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JP2003014685A - バイオセンサおよびその製造方法 - Google Patents

バイオセンサおよびその製造方法

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Publication number
JP2003014685A
JP2003014685A JP2001203954A JP2001203954A JP2003014685A JP 2003014685 A JP2003014685 A JP 2003014685A JP 2001203954 A JP2001203954 A JP 2001203954A JP 2001203954 A JP2001203954 A JP 2001203954A JP 2003014685 A JP2003014685 A JP 2003014685A
Authority
JP
Japan
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reaction layer
electrode
biosensor
layer
electrode system
Prior art date
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Pending
Application number
JP2001203954A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiko Miyamoto
佳子 宮本
Tomohiro Yamamoto
智浩 山本
Yoshikazu Hasegawa
美和 長谷川
Kiichi Watanabe
基一 渡邊
Toshihiko Yoshioka
俊彦 吉岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2001203954A priority Critical patent/JP2003014685A/ja
Publication of JP2003014685A publication Critical patent/JP2003014685A/ja
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  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Immobilizing And Processing Of Enzymes And Microorganisms (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 生体成分中の特定基質濃度を短時間で正確に
測定するため、酵素を含む反応層を薄膜にしたバイオセ
ンサを提供する。 【解決手段】 本発明に係るバイオセンサは、電気絶縁
性の基板、前記基板上に形成された作用極および対極を
有する電極系、並びに前記電極系上またはその近傍に形
成された少なくとも酵素を含む反応層を具備する。そし
て、この反応層は、これを構成する試薬の溶液をエレク
トロスプレー法によって、電気絶縁性の基板上の電極系
上またはその近傍に、吹き付けて形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血液、尿などの生
体試料、食品工業における原料や製品、さらには果汁な
どの試料に含まれる基質(特定成分)を高精度で、迅速
かつ容易に定量するためのバイオセンサおよびその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】生体試料および食品中の特定成分(基
質)を試料液の希釈および撹拌などを行うことなく、簡
易に定量しうるバイオセンサが提案されている。その一
例として、特開平3−202764号公報には、絶縁性
基板上にスクリーン印刷などの方法によって電極系を形
成し、この電極系上に酸化還元酵素および電子伝達体を
含有する反応層を形成したバイオセンサが開示されてい
る。
【0003】このバイオセンサは、以下のようにして試
料中の基質濃度を定量する。まず、試料液をバイオセン
サの反応層上に滴下することにより、反応層が溶解し、
試料液中の基質と反応層の酸化還元酵素との間で酵素反
応が進行する。この酵素反応に伴い、電子伝達体が還元
される。一定時間後、センサの電極に電圧を印加して、
この還元された電子伝達体を電気化学的に酸化し、この
とき得られる酸化電流値から試料液中の基質濃度を定量
することができる。この主の構成のバイオセンサの反応
層に含まれる酵素の量は、反応層の作製方法がいわゆる
ディップ法を用いることが多く、薄膜として作製するこ
とが困難であった。また、作製した層が不均一になるこ
とを避けるのが困難であった。従って、反応層中に存在
する酵素量は、定量する試料に含まれる基質量と比較し
て過剰であった。また、反応層に含まれる試薬の量が多
いため、試薬層の溶解に時間がかかるという欠点があっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な問題点を解決するもので、均一な薄膜を作製すること
により、反応層における酵素反応をより有効に利用する
バイオセンサを提供することを目的とする。本発明は、
そのようなバイオセンサの製造方法を提供することをも
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明のバイオセンサは、電気絶縁性の基板、前記
基板上に形成された作用極および対極を有する電極系、
並びに前記電極系上またはその近傍に形成された少なく
とも酵素を含む反応層を具備し、前記反応層がエレクト
ロスプレー法によって形成された薄膜からなることを特
徴とする。本発明は、また、電気絶縁性の基板、前記基
板上に形成された作用極および対極を有する電極系、並
びに前記電極系上またはその近傍に形成された少なくと
も酵素を含む反応層を具備し、前記反応層の最上層が前
記酵素を含み、当該最上層がエレクトロスプレー法によ
って形成された薄膜からなるバイオセンサを提供する。
前記反応層またはその最上層の厚みは、10nmから1
000nmであるのが好ましい。本発明は、作用極およ
び対極を含む電極系を有する電気絶縁性の基板上の前記
電極系上またはその近傍に、少なくとも酵素を含む溶液
をエレクトロスプレー法によって吹き付けて、薄膜の反
応層を形成する工程を有することを特徴とするバイオセ
ンサの製造方法に関する。本発明は、作用極および対極
を含む電極系を有する電気絶縁性の基板上の前記電極系
上またはその近傍に、親水性高分子または電子伝達体を
含む層を形成する工程、および前記の層の上に、少なく
とも酵素を含む溶液をエレクトロスプレー法によって吹
き付けて、薄膜の反応層を形成する工程を有することを
特徴とするバイオセンサの製造方法にも関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に係るバイオセンサは、電
気絶縁性の基板、前記基板上に形成された作用極および
対極を有する電極系、並びに前記電極系上またはその近
傍に形成された少なくとも酵素を含む反応層を具備す
る。そして、この反応層は、これを構成する試薬の溶液
をエレクトロスプレー法によって、電気絶縁性の基板上
の電極系上またはその近傍に、吹き付けて形成する。前
記反応層は、電子伝達体を含むのが好ましい。本発明の
他の実施の形態においては、反応層を形成する試薬の一
部、例えば電子伝達体、または親水性高分子を含む溶液
を電極系上またはその近傍に、滴下するなどによって展
開し、乾燥して第1の層を形成した後、その第1の層上
に酵素を含む溶液をエレクトロスプレー法によって吹き
付け、乾燥して酵素を含む第2の層を形成する。第1の
層は、エレクトロスプレー法によって形成してもよい。
【0007】上記のように、本発明は、酵素を含む層を
エレクトロスプレー法によって薄膜として形成するもの
である。反応層を複数の層で構成する場合は、酵素を含
む層を最上層とする。これによって、センサに試料液を
供給した際、酵素が優先的に試料液に溶解し、酵素反応
が速やかに進行する。
【0008】ここで、エレクトロスプレー法は、質量分
析などで用いられるエレクトロスプレーイオン化法を応
用したものであり、酵素や電子伝達体などの反応層に包
含させる化合物を含む溶液を電場を用いて吹き付ける方
法である。エレクトロスプレー法を用いて反応層を形成
することによって、反応層を構成する各成分を均一に、
かつ薄膜状に塗布することが可能になり、センサの反応
層の溶解性および酵素と電子伝達体の反応性が向上させ
ることができる。
【0009】本発明において用いられる酵素としては、
グルコースオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナー
ゼ、乳酸オキシダーゼ、乳酸デヒドロゲナーゼ、フルク
トースオキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ、コ
レステロールデヒドロゲナーゼ、コレステロールエステ
ラーゼ、ムタロターゼ、インベルダーゼ、アスコルビン
酸オキシダーゼ、アルコールオキシダーゼなどが挙げら
れる。これらの酵素のうち1種または2種以上を混合し
て用いることもできる。本発明のバイオセンサの反応層
は、前記の通り電子伝達体を含ませても良い。この場
合、電子伝達体としては、フェリシアン化物塩、p−ベ
ンゾキノンおよびその誘導体、フェナジンメトサルフェ
ート、メチレンブルー、フェロセンおよびその誘導体な
どが挙げられる。電子伝達体は、これらの1種または2
種以上が用いられる。前述の電子伝達体を反応層中に含
まない場合には、溶液中の酸素や過酸化酸素を利用する
ことによって基質量の定量は可能となる。
【0010】エレクトロスプレー法を用いる溶液の酵素
や電子伝達体を溶解する溶媒は、水、リン酸緩衝液、ト
リス塩酸緩衝液、フタル酸緩衝液、酢酸緩衝液、塩化ナ
トリウム水溶液などの各種水溶液、あるいはメタノー
ル、エタノール、トルエン、アセトンなどの有機溶媒か
ら選ばれる、1種または2種以上の混合溶液であること
が好ましい。本発明のバイオセンサの反応層には、上記
酵素類や電子伝達体の他に、親水性高分子を含有させて
もよい。反応層中に親水性高分子を添加することによ
り、基板または電極系表面からの反応層の剥離を防ぐこ
とができる。親水性高分子は、反応層表面の割れを防ぐ
効果も有しており、バイオセンサの信頼性を高めるのに
効果的である。また、電極系上を親水性高分子で被覆し
ても良く、上記と同様の効果が得られる。
【0011】このような親水性高分子としては、カルボ
キシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エ
チルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、
カルボキシメチルエチルセルロース、ポリビニルピロリ
ドン、ポリビニルアルコール、ポリリジンなどのポリア
ミノ酸、ポリスチレンスルホン酸、ゼラチンおよびその
誘導体、アクリル酸またはその誘導体、無水マレイン酸
またはその塩の重合体、スターチおよびその誘導体など
が挙げられる。特に、カルボキシメチルセルロースが好
ましい。酸化電流の測定方法としては、測定極と対極の
みの二電極方式と、参照電極を加えた三電極方式があ
り、三電極方式の方が、より正確な測定が可能である。
【0012】
【実施例】以下に、具体的な実施例を挙げて、本発明を
詳細に説明する。図1は、本発明によるバイオセンサの
反応層を取り除いた分解斜視図である。1はポリエチレ
ンテレフタレートからなる絶縁性の基板を示す。この基
板1上には、スクリーン印刷により銀ペーストを印刷し
てリード2、3を形成してある。基板1上には、さら
に、同様の印刷法により、樹脂バインダーを含む導電性
カーボンペーストからなる作用極4および対極5を含む
電極系、並びに電気絶縁性ペーストからなる電気絶縁層
6を形成してある。電気絶縁層6は、作用極4及び対極
5の露出部分の面積を一定とし、かつリードを部分的に
覆っている。上記リードおよび電極の材料としては、銀
やカーボン以外にも、白金、金、およびパラジウムなど
が用いられる。図2は上記のバイオセンサの縦断面略図
である。
【0013】図1のようにして電極系を形成した絶縁性
基板1上に、酵素と電子伝達体を含む反応層7が形成さ
れる。この絶縁性基板1に、カバー9、および基板1と
カバー9の間に挟まれるスペーサ8を、図1の一点鎖線
で示すような位置関係をもって接着させることによりバ
イオセンサが組み立てられる。スペーサ8には、試料液
供給路を形成するスリット10が形成され、カバー9に
は空気孔11が形成されている。基板1、カバー9およ
びスペーサ8を組み合わせると、基板1とカバー9の間
には、試料供給路となる空間部が形成される。この空間
部は、スリット10の解放端部12が試料供給口とな
り、終端部は空気孔11となる。
【0014】ここでは、カバー9とスペーサ8の組み合
わせでカバー部材を構成しているが、スペーサ8のスリ
ット10に相当する溝を設けた1つの部材で構成するこ
ともできる。また、反応層は、必ずしも電極系上に形成
する必要はなく、試料供給路内に露出する部分に形成さ
れていれば良く、試料液は反応層を溶解して電極系上に
達する構成であればよい。
【0015】《実施例1》図1の基板1の電極系上に、
フェリシアン化カリウムとグルコースオキシダーゼ(E
C1.1.3.4:以下GODと略す)を含む水溶液を
エレクトロスプレー法によって吹き付け、乾燥させて反
応層7を形成した。このエレクトロスプレー法は、以下
のようにして実施した。基板1をこれより大きい金属板
電極上にセットし、基板1の電極系の上方に、前記溶液
を噴出させるためのノズルをセットし、ノズル内の針状
電極を負にして金属板電極との間に3kVの電圧を印加
して10秒間前記水溶液をノズルから基板1の電極系上
に吹き付け、次いで乾燥させた。このようにして形成さ
れた反応層7に含まれるフェリシアン化カリウムの量
は、1平方センチメートルあたり0.1mgであり、G
ODの量は5μgであった。また、形成した薄膜反応層
の厚みは100nmであった。
【0016】次に、図2に示したような位置関係をもっ
て、センサを組み立て、グルコースセンサとしての特性
評価を行った。グルコースを含む試料液が反応層7に供
給されると、試料液内のグルコースは、GODによって
酸化される。そして、これと同時に反応層中の電子伝達
体が還元される。続いて、試料液を供給して55秒後に
対極5を基準にして作用極4に+0.5Vの電圧を印加
して電子伝達体の還元体を酸化した。そして、5秒後の
電流値を測定した。この場合の測定時間、すなわち試料
を供給してから酸化電流値の測定までの時間を1分とす
る。この電流値は、生成した電子伝達体の濃度、すなわ
ち試料液中の基質濃度に比例するので、この電流値を測
定することにより、試料液のグルコース濃度を求めるこ
とができる。0、180、360、および540mg/
dlの各グルコース濃度の試料を用意し、測定時間を3
0秒とした場合のそれぞれに対するセンサの応答電流値
を測定した結果、応答電流値とグルコース濃度との間に
は一定の相関性があり、良好な直線性を示した。また、
測定時間を10秒とした場合にも、応答電流値とグルコ
ース濃度の関係は良好な直線性を示した。
【0017】《実施例2》フェリシアン化カリウムを含
む水溶液を調製し、これを電極上に滴下し、乾燥する方
法で第一の層を電極系上に形成した。この第一の層に含
まれるフェリシアン化カリウムの量は1平方センチメー
トルあたり1mgであった。次に、GOD水溶液を調製
し、この水溶液を実施例1と同様なエレクトロスプレー
法によって第一の層上に吹き付け、乾燥させて第二の層
を形成した。ただし、印加電圧は2.5kV、吹き付け
時間は2.5秒とした。この第2の層に含まれるGOD
の量は、反応層1平方センチメートルあたり1μgであ
った。作製した薄膜の第2の層の厚みは、20nmであ
った。実施例1と同様の方法でグルコース標準液に対す
るセンサ応答電流値を測定した結果、測定時間が30秒
および10秒のいずれにおいても応答電流値はグルコー
ス濃度に対し良好な直線性を示した。
【0018】《比較例1》フェリシアン化カリウムとG
ODを含む水溶液を電極上に滴下し、乾燥させて反応層
を形成した。この反応層に含まれるフェリシアン化カリ
ウムの量は1平方センチメートルあたり1mgであり、
GODの量は、50μgであった。作製した反応層の厚
みは、20μmであった。実施例1と同様の方法でグル
コース標準液に対するセンサ応答電流値を測定した結
果、測定時間を30秒とした場合には応答電流値とグル
コース濃度との関係は良好な直線性を示した。しかし、
測定時間を10秒とした場合には、応答電流値とグルコ
ース濃度との関係は、高濃度域において直線性を示さな
かった。
【0019】《実施例3》実施例2と同様に、フェリシ
アン化カリウムを含む第1の層を形成した。次に、コレ
ステロールエステラーゼとコレステロールオキシダーゼ
を含む水溶液を調製し、その溶液をエレクトロスプレー
法によって上記の第1の層上に吹き付けてから乾燥さ
せ、第2の層を形成した。この場合の印加電圧は2k
V、吹き付け時間は20秒とした。この第2の層7bに
含まれる酵素の量は、反応層1平方センチメートルあた
り、コレステロールオキシダーゼは20μg、コレステ
ロールエステラーゼは50μgであった。第2の層の薄
膜の厚みは、150nmであった。
【0020】グルコースセンサの場合と同様の方法でコ
レステロールセンサを作製し、コレステロールを含む試
料液に対するセンサ応答電流値を測定した結果、測定時
間3分における応答電流値はコレステロール濃度に対し
良好な直線性を示した。また、測定時間1分においても
コレステロール濃度に対し良好な直線性を示した。
【0021】《比較例2》図1の基板1の電極系上に、
フェリシアン化カリウムとコレステロールオキシダーゼ
とコレステロールエステラーゼの混合水溶液を滴下し、
乾燥させて反応層7を形成した。この層7に含まれるフ
ェリシアン化カリウムの量は反応層1平方センチメート
ルあたり1mgであり、コレステロールオキシダーゼの
量は0.1mg、コレステロールエステラーゼの量は
0.5mgであった。反応層の厚みは、50μmであっ
た。次に、実施例3と同様の方法でセンサの応答電流値
を測定した。その結果、測定時間3分においては、応答
電流値とコレステロール濃度との間には一定の相関性が
あり、良好な直線性を示した。この応答直線性は実施例
1で示したものとほぼ同じであった。しかしながら、測
定時間1分では良好な応答直線性を示さなかった。
【0022】《実施例4》白金で作られた電極系上に、
グルコースオキシダーゼ(GOD)を含む水溶液をエレ
クトロスプレー法によって吹き付け、乾燥させて反応層
7を形成した。印加電圧2kVで5秒間吹き付けて形成
した反応層7に含まれるGODの量は3μgであった。
また、形成した薄膜反応層の厚みは50nmであった。
この電極系上にグルコースを含む試料液を供給すると、
試料液内のグルコースは、GODによって酸化され過酸
化水素を形成する。そこで、試料液を供給して10秒後
に対極5を基準にして作用極4に+1.0Vの電圧を印
加して、5秒後の電流値を測定した。この電流値は、試
料液中の基質濃度に比例するので、この電流値を測定す
ることにより、試料液のグルコース濃度を求めることが
できる。0、180、360、および540mg/dl
の各グルコース濃度の試料を用意し、測定時間を30秒
とした場合のそれぞれに対するセンサの応答電流値を測
定した結果、応答電流値とグルコース濃度との間には一
定の相関性があり、良好な直線性を示した。測定時間を
10秒とした場合にも、応答電流値とグルコース濃度の
関係は良好な直線性を示した。
【0023】エレクトロスプレー法を用いた反応層形成
法は、ディップ法による形成法と比較して薄膜化が可能
である。そのため、反応層に含まれる酵素を含む試薬の
溶解がスムーズになる。その結果、測定時間の短縮が可
能とある。薄膜の厚みは、10nm以下は均一な膜を作
製するのが困難である。また、作製できたとしても、そ
こに含まれる試薬量が不十分であるため、センサとして
十分に機能しない。一方、反応層の薄膜の厚みが100
0nm以上であると、反応層の溶解性が下がり、短時間
での測定が困難になる。したがって、薄膜の厚さを10
nmから1000nmにすることが有効である。
【0024】以上の実施例では、グルコースセンサおよ
びコレステロールセンサについて説明したが、その他の
酵素を用いたグルコースセンサまたはコレステロールセ
ンサ、および乳酸センサ、果糖センサ、しょ糖センサ、
アルコールセンサ、アスコルビン酸センサなどの各セン
サにも本発明を適用できることはいうまでもない。
【0025】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、血液、
尿などの生体試料、食品工業における原料や製品などの
試料中に含まれる基質を高精度で、迅速かつ容易に定量
しうるバイオセンサを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるバイオセンサの反応
層を除いた分解斜視図である。
【図2】同バイオセンサの縦断面略図である。
【符号の説明】
1 電気絶縁性の基板 2、3 リード 4 作用極 5 対極 6 絶縁層 7 反応層 8 スペーサ 9 カバー 10 スリット 11 空気孔
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/483 G01N 27/30 353B 353P 27/46 336H 336G 338 (72)発明者 長谷川 美和 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 渡邊 基一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 吉岡 俊彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2G045 AA13 AA16 CA25 CA26 DA31 DA69 FB01 FB05 GC20 4B029 AA07 AA21 BB16 CC03 CC11 FA12 4B033 NA03 NA23 NA24 NB34 NB45 NB63 NB66 NC04 NC06 NC12 NC16 ND05 ND16 4B063 QA01 QA18 QA19 QQ03 QQ68 QQ76 QR03 QR04 QR12 QR84 QS28 QS39 QX05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気絶縁性の基板、前記基板上に形成さ
    れた作用極および対極を有する電極系、並びに前記電極
    系上またはその近傍に形成された少なくとも酵素を含む
    反応層を具備し、前記反応層がエレクトロスプレー法に
    よって形成された薄膜からなることを特徴とするバイオ
    センサ。
  2. 【請求項2】 電気絶縁性の基板、前記基板上に形成さ
    れた作用極および対極を有する電極系、並びに前記電極
    系上またはその近傍に形成された少なくとも酵素を含む
    反応層を具備し、前記反応層の最上層が前記酵素を含
    み、当該最上層がエレクトロスプレー法によって形成さ
    れた薄膜からなることを特徴とするバイオセンサ。
  3. 【請求項3】 前記反応層が電子伝達体を含む請求項1
    または2記載のバイオセンサ。
  4. 【請求項4】 前記反応層の厚みが、10nmから10
    00nmである請求項1記載のバイオセンサ。
  5. 【請求項5】 前記最上層の厚みが、10nmから10
    00nmである請求項2記載のバイオセンサ。
  6. 【請求項6】 作用極および対極を含む電極系を有する
    電気絶縁性の基板上の前記電極系上またはその近傍に、
    少なくとも酵素を含む溶液をエレクトロスプレー法によ
    って吹き付けて、薄膜の反応層を形成する工程を有する
    ことを特徴とするバイオセンサの製造方法。
  7. 【請求項7】 作用極および対極を含む電極系を有する
    電気絶縁性の基板上の前記電極系上またはその近傍に、
    親水性高分子または電子伝達体を含む層を形成する工
    程、および前記の層の上に、少なくとも酵素を含む溶液
    をエレクトロスプレー法によって吹き付けて、薄膜の反
    応層を形成する工程を有することを特徴とするバイオセ
    ンサの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007103307A (ja) * 2005-10-07 2007-04-19 Sony Corp 燃料電池の製造方法、燃料電池、燃料電池用負極の製造方法、燃料電池用負極、電子機器、移動体、発電システム、コージェネレーションシステム、酵素反応利用装置の製造方法、酵素反応利用装置、酵素反応利用装置用電極の製造方法、酵素反応利用装置用電極および固定化方法
JP2008507691A (ja) * 2004-07-22 2008-03-13 バイオプロスペクト テクノロジーズ カンパニー リミテッド 電気化学検出方法及び装置

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