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JP2002239379A - 高吸水性樹脂の製造方法 - Google Patents

高吸水性樹脂の製造方法

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Publication number
JP2002239379A
JP2002239379A JP2001036473A JP2001036473A JP2002239379A JP 2002239379 A JP2002239379 A JP 2002239379A JP 2001036473 A JP2001036473 A JP 2001036473A JP 2001036473 A JP2001036473 A JP 2001036473A JP 2002239379 A JP2002239379 A JP 2002239379A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
resin
absorbing
absorbent resin
absorbing resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001036473A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasunari Sugiyou
保成 須堯
Kiichi Ito
喜一 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2001036473A priority Critical patent/JP2002239379A/ja
Publication of JP2002239379A publication Critical patent/JP2002239379A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、吸水速度及び機械強度の改善された
吸水性樹脂を簡単に設計でき、安定的に、かつ容易に製
造できる方法を提供するものである。 【解決手段】含水吸水性樹脂を、−10℃以下で凍結さ
せた後、10Torr以下の圧力条件下で、凍結真空乾燥処
理することよりなる吸水性樹脂の製造方法において、含
水量が吸水性樹脂の重量に対し300〜650重量%の
範囲にある含水吸水性樹脂を使用することを特徴とする
吸水性樹脂の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸水性能の改良さ
れた吸水性樹脂の製造方法に関するものである。詳しく
は、本発明は、樹脂の機械強度を著しく損なうことなく
吸水速度を向上させた吸水性樹脂の製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来技術】吸水性樹脂は、近年、生理用品、おむつ、
使い捨て雑巾などの衛生関連用品や保水剤、土壌改良剤
として農園芸関係分野などに使われているほか、汚泥の
凝固、建材の結露防止や油類の脱水などの種々の用途に
用いられている。これらの中でも、特に生理用品、紙お
むつなどの衛生用品に吸水性樹脂が盛んに使用されるよ
うになり、その為の高吸水性樹脂も種々開発されてい
る。近年、失禁者用パッド、生理用ナプキン、大人向け
紙おむつ等の吸水性物品の市場拡大に伴い、これらの衛
生材料は薄型化や高性能化する傾向にあり、それに適合
するための吸水性樹脂の性能や品質の改良が求められて
いる。特に失禁者用パッドや大人用紙おむつに対して
は、吸水速度が速く、且つ吸水能も高い優れた性能の要
求が強く、それらに使用できる高吸水性樹脂の開発が急
がれている。
【0003】高吸水性樹脂の吸水速度を高めるために、
吸水性樹脂の表面積を大きくする方法が知られている
が、その一つの方法は、単に吸水性樹脂の粒径を小さく
しているに過ぎないため、吸水性物品に使用した場合、
吸水ゲルの接点が増大し、吸水ゲル間を水分や体液が通
過し難くなる現象が発生し、性能が向上しない。粒子径
を小さくせずに吸水性樹脂の表面積を大きくする方法と
して、樹脂を製造する重合時に水溶性重合性モノマーを
増粘させ、気泡を存在させ重合させる方法(特開平10-5
7805、特開平10-114801、特開平10-168129号公報)が提
案されている。
【0004】しかし、この方法では、水溶性重合性モノ
マー中に気泡を存在させて重合させた場合、気泡が断熱
効果を示すため、水溶性重合性モノマーの重合熱(発
熱)を十分に除去することが困難となり、反応槽の側壁
部近辺の水溶性重合性モノマーと反応槽中心部の水溶性
重合性モノマー間に温度差が生じ、その為に重合槽内の
温度が均一に保たれず、均質な高吸水性樹脂を得ること
は出来ない。しかも、このような方法で製造した高吸水
性樹脂は気泡を存在させないで製造した高吸水性樹脂よ
りも吸水性能は低下するので、高表面積化されていても
高吸水性樹脂の性能を大幅に改良することはできない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、既に水
溶性重合性モノマーを重合して得られる含水ゲルを特定
の条件下で凍結真空乾燥することにより、吸水時に体積
膨張の少ない吸水性樹脂、及び粒子径の大きな吸水性樹
脂を得る方法を開発した(特許公報第2548302
号、2557951号)。しかし、これらの方法で得ら
れる吸水性樹脂粒子は、粒子形状は大きくなされている
が、機械強度が大きく低下する為、吸水性樹脂の運搬や
吸水性物品の製造ラインにおいて破砕して平均粒径が変
化したり、微粉が発生したりして、ハンドリングに問題
が発生する場合があることが分かった。
【0006】そこで、この問題点を改善し、且つ吸水速
度が速く、しかも吸水率も高い高吸水性樹脂の製造方法
について鋭意研究の結果、吸水性樹脂粒子の特定量含水
したゲルを特定条件下で凍結真空乾燥させることによ
り、樹脂粒子内部に気泡が生じ、表面積が高められた樹
脂粒子を製造することができ、この様にして得られた樹
脂粒子は、極めて吸水速度が高く吸水性能に優れている
こと及び機械強度も改善されることを見出し本発明を達
成した。また、凍結真空乾燥と同時に意外にも残存モノ
マーも気化するため、残存モノマーの低減操作も必要な
いことが明らかになった。本発明は、吸水性樹脂を極め
て簡単な操作により高表面積化し、その吸水性能及び機
械強度を改善する高吸水性樹脂粒子の製造方法を提供す
るものであり、また、本発明によれば吸水速度を任意の
大きさに増大させた吸水性樹脂が製造出来るので、換言
すれば、本発明は吸水性樹脂の吸水性能改良法とも言う
ことが出来る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の従来技
術の欠点を克服して吸水速度及び機械強度の改善された
吸水性樹脂を簡単に設計でき、安定的に、かつ容易に製
造できる方法を提供しようとするものである。即ち、本
発明の要旨は、含水吸水性樹脂を、−10℃以下で凍結
させた後、10Torr以下の圧力条件下で、凍結真空乾燥
処理することよりなる吸水性樹脂の製造方法において、
含水量が吸水性樹脂の重量に対し300〜650重量%
の範囲にある含水吸水性樹脂を使用することを特徴とす
る吸水性樹脂の製造方法に存する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 <吸水性樹脂>本発明に使用される吸水性樹脂、即ち、
吸水させたのち凍結真空乾燥処理に付す吸水性樹脂(以
下、原料吸水性樹脂という)の例としては、(メタ)ア
クリル酸塩重合体架橋物、(メタ)アクリル酸エステル
−酢酸ビニル共重合体架橋物のケン化物、澱粉−アクリ
ル酸塩グラフト共重合体架橋物、澱粉−アクリル酸エス
テルグラフト共重合体架橋物のケン化物、澱粉−メタア
クリル酸メチルグラフト共重合体架橋物のケン化物、澱
粉−アクリロニトリルグラフト共重合体架橋物のケン化
物、澱粉−アクリロニトリル−ビニルスルホン酸グラフ
ト共重合体架橋物のケン化物、無水マレイン酸グラフト
ポリビニルアルコール架橋物、ポリエチレンオキシド架
橋物、ナトリウムカルボキシメチルセルロース架橋物な
どが挙げられる。また、前記の(メタ)アクリル酸
(塩)(共)重合体架橋物には、生成吸水性樹脂の性能
を実質的に低下させない範囲の量のマレイン酸(塩)、
イタコン酸(塩)、アクリルアミド、2−アクリルアミ
ド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−アクリロイル
エタンスルホン酸、2−イタクロイルエタンスルホン
酸、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等のコモノマ
ーを共重合させた共重合体であっても差し支えない。な
お、本明細書中において、(メタ)アクリル酸は、アク
リル酸及びメタアクリル酸を表すものとする。
【0009】本発明における原料吸水性樹脂として用い
る前記の各種の重合体の架橋物は、種々の手段で架橋物
とすることが出来る。その架橋手段としては、例えば、
重合体分子の高度重合化による分子鎖の絡まり、あるい
は疑似架橋による自己架橋、あるいは前記モノマーと共
重合可能なジビニル化合物、例えば、N,N’−メチレ
ンビス(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリ
コール(メタ)アクリレート類等による架橋、また重合
体の官能基、例えば、カルボキシレート基等と反応しう
る多官能性化合物、例えば、(ポリ)グリシジルエーテ
ル類、ハロエポキシ化合物、ポリアルデヒド類、ポリオ
ール類、ポリアミン類等を加えて反応せしめて架橋する
方法、さらに重合体中に存在する官能基間の反応、例え
ばカルボキシル基と水酸基によるエステル化等に基づく
架橋等が挙げられる。また、本発明の原料吸水性樹脂が
カルボキシレート型、即ち塩型の場合としては、ナトリ
ウムや、カリウム等のアルカリ金属塩型のもの、マグネ
シウムやカルシウム等のアルカリ土類金属塩型等が挙げ
られるが、特に好ましいのはアルカリ金属塩型である。
【0010】本発明の原料吸水性樹脂としては、例え
ば、特公昭60−25045号、特開昭57−1582
10号、特開昭57−21405号、特公昭53−46
199号、特開昭58−71907号、特開昭55−8
4304号各公報などに示されているものを使用するこ
とができる。代表的な原料吸水性樹脂の製造例として
は、次のようなものが挙げられる。
【0011】例−1 α、β−不飽和カルボン酸及びそのアルカリ金属塩水溶
液を架橋剤の存在下、または不存在下にショ糖脂肪酸エ
ステルを含有する石油系炭化水素溶媒中に懸濁させ、ラ
ジカル重合開始剤の存在下に重合させる方法。 例−2 アクリル酸及びアクリル酸アルカリ金属塩水溶液を、H
LB8〜12の濃い界面活性剤を共有する脂環族又は脂
肪族炭化水素溶媒中に懸濁させ、水溶性ラジカル重合開
始剤の存在下に重合させる方法。
【0012】例−3 デンプン及びセルロースのうち少なくとも1種(A)、
付加重合性二重結合を有する水溶性の、または加水分解
により水溶性となる単量体の少なくとも1種(B)及び
架橋剤(C)を必須成分として重合し、必要により加水
分解を行い重合体を得る方法。 例−4 アクリル酸カリウムと水混和性ないし水溶性ジビニル系
化合物とを含有し、これら単量体の濃度が55〜80重
量%の範囲にある加温水溶液に重合反応開始剤を添加し
て、外部加熱を行うことなく重合反応を行わせると共に
水分を気化させ吸水性樹脂を得る方法。
【0013】例−5 分子量750〜10000のモノオレフィン重合体に、
1〜20%のα、β−不飽和カルボン酸或いはその無水
物をグラフトした反応生成物、またはモノオレフィン重
合体を最終的に酸価が10〜100になるように酸化し
て得られる生成物を保護コロイドとして用い、単量体水
溶液を重合不活性で疎水性の液体中に懸濁させて、水溶
性ラジカル重合開始剤の存在下に重合させる方法。本発
明の対象とする原料吸水性樹脂は前記の方法に限定され
ず、いかなる方法で製造してもよい。
【0014】<凍結真空乾燥条件と方法>本発明では、
上記原料吸水性樹脂の凍結真空乾燥を行うに当たり、含
水させた吸水性樹脂を用いるが、含水量が所定範囲にあ
る吸水性樹脂を使用することが必須である。即ち、水を
含まない吸水性樹脂の重量に対して300〜650重量
%の範囲になるように制御しなくてはならない。含水し
た吸水性樹脂は、例えば、(1)乾燥後の樹脂を用いて
所定量の水を添加する、(2)吸水性樹脂の製造プロセ
スの途中で保水されている樹脂(上述の例−1、例−
2、例−3等の重合体を得る方法において、重合後の樹
脂がこの例に相当する。)を使用する等により得ること
が出来る。この場合、所定量の水を含有させることが必
要であるが、水の含有は、原料となる吸水性樹脂に均一
に吸水させることが好ましく、例えば、不活性溶媒中に
吸水性樹脂を攪拌等で浮遊させ、水をスプレー等で微滴
にし吸水させる方法、得られる吸水性樹脂の性能に大き
な影響を与えない第3物質(例えば、粉末状無機物質
等)を添加、混合した後に吸水させる方法、吸水させる
水の量が比較的多い場合は、吸水性樹脂に直接水を吸水
させた後、長時間放置する方法等で実施されるが、これ
らの方法に限定されるものではない。本発明において、
樹脂に含水させる量は、水を含まない吸水性樹脂の重量
に対して300〜650重量%であり、好ましくは40
0〜600重量%である。
【0015】本発明の凍結真空乾燥処理では、凍結操作
を温度条件は−10℃以下、好ましくは−30℃以下で
実施する。−10℃より高温では、凍結に長い時間を要
するため、工業的操作として実施するには経済的では
い。乾燥操作は圧力条件を10Torr以下の減圧条
件、好ましくは1Torr以下で実施する。10Tor
rより高い圧力条件では、乾燥に長い時間を要するた
め、工業的操作として実施するには、経済的でない。乾
燥操作の温度条件は、材料の保水量、保水形態等によっ
て若干異なるが、凍結操作の温度から70℃までで実施
されることが好ましい。 凍結真空乾燥後、粒子を公知
の破砕機を用いて破砕し、所望の粒径に変化させてもか
まわない。
【0016】従来の特許第2548302号や2557
951号に示す吸水性樹脂を製造する方法では、内部に
気泡を持った粒径の大きな吸水性樹脂を得ることが出来
るが、その反面、機械強度が低く、破砕して微粉が生じ
たり、平均粒径が大きく変動するのが普通である。これ
に対し、本発明方法で製造される高吸水性樹脂は、吸水
速度に加え機械強度も改善されるので、樹脂の移送、袋
詰め作業時においても粉塵の発生がより抑制され、ま
た、樹脂の破損等による平均粒子径の変動も生ぜず、作
業環境の悪化、機器の汚染、故障を防止、品質変動防止
をすることができる。しかも、吸水速度、特に加圧吸水
速度が著しく向上することは、吸水性樹脂の主用途が体
重が掛かる紙おむつ等の吸水性物品であることを考えれ
ば、極めて優れた吸水性能を有すると言える。加えて、
本発明方法で得られる吸水性樹脂は残存モノマーも著し
く低減されるので、衛生用品等の人体の皮膚に近接して
使用される物品において安全性でも優れている。更に、
衛生用品、農園芸用品として使用される場合、微粉が脱
落することがないうえ、用途に応じた吸水速度の吸水性
樹脂を得ることができるため、散布性、混合性、水分保
持性などが著しく改善される。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により更に
詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、
以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例
等における物性測定は、下記の方法により行った。 <残存モノマーの測定方法>300mlのビーカーに生理
食塩水250mlを加え、そこに吸水性樹脂1.0gを加
えて3時間撹拌する。撹拌後の吸水性樹脂分散液を、
0.45μmフィルターで濾過し、濾液を高速クロマト
グラフィーで分析した。一方、既知の濃度を示すモノマ
ー標準液を同様に分析して得た検量線を外部標準とな
し、濾液の希釈倍率を考慮して、吸水性樹脂中の残存モ
ノマー量を求めた。
【0018】<平均粒子径>ASTM式標準篩を上から
8メッシュ、12メッシュ、20メッシュ、32メッシ
ュ、40メッシュ、60メッシュ、80メッシュ、10
0メッシュ、120メッシュ、150メッシュ、受け皿
の順に組み合わせ、最上の篩に樹脂粒子を約50g入
れ、ロータップ式自動振盪器にて1分間振盪させた。各
篩に残った樹脂粒子の重量を秤量し、全体重を100%
として、重量分率より粒径分布を求め、重量基準の50
%粒子径を平均粒子径とした。
【0019】<かさ密度>JIS K−6721に準拠
して行った。測定は3回実施し、平均値を求めた。
【0020】<通液速度>バイオカラムBC(Geberal
社製、CF−30K;内径25.6mm、長さ500mmの
円筒の下部にガラスフィルターを装着し、下端部にコッ
クを設けたもの)を用いて測定する。カラムに0.9重
量%食塩水を200ml入れた後、樹脂粒子0.50gを
ゆっくりと投入する。上端開口部にゴム栓をし、5分間
経過後に上下に3回往復転倒させて振り混ぜる。直立さ
せて更に25分間放置後コックを解放して、液面が10
0mlの秤線のところに低下するまで液を流出させ、コッ
クを閉じる。樹脂が舞い上がらないように注意しなが
ら、0.9重量%食塩水を液面が200mlの秤線のとこ
ろに到達するまで供給する。樹脂粒子が十分に沈降して
いることを確認してから、コックを開いて液を流出さ
せ、液面が150mlの秤線と100mlの秤線を通過する
時間を測定する。 通液速度(ml/分)=50×60/時間(秒) なお、食塩水の温度は室温である。また、樹脂が存在し
ない場合には液面が150mlの秤線と100mlの間を通
過する時間は6.8秒である。
【0021】<吸水速度>JIS K−7224に準
じ、樹脂粒子1.0gを小孔のあいた支持板に敷いた不
織布上に均一な厚さとなるようにのせた。樹脂粒子層の
下面を下記の人工尿と接触させて樹脂粒子が人工尿を吸
収する量を測定した。開始後2分間に吸収した人工尿の
量をもって吸収速度とした。なお、人工尿としては、下
記の重量組成のものを用いた。 尿素 1.94% 塩化ナトリウム 0.80% 塩化カルシウム 0.06% 硫酸マグネシウム 0.11% 純水 97.09%
【0022】<加圧吸水速度>JIS K−7224に
準じ、図1に示される装置を用いて測定した。小孔のあ
いた支持板に敷いた不織布上に支持円筒(内径2.5cm)
を小孔が中心になるように載せ、樹脂粒子1.0gを均
一な厚さになるように載せた。その後、樹脂粒子の上に
重りを載せ、均一に加重が12/cm2かかるように載
せた。樹脂粒子層の下面を上記人工尿と接触させて樹脂
粒子が人工尿を吸収する量を測定した。開始後、10分
間に吸収した人工尿の量をもって加圧吸収速度とした。
【0023】<粒子強度>岡田精工(株)製グラノ装置
に2Kgのロードセルを設置し、圧縮スピードを100
μm/秒に設定して測定し、各検体10個の機械強度平
均値を粒子強度とした。
【0024】参考例;原料吸水性樹脂の製造 製造例−1 アクリル酸207.7gに水13.5gを加え、冷却し
つつこれに25重量%水酸化ナトリウム水溶液346.
2gを加えて中和した。さらに過硫酸カリウム0.10
4g及び次亜リン酸ナトリム・1水和物0.021gを
添加してモノマー水溶液とした。攪拌機、還流冷却器、
温度計及び窒素ガス導入管を付設した容量3リットルの
四つ口丸底フラスコに、シクロヘキサン624gを入
れ、これに分散剤としてポリオキシエチレンオクチルフ
ェニルエーテルリン酸(第一工業製薬社製品、プライサ
ーフA210G、エチレンオキサイド平均単位数 約
7)1.56gを加え、550rpmで撹拌した。フラ
スコを窒素置換したのち75℃に昇温してシクロヘキサ
ンを還流させた。これに前述のモノマー水溶液を一定速
度で70分間かけて添加した。添加終了後、さらに75
℃で30分間保持したのち、炭酸水素ナトリウム8%水
溶液255gを吸収させた。吸収後、シクロヘキサンと
の共沸によって、生成した樹脂の含水率が50%(重量
基準)になるまで脱水した。脱水終了後、撹拌を停止し
て樹脂を沈降させ、デカンテーションによってシクロヘ
キサンを除去した。得られた樹脂粒子の一部を80℃で
減圧乾燥した。乾燥粒子は不定形の繭状であり、平均粒
径は285μmであった。
【0025】製造例−2 アクリル酸145.4gを9.4gの水で希釈し、冷却
しつつ25重量%の水酸化ナトリウム水溶液242.3
gを加えて中和した。この溶液にエチレングリコールジ
グリシジルエーテル(ナガセ化成工業社製品、デナコー
ルEX810)を0.0727g、次亜リン酸ソーダ・
1水和物を0.0146g及び過硫酸カリウムを0.0
727g添加して溶解させ、モノマー水溶液とした。攪
拌機、還流冷却器、温度計及び窒素ガス導入管を付設し
た容量3リットルの四つ口丸底フラスコにシクロヘキサ
ン624gを入れ、これに分散剤としてポリオキシエチ
レンオクチルフェニルエーテルリン酸(第一工業製薬社
製品、プライサーフA210G、エチレンオキサイド平
均単位数 約7)1.56gを加え、470rpmで撹
拌して分散させた。フラスコを窒素置換したのち、75
℃に昇温してシクロヘキサンを還流させた。これに上記
で調製したモノマー水溶液を6.6g/分で3分間滴下
した。滴下完了後75℃で15分間保持したのち、モノ
マー水溶液を6.6g/分で57分間に亘って滴下し
た。滴下終了後75℃で30分間保持した後、シクロヘ
キサンとの共沸によって生成した樹脂粒子の含水率が1
0%になるまで脱水を行った。脱水終了後、撹拌を停止
すると樹脂粒子がフラスコの底に沈降したので、これを
デカンテーションによって分離した。得られた樹脂粒子
を80℃に加熱し、減圧下乾燥した。乾燥粒子は5〜5
0μmの一次粒子がお互いに融着したような構造を有す
る顆粒状粒子であった。この粒子の外観を示す走査電子
顕微鏡写真を図2に示す。
【0026】実施例 1〜4 製造例−1の吸水性樹脂粒子1重量部にシクロヘキサン
1重量部を加え、撹拌下で所定の水をスプレーで微滴に
して吸水させ、シクロヘキサンを濾過除去した後、凍結
真空乾燥することにより吸水性樹脂粒子を製造した。用
いた凍結真空乾燥機は、(株)大川原製作所製の「フリ
ーズキャビン」SF−02型である。得られた吸水性樹
脂粒子について各物性を測定し、その結果を下記の第1
表に示した。また、実施例1によって得られた吸水性樹
脂粒子の走査電子顕微鏡写真を図3及び図4に示す。図
3は、樹脂粒子の外観を、図4は樹脂粒子の断面を示
す。
【0027】比較例 1〜4 製造例−1で得られた吸水性樹脂を用い、凍結真空乾燥
を施さなかったもの(比較例1)、含水量を変えて凍結
真空乾燥を行ったもの(比較例2,3)について、実施
例と同様にして各物性を測定し、その結果を第1表に示
した。また、製造例−2で製造した吸水性樹脂(比較例
4)の各物性を第1表に示した。また、比較例1の樹脂
粒子の走査電子顕微鏡写真を図5及び図6に示す。図5
は、樹脂粒子の外観を、図6は樹脂粒子の断面を示す。
この結果、製造例−2の樹脂粒子のように重合法により
粒子表面の高表面積化を行うのみでは、加圧吸水速度が
低下し、また残存モノマー量も多く、改善効果が得られ
ないことが分かる。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】本発明方法で製造される高吸水性樹脂
は、従来の特許第2548302号や2557951号
に記載の方法で製造された吸水性樹脂に比べ、吸水速度
に加え機械強度も改善されるので、樹脂の移送、袋詰め
作業時においても粉塵の発生がより抑制され、また、樹
脂の破損等による平均粒子径の変動も生ぜず、作業環境
の悪化、機器の汚染、故障を防止、品質変動防止をする
ことができる。特に、加圧吸水速度に優れ、しかも残存
モノマーも低減されるので、紙おむつ等の衛生用品に使
用すれば安全且つ高品質の吸水性物品を提供し得る。ま
た、衛生用品、農園芸用品として使用される場合に、微
粉の脱落が無く、用途に応じた吸水速度の吸水性樹脂を
得ることができるため、散布性、混合性、水分保持性な
どが著しく改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は加圧吸水速度の測定に使用する装置の
概略図である。
【図2】 製造例−2の樹脂粒子(外面)の走査電子顕
微鏡写真である。
【図3】 本発明の実施例1の凍結真空乾燥樹脂粒子
(外観)の走査電子顕微鏡写真である。
【図4】 本発明の実施例1の凍結真空乾燥樹脂粒子
(断面)の走査電子顕微鏡写真である。
【図5】 比較例1の 非凍結乾燥樹脂粒子(外観)の
走査電子顕微鏡写真である。
【図6】 比較例1の 非凍結乾燥樹脂粒子(断面)の
走査電子顕微鏡写真 である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F070 AB13 AC12 DB01 DC11 4F074 AA03 AA42 AA46 AA49 AA50 AA51 AA76 BA34 BB01 CC03Y CC05Y CC06X CC28Y CC29Y CC32Y CC34Y DA53 DA59 4G066 AC16B AC17B AC35B BA36 BA38 CA43 DA11 EA05 FA34 FA35 FA40

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】含水吸水性樹脂を、−10℃以下で凍結さ
    せた後、10Torr以下の圧力条件下で、凍結真空乾燥処
    理することよりなる吸水性樹脂の製造方法において、含
    水量が吸水性樹脂の重量に対し300〜650重量%の
    範囲にある含水吸水性樹脂を使用することを特徴とする
    吸水性樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】凍結真空乾燥処理を、凍結温度−30℃以
    下、圧力1Torr以下の条件下で行うことを特徴とする請
    求項1記載の吸水性樹脂の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009179706A (ja) * 2008-01-30 2009-08-13 Takeshi Shimizu 乾燥ゲル粒子ならびにその製造方法
US10821418B2 (en) 2016-02-19 2020-11-03 Lg Chem, Ltd. Super absorbent polymer

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JP2009179706A (ja) * 2008-01-30 2009-08-13 Takeshi Shimizu 乾燥ゲル粒子ならびにその製造方法
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