JP2002372798A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
優れた耐刷性が得られ、しかも、感光体加熱用のヒータ
ーを設けない程度にまで表面の疎水性を高めて、画像流
れが発生させず、さらに電位特性のバラツキをなくす。 【解決手段】感光体1によれば、導電性基板2上に感光
層3を形成し、この感光層3上に表面保護層4を積層す
る。表面保護層4は酸素原子を0.0001原子%〜
1.0原子%の範囲で含有し、弗素原子を0.1原子%
〜25原子%の範囲で含有するアモルファスカーボンで
もって構成し、弗素原子を感光層3と表面保護層4との
界面とは反対側の表面近傍にて高濃度になるよう濃度勾
配を設けて、その硬度を感光層3の硬度に比べて10倍
〜60倍にしている。そして、画像形成装置5によれ
ば、感光体1と、コロナ帯電器6と、露光器7と、現像
機9と、転写器11と、クリーニング手段12と、除電
手段13とを配設し、液体トナ−像の形成に使用される
トナ−の平均粒径が3μm以下の液体トナ−としてい
る。
Description
してアモルファスカーボンの表面保護層を形成してなる
感光体を搭載した画像形成装置に関するものである。
した、いわゆるOPC感光体(有機感光体)は高い帯電
性が得られ、暗減衰が小さく、さらに長波長に対し優れ
た光感度が得られるという点で幅広く使用されている。
しかも、OPC感光体を使用するに当って、それを加熱
するヒーターを使用しないという利点もある。
は、その表面の硬度が小さく、耐久性に劣るという課題
がある。
からなる感光層(有機感光層)の上に炭素又は炭素を主
成分とする高い硬度の耐磨耗性の被膜を積層する技術が
提示されている(特公平7−27268号、特公平7−
122757号、特開平1−86158号、特開平1−
227161号、特許第2818881号、特許第28
18882号および特許第2979070号参照)。
面保護層を被覆するに当たっては、下記のような特性が
求められる。
射光量が充分に確保できる)。 表面に傷を受けない
程度の高硬度を有する。 有機感光層との接着性に優
れ、複写機内での実使用において、機械的接触あるいは
温湿度の変化等により剥離しない。 無害である。
有機感光層との電気的整合性に優れ、残留電位、メモ
リー現象、さらには不整合界面での電荷の横流れ(画像
流れ)が発生しない。高温高湿の条件下において、画
像品位が劣化せず、所謂、画像流れが発生しない。
有機感光層は、耐熱性に乏しい化合物からなることで、
その上の被膜を常温及至100℃にておこない、有機感
光層を熱劣化させない。
な技術開発がおこなわれている。たとえば、酸素原子を
含有する炭化水素化合物を用いることで、そのプラズマ
有機重合膜が得られることから、それでもって有機感光
層上に表面保護層として積層し、これによって接着性、
電気的整合性ならびに耐環境性を高める技術が提案され
ている(特公平7−27268号参照)。
代わりにハロゲン原子を含有させても同等の効果が得ら
れることが提案されている(特公平7−122757号
参照)。
ゲン原子と酸素原子とを含有してなる非晶質炭化水素膜
でもって構成し、これにより、耐湿性を改善した技術が
提示されている(特開平1−86158号参照)。
有されるハロゲン原子の量は、全構成原子に対して0.01
原子%〜50原子%、酸素原子の量は、0.01〜20原子%で
ある。また、硬度については有機感光層が5B〜B、非
晶質炭化水素膜が4H程度である。
素と2原子%以上の弗素を含有するアモルファス構造の
ダイヤモンド状炭素からなる表面保護層を積層し、撥水
性を高める技術や(特許第2979070号参照)、表
面の酸素濃度が1原子%以下である有機感光層の上に、
水素を30原子%以下含有する炭素又は炭素を主成分とす
る表面保護層を積層し、これら保護層と有機系感光層と
の接着性を高める技術が提案されている(特許第281
8882号参照)。
硬度が100〜2500kg/mm2の範囲にあり、かつ有機感
光層とのビッカース硬度の差が2500 kg/mm2以下で
ある技術が提案されている(特許第3057165参
照)。
アモルファスシリコンカ−バイド表面層を備えたアモル
ファスシリコン感光体を用いる技術も提案されている
(特開平10−239937号参照)。
たような有機感光層上にアモルファスカーボンからなる
表面保護層を積層した感光体を実際使用してみると、当
初予定していた耐久性は得られず、キズや剥離が発生
し、メモリーが悪化し、しかも、高温高湿下にて耐刷を
おこなうと、画像流れと呼ばれる画像不良が発生してい
た。
防止するために、表面保護層にハロゲン原子や酸素原
子、窒素原子を含有させる技術が提案されているが、電
子写真特性を含め、各種の特性を十分に満足する感光体
は、いまだ得られていない。
特公平7−122757号の各公報に記載された技術に
よれば、画像流れが発生し、さらに耐久による削れ量が
大きくキズ゛等が発生していた。
れた技術については、画像流れは改善されたが、その反
面、感光体特性が低下したり(帯電能の低下、残留電位
の増大等)、表面硬度が低くなり、耐久性に劣ってい
た。また、表面保護層にハロゲン原子と酸素原子とを双
方とも含有させ、これによって、表面保護層の接着性を
向上させ、さらに電子写真特性が大きく向上(光メモリ
ーの減少)させることができるが、その反面、酸素原子
の含有量が多くなることで、感光体の特性が低下してい
た。
表面保護層の接着性を向上させるために、有機感光層表
面の酸素濃度を規定する技術が提案されているが、その
有機感光層の表面側の酸素量の管理が非常に難しい上
に、成膜条件によっては、所要とおりの性能が得られな
かった。
感光体の耐久性を高めるために、表面保護層の硬度およ
び有機感光体との硬度差を規定する技術が提案されてい
るが、有機感光層の硬度との関連が不明確であり、か
つ、硬度差の下限値がなく実際の硬度の設定が困難であ
った。さらに、特に柔らかい有機感光層の上に硬度差が
2500kg/mm2もある表面保護層を設けると硬度差か
ら密着性が低減し、クラックおよび剥離が発生し、所要
とおりの性能が得られなかった。
のアモルファスシリコン感光体を使用することで液体ト
ナ−に対する適性に優れるが、その反面、帯電能が不十
分となり、コントラスト等の画像性能が得られなかっ
た。しかも、液体トナ−は乾式トナ−に比べ平均粒径が
小さく、感光体へのトナ−付着が顕著となり、クリ−ニ
ングが非常に難しいという課題もある。
の要求が高まっているが、そのためにはトナ−粒径を小
さくする必要がある。乾式トナ−ではトナ−粒径を小さ
くすることに対し限界があり、5μm未満のトナ−はほ
とんど存在せず(通常8〜30μm)、1200dpi
を越える解像度を得ようとすると乾式トナ−では難しい
状況となっている。
粒径を小さくすることが容易となり、特に3μm以下に
することで、1200dpi以上の画質が得られる。
めたところ、有機感光層上にアモルファスカーボンから
なる表面保護層を積層し、このアモルファスカーボン表
面保護層に酸素原子を0.0001原子%〜1.0原子
%の範囲で、弗素原子を0.1原子%〜25原子%の範
囲で含有させ、また、弗素原子を有機感光層と表面保護
層との界面とは反対側の表面近傍にて高濃度になるよう
濃度勾配を設けたことで、表面保護層の硬度が、有機感
光層の硬度に比べて10倍〜60倍にまで高硬度化さ
れ、さらに密着性が向上してクラックや剥離が発生しな
くなり、これによって画像流れおよび長期使用による画
像劣化が生じなくなり、特に3μm未満という平均粒径
の小さい液体トナ−を使用してもクリーニング性を高め
て十分な耐久性と画像品質が得られることを見出した。
あり、その目的は表面保護層の密着性を高めて優れた耐
刷性が得られ、さらにクリーニング性を高めて、高耐久
性、高画質、高性能および高信頼性を達成した感光体を
装着した画像形成装置を提供することにある。
たことで、画像流れが発生しなくなり、さらに電位特性
のバラツキをなくすことで、感光体用のヒーターを設け
なくてもよく、これにより、構造上簡単となり、製造歩
留まりが向上し、さらに部品点数が少なくなることで低
コスト化を達成した画像形成装置を提供することにあ
る。
ーを使用してもクリーニング性を高めて高解像度を達成
した画像形成装置を提供することにある。
は、導電性支持体上に有機感光層と表面保護層とを順次
積層し、この表面保護層は酸素原子を0.0001原子
%〜1.0原子%の範囲で含有し、弗素原子を0.1原
子%〜25原子%の範囲で含有するアモルファスカーボ
ンから成るとともに、弗素原子を有機感光層と表面保護
層との界面とは反対側の表面近傍にて高濃度になるよう
濃度勾配を設けて、その硬度を前記有機感光層の硬度に
比べて10倍〜60倍にした感光体と、この感光体の表
面に電荷を付与する帯電手段と、感光体の帯電領域に対
して光照射する露光手段と、これら帯電手段と露光手段
とにより感光体表面に形成された静電潜像に対し平均粒
径が3μm以下のトナーでもって液体トナー像を感光体
の表面に形成せしめる現像手段と、上記液体トナー像を
被転写材に転写する転写手段と、転写後に感光体表面の
残留液体トナーを除去するクリーニング手段とを配設し
たことを特徴とする。
る。図1は本発明の画像形成装置に搭載する感光体の要
部拡大断面図であり、図2は本発明の画像形成装置の概
略を示す図である。
2の上に前記有機半導体層である感光層3を塗布形成
し、この感光層3の上にグロー放電分解法などにより表
面保護層4を積層したものである。
子%〜1.0原子%の範囲で含有し、弗素原子を0.1
原子%〜25原子%の範囲で含有するアモルファスカー
ボンでもって構成する。
せるに当り、弗素原子を感光層3と表面保護層4との界
面とは反対側の表面近傍にて高濃度になるように濃度勾
配を設けている。
搭載する。この画像形成装置5はプリンター構成であっ
て、感光体1の周面にコロナ帯電器6と、その帯電後に
光照射する露光器7(LEDヘッド)と、液体トナー像
(粒径3μm以下、たとえば1.5μm)を感光体1の
表面に形成するための液体トナー8を備えた現像機9
と、その液体トナー像を被転写材10に転写する転写器
11と、その転写後に感光体表面の残留液体トナーを除
去するクリーニング手段12と、その転写後に残余静電
潜像を除去する除電手段13とを配設している。また、
14は被転写材10に転写された液体トナー像を熱もし
くは圧力により固着するための定着器である。
の各プロセスを繰り返し経る。 (1)感光体1の周面をコロナ帯電器6により帯電す
る。 (2)露光器7により画像を露光することにより、感光
体1の表面上に電位コントラストとしての静電潜像を形
成する。 (3)この静電潜像を現像機9により現像する。この現
像により黒色の液体トナーが静電潜像との静電引力によ
り感光体表面に付着し、可視化する。 (4)感光体表面の液体トナー像を紙などの被転写材1
0の裏面より液体トナーと逆極性の電界を加えて、静電
転写し、これにより、画像を被転写材10の上に得る。 (5)感光体表面の残留液体トナーをクリーニング手段
12により機械的に除去する。 (6)感光体表面を強い光で全面露光し、除電手段13
により残余の静電潜像を除去する。
であるが、露光器7に代えて原稿からの反射光を通すレ
ンズやミラーなどの光学系を用いれば、複写機の構成の
画像形成装置となる。
液体トナ−を除去するクリ−ニング手段12として、ブ
レ−ド法、ファ−ブラシ法、マグネットブラシ法などが
あるが、いずれの方法を採用するにしても、その残留液
体トナ−を即座に除去するとよい。しかしながら、トナ
−粒径が小さくなると付着力が大きくなる傾向にあり、
そのためにブレ−ド等の感光体に当てる圧を強くして除
去しなければならない。この要求に応えるべく、液体ト
ナ−用の感光体1はブレ−ド等の強い圧にも耐えうる非
常に高い硬度が求められる。
を、酸素原子を0.0001原子%〜1.0原子%の範
囲で含有し、弗素原子を0.1原子%〜25原子%の範
囲で含有するアモルファスカーボンにて構成したこと
で、表面保護層4の硬度が著しく大きくなり、その硬度
が、有機感光層の硬度に比べて10倍〜60倍にまで高
硬度化され、これによってブレ−ド等の強い圧にも耐え
うる非常に高い硬度が達成されている。
とで、3μm以下という平均粒径の小さい液体トナ−を
使用しても、クリーニングが最適におこなうことがで
き、トナー付着が発生せず、充分な耐久性および画像品
質が得られる。なお、本発明においては、トナーの平均
粒径は数平均にて表わす。
構成のものを用いればよく、高絶縁性、低誘電率の液体
に帯電したトナー粒子を分散させたものであり、このト
ナー粒子は0.1〜0.3μm程度の顔料粒子を樹脂で
もって包み込んている。
マーにて表示すると、ラウリルメタクリレート、ステア
リルメタクリレート、エチルメタクリレート、アクリル
酸、メタクリル酸、ジメチルアミノメチルメタクリレー
ト、ジエチルアミノエチルメタクリレートなどがある。
り、選択的吸着モデルにて極性が決定されるものとし
て、ナフテン酸、オクチル酸、アルキルベンゼンスルフ
ォン酸カルシウムがあり、その他、トナー粒子表面とバ
ルク間の酸・塩基モデルにて極性が決まるものを用いる
場合がある。
を利用し有機溶媒からトナー粒子を析出する相分離法の
技術を使うことで、2μm以下の小径トナーが得られ
る。
径をコールターカウンタにて測定する。
ーを用いることで、感光体1に当てるクリ−ニング手段
12の圧を大きくするが、ブレ−ドや弾性ローラを用い
る場合には、線圧を30〜350g/cmの荷重にする
とよい。また、弾性ローラを用いた場合には、その回転
速度を感光体の回転速度に比べて1.0〜1.60倍に
設定し、その硬度を25〜60°HSにするとよい。
好な画像が得られる条件に対し、どのようなクリーニン
グ方法を用いても、1.2〜2.5倍の線圧(垂直力)
にすることで、良好な画像が得られる。1.2倍未満に
なると、トナー付着が発生し、2.5倍を越えると感光
体の表面が削れすぎて画像にスジが発生しやすいが、本
発明のように高硬度な表面保護層であれば、キズが発生
しなくなる。しかしながら、過度の線圧になると、感光
体の駆動に付加がかかり、これにより、ジッターと呼ば
れる画像にビビリマークのようなものが発生する。
各層を詳述する。
属導電体、あるいはガラス、セラミックなどの絶縁体の
表面に導電性薄膜を被覆したものなどがある。この導電
性基板2はシート状、ベルト状もしくはウェブ状可とう
性導電シートでもよく、このようなシートにはSUS、
Al、Niなどの金属シート、あるいはポリエステル、
ナイロン、ポリイミドなどの高分子樹脂フィルムの上に
Al、Niなどの金属もしくは酸化スズ、インジウム・
スズ・オキサイド(ITO)などの透明導電性材料や有
機導電性材料を蒸着などにより被覆して導電処理したも
のを用いる。
感光層中に分散させた単層型感光層と、電荷発生剤を含
有する電荷発生層と電荷輸送剤を含有する電荷輸送層と
を積層した積層型感光層とがあるが、本発明はこのいず
れにも適用できる。
剤および結着樹脂を適当な有機溶媒に溶解または分散し
た塗工液を、塗布などの手段によって導電性基体上に塗
布し、乾燥させることで形成される。かかる単層型の感
光層は、層構成が簡単で生産性に優れている。
孔輸送剤のうちのいずれか一方または両方が使用でき、
特に上記両輸送剤を併用した単層型の感光層は、単独の
構成で正負いずれの帯電にも対応できるという利点があ
る。
れぞれ電荷発生剤とのマッチングがよく、電荷発生剤で
発生した電子または正孔を引き抜いて、効率よく輸送で
きるものが望ましい。
る系では、両者が電荷移動錯体を形成して、感光層全体
での電荷輸送能の低下を引き起こし、感光体の感度が低
下するのを防止すべく、両輸送剤の組合せについても配
慮する必要がある。つまり、両輸送剤を、正孔輸送およ
び電子輸送が効率よく起こる高濃度で同一層中に含有さ
せても、層中で電荷移動錯体が形成されず、正孔輸送剤
は正孔を、電子輸送剤は電子を、それぞれ効率よく輸送
できる、電子輸送材と正孔輸送剤との組合せを選択する
のが望ましい。
上に、蒸着または塗布などの手段によって、電荷発生剤
を含有する電荷発生層を形成し、ついでこの電荷発生層
上に、電荷輸送剤と結着樹脂とを含む塗工液を、塗布な
どの手段によって塗布し、乾燥させて電荷輸送層を形成
することで構成される。また、上記とは逆に、導電性基
体上に電荷発生層を形成し、その上に電荷発生層を形成
してもよい。
て膜厚がごく薄いため、その保護のためには、導電性基
体上に電荷発生層を形成し、その上に電荷輸送層を形成
するのが好ましい。
送層の形成順序と、電荷輸送層に使用する電荷輸送剤の
種類によって、正負いずれかの帯電型となるかが選択さ
れる。
荷発生層を形成し、その上に電荷輸送層を形成した層構
成において、電荷輸送層の電荷輸送剤として正孔輸送剤
を使用した場合には、感光層は負帯電型となる。この場
合、電荷発生層には電子輸送剤を含有させてもよい。電
荷発生層に含有させる電子輸送剤としては、電荷発生剤
とのマッチングがよく、電荷発生剤で発生した電子を引
き抜いて、効率よく輸送できるものが望ましい。
の電荷輸送剤として電子輸送剤を使用した場合には、感
光層は正帯電型となる。この場合、電荷発生層には正孔
輸送剤を含有させてもよい。
送剤と電荷移動錯体を形成しないため、特に電子輸送剤
と正孔輸送剤とを併用した単層型の感光層(感光層3)
において好適である。
と結着樹脂とを含有する単一の層であり、正負いずれの
帯電にも対応できるが、負極性コロナ放電を用いる必要
のない正帯電型で使用するのが好ましい。この単層型
は、層構成が簡単で生産性に優れていること、感光層の
被膜欠陥が発生するのを抑制できること、層間の界面が
少ないので光学的特性を向上できること等の利点を有す
る。
剤と併用した単層型は、電子輸送剤と正孔輸送剤との相
互作用が生じないため、両輸送剤を高濃度で同一の感光
層中に含有させても、電子輸送および正孔輸送がそれぞ
れ効率よく行うことができ、より高感度の感光体を得る
ことができる。
有させた単層型の感光層3においては、電子輸送性能を
より一層向上することができ、より高感度の感光体を得
ることができる。
結着樹脂100重量部に対して、5〜100重量部の範
囲にて、好適には10〜80重量部にて含有するのがよ
い。電子輸送剤が10重量部未満の場合、残留電位が高
くなり、感度が不十分になる虞があり、500重量部を
越える場合は結晶化の可能性があり、感光体としての性
能が十分発揮されない。
発生剤を含有する電荷発生層と、電荷輸送剤を含有する
電荷輸送層とをこの順で、あるいは逆の順で積層したも
のである。
く薄いため、その保護のためには導電性基体上に電荷発
生層を形成し、その上に電荷輸送層を形成するのが好ま
しい。
送層との形成順序と、電荷輸送層中で使用する電荷輸送
剤の種類とによって、正負いずれの帯電型となるかが選
択される。たとえば、導電性基板2の上に電荷発生層を
形成し、その上に電荷輸送層を形成した層構成におい
て、電荷輸送層中に電子輸送剤としてキノン誘導体のよ
うな電子輸送剤を使用したときは、正帯電型の感光体に
なる。この場合、電荷発生層には正孔輸送剤や電子輸送
剤を含有させてもよい。ここで、前記電荷輸送層に電子
受容体を含有させた場合は、電子輸送性が向上するた
め、より高感度の積層型の感光体が得られる。
中の電荷輸送剤として正孔輸送剤を使用したときは負帯
電型の感光体になる。この場合、電荷発生層には電子輸
送剤や電子受容体を含有させてもよい。
と結着樹脂を含む電荷発生層と、電子輸送剤を含む電荷
輸送層から構成される。積層型における電子輸送剤の配
合割合は、単層型の場合と同様の理由で、結着樹脂10
0重量部に対して10〜500重量部、好適には25〜
100重量部がよい。
積層型のいずれにも適用できるが、特に正負いずれの帯
電型にも使用できること、構造が簡単で製造が容易であ
ること、層を形成する際の皮膜欠陥を抑制できること、
層間の界面が少なく、光学的特性を向上できること等の
観点から、単層型が好ましい。
ついて説明する。
料、多環キノン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、インジ
ゴ顔料、キナクリドン顔料、アズレニウム塩顔料、スク
アリリウム顔料、シアニン顔料、ピリリウム染料、チオ
ピリリウム染料、キサンテン染料、キノンイムン色素、
トリフェニルメタン色素、スチリル色素、アンサンスロ
ン系顔料、ピリリウム塩、トリフェニルメタン系顔料、
スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料等
の有機光導電材料、セレン、テルル、アモルファスシリ
コン、硫化カドミウム等の無機光導電材料があげられ、
単独または2種類以上を混合して使用できる。
々の化合物、たとえば、2,5−ジ(4−メチルアミノ
フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジ
アゾール系の化合物、9−(4−ジエチルアミノスチリ
ル)アントラセン等のスチリル系化合物、ポリビニルカ
ルバゾール等のカルバゾール系化合物、有機ポリシラン
化合物、1−フェニル−3(p−ジメチルアミノフェニ
ル)ピラゾリン等のピラゾリン系化合物、ヒドラゾン系
化合物、トリフェニルアミン系化合物、インドール系化
合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合
物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、イ
ミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、トリアゾー
ル系化合物、スチルベン系化合物等の含窒素環式化合
物、縮合多環式化合物等があげられる。
以上を混合して用いてもよい。また、ポリビニルカルバ
ゾール等の成膜性を有する正孔輸送剤を用いる場合に
は、結着樹脂は必ずしも必要でない。
電子輸送能を有する種々の化合物、たとえば、ナフトキ
ノン系化合物、ピラゾリン系化合物、ベンゾキノン系化
合物、ジフェノキノン系化合物、マロノニトリル、チオ
ピラン系化合物、テトラシアノエチレンシアノエチレ
ン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、ジニトロ
ベンゼン、ジニトロアントラセン、ジニトロアクリジ
ン、ニトロアントラキノン、ジニトロアントラキノン、
無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン
酸等があげられる。
周知の樹脂を使用することができる。たとえば、スチレ
ン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトニト
リル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリ
ル共重合体、スチレン−アクリル共重合体、ポリエチレ
ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、アイオノマー、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、アル
キド樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボネー
ト、ポリアリレート、ポリスルホン、ジアリルフタレー
ト、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエー
テル樹脂、ポリエステル樹脂などの熱可塑性樹脂;シリ
コーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹
脂、メラミン樹脂、その他架橋性の熱硬化性樹脂;エポ
キシアクリレート、ウレタン−アクリレート等の光硬化
型樹脂等の樹脂が使用可能である。
に、電子写真特性に悪影響を与えない範囲で、従来公知
の種々の添加剤、たとえば酸化防止剤、ラジカル捕捉
剤、一重項クエンチャー、紫外線吸収剤等の劣化防止
剤、軟化剤、可塑剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分
散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナー等を配合す
ることができる。また、感光層の感度を向上させるため
に、たとえばテルフェニル、ハロナフトキノン類、アセ
ナフチレン等の公知の増感剤を電荷発生剤と併用しても
よい。
は、結着樹脂100重量部に対して0.1〜50重量
部、好ましくは0.5〜30重量部の割合で配合すれば
よい。電荷輸送剤として、電子輸送剤を含有させる場合
は、結着樹脂100重量部に対して5〜100重量部、
好ましくは10〜80重量部の割合で配合すればよい。
また、正孔輸送剤を含有させる場合、正孔輸送剤の割合
を結着樹脂の100重量部に対して5〜500重量部、
好ましくは25〜200重量部とすればよい。さらにま
た、単層型感光層3の厚さは5〜100μm、好ましく
は10〜50μmである。
生層を構成する電荷発生剤と結着樹脂とは、種々の割合
で使用することができるが、結着樹脂100重量部に対
して電荷発生剤を5〜1000重量部、好ましくは30
〜500重量部の割合で配合するとよい。電荷発生層に
正孔輸送剤あるいは電子輸送剤を含有させる場合は、そ
れらの割合を結着樹脂100重量部に対して0.1〜1
00重量部、好ましくは0.5〜80重量部とするとよ
い。
脂とは、電荷の輸送を阻害しない範囲および結晶化しな
い範囲で種々の割合で使用することができるが、光照射
により電荷発生層で生じた電荷が容易に輸送できるよう
に、結着樹脂100重量部に対して、電荷輸送剤を10
〜500重量部、好ましくは25〜100重量部の割合
で配合するとよい。電荷輸送層に正孔輸送剤を含有させ
る場合は、正孔輸送剤の割合を結着樹脂100重量部に
対して5〜200重量部、好ましくは10〜80重量部
とすればよい。
3との間に、また積層型においては、導電性基板2と電
荷発生層との間、導電性基板2と電荷輸送層との間また
は電荷発生層と電荷輸送層との間に、感光体の特性を阻
害しない範囲でバリア層を形成してもよい。
感光層3の形成方法を述べると、前記例示の電荷発生
剤、電荷輸送剤、結着樹脂を適当な溶剤とともに、公知
の方法、たとえばロールミル、ボールミル、アトライ
タ、ペイントシェーカー、超音波分散機等を用いて分散
混合して分散液を調整し、これを公知の手段により塗布
して乾燥させればよい。
有機溶剤が使用可能であり、たとえばメタノール、エタ
ノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール
類;n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪
族系炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香
族系炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロ
ロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化
炭化水素;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テト
ラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテ
ル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノ
ン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル
類;ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド等があげられる。これらの溶
剤は単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
性、感光層表面の平滑性をよくするために界面活性剤、
レベリング剤等を使用してもよい。
%〜1.0原子%の含有比率でもって含み、さらに弗素
原子を0.1原子%〜25原子%の含有比率でもって含
む炭素または炭素を主成分とするアモルファスカーボン
膜であり、そして、この膜の硬度は、有機感光層である
感光層3の硬度に比べて10倍以上60倍以下に設定し
ている。
表面保護層4を構成する各種原子の全量に対し0.1〜
25原子%、好適には2〜20原子%にするとよく、
0.1原子%未満の場合には画像流れが発生し、25原
子%を超えると結合状態において終端部が増え、原子間
のネットワークが少なくなり、C−Cというような原子
間結合が減少し、これによって膜強度が弱くなり、その
結果、膜削れおよびキズが発生する。
合には、構造およびグロー放電という製造面から必然的
にむずかしく、無理に含有量を増加させようとすると、
感光体特性および硬度という点にて劣る。
成する各種原子の全量に対し0.0001〜1.0原子
%、好適には0.01〜0.5原子%にするとよく、
0.0001原子%未満では密着性および電気整合性が
悪く、界面から剥離したり、光メモリー特性が悪化す
る。
面保護層の膜質低下によるトラップ準位が増加したり、
残留電位が上昇したり、帯電能が低下するなどのさまざ
まな感光体特性が悪化し、さらに膜密度低下することに
ともなって表面硬度が低下する。
すように弗素原子を感光層3と表面保護層4との界面と
は反対側の表面近傍にて高濃度になるよう濃度勾配を設
ける。
表面保護層4との界面であり、bは表面保護層4の最表
面(自由表面)である。縦軸は酸素含有量である。な
お、これらの濃度勾配は一例であって、それに限定され
るものではなく、その他にさまざまな濃度勾配をおこな
ってよい。
層4との界面とは反対側の表面近傍にて高濃度になるよ
う濃度勾配を設ける場合には、表面保護層4の全体にお
ける平均弗素含有比率を0.1〜25原子%、好適には
2〜20原子%にすればよい。
層3)の硬度に比べて10〜60倍、好適には20〜5
0倍にするとよく、この比率が10倍未満の場合には硬
度が不充分となり、耐久性(トナ−付着防止のためクリ
−ニング能力を上げている)が満足できず、一方、60
倍を超えると硬度差が大きすぎて表面保護層4にクラッ
クが発生する。
押し込み硬さで評価をおこなう。この動的押し込み硬さ
は島津製作所製の超微小硬度計(DUH−201・20
2)を使用してダイナミック硬さでもって表す。
(三角すい圧子)を試料に押しつけ、この押圧力を0.
1gf〜2gfの荷重まで一定の割合で増加させ、圧子
が試料に浸入していく過程で、圧子の試料への浸入深さ
を自動計測するものであって、その際に生じるくぼみの
大きさを顕微鏡にて測定し、塑性変形分から硬さの値を
得る。
酸素原子を0.0001原子%〜1.0原子%の含有比
率でもって含み、さらに弗素原子を0.1原子%〜25
原子%の含有比率でもって含む炭素または炭素を主成分
とするアモルファスカーボン膜でもって成膜し、弗素原
子を感光層3と表面保護層4との界面とは反対側の表面
近傍にて高濃度になるように濃度勾配を設け、そして、
この膜の硬度を、有機感光層である感光層3の硬度に比
べて10倍以上60倍以下に設定したことで、ブレード
に耐えられる優れた耐刷性が得られ、紙やトナーなどで
もって削れる度合いが著しく低減し、これによって画像
流れが発生せず、1200dpi以上の解像度が得られる高性
能な感光体となった。
との界面とは反対側の表面近傍にて高濃度になるよう濃
度勾配を設けて、感光層3との界面での電気整合性を良
好にし、これによってキャリアの移動がしやすくなり、
また、表面保護層内においても同様にキャリアが移動し
やすくなり、その結果、光感度、残留電位及び解像度の
点で優れた結果が得られる。また、本発明者は、このよ
うな作用効果を奏するための好適な構成要件として、感
光層3と表面保護層4との界面近傍における酸素原子の
濃度に対し、その界面とは反対側の表面近傍における弗
素原子の濃度を1.5〜120倍、好適には3〜30倍
の比率にするとよいことを繰り返しおこなった実験によ
り確認した。
たとえば真空度0.35torr(4.6×10-5Pa)、
基板温度50℃、高周波電力200Wという条件でもっ
てプラズマ化し、有機感光層上に積層を行う。
は、炭化水素ガスおよび酸素化合物ガス、弗素化合物ガ
スが用いられ、キャリアガスとしては一般に常用される
水素ガスあるいはアルゴンガス等が用いられる。
て、たとえばメタン、エタン、プロパン、ブタン、ペン
タン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソブタン、イ
ソペンタン、ネオペンタン、イソヘキサン、ネオヘキサ
ン、ジメチルブタン、メチルヘキサン、エチルペンタ
ン、ジメチルペンタン、トリプタン、メチルヘプタン、
ジメチルヘキサン、トリメチルペンタン、イソナノン等
がある。
ボン膜の硬度は、成膜装置の形態および成膜時の条件
(不純物ドープ量も含む)により変化し、たとえば、基
板温度を高くする、希釈率を高くする、印加電力を高く
する等で硬度が高くなる。
するためには、酸素化合物ガスが使用される。酸素化合
物としては、たとえば、酸素、オゾン、水蒸気、一酸化
炭素、二酸化炭素、一酸化窒素、亜酸化炭素、等の無機
化合物、水酸基、酸素を含む複素環等の官能基あるいは
結合を有する有機化合物等がある。
するためには、弗素化合物ガスが使用される。この弗素
化合物としては、弗素、弗化水素、弗化塩素、弗化沃素
等の無機化合物が用いられる。
4との界面とは反対側の表面近傍にて高濃度になるよう
濃度勾配を設けるには、表面保護層4を成膜形成するに
当り、かかる弗素化合物ガスの導入量を漸次大きくすれ
ばよい。
が好適である。膜厚が0.1μmより薄いと、膜削れに
よる耐久性が確保できなくなり、また、下地の影響を受
ける。一方、膜厚が2.5μmを超えると、光透過率が
悪化し、残留電位が発生する。
状の基板(外径30mm、長さ254mm)の上に感光
層3を塗布形成し、正帯電のレーザープリンタ用にす
る。この感光層3は下記のとおりにて成膜した。
ン5重量部および結着樹脂としてポリカーボネイト10
0重量部、溶媒としてテトラヒドロフラン800重量
部、正孔輸送剤として化1のジエチルアミノベンズアル
デヒドジフェニルヒドラゾン100重量部をボールミル
にて50時間混合、分散させて単層感光体用の塗布液を
作製した。
にディップコート法にて塗布し、100℃で1時間乾燥
させて、膜厚25μmの感光層3を形成させ、単層型と
した。
gf/mm2であった。ただし、表面保護層をつけない
で測定をおこなった。
より5000Å(0.5μm)の厚みでカーボン(C)
からなるアモルファス層を成膜形成する。
導入し、漸次増大し、最後に125sccmにまで多く
している。このようにCF4ガスを導入することで、図5
に示すように直線的な弗素濃度勾配を設ける。
00kgf/mm2であり、弗素原子含有量が0.1〜
10原子%、酸素原子含有量が0.1原子%である。こ
れらの含有量の測定については、2次イオン質量分析法
(Secondary Ion Mass Spectrometry:SIMS)に
ておこなった。
画像形成装置5(京セラ株式会社製エコシスLS−17
00改造機、湿式現像:トナー平均粒径2.5μm)に
搭載し、この装置5に設けられた感光体加熱用ヒーター
のスイッチングを常時OFFにして、感光体加熱をおこ
なわなかった。そして、カールソン法で画像形成して、
30万枚のランニングテストをおこない、画像流れと画
質を測定したところ、画像流れが発生せず、画質につい
ても、かぶりやスジ等がなく、まったく問題のない結果
が得られた。
するに当り、感光層3をまったく同一の構成にして、さ
らに表面保護層4については、CF4ガスの導入量を変
え、その他の成膜条件を(例1)の感光体と同じにて設
定し、各種感光体を作製した。すなわち、表面保護層4
を成膜形成するに際し、CF4ガスの導入量を成膜とと
もに、漸次増大させたが、具体的には、弗素原子含有量
は有機感光層との界面近傍の濃度を0.08原子%(C
F4ガス量:1.0sccm)に設定し、そして、図5に
示すように直線的に酸素濃度を自由表面に向けて高くし
ている。いずれの感光体も硬度は250〜350kgf
/mm2の範囲内にある。これら各感光体において、表
面保護層に酸素原子を含有させない場合、さらにそれぞ
れに酸素原子を0.00005〜10原子%の濃度でも
って含有させることで、これら各感光体の画質および画
像流れを測定したところ、表2に示すような結果が得ら
れた。なお、同表中、弗素原子含有量は、表面保護層全
体の平均値である。その弗素原子の平均含有量が0.0
8原子%の場合には、層厚方向にわたって一定の濃度で
あることを示し、それ以下の平均含有量の場合には、漸
次濃度を減少させ、それ以上の平均値の場合には、漸次
濃度を増大させた場合を示す。
8時間放置し、その画質を4段階に評価し、◎印は画像
変化がまったくなく、きわめて良好な画像が得られた場
合であり、○印は画像変化が若干認められるがこともあ
るが、実用上支障がない場合であり、△印は一部画像が
流れた場合であり、×印は全面にわたって画像が流れた
場合である。
およびハーフトーン画像にて評価し、◎印は黒ベタ濃度
低下・白ベタにおいてかぶりがまったく確認されず、ま
たハーフトーン画像にスジがまったく発生せず、きわめ
て良好な画質が得られた場合であり、○印は黒ベタ濃度
低下が若干現れたり、またはハ−フト−ン画像にスジが
若干認められることもあるが、実用上支障がない場合で
あり、△印はハーフトーン画像の一部にスジが発生した
り、または黒ベタ濃度の低下、もしくは白ベタでのかぶ
りが若干発生している場合であり、×印はハーフトーン
画像にスジが発生したり、または黒ベタ濃度が低下した
り、もしくは白ベタにかぶりが発生し、実用にまったく
適していない場合である。
が0.0001〜1.0原子%、かつ弗素原子含有量が
0.1〜25原子%にすることで、画像流れおよび画質
の双方が優れていることがわかる。特に、画質について
は、黒ベタ濃度低下・白ベタにおいてかぶりがまったく
確認されず、またハーフトーン画像にスジがまったく発
生せず、きわめて良好な画質が得られた。
子%未満では光メモリーが悪く、かぶりが発生したり、
一部で密着性が悪くなり、剥離が発生し、ハーフトーン
画像にキズの発生も見られた。
えるとトラップ準位の増加による残留電位の上昇によ
り、黒ベタ濃度の低下が見られ、さらに、表面硬度の低
下よりキズの発生も見られた。
弗素による撥水性の効果が不充分となり、画像流れを発
生した。また、25原子%を超える含有量にするのは製
造上難しく、無理に作製しようとするとクラックが発生
したり(50原子%)、硬度が極端に低くなり(30原子
%)、キズが発生した。
当り、濃度勾配を設けるよう流量比を変えて、本発明の
感光体Cを作製した。その他の成膜条件や層構成は、
(例1)の感光体と同一にしている。
導入し、漸次増大し、最後に125sccmにまで多く
しているが、本例においては、前述した図5に示すよう
な直線的な濃度勾配でもって作製した。
作製した。感光体Aについては、表面保護層を設けない
場合、感光体Bでは、CF4ガスの導入量を成膜中一定
(5sccm)にしている。また、感光体Dでは、CF
4ガスは、最初に125ccmにて導入し、最後に1.
0sccmにまで下げている。そして、各感光体につい
て(例1)に示すように感光体特性の評価手段でもって
評価したところ、表3に示すような結果が得られた。た
だし、いずれの感光体A〜Dも酸素の平均含有量が0.
01〜0.1原子%、硬度が250〜350kgf/m
m2の範囲内にある。
保護層の弗素原子の濃度勾配が感光体特性に大きな影響
を与えており、本発明の感光体Cにおいては、帯電能お
よび光感度特性に優れ、しかも、残留電位が小さくなっ
ていることがわかる。これら帯電能、光感度特性および
残留電位について、3段階に評価し、○印は良好であ
り、△印はやや良好であり、×印は実用に適していない
ことを示す。画質及び画像流れについては、4段階にて
評価している。本発明者は、弗素原子の濃度がフラット
になっている感光体Bに比べて、表面側に高濃度である
感光体Cの方が、光感度および残留電位の点で優れた結
果が得られているが、その理由について、感光層3との
界面での電気整合性がよく、これによってキャリアの移
動がしやすくなっており、また、表面保護層内において
も同様にキャリアが移動しやすくなったためであると考
える。さらに、濃度勾配を逆にした感光体Dについて
は、光感度および残留電位が極端に悪くなり、実用上支
障があるが、その点については、キャリアの移動が極端
に劣化したためであると考える。また、感光体表面側の
弗素含有量を増加させていることで十分な撥水性の効果
が得られ、画像流れ発生を抑制することができたと考え
る。
り、CF4ガスは、最初に1.0sccmにて導入し、
漸次増加させ、最後に125sccmにまで多くして、
前述した図5に示すような濃度勾配でもって作製した
が、これに代えて、図3、図4および図6に示すような
濃度勾配でもって酸素を含有してもほぼ同じ良好な結果
が得られたことを実験にて確かめた。詳細には、CF4
ガスは、最初に1.0sccmにて導入し、図3に示す
ように指数関数的に増加させ、最後に125sccmに
まで多くした感光体を作製し、その感光体特性を測定し
たところ、表4に示すような結果が得られた。同図中、
その感光体を図3でもって表示している。
mにて導入し、1.0sccmで60分間成膜し、その
後、図4に示すように125sccmにまで多くした感
光体や、図6に示すように1.0sccmで180分間
成膜させた後、最後の20分間の成膜においては徐々に
125sccmまで増加させた感光体も作製し、その感
光体特性を測定した。
発明の各感光体(図3、図4、図6)においては、帯電
能および光感度特性に優れ、しかも、画像流れの発生が
全くなくなっていることがわかる。
ることで、表面保護層4の動的押し込み硬さを変えた感
光体を作製し、それぞれの感光体について(例1)と同
様に画像流れと画質を評価測定したところ、表5〜表7
に示すような結果が得られた。いずれの感光体について
も、(例1)の感光体と同じく図5に示す弗素濃度勾配
になっている。また、いずれの感光体も酸素含有量が
0.001〜0.003原子%、弗素含有量が3〜6原
子%の範囲内にある。
り、表面保護層の動的押し込み硬度が有機感光層に比べ
て10倍〜60倍の範囲であれば、画質および画像流れ
の双方が優れていることがわかる。
れが大きくなり、ハーフトーン画像にキズが発生する。
また、60倍を超えると硬度差から密着性等が低減し、
クラックおよび剥離が発生した。
れ方が違ってくるのは、下地の有機感光層の硬度が影響
しており、有機感光層の硬度が低いとクッションの役目
を果たし、表面保護層の硬度が低くても耐久性に問題が
なくなり、よって、有機感光層と表面保護層の硬度差が
耐久性向上にとって重要であると考える。
ナ−粒径を変えた時の画質評価(解像度:1200dpi)を
したところ、表8〜表10に示すような結果が得られ
た。これは、最初に適正画像(トナ−粒径が小さいと感
光体へのトナ−付着を防止するため、ブレ−ド圧が強く
なっている)への調整を行なった後の評価結果である。
表8は有機感光層の硬度が15kgf/mm2の場合であ
り、表9は有機感光層の硬度が20kgf/mm2の場合
であり、表10は有機感光層の硬度が30kgf/mm2
の場合である。ここで、画質(解像度、キズ、画像流
れ)を4段階に評価し、◎印は1ドットの再現性が良好
で、しかも、感光体にキズが全くなく、画像流れにおい
ても画像変化が全くなく、きわめて良好な画像が得られ
た場合であり、○印は1ドットの再現性が若干悪くなっ
ていたり、もしくは画像変化が若干認められることもあ
るが、実用上支障がない場合であり、△印は1ドットの
再現性で一部が薄くなったり抜けていたり、一部画像が
流れた場合であり、×印はドットの再現性が悪い(ドッ
トが抜けて白くなっている)、もしくは、感光体にキズ
がつき画像に筋として現れたり、全面にわたって画像が
流れた場合である。
層4の硬度が有機感光層の硬度に比べて10倍〜60倍
にまで高硬度化されたことで、3μm未満という平均粒
径の小さい液体トナ−を使用しても、クリーニングが最
適化におこなうことができ、トナー付着が発生せず、充
分な耐久性(画像流れの発生無し)および画像品質が得
られた。しかし、表面保護層4の硬度が有機感光層の硬
度に比べて10倍未満の場合に、トナー粒径が小さくな
ると、表面保護層4にキズが発生した。また、トナー粒
径が大きくなると、解像度が不良となる。
よれば、導電性支持体上に有機感光層と表面保護層とを
順次積層した感光体であって、上記表面保護層は酸素原
子を0.0001原子%〜1.0原子%の範囲で含有
し、弗素原子を0.1原子%〜25原子%の範囲で含有
するアモルファスカーボンにて構成し、弗素原子を有機
感光層と表面保護層との界面とは反対側の表面近傍にて
高濃度になるよう濃度勾配を設けて、その硬度を前記有
機感光層の硬度に比べて10倍〜60倍にした感光体
と、この感光体の表面に電荷を付与する帯電手段と、感
光体の帯電領域に対して光照射する露光手段と、これら
帯電手段と露光手段とにより感光体表面に形成された静
電潜像に対して液体トナー像を感光体の表面に形成する
現像手段と、上記液体トナー像を被転写材に転写する転
写手段と、転写後に感光体表面の残留液体トナーを除去
するクリーニング手段とを配設したことで、表面保護層
の密着性を高めて優れた耐刷性が得られ、さらにクリー
ニング性を高めて、高耐久性、高画質、高性能および高
信頼性が達成できた。
めたことで、画像流れが発生しなくなり、さらに電位特
性のバラツキをなくすことで、感光体用のヒーターを設
けなくてもよく、これにより、構造上簡単となり、製造
歩留まりが向上し、さらに部品点数が少なくなることで
低コスト化を達成した画像形成装置が提供できた。
体トナーを使用してもクリーニング性を高め、これによ
って高解像度を達成した画像形成装置が提供できた。
方向にわたる弗素の濃度勾配を示す線図である。
方向にわたる弗素の濃度勾配を示す線図である。
方向にわたる弗素の濃度勾配を示す線図である。
方向にわたる弗素の濃度勾配を示す線図である。
Claims (1)
- 【請求項1】導電性支持体上に有機感光層と表面保護層
とを順次積層し、上記表面保護層は酸素原子を0.00
01原子%〜1.0原子%の範囲で含有し、弗素原子を
0.1原子%〜25原子%の範囲で含有するアモルファ
スカーボンから成るとともに、弗素原子を有機感光層と
表面保護層との界面とは反対側の表面近傍にて高濃度に
なるよう濃度勾配を設けて、その硬度を前記有機感光層
の硬度に比べて10倍〜60倍にせしめた感光体と、こ
の感光体の表面に電荷を付与する帯電手段と、感光体の
帯電領域に対して光照射する露光手段と、これら帯電手
段と露光手段とにより感光体表面に形成された静電潜像
に対し平均粒径が3μm以下のトナーでもって液体トナ
ー像を感光体の表面に形成せしめる現像手段と、上記液
体トナー像を被転写材に転写する転写手段と、転写後に
感光体表面の残留液体トナーを除去するクリーニング手
段とを配設した画像形成装置。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101023045B1 (ko) * | 2008-11-19 | 2011-03-24 | (주) 태양기전 | 멀티증착층을 구비한 윈도우 및 그 제조방법 |
US8159515B2 (en) * | 2008-08-18 | 2012-04-17 | Canon Kabushiki Kaisha | Image forming apparatus |
-
2001
- 2001-06-15 JP JP2001181756A patent/JP3867166B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US8159515B2 (en) * | 2008-08-18 | 2012-04-17 | Canon Kabushiki Kaisha | Image forming apparatus |
KR101023045B1 (ko) * | 2008-11-19 | 2011-03-24 | (주) 태양기전 | 멀티증착층을 구비한 윈도우 및 그 제조방법 |
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JP3867166B2 (ja) | 2007-01-10 |
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