JP2002184423A - 燃料電池用セパレータ - Google Patents
燃料電池用セパレータInfo
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
Landscapes
- Fuel Cell (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 接触抵抗(単位接触抵抗)を可及的に低減す
ることができ、電池性能(発電効率,電池寿命等)の大
幅な向上を図りうる燃料電池用セパレータを提供する。 【解決手段】 導電性樹脂材を金型により所定の板形状
に加圧成形してなる燃料電池用セパレータにおいて、外
周形状が正N角形(Nは5以上の自然数である)をなす
ものとする。その角数Nは、当該正N角形に外接する仮
想円の半径R(mm)との関係において0<R・cos
(180°/N)≦23となる範囲で決定される。
ることができ、電池性能(発電効率,電池寿命等)の大
幅な向上を図りうる燃料電池用セパレータを提供する。 【解決手段】 導電性樹脂材を金型により所定の板形状
に加圧成形してなる燃料電池用セパレータにおいて、外
周形状が正N角形(Nは5以上の自然数である)をなす
ものとする。その角数Nは、当該正N角形に外接する仮
想円の半径R(mm)との関係において0<R・cos
(180°/N)≦23となる範囲で決定される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気自動車等の電
源として使用される燃料電池において単セルを構成する
ためのセパレータであって、特に、導電性樹脂材を金型
により所定の板形状に加圧成形してなる燃料電池用セパ
レータに関するものである。
源として使用される燃料電池において単セルを構成する
ためのセパレータであって、特に、導電性樹脂材を金型
により所定の板形状に加圧成形してなる燃料電池用セパ
レータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、固体高分子電解質型燃料電池
は、図7〜図9に示す如く、セパレータ1,1間にセル
電極2を挟圧させてなる単セル3を積層したものであ
る。セル電極2は、電解質膜4とその両側に配したガス
拡散電極たるアノード5及びカソード6とからなる方形
板状のサンドイッチ構造をなすものである。各セパレー
タ1は、導電性樹脂材(例えば炭素粉末とフェノール樹
脂等の熱硬化性樹脂との混成材)を金型により方形板状
に加圧成形してなるもので、両面(又は片面)の外周部
領域には適当数の透孔7,8,9,10,11が穿設さ
れており、セル電極2が設置される中心部領域12,1
3には、ガス拡散電極5,6との間にガス流路12a,
13a(図9参照)を形成するための凹溝ないし凹部が
設けられている。透孔7,8,9,10,11は、夫
々、単セル3を積層したスタックにおいて一連のマニホ
ルド(流体通路)を構成する。すなわち、透孔7群は、
水素含有ガス16をアノード5とセパレータ1との間に
形成されるガス流路12aに供給するガス供給用マニホ
ルドを構成し、透孔8群はガス流路12aに連通するガ
ス排出用マニホルドを構成し、透孔9群は、酸素含有ガ
ス17をカソード6とセパレータ1との間に形成される
ガス流路13aに供給するガス供給用マニホルドを構成
し、透孔10群はガス流路13aに連通するガス排出用
マニホルドを構成し、透孔11群は冷却水を流動させる
冷却用マニホルドを構成する。
は、図7〜図9に示す如く、セパレータ1,1間にセル
電極2を挟圧させてなる単セル3を積層したものであ
る。セル電極2は、電解質膜4とその両側に配したガス
拡散電極たるアノード5及びカソード6とからなる方形
板状のサンドイッチ構造をなすものである。各セパレー
タ1は、導電性樹脂材(例えば炭素粉末とフェノール樹
脂等の熱硬化性樹脂との混成材)を金型により方形板状
に加圧成形してなるもので、両面(又は片面)の外周部
領域には適当数の透孔7,8,9,10,11が穿設さ
れており、セル電極2が設置される中心部領域12,1
3には、ガス拡散電極5,6との間にガス流路12a,
13a(図9参照)を形成するための凹溝ないし凹部が
設けられている。透孔7,8,9,10,11は、夫
々、単セル3を積層したスタックにおいて一連のマニホ
ルド(流体通路)を構成する。すなわち、透孔7群は、
水素含有ガス16をアノード5とセパレータ1との間に
形成されるガス流路12aに供給するガス供給用マニホ
ルドを構成し、透孔8群はガス流路12aに連通するガ
ス排出用マニホルドを構成し、透孔9群は、酸素含有ガ
ス17をカソード6とセパレータ1との間に形成される
ガス流路13aに供給するガス供給用マニホルドを構成
し、透孔10群はガス流路13aに連通するガス排出用
マニホルドを構成し、透孔11群は冷却水を流動させる
冷却用マニホルドを構成する。
【0003】かかる構成の燃料電池は、各単セル3のア
ノード側及びカソード側において「H2→2H++2
e-」及び「(1/2)O2+2H++2e-→H2O」の
電気化学反応を生じて、電池全体として「H2+(1/
2)O2→H2O」の電気化学反応が進行し、かかる化学
エネルギーを直接電気エネルギーに変換することで所定
の電池性能を発揮するものである。
ノード側及びカソード側において「H2→2H++2
e-」及び「(1/2)O2+2H++2e-→H2O」の
電気化学反応を生じて、電池全体として「H2+(1/
2)O2→H2O」の電気化学反応が進行し、かかる化学
エネルギーを直接電気エネルギーに変換することで所定
の電池性能を発揮するものである。
【0004】ところで、良好な電池性能を確保するため
には、電池の内部抵抗による損失を少なくすることが必
要であり、セパレータ1による電気抵抗を可及的に小さ
くしておく必要がある。而して、セパレータ1によって
生じる電池の内部抵抗は、セパレータそのものが有する
電気抵抗(以下「固有抵抗」という)とセパレータ1の
接触により発生する電気抵抗(以下「接触抵抗」とい
う)とであるが、一般に、固有抵抗は接触抵抗に比して
小さいことから、電池の内部抵抗による損失を少なくす
るためには、セパレータ1の接触抵抗を可及的に小さく
しておくことが極めて有効である。すなわち、固有抵抗
=(単位固有抵抗/セパレータ接触面積)×セパレータ
厚さ×セパレータ枚数で得られ、接触抵抗=(単位接触
抵抗/セパレータ接触面積)×セパレータ接触面数で得
られるが、例えば、単位固有抵抗=6×10-3Ω・c
m、単位接触抵抗=8×10-3Ω・cm2、接触面積=
100cm2、厚さ=0.2cm、枚数:100枚、接
触面数:200面(通常はセパレータ1とセル電極2と
を交互に配置するため、接触面数はセパレータ枚数の2
倍となる)であるとすると、固有抵抗=(6×10-3Ω
・cm/100cm2)×0.2cm×100枚=1.
2×10-3Ωとなり、接触抵抗=(8×10-3Ω・cm
2/100cm2)×200面=16×10-3Ωとなり、
接触抵抗は固有抵抗より一桁大きく電池の内部抵抗への
影響度が極めて高い。なお、単位固有抵抗及び単位接触
抵抗は、1枚のセパレータ1についての固有抵抗及び接
触抵抗である。
には、電池の内部抵抗による損失を少なくすることが必
要であり、セパレータ1による電気抵抗を可及的に小さ
くしておく必要がある。而して、セパレータ1によって
生じる電池の内部抵抗は、セパレータそのものが有する
電気抵抗(以下「固有抵抗」という)とセパレータ1の
接触により発生する電気抵抗(以下「接触抵抗」とい
う)とであるが、一般に、固有抵抗は接触抵抗に比して
小さいことから、電池の内部抵抗による損失を少なくす
るためには、セパレータ1の接触抵抗を可及的に小さく
しておくことが極めて有効である。すなわち、固有抵抗
=(単位固有抵抗/セパレータ接触面積)×セパレータ
厚さ×セパレータ枚数で得られ、接触抵抗=(単位接触
抵抗/セパレータ接触面積)×セパレータ接触面数で得
られるが、例えば、単位固有抵抗=6×10-3Ω・c
m、単位接触抵抗=8×10-3Ω・cm2、接触面積=
100cm2、厚さ=0.2cm、枚数:100枚、接
触面数:200面(通常はセパレータ1とセル電極2と
を交互に配置するため、接触面数はセパレータ枚数の2
倍となる)であるとすると、固有抵抗=(6×10-3Ω
・cm/100cm2)×0.2cm×100枚=1.
2×10-3Ωとなり、接触抵抗=(8×10-3Ω・cm
2/100cm2)×200面=16×10-3Ωとなり、
接触抵抗は固有抵抗より一桁大きく電池の内部抵抗への
影響度が極めて高い。なお、単位固有抵抗及び単位接触
抵抗は、1枚のセパレータ1についての固有抵抗及び接
触抵抗である。
【0005】而して、接触抵抗(単位接触抵抗)はセパ
レータ1の厚み方向の寸法精度(以下「板厚寸法精度」
という)及び密度分布によって大きく左右され、接触抵
抗の低減を図るためには、板厚寸法精度を高めると共に
密度分布を均一にしておくことが必要である。
レータ1の厚み方向の寸法精度(以下「板厚寸法精度」
という)及び密度分布によって大きく左右され、接触抵
抗の低減を図るためには、板厚寸法精度を高めると共に
密度分布を均一にしておくことが必要である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
のセパレータ1では、その外周形状が方形をなすもので
あるため、如何に高精度の金型を使用したとしても、板
厚寸法精度を高めることができず、また密度にバラツキ
を生じる。
のセパレータ1では、その外周形状が方形をなすもので
あるため、如何に高精度の金型を使用したとしても、板
厚寸法精度を高めることができず、また密度にバラツキ
を生じる。
【0007】すなわち、金型内の導電性樹脂材は加圧に
伴って金型の中心部から外方へと放射状に流動すること
になる。一方、方形をなすセパレータ1では中心から外
周縁までの距離に大きなバラツキがある。したがって、
中心からの距離が最大となる角部の周辺部分とそれ以外
の部分とでは密度が大きく異なり、板厚寸法精度も低く
なる。
伴って金型の中心部から外方へと放射状に流動すること
になる。一方、方形をなすセパレータ1では中心から外
周縁までの距離に大きなバラツキがある。したがって、
中心からの距離が最大となる角部の周辺部分とそれ以外
の部分とでは密度が大きく異なり、板厚寸法精度も低く
なる。
【0008】したがって、方形板状のセパレータ1で
は、金型等の成形条件を如何に工夫したとしても、接触
抵抗(単位接触抵抗)を低減させることが困難である。
しかも、密度のバラツキにより、局部的に接触抵抗(電
気抵抗)が大きくなり、単セル3内での電流の流れ方や
温度分布に影響を与えて、発電効率や電池寿命の低下を
招く虞れがある。
は、金型等の成形条件を如何に工夫したとしても、接触
抵抗(単位接触抵抗)を低減させることが困難である。
しかも、密度のバラツキにより、局部的に接触抵抗(電
気抵抗)が大きくなり、単セル3内での電流の流れ方や
温度分布に影響を与えて、発電効率や電池寿命の低下を
招く虞れがある。
【0009】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
で、接触抵抗(単位接触抵抗)を可及的に低減すること
ができ、電池性能(発電効率,電池寿命等)の大幅な向
上を図りうる燃料電池用セパレータを提供することを目
的とするものである。
で、接触抵抗(単位接触抵抗)を可及的に低減すること
ができ、電池性能(発電効率,電池寿命等)の大幅な向
上を図りうる燃料電池用セパレータを提供することを目
的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、導電性樹脂材
を金型により所定の板形状に加圧成形してなる燃料電池
用セパレータにおいて、上記の目的を達成すべく、特に
セパレータを次のような外周形状をなすものとしておく
ことを提案するものである。
を金型により所定の板形状に加圧成形してなる燃料電池
用セパレータにおいて、上記の目的を達成すべく、特に
セパレータを次のような外周形状をなすものとしておく
ことを提案するものである。
【0011】すなわち、請求項1の発明(以下「第1発
明」という)ではセパレータの外周形状を円形となして
おくことを提案する。
明」という)ではセパレータの外周形状を円形となして
おくことを提案する。
【0012】セパレータの外周形状を円形となしておく
と、その中心から外周縁までの距離が一定(当該円形の
半径)となるから、加圧成形時における金型内での導電
性樹脂材の流動が円滑且つ均一に行われる。したがっ
て、金型精度をある程度以上に高めておくことにより、
板厚寸法精度が高く且つ均一密度のセパレータを得るこ
とができる。その結果、円形のセパレータを使用した固
体高分子電解質型燃料電池では、セパレータによる電気
抵抗(接触抵抗)の低減を図ることができ、電池性能を
大幅に向上させることができる。
と、その中心から外周縁までの距離が一定(当該円形の
半径)となるから、加圧成形時における金型内での導電
性樹脂材の流動が円滑且つ均一に行われる。したがっ
て、金型精度をある程度以上に高めておくことにより、
板厚寸法精度が高く且つ均一密度のセパレータを得るこ
とができる。その結果、円形のセパレータを使用した固
体高分子電解質型燃料電池では、セパレータによる電気
抵抗(接触抵抗)の低減を図ることができ、電池性能を
大幅に向上させることができる。
【0013】また、請求項2の発明(以下「第2発明」
という)では、セパレータの外周形状を正N角形(Nは
5以上の自然数である)となし、その角数Nを、当該正
N角形に外接する仮想円の半径R(mm)との関係にお
いて0<R・cos(180°/N)≦23となる範囲
で決定しておくことを提案する。
という)では、セパレータの外周形状を正N角形(Nは
5以上の自然数である)となし、その角数Nを、当該正
N角形に外接する仮想円の半径R(mm)との関係にお
いて0<R・cos(180°/N)≦23となる範囲
で決定しておくことを提案する。
【0014】ところで、85%の黒鉛粉末と15%のフ
ェノール樹脂とからなる混成材(導電性樹脂材)を金型
により複数種の正N角形の平板(厚さ:2mm)に加圧
成形してみたところ、当該正N角形における中心から外
周縁までの距離の最大値(当該正N角形に外接する仮想
円の半径Rに一致する)が120mm以下であるとき
は、角数N(≧5)の多少に拘わらず、成形品(正N角
形平板)の板厚寸法精度も十分満足でき、局部的な密度
の不均一もなかった。しかし、N=3,4である場合、
つまり正三角形及び正方形である場合には、R≦120
mmであるときにも、角部の頂角がN≧5である場合の
ように鈍角となっていないためか、角部周辺部分と中心
部分とで密度が大きく異なった。一方、R>120mm
となる正N角形については、外接円半径R及び角数Nが
板厚寸法精度及び密度分布の良否に大きく影響し、外接
円半径Rが大きくなれば、これに伴って角数Nも大きく
することで、板厚寸法精度も十分満足でき且つ密度が均
一な成形品を得られることが判明した。
ェノール樹脂とからなる混成材(導電性樹脂材)を金型
により複数種の正N角形の平板(厚さ:2mm)に加圧
成形してみたところ、当該正N角形における中心から外
周縁までの距離の最大値(当該正N角形に外接する仮想
円の半径Rに一致する)が120mm以下であるとき
は、角数N(≧5)の多少に拘わらず、成形品(正N角
形平板)の板厚寸法精度も十分満足でき、局部的な密度
の不均一もなかった。しかし、N=3,4である場合、
つまり正三角形及び正方形である場合には、R≦120
mmであるときにも、角部の頂角がN≧5である場合の
ように鈍角となっていないためか、角部周辺部分と中心
部分とで密度が大きく異なった。一方、R>120mm
となる正N角形については、外接円半径R及び角数Nが
板厚寸法精度及び密度分布の良否に大きく影響し、外接
円半径Rが大きくなれば、これに伴って角数Nも大きく
することで、板厚寸法精度も十分満足でき且つ密度が均
一な成形品を得られることが判明した。
【0015】これらのことから、外接円半径Rと角数N
とが共に増加若しくは減少するならば、板厚寸法精度及
び密度の良好性ないし金型内での材料流動性の良好性を
確保できると推測される。さらに、外接円半径Rと角数
Nとが共に増加若しくは減少するということは、正N角
形における中心から外周縁までの距離のバラツキが、
R,Nの値に拘わらず、一定範囲にあるという推測が成
立する。そして、正N角形における中心から外周縁まで
の距離のバラツキは、図2〜図6に例示する如く、中心
Oから外周縁までの距離の最大値(中心Oと任意の角部
Aとを結ぶ線分OAの長さで与えられる)と当該距離の
最小値(中心Oと任意の一辺ACの二等分点(中間点)
Bとを結ぶ線分OBの長さで与えられる)との差(以下
「半径方向バラツキ量」という)Hで特定することがで
きる。ここに、線分OAの長さは角部Aを通過する外接
円(上記の仮想円)Dの半径R(mm)で得られ、線分
OBの長さは半径Rと∠AOC(=θ)の余弦との積
(R・cosθ)で与えられ、θ=180°/Nである
ことから、半径方向バラツキ量HはH=R(1−cos
θ)=R(1−cos(180°/N))(mm)で与
えられる。
とが共に増加若しくは減少するならば、板厚寸法精度及
び密度の良好性ないし金型内での材料流動性の良好性を
確保できると推測される。さらに、外接円半径Rと角数
Nとが共に増加若しくは減少するということは、正N角
形における中心から外周縁までの距離のバラツキが、
R,Nの値に拘わらず、一定範囲にあるという推測が成
立する。そして、正N角形における中心から外周縁まで
の距離のバラツキは、図2〜図6に例示する如く、中心
Oから外周縁までの距離の最大値(中心Oと任意の角部
Aとを結ぶ線分OAの長さで与えられる)と当該距離の
最小値(中心Oと任意の一辺ACの二等分点(中間点)
Bとを結ぶ線分OBの長さで与えられる)との差(以下
「半径方向バラツキ量」という)Hで特定することがで
きる。ここに、線分OAの長さは角部Aを通過する外接
円(上記の仮想円)Dの半径R(mm)で得られ、線分
OBの長さは半径Rと∠AOC(=θ)の余弦との積
(R・cosθ)で与えられ、θ=180°/Nである
ことから、半径方向バラツキ量HはH=R(1−cos
θ)=R(1−cos(180°/N))(mm)で与
えられる。
【0016】一方、上記した実験で得たデータを整理す
ると共に、データから半径方向バラツキ量Hを算出し
た。その結果は、表1に示す通りである。なお、表1に
おける成形品の評価は、板厚寸法精度及び密度の何れに
ついても、当該正N角形の外接円半径Rと同一寸法の円
形成形品(厚さ及び使用材料並びに成形条件は当該正N
角形の成形品と同じである)に比して、同等であるもの
については○で示し、板厚寸法精度及び密度の少なくと
も一方が当該円形成形品に比して明らかに劣るものにつ
いては×で示した。
ると共に、データから半径方向バラツキ量Hを算出し
た。その結果は、表1に示す通りである。なお、表1に
おける成形品の評価は、板厚寸法精度及び密度の何れに
ついても、当該正N角形の外接円半径Rと同一寸法の円
形成形品(厚さ及び使用材料並びに成形条件は当該正N
角形の成形品と同じである)に比して、同等であるもの
については○で示し、板厚寸法精度及び密度の少なくと
も一方が当該円形成形品に比して明らかに劣るものにつ
いては×で示した。
【0017】
【表1】
【0018】而して、表1に示されたデータは上記した
推測を裏付けるものであり、表1に示された成形品評価
と半径方向バラツキ量Hとの関係から、H≦23mmの
場合には角数N及び外接円半径Rに関係なく成形品評価
が○であり、H>23mmの場合には角数N及び外接円
半径Rに関係なく成形品評価が×であることが理解され
る。
推測を裏付けるものであり、表1に示された成形品評価
と半径方向バラツキ量Hとの関係から、H≦23mmの
場合には角数N及び外接円半径Rに関係なく成形品評価
が○であり、H>23mmの場合には角数N及び外接円
半径Rに関係なく成形品評価が×であることが理解され
る。
【0019】以上の点から、第2発明では、セパレータ
の外周形状を正N角形とする場合においては、N≧5及
び0mm<H(=R・cos(180°/N))≦23
mmが満足されることを必須条件とした。かかる条件が
満足される限りにおいて、第1発明のセパレータと同等
の板厚寸法精度及び密度分布を得ることができるのであ
る。すなわち、円形のセパレータを使用した固体高分子
電解質型燃料電池と同様に、セパレータによる電気抵抗
(接触抵抗)の低減を図ることができ、電池性能を大幅
に向上させることができるのである。
の外周形状を正N角形とする場合においては、N≧5及
び0mm<H(=R・cos(180°/N))≦23
mmが満足されることを必須条件とした。かかる条件が
満足される限りにおいて、第1発明のセパレータと同等
の板厚寸法精度及び密度分布を得ることができるのであ
る。すなわち、円形のセパレータを使用した固体高分子
電解質型燃料電池と同様に、セパレータによる電気抵抗
(接触抵抗)の低減を図ることができ、電池性能を大幅
に向上させることができるのである。
【0020】なお、第1及び第2発明の何れにおいて
も、導電性樹脂材としては、公知のセパレータに使用さ
れているものを任意に選択することができるが、一般
に、85〜97%の黒鉛粉末と15〜3%の熱硬化性樹
脂(フェノール樹脂等)とからなる複合材を使用してお
くことが好ましい。また、第1及び第2発明は、外周領
域にマニホルド形成用の透孔を設けた内部マニホルド方
式のセパレータの他、このようなマニホルド形成用の透
孔を有しない外部マニホルド方式のセパレータにも当然
に適用することができる。
も、導電性樹脂材としては、公知のセパレータに使用さ
れているものを任意に選択することができるが、一般
に、85〜97%の黒鉛粉末と15〜3%の熱硬化性樹
脂(フェノール樹脂等)とからなる複合材を使用してお
くことが好ましい。また、第1及び第2発明は、外周領
域にマニホルド形成用の透孔を設けた内部マニホルド方
式のセパレータの他、このようなマニホルド形成用の透
孔を有しない外部マニホルド方式のセパレータにも当然
に適用することができる。
【0021】
【実施例】第1実施例として、図1に示す如く、外周形
状が半径R=296mmの円形をなす第1発明に係るセ
パレータ101を得た。
状が半径R=296mmの円形をなす第1発明に係るセ
パレータ101を得た。
【0022】第2実施例として、図2に示す如く、外周
形状が外接円半径R=120mmの正五角形をなす第2
発明に係るセパレータ201を得た。
形状が外接円半径R=120mmの正五角形をなす第2
発明に係るセパレータ201を得た。
【0023】第3実施例として、図3に示す如く、外周
形状が外接円半径R=150mmの正六角形をなす第2
発明に係るセパレータ202を得た。
形状が外接円半径R=150mmの正六角形をなす第2
発明に係るセパレータ202を得た。
【0024】第4実施例として、図4に示す如く、外周
形状が外接円半径R=230mmの正七角形をなす第2
発明に係るセパレータ203を得た。
形状が外接円半径R=230mmの正七角形をなす第2
発明に係るセパレータ203を得た。
【0025】第5実施例として、図5に示す如く、外周
形状が外接円半径R=296mmの正八角形をなす第2
発明に係るセパレータ204を得た。
形状が外接円半径R=296mmの正八角形をなす第2
発明に係るセパレータ204を得た。
【0026】第6実施例として、図6に示す如く、外周
形状が外接円半径R=296mmの正九角形をなす第2
発明に係るセパレータ205を得た。
形状が外接円半径R=296mmの正九角形をなす第2
発明に係るセパレータ205を得た。
【0027】また、比較例として、図7〜図9に示す如
く、外周形状が縦275mm,横225mmの矩形をな
す従来のセパレータ1を得た。
く、外周形状が縦275mm,横225mmの矩形をな
す従来のセパレータ1を得た。
【0028】各セパレータ1,101,201,20
2,203,204,205の板厚は2mmであり、そ
の成形は、85%の黒鉛粉末と15%のフェノール樹脂
とからなる導電性樹脂材を所定の金型に注入して、所定
圧で加圧することによって行った。セパレータ101,
201,202,203,204,205については図
示しないが、図7〜図9に例示する如く、各セパレータ
1,101,201,202,203,204,205
の両面(又は片面)の外周部領域には水素含有ガス16
及び酸素含有ガスの給排マニホルド並びに冷却用マニホ
ルドを構成するための適当数の透孔7,8,9,10,
11が設けられており、その中心部領域12,13には
ガス流路12a,13aを形成するための凹溝ないし凹
部が設けられている。
2,203,204,205の板厚は2mmであり、そ
の成形は、85%の黒鉛粉末と15%のフェノール樹脂
とからなる導電性樹脂材を所定の金型に注入して、所定
圧で加圧することによって行った。セパレータ101,
201,202,203,204,205については図
示しないが、図7〜図9に例示する如く、各セパレータ
1,101,201,202,203,204,205
の両面(又は片面)の外周部領域には水素含有ガス16
及び酸素含有ガスの給排マニホルド並びに冷却用マニホ
ルドを構成するための適当数の透孔7,8,9,10,
11が設けられており、その中心部領域12,13には
ガス流路12a,13aを形成するための凹溝ないし凹
部が設けられている。
【0029】而して、比較例のセパレータ1について、
板厚寸法精度及び単位接触抵抗を測定したところ、板厚
寸法精度はR30μmであり、単位接触抵抗は18×1
0-3Ω・cm2であった。これに対して、各実施例のセ
パレータ101,201,202,203,204,2
05については、何れも、板厚寸法精度はR20μm以
下であり、単位接触抵抗は5×10-3Ω・cm2以下で
あった。したがって、第1及び第2発明のセパレータを
使用した固体高分子電解質型燃料電池にあっては、発電
効率及び電池寿命等の電池性能が大幅に向上することが
理解される。
板厚寸法精度及び単位接触抵抗を測定したところ、板厚
寸法精度はR30μmであり、単位接触抵抗は18×1
0-3Ω・cm2であった。これに対して、各実施例のセ
パレータ101,201,202,203,204,2
05については、何れも、板厚寸法精度はR20μm以
下であり、単位接触抵抗は5×10-3Ω・cm2以下で
あった。したがって、第1及び第2発明のセパレータを
使用した固体高分子電解質型燃料電池にあっては、発電
効率及び電池寿命等の電池性能が大幅に向上することが
理解される。
【0030】ところで、積層された単セル群の連結は、
図1又は図8に示す如く、単セル群の両側に配した加圧
板21,21間を複数のロッド22で締結させることに
よって行われるが、従来のセパレータ1を使用した場合
には、図8に示す如く、ロッド22の挿通空間を確保す
るために、加圧板21の外形寸法をセパレータ1に比し
てかなり大きく設定しておく必要がある。しかし、第1
及び第2発明のセパレータを使用した場合には、セパレ
ータの外周形状が円形若しくはこれに近い多角形をなす
ことから、図1に例示する如く、ロッド22の挿通空間
を確保するために加圧板21の外形寸法を大きくしてお
く必要がなく、セパレータ101に比して必要以上に大
きくならない。その結果、電池全体としての小型化を図
ることが可能となる。
図1又は図8に示す如く、単セル群の両側に配した加圧
板21,21間を複数のロッド22で締結させることに
よって行われるが、従来のセパレータ1を使用した場合
には、図8に示す如く、ロッド22の挿通空間を確保す
るために、加圧板21の外形寸法をセパレータ1に比し
てかなり大きく設定しておく必要がある。しかし、第1
及び第2発明のセパレータを使用した場合には、セパレ
ータの外周形状が円形若しくはこれに近い多角形をなす
ことから、図1に例示する如く、ロッド22の挿通空間
を確保するために加圧板21の外形寸法を大きくしてお
く必要がなく、セパレータ101に比して必要以上に大
きくならない。その結果、電池全体としての小型化を図
ることが可能となる。
【0031】
【発明の効果】以上の説明から理解されるように、第1
及び第2発明によれば、板厚寸法精度が高く且つ局部的
な密度のバラツキがない均一密度のセパレータを得るこ
とができ、セパレータの単位接触抵抗の低減、セパレー
タの強度向上やセパレータ間のシール性能向上を図るこ
とができ、セパレータの薄肉化ないし電池の小型化を容
易に実現することができる。したがって、第1及び第2
発明のセパレータを使用することにより、電池の内部抵
抗による損失を可及的に低減し得て、発電効率及び電池
寿命等の電池性能を大幅に向上させることができる。
及び第2発明によれば、板厚寸法精度が高く且つ局部的
な密度のバラツキがない均一密度のセパレータを得るこ
とができ、セパレータの単位接触抵抗の低減、セパレー
タの強度向上やセパレータ間のシール性能向上を図るこ
とができ、セパレータの薄肉化ないし電池の小型化を容
易に実現することができる。したがって、第1及び第2
発明のセパレータを使用することにより、電池の内部抵
抗による損失を可及的に低減し得て、発電効率及び電池
寿命等の電池性能を大幅に向上させることができる。
【図1】第1発明に係るセパレータを示す概略正面図で
ある。
ある。
【図2】第2発明に係るセパレータを示す概略正面図で
ある。
ある。
【図3】第2発明に係るセパレータの変形例を示す概略
正面図である。
正面図である。
【図4】第2発明に係るセパレータの他の変形例を示す
概略正面図である。
概略正面図である。
【図5】第2発明に係るセパレータの更に他の変形例を
示す概略正面図である。
示す概略正面図である。
【図6】第2発明に係るセパレータの更に他の変形例を
示す概略正面図である。
示す概略正面図である。
【図7】従来のセパレータの正面図である。
【図8】同セパレータの背面図である。
【図9】同セパレータを使用した単セルの要部の縦断側
面図である。
面図である。
101,201,202,203,204,205…セ
パレータ。
パレータ。
Claims (2)
- 【請求項1】 導電性樹脂材を金型により所定の板形状
に加圧成形してなる燃料電池用セパレータにおいて、外
周形状が円形をなすものとしたことを特徴とする燃料電
池用セパレータ。 - 【請求項2】 導電性樹脂材を金型により所定の板形状
に加圧成形してなる燃料電池用セパレータにおいて、外
周形状が正N角形(Nは5以上の自然数である)をなす
ものとし、その角数Nが、当該正N角形に外接する仮想
円の半径R(mm)との関係において0<R・cos
(180°/N)≦23となる範囲で決定されているこ
とを特徴とする燃料電池用セパレータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000380835A JP3479774B2 (ja) | 2000-12-14 | 2000-12-14 | 燃料電池用セパレータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000380835A JP3479774B2 (ja) | 2000-12-14 | 2000-12-14 | 燃料電池用セパレータ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002184423A true JP2002184423A (ja) | 2002-06-28 |
JP3479774B2 JP3479774B2 (ja) | 2003-12-15 |
Family
ID=18848952
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000380835A Expired - Fee Related JP3479774B2 (ja) | 2000-12-14 | 2000-12-14 | 燃料電池用セパレータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3479774B2 (ja) |
-
2000
- 2000-12-14 JP JP2000380835A patent/JP3479774B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3479774B2 (ja) | 2003-12-15 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |