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JP2002514211A - 改良された取扱性能を有する歯科用組成物 - Google Patents

改良された取扱性能を有する歯科用組成物

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JP2002514211A
JP2002514211A JP54384898A JP54384898A JP2002514211A JP 2002514211 A JP2002514211 A JP 2002514211A JP 54384898 A JP54384898 A JP 54384898A JP 54384898 A JP54384898 A JP 54384898A JP 2002514211 A JP2002514211 A JP 2002514211A
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JP
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acid
dental composition
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bis
acrylate
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Pending
Application number
JP54384898A
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English (en)
Inventor
エム. ロッツィ,シャロン
ビー. ミトラ,スミタ
ワン,ビン
Original Assignee
ミネソタ マイニング アンド マニュファクチャリング カンパニー
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Filing date
Publication date
Application filed by ミネソタ マイニング アンド マニュファクチャリング カンパニー filed Critical ミネソタ マイニング アンド マニュファクチャリング カンパニー
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Abstract

(57)【要約】 a)重合可能成分、b)酸反応性充填剤、c)親水性成分、d)重合開始剤、およびe)酸性成分を含む歯科用組成物を提供する。上記材料は、結果として得られる組成物が極めて望ましい流動学的性質を有するのに十分な量で提供される。

Description

【発明の詳細な説明】 改良された取扱性能を有する歯科用組成物 本発明の分野 本発明は、親水性であり且つ湿気の多い口腔環境で適合する優れた取扱性能を 有する、斬新な歯科用組成物または物品に関する。別の態様で、本組成物および 物品は、高レベルで且つ持続した方式で、フッ化イオンを放出することが可能で ある。本発明の組成物は、一般に、留置に続いて原位置で硬化するためのもので あるが、これらの組成物は、口腔用途向けの予め重合した物品の組み立て品にも 非常に適している。 背景 歯を修復するために、多くのタイプの材料が開発されている。歯科ではアマル ガムがよく使用されていたが、この20〜30年の間に、歯の色をした修復用材 料が普及してきた。これらの組成物は、一般に、重合可能なエチレン的不飽和モ ノマーおよび不活性な充填剤を含む。樹脂系は、一般に、ビス−GMA、TEG DMA、ウレタンジメタクリレート類などの混合物で構成される。結果として得 られる修復用組成物は、一般に、かなり疎水性で、水と混和せず、したがって、 修復すべき歯構造の表面から水を排除することが必要である。臨床手順は、ゴム 製のダムまたはその他の適当な手技を使用している間ずっと、厳密な水分管理を 必要とする。しかし、口内では、唾液流および/または歯液の滲出を通して水分 が絶え間無く補給されるため、その管理のせいで、修復手技は開業医にとって非 常に骨の折れるものになる。これにひきかえ、親水性組成物は、周 囲の口腔環境から水を吸収することができる。水系セメント組成物、特に、ガラ スイオノマーセメントは、外来の水分に強い。これらは、水に溶解したポリalke noic acidの溶液と、酸反応性ガラス粉末からなる2要素粉末:液体系である。 硬化可能部分を組み込むことによる、原位置で重合可能なセメントを得るための 、これらのセメントの改質について説明されている。これらのセメントの特に興 味をそそる利益は、口腔環境で硬化したセメントから多量のフッ化物が長期にわ たって放出されることである。これによって、二次キャリヤの攻撃から守ること ができると考えられる。しかし、これらのセメントの不都合な点は、一般に、そ れらは2成分粉末:液体系であり、使用前に混合することが必要なことである。 さらに、ガラスイオノマーセメント材料は、一般に、樹脂系複合材料と比較して 、機械的性質がはるかに低い。したがって、それらの使用は、応力と関連のない 用途に限定される。これらの不都合を克服するために、米国特許第5,151, 453号に記載されているような、他の系が考案されている。しかし、これらの 材料からのフッ化物放出レベルは、ガラスイオノマーセメントと比べて非常に低 い。 さらに、修復用充填材において優れた取扱特性を具有することは、歯科医にと って非常に重要であるため、このような性質を有する材料の特許を請求している 参考文献に多数の引用文献があることは意外ではない。たとえば、DE第444 7275号、JP第56120610号、JP第03077804号、JP第0 6065022号、JP第07061904号、JP第08119820号、E P第176777号、EP第436382号、US第3,721,644号、U S第3,766,132号、US第3,770,811号、US第4,150, 485号、US第4,514,174号、US第5,318,999号、および Lee,H.L.,et al (Aust.Dent.J.,22(4),1977,232-5)を参照されたい。しかし、これらの引用 文献の中に、本発明の具体的な材料について説明しているものも、優れた取扱性 能を有する歯科用組成物を構築するための流動学必要条件について説明している ものもない。 発明の概要 本発明で、a)重合可能成分と、b)酸反応性充填剤と、c)親水性成分と、 d)重合開始剤と、e)酸性成分とを含む歯科用組成物が提供される。上記材料 は、結果として得られる組成物が、下記の流動学的性質:1)前記組成物が25 ℃で約3000〜9000Paの間の降伏応力を有し、34℃で2900〜50 00Paの間の降伏応力を有する、2)前記組成物が、34℃、剪断速度0.0 01秒-1で約100,000〜500,000Pa-sの間の粘度を有し、34 ℃、剪断速度0.01秒-1で約80,000〜250,000Pa-sの間の粘 度を有し、34℃、剪断速度0.1秒-1で約20,000〜100,000Pa -sの間の粘度を有する、3)前記組成物が、34℃、0.10rad/秒で約 0.4〜1の間のtanδ値を有し、34℃、10rad/秒で約1〜2.5の間 のtanδ値を有し、21℃、0.10rad/秒で約1〜1.7の間のtanδ値を 有し、21℃、10rad/秒で約1〜5の間のtanδ値を有する、を有するの に十分な量で提供される。 本発明の別の態様で、上述の組成物は、好ましくは、添加された水を実質的に 含まず、好ましくは、2週間で、組成物100g当たり、少なくとも約1.5g の水という「給水値」を有する。 本発明の詳細な説明 本発明で、優れた取扱特性を有する材料が提供される。歯科医が、歯の修復用 充填材材料に関して必要なことを調査したところ、その回答は、充填材材料に最 も重要な必要なことは、優れた取扱特性を有することであった。充填材材料にお ける優れた取扱特性は、歯の修復を実施する際の時間節約と言い換えられる。本 発明で、このクラスの歯の修復用充填材は、スランプを示さず、しかもキャビテ ィ標本に容易に適合し、容易に輪郭がとれてフェザーリングしやすく、留置器具 にくっつかず、総体的に、歯構造の修復に迅速且つ容易に使用される。この斬新 な歯科用組成物または物品は、親水性であり且つ湿気の多い口腔環境で適合する 。本発明の組成物は、一般に、留置に続いて原位置で硬化するためのものである 。 「スランプ」は、重力の作用を受けて流れる現象を指す。歯科医は、口内に留 置して輪郭をとった後、材料が硬化するまで、与えられた形状が不変のままであ ることを望むため、歯の修復用充填材はスランプしないことが好ましい。十分に 高い降伏応力を有する材料はスランプしない、すなわち、重力という応力を受け て流れない。材料の降伏応力は、材料を流れさせるのに要する最小応力であり、 Rheology Principles,Measurements,and Applications,C.W.Macosko,VCH Publishers,Inc.,New York,1994,p.92に記載されている。重力による応力 が、材料の降伏応力より小さければ、材料は流れない。重力による応力は、留置 される修復用充填材材料の質量および形状によって異なる。歯の修復用充填材材 料の降伏応力は、あらゆるタイプおよびサイズのキャビティ標本内で材料が崩れ 落ちないほど十分に高いことが望ましい。25℃で約3000〜9000Paの 間の降伏応力を有し、34℃で約2500〜5000Paの間の降伏応力を有す るクラスの歯の修復用充填材は、室温でも口腔温度でもスラ ンプしないことが確認されている。34℃、0.01秒-1の剪断速度で約80, 000〜250,000Pa-sの間の粘度を有する材料は、キャビティ標本に 適合しやすい。 「輪郭をとる」は、修復用充填材材料が生来の歯の構造に似ているように、歯 科用器具で修復用充填材材料を形作る工程を指す。輪郭をとりやすいためには、 材料は、歯科用器具で操作した後、その形状を維持できるほど十分に高い粘度を 持たなければならず、なおかつ、その粘度は、材料を形作るのが困難なほど高く てはならない。輪郭をとりやすいためには、材料は留置器具にくっついてはなら ず、さもなければ、器具を外すとき、形状が変化する。34℃、0.001秒-1 で約100,000〜500,000Pa-sの間の粘度を有するクラスの材料 は、粘着性であったり流れやかったりせず、輪郭をとりやすい。 「フェザーリング」は、修復用充填材材料を生来の歯の状態に調和させるため に、材料を薄いフィルムにする工程を指す。これは、修復歯列および生来の歯列 の縁で、歯科用器具を用いて行われる。意外なことに、34℃、剪断速度0.1 秒-1で、約20,000〜100,000Pa-sの間の粘度を有する材料は、 フェザーリングしやすい。 歯の修復用充填材の取扱特性を特性化する別の有用な方法は、動的流動学的測 定である。これらの測定は、歯の修復用充填材材料のような粘弾性材料における 流体挙動と固体挙動のバランスを定量化するのに有用である。これらの測定(Ma cosko,121ページに詳細に説明されている)で、材料に、低振幅のシヌソイド( γ)を加え、結果として生じるるシヌソイド応力(τ)を測定する。応力の波は 、加えた歪の波と同じ振動数のものであるが、一般に、位相角δだけ移動してい る。(スチールのような)純粋な固体材料の場合、 応力の波と歪の波は位相が同じでδ=0°である。(水やグセリンのような)液 体材料の場合、応力の波と歪の波は完全に位相がずれており、δ=90°である 。0<δ<90°である材料は、粘弾性と呼ばれ、粘性(液体)と弾性(固体) の両者を有することを意味する。0<δ<45°である材料は粘弾性固体と呼ば れ、液体様よりも固体様であることを意味する。同様に、45<δ<90°であ る材料は粘弾性液体と呼ばれ、固体様よりも液体様であることを意味する。 動的流動学的測定における応力の振幅(τO)と歪の振幅(γO)の比率は、複 雑な係数G*である。G*は、加えた歪と同位相の成分および位相がずれた成分を それぞれ分けることによって、材料における固体様挙動および液体様挙動材料に よる寄与に分解することができる。弾性係数G'は、与えられた歪と同位相であ るG*の成分であって、G*cosδと同じである。粘性係数G''は、与えられた歪 と位相がずれたG*の成分であって、G*sinδと同じである。粘性係数と弾性係 数との比率G''/G'は、tanδであり、材料の固体様性質と液体様性質とのバラ ンスの尺度である。tanδ<1である材料は粘弾性固体である。tanδ>1である 材料は粘弾性液体である。 これらの動的流動学的測定では、材料の構造を精査し且つ破壊しないように、 使用する歪が十分に小さいことが重要である。歪の選択がG*、G'、およびG'' の値に影響しなければ、歪は十分に小さい。これが該当するとき、材料の「直線 的粘弾性領域」で測定が行われる。 動的流動学的測定における振動数と定常剪断測定における剪断速度との間に関 連がある。これは、(スランプや輪郭とりのような)低剪断速度工程での材料の 動き方を特性化するとき、動的流動学的 測定で低振動数を使用すべきであることを意味する。同様に、(キャビティ標本 の充填やフェザーリングのような)高剪断速度工程での材料の動き方を特性化す るとき、動的流動学的測定で高振動数を使用すべきである。 思いもよらず、特定の範囲のtanδが非常に優れた取扱性を提供することを我 々は発見した。本発明における歯の修復用充填材のクラスを、口腔温度で且つ低 振動数で動揺させたとき、粘弾性固体である、すなわち、0.10rad/秒且 つ34℃で、粘性係数(G'')と弾性係数(G')との比率、すなわち、tanδは 、約0.4〜1の間である。0.10rad/秒且つ34℃でδ値が約0.4〜 1.0の間の材料は、輪郭をとりやすく、スランプを示さないことが確認されて いる。口腔温度且つ高振動数、すなわち、34℃、10rad/秒で、これらの 材料は、約1〜2.5の間のtanδ値を有する。34℃、10rad/秒で約1 〜2.5の間のtanδ値を有する材料は、キャビティ標本に適合しやすく、且つ フェザーリングしやすい。意外なことに、複合材料を環境条件から口腔環境に移 しやすいためには、これらの複合材料は、さらに、室温(約21℃)且つ0.1 0rad/秒で、約1〜1.7の間のtanδ値、および10rad/秒且つ室温 で約1〜5の間のtanδ値を有することが好ましいことが確認されている。 さらに、本発明の実施形態は、非水性系歯科用材料が低フッ化物放出性である という不都合を克服し、しかも高機械的強度の硬化した系を提供する。 本発明の場合、用語「加えられた水を実質的に含まない」は、組成物が非錯形 成または配位結合した実体として意図して加えられた水を含まないことを意味す る。多くの諸材料、たとえば、金属やガラスは、大気から吸収される水か、また はその通常の状態で配位錯 体として存在する水を含むと考えられる。吸湿性材料によって吸収される水や、 水和物として存在する水が、本明細書に記載の組成物に存在しても差し支えない 。組成物に存在する水は、起源に関係無く、水が組成物の長期性質に悪影響を及 ぼすような量で存在してはならない。たとえば、水は、酸反応性充填剤と酸性成 分との反応を促進して、商業的に必要な保存期問中に材料の塊状物や粒状物が発 生する量で存在してはならない。 本組成物の重合可能成分は、重合可能な基を含有する化合物であって、モノマ ー、オリゴマーまたはポリマーであってもよい。これらの重合可能な基は、遊離 基重合可能基、陽イオン重合可能基、またはそれらの混合物であってもよい。好 ましくは、重合可能な化合物は、約100〜5000の間の分子量を有し、さら に好ましくは、約300〜1000の間の分子量を有する。より高分子量の重合 可能な物質とより低分子量の重合可能な物質の両者の混合物も、最終的な硬化し た材料の取扱特性および物理的性質において、特別な利益を提供すると考えられ る。本発明の好ましい態様で、重合可能な物質のうち少なくとも幾つかは、総合 的な未硬化材料の粘度低下作用に役立つように、組成物の他の成分よりも粘度が 比較的低い。好ましくは、重合可能な物質の少なくとも幾つかは、約2Pa-s 未満、さらに好ましくは約0.5Pa-s未満、最も好ましくは約0.3Pa-s 未満の粘度を有する。このような粘度特性を示す材料の配合物も望ましい。 重合可能成分を提供する好ましい材料は、アクリル酸またはメタクリル酸のエ ステル類である。こうした化合物の例は、メチルアクリレート、メチルメタクリ レート、エチルアクリレート、エチルメタリレート、プロピルアクリレート、プ ロピルメタリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタリレート、 2−ヒドロキ シエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタリレート(「HEMA」)、 ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタリレート、テトラヒ ドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、グリシ ジルアクリレート、グリシジルメタリレート、ビスフェノールAのジグリシジル メタクリレート(「Bis−GMA」)、グリセロールモノアクリレート、グリ セロールジアクリレート、グリセロールモノメタクリレート、グリセロールジメ タクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタ クリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート(反復エチレンオキシド単 位数は2〜30まで様々である)、ポリエチレングリコールジメタクリレート[ 反復エチレンオキシド単位数は2〜30まで様々である、特にトリエチレングリ コールジメタクリレート(「TEGDMA」)]、ネオペンチルグリコールジア クリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパ ントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリ トリトールおよびジペンタエリトリトールのモノ−、ジ−、トリ−、およびテト ラ−アクリレートおよびメタリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート 、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオ−ルジアクリ レート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオール ジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレートジ−2−メタクリ ロイルオキシエチルヘキサメチレンジカルバメート、ジ−2−メタクリロイルオ キシエチルトリメチルヘキサメチレンジカルバメート、ジ−2−メタクリロイル オキシエチルジメチルベンゼンジカルバメート、メチレン−ビス−2−メタクリ ルオキシエチル−4−シクロヘキシルカルバメート、ジ−2−メタクリルオキシ エチル−ジメチルシクロヘキサンジカルバメ ート、ジ−1−メチル−2−メタクリルオキシエチル−トリメチルヘキサメチレ ンジカルバメート、ジ−1−メチル−2−メタクリルオキシエチル−ジメチルベ ンゼンジカルバメート、ジ−1−メチル−2−メタクリルオキシエチル−ジメチ ルシクロヘキサンジカルバメート、メチレン−ビス−1−メチル−2−メタクリ ルオキシエチル−4−シクロヘキシルカルバメート、ジ−1−クロロメチル−2 −メタクリルオキシエチル−ヘキサメチレンジカルバメート、ジ−1−クロロメ チル−2−メタクリルオキシエチルートリメチルヘキサメチレンジカルバメート 、ジ−1−クロロメチル−2−メタクリルオキシエチル−ジメチルベンゼンジカ ルバメート、ジ−1−クロロメチル−2−メタクリルオキシエチル−ジメチルシ クロヘキサンジカルバメート、ジ−1−メチレン−2−メタクリルオキシエチル −ヘキサメチレンジカルバメート、ジ−b1−クロロメチル−2−メタクリルオ キシエチル−ヘキサメチレンジカルバメート、メチレン−ビス−1−クロロメチ ル−2−メタクリルオキシエチル−4−シクロヘキシルカルバメート、2,2' −ビス(4−メタクリルオキシフェニル)プロパン、2,2'ビス(4−アクリ ルオキシフェニル)プロパン、2,2'−ビス[4(2−ヒドロキシ−3−メタ クリルオキシ−フェニル)]プロパン、2,2'−ビス[4(2−ヒドロキシ− 3−アクリルオキシフェニル)プロパン、2,2'−ビス(4−メタクリルオキ シエトキシフェニル)プロパン、2,2'−ビス(4−アクリルオキシエトキシ フェニル)プロパン、2,2'−ビス(4−メタクリルオキシプロポキシフェニ ル)プロパン、2,2'−ビス(4−アクリルオキシプロポキシフェニル)プロ パン、2,2'−ビス(4−メタクリルオキシジエトキシフェニル)プロパン、 2,2'−ビス(4−アクリルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2'− ビス[3(4−フェノキシ)−2−ヒド ロキシプロパン−1−メタクリレート]プロパン、2,2'−ビス[3(4−フ ェノキシ)−2−ヒドロキシプロパン−1−アクリレート]プロパン等々である 。 その他の好ましい重合可能成分は、置換されたアクリルアミド類およびメタク リルアミド類であてもよい。例としては、アクリルアミド、メチレンビス−アク リルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、ジアセトン/アクリルアミドジ アセトンメタクリルアミド、アルキルが、炭素原子を1〜6個有する低級ヒドロ カルビル単位であるN−アルキルアクリルアミドおよびN−アルキルメタクリル アミドなどが挙げられる。重合可能成分のその他の適当な例は、イソプロペニル オキサゾリン、ビニルアザラクトン、ビニルピロリドン、スチレン、ジビニルベ ンゼン、ウレタンアクリレート類、ウレタンメタリレート類、エポキシアクリレ ート類、エポキシメタリレート類、ポリオールアクリレート類、およびポリオー ルメタリレート類などがある。 あるいは、重合可能成分は、陽イオン的に硬化した材料、たとえば、エポキシ 材料、オキセタン類、オキソラン類、與状アセタール類、ラクタム類、ラクトン 、およびビニルエーテルまたは環内にO原子を含有するスピロ環状化合物であっ てもよい。 本発明の組成物に有用な陽イオン的に重合可能なエポキシ樹脂は、開環によっ て重合可能なオキシラン環、すなわち、 を有する有機化合物を含む。このような物質は、広くエポキシドと呼ばれ、モノ マーのエポキシ化合物およびポリマータイプのエポキ シドが含まれ、脂肪族、脂環式、芳香族または複素環式であってもよい。これら の物質は、一般に、平均で分子当たり少なくとも1個の重合可能なエポキシ基を 有し、好ましくは分子当たり少なくとも約1.5個の重合可能なエポキシ基を有 する。重合体のエポキシドとしては、末端エポキシ基を有する線状ポリマー(た とえば、ポリオキシアルキレンのグリコールジグリシジルエーテル)、骨格オキ シラン単位を有するポリマー(たとえば、ポリブタジエンポリエポキシド)、お よびペンデントエポキシ基を有するポリマー(たとえば、グリシジルメタリレー トポリマーまたはコポリマー)などがある。エポキシドは、純粋な化合物であっ てもよく、分子当たり1個または2個以上のエポキシ基を含有する混合物であっ てもよい。分子当たりの「平均」エポキシ基数は、エポキシ含有物質中のエポキ シ基総数を、存在するエポキシ分子総数で割ることによって求められる。 これらのエポキシ含有物質は、低分子量モノマー物質から高分子量ポリマーま で様々であってもよく、それらの主鎖および置換基の性質は大きく変化してもよ い。たとえば、主鎖は任意のタイプであってもよく、その上の置換基は、室温で の陽イオン硬化を実質的に妨げない任意の基であってもよい。許容される置換基 の具体例としては、ハロゲン類、エステル基、エーテル類、スルホネート基、シ ロキサン基、ニトロ基、ホスフェート基等々がある。エポキシ−含有材料の分子 量は、約58から約100,000以上まで様々であってもよい。 有用なエポキシ−含有材料として、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル− 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−2−メ チルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−2−メチルシクロヘキサンカル ボキシレート、およびビス (3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペートで代表され るエポキシシクロヘキサンカルボキシレートのようなシクロヘキセンオキシド基 を含むものが挙げられる。この種の有用なエポキシドのさらに詳細なリストにつ いては、米国特許第3,117,099号(参照により本明細書に引用する)を 参照されたい。 本発明の実行に特有用なさらなるエポキシ含有物質としては、次式(式中、R1はアルキルまたはアリールであり、nは1〜6の整数である)で表 されるグリシジルエーテルモノマーなどがある。例は、多価フェノールと過剰の クロロヒドリン、たとえば、エピクロロヒドリンとの反応によって得られる多価 フェノール類のグリシジルエーテル類(たとえば、2,2−ビス−(2,3−エ ポキシプロポキシフェノール)−プロパンのジグリシジルエーテル)。本発明の 実行に使用することができるこのタイプのエポキシドのさらなる例は、米国特許 第3,018,262号(参照により本明細書に引用する)およびLee and Nevi lleによる「Handbook of Epoxy Resins」、McGraw-Hill Book Co.,New York(19 67)に記載されている。 本発明で使用することができるエポキシ樹脂は数多く市販されている。特に、 容易に入手できるエポキシドとしては、オクタデシレンオキシド、エピクロロヒ ドリン、スチレンオキシド、ビニルシク ロヘキセンオキシド、グリシドール、グリシジルメタクリレート、ビスフェノー ルAのジグリシジルエーテル(たとえば、Shell Chemical Co.の「EPON 8 28」、「EPON 825」、「EPON 1004」の商品名でShell Chem ical Co.から、また「EPON 1010」、「DER−331」、「DER− 332」、および「DER−334」の商品名でDow Chemical Co.から市販され ている)、ビニルシクロヘキセンジオキシド(たとえば、Union Carbide Corp. の「ERL−4206」)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4− エポキシシクロヘキセンカルボキシレート(たとえば、Union Carbide Corp.の 「ERL−4221」または「UVR6110」または「UVR6105」)、 3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−6− メチル−シクロヘキセンカルボキシレート(たとえば、Union Carbide Corp.の 「ERL−4201」)、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル メチル)アジペート(たとえば、Union Carbide Corp.の「ERL−4289」 )、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル(たとえば、Union Carb ide Corp.の「ERL−0440」)、ポリプロピレングリコールで改質した脂 肪族エポキシ(たとえば、Union Carbide Corp.の「ERL−4050」および 「ERL−4052」)、ジペンテンジオキシド(たとえば、Union Carbide Co rp.の「ERL−4269」)、エポキシ化ポリブタジエン(たとえば、FMC Cor p.の「Oxiron 2001」)、エポキシ官能基含有シリコーン樹脂、難燃 性エポキシ樹脂(たとえば、Dow Chemical Co.から市販されている臭素化ビスフ ェノールタイプのエポキシ樹脂である「DER−580」)、フェノールホルム アルデヒドノボラックの1,4−ブタン ジオールジグリシジルエーテル(たとえば、Dow Chemical co.の「DEN−43 1」「DEN−438」)、およびレゾルシノールジグリシジルエーテル(たと えば、Koppers Company,Inc.の「Kopoxite」)、ビス(3,4−エポキ シシクロヘキシル)アジペート(たとえば、Union Carbide Corp.の「ERL− 4299」または「UVR−6128」)、2−(3,4−エポキシシクロヘキ シル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン (たとえば、Union Carbide Corp.の「ERL−4234」)、ビニルシクロヘ キセンモノオキシド(Union Carbide Corp.)、1,2−エポキシヘキサデカン (たとえば、Union Carbide Corp.の「UVR−6216」)、アルキルC8−C10 グリシジルエーテルのようなアルキルグリシジルエーテル(たとえば、Shell Chemical Co.の「HELOXY Modifier 7」)、アルキルC12−C14 グリシジルエーテル(たとえば、Shell Chemical Co.の「HELOXY Mo difier 8」)、ブチルグリシジルエーテル(たとえば、Shell Chemical Co.の「HELOXY Modifier 61」)、クレジルグリシジルエ ーテル(たとえば、Shell Chemical Co.の「HELOXY Modifier6 2」Shell Chemical Co.)、p−tertブチルフェニルグリシジルエーテル(たと えば、Shell Chemical Co.の「HELOXY Modifier 65」)、1 ,4−ブタンジオールのジグリシジルエーテルのような多官能価グリシジルエー テル(たとえば、Shell Chemical Co.の「HELOXY Modifier 6 7」)、ネオペンチルグリコールのジグリシジルエーテル(たとえば、Shell Ch emical Co.の「HELOXY Modifier 68」)、シクロヘキサン ジメタノールのジグリシジルエーテル(たとえば、Shell Chemical Co.の「HE LOXY Modifier 107」)、トリメチロールエタントリグリシジ ルエーテル(たとえば、Shell Chemical Co.の「HELOXY Modifie r 44」)、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル(たとえば、Sh ell Chemical Co.の「HELOXY Modifier 48」)、脂肪族ポリ オールのポリグリシジルエーテル(たとえば、Shell Chemical Co.の「HELO XY Modifier 84」)、ポリグリコールジエポキシド(たとえば、S hell Chemical Co.の「HELOXY Modifier 32」)、ビスフェ ノールFエポキシド類(たとえば、Ciba-Geigy Corp.の「EPN−1138」ま たは「GY−281」)、9,9−ビス[4−(2,3−エポキシプロポキシ) −フェニル]フルオレノン(たとえば、Shell Chemical Co.の「EPON 10 79」)などがある。 さらに他のエポキシ樹脂は、アクリル酸エステル類またはグリシジルアクリレ ートやグリシジルメタクリレートのようなグリシドールと、1つまたは複数の共 重合可能なビニル化合物とのコポリマーを含む。このようなコポリマーの例は、 1:1スチレン−グリシジルメタクリレート、1:1メチルメタクリレート−グ リシジルアクリレートおよび62.5:24:13.5メチルメタクリレート− エチルアクリレート−グリシジルメタクリレートである。 その他の有用なエポキシ樹脂は周知であり、エピクロロヒドリン類、たとえば 、エピクロロヒドリン、アルキレンオキシド類、たとえば、プロピレンオキシド 、スチレンオキシド、アルケニルオキシド類、たとえば、ブタジエンオキシド、 グリシジルエステル類、たとえば、エチルグリシデートのようなエポキシドを含 む。 エポキシ樹脂のポリマーは、場合に応じて、室温での硬化を実質的に妨げない その他の官能基を含んでもよい。 様々なエポキシ含有物質の配合物を、本発明で特に考える。このような配合物 は、2種以上の分子量分布のエポキシ含有化合物、たとえば、低分子量(200 未満)と、中間分子量(約200〜10,000)と、それより高分子量(約1 0,000を超える)のエポキシ含有化合物を含む。あるいは、または、さらに 、エポキシ樹脂は異なる化学的性質(たとえば脂肪族と芳香族)または官能性( たとえば極性と無極性)を有するエポキシ含有物質の配合物を含んでもよい。他 の陽イオン重合可能ポリマーを、さらに組み込んでもよい。特に好ましいエポキ シ含有する組成物は、ヒドロキシル官能基を有する物質も含む。 遊離基重合した成分と陽イオン重合した成分の両者を含有するハイブリッド系 を含む、重合可能物質の混合物も考えられる。 本発明の歯科用組成物は、場合に応じて、フッ化物放出材料を含んでもよい。 本発明のフッ化物放出材料は、天然または合成のフッ化物鉱物、フルオロアル ミノシリケートガラスのようなフッ化ガラス、無機フッ化物単塩および錯塩、有 機フッ化物単塩および錯塩、またはそれらの組合せであってもよい。場合に応じ て、これらのフッ化物起源を表面処理剤で処理することも可能である。 フッ化物放出材料は、場合に応じて、式 M(G)g(F)n または M(G)g(ZFm)n (式中、Mは、陽イオン種を形成することができ、且つ2以上の原子価を有する 元素を表し、 Gは、元素Mと錯体を形成することができる有機キレート化部分であり、 Zは、水素、ホウ素、窒素、リン、イオウ、アンチモン、ヒ素であり、 Fはフッ化物原子であり、 g、mおよびnは少なくとも1である) で表される金属錯体であってもよい。 好ましいM元素の例は、周期表のIIA族、IIIA族、IVA族の金属、および遷 移金属元素および内部遷移金属元素である。具体例としては、Ca+2、Mg+2、 Sr+2、Zn+2、Al+3、Zr+4、Sn+2、Yb+3、Y+3、Sn+4などがある。 最も好ましいMはZn+2である。 上記のG基は、有機キレート化部分である。この化部分は、重合可能基を含ん でも含まなくてもよい。絶対に必要ではないが、キレート化部分が組み込まれる 重合可能なマトリックスの反応性と釣り合う重合可能な官能基を、キレート化部 分が含むことが、好都合な場合もある。 広範囲のキレート化部分を本発明で使用することが可能である。金属イオンが 4〜8員の環構造で結合しているキレートが好ましく、5〜7員環キレートが特 に好ましい。本発明で有用なキレート類は、多座配位であり、好ましくは、二座 配位、三座配位、または四座配位である。ヒドロキシル基またはカルボキシ基ま たは両者を含有するキレート類は、さらに特に好ましい。このようなキレート化 剤は、酒石酸、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸、サリチル酸、ヒドロキシ安 息香酸、ヒドロキシ酒石酸、ニトリロ三酢酸、サリチル酸、メリット酸、および ポリグリコール類である。リン、ホウ素またはイオウに由来する1つまたは複数 の酸基を含有するキレート類も使用することができるが、但し、キレート化剤の 分子量は約1000 未満である。特に適した金属キレートの例としては、β-ジケトンおよびβ-ケト エステルの錯体などがある。 重合可能な金属−フッ化物キレートは、好ましくは、そのキレートが組み込ま れる対象である重合可能なマトリックスの反応性と釣り合う1つまたは複数の重 合可能基を含む。上に略述したキレート化官能性に加えて、これらの錯体は、エ チレン的不飽和基、エポキシ基、エチレンイミン基等々を含む。 好ましいG基としては、ナトリウムトリポリリン酸塩やヘキサメタリン酸のよ うなポリリン酸塩類、エチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジア ミン三酢酸、ニトリロ三酢酸、N−ジヒドロキシエチルグリシンおよびエチレン ビス(ヒドロキシフェニルグリシン)のようなアミノカルボン酸類、アセチルア セトン、トリフルオロアセチルアセトンおよびテノイルトリフルオロアセトンの ような1,3−ジケトン類、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、グルコン酸、および 5−スルホサリチル酸のようなヒドロキシカルボン酸類、エチレンジアミン、ト リエチレンテトラミンおよびトリアミノトリエチルアミンのようなポリアミン類 、トリエタノールアミンやN−ヒドロキシエチルエチレンジアミンのようなアミ ノアルコール類、ジピリジルやo−フェナントロリンのような芳香族複素環式塩 基類、サリチルアルデヒド、ジスルホピロカテコールおよびクロモトロプ酸のよ うなフェノール類、オキシン、8−ヒドロキシキノリンおよびオキシンスルホン 酸のようなアミノフェノール類、ジメチルグリオキシムやサリチルアルドキシム ヒドロキサム酸およびその誘導体のようなオキシム類、ジサリチルアルデヒド1 ,2−プロピレンジイミンのようなシッフ塩基、テトラフェニルポルフィンやフ タロシアニンのようなテトラピロール、トルエンジチオール(ジチオール)ジメ ルカプトプロパノール、チオグリコール酸、エチルキ サントゲン酸カリウム、ナトリウムジエチルジチオカルバメート、ジチゾン、ジ エチルジチオリン酸およびチオ尿素のようなイオウ化合物、ジベンゾ[18]ク ラウン−6、(CH36[14]4,11−ジエンN4および2.2.2−クリ プテート)のような合成の大環状化合物、ポリエチレンイミン、ポリメタクリロ イルアセトンおよびポリ(p−ビニルベンジルイミノジ酢酸)のようなポリマー 化合物、およびニトリロトリメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メ チレンホスホン酸)およびヒドロキシエチリデンジホスホン酸などがある。 特に好ましいG基は、以下の式: で表される化合物である。 フッ化物は、対イオンまたは配位子のいずれかとして、錯金属と会合している 。したがって、上記の表示(YF)は、フッ化物が錯体としてY基と会合してお り、次には、対イオンまたは配位子として、金属と会合していることを示す。 本発明の特に好ましい組成物は、少なくとも2種の起源のフッ化物を含む。第 1の起源は、上述のようなフッ化物含有金属錯体である。第2の起源は、フッ化 物放出フルオロアルミノシリケートガラスである。両材料を使用すると、初期に も組成物を長期にわたって使用しても、優れたフッ化物放出が実現される。 親水性成分を、モノマー、オリゴマーまたはポリマーとして、提供することが できる。親水性成分は、線状ホモポリマーまたはコポリマーのいずれかとして提 供されることが好ましく、そのいずれも、場合に応じて、僅かに架橋されていて もよい。この親水性成分は、約3重量%の濃度で水中で混合できるか、またはポ リマー100g当たり少なくとも2gの水を吸収できることが好ましい。場合に 応じて、親水性成分は、原位置で重合されて親水性吸水性ポリマーになる、親水 性モノマーであってもよい。約5,000〜500,000の間の分子量を有す る親水性成分が好ましい。約5,000〜100,000の分子量を有する親水 性成分が最も好ましい。 多くの場合、酸性官能性を含有する化合物は本質的に親水性である。このよう な化合物は、上記親水性特性を満たせば、本発明で有 用である。しかし、本発明で使用するのに好ましい親水性成分は、その親水性特 性の少なくとも一部分は、非酸性官能性によって提供される。したがって、本発 明で使用するのに好ましい親水性化合物は、酸性官能性と非酸性親水性官能性と を含み、本発明で使用するのに最も好ましい親水性化合物は酸性官能性を全く含 まない。 親水性成分の例としては、ピロリドンのようなモノマーまたはポリマー、ヒド ロキシ基およびポリエーテル基を含有する部分、スルホネート基(SO3)を含 有する部分、スルホン基(SO2)を含有する部分、N−オキシスクシンイミド 、N−ビニルアセトアミドおよびアクリルアミドなどがある。 好ましい親水性成分のさらに具体的な例は、非イオン性ポリマーまたはコポリ マー、たとえば、ポリアルキレンオキシド類(ポリオキシメチレン、ポリエチレ ンオキシド、ポリプロピレンオキシド)ポリエーテル類(ポリビニルメチルエー テル)、ポリエチレンイミンコポリマー、ポリアクリルアミド、ポリメタクリル アミド、ポリビニルアルコール、鹸化ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、 ポリビニルオキサゾリドン、N−オキシスクシンイミド基を含有するポリマー、 イオン化しておらず、部分的に中和されたか完全に中和された形態にあるポリア クリル酸、ポリメタクリル酸を含有するイオン性およびイオン化可能なポリマー およびコポリマー、ポリエチレンイミンおよびその塩類、イオン化しておらず、 部分的に中和されたか完全に中和された形態にあるポリエチレンスルホン酸類お よびポリアリールスルホン酸類、イオン化しておらず、部分的に中和されたか完 全に中和された形態にあるポリリン酸およびホスホン酸などがある。 一般に、極性基を有するあらゆる化合物が、組成物に親水性を提供することが できる。酸性であるか、塩基性であるか、または塩と して提供される極性基を含むビニルモノマー、たとえば、アクリル酸エステル類 、メタクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、イタコン酸エステル類等々 の反応によって、好ましい親水性化合物を調製することが可能である。これらの 基は、イオン性または中性であってもよい。 極性または極性化可能な基としては、中性基、たとえば、ヒドロキシ、チオ、 置換されたまたは未置換の環状エーテル類(たとえば、オキサン類、オキセタン 類、フラン類およびピラン類)、塩基性基(たとえば、ホスフィン類、および第 一級、第二級および第三級アミンを含むアミン類)、酸性基(たとえば、C、S 、P、Bのオキシ酸類およびチオオキシ酸)およびイオン性基(たとえば、第四 級アンモニウム、カルボン酸塩、スルホン酸塩等々)およびこれらの基の前駆体 および保護された形などがある。このような基のさらに具体的な例を後述する。 親水性成分は、一般式: CH2=CR2G-(COOH)d (式中、R2は、H、メチル、エチル、シアノ、カルボキシまたはカルボキシメ チルであり、dは1〜5であり、Gは、結合、または、場合に応じて、置換され たまたは未置換のヘテロ原子(たとえば、O、S、NおよびP)で置換され且つ /または中断された、原子価がd+1の、炭素原子を1〜12個含有するヒドロ カルビル遊離基結合基である)で表される分子を含有する、一官能価カルボキシ ル基または多官能価カルボキシル基から誘導することができる。 場合に応じて、この単位は塩の形で提供されてもよい。このクラス内の好まし いモノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸およびN−アクリロイル グリシンである。 親水性成分は、たとえば、一般式: CH2=CR2-CO-L-R3-(OH)d (式中、R2はH、メチル、エチル、シアノ、カルボキシまたはカルボキシアル キルであり、LはO、NHであり、dは1〜5であり、R3は、炭素原子を1〜 12個含有する、原子価がd+1の、ヒドロカルビル遊離基である)で表される 分子を含有する一官能価または多官能価ヒドロキシ基から誘導することができる 。このクラス内の好ましいモノマーは、ヒドロキシエチル(メト)アクリレート 、ヒドロキシプロピル(メト)アクリレート、ヒドロキシブチル(メト)アクリ レート、グリセロールモノ(メト)アクリレート、トリs(ヒドロキシメチル) エタンモノアクリレート、ペンタエリトリトールモノ(メト)アクリレート、N −ヒドロキシメチル(メト)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メト)アクリ ルアミドおよびヒドロキシプロピル(メト)アクリルアミドである。 あるいは、親水性成分を一般式: CH2=CR2-CO-L-R3-(NR4R5)d (式中、R2、L、R3、およびdは上記の通りであり、R4およびR5は、Hであ るか、または炭素原子を1〜12個有するアルキル基であるか、あるいはそれら は一緒に炭素環式基または複素環式 基を構成する)で表される分子を含有する、一官能価または多官能価アミノ基か ら誘導することができる。このクラス内の好ましいモノマーは、アミノエチル( メト)アクリレート、アミノプロピル(メト)アクリレート、N,N−ジメチル アミノエチル(メト)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メト)ア クリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メト)アクリルアミド、N−イ ソプロピルアミノプロピル(メト)アクリルアミドおよび4−メチル−1−アク リロイル−ピペラジンである。 親水性成分は、アルコキシ置換(メト)アクリレートまたは(メト)アクリル アミド、たとえば、メトキシエチル(メト)アクリレート、2(2−エトキシエ トキシ)エチル(メト)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メト)ア クリレートまたはポリプロピレングリコールモノ(メト)アクリレートから誘導 することもできる。 親水性成分は、一般式: CH2=CR2-CO-L-R3-(NR4R5R6)dQ- (式中、R2、R3、R4、R5、Lおよびdは上記の通りであり、R6は、Hであ るか、または炭素原子を1〜12個有するアルキルであり、Q-は有機または無 機陰イオンである)で表される置換されたまたは未置換のアンモニウムモノマー から誘導することができる。このようなモノマーの好ましい例は、2−N,N, N−トリメチルアンモニウムエチル(メト)アクリレート、2−N,N,N−ト リエチルアンモニウムエチル(メト)アクリレート、3−N,N,N−トリメチ ルアンモニウムプロピル(メト)アクリレート、N(2−N',N',N'−トリ メチルアンモニウム)エチル(メト) アクリルアミド、N−(ジメチルヒドロキシエチルアンモニウム)プロピル(メ ト)アクリルアミドなどであり、対イオンは、フッ化物、塩化物、臭化物、アセ テート、プロピオネート、ルレート、パルキテート、ステアレートなどであって もよい。モノマーは、有機または無機の対イオンのN,N−ジメチルジアリルア ンモニウム塩であってもよい。 上記アミノ基含有するモノマーのいずれかを親水性成分として使用し、得られ たポリマーを、実質的にペンダントアミノ基に陽子が付加されるpHまで、有機 酸または無機酸で酸性化することにより、アンモニウム含有ポリマーを調製する こともできる。上述のアミノポリマーをアルキル化基でアルキル化することによ り、全て置換されたアンモニウム基含有ポリマーを調製することができ、この方 法は、メンシュトキン(Menschutkin)反応として、当技術分野で周知である。 本発明の親水性成分を、スルホン酸基含有モノマー、たとえば、ビニルスルホ ン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン 酸、アリルオキシベンゼンスルホン酸等々から誘導することもできる。あるいは 、親水性成分を、亜リン酸基またはホウ酸基を含有するモノマーから誘導するこ とができる。これらのモノマーを、陽子が付加された形でモノマーとして使用し 、得られた対応するポリマーを有機塩基または無機塩基で中性にして、塩形のポ リマーを生成することができる。 本発明の組成物は、使用中に組成物を重合できるように、1種または複数種の 適当な重合開始剤を含む。開始剤は、重合可能な物質の重合を開始できるように 選択される。すなわち、重合可能な物質が遊離基重合可能な物質であれば、その 開始剤は遊離基重合開始剤 である。同様に、重合可能な物質が陽イオン重合可能な物質であれば、その開始 剤は陽イオン重合開始剤である。 遊離基重合する本発明の組成物は、活性化されると遊離基の起源の役割を果た す、1つまたは複数の適当な光重合開始剤を含むことが好ましい。開始剤は、単 独で使用してもよく、1つまたは複数の促進剤および/または増感剤と併用して もよい。 光開始剤は、適当な波長且つ強度の光に曝露されると、エチレン的不飽和部分 の遊離基架橋を促進できなければならない。一般的な歯科条件で保存および使用 が可能なように、十分な貯蔵安定性があり、且つ望ましくない着色がないことも 好ましい。可視光線光開始剤が好ましい。光開始剤は、単独で使用できる場合が 多いが、一般に、適当な供与体化合物または適当な促進剤(たとえば、アミン類 、過酸化物、リン化合物、ケトン類およびα−ジケトン化合物)と併用される。 好ましい可視光線誘発性開始剤としては、ショウノウキノン(一般に、適当な 水素供与体、たとえば、アミンと併用される)、ジアリールヨードニウム単塩ま たは金属錯塩、発色団−置換ハロメチル−s−トリアジン類およびハロメチルオ キサジアゾールなどがある。特に好ましい可視光線誘発性光開始剤としては、水 素供与体(たとえば、ナトリウムベンゼンスルフィネート、アミン類、アミンア ルコール類)をさらに使用するか使用しない、α−ジケトン、たとえば、ショウ ノウキノンと、ジアリールヨードニウム塩、たとえば、ジフェニルヨードニウム 塩化物、臭化物、ヨウ化物またはヘキサフルオロホスフェートとの組合せである 。 好ましい紫外線誘発性重合開始剤としては、ベンジルやベンゾインのようなケ トン類、およびアシロイン、アシロインエーテル類がある。好ましい市販の紫外 線誘発性重合開始剤としては、2,2− ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(「IRGACURE 651」)お よびベンゾインメチルエーテル(2−メトキシ−2−フェニルアセトフェノン) などがあり、両者ともCiba-Geigy Corp.から入手できる。 光開始剤は、所望の光重合速度を実現するのに十分な量で存在しなければなら ない。この量は、光源、放射エネルギーに曝露される層の厚さ、および光開始剤 の吸光係数によって、ある程度異なる。一般に、光開始剤成分は、組成物の総重 量を基準にして、約0.01〜約5%、さらに好ましくは約0.1〜約5%、の 総重量で存在する。 本発明の組成物は、反応系を可視光線に曝露する必要なしに架橋反応を開始す るための重合反応の開始様式を、代わりに組み込んでもよい。重合反応を開始す るための好ましい様式は、酸化還元反応で歯科用組成物酸を硬化できるようにす る、酸化剤および還元剤を酸化還元触媒系と組み込むことである。米国特許第5 ,154,762号(その開示内容を参照により特別に本明細書に引用する)に は、様々な酸化還元系が記載されている。 酸化剤は、還元剤と反応するか、さもなければ還元剤と協力して、エチレン的 不飽和部分の重合を開始することができる遊離基を生成しなければならない。酸 化剤および還元剤は、一般的な歯科条件で保存および使用が可能なように、十分 な貯蔵安定性があり、且つ望ましくない着色がないことも好ましい。酸化剤およ び還元剤は、十分に溶解し、且つ十分な遊離基反応速度を可能にするのに十分な 量で存在しなければならない。エチレン的不飽和部分、酸化剤および還元剤を組 み合わせて、硬化した塊が得られるか否かを観察することにより、これを評価す ることができる。 適当な酸化剤としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニ ウムおよび過硫酸アルキルアンモニウムのような過硫酸塩、過酸化ベンゾイル、 ヒドロペルオキシド類、たとえば、クメンヒドロペルオキシド、tert−ブチルヒ ドロペルオキシド、tert−アミルヒドロペルオキシドおよび2,5−ジヒドロペ ルオキシ−2,5−ジメチルヘキサン、コバルト(III)および鉄(III)の塩類 、ヒドロキシルアミン、過ホウ酸およびその塩類、過マンガン酸陰イオンの塩類 、およびそれらの組合せなどがある。過酸化水素も使用することができるが、光 開始剤が存在すると、これを妨害する恐れがある場合もある。米国特許第5,1 54,762号に記載されているように、場合に応じて、カプセルに包まれた形 で酸化剤を提供してもよい。 好ましい還元剤としては、アミン類(好ましくは、芳香族アミン類)、アスコ ルビン酸、金属錯化アスコルビン酸、塩化コバルト(II)、塩化第一鉄、硫酸第 一鉄、ヒドラジン、ヒドロキシルアミン、シュウ酸、チオ尿素、および亜ジチオ ン酸塩、チオ硫酸塩、ベンセンスルフィネート、または亜硫酸塩陰イオンの塩類 などがある。 酸化還元開始剤系を光開始剤系に使用するとき、重合が望まれる前に、還元剤 が酸化剤と反応しないように注意しなければならない。一般に、酸化還元系を使 用するときは、2部形式で材料を提供することが必要である。光開始剤を使用す る1部歯科用組成物が好ましい。 陽イオン機序により重合する組成物の場合、適当な開始剤は、ジアリールヨー ドニウム塩、トリアリールスルホニウム塩およびアリールジアゾニウム塩のよう な陽イオンを生成することができる塩類を含む。このような系で電子供与体また は過酸化物を使用すること も、硬化速度および硬化強度を高めるのに有用である。たとえば、酸化剤を併用 してまたは併用せずに、オニウム塩または有機金属化合物によって、陽イオンお よび遊離基の同時光開始ができる。有機金属化合物は、光分解の際に結合切断を 受ける化合物から選択することができる。σ結合は、通常、金属−金属結合であ る。適当な有機金属化合物の例としては、ヨードニウム塩および過酸化物と組み 合わせた[CoFe(CO)22およびMn(CO)10などがある。 本発明の組成物の酸性成分は、分子量が約10,000未満のモノマー、オリ ゴマーまたはポリマーであり、且つ少なくとも1種の酸性基を含有する化合物に よって提供される。酸性基は、B、C、N、S、Pのオキシ酸またはチオ−オキ シ酸から選択されることが好ましい。さらに好ましくは、酸性成分は、Cまたは Pの酸である化合物である。たとえば、所望の酸を原位置で生成するために、必 要であれば、酸無水物のような酸の前駆体、たとえば、4−メタクリルオキシエ チルトリメリテート無水物(4−META)、またはエステルを、酸自身の代わ りに使用することができる。適当な酸としては、カルボン酸類、スルホン酸類、 およびフェノール類などがあり、カルボン酸類、アルキルスルホン酸類、アリー ルスルホン酸類、およびホスホン酸が好ましい。 適当な有機酸としては、酢酸、α-クロロプロピオン酸、2−アクリルアミド −2−メチルプロパンスルホン酸、アクリル酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸 、ブロモ酢酸、10−ショウノウキノン−スルホン酸、10−ショウノウスルホ ン酸、クロロ酢酸、シトラコン酸、クエン酸、ジブロモ酢酸、ジクロロ酢酸、1 ,2,4,5ベンゼンテトラカルボン酸のジ−Hemaエステル、2,4−ジニ トロフェノール、ギ酸、フマル酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシ ベンゾフェノン−5−スルホン酸、マレイン酸、メタクリル酸、2−ナフタレン スルホン酸、シュウ酸、p−ニトロフェノール、フェノール、亜リン酸エステル 類(たとえば、2,2'−ビス(a−メタクリルオキシ−b−ヒドロキシプロポ キシフェニル)プロパンジホスホネート(Bis−GMAジホスホネート)、ジ ブチルホスファイト、ジ−2−エチル−ヘキシルホスフェート、ジ−2−エチル −ヘキシルホスファイト、ヒドロキシエチルメタリレートモノホスフェート、グ リセリルジメタクリレートホスフェート、グリセリル−2−ホスフェート、グリ セリルリン酸、メタクリルオキシエチルホスフェート、ペンタエリトリトールト リアクリレートモノホスフェート、ペンタエリトリトールトリメタクリレートモ ノホスフェート、ジペンタエリトリトールペンタアクリレートモノホスフェート 、ジペンタエリトリトールペンタメタクリレートモノホスフェート)、ピバル酸 、プロピオン酸、トルエンスルホン酸、トリブロモ酢酸、トリクロロ酢酸、トリ フルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、およびトリヒドロキシ安息香酸 などがある。適当な無機酸としては、硝酸、リン酸、および硫酸などがある。要 望があれば、このような酸類の混合物も有用なことがある。好ましい酸は、反応 性ガラスと錯体を形成することができる酸である。 この混合物は、酸基、それらの塩類、またはそれらの反応性誘導基を含むが、 重合可能基を含まない他の化合物も、必要であれば含んでもよい。この場合に好 ましいものは、キレート化剤、たとえば、エチレンジアミン四酢酸、および特に それらの塩類に加えて、多塩基性酸、たとえば、酒石酸、クエン酸、メリット酸 、ポリカルボン酸、ポリリン酸、ポリホスホン酸、またはポリスルホン酸である 。 本発明の特に好ましい組成物は、組成物の重合可能成分の少なくとも一部およ び酸性成分の少なくとも一部が、同じ化学化合物によ って提供されるものである。このような化合物の例は、分子量が約50,000 未満であり、且つ少なくとも1種の酸性基および少なくとも1個の重合可能な基 を含有するモノマー、オリゴマーまたはポリマーである。好ましくは、これらの 化合物は、約300〜5000の間、さらに好ましくは約300〜1000の間 の分子量を有する。酸性基は、B、C、N、S、Pのオキシ酸類またはチオ−オ キシ酸類であってもよい。好ましくは、酸性基は、CまたはPの酸である。 これらの好ましい化合物は、構造(P)p--(Q)q--(R)r- によって表され、 式中、Pは、酸性官能性を含む主鎖であり、 Qは、硬化可能基、たとえば、アクリレート、メタリレート、エポキシな どを含む主鎖であり、 Rは、非反応性修飾単位の主鎖であり、 好ましくは、Qは、アクリレート硬化可能基またはメタリレート硬化可能基で ある。 特に好ましい酸基は、カルボン酸類、スルホン酸類、リン酸、ホスホン酸、お よびホウ酸類、前述の酸の塩類または歯科修復手技の間に遭遇する条件でこれら の酸に容易に変換される前述の酸の前駆体である。このような化合物の例は、ア クリロイル置換またはメタクリロイル置換ポリカルボン酸類、ヒドロキシエチル メタリレートのリン酸エステル類、ヒドロキシプロピルメタリレート、ペンタエ リトリトールジメタクリレートジペンタエリトリトールペンタ−アクリレートの アクリレート類およびメタリレート類およびグリセロールジメタクリレートであ る。 このような好ましい化合物の例としては、脂肪族カルボキシ化合物、たとえば 、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸 、アコニット酸、グルタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、tiglicinic acid 、2−クロロアクリル酸、3−クロロアクリル酸、2−ブロモアクリル酸、1− メタクリロイルマロン酸、1−アクリロイルリンゴ酸、アミノ酸類のN−メタク リロイル誘導体およびN−アクリロイル誘導体、およびエチレン的官能性でさら に官能基化されている酒石酸、クエン酸、リンゴ酸のような酸がある。たとえば 、アクリロイル官能基またはメタクリロイル官能基と置換することによって、ク エン酸をエチレン的に官能基化することができる。これらの重合可能基は、酸含 有化合物に直接結合することも可能であり、場合に応じて、結合基を介して結合 することも可能である。好ましい結合基としては、置換されたまたは未置換の、 アルキル基、アルコキシアルキル基、アリール基、アリールオキシアルキル基、 アルコキシアリール基、アラルキル基またはアルカリール基などがある。特に好 ましい化合基はエステル官能基を含み、特に最も好ましい結合基はアミド官能基 を含む。特に好ましい歯科用組成物は、グリセロールジメタクリレート、重合開 始剤、コロイド状シリカフルオロアルミノシリケートおよび上記構造に準拠する 化合物を含む。 その他の好ましい化合物は、芳香族カルボキシ化合物、たとえば、安息香酸、 およびサリチル酸、トリメリット酸、フタル酸等々のアクリロイル誘導体または メタクリロイル誘導体である。 本発明の組成物に、フッ化物を放出する性質があってもなくてもよい、反応性 充填剤が含まれてもよい。このような充填剤としては、一般にイオノマーと一緒 に使用されて、イオノマーセメントを形成するものがある。適当な反応性充填剤 の例して、酸化亜鉛や酸化マ グネシウムのような金属酸化物、および、たとえば、米国特許第3,655,6 05号、第3,814,717号、第4,143,018号、第4,209,4 34号、第4,360,605号および第4,376,835号に記載のイオン 浸出性ガラスなどがある。このような反応性充填剤を組み込んで、取扱性を改良 したり、最終組成物の硬化特性に変化をもたらすことが可能である。 反応性充填剤は、好ましくは、細かく分割された反応性充填剤である。この充 填剤は、他の成分と都合よく混合でき、且つ口内で使用できるように、十分に細 かく分割されていなければならない。充填剤の好ましい平均粒子直径は、たとえ ば、沈降分析方を使用して測定したとき、約0.2〜約15μmであり、さらに 好ましくは、約1〜10μmである。 優れた取扱特性のために、使用される充填剤は、酸反応性である。適当な酸反 応性充填剤としては、金属酸化物、金属塩類およびガラスなどがある。好ましい 金属酸化物として、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウムおよび酸 化亜鉛を含む酸化物が挙げられる。好ましい金属塩類としては、多価陽イオンの 塩類、たとえば、酢酸アルミニウム、塩化アルミニウム、塩化カルシウム、塩化 マグネシウム、塩化亜鉛、硝酸アルミニウム、硝酸バリウム、硝酸カルシウム、 硝酸マグネシウム、硝酸ストロンチウムおよびカルシウムフルオロボレートなど がある。好ましいガラスとしては、ホウ酸ガラス、リン酸ガラスおよびフルオロ アルミノシリケートガラスなどがある。 酸反応性充填剤の中で最も好ましいものは、フッ化物を放出するものである。 フッ化物放出ガラスは、上記のような優れた取扱性および最終組成物を提供する ほかにも、たとえば、口腔内で、長期にわたって使用中にフッ化物を放出すると いう利益を提供する。フル オロアルミノシリケートガラスが特に好ましい。適当な酸反応性充填剤は、当業 者によく知られている様々な商業的起源からも入手できる。たとえば、適当な充 填剤を得ることができる。「GC Fuji LC」や「Kerr XR」イオ ノマーセメントのような、市販されている、多数のガラスイオノマーセメントか ら、適当な充填剤を得ることができる。必要であれば、充填剤の混合物を使用す ることもできる。 必要であれば、酸反応性充填剤を表面処理に供してもよい。適当な表面処理法 としては、酸洗浄、リン酸塩による処理、酒石酸、のようなキレート化剤による 処理、シランカップリング剤またはシラノールカップリング剤による処理などが ある。特に好ましい酸反応性充填剤は、米国特許第5,332,429号(その 開示内容を参照により、本明細書に特別に援用する)に記載の、シラノール処理 したフルオロアルミノシリケートガラス充填剤である。歯科用組成物は、医療用 途向けの組成物に組み込むのに適した任意の材料の1つまたは複数から選択する ことが可能な非酸反応性充填剤、たとえば、歯の修復用組成物等々に現在使用さ れている充填剤をさらに含んでもよい。充填剤は細かく分割されており、最大粒 子直径が約10μm未満で且つ平均粒子直径が約1.0μmであることが好まし い。さらに好ましくは、充填剤は約1.0μm未満の最大粒子直径を有し、且つ 約0.1μm未満の平均粒径サイズを有する。充填剤は、単峰形または多峰形( たとえば、二峰形)粒子サイズ分布を示してもよい。充填剤は、無機材料であっ てもよい。充填剤は、重合可能な樹脂に溶解しない架橋された有機材料であって もよく、場合に応じて無機充填剤が詰められていてもよい。充填剤は、どんな場 合でも非毒性で且つ目内で使用するのに適さなければならない。充 填剤は、放射線不透過性、放射線半透過性または非放射線不透過性であってもよ い。 適当な非酸反応性無機充填剤の例は、石英、窒化物(たとえば、窒化ケイ素) 、たとえば、Ce、Sb、Sn、Zr、Sr、BaおよびAlから誘導されるガ ラス、コロイド状シリカ、長石、硼珪酸ガラス、カオリン、タルク、チアニア、 および亜鉛ガラスのような天然または合成の材料、米国特許第4,695,25 1号に記載の低モース硬度充填剤、およびミクロン未満のシリカ粒子(たとえば 、Degussaから販売されている発熱性シリカ「Aerosil」シリーズ「OX 50」シリカ、「130」シリカ、「150」シリカおよび「200」シリカ およびCabot Corp.から販売されている「Cab−O−Sil M5」シリカ) である。適当な非反応性有機充填剤粒子の例としては、詰められたまたは空の粉 砕ポリカーボネート類、ポリエポキシド類等々がある。好ましい非酸反応性充填 剤粒子は、石英、ミクロン未満のシリカ、および米国特許第4,503,169 号に記載のタイプの非ガラス質微粒子などがある。これらの非酸反応性充填剤の 混合物ならびに有機材料および無機材料から作られた充填剤の組合せも考えられ る。 充填剤と重合可能な樹脂との間の結合を増強するために、充填剤粒子の表面が カップリング剤で処理されていることが好ましい。適当なカップリング剤の使用 は、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピ ルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、等々を含む。 必要であれば、本発明の組成物は、補助剤、たとえば、補助溶剤、顔料、阻害 剤、促進剤、粘度改質剤、界面活性剤、流動学的改質剤、着色料、薬剤および当 業者に明白な周知の他の成分を含んでもよい。場合に応じて、組成物は、安定剤 を含んでもよい。 本発明で有用な補助溶剤として低分子量有機溶剤が挙げられるがこれに限定さ れない。本明細書で使用する単語「補助溶剤」は、均質な組成物を形成するため に、材料が組成物に溶解するのを助ける物質を指す。 適当な補助溶剤の例としては、エタノール、プロパノール、およびグリセロー ルなどがある。 本発明の組成物は、周囲の歯および骨の構造によく接着する材料が望ましい歯 科または医学の分野における様々な用途で使用することができる。たとえば、こ れらの組成物を歯の修復材、ライナー、床、セメント、シーラント、および歯ま たは歯科矯正用の接着剤として使用することができる。本組成物は、最初は一部 ペースト組成物として提供されることが好ましい。 単に例示にすぎず、本発明の範囲を限定するものではない以下の実施例を考慮 すると、本発明がさらに理解されるであろう。特に明記しない限り、部およびパ ーセンテージは全て重量基準である。 吸水試験 各組成物を直径20mm、厚さ1mmのディスクに形成することによって吸水を 測定した。各ディスクの両面をポリエチレンテレフタレート(「PET」)フィル ムで覆い、向かい合わせに配置した3MTMVisiluxTM2 Visible Light Curing Uni ts 2個を使用し、光ガイドの出力末端から試料までの距離を約1cmにして、 各面を30秒間光硬化させた。次にフィルムをはがし、露出した試料を37℃/ 相対湿度(「RH」)95%で1時間硬化させた。各ディスクを秤量し、ガラスジ ャーに入れ、これに脱イオン水25mLを加えた。明記されている期間、試料を 37℃に保った。明記されている時間に試料をジャーから取り出し、ティッシュ ペーパー または綿を使用して表面の水を除去し、試料を直ちに秤量した。重量を記録し、 試料を試料ジャー内の水に戻した。指定された定期的な間隔で上記手順を繰り返 し、試料の重量を記録した。明記された各時間間隔で、各組成物の3試料の吸水 量を測定し、平均をg/硬化組成物100gで報告した。 単に例示にすぎず、本発明の範囲を限定するものではない以下の実施例を考慮 すると、本発明がさらに理解されるであろう。特に明記しない限り、部およびパ ーセンテージは全て重量基準である。 調製例1 処理済フルオロアルミノシリケートガラス 下の表1に記載の成分をを混合し、約1350〜1450℃のアーク炉内で溶 融し、炉から細い流れで注ぎ、チルドローラーを使用して急冷して、非晶質単相 フルオロアルミノシリケートガラスを生成した。 このガラスをボールミル粉砕してBrunauer、EmmetおよびTel ler(BET)方法を使用して測定したときに表2に示す表面積を有する粉砕 されたフリットを生成した。 表2に記載のγ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(「A−17 4」、OSi Specialties,Inc.)の必要な部、メ タノール12.6部、水36.5部および酢酸0.33部を一緒に混合すること によって、シラノール溶液を調製した。この混合物を環境温で60分間、磁石で 攪拌し、ガラス粉末60.8部を加え、環境温で30分間スラリーにした。この スラリーを、プラスチックで裏打ちしたトレイに注ぎ込み、80℃で10時間乾 燥させた。このシラノール処理した乾燥粉末を、60μmのメッシュスクリーン を通して篩い分けた。 調製例2 2A)処理済OX−50 トリフルオロ酢酸を滴状で加えることによりpH3−3.3に酸性化した脱イ オン水50gに、A−174(3.7g)を攪拌しながら加えた。生じた混合物 を約25℃で1時間攪拌し、その時点で、この混合物にOX−50 95gを加 え、攪拌を4時間続けた。このスラリーをプラスチックで裏打ちしたトレイに注 ぎ込み、35℃で36時間乾燥させた。このシラノール処理乾燥粉末を、74μ mのメッシュスクリーンを通過させて篩い分けた。 2B)処理済コロイド状シリカ(OX−50) A−174 5.52部、メタノール3.68部、酢酸0.5部、および脱イ オン水0.8部を一緒に混合することにより、シラノー ル溶液を調製した。コロイド状シリカ(OX−50)(23部)を固形物配合機 に入れた。コロイド状シリカ(OX−50)を混合しながら、シラノール溶液を 、30分間かけてポンプで固形物配合機に入れた。処理済粉末を、固形物配合機 からプラスチックで裏打ちしたトレイに入れ、3時間乾燥させ、67℃で45分 間および次いで1時間、100℃で15分間乾燥させた。この処理して乾燥させ た粉末を、74μmのスクリーンを通過させて篩い分けた。 調製例3 処理済ジルコニア充填材 0.255部濃硝酸を急速に加えることにより、シリカゾル(「LUDOX」 LS,E.I.duPont de Nemours & Co.)25.5部を酸性化した。別の容器内で、イ オン交換した酢酸ジルコニウム(Mgnesium Elecktron Inc.)12.9部を脱イ オン水20部で希釈し、得られた溶液を濃硝酸0.255部で酸性化した。シリ カゾルを、攪拌した酢酸ジルコニウム溶液にポンプで入れ、1時間攪拌し、同時 に攪拌した混合物を「CUNO」5μmフィルタおよび1μmフィルタ(Commer cial Intertech Corp.)を通過させた。この攪拌して濾過した混合物を、1μm の「HYTREX」フィルタ(Osmonics,Inc.)でさらに濾過し、続いて0.2 2μmの「BALSTRON」フィルタ(Balston Inc.)で濾過した。この濾液 を約25mmの深さまでトレイに注ぎ込み、強制空気炉内、65℃で約24時間 乾燥させた。このようにして得られた乾燥した材料を炉から取り出し、600℃ に予め熱した回転チューブ炉(Harper Furnace Corporation)で回転させて、焼 成微粒子21部を生成した。全ての微粒子が、粒径10μm未満になるまで、こ の焼成微粒子を 回転ボールミル内で粉砕した。粉砕された微粒子0.3部をセラミツク匣鉢に入 れ、電気窯(Harper Furnace Corporation)内、825℃の空気中で1時間燃焼 させた。燃焼させた微粒子を空冷した。冷却した微粒子を、微粒子100部に対 してシラン11.1部の比率で、加水分解したA−174シラン中にスラリー化 し、強制空気炉内で乾燥し、74μmのメッシュスクリーンを通過させて選別し た。 調製例4 処理済石英フィルター A−174 2.64部、酢酸、0.0324部および脱イオン水52.7部 を一緒に混合することにより、シラノール溶液を調製した。この混合物を約30 ℃で45分間攪拌した。このシラノール溶液に石英(平均粒子サイズ=2.7μ m)50.6部およびCab−O−Sil−M5(Cabot Corporation)2.1 部を加えた。このスラリーを環境条件で2時間混合した。このスラリーを、プラ スチックで裏打ちしたトレイに注ぎ込み、38℃で24時間乾燥させた。処理し た乾燥粉末を押しつぶし、1mmのスクリーンを通過させて篩い分け、さらに1 10℃で2時間乾燥させた。この粉末を押しつぶし、100μmのスクリーンを 通過させて第2回選別を行い、さらに38℃で16時間乾燥させた。処理した粉 末を、220μmスクリーンを通過させて最終回の篩い分けをした。 調製例5 重合可能成分「A1」または「CDMA」の調製 機械的攪拌機、コンデンサ、滴下漏斗および空気吸入管を取り付けた反応容器 内で、クエン酸(400g)をテトラヒドロフラン (「THF」)2Lに溶解した。生じた均質な溶液に、ブチル化ヒドロキシトル エン(「BHTB」)0.52g、トリフェニルアンチモン(「TPS」)0. 5gおよびジブチルスズジラウレート(「DBTDL」)0.98gを加えた。 乾燥空気を、吸入管を通って反応混合物に導入した。反応温度を約40℃に維持 するように、滴下漏斗で2−イソシアナトエチルメタクリレート(「IEM」、 161.5g、1.04モル)を滴状で加えた。赤外分光光度法(「TR」)で 反応を追跡した。IEMを全部加えて、IRスペクトルがもはやイソシアナート 基の存在を示さなくなった後、真空下で溶剤を反応混合物から除去し、結果とし て生じた粘稠液を乾燥させた。核磁気共鳴分光光度法(「NMR」)で、付加し たメタクリレート官能基の存在およびカルボキシ基の保持を確認した。 調製例6 重合可能成分「A2」の調製 ポリアクリル酸(8.64g、分子量2,000)およびTHF75mLを、 攪拌機、コンデンサ、滴下漏斗および空気吸入管を取り付けた反応フラスコに加 えた。50〜70℃の浴温度で2〜3時間攪拌した後、濁った溶液が得られた。 浴の温度を40〜50℃に維持し、ドライTHF5mLに溶解したBHT 0. 093g、TPS 0.093gおよびDBTDL 0.64gを含有する溶液 を反応混合物に加えた。1時間かけて、滴下漏斗でIEM(9.3g)を滴状で 加えた。IRスペクトルがイソシアナートバンドの完全な消失を示すまで、この 混合物を攪拌し、その時点で反応混合物を石油エーテルに注ぎ込んだ。白色の固 体ポリマーが沈殿し、これを濾過で単離し、洗浄して真空下で乾燥した。 調製例7 金属フルオロ錯体の調製 表2に記載の量のカルボン酸錯化剤を水に溶解することによって、金属フルオ ロ錯体DI〜DXIを互いに独立に調製した。錯体番号DI−DIXの場合、各水溶 液を用いて、フッ化亜鉛粉末を約1.5時間、スラリーにした。その後、このス ラリーを浅いトレイに注ぎ込み、55℃で一晩゜乾燥した。次いで、各錯体を、 100μmのメッシュスクリーンを通して篩い分け、流動性の粉末を生成した。 錯体番号DXおよびDXIは、フッ化亜鉛の代わりに、それぞれトリフッ化アル ミニウム20gおよび四フッ化ジルコニウム20gを使用し、結果として得られ た錯体を、74μmのスクリーンを通して篩い分けたこと以外は、亜鉛錯体につ いて詳述した通りに調製した。フッ化亜鉛を、アセトアセトキシエチルメタクリ レート(「AAEM」、Eastman Chemicals,TN)、エタノール10gおよび脱イ オン水5gの混合物と混合することによって、錯体番号DXIIを調製した。この ようにして得られた混合物を環境温で12時間攪拌した。次いで固体を濾過によ り回収し、真空下、45℃で12時間乾燥した。乾燥した固体を乳鉢と乳棒で押 しつぶして、錯体DXIIの微粉末を生成した。 調製例8 亜鉛−フルオロ(ZnF2)錯体 CDMA80gおよびグリセロールジメタクリレート80g(「GDMA」) から作った溶液中で、フッ化亜鉛粉末80gをスラリーにすることにより、亜鉛 −フルオロ錯塩を調製した。空気流の存在下、45℃で7日間、スラリー化工程 を実施した。得られた粘稠スラリーを、実施例8A〜8Dの調製に使用した。 調製例9 親水性成分「C1」の調製 マグネティックスターラ、蠕動ポンプを接続した滴下漏斗2個、温度計、ガス 吸入管および還流コンデンサを取り付けたガラス製の反応フラスコに、ドライT HF300mLを入れた。滴下漏斗1個にエチルメタクリレート(18.24g 、0.16モル)、アクリル酸(28.8g、0.4モル)、N−ビニルピロリ ドン(「NV P」、26.98g、0.24モル)およびTHFの溶液を、体積200mLま で入れた。第2の滴下漏斗に、THF60mLに溶解したアゾビスイソブチロニ トリル(「AIBN」)0.82gの溶液を入れた。両溶液を乾燥窒素で15分 間パージした。応容器を60℃に加熱し、両滴下漏斗からの装入物を、6時間か けて蠕動ポンプで加えた。添加完了後、反応混合物を60℃で一晩攪拌した。次 いで、ドライジメチルホルムアミド(「DMF」)300mLを反応容器に加え 、温度を40℃に下げた。BHT(0.094g)、TPS(0.094g)お よびDBTDL(0.644g)を反応混合物に加え、吸入管内の窒素を乾燥空 気に切り替えた。THF45mLに溶解したIEM(18.6g、0.12mole )の溶液を、2時間かけて、反応混合物に滴状で加えた。次いで、この反応混合 物を40℃でさらに1時間攪拌した。溶剤を真空下で部分的に除去して、体積を 最初の約半分に減らし、得られた溶液を酢酸エチルに注ぎ込んだ。沈殿したポリ マーを濾過で回収し、洗浄して真空下で乾燥した。 調製例10 親水性成分「C2」の調製 マグネティックスターラ、蠕動ポンプを接続した滴下漏斗2個、温度計、ガス 吸入管および還流コンデンサを取り付けたガラス製の反応フラスコに、ドライT HF500mLを入れた。滴下漏斗1個に、エチルメタクリレート(34.25 g、0.3mole)、アクリル酸(50.4g.0.7mole)およびTHFの溶液 を、体積200mLまで加えた。第2の滴下漏斗に、THF 60mLに溶解し たAIBN 0.82gの溶液を入れた。両溶液を、乾燥窒素で15分間パージ した。反応容器を60℃に加熱し、両滴下漏斗か らの装入物を、6時間かけて蠕動ポンプで加えた。添加完了後、反応混合物を6 0□で一晩攪拌した。次いで反応温度を35℃に下げた。BHT(0.165g )、TPS(0.165g)およびDBTDL(1.13g)を反応混合物に加 え、吸入管内の窒素を乾燥空気に切り替えた。THF200mLに溶解したIE M(32.55g、0.21mole)の溶液を、2時間にわたって、滴状で反応混 合物に加えた。次いで、この反応混合物を35〜40℃でさらに1時間攪拌攪拌 した。溶剤を真空下で部分的に除去して、体積を最初の約3分の1に減らし、得 られた溶液を酢酸エチルに注ぎ込んだ。沈殿したポリマーを濾過で回収し、洗浄 して真空下で乾燥した。 調製例11 親水性成分「C3」の調製 マグネティックスターラ、蠕動ポンプを接続した滴下漏斗2個、温度計、ガス 吸入管および還流コンデンサを取り付けたガラス製の反応フラスコに、ドライT HF500mLを入れた。滴下漏斗1個に、エチルメタクリレート(17.12 g、0.15mole)、アクリル酸(50.4g、0.7mole)、メタクリル酸( 12.9g、0.15mole)およびTHFの溶液を、体積200mLまで入れた 。第2の滴下漏斗に、THF60mLに溶解したAIBN 0.82gの溶液を 入れた。両溶液を乾燥窒素で15分間パージした。応容器を60℃に加熱し、両 滴下漏斗からの装入物を、6時間かけて蠕動ポンプで加えた。添加完了後、反応 混合物を60℃で一晩攪拌した。次いで、反応温度を35℃に下げた。BHT( 0.165g)、TPS(0.165g)およびDBTDL(1.13g)を反 応混合物に加えた。吸入管内の窒素を乾燥空気に切り替えた。THF200mL に溶解したIEM(32.55g、0.21mol e)の溶液を、2時間かけて、滴状で反応混合物に加えた。次いで、混合物を3 5〜40℃でさらに1時間攪拌した。溶剤を真空下で部分的に除去して、体積を 最初の約3分の1に減らし、得られた溶液を酢酸エチルに注ぎ込んだ。沈殿した ポリマーを濾過で回収し、洗浄して真空下で乾燥した。 調製例12 親水性成分「C4」の調製 マグネティックスターラ、蠕動ポンプを接続した滴下漏斗2個、温度計、ガス 吸入管および還流コンデンサを取り付けたガラス製の反応フラスコに、ドライT HF 210mLを入れた、滴下漏斗1個に、アクリル酸(50.4g、0.7 mole)、NVP(33.3g、0.3mole)およびTHFの溶液を、体積250 mLまで入れた。第2の滴下漏斗に、THF60mLに溶解したAIBN 0. 82gの溶液を入れた。両溶液を、乾燥窒素で15分間パージした。応容器を6 0℃に加熱し、両滴下漏斗からの装入物を、4時間かけて蠕動ポンプで加えた。 添加完了後、ドライDMF22mLを加え、反応混合物を60℃で一晩攪拌した 。次いで、反応温度を35℃に下げた。BHT(0.15g)、TPS(0.1 5g)およびDBTDL(1.03g)を反応混合物に加え、吸入管内の窒素を 乾燥空気に切り替えた。THF200mLに溶解したIEM(32.55g、0 .21mole)の溶液を、2時間にわたって、滴状で反応混合物に加えた。次いで 、混合物を35〜40℃でさらに24時間攪拌した。溶剤を真空下で部分的に除 去して、体積を最初の約3分の1に減らし、得られた溶液を酢酸エチルに注ぎ込 んだ。沈殿したポリマーを濾過で回収し、洗浄して真空下で乾燥した。 実施例1A〜1D 表4に示すように、光重合可能な歯科用樹脂および無機充填剤を用いて、歯の 修復用充填材4種を調製した。この樹脂は、GMDA61.14%、調製例5の CDMA32.23%、PNVP 4.34%、エチル4−ジメチルアミノベン ゾエート(EDMAB)1.76%、ショウノウキノン(CPQ)0.45%、 BHT 0.09%で構成されていた。処理済コロイド状シリカ(OX−50) は、調製例2Bのものであり、処理済フルオロアルミノシリケートガラスは調製 例1Aのものである。 実施例2A〜2F 表5に示す通り、光重合可能な歯科用樹脂(GDMA 60.99%、調製例 5のCDMA 32.40%、PNVP 4.29%、Tinuvin−PTM( Ciba-Geigyから入手可能な安定剤)1.01%、EDMAB 0.98%、CP Q 0.25%、BHT 0.09%)および無機充填剤を用いて、歯の修復用 充填材6種を調製した。処理済コロイド状シリカ(OX−50)は調製例2 Bのものであり、処理済フルオロアルミノシリケートガラスは、調製例1B〜1 Eのものである。 実施例3A〜3E 表6に示す通りに、実施例2A〜2Fの光重合可能な歯科用樹脂および無機充 填剤を使用して、歯の修復用充填材5種を調製した。処理済コロイド状シリカ( OX−50)は、2Bものであり、処理済フルオロアルミノシリケートガラスは 調製例1Aのものである。 実施例4 実施例1〜3に記載の材料ならびに市販されている幾つかの材料の降伏応力を 25℃で測定し、表7に示す。表示されている降伏応力の値は、3回の測定値の 平均である。降伏応力は、平行板コントロール応力レオメータを使用して測定し た。板の直径は20mmで、板と板の間の隔たりは2mmであり、充填材が板の 表面で滑るのを防止するために、板は、PSAを裏づけしたサンドペーパーで裏 打ちされていた(研磨粒子サイズ9μm)。1Pa-sの応力から、0.1秒-1 の剪断速度を得るのに十分な応力まで、応力にゆるやかに傾斜をつけて、降伏応 力を測定した。この応力の傾斜は、1000秒にわたって、対数的に間隔を置い た100の応カステップで行われた。降伏点を、log(応力)に対してlog(粘度 )をプロットしたとき、剪断減粘挙動が始まる点と定義した。 歯科医グループが、表7に記載の材料を、口腔温度における取扱特性について 評価した。最も好ましかった材料は、留置器具に対する粘着性がなく、キャビテ ィ標本に容易に適合し、スランプせず、容易に輪郭がとれてフェザーリングしや すく、総体的に使いやすく且つ留置に比較的短時間を要した。最も好ましかった 材料の降伏応力は、25℃で、約3000〜9000Paの間であった。 実施例5 実施例2に記載の材料ならびに市販されている幾つかの材料の降伏応力を口腔 温(34℃)で測定し、表8に示す。使用した測定技術は、実施例4に記載のも のである。表示されている降伏応力の値は、2回の測定値の平均である。歯科医 グループが、表8に記載の材料を、口腔温度における取扱特性について評価した 。最も好ましかった材料は、留置器具に対する粘着性がなく、キャビティ標本に 容易に適合し、スランプを示さず、容易に輪郭がとれてフェザーリングしやすく 、総体的に使いやすく且つ留置に比較的短時間を要した。最も好ましかった材料 の降伏応力は、34℃で、約2500〜5000Paの間であった。実施例6 実施例1〜3に記載の材料ならびに市販されている幾つかの材料の動的流動学 的性質を21℃で測定し、これを表9に示す。コントロールされた歪平行板レオ メータを使用して測定を行った。板の直径は25mmで、板と板の間の隔たりは 2mmであった。直線的 粘弾性領域内の歪または0.1%の歪(この方が常に大きかった)で測定を行っ た。tanδの値は、2回の測定値の平均である。 歯科医グループが、表9に記載の材料を、口腔温度における取扱特性について 評価した。最も好ましかった材料は、留置器具に対する粘着性がなく、キャビテ ィ標本に容易に適合し、スランプを示さず、容易に輪郭がとれてフェザーリング しやすく、総体的に使いやすく且つ留置に比較的短時間を要した。最も好ましか った材料のtanδは、0.1rad/秒の振動数で約1〜1.7の間であり、10ra d/秒で約1〜5の間であった。 実施例7 実施例2に記載の材料ならびに市販されている幾つかの材料の動的流動学的性 質を34℃で測定し、これを表10に示す。使用した測定技術は実施例6に記載 のものである。tanδの値は、2回の測定値の平均である。歯科医グループが、 表10に記載の材料を、口腔温度における取扱特性について評価した。最も好ま しかった材料は、留置器具に対する粘着性がなく、キャビティ標本に容易に適合 し、スランプを示さず、容易に輪郭がとれてフェザーリングしや すく、総体的に使いやすく且つ留置に比較的短時間を要した。最も好ましかった 材料のtanδは、0.1rad/秒の振動数で約0.4〜1の間であり、10rad/ 秒で約1〜2.5の間であった。実施例8 実施例2の材料および市販されている幾つかの充填材の平衡定常剪断粘度を、 34℃、様々な様々な剪断速度で測定した。間隙を2mmに設定した25mm平 行板幾何学を有するコントロールされた彩色レオメータを使用した。高剪断速度 で充填材が板の表面から滑るのを防止するために、この板は、9μmの、PSA を裏付けし たサンドペーパーが裏打ちされていた。結果を表11にまとめる。実施例2の材 料に関する粘度の値は、2〜4回の測定値の平均である。市販されている材料粘 度に関する値は、1回の測定値である。比較用に、歯科医の取扱評価を表11に 転載する。最も好ましかった材料は、留置器具に対する粘着性がなく、キャビテ ィ標本に容易に適合し、スランプを示さず、容易に輪郭がとれてフェザーリング しやすく、総体的に使いやすく且つ留置に比較的短時間を要した。最も好ましか った材料の粘度は、0.001秒-1、34℃で、約100、000〜500、0 00Pa-sの間であった。最も好ましかった材料の粘度は、0.01秒-1、3 4℃で約80、000〜250、000Pa-sの間であった。最後に、最も好 ましかった材料の粘度は、0.1秒-1、34℃で、約20.000〜100、0 00Pa-sの間であった。 上記実施例から、25℃で約3000〜9000Paの間の降伏応力、34℃ で約2900〜5000Paの間の降伏応力、34℃、0.001秒-1の剪断速 度で約100,000〜500,000Paの粘度、34℃、0.01秒-1の剪 断速度で、約80,000〜250,000Paの粘度、34℃、0.1秒-1の 剪断速度で、約20,000〜100,000Paの間の粘度、0.10rad /秒且つ34℃で約0.4〜1の間のtanδ値、10rad/秒且つ34℃で約 1〜2.5の間のtanδ値、0.10rad/秒且つ21℃で約1〜1.7の間 のtanδ値、10rad/秒且つ21℃で約1〜5の間のtanδ値を有するペース トのみが優れた取扱特性を提供し、これらの特性を全て持たないペーストは好ま しくないと、歯科開業医が考えたことは明白である。 実施例9および比較例1〜3 以下の比較例は、次に挙げる本発明の歯科用組成物の3成分、(1)親水性成 分、(2)酸反応性充填剤、および(3)酸性成分のそれぞれが、非常に優れた 取扱特性を提供するのに必要であることを例証するものである。これらの実施例 で、これらの3成分の1 つを系統的に省いて修復用充填材を作り、その取扱性を特性化した。これらの比 較例用に調製した充填材を下表12に記載する。 表12の実施例9は、前述の本発明の3成分全てを含有する対照用修復用充填 材材料である。比較例1は、親水性成分PNVPが欠けていること以外は、実施 例9と同じである。比較例2は、調製例1Aの酸反応性処理済フルオロアリミノ シリケートガラスの代わりに、調製例4の非酸反応性処理済石英を含有する。処 理済石英充填剤と処理済フルオロアリミノシリケートガラスは、類似した粒子サ イズのものである。非酸反応性処理済石英充填剤を含む比較例2および酸反応性 フルオロアリミノシリケートガラスを含む実施例9は、充填剤密度が異なるとき 、取扱性または流動学的比較を行うのに必要な同じ容量%の無機充填剤を含む。 最後に、比較例3は、実施例9の酸性樹脂の代わりに、非酸性樹脂を含有する。 比較例3の場合、樹脂粘度が実施例16の樹脂の樹脂粘度に匹敵する比率で、B isGMAとTEGDMAとを混合した。実施例9の樹脂の粘度は約5Pa-s であった。比較例3の樹脂は、90/10のBisGMA/TEGDMAを含ん でおり、約5Pa-sの樹脂粘度を与えた。前者は、PNVPをかなりの量で溶 解できるほど親水性ではなかったため、この樹脂は、PNVPを含んでいなかっ た。 実施例8に記載の方法を使用して、表12に記載の充填材の平衡粘度を、34 ℃における剪断速度の関数として測定した。このデータを、表13に示す。表示 されている粘度値は、1回の測定値を表す。データから、前述の3成分のいずれ か1つが充填材材料から省かれているとき、その粘度は、本発明の充填材材料( 実施例9)の粘度と非常に異なることがわかる。したがって、本発明の非常に優 れた取扱特性の原因は、親水性成分、酸反応性充填剤、および酸性成分間の相乗 作用であると結論づけることができる。 歯科医グループが、表12に記載の充填材の、口腔温(34℃)における取扱 性について、評価した。そのコメントを表13にまとめる。実施例9は、留置器 具に対する粘着性がなく、キャビティ標本に容易に適合し、スランプを示さず、 容易に輪郭がとれてフェザーリングしやすく、総体的に使いやすく且つ留置に比 較的短時間を要したため、最も好ましかった。表13の実施例9のみが、0.0 01秒-1、34℃で約100,000〜500,000Pa-sの間の粘度を有 していた。実施例9のみが、0.01秒-1、34℃で約80,000〜250, 000Pa-sの粘度を有していた。実施例9のみが、0.1秒-1、34℃で、 約20,000〜100,000Pa-sの粘度を有していた。比較例1〜3は 、優れた取扱特性のための、これらの粘度基準を満たさなかった。 表11に記載の材料の動的流動学的性質を34℃で測定し、表14に記載する 。使用した測定技術は、実施例6に記載のものである。表示されているtanδ値 は、1回の測定値を表す。比較用に、歯科医の取扱評価を表4に転載する。実施 例9は、留置器具に対する粘着性がなく、キャビティ標本に容易に適合し、スラ ンプを示さず、容易に輪郭がとれてフェザーリングしやすく、総体的に使いやす く且つ留置に比較的短時間を要したため、最も好ましかった。表14の実施例9 のみが、0.1rad/秒の振動数で約0.4〜1の間のtanδを有し、10r ad/秒の振動数で約1〜2.5の間のtanδを有していた。比較例1−3は、 優れた取扱特性のための、このtanδ基準を満たさなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU ,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH, CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G B,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE,KG ,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT, LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG ,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG, UZ,VN,YU (72)発明者 ワン,ビン アメリカ合衆国,ミネソタ 55125,ウッ ドバリー,ケンブリッジ 8972

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.a)重合可能成分と、 b)酸反応性充填剤と c)親水性成分と、 d)重合開始剤と、 e)酸性成分と を含み、 結果として得られる組成物が、以下の流動学的性質: 1)前記組成物が25℃で約3000〜9000Paの間の降伏応力を有し、 34℃で2900〜5000Paの間の降伏応力を有する、 2)前記組成物が、34℃、剪断速度0.001秒-1で約100,000〜5 00,000の間の粘度を有し、34℃、剪断速度0.01秒-1で約80,00 0〜250,000Pa-sの間の粘度を有し、34℃、剪断速度0.1秒-1で 約20,000〜100,000Pa-sの間の粘度を有する、 3)前記組成物が、34℃、0.10rad/秒で約0.4〜1の間のtanδ 値を有し、34℃、10rad/秒で約1〜2.5の間のtanδ値を有し、21 ℃、0.10rad/秒で約1〜1.7の間のtanδ値を有し、21℃、10r ad/秒で約1〜5の間のtanδ値を有する、 を有するのに十分な量で上記材料が提供される歯科用組成物。 2.組成物が加えられた水を実質的に含まない、請求項1に記載の歯科用組成 物。 3.前記重合可能成分が約100〜5000の間の分子量を有する、請求項1 または2に記載の歯科用組成物。 4.前記重合可能成分が約300〜1000の間の分子量を有する、請求項3 に記載の歯科用組成物。 5.前記重合可能成分が約2Pa-s未満の粘度を有する、請求項1〜4のい ずれか1項に記載の歯科用組成物。 6.前記重合可能成分が約0.5Pa-s未満の粘度を有する、請求項5に記 載の歯科用組成物。 7.前記重合可能成分が約0.3Pa-s未満の粘度を有する、請求項6に記 載の歯科用組成物。 8.前記重合可能成分が、アクリル酸またはメタクリル酸のエステル類からな る群から選択される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の歯科用組成物。 9.前記重合可能成分が、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチ ルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタ クリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、2−ヒ ドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキ シプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタリレート、テトラヒドロフル フリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、グリシジルアク リレート、グリシジルメタリレート、ビス−フェノールAのジグリシジルメタク リレート、グリセロールモノアクリレート、グリセロールジアクリレート、グリ セロールモノメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、エチレングリコ ールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリ コールジアクリレート(反復エチレンオキシド単位の数は2から30まで様々で ある)、ポリエチレングリコールジメタクリレート(反復エチレンオキシド単位 の数は2から30まで様々である)、ネオペンチルグリコールジアクリレート、 ネオペンチルグリコールジメタ クリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパ ントリメタクリレート、ペンタエリトリトールおよびジペンタエリトリトールの モノ−、ジ−、トリ−、およびテトラ−アクリレート類およびメタリレート類、 1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレ ート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタ クリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオ ールジメタクリレート、ジ−2−メタクリロイルオキシエチルヘキサメチレンジ カルバメート、ジ−2−メタクリロイルオキシエチルトリメチルヘキサメチレン ジカルバメート、ジ−2−メタクリロイルオキシエチルジメチルベンゼンジカル バメート、メチレン−ビス−2−メタクリルオキシエチル−4−シクロヘキシル カルバメート、ジ−2−メタクリルオキシエチル−ジメチルシクロヘキサンジカ ルバメート、ジ−1−メチル−2−メタクリルオキシエチル−トリメチルヘキサ メチレンジカルバメート、ジ−1−メチル−2−メタクリルオキシエチル−ジメ チルベンゼンジカルバメート、ジ−1−メチル−2−メタクリルオキシエチル− ジメチルシクロヘキサンジカルバメート、メチレン−ビス−1−メチル−2−メ タクリルオキシエチル−4−シクロヘキシルカルバメート、ジ−1−クロロメチ ル−2−メタクリルオキシエチル−ヘキサメチレンジカルバメート、ジ−1−ク ロロメチル−2−メタクリルオキシエチル−トリメチルヘキサメチレンジカルバ メート、ジ−1−クロロメチル−2−メタクリルオキシエチル−ジメチルベンゼ ンジカルバメート、ジ−1−クロロメチル−2−メタクリルオキシエチル−ジメ チルシクロヘキサンジカルバメート、ジ−1−メチル−2−メタクリルオキシエ チル−ヘキサメチレンジカルバメート、ジ−b1−クロロメチル−2−メタクリ ルオキシエチル−ヘキサメチレンジカル バメート、ジ−1−クロロメチル−2−メタクリルオキシエチル−ジメチルシク ロヘキサンジカルバメート、メチレン−ビス−1−クロロメチル−2−メタクリ ルオキシエチル−4−シクロヘキシルカルバメート、2,2'−ビス(4−メタ クリルオキシフェニル)プロパン、2,2'ビス(4−アクリルオキシフェニル )プロパン、2,2'−ビス[4(2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシ−フ ェニル)]プロパン、2,2'−ビス[4(2−ヒドロキシ−3−アクリルオキ シフェニル)プロパン、2,2'−ビス(4−メタクリルオキシエトキシフェニ ル)プロパン、2,2'−ビス(4−アクリルオキシエトキシフェニル)プロパ ン、2,2'−ビス(4−メタクリルオキシプロポキシフェニル)プロパン、2 ,2'−ビス(4−アクリルオキシプロポキシフェニル)プロパン、2,2'−ビ ス(4−メタクリルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2'−ビス(4 −アクリルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2'−ビス[3(4−フ ェノキシ)−2−ヒドロキシプロパン−1−メタクリレート]プロパン、2,2 '−ビス[3(4−フェノキシ)−2−ヒドロキシプロパン−1−アクリレート ]プロパン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項8に記載 の歯科用組成物。 10.前記親水性成分が約5,000〜500,000の間の分子量を有する 、請求項1〜9のいずれか1項に記載の歯科用組成物。 11.前記親水性成分が約5,000〜100,000の間の分子量を有する 、請求項10に記載の歯科用組成物。 12.前記親水性成分がポリ−N−ビニルピロリドンである、請求項1〜11 のいずれか1項に記載の歯科用組成物。 13.前記酸反応性充填剤がフッ化物を放出する充填剤である、請求項1〜1 2のいずれか1項に記載の歯科用組成物。 14.前記酸反応性充填剤がフルオロアルミノシリケートガラスである、請求 項13に記載の歯科用組成物。 15.非酸反応性充填剤をさらに含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載 の歯科用組成物。 16.前記非酸反応性充填剤が約10μm未満の最大粒径および約1.0μm 未満の平均粒径を有する、請求項15に記載の歯科用組成物。 17.前記非酸反応性充填剤が約1.0μm未満の最大粒径および約0.1μ m未満の平均粒径を有する、請求項15に記載の歯科用組成物。 18.前記非酸反応性充填剤がコロイド状シリカである、請求項15〜17の いずれか1項に記載の歯科用組成物。 19.前記組成物の前記重合可能成分の少なくとも一部および前記酸性成分の 少なくとも一部が、同じ化学化合物によって提供される、請求項1〜18のいず れか1項に記載の歯科用組成物。 20.前記重合可能成分が、構造(P)p--(Q)q--(R)rを有し、式中、 Pは、酸性官能性を含む主鎖であり、 Qは、アクリレート硬化可能基またはメタリレート硬化可能基を含む主鎖であ り、 Rは、非反応性修飾単位の主鎖であり、請求項19に記載の歯科用組成物。 21.前記硬化可能基がアミド結合により主鎖に結合されている、請求項20 に記載の歯科用組成物。 22.前記重合可能成分が約300〜5000の間の分子量を有する、請求項 19〜21のいずれか1項に記載の歯科用組成物。 23.グリセロールジメタクリレート、重合開始剤、コロイド状シリカ、フル オロアルミノシリケートガラスを含む、請求項20〜22のいずれか1項に記載 の歯科用組成物。 24.フッ化物放出材料をさらに含む、請求項1〜23のいずれか1項に記載 の歯科用組成物。 25.前記組成物が、2週間で組成物100g当たり少なくとも約1.5gの 水という吸水値を有する、請求項1〜24のいずれか1項に記載の歯科用組成物 。 26.前記重合可能成分と前記親水性成分が1つの化合物として提供される、 請求項1に記載の歯科用組成物。 27.前記重合可能成分と前記酸性成分が1つの化合物として提供される、請 求項1に記載の歯科用組成物。 28.前記親水性成分と前記酸性成分が1つの化合物として提供される、請求 項1に記載の歯科用組成物。 29.前記重合可能成分が遊離基重合可能な物質である、請求項1に記載の歯 科用組成物。 30.前記フッ化物放出材料が、式 M(G)g(F)n または M(G)g(ZFm)n で表される金属錯体を含み、 式中、Mは陽イオン種を形成することができ且つ2以上の原子価を有する元素を 表し、 Gは、元素Mと錯体を形成することができる有機キレート化部分であり、 Zは、水素、ホウ素、窒素、リン、イオウ、アンチモン、ヒ素であり、 Fは、フッ化物原子であり、 g、mおよびnは少なくとも1である、 請求項24に記載の歯科用組成物。 31.MがCa+2、Mg+2、Sr+2、Zn+2、Al+3、Zr+4、Sn+2、Yb+3、Y+3、および Sn+4からなる群から選択される請求項30に記載の歯科用組成物。 32.MがZn+2である、請求項30に記載の歯科用組成物。 33.前記親水性成分が酸性官能性および非酸性親水性官能性を含む、請求項 1〜32のいずれか1項に記載の歯科用組成物。 34.前記親水性成分が酸性官能性を全く含まない、請求項1〜33のいずれ か1項に記載の歯科用組成物。 35.前記親水性成分が、ピロリドン、スルホネート(SO3)、スルホン(SO2 )、N−オキシスクシンイミド、N−ビニルアセトアミドおよびアクリルアミド 官能基からなる群から選択される官能基を含むモノマーまたはポリマーから選択 される、請求項1〜34のいずれか1項に記載の歯科用組成物。 36.前記親水性成分が、ポリアルキレンオキシド類、ポリエーテル類、ポリ エチレンイミン類、ポリアクリルアミド類、ポリメタクリルアミド類、ポリビニ ルアルコール、鹸化ポリ酢酸ビニル、ポリビニルオキサゾリドン、N−オキシス クシンイミド基を含有するポリマー、イオン化しておらず、部分的に中和された か完全に中和された形態にあるポリアクリル酸、ポリメタクリル酸を含有するイ オン性またはイオン化可能なポリマーおよびコポリマー、ポリエチレンイミンお よびその塩類、イオン化しておらず、部分的に中和されたか完全に中和された形 態にあるポリエチレンスルホン酸およびポリアリールスルホン酸類、およびイオ ン化しておらず、部分的に中和されたか完全に中和された形態にあるポリリン酸 およびホスホ ン酸からなる群から選択される、請求項1〜35のいずれか1項に記載の歯科用 組成物。 37.前記親水性成分が、ポリオキシメチレン、ポリエチレンオキシド、ポリ プロピレンオキシドおよびポリビニルメチルエーテルからなる群から選択される 、請求項1〜36のいずれか1項に記載の歯科用組成物。 38.前記酸性成分が、分子量が10,000未満のモノマー、オリゴマーま たはポリマーから選択され、B、C、N、S、Pのオキシ酸またはチオオキシ酸 から選択される酸性基を少なくとも1個含有する、請求項1〜37のいずれか1 項に記載の歯科用組成物。 39.前記酸性成分が、CまたはPの酸である化合物である、請求項38に記 載の歯科用組成物。 40.以下の流動学的性質: 1)前記組成物が25℃で約3000〜9000Paの間の降伏応力を有し、 34℃で2900〜5000Paの間の降伏応力を有する、 2)前記組成物が、34℃、剪断速度0.001秒-1で約100,000〜5 00,000Pa-sの間の粘度を有し、34℃、剪断速度0.01秒-1で約8 0,000〜250,000Pa-sの間の粘度を有し、34℃、剪断速度0. 1秒-1で約20,000〜100,000Pa-sの間の粘度を有する、 3)前記組成物が、34℃、0.10rad/秒で約0.4〜1の間のtanδ 値を有し、34℃、10rad/秒で約1〜2.5の間のtanδ値を有し、21 ℃、0.10rad/秒で約1〜1.7の間のtanδ値を有し、21℃、10r ad/秒で約1〜5の間のtanδ値を有する、 を有する歯科用組成物を調製するための、 a)重合可能成分と、 b)酸反応性充填剤と c)親水性成分と、 d)重合開始剤と、 e)酸性成分と の使用。
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