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JP2002329514A - 燃料電池用単セル及び固体電解質型燃料電池 - Google Patents

燃料電池用単セル及び固体電解質型燃料電池

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JP2002329514A
JP2002329514A JP2001134693A JP2001134693A JP2002329514A JP 2002329514 A JP2002329514 A JP 2002329514A JP 2001134693 A JP2001134693 A JP 2001134693A JP 2001134693 A JP2001134693 A JP 2001134693A JP 2002329514 A JP2002329514 A JP 2002329514A
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JP
Japan
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fuel cell
electrode layer
cell
solid electrolyte
fuel
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JP2001134693A
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Tatsuhiro Fukuzawa
達弘 福沢
Keiko Kushibiki
圭子 櫛引
Itaru Shibata
格 柴田
Masaharu Hatano
正治 秦野
Naoki Hara
直樹 原
Noritoshi Sato
文紀 佐藤
Mitsugi Yamanaka
貢 山中
Makoto Uchiyama
誠 内山
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型化、高出力化が可能で、信頼性の高い単
セル、セル板、これらを備えた燃料電池用スタック及び
固体電解質型燃料電池を提供すること。 【解決手段】 固体電解質層9を空気極層5及び燃料極
層6を基板10に設けた溝又は孔に配置して成り、該固
体電解質層界面に電気化学的な反応場を形成し、基板1
0に導電性材料3を貫入した燃料電池用単セルである。
導電性材料3の電子伝導度が空気極層5及び燃料極層6
の形成材料の電子伝導度より高い。固体電解質型燃料電
池用スタックを発電要素とする固体電解質型燃料電池で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体電解質を用
い、電気化学反応により電気エネルギーを得る固体電解
質型燃料電池(SOFC)に係り、更に詳細には、固体
電解質を電極層で挟持して成る単セル、セル板、これら
を備えた燃料電池用スタック及び固体電解質型燃料電池
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高エネルギー変換が可能で、地球
環境に優しいクリーンエネルギー源として燃料電池が注
目されており、自動車用電源としての応用が検討されて
いる。固体電解質型燃料電池(以下、「SOFC」と略
す)は、効率の高い燃料電池として注目されている。し
かし、燃料電池単セルの起電力は約1Vと低いため、高
電圧化のために複数の単セルを直列に接続してスタック
を形成する必要があるため、スタッキングの方法が重要
である。また、自動車用電源としての応用を考えたとき
には、高出力化が必要となり、SOFCを高出力化する
ための技術のひとつとして、固体電解質や電極を薄膜化
することが挙げられるが、従来例である特開平8−64
216号公報などに開示されている構造では、集電機能
が不十分であり、電流の取り出しをスムーズに行うため
の配線構造が必要である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述のような、従来の
燃料電池スタックでは、電極部が集電機能を兼ねている
ため、電極が薄くなると導電経路の断面積が小さくなっ
てしまい、電気抵抗が大きくなってしまう。また、集電
機能を向上させるために、セル要素間にセパレーターや
インタコネクタを配置すると、燃料電池スタックにおけ
る非発電要素の占める割合が大きくなり、出力密度が低
下してしまう。更に、従来のインタコネクタは、高温下
で酸化ガス雰囲気、還元ガス雰囲気の両方にさらされる
ため、高い耐久性が要求され、使用できる材料が限られ
ていた。更にまた、高電圧化のためには単セルを直列化
することが必要だが、ガスセパレーターがない平板型の
スタックにおいて、スタック内部で各単セルを直列接続
することは非常に困難であり、スタック外部で直列接続
を行わなければならず、配線構造の複雑化、部品点数の
増加などに係る課題があった。
【0004】本発明は、このような従来技術の有する課
題に鑑みてなされたものであり、その目的とするとこと
は、小型化、高出力化が可能で、信頼性の高い単セル、
セル板、これらを備えた燃料電池用スタック及び固体電
解質型燃料電池を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、集電を担う導電性
材料を所定形状で配置したことにより、上記課題が解決
できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明の燃料電池用単セルは、固体
電解質層を空気極層及び燃料極層で挟持し、これを導電
性基板又は絶縁性基板に設けた溝又は孔に配置して成る
燃料電池用の単セルであって、上記空気極層及び燃料極
層を上記固体電解質層と電気的且つ機械的に接合し、該
固体電解質層界面に電気化学的な反応場を形成し、上記
基板の、延在方向且つ上記溝又は孔が存在しない部位
に、該反応場から集電し外部に電流を導通可能な導電性
材料を貫入して成ることを特徴とする。
【0007】また、本発明の燃料電池用単セルの好適形
態は、上記導電性材料の電子伝導度が、上記空気極層及
び燃料極層を形成する材料の電子伝導度以上であること
を特徴とする。
【0008】更に、本発明の燃料電池用セル板は、上記
燃料電池用単セルを、上記空気極層、燃料極層及び固体
電解質層の積層方向とほぼ垂直の方向へ2次元的且つ連
続的又は断続的に複数個接合して成ることを特徴とす
る。
【0009】更にまた、本発明の燃料電池用スタック
は、上記燃料電池用単セル、又は上記燃料電池用セル板
を、上記空気極層、燃料極層及び固体電解質層の積層方
向とほぼ同一方向へ2次元的に複数個連結し一体化して
成ることを特徴とする。
【0010】また、本発明の燃料電池用スタックの好適
形態は、上記燃料電池用単セル又は導電性材料に絶縁部
を設け、1又は複数の単セルごと且つ空気極層側及び燃
料極層側の集電を担う集電部を形成したことを特徴とす
る。
【0011】更に、本発明の燃料電池用スタックの他の
好適形態は、上記集電部の横断面の平均面積Scと上記
反応場の横断面の平均面積Srとが、Sc/Sr≧10
の関係を満たすことを特徴とする。
【0012】更にまた、本発明の固体電解質型燃料電池
は、上記固体電解質型燃料電池用スタックを発電要素と
して構成したことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の固体電解質型燃料
電池用の単セル及びセル板について詳細に説明する。な
お、本明細書において、「%」は特記しない限り質量百
分率を示す。また、説明の便宜上、単セルや電極層など
各層の一方の面を「上面、表面」、他の面を「下面、裏
面」などと記載するが、これらは等価な要素であり、相
互に置換した構成も本発明の範囲に含まれるのは言うま
でもない。更に、セル板は、単セルの集積化を促進し
て、得られる燃料電池の高出力化を図るのに実用的な製
品形態である。
【0014】上述のように、本発明の単セルは、固体電
解質層を空気極層及び燃料極層で挟持し、これを基板に
配置して成る。ここで、基板は、特にシリコン(Si)
基板に限定されず、導電性基板及び絶縁性基板のいずれ
でも採用でき、例えばガラス基板や金属基板などを使用
できる。これより、基板にかかるコストを低下できる。
但し、Si基板や金属基板を用いることが特に望まし
い。また、上記挟持体(空気極層、固体電解質層及び燃
料極層の積層体)は、基板に設けた溝又は孔に配置され
る。これより、単セルにおけるデッドスペースを有効利
用し出力密度を低下することなく電極集電部が形成され
る。また、電極集電部が原料ガス(酸化ガス及び燃料ガ
ス)に接触しないためガス耐久性の低い材料でも使用で
きる。更に、原料ガスの接触により形成される反応場
(発電部)が所望形態で固定される。なお、かかる溝や
孔は、燃料電池としたときの出力や原料ガス流路などを
考慮して種々の形状とすることが可能であり、溝や孔の
深さも特に限定されない。
【0015】また、上記空気極層及び燃料極層の構成材
料としては、例えば、燃料極層として、ニッケル(N
i)、銅(Cu)及びそれらのサーメットなどを使用で
き、空気極層として、LSM、LSC及びPtなどを使
用できる。
【0016】更に、上記固体電解質層は、発電機能を発
現するのに必要であり、酸素イオン伝導性などを有する
従来公知の材料、例えば、酸化ネオジウム(Nd
)、酸化サマリウム(Sm)、イットリア
(Y)及び酸化ガドリニウム(Gd)など
を固溶した安定化ジルコニアや、セリア(CeO)系
固溶体、酸化ビスマス及びLaGaOなどを使用する
ことができるが、これに限定されるものではない。
【0017】また、本発明の単セルは、上記空気極層及
び燃料極層を上記固体電解質層と電気的且つ機械的に接
合し、該固体電解質層界面に電気化学的な反応場を形成
することを特徴とし、また、上記基板の、延在方向且つ
上記溝又は孔が存在しない部位に、該反応場から集電し
外部に電流を導通可能な導電性材料を貫入して成ること
を特徴とする。これより、スタックとしたときの直流抵
抗を低減し、スタック内で単セルを直列接続することが
できる。また、上記導電性材料をガスに触れさせないた
め、耐久性の低い材料であっても使用できる。更に、上
記導電性材料として強度の強い材料を使用することによ
り、機械的強度を向上させることができる。
【0018】上記導電性材料としては、例えば、ランタ
ン−ストロンチウム−マンガン(La−Sr−Mn)複
合酸化物、ランタン−ストロンチウム−コバルト(La
−Sr−Co)複合酸化物、ランタンクロマイト、銀
(Ag)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、白金(P
t)又は鉄(Fe)、及びこれらの任意の組合せに係る
金属を含んで成る合金、並びに/又はステンレス鋼を用
いることができる。このように、他の部分の熱膨張係数
差を緩和できる材料を選択することにより、スタックと
したときの熱ショックを緩和し、燃料電池スタックを高
速で昇温させることができる。また、集電機能が高く、
高温でも安定な電極層集電部を形成することができる。
なお、上記導電性材料として、例えばニッケル−クロム
合金などの発熱体を用いることも有効であり、この場合
は通電によりスタックなどの起動用熱源などとして利用
できる。
【0019】更に、上記導電性材料の電子伝導度は、上
記空気極層及び燃料極層を形成する材料の電子伝導度と
同じ又はそれより高いことが好適である。これより、各
電極層集電部の抵抗を十分に小さくし、集電がスムーズ
になり易い。また、セル板を構成したときにセル板内の
温度分布を均一化し、スタックの熱耐久性を向上させる
ことができる。
【0020】なお、本発明の燃料電池用セル板は、上述
の単セルを上記空気極層、燃料極層及び固体電解質層の
積層方向とほぼ垂直の方向へ2次元的且つ連続的又は断
続的に複数個接合して成る。この場合、導電性材料が担
当する単セル数を適宜変更することにより、電気抵抗と
発電出力のバランスを調整できるので有効である。ここ
で、かかるセル板が該単セルを断続的に接合してなる場
合とは、本発明の単セルから導電性材料を除いた構成の
単セルを組合わせて成るセル板であることを意味し、言
い換えれば、2以上の単セルユニットごとに導電性材料
を設置した構成となる。
【0021】次に、本発明の固体電解質型燃料電池用ス
タックについて説明する。かかる固体電解質型燃料電池
用スタックは、上述の燃料電池用単セル又はセル板を上
記空気極層、燃料極層及び固体電解質層の積層方向とほ
ぼ同一方向へ2次元的に複数個連結し一体化して成る。
このようなスタックを発電要素とするときは、出力特性
に優れた(自動車用電源に適した)燃料電池が得られ
る。
【0022】また、上記燃料電池用単セル又は導電性材
料に絶縁部を設け、1又は複数の単セルごと且つ空気極
層側及び燃料極層側の集電を担う集電部を形成すること
が好適である。即ち、電極反応を担う反応場と電流輸送
を担う集電部とを所望のユニットごとに分けることがで
き、スタックの直流抵抗を低減し、単セルを容易に直列
接続することができる。上記絶縁部は、直列に接続され
るように設けることができる。また、絶縁部を構成する
絶縁体としては、アルミナ、SiN及びガラスなどを例
示できる。なお、本発明の固体電解質型燃料電池用スタ
ックでは、各電極層と導電性材料とを絶縁することが望
ましい。
【0023】更に、上記集電部の横断面の平均面積Sc
は、上記反応場の横断面の平均面積Srより大きいこと
が好適である。具体的には、上記集電部の横断面の平均
面積Scと上記反応場の横断面の平均面積Srとが、S
c/Sr≧10の関係を満たすこと、即ち、集電部の断
面積が集電を担う反応場の断面積の10倍以上であるこ
とがよい。この場合は、電極層集電部の抵抗を十分に小
さくし、集電をスムーズに行うことができる。
【0024】次に、本発明の固体電解質型燃料電池につ
いて説明する。かかる燃料電池は、上述の固体電解質型
燃料電池用スタックを発電要素として構成して得られ
る。これより、導電性材料を貫入させたスタックで構成
されているため、該導電性材料をインタコネクタ(電気
伝導路)として利用でき、燃料電池を薄膜化、小型化す
ることが容易になる。
【0025】
【実施例】以下、本発明を図面を参照して実施例及び比
較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施
例に限定されるものではない。
【0026】実施例1及び実施例2では、上記単電池板
Aと単電池板Bを複数枚積層して固体電解質型燃料電池
を作製し、その性能評価を実施した。
【0027】(実施例1) 1)基板の作製 アンチモンが混入された抵抗率10〜11Ωcmの(1
00)配向単結晶シリコン基板(5インチ径、厚さ1.
0mm)として、その片面を鏡面研磨したものを用い、
これをダイシング・ソーで各辺が(110)方向となる
ように、5cm角の正方形状に切断した。この方形物を
90℃に保った水:過酸化水素:水酸化アンモニウム=
5:1:0.05の混合溶液中10分間の浸漬処理に付
したのち、5%フッ酸水溶液に1分、純水に1分浸して
から取り出し、次いで窒素ガス噴射で乾燥後直ちに超高
真空仕様、複数ターゲット・スパッタリング装置に搬入
した。該装置の基板ホルダーに収容した正方形シリコン
基板の成膜面について、その外縁部をインコネル製マス
クで覆って周辺部分が成膜されないようにした。成膜面
積は正方形基板の中心部分の4cm角部分となるように
した。上記Si基板を用いて、単電池板を作製した。
【0028】2)単電池板Aの作製 上記のシリコン基板に対し、輻射ヒーターを用い基板温
度を700℃まで昇温し、金属ニッケルのターゲットを
用いて、RFスパッタにて膜厚約5000Åの酸化ニッ
ケル膜を成長させた。次に、基板温度を600℃まで低
下させ、10モル%イットリア添加安定化ジルコニア
(以下、「10YSZ」とする)の焼結体ターゲットを
用いて、酸化ニッケル膜上に膜厚約2μmの10YSZ
薄膜を成長させた。次に、基板温度を500℃まで低下
させ、LSMの焼結体ターゲットを用いて、膜厚約30
00Åの多結晶LSM膜を成長させた。このようにし
て、シリコン基板の片面上に順次酸化ニッケル膜、10
YSZ膜、多結晶LSM膜を積層した。
【0029】次に、上記の基板両面に、常圧CVD法で
約5000Å厚のPSG(燐ケイ酸ガラス)膜を析出さ
せ、次いでシリコン基板の裏面(10YSZ膜等が積層
された面の裏面)に、図1に示すパターンをフォトリソ
グラフィー法で転写し、図1の白抜き部分に相応する転
写部のみをフッ酸系エッチング液への浸漬処理により除
去した。ここで、エッチングパターンの幅に狭いエリア
があるのは、異方性エッチングの際、基板途中でエッチ
ングが停止するようにするためである。フォトレジスト
をアッシングして除去したのち、約60℃に保った抱水
ヒドラジンの異方性エッチング液中に基板を約8時間浸
漬し、図1に示すように、シリコン基板を上記パターン
に相応させてエッチング除去し、基板面内に小開口2を
あけ、積層薄膜が一部自立状態となるようにする。ま
た、電極集電部となる溝3も、小開口部間に同時に形成
される。この溝は基板を厚さ方向に貫通していない。次
いで、シリコン基板をフッ酸系エッチング液中に浸し、
保護PSG膜4を除去した。続いて、上記積層膜の形成
されていない面に対し、輻射ヒーターを用い基板温度を
500℃まで昇温し、金属ニッケルの焼結体ターゲット
を用いて、RFスパッタにて、ガス流路に沿って膜厚約
3000Åの酸化ニッケル膜を成長させ、次いで金属ニ
ッケルペーストを電極集電部となる溝に充填して乾燥さ
せ、単電池板Aを作製した。各要素部のサイズは、開口
部2は1.0mm×1.0mm、開口部2の間隔は1.
0mm、溝の幅は最長部(断面で見た時の三角形の底
辺)で0.8mm、溝の深さは0.7mmである。
【0030】3)単電池板Bの作製 上記のシリコン基板に対し、輻射ヒーターを用い基板温
度を700℃まで昇温し、LSMの焼結体ターゲットを
用いて、RFスパッタにて膜厚約5000Åの多結晶L
SM膜を成長させた。次に、基板温度を600℃まで低
下させ、10モル%イットリア添加安定化ジルコニア
(以下10YSZとする)の焼結体ターゲットを用い
て、LSM膜上に膜厚約2μmの10YSZ薄膜を成長
させた。次に、基板温度を500℃まで低下させ、金属
ニッケルのターゲットを用いて、膜厚約3000Åの酸
化ニッケル膜を成長させた。このようにして、シリコン
基板の片面上に順次多結晶LSM膜、10YSZ膜、酸
化ニッケル膜を積層した。
【0031】次に、上記の基板両面に、常圧CVD法で
約5000Å厚のPSG膜を析出させ、次いでシリコン
基板の裏面(10YSZ膜等が積層された面の裏面)
に、図1に示すパターンをフォトリソグラフィー法で転
写し、図の白抜き部分に相応する転写部のみをフッ酸系
エッチング液への浸漬処理により除去した。ここで、エ
ッチングパターンの幅に狭いエリアがあるのは、異方性
エッチングの際、基板途中でエッチングが停止するよう
にするためである。フォトレジストをアッシングして除
去したのち、約60℃に保った抱水ヒドラジンの異方性
エッチング液中に基板を約8時間浸漬し、図1に示すよ
うに、シリコン基板を上記パターンに相応させてエッチ
ング除去し、基板面内に小開口2をあけ、積層薄膜が一
部自立状態となるようにする。また、電極集電部となる
溝3も、小開口部間に同時に形成される。この溝は基板
を厚さ方向に貫通していない。次いで、シリコン基板を
フッ酸系エッチング液中に浸し、保護PSG膜4を除去
した。続いて、上記積層膜の形成されていない面に対
し、輻射ヒーターを用い基板温度を500℃まで昇温
し、LSMの焼結体ターゲットを用いて、RFスパッタ
にて、ガス流路に沿って膜厚約3000Åの多結晶LS
M膜を成長させ、次いで金属ニッケルペーストを電極集
電部となる溝に充填して乾燥させ、単電池板Bを作製し
た。各要素部のサイズは、開口部は1.0mm×1.0
mm、開口部の間隔は1.0mm、溝の幅は最長部(断
面で見た時の三角形の底辺)で0.8mm、溝の深さは
0.7mmである。
【0032】4)固体電解質型燃料電池の作製(各単電
池板の積層) 上記手順にて作製した単電池板Aの平坦な面に被着して
いる電極材料と同じLSM空気電極材料のスラリーを単
電池板Aの平坦な面の電極上に塗布し、次いで、上記単
電池板の平坦な面の最表面に被着している電極材料と同
じ酸化ニッケル燃料電極材料のスラリーを単電池板の平
坦な面の電極上に塗布し、図2に示すように、各単電池
板を対向させて積層した。それらを積層したのち、焼成
炉にて600℃で一括焼成し、燃料電池を作製した。
【0033】[性能評価]電気炉中に上記単電池板A2
枚と単電池板B1枚を積層した燃料電池を設置し、70
0℃に昇温させ、純酸素と純水素をそれぞれ原料ガスと
して用い、交流インピーダンス測定と、発電試験を行っ
た。交流インピーダンス測定の結果、直流抵抗は、電極
層集電部を形成していないものは0.3Ωだったのに対
し、本実施例で作製したものは、0.03Ωと小さな抵
抗値を示した。また、発電試験の結果、開放起電力1.
05V、最大出力0.8W/cmであった。
【0034】(実施例2)本実施例の製造工程を図4に
示す。また、図3にセル板の一部の断面図及び平面図を
示す。 厚さ0.5mm、5cm角の高珪酸ガラスを基板11と
して、2mmφの開口部を6個穴と、電極集電部となる
べき溝(サイズ)を加工した。(a) 次いで、仮基板12としてSi基板表面にシランカップ
リング材を塗布して基板11の上面に設置し、200℃
で熱処理し張り合わせる。(b) 基板下面から蒸着マスクを使用して所望のパターンで開
口部に電解質層13としてYSZをRFスパッタ法によ
り1μm成膜する。(c) 続いて下部電極層14として基板下面から電解質層に直
接接着するように、LSMをRFスパッタ法により5μ
m形成する。(d) フッ酸系のエッチング液により、仮基板を剥離除去す
る。(e) 基板の電極集電部となるべき溝に、Ni金属ペーストを
充填、乾燥し、電極集電部15を形成する。(f) 基板上面から上部電極層16としてYSZとNiを2源
スパッタ法により5μm形成する。(g) このようにして作製した単電池板を、単電池板Aとし
た。
【0035】また、上記製造工程において、工程(d)
で下部電極層をYSZとNiを2源スパッタ法により5
μm形成し、工程(g)で上部電極層をLSMをRFス
パッタ法により5μm形成した単電池板を、単電池板B
とした。
【0036】[性能評価]実施例1と同様にして、上記
単電池板A2枚と単電池板B1枚を積層した燃料電池を
用いて、500℃で発電特性を評価した。開放端電圧
0.92V、出力0.22W/cmであった。
【0037】以上、本発明を実施例により詳細に説明し
たが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発
明の要旨の範囲内において種々の変形が可能である。例
えば、本発明において、単セル及びセル板の形状等は任
意に選択でき、目的の出力に応じた固体電解質型燃料電
池を作製できる。また、導電性材料は、基板の延在方向
に貫入するだけでなく、電極層の積層方向に貫入するこ
ともでき、これらの導電性材料を組合わせて接続するこ
とで所望の出力制御が可能な燃料電池が得られる。
【0038】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、集電を担う導電性材料を所定形状で配置したことと
したため、小型化、高出力化が可能で、信頼性の高い単
セル、セル板、これらを備えた燃料電池用スタック及び
固体電解質型燃料電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】基板の一例を示す断面図である。
【図2】燃料電池用スタックの一例を示す断面図であ
る。
【図3】セル板の一例を示す平面図及び断面図である。
【図4】セル板の製造工程の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ガス流路(ガス流路になる部分) 2 セル孔(セル孔になる部分) 3 溝(集電部)(溝(集電部)になる部分) 4 エッチングされない部分(保護PSG膜) 5 空気極 6 燃料極 7 空気極反応部 8 燃料極反応部 9 電解質 10、11 基板(ガラス基板) 12 仮基板 13 電解質層 14 下部電極層 15 電極集電部 16 上部電極層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 格 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 秦野 正治 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 原 直樹 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 佐藤 文紀 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 山中 貢 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 内山 誠 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 5H026 AA06 CC03 CV06 EE08 EE13 HH02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体電解質層を空気極層及び燃料極層で
    挟持し、これを導電性基板又は絶縁性基板に設けた溝又
    は孔に配置して成る燃料電池用の単セルであって、 上記空気極層及び燃料極層を上記固体電解質層と電気的
    且つ機械的に接合し、該固体電解質層界面に電気化学的
    な反応場を形成し、 上記基板の、延在方向且つ上記溝又は孔が存在しない部
    位に、該反応場から集電し外部に電流を導通可能な導電
    性材料を貫入して成ることを特徴とする燃料電池用単セ
    ル。
  2. 【請求項2】 上記導電性材料の電子伝導度が、上記空
    気極層及び燃料極層を形成する材料の電子伝導度以上で
    あることを特徴とする請求項1記載の燃料電池用単セ
    ル。
  3. 【請求項3】 上記導電性材料が、ランタン−ストロン
    チウム−マンガン複合酸化物、ランタン−ストロンチウ
    ム−コバルト複合酸化物、ランタンクロマイト、銀、ニ
    ッケル、銅、白金及び鉄から成る群より選ばれた少なく
    とも1種のものを含んで成る合金、並びに/又はステン
    レス鋼より成ることを特徴とする請求項1又は2記載の
    燃料電池用単セル。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1つの項に記載
    の燃料電池用単セルを、上記空気極層、燃料極層及び固
    体電解質層の積層方向とほぼ垂直の方向へ2次元的且つ
    連続的又は断続的に複数個接合して成ることを特徴とす
    る燃料電池用セル板。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれか1つの項に記載
    の燃料電池用単セル、又は請求項5記載の燃料電池用セ
    ル板を、上記空気極層、燃料極層及び固体電解質層の積
    層方向とほぼ同一方向へ2次元的に複数個連結し一体化
    して成ることを特徴とする固体電解質型燃料電池用スタ
    ック。
  6. 【請求項6】 上記燃料電池用単セル又は導電性材料に
    絶縁部を設け、1又は複数の単セルごと且つ空気極層側
    及び燃料極層側の集電を担う集電部を形成したことを特
    徴とする請求項5記載の固体電解質型燃料電池用スタッ
    ク。
  7. 【請求項7】 上記集電部の横断面の平均面積Scが、
    上記反応場の横断面の平均面積Srより大きいことを特
    徴とする請求項6記載の固体電解質型燃料電池用スタッ
    ク。
  8. 【請求項8】 上記集電部の横断面の平均面積Scと上
    記反応場の横断面の平均面積Srとが、Sc/Sr≧1
    0の関係を満たすことを特徴とする請求項7記載の固体
    電解質型燃料電池用スタック。
  9. 【請求項9】 請求項5〜8のいずれか1つの項に記載
    の固体電解質型燃料電池用スタックを発電要素として構
    成したことを特徴とする固体電解質型燃料電池。
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