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JP2003020393A - ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂組成物

Info

Publication number
JP2003020393A
JP2003020393A JP2001205305A JP2001205305A JP2003020393A JP 2003020393 A JP2003020393 A JP 2003020393A JP 2001205305 A JP2001205305 A JP 2001205305A JP 2001205305 A JP2001205305 A JP 2001205305A JP 2003020393 A JP2003020393 A JP 2003020393A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polycarbonate resin
group
resin composition
bis
aromatic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001205305A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Nagai
聡 長井
Sadanori Isahaya
禎則 伊佐早
Masaru Tazaki
賢 田崎
Hiromitsu Nagashima
広光 長島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Gas Chemical Co Inc filed Critical Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority to JP2001205305A priority Critical patent/JP2003020393A/ja
Publication of JP2003020393A publication Critical patent/JP2003020393A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】特定波長以下の紫外線を効率的に吸収し、押出
時,成形時の着色を低減し、色調に優れたポリカーボネ
ート樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】ポリカーボネート樹脂100重量部に、9
8%以上の純度のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤
0.001〜3.0重量部を配合したポリカーボネート
樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シート、レンズ等
の光学用途に用いられるポリカーボネート樹脂におい
て、紫外線透過率が少なく且つ色調良好なポリカーボネ
ート樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート樹脂は、耐衝撃性等の
機械的特性に優れ、しかも耐熱性、透明性にも優れてい
ることから、光学材料として各種レンズ、プリズム、光
ディスク基板などに利用されている。その透明性および
耐衝撃性に優れた特徴により、眼鏡用レンズ等に用いら
れている。しかし、紫外線から目を保護する為に、特定
波長以下の紫外線を透過させないことが重要となり、ポ
リカーボネート樹脂に紫外線吸収剤を配合したものが使
用されている。ベンゾトリアゾリルフェノール基を分子
中に2個有する特定構造の紫外線吸収剤を添加する手段
が特開平9−291205に記載されている。しかし、
一般市販の該紫外線吸収剤を添加したものは、押出時、
射出成形時の変色が大きく、眼鏡レンズ用には黄色味を
消す為に多量のブルーイング剤添加が必要となる。その
為、くすんだ感じの視感透過率の低い成形品となる欠点
があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特定波長以
下の紫外線を効率的に吸収し、押出時,成形時の着色を
低減し、色調に優れたポリカーボネート樹脂組成物を提
供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
ような欠点を克服する方法について鋭意検討を重ねた結
果、ポリカーボネート樹脂100重量部に、98%以上
の純度の下記構造式(1)を有するベンゾトリアゾール
系紫外線吸収剤0.001〜3.0重量部を配合したポ
リカーボネート樹脂組成物が、特定波長以下の紫外線を
効率的に吸収し、押出時,成形時の着色を低減し、色調
に優れたポリカーボネート樹脂組成物を提供することを
見出した。以下、本発明の樹脂組成物にゆいて更に詳細
に説明する。
【化2】 (上記式(1)において、R1およびR2は水素原子、ハ
ロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、アルコキシ
基、ヒドロキシアルキル基あるいはフェニル基であり、
1とR2は同じでも異なっていてもよい。また、mおよ
びnは置換基数を表し0〜4の整数である。R3は、直
接結合、アルキリデン基、アリール置換アルキレン基、
アリーレン基、-O-、 -S-、 -CO-、 -SO2- 又は−R4
X−R5−Y−R6−(R4、R5、R6は直接結合,アル
キリデン基,アリール置換アルキレン基,アリーレン基
を示し、X,Yは直接結合又はエステル結合を表し、少
なくとも一方はエステル結合を示す。)で表される基を
示す。)
【0005】本発明で用いられる、芳香族ポリカーボネ
ート樹脂および芳香族−脂肪族共重合ポリカーボネート
樹脂を用いることが出来る。芳香族ポリカーボネート樹
脂は、ホスゲン法、エステル交換法などの公知の方法で
合成することが可能である。芳香族−脂肪族共重合ポリ
カーボネート樹脂は、エステル交換法などの公知の方法
で合成することが可能である。
【0006】芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例え
ば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
(=ビスフェノールA)、2,2−ビス(3,5−ジブ
ロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=テトラブ
ロモビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニ
ル)プロパン、1,1−ビス(3−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2
−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4
−ヒドロキシフェニル)プロパン,2,2−ビス(3−
シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン,
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニ
ルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニル
メタン等で例示されるビス(ヒドロキシアリール)アル
カン類;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シク
ロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
シクロヘキサン、1,1,−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等で例
示される、ビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン
類;4,4'−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,
4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフェニルエー
テル等で例示されるジヒドロキシジアリールエーテル
類;4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、
4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフェニル
スルフィド等で例示されるジヒドロキシジアリールスル
フィド類;4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホキ
シド、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフ
ェニルスルホキシド等で例示されるジヒドロキシジアリ
ールスルホキシド類;4,4'−ジヒドロキシジフェニ
ルスルホン、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチ
ルジフェニルスルホン等で例示されるジヒドロキシジア
リールスルホン類;ハイドロキノン、レゾルシン、4,
4'−ジヒドロキシジフェニル等が挙げられ、特に好ま
しくは2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ンおよび1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘキサンが挙げられる。芳香族ジヒドロキシ化合物は
単独であるいは2種以上混合して使用してもよい。
【0007】芳香族−脂肪族共重合ポリカーボネート樹
脂に用いられる、脂肪族ジヒドロキシ化合物は、脂環構
造を含む脂肪族ジヒドロキシ化合物が好ましく用いられ
る。具体的には、トリシクロ(5.2.1.02.6)デ
カンジメタノール、β,β,β',β'−テトラメチル−
2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウン
デカン−3,9−ジエタノール、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノール、2,6−デカリンジメタノール等が上
げられる。これらの脂肪族ジヒドロキシ化合物は、単独
であるいは2種以上混合して使用しても良い。
【0008】芳香族ジヒドロキシ化合物と脂肪族ジヒド
ロキシ化合物の比率は、光学特性、耐熱性等のバランス
から、95/5〜5/95(モル比)であることが好ま
しい。より好ましくは90/10〜10/90(モル
比)である。
【0009】分岐化剤により分岐したポリカーボネート
樹脂も使用することが出来る。分岐化剤としては、例え
ばフロログリシン、2,6−ジメチル−2,4,6−ト
リ(4−ヒドロキシフェニル)−3−ヘプテン、4,6
−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニ
ル)−2−ヘプテン、1,3,5−トリ(2−ヒドロキ
シフェニル)ベンゾール、1,1,1−トリ(4−ヒド
ロキシフェニル)エタン、2,6−ビス(2−ヒドロキ
シ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、
α,α',α"−トリ(4−ヒドロキシフェニル)−1,
3,5−トリイソプロピルベンゼン等で例示されるポリ
ヒドロキシ化合物、あるいは3,3−ビス(4−ヒドロ
キシアリール)オキシインドール(=イサチンビスフェ
ノール)、5−クロルイサチンビスフェノール、5,7
−ジクロルイサチンビスフェノール、5−ブロムイサチ
ンビスフェノールなどが好適に用いられる。これら分岐
化剤の存在下で、ホスゲン法もしくはエステル交換法で
分岐ポリカーボネート樹脂を製造することが出来る。
【0010】ホスゲン法ポリカーボネートの場合、末端
停止剤又は分子量調節剤を使用してもよい。末端停止剤
又は分子量調節剤としては、一価のフェノール性水酸基
を有する化合物等が挙げられ、フェノール、p−t−ブ
チルフェノール、p−t−オクチルフェノール、4−
(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、トリ
ブロモフェノール等の他に、長鎖アルキルフェノール、
脂肪族カルボン酸クロライド、脂肪族カルボン酸、芳香
族カルボン酸、ヒドロキシ安息香酸アルキルエステル、
アルキルエーテルフェノール等が挙げられる。末端停止
剤又は分子量調節剤は、一種類でも、又二種類以上を混
合して使用してもよい。
【0011】エステル交換法によるポリカーボネート樹
脂の製造では、炭酸ジエステルが用いられる。炭酸ジエ
ステルの例としては、ジフェニルカーボネート、ジトリ
ールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネー
ト、m−クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネー
ト、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ
ブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネート等
が用いられる。これらの中でも特にジフェニルカーボネ
ートが好ましい。また、着色原因ともなるジフェニルカ
ーボネート中の塩素含有量は、20ppm以下であること
が好ましい。より好ましくは、10ppm以下である。ジ
フェニルカーボネートは、芳香族ジヒドロキシ化合物と
脂肪族ジヒドロキシ化合物の合計1モルに対して0.9
7〜1.2モルの量で用いられることが好ましく、特に
好ましくは0.99〜1.10モルの量である。
【0012】エステル交換法によるポリカーボネート樹
脂の製造では、触媒として公知の触媒が適宜使用され
る。例えば塩基性化合物およびエステル交換触媒等が上
げられるが、特にアルカリ金属および/またはアルカリ
土類化合物、含窒素化合物、スズ等の金属化合物等が好
適に使用される。
【0013】エステル交換法によるポリカーボネート樹
脂の製造では、重合終了時の生成物であるポリカーボネ
ートに、熱安定性および加水分解安定性を保持するため
に、触媒を除去もしくは失活させることが好ましく、公
知の酸性物質の添加によるアルカリ金属あるいはアルカ
リ土類金属等のエステル交換触媒の失活を行う方法が好
適に実施される。
【0014】本発明に用いられるポリカーボネート樹脂
の重量平均分子量は30,000〜200,000であ
ることが好ましく、さらに好ましくは40,000〜1
20,000である。
【0015】本発明において使用されるベンゾトリアゾ
ール系紫外線吸収剤は、下記式(1)の構造を有するも
のである。
【化3】 (上記式(1)において、R1およびR2は水素原子、ハ
ロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、アルコキシ
基、ヒドロキシアルキル基あるいはフェニル基であり、
1とR2は同じでも異なっていてもよい。また、mおよ
びnは置換基数を表し0〜4の整数である。R3は、直
接結合、アルキリデン基、アリール置換アルキレン基、
アリーレン基、-O-、 -S-、 -CO-、 -SO2- 又は−R4
X−R5−Y−R6−(R4、R5、R6は直接結合,アル
キリデン基,アリール置換アルキレン基,アリーレン基
を示し、X,Yは直接結合又はエステル結合を表し、少
なくとも一方はエステル結合を示す。)で表される基を
示す。)
【0016】上記紫外線吸収剤は、具体的には、ビス
(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−2−
ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メタン、ビス(3−
(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−2−ヒドロ
キシ−5−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フ
ェニル)メタン、ビス(3−(2H−ベンゾトリアゾー
ル−2−イル)−2−ヒドロキシ−5−クミルフェニ
ル)メタン、ビス(3−(2H−ベンゾトリアゾール−
2−イル)−2−ヒドロキシ−5−オクチルフェニル)
メタン、1,1−ビス(3−(2H−ベンゾトリアゾー
ル−2−イル)−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)オクタン、1,1−ビス(3−(2H−5−クロロ
ベンゾトリアゾール−2−イル)−2−ヒドロキシ−5
−メチルフェニル)オクタン、 1,2−エタンジイル
ビス(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−
2−ヒドロキシベンゾエート)、 1,12−ドデカン
ジイル ビス(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−
イル)−4−ヒドロキシベンゾエート) 、 1,3−シ
クロヘキサンジイル ビス(3−(5−クロロ−2H−
ベンゾトリアゾール−2−イル)−2−ヒドロキシベン
ゾエート) 、 1,4−ブタンジイル ビス(3−(2
H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシ
−5−メチルフェニルエタノエート)、 3,6−ジオ
キサ−1,8−オクタンジイル ビス(3−(5−メト
キシ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒ
ドロキシフェニルエタノエート)、 1,6−ヘキサン
ジイル ビス(3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール
−2−イル)−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニ
ル)プロピオネート)、 p−キシレンジイル ビス(3
−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、 ビス(3
−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒド
ロキシトルイル) マロネート、 ビス(2−(3−(2
H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシ
−5−オクチルフェニル)エチル) テレフタレート、
ビス(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−
4−ヒドロキシ−5−プロピルトルイル) オクタジオ
エートなどが上げられる。特に2,2’−メチレンビス
[4−(1、1、3、3−テトラメチルブチル)−6−
(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]
が特に好ましく用いられる。これらの紫外線吸収剤は単
独もしくは2種以上併用しても良い。
【0017】しかし、工業的に入手できる上記紫外線吸
収剤は、いずれも純度が低くそのまま使用したのでは、
押出し加工時および成形時にポリカーボネート樹脂が黄
色く着色する。工業的に入手される紫外線吸収剤は、G
PC測定で98%以下である。
【0018】そこで、工業的に入手した紫外線吸収剤を
所望の純度98%以上に精製して使用するのが望まし
い。精製法は公知精製法が可能である。再結晶による精
製法が簡便且つ工業的に利用可能である。
【0019】再結晶に用いる溶媒としては、紫外線吸収
剤の溶解度が高温において十分に高く、かつ工業的に実
施可能な冷却温度における溶解度が十分低いことが望ま
しい。さらに、この再結晶操作によって不純物成分が効
果的に除去されることが必要である。かかる特性を持つ
溶媒としては、アルコール、エーテル、エステル、ケト
ン、芳香族炭化水素化合物、等が挙げられるが、芳香族
炭化水素化合物が好適に使用される。より好ましくは炭
素数6〜10の芳香族炭化水素化合物である。更に具体
的には、芳香族炭化水素化合物溶媒として、ベンゼン、
トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレン、n
−プロピルベンゼン、i−プロピルベンゼン、プソイド
キュメン等を挙げることができる。これらの溶媒の中で
も特に好ましい溶媒として、ベンゼン、トルエンを挙げ
ることができる。
【0020】再結晶操作は、公知の方法によって行うこ
とができる。すなわち、紫外線吸収剤を溶媒に加熱溶解
後、冷却することによって結晶を析出させ、濾過によっ
て溶液と結晶を分離し、必要であれば結晶を溶媒によっ
てリンスし、乾燥によって溶媒を除去することによって
高純度紫外線吸収剤を得ることができる。さらに、必要
であれば再結晶操作を2回以上実施することによってよ
り高純度の紫外線吸収剤を得ることも可能である。 ま
た、必要であれば、紫外線吸収剤を水と分離可能な溶媒
に加熱溶解後、水洗し不純物を水層に抽出した後、水槽
を分離し、有機層を冷却することによって結晶を析出さ
せる方法も有効な方法である。
【0021】本発明では、上記精製によりGPC測定に
よる紫外線吸収剤の純度が、98%以上の紫外線吸収剤
を用いることを特徴としている。このましくは99%以
上、より好ましくは99.5%以上である。
【0022】用いられる紫外線吸収剤の添加量は、ポリ
カーボネート樹脂100重量部に対し、0.001〜3
重量部が好ましい。より好ましくは、0.01〜2重量
部である。これより少ないと、所望の効果が得られず、
過剰では色相の悪化、耐熱特性の低下、機械的特性の低
下など適当ではない。
【0023】紫外線吸収剤以外に、各種公知の以外の安
定剤も適宜添加することが望ましい。該安定剤としては
例えば、硫黄含有酸性化合物あるいは該酸性化合物から
形成される誘導体、フェノール系安定剤、リン系酸化防
止剤、チオエーテル系安定剤、ヒンダードアミン系安定
剤、エポキシ系安定剤等をあげることができる。これら
の安定剤は単独または組み合わせて用いることができ
る。中でも、リン系酸化防止剤の添加は押出し時、成形
時の色相悪化防止に効果的である。
【0024】さらに本発明において、上記紫外線吸収
剤、熱安定化剤、加水分解安定化剤の他に、酸化防止
剤、顔料、染料、強化剤や充填剤、滑剤、離型剤、結晶
核剤、可塑剤、流動性改良材、帯電防止剤などを添加す
ることができる。
【0025】上記紫外線吸収剤および各種添加剤は、従
来から公知の方法で各成分をポリカーボネート樹脂に混
合することができる。エステル交換法の場合には重合終
了後の溶融樹脂に直接これらの添加剤を混合し、冷却後
ペレット化する方法が好適に用いられる。また、ホスゲ
ン法およびエステル交換法において、一度フレークもし
くはペレットとして単離した後、各成分をターンブルミ
キサーやヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、スー
パーミキサーで代表される高速ミキサーで分散混合後、
押し出し機、バンバリーミキサー、ロールなどで溶融混
練する方法が適宜選択される。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明は、以下の実施例に何らの制限を受けるも
のではない。なお、得られたポリカーボネート樹脂組成
物の評価は、以下の方法で行った。
【0027】紫外線吸収剤GPC純度:GPC装置(S
hodex GPC system 11)にGPCカラ
ムK−805L4本を装着し、UV検出器を用いて測定
した。溶離液にはクロロホルムを用いた。 紫外線吸収剤APHA:試料5gを100mlの塩化メ
チレンに溶解し、JISK6901に順じた標準液と比
較して測定した。 分子量測定:GPC(Shodex GPC syste
m 11)を用い、ポリスチレン換算分子量(重量平均
分子量:Mw)として測定した。展開溶媒にはクロロホ
ルムを用いた。 試験片成形:(株)山城精機製作所製 SAV−40−
50−CPを用いて成形品を得た。 色相(YI):50mmφ、1mm厚のディスク試験片
を作成し、色差計(東京電色 TC−1800MK2)
によりYI(黄色度)値を測定した。 紫外線透過率:50mmφ、1mm厚のディスク試験片
を作成し、吸光光度計(島津UVmini1240)で3
80nmの透過率を測定した。 光学特性:アタゴ製作所製アッベ屈折計NAR−2Tで
測定した。 Tg:島津製作所製 示差操作熱量計DSC−60Aで
測定した。
【0028】精製例1 市販の2,2’−メチレンビス[4−(1、1、3、3
−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾ
ール−2−イル)フェノール](商品名:LA−31、
以下LA−31と記す)GPC純度97.5%、APH
Aで40−100番500gをトルエン1500ml中
に温度90℃で完全に溶解させた後、室温に冷却しLA
−31を再結晶させた。結晶をヌッチェを用いて溶液と
分離し、結晶を2000mlのトルエンでリンスした
後、真空乾燥機で60℃で乾燥させて精製LA−31
(L−1)399gを得た。得られたLA−31(L−
1)のGPC純度は98.8%、ハーゼン色数は40−
100番であった。
【0029】精製例2 精製例1において90℃完全に溶解した際、0.2μm
のPTFEメンブレンフィルターで濾過した以外は、精
製例1と全く同様に操作を行い、精製LA−31(L−
2)385gを得た。得られたLA−31(L−2)の
GPC純度は99.9%、ハーゼン色数は40−100
番であった。
【0030】合成例1 BPZ6038.1kg(22.5モル)、TCDDM
4416.5g(22.5モル)、ジフェニルカーボネ
ート10832.5g(47.25モル)、炭酸水素ナ
トリウム0.0113g(1.35*10-4モル)を、
撹拌機および留出装置付きの50リットル反応釜に入
れ、窒素雰囲気下200℃に加熱し、30分間撹拌し
た。その後、減圧度を150mmHgに調整すると同時
に、240℃まで昇温し副生するフェノールを留去しな
がらエステル交換反応を行った。ほぼフェノールの留出
が終了した時点で真空度をさらに上げ、1mmHg以下
の条件でさらに2時間撹拌を行い、反応終了後、反応器
内に窒素を吹き込み常圧に戻し、生成ポリカーボネート
を取り出した。この共重合体のBPZから誘導される構成
単位とTCDDMから誘導される構成単位のモル比は、
50:50であり、Mw=58,300、屈折率nD=
1.58、アッベ数νD=39、Tg=123℃の物性
を持つ樹脂が得られた。
【0031】実施例1〜2、比較例1 2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを芳
香族ジヒドロキシ化合物とし界面重合法で合成したポリ
カーボネート樹脂粉末(三菱ガス化学株式会社製 ユー
ピロンS−3000)100重量部に、表1に示す組成
割合で配合し、タンブラー型ブレンダーで混合した後、
40mmφ単軸押出機でペレット化した。
【0032】実施例3〜5、比較例2 合成例1で得られたポリカーボネート樹脂ペレット10
0重量部に対して、触媒失活剤として、p−トルエンス
ルホン酸n−ブチル0.0007重量部およびその他の
添加剤を表1に示す組成割合で配合し、タンブラー型ブ
レンダーで混合した後、30mmφ二軸押出機でペレッ
ト化した。
【0033】
【表1】 P−1:三菱ガス化学株式会社製 ユーピロンS−30
00 P−2:BPZ/TCDDM共重合ポリカーボネート樹
脂 L−1:精製例1で精製した2,2’−メチレンビス
[4−(1、1、3、3−テトラメチルブチル)−6−
(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール] L−2:精製例2で精製した2,2’−メチレンビス
[4−(1、1、3、3−テトラメチルブチル)−6−
(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール] A−1:トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホ
スファイト(商品名A2112) A−2:ビス(2,6―ジ―t−ブチル−4−メチルフ
ェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト(商
品名PEP−36)
【0034】
【発明の効果】本発明ポリカーボネート樹脂は、ポリカ
ーボネートの優れた耐衝撃性、耐熱性等の特性を維持し
ながら、特定波長以下の紫外線を効率的に吸収し色相に
優れたものなので、眼鏡レンズ、工業用レンズ、プリズ
ム、光ディスク基板、などのプラスチック光学材料用と
して好適に利用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊佐早 禎則 茨城県鹿島郡神栖町東和田35番地 三菱瓦 斯化学株式会社鹿島工場内 (72)発明者 田崎 賢 茨城県鹿島郡神栖町東和田35番地 三菱瓦 斯化学株式会社鹿島工場内 (72)発明者 長島 広光 三重県 四日市市日永東2丁目4番地16号 三菱瓦斯化学株式会社四日市工場内 Fターム(参考) 4J002 CG011 CG021 CG031 EU176 FD056 GP01 4J029 AA09 AB07 AC02 AE04 BB04A BB05A BB10A BB12A BB13A BB13B BB13C BD07 BD09A BD09C BD10 BF13 BF14A BF14B BG08X BH02 DB07 DB11 DB13 HA01 HC01 HC02 HC04 HC05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリカーボネート樹脂100重量部に、9
    8%以上の純度の下記構造式(1)を有するベンゾトリ
    アゾール系紫外線吸収剤0.001〜3.0重量部を配
    合したポリカーボネート樹脂組成物。 【化1】 (上記式(1)において、R1およびR2は水素原子、ハ
    ロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、アルコキシ
    基、ヒドロキシアルキル基あるいはフェニル基であり、
    1とR2は同じでも異なっていてもよい。また、mおよ
    びnは置換基数を表し0〜4の整数である。R3は、直
    接結合、アルキリデン基、アリール置換アルキレン基、
    アリーレン基、-O-、 -S-、 -CO-、 -SO2- 又は−R4
    X−R5−Y−R6−(R4、R5、R6は直接結合,アル
    キリデン基,アリール置換アルキレン基,アリーレン基
    を示し、X,Yは直接結合又はエステル結合を表し、少
    なくとも一方はエステル結合を示す。)で表される基を
    示す。)
  2. 【請求項2】ポリカーボネート樹脂が芳香族ポリカーボ
    ネート樹脂である請求項1記載のポリカーボネート樹脂
    組成物。
  3. 【請求項3】ポリカーボネート樹脂が芳香族−脂肪族共
    重合ポリカーボネート樹脂芳香族ポリカーボネート樹脂
    である請求項1記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  4. 【請求項4】ポリカーボネート樹脂が、芳香族ジヒドロ
    キシ化合物および脂環構造を含む脂肪族ジヒドロキシ化
    合物をエステル交換法により共重合して得られる芳香族
    −脂肪族共重合ポリカーボネート樹脂である請求項1記
    載のポリカーボネート樹脂組成物。
  5. 【請求項5】脂肪族ジヒドロキシ化合物が、トリシクロ
    (5.2.1.02.6)デカンジメタノール、β,β,
    β',β'−テトラメチル−2,4,8,10−テトラオ
    キサスピロ[5,5]ウンデカン−3,9−ジエタノー
    ル、1,4−シクロヘキサンジメタノールおよび2,6
    −デカリンジメタノールの群から選ばれた1種以上の脂
    肪族ジヒドロキシ化合物である請求項4記載のポリカー
    ボネート樹脂組成物。
  6. 【請求項6】芳香族ジヒドロキシ化合物が、2,2−ビ
    ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンまたは1,1−
    ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンである
    請求項4記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  7. 【請求項7】請求項1記載のポリカーボネート樹脂から
    製造される、眼鏡用眼鏡レンズ。
  8. 【請求項8】1mm厚における380nmの透過率が5
    %以下である請求項5記載の眼鏡レンズ。
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