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JP2002212886A - 剛直鎖高分子溶液から成型体を改質する方法 - Google Patents

剛直鎖高分子溶液から成型体を改質する方法

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Publication number
JP2002212886A
JP2002212886A JP2001000586A JP2001000586A JP2002212886A JP 2002212886 A JP2002212886 A JP 2002212886A JP 2001000586 A JP2001000586 A JP 2001000586A JP 2001000586 A JP2001000586 A JP 2001000586A JP 2002212886 A JP2002212886 A JP 2002212886A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molded article
processing
polymer
rigid
solvent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001000586A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiko Teramoto
喜彦 寺本
Tetsuo Kodama
哲夫 児玉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP2001000586A priority Critical patent/JP2002212886A/ja
Publication of JP2002212886A publication Critical patent/JP2002212886A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、意匠性、耐光性、接着性、耐摩耗
特性に優れた剛直性高分子成形体を製造することを目的
とする。 【解決手段】 非溶媒を30%以上含有するポリベンザ
ゾール成型体をチーズ染色法もしくは枷染め法もしくは
モジュール法により改質する剛直性高分子成形体の加工
方法、または加工中に剛直性高分子成型体内部で縮合物
を生成させることを特徴とする加工方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、意匠性、耐光性、
接着性、耐摩耗特性優れた剛直性高分子成形体の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】繊維に関しては、パラアラミド繊維およ
びポリベンザゾール繊維が現在市販されているスーパー
繊維の代表である。ところが、これらの剛直性高分子成
形体は、ポリマー鎖が緻密にパッキングされており染料
が成形体内部に入りにくく濃染できない。また、ポリマ
ーの官能基装飾や成形体の表面コーティング、表面の物
理改質といった方法によらず、他の樹脂と十分な接着力
でコンポジットを形成させることが難しい。
【0003】特開平8−226080号に耐光性能を向
上させるための手段として、未乾燥のポリベンザゾール
繊維にヨウ素化合物、染料などを含浸する方法が開示さ
れている。この方法では短時間でポリベンザゾール成形
体中に添加剤を含浸し、その後の乾燥で成形体中に閉じ
こめる事が可能になるが、未乾燥状態のまま成形体中で
縮合反応を進めるなどの高度な加工については達成され
ていない。また、特開平12−234265号では未乾
燥の成形体に10分以内の短い時間で耐光剤を付与する
技術が開示されている。この方式では短時間での付与を
可能にするために、非常に高い濃度の溶液を用いて成形
体内部との濃度差を大きくする必要がある。付与後の水
洗で多量の処理液を洗い流す必要が生じ工業生産では多
量の耐光剤廃液が発生する問題があった。また、付与後
の後水洗が不十分だと繊維表面に残った未酸化縮合モノ
マーの色写りなどの問題が生じる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】工業資材として極めて
好適な物性を有する剛直性高分子成型体ではあるが、耐
光性、染色性、接着性が改善されるとその有用性はさら
に高まる。そこで本発明者らは、軽量でありながら高強
力・高弾性率、高耐熱性、且つ耐光性、意匠性に優れ、
接着性が改善された剛直性高分子成型体を得るための加
工法を鋭意研究した結果以下の発明を完成させた。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、非溶媒を
30%以上含有するポリベンザゾール成型体をチーズ染
色法もしくは枷染め法もしくはモジュール法により改質
する剛直性高分子成形体の加工方法。さらには、加工中
に剛直性高分子成型体内部で縮合物を生成させることを
特徴とする加工方法である。
【0006】以下、更に本発明を詳述する。本発明にお
ける剛直性高分子とは主鎖の大部分が、芳香族環のパラ
結合に近い屈曲性が小さい分子同士の結合で構成される
ものを示し、具体的には芳香族ポリイミド類、パラアラ
ミド類、およびポリベンザゾール類を挙げることができ
る。ポリベンザゾール成型体とは、ポリパラフェニレン
ベンゾビスオキサゾール(PBO)ホモポリマー、及び
実質的に85%以上のPBO成分を含みポリベンザゾー
ル(PBZ)類とのランダム、シーケンシャルあるいは
ブロック共重合ポリマーをいう。ここでポリベンザゾー
ル(PBZ)ポリマーは、例えばWolf等の「Liquid Cry
stalline Polymer Compositions, Process and Product
s」米国特許第4703103号(1987年10月27日)、
「LiquidCrystalline Polymer Compositions, Process
and Products」米国特許第4533692号(1985年8月
6日)、「Liquid Crystalline Poly(2,6-Benzothiazol
e)Compositions, Process and Products」米国特許第45
33724号(1985年8月6日)、「Liquid Crystallin
e Polymer Compositions, Process and Products」米国
特許第4533693号(1985年8月6日)、Eversの「Th
ermooxidativelyStable Articulated p-Benzobisoxazol
e and p-Benzobisoxazole Polymers」米国特許第453956
7号(1982年11月16日)、Tsaiらの「Method fo
r makingHeterocyclic Block Copolymer」米国特許第45
78432号(1986年3月25日)等に記載されてい
る。
【0007】PBZポリマーに含まれる構造単位として
は、好ましくはライオトロピック液晶ポリマーから選択
される。モノマー単位は構造式(a)−(h)に記載されてい
るモノマー単位から成り、更に好ましくは、本質的に構
造式(a)−(c)から選択されたモノマー単位からなる。
【0008】
【化1】
【0009】
【化2】
【0010】実質的にPBOからなるポリマーのドープ
を形成するための好適溶媒としては、クレゾールやその
ポリマーを溶解し得る非酸化性の酸が含まれる。好適な
酸溶媒の例としては、ポリ燐酸、メタンスルフォン酸及
び高濃度の硫酸或いはそれ等の混合物があげられる。更
に適する溶媒は、ポリ燐酸及びメタンスルフォン酸であ
る。また最も適する溶媒は、ポリ燐酸である。
【0011】溶媒中のポリマー濃度は好ましくは少なく
とも約7重量%であり、更に好ましくは少なくとも10
重量%、最も好ましくは14重量%である。最大濃度
は、例えばポリマーの溶解性やドープ粘度といった実際
上の取り扱い性により限定される。それらの限界要因の
ために、ポリマー濃度は30重量%を越えることはな
い。
【0012】好適なポリマーやコポリマーあるいはドー
プは公知の手法により合成される。例えばWolfe等の米
国特許第4533693号(1985年8月6日)、Sybert等
の米国特許第4772678号(1988年9月20日)、Har
risの米国特許第4847350号(1989年7月11日)に
記載される方法で合成される。実質的にPBOからなる
ポリマーはGregory等の米国特許第5089591号(1992
年2月18日)によると、脱水性の酸溶媒中での比較的
高温、高剪断条件下において高い反応速度での高分子量
化が可能である。
【0013】この様にして重合されるドープは押出部に
供給され、押出口金から通常100℃以上の温度で吐出
される。ポリマードープは十分な延伸比(SDR)を得
るため、米国特許第5296185号に記載されたように十分
な長さのドローゾーン長が必要で、かつ比較的高温度
(ドープの固化温度以上で紡糸温度以下)の整流された
冷却風で均一に冷却されることが望ましい。ドローゾー
ンの長さ(L)は非凝固性の気体中で固化が完了する長
さが必要であり大雑把には単孔吐出量(Q)によって決
定される。溶媒の粘性係数やポリマーの種類によって
は、ショートエアギャップでの等温系紡糸を利用するこ
とが可能である。さらに、剛直ユニットを形成する前の
前駆体を押し出す場合には、湿式紡糸法も可能である。
【0014】延伸されたポリマー溶液は次に抽出(凝
固)浴に導かれる。延伸物の粘性係数が高いため、抽出
浴の乱れなどに対する配慮は必要でなく如何なる形式の
抽出浴でも良い。例えばファンネル型、水槽型、アスピ
レータ型あるいは滝型などが使用出来る。抽出液は燐酸
水溶液や水が望ましい。最終的に抽出浴においてポリマ
ーが含有する燐酸を99.0%以上、好ましくは99.
5%以上抽出する。本発明における抽出媒体として用い
られる液体に特に限定はないが好ましくはポリベンザゾ
ールに対して実質的に相溶性を有しない水、メタノー
ル、エタノール、アセトン等である。また抽出(凝固)
浴を多段に分離し燐酸水溶液の濃度を順次薄くし最終的
に水で水洗しても良い。さらに大部分の溶剤が抽出され
た成形体を水酸化ナトリウム水溶液、アンモニア水、炭
酸ナトリウムなどで中和し、水洗することが望ましい。
【0015】ポリベンザゾール以外の剛直性高分子の加
工方法は、紡糸溶液の流体特性が異なるためにポリベン
ザゾールの場合とは異なってくる。成形加工の方式とし
ては、ドープを直接凝固液中に押し出す湿式法、凝固浴
とノズルとの隙間を数センチに設定してノズルの温度を
凝固浴の温度より高く設定する乾湿式法などが利用でき
る。
【0016】水洗された剛直性高分子成形体は通常、溶
媒と抽出液が置き換わることにより体積分率で50%以
上の抽出液を含んでいる。抽出液が水の場合には繊維の
内部に重量分率で35%以上の水を含んでいる。本発明
の重要な要件として、抽出液を乾燥させることなく成形
体をチーズもしくは枷に巻き取り抽出液中に沈めるなど
して剛直性高分子成形体が30%以上の抽出液を含んだ
状態で保管する必要がある。後加工の工程で処理剤の溶
媒として抽出液以外の流体を用いる際には適切な剛直性
高分子成形体に対して非溶媒となる流体で置換する。置
換後の非溶媒は重量分率で30%以上であることが好ま
しい。非溶媒の量がこれよりも少ないとポリマー表面の
細孔が細くなり、分子サイズが大きな処理剤を吸じんさ
せることが困難になる。あるいは、迅速に処理剤を吸じ
んさせることが困難になる。
【0017】非凝固液を多量に内包するポリベンザゾー
ル成型体内部には多数のキャピラリーと呼ばれる微細な
穴が存在しており、乾燥前成型体の非凝固液はこのキャ
ピラリー中にある。しかもこの穴は互いにつながってお
り外部から内部まで通じている。この連通したキャピラ
リーを利用して物質移動が可能となり、比較的短時間で
処理剤を内部まで導くことが可能である。30%以上の
非凝固液を内包するポリベンザゾール成形体の場合、処
理剤を付与する場合の浸漬時間は直径10ミクロンの成
形体の場合で、1秒以上、さらに好ましくは2秒以上、
最も好ましくは5秒以上であれば何秒でも十分量の処理
剤を付与することが出来るが、処理剤の分子量が大きい
場合や処理剤溶液の粘度が高い場合にはさらには処理剤
を反応させてより高度な後加工を施す場合には少なくと
も、20秒、処理の種類によっては、数分から数10分
が必要となる。但し、これらはヤーンのような形態の繊
維を処理液と接触した場合で本発明では以下の理由でさ
らに長い時間の処理が必要となる。
【0018】本発明の特徴として処理液の濃度を低くし
て、時間をかけて成形体内部に処理剤を吸着させること
により後水洗をせずに必要量の処理剤を付与することが
可能になる。チーズ染色法や枷染め法もしくはモジュー
ル法で成形体の表面に形成される隙間や表面ではなく成
形体内部の細孔に処理剤を含浸する事が重要である。処
理液の濃度が高いと、成形体表面に処理剤が析出して成
形体内部への含浸がかえって遅くなる場合がある。チー
ズや枷の内層部成形体表面に処理剤が十分量供給される
ことと、成形体内部の細孔の含浸が進む為に十分な時間
が必要であるので、処理時間は、少なくとも1時間、好
ましくは3時間以上必要である。このような条件で処理
された成形体は内部に十分量の処理剤が均一に付与され
る。また成形体表面の余剰な処理剤が少ないために後水
洗が楽であり、洗い流されて無駄になる処理剤の量が低
減できるばかりでなく環境に優しいプロセスになる。
【0019】単純に処理剤を含浸する場合には、溶剤抽
出したポリベンザゾール成形体をインラインで処理する
ことが可能である。また、特開平11−131326号
公報に開示されているようなネットコンベヤー上に連続
体を堆積させて処理時間を稼ぐことができるプロセスで
はインラインでの高度な処理も可能となるが、非溶剤を
乾燥する前の非溶媒含有量が30%以上のポリベンザゾ
ール成形体の場合でも処理剤を十分量成形体中に拡散さ
せる場合や、成形体中で時間をかけて反応させる場合に
は処理装置が長大になることから、連続する成形体を一
旦、チーズや枷、ロール反に巻き取ってから処理する必
要がある。この際に、処理剤を含む溶液が巻き取られた
成形体の表面に十分接触できるようにワインドパターン
や枷幅、通液用スペーサーを巻き込むなどの工夫が必要
である。本発明のチーズ染色法、枷染め法、モジュール
法とは成形体内部に処理剤を含浸させる方法として定義
する。すなわち、チーズ染色法とは繊維状の成形体を糸
管に綾を構成するように巻き付け処理剤の溶液中に浸漬
する事を意味する。枷染め法とは、枷に巻き付けた成形
体を枷のままもしくは一部を結束してから枷から取り外
して処理剤の溶液中に浸漬することを意味し、モジュー
ル法とは通液用のスペーサーと成形体を組み合わせて積
層させた状態で処理液と接触させる方法を意味する。
【0020】ポリベンザゾール成形体の各種の処理例に
ついて説明する。最初に、耐光性能を改善する方法を取
り上げる。ポリベンザゾール繊維の耐光性を改善する処
理剤として、空気を含む酸化剤で酸化し発色する酸化染
料化合物、芳香族アミンからなる化合物あるいはフェノ
ール類からなる化合物が挙げられるが、それに限定され
るものではない。酸化染料とは、染料に当たっては酸化
して合成した色素を用いるものではなく、酸化によって
色素を生成する中間物を用いるもので、厳密には酸化染
料を生成する塩基であり、酸化塩基とも称されるもので
ある。芳香族アミンからなる化合物あるいはフェノール
類からなる化合物としては、アニリン、o-フェニレンジ
アミン、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミ
ン、o-アミノフェノール、m-アミノフェノール、p-ア
ミノフェノール、ナフトール、およびそれらの誘導体、
およびそれらの酸性塩化合物などが挙げられる.一般
に、この様な化合物は固体または液体であるため、溶剤
に溶解させ使用する。溶かす溶剤としては、水、燐酸水
溶液などの水溶液、エタノール、メタノール、エチレン
グリコールなどのアルコール類、アセトンなどのケトン
類など、耐光剤と相溶性を有し且つ繊維中に浸透するも
のであれば何でも良い。
【0021】その溶液を用いて、剛直鎖高分子成形体の
耐光性改善処方の具体的な方法としては、上記の単一も
しくは複数の化合物の溶液を調整する。溶液の濃度は処
理装置に投入する剛直性高分子成形体重量や浴比に依存
するが、少なくとも全ての処理剤が吸じんされた場合に
耐光性能が発揮できる量以上である必要がある。また耐
光剤の処理液が飽和濃度に近いと処理装置に多量の酸化
物が固着し処理剤のロスが大きくなるので処理温度にお
ける飽和濃度以下であることが好ましい。また、成形体
表面で処理剤の酸化物が蓄積されると成形体内部への処
理剤の浸透が遅くなるので、亜硫酸ナトリウムなどの還
元剤を併用することも有効である。さらに好ましくは、
あとで余剰な処理剤を洗い流す負荷ができるだけ小さく
なる低濃度であることが好ましい。成形体内部まで化合
物が浸透した段階で、曝気や酸化剤を利用して酸化・縮
合を促進させる必要がある。耐光剤の酸化・縮合を促進
させる添加剤といしては、次亜塩素酸ナトリウム、過酸
化水素、塩化鉄(iii)、亜硝酸ナトリウム等が利用で
きる。この処理により酸化された耐光剤は剛直鎖高分子
成形体と反応あるいは吸着し、多量な非溶媒を含む多孔
質な状態でも、水洗しても脱落し難くなる。本発明で
は、チーズ染色法などの工業的に実施可能な規模で、剛
直鎖高分子成形体を長時間液中に浸漬しながら、十分な
酸化縮合反応を進めることができる。
【0022】水洗後、常温から300℃以内の加熱条件
で乾燥(熱処理)することによりキャピラリー間の連結
が失われ耐光剤は容易に繊維内部に固定できる。水など
の非凝固剤を含んだまま加熱するとパラアラミドやポリ
ベンザゾールなどでは加水分解を生じることもあるが、
その際にロスした強度が数%から数十%と大きくなる場
合においても光暴露後の残存強力が耐光処理しない物よ
りも高くなり、屋外使用の条件では実用性能は向上す
る。
【0023】次に、顔料による剛直性高分子の意匠性改
善について説明する。意匠性の改善は、色相の変更、触
感、風合い、摩擦特性、帯電防止、防汚によって達成さ
れる。カーボンブラックや酸化チタン、カオリン、タル
クなどの分散液、帯電防止剤、を利用することができ
る。剛直性高分子の溶媒抽出後成型体内部には多数のキ
ャピラリーと呼ばれる穴が存在し微細な無機粒子を含浸
する事が可能である。特に、剛直性高分子の耐摩擦耐久
性を改善する為にシリカ粒子、コロイダルアルミナなど
を表面から含浸することが好ましい。顔料や無機粒子の
形状やサイズは任意であるが数十から数百ナノメートル
の粒子で単分散に近い物が好ましい。分散液の分散媒や
濃度は任意に設定できるが、後水洗の負荷が少ない組み
合わせが好ましい。
【0024】さらに、ゾルゲル法を用いた複合材料の製
造方法について説明する。テトラエチルシリケートとア
ミン触媒のアルコール溶液を剛直性高分子の未乾燥成形
体に含浸し、200℃から350℃で乾燥することで、
シリカと剛直性高分子の複合体を製造することができ
る。このようにして得られた有機無機複合材料は繊維状
物の横圧縮特性が改善されるなどの特徴がある。
【0025】以下、本発明で使用した測定方法を述べ
る。 <耐光性の評価方法>耐光性の評価は、光暴露の前後で
の成型体の強力を測定することで評価した。光暴露試験
はアトラス社製水冷キセノンアーク式ウェザーメーター
(型式Ci35A)を用いた。金属フレームに成型体を
巻き付けて装置にセットし、内側フィルターガラスに石
英、外側フィルターガラスにポロシケート、タイプSを
使用し、放射照度0.35W/m2(at 340n
m)、ブラックパネル温度83±3℃、試験糟内湿度5
0±5%の条件下にて100時間連続運転を行った。
尚、成型体を金属フレームに巻き付ける時、光暴露面で
厚さ0.80mmステンレス製金尺を用いて逆方向に伸
張させて3回折り処理を行い、成型体にキンクバンド
(ダメージ)を生じせしめた。
【0026】<強力の測定方法>成型体、とくに繊維の
強力は、JIS-L1013に準じて引張試験機(島津
製作所製、型式AG−50KNG)にて測定した.尚、
サンプルの装着時に(デニール/10)gfの初荷重を
かけ、ゆるみを取り除いた状態で引っ張り試験を行っ
た。
【0027】
【実施例】以下、更に実施例を示すが本発明はこれらの
実施例に限定されるものではない。 <実施例1>米国特許第4533693号に示される方法によっ
て得られた、30℃のメタンスルホン酸溶液で測定した
固有粘度が28.4dL/gのポリパラフェニレンベン
ゾビスオキサゾール14.0重量%と五酸化リン含有率
84.3%のポリ燐酸からなる紡糸ドープを紡糸に用い
た。ドープは金属網状の濾材を通過させ、次いで2軸か
らなる混練り装置で混練りと脱泡を行った後、昇圧さ
せ、重合体溶液温度を175℃に保ち、孔数332を有
する紡糸口金から177℃で紡出し、温度60℃の冷却
風を用いて吐出糸条を冷却した後、ゴデットロールに巻
き付け紡糸条速度を与え、温度を50℃に保った22%
の燐酸水溶液からなる抽出(凝固)浴中に導入した。引
き続いて第2の抽出浴中イオン交換水で糸条を洗浄した
後、0.1mol/Lの水酸化ナトリウム溶液中に浸漬
し中和処理を施した後、水洗し直径104mmの多孔質
樹脂ボビンに速度150m/分で1000g巻き取っ
た。30Lの水に、m−フェニレンジアミンとp−フェ
ニレンジアミンそれぞれ25gを溶解した液を図1に示
す装置に張り込み、巻き取ったポリパラフェニレンベン
ゾビスオキサゾール繊維を入れて60時間液を循環し
た。最初に調整した溶液は褐色であったが60時間循環
後の溶液は透明で、処理剤がほぼ全量近く繊維に吸着さ
れたことがわかる。繊維を装置から取り出し80℃で4
時間乾燥させた。得られた繊維の強度は、37cN/d
Texであった。この繊維を3回折り処理し、耐光評価
を行った結果キセノン光源100時間照射後の残存強度
は21cN/dTexであった。
【0028】<比較例1>実施例1において、中和処理
後の水洗に引き続き1対のネルソンローラーを組み込ん
だキャビネットに糸を導き、2.5%メタ・フェニレン
ジアミン、2.5%パラ・フェニレンジアミンの混合水
溶液をローラー上の繊維に滴下しつつ15秒間含浸させ
た後に、別の水洗キャビネットで10秒間水洗を行い、
巻き取り機で引き取った。得られたポリパラフェニレン
ベンズビスオキサゾール繊維を80℃で4時間乾燥し
た。繊維の強度は37cN/dTex耐光試験後の強度
は17.5cN/dTexであった。この方式では最終
の水洗キャビネットの液が著しく着色し、2時間の実験
で400Lのフェニレンジアミンの低濃度廃液が発生し
た。この方式においては、連続プロセスであるために繊
維の生産性が高いものの走行糸の回りに付着した高濃度
処理液の持ち出しが多く廃液処理などのコストが嵩み工
業的な実施が極めて困難である。
【0029】<実施例2>実施例1に記載の方法で同様
に多孔質ボビンに300gの未乾燥ポリパラフェニレン
ベンズビスオキサゾール繊維を巻き取り、図1の装置に
平均粒径100nmの単分散球状シリカ微粒子を10g
と水40Lを入れて6時間液を循環した後、120℃で
2時間かんそうしてポリパラフェニレンベンズビスオキ
サゾール繊維を得た。得られた繊維を国際特許番号WO
97/41285に記載された開繊処理をすることで広
幅のマルチフィラメント開繊シートが得られた。
【0030】<実施例3>実施例1に記載の方法で巻き
取ったポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール繊維
を周長1.125mの枷に巻き返し、結束して輪状の2
50gの未乾燥得た。これを、2Lの0.5%アンモニ
ア水溶液に20秒浸漬した後に取り出して、テトラアエ
チルシリケートのアルコール溶液に4時間浸漬した。こ
のポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール繊維を再
び枷に取り付けて、ヤーンを300℃の加熱ローラーに
導き乾燥することで、繊維内部と表層にシリカを形成さ
せた。
【0031】
【発明の効果】本発明によると耐光剤や染料、顔料、滑
剤を剛直性高分子成形体に固着させることができるた
め、産業用資材として実用性を高め、利用分野を拡大す
る効果が大きい。また、ゾルゲル法との併用により有機
無機ハイブリッド材料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】チーズ染色装置の例。 1:綾巻きされた繊維状未乾燥成形体。 2:透水性がある多孔質ボビン。 3:ボビンの栓。 4:処理液循環ポンプ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3B154 AA06 AB10 AB11 BA07 BA60 BB32 BB43 BC02 BC06 BC18 BD01 BD20 BE05 DA07 DA08 DA15 4H057 AA02 BA81 DA01 DA34 EA01 GA07 4L033 AA06 AC15 BA96

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非溶媒を30%以上含有する剛直鎖高分子
    成型体をチーズ染色することを特徴とする剛直鎖高分子
    成形体の染色方法。
  2. 【請求項2】非溶媒を30%以上含有する剛直鎖高分子
    成型体を枷染めすることを特徴とする剛直鎖高分子成形
    体の染色方法。
  3. 【請求項3】非溶媒を30%以上含有する剛直鎖高分子
    成型体をモジュール法により改質することを特徴とする
    剛直鎖高分子成形体の改質方法。
  4. 【請求項4】加工中に剛直高分子鎖成型体内部で縮合物
    を生成させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載の剛直鎖高分子成形体の加工方法。
  5. 【請求項5】剛直鎖高分子がポリベンザゾールであるこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の剛直鎖
    高分子成形体の加工方法。
JP2001000586A 2001-01-05 2001-01-05 剛直鎖高分子溶液から成型体を改質する方法 Withdrawn JP2002212886A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005344232A (ja) * 2004-06-02 2005-12-15 Toyobo Co Ltd 着色ポリベンザゾール繊維の製造方法
EP2899396A4 (en) * 2012-09-24 2016-06-15 Mitsubishi Heavy Ind Ltd METHOD FOR PRODUCING A WINDRAD WING

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