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JP2002198303A - 露光装置、光学特性計測方法、及びデバイス製造方法 - Google Patents

露光装置、光学特性計測方法、及びデバイス製造方法

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Publication number
JP2002198303A
JP2002198303A JP2000398444A JP2000398444A JP2002198303A JP 2002198303 A JP2002198303 A JP 2002198303A JP 2000398444 A JP2000398444 A JP 2000398444A JP 2000398444 A JP2000398444 A JP 2000398444A JP 2002198303 A JP2002198303 A JP 2002198303A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
measurement
mark
optical system
projection optical
reticle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000398444A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsuneyuki Hagiwara
恒幸 萩原
Naohito Kondo
尚人 近藤
Eiji Takane
栄二 高根
Tokimi Kuwata
旬美 鍬田
Kosuke Suzuki
広介 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP2000398444A priority Critical patent/JP2002198303A/ja
Priority to US09/841,044 priority patent/US20020041377A1/en
Publication of JP2002198303A publication Critical patent/JP2002198303A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Landscapes

  • Testing Of Optical Devices Or Fibers (AREA)
  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 専用の計測用原版を用いることなく、各種自
己計測を行うことが可能な露光装置を提供する。 【解決手段】 露光装置100は、各種自己計測に用い
られる複数種類の計測用マークが形成されたレチクルF
M板RFMと、レチクルFM板RFMが載置された移動
ステージRSTと、スリット22が形成されたスリット
板90を含む空間像計測器59とを備えている。ステー
ジRSTによって、照明光ILによって照明可能な投影
光学系PLの物体側焦点面位置近傍にレチクルFM板R
FMに形成された各種自己計測に用いられる複数種類の
計測用マークのそれそれを位置させて、照明光ILを計
測マークに照射し、その計測マークの空間像を空間像計
測器59を用いて計測することにより、専用の計測用原
版を別に用意することなく、各種自己計測が可能とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、露光装置、光学特
性計測方法、及びデバイス製造方法に係り、更に詳しく
は、半導体素子、液晶表示素子等を製造するリソグラフ
ィ工程で用いられる露光装置、該露光装置を構成する投
影光学系の光学特性の計測に好適な光学特性計測方法、
及び前記露光装置を用いるデバイス製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体素子又は液晶表示素子
等をフォトリソグラフィ工程で製造する際に、フォトマ
スク又はレチクル(以下、「レチクル」と総称する)の
パターンを、投影光学系を介して表面にフォトレジスト
等の感光剤が塗布されたウエハ又はガラスプレート等の
基板上に転写する投影露光装置、例えばステップ・アン
ド・リピート方式の縮小投影露光装置(いわゆるステッ
パ)や、ステップ・アンド・スキャン方式の走査型投影
露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ)等が用い
られている。
【0003】ところで、半導体素子等を製造する場合に
は、異なる回路パターンを基板上に幾層にも積み重ねて
形成する必要があるため、回路パターンが描画されたレ
チクルと、基板上の各ショット領域に既に形成されたパ
ターンとを正確に重ね合わせることが重要である。かか
る重ね合せを精度良く行うためには、投影光学系の光学
特性が所望の状態に調整されることが必要不可欠であ
る。
【0004】この投影光学系の光学特性の調整の前提と
して、光学特性を正確に計測する必要がある。この光学
特性の計測方法として、所定の計測用パターンが形成さ
れた計測用マスクを用いて露光を行い、計測用パターン
の投影像が転写形成された基板を現像して得られるレジ
スト像を計測した計測結果に基づいて光学特性を算出す
る方法(以下、「焼き付け法」と呼ぶ)が、主として用
いられている。この他、実際に露光を行うことなく、計
測用マスクを照明光により照明し投影光学系によって形
成された計測用パターンの空間像(投影像)を計測し、
この計測結果に基づいて光学特性を算出する方法(以
下、「空間像計測法」と呼ぶ)も行われている。かかる
空間像の計測及びこれに基づく投影光学系のディストー
ション等の検出については、例えば、特開平10−20
9031号公報等などに詳細に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の露光装置では、
例えば搭載された投影光学系の光学特性等を自らの持つ
空間像計測器、その他の計測器を用いて計測する、いわ
ゆる自己計測を行う際には、計測用のマークが形成され
た計測専用のレチクル(以下、「専用レチクル」と呼
ぶ)が主として用いられていた。
【0006】しかしながら、専用レチクル用いて自己計
測を行う場合には、計測の度にその専用レチクルを装置
に装着しなければならず、特に最近の露光装置では各種
の自己計測を行う必要があるため、例えば各種自己計測
を連続的に行うような場合には、異なる専用レチクルに
計測の度に交換しなければならない。このため、その作
業自身及び専用レチクルの管理が煩雑であった。
【0007】また、専用レチクルを装置に装着する度に
その専用レチクルの姿勢が変化し、計測誤差を生じるこ
とがあった。また、専用レチクルを用いる場合、通常の
使用時、例えば連続運転中などには、専用レチクルとデ
バイス製造用のレチクルとの交換時間が露光装置のスル
ープット低下の要因となるため、それほど頻繁に計測を
行うことが困難であった。
【0008】また、空間像計測により、投影光学系の光
学特性を計測する場合、その光軸に直交する面内の空間
像の位置を計測し、その計測結果に基づいて投影光学系
の光学特性を算出することがあるが、そのような場合に
計測中に空間像計測器の位置を計測するレーザ干渉計の
ドリフト等に起因する計測誤差が発生することがあっ
た。
【0009】本発明は、かかる事情の下になされたもの
で、その第1の目的は、専用の計測用原版を用いること
なく、各種自己計測を行うことが可能な露光装置を提供
することにある。
【0010】本発明の第2の目的は、投影光学系のテレ
セントリシティを精度良く計測することができる光学特
性計測方法を提供することにある。
【0011】本発明の第3の目的は、デバイスの生産性
を向上させることができるデバイス製造方法を提供する
ことにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の露光装
置は、照明光により所定のパターンを照明し、前記パタ
ーンを投影光学系を介して基板上に転写する露光装置で
あって、各種自己計測に用いられる複数種類の計測マー
クが形成された自己計測用原版と;前記自己計測用原版
が載置され、前記照明光によって照明可能な前記投影光
学系の物体側焦点面位置近傍に前記自己計測用原版を移
動させることが可能な自己計測用原版載置ステージと;
を備える。
【0013】これによれば、自己計測用原版載置ステー
ジによって、照明光によって照明可能な投影光学系の物
体側焦点面位置近傍に自己計測用原版に形成された各種
自己計測に用いられる複数種類の計測マークのいずれを
も位置させることができる。このため、照明光を計測マ
ークに照射し、その計測マークの像を投影光学系の像側
焦点焦点近傍に結像させ、その像を検出することによ
り、専用の計測用原版を別に用意することなく、各種自
己計測が可能となる。
【0014】この場合において、請求項2に記載の露光
装置の如く、前記投影光学系の光軸に垂直な2次元面内
に配置され計測用パターンが形成されたパターン形成部
材と、前記計測用パターンを介した前記照明光を光電変
換する光電変換素子とを有する空間像計測器と;前記照
明光によって前記自己計測用原版の少なくとも一部が照
明され、前記投影光学系によってその像側焦点面近傍に
前記照明光で照明された前記計測用パターンの空間像が
形成された際に、該空間像と前記計測用パターンとが相
対走査されるように前記自己計測用原版載置ステージと
前記パターン形成部材との少なくとも一方を移動させる
移動制御装置と;を更に備えることとすることができ
る。
【0015】上記請求項1及び2に記載の各露光装置に
おいて、前記自己計測用原版載置ステージは、請求項3
に記載の露光装置の如く、前記自己計測用原版載置ステ
ージは、前記所定のパターンが形成されたマスクが載置
されるマスクステージであることとすることができる。
【0016】この場合において、請求項4に記載の露光
装置の如く、前記基板が載置されるとともに、基準マー
クが設けられた基板ステージと;前記マスクステージ上
に存在するマークを観察する観察顕微鏡と;前記基板を
ロット単位で露光する際に、各ロット先頭の基板の露光
時には、前記自己計測用原版、前記空間像計測器、及び
前記駆動装置を用いて前記自己計測用原版上の計測マー
クの空間像計測を行い、その計測結果に基づいて前記投
影光学系の倍率を算出するとともに、前記各ロット内の
先頭以外の基板の露光時には、自己計測用原版及び前記
マスクの一方のマークと、前記基板ステージ上の基準マ
ークの投影光学系を介した像とを前記観察顕微鏡を用い
て観察し、その観察結果に基づいて前記投影光学系の倍
率を算出する制御装置と;を更に備えることとすること
ができる。
【0017】上記請求項1及び2に記載の各露光装置に
おいて、請求項5に記載の発明の如く、前記自己計測用
原版は、前記所定のパターンが形成されたマスクである
こととすることができる。
【0018】上記請求項1〜5に記載の各露光装置にお
いて、請求項6に記載の露光装置の如く、前記自己計測
用原版に形成された計測マークには、前記投影光学系の
ディストーション計測マーク、ベストフォーカス計測用
の繰り返しマーク、ベストフォーカス計測用の疑似孤立
線マーク、前記基板との重ね合せ誤差計測用のアライメ
ントマークの少なくとも1つが含まれることとすること
ができる。
【0019】上記請求項1〜5に記載の各露光装置にお
いて、請求項7に記載の露光装置の如く、前記自己計測
用原版に形成された計測マークには、孤立線マークと、
所定のピッチを有するラインアンドスペースマークとが
含まれることとすることができる。
【0020】請求項8に記載の光学特性計測方法は、投
影光学系の光学特性を計測する光学特性計測方法であっ
て、前記投影光学系の有効視野内の第1の検出点に計測
マークを位置させてその計測マークの空間像を形成し、
前記投影光学系の光軸方向に関する第1位置で前記空間
像に対して計測用パターンを相対的に走査して前記計測
用パターンを介した光を光電変換して前記空間像に対応
する光強度分布を計測する工程と;前記投影光学系の有
効視野内の第2の検出点に計測マークと同一又は異なる
計測マークを位置させてその計測マークの空間像を形成
し、前記投影光学系の光軸方向に関する第2位置で前記
空間像に対して前記計測用パターンを相対的に走査して
前記計測用パターンを介した光を光電変換して前記空間
像に対応する光強度分布を計測する工程と;前記計測用
パターンが前記光軸方向の第1位置にあるときの前記空
間像の計測結果から得られる前記空間像の前記光軸に直
交する面内の結像位置と、前記計測用パターンが前記光
軸方向の第2位置にあるときの前記空間像の計測結果か
ら得られる前記空間像の前記光軸に直交する面内の結像
位置との相対位置関係を求め、該相対位置関係から前記
投影光学系のテレセントリシティを算出する工程と;を
含む。
【0021】これによれば、投影光学系の有効視野内の
第1の検出点に位置させた計測マークの空間像を光軸方
向の第1位置に対応する面内で計測した計測結果から得
られる空間像の光軸に直交する面内の結像位置(以下、
「第1の結像位置」と呼ぶ)と、投影光学系の有効視野
内の第2の検出点に位置させた計測マークの空間像を光
軸方向の第2位置に対応する面内で計測した計測結果か
ら得られる空間像の光軸に直交する面内の結像位置(以
下、「第2の結像位置」と呼ぶ)との相対位置関係、す
なわち光軸直交面内での第1の結像位置と第2の結像位
置との相対距離、及び光軸方向の第1位置と第2位置と
の距離に基づいて、投影光学系のテレセントリシティを
算出するので、例えば第1の結像位置、第2の結像位置
の計測に際し、レーザ干渉計等の計測値を用いていた場
合に、レーザ干渉計にドリフト等が生じていても第1の
結像位置、第2の結像位置の計測結果には同等の誤差が
含まれる結果、干渉計ドリフトなどに起因する計測誤差
の影響の殆どないテレセントリシティの高精度な計測が
可能となる。
【0022】請求項9に記載のデバイス製造方法は、リ
ソグラフィ工程を含むデバイス製造方法であって、前記
リソグラフィ工程では、請求項1〜7のいずれか一項に
記載の露光装置を用いて露光を行うことを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図1
〜図16に基づいて説明する。図1には、一実施形態に
係る露光装置100の概略的な構成が示されている。こ
の露光装置100は、ステップ・アンド・スキャン方式
の走査型投影露光装置、すなわちいわゆるスキャニング
・ステッパである。
【0024】この露光装置100は、光源及び照明光学
系を含む照明系10、マスクとしてのレチクルRを保持
するレチクルステージRST、投影光学系PL、基板と
してのウエハWを保持してXY平面内を自在に移動可能
な基板ステージとしてのウエハステージWST、及びこ
れらを制御する制御系等を備えている。
【0025】前記照明系10は、光源、照度均一化光学
系(コリメータレンズ、フライアイレンズ等から成
る)、照明系開口絞り板(通常照明用の円形の開口絞
り、小σ照明用の小σ絞り、輪帯照明用の輪帯絞り、変
形照明用の四重極絞り等がほぼ等角度間隔で形成されて
いる)、リレーレンズ系、照明視野絞りとしてのレチク
ルブラインド及びコンデンサレンズ系等(いずれも図1
では図示省略)を含んで構成されている。
【0026】前記光源としては、ここでは、一例とし
て、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)又はA
rFエキシマレーザ光(波長193nm)を出力するエ
キシマレーザ光源が用いられるものとする。
【0027】前記レチクルブラインドは、開口形状が固
定の不図示の固定レチクルブラインドと開口形状が可変
の可動レチクルブラインド12(図1では図示省略、図
2参照)とから構成されている。固定レチクルブライン
ドは、レチクルRのパターン面の近傍又はその共役面か
ら僅かにデフォーカスした面に配置され、レチクルR上
の長方形スリット状の照明領域(図1における紙面直交
方向であるX軸方向に細長く伸び図1における紙面内左
右方向であるY軸方向の幅が所定幅の長方形スリット状
の照明領域)IARを規定する長方形開口が形成されて
いる。また、可動レチクルブラインド12は、レチクル
Rのパターン面に対する共役面に配置され、走査露光時
の走査方向(ここでは、Y軸方向とする)及び非走査方
向(X軸方向とする)にそれぞれ対応する方向の位置及
び幅が可変の開口部を有する。但し、図2及び図3では
説明を簡単にするために、可動レチクルブラインド12
がレチクルRに対して照明系側近傍に配置されているよ
うに示されている。
【0028】照明系10によると、光源で発生した露光
光としての照明光(以下、「照明光IL」と呼ぶ)は不
図示のシャッタを通過した後、照度均一化光学系により
照度分布がほぼ均一な光束に変換される。照度均一化光
学系から射出された照明光ILは、照明系開口絞り板上
のいずれか開口絞り、リレーレンズ系を介して前記レチ
クルブラインドに達する。このレチクルブラインドを通
過した光束は、リレーレンズ系、コンデンサレンズ系を
通過して回路パターン等が描かれたレチクルRの照明領
域IARを均一な照度で照明する。
【0029】なお、可動レチクルブラインド12は、走
査露光の開始時及び終了時に主制御装置20によって制
御され、照明領域IARを更に制限することによって、
不要な部分の露光が防止されるようになっている。ま
た、本実施形態では、可動レチクルブラインド12が、
後述する空間像計測器による空間像の計測の際の照明領
域の設定にも用いられる。
【0030】前記レチクルステージRST上には、レチ
クルRが、例えば真空吸着(又は静電吸着)により固定
されている。レチクルステージRSTは、ここでは、リ
ニアモータ等を含む不図示のレチクルステージ駆動系に
より、後述する投影光学系PLの光軸AXに垂直なXY
平面内で2次元的に(X軸方向、Y軸方向及びXY平面
に直交するZ軸回りの回転方向(θz方向)に)微少駆
動可能であるとともに、レチクルベース26上をY軸方
向に指定された走査速度で移動可能となっている。この
レチクルステージRSTは、レチクルRの全面が少なく
とも投影光学系PLの光軸AXを横切ることができるだ
けのY軸方向の移動ストロークを有している。
【0031】レチクルステージRSTの−Y側端部近傍
には、自己計測用原版としてのレチクルフィデューシャ
ルマーク板(以下、「レチクルマーク板」と略述する)
RFMがX軸方向に沿ってかつレチクルRと並んで配置
されている。このレチクルマーク板RFMは、レチクル
Rと同材質のガラス素材、例えば合成石英やホタル石、
フッ化リチウムその他のフッ化物結晶などから成り、レ
チクルステージRSTに固定されている。なお、このレ
チクルマーク板RFMの具体的構成等については後述す
る。レチクルステージRSTは、レチクルRの全面とレ
チクルマーク板RFMの全面とが少なくとも投影光学系
PLの光軸AXを横切ることができる程度のY軸方向の
移動ストロークを有している。
【0032】また、レチクルステージRSTには、レチ
クルR及びレチクルマーク板RFMの下方に、照明光I
Lの通路となる開口がそれぞれ形成されている。また、
レチクルベース26の投影光学系PLのほぼ真上の部分
には、照明光ILの通路となる、照明領域IARより大
きな長方形の開口が形成されている。
【0033】レチクルステージRST上には、レチクル
レーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」という)13
からのレーザビームを反射する移動鏡15が固定されて
おり、レチクルステージRSTのXY面内の位置(Z軸
回りの回転方向であるθz方向の回転を含む)はレチク
ル干渉計13によって、例えば0.5〜1nm程度の分
解能で常時検出される。ここで、実際には、レチクルス
テージRST上には走査露光時の走査方向(Y軸方向)
に直交する反射面を有する移動鏡と非走査方向(X軸方
向)に直交する反射面を有する移動鏡とが設けられ、レ
チクル干渉計13はY軸方向に少なくとも2軸、X軸方
向に少なくとも1軸設けられているが、図1ではこれら
が代表的に移動鏡15、レチクル干渉計13として示さ
れている。
【0034】レチクル干渉計13からのレチクルステー
ジRSTの位置情報は、ワークステーション(又はマイ
クロコンピュータ)から成る主制御装置20に送られ、
主制御装置20ではレチクルステージRSTの位置情報
に基づいてレチクルステージ駆動系を介してレチクルス
テージRSTを駆動制御する。
【0035】また、レチクルRの上方には、投影光学系
PLを介してレチクルR上又はレチクルマーク板RFM
上のマークとウエハステージWST上の後述する基準マ
ーク板FM上の基準マークとを同時に観察するための露
光波長を用いたTTR(Through The Reticle)アライ
メント系から成る観察顕微鏡としての一対のレチクルア
ライメント顕微鏡(以下、便宜上「RA顕微鏡」と呼
ぶ)28が(但し、図1においては紙面奥側のRA顕微
鏡は不図示)が設けられている。これらのRA顕微鏡2
8の検出信号は、不図示のアライメント制御装置を介し
て、主制御装置20に供給されるようになっている。こ
の場合、レチクルRからの検出光をそれぞれのRA顕微
鏡28に導くための不図示の偏向ミラーが移動自在に配
置され、露光シーケンスが開始されると、主制御装置2
0からの指令のもとで、不図示のミラー駆動装置により
偏向ミラーが待避される。なお、RA顕微鏡28と同等
の構成は、例えば特開平7−176468号公報等に開
示されており、公知であるからここでは詳細な説明は省
略する。
【0036】前記投影光学系PLは、レチクルステージ
RSTの図1における下方に配置され、その光軸AXの
方向がZ軸方向とされ、ここでは両側テレセントリック
な縮小系であり、光軸AX方向に沿って所定間隔で配置
された複数枚のレンズエレメントから成る屈折光学系が
使用されている。この投影光学系PLの投影倍率は、例
えば1/4倍(又は1/5倍)等となっている。このた
め、照明系10からの照明光ILによってレチクルR上
のスリット状照明領域IARが照明されると、このレチ
クルRを通過した照明光ILにより、投影光学系PLを
介してそのスリット状照明領域IAR内のレチクルRの
回路パターンの縮小像(部分倒立像)が表面にフォトレ
ジストが塗布されたウエハW上の前記照明領域IARに
共役な露光領域IAに形成される。
【0037】前記ウエハステージWSTは、ステージベ
ース16上面に沿って例えば磁気浮上型2次元リニアア
クチュエータから成る不図示のウエハステージ駆動系に
より、XY2次元面内(θz回転を含む)で自在に駆動
されるようになっている。ここで、2次元リニアアクチ
ュエータは、X駆動コイル、Y駆動コイルの他、Z駆動
コイルをも有しているため、ウエハステージWSTは、
Z、θx(X軸回りの回転方向)、θy(Y軸回りの回
転方向)の3自由度方向にも微少駆動が可能な構成とな
っている。
【0038】ウエハステージWST上には、ウエハホル
ダ25が載置され、このウエハホルダ25によってウエ
ハWが真空吸着(又は静電吸着)によって保持されてい
る。また、ウエハステージWST上には、ベースライン
計測用基準マーク、レチクルアライメント用の基準マー
ク(この基準マークは後述する倍率測定の際にも用いら
れる)、その他の基準マークが形成された基準マーク板
FMが固定されている。この基準マーク板FMの表面は
ウエハWとほぼ同一高さとされている。
【0039】なお、ウエハステージWSTに代えて、リ
ニアモータあるいは平面モータ等の駆動系によってXY
2次元面内でのみ駆動される2次元移動ステージを用い
る場合には、ウエハホルダ25を、Z、θx、θyの3
自由度方向に例えばボイスコイルモータ等によって微少
駆動されるZ・レベリングテーブルを介してその2次元
移動ステージ上に搭載すれば良い。
【0040】前記ウエハステージWST上には、ウエハ
レーザ干渉計(以下、「ウエハ干渉計」という)31か
らのレーザビームを反射する移動鏡27が固定され、外
部に配置されたウエハ干渉計31により、ウエハステー
ジWSTのZ方向を除く5自由度方向(X、Y、θz、
θx、及びθz方向)の位置が例えば0.5〜1nm程
度の分解能で常時検出されている。
【0041】ここで、実際には、ウエハステージWST
上には、走査露光時の走査方向であるY軸方向に直交す
る反射面を有する移動鏡と非走査方向であるX軸方向に
直交する反射面を有する移動鏡とが設けられ、ウエハ干
渉計31はY軸方向及びX軸方向にそれぞれ複数軸設け
られているが、図1ではこれらが代表的に移動鏡27、
ウエハ干渉計31として示されている。ウエハステージ
WSTの位置情報(又は速度情報)は主制御装置20に
送られ、主制御装置20では前記位置情報(又は速度情
報)に基づいて不図示のウエハステージ駆動系を介して
ウエハステージWSTのXY面内の位置を制御する。
【0042】また、ウエハステージWSTの内部には、
投影光学系PLの光学特性の計測に用いられる空間像計
測器59を構成する光学系の一部が配置されている。こ
こで、空間像計測器59の構成について詳述する。この
空間像計測器59は、図2に示されるように、ウエハス
テージWSTに設けられたステージ側構成部分、すなわ
ちパターン形成部材としてのスリット板90、レンズ8
4、86から成るリレー光学系、光路折り曲げ用のミラ
ー88、送光レンズ87と、ウエハステージWST外部
に設けられたステージ外構成部分、すなわちミラーM、
受光レンズ89、光電変換素子としての光センサ24、
及び該光センサ24からの光電変換信号の信号処理回路
42等とを備えている。
【0043】これを更に詳述すると、スリット板90
は、図2に示されるように、ウエハステージWSTの一
端部上面に設けられた上部が開口した突設部58aに対
し、その開口を塞ぐ状態で上方から嵌め込まれている。
このスリット板90は、平面視長方形の受光ガラス82
の上面に遮光膜を兼ねる反射膜83が形成され、その反
射膜83の一部に計測用パターンとしての所定幅(2
D)のスリット状の開口パターン(以下、「スリット」
と呼ぶ)22がパターンニングされて形成されている。
【0044】前記受光ガラス82の素材としては、ここ
では、KrFエキシマレーザ光、あるいはArFエキシ
マレーザ光の透過性の良い、合成石英、あるいはホタル
石などが用いられる。
【0045】スリット22下方のウエハステージWST
内部には、スリット22を介して鉛直下向きに入射した
照明光束(像光束)の光路を水平に折り曲げるミラー8
8を介在させてレンズ84,86から成るリレー光学系
(84、86)が配置され、このリレー光学系(84、
86)の光路後方のウエハステージWSTの+Y側の側
壁に、リレー光学系(84、86)によって所定光路長
分だけリレーされた照明光束をウエハステージWSTの
外部に送光する送光レンズ87が固定されている。
【0046】送光レンズ87によってウエハステージW
STの外部に送り出される照明光束の光路上には、X軸
方向に所定長さを有するミラーMが傾斜角45°で斜設
されている。このミラーMによって、ウエハステージW
STの外部に送り出された照明光束の光路が鉛直上方に
向けて90°折り曲げられるようになっている。この折
り曲げられた光路上に送光レンズ87に比べて大径の受
光レンズ89が配置されている。この受光レンズ89の
上方には、光センサ24が配置されている。これら受光
レンズ89及び光センサ24は、所定の位置関係を保っ
てケース92内に収納され、該ケース92は取付け部材
93を介してベース16の上面に植設された支柱94の
上端部近傍に固定されている。
【0047】前記光センサ24としては、微弱な光を精
度良く検出することが可能な光電変換素子(受光素
子)、例えばフォト・マルチプライヤ・チューブ(PM
T、光電子増倍管)などが用いられる。光センサ24の
出力信号を処理する信号処理回路42は、増幅器、サン
プルホルダ、A/Dコンバータ(通常16ビットの分解
能のものが用いられる)などを含んで構成される。
【0048】なお、前述の如く、スリット22は反射膜
83に形成されているが、以下においては、便宜上スリ
ット板90にスリット22が形成されているものとして
説明を行う。なお、スリット22の配置、及び寸法につ
いては、後述する。
【0049】上述のようにして構成された空間像計測器
59によると、レチクルR又はレチクルマーク板RFM
に形成された計測マークの投影光学系PLを介しての投
影像(空間像)の計測(これについては後述する)の際
に、投影光学系PLを透過してきた照明光ILによって
スリット板90が照明されると、そのスリット板90上
のスリット22を透過した照明光ILがレンズ84、ミ
ラー88及びレンズ86、送光レンズ87を介してウエ
ハステージWSTの外部に導き出される。そして、その
ウエハステージWSTの外部に導き出された光は、ミラ
ーMによって光路が鉛直上方に折り曲げられ、受光レン
ズ89を介して光センサ24によって受光され、該光セ
ンサ24からその受光量に応じた光電変換信号(光量信
号)が信号処理回路42を介して主制御装置20に出力
される。
【0050】本実施形態の場合、計測マークの投影像
(空間像)の計測はスリットスキャン方式により行われ
るので、その際には、送光レンズ87が、受光レンズ8
9及び光センサ24に対して移動することになる。そこ
で、空間像計測器59では、所定の範囲内で移動する送
光レンズ87を介した光がすべて受光レンズ89に入射
するように、各レンズ、及びミラーMの大きさが設定さ
れている。
【0051】このように、空間像計測器59では、スリ
ット板90、レンズ84,86、ミラー88、及び送光
レンズ87により、スリット22を介した光をウエハス
テージWST外に導出する光導出部が構成され、受光レ
ンズ89及び光センサ24によって、ウエハステージW
ST外へ導出された光を受光する受光部が構成されてい
る。この場合、これら光導出部と受光部とは、機械的に
分離されている。そして、空間像計測に際してのみ、光
導出部と受光部とは、ミラーMを介して光学的に接続さ
れる。
【0052】すなわち、空間像計測器59では、光セン
サ24がウエハステージWSTの外部の所定位置に設け
られているため、光センサ24の発熱に起因してレーザ
干渉計31の計測精度等に悪影響を与えたりすることが
ない。また、ウエハステージWSTの外部と内部とをラ
イトガイド等により接続していないので、ウエハステー
ジWSTの外部と内部とがライトガイドにより接続され
た場合のようにウエハステージWSTの駆動精度が悪影
響を受けることもない。
【0053】勿論、熱の影響を排除できるような場合に
は、光センサ24をウエハステージWSTの内部に設け
ても良い。なお、空間像計測器59を用いて行われる空
間像計測方法、光学特性計測方法などについては、後に
詳述する。
【0054】図1に戻り、投影光学系PLの側面には、
ウエハW上のアライメントマーク(位置合わせマーク)
を検出するマーク検出系としてのオフアクシス・アライ
メント系ALGが設けられている。本実施形態では、こ
のアライメント系ALGとして、画像処理方式のアライ
メントセンサ、いわゆるFIA( Field Image Alignme
nt)系が用いられている。このアライメント系ALG
は、図2に示されるように、アライメント用光源32、
ハーフミラー34、第1対物レンズ36、第2対物レン
ズ38、撮像素子(CCD)40等を含んで構成されて
いる。ここで、光源32としては、ブロードバンドの照
明光を出射するハロゲンランプ等が用いられる。このア
ライメント系ALGでは、図3に示されるように、光源
32からの照明光により、ハーフミラー34、第1対物
レンズ36を介してウエハW上のアライメントマークM
wを照明し、そのアライメントマーク部分からの反射光
を第1対物レンズ36、ハーフミラー34、第2対物レ
ンズ38を介して撮像素子40で受光する。これによ
り、撮像素子の受光面にアライメントマークMwの明視
野像が結像される。そして、この明視野像に対応する光
電変換信号、すなわちアライメン卜マークMwの反射像
に対応する光強度信号が撮像素子40から不図示のアラ
イメント制御装置を介して主制御装置20に供給され
る。主制御装置20では、この光強度信号に基づき、ア
ライメント系ALGの検出中心を基準とするアライメン
トマークMwの位置を算出するとともに、その算出結果
とそのときのウエハ干渉計31の出力であるウエハステ
ージWSTの位置情報とに基づいて、ウエハ干渉計31
の光軸で規定されるステージ座標系におけるアライメン
卜マークMwの座標位置を算出するようになっている。
【0055】更に、本実施形態の露光装置100では、
図1に示されるように、主制御装置20によってオンオ
フが制御される光源を有し、投影光学系PLの結像面に
向けて多数のピンホール又はスリットの像を形成するた
めの結像光束を、光軸AXに対して斜め方向より照射す
る照射系60aと、それらの結像光束のウエハW表面で
の反射光束を受光する受光系60bとから成る斜入射光
式の多点焦点位置検出系が設けられている。主制御装置
20では、投影光学系PLにフォーカス変動が生じた場
合には、受光系60b内の図示しない平行平板の反射光
束の光軸に対する傾きを制御することにより、投影光学
系PLのフォーカス変動に応じて多点焦点位置検出系
(60a、60b)にオフセットを与えてそのキャリブ
レーションを行うようになっている。なお、本実施形態
の焦点位置検出系(60a、60b)と同様の多点焦点
位置検出系の詳細な構成は、例えば特開平6−2834
03号公報等に開示されている。
【0056】主制御装置20では、後述する走査露光時
等に、受光系60bからの焦点ずれ信号(デフォーカス
信号)、例えばSカーブ信号に基づいて焦点ずれが零と
なるように、不図示のウエハステージ駆動系を介してウ
エハステージWSTのZ軸方向への移動、及び2次元点
に傾斜(すなわち、θx,θy方向の回転)を制御す
る、すなわち多点焦点位置検出系(60a、60b)を
用いてウエハステージWSTの移動を制御することによ
り、照明光ILの照射領域(照明領域IARと結像関
係)内で投影光学系PLの結像面とウエハWの表面とを
実質的に合致させるオートフォーカス(自動焦点合わ
せ)及びオートレベリングを実行する。
【0057】次に、本実施形態の露光装置100におけ
る露光工程の動作について簡単に説明する。
【0058】まず、不図示のレチクル搬送系によりレチ
クルRが搬送され、ローディングポジションにあるレチ
クルステージRSTに吸着保持される。次いで、主制御
装置20により、ウエハステージWST及びレチクルス
テージRSTの位置が制御され、レチクルR上に形成さ
れた不図示のレチクルアライメントマークの投影像(空
間像)が空間像計測器59を用いて後述するようにして
計測され、レチクルパターン像の投影位置が求められ
る。すなわち、レチクルアライメントが行われる。な
お、レチクルアライメントは、前述した一対のRA顕微
鏡28により、レチクルR上の一対のレチクルアライメ
ントマーク(不図示)の像とウエハステージWST上の
基準マーク板FMに形成されたレチクルアライメント用
基準マークの投影光学系PLを介した像とを同時に観察
し、両マーク像の相対位置関係と、そのときのレチクル
干渉計13及びウエハ干渉計31の計測値とに基づいて
レチクルパターン像の投影位置を求めることにより行っ
ても良い。
【0059】次に、主制御装置20により、スリット板
90がアライメント系ALGの直下へ位置するように、
ウエハステージWSTが移動され、アライメント系AL
Gによって空間像計測器59の位置基準となるスリット
22が検出される。主制御装置20では、このアライメ
ント系ALGの検出信号及びそのときのウエハ干渉計3
1の計測値、並びに先に求めたレチクルパターン像の投
影位置に基づいて、レチクルRのパターン像の投影位置
とアライメント系ALGとの相対位置、すなわちアライ
メント系ALGのベースライン量を求める。
【0060】かかるベースライン計測が終了すると、主
制御装置20により、例えば特開昭61−44429号
公報などに詳細に開示されるEGA(エンハンスト・グ
ローバル・アライメント)等のウエハアライメントが行
われ、ウエハW上の全てのショット領域の位置が求めら
れる。なお、このウエハアライメントに際して、ウエハ
W上の複数のショット領域のうちの予め定められた所定
のサンプルショットのウエハアライメントマークMwが
アライメント系ALGを用いて、前述した如くして計測
される(図3参照)。
【0061】次いで、主制御装置20では、上で求めた
ウエハW上の各ショット領域の位置情報及びベースライ
ン量に基づいて、干渉計31、13からの位置情報をモ
ニタしつつ、ウエハステージWSTを第1ショット領域
の走査開始位置に位置決めするとともに、レチクルステ
ージRSTを走査開始位置に位置決めして、その第1シ
ョット領域の走査露光を行う。
【0062】すなわち、主制御装置20では、レチクル
ステージRSTとウエハステージWSTとのY軸方向逆
向きの相対走査を開始し、両ステージRST、WSTが
それぞれの目標走査速度に達すると、照明光ILによっ
てレチクルRのパターン領域が照明され始め、走査露光
が開始される。この走査露光の開始に先立って、光源の
発光は開始されているが、主制御装置20によって可動
レチクルブラインド12の各ブレードの移動がレチクル
ステージRSTの移動と同期制御されているため、レチ
クルR上のパターン領域外への露光光ELの照射が遮光
されることは、通常のスキャニング・ステッパと同様で
ある。
【0063】主制御装置20では、特に上記の走査露光
時にレチクルステージRSTのY軸方向の移動速度Vr
とウエハステージWSTのX軸方向の移動速度Vwとが
投影光学系PLの投影倍率に応じた速度比に維持される
ようにレチクルステージRST及びウエハステージWS
Tを同期制御する。
【0064】そして、レチクルRのパターン領域の異な
る領域が照明光ILで逐次照明され、パターン領域全面
に対する照明が完了することにより、ウエハW上の第1
ショット領域の走査露光が終了する。これにより、レチ
クルRの回路パターンが投影光学系PLを介して第1シ
ョット領域に縮小転写される。
【0065】こうして第1ショット領域の走査露光が終
了すると、ウエハステージWSTを第2ショット領域の
走査開始位置へ移動させるショット間のステッピング動
作を行う。そして、その第2ショット領域の走査露光を
上述と同様にして行う。以後、第3ショット領域以降も
同様の動作を行う。
【0066】このようにして、ショット間のステッピン
グ動作とショットの走査露光動作とが繰り返され、ステ
ップ・アンド・スキャン方式でウエハW上の全てのショ
ット領域にレチクルRのパターンが転写される。
【0067】ここで、上記の走査露光中には、投影光学
系PLに一体的に取付けられたフォーカスセンサ(60
a、60b)を用いて、前述したオートフォーカス、オ
ートレベリングが行われる。
【0068】ところで、上記の走査露光中に、レチクル
RのパターンとウエハW上のショット領域に既に形成さ
れたパターンとが正確に重ね合わせられるためには、投
影光学系PLの結像特性やベースライン量が正確に計測
されていること、及び投影光学系PLの結像特性が所望
の状態に調整されていることなどが重要である。
【0069】本実施形態では、上記の結像特性の計測
に、前述した空間像計測器59が用いられる。以下、こ
の空間像計測器59による空間像計測、及び投影光学系
PLの結像特性の計測等について詳述する。
【0070】図2には、空間像計測器59を用いて、レ
チクルマーク板RFMに形成された計測マークPMの空
間像が計測されている最中の状態が示されている。な
お、レチクルマーク板RFMに代えて、空間像計測専用
のレチクル、あるいはデバイスの製造に用いられるレチ
クルRに専用の計測マークを形成したものなどを用いる
ことも可能である。
【0071】ここで、空間像計測の説明に先立って、レ
チクルマーク板RFMについて、図4及び図5に基づい
て説明する。
【0072】次に、レチクルマーク板RFMについて説
明する。図4には、レチクルステージRST上に固定さ
れたレチクルマーク板RFMが取り出して示されてい
る。この図4は、図1における底面図に相当する。
【0073】このレチクルマーク板RFMは、Y軸方向
(走査方向)の長さが例えば約16mm(投影倍率が1
/4倍としてウエハ上で4mm)、X軸方向(非走査方
向)の長さが例えば約150mmである。このレチクル
マーク板RFMの非スキャン方向(X軸方向)の両端部
を除く中央部約100mm(投影倍率が1/4倍として
ウエハ上で25mm)の領域が照明光ILが照射可能な
有効照射領域IAFとなっている。この有効照射領域I
AFのX軸方向の両端部(斜線部の領域)に前述した一
対のRA顕微鏡28により、観察可能なレチクルアライ
メントマーク(不図示)が形成されている。
【0074】また、有効照射領域IAFのX軸方向中心
のY軸方向両端部には、約1mm角の他マーク禁止領域
のガラス部分(抜き領域)を設け、該抜き領域の内部に
クロム等により回転調整マークPMθ1、PMθ2が形成
されている。また、有効照射領域IAFのY軸方向のほ
ぼ中央部には、X軸方向に沿って所定間隔、例えば4m
m間隔(投影倍率が1/4倍としてウエハ上で1mm間
隔)で複数のAISマークブロック621が配置されて
いる。また、これらの4mm間隔で配置されたAISマ
ークブロック621の他、多点焦点位置検出系(60
a,60b)の結像光束の照射点に対応する投影光学系
PLの有効視野内の検出点に位置決め可能な位置にも、
AISマークブロック622が配置されている。このた
め、本実施形態では、例えば投影光学系PLの像面形状
の計測や、多点焦点位置検出系(60a,60b)の各
センサの出力に対するオフセット設定や原点位置(検出
基準位置)の再設定等のキャリブレーションのための計
測を、空間像計測により行う際に、スリット板90のス
リット22中心で投影光学系PLの光軸方向位置(Z位
置)を計測することが可能となる。従って、スリット板
90の面精度の設定を緩やかにすることができる。な
お、以下においては、特に必要な場合を除き、AISマ
ークブロック621、AISマークブロック622を、特
に区別することなく、AISマークブロック62と表示
する。
【0075】レチクルマーク板RFMでは、AISマー
クブロック62は、走査方向(Y軸方向)には、1行し
か設けられていないが、投影光学系PLのスキャン方向
の各点を検出点として空間像計測を行う場合には、レチ
クルステージRSTを移動して行えば良い。
【0076】次に、各AISマークブロック62内のマ
ーク配置の一例について図5に基づいて説明する。図5
には、AISマークブロック62が拡大して示されてい
る。この図5に示されるように、AISマークブロック
62内には、ネガ型アライメントマーク・サブブロック
63a1,63a2、ポジ型アライメントマーク・サブブ
ロック63b1,63b2、ネガ型ラインアンドスペース
マーク・サブブロック64a、ポジ型ラインアンドスペ
ースマーク・サブブロック64b、ネガ型シーケンシャ
ルコママーク・サブブロック65a1,65a2、ポジ型
シーケンシャルコママーク・サブブロック65b1,6
5b2、ネガ型1次元ボックスマーク・サブブロック6
6a1,66a2、ポジ型1次元ボックスマーク・サブブ
ロック66b1,66b2、ネガ型追加マーク・サブブロ
ック67a、ポジ型追加マーク・サブブロック67b等
が設けられている。なお、以下においては、ラインアン
ドスペースは、L/Sと略述する。
【0077】前記ネガ型L/Sマーク・サブブロック6
4a内には、例えば線幅0.4μm〜4.0μmまでの
デューティ比1:1のL/Sマークから成るネガマーク
PM 1が配置されている。ここで、ネガマークとは、ク
ロム層に形成された開口パターンから成るマークを意味
する。この他、このネガ型L/Sマーク・サブブロック
64a内には、応用計測マークとして線幅異常測定用の
ネガマークPM2も配置されている。この線幅異常測定
用のネガマークPM2は、例えば線幅0.4μm〜0.
8μmのデューティ比1:1のL/Sマークが80μm
ピッチで並んでいるネガマークである。各L/Sマーク
としては、周期方向がX軸方向のものとY軸方向のもの
とが設けられている。
【0078】前記ネガ型シーケンシャルコママーク・サ
ブブロック65a1内には、周期方向をX軸方向とする
異なる線幅のデューティ比1:1のL/Sマークから成
るネガマークPM3が一定間隔で配置されている。ネガ
型シーケンシャルコママーク・サブブロック65a2
には、周期方向をY軸方向とする異なる線幅のデューテ
ィ比1:1のL/Sマークから成るネガマークPM4
一定間隔で配置されている。
【0079】前記ネガ型1次元ボックスマーク・サブブ
ロック66a1内には、例えば線幅40μm程度の太い
ラインパターンと、例えば線幅0.4〜0.56μm程
度の細いラインパターンがX軸方向に所定間隔(例え
ば、40μm程度)で並んだ1次元マークから成るネガ
マークPM5が配置されている。また、前記ネガ型1次
元ボックスマーク・サブブロック66a2内には、マー
クPM5と同様に構成され配列方向をY軸方向とするネ
ガマークPM6が配置されている。
【0080】前記ネガ追加マーク・サブブロック67a
内には、いろいろな線幅のデューティ比が1:1以外の
L/Sマーク、例えばデューティ比1:9以上の擬似凝
立線マークPM7や、楔型マーク(SMPマーク)P
8、その他孤立線等のネガマークが配置されている。
これらのマークPM7,PM8も配列方向がX軸方向のも
のとY軸方向のものとが設けられている。
【0081】前記ネガ型アライメントマーク・サブブロ
ック63a1内には、例えば配列方向がX軸方向の線幅
24μmのデューティ比1:1のL/Sマークから成る
ネガマーク(FIAマーク)PM9が配置されている。
また、ネガ型アライメントマーク・サブブロック63a
2内には、例えば配列方向がY軸方向の線幅24μmの
デューティ比1:1のL/Sマークから成るネガマーク
(FIAマーク)PM 10が配置されている。
【0082】前記ポジ型L/Sマーク・サブブロック6
4b内には、例えば線幅0.4μm〜4.0μmまでの
デューティ比1:1のL/Sマークから成るポジマーク
PM 11が配置されている。ここで、ポジマークとは、所
定面積の他マーク禁止領域のガラス部分(抜き領域)内
にクロム等のパターンで形成されたマークを意味する。
この他、このポジ型L/Sマーク・サブブロック64b
内には、応用計測マークとして線幅異常測定用のポジマ
ークPM12も配置されている。各L/Sマークとして
は、周期方向がX軸方向のものとY軸方向のものとが設
けられている。
【0083】前記ポジ型シーケンシャルコママーク・サ
ブブロック65b1内には、周期方向をX軸方向とする
異なる線幅のデューティ比1:1のL/Sマークから成
るポジマークPM13が一定間隔で配置されている。ポジ
型シーケンシャルコママーク・サブブロック65b2
には、周期方向をY軸方向とする異なる線幅のデューテ
ィ比1:1のL/Sマークから成るポジマークPM14
一定間隔で配置されている。
【0084】前記ポジ型1次元ボックスマーク・サブブ
ロック66b1内には、例えば線幅40μm程度の太い
ラインパターンと、例えば線幅0.4〜0.56μm程
度の細いラインパターンがX軸方向に所定間隔(例え
ば、40μm程度)で並んだ1次元マークから成るポジ
マークPM15が配置されている。また、前記ポジ型1次
元ボックスマーク・サブブロック66b2内には、マー
クPM15と同様に構成され配列方向をY軸方向とするポ
ジマークPM16が配置されている。
【0085】前記ポジ型追加マーク・サブブロック67
b内には、いろいろな線幅のデューティ比が1:1以外
のL/Sマーク、例えばデューティ比1:9以上の擬似
凝立線マークPM17や、楔型マーク(SMPマーク)P
18、その他孤立線等のポジマークが配置されている。
これらのマークPM17,PM18等も配列方向がX軸方向
のものとY軸方向のものとが設けられている。
【0086】前記ポジ型アライメントマーク・サブブロ
ック63b1内には、例えば配列方向がX軸方向の線幅
24μmのデューティ比1:1のL/Sマークから成る
ポジマーク(FIAマーク)PM19が配置されている。
また、ポジ型アライメントマーク・サブブロック63b
2内には、例えば配列方向がY軸方向の線幅24μmの
デューティ比1:1のL/Sマークから成るポジマーク
(FIAマーク)PM 20が配置されている。
【0087】この他、AISマークブロック62内に
は、120μm角(投影倍率1/4でウエハ面上では3
0μm角)の正方形マークから成るネガマーク(BOX
マーク)PM21、Line in BoxマークPM22(これにつ
いては更に後述する)なども配置されている。
【0088】ここで、空間像計測器59を用いた空間像
計測の方法について簡単に説明する。前提としてスリッ
ト板90には、例えば図6(A)に示されるように、X
軸方向に伸びる所定幅2Dのスリット22が形成されて
いるものとする。
【0089】空間像の計測に当たり、主制御装置20に
より、可動レチクルブラインド12が不図示のブライン
ド駆動装置を介して駆動され、図2に示されるように、
レチクルRの照明光ILの照明領域が計測マークPMを
含む所定領域のみに制限される。ここで、計測マークP
Mとしては、Y軸方向に周期性を有するデューティ比
1:1のL/Sマーク、例えば前述したマークPM1
どが用いられるものとする。
【0090】この状態で、照明光ILがレチクルマーク
板RFMに照射されると、図2に示されるように、計測
マークPMによって回折、散乱した光(照明光IL)は
投影光学系PLにより屈折され、該投影光学系PLの像
面に計測マークPMの空間像(投影像)PM’が形成さ
れる。このとき、ウエハステージWSTは、空間像計測
器59のスリット板90上のスリット22の+Y側(又
は−Y側)に前記空間像PM’が形成される位置に設定
されているものとする。このときの空間像計測器59の
平面図が図6(A)に示されている。
【0091】そして、主制御装置20により、ウエハス
テージ駆動系を介してウエハステージWSTが図6
(A)中に矢印Fで示されるように+Y方向に駆動され
ると、スリット22が空間像PM’に対してY軸方向に
走査される。この走査中に、スリット22を通過する光
(照明光IL)がウエハステージWST内の光導出部、
ミラーM、受光レンズ89を介して光センサ24で受光
され、その光電変換信号が信号処理回路42を介して主
制御装置20に供給される。主制御装置20では、その
光電変換信号に基づいて空間像PM’に対応する光強度
分布を計測する。
【0092】図6(B)には、上記の空間像計測の際に
得られる光電変換信号(光強度信号)Pの一例が示され
ている。
【0093】この場合、空間像PM’はスリット22の
走査方向(Y軸方向)の幅(2D)の影響で像が平均化
する。
【0094】従って、スリットをp(y)、空間像の強
度分布をi(y)、観測される光強度信号をm(y)と
すると、空間像の強度分布i(y)と観測される強度信
号m(y)の関係は次の(1)式で表すことができる。
この(1)式において、強度分布i(y)、強度信号m
(y)の単位は単位長さ当たりの強度とする。
【0095】
【数1】
【0096】
【数2】 すなわち、観測される強度信号m(y)はスリッ卜p
(y)と空間像の強度分布i(y)のコンボリューショ
ンになる。
【0097】従って、計測精度の面からは、スリットの
走査方向の幅(以下、単に「スリット幅」と呼ぶ)2D
は小さい程良い。本実施形態のようにPMTを光センサ
24として用いる場合には、スリット幅が非常に小さく
なっても走査速度を遅くして計測に時間を掛ければ光量
(光強度)の検出は可能である。しかしながら、現実に
は、スループットの面から空間像計測時の走査速度に
は、一定の制約があるため、スリット幅2Dがあまりに
も小さいと、スリット22を透過する光量が小さくなり
過ぎて、計測が困難となってしまう。
【0098】発明者がシミュレーション及び実験等によ
り得た知見によれば、スリット幅2Dは、露光装置の解
像限界ピッチ(デューティ比1:1のL/Sパターンの
ピッチ)の半分程度とすることが望ましい。
【0099】上述した空間像計測器を用いる空間像計測
方法は、a.ベストフォーカス位置の検出、b.パター
ン像の結像位置の検出、c.アライメント顕微鏡ALG
のベースライン計測等に用いられる。
【0100】本実施形態の露光装置100におけるc.
ベースライン計測については既に説明したので、以下、
上記a.ベストフォーカス位置の検出及びb.パターン
像の結像位置の検出について説明する。
【0101】以下においては、空間像計測器59を構成
するスリット板90上には、図7に示されるように、X
軸方向に伸びる所定幅2D、長さLのスリット22a
と、Y軸方向に伸びる所定幅2D、長さLのスリット2
2bとが形成されている。ここで、2Dは例えば0.3
μmであり、Lは例えば16μmである。また、スリッ
ト22bはスリット22aの−X側に約4μm隔てて配
置され、かつ+Y側に約4μm隔てて配置されている。
また、ウエハステージWSTの内部の光導出部、ミラー
M及び受光レンズを介して光センサ24によりスリット
22a、22bのいずれを透過した光をも受光が可能に
なっているものとする。なお、以下では、特に必要が無
い限り、スリット22a、22bを区別することなくス
リット22と呼ぶ。
【0102】〈ベストフォーカス位置の検出〉このベス
トフォーカス位置の検出は、例えばA.投影光学系PL
のベストフォーカス位置の検出及び最良結像面(像面)
の検出及びB.球面収差測定などの目的に用いられる。
【0103】本実施形態では、次のようにして投影光学
系PLのベストフォーカス位置の検出を行う。このベス
トフォーカス位置の検出には、例えば、レチクルマーク
板RFM上のデューティ比1:1のL/Sマーク、例え
ばレチクルマーク板RFMのX軸方向中心に位置するA
ISマークブロック621内の線幅0.8μm(ウエハ
上でライン幅0.2μm)のL/SネガマークPM
1が、計測マークPMとして用いられる。
【0104】まず、主制御装置20では、投影光学系P
Lの有効視野(照明領域IARに対応)内でベストフォ
ーカス位置を計測すべき所定点(ここでは、投影光学系
PLの光軸上)にレチクルマーク板RFM上の計測マー
クPM1を位置決めすべく、レチクルステージRSTを
移動する。
【0105】次に、主制御装置20では、照明光ILが
計測マークPM1部分を含む所定領域のみに照射される
ように可動レチクルブラインド12を駆動制御して照明
領域を制限する。この状態で、主制御装置20では、照
明光ILを計測マークPM1に照射して、前述と同様に
して、ウエハステージWSTをY軸方向に走査しながら
計測マークPMの空間像計測を前述と同様にスリットス
キャン方式により行う。
【0106】主制御装置20では、この空間像計測を、
スリット板90のZ軸方向の位置(すなわち、ウエハス
テージWSTのZ位置)を所定ステップで変更しなが
ら、複数回繰り返し、各回の光強度信号(光電変換信
号)をメモリに記憶する。
【0107】そして、主制御装置20では、前記繰り返
しにより得られた複数の光強度信号(光電変換信号)そ
れぞれに基づいて得られる所定の評価量、例えば複数の
光強度信号をそれぞれフーリエ変換した1次周波数成分
と0次周波数成分の振幅比であるコントラストを求め
る。評価量としては、コントラストの他、波高値、マー
クピッチを周期とする正弦波の振幅又は面積比などを用
いることができる。
【0108】次いで、主制御装置20では、それらの評
価量のピークのスリット板90のZ軸方向の位置(Z座
標)を、ベストフォーカス位置として決定する。
【0109】通常、ベストフォーカスの検出に際して
は、スリット板90を、例えば0.15μmのピッチ間
隔で、15段階(ステップ)程度変化させる。
【0110】ここで、図8を用いて上記のベストフォー
カス位置検出の一例について説明する。この図8は、ス
リット板90を13段階(ステップ)でZ軸方向に変化
させ、各点で得られた13点のコントラスト等の評価量
の計測値(図8中の×印)を横軸をZ軸として示すもの
である。図8中に×印で示される13点の評価量の計測
値に基づいて、4次程度の近似曲線Cを最小二乗法によ
って求める。この近似曲線Cと、適当な閾値(スレッシ
ョルドレベル)SLとの交点を求め、交点間の距離=2
Bの中点をべストフォーカスに対応するZ座標値とす
る。
【0111】コントラスト、波高値、マークピッチを周
期とする正弦波の振幅又は面積比などは、フォーカス位
置(デフォーカス量)に応じて変化するので、投影光学
系PLのベストフォーカス位置を精度良く、かつ容易に
計測(決定)することができる。
【0112】なお、ベストフォーカス位置の計測に用い
られる計測マークとしては、上述したデューティ比1:
1のL/Sマークの他、孤立線又はピッチを線幅の10
倍程度とした疑似孤立線、例えば前述したマークPM7
などを用いることができる。
【0113】また、投影光学系PLの像面形状の検出
は、次のようにして行うことができる。
【0114】まず、主制御装置20では、投影光学系P
Lの有効視野内の複数点に、レチクルマーク板RFM上
の各AISマークブロック62内の例えば計測マークP
1が配置されるようにレチクルステージRSTを移動
する。
【0115】次に、主制御装置20では、各点の計測マ
ークPM1を含む所定領域のみに照明光ILが照射され
るように可動レチクルブラインド12によってその照明
領域を制限して、各計測マークPM1に照明光ILを順
次照射して上記各点でのベストフォーカス位置の検出を
前述と同様にして行い、その結果をメモリに記憶する。
【0116】次いで、主制御装置20では、投影光学系
PLの有効視野内の別の複数点に、レチクルマーク板R
FM上の各AISマークブロック62内の例えば計測マ
ークPM1が配置されるようにレチクルステージRST
を移動して、上記各点でのベストフォーカス位置の検出
を前述と同様にして行い、その結果をメモリに記憶す
る。
【0117】そして、主制御装置50では、得られた各
ベストフォーカス位置に基づいて、所定の統計的処理を
行うことにより、投影光学系PLの像面形状を算出す
る。このとき、像面形状とは別に像面湾曲をも算出して
も良い。なお、像面形状の計測に当たって、複数の計測
マークを必ずしも用いる必要はなく、例えば単一の計測
マークを投影光学系PLの有効視野内の複数の検出点に
順次移動させつつ、上記のベストフォーカス位置の計測
を繰り返しおこなっても良い。
【0118】なお、計測マークPMとして、X軸方向
(又はサジタル方向)とY軸方向(又はメリジオナル方
向)とにそれぞれ同一ピッチで配列される2つのL/S
パターンを用い、投影光学系PLの視野内の所定点でそ
の2つのL/Sパターンに照明光ILを順次照射して上
述したベストフォーカス位置の検出を行なうことで投影
光学系PLの非点収差を計測することもできる。
【0119】以上により、前述したA.投影光学系PL
のベストフォーカス位置の検出及び最良結像面(像面)
の検出を行うことができる。
【0120】また、投影光学系PLの球面収差の検出
は、次のようにして行うことができる。
【0121】すなわち、この球面収差の検出に際して
は、例えば、レチクルマーク板RFMのX軸方向中心に
位置するAISマークブロック621内に、Y軸方向に
所定距離隔てて配置された同一ライン幅で周期の異なる
複数、例えば2つのY軸方向のL/Sマーク、具体的に
はライン幅1μmで周期が2μmのY軸方向の第1のL
/Sマーク、ライン幅1μmで周期が4μmのY軸方向
の第2のL/Sマークが計測マークPMとして用いられ
る。
【0122】まず、主制御装置20では、例えば第1の
L/Sマークを投影光学系PLの光軸上に位置決めする
ため、レチクルステージRSTを移動する。そして、そ
の光軸上に位置決めされた第1のL/Sマークの近傍の
みに可動レチクルブラインド12を用いて照明領域を設
定して、その第1のL/Sマークについて、上述したベ
ストフォーカス位置の検出を行い、その結果をメモリに
記憶する。
【0123】次に、主制御装置20では、第2のL/S
パターンが照明光により照明される位置まで、レチクル
ステージRSTを移動し、その第2のL/Sパターンに
ついて、上述したベストフォーカス位置の検出を行い、
その結果をメモリに記憶する。
【0124】そして、主制御装置20では、このように
して得られ、メモリ内に記憶されている各計測マークに
ついてのベストフォーカス位置の差に基づいて、所定の
演算を行うことにより、球面収差を求める。
【0125】〈パターン像の結像位置の検出〉パターン
像の結像位置の検出は、C.投影光学系の倍率及びディ
ストーション測定、D.投影光学系のコマ収差測定、
E.投影光学系のテレセントリシティ(照明テレセン)
測定のそれぞれの目的で行われる。
【0126】計測マークは目的によって様々である。分
類すると次の表1のようになる。ここで、空間像計測に
基づく、投影光学系の結像特性の計測結果は、前述した
焼き付け法による結像特性の計測結果と基本的に一致す
ることが望ましいので、表1では、焼き付け計測マーク
とともに空間像計測マーク(空間像計測マーク)が示さ
れている。
【0127】
【表1】
【0128】次に、投影光学系PLの倍率及びディスト
ーション測定について説明する。この投影光学系PLの
倍率及びディストーション測定に際しては、前述したレ
チクルマーク板RFM上の各AISマークブロック62
内の120μm角(投影倍率1/4でウエハ面上では3
0μm角)のBOXマークPM21が計測マークPMとし
て用いられる。
【0129】まず、主制御装置20では、投影光学系P
Lの有効視野内の複数点にそれぞれ計測マークPM21
配置されるように、レチクルステージRSTを移動す
る。
【0130】次に、主制御装置20では、照明光ILが
投影光学系PLの有効視野内の第1番目の検出点に位置
する計測マークPM21を含む所定の領域部分のみに照射
されるように可動レチクルブラインド12を制御して照
明領域を制限する。この状態で、主制御装置20では、
照明光ILを計測マークPM21に照射する。これによ
り、図9に示されるように、計測マークPM21の空間像
PM21’、すなわちほぼ30μ角の正方形状のパターン
像が形成される。
【0131】そして、主制御装置20では、この空間像
PM21’に対して、スリット板90上のスリット22a
が、Y軸方向に走査されるようにウエハステージWST
を矢印A方向に駆動してスリットスキャン方式で空間像
計測を行い、その光強度信号をメモリに記憶する。次い
で、主制御装置20では、空間像PM21’に対して、ス
リット板90上のスリット22bが、X軸方向に走査さ
れるようにウエハステージWSTを駆動してスリットス
キャン方式で空間像計測を行い、その光強度信号をメモ
リに記憶する。そして、主制御装置20では、得られた
光強度信号に基づいて、例えば周知の位相検出の手法、
あるいはスライス法を用いたエッジ検出の手法などによ
り、計測マークPM21の結像位置(X,Y座標位置)を
求める。
【0132】同様に、主制御装置20では、投影光学系
PLの有効視野内の第2番目以降の検出点にそれぞれ位
置する計測マークPM21に対しても、計測マークPM21
を含む所定領域のみに照明光ILが照射されるように可
動レチクルブラインド12によってその照明領域を制限
して、各点毎に前述したスリットスキャン方式により空
間像計測を行い、得られた各点での計測マークの結像位
置(X,Y座標位置)を求める。そして、主制御装置2
0では、得られた各検出点についての計測マークの
(X,Y座標位置)に基づいて、投影光学系PLの倍率
及びディストーションの少なくとも一方を算出する。
【0133】但し、単一の30μm角のパターン像PM
21’をスリットスキャンしてもその像のエッジは2個所
しかなく、計測精度が十分得られない場合もある。この
ような場合は、コマ収差の影響を受けることが殆ど無い
程度の大きなL/Sパターン、例えば4μm以上のライ
ン幅のL/Sマーク(この空間像は、ライン幅1μmの
L/Sマーク像となる)PM1等を計測マークPMとし
て用いれば良い。図10には、このような計測マークP
Mの空間像計測を行う際に、スリット板90上にその計
測マークPMの空間像PM’が形成された状態が示され
ている。
【0134】上述のように、投影光学系PLの有効視野
内の複数の検出点に位置する複数の計測マークの結像位
置(X,Y座標位置)から投影光学系PLのディストー
ションを計測する場合において、複数の検出点の内の任
意の検出点を基準点とし、その基準点における計測マー
クの結像位置(X,Y座標位置)と、その基準点以外の
点における計測マークの結像位置(X,Y座標位置)と
のXY面内の相対位置を検出し、その相対位置から投影
光学系PLのディストーションを求めることが望まし
い。この場合には、基準点と基準点以外の検出点とに配
置された計測マークを含む領域に可動ブラインド12に
より照明領域を順次変更して空間像計測及び計測マーク
の結像位置(X,Y座標位置)のXY面内の相対位置を
検出を行えば良い。このようにすると、仮に、ウエハス
テージWST(スリット22a,22b)の位置を計測
するウエハ干渉計31にドリフトなどが生じていたとし
ても、基準点における計測マークの結像位置(X,Y座
標位置)の計測結果と、基準点以外の点における計測マ
ークの結像位置(X,Y座標位置)の計測結果とに、上
記ドリフト等に起因する同等の計測誤差が含まれる結
果、上記の相対位置にはドリフトの影響が殆ど含まれな
いこととなる。従って、計測中の干渉計のドリフトなど
の影響を最小限に抑えることができる。また、各検出点
における計測の度毎に可動レチクルブラインド12によ
り照明光の照射領域を制限するので、計測中の投影光学
系PLへの照明光の入射量を抑制することができる。
【0135】次に、投影光学系のコマ収差の計測方法に
ついて説明する。コマ収差の計測は、L/Sマークを計
測マークとして用いる第1の方法と、Line in Boxマー
クを計測マークとして用いる第2の方法とが代表的に挙
げられる。
【0136】(第1の方法)焼き付け法により、コマ収
差を測定する場合に、解像限界付近の小L/Sマーク像
の線幅異常値を用いる方法が知られている。ここで、線
幅異常値とは、焼き付けによって形成されるレジスト像
の非対称の度合いを表す指標となる値である。例えば、
図11に示される0.2μmL/Sマーク(設計値)の
レジスト像を例にとって説明すると、線幅異常値Aは、
両端のラインパターンの線幅L1、L5を用いて、次の
(3)式のように定義される。
【0137】
【数3】
【0138】Aは通常3%未満が投影光学系(投影レン
ズ)に望まれる性能である。
【0139】空間像計測においてもこのようなL/Sパ
ターン像の線幅異常値を直接計測することが出来る。こ
の場合は、スライス法によるエッジ検出の手法を用いれ
ば良いが、スライスレベルの決定に当たって、空間像に
対応する光強度信号を適当な閾値(スレッショルドレベ
ル)で2値化し、レジスト像の線幅に近づけるという簡
単なレジスト像シミュレーションを行うことにより、そ
の閾値をスライスレベルとして決定することが望まし
い。
【0140】以下、この線幅異常値の計測によるコマ収
差の計測方法について説明する。このコマ収差の計測に
は、レチクルマーク板RFMの各AISマークブロック
62内に配置された例えばライン幅0.8μm(ウエハ
面上で0.2μm)でデューティ比1:1のY軸方向に
周期性を有するL/Sネガマークが計測マークPMとし
て用いられる。
【0141】この場合、主制御装置20では、前述した
倍率・ディストーション計測の際と同様の手順で、投影
光学系PLの有効視野内の複数の検出点に配置された各
計測マークの空間像を順次計測し、それぞれの光強度信
号とスライスレベルとの交点をそれぞれ求め、その求め
られた交点のY座標(又はX座標)から空間像PM’の
それぞれについて各ラインのライン幅を求め、このライ
ン幅に基づいてそれぞれの線幅異常値を(4)式に基づ
いて算出し、この算出結果に基づいて投影光学系PLの
コマ収差を求める。
【0142】なお、各計測マークPMが例えば5本のラ
インパターンを含む単独のL/Sパターンであり、線幅
異常値の計測精度が不十分である場合には、各計測マー
クPMとして、例えば5本のL/Sパターンが所定周期
で複数組み配置された複合マークパターンである前述し
た応用計測マークPM2を、各計測マークPMとして用
いても良い。図12には、この応用計測マークPM2
用いた場合に、スリット板90上に応用計測マークPM
2の空間像PM2’が形成された様子が示されている。
【0143】この空間像PM2’は、図13に示される
ように、2つの基本的な周波数成分、すなわち光電変換
信号の各ラインパターンのピッチに対応する例えば0.
4μmピッチの周波数成分(第1基本周波数成分)f1
と、各L/Sパターンの全体の幅に対応する第2基本周
波数成分、すなわち、各L/Sパターンの繰り返し周期
(5本のマークからなるマークグループの配置ピッチ)
である例えば3.6μmピッチに対応する周波数成分f
2とを有する。
【0144】従って、主制御装置20では、前述と同様
の手順で、空間像計測を行って、計測マークPM2の空
間像PM2’に対応する光強度信号を得た場合に、各光
強度信号の第1基本周波数成分と、第2基本周波数成分
との位相差を位相検出の手法により算出し、該算出結果
に基づいて投影光学系PLのコマ収差を求めることとし
ても良い。なお、この場合マークの配置ピッチ(上の例
では0.4μm)と5本のマークからなるマークグルー
プの配置ピッチ(上の例では3.6μm)の比率は整数
倍とすることが信号処理上からは望ましい。
【0145】(第2の方法)次に、コマ収差の第2の測
定方法について説明する。この方法では、計測マークP
Mとしては、前述したLine in BoxマークPM22が用い
られる。このマークPM22は、図14に示されるよう
に、1辺がD1(例えばD1=120μm)の正方形パ
ターンの内部に、同心でかつ1辺がD2(例えばD2=
80μm)の正方形のスペースパターン(幅D3)が形
成されたマークである。このマークPM 22をウエハ上に
焼き付け、現像すると、30μm角のレジスト残しマー
クの中心に20μm角の細溝が同時に形成される。細溝
は(波長/N.A.)/2以下程度の太さとすることが
望ましく、従ってD3は、その4倍以下程度とすること
が望ましい。例えば、D3は、0.4μmとされる。
【0146】このLine in BoxマークPM22を、コマ収
差のある投影光学系で結像すると細線の方が太線よりも
横ずれが大きく発生するため、細溝が偏心して対称性が
崩れる。従って、その細溝の偏心量、すなわち対称性の
崩れかたの程度を計測することにより、コマ収差の影響
を知ることができる。
【0147】そこで、主制御装置20では、前述した倍
率・ディストーション計測の際と同様の手順で、投影光
学系PLの有効視野内の複数の検出点に配置された各マ
ークPM22の空間像計測を行って、それぞれに対応する
光強度信号を得る。そして、各光強度信号と所定のスラ
イスレベルとの交点に基づいて各マークPM22の空間像
の対称性のずれを算出し、該算出結果に基づいて投影光
学系PLのコマ収差を求める。
【0148】上記の場合において、スリット板90上の
スリット22a、22bの配置上、非計測方向のスリッ
卜が空間像と干渉する場合も考えられる。このような場
合、上記マークPM22に代えて、例えば線幅4μm程度
の太いラインパターンと、例えば線幅0.4〜0.6μ
m程度の細いラインパターンが計測方向に所定間隔(例
えば、40μm程度)で並んだ左右(又は上下)対称の
1次元マーク、例えば前述したマークPM6(又はPM
5)などを計測マークPMとして用いても良い。
【0149】図15には、このような計測マークPM6
の空間像PM6’がスリット板90上に形成された状態
が示されている。この図15において、D4は10μ
m、D5は0.1〜0.15μmである。このような空
間像PM6’に対応する光強度信号を、スライス法によ
るエッジ検出の方法により検出することにより、投影光
学系PLのコマ収差を検出しても良い。
【0150】勿論、この場合も、計測再現性を向上する
ため、図16のような繰り返し配置された計測マークの
空間像を検出することとしても良い。
【0151】次に、照明テレセン(投影光学系PLのテ
レセントリシティ)の測定方法について説明する。
【0152】照明テレセンは、像位置がデフォーカスに
よって変化する変化量を測定して決定する。計測マーク
としては、倍率、ディス卜ーション測定と同様にコマ収
差の影響を受けない大きな計測マークがいられる。焼き
け法による場合は、Box in Box Markあるいは大L/S
マークが用いられ、ベストフォーカス位置、+1μm程
度のデフォーカス位置、−1μm程度のデフォーカス位
置の3点で、それぞれ露光を行い、像位置とフォーカス
位置の関係を計測し、照明テレセン(=(像の横ずれ量
/デフォーカス量))を計算することが行われる。空間
像計測の場合は、焼き付けと同様にコマ収差の影響を受
けない大きな計測マークを用い、空間像の絶対位置(結
像位置)を各フォーカス位置で計測し、照明テレセンを
計算する。
【0153】これを更に詳述すると、投影光学系PLの
有効視野内の第1の検出点に計測マークを位置させてそ
の計測マークの空間像を形成し、投影光学系PLの光軸
方向(Z軸方向)に関する第1位置でスリットスキャン
方式で、計測マークPMの空間像を計測する。すなわ
ち、空間像に対してスリット22を相対的に走査してス
リット22を介した光を光センサ24で光電変換して空
間像に対応する光強度分布を計測する。次いで、投影光
学系PLの有効視野内の第2の検出点に計測マークPM
を位置させて、その計測マークの空間像を形成し、Z軸
方向の第2位置で計測マークPMの空間像をスリットス
キャン方式で計測する。そして、スリット板22(スリ
ット板90)がZ軸方向の第1位置にあるときの空間像
の計測結果から得られる空間像のXY面内の結像位置
と、スリット板22(スリット板90)がZ軸方向の第
2位置にあるときの空間像の計測結果から得られる空間
像のXY面内の結像位置と相対位置関係を求め、該相対
位置関係から投影光学系PLのテレセントリシティを算
出する。
【0154】この場合、投影光学系PLの有効視野内の
第1の検出点に位置させた計測マークの空間像をZ軸方
向の第1位置に対応する面内で計測した計測結果から得
られる空間像のXY面内の結像位置(第1の結像位置)
と、投影光学系PLの有効視野内の第2の検出点に位置
させた計測マークの空間像をZ軸方向の第2位置に対応
する面内で計測した計測結果から得られる空間像のXY
面内の結像位置(第2の結像位置)との相対位置関係、
すなわち第1の結像位置と第2の結像位置との相対距
離、及びZ軸方向の第1位置と第2位置との距離に基づ
いて、投影光学系PLのテレセントリシティを算出す
る。このため、例えば第1の結像位置、第2の結像位置
の計測に際し、ウエハ干渉計31にドリフト等が生じて
いても第1の結像位置、第2の結像位置の計測結果には
同等の誤差が含まれる結果、干渉計ドリフトなどに起因
する計測誤差の影響の殆どないテレセントリシティの高
精度な計測が可能となる。
【0155】この場合において、投影光学系PLの有効
視野内の3点以上の検出点に位置する計測マークの空間
像をスリット板90のZ位置を変更しながらその計測マ
ークの空間像をスリットスキャン方式で計測し、空間像
の絶対位置(結像位置)を各フォーカス位置について計
測する場合には、該複数のフォーカス位置の内の任意の
フォーカス位置を基準フォーカス位置とし、基準フォー
カス位置における計測マークの空間像のXY面内の位置
と基準フォーカス位置以外での計測マークの空間像のX
Y面内での位置との相対位置を計測し、その相対位置位
置関係に基づいて投影光学系PLの照明テレセンを計測
することとすれば良い。
【0156】この場合において、例えば、基準フォーカ
ス位置をベストフォーカス位置の近傍に設定した場合に
は、その+Z側、−Z側のそれぞれで少なくとも各1点
のZ位置で投影光学系PLの有効視野内の複数の検出点
に配置された計測マークの空間像のXY面内位置を計測
することとしても良い。
【0157】なお、照明テレセンの計測に際しては、レ
チクルマーク板RFM上の単一の計測マークを用い、該
マークを投影光学系PLの有効視野内の複数の検出点に
順次位置決めし、各検出点で計測マークの結像位置をス
リット板90のZ位置を変更して、順次計測しても良い
し、投影光学系PLの有効視野内の複数の検出点に同時
に位置決めされるレチクルマーク板RFM上複数の計測
マークの結像位置をスリット板90のZ位置を変更し
て、順次計測しても良い。
【0158】以上詳細に説明したように、本実施形態に
よると、レチクルステージRSTによって、照明光IL
によって照明可能な投影光学系PLの物体側焦点面位置
近傍にレチクルマーク板RFMに形成された各種自己計
測に用いられる複数種類の計測マークPM1〜PM22等
のいずれをも位置させることができる。このため、照明
光ILを計測マークPMに照射し、その計測マークPM
1〜PM22等の像を投影光学系PLの像側焦点焦点近傍
に結像させ、その像を検出することにより、専用の計測
用原版を別に用意することなく、各種自己計測が可能と
なる。
【0159】具体的には、主制御装置20では、例えば
照明光ILによって、レチクルマーク板RFMの少なく
とも一部が照明され、投影光学系PLによってその像側
焦点面近傍に照明光ILで照明された計測マークの空間
像が形成された際に、該空間像とスリット22とが相対
走査されるようにスリット板90、すなわちウエハステ
ージWSTを駆動する、スリットスキャン方式の空間像
計測により、前述した投影光学系PLのベストフォーカ
ス位置、像面形状(像面湾曲を含む)、球面収差、ディ
ストーション、倍率、コマ収差、照明テレセン等の光学
特性、及びアライメント系ALGのベースライン計測な
どの自己計測を行うことが可能となっている。これより
明らかなように、本実施形態では、主制御装置20によ
って移動制御装置が構成されている。
【0160】例えば、主制御装置20では、ベストフォ
ーカス位置、像面形状の計測結果に基づいて、多点焦点
位置検出系(60a,60b)を構成する各フォーカス
センサ(受光素子)の検出出力のオフセット設定、ある
いは原点位置の再設定等のキャリブレーションを高精度
に行うことができる。
【0161】また、主制御装置20では、像面湾曲、デ
ィストーション、倍率、コマ収差などの各種収差の計測
結果に基づいて、投影光学系PLを構成する少なくとも
1枚の投影レンズを不図示の結像特性補正系を介して光
軸方向及び光軸に直交する面に対して傾斜方向に駆動す
ることにより、投影光学系の上記各種収差を補正する収
差の自動調整が可能となる。
【0162】また、主制御装置20では、上記の照明テ
レセンの計測結果に基づいて、照明系10内の不図示の
リレーレンズを駆動することにより照明テレセンを自動
修正することも可能である。
【0163】また、主制御装置20では、上記のベース
ラインの計測結果に基づいて、ベースラインの自動調整
を容易に行なうことができ、この結果、ウエハアライメ
ント精度を向上させることができる。
【0164】なお、主制御装置20では、空間像計測に
際して、ウエハステージWST(スリット板90)を静
止させたまま、レチクルステージRST(レチクルマー
ク板RFM)を移動させても良く、あるいはウエハステ
ージWST(スリット板90)及びレチクルステージR
STを同時に相互に逆向きに移動させても良い。
【0165】本実施形態の露光装置100によると、上
述したベースライン計測によりベースラインが自動補正
されたアライメント系ALGを用いて精度良く、ウエハ
アライメント(EGA)等が行われ、また、走査露光時
には、キャリブレーションが高精度に行われた多点焦点
位置検出系(60a,60b)を用いて、ウエハWのオ
ートフォーカス、オートレベリングを高精度に行ってウ
エハW表面を計測された像面に実質的な合致させつつ、
諸収差が高精度に調整された投影光学系PLを介してレ
チクルRの回路パターンがウエハW上の各ショット領域
に重ね合せて転写されるので、露光精度(重ね合わせ精
度、フォーカス合わせ精度を含む)を高く維持した露光
が可能となる。
【0166】なお、投影光学系PLの倍率誤差は、レチ
クルRの回路パターンとウエハW上のショット領域との
重ね合せ精度に影響を与えるため、投影光学系PLの倍
率計測及びその結果に基づく自動補正は、なるべく高頻
度で行うことが望ましい。しかし、上述したスリットス
キャン方式による空間像計測は、計測に或程度の時間を
要するので、頻繁に行うことはスループットの低下の要
因となる。
【0167】そこで、主制御装置20は、ウエハWをロ
ット単位で露光する際に、各ロット先頭のウエハWの露
光時には、レチクルマーク板RFM、空間像計測器59
を用いてレチクルマーク板RFM上の計測マークの空間
像計測を行い、その計測結果に基づいて投影光学系PL
の倍率を算出し、各ロット内の先頭以外のウエハの露光
時には、レチクルマーク板RFM及びレチクルRの一方
のアライメントマークと、ウエハステージWST上の不
図示の基準マークの投影光学系PLを介した像とをRA
顕微鏡28を用いて観察し、その観察結果に基づいて投
影光学系PLの倍率を算出することとしている。これに
より、スループットを不用意に低下させることなく、投
影光学系PLの倍率を所望の値に維持し、ひいては重ね
合せ精度を高く維持することができる。
【0168】また、本実施形態では露光装置100を構
成する照明系10を用いて、空間像計測を行うので、各
種照明条件(コンベンショナル照明、輪帯照明、変形照
明など)、レチクル種類(ハーフトーンレチクル、通常
レチクル)などとの組み合わせでの空間像計測が可能で
ある。従って、露光時と同じ若しくはそれに近い条件下
での各種自己計測をレチクルマーク板RFMを用いて行
うことが可能である。
【0169】これらのレチクル種類、対象線幅、孤立
線、密集線などの別、照明条件などのいろいろな組み合
わせは同一の露光装置内であっても相互に異なるプロセ
スプログラムで管理される。従って、例えばフォーカス
キャリブレーションにおいて必須となる、計測値と最適
条件とのオフセット値もこれらの組み合わせに対応可能
なだけ用意しておくことが望ましい。
【0170】通常、投影光学系PLの収差などの調整
は、異なる照明条件毎に行われるが、その際に使われる
マークは孤立線、密集線の特定の線幅になる。従って、
照明条件が決まれば空間像計測に用いられる計測マーク
も決まると考えて差し支えなく、複数のプロセスプログ
ラムに対応するオフセットの総数は照明条件の総数と等
しくなる。本実施形態のレチクルマーク板RFMでは、
空間像計測に主として用いられる各ネガマークに近接し
て焼き付けに主として用いられるポジマークが配置され
ている(図5参照)。従って、このレチクルマーク板R
FM上のポジマークを用いた焼き付け法により、投影光
学系PLの光学特性を計測し、この計測結果に基づい
て、投影光学系PLの調整を行った直後にレチクルマー
ク板RFM上のネガマークの空間像計測を行い、その結
果に基づいて上記のオフセットを容易に求めることが可
能である。
【0171】このほかに、デバイス製造用のレチクルと
レチクルマーク板RFMとの形状の差違(撓み量等の
際)に伴う誤差もオフセットとして管理する必要があ
る。これは、デバイス製造用のレチクル上のマークとレ
チクルマーク板RFM上のマークとの空間像の計測結果
を比較することで容易に求められる。この意味では、デ
バイス製造用のレチクルに上述したRFMと同一種類の
各種計測マークを形成することが望ましい。
【0172】なお、上記実施形態では、本発明がステッ
プ・アンド・スキャン方式の投影露光装置に適用された
場合について説明したが、これに限らず、マスクと基板
とを静止した状態でマスクのパターンを基板に転写する
とともに、基板を順次ステップ移動させるステップ・ア
ンド・リピート型の露光装置にも本発明は適用すること
ができる。
【0173】また、上記各実施形態では、本発明が半導
体製造用の露光装置に適用された場合について説明した
が、これに限らず、例えば、角型のガラスプレートに液
晶表示素子パターンを転写する液晶用の露光装置や、薄
膜磁気へッド、撮像素子、マイクロマシン、DNAチッ
プ、及びレチクルやマスクなどを製造するための露光装
置などにも本発明は広く適用できる。
【0174】また、上記各実施形態では、露光用照明光
としてKrFエキシマレーザ光(248nm)、ArF
エキシマレーザ光(193nm)などを用いる場合につ
いて説明したが、これに限らず、g線(436nm)、
i線(365nm)、F2レーザ光(157nm)、銅
蒸気レーザ、YAGレーザの高調波等を露光用照明光と
して用いることができる。
【0175】また、上記各実施形態では、投影光学系と
して縮小系かつ屈折系を用いる場合について説明した
が、これに限らず、投影光学系として等倍あるいは拡大
系を用いても良いし、屈折系、反射屈折系、あるいは反
射系のいずれを用いても良い。
【0176】なお、複数のレンズから構成される照明光
学系、投影光学系PLを露光装置本体に組み込み光学調
整をするとともに、多数の機械部品からなるレチクルス
テージRSTやウエハステージWSTを露光装置本体に
取り付けて配線や配管を接続し、更に総合調整(電気調
整、動作確認等)をすることにより本実施形態の露光装
置100を製造することができる。なお、露光装置の製
造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルーム
で行うことが望ましい。
【0177】《デバイス製造方法》次に上述した露光装
置100をリソグラフィ工程で使用したデバイスの製造
方法の実施形態について説明する。
【0178】図17には、デバイス(ICやLSI等の
半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、
マイクロマシン等)の製造例のフローチャートが示され
ている。図17に示されるように、まず、ステップ20
1(設計ステップ)において、デバイスの機能・性能設
計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、そ
の機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続
き、ステップ202(マスク製作ステップ)において、
設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一
方、ステップ203(ウエハ製造ステップ)において、
シリコン等の材料を用いてウエハを製造する。
【0179】次に、ステップ204(ウエハ処理ステッ
プ)において、ステップ201〜ステップ203で用意
したマスクとウエハを使用して、後述するように、リソ
グラフィ技術等によってウエハ上に実際の回路等を形成
する。次いで、ステップ205(デバイス組立てステッ
プ)において、ステップ204で処理されたウエハを用
いてデバイス組立てを行う。このステップ205には、
ダイシング工程、ボンディング工程、及びパッケージン
グ工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれ
る。
【0180】最後に、ステップ206(検査ステップ)
において、ステップ205で作成されたデバイスの動作
確認テスト、耐久テスト等の検査を行う。こうした工程
を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
【0181】図18には、半導体デバイスにおける、上
記ステップ204の詳細なフロー例が示されている。図
18において、ステップ211(酸化ステップ)におい
てはウエハの表面を酸化させる。ステップ212(CV
Dステップ)においてはウエハ表面に絶縁膜を形成す
る。ステップ213(電極形成ステップ)においてはウ
エハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ214
(イオン打ち込みステップ)においてはウエハにイオン
を打ち込む。以上のステップ211〜ステップ214そ
れぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成して
おり、各段階において必要な処理に応じて選択されて実
行される。
【0182】ウエハプロセスの各段階において、上述の
前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程
が実行される。この後処理工程では、まず、ステップ2
15(レジスト形成ステップ)において、ウエハに感光
剤を塗布する。引き続き、ステップ216(露光ステッ
プ)において、上で説明したリソグラフィシステム(露
光装置)及び露光方法によってマスクの回路パターンを
ウエハに転写する。次に、ステップ218(エッチング
ステップ)において、レジストが残存している部分以外
の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そし
て、ステップ219(レジスト除去ステップ)におい
て、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除
く。
【0183】これらの前処理工程と後処理工程とを繰り
返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターン
が形成される。
【0184】以上説明した本実施形態のデバイス製造方
法を用いれば、露光工程(ステップ216)において上
記実施形態の露光装置が用いられるので、重ね合せ精度
良くレチクルのパターンをウエハ上に転写することがで
きる。この結果、高集積度のデバイスの生産性(歩留ま
りを含む)を向上させることが可能になる。
【0185】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の露光装置
によると、専用の計測用原版を用いることなく、各種自
己計測を行うことが可能となるという効果がある。
【0186】また、本発明の光学特性計測方法による
と、投影光学系のテレセントリシティを精度良く計測す
ることができるという効果がある。
【0187】また、本発明のデバイス製造方法による
と、デバイスの生産性を向上させることができるという
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る露光装置100の概
略的な構成を示す図である。
【図2】図1のアライメント系及び空間像計測器の内部
構成を示す図である。
【図3】アライメント系によりウエハ上のアライメント
マークを検出している様子を示す図である。
【図4】図1のレチクルマーク板を示す底面図である。
【図5】レチクルマーク板上のマーク配置の一例を示す
図である。
【図6】図6(A)は、空間像の計測に際してスリット
板上に空間像PM’が形成された状態の空間像計測器を
示す平面図、図6(B)はその空間像計測の際に得られ
る光電変換信号(光強度信号)Pの一例を示す線図であ
る。
【図7】スリット板上のスリットの配置を示す平面図で
ある。
【図8】スリット板を13段階(ステップ)でZ軸方向
に変化させ、各点で得られた13点のコントラスト等の
評価量の計測値(×印)を横軸をZ軸として示す図であ
る。
【図9】倍率及びディストーション測定の際のスリット
板を示す平面図である。
【図10】大きなL/Sマークから成る計測マークの空
間像計測を行う際に、スリット板上にその空間像が形成
された状態を示す平面図である。
【図11】コマ収差の第1の計測方法を説明するための
図であって、レジスト像の一例を示す図である。
【図12】5本のL/Sパターンが所定周期で複数組み
配置された複合マークを用いた場合にその空間像がスリ
ット板上に形成された状態を示す平面図である。
【図13】図12に示される空間像が、2つの基本的な
周波数成分を有することを説明するための図である。
【図14】マークPM22を拡大して示す図である。
【図15】線幅の太いラインパターンと線幅の細いライ
ンパターンが計測方向に所定間隔で並んだ左右対称の1
次元マークから成る計測マークの空間像がスリット板上
に形成された状態を示す平面図である。
【図16】図15の場合の1次元マークが繰り返し配置
された計測マークの空間像がスリット板上に形成された
状態を示す平面図である。
【図17】本発明に係るデバイス製造方法の実施形態を
説明するためのフローチャートである。
【図18】図17のステップ204の詳細を示すフロー
チャートである。
【符号の説明】
20…主制御装置(移動制御装置、制御装置)、22…
スリット(計測用パターン)、24…光センサ(光電変
換素子)、28…RA顕微鏡(観察顕微鏡)、59…空
間像計測器、90…スリット板(パターン形成部材)、
100…露光装置、R…レチクル(マスク)、IL…照
明光、PL…投影光学系、W…ウエハ(基板)、RFM
…レチクルマーク板(自己計測用原版)、FM…基準マ
ーク板、RST…レチクルステージ(自己計測用原版載
置ステージ、マスクステージ)、WST…ウエハステー
ジ(基板ステージ)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高根 栄二 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン内 (72)発明者 鍬田 旬美 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン内 (72)発明者 鈴木 広介 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン内 Fターム(参考) 2G086 HH06 2H095 BE03 BE07 BE09 5F046 BA04 BA05 CB17 CB27 CC02 DA13 DA14 DB05 DC03 DC05

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 照明光により所定のパターンを照明し、
    前記パターンを投影光学系を介して基板上に転写する露
    光装置であって、 各種自己計測に用いられる複数種類の計測マークが形成
    された自己計測用原版と;前記自己計測用原版が載置さ
    れ、前記照明光によって照明可能な前記投影光学系の物
    体側焦点面位置近傍に前記自己計測用原版を移動させる
    ことが可能な自己計測用原版載置ステージと;を備える
    露光装置。
  2. 【請求項2】 前記投影光学系の光軸に垂直な2次元面
    内に配置され計測用パターンが形成されたパターン形成
    部材と、前記計測用パターンを介した前記照明光を光電
    変換する光電変換素子とを有する空間像計測器と;前記
    照明光によって前記自己計測用原版の少なくとも一部が
    照明され、前記投影光学系によってその像側焦点面近傍
    に前記照明光で照明された前記計測用パターンの空間像
    が形成された際に、該空間像と前記計測用パターンとが
    相対走査されるように前記自己計測用原版載置ステージ
    と前記パターン形成部材との少なくとも一方を移動させ
    る移動制御装置と;を更に備えることを特徴とする請求
    項1に記載の露光装置。
  3. 【請求項3】 前記自己計測用原版載置ステージは、前
    記所定のパターンが形成されたマスクが載置されるマス
    クステージであることを特徴とする請求項1又は2に記
    載の露光装置。
  4. 【請求項4】 前記基板が載置されるとともに、基準マ
    ークが設けられた基板ステージと;前記マスクステージ
    上に存在するマークを観察する観察顕微鏡と;前記基板
    をロット単位で露光する際に、各ロット先頭の基板の露
    光時には、前記自己計測用原版、前記空間像計測器、及
    び前記駆動装置を用いて前記自己計測用原版上の計測マ
    ークの空間像計測を行い、その計測結果に基づいて前記
    投影光学系の倍率を算出するとともに、前記各ロット内
    の先頭以外の基板の露光時には、自己計測用原版及び前
    記マスクの一方のマークと、前記基板ステージ上の基準
    マークの投影光学系を介した像とを前記観察顕微鏡を用
    いて観察し、その観察結果に基づいて前記投影光学系の
    倍率を算出する制御装置と;を更に備えることを特徴と
    する請求項3に記載の露光装置。
  5. 【請求項5】 前記自己計測用原版は、前記所定のパタ
    ーンが形成されたマスクであることを特徴とする請求項
    1又は2に記載の露光装置。
  6. 【請求項6】 前記自己計測用原版に形成された計測マ
    ークには、前記投影光学系のディストーション計測マー
    ク、ベストフォーカス計測用の繰り返しマーク、ベスト
    フォーカス計測用の疑似孤立線マーク、前記基板との重
    ね合せ誤差計測用のアライメントマークの少なくとも1
    つが含まれることを特徴とする請求項1〜5のいずれか
    一項に記載の露光装置。
  7. 【請求項7】 前記自己計測用原版に形成された計測マ
    ークには、孤立線マークと、所定のピッチを有するライ
    ンアンドスペースマークとが含まれることを特徴とする
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の露光装置。
  8. 【請求項8】 投影光学系の光学特性を計測する光学特
    性計測方法であって、 前記投影光学系の有効視野内の第1の検出点に計測マー
    クを位置させてその計測マークの空間像を形成し、前記
    投影光学系の光軸方向に関する第1位置で前記空間像に
    対して計測用パターンを相対的に走査して前記計測用パ
    ターンを介した光を光電変換して前記空間像に対応する
    光強度分布を計測する工程と;前記投影光学系の有効視
    野内の第2の検出点に計測マークと同一又は異なる計測
    マークを位置させてその計測マークの空間像を形成し、
    前記投影光学系の光軸方向に関する第2位置で前記空間
    像に対して前記計測用パターンを相対的に走査して前記
    計測用パターンを介した光を光電変換して前記空間像に
    対応する光強度分布を計測する工程と;前記計測用パタ
    ーンが前記光軸方向の第1位置にあるときの前記空間像
    の計測結果から得られる前記空間像の前記光軸に直交す
    る面内の第1の結像位置と、前記計測用パターンが前記
    光軸方向の第2位置にあるときの前記空間像の計測結果
    から得られる前記空間像の前記光軸に直交する面内の第
    2の結像位置との相対位置関係を求め、該相対位置関係
    から前記投影光学系のテレセントリシティを算出する工
    程と;を含む光学特性計測方法。
  9. 【請求項9】 リソグラフィ工程を含むデバイス製造方
    法であって、 前記リソグラフィ工程では、請求項1〜7のいずれか一
    項に記載の露光装置を用いて露光を行うことを特徴とす
    るデバイス製造方法。
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