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JP4016318B2 - 高耐久性ポリベンザゾール組成物 - Google Patents

高耐久性ポリベンザゾール組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリベンザゾールに対して優れた保存安定性を与える安定化剤をポリベンザゾールに含有させてなる高耐久性ポリベンザゾール組成物、及び該ポリベンザゾール組成物からなる繊維又はフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高耐熱、高強力繊維としてポリベンゾオキサゾール(PBO)、ポリベンズイミダゾール(PBI)またはポリベンゾチアゾール(PBT)のポリマー(以下、ポリベンザゾールと呼ぶ)からなる繊維が知られている。
【0003】
通常、ポリベンザゾール繊維は鉱酸を溶媒として液晶紡糸することにより製造される。紡糸ノズルを出たポリマードープは水洗工程に入り、鉱酸が水層に抽出される。この水洗工程では、糸は徹底的に水で洗浄された後、水酸化ナトリウム等の無機塩基性化合物の水溶液槽を通り、糸中に抽出されずに残っている鉱酸は中和される。その後、再び洗浄される。糸の内部まで中和されるように塩基性化合物を付与されることが非常に重要である。水洗状態および無機塩基性化合物の付与量が何らか原因で変動した場合、糸の内部環境は酸性側または塩基性側へずれる。
もし、糸中に鉱酸が中和不充分な形で残った場合、高温かつ高湿度下に長時間曝された時に、ポリベンザゾール繊維はその引っ張り強度が低下する傾向がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、何らかの理由で鉱酸が中和不充分な形で残った場合でも高温かつ高湿度下に長時間曝されたことによる強力低下が小さいポリベンザゾール繊維およびフィルムが望まれている。本発明はこの強力低下が小さいポリベンザゾールを得ることを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意研究した結果、遂に本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、下記の構成からなる。
1.塩基性物質を含有することを特徴とする高耐久性ポリベンザゾール組成物。
2.塩基性物質が有機化合物であることを特徴とする上記第1記載の高耐久性ポリベンザゾール組成物。
3.塩基性物質が水または親水性溶剤に溶解する有機化合物であることを特徴とする上記第1記載の高耐久性ポリベンザゾール組成物。
4.塩基性物質が、グアニジン類、トリアゾール類、キナゾリン類、ピペリジン類、アニリン類、ピリジン類またはシアヌル酸類であることを特徴とする上記第1記載の高耐久性ポリベンザゾール組成物。
5.上記第1のポリベンザゾール組成物からなることを特徴とする高耐久性ポリベンザゾール繊維。
6.上記第1のポリベンザゾール組成物からなることを特徴とする高耐久性ポリベンザゾールフィルム。
以下、本発明を詳述する。
【0006】
本発明におけるグアニジン類としては、重炭酸アミノグアニジン、1,3−ビス(2−ベンゾチアゾリル)グアニジン、1,3−ジフェニルグアニジン、1,3−ジ(o−トルイル)グアニジン、1,2,3−トリフェニルグアニジン等があげられる。トリアゾール類としては3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、2− [ 2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドーメチル)−5−メチルフェニル ] ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。キナゾリン類としては、キナゾリン−2,4−ジオン等があげられるピペリジン類としてはピペラジン等があげられる。アニリン類としては、アニリン、o−フェノキシアニリン等があげられる。ピリジン類としてはピリジン等があげられる。またはシアヌル酸類としては、イソシアヌル酸等があげられる。
これらの塩基性有機化合物の1つまたは2つ以上の化合物の併用もあり得る。添加量はポリベンザゾールに対して0 . 01%〜20%、好ましくは0 . 1%〜10%である
【0007】
本発明におけるポリベンザゾールとは、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、ポリベンゾチアゾール(PBT)またはポリベンズイミダゾール(PBI)から選ばれる一種以上のポリマーをいう。本発明においては、PBOは芳香族基に結合されたオキサゾール環を含むポリマーをいい、その芳香族基は必ずしもベンゼン環である必要はない。さらにPBOは、ポリ(フェニレンベンゾビスオキサゾール)や芳香族基に結合された複数のオキサゾール環の単位からなるポリマーが広く含まれる。同様の考え方は、PBTやPBIにも適用される。また、PBO、PBT及び、またはPBIの混合物、PBO、PBT及びPBIのブロックもしくはランダムコポリマー等のような二つまたはそれ以上のポリベンザゾールポリマーの混合物、コポリマー、ブロックポリマーも含まれる。好ましくは、ポリベンザゾールは、ライオトロピック液晶ポリマーであり(鉱酸中、特定濃度で液晶を形成する)、本発明においてはポリベンゾオキサゾールが好ましい。
【0008】
PBZポリマーに含まれる構造単位としては、好ましくはライオトロピック液晶ポリマーから選択される。モノマー単位は構造式(a)〜(i)に記載されているモノマー単位から成る。
【0009】
【化1】
Figure 0004016318
【0010】
ポリベンザゾールポリマーの溶液(ポリマードープという)は、ポリマーを酸性溶媒中で重合することにより容易に調製することができる。溶媒として好ましくは鉱酸であり、例えば硫酸、メタンスルフォン酸、またはポリリン酸があるが、最も好ましくはポリリン酸である。ドープ中のポリマー濃度は、1〜30%、好ましくは1〜20%である。
【0011】
本発明において、好適なポリマーまたはコポリマーとドープは公知の方法で合成される。例えばWolfeらの米国特許第4,533,693号明細書(1985,8,6)、Sybertらの米国特許第4,772,678号明細書(1988,9,22)、Harrisの米国特許第4,847,350号明細書(1989,7,11)またはGregoryらの米国特許第5,089,591号明細書(1992,2,18)に記載されている。要約すると、好適なモノマーは非酸化性で脱水性の酸溶液中、非酸化性雰囲気で高速撹拌及び高剪断条件のもと約60℃から230℃までの段階的または一定昇温速度で温度を上げることで反応させられる。
【0012】
繊維を製造する場合、ドープは紡糸口金から押し出し、空間で引き伸ばしてフィラメントに形成される。好適な製造法は先に述べた参考文献や米国特許第5,034,250号明細書に記載されている。紡糸口金を出たドープは紡糸口金と洗浄バス間の空間に入る。この空間は一般にエアギャップと呼ばれているが、空気である必要はない。この空間は、溶媒を除去すること無く、かつ、ドープと反応しない溶媒で満たされている必要があり、例えば空気、窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素等が挙げられる。
【0013】
紡糸後のフィラメントは、過度の延伸を避けるために洗浄され溶媒の一部が除去される。そして、更に洗浄され、適宜水酸化ナトリウム等の無機塩基性物質で中和、さらに洗浄される。この段階までにほとんどの溶媒は除去される。ここでいう洗浄とは、繊維またはフィラメントをポリベンザゾールポリマーを溶解している鉱酸に対し相溶性であり、ポリベンザゾールポリマーに対して溶媒とならない液体に接触させ、ドープから酸溶媒を除去することである。好適な洗浄液体としては、水や水と酸溶媒との混合物がある。フィラメントは、好ましくは残留鉱酸濃度が8000ppm以下、更に好ましくは5000ppm以下に洗浄される。その後、フィラメントは、乾燥、熱処理、巻き取り等が必要に応じて行われる。ポリベンザゾール繊維はロープ、ケーブル、繊維強化複合材料または耐切創衣料等に応用可能である。
【0014】
フィルムを製造する場合、典型的には米国特許第4,487,735号明細書等に記載されているように粘稠なドープを回転ドラム上に押し出すことにより一軸配向フィルムができる。これをチューブとして押し出し、マンドレル上で吹き込みまたは押し込むことにより二軸配向させる。次いで水中に浸して凝固させることにより、フィルムを形成させることができる。そして、更に洗浄することにより溶媒を除去することができる。
【0015】
本発明組成物を得る方法として、つまり前記塩基性物質をポリベンザゾールに含有させる方法としては特に限定されず、ポリベンザゾールの重合段階、ドープの洗浄段階、乾燥工程前、または後加工段階で含有させることができる。ポリベンザゾールの重合段階での塩基性物質の付与の方法としては、原料を仕込む際に同時に塩基性物質を仕込む方法、段階的または一定昇温速度で温度を上げて反応させている任意の時点で塩基性物質を添加する方法、また、重合反応終了時に塩基性物質を添加する方法が好ましい。ポリベンザゾールのドープの洗浄段階または乾燥工程前での付与方法としては、水または親水性有機溶媒に塩基性物質を溶解し、この溶液中にドープ、フィラメントまたはフィルムを浸漬する方法が好ましい。剛直な構造となった後加工段階での付与の方法としては、塩基性物質を溶剤に溶解し、マルチフィラメント、ステープル、ファブリック等を浸漬し、後に溶剤で洗浄して溶媒だけを除く方法が好ましい。
塩基性物質を賦与する場合の浸漬時間は0.1秒以上、好ましくは10秒以上であれば何秒でも十分量を賦与することが出来る。また、2種類以上の塩基性物質の同時添加も可能である。
【0016】
水洗後、50℃以上、通常300℃以下で乾燥することにより塩基性物質をを固定する。熱処理後の引っ張り強度保持率は、塩基性物質を付与していないポリベンザゾール成型体に対して80%以上を有し、熱処理によるポリマーへの悪影響は少ない。
【0017】
繊維内部における塩基性物質の化学的な存在状態や作用については明確にはわかっていない。単純には高温かつ高湿度下で環境中の水分がポリベンザゾール繊維またはフィルム内に侵入し、残留している鉱酸がこの水分により解離してプロトンを放出する。このプロトンを塩基性物質が捕捉して系内を中性に保つことにより、強度低下を防止していると推定されるが、本発明はこの考察に拘束されるものではない。
【0018】
評価方法は以下のとおりである。
高温かつ高湿度下での強度の評価は、繊維およびフィルムについては高温高湿度環境下での保存の前後での繊維の強度保持率を測定することで評価した。高温高湿度下での保管試験にはヤマト科学社製Humidic Chamber 1G43Mを用いた。直径5cmの糸巻に繊維またはフィルムを巻き付けて装置にセットし、80℃、相対湿度80%の条件下にて100日間連続運転を行った。
【0019】
強度保持率は、高温高湿度保管前後の繊維強度をJIS−L1013に準じてテンシロン試験機(A&D社製、型式RTM250)にて測定し、暴露試験後の繊維強度値を高温高湿度保管試験前の繊維強度値で除して求めた。フィルムについては、長さ5cm、幅1mm、厚さ8.5μmにカットした後、同様にして強度を求めた。
【0020】
【実施例】
以下に実例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はもとより下記の実施例によって制限を受けるものではなく、前後記の主旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術範囲に含まれる。なお実施例における各特性値は、以下の方法によって測定した。
【0021】
フィルム状ポリベンザゾール:ポリベンザゾールのポリリン酸溶液(ポリマードープ)を調製後、ヒートプレス機で175℃、150kg/cm2の条件下でポリテトラフルオロエチレンシートに挟んだ状態でプレスした。その後、ポリマードープをポリテトラフルオロエチレンシートに挟んだまま130℃で縦方向に3倍および横方向に3倍延伸した。冷却後、ポリテトラフルオロエチレンシートからドープを剥ぎ取り、残留リン濃度が5000ppm以下になるまで水洗した。
【0022】
紡糸:フィラメント径が11.5μm、1.5デニールになるような条件で行った。紡糸温度150℃で孔径160μm、孔数340のノズルからフィラメントを適当な位置で収束させてマルチフィラメントにするように配置された第1洗浄浴中に押し出した。紡糸ノズルと第1洗浄浴の間のエアギャップには、より均一な温度でフィラメントが引き伸ばされるようにクエンチチャンバーを設置した。エアギャップ長は30cmとした。60℃の空気中にフィラメントを紡出した。テークアップ速度を200m/分とし、紡糸延伸倍率を30とした。ポリベンザゾール繊維中の残留リン酸濃度が5000ppm以下になるまで水洗した。
【0023】
(実施例1)
30℃のメタンスルホン酸溶液で測定した固有粘度が28dL/gのポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール12重量%と五酸化リン含有率88%のポリ燐酸から成る紡糸ドープを前述の方法により紡糸し、糸管に1500m巻き取った。重炭酸アミノグアニジン450gを水10L中に溶解して得られた浴中に50℃で3時間浸し、80℃で4時間乾燥した。このようにして得られた糸の高温高湿度保管試験を行った結果を表1に示す。
【0024】
(実施例2)
30℃のメタンスルホン酸溶液で測定した固有粘度が27dL/gのポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール12重量%と五酸化リン含有率88%のポリ燐酸から成る紡糸ドープを前述の方法により紡糸し、糸管に1500m巻き取った。3−アミノ−1,2,4−トリアゾール500gを水10L中に溶解して得られた浴中に50℃で6時間浸し、80℃で4時間乾燥した。このようにして得られた糸の高温高湿度保管試験を行った結果を表1に示す。
【0025】
(実施例3)
30℃のメタンスルホン酸溶液で測定した固有粘度が29dL/gのポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール12重量%と五酸化リン含有率88%のポリ燐酸から成る紡糸ドープを前述の方法により紡糸し、糸管に1500m巻き取った。1,3−ジフェニルグアニジン500gをアセトン10L中に溶解して得られた浴中に50℃で10時間浸し、80℃で4時間乾燥した。このようにして得られた糸の高温高湿度保管試験を行った結果を表1に示す。
【0026】
(実施例4)
30℃のメタンスルホン酸溶液で測定した固有粘度が28dL/gのポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール12重量%と五酸化リン含有率88%のポリ燐酸から成る紡糸ドープを前述の方法により紡糸し、糸管に1500m巻き取った。1,3−ビス(2−ベンゾチアゾリル)グアニジン500gをアセトン10L中に溶解して得られた浴中に50℃で9時間浸し、80℃で4時間乾燥した。このようにして得られた糸の高温高湿度保管試験を行った結果を表1に示す。
【0028】
(実施例
30℃のメタンスルホン酸溶液で測定した固有粘度が28dL/gのポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール12重量%と五酸化リン含有率88%のポリ燐酸から成る紡糸ドープを前述の方法により紡糸し、糸管に1500m巻き取った。キナゾリン−2,4−ジオン500gをアセトン10L中に溶解して得られた浴中に50℃で10時間浸し、80℃で4時間乾燥した。このようにして得られた糸の高温高湿度保管試験を行った結果を表1に示す。
【0029】
(実施例
30℃のメタンスルホン酸溶液で測定した固有粘度が29dL/gのポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール12重量%と五酸化リン含有率88%のポリ燐酸から成る紡糸ドープを前述の方法により紡糸し、糸管に1500m巻き取った。ピラジン500gを水10L中に溶解して得られた浴中に50℃で10時間浸し、80℃で4時間乾燥した。このようにして得られた糸の高温高湿度保管試験を行った結果を表1に示す。
【0030】
(実施例
30℃のメタンスルホン酸溶液で測定した固有粘度が28dL/gのポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール12重量%と五酸化リン含有率88%のポリ燐酸から成る紡糸ドープを前述の方法により紡糸し、糸管に1500m巻き取った。イソシアヌル酸500gをDMF10L中に溶解して得られた浴中に50℃で9時間浸し、80℃で4時間乾燥した。このようにして得られた糸の高温高湿度保管試験を行った結果を表1に示す。
【0031】
(実施例
30℃のメタンスルホン酸溶液で測定した固有粘度が30dL/gのポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール14重量%と五酸化リン含有率88%のポリ燐酸から成る紡糸ドープを前述の方法により紡糸し、糸管に1500m巻き取った。アニリン500gを水10L中に溶解して得られた浴中に50℃で20時間浸し、80℃で4時間乾燥した。このようにして得られた糸の高温高湿度保管試験を行った結果を表1に示す。
【0032】
(実施例
30℃のメタンスルホン酸溶液で測定した固有粘度が28dL/gのポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール13重量%と五酸化リン含有率88%のポリ燐酸から成る紡糸ドープを前述の方法により紡糸し、糸管に1500m巻き取った。ピリジン300gを水10L中に溶解して得られた浴中に50℃で10時間浸し、80℃で4時間乾燥した。このようにして得られた糸の高温高湿度保管試験を行った結果を表1に示す。
【0033】
(比較例1)
30℃のメタンスルホン酸溶液で測定した固有粘度が28dL/gのポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール14重量%と五酸化リン含有率88%のポリ燐酸から成る紡糸ドープを前述の方法により紡糸した。この糸を水で洗浄後、80℃で4時間乾燥した。このようにして得られた糸の高温高湿度保管試験を行った結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
Figure 0004016318
【0035】
(実施例11)
30℃のメタンスルホン酸溶液で測定した固有粘度が25dL/gのポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール12重量%と五酸化リン含有率88%のポリ燐酸から成るドープを前述の方法によりフィルム状にした。このフィルム状物質を重炭酸アミノグアニジン100gを水10L中に溶解して得られた浴中に1分間浸し、水で洗浄後、80℃で4時間乾燥した。このようにして得られたフィルムの高温高湿度保管試験を行った結果を表2に示す。
【0036】
(実施例12)
30℃のメタンスルホン酸溶液で測定した固有粘度が24dL/gのポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール12重量%と五酸化リン含有率88%のポリ燐酸から成るドープを前述の方法によりフィルム状にした。このフィルム状物質を3−アミノ−1,2,4−トリアゾール100gを水10L中に溶解して得られた浴中に1分間浸し、水で洗浄後、80℃で4時間乾燥した。このようにして得られたフィルムの高温高湿度保管試験を行った結果を表2に示す。
【0037】
(実施例13)
30℃のメタンスルホン酸溶液で測定した固有粘度が25dL/gのポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール12重量%と五酸化リン含有率88%のポリ燐酸から成るドープを前述の方法によりフィルム状にした。このフィルム状物質をイソシアヌル酸100gをDMF10L中に溶解して得られた浴中に1分間浸し、水で洗浄後、80℃で4時間乾燥した。このようにして得られたフィルムの高温高湿度保管試験を行った結果を表2に示す。
【0038】
(実施例14)
30℃のメタンスルホン酸溶液で測定した固有粘度が25dL/gのポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール14重量%と五酸化リン含有率88%のポリ燐酸から成るドープを前述の方法によりフィルム状にした。このフィルム状物質をピラジン100gを水10L中に溶解して得られた浴中に1分間浸し、水で洗浄後、80℃で4時間乾燥した。このようにして得られたフィルムの高温高湿度保管試験を行った結果を表2に示す。
【0039】
(実施例15)
30℃のメタンスルホン酸溶液で測定した固有粘度が25dL/gのポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール12重量%と五酸化リン含有率88%のポリ燐酸から成るドープを前述の方法によりフィルム状にした。このフィルム状物質をキナゾリン−2,4−ジオン100gをアセトン10L中に溶解して得られた浴中に1分間浸し、水で洗浄後、80℃で4時間乾燥した。このようにして得られたフィルムの高温高湿度保管試験を行った結果を表2に示す。
【0040】
(実施例16)
30℃のメタンスルホン酸溶液で測定した固有粘度が23dL/gのポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール12重量%と五酸化リン含有率88%のポリ燐酸から成るドープを前述の方法によりフィルム状にした。このフィルム状物質をアニリン100gを水10L中に溶解して得られた浴中に1分間浸し、水で洗浄後、80℃で4時間乾燥した。このようにして得られたフィルムの高温高湿度保管試験を行った結果を表2に示す。
【0041】
(実施例17)
30℃のメタンスルホン酸溶液で測定した固有粘度が26dL/gのポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール14重量%と五酸化リン含有率88%のポリ燐酸から成るドープを前述の方法によりフィルム状にした。このフィルム状物質をピリジン100gを水10L中に溶解して得られた浴中に1分間浸し、水で洗浄後、80℃で4時間乾燥した。このようにして得られたフィルムの高温高湿度保管試験を行った結果を表2に示す。
【0042】
(比較例2)
30℃のメタンスルホン酸溶液で測定した固有粘度が25dL/gのポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール12重量%と五酸化リン含有率88%のポリ燐酸から成るドープを前述の方法によりフィルム状にした。水で洗浄後、80℃で4時間乾燥した。このようにして得られたフィルムの高温高湿度保管試験を行った結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
Figure 0004016318
【0044】
表1、2より明らかなように、塩基性有機化合物が付与されたポリベンザゾール繊維およびフィルムは、高温高湿度下での強度保持率が高いことがわかる。
【0045】
【発明の効果】
本発明にかかる組成物、繊維およびフィルムは、高温高湿度下に長時間保管された後も強度保持率が高いため、その利用分野を飛躍的に拡大することができ、産業界に寄与すること大である。

Claims (3)

  1. 重炭酸アミノグアニジン、1,3−ビス(2−ベンゾチアゾリル)グアニジン、1,3−ジフェニルグアニジン、1,3−ジ(o−トルイル)グアニジン、1,2,3−トリフェニルグアニジン、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドーメチル)−5−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、キナゾリン−2,4−ジオン、ピペラジン、アニリン、o−フェノキシアニリン、ピリジン、イソシアヌル酸のいずれか1つの塩基性有機化合物または2つ以上の化合物を含有することを特徴とする高耐久性ポリベンザゾール組成物。
  2. 請求項1のポリベンザゾール組成物からなることを特徴とする高耐久性ポリベンザゾール繊維。
  3. 請求項1のポリベンザゾール組成物からなることを特徴とする高耐久性ポリベンザゾールフィルム。
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