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JP2002203993A - 熱電モジュール用基板およびそれを用いた熱電モジュール - Google Patents

熱電モジュール用基板およびそれを用いた熱電モジュール

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JP2002203993A
JP2002203993A JP2000399255A JP2000399255A JP2002203993A JP 2002203993 A JP2002203993 A JP 2002203993A JP 2000399255 A JP2000399255 A JP 2000399255A JP 2000399255 A JP2000399255 A JP 2000399255A JP 2002203993 A JP2002203993 A JP 2002203993A
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Japan
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substrate
thermoelectric module
thermoelectric
silicon nitride
metal plate
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Takayuki Naba
隆之 那波
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】冷却・昇温特性の向上および高出力化を図ると
ともに、耐熱サイクル特性を向上させた高信頼性の熱電
モジュール用基板およびそれを用いた熱電モジュールを
提供する。 【解決手段】窒化けい素基板1の少なくとも一方の面に
30個以上の熱電素子3を搭載するための金属板2を接
合したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱エネルギと電気
エネルギとを相互に変換する熱電モジュールに関する技
術であり、冷却・昇温特性の向上および高出力化を図
り、かつ、耐熱サイクル特性を向上させた熱電モジュー
ル用基板およびそれを用いた熱電モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】熱電モジュールは、p型熱電素子とn型
熱電素子とが電気的に直列となるように接合された熱電
素子の性質を利用したものであり、熱エネルギを電気エ
ネルギに変換し、または、電気エネルギを熱エネルギに
変換する機能を有する独立した部品である。
【0003】詳述すると、熱電素子は、p型熱電素子と
n型熱電素子との接合部間に温度差を与えると電位差が
発生するというゼーベック効果と、p型熱電素子とn型
熱電素子との接合部間に電流を流すと、その電流の向き
に応じて吸熱または発熱するペルチェ効果とを有し、こ
のような効果を利用して、電気エネルギと熱エネルギと
を相互に変換する。このため熱電モジュールは、例え
ば、廃熱を利用して発電を行う熱電発電用装置,半導体
プロセスにおける恒温装置,エレクトロデバイスを冷却
する熱電冷却装置などの各種装置に搭載され、実用化が
進められている。
【0004】上記熱電モジュールは、絶縁基板を土台と
して、この絶縁基板の少なくとも一方の面に電極板(金
属板)を接合しており、さらに、この電極板に熱電素子
を接続した構成を有する。
【0005】上述したように、熱電素子は、p型熱電素
子とn型熱電素子とを各1個ずつ直列に接続したものを
構成し、これを最小単位とするものである。そして、最
小単位とする熱電素子の搭載数に応じて、熱電モジュー
ルの冷却・昇温特性または電圧特性が決定される。従っ
て、熱電モジュールの冷却・昇温特性の向上または高出
力化を図るために、絶縁基板上に複数個の熱電素子を搭
載する必要があり、これに伴い、当然、熱電素子を搭載
する絶縁基板の基板面積を大面積化することが必須であ
った。
【0006】従来、このような絶縁基板として、比較的
優れた熱伝導率および機械的強度を確保できるセラミッ
ク焼結体が適用されており、例えば、アルミナ(Al
)焼結体,窒化アルミニウム(AlN)焼結体,ベ
アリリア(BeO)焼結体,コージェライト(2MgO
・Al・SiO)焼結体などのセラミック焼結
体が適用されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たセラミック基板では、十分な素体強度を得られないこ
とから、セラミック基板面積を大面積化することが困難
であり、この結果、熱電モジュールの搭載数が制限さ
れ、近年要求される熱電モジュールの冷却・昇温特性の
向上および高出力化を図ることが困難であった。実際、
熱電素子を搭載するセラミック基板面のサイズは5cm
角が上限となっており、搭載できる熱電素子数は限られ
ていた。
【0008】このように従来のセラミックス焼結体は、
強度特性を満足するものではないことから、1mmを超
える厚肉のセラミック基板として基板強度を高め、セラ
ミック基板の基板面積を大面積化する試みがなされてい
る。しかし、厚肉のセラミックス基板を適用して熱電モ
ジュールを構成すると、熱電モジュール自体が大型化し
てしまうという問題を有していた。
【0009】また、熱電モジュールは、多数の熱電素子
を基板上に設けることから通常の半導体素子よりも熱サ
イクル条件が厳しい条件下により使用される。このた
め、セラミック基板の基板面積を大面積化し、このセラ
ミック基板上に複数個の金属板を接合すると、セラミッ
ク基板と金属板との熱膨張差に起因してクラックが発生
してしまう。この熱電モジュールに冷却・昇温の熱サイ
クルを繰り返すことにより、最終的には金属板が剥離し
てしまい、その結果、熱電モジュールの信頼性が低下し
てしまうという問題を有していた。
【0010】特に、セラミック基板上に金属板を複数個
配置する際、隣接する金属板の距離を1mm以下に近づ
けて配置すると、金属板とセラミック基板との熱膨張差
の影響が顕著となり、耐熱サイクル特性が低下してしま
うという問題を有していた。
【0011】本発明は、上述した問題を解決するために
なされたものであり、冷却・昇温特性の向上および高出
力化を図り、かつ、耐熱サイクル特性を向上させた高い
信頼性を有する熱電モジュール用基板およびそれを用い
た熱電モジュールを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
解決すべく種々研究した結果、セラミック基板を素体曲
げ強度の高い窒化けい素焼結体から形成することによ
り、窒化けい素基板面のサイズを5cm角以上と大型化
することができ、窒化けい素基板上に複数個の金属板を
接合して、搭載する熱電素子の数を増加させることによ
り、熱電モジュールの冷却・昇温特性の向上および高出
力化を図れることを見い出した。また、窒化けい素焼結
体は、従来のセラミック焼結体に比べて熱膨張係数が低
い材料であることから、熱電モジュールに冷却・昇温の
熱サイクルを繰り返した際においても、金属板とセラミ
ック基板との熱膨張差に起因する耐熱サイクル特性の低
下を防止でき、耐熱サイクル特性を格段に向上させるこ
とができることを見い出し、本発明の完成に至ったもの
である。
【0013】本発明の熱電モジュール用基板は、窒化け
い素基板の少なくとも一方の面に30個以上の熱電素子
を搭載するための金属板を接合したことを特徴とする。
【0014】本発明のように、窒化けい素基板の少なく
とも一方の面に30個以上の金属板を接合することによ
り、搭載できる熱電素子数を増加させ、これにより、熱
電モジュールの冷却・昇温特性の向上および高出力化を
図ることができる。
【0015】また、上記熱電モジュールにおいて、金属
板と金属板との間隔が1mm以下であることが望まし
い。このように金属板と金属板との間隔を1mm以下と
して配置した場合であっても、本発明においては、優れ
た放熱特性を有する窒化けい素焼結体を基板として適用
しているため、熱膨張差に起因する窒化けい素基板と金
属板との剥離を防止し、その結果、熱電モジュールの耐
熱サイクル特性の低下を防止することができる。なお、
金属板と金属板との間隔が0.3mm未満となると耐熱
サイクル特性が低下することから、望ましくは0.3m
m以上1mm以下の範囲とすると良い。
【0016】また、上記熱電モジュールにおいて、金属
板の面積(例えば、金属板が長方形の場合は、縦×横の
積)が25mm以下であることが望ましい。このよう
に金属板の面積を25mm以下とすることにより、窒
化けい素基板と金属板との接合面積を低減することによ
り、窒化けい素基板と金属板との剥離を防止して、耐熱
サイクル特性を向上させた熱電モジュールとすることが
できる。
【0017】また、上記の熱電モジュールにおいて、窒
化けい素基板の金属板と接合する面の表面積を1600
mm以上とすることが望ましい(例えば、窒化けい素
基板が長方形の場合は、縦×横の積で求める)。このよ
うに窒化けい素基板を大型化することにより、窒化けい
素基板上に接合する金属板を増加させ、これにより熱電
素子の搭載数を増やし、その結果、熱電モジュールの冷
却・昇温特性の向上および高出力化を図ることができ
る。
【0018】上記熱電モジュールにおいて、窒化けい素
基板の板厚が0.2〜1.0mmであることが望まし
い。この理由は、板厚が1.0mmを超えると熱抵抗値
が高くなり放熱性が低下し、その結果、耐熱サイクル特
性が低下しまうためであり、一方、板厚が0.2mm未
満であると、窒化けい素基板が薄肉となりすぎることか
ら耐久性が低下して機械的強度を得られないためであ
り、いずれも熱電モジュールの信頼性が低下するためで
ある。
【0019】また、このような熱電モジュールにおい
て、窒化けい素基板の熱伝導率が65W/m・K以上で
あることが望ましい。この理由は、窒化けい素基板の熱
伝導率が、65W/m・K未満であると、窒化けい素基
板の熱抵抗が増加してしまい、耐熱サイクル特性が低下
してしまうからである。さらに、窒化けい素基板の熱伝
導率を85W/mK以上とすることが望ましい。このよ
うな高熱伝導性を具備する窒化けい素焼結体としては、
例えば、窒化けい素焼結体中の粒界相を全粒界相に対し
て20%以上結晶化したものが挙げられる。粒界相を結
晶化するためには、焼結後の炉冷速度を100℃/h以
下と除冷することが効果的である。また、同様にAl,
Li,Na,K,Fe,Mn,Bの不純物陽イオンを合
計で0.2質量%以下に制御することも熱伝導率の向上
に有効である。なお、本発明の熱電モジュール用基板は
窒化けい素焼結体を使用することが特徴であるから、こ
のような窒化けい素焼結体に限定されるものではない。
【0020】また、上記熱電モジュールにおいて、窒化
けい素基板の3点曲げ強度が600MPa以上であるこ
とが望ましい。このように窒化けい素基板の3点曲げ強
度を600MPa以上として機械的強度を高めることに
より高い信頼性を有する熱電モジュールとすることがで
きる。
【0021】上記熱電モジュールにおいて、金属板は、
銅またはアルミニウムから選ばれた少なくとも1種の材
料を主成分とすることが望ましい。
【0022】さらに、上記熱電モジュールにおいて、金
属板の表面にNiメッキが施されていることが望まし
い。
【0023】また、上記熱電モジュールにおいて、T
i,Zr,Hf,AlおよびNbから選ばれた少なくと
も1種の活性金属を含むろう材層を介して、前記窒化け
い素基板上に金属板を接合していることが望ましい。こ
のように活性金属を含むろう材層を介して、窒化けい素
基板上に金属板を接合することにより両者を強固に接合
することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の熱電モジュールに
ついて、図1,図2および表1〜表3を用いて説明す
る。
【0025】第1実施形態(表1,図1,図2) 実施例1〜実施例2,参考例1〜参考例2 本実施形態では、Si基板上に金属板を接合し、
この金属板に熱電素子を接続した熱電モジュールを作製
し、この熱電モジュールの出力および冷却・昇温特性を
試験して性能評価を行った。
【0026】まず、酸素を1.3質量%、不純物陽イオ
ン元素としてAl,Li,Na,K,Fe,Mn,Bを
合計で、0.10質量%含有し、α相型Si97
%を含む平均粒径0.40μmのSi原料粉末に
対して、焼結助剤として平均粒径0.7μmのY
粉末5質量%、平均粒径0.5μmのMgO粉末1.5
質量%を添加し、エチルアルコール中で72時間湿式混
合した後、乾燥して原料粉末混合体を調整した。
【0027】次に、この原料粉末混合体に有機バインダ
を所定量添加して均一に混合した後、120MPaの成
形圧力でプレス成形して成形体とした。
【0028】この成形体を500℃の空気気流中におい
て2時間脱脂した後、脱脂体を窒素ガス雰囲気中、7.
5気圧下、1800℃において8時間保持し、緻密化焼
結を実施した後、焼結炉に付設した加熱装置への通電量
を制御して焼結炉内温度が1500℃に降下するまでの
間に冷却速度を100℃/h以下として除冷し、粒界相
の結晶化率20%以上のSi焼結体(熱伝導率8
8W/m・K、3点曲げ強度700MPa)から形成さ
れる縦55mm,横55mm,厚さ0.635mmのS
基板とした。
【0029】このSi基板上に質量比でAg:C
u:In:Ti=61.9:24.1:10:4の活性
金属ろう材ペーストをスクリーン印刷し、乾燥後のペー
スト上に、縦3mm,横5mm,厚さ0.3mmとした
Cu板を、各Cu板の間隔を0.6mmとして、縦に7
枚、横に6枚ずつ配置し、Si基板上に合計して
42個配置した。その後、1×10−4Torr以下の
真空中において、800℃、10分間接合して熱電モジ
ュール用Si基板とした。
【0030】さらに、この熱電モジュール用Si
基板のCu板にp型熱電素子とn型熱電素子とを各1個
ずつ接続した熱電素子を接続して熱電モジュールを形成
した。この熱電モジュールを実施例とした。この熱電モ
ジュールを上面から見た図を図1とし、図1に示すA−
A´線の断面図を図2に示す。なお、図2のようにSi
基板の片面のみにCu板を介して熱電素子を設け
たものを実施例1、図3のようにSi基板の両面
に対称にCu板を介して熱電素子を設けたものを実施例
2とする。
【0031】図1から図3までに示すように、Si
基板1上にCu板2を接合しており、さらに、このC
u板2に熱電素子3を接続している。
【0032】また、上述した実施例と同様に、縦55m
m,横55mm,厚さ0.635mmのSi基板
を作製し、このSi基板上に質量比でAg:C
u:In:Ti=61.9:24.1:10:4の活性
金属ろう材ペーストをスクリーン印刷し、乾燥後のペー
スト上に、縦3mm,横5mm,厚さ0.3mmとした
Cu板を、各Cu板の間隔を2mmとして、縦に4枚、
横に5枚ずつ配置し、Si基板上に合計して20
個配置した。その後、1×10−4Torr以下の真空
中において、800℃、10分間接合して熱電モジュー
ル用Si基板とした。そして、上述した実施例と
同様に発電素子を接続して、発電モジュールを形成し
た。なお、片面のみにCu板を介して熱電素子を設けた
ものを参考例1、両面にCu板を介して熱電素子を設け
たものを参考例2とした。
【0033】上記実施例および参考例の熱電モジュール
について、発電素子の出力および冷却・昇温特性を調べ
たところ、熱電素子を多く搭載した実施例1および実施
例2の方が、参考例1および参考例2より優れた特性を
示した。
【0034】次に、実施例1〜実施例2、参考例1〜参
考例2の熱電素子モジュール用基板に対し、耐熱サイク
ル特性評価(TCT試験)を行った。耐熱サイクル試験
は、−40℃×30min→R.T.(室温)×10m
in→125℃×30min→R.T.(室温)×10
minを1サイクルとするTCT試験を実施し、200
サイクル後におけるクラックの有無を健全指数ηとして
評価したものである。健全指数ηは、100%は「TC
T試験後においてクラックの発生なし」、0%は「TC
T試験後において全面的にクラックが発生した」ことを
示すものである。健全指数ηの測定は、TCT試験後の
熱電モジュール用基板のCu板および活性金属ろう材層
をエッチングにより除去し、各Si基板について
蛍光探傷試験(PT)を実施してクラックの有無を測定
した。また、健全指数ηは、次のような数式にしたがっ
て算出した。
【0035】
【数1】健全指数η=(1−Σd/D)×100(%) ここで、Dは、熱電モジュール用基板の接合部の長手方
向において、クラックの発生し得るCu板縁部の経路の
全長であり、Σdは上記経路上に発生した各クラックの
長さ(d、d、d、…d)の総和を示す。その
結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】表1に示すように、本実施形態にかかる熱
電モジュール用基板は、Cu板の数が一つの面に30個
以上接合した場合であっても、両面に設けた場合であっ
てもクラックの発生は確認されなかった。これは参考例
1および参考例2のようにCu板の数が少なく、Cu板
の間隔を空けたものと同等の特性を示すものであり、熱
電モジュール用基板として窒化けい素焼結体を使用する
ことにより、間隔を詰めて金属板を多数接続することが
可能であることを示すものである。
【0038】従って、本実施形態によれば、Si
焼結体から形成した大型化したSi 基板を作製
し、このSi基板上に30個以上の金属板を接合
して、熱電素子の搭載数を増やすことにより、熱電モジ
ュールの高出力化および優れた冷却・昇温特性を得られ
る。
【0039】第2実施形態(表2,表3) 本実施形態においては、熱電素子を搭載するための熱電
モジュール用セラミック基板を各種作製し、この熱電モ
ジュール用セラミック基板の3点曲げ強度特性および耐
熱サイクル特性を評価した。
【0040】実施例3〜実施例8(表2) まず、第1実施形態に示す製造方法により、以下に示す
表2の基板表面サイズ,板厚,熱伝導率を有するSi
焼結体から形成されるSi基板を作製した。
これを実施例3〜実施例8とした。なお、実施例3〜実
施例8のいずれもSi基板の片面のみに金属板を
接合したものである。
【0041】次に、実施例3〜実施例8に示すSi
基板上に活性金属接合法によりCu板を接合して熱電
モジュール用Si基板とした。なお、活性金属接
合法の製造方法は、第1実施形態に示す製造方法と同様
とした。
【0042】具体的には、縦3mm,横5mm,厚さ
0.3mmとしたCu板を縦に6枚、横に5枚ずつ配置
し、Si基板上に合計して30個配置したものを
実施例3とした。また、縦3mm,横5mm,厚さ0.
3mmとしたCu板を、各Cu板の間隔を0.6mmと
して、縦に10枚、横に10枚ずつ配置し、Si
基板上に合計して100個配置したものを実施例4,実
施例5とした。
【0043】また、実施例6から実施例8までは、直接
接合法を用いて、以下に示すように熱電モジュール用S
基板を作製した。
【0044】実施例6では、表2に示す基板表面のサイ
ズ,板厚,熱伝導率のSi基板を用い、このSi
基板上に厚さ1〜3μmの酸化珪素(SiO
膜を形成した。その後、縦3mm,横5mm,厚さ0.
3mmとしたCu板を縦に6枚、横に5枚ずつ配置し、
Si基板上に合計して30個配置した。そして、
1070〜1075℃、10〜20分間の加熱により接
合を行い、熱電モジュール用Si基板を形成し
た。なお、Cu板をAl板としたものを実施例7とし
た。
【0045】また、実施例8では、表2に示す基板表面
のサイズ,板厚,熱伝導率のSi基板上に縦3m
m,横5mm,厚さ0.3mmとしたCu板を縦に10
枚、横に10枚ずつ配置し、Si基板上に合計し
て100個配置し、実施例4と同様に熱伝モジュール用
Si基板を形成した。
【0046】
【表2】
【0047】比較例1〜比較例10 本比較例では、セラミック基板として熱伝導率が20W
/m・KであるAl焼結体を適用したもの(比較
例1)、熱伝導率が170W/m・KであるAlN焼結
体を適用したもの(比較例2〜比較例4)、Si
基板の基板面積を変えたもの(比較例5,比較例6)、
Si基板の基板厚を変えたもの(比較例7,比較
例8)、熱伝導率が60W/m・KであるSi
結体を適用したもの(比較例9)、Si焼結体を
用いて金属板をCoとしたもの(比較例10)とし、そ
れぞれ熱電モジュール用Si基板を形成した。
【0048】上記実施例3〜実施例8および比較例1〜
比較例10の熱電モジュール用Si 基板を用い
て、3点曲げ強度および耐熱サイクル特性の評価試験を
行った。
【0049】3点曲げ強度は、JIS−R−1601に
準ずる3点曲げ強度により測定した。また、耐熱サイク
ル特性は実施例1と同様の方法により測定した。その結
果を表2に示す。
【0050】表2に示すように、実施例3〜実施例8に
示す熱電モジュール用窒化けい素基板は、3点曲げ強度
がいずれも600MPa以上と高く、健全指数ηが10
0%となっており、強度特性および耐熱サイクル特性の
両特性とも良好であった。一方、比較例1〜比較例4,
比較例7〜比較例10は、3点曲げ強度または耐熱サイ
クル特性のいずれかの特性が低下していた。また、比較
例5および比較例6では、3点曲げ強度および耐熱サイ
クル特性が優れていたが、基板面積が小さいことから金
属板を接合できる数が少なく、その結果、熱電モジュー
ルの高出力化または冷却特性の向上を図ることができな
かった。なお、実施例3〜実施例8に示すSi
板は、熱伝導率が65W/m・K以上と高く、3点曲げ
強度を600MPa以上と高くできることから、Si
基板の板厚を薄肉形成することにより、熱電モジュ
ールのコンパクト化を図ることができる。さらに、Si
基板を薄肉とすることにより、熱抵抗を低減し、
その結果、熱電モジュールの高出力化および冷却・昇温
特性の向上を図ることができる。
【0051】実施例9〜実施例17 本実施例では、上述した実施例3,実施例5,実施例6
と同様の製造方法を用いて、実施例9〜実施例17の熱
電モジュール用Si基板を作製した。
【0052】実施例9〜実施例17は、表3に示すよう
に、個々のCu板の基板への接合面の表面積を25mm
以下の範囲で種々変えたものであり、Si基板
の表面にCu板を30個以上接合し、Si基板表
面にCu板を接合する際に、Cu板とCu板との間隔を
1mm以下としたものである。
【0053】
【表3】
【0054】比較例11〜比較例15 本比較例では、実施例3,実施例5,実施例6と同様の
製造方法を用いて、比較例11〜比較例15の熱電モジ
ュール用Si基板を作製した。
【0055】比較例11から比較例13までは、Cu板
の基板表面積を25mm以上としたものであり、比較
例14および比較例15は、Cu板とCu板との間隔を
0.2mmとしてCu板をSi基板上に接合して
熱電モジュール用Si基板を形成した。
【0056】上記実施例9〜実施例117および比較例
11〜比較例15の熱電モジュール用Si基板を
用いて、耐熱サイクル特性を評価した。なお、試験条件
は、上述した耐熱サイクル特性の評価試験の条件と同様
とした。その結果を表3に示す。
【0057】表3に示すように、個々のCu板の基板へ
の接合面の表面積を25mm以下とした実施例9〜実
施例17の熱電モジュール用Si基板は、健全指
数ηがいずれも100%を示しており、耐熱サイクル特
性が良好であった。一方、個々のCu板の基板への接合
面の表面積が25mmを超えるCu板を用いた比較例
11から比較例13までの熱電モジュール用Si
基板では、冷却・昇温の熱サイクル後にSi基板
とCu板との剥離が発生したために健全指数ηが低下し
ており、耐熱サイクル特性が低下した。また、Cu板と
Cu板との間隔を狭くした比較例14,比較例15の熱
電モジュール用Si基板は、Cu板とSi
基板との熱膨張差の影響が顕著となることから健全指数
ηが低下しており、耐熱サイクル特性が低下していた。
【0058】従って、本実施形態によれば、金属板の基
板表面積を25mm以下としてセラミック基板と金属
板との剥離を防止して耐熱サイクル特性を向上させると
ともに、金属板と金属板との間隔を規定して配置するこ
とにより、3点曲げ強度特性および耐熱サイクル特性の
両特性の向上を図ることができる。これにより、高信頼
性の熱電モジュールを得ることができる。
【0059】また、素体曲げ強度の高い窒化けい素焼結
体を適用することにより、Si 基板の板厚を0.
32mm程度に薄肉とすることができるため、熱電モジ
ュールのコンパクト化を図るとともに、基板厚さを薄肉
とすることにより、セラミック基板の熱抵抗の低減によ
り放熱性を向上させて、熱電モジュールの冷却・昇温特
性の向上および高出力化を図ることができる。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の熱電モジ
ュール用基板によれば、Si基板を大型化し、こ
のSi基板に接合する金属板を30個以上とし、
搭載する発電素子数を増やすことにより、熱電モジュー
ルの高出力化または冷却・昇温特性の向上を図るととも
に、耐熱サイクル特性を向上させることにより、熱電モ
ジュールの信頼性向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を説明する図で、熱電モジュ
ールを上方から見た上面図。
【図2】本発明の実施形態における、熱電モジュールの
断面図。
【図3】本発明の実施形態における、熱電モジュールの
断面図。
【符号の説明】
1 窒化けい素基板 2 金属板(Cu板) 3 熱電素子

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化けい素基板の少なくとも一方の面に
    30個以上の熱電素子を搭載するための金属板を接合し
    たことを特徴とする熱電モジュール用基板。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の熱電モジュール用基板に
    おいて、金属板と金属板との間隔が1mm以下であるこ
    とを特徴とする熱電モジュール用基板。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の熱電モジュール
    用基板において、金属板の基板との接合面の表面積が2
    5mm以下であることを特徴とする熱電モジュール用
    基板。
  4. 【請求項4】 請求項1から3までのいずれかに記載の
    熱電モジュール用基板において、窒化けい素基板の金属
    板と接合する面の表面積が1600mm以上であるこ
    とを特徴とする熱電モジュール用基板。
  5. 【請求項5】 請求項1から4までのいずれかに記載の
    熱電モジュール用基板において、窒化けい素基板の板厚
    が0.2〜1.0mmであることを特徴とする熱電モジ
    ュール用基板。
  6. 【請求項6】 請求項1から5までのいずれかに記載の
    熱電モジュール用基板において、窒化けい素基板の熱伝
    導率が65W/m・K以上であることを特徴とする熱電
    モジュール用基板。
  7. 【請求項7】 請求項1から6までのいずれかに記載の
    熱電モジュール用基板において、窒化けい素基板の3点
    曲げ強度が600MPa以上であることを特徴とする熱
    電モジュール用基板。
  8. 【請求項8】 請求項1から7までのいずれかに記載の
    熱電モジュール用基板において、金属板は、銅またはア
    ルミニウムから選ばれた少なくとも1種の材料を主成分
    としたことを特徴とする熱電モジュール用基板。
  9. 【請求項9】 請求項1から8までのいずれかに記載の
    熱電モジュール用基板において、金属板の表面にNiメ
    ッキが施されていることを特徴とする熱電モジュール用
    基板。
  10. 【請求項10】 請求項1から9までのいずれかに記載
    の熱電モジュール用基板において、Ti,Zr,Hf,
    AlおよびNbから選ばれた少なくとも1種の活性金属
    を含むろう材層を介して、前記窒化けい素基板上に金属
    板を接合していることを特徴とする熱電モジュール用基
    板。
  11. 【請求項11】 請求項1から10までのいずれかに記
    載の熱電モジュール用基板を用いたことを特徴とする熱
    電モジュール。
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