そして、ビニル系重合体セグメ
ントのうちで特に好ましいものは、アクリル系重合体セ
グメントである。
親水性基としては、具体的にはアニオン性基、カチオン
性基及びノニオン性基から選ばれるものであるが、これ
らのうちアニオン性基としては、公知慣用の各種のもの
が挙げられ、好ましくは塩基性化合物で以て中和された
酸基である。そして、かかる中和された酸基の代表的な
ものとしては、それぞれが中和された形の、カルボキシ
ル基、燐酸基、酸性燐酸エステル基、亜燐酸基、スルホ
ン酸基又はスルフィン酸基などである。これらの中和さ
れた酸基のうちで特に好ましいものは、中和されたカル
ボキシル基である。
される塩基性化合物の代表的なものとしては、メチルア
ミン、トリメチルアミン、エチルアミン、トリエチルア
ミン、2−アミノエタノール、2−ジメチルアミノエタ
ノールなどの各種の有機アミン類;アンモニア、水酸化
リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの各
種の無機塩基性化合物;テトラメチルアンモニウムハイ
ドロオキサイド、テトラ−n−ブチルアンモニウムハイ
ドロオキサイドの如き、各種の第四級アンモニウムハイ
ドロオキサイドなどが挙げられる。そして、かかる各種
の塩基性化合物のうちで、特に好ましいものは、有機ア
ミン類及びアンモニアである。
るカチオン性基としては、公知慣用の各種のものが挙げ
られるが、好ましくは酸性化合物で以て中和された塩基
性基である。
的なものとしては、それぞれが中和された形の、1級ア
ミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基又はアンモニウム
ヒドロオキシド基などが挙げられる。そして、かかる中
和された塩基性基として特に好ましいものは、中和され
た3級アミノ基である。
使用される酸性化合物の代表的なものとしては、蟻酸、
酢酸、プロピオン酸、乳酸などの各種のカルボン酸類;
燐酸モノメチルエステル、燐酸ジメチルエステルなどの
各種の燐酸のモノエステル類又はジエステル類;メタン
スルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンス
ルホン酸の如き、各種の有機スルホン酸類;塩酸、硫
酸、硝酸、燐酸の如き、種々の無機酸などが挙げられ
る。かかる酸性化合物のうちで、特に好ましいものは、
カルボン酸類である。
入されるノニオン性基としては、ポリエーテル鎖が挙げ
られる。そして、かかるポリエーテル鎖の代表的なもの
としては、ポリオキシエチレン鎖、ポリオキシプロピレ
ン鎖、ポリオキシブチレン鎖の如き、各種のポリオキシ
アルキレン鎖;ポリ(オキシエチレン−オキシプロピレ
ン)鎖の如き、2種以上のオキシアルキレン単位がラン
ダムに結合したポリオキシアルキレン鎖;ポリオキシエ
チレン−ポリオキシプロピレン鎖の如き、相異なるポリ
オキシアルキレン鎖がブロック状に結合したものなどが
挙げられる。
ン鎖のうちで、特に好ましいものは、オキシエチレン単
位及び/又はオキシプロピレン単位を必須の繰り返し単
位として含有するものである。
量としては、約100〜10,000なる範囲内が好ま
しく、より好ましくは150〜5,000なる範囲内で
あり、最も好ましくは200〜4,000なる範囲内で
ある。
る親水性基としては、アニオン性基、カチオン性基又は
ノニオン性基のそれぞれの単独であってもよいし、アニ
オン性基又はカチオン性基と、ノニオン性基との併用で
あってもよい。また、本発明に係る水性樹脂組成物
(I)の保存安定性を低下させない比率でアニオン性基
とカチオン性基を併用することもできる。
る、上述した如きアニオン性基又はカチオン性基の含有
量としては、重合体セグメント(A−2)の1,000
グラム当たりのアニオン性基又はカチオン性基のモル数
として、約0.1モル〜約10モルなる範囲内が好まし
く、より好ましくは0.2〜5モルなる範囲内であり、
さらにより好ましくは、0.3〜3モルなる範囲内であ
る。
かかるノニオン性基としてのポリエーテル鎖のみを導入
する場合の、その導入量としては、重合体セグメント
(A−2)の1,000グラム当たりのポリエーテル鎖
のグラム数として、約10〜約990グラムなる範囲内
が好ましく、より好ましくは20〜900グラムなる範
囲内であり、最も好ましくは40〜800グラムなる範
囲内である。
に、アニオン性基又はカチオン性基と、ノニオン性基と
してのポリエーテル鎖との両者を、親水性基として含有
する場合には、それぞれを、単独で含有する場合の、含
有量として上述したような範囲内で、それぞれを含有す
ることが望ましい。
キサンセグメント(A−1)と重合体セグメント(A−
2)がブロック状に結合しているブロックポリマー、重
合体セグメント(A−2)が幹でありポリシロキサンセ
グメント(A−1)が枝であるようなグラフトポリマ
ー、ポリシロキサンセグメント(A−1)が幹であり重
合体セグメント(A−2)が枝であるようなグラフトポ
リマー、等が挙げられ、これらの何れの構造をとってい
てもよい。
サンセグメント(A−1)と重合体セグメント(A−
2)との結合様式としては、公知の何れの結合様式であ
ってもよいが、耐久性の観点から下記の構造式(S−
1)で示される結合様式であることが特に好ましい。
2)の一部分を構成し、2個の珪素原子は、ポリシロキ
サンセグメント(A−1)又はポリシロキサンセグメン
ト(A−1)の一部分を構成するものとする。〕
ロキサンセグメント(A−1)と重合体セグメント(A
−2)の比率は、ポリシロキサンセグメント(A−
1):重合体セグメント(A−2)なる重量比率とし
て、好ましくは5:95〜99:1、より好ましくは1
5:85〜95:5、さらにより好ましくは20:80
〜85:15の範囲内である。
ものとしては、 加水分解性基及び/又は水酸基が結合した珪素原子並
びに酸基及び/又は塩基性基を併有する重合体と、加水
分解性基及び/又は水酸基が結合した珪素原子を有する
ポリシロキサンを縮合させた後、塩基性化合物又は酸性
化合物で中和せしめる方法、
た珪素原子並びにノニオン性基を併有する重合体と、加
水分解性基及び/又は水酸基が結合した珪素原子を有す
るポリシロキサンを縮合せしめる方法、
た珪素原子並びに酸基及び/又は塩基性基とノニオン性
基を併有する重合体と、加水分解性基及び/又は水酸基
が結合した珪素原子を有するポリシロキサンを縮合せし
める方法、等が挙げられる。
おいて使用される、酸基、塩基性基及びノニオン性基か
らなる群より選ばれる少なくとも1種の基を有する重合
体に含有される加水分解性基及び/又は水酸基が結合し
た珪素原子とは、ポリシロキサンセグメント(A−1)
に含有されるものとして上褐したとおりである。そし
て、かかる珪素原子としては導入のしやすさから、加水
分解性シリル基に由来する珪素原子であることが好まし
い。
般式(S−2)
クロアルキル基、アリール基、アラルキル基の如き1価
の有機基を、Xは水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ
基、置換アルコキシ基、アシロキシ基、フェノキシ基、
イソプロペニルオキシ基、もしくはイミノオキシ基の如
き加水分解性基を表わすものとし、また、pは0あるい
は1又は2なる整数であるものとする。)
合した水酸基を生成する加水分解性基が結合したシリル
基を指称するものである。
〜において使用される加水分解性基及び/又は水酸
基が結合した珪素原子を有するポリシロキサンとして
は、線状、分岐状あるいは環状のうちの、いずれの構造
を有するものであってもよい。
過程での著しい粘度増加やゲル化を防止し、得られた水
性樹脂組成物に優れた保存安定性を付与することができ
る点から、複合樹脂(A)を構成するポリシロキサンセ
グメント(A−1)は、
くとも1個と加水分解性基及び/又は水酸基の少なくと
も1個が共に結合した珪素原子(SA−1)、
分解性基又は水酸基の1個が共に結合した珪素原子(S
A−2)、及び
と、加水分解性基及び/又は水酸基の少なくとも1個が
共に結合した珪素原子(SA−3)、からなる群より選
ばれる少なくとも1個の珪素原子を有するものであるこ
とが好ましい。
1)に含有される全珪素原子の10モル%以上が、珪素
原子(SA−1)、珪素原子(SA−2)及び珪素原子
(SA−3)によって占められていることが特に好まし
い。
法〜において使用されるポリシロキサンとしては、
珪素原子(SA−1)、珪素原子(SA−2)及び珪素
原子(SA−3)の合計量が全珪素原子の10モル%以
上を占めるポリシロキサン(a−1)を使用することが
好ましい。
1)あるいはポリシロキサン(a−1)に含有される珪
素原子に結合した総炭素原子数が3個以上なる有機基の
代表的なものとしては、炭素原子数が3個以上なるアル
キル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基
の如き炭化水素基に加えて、アルコキシ基、アシル基、
アシロキシ基あるいはシクロアルキル基等の炭素原子を
含有する有機基が置換基として結合したアルキル基であ
って総炭素原子数が3個以上なる基が挙げられる。
基のうち、アルキル基の代表的なものとしては、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基,
n−ブチル基、iso−ブチル基、n−ヘキシル基、n
−デシル基、n−テトラデシル基、n−オクタデシル
基、n−エイコシル基等が挙げられる。シクロアルキル
基の代表的なものとしては、シクロプロピル基、シクロ
ペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等が
挙げられる。アリール基の代表的なものとしては、フェ
ニル基、4−メチルフェニル基、1−ナフチル基等が挙
げられる。アラルキル基の代表的なものとしては、ベン
ジル基、2−フェニルエチル基、1−フェニルエチル基
等が挙げられる。置換基が結合したアルキル基の代表的
なものとしては、シクロヘキシルメチル基、2−メトキ
シエチル基、2−アセトキシエチル基、3−グリシドキ
シプロピル基、3−ウレイドプロピル基等が挙げられ
る。そして、これらの中で、特に好ましいものは、炭素
原子数が3〜18なるアルキル基、シクロアルキル基及
びアリール基である。
あるいはなる方法で調製する場合の、一層、具体的
な方法の代表的なものとしては、下記の(i)〜(vi)なる
方法が挙げられる。
1個と3個の加水分解性基を有するモノオルガノシラン
化合物〔以下、シラン化合物(SC−1)と略称す
る〕、2個の有機基と2個の加水分解性基を有するジオ
ルガノシラン化合物〔以下、シラン化合物(SC−2)
と略称する〕及びに有機基の3個と1個の加水分解性基
を有するトリオルガノシラン化合物〔以下、シラン化合
物(SC−3)と略称する〕に由来する珪素原子の合計
量が全珪素原子の10モル%以上となるようにシラン化
合物(SC−1)、(SC−2)及び(SC−3)を含
有するシラン化合物を加水分解することにより得られる
ポリシロキサン〔以下、ポリシロキサン(a−1−1)
と略称する〕と、酸基及び/又は塩基性基並びに加水分
解性シリル基を含有する重合体〔以下、重合体(a−2
−1)と略称する〕とを、前記したポリシロキサン(a
−1−1)及び重合体(a−2−1)に含まれる珪素原
子に結合した加水分解性基及び/又は珪素原子に結合し
た水酸基同志の反応により縮合せしめたのち、塩基性化
合物又は酸性化合物で部分中和ないしは完全中和せしめ
る方法。
オン性基並びに加水分解性シリル基を含有する重合体
〔以下、重合体(a−2−2)と略称する〕とを、前記
したポリシロキサン(a−1−1)及び重合体(a−2
−2)に含まれる珪素原子に結合した加水分解性基及び
/又は珪素原子に結合した水酸基同志の反応により縮合
せしめる方法。
酸基及び/又は塩基性基とノニオン性基並びに加水分解
性シリル基を含有する重合体〔以下、重合体(a−2−
3)と略称する〕とを、前記したポリシロキサン(a−
1−1)及び重合体(a−2−3)に含まれる珪素原子
に結合した加水分解性基及び/又は珪素原子に結合した
水酸基同志の反応により縮合せしめたのち、塩基性化合
物又は酸性化合物で部分中和ないしは完全中和せしめる
方法。
ラン化合物(SC−1)、(SC−2)及び(SC−
3)に由来する珪素原子の合計量が全珪素原子の10モ
ル%以上となるようにシラン化合物(SC−1)、(S
C−2)及び(SC−3)を含むシラン化合物を加水分
解することにより、重合体(a−2−1)とシラン化合
物を縮合せしめたのち、塩基性化合物又は酸性化合物で
部分中和なしは完全中和せしめる方法。
記したシラン化合物(SC−1)、(SC−2)及び
(SC−3)に由来する珪素原子の合計量が全珪素原子
の10モル%以上となるようにシラン化合物(SC−
1)、(SC−2)及び(SC−3)を含むシラン化合
物を加水分解することにより、重合体(a−2−2)と
シラン化合物を縮合せしめる方法。
記したシラン化合物(SC−1)、(SC−2)及び
(SC−3)に由来する珪素原子の合計量が全珪素原子
の10モル%以上となるようにシラン化合物(SC−
1)、(SC−2)及び(SC−3)を含むシラン化合
物を加水分解することにより、重合体(a−2−3)と
シラン化合物を縮合せしめたのち、塩基性化合物又は酸
性化合物で部分中和ないしは完全中和せしめる方法。
ラン化合物(SC−1)、(SC−2)及び(SC−
3)としては、加水分解性基として上掲した各種の基を
有するものを使用できるが、経済性及び(i)〜(vi)なる
方法の適用しやすさから、アルコキシ基を有するものが
特に好ましい。
れるポリシロキサン(a−1−1)としては、総炭素原
子数が3個以上なる有機基を有するモノオルガノトリア
ルコキシシラン、ジオルガノジアルコキシシラン及びト
リオルガノモノアルコキシシランからなる群より選ばれ
る少なくとも1種のアルコキシシランを10モル%以上
含有するアルコキシシラン類を加水分解縮合もしくは部
分加水分解縮合せしめて得られるポリシロキサンである
ことが好ましい。
ン化合物として総炭素原子数が3個以上なる有機基を有
するモノオルガノトリアルコキシシラン、ジオルガノジ
アルコキシシラン及びトリオルガノモノアルコキシシラ
ンからなる群より選ばれる少なくとも1種のアルコキシ
シランを10モル%以上含有するアルコキシシランを使
用し、当該アルコキシシランを加水分解することにより
重合体(a−2)とアルコキシシランを縮合せしめるこ
とが好ましい。
き総炭素原子数が3個以上の有機基の1個を珪素原子上
に有する3官能性のシラン化合物である。かかるシラン
化合物(SC−1)のなかで、加水分解性基として特に
好ましいアルコキシ基を含有するものの代表的なものと
しては、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピ
ルトリエトキシシラン、iso−プロピルトリメトキシ
シラン、n−ブチルトリメトキシシラン、iso−ブチ
ルトリメトキシシラン、tert−ブチルトリメトキシ
シラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−ヘキシ
ルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラ
ン、n−ヘキサデシルトリメトキシシランもしくはn−
オクタデシルトリメトキシシランの如き炭素原子数が3
〜18個なるアルキルトリアルコキシシラン類;
ラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシランもしくは
β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメ
トキシシランの如き、置換アルキルトリアルコキシシラ
ン類;シクロペンチルトリメトキシシラン、シクロヘキ
シルトリメトキシシランもしくはシクロヘキシルトリエ
トキシシランの如き、シクロアルキルトリアルコキシシ
ラン類;フェニルトリメトキシシランもしくはフェニル
トリエトキシシランの如き、フェニルトリアルコキシシ
ラン類等が挙げられる。
で、有機基として炭素原子数が3〜18なるアルキル
基、シクロアルキル基及びアリール基を有するものを主
成分として使用することが好ましい。そしてその中でも
特に好ましいものは、有機基としてiso−ブチル基、
シクロヘキシル基もしくはフェニル基を有するモノオル
ガノシラン類である。
解性基として特に好ましいアルコキシ基を含有するもの
の代表的なものとしては、ジメチルジメトキシシラン、
ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラ
ン、ジ−iso−ブチルジメトキシシラン、ジシクロヘ
キシルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラ
ン、メチルシクロヘキシルジメトキシシラン、メチルフ
ェニルジメトキシシランもしくはメチルフェニルジエト
キシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、3−(メ
タ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラ
ンの如き化合物が挙げられる。そして、これらのなかで
経済性の点から特に好ましいものは、有機基としてメチ
ル基を2個有するジオルガノシラン化合物である。
解性基として特に好ましいアルコキシ基を含有するもの
の代表的なものとしては、トリメチルメトキシシラン、
トリメチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラ
ン、ジメチル−iso−ブチルメトキシシラン、ジメチ
ル−tert−ブチルメトキシシラン、ジメチルシクロ
ヘキシルメトキシシラン、ジメチルフェニルメトキシシ
ランの如きものが挙げられる。そして、これらのなかで
経済性の点から特に好ましいものは、有機基として3個
のメチル基を有するトリオルガノシラン化合物である。
されるシラン化合物のうち、シラン化合物(SC−
1)、(SC−2)、(SC−3)以外のシラン化合物
としては、メチル基又はエチル基の1個と珪素原子に結
合した加水分解性基の3個を有するモノオルガノシラン
化合物〔以下、シラン化合物(SC−4)と略称する〕
及び4個の珪素原子に結合した加水分解性基を有するシ
ラン化合物〔以下、シラン化合物(SC−5)と略称す
る〕を使用することができる。
5)に含有される加水分解性基としては、一般式(S−
2)で示される加水分解性シリル基に含有されるものと
して上掲した各種の基が挙げられるが、経済性及び(i)
〜(vi)なる方法の適用のしやすさから、アルコキシ基で
あることが特に好ましい。
解性基として特に好ましいアルコキシ基を含有するもの
の代表的なものとしては、メチルトリメトキシシラン、
メチルトリエトキシシラン、メチルトリn−ブトキシシ
ラン、メチルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、
エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラ
ン、エチルトリn−ブトキシシランの如き化合物が挙げ
られる。
解性基として特に好ましいアルコキシ基を含有するもの
の代表的なものとしては、テトラメトキシシラン、テト
ラエトキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトラ
キス(2−メトキシエトキシ)シランの如き化合物が挙
げられる。
解縮合ないしは部分加水分解縮合せしめることによっ
て、ポリシロキサンセグメント(A−1)の導入に使用
されるシラン化合物の加水分解縮合物又は部分加水分解
縮合物であるポリシロキサン(a−1−1)を得ること
ができるが、その際には、触媒を使用してもよいし、使
用しなくてもよいが、かかる縮合反応を容易に進行せし
めるという点からは、触媒を使用することが望ましい。
公知慣用の種々の触媒のいずれをも使用することができ
るし、それらは単独使用でも、2種類以上の併用でもよ
い。
ては、塩酸、硫酸、燐酸の如き、無機酸類;p−トルエ
ンスルホン酸、燐酸モノイソプロピル、酢酸の如き、有
機酸類;
き、無機塩基類;テトライソプロピルチタネート、テト
ラブチルチタネートの如き、チタン酸エステル類;ジブ
チル錫ジラウレート、オクチル酸錫の如き、錫カルボン
酸塩類;
ンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ
[4.3.0]ノネン−5(DBN)、1,4−ジアザ
ビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、トリ
−n−ブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、モノエ
タノールアミン、イミダゾール、1−メチルイミダゾー
ルの如き、各種の塩基性窒素原子を含有する化合物類;
ルアンモニウム塩、ジラウリルジメチルアンモニウム塩
の如き各種の4級アンモニウム塩類であって、対アニオ
ンとして、クロライド、ブロマイド、カルボキシレー
ト、ハイドロオキサイドなどを有する4級アンモニウム
塩類などである。
合ないしは部分加水分解縮合に供されるシラン化合物に
対して、約0.000001〜約10重量%なる範囲内
が好ましく、より好ましくは0.000005〜5重量
%なる範囲内、さらにより好ましくは0.00001〜
1重量%なる範囲内が適切である。
反応を行なうに当たって用いられる水の量としては、シ
ラン化合物の珪素原子に結合している加水分解性基の1
モルに対して、約0.05モル以上が好ましく、より好
ましくは0.1モル以上、さらにより好ましくは、0.
2モル以上である。
℃〜150℃程度が好ましく、より好ましくは20℃〜
100℃である。
使用してもよいし、使用しなくてもよいけれども、撹拌
などが、容易に行なえるようにするためにも有機溶剤を
使用することが望ましい。
n−ヘキサン、n−オクタン、シクロヘキサン、シクロ
ペンタン、シクロオクタンの如き、各種の脂肪族系ない
しは脂環式系の炭化水素類;トルエン、キシレン、エチ
ルベンゼンの如き、芳香族炭化水素類;ギ酸エチル、酢
酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸n−アミル、エチレン
グリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレング
リコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリ
コールモノブチルエーテルアセテートの如き、エステル
類;
ル、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−
ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノー
ル、n−アミルアルコール、iso−アミルアルコー
ル、tert−アミルアルコールの如きアルキルアルコ
ール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチ
レングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコー
ルモノn−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ
プロピルエーテルの如き、アルキレングリコールモノア
ルキルエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、メチルn−アミルケトン、シク
ロヘキサノンの如き、ケトン類;ジメトキシエタン、テ
トラヒドロフラン、ジオキサン、ジイソプロピルエーテ
ル、ジ−n−ブチルエーテルの如き、エーテル類;さら
には、N−メチルピロリドン、ジメチルフォルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド又はエチレンカーボネートな
どが挙げられる。
体セグメント(A−2)としてビニル系重合体に由来す
るセグメントを有する複合樹脂(A)を調製する際に使
用される、重合体(a−2−1)としての酸基及び/又
は塩基性基並びに加水分解性シリル基を含有するビニル
重合体、重合体(a−2−2)としてのノニオン性基並
びに加水分解性シリル基を含有するビニル重合体、重合
体(a−2−3)としての酸基及び/又は塩基性基とノ
ニオン性基並びに加水分解性シリル基を含有するビニル
重合体は、公知慣用の方法により調製できる。そして、
それらのうち最も簡便な方法は、酸基を含有するビニル
系単量体、塩基性基を含有するビニル系単量体及びノニ
オン性基を含有するビニル系単量体から選ばれる少なく
とも1種のビニル系単量体を前掲した如き加水分解性シ
リル基を含有するビニル系単量体と共重合させる方法で
ある。またその際に、必要に応じて、これらの単量体と
共重合可能な他のビニル系単量体を共重合することが出
来る。
は(a−2−3)としてのビニル系重合体を調製する際
に使用される加水分解性シリル基を含有するビニル系単
量体のうち加水分解性基としてアルコキシ基を含有する
ものの代表的なものとしては、ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキ
シシラン、2−トリメトキシシリルエチルビニルエーテ
ル、3−トリメトキシシリルプロピルビニルエーテル、
3−(メチルジメトキシシリル)プロピルビニルエーテ
ル、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメト
キシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル
トリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシ
プロピルメチルジメトキシシランなどが挙げられる。
代表的なものとしては、(メタ)アクリル酸、2−カル
ボキシエチル(メタ)アクリレート、クロトン酸、イタ
コン酸、マレイン酸、フマル酸の如き、各種の不飽和モ
ノカルボン酸もしくは不飽和ジカルボン酸;イタコン酸
モノメチル、イタコン酸モノ−n−ブチル、マレイン酸
モノメチル、マレイン酸モノ−n−ブチル、フマル酸モ
ノメチル、フマル酸モノ−n−ブチルの如き、不飽和ジ
カルボン酸類と、飽和1価アルコール類とのモノエステ
ル類(ハーフエステル類);アジピン酸モノビニル、コ
ハク酸モノビニルの如き、各種の飽和ジカルボン酸のモ
ノビニルエステル類、等が挙げられる。
体のなかで、3級アミノ基を有するビニル系単量体の代
表的なものとしては、2−ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、2−ジエチルアミノエチル(メタ)
アクリレートもしくは4−ジメチルアミノブチル(メ
タ)アクリレート、N−[2−(メタ)アクリロイルオ
キシ]エチルモルホリンの如き、3級アミノ基含有(メ
タ)アクリル酸エステル類;ビニルピリジン、N−ビニ
ルカルバゾール、N−ビニルキノリンの如き、3級アミ
ノ基含有芳香族ビニル系単量体類;
タ)アクリルアミド、N−(2−ジエチルアミノ)エチ
ル(メタ)アクリルアミドの如き、3級アミノ基含有
(メタ)アクリルアミド類;N−(2−ジメチルアミ
ノ)エチルクロトン酸アミド、N−(4−ジメチルアミ
ノ)ブチルクロトン酸アミドの如き、3級アミノ基含有
クロトン酸アミド類;2−ジメチルアミノエチルビニル
エーテル、2−ジエチルアミノエチルビニルエーテル、
4−ジメチルアミノブチルビニルエーテルの如き、3級
アミノ基含有ビニルエーテル類、等が挙げられる。
単量体としては、前掲したような各種のポリエーテル鎖
を有する、(メタ)アクリル酸エステル系、クロトン酸
エステル系、イタコン酸エステル系、フマル酸エステル
系あるいはビニルエーテル系等の単量体などが挙げられ
る。
単量体の代表的なものとしては、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール又はオキシエチレン単位
と、オキシプロピレン単位とを併有するポリエーテルジ
オールの如き、各種のポリエーテルジオールのモノ(メ
タ)アクリル酸エステル;モノメトキシ化ポリエチレン
グリコール、モノメトキシ化ポリプロピレングリコール
もしくはオキシエチレン単位と、オキシプロピレン単位
とを併有するポリエーテルジオールのモノメトキシ化物
の如き、各種のモノアルコキシ化ポリエーテルジオール
の(メタ)アクリル酸エステルなどである。
エーテル鎖それ自体の数平均分子量としては、水溶性あ
るいは水分散性の面からも、約200〜約10,000
なる範囲内が好ましく、より好ましくは400〜8,0
00なる範囲内である、最も好ましくは600〜6,0
00なる範囲内である。
2)又は(a−2−3)としてのビニル系重合体には、
上述したように、酸基、塩基性、珪素原子に結合した加
水分解性基及び珪素原子に結合した水酸基の都合4種類
の官能基以外の官能基として、炭素原子に結合した水酸
基、ブロック水酸基、カルボニル基、シクロカーボネー
ト基、エポキシ基、1級アミド基、2級アミド基、カー
バメート基あるいは構造式(S−3)で示される官能基
等の種々の官能基を導入することもできる。
の官能基を含有する(メタ)アクリル酸エステル系、ビ
ニルエステル系、ビニルエーテル系等の公知慣用のビニ
ル系単量体を共重合すればよい。そしてこれらのなか
で、炭素原子に結合した水酸基を含有するビニル系単量
体として特に代表的なものとしては、2−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)
アクリレートの如き、ヒドロキシアルキル(メタ)アク
リレート類;2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4
−ヒドロキシブチルビニルエーテルの如き水酸基含有ビ
ニルエーテル類;2−ヒドロキシエチルアリルエーテ
ル、2−ヒドロキシブチルアリルエーテルの如き、水酸
基含有アリルエーテル類;前掲したような各種の水酸基
含有単量体類と、ε−カプロラクトンなどで以て代表さ
れるような、種々のラクトン類との付加物等が挙げられ
る。
量体の代表的なものとしては、メチル(メタ)アクリレ
ート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メ
タ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、
イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリ
ル(メタ)アクリレートの如き、C1 〜C22なるア
ルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート類;ベ
ンジル(メタ)アクリレート、2−フェニルエチル(メ
タ)アクリレートの如き、各種のアラルキル(メタ)ア
クリレート類;シクロペンチル(メタ)アクリレート、
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル
(メタ)アクリレートの如き、各種のシクロアルキル
(メタ)アクリレート類;
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンの如き、芳香
族ビニル系単量体類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、ピバリン酸ビニル、バーサティック酸ビニル、安息
香酸ビニルの如き、各種のカルボン酸ビニルエステル
類;クロトン酸メチル、クロトン酸エチルの如き、各種
のクロトン酸のアルキルエステル類;ジメチルマレー
ト、ジ−n−ブチルマレート、ジメチルフマレート、ジ
−n−ブチルフマレート、ジメチルイタコネート、ジ−
n−ブチルイタコネートの如き、各種の不飽和二塩基酸
のジアルキルエステル類;
リルの如き、シアノ基含有単量体類;フッ化ビニル、フ
ッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、クロロトリ
フルオロエチエレン、ヘキサフルオロプロピレンの如
き、フルオロオレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデ
ンの如き、クロル化オレフィン類;エチレン、プロピレ
ンの如き、α−オレフィン類;
エーテルの如き、アルキルビニルエーテル類;シクロペ
ンチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル
の如き、シクロアルキルビニルエーテル類;N,N−ジ
メチル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロ
イルモルホリン、N−(メタ)アクリロイルピロリジ
ン、N−ビニルピロリドンの如き、3級アミド基含有単
量体類などである。
を調製するには、上掲した単量体の中から(メタ)アク
リル酸エステルを必須の単量体成分として使用すればよ
いし、フルオロオレフィン系重合体を調製するには、上
記したフルオロオレフィン類を必須の単量体成分として
使用すればよい。
−2−1)、(a−2−2)又は(a−2−3)として
の加水分解性シリル基を含有するビニル系重合体を調製
するには、公知慣用のラジカル重合開始剤、溶剤を使用
して公知慣用の方法により重合を行えばよい。
含有するビニル系重合体に導入される加水分解性シリル
基量としては、重合体の固形分の1,000グラム当た
りの加水分解性シリル基のモル数として、約0.005
〜約3モルなる範囲内が好ましく、より好ましくは0.
01〜2モルなる範囲内であり、さらに一層好ましくは
0.05〜1モルなる範囲内である。
た加水分解性性基及び珪素原子に結合した水酸基の都合
4種類の官能基以外の官能基を当該重合体に導入する場
合には、重合体の固形分の1,000グラム当たりの官
能基のモル数として、約0.1〜約5モルなる範囲内が
好ましく、よりこのましくは0.2〜3モルなる範囲内
であり、さらに一層好ましくは、0.3〜2モルなる範
囲内である。
るべき、酸基又は塩基性基の量としては、重合体の固形
分の1,000グラム当たりの、酸基又は塩基性基のモ
ル数として、約0.1〜約10モルなる範囲内が好まし
く、より好ましくは0.2〜5モルなる範囲内であり、
最も好ましくは、0.3〜3モルなる範囲内である。そ
して、当該ビニル系重合体に導入されるポリエーテル鎖
の量としては、それぞれの重合体の固形分の1,000
グラム当たりのポリエーテル鎖のグラム数として、約1
0〜約990グラムなる範囲内が好ましく、より好まし
くは、20〜900グラムなる範囲内であり、最も好ま
しくは、40〜800グラムなる範囲内である。
子量としては、約500〜約200,000なる範囲内
が好ましく、より好ましくは、1,000〜50,00
0なる範囲内である。
レタン系重合体に由来するセグメントを有する複合樹脂
(A)を、上記した(i)〜(vi)なる方法により調製する
際に使用される、重合体(a−2−1)としての酸基及
び/又は塩基性基並びに加水分解性シリル基を含有する
ポリウレタン系重合体、重合体(a−2−2)としての
ノニオン性基並びに加水分解性シリル基を含有するポリ
ウレタン系重合体、重合体(a−2−3)としての酸基
及び/又は塩基性基、ノニオン性基並びに加水分解性シ
リル基を含有するポリウレタン系重合体は、例えば、特
開平11−279408に記載された方法により調製す
ることができる。
体に導入される加水分解性シリル基の量としては、それ
ぞれの重合体の1,000グラム当たり、約0.005
〜約3モルなる範囲内が好ましく、より好ましくは0.
01〜2モルなる範囲内であり、さらに一層好ましく
は、0.05〜1モルなる範囲内である。
(a−2−1)〜(a−2−3)としてのビニル系重合
体に導入できるものとして前褐した如き、酸基、塩基
性、珪素原子に結合した加水分解性性基及び珪素原子に
結合した水酸基の都合4種類の官能基以外の官能基を導
入することができる。
入量は、ポリウレタン系重合体の1,000グラム当た
りの官能基のモル数として、約0.1〜約5モルなる範
囲内が好ましく、より好ましくは0.2〜3モルなる範
囲内ある、さらに一層好ましくは、0.3〜2モルなる
範囲内である。
酸基又は塩基性基の量は、重合体の固形分の1,000
グラム当たりの、酸基又は塩基性基のモル数として、約
0.1〜約10モルなる範囲内が好ましく、0.2〜5
モルなる範囲内がより好ましく、最も好ましくは、0.
3〜3モルなる範囲内である。当該ポリウレタン系重合
体に導入されるポリエーテル鎖の量としては、重合体の
固形分の1,000グラム当たりのポリエーテル鎖のグ
ラム数として、約10〜約990グラムなる範囲内が好
ましく、20〜900グラムなる範囲内がより好まし
く、最も好ましくは、40〜800グラムなる範囲内で
ある。
としては、約500〜約100,000なる範囲内が好
ましく、1,000〜50,000なる範囲内がより好
ましい。
のうち、前掲した(i)、(ii)又は(iii)なる方法につい
て、詳細に述べることにする。
(a−2−1)、(a−2−2)又は(a−2−3)
と、ポリシロキサン(a−1−1)とを縮合反応せしめ
ることによって複合樹脂(A)が調製される。
(a−2−2)又は(a−2−3)と、ポリシロキサン
(a−1−1)との縮合反応を、スムーズに進行させる
ために、触媒を添加することができるが、こうした触媒
としては、ポリシロキサン(a−1−1)を調製する際
に使用されるものとして、すでに掲げた種々の化合物を
使用することができる。
合化せしめる場合に用いられる触媒の量としては、重合
体(a−2−1)、(a−2−2)又は(a−2−3)
と、ポリシロキサン(a−1−1)との合計量に対し
て、約0.0001〜約10重量%なる範囲内が好まし
く、0.0005〜3重量%なる範囲内がより好まし
く、さらにより好ましくは、0.0005〜1重量%な
る範囲内である。
調製する際に使用される触媒がポリシロキサン(a−1
−1)中に残留している場合には、触媒を添加せずと
も、かかる縮合反応を促進せしめることが可能である。
1)、(a−2−2)又は(a−2−3)と、ポリシロ
キサン(a−1−1)との間の縮合反応をスムーズに進
行せしめるためには、重合体(a−2−1)、(a−2
−2)又は(a−2−3)に含まれる加水分解性シリル
基の加水分解反応と、ポリシロキサン(a−1−1)中
に、場合によっては含まれる珪素原子に結合した加水分
解性基の加水分解反応とを円滑に進行せしめることが好
ましく、こうした縮合反応を水の存在下で以て行なうこ
とが、特に好ましい。
調製する際に用いられた水が、ポリシロキサン(a−1
−1)中に残留している場合には、水を添加せずにかか
る縮合反応を行なうことが可能である。
ては、重合体(a−2−1)、(a−2−2)又は(a
−2−3)に結合した加水分解性シリル基中に含まれる
加水分解性基と、ポリシロキサン(a−1−1)中に存
在する、珪素原子に結合している加水分解性基との合計
量の1モルに対して、約0.05モル以上が好ましく、
0.1モル以上がより好ましく、特に好ましくは、0.
5モル以上である。
に不溶物が析出して来るなどの不都合が生じない限り、
支障も無く、複合化反応を行なうことが出来るが、当該
ポリシロキサン(a−1−1)中に珪素原子に結合して
いる加水分解性基が存在する場合には、当該ポリシロキ
サン(a−1−1)中に含まれる加水分解性基の1モル
に対する水の使用量は、10モル以下に設定するのが好
ましく、より好ましくは5モル以下、特に好ましくは
3.5モル以下である。
珪素原子に結合している加水分解性基が存在しない場合
には、重合体(a−2−1)、(a−2−2)又は(a
−2−3)に結合した加水分解性シリル基中に含まれる
加水分解性基の1モルに対して、好ましくは約500モ
ル以下に、より好ましくは300モル以下に、さらに2
00モル以下に設定するのが特に好ましい。
温度としては、0〜150℃程度が好ましく、20℃〜
100℃程度がより好ましい。
縮合反応生成物中の酸基を、部分中和ないしは完全中和
せしめるために、各種の塩基性化合物が使用される。
如き各種の化合物が使用されるが、それらのうちで特に
好ましいものは、アンモニア又は各種の有機アミン類で
ある。
縮合反応生成物中の塩基性基を、部分中和ないしは完全
中和せしめるために、各種の酸性化合物が使用される。
き各種の化合物が使用されるが、それらのうちで特に好
ましいものは、カルボン酸類である。
物の添加量としては、重合体(a−2−1)又は(a−
2−3)と、ポリシロキサン(a−1−1)との縮合反
応生成物に対して、少なくとも水分散性を付与すること
が可能なる量であり、当該縮合反応生成物中に含まれる
酸基又は塩基性基の当量数に対する、塩基性化合物又は
酸性化合物の当量数の比率、
合体(a−2−1)又は(a−2−3)のそれぞれとポ
リシロキサン(a−1−1)との縮合反応生成物中の酸
基又は塩基性基]なる当量比が、約0.1以上となるよ
うな比率が好ましく、概ね、0.1〜3なる範囲内がよ
り好ましく、最も好ましくは、0.3〜2なる範囲内で
ある。
℃〜150℃程度が好ましく、20℃〜100℃がより
好ましい。
のうち、前掲した(iv)、(v)又は(vi)なる方法につい
て、詳細に述べることにする。
た重合体(a−2−1)、(a−2−2)又は(a−2
−3)の存在下に、前記したシラン化合物(SC−
1)、(SC−2)及び(SC−3)に由来する珪素原
子の合計量が全珪素原子の10モル%以上となるように
(SC−1)、(SC−2)及び(SC−3)を含むシ
ラン化合物を加水分解する過程で、重合体(a−2−
1)、(a−2−2)又は(a−2−3)とこれらのシ
ラン化合物を縮合反応せしめる方法である。
は、該縮合反応により得られた縮合反応性生物中に含ま
れる酸基又は塩基性基を塩基性化合物又は酸性化合物で
以て部分中和ないしは完全に中和せしめことにより複合
樹脂(A)が調製される。
って、複合樹脂(A)を調製するにあたり、シラン化合
物の加水分解縮合を促進するための触媒を使用してもよ
いし、使用しなくてもよいが、該シラン化合物の加水分
解反応を速やかに進行せしめると同時に、生成するシラ
ン化合物と、重合体(a−2−1)、(a−2−2)又
は(a−2−3)との間の縮合反応をスムーズに進行せ
しめる上からも、前記した如き触媒を使用することが望
ましい。
物に対して、約0.000001〜約10重量%なる範
囲内が好ましく、0.000005〜5重量%なる範囲
がより好ましく、特に好ましくは、0.0001〜1重
量%なる範囲内である。
て、シラン化合物の加水分解反応を円滑に進行せしめ、
重合体(a−2−1)、(a−2−2)又は(a−2−
3)との間の縮合反応をスムーズに進行せしめるため
に、通常、水の存在下に反応が行なわれる。その際の水
の添加量は、重合体(a−2−1)、(a−2−2)又
は(a−2−3)のそれぞれに結合した加水分解性シリ
ル基中に含まれる加水分解性基と、当該シラン化合物中
に存在する、珪素原子に結合している加水分解性基との
合計量の1モルに対して、約0.05モル以上が好まし
く、0.1モル以上がより好ましく、さらにより好まし
くは0.5モル以上である。
も、反応中に不溶物が析出するなどの不都合が生じない
限り、支障も無く、縮合反応を行なうことが出来るが、
前記した加水分解性基の合計量の1モルに対して、水の
使用量を、概ね、好ましくは10モル以下に、より好ま
しくは、5モル以下に、さらにより好ましくは、3.5
モル以下に設定するのが適切である。
温度としては、0〜150℃程度が好ましく、20℃〜
100℃程度がより好ましい。
含有される酸基又は塩基性基を中和するための塩基性化
合物又は酸性化合物としては、前記した(i)又は(iii)な
る方法において使用できるものとして例示した各種の化
合物を、使用することができる。
量などの中和反応の反応条件は、前出の(i)又は(iii)な
る方法の場合における其れに準ずるものとする。
(A)を調製するに当たり、重合体(a−2−1)、
(a−2−2)又は(a−2−3)と、ポリシロキサン
(a−1−1)又はシラン化合物との使用割合は、重合
体(a−2−1)、(a−2−2)又は(a−2−3)
に由来する重合体セグメント(A−2)と、ポリシロキ
サン(a−1−1)又はシラン化合物が重合体(a−2
−1)、(a−2−2)又は(a−2−3)に結合して
生成するポリシロキサンセグメント(A−1)との比率
が、上述した如き好ましい範囲内となるように設定する
必要がある。
調製を行う場合の各成分の濃度は、生成する複合樹脂
(A)の濃度の設定が、5〜95重量%の範囲内が好ま
しく、10〜90重量%の範囲内がより好ましく、20
〜80重量%の範囲内がさらにより好ましい。そして、
こうした濃度の調整は、公知慣用の有機溶剤類で以て行
なうことが出来る。
することができるが、かかる複合樹脂中に含まれる、水
及び有機溶剤は除去しなくてもよいし、必要に応じて、
蒸留よって除去することもできる。
する際に使用される、加水分解性基及び/又は水酸基が
結合した珪素原子を有する重合体(B)は、ポリシロキ
サン以外の重合体であり、その代表的なものとしては、
アクリル系重合体、ビニルエステル系重合体、芳香族ビ
ニル系重合体、ポリオレフィン系重合体の如き、各種の
ビニル系重合体;ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポ
リウレタン系重合体の如き、ビニル系重合体以外の各種
の重合体が挙げられる。
ビニル系重合体又はポリウレタン系重合体が挙げられ
る。そして、ビニル系重合体のうちで特に好ましいもの
は、アクリル系重合体である。
子に結合した加水分解性基の代表的なもの、及び好まし
いものは、ポリシロキサンセグメント(A−1)に含有
される加水分解性基の代表的なもの、及び好ましいもの
として例示したとおりである。
解性基及び/又は水酸基が結合した珪素原子の特に好ま
しいものは、重合体(a−2−1)〜(a−2−3)に
含有されるものとして前褐した加水分解性シリル基であ
る。
である、加水分解性シリル基を含有するビニル重合体は
公知慣用の方法により調製できる。そして、それらのう
ち最も簡便なものは、前掲した如き加水分解性シリル基
を含有する単量体を単独重合したり、当該加水分解性シ
リル基を含有する単量体と共重合可能なビニル系単量体
を共重合させる方法である。かかる加水分解性シリル基
を含有するビニル系単量体と共重合可能なビニル系単量
体の代表的なものとしては、重合体(a−2−1)〜
(a−2−3)としてのビニル系重合体を調製する場合
に使用される酸基、塩基性基あるいはノニオン性基を含
有するビニル系単量体と共重合可能な各種のビニル系単
量体の代表的なものとして例示した単量体;酸基、塩基
性基あるいはノニオン性基を含有するビニル系単量体の
代表的なものとして上掲した如き単量体;酸基、塩基
性、珪素原子に結合した加水分解性基及び珪素原子に結
合した水酸基の都合4種類の官能基以外の官能基を含有
する単量体として前掲した各種の官能基を含有する単量
体、等を挙げることができる。
を調製するには、前掲した単量体の中から(メタ)アク
リル酸エステルを必須の単量体成分として使用すればよ
い。
(B)としての加水分解性シリル基を含有するビニル系
重合体を調製するには、公知慣用のラジカル重合開始
剤、溶剤を使用して公知慣用の方法により重合を行えば
よい。
加水分解性シリル基を含有するビニル系重合体に導入さ
れる加水分解性シリル基量としては、重合体の固形分の
1,000グラム当たりの加水分解性シリル基のモル数
として、約0.01〜約3モルなる範囲内が好ましく、
0.02〜2モルなる範囲内がより好ましく、さらに一
層好ましくは、0.05〜1モルなる範囲内である。
した加水分解性基及び珪素原子に結合した水酸基以外の
各種の官能基を導入することができる。そして、かかる
官能基を導入する場合の導入量は、ビニル系重合体の
1,000グラム当たりの官能基のモル数として、約
0.1〜約5モルなる範囲内が好ましく、0.2〜3モ
ルなる範囲内がより好ましい。
系重合体の数平均分子量としては、約500〜約20
0,000なる範囲内が好ましく、1,000〜50,
000なる範囲内がより好ましい。
系重合体を使用する場合、重合体(B)としての加水分
解性シリル基を含有するポリウレタン系重合体は、例え
ば、特開平11−279408に記載された方法により
調製することができる。かかる重合体には、重合体
(B)としてのビニル系重合体に導入できるものとして
前褐した如き、珪素原子に結合した加水分解性性基及び
珪素原子に結合した水酸基以外の各種の官能基を導入す
ることができる。
体に導入される加水分解性シリル基の量としては、重合
体の固形分の1,000グラム当たりの加水分解性シリ
ル基のモル数として、約0.01〜約3モルなる範囲内
が好ましく、0.02〜2モルなる範囲内がより好まし
く、さらに一層好ましくは、0.05〜1モルなる範囲
内である。
原子に結合した水酸基以外の官能基を導入する場合の導
入量は、ポリウレタン系重合体の1,000グラム当た
りの官能基のモル数として、約0.1〜約5モルなる範
囲内が好ましく、より好ましくは、0.2〜3モルなる
範囲内である。
合樹脂(A)と重合体(B)なる二つの原料成分から調
製することができるし、また、複合樹脂(A)と重合体
(B)とポリシロキサン(C)なる三つの原料成分から
調製することもできる。
ら、加水分解性基及び/又は水酸基が結合した珪素原子
を含有するポリシロキサン(C)をも使用して得られる
水性樹脂組成物は、本発明で使用される水性樹脂組成物
(I)として好ましいものの一つである。
知慣用の各種のポリシロキサンを使用することが出来る
が、水性樹脂組成物の硬化性及び当該水性樹脂組成物
(I)から得られる硬化物の耐久性の観点から、前記し
たシラン化合物(SC−4)を好ましくは20モル%以
上、より好ましくは50モル%以上、さらに好ましくは
70モル%以上含有する加水分解性シラン化合物を加水
分解縮合もしくは部分加水分解縮合して得られるポリシ
ロキサンが特に好ましい。
(SC−4)に含有される加水分解性基としては、経済
性の点や水性樹脂組成物(I)の調製時に好ましくない
揮発成分を発生しない点等から、特にアルコキシ基が好
ましい。アルコキシ基を含有するシラン化合物(SC−
4)の代表的なものとしては、ポリシロキサン(a−1
−1)を調製する際に使用できる具体的なものとして前
掲したものが挙げられる。
用される加水分解性シラン化合物の合計モル数の好まし
くは80モル%未満、より好ましくは50モル%未満、
さらにより好ましくは30モル%未満の一般式(S−
4)で示される3官能シラン化合物以外の加水分解性シ
ラン化合物を併用することができる。
的なものとしては、上述したシラン化合物(SC−
1)、(SC−2)、(SC−3)、(SC−5)等が
挙げられる。そしてこれらのシラン化合物の中では珪素
原子に結合した加水分解性基としてアルコキシ基を含有
する化合物が好ましい。
て含有する加水分解性シラン化合物からポリシロキサン
(C)を調製するには、例えば、特開平11−2794
08号公報に記載された如き公知慣用の方法を適用すれ
ばよい。
脂組成物(I)を調製するには、複合樹脂(A)と重合
体(B)の混合物、あるいは複合樹脂(A)と重合体
(B)を縮合させて得られる生成物(以下、縮合生成物
とも云う)を水性媒体に分散もしくは溶解させればよ
い。そして、得られた水性樹脂組成物に含有される有機
溶剤等の揮発性の有機化合物は、必要に応じて、減圧下
で留去する等の処理を行って除去することができる。
体(B)の使用比率は、水性樹脂組成物(I)の保存安
定性並びに得られる硬化物の耐温水性等の点から、複合
樹脂(A)と重合体(B)の合計重量に占める複合樹脂
(A)の重量割合として、好ましくは20〜95%、よ
り好ましくは40〜90%、最も好ましくは50〜85
%である。
定性に優れる水性樹脂組成物を得る観点から、複合樹脂
(A)と重合体(B)の混合物あるいはそれらの縮合物
の調製は、アルキルアルコール類、ケトン類もしくはア
ルキレングリコールモノアルキルエーテル類の如き親水
性溶剤類もしくはこれらの溶剤類と水との混合物の存在
下に行うことが好ましい。かかる親水性有機溶剤の代表
的なもは、ポリシロキサン(a−1−1)を調製する際
に使用できるものとして前掲した通りである。
応を行うには、必要に応じて触媒の存在下に、好ましく
は20〜130℃、より好ましくは40〜100℃程度
の温度で、1〜10時間程度のあいだ反応せしめればよ
い。
と重合体(B)の混合物もしくは複合樹脂(A)と重合
体(B)の縮合生成物を水性媒体中に分散もしくは溶解
せしめることにより水性樹脂組成物(I)が調製され
る。
り、公知慣用の種々の方法を適用することが出来る。た
とえば、前記した混合物の溶液又は縮合生成物の溶液
を、水あるいは水と水溶性有機溶剤の混合物に添加せし
めるか、あるいは、それらの溶液に水あるいは水と水溶
性有機溶剤の混合物を加えることにより、混合物の溶液
又は、縮合生成物の溶液を、水性媒体中に分散せしめる
か、あるいは溶解せしめて、目的とする水性樹脂組成物
(I)を製造することができる。
組成物(I)に含まれる有機溶剤を、必要に応じて、加
熱及び/又は減圧によって、部分的に、あるいは完全に
除去せしめることによって、有機溶剤の含有率が低い、
あるいは有機溶剤を含有しない水性樹脂組成物(I)を
調製することが出来る。
使用して水性樹脂組成物(I)を調製する場合でも、当
該混合物を水性媒体中に分散もしくは溶解せしめる過程
で、あるいは、分散もしくは溶解せしめた後の脱溶剤工
程で、それらの少なくとも一部分は、反応して縮合物を
形成する。
ロキサン(C)から水性樹脂組成物(I)を調製するに
は、上述した複合樹脂(A)と重合体(B)から水性樹
脂組成物(I)を調製する場合と同様の方法が適用され
る。
体(B)の使用比率は、上述した複合樹脂(A)と重合
体(B)から水性樹脂組成物(I)を調製する場合と同
様の使用比率が適用される。
ては、水性樹脂組成物(I)に含有されるポリシロキサ
ン(C)由来のポリシロキサンセグメントとポリシロキ
サンセグメント(A−1)の合計量が、水性樹脂組成物
(I)の固形分の好ましくは5〜80重量%程度になる
ように、より好ましくは10〜70重量%になるよう
に、さらにより好ましくは、15〜60重量%になるよ
うに設定するのが適切である。
樹脂組成物(I)は、それ自体で硬化性を有する自己硬
化性組成物として使用できる。
樹脂組成物(I)に含まれる官能基と反応する官能基を
有する化合物(II)をも含む硬化性樹脂組成物として使
用することもできる。
される化合物(II)としては、水性樹脂組成物(I)中
に含まれる、前述のような各種の官能基と反応する官能
基を少なくとも1種有する種々の化合物が使用される。
なものとしては、イソシアネート基、ブロックされたイ
ソシアネート基、エポキシ基、シクロカーボネート基、
オキサゾリン基、アジリジニル基、カーボジイミド基、
アルデヒド又はケトンに由来するカルボニル基、珪素原
子に結合した水酸基、珪素原子に結合した加水分解性
基、N−ヒドロキシメチルアミノ基、N−アルコキシメ
チルアミノ基、N−ヒドロキシメチルカルボン酸アミド
基、N−アルコキシメチルカルボン酸アミド基、ヒドラ
ジノ基などである。
能基は、水性樹脂組成物(I)中に含まれる官能基の種
類に応じて、適宜、選択される。そうした組み合わせの
代表的なものとしては、珪素原子に結合した水酸基−珪
素原子に結合した水酸基、珪素原子に結合した水酸基−
珪素原子に結合した加水分解性基、珪素原子に結合した
加水分解性基−珪素原子に結合した加水分解性基、カル
ボキシル基−エポキシ基、カルボキシル基−シクロカー
ボネート基、カルボキシル基−アジリジニル基、カルボ
キシル基−カーボジイミド基、3級アミノ基−エポキシ
基、カルボキシル基−N−ヒドロキシメチルアミノ基、
カルボキシル基−N−アルコキシメチルアミノ基、カル
ボキシル基−オキサゾリン基、炭素原子に結合した水酸
基−イソシアネート基、炭素原子に結合した水酸基−ブ
ロックイソシアネート基、N−ヒドロキシメチルアミノ
基−炭素原子に結合した水酸基、N−アルコキシメチル
アミノ基−炭素原子に結合した水酸基、N−ヒドロキシ
メチルカルボン酸アミド基−炭素原子に結合した水酸
基、N−アルコキシメチルカルボン酸アミド基−炭素原
子に結合した水酸基、カルボニル基−ヒドラジノ基など
が挙げられる。
物(I)中に含まれる官能基によっては、前述したよう
な種々の官能基のうちの2種以上を有するものであって
もよい。また、当該化合物(II)としては、比較的、分
子量の低い化合物に加えて、各種の樹脂類であってもよ
く、このような樹脂類の代表的なものとしては、アクリ
ル樹脂又はフッ素樹脂の如き、各種のビニル系重合体、
ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン樹脂又
はエポキシ樹脂などが挙げられる。
は、水酸基及び/又は加水分解性基が結合した珪素原子
を有する化合物、一分子中に加水分解性基が結合した珪
素原子とエポキシ基を併有する化合物、ポリイソシアネ
ート化合物、ブロックポリイソシアネート化合物、ポリ
エポキシ化合物、ポリアジリジン化合物、ポリカーボジ
イミド化合物、ポリオキサゾリン化合物、アミノ樹脂、
ポリヒドラジド化合物、ポリセミカルバゾン化合物等が
挙げられる。そして、これらの化合物は、それぞれを単
独で使用できるし、2種以上を併用することもできる。
に好ましいものとしては、水酸基及び/又は加水分解性
基が結合した珪素原子を有する化合物、一分子中に加水
分解性基が結合した珪素原子とエポキシ基を併有する化
合物、一分子中に少なくとも2個のヒドラジノ基を含有
する多官能ヒドラジン誘導体、ポリイソシアネート化合
物、ブロックポリイソシアネート化合物、ポリエポキシ
化合物、ポリオキサゾリン化合物及びアミノ樹脂が挙げ
られる。
硬化性、耐温水性、耐久性のバランスの点から、水性樹
脂組成物(I)の固形分の100重量部に対して、化合
物(II)が好ましくは1〜100重量部、より好ましく
は3〜50重量部の範囲となるような比率で化合物(I
I)を配合すればよい。
まないクリヤーな組成物として使用することが出来る
し、また、公知慣用の種々の有機系あるいは無機系の顔
料を含有する着色組成物として、使用することも出来
る。
ーボン・ブラック、フタロシアニン・ブルー、フタロシ
アニン・グリーン又はキナクリドン・レッドの如き、各
種の有機系顔料;酸化チタン、酸化鉄、チタンイエロー
もしくは銅クロムブラックの如き各種の金属酸化物系の
無機系顔料;アルミニウムフレークもしくはパールマイ
カの如き無機系のフレーク状の顔料等が挙げられる。
に、硬化触媒、流動調整剤、染料、レベリング剤、レオ
ロジーコントロール剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤又は
可塑剤などの公知慣用の種々の添加剤類をも配合せしめ
て使用することが出来る。
インキ、繊維処理剤、接着剤、シーリング剤等の各種の
用途に利用できるものであるが、当該組成物を含有する
水性塗料としての利用は、特に有用なものの一つであ
る。かかる、水性塗料は下塗り塗膜あるいは上塗り塗膜
等各種の硬化塗膜の形成に使用することが出来るが、得
られる硬化物の特徴である優れた耐久性、耐曝露汚染性
ならびに耐温水性を活かすことができるという点から、
上塗り塗膜の形成に特に適している。
料として使用し硬化塗膜を形成させるには、基材に直接
に塗装せしめた後に、あるいは、予め下塗り塗料が塗装
された基材に塗装せしめた後に、硬化せしめればよい。
は、公知慣用の種々のものが使用されるが、それらのう
ちでも特に代表的なものとしては、各種の金属基材、無
機質基材、プラスチック基材、紙もしくは木質系基材等
が挙げられる。
的なものとしては、鉄、ニッケル、アルミニウム、クロ
ム、亜鉛、錫、銅又は鉛等の金属類;ステンレススチー
ル、真鍮の如き、前記した各種金属の合金類;前掲した
各種の金属類であって、メッキや化成処理などが施され
た各種の表面処理金属類、等が挙げられる。
ウム等の珪酸塩系、石膏系、石綿系、セラミックス系等
で代表される無機質の材料を主とするものであり、その
具体的なものとしては、現場施工(湿式)基材としての
打放しコンクリート、セメントモルタル、石膏プラスタ
ー、ドロマイトプラスター、漆喰等;現場生産(乾式)
基材としての軽量気泡コンクリート板(ALC)、石綿
セメント板、ガラス繊維強化珪酸カルシウム板、石膏ボ
ード、タイルの如き粘土の焼成物、ガラス、等が挙げら
れる。
は、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタ
クリレート、ABS樹脂、ポリフェニレンオキサイド、
ポリウレタン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプ
ロピレン、ポリブチレンテレフタレートもしくはポリエ
チレンテレフタレートの如き、種々の熱可塑性樹脂の成
形品;不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、架橋
型ポリウレタン、架橋型のアクリル樹脂、架橋型の飽和
ポリエステル樹脂の如き、各種の熱硬化性樹脂の成形品
等が挙げられる。
て、被覆が施されており、しかも、その被覆部分の劣化
が進んだような部類の基材であっても使用することが出
来る。
球状、フィルム状、シート状ないしは大型の構築物又は
複雑なる形状の組立物あるいは成形物などのような、種
々の用途に応じて、各種の形で以て使用されるものであ
って、特に制限はない。
塗料を、上塗り塗料として塗装せしめ、次いで、硬化せ
しめる塗膜の形成方法〔以下、方法(M−1)と略記す
る〕としては、前記基材上に、上塗り用の当該水性塗料
を、刷毛塗り、ローラー塗装、スプレー塗装、浸漬塗
装、フロー・コーター塗装、ロール・コーター塗装もし
くは電着塗装などといった、公知慣用の種々の塗装方法
によって塗装せしめたのちに、硬化せしめる方法、等が
挙げられる。
基材を、常温に、1〜10日間程度、放置したり、約4
0〜約250℃なる温度範囲で以て、約30秒間〜2時
間程度、加熱したりすることによって、とりわけ、耐温
水性、耐候性や耐酸性雨性等の耐久性、耐曝露汚染性に
優れた塗膜で被覆された、塗装物を得ることが出来る。
に、本発明の水性塗料を、上塗り塗料として塗装せし
め、次いで、硬化せしめる塗膜の形成方法〔以下、方法
(M−2)と略記する〕において、下塗り塗料として
は、公知慣用の種々のものを使用することが出来る。
は、水性の溶液型ないしは分散型又はエマルジョン型塗
料;有機溶剤系の溶液型ないしは分散型塗料;さらに
は、粉体塗料もしくは無溶剤型液状塗料などがある。
型、分散型又はエマルジョン型塗料の代表的なものとし
ては、アクリル樹脂系塗料、ポリエステル樹脂系塗料、
アルキド樹脂系塗料、エポキシ樹脂系塗料、脂肪酸変性
エポキシ樹脂系塗料、シリコーン樹脂系塗料、ポリウレ
タン樹脂系塗料、フルオロオレフィン系塗料、アミン変
性エポキ樹脂塗料などの各種のタイプのものが挙げられ
る。
媒などを含有しない非架橋型塗料として使用することが
出来るし、あるいはポリイソシアネート、ブロック化ポ
リイソシアネート、ポリエポキシ化合物、ポリオキサゾ
リン化合物又は加水分解性シリル基・エポキシ基併有化
合物の如き、各種の架橋剤や公知慣用の種々の硬化触媒
類が配合された、架橋型塗料としても使用することが出
来る。
性塗料の一つとして、本発明の組成物を必須成分として
含む、水性塗料をも使用することが出来る。
の溶液型ないしは分散型塗料の代表的なものとしては、
塩素化ポリオレフィン樹脂系塗料、アクリル樹脂系塗
料、シリコン含有アクリル樹脂系塗料、ポリエステル樹
脂系塗料、アルキド樹脂系塗料、繊維素系ポリマー含有
塗料、エポキシ樹脂系塗料、脂肪酸変性エポキシ樹脂系
塗料、シリコーン樹脂系塗料などの、各種のタイプのも
のが挙げられる。
や硬化触媒などを含有しない非架橋型塗料として使用す
ることが出来るし、水性の下塗り塗料の部分で以て上述
したような各種の架橋剤や公知慣用の種々の硬化触媒類
が配合された、架橋型塗料としても使用することが出来
る。
型のアクリル二重結合や、ビニルエーテル基や、脂環式
エポキシ基などを有する樹脂あるいは化合物などを含む
塗料も亦、使用することが出来る。
表的なものとしては、エポキシ樹脂系塗料、ポリエステ
ル樹脂系塗料又はアクリル樹脂系塗料などが挙げられる
が、これらは、それぞれの樹脂中に含有される、反応性
の官能基の種類に応じて、酸無水物、ジシアンジアミ
ド、多価カルボン酸、ブロック化ポリイソシアネート又
はポリエポキシ化合物などの、各種の架橋剤が配合され
た、熱硬化性塗料として使用される。
塗料の代表的なものとしては、ラジカル硬化型の不飽和
ポリエステル樹脂系塗料、ポリイソシアネート硬化型の
ポリウレタン樹脂系塗料、エネルギー線硬化型のアクリ
ル系二重結合含有樹脂を含む塗料、エネルギー線硬化型
のビニルエーテル基及び/又は脂環式エポキシ基を有す
る樹脂あるいは化合物を含む塗料などが挙げられる。
は、顔料を含まないクリヤー塗料であってもよいし、上
述したような各種の顔料を含むエナメル系塗料あるいは
アルミニウムフレーク等を含有するメタリック塗料であ
ってもよい。
塗り塗料と、上塗り塗料との組み合わせに応じて、
(イ)下塗りクリヤー塗膜と上塗り着色塗膜、(ロ)下
塗り着色塗膜と上塗り着色塗膜、(ハ)下塗り着色塗膜
と上塗クリヤー塗膜等のような、いわゆる複層塗膜を、
形成せしめる方法が挙げられる。
りと、上塗りとの組み合わせは、塗装物の用途に応じ
て、適宜、選択される。
めるには、上述したような各種の基材上に、まず、下塗
り塗料を塗装せしめ、次いで、上塗り用の水性塗料を塗
装せしめたのちに、上塗り塗料を硬化せしめればよい。
に際して、方法(M−1)で塗装する場合に適用できる
ものとして例示した各種の塗装方法を適用できる。
程としては、下塗り塗料の種類や、基材の種類などに応
じて、適宜、選択されるが、たとえば、下塗り塗料を塗
装せしめたのち、上塗り塗料を塗装せしめる前に、常温
に放置したり、加熱したりすることにより、あるいは紫
外線や電子線などの活性エネルギー線を照射したりする
ことにより、予め、乾燥ないしは硬化した下塗り塗膜を
形成せしめ、その上に、上塗り塗料を塗装せしめ、硬化
せしめることも出来る。
に、下塗り塗膜を乾燥あるいは硬化せしめる前に、上塗
り塗料を塗装せしめるという、いわゆるウエット・オン
・ウエット(wet−on−wet)塗装仕上げ法を適
用して、上塗り塗膜を硬化せしめると同時に、下塗り塗
膜を乾燥あるいは硬化せしめることも出来る。
みであってもよいし、2種類以上の塗料を使用して、複
層の下塗り塗膜を形成させてもよい。
成せしめる際の、上塗り塗膜の硬化条件としては、上述
した方法(M−1)で以て形成せしめる際と同様の条件
を適用することも出来るが、下塗り塗膜と同時に硬化せ
しめる場合には、下塗り塗膜の硬化に適した条件に設定
する必要がある。
て、とりわけ、耐候性ならびに耐酸性雨性等の耐久性、
耐曝露汚染性及び耐温水性に優れる硬化塗膜で被覆され
た、塗装物が製造される。
具体的なものとしては、基材として金属基材が使用され
た自動車、自動二輪車、電車、自転車、船舶又は飛行機
あるいは其の他の輸送関連機器類;基材として、金属基
材あるいはプラスチック基材等が使用された、テレビ、
ラジオ、冷蔵庫、洗濯機、クーラー、クーラー室外機、
コンピュータあるいは其の他の家電製品類及びそれらに
使用される各種の部品類;
機質系外壁材、金属製の壁材、金属製の窓枠、金属製あ
るいは木製のドア又は内壁材の如き、種々の建材類;道
路、道路標識、ガードレール、橋梁、タンク、煙突又は
ビルディングの如き、各種の屋外構築物;さらには、ポ
リエステル樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルムあるい
はフッ素樹脂フィルム等の各種の有機フィルムに塗装し
た各種の被覆フィルムなどが挙げられる。本発明の水性
塗料はこうした塗装物の製造に、有効に利用することが
できるものである。
候性や耐酸性雨性等の耐久性、耐曝露汚染性及び耐温水
性などに極めて優れる硬化物を与える処から、建築外装
用塗料、建材用塗料、重防食用塗料、自動車上塗り用塗
料、などの、種々の塗料用として利用することが出来
る。また、接着剤用、インク用、繊維・紙の含浸剤用、
表面処理剤用、等の塗料用以外の広範囲なる用途にも、
利用することが出来る。
より、一層具体的に説明をすることにするが、本発明は
決してこれらの例のみに限定されるものではない。な
お、以下において、部及び%は特に断りの無い限りすべ
て重量基準であるものとする。
を備えた反応容器に、iso−プロパノール(IPA)
の700部を仕込んで、窒素ガスの通気下に、80℃ま
で昇温した。次いで、同温度で、撹拌しながら、メチル
メタクリレート(MMA)の400部、n−ブチルメタ
クリレート(BMA)の284部、n−ブチルアクリレ
ート(BA)の186部、アクリル酸(AA)の30
部、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシ
ラン(MPTMS)100部、IPAの100部及びt
ert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート
(TBPOEH)の10部からなる混合物を4時間をか
けて滴下した。滴下終了後も、同温度で、16時間のあ
いだ撹拌を行なったのち、プロピレングリコールモノn
−プロピルエーテル(PNP)の200部を添加するこ
とにより、不揮発分が50.0%で、数平均分子量が2
0,000なる、目的とする重合体を得た。以下、これ
を重合体(B−1)と略記する。
んで、窒素ガスの通気下に、80℃まで昇温した。次い
で、同温度で、撹拌しながら、MMAの450部、BM
Aの201部、シクロヘキシルメタクリレート(CHM
A)の119部、BAの100部、AAの30部、MP
TMSの100部、IPAの100部及びTBPOEH
の50部からなる混合物を、4時間をかけて滴下した。
滴下終了後も、同温度で、16時間のあいだ撹拌を行な
ったのち、PNPの200部を添加することにより、不
揮発分が51.0%で、数平均分子量が13,000な
る、目的とする重合体を得た。以下、これを重合体(B
−2)と略記する。
例〕 温度計、還流冷却管及び滴下漏斗を備えた反応容器に、
メチルトリメトキシシラン(MTMS)の10,000
部を仕込んで、80℃まで昇温した。次いで、同温度
で、「A−3」[堺化学工業(株)製の、iso−プロ
ピルアシッドホスフェートの商品名]の1.18部と、
脱イオン水の1,456部との混合物を、10分間を要
して滴下した。滴下終了後も、同温度で、4時間のあい
だ撹拌を行なったのち、減圧蒸留で、メタノールを除く
ことによって、メトキシ基の含有率が35%で、数平均
分子量が1,000なる、目的とするポリシロキサンを
得た。以下、これをポリシロキサン(C−1)と略記す
る。
Aの250部、フェニルトリメトキシシラン(PTM
S)の268部及びジメチルジメトキシシラン(DMD
MS)の162部を仕込んで、窒素ガスの通気下に、8
0℃まで昇温した。次いで、同温度で撹拌しながら、M
MAの404部、BMAの294部、BAの188部、
AAの94部、MPTMSの30部、PNPの50部及
びTBPOEHの50部からなる混合物を4時間をかけ
て滴下した。
拌を行ったのち、「A−3」の4.4部と脱イオン水の
122部との混合物を、5分間をかけて滴下し、次い
で、10時間のあいだ攪拌を続行して、アクリル系重合
体とPTMS及びDMDMSとを縮合せしめた。
32部を、5分間をかけて滴下してカルボキシル基を中
和し、続いて、ポリシロキサン(C−1)の1021部
を5分間をかけて滴下し、次いで、此処に、脱イオン水
の2,650部を、10分間かけて滴下したのち、10
〜300mmHgの減圧下に、40〜60℃で、減圧蒸
留を行うことにより、メタノールとIPAを除去し、不
揮発分が40.0%なる、対照用の水性樹脂組成物を得
た。以下、これを対照用樹脂1と略記する。
例〕 本例は、水性樹脂組成物(I)を調製するための一つの
例を示すものである。
00部、IPAの500部、PTMSの82部及びDM
DMSの50部を仕込んで、窒素ガスの通気下に、80
℃まで昇温した。次いで、同温度で撹拌しながら、MM
Aの210部、BMAの339部、BAの90部、AA
の40部、MPTMSの21部、PNPの26部及びT
BPOEHの26部からなる混合物を4時間をかけて滴
下した。
拌を行ったのち、「A−3」の1.4部と脱イオン水の
37部の混合物を、5分間をかけて滴下し、次いで、1
0時間のあいだ攪拌を続行して、アクリル系重合体とP
TMS及びDMDMSとを縮合せしめた。
て滴下してカルボキシル基を中和し、続いて、重合体
(B−1)の600部、さらに、ポリシロキサン(C−
1)の1014部をそれぞれ5分間をかけて滴下した。
部を、10分間かけて滴下したのち、10〜300mm
Hgの減圧下に、40〜60℃で、減圧蒸留を行うこと
により、メタノールとIPAを除去し、不揮発分が4
0.2%なる水性樹脂組成物を得た。以下、これを水性
樹脂組成物(I−1)と略記する。
を備えた反応容器に、PNPの200部、IPAの50
0部、PTMSの141部及びDMDMSの86部を仕
込んで、窒素ガスの通気下に、80℃まで昇温した。次
いで、同温度で撹拌しながら、MMAの360部、BM
Aの581部、BAの155部、AAの68部、MPT
MSの36部、PNPの60部及びTBPOEHの60
部からなる混合物を4時間をかけて滴下した。
拌を行ったのち、「A−3」の2.4部と脱イオン水の
64部の混合物を、5分間をかけて滴下し、次いで、1
0時間のあいだ攪拌を続行して、アクリル系重合体とP
TMS及びDMDMSとを縮合せしめた。
て滴下してカルボキシル基を中和し、続いて、重合体
(B−2)の588部、さらに、ポリシロキサン(C−
1)の507部をそれぞれ5分間をかけて滴下した。
部を、10分間かけて滴下したのち、10〜300mm
Hgの減圧下に、40〜60℃で、減圧蒸留を行うこと
により、メタノールとIPAを除去し、不揮発分が4
0.0%なる水性樹脂組成物を得た。以下、これを水性
樹脂組成物(I−2)と略記する。
を備えた反応容器に、PNPの200部、IPAの50
0部、PTMSの200部及びDMDMSの122部を
仕込んで、窒素ガスの通気下に、80℃まで昇温した。
次いで、同温度で、撹拌しながら、MMAの765部、
BMAの432部、CHMAの203部、BAの170
部、AAの96部、MPTMSの34部、PNPの99
部及びTBPOEHの99部からなる混合物を、4時間
をかけて滴下した。
拌を行ったのち、「A−3」の3.4部と脱イオン水の
91部の混合物を、5分間をかけて滴下し、次いで、1
0時間のあいだ攪拌を続行して、アクリル系重合体とP
TMS及びDMDMSとを縮合せしめた。
けて滴下してカルボキシル基を中和し、続いて、重合体
(B−2)の588部を、5分間をかけて滴下した。
部を、10分間かけて滴下したのち、10〜300mm
Hgの減圧下に、40〜60℃で、減圧蒸留を行うこと
により、メタノールとIPAを除去し、不揮発分が4
0.0%なる水性樹脂組成物を得た。以下、これを水性
樹脂組成物(I−3)と略記する。
[石原産業(株)製の、酸化チタンの商品名]と、PN
Pとの混合物を、サンドミルを使用して分散せしめ、顔
料重量濃度(PWC)が60%なる、各種のミルベース
を調製した。次いで、このミルベースに、水性樹脂組成
物の残り全部を混合し、さらに必要に応じて硬化剤を添
加せしめて、PWCが35%なる、各種の白色塗料を調
製した。
性樹脂組成物(I)、タイペークCR−97、PNP及
び3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GP
TMS)の使用量は、第1表に示す通りである。
3[チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製の、ヒ
ンダードアミン系光安定剤の商品名]、チヌビン400
[チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製の、紫外
線吸収剤の商品名]を配合し、さらに必要に応じて硬化
剤を添加せしめて、各種のクリヤー塗料を調製した。水
性樹脂組成物(I)、PNP、チヌビン123、チヌビ
ン400の使用比率は、第1表に示す通りである。
0部と、PNPの16部との混合物を、サンドミルを使
用して分散せしめ、顔料重量濃度(PWC)が60%な
る、ミルベースを調製した。次いで、このミルベース
に、対照用樹脂1の208部を添加し、PWCが35%
なる、対照用白色塗料を調製した。以下、この塗料を比
白−1と略称する。
ヌビン123の1.2部、チヌビン400の1.2部を
配合せしめて、対照用クリヤー塗料を調製した。以下、
この塗料を比クリヤ−1と略称する。
各数値は、いずれも、重量部数であるものとする。
各数値は、いずれも、重量部数であるものとする。
−メラミン系の白色塗料(下−1)を、乾燥膜厚が約4
0μmとなるように、エアースプレー塗装せしめ、14
0℃で、25分間のあいだ、焼き付けを行なって、予
め、皮膜が形成された鋼板を作製した。
料ならびに対照用の白色塗料を、乾燥膜厚が約30μm
となるように、エアースプレー塗装せしめた。
することにより、白色塗料を硬化せしめて、各種の硬化
塗膜を得た。本発明の組成物を含有する白色塗料から得
られたそれぞれの塗膜は、いずれも外観に優れていた。
価した。評価結果を、まとめて第2表に示す。
業(株)製の、水酸基含有アクリル樹脂の商品名;溶剤
=キシレン/n−ブタノールの混合溶剤、不揮発分=5
0%]の91部と、「CR−97」の35部とからなる
混合物に、ガラス・ビーズを加えて、サンドミルで、1
時間のあいだ分散を行なった。
7−60」[大日本インキ化学工業(株)製の、n−ブ
チルエーテル化メラミン・ホルムアルデヒド樹脂の商品
名:不揮発分=60%]の32.5部を加えてから、キ
シレン/n−ブタノール=70/30(重量部比)なる
混合溶剤で以て、フォード・カップ#4による粘度が2
0秒となるように希釈せしめることによって、PWCが
35%なる、目的とする白色塗料(下−1)を調製し
た。
れの試験板を50℃の温水中に、30日間のあいだ浸漬
せしめたのち、温水中より取り出した試験板の塗膜表面
状態を、目視及び指触により、評価判定したものであ
る。 クラックが発生した場合には「クラック」と表示
してある。
ウレタン系の白色塗料(下−2)を、乾燥膜厚が約40
μmとなるように、エアースプレー塗装せしめ、室温
で、一週間のあいだ、硬化せしめることによって、予
め、皮膜が形成されたスレート板を作製した。
ー塗料ならびに対照用のクリヤー塗料を、乾燥膜厚が約
30μmとなるように、エアースプレー塗装せしめた。
することにより、クリヤー塗料を硬化せしめて、各種の
硬化塗膜を得た。本発明の組成物を含有するクリヤー塗
料から得られたそれぞれの塗膜は、いずれも外観に優れ
ていた。
した。評価結果を、まとめて第2表に示す。この評価
は、実施例12〜15と同様にして行った。
業(株)製の、水酸基含有アクリル樹脂の商品名;溶剤
=トルエン/酢酸n−ブチル混合溶剤、不揮発分=50
%、溶液の水酸基価=20]の108部と、「CR−9
7]の35部とからなる混合物に、ガラス・ビーズを加
えて、サンドミルで、1時間のあいだ分散を行なった。
[大日本インキ化学工業(株)製の無黄変タイプのポリ
イソシアネート樹脂の商品名;イソシアネート基含有率
=15.5重量%、不揮発分=75%]の14.4部を
加えた。
−ブチル/2−エトキシエチルアセテート=40/30
/20/10(重量部比)なる混合溶剤で以て、フォー
ド・カップ#4による粘度が20秒となるように希釈し
て、PWCが35%なる白色塗料(下−2)を調製し
た。
成することができる新規な水性樹脂組成物組成物及びそ
の製造方法を提供するものである。また、本発明の水性
樹脂組成物は、耐久性、耐曝露汚染性に加えて耐温水性
に優れる硬化塗膜を形成することのできる、極めて実用
性の高いものである。
成分として含有する水性塗料を、上塗塗料として塗装
し、硬化せしめることにより得られる塗膜は、基材又は
下塗り塗装剤の種類に関わらず、良好なる塗膜性能を示
すものである。
る本発明の塗装物は、上述したような、上塗り塗膜由来
の優れた性能を有しており、極めて実用性の高いもので
ある。
Claims (19)
- 【請求項1】 加水分解性基及び/又は水酸基が結合し
た珪素原子を有するポリシロキサンセグメント(A−
1)と、親水性基を有する、ポリシロキサン以外の重合
体セグメント(A−2)とで構成される複合樹脂
(A)、及び加水分解性基及び/又は水酸基が結合した
珪素原子を有する、ポリシロキサン以外の重合体(B)
を混合し、水性媒体中に溶解もしくは分散せしめること
を特徴とする、水性樹脂組成物の製造方法。 - 【請求項2】 加水分解性基及び/又は水酸基が結合し
た珪素原子を有するポリシロキサンセグメント(A−
1)と、親水性基を有する、ポリシロキサン以外の重合
体セグメント(A−2)とで構成される複合樹脂
(A)、及び加水分解性基及び/又は水酸基が結合した
珪素原子を有する、ポリシロキサン以外の重合体(B)
を混合し、それらを縮合させたのち、水性媒体中に溶解
もしくは分散せしめることを特徴とする、水性樹脂組成
物の製造方法。 - 【請求項3】 加水分解性基及び/又は水酸基が結合し
た珪素原子を有するポリシロキサンセグメント(A−
1)と、親水性基を有する、ポリシロキサン以外の重合
体セグメント(A−2)とで構成される複合樹脂
(A)、及び加水分解性基及び/又は水酸基が結合した
珪素原子を有する、ポリシロキサン以外の重合体
(B)、及び加水分解性基及び/又は水酸基が結合した
珪素原子を有するポリシロキサン(C)を混合し、水性
媒体中に溶解もしくは分散せしめることを特徴とする、
水性樹脂組成物の製造方法。 - 【請求項4】 加水分解性基及び/又は水酸基が結合し
た珪素原子を有するポリシロキサンセグメント(A−
1)と、親水性基を有する、ポリシロキサン以外の重合
体セグメント(A−2)とで構成される複合樹脂
(A)、及び加水分解性基及び/又は水酸基が結合した
珪素原子を有する、ポリシロキサン以外の重合体
(B)、及び加水分解性基及び/又は水酸基が結合した
珪素原子を有するポリシロキサン(C)を混合し、それ
らを縮合させたのち、水性媒体中に溶解もしくは分散せ
しめることを特徴とする、水性樹脂組成物の製造方法。 - 【請求項5】 複合樹脂(A)を構成する、ポリシロキ
サンセグメント(A−1)と重合体セグメント(A−
2)とが、下記の構造式(S−1)で示される結合によ
り結合している、請求項1〜4のいずれかに記載の水性
樹脂組成物の製造方法。 【化1】 〔ただし、式中、炭素原子は、重合体セグメント(A−
2)の一部分を構成し、2個の珪素原子は、ポリシロキ
サンセグメント(A−1)又はポリシロキサンセグメン
ト(A−1)の一部分を構成するものとする。〕 - 【請求項6】 重合体セグメント(A−2)が、ビニル
系重合体セグメント又はポリウレタン系重合体セグメン
トである、請求項1〜5のいずれかに記載の水性樹脂組
成物の製造方法。 - 【請求項7】 重合体(B)が、ビニル系重合体及び/
又はポリウレタン系重合体である、請求項1〜6のいず
れかに記載の水性樹脂組成物の製造方法。 - 【請求項8】 ポリシロキサンセグメント(A−1)
が、総炭素原子数が3個以上である有機基の少なくとも
1個と加水分解性基及び/又は水酸基の少なくとも1個
が共に結合した珪素原子(SA−1)、メチル基及び/
又はエチル基の2個と、加水分解性基又は水酸基の1個
が共に結合した珪素原子(SA−2)、及びトリオルガ
ノシロキシ基の少なくとも1個と、加水分解性基及び/
又は水酸基の少なくとも1個が共に結合した珪素原子
(SA−3)、からなる群より選ばれた少なくとも一種
の珪素原子を有するものである、請求項1〜7のいずれ
かに記載の水性樹脂組成物の製造方法。 - 【請求項9】 複合樹脂(A)が、下記の(a−1)及
び(a−2)に含まれる珪素原子に結合した加水分解性
基及び/又は珪素原子に結合した水酸基同志の反応によ
り縮合せしめたのち、塩基性化合物又は酸性化合物で部
分中和もしくは完全中和せしめて得られるものである、
請求項1〜7のいずれかに記載の水性樹脂組成物の製造
方法。 (a−1):総炭素原子数が3個以上である有機基の少
なくとも1個と加水分解性基及び/又は水酸基の少なく
とも1個が共に結合した珪素原子(SA−1)、メチル
基及び/又はエチル基の2個と、加水分解性基又は水酸
基の1個が共に結合した珪素原子(SA−2)、及びト
リオルガノシロキシ基の少なくとも1個と、加水分解性
基及び/又は水酸基の少なくとも1個が共に結合した珪
素原子(SA−3)、の合計量が全珪素原子の10モル
%以上を占めるポリシロキサン、 (a−2):酸基及び/又は塩基性基、並びに、加水分
解性基及び/又は水酸基が結合した珪素原子を有する、
ポリシロキサン以外の重合体。 - 【請求項10】 ポリシロキサン(a−1)が、総炭素
原子数が3個以上である有機基を有するモノオルガノト
リアルコキシシラン、ジオルガノジアルコキシシラン及
びトリオルガノモノアルコキシシランからなる群より選
ばれた少なくとも一種のアルコキシシランを10モル%
以上含有するアルコキシシラン類を加水分解縮合又は部
分加水分解縮合せしめて得られたポリシロキサンであ
る、請求項9に記載の水性樹脂組成物の製造方法。 - 【請求項11】 複合樹脂(A)が、重合体(a−2)
の存在下で、総炭素原子数が3個以上である有機基を有
するモノオルガノトリアルコキシシラン、ジオルガノジ
アルコキシシラン及びトリオルガノモノアルコキシシラ
ンからなる群より選ばれた少なくとも一種のアルコキシ
シランを10モル%以上含有するアルコキシシラン類を
加水分解することにより、重合体(a−2)とアルコキ
シシラン類を縮合せしめたのち、塩基性化合物又は酸性
化合物で部分中和もしくは完全中和せしめて得られたも
のである、請求項9に記載の水性樹脂組成物の製造方
法。 - 【請求項12】 総炭素原子数が3個以上である有機基
が、炭素原子数が3〜18であるアルキル基、シクロア
ルキル基及びアリール基からなる群から選ばれた一種の
有機基である、請求項8〜11のいずれかに記載の水性
樹脂組成物の製造方法。 - 【請求項13】 加水分解性基がアルコキシ基である、
請求項1〜12のいずれかに記載の水性樹脂組成物の製
造方法。 - 【請求項14】 請求項1〜13のいずれかに記載の水
性樹脂組成物の製造方法により得られる水性樹脂組成
物。 - 【請求項15】 水性樹脂組成物が反応性官能基を有す
るものであり、さらに該官能基と反応性を有する官能基
を含有する化合物(II)を含む請求項14に記載の水性
樹脂組成物。 - 【請求項16】 化合物(II)が、加水分解性基及び/
又は水酸基が結合した珪素原子を有する化合物、一分子
中に加水分解性基が結合した珪素原子とエポキシ基とを
併有する化合物、一分子中に少なくとも2個のヒドラジ
ノ基を含有する多官能ヒドラジン誘導体、ポリイソシア
ネート化合物、ブロックポリイソシアネート化合物、ポ
リエポキシ化合物、ポリオキサゾリン化合物及びアミノ
樹脂よりなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物で
ある、請求項15に記載の水性樹脂組成物。 - 【請求項17】 請求項14〜16のいずれかに記載の
水性樹脂組成物を含んでなる水性塗料。 - 【請求項18】 請求項17に記載の水性塗料を、基材
に、又は、予め下塗り塗料が塗装された基材に、塗装せ
しめることを特徴とする塗膜形成方法。 - 【請求項19】 請求項18に記載の水性塗料を塗装し
てなる塗装物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001210689A JP2003026927A (ja) | 2001-07-11 | 2001-07-11 | 水性樹脂組成物、水性樹脂組成物の製造方法、水性塗料、塗膜形成方法及び塗装物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001210689A JP2003026927A (ja) | 2001-07-11 | 2001-07-11 | 水性樹脂組成物、水性樹脂組成物の製造方法、水性塗料、塗膜形成方法及び塗装物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003026927A true JP2003026927A (ja) | 2003-01-29 |
JP2003026927A5 JP2003026927A5 (ja) | 2005-04-07 |
Family
ID=19046113
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001210689A Withdrawn JP2003026927A (ja) | 2001-07-11 | 2001-07-11 | 水性樹脂組成物、水性樹脂組成物の製造方法、水性塗料、塗膜形成方法及び塗装物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003026927A (ja) |
Cited By (17)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006316136A (ja) * | 2005-05-11 | 2006-11-24 | Dainippon Ink & Chem Inc | 水分散性塗料 |
JP2008106228A (ja) * | 2006-09-27 | 2008-05-08 | Dainippon Ink & Chem Inc | 鋼板一次防錆処理用水性組成物及び一次防錆処理鋼板 |
JP2009052011A (ja) * | 2007-07-27 | 2009-03-12 | Dic Corp | 有機−無機ハイブリッド樹脂水性分散体、硬化性樹脂組成物、塗料および塗装物 |
JP2009197177A (ja) * | 2008-02-25 | 2009-09-03 | Sunstar Engineering Inc | シーリング材組成物 |
WO2009142074A1 (ja) * | 2008-05-22 | 2009-11-26 | Dic株式会社 | 水性複合樹脂組成物、それを含むコーティング剤、及びそれを用いた積層体 |
JP2010090367A (ja) * | 2008-09-09 | 2010-04-22 | Dic Corp | 金属用コーティング剤 |
JP2010196034A (ja) * | 2009-01-30 | 2010-09-09 | Dic Corp | プラスチック基材用コーティング剤及びそれを用いた積層体 |
JP2011111491A (ja) * | 2009-11-25 | 2011-06-09 | Dic Corp | 水性硬化性樹脂組成物、及びこれを含むコーティング剤 |
JP2011190308A (ja) * | 2010-03-12 | 2011-09-29 | Dic Corp | 水性硬化性樹脂組成物およびその製造方法 |
WO2011155322A1 (ja) * | 2010-06-08 | 2011-12-15 | Dic株式会社 | 封止材、太陽電池モジュール及び発光ダイオード |
JP2012049331A (ja) * | 2010-08-26 | 2012-03-08 | Fujifilm Corp | 太陽電池保護シート及びその製造方法、太陽電池用バックシート並びに太陽電池モジュール |
JP2014082467A (ja) * | 2012-09-27 | 2014-05-08 | Dic Corp | 絶縁材料、絶縁膜及びこれを用いたトランジスタ |
WO2014136549A1 (ja) * | 2013-03-04 | 2014-09-12 | 富士フイルム株式会社 | インクジェット記録用インク組成物、画像形成方法及び印画物 |
US8962727B2 (en) | 2010-07-12 | 2015-02-24 | Dic Corporation | Inorganic fine particle dispersant and inorganic fine particle dispersion using the same |
CN109749609A (zh) * | 2018-12-28 | 2019-05-14 | 尚志造漆(昆山)有限公司 | 一种水分散型聚氨酯防护涂料的制备方法 |
CN111423775A (zh) * | 2019-12-26 | 2020-07-17 | 浙江潘季新材料股份有限公司 | 一种单组份水性罩光清漆及其制备方法 |
CN112368338A (zh) * | 2018-06-28 | 2021-02-12 | Dic株式会社 | 水性树脂组合物、涂布剂及物品 |
-
2001
- 2001-07-11 JP JP2001210689A patent/JP2003026927A/ja not_active Withdrawn
Cited By (19)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006316136A (ja) * | 2005-05-11 | 2006-11-24 | Dainippon Ink & Chem Inc | 水分散性塗料 |
JP2008106228A (ja) * | 2006-09-27 | 2008-05-08 | Dainippon Ink & Chem Inc | 鋼板一次防錆処理用水性組成物及び一次防錆処理鋼板 |
JP2009052011A (ja) * | 2007-07-27 | 2009-03-12 | Dic Corp | 有機−無機ハイブリッド樹脂水性分散体、硬化性樹脂組成物、塗料および塗装物 |
JP2009197177A (ja) * | 2008-02-25 | 2009-09-03 | Sunstar Engineering Inc | シーリング材組成物 |
WO2009142074A1 (ja) * | 2008-05-22 | 2009-11-26 | Dic株式会社 | 水性複合樹脂組成物、それを含むコーティング剤、及びそれを用いた積層体 |
JP2010090367A (ja) * | 2008-09-09 | 2010-04-22 | Dic Corp | 金属用コーティング剤 |
JP2010196034A (ja) * | 2009-01-30 | 2010-09-09 | Dic Corp | プラスチック基材用コーティング剤及びそれを用いた積層体 |
JP2011111491A (ja) * | 2009-11-25 | 2011-06-09 | Dic Corp | 水性硬化性樹脂組成物、及びこれを含むコーティング剤 |
JP2011190308A (ja) * | 2010-03-12 | 2011-09-29 | Dic Corp | 水性硬化性樹脂組成物およびその製造方法 |
WO2011155322A1 (ja) * | 2010-06-08 | 2011-12-15 | Dic株式会社 | 封止材、太陽電池モジュール及び発光ダイオード |
JP4905613B2 (ja) * | 2010-06-08 | 2012-03-28 | Dic株式会社 | 封止材、太陽電池モジュール及び発光ダイオード |
CN102933678A (zh) * | 2010-06-08 | 2013-02-13 | Dic株式会社 | 封装材料、太阳能电池组件及发光二极管 |
US8962727B2 (en) | 2010-07-12 | 2015-02-24 | Dic Corporation | Inorganic fine particle dispersant and inorganic fine particle dispersion using the same |
JP2012049331A (ja) * | 2010-08-26 | 2012-03-08 | Fujifilm Corp | 太陽電池保護シート及びその製造方法、太陽電池用バックシート並びに太陽電池モジュール |
JP2014082467A (ja) * | 2012-09-27 | 2014-05-08 | Dic Corp | 絶縁材料、絶縁膜及びこれを用いたトランジスタ |
WO2014136549A1 (ja) * | 2013-03-04 | 2014-09-12 | 富士フイルム株式会社 | インクジェット記録用インク組成物、画像形成方法及び印画物 |
CN112368338A (zh) * | 2018-06-28 | 2021-02-12 | Dic株式会社 | 水性树脂组合物、涂布剂及物品 |
CN109749609A (zh) * | 2018-12-28 | 2019-05-14 | 尚志造漆(昆山)有限公司 | 一种水分散型聚氨酯防护涂料的制备方法 |
CN111423775A (zh) * | 2019-12-26 | 2020-07-17 | 浙江潘季新材料股份有限公司 | 一种单组份水性罩光清漆及其制备方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6268440B1 (en) | Process for preparing aqueous resin, aqueous curable resin composition, aqueous paint, and method for formation of coating therefrom | |
JP4618512B2 (ja) | 紫外線硬化性樹脂組成物、紫外線硬化性塗料及び塗装物。 | |
CN101517021B (zh) | 含有光催化剂的水性固化性涂料组合物及其制造方法 | |
JP2003026927A (ja) | 水性樹脂組成物、水性樹脂組成物の製造方法、水性塗料、塗膜形成方法及び塗装物 | |
JP4066096B1 (ja) | 光触媒含有水性硬化性塗料組成物及びその製造方法 | |
JP3585005B2 (ja) | 水性塗料用硬化性樹脂組成物 | |
JP2008239944A (ja) | 光触媒含有水性硬化性塗料組成物及びその製造方法 | |
JP4985460B2 (ja) | 有機−無機ハイブリッド樹脂水性分散体、塗料および塗装物 | |
JP3820635B2 (ja) | 水性樹脂分散体ないしは水性樹脂溶液の製造法 | |
JP2002097368A (ja) | 水性硬化性樹脂組成物、それを含んでなる水性塗料及びその塗装物 | |
WO2020004001A1 (ja) | 水性樹脂組成物、コーティング剤、及び物品 | |
JP2005154587A (ja) | 水性硬化性樹脂組成物、水性塗料及び塗装物 | |
JP2001329175A (ja) | 水性硬化性樹脂組成物、水性塗料、塗装方法および塗装物 | |
JP2006316136A (ja) | 水分散性塗料 | |
JP4985112B2 (ja) | 有機−無機ハイブリッド樹脂水性分散体、硬化性樹脂組成物、塗料および塗装物 | |
JP2009035711A (ja) | 有機−無機ハイブリッド樹脂水性分散体、硬化性樹脂組成物、塗料および塗装物 | |
JP3796826B2 (ja) | 水性樹脂分散体ないしは水性樹脂溶液の製造法 | |
JP4985511B2 (ja) | 有機−無機ハイブリッド樹脂水性分散体、塗料および塗装物 | |
JPH0925455A (ja) | 塗膜の形成方法 | |
JP2000044806A (ja) | 水性樹脂分散体の製造方法、水性硬化性樹脂組成物、水性塗料、および、塗装方法 | |
JP3814743B2 (ja) | 水性樹脂組成物及びそれを含有する水性硬化性樹脂組成物 | |
JP3972223B2 (ja) | 塗膜の形成方法及びその塗装物 | |
JP5151898B2 (ja) | 硬化性樹脂組成物、塗料および塗装物 | |
JP6418437B2 (ja) | 水性複合樹脂組成物及びそれを用いたコーティング剤 | |
JP4096364B2 (ja) | 複合樹脂の製造法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040518 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040518 |
|
RD01 | Notification of change of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421 Effective date: 20050627 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20051101 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20071018 |