JP2002348548A - ミクロ吸盤粘着剤付き広告ポスターシートの製造方法 - Google Patents
ミクロ吸盤粘着剤付き広告ポスターシートの製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】ミクロ吸盤シート2の成膜において、直接塗工
法では製造できない耐水性のない紙等の印刷シート、あ
るいは耐熱性の無いプラスティックフイルム等の印刷シ
ート3を表面にに持つ、糊付き広告ポスターシートの製
造において、貼付施工性、剥離作業性、糊残り性、再使
用性を改善し、更に貼付施工後のしわ発生を抑制改善
し、更に又、多品種少ロット生産も可能にした糊付き広
告ポスターシートの製造方法の提供。 【解決手段】両面剥離工程紙1に、無数の微細気泡を内
包したアクリル共重合樹脂エマルジョン液を、塗工、乾
燥して形成される巻き状ミクロ吸盤シート2であって、
その表面に直径5〜40ミクロンの無数の凹状陥没穴6
を形成した、厚さ100〜500ミクロンの柔軟なミク
ロ吸盤シート2を、予め生産しておき、耐水性のない粘
着紙の、あるいは耐熱性の無い粘着フイルムの、それぞ
れの剥離紙5を剥がして、その粘着剤4の面に積層接着
させることにより製造されるミクロ吸盤粘着剤付き広告
ポスターシートの製造方法。
法では製造できない耐水性のない紙等の印刷シート、あ
るいは耐熱性の無いプラスティックフイルム等の印刷シ
ート3を表面にに持つ、糊付き広告ポスターシートの製
造において、貼付施工性、剥離作業性、糊残り性、再使
用性を改善し、更に貼付施工後のしわ発生を抑制改善
し、更に又、多品種少ロット生産も可能にした糊付き広
告ポスターシートの製造方法の提供。 【解決手段】両面剥離工程紙1に、無数の微細気泡を内
包したアクリル共重合樹脂エマルジョン液を、塗工、乾
燥して形成される巻き状ミクロ吸盤シート2であって、
その表面に直径5〜40ミクロンの無数の凹状陥没穴6
を形成した、厚さ100〜500ミクロンの柔軟なミク
ロ吸盤シート2を、予め生産しておき、耐水性のない粘
着紙の、あるいは耐熱性の無い粘着フイルムの、それぞ
れの剥離紙5を剥がして、その粘着剤4の面に積層接着
させることにより製造されるミクロ吸盤粘着剤付き広告
ポスターシートの製造方法。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は店舗等の室内の壁、
窓、サインボード、室外の窓、及び車のボデイ等に容易
に貼り付けができ、簡単に手剥がしができ、かつ再使用
の保管性も良好な広告用ポスターシートに関する。尚、
本発明では広告ポスターシートとは広い意味で使用する
もので、宣伝、広告以外にも、各種印刷表示されものは
全て含む意味であ。 【0002】 【従来の技術】従来、広告用ポスター、販促用POP等
に使用される紙、あるいはプラスティックフイルム等の
印刷シート3を、壁、窓ガラスに貼る場合は画鋲で止め
るか、四隅を粘着テープで止めるかして貼られることが
多い。 【0003】一方,何処でも貼れるように裏面一面に粘
着剤を付与した、いわゆる糊付き広告ポスターシートが
使用され始めて久しい。しかし、これの最大の欠点は窓
ガラス、壁等に貼り付けた時,空気の混入、しわ(皺)
の発生により美しく貼れない難しさと、特に印刷シート
3が紙等の場合、たとえ上手く貼れたとしても大気中の
湿度の変化により、貼付施工後にしわが発生すること、
及び剥がした時に糊がガラス面に残ってその除去に苦労
することである。 【0004】この困難な貼り付け作業を容易ならしめる
ために、被着体の窓ガラス、壁等にあらかじめ石鹸水を
噴霧し吹き付けておき、その上に糊付きポスターをおい
てスキージーで石鹸水を押し出しながら貼り付ける方法
が一般的である。しかし、この方法であると、印刷シー
ト3がプラスティックフイルムのように水に強い場合は
よいが、水に弱い紙等の場合には適用できない。 【0005】貼り付け作業を容易にする他の一つの方法
として、糊付きポスター等の接着力をごく弱くし、貼り
付けを失敗しても剥がせる方法も取られている。しか
し、空気の混入、しわの発生ないように美しく貼るに
は、その道のプロが必要であり、はじめて貼る素人には
出来ない作業となっている。 【0006】一方、一度貼ったポスターを剥がせるなら
剥がして、再度使いたい場合がよくあるが、粘着剤では
べとつき、糊は残り、ごみの付着も多く、たとえ剥がせ
ても再使用まで保管が出来ないのが現状である。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】前述のとおり、糊付き
広告ポスター等の最大の欠点は、貼り施工の難しさと、
糊残りの発生と、貼付施工後のしわの発生と、再使用の
不可能性にある。 【0008】本発明は、貼り施工の難しさを解決する画
期的な方法に関する発明である。特に、1〜2m2 の
大面積の糊付き広告ポスターシートを,素人が容易に、
しかも、短時間で貼り付け施工出来る画期的な発明に関
するものである。 【0009】本発明のもう一つは、糊残りの発生を解決
する画期的な方法に関する発明である。裏面一面に粘着
剤を付与した、いわゆる糊付き広告ポスターシートが使
用され始めて久しい。しかし、これの最大の欠点は広告
ポスターシートを剥がした場合に、被着体に糊が残りそ
の除去にはトルエン、シンナー、ガソリン等の溶剤で溶
かしてふき取るしかなく、その作業は大変な労力を要す
る。本発明のミクロ吸盤シートは被着体に糊を残すこと
なく、しかも容易に、きれいに剥離できる画期的な糊付
き広告ポスターシートを提供する。 【0010】本発明のもう一つは、水性インクジェット
印刷時のしわの発生、及び貼付施工後のしわの発生を抑
制する方法に関する発明である。特に印刷シートが紙等
の糊付きポスター等の場合、貼付施工後、大気の湿度の
変化により、しわが発生するばかりか、剥がしても再使
用できないのである。本発明ではこの点も根本的に改良
するものである。 【0011】すなわち、本発明は、前述のように従来の
欠点に鑑み、貼り付け施工の容易性と、糊残りの改善
と、施工貼付後のしわの発生の抑制と、一度使用して剥
がした広告ポスター等の再使用可能性を兼ね備えた画期
的な糊付き広告ポスターを提供することを目的とする。 【0012】 【目的を解決するための手段】前記の従来の問題点を解
決するために、本発明は印刷シートを表面基材とした、
いわゆる粘着紙、あるいは粘着フイルムの剥離紙、を剥
がしてその上からミクロ吸盤シートを積層接着させ一体
化させる方法である。つまり、べとつく粘着剤を表面
に、吸着機能を持ったミクロ吸盤シートを貼り合わせる
ことにより、素人でも容易に施工でき、さらに、使用後
のしわの発生、糊残りもなく、再使用も可能になるミク
ロ吸盤粘着剤付き広告ポスターシートを構成する。 【0013】すなわち、本発明は次のように構成する。
第一の発明は吸着機能をもったシートを成膜するため
に、整泡剤、増粘剤、硬化剤を適当に混合したアクリル
酸エステル共重合体エマルジョン液に、機械的に空気を
吹き込みながら、微細気泡を無数に生成させた泡状エマ
ルジョン液を、両面剥離工程紙1に塗工、乾燥して成膜
される厚さ100ミクロン〜500ミクロンのミクロ吸
盤シートで、その表面に直径5〜40ミクロンの凹状陥
没穴6を無数に有する柔軟なミクロ吸盤シート2であっ
て、かつ両面剥離工程紙1より容易に剥離できることを
特徴とする。 【0014】第二の発明は、無数の微細な気泡を内包す
るアクリル酸エステル共重合体エマルジョン液を、印刷
シート3の上に直接塗工、乾燥する従来のミクロ吸盤シ
ート2の製造法では、製造できなかった耐水性の無い、
あるいは耐熱性の無い印刷シート3の上にも、ミクロ吸
盤シートを形成可能にした特徴を持つ。 【0015】更に、本発明の特徴は、第一の発明にて形
成されたミクロ吸盤シート2を予め、一定量生産して置
けば、多品種少ロットの生産が極めて容易に可能とな
る。すなわち本発明は、ミクロ吸盤シート2を、その背
面に両面剥離工程紙をつけたまま、粘着紙、あるいは粘
着フイルムの粘着剤4の面に積層接着させて製造できる
ため、既に販売されている多種多様な粘着紙、あるいは
粘着フイルムを使い製造することができる。つまり、貼
り合わせ機械さえあれば、必要な時、必要量を多品種少
ロットで生産ができる特徴をもつ。 【0016】ミクロ吸盤シート2を粘着剤4を介して印
刷シート3に接着させるもう一つ方法は、ミクロ吸盤シ
ート2の上に予め粘着剤4を塗工して置き、その上に印
刷シート3を被覆接着させることにより、前述と同一構
成のミクロ吸盤粘着剤付き広告ポスターシートを製造で
きることは言うまでもない。 【0017】 【作用】ミクロ吸盤シート2は、直径が5〜40ミクロ
ンの無数の微細気泡と柔軟なアクリル樹脂との混合体か
らなり、その表面に図1の如く無数の微細凹状陥没穴6
が形成されている。この微細無数の凹状陥没穴6がいわ
ゆる感圧吸着力を発揮し、被着体面が平滑であればどん
なものでも良く、感圧吸着する特徴をもつ。また、ミク
ロ吸盤シート2を吸着要素とする本発明は、簡単に手剥
がしができ、しかも、粘着剤のようにべとつきがないの
で、人間の生理にも合致する。この機能が貼り施工を極
めて容易にし、1〜2m2の大型ポスターも、素人が簡
単に、しかも、短時間で施工できる要素である。一度貼
ったものは、糊残りなく簡単に剥がすことができ、粘着
剤のように、被着体に粘着剤を残して、その除去に苦労
することもない。 【0018】ミクロ吸盤シート2を印刷シート3の上に
直接形成させる方法には、印刷シート3の裏面に、前述
の無数の微細気泡を含んだ泡状アクリル酸エステル共重
合体エマルジョン液を、直接塗工、乾燥させる方法が一
般的である。 【0019】しかし、この方法の弱点は、泡状アクリル
酸エステル共重合体エマルジョン液は、水性であるため
印刷シート3が水に弱い紙等の場合、直接塗工時に紙等
に水が浸透してしわ(皺)、あるいは破れが発生する。
この方法ではミクロ吸盤シート2を紙等の印刷シート3
の裏面には直接塗工、成膜させることはできない。特に
厚さ50〜200ミクロンの薄い上質紙、コート紙、イ
ンクジェットメディア紙の場合、なおさらである。 【0020】もう一つの直接塗工の弱点は、110℃以
上で容易に熱伸張するプラスティックフイルム上には、
泡状アクリル酸エステル共重合体エマルジョン液は、直
接塗工、乾燥できないことである。乾燥温度が110℃
〜140℃の乾燥炉内において、プラスティックフイル
ムは熱伸張して良品生産が非常に困難になるからであ
る。たとえ生産できても、製品はしわの多い不良品とな
るからである。例えば、110℃〜140℃で軟化する
ポリオレフィン系合成紙、塩ビフイルム、ポリオレフィ
ン系フイルムの場合がこれに該当する。 【0021】以上の様に水に弱い、あるいは熱に弱い印
刷シート3の上にも、ミクロ吸盤機能を付与させる方法
として、第二の発明の方法で前述した如く、あらかじめ
ミクロ吸盤シート2を製造して置き、両面剥離工程紙1
をつけたまま、水に弱い粘着紙の印刷シート3の、ある
いは熱に弱粘着フイルムの印刷シート3の裏面の、粘着
剤4に積層接着させることにより、水に弱い、あるいは
耐熱性の無い印刷シート3にミクロ吸盤機能を付与させ
ることができる。 【0022】更に、もう一つの直接塗工の弱点は、多品
種少ロットの生産に不向きであることである。泡状アク
リル酸エステル共重合体エマルジョン液の泡状調薬液を
直接塗工するとなると、少なくとも500m程度の流れ
がなければ、その製造コストは急騰する。本発明は既に
販売されている粘着紙、あるいは粘着フイルムの剥離紙
5を必要数量剥がして、その粘着剤4の面に、ミクロ吸
盤シートを積層接着して製造できるため、両面剥離工程
紙1の付いたミクロ吸盤シート2を予め生産しておけ
ば、ミクロ吸盤粘着剤付き広告ポスターシートは1mか
らでも生産可能になる。 【0023】第一の発明における両面剥離工程紙1は、
図4の如くミクロ吸盤シート2が巻き状で保管された状
態で、粘着剤4の面に貼合機で、積層接着させる時、ミ
クロ吸盤シート2は回転しながら、自背面から容易に剥
離できるように設計されていなければならない。その為
に、両面が剥離処理された両面剥離工程紙1が必要にな
る。両面剥離工程紙1はシリコーン等の剥離剤で両面処
理された両面ポリラミ加工紙、あるいはクレーコート
紙、ポリエステルフイルムが使われる。その両面の剥離
処理には軽剥離処理と重剥離処理がなされているのが望
ましい。 【0024】ミクロ吸盤シート2は整泡剤、増粘剤、硬
化剤を適当に混合したアクリル酸エステル共重合体の連
続発泡体からなるが、発泡倍率にして、1.5〜2.0
が適当である。またミクロ吸盤シート2の上に形成され
る凹状陥没穴6の直径は5〜40ミクロン程度が多く、
凹状陥没穴形状を呈し、連続発泡体ではあるが、ミクロ
吸盤シート2を貫通する形状のものは少ない。 【0025】本発明のミクロ吸盤シート2は非常に柔軟
であることが重要な要素になる。指先で押すと指紋がミ
クロ吸盤シート2の表面に一時残る程度に柔軟であるの
が望ましい。柔軟であると被着体の平滑面に密着して感
圧吸着して適度な吸着力を発現する。被着体面が粗であ
るとミクロ吸盤シート2を押さえつけても吸着密着しな
い、たとえば新聞紙、上質紙等には吸着しないが、コー
ト紙、ミラーコート紙等の如く表面が平滑で空気が抜け
ない紙には良く吸着する。基本的には、表面平滑であれ
ばほとんどの物に吸着する。一般的に吸着する物は、透
明な板ガラス、タイル、塗装鉄板、塗装アルミ板、ポリ
エチフイルム、ポリエチ板、ポリプロピレンフイルム、
ポリプロピレン板、ポリスチレン板、ポリエステルフイ
ルム、ポリエステル板、アクリル板、塩びフイルム、塩
び板、ABS板、塗装された木材、コート紙と多岐にわ
たる。 【0026】ミクロ吸盤シート2の厚さは200ミクロ
ン程度が貼って剥がせる適度な吸着力を発揮する。10
0ミクロン以下だと被着体の表面が粗になると吸着しな
いうらみがある。500ミクロン以上のものは適度な吸
盤機能の他に、断熱機能、クッション機能を発揮するた
め建材としての応用が期待できる。 【0027】本発明のもう一つの特徴は、上質紙、ある
いはインクジェットメディア紙を印刷シート3にした粘
着紙の場合、剥離紙5を剥がして、ガラス窓等に貼付施
工した場合、大気の湿度の変化で伸びしわが多数発生し
て、ポスターの美観を著しく損ねるが、本発明品の上質
紙、あるいはインクジェットメディア紙を印刷シート3
にしたミクロ吸盤粘着剤付き広告ポスターシートは、ほ
とんどしわは発生しない。 ミクロ吸盤粘着剤付き広告
ポスターシートの場合は、大気の湿度を多く吸って上質
紙が伸縮しても、ミクロ吸盤シート2が極めて柔軟で紙
の伸縮に追随して動くため、しわの発生がかなり抑制さ
れるのである。これは、湿度の影響を受けるポスターシ
ート等の展示物にとっては好都合な現象である。 【0028】 【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態を図を参照
して説明する。 【0029】ミクロ吸盤シート2の製造実施例を以下に
示す。図1は両面剥離工程紙1の上に成膜されたミクロ
吸盤シート2の拡大斜視図を示す。ミクロ吸盤シート2
の製造実施例を以下に示す。 【0030】 【実施例1】まずアクリル共重合樹脂DICNAL M
EP−20WO 100KG,整泡剤DICNAL,
M−40 10KG,増粘剤DICNAL MX 10
KG,架橋剤としてメラミン樹脂5KG(何れも大日本
インキ化学工業製品)を混合したできたアクリルエマル
ジョンを、機械的発泡機オークスミキサーを通して空気
混入させて調薬された泡状微細発泡アクリルエマルジョ
ン液を、1300mm幅のコンマコーターにて、片面軽
剥離、他面重剥離処理された両面剥離工程紙1の、クレ
ーコート剥離紙EKR140(リンテック剥離工程紙)
の軽剥離処理面に500ミクロン厚に均一に塗工した。
その後110℃〜140℃の乾燥炉にて7分間乾燥後、
250ミクロン厚のミクロ吸盤シート2を600m生産
した。ミクロ吸盤シート2は両面剥離工程紙1を付けた
まま図4に示す如く、巻きとられて3週間保管された。 【0031】その後、製造されたミクロ吸盤シート2の
600mの内、流れ20mを取り出し、市販粘着紙、5
5PW(リンテック社製品)つまり図3に示す構成にお
いて、印刷シート3には上質紙KYP64g/m2(日
本製紙)を、粘着剤4にはアクリル系エマルジョン粘着
剤を、剥離紙5には8ER(リンテック社製品)からな
る市販粘着紙、55PWの剥離紙5を、20m2剥がし
ながら、前項のミクロ吸盤シート2をその背面に両面剥
離紙工程紙1を付けたまま、ラミネーターLMH−14
00(ラミコーポレーション製品)で、その粘着剤4の
面に積層接着し、図2の構成からなるミクロ吸盤粘着剤
付き広告ポスターシート20m2を完成した。 【0032】その内、15m2をA1サイズにカットし
20枚を得た。内5枚をインクジェットプリンターPM
9000(EPSON製品)でポスター絵柄を印刷し
た。両面剥離工程紙1を剥がし、窓ガラスに手貼りし
た。ミクロ吸盤シート2の面は手でさわってもべとつか
ず、生理的にも快適で、貼って剥がせて、貼り替えも簡
単で、吸着力も適度であった。比較に、粘着紙55PW
(リンテック社製品)の剥離紙5を剥がし、同様に窓ガ
ラスに手貼りした。粘着紙、55PWは粘着剤であるた
め手にべとつき、一度窓に貼ったものは、とても剥がせ
るものではなかった。 【0033】2か月間、窓に貼ったミクロ吸盤粘着剤付
きポスターシートと粘着紙55PWのしわの発生程度を
観察比較したが、明らかに差があり、ミクロ吸盤粘着剤
付きポスターシートはほとんどしわの発生はなかった。
一方、粘着紙55PW、は雨の湿度の高い日に多数のし
わが発生した。 【0034】2か月間、窓ガラスに貼ったミクロ吸盤粘
着剤付きポスターシート、及び粘着紙55PWを手で剥
がして、糊残りの発生程度を比較観察した。明らかに差
があり、ミクロ吸盤粘着剤付きポスターシートの窓ガラ
スへの糊残りは皆無で、容易にきれいに手剥がしができ
た。しかし、一方、粘着紙55PWは剥がれず一部破れ
が発生し、さらに粘着剤の糊残りが全面に発生した。 【0035】また、前項で、窓ガラスから剥がしたミク
ロ吸盤粘着剤付きポスターシートA1サイズ、5枚を再
度窓ガラスに貼って、再使用の可能性を確認したとこ
ろ、十分再使用可能であった。 【0036】水性インクジェットインクによる印字直後
の紙の波打ち、しわの発生の程度を比較観察するため、
ミクロ吸盤粘着剤付き広告ポスターシートのA1サイ
ズ、5枚を水性染料インクを使うインクジェットプリン
ターPM9000(EPSON製品)にかけた。また比
較に粘着紙、55PWも同一プリンターにかけて比較し
た。55PWは水性インクジェットインクによる大きな
波しわが発生するが、ミクロ吸盤粘着剤付きポスターシ
ートは波しわの発生がかなり抑制され、明らかにその差
が確認された。 【0037】 【実施例2】ポリオレフィン合成紙を基材にした幅13
00mmインクジェットメディア製品VJFD−140
(ユポコーポレーション製品)の上に直接、アクリル共
重合樹脂DICNAL MEP−20WO 100K
G,整泡剤DICNAL, M−40 10KG,増粘
剤DICNAL MX 10KG,架橋剤としてメラミ
ン樹脂5KG(何れも大日本インキ化学工業製品)を混
合した、泡状微細発泡アクリルエマルジョン液を、14
00mm幅のコンマコーターにて、500ミクロン厚に
均一に塗工した。その後110℃〜140℃の乾燥炉に
て7分間乾燥炉を通したところ、ポリオレフィン合成紙
は約5%延伸し、たてしわが多数発生した。耐熱性の無
いプラスティックフイルムには泡状微細発泡アクリルエ
マルジョン液を直接塗工、乾燥することは困難であるこ
とを確認した。
窓、サインボード、室外の窓、及び車のボデイ等に容易
に貼り付けができ、簡単に手剥がしができ、かつ再使用
の保管性も良好な広告用ポスターシートに関する。尚、
本発明では広告ポスターシートとは広い意味で使用する
もので、宣伝、広告以外にも、各種印刷表示されものは
全て含む意味であ。 【0002】 【従来の技術】従来、広告用ポスター、販促用POP等
に使用される紙、あるいはプラスティックフイルム等の
印刷シート3を、壁、窓ガラスに貼る場合は画鋲で止め
るか、四隅を粘着テープで止めるかして貼られることが
多い。 【0003】一方,何処でも貼れるように裏面一面に粘
着剤を付与した、いわゆる糊付き広告ポスターシートが
使用され始めて久しい。しかし、これの最大の欠点は窓
ガラス、壁等に貼り付けた時,空気の混入、しわ(皺)
の発生により美しく貼れない難しさと、特に印刷シート
3が紙等の場合、たとえ上手く貼れたとしても大気中の
湿度の変化により、貼付施工後にしわが発生すること、
及び剥がした時に糊がガラス面に残ってその除去に苦労
することである。 【0004】この困難な貼り付け作業を容易ならしめる
ために、被着体の窓ガラス、壁等にあらかじめ石鹸水を
噴霧し吹き付けておき、その上に糊付きポスターをおい
てスキージーで石鹸水を押し出しながら貼り付ける方法
が一般的である。しかし、この方法であると、印刷シー
ト3がプラスティックフイルムのように水に強い場合は
よいが、水に弱い紙等の場合には適用できない。 【0005】貼り付け作業を容易にする他の一つの方法
として、糊付きポスター等の接着力をごく弱くし、貼り
付けを失敗しても剥がせる方法も取られている。しか
し、空気の混入、しわの発生ないように美しく貼るに
は、その道のプロが必要であり、はじめて貼る素人には
出来ない作業となっている。 【0006】一方、一度貼ったポスターを剥がせるなら
剥がして、再度使いたい場合がよくあるが、粘着剤では
べとつき、糊は残り、ごみの付着も多く、たとえ剥がせ
ても再使用まで保管が出来ないのが現状である。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】前述のとおり、糊付き
広告ポスター等の最大の欠点は、貼り施工の難しさと、
糊残りの発生と、貼付施工後のしわの発生と、再使用の
不可能性にある。 【0008】本発明は、貼り施工の難しさを解決する画
期的な方法に関する発明である。特に、1〜2m2 の
大面積の糊付き広告ポスターシートを,素人が容易に、
しかも、短時間で貼り付け施工出来る画期的な発明に関
するものである。 【0009】本発明のもう一つは、糊残りの発生を解決
する画期的な方法に関する発明である。裏面一面に粘着
剤を付与した、いわゆる糊付き広告ポスターシートが使
用され始めて久しい。しかし、これの最大の欠点は広告
ポスターシートを剥がした場合に、被着体に糊が残りそ
の除去にはトルエン、シンナー、ガソリン等の溶剤で溶
かしてふき取るしかなく、その作業は大変な労力を要す
る。本発明のミクロ吸盤シートは被着体に糊を残すこと
なく、しかも容易に、きれいに剥離できる画期的な糊付
き広告ポスターシートを提供する。 【0010】本発明のもう一つは、水性インクジェット
印刷時のしわの発生、及び貼付施工後のしわの発生を抑
制する方法に関する発明である。特に印刷シートが紙等
の糊付きポスター等の場合、貼付施工後、大気の湿度の
変化により、しわが発生するばかりか、剥がしても再使
用できないのである。本発明ではこの点も根本的に改良
するものである。 【0011】すなわち、本発明は、前述のように従来の
欠点に鑑み、貼り付け施工の容易性と、糊残りの改善
と、施工貼付後のしわの発生の抑制と、一度使用して剥
がした広告ポスター等の再使用可能性を兼ね備えた画期
的な糊付き広告ポスターを提供することを目的とする。 【0012】 【目的を解決するための手段】前記の従来の問題点を解
決するために、本発明は印刷シートを表面基材とした、
いわゆる粘着紙、あるいは粘着フイルムの剥離紙、を剥
がしてその上からミクロ吸盤シートを積層接着させ一体
化させる方法である。つまり、べとつく粘着剤を表面
に、吸着機能を持ったミクロ吸盤シートを貼り合わせる
ことにより、素人でも容易に施工でき、さらに、使用後
のしわの発生、糊残りもなく、再使用も可能になるミク
ロ吸盤粘着剤付き広告ポスターシートを構成する。 【0013】すなわち、本発明は次のように構成する。
第一の発明は吸着機能をもったシートを成膜するため
に、整泡剤、増粘剤、硬化剤を適当に混合したアクリル
酸エステル共重合体エマルジョン液に、機械的に空気を
吹き込みながら、微細気泡を無数に生成させた泡状エマ
ルジョン液を、両面剥離工程紙1に塗工、乾燥して成膜
される厚さ100ミクロン〜500ミクロンのミクロ吸
盤シートで、その表面に直径5〜40ミクロンの凹状陥
没穴6を無数に有する柔軟なミクロ吸盤シート2であっ
て、かつ両面剥離工程紙1より容易に剥離できることを
特徴とする。 【0014】第二の発明は、無数の微細な気泡を内包す
るアクリル酸エステル共重合体エマルジョン液を、印刷
シート3の上に直接塗工、乾燥する従来のミクロ吸盤シ
ート2の製造法では、製造できなかった耐水性の無い、
あるいは耐熱性の無い印刷シート3の上にも、ミクロ吸
盤シートを形成可能にした特徴を持つ。 【0015】更に、本発明の特徴は、第一の発明にて形
成されたミクロ吸盤シート2を予め、一定量生産して置
けば、多品種少ロットの生産が極めて容易に可能とな
る。すなわち本発明は、ミクロ吸盤シート2を、その背
面に両面剥離工程紙をつけたまま、粘着紙、あるいは粘
着フイルムの粘着剤4の面に積層接着させて製造できる
ため、既に販売されている多種多様な粘着紙、あるいは
粘着フイルムを使い製造することができる。つまり、貼
り合わせ機械さえあれば、必要な時、必要量を多品種少
ロットで生産ができる特徴をもつ。 【0016】ミクロ吸盤シート2を粘着剤4を介して印
刷シート3に接着させるもう一つ方法は、ミクロ吸盤シ
ート2の上に予め粘着剤4を塗工して置き、その上に印
刷シート3を被覆接着させることにより、前述と同一構
成のミクロ吸盤粘着剤付き広告ポスターシートを製造で
きることは言うまでもない。 【0017】 【作用】ミクロ吸盤シート2は、直径が5〜40ミクロ
ンの無数の微細気泡と柔軟なアクリル樹脂との混合体か
らなり、その表面に図1の如く無数の微細凹状陥没穴6
が形成されている。この微細無数の凹状陥没穴6がいわ
ゆる感圧吸着力を発揮し、被着体面が平滑であればどん
なものでも良く、感圧吸着する特徴をもつ。また、ミク
ロ吸盤シート2を吸着要素とする本発明は、簡単に手剥
がしができ、しかも、粘着剤のようにべとつきがないの
で、人間の生理にも合致する。この機能が貼り施工を極
めて容易にし、1〜2m2の大型ポスターも、素人が簡
単に、しかも、短時間で施工できる要素である。一度貼
ったものは、糊残りなく簡単に剥がすことができ、粘着
剤のように、被着体に粘着剤を残して、その除去に苦労
することもない。 【0018】ミクロ吸盤シート2を印刷シート3の上に
直接形成させる方法には、印刷シート3の裏面に、前述
の無数の微細気泡を含んだ泡状アクリル酸エステル共重
合体エマルジョン液を、直接塗工、乾燥させる方法が一
般的である。 【0019】しかし、この方法の弱点は、泡状アクリル
酸エステル共重合体エマルジョン液は、水性であるため
印刷シート3が水に弱い紙等の場合、直接塗工時に紙等
に水が浸透してしわ(皺)、あるいは破れが発生する。
この方法ではミクロ吸盤シート2を紙等の印刷シート3
の裏面には直接塗工、成膜させることはできない。特に
厚さ50〜200ミクロンの薄い上質紙、コート紙、イ
ンクジェットメディア紙の場合、なおさらである。 【0020】もう一つの直接塗工の弱点は、110℃以
上で容易に熱伸張するプラスティックフイルム上には、
泡状アクリル酸エステル共重合体エマルジョン液は、直
接塗工、乾燥できないことである。乾燥温度が110℃
〜140℃の乾燥炉内において、プラスティックフイル
ムは熱伸張して良品生産が非常に困難になるからであ
る。たとえ生産できても、製品はしわの多い不良品とな
るからである。例えば、110℃〜140℃で軟化する
ポリオレフィン系合成紙、塩ビフイルム、ポリオレフィ
ン系フイルムの場合がこれに該当する。 【0021】以上の様に水に弱い、あるいは熱に弱い印
刷シート3の上にも、ミクロ吸盤機能を付与させる方法
として、第二の発明の方法で前述した如く、あらかじめ
ミクロ吸盤シート2を製造して置き、両面剥離工程紙1
をつけたまま、水に弱い粘着紙の印刷シート3の、ある
いは熱に弱粘着フイルムの印刷シート3の裏面の、粘着
剤4に積層接着させることにより、水に弱い、あるいは
耐熱性の無い印刷シート3にミクロ吸盤機能を付与させ
ることができる。 【0022】更に、もう一つの直接塗工の弱点は、多品
種少ロットの生産に不向きであることである。泡状アク
リル酸エステル共重合体エマルジョン液の泡状調薬液を
直接塗工するとなると、少なくとも500m程度の流れ
がなければ、その製造コストは急騰する。本発明は既に
販売されている粘着紙、あるいは粘着フイルムの剥離紙
5を必要数量剥がして、その粘着剤4の面に、ミクロ吸
盤シートを積層接着して製造できるため、両面剥離工程
紙1の付いたミクロ吸盤シート2を予め生産しておけ
ば、ミクロ吸盤粘着剤付き広告ポスターシートは1mか
らでも生産可能になる。 【0023】第一の発明における両面剥離工程紙1は、
図4の如くミクロ吸盤シート2が巻き状で保管された状
態で、粘着剤4の面に貼合機で、積層接着させる時、ミ
クロ吸盤シート2は回転しながら、自背面から容易に剥
離できるように設計されていなければならない。その為
に、両面が剥離処理された両面剥離工程紙1が必要にな
る。両面剥離工程紙1はシリコーン等の剥離剤で両面処
理された両面ポリラミ加工紙、あるいはクレーコート
紙、ポリエステルフイルムが使われる。その両面の剥離
処理には軽剥離処理と重剥離処理がなされているのが望
ましい。 【0024】ミクロ吸盤シート2は整泡剤、増粘剤、硬
化剤を適当に混合したアクリル酸エステル共重合体の連
続発泡体からなるが、発泡倍率にして、1.5〜2.0
が適当である。またミクロ吸盤シート2の上に形成され
る凹状陥没穴6の直径は5〜40ミクロン程度が多く、
凹状陥没穴形状を呈し、連続発泡体ではあるが、ミクロ
吸盤シート2を貫通する形状のものは少ない。 【0025】本発明のミクロ吸盤シート2は非常に柔軟
であることが重要な要素になる。指先で押すと指紋がミ
クロ吸盤シート2の表面に一時残る程度に柔軟であるの
が望ましい。柔軟であると被着体の平滑面に密着して感
圧吸着して適度な吸着力を発現する。被着体面が粗であ
るとミクロ吸盤シート2を押さえつけても吸着密着しな
い、たとえば新聞紙、上質紙等には吸着しないが、コー
ト紙、ミラーコート紙等の如く表面が平滑で空気が抜け
ない紙には良く吸着する。基本的には、表面平滑であれ
ばほとんどの物に吸着する。一般的に吸着する物は、透
明な板ガラス、タイル、塗装鉄板、塗装アルミ板、ポリ
エチフイルム、ポリエチ板、ポリプロピレンフイルム、
ポリプロピレン板、ポリスチレン板、ポリエステルフイ
ルム、ポリエステル板、アクリル板、塩びフイルム、塩
び板、ABS板、塗装された木材、コート紙と多岐にわ
たる。 【0026】ミクロ吸盤シート2の厚さは200ミクロ
ン程度が貼って剥がせる適度な吸着力を発揮する。10
0ミクロン以下だと被着体の表面が粗になると吸着しな
いうらみがある。500ミクロン以上のものは適度な吸
盤機能の他に、断熱機能、クッション機能を発揮するた
め建材としての応用が期待できる。 【0027】本発明のもう一つの特徴は、上質紙、ある
いはインクジェットメディア紙を印刷シート3にした粘
着紙の場合、剥離紙5を剥がして、ガラス窓等に貼付施
工した場合、大気の湿度の変化で伸びしわが多数発生し
て、ポスターの美観を著しく損ねるが、本発明品の上質
紙、あるいはインクジェットメディア紙を印刷シート3
にしたミクロ吸盤粘着剤付き広告ポスターシートは、ほ
とんどしわは発生しない。 ミクロ吸盤粘着剤付き広告
ポスターシートの場合は、大気の湿度を多く吸って上質
紙が伸縮しても、ミクロ吸盤シート2が極めて柔軟で紙
の伸縮に追随して動くため、しわの発生がかなり抑制さ
れるのである。これは、湿度の影響を受けるポスターシ
ート等の展示物にとっては好都合な現象である。 【0028】 【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態を図を参照
して説明する。 【0029】ミクロ吸盤シート2の製造実施例を以下に
示す。図1は両面剥離工程紙1の上に成膜されたミクロ
吸盤シート2の拡大斜視図を示す。ミクロ吸盤シート2
の製造実施例を以下に示す。 【0030】 【実施例1】まずアクリル共重合樹脂DICNAL M
EP−20WO 100KG,整泡剤DICNAL,
M−40 10KG,増粘剤DICNAL MX 10
KG,架橋剤としてメラミン樹脂5KG(何れも大日本
インキ化学工業製品)を混合したできたアクリルエマル
ジョンを、機械的発泡機オークスミキサーを通して空気
混入させて調薬された泡状微細発泡アクリルエマルジョ
ン液を、1300mm幅のコンマコーターにて、片面軽
剥離、他面重剥離処理された両面剥離工程紙1の、クレ
ーコート剥離紙EKR140(リンテック剥離工程紙)
の軽剥離処理面に500ミクロン厚に均一に塗工した。
その後110℃〜140℃の乾燥炉にて7分間乾燥後、
250ミクロン厚のミクロ吸盤シート2を600m生産
した。ミクロ吸盤シート2は両面剥離工程紙1を付けた
まま図4に示す如く、巻きとられて3週間保管された。 【0031】その後、製造されたミクロ吸盤シート2の
600mの内、流れ20mを取り出し、市販粘着紙、5
5PW(リンテック社製品)つまり図3に示す構成にお
いて、印刷シート3には上質紙KYP64g/m2(日
本製紙)を、粘着剤4にはアクリル系エマルジョン粘着
剤を、剥離紙5には8ER(リンテック社製品)からな
る市販粘着紙、55PWの剥離紙5を、20m2剥がし
ながら、前項のミクロ吸盤シート2をその背面に両面剥
離紙工程紙1を付けたまま、ラミネーターLMH−14
00(ラミコーポレーション製品)で、その粘着剤4の
面に積層接着し、図2の構成からなるミクロ吸盤粘着剤
付き広告ポスターシート20m2を完成した。 【0032】その内、15m2をA1サイズにカットし
20枚を得た。内5枚をインクジェットプリンターPM
9000(EPSON製品)でポスター絵柄を印刷し
た。両面剥離工程紙1を剥がし、窓ガラスに手貼りし
た。ミクロ吸盤シート2の面は手でさわってもべとつか
ず、生理的にも快適で、貼って剥がせて、貼り替えも簡
単で、吸着力も適度であった。比較に、粘着紙55PW
(リンテック社製品)の剥離紙5を剥がし、同様に窓ガ
ラスに手貼りした。粘着紙、55PWは粘着剤であるた
め手にべとつき、一度窓に貼ったものは、とても剥がせ
るものではなかった。 【0033】2か月間、窓に貼ったミクロ吸盤粘着剤付
きポスターシートと粘着紙55PWのしわの発生程度を
観察比較したが、明らかに差があり、ミクロ吸盤粘着剤
付きポスターシートはほとんどしわの発生はなかった。
一方、粘着紙55PW、は雨の湿度の高い日に多数のし
わが発生した。 【0034】2か月間、窓ガラスに貼ったミクロ吸盤粘
着剤付きポスターシート、及び粘着紙55PWを手で剥
がして、糊残りの発生程度を比較観察した。明らかに差
があり、ミクロ吸盤粘着剤付きポスターシートの窓ガラ
スへの糊残りは皆無で、容易にきれいに手剥がしができ
た。しかし、一方、粘着紙55PWは剥がれず一部破れ
が発生し、さらに粘着剤の糊残りが全面に発生した。 【0035】また、前項で、窓ガラスから剥がしたミク
ロ吸盤粘着剤付きポスターシートA1サイズ、5枚を再
度窓ガラスに貼って、再使用の可能性を確認したとこ
ろ、十分再使用可能であった。 【0036】水性インクジェットインクによる印字直後
の紙の波打ち、しわの発生の程度を比較観察するため、
ミクロ吸盤粘着剤付き広告ポスターシートのA1サイ
ズ、5枚を水性染料インクを使うインクジェットプリン
ターPM9000(EPSON製品)にかけた。また比
較に粘着紙、55PWも同一プリンターにかけて比較し
た。55PWは水性インクジェットインクによる大きな
波しわが発生するが、ミクロ吸盤粘着剤付きポスターシ
ートは波しわの発生がかなり抑制され、明らかにその差
が確認された。 【0037】 【実施例2】ポリオレフィン合成紙を基材にした幅13
00mmインクジェットメディア製品VJFD−140
(ユポコーポレーション製品)の上に直接、アクリル共
重合樹脂DICNAL MEP−20WO 100K
G,整泡剤DICNAL, M−40 10KG,増粘
剤DICNAL MX 10KG,架橋剤としてメラミ
ン樹脂5KG(何れも大日本インキ化学工業製品)を混
合した、泡状微細発泡アクリルエマルジョン液を、14
00mm幅のコンマコーターにて、500ミクロン厚に
均一に塗工した。その後110℃〜140℃の乾燥炉に
て7分間乾燥炉を通したところ、ポリオレフィン合成紙
は約5%延伸し、たてしわが多数発生した。耐熱性の無
いプラスティックフイルムには泡状微細発泡アクリルエ
マルジョン液を直接塗工、乾燥することは困難であるこ
とを確認した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の両面剥離工程紙1付きミクロ吸盤シー
ト2の拡大斜視図である。 【図2】本発明のミクロ吸盤粘着剤付き広告ポスターシ
ートの拡大断面図である。 【図3】粘着紙、粘着フイルムの拡大断面図である。 【図4】本発明の両面剥離工程紙1付きミクロ吸盤シー
ト2の巻き状拡大斜視図である 【符号の説明】 1 両面剥離工程紙 2 ミクロ吸盤シート 3 印刷シート 4 粘着剤 5 剥離紙 6 凹状陥没穴
ト2の拡大斜視図である。 【図2】本発明のミクロ吸盤粘着剤付き広告ポスターシ
ートの拡大断面図である。 【図3】粘着紙、粘着フイルムの拡大断面図である。 【図4】本発明の両面剥離工程紙1付きミクロ吸盤シー
ト2の巻き状拡大斜視図である 【符号の説明】 1 両面剥離工程紙 2 ミクロ吸盤シート 3 印刷シート 4 粘着剤 5 剥離紙 6 凹状陥没穴
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
C09J 133/00 C09J 133/00
F16B 47/00 F16B 47/00 V
G09F 15/02 G09F 15/02
Fターム(参考) 3J038 AA03 CA20 DA03
4F100 AK01C AK25B AK25G AL01B
BA03 BA07 BA10A BA10C
CB05 DC11B DD01B DD07B
DG10A DG10C DJ00B EC182
EH462 EJ862 EJ943 GB90
HB31C JB07C JJ03C JL00
JL02 JL04 JL05 JL13 JL13C
JL14A JM01B JM01G
4J004 AA10 BA02 BA06 DB02 FA01
FA08
4J040 DF001 EB132 JA09 JA10
LA06
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1 】無数の微細な気泡を内包するアクリル酸
エステル共重合体エマルジョン液を両面剥離工程紙1上
に塗工、乾燥して成膜される厚さ100〜500ミクロ
ンのミクロ吸盤シート2で、その表面に微細な凹状陥没
穴6を無数に有するミクロ吸盤シート2で、かつ、両面
剥離工程紙1から容易に剥離可能な柔軟な巻き状ミクロ
吸盤シート2。 【請求項2 】耐水性の無い紙を印刷シート3とした粘
着紙であって、あるいは耐熱性の無いプラスティックフ
イルムを印刷シート3とした粘着フイルムであって、そ
の剥離紙5を剥がし、請求項1にて成膜されたミクロ吸
盤シート2を、その背面に両面剥離工程紙1を付けたま
ま、印刷シート3上の粘着剤4を介し積層接着してな
る、ミクロ吸盤粘着剤付き広告ポスターシートの製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001195530A JP2002348548A (ja) | 2001-05-25 | 2001-05-25 | ミクロ吸盤粘着剤付き広告ポスターシートの製造方法 |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2002348548A true JP2002348548A (ja) | 2002-12-04 |
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ID=19033485
Family Applications (1)
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-
2001
- 2001-05-25 JP JP2001195530A patent/JP2002348548A/ja active Pending
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