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JP2002256258A - 撥水膜被覆物品 - Google Patents

撥水膜被覆物品

Info

Publication number
JP2002256258A
JP2002256258A JP2001057156A JP2001057156A JP2002256258A JP 2002256258 A JP2002256258 A JP 2002256258A JP 2001057156 A JP2001057156 A JP 2001057156A JP 2001057156 A JP2001057156 A JP 2001057156A JP 2002256258 A JP2002256258 A JP 2002256258A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
group
repellent film
formula
groups
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001057156A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazutaka Kamiya
和孝 神谷
Mitsuo Asai
光雄 浅井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Nippon Sheet Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Chemical Co Ltd, Nippon Sheet Glass Co Ltd filed Critical Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority to JP2001057156A priority Critical patent/JP2002256258A/ja
Publication of JP2002256258A publication Critical patent/JP2002256258A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
  • Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラスその他の基材表面に水滴転落性が優
れ、かつ耐久性に優れる撥水膜が被覆された物品、およ
びその製造方法、さらにその撥水膜を形成するための組
成物を提供する。 【解決手段】 フルオロアルキル基を主成分とする撥水
膜に、フッ素を含まないアルキル基を、前記フルオロア
ルキル基の数の0.02〜2倍含ませることによって、
フルオロアルキル基のみの場合よりも水滴転落性を向上
させ、かつ、フルオロアルキル基のみの場合と同等の耐
久性能を有する膜とすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガラス、セラミック
ス、プラスチック或いは金属等の基材表面に水滴転落性
が優れ、かつ、耐久性に優れる撥水膜が被覆された物
品、およびその製造方法、さらにその撥水膜を形成する
ための組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス板その他の基材の表面に、水滴の
転がり性のよい撥水膜を設ける技術が知られている。例
えば、特公昭50−15473号公報には、アルキルポ
リシロキサンと強酸からなる撥水剤が開示されている。
しかし、この撥水剤では、塗布直後の水滴の転がり性は
優れるものの、撥水性能が長期にわたって持続せず、耐
久性能が不十分であった。
【0003】また、特開平8−209118号には、パ
ーフルオロアルキルシランと加水分解性機含有メチルポ
リシロキサンの共加水分解物、オルガノポリシロキサン
と強酸を含む撥水処理剤が開示されている。この撥水処
理剤では耐久性能が大幅に改善されたが、使用条件によ
っては撥水性能の低下が避けられず、さらなる耐久性の
改善が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な問題を鑑みてなされたものであり、水滴転落性が優
れ、かつ耐久性に優れる撥水膜が被覆された物品および
その製造方法、さらにその撥水膜を形成するための組成
物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、フルオロアル
キル基を主成分とする撥水膜に、フッ素を含まないアル
キル基を、前記フルオロアルキル基の個数の0.02〜
2倍の個数含ませることによって、フルオロアルキル基
のみの場合よりも水滴転落性を向上させ、かつ、フルオ
ロアルキル基のみの場合と同等の耐久性能をもたせるこ
とができることを発見した。
【0006】すなわち、本発明は、基材と、その基材の
表面に被覆された、ケイ素原子−酸素原子結合およびフ
ルオロアルキル基を含有する撥水膜からなる撥水膜被覆
物品において、アルキル基が前記撥水膜中に含まれてお
り、前記フルオロアルキル基の全個数のうちの少なくと
も一部は下記式1、
【化5】 (Rfはフルオロアルキル基)で表される構造における
Rfとして位置しており、そして前記アルキル基は下記
式2、
【化6】 (R1、R2およびR3は有機基である)で表される構造
におけるR1、R2およびR3のうちの少なくとも1個と
して位置しており、そして前記アルキル基が前記撥水膜
中に、式1中の前記フルオロアルキル基Rfの個数の
0.02〜2倍の個数含まれていることを特徴とする撥
水膜被覆物品である。
【0007】珪素原子に結合したフルオロアルキル基を
有する撥水膜の構造は、用途、製造プロセスにより様々
であるが、本発明においては、そのようなフルオロアル
キル基の0.02〜2倍の、式2に示す構造のアルキル
基を配することで、優れた水滴の転がり性と耐久性を併
せ持つ撥水膜とすることが出来る。例えば、基材との結
合を強化する、あるいは、膜強度を上げることを目的と
してSiO2のようなバインダー成分等を含む場合にも
同様であり、さらには、撥水膜の内部層から表面に向か
ってフルオロアルキル基の濃度が次第に高くなる傾斜膜
構造を有する場合も、上記フルオロアルキル基とアルキ
ルキの比率が保たれていればよい。
【0008】アルキル基は、フルオロアルキル基に比較
して、水滴の転がり性を高めるのに効果があるが、耐久
性に劣ることから、式2に示すアルキル基は、式1に示
すフルオロアルキル基の0.02〜2倍の量であること
が好ましい。すなわち、これ以上の量が含まれると耐久
性能の劣る膜となり、これ以下の量では水滴の転がり性
の劣る膜となるのである。
【0009】撥水膜中のフルオロアルキル基の一部が式
1中のRfとして位置しておれば、残りのフルオロアル
キル基は式2中の有機基R1、R2およびR3として位置
していてもよい。しかし、フルオロアルキル基の全個数
のうちの50%以上が式1中のRfとして位置している
ことが好ましく、80%以上が式1中のRfとして位置
していることがさらに好ましく、フルオロアルキル基の
全部が式1中のRfとして位置していることが最も好ま
しい。
【0010】前記式1中の前記フルオロアルキル基Rf
はフッ素原子を11個以上、25個以下有することが好
ましい。
【0011】撥水膜中のアルキル基は式2中の有機基R
1、R2およびR3の中の1〜3個として位置している。
このアルキル基として−CH3、−C25および−C3
7を挙げることができる。式2中の有機基R1、R2およ
びR3のうちの1個または2個がアルキル基である場合
残りの有機基としては、(1)アルキル基以外の炭化水
素基;例えばフェニル基、ベンジル基のような環状炭化
水素基、およびビニル基、アリル基のような不飽和炭化
水素基、(2)水素がハロゲンと置換した置換炭化水素
基;例えばフルオロアルキル基、クロロメチル基、ジク
ロロメチル基、トリクロロメチル基等を挙げることがで
きる。
【0012】本発明の撥水膜中を構成するケイ素原子−
酸素原子結合は、膜の外側表面層では主として前記式1
および式2で表される構造として存在するが、下記式
5、
【化7】 で表される構造を、膜の外側表面層では部分的に、例え
ばケイ素原子の個数で表して全ケイ素原子の個数の50
%以内、好ましくは20%以内で、そして膜の外側表面
層以外の層、すなわち膜の中央層および膜の内側表面層
ではその全体に、それぞれ有していてもよい。
【0013】本発明における撥水膜被覆物品は、撥水膜
と基材の間に、ハードコート膜、アルカリパッシベーシ
ョン膜等の中間膜が設けられていてもかまわない。
【0014】また、本発明は、下記式3で示される
(A)成分、
【化8】F(CF2)n(CH2)mSiX3 (3) (ここでXは加水分解性を有する基または原子であり、
nは5〜12の整数、mは1〜6の整数である。)、下
記式4で示される(B)成分、
【化9】R456SiY (4) (Yは加水分解性を有する基または原子であり、R4
5およびR6は有機基でありそれらのうちの少なくとも
1個はアルキル基であり、前記アルキル基は互いに同一
であってもよく異なっていてもよい)、ただし、(A)
成分および(B)成分は、式4の分子中の前記アルキル
基の個数をpとすると、(A)成分の含有量に対する
(B)成分の含有量の比(B)/(A)が、モル比で表
して、0.02/p〜2/pとなるように含有する、
(C)酸、および(D)アルコール、を含有する撥水膜
被覆用組成物である。
【0015】上記(A)成分の式3中のXのうち加水分
解性を有する基としては、−NCO、−OCOCH3
−OCH3、−OC25および−OC37を挙げること
ができ、そしてXのうち加水分解性を有する原子として
塩素(Cl)、臭素(Br)などを挙げることができ
る。式3のXが塩素である(A)成分として、CF
3(CF211(CH22SiCl3、CF3(CF2
9(CH22SiCl3、CF3(CF27(CH22Si
Cl3、CF3(CF25(CH22SiCl3、CF
3(CF23(CH22SiCl3、CF3CF2(CH2
2SiCl3 、CF3(CH22SiCl3 、のようなフロ
オロアルキル基含有トリクロロシランを例示することが
できる。式3のXがメチル基(−OCH3)である
(A)成分として、CF3(CF211(CH22Si(O
CH3)3、CF3(CF29(CH22Si(OCH3)3
CF3(CF27(CH22Si(OCH3)3、CF3(C
25(CH22Si(OCH3)3、CF3(CF23(C
22Si(OCH3)3、CF3CF2(CH22Si(OC
3)3 、CF3(CH22Si(OCH3)3 、のようなフ
ロオロアルキル基含有トリメチルシランを例示すること
ができる。
【0016】上記(B)成分の式4中のYのうち加水分
解性を有する基としては、−NCO、−OCOCH3
−OCH3、−OC25および−OC37を挙げること
ができ、そして式4中のYのうち加水分解性を有する原
子として塩素(Cl)、臭素(Br)などを挙げること
ができる。式4中のR4、R5およびR6は有機基であり
それらのうちの少なくとも1個はアルキル基であり、前
記アルキル基は互いに同一であってもよく異なっていて
もよい。このアルキル基として−CH3、−C2 5およ
び−C37を挙げることができる。式4中の有機基
4、R5およびR6のうちの1個または2個がアルキル
基である場合残りの有機基としては、(1)アルキル基
以外の炭化水素基;例えばフェニル基、ベンジル基のよ
うな環状炭化水素基、およびビニル基、アリル基のよう
な不飽和炭化水素基、(2)水素がハロゲンと置換した
置換炭化水素基;例えばフルオロアルキル基、クロロメ
チル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基等を挙
げることができる。
【0017】前記式4のYが塩素である(B)成分とし
て、CF3(CF211(CH22Si(CH32Cl、
CF3(CF29(CH22Si(CH32Cl、CF3
(CF27(CH22Si(CH32Cl、CF3(CF
25(CH22Si(CH32Cl、CF3(CF2
3(CH22Si(CH32Cl、CF3(CH22Si
(CH32Cl、のようなフルオロアルキルジメチルク
ロロシラン;(CH33SiCl、(C253SiCl
のようなトリアルキルクロロシラン;およびC25Si
(CH32Cl、を例示することができる。前記式4の
Yがメチル基(−OCH3)である(B)成分として、
CF3(CF211(CH22Si(CH32OCH3、C
3(CF29(CH22Si(CH32OCH3、CF3
(CF27(CH22Si(CH32OCH3、CF
3(CF25(CH22Si(CH32OCH3、CF
3(CF23(CH22Si(CH32OCH3、CF
3(CH22Si(CH32OCH3、のようなフルオロ
アルキルジメチルメトキシシラン;(CH33SiOC
3、(C253SiOCH3のようなトリアルキルメト
キシシラン;およびC25Si(CH32OCH3、を例
示することができる。
【0018】本発明における(C)成分である酸は加水
分解触媒として働く成分であり、常温の乾燥で揮発して
膜中に残らないという観点から、塩酸、フッ酸、硝酸、
酢酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸等の揮発性の酸が好まし
く、なかでも、高い電離度と揮発性を有し、取り扱う際
にも比較的安全な塩酸が特に好ましい。
【0019】本発明における(D)成分である溶媒とし
てのアルコールは、特に限定するものではないが、メタ
ノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノ
ール、ブチルアルコール、アミルアルコール等を挙げる
ことができる。それらの中で、メタノール、エタノー
ル、1−プロパノール、2−プロパノールのような炭素
数が3以下の鎖式飽和1価アルコールが、常温における
蒸発速度が大きいので好ましく用いられる。
【0020】上記の(A)成分、(B)成分、(C)成
分および(D)成分を含有するコーティング溶液には、
例えば、蒸発速度、基板との濡れ性を制御することを目
的として、ヘキサン、トルエン、シクロヘキサンのよう
な炭化水素、塩化メチル、四塩化炭素、トリクロルエチ
レンのようなハロゲン化炭化水素、アセトン、メチルエ
チルケトンのようなケトン、ジエチルアミンのような含
窒素化合物、酢酸エチルのようなエステルが含まれてい
てもかまわない。
【0021】また、前記コーティング溶液は、若干の水
を含んでいてもかまわない。市販の特級アルコールに
は、通常0.2重量%程度の水分が含まれているが、本発
明においては、脱水処理等のコストアップにつながる処
理をすることなく、好ましく利用できる。また、金属原
料を添加する際に、あらかじめ、金属化合物を、水に溶
解して添加しても、最終的なコーティング溶液が分相す
ることなく、均一であれば良い。
【0022】さらに、前記コーティング液は、基板との
密着性を上げるなどの目的で、フルオロアルキル基等の
撥水性の官能基を含有しない、例えば、テトラエトキシ
シラン、アルキルトリアルコキシシラン、ジアルキルジ
アルコキシシラン等の金属アルコキシドを含んでいても
かまわない。
【0023】本発明の前記コーティング液中の好ましい
(A)成分および(B)成分の含有量は、(B)成分の
前記式4の分子中の前記アルキル基の個数をpとする
と、(A)成分の含有量に対する(B)成分の含有量の
比(B)/(A)が、モル比で表して、0.02/p〜
2/pである。この比が0.02/p未満では、水滴転
落性を改善する効果がなく、また2/pを超えると、十
分な耐久性が得られず好ましくない。
【0024】さらに、本発明は、上記撥水膜被覆用組成
物を基材表面に塗布し、乾燥することを特徴とする撥水
膜被覆物品を製造する方法である。
【0025】本発明におけるコーティング方法は、特に
限定されるものではないが、コーティング液組成物で基
材を均一に濡らし、基材を静置して乾燥固化させること
が望ましい。そうすることによって、膜厚むらのない膜
を形成することができる。なお、ここでいう静置とは、
基材上に塗布されたコーティング液が振動しない程度で
あれば良く、塗布中に基材をゆっくり平行移動させても
良い。
【0026】具体的なコーティング方法としては、ディ
ップコーティング、フローコーティング、カーテンコー
ティング、スピンコーティング、スプレーコーティン
グ、バーコーティング、ロールコーティング、刷毛塗り
コーティングなどが例示できる。
【0027】本発明における基材としては、ガラス、セ
ラミックス、プラスチック或いは金属等の、透明または
不透明の板状体、棒状体その他の種々の形状のものが挙
げられる。基材の表面に親水性基が少ない場合には、そ
の表面を予め酸素を含むプラズマまたはコロナ雰囲気で
処理して親水性化したり、あるいは、基材表面を酸素を
含む雰囲気中で200〜300nm付近の波長の紫外線
を照射して、親水性化処理を行った後に、上記撥水膜被
覆用組成物の被覆処理を行うことが好ましい。
【0028】
【発明の実施の形態】以下に、実施例を上げて本発明の
実施の形態を具体的に説明する。 [実施例1](A)成分としてのヘプタデカフルオロデ
シルトリメトキシシラン(CF3(CF27(CH22
Si(OCH33、信越シリコーン製) 0.024
g、(B)成分としてのトリフルオロプロピルジメチル
クロロシラン(CF3(CH2 2Si(CH32Cl、信
越シリコーン製) 0.00042g、(C)成分とし
ての濃塩酸(35重量%)2gを、全量100gとなる
ように(D)成分のエタノール(含有水分量0.35重
量%)に撹拌しながら添加し、コーティング液を得た。
コーティング液中の前記(B)/(A)の比は0.05
3であった。この撥水被覆用溶液を洗浄したソーダ石灰
珪酸塩ガラス組成のガラス基板(3.4mm×150×
150mm)の表面上に、湿度30%、室温(20℃)
でフローコート法にて塗布し、室温で約1分乾燥させて
撥水膜付きガラス板を得た。撥水膜中のヘプタデカフル
オロデシル基(Rf)に対するフッ素を含まないアルキ
ル基(R)の数の比は0.10であった。
【0029】得られた撥水膜被覆ガラス板サンプルの水
滴に対する静的接触角を接触角計(協和界面科学株式会
社製「CA−DT」)を用いて測定したところ108°
であった。水滴の転がりやすさは、得られた撥水膜被覆
ガラス板サンプルを水平に配置し、その上に直径5mm
水滴を置き、ガラス板を徐々に傾斜させて、水滴が転が
り始めるときの水平からの傾斜角度(臨界傾斜角)を測
定することによって求めたところ6゜であった。
【0030】さらに、膜の耐久性の評価は、得られたサ
ンプルを屋外に曝す(屋外暴露試験)によって行った。
6ヶ月屋外に曝した後、接触角と臨界傾斜角を測定した
ところそれぞれ、106゜、10゜であり、撥水性能お
よび水滴の転がり性能を維持していた。
【0031】[実施例2〜5]実施例1のコーティング
液における、(C)成分および(D)成分の種類および
量はそのままとし、(A)成分、(B)成分およびその
他の添加成分の種類と量を、それぞれ、表1のように変
更した以外は、実施例1と同様にして撥水性ガラスを得
た。コーティング液中の(A)成分の含有量に対する
(B)成分の含有量の比(モル比)(B)/(A)、お
よび撥水膜中の前記式1中の前記フルオロアルキル基R
fの個数に対するフッ素を含まないアルキル基の個数の
比(R/Rf)は表2に示す通りであった。
【0032】サンプル作製後の初期の接触角と臨界傾斜
角、曝露試験6ヶ月後の接触角と臨界傾斜角を表2に示
す。実施例2〜5のいずれについても、実施例1と同様
に水滴の転がり性に優れ、またその性能を長期にわたっ
て維持していた。
【0033】[比較例1〜4]実施例1のコーティング
液における、(C)成分および(D)成分の種類および
量はそのままとし、(A)成分および(B)成分の種類
と量を、それぞれ表1のように変更した以外は、実施例
1と同様にして撥水性ガラスを得た。コーティング液中
の(B)/(A)比、撥水膜中のフルオロアルキル基の
個数に対するフッ素を含まないアルキル基の個数の比
(R/Rf)は表2に示す通りであった。
【0034】サンプル作製後の初期の接触角と臨界傾斜
角(水滴の転がり性)、および曝露試験6ヶ月後の接触
角と臨界傾斜角を表2に示す。比較例1では、屋外暴露
性能(接触角および臨界傾斜角)は、実施例と同等であ
るが、初期の水滴の転がり性が実施例よりも劣ってい
る。また、比較例2,および3については、初期の水滴
転がり性が実施例と同程度に優れるものの、屋外曝露性
能が劣っており、比較例4については、初期の水滴転が
り性および屋外曝露性能のいずれも実施例に比して劣っ
ている。
【0035】
【表1】 ──────────────────────────────────── (A)成分 (B)成分 その他の添加成分 化合物名 含有量(g) 化合物名 含有量(g) 化合物名 含有量(g) ──────────────────────────────────── 実施例1 HDFDTMS 0.024 TFPDMCS 0.00042 − − 実施例2 TDFOTMS 0.021 TMCS 0.00031 − − 実施例3 HDFDTMS 0.025 TFPDMCS 0.000084 − − 実施例4 HDFDTMS 0.027 TMCS 0.00056 TEOS 1.0 実施例5 HDFDTMS 0.015 TMES 0.00055 TEOS 0.03 比較例1 HDFDTMS 0.025 − − − − 比較例2 − − PDMS 0.12 − − 比較例3 HDFDTMS 0.010 PDMS 0.06 − − 比較例4 HDFDTMS 0.015 TMES 0.028 − − ──────────────────────────────────── HDFDTMS:ヘフ゜タテ゛カフルオロテ゛シルトリメトキシシラン(CF3(CF2)7(CH2)2Si(OCH3)3) TDFOTMS:トリテ゛カフルオロオクチルトリメトキシシラン(CF3(CF2)5(CH2)2Si(OCH3)3) TFPDMCS:トリフルオロプロピルジメチルクロロシラン(CF3(CH2)2Si(CH3)2Cl) TEOS:テトラエトキシシラン(Si(OC2H5)4) TMCS:トリメチルクロロシラン((CH3)3SiCl) TMES:トリメチルエトキシシラン((CH3)3SiOC2H5) PDMS:両末端シラノールホ゜リシ゛メチルシロキサン(HO[(CH3)2SiO]400H)
【0036】
【表2】 ──────────────────────────────────── R/Rf (B)/(A) 初期 屋外暴露試験6ヶ月後 接触角 臨界傾斜角 接触角 臨界傾斜角 ──────────────────────────────────── 実施例1 0.10 0.052 108゜ 6゜ 106゜ 10゜ 実施例2 0.17 0.057 105゜ 7゜ 103゜ 12゜ 実施例3 0.020 0.010 109゜ 5゜ 107゜ 9゜ 実施例4 0.33 0.11 108゜ 8゜ 106゜ 11゜ 実施例5 0.60 0.20 108゜ 5゜ 106゜ 8゜ 比較例1 0 0 108゜ 12゜ 106゜ 10゜ 比較例2 ∞ ∞ 100゜ 5゜ 60゜ 30゜ 比較例3 91.4 − 102゜ 6゜ 70゜ 25゜ 比較例4 26.9 9.0 104゜ 11゜ 85゜ 20゜ ────────────────────────────────────
【0037】
【発明の効果】以上に説明したように本発明によれば、
フルオロアルキル基を主成分とする撥水膜に、フッ素を
含まないアルキル基を、前記フルオロアルキル基の数の
0.02〜2倍含ませることによって、フルオロアルキ
ル基のみの場合よりも水滴転落性を向上させ、かつ、フ
ルオロアルキル基のみの場合と同等の耐久性能をもたせ
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/09 C08K 5/09 C08L 83/08 C08L 83/08 // C04B 41/84 C04B 41/84 A (72)発明者 浅井 光雄 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 Fターム(参考) 4G059 AA01 AC22 FA05 FB06 4H020 BA36 4J002 CP081 DD016 DF026 EC037 EF036 FD146 GH02 4J035 BA04 CA01U CA16U CA17U EB03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材と、その基材の表面に被覆された、
    ケイ素原子−酸素原子結合およびフルオロアルキル基を
    含有する撥水膜からなる撥水膜被覆物品において、アル
    キル基が前記撥水膜中に含まれており、そして前記フル
    オロアルキル基の全個数のうちの少なくとも一部は下記
    式1、 【化1】 (Rfはフルオロアルキル基)で表される構造における
    Rfとして位置しており、そして前記アルキル基は下記
    式2、 【化2】 (R1、R2およびR3は有機基である)で表される構造
    におけるR1、R2およびR3のうちの少なくとも1個と
    して位置しており、そして前記アルキル基が前記撥水膜
    中に、式1中の前記フルオロアルキル基Rfの個数の
    0.02〜2倍の個数含まれていることを特徴とする撥
    水膜被覆物品。
  2. 【請求項2】 前記式1中の前記フルオロアルキル基R
    fはフッ素原子を少なくとも11個有する請求項1記載
    の撥水膜被覆物品。
  3. 【請求項3】下記式3で示される(A)成分、 【化3】F(CF2)n(CH2)mSiX3 (3) (ここでXは加水分解性を有する基または原子であり、
    nは5〜12の整数、mは1〜6の整数である。)、下
    記式4で示される(B)成分、 【化4】R456SiY (4) (Yは加水分解性を有する基または原子であり、R4
    5およびR6は有機基でありそれらのうちの少なくとも
    1個はアルキル基であり、前記アルキル基は互いに同一
    であってもよく異なっていてもよい)、ただし、(A)
    成分および(B)成分は、式4の分子中の前記アルキル
    基の個数をpとすると、(A)成分の含有量に対する
    (B)成分の含有量の比(B)/(A)が、モル比で表
    して、0.02/p〜2/pとなるように含有する、
    (C)酸、および(D)アルコール、を含有する撥水膜
    被覆用組成物。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の前記撥水膜被覆用組成物
    を基材表面に塗布し、乾燥することを特徴とする撥水膜
    被覆物品を製造する方法。
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