JP2002177880A - 硬化塗膜形成方法 - Google Patents
硬化塗膜形成方法Info
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- JP2002177880A JP2002177880A JP2000382984A JP2000382984A JP2002177880A JP 2002177880 A JP2002177880 A JP 2002177880A JP 2000382984 A JP2000382984 A JP 2000382984A JP 2000382984 A JP2000382984 A JP 2000382984A JP 2002177880 A JP2002177880 A JP 2002177880A
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- JP
- Japan
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- coating film
- primer
- photopolymerizable
- cured
- coated
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- Paints Or Removers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 光照射を行ったかどうか、即ち塗膜が硬化し
たかどうかを、簡便に、かつ短時間に判断することがで
き、かつ光照射によって光退色性着色剤を実質的に、し
かも従来法に比して短時間に脱色させて塗膜全体を被塗
面本来の色に戻すことができる硬化塗膜形成方法を提供
することである。また、プライマーの塗り残しや塗りム
ラを生じることなく、均一なプライマー層を形成するこ
とができる硬化塗膜形成方法を提供することである。 【解決手段】 必須成分として光退色性着色剤および光
開始剤を含有するプライマーを被塗面に塗布してプライ
マー層を形成後、該プライマー層上に必須成分として光
重合性樹脂および光開始剤を含有する光重合性コーティ
ング剤を塗布したものに光を照射して塗膜を硬化させる
方法。
たかどうかを、簡便に、かつ短時間に判断することがで
き、かつ光照射によって光退色性着色剤を実質的に、し
かも従来法に比して短時間に脱色させて塗膜全体を被塗
面本来の色に戻すことができる硬化塗膜形成方法を提供
することである。また、プライマーの塗り残しや塗りム
ラを生じることなく、均一なプライマー層を形成するこ
とができる硬化塗膜形成方法を提供することである。 【解決手段】 必須成分として光退色性着色剤および光
開始剤を含有するプライマーを被塗面に塗布してプライ
マー層を形成後、該プライマー層上に必須成分として光
重合性樹脂および光開始剤を含有する光重合性コーティ
ング剤を塗布したものに光を照射して塗膜を硬化させる
方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光重合性コーティ
ング剤の硬化状態を光退色性着色剤の色変化を目視する
ことによって簡便に判断することができ、かつ光照射に
よって光退色性着色剤を実質的にかつ従来法に比して短
時間に脱色させて、塗膜全体を実質的に透明として塗膜
上から見た時に被塗面本来の色が見えることができる硬
化塗膜形成方法に関する。さらに、プライマー層の塗り
残しや塗りムラを目視で簡便に確認しながら、被塗面全
体にほぼ均一なプライマー層を容易に形成することがで
きる硬化塗膜形成方法に関する。
ング剤の硬化状態を光退色性着色剤の色変化を目視する
ことによって簡便に判断することができ、かつ光照射に
よって光退色性着色剤を実質的にかつ従来法に比して短
時間に脱色させて、塗膜全体を実質的に透明として塗膜
上から見た時に被塗面本来の色が見えることができる硬
化塗膜形成方法に関する。さらに、プライマー層の塗り
残しや塗りムラを目視で簡便に確認しながら、被塗面全
体にほぼ均一なプライマー層を容易に形成することがで
きる硬化塗膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、光重合性樹脂は特定の光を照射
すれば短時間に硬化を完了する。光重合性樹脂を含有す
る組成物を光照射により硬化させる場合、どの部分を光
照射したかどうか、即ち、どの部分が光硬化したかどう
かは外観だけでは判断し難く、誤って作業者が接触など
して未硬化部の塗膜に損傷を与え、美観を損ねることが
多い。さらに、建築物の床面や壁面のように被塗面を移
動できないような現場施工において、光重合性コーティ
ング剤からなる塗膜を硬化させる場合には、紫外線照射
装置を移動して硬化させなければならず、紫外線照射装
置の移動は人為的に行われるため、未硬化部を残してし
まうことがしばしばある。作業者は、硬化部のつもりで
未硬化部に立ち入ったり、紫外線照射装置や人体が未硬
化部に接触したりして、塗膜に損傷を与え、美観を損ね
てしまうことが多い。
すれば短時間に硬化を完了する。光重合性樹脂を含有す
る組成物を光照射により硬化させる場合、どの部分を光
照射したかどうか、即ち、どの部分が光硬化したかどう
かは外観だけでは判断し難く、誤って作業者が接触など
して未硬化部の塗膜に損傷を与え、美観を損ねることが
多い。さらに、建築物の床面や壁面のように被塗面を移
動できないような現場施工において、光重合性コーティ
ング剤からなる塗膜を硬化させる場合には、紫外線照射
装置を移動して硬化させなければならず、紫外線照射装
置の移動は人為的に行われるため、未硬化部を残してし
まうことがしばしばある。作業者は、硬化部のつもりで
未硬化部に立ち入ったり、紫外線照射装置や人体が未硬
化部に接触したりして、塗膜に損傷を与え、美観を損ね
てしまうことが多い。
【0003】このような問題点を解決するため、光変色
性化合物を含有する光重合性塗料を被塗面に塗布し、次
に光照射による塗面の変色性により硬化状態を確認しな
がら硬化塗膜を形成させる方法が、特開平1−2049
75に開示されている。当該公報においては、被塗面に
塗布された光重合性塗料の塗膜を、光照射下にその硬化
状態を確認しながら硬化させることを目的としている
が、短時間に塗膜全体を実質的に透明として塗膜上から
見た時に被塗面本来の色が見えるようにすることを目的
としておらず、当該目的を達成するための手段が開示さ
れていない。さらに、当該公報における実施例において
は、光変色性化合物として、光により発色し、光源除去
後に消色する化合物を使用しており、さらに光源除去か
ら24時間経過後に消色することが記載されているが、
消色するのに24時間と長時間を要している(実施例よ
り)。さらに、当該方法を追試した結果、24時間経過
後も実質的に脱色したとはいえず、光変色性化合物由来
の色が残っていた。このように、引例の方法は必ずしも
現場施工上好ましい方法とはいえない。
性化合物を含有する光重合性塗料を被塗面に塗布し、次
に光照射による塗面の変色性により硬化状態を確認しな
がら硬化塗膜を形成させる方法が、特開平1−2049
75に開示されている。当該公報においては、被塗面に
塗布された光重合性塗料の塗膜を、光照射下にその硬化
状態を確認しながら硬化させることを目的としている
が、短時間に塗膜全体を実質的に透明として塗膜上から
見た時に被塗面本来の色が見えるようにすることを目的
としておらず、当該目的を達成するための手段が開示さ
れていない。さらに、当該公報における実施例において
は、光変色性化合物として、光により発色し、光源除去
後に消色する化合物を使用しており、さらに光源除去か
ら24時間経過後に消色することが記載されているが、
消色するのに24時間と長時間を要している(実施例よ
り)。さらに、当該方法を追試した結果、24時間経過
後も実質的に脱色したとはいえず、光変色性化合物由来
の色が残っていた。このように、引例の方法は必ずしも
現場施工上好ましい方法とはいえない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、光照射を行ったかどうか、即ち塗膜が硬化したかど
うかを、簡便にかつ短時間に判断することができるだけ
でなく、光照射によって光退色性着色剤を実質的にしか
も従来法に比して短時間に脱色させて塗膜全体を実質的
に透明として塗膜上から見た時に被塗面本来の色が見え
ることができる硬化塗膜形成方法を提供することであ
る。さらに、プライマーの塗り残しや塗りムラを生じる
ことなく、被塗面全体にほぼ均一なプライマー層を形成
することができる硬化塗膜形成方法を提供することであ
る。
は、光照射を行ったかどうか、即ち塗膜が硬化したかど
うかを、簡便にかつ短時間に判断することができるだけ
でなく、光照射によって光退色性着色剤を実質的にしか
も従来法に比して短時間に脱色させて塗膜全体を実質的
に透明として塗膜上から見た時に被塗面本来の色が見え
ることができる硬化塗膜形成方法を提供することであ
る。さらに、プライマーの塗り残しや塗りムラを生じる
ことなく、被塗面全体にほぼ均一なプライマー層を形成
することができる硬化塗膜形成方法を提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため鋭意研究を行った結果、プライマーに必
須成分として光退色性着色剤および光開始剤を含有さ
せ、これを被塗面に塗布してプライマー層を形成後、該
プライマー層上に必須成分として光重合性樹脂および光
開始剤を含有する光重合性コーティング剤を塗布したも
のに光を照射すれば、光退色性着色剤が短時間にかつ実
質的に脱色し、塗膜全体を実質的に透明として塗膜上か
ら見た時に被塗面本来の色が見えるようになって光照射
をした箇所としていない箇所とを目視によって簡便に区
別することができることを見出し、本発明を完成するに
至った。一般に、光重合性樹脂は光照射によって瞬時に
硬化するため、本発明の方法を用いれば、塗膜の硬化状
態を塗膜の色変化を目視するという簡便な方法によって
判断することができる。
を達成するため鋭意研究を行った結果、プライマーに必
須成分として光退色性着色剤および光開始剤を含有さ
せ、これを被塗面に塗布してプライマー層を形成後、該
プライマー層上に必須成分として光重合性樹脂および光
開始剤を含有する光重合性コーティング剤を塗布したも
のに光を照射すれば、光退色性着色剤が短時間にかつ実
質的に脱色し、塗膜全体を実質的に透明として塗膜上か
ら見た時に被塗面本来の色が見えるようになって光照射
をした箇所としていない箇所とを目視によって簡便に区
別することができることを見出し、本発明を完成するに
至った。一般に、光重合性樹脂は光照射によって瞬時に
硬化するため、本発明の方法を用いれば、塗膜の硬化状
態を塗膜の色変化を目視するという簡便な方法によって
判断することができる。
【0006】また、本発明の方法ではプライマー層に光
退色性着色剤を含有しているため、色の濃淡を目視で確
認しながらプライマーを塗布することができるため、プ
ライマー層の塗り残しや塗りムラをほとんど生じること
なく、被塗面全体にほぼ均一なプライマー層を形成する
ことができる。さらに、本発明の方法において光重合性
コーティング剤が水性エマルション系の形態または水性
ディスパーション系の形態である場合、光重合性コーテ
ィング剤は白濁しているため、塗布した光重合性コーテ
ィング剤からなる層の白濁の度合いによって、塗り残し
や塗りムラを目視で簡便に判断できるため、プライマー
層全体にほぼ均一な光重合性コーティング剤からなる層
を形成することができる。以上のことから、本発明の方
法は現場施工上、優れた方法であるといえる。
退色性着色剤を含有しているため、色の濃淡を目視で確
認しながらプライマーを塗布することができるため、プ
ライマー層の塗り残しや塗りムラをほとんど生じること
なく、被塗面全体にほぼ均一なプライマー層を形成する
ことができる。さらに、本発明の方法において光重合性
コーティング剤が水性エマルション系の形態または水性
ディスパーション系の形態である場合、光重合性コーテ
ィング剤は白濁しているため、塗布した光重合性コーテ
ィング剤からなる層の白濁の度合いによって、塗り残し
や塗りムラを目視で簡便に判断できるため、プライマー
層全体にほぼ均一な光重合性コーティング剤からなる層
を形成することができる。以上のことから、本発明の方
法は現場施工上、優れた方法であるといえる。
【0007】即ち、本発明は、[1] 被塗面に、必須成
分として光退色性着色剤および光開始剤を含有するプラ
イマーを塗布してプライマー層を形成後、該プライマー
層上に必須成分として光重合性樹脂および光開始剤を含
有する光重合性コーティング剤を塗布し、光照射するこ
とによって塗膜を硬化させることを特徴とする、硬化塗
膜形成方法、[2] 光退色性着色剤がアゾ系化合物であ
る、上記[1]の硬化塗膜形成方法、[3] 紫外線照射装置
を移動させて光照射する、上記[1]または[2]の硬化塗膜
形成方法、[4] 被塗面が床材である、上記[1]〜[3]の
いずれかの硬化塗膜形成方法、[5] プライマーが水性
の形態である、上記[1]〜[4]のいずれかの硬化塗膜形成
方法、[6] 光重合性コーティング剤が水性の形態であ
る、上記[1]〜[5]のいずれかの硬化塗膜形成方法、およ
び[7] 光重合性コーティング剤が水性エマルション系
の形態または水性ディスパーション系の形態である、上
記[6]の硬化塗膜形成方法に関する。
分として光退色性着色剤および光開始剤を含有するプラ
イマーを塗布してプライマー層を形成後、該プライマー
層上に必須成分として光重合性樹脂および光開始剤を含
有する光重合性コーティング剤を塗布し、光照射するこ
とによって塗膜を硬化させることを特徴とする、硬化塗
膜形成方法、[2] 光退色性着色剤がアゾ系化合物であ
る、上記[1]の硬化塗膜形成方法、[3] 紫外線照射装置
を移動させて光照射する、上記[1]または[2]の硬化塗膜
形成方法、[4] 被塗面が床材である、上記[1]〜[3]の
いずれかの硬化塗膜形成方法、[5] プライマーが水性
の形態である、上記[1]〜[4]のいずれかの硬化塗膜形成
方法、[6] 光重合性コーティング剤が水性の形態であ
る、上記[1]〜[5]のいずれかの硬化塗膜形成方法、およ
び[7] 光重合性コーティング剤が水性エマルション系
の形態または水性ディスパーション系の形態である、上
記[6]の硬化塗膜形成方法に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明における「水性」とは、媒
質が水単独、または有機溶剤を含んでいてもよいがその
量は全体5重量%以下である系のことであり、例えば水
溶液系、水性エマルション系、水性ディスパーション系
などを含む。
質が水単独、または有機溶剤を含んでいてもよいがその
量は全体5重量%以下である系のことであり、例えば水
溶液系、水性エマルション系、水性ディスパーション系
などを含む。
【0009】プライマー プライマーとは、光重合性コーティング剤の下層に塗布
する塗布液のことであり、本発明のプライマーは必須成
分として光退色性着色剤および光開始剤を含有してお
り、光を照射することによって、実質的にかつ従来法に
比して短時間に脱色する。光退色性着色剤は光開始剤の
非存在下では実質的に脱色することはないため、プライ
マーに光開始剤を配合することは、塗膜全体を実質的に
透明として塗膜上から見た時に被塗面本来の色が見える
ようにするために非常に重要である。
する塗布液のことであり、本発明のプライマーは必須成
分として光退色性着色剤および光開始剤を含有してお
り、光を照射することによって、実質的にかつ従来法に
比して短時間に脱色する。光退色性着色剤は光開始剤の
非存在下では実質的に脱色することはないため、プライ
マーに光開始剤を配合することは、塗膜全体を実質的に
透明として塗膜上から見た時に被塗面本来の色が見える
ようにするために非常に重要である。
【0010】プライマー中の光退色性着色剤とは、光開
始剤存在下、200nm〜800nmの波長の光を照射
後、光開始剤から発生するラジカルや光が作用して短時
間に(好ましくは瞬時(1秒以下)に)、かつ実質的に
脱色するような着色剤である。本発明における短時間と
は通常5秒以下を指し、「実質的に脱色する」とは目視
によって脱色していると判断できる状態になることを指
す。光退色性着色剤としては、例えばアゾ化合物などが
挙げられ、市販されている、UV Red 101、U
V Blue 18、UV Blue 236、UV
Blue 784(いずれも三井化学(株)社製)が特
に好ましい。当該光退色性着色剤の含有量が、プライマ
ー全体の1%を超えるとプライマーに光開始剤を含んで
いても光退色性着色剤を実質的に脱色しにくくなって色
が残ってしまい、被塗面の色相を損ねる場合があるた
め、当該光退色性着色剤は、プライマー全体の、通常1
%以下、好ましくは100ppm以下配合するのがよ
い。また、当該光退色性着色剤の含有量が、プライマー
全体の1ppm未満となると着色濃度が低く、施工時に
色を確認しにくくなり、硬化部と未硬化部との区別がつ
き難くなり、プライマーの塗り残しや塗りムラが判別し
にくくなるため、光退色性着色剤は、プライマー全体
の、好ましくは1ppm以上、より好ましくは10pp
m以上配合する。
始剤存在下、200nm〜800nmの波長の光を照射
後、光開始剤から発生するラジカルや光が作用して短時
間に(好ましくは瞬時(1秒以下)に)、かつ実質的に
脱色するような着色剤である。本発明における短時間と
は通常5秒以下を指し、「実質的に脱色する」とは目視
によって脱色していると判断できる状態になることを指
す。光退色性着色剤としては、例えばアゾ化合物などが
挙げられ、市販されている、UV Red 101、U
V Blue 18、UV Blue 236、UV
Blue 784(いずれも三井化学(株)社製)が特
に好ましい。当該光退色性着色剤の含有量が、プライマ
ー全体の1%を超えるとプライマーに光開始剤を含んで
いても光退色性着色剤を実質的に脱色しにくくなって色
が残ってしまい、被塗面の色相を損ねる場合があるた
め、当該光退色性着色剤は、プライマー全体の、通常1
%以下、好ましくは100ppm以下配合するのがよ
い。また、当該光退色性着色剤の含有量が、プライマー
全体の1ppm未満となると着色濃度が低く、施工時に
色を確認しにくくなり、硬化部と未硬化部との区別がつ
き難くなり、プライマーの塗り残しや塗りムラが判別し
にくくなるため、光退色性着色剤は、プライマー全体
の、好ましくは1ppm以上、より好ましくは10pp
m以上配合する。
【0011】本発明におけるプライマー中の光開始剤と
は、光照射によってラジカルを生じる物質を意味し、光
重合開始剤として通常用いられるものであれば特に限定
はなく、例えば、ベンゾイル系(例えば、1−ヒドロキ
シシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−
[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロ
パン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フ
ェニルプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチ
ルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−
1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フ
ェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン
−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−
ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4’−イ
ソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェ
ノンなど)、ホスフィンオキサイド系(例えば、ビスア
シルホスフィンオキサイド、アシルホスフィンオキサイ
ド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホス
フィンオキサイド、2,6−ジメチルベンゾイルジフェ
ニルホスフィンオキサイド、ベンゾイルジエトキシホス
フィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイ
ル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキ
サイドなど)、ベンゾインアルキルエーテル(例えば、
ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテ
ル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソ
ブチルエーテル、n−ブチルベンゾインエーテルな
ど)、アセトフェノン系(例えば、p−tert−ブチ
ルトリクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルジ
クロロアセトフェノン、アセトフェノン、2,2−ジエ
トキシアセトフェノン、塩素化アセトフェノン、ヒドロ
キシアセトフェノン、α,α−ジクロロ−4−フェノキ
シアセトフェノンなど)、ベンゾフェノン系(例えば、
ベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、
4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、
4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、
3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオ
キシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル
−4−メトキシベンゾフェノンなど)、
は、光照射によってラジカルを生じる物質を意味し、光
重合開始剤として通常用いられるものであれば特に限定
はなく、例えば、ベンゾイル系(例えば、1−ヒドロキ
シシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−
[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロ
パン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フ
ェニルプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチ
ルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−
1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フ
ェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン
−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−
ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4’−イ
ソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェ
ノンなど)、ホスフィンオキサイド系(例えば、ビスア
シルホスフィンオキサイド、アシルホスフィンオキサイ
ド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホス
フィンオキサイド、2,6−ジメチルベンゾイルジフェ
ニルホスフィンオキサイド、ベンゾイルジエトキシホス
フィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイ
ル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキ
サイドなど)、ベンゾインアルキルエーテル(例えば、
ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテ
ル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソ
ブチルエーテル、n−ブチルベンゾインエーテルな
ど)、アセトフェノン系(例えば、p−tert−ブチ
ルトリクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルジ
クロロアセトフェノン、アセトフェノン、2,2−ジエ
トキシアセトフェノン、塩素化アセトフェノン、ヒドロ
キシアセトフェノン、α,α−ジクロロ−4−フェノキ
シアセトフェノンなど)、ベンゾフェノン系(例えば、
ベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、
4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、
4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、
3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオ
キシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル
−4−メトキシベンゾフェノンなど)、
【0012】チオキサントン類(2−クロロチオキサン
トン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジエチルチ
オキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン
など)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン、
2−エチルアントラキノン、α−クロロアントラキノ
ン、2−tert−ブチルアントラキノンなど)、ベン
ジル系(例えば、ベンジル、4,4’−ジメトキシベン
ジル、4,4’−ジクロロベンジルなど)、安息香酸エ
ステル系(例えば、o−ベンゾイル安息香酸メチル、p
−ジメチルアミノ安息香酸メチルなど)、ジケトン系
(例えば、ビアセチル、フェニルグリオキシル酸メチ
ル、メチルベンゾイルホルメートなど)、ケタール系
(例えば、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノン
ジエチルケタールなど)、
トン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジエチルチ
オキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン
など)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン、
2−エチルアントラキノン、α−クロロアントラキノ
ン、2−tert−ブチルアントラキノンなど)、ベン
ジル系(例えば、ベンジル、4,4’−ジメトキシベン
ジル、4,4’−ジクロロベンジルなど)、安息香酸エ
ステル系(例えば、o−ベンゾイル安息香酸メチル、p
−ジメチルアミノ安息香酸メチルなど)、ジケトン系
(例えば、ビアセチル、フェニルグリオキシル酸メチ
ル、メチルベンゾイルホルメートなど)、ケタール系
(例えば、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノン
ジエチルケタールなど)、
【0013】ジベンゾシクロアルカノン系(例えば、1
0−ブチル−2−クロロアクリドン、ジベンゾスベロン
など)、アシロキシムエステル、カンファーキノン、3
−ケトクマリン、テトラメチルチウラムジスルフィド、
α,α’−アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパ
ーオキサイド、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)
−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビ
イミダゾール、アセナフセン、ベンザルアセトンなどが
挙げられ、ベンゾイル系が好ましく、2−ヒドロキシ−
2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンが特に好
ましい。
0−ブチル−2−クロロアクリドン、ジベンゾスベロン
など)、アシロキシムエステル、カンファーキノン、3
−ケトクマリン、テトラメチルチウラムジスルフィド、
α,α’−アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパ
ーオキサイド、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)
−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビ
イミダゾール、アセナフセン、ベンザルアセトンなどが
挙げられ、ベンゾイル系が好ましく、2−ヒドロキシ−
2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンが特に好
ましい。
【0014】プライマー中の光開始剤の配合量は特に限
定はないが、プライマー中の光退色性着色剤に対して同
重量未満では光によるその脱色が不十分になるため、光
開始剤は、光退色性着色剤に対して、通常同重量以上、
好ましく10倍重量以上配合する。また、プライマー中
に、プライマー中の光退色性着色剤に対して1000倍
重量を超える量の光開始剤を配合してもその脱色の効果
にほどんど変わりはなくなり、またプライマー層の光開
始剤濃度が増加して塗膜強度を低下させることにもなる
ため、光開始剤は、プライマー中の光退色性着色剤に対
して、好ましくは500倍重量以下、より好ましくは2
00倍重量以下配合するのがよい。
定はないが、プライマー中の光退色性着色剤に対して同
重量未満では光によるその脱色が不十分になるため、光
開始剤は、光退色性着色剤に対して、通常同重量以上、
好ましく10倍重量以上配合する。また、プライマー中
に、プライマー中の光退色性着色剤に対して1000倍
重量を超える量の光開始剤を配合してもその脱色の効果
にほどんど変わりはなくなり、またプライマー層の光開
始剤濃度が増加して塗膜強度を低下させることにもなる
ため、光開始剤は、プライマー中の光退色性着色剤に対
して、好ましくは500倍重量以下、より好ましくは2
00倍重量以下配合するのがよい。
【0015】本発明におけるプライマーは、必須成分の
他にベース樹脂を配合していてもよい。該プライマー中
のベース樹脂としては特に限定はなく、例えばポリウレ
タン樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エ
ポキシ樹脂、アクリルシリコーン樹脂、フッ素含有樹
脂、アルキッド樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、酢酸ビ
ニル樹脂、セルローズ樹脂(例えば、ニトロセルロー
ズ、セルローズアセテートブチレートなど)、油脂類
(例えば、ロジン誘導体、アマニ油、桐油、大豆油、ヒ
マシ油など)などのような天然および合成高分子が挙げ
られ、光照射によって変色や劣化が生じ難い点から、ポ
リウレタン樹脂およびアクリル樹脂が好ましい。
他にベース樹脂を配合していてもよい。該プライマー中
のベース樹脂としては特に限定はなく、例えばポリウレ
タン樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エ
ポキシ樹脂、アクリルシリコーン樹脂、フッ素含有樹
脂、アルキッド樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、酢酸ビ
ニル樹脂、セルローズ樹脂(例えば、ニトロセルロー
ズ、セルローズアセテートブチレートなど)、油脂類
(例えば、ロジン誘導体、アマニ油、桐油、大豆油、ヒ
マシ油など)などのような天然および合成高分子が挙げ
られ、光照射によって変色や劣化が生じ難い点から、ポ
リウレタン樹脂およびアクリル樹脂が好ましい。
【0016】本発明のプライマーには、本発明の目的を
阻害しなければ、さらに通常用いられる添加剤を配合し
てもよく、例えば増感剤、着色剤、消泡剤、脱泡剤、湿
潤剤、レベリング剤、帯電防止剤、粘度調整剤、貯蔵安
定剤、抗菌剤、防腐剤、滑り止め剤、塗膜ひび割れ防止
剤、密着促進剤、分散剤、界面活性剤、体質顔料、離型
剤、シランカップリング剤、安定剤、難燃剤などが挙げ
られ、これらは単独または組み合わせて用いてもよい。
阻害しなければ、さらに通常用いられる添加剤を配合し
てもよく、例えば増感剤、着色剤、消泡剤、脱泡剤、湿
潤剤、レベリング剤、帯電防止剤、粘度調整剤、貯蔵安
定剤、抗菌剤、防腐剤、滑り止め剤、塗膜ひび割れ防止
剤、密着促進剤、分散剤、界面活性剤、体質顔料、離型
剤、シランカップリング剤、安定剤、難燃剤などが挙げ
られ、これらは単独または組み合わせて用いてもよい。
【0017】本発明のプライマーは、有機溶剤系の形態
(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタ
ノール、イソプロピルアルコール、ミネラルスピリット
などの有機溶剤の系)、無溶媒系の形態、水性の形態
(水を溶媒として用いる、例えば、水溶液系、水性エマ
ルション系、水性ディスパーション系などの形態)とい
った様々な形態をとり得るが、水性の形態の場合、乾燥
の際に、溶剤が蒸発しても臭気や有毒ガスを発生するこ
とがなく、環境上および塗装者の健康上好ましく、その
上、洗浄用有機溶剤が不要であるため、現場施工におい
ては水性の形態が好ましい。また、水性の形態であるプ
ライマーは一般に粘度が低いため、刷毛、ローラー、ム
ートン、モップ、吹き付けなどの簡易な塗布方法に適し
ている。
(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタ
ノール、イソプロピルアルコール、ミネラルスピリット
などの有機溶剤の系)、無溶媒系の形態、水性の形態
(水を溶媒として用いる、例えば、水溶液系、水性エマ
ルション系、水性ディスパーション系などの形態)とい
った様々な形態をとり得るが、水性の形態の場合、乾燥
の際に、溶剤が蒸発しても臭気や有毒ガスを発生するこ
とがなく、環境上および塗装者の健康上好ましく、その
上、洗浄用有機溶剤が不要であるため、現場施工におい
ては水性の形態が好ましい。また、水性の形態であるプ
ライマーは一般に粘度が低いため、刷毛、ローラー、ム
ートン、モップ、吹き付けなどの簡易な塗布方法に適し
ている。
【0018】光重合性コーティング剤 本発明における光重合性コーティング剤は、必須成分と
して光重合性樹脂および光開始剤を含有している。光重
合性コーティング剤からなる層は、200nm〜800
nmの波長に感光することで硬化し、硬化塗膜を形成す
る。
して光重合性樹脂および光開始剤を含有している。光重
合性コーティング剤からなる層は、200nm〜800
nmの波長に感光することで硬化し、硬化塗膜を形成す
る。
【0019】光重合性コーティング剤中の光重合性樹脂
としては、200nm〜800nmの波長に感光するこ
とで硬化する樹脂であれば特に限定はなく、例えば不飽
和ポリエステル樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、エポ
キシアクリレート樹脂などが挙げられ、ウレタンアクリ
レート樹脂が好ましい。
としては、200nm〜800nmの波長に感光するこ
とで硬化する樹脂であれば特に限定はなく、例えば不飽
和ポリエステル樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、エポ
キシアクリレート樹脂などが挙げられ、ウレタンアクリ
レート樹脂が好ましい。
【0020】光重合性コーティング剤中の光開始剤とし
ては、上記「プライマー」において用いる光開始剤と同
様なものが挙げられ、光開始剤は、光重合性コーティン
グ剤中の光重合性樹脂100重量部に対して、通常0.
01〜10重量部、好ましくは0.1〜8重量部配合す
る。光重合性コーティング剤中の光開始剤の配合量が、
光重合性コーティング剤中の光重合性樹脂100重量部
に対して、0.01重量部未満では光重合性樹脂を硬化
させるための紫外線照射量が多く必要となり、時間と設
備が過大となり、10重量部を超えると未反応の光開始
剤が塗膜に残存し、塗膜性能を低下させる恐れがある。
ては、上記「プライマー」において用いる光開始剤と同
様なものが挙げられ、光開始剤は、光重合性コーティン
グ剤中の光重合性樹脂100重量部に対して、通常0.
01〜10重量部、好ましくは0.1〜8重量部配合す
る。光重合性コーティング剤中の光開始剤の配合量が、
光重合性コーティング剤中の光重合性樹脂100重量部
に対して、0.01重量部未満では光重合性樹脂を硬化
させるための紫外線照射量が多く必要となり、時間と設
備が過大となり、10重量部を超えると未反応の光開始
剤が塗膜に残存し、塗膜性能を低下させる恐れがある。
【0021】光重合性コーティング剤に、必須成分のほ
かに、反応性希釈剤を配合するのが好ましく、反応性希
釈剤を配合することにより、光重合性コーティング剤を
低粘度化したり、下層との密着性や光重合性コーティン
グ剤からなる層の柔軟性といった塗膜性能が向上する。
また、光重合性コーティング剤にもプライマーに配合す
るのと同様な光退色性着色剤を配合してもよく、その配
合量は、プライマー中の光退色性着色剤の配合量と同じ
範囲であるのが好ましい。
かに、反応性希釈剤を配合するのが好ましく、反応性希
釈剤を配合することにより、光重合性コーティング剤を
低粘度化したり、下層との密着性や光重合性コーティン
グ剤からなる層の柔軟性といった塗膜性能が向上する。
また、光重合性コーティング剤にもプライマーに配合す
るのと同様な光退色性着色剤を配合してもよく、その配
合量は、プライマー中の光退色性着色剤の配合量と同じ
範囲であるのが好ましい。
【0022】反応性希釈剤としては、例えば、単官能モ
ノマー(例えば、メチル(メタ)アクリレートなど)、
2官能モノマー(例えば、プロピレングリコールジアク
リレートなど)、多官能モノマー(例えば、トリメチロ
ールプロパントリアクリレートなど)などが挙げられ、
これらは単独または組み合わせて用いていてもよい。反
応性希釈剤は、光重合性コーティング剤全体の、好まし
くは0.1〜99重量%、より好ましくは1〜50重量
%用いることができる。
ノマー(例えば、メチル(メタ)アクリレートなど)、
2官能モノマー(例えば、プロピレングリコールジアク
リレートなど)、多官能モノマー(例えば、トリメチロ
ールプロパントリアクリレートなど)などが挙げられ、
これらは単独または組み合わせて用いていてもよい。反
応性希釈剤は、光重合性コーティング剤全体の、好まし
くは0.1〜99重量%、より好ましくは1〜50重量
%用いることができる。
【0023】光重合性コーティング剤は、有機溶剤系の
形態(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、
エタノール、イソプロピルアルコール、ミネラルスピリ
ットなどの有機溶剤の系)、無溶媒系の形態、水性の形
態(水を溶媒として用いる、例えば、水溶液系、水性エ
マルション系、水性ディスパーション系などの形態)と
いった様々な形態をとり得るが、水性の形態の場合、乾
燥の際に、溶剤が蒸発しても臭気や有毒ガスを発生する
ことがなく、環境上および塗装者の健康上好ましく、そ
の上、洗浄用有機溶剤が不要であるため、現場施工にお
いては水性の形態が好ましい。光重合性コーティング剤
の塗布は、慣用の方法で行えばよく、例えばローラー、
スプレー吹き付け、刷毛、ムートン、モップ、ワックス
パットやスポンジなどの塗布器具や塗布装置を用いるあ
らゆる方法が挙げられる。
形態(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、
エタノール、イソプロピルアルコール、ミネラルスピリ
ットなどの有機溶剤の系)、無溶媒系の形態、水性の形
態(水を溶媒として用いる、例えば、水溶液系、水性エ
マルション系、水性ディスパーション系などの形態)と
いった様々な形態をとり得るが、水性の形態の場合、乾
燥の際に、溶剤が蒸発しても臭気や有毒ガスを発生する
ことがなく、環境上および塗装者の健康上好ましく、そ
の上、洗浄用有機溶剤が不要であるため、現場施工にお
いては水性の形態が好ましい。光重合性コーティング剤
の塗布は、慣用の方法で行えばよく、例えばローラー、
スプレー吹き付け、刷毛、ムートン、モップ、ワックス
パットやスポンジなどの塗布器具や塗布装置を用いるあ
らゆる方法が挙げられる。
【0024】硬化塗膜形成方法 本発明の硬化塗膜は、被塗面/プライマー層/光重合性
コーティング剤からなる層、の構成を有している。本発
明のプライマー層は必須成分として光退色性着色剤およ
び光開始剤を含有しており、光重合性コーティング剤は
必須成分として光重合性樹脂および光開始剤を含有して
いる。このような構成を有する膜に光を照射すれば塗膜
が硬化するのと同時にプライマー層中の光退色性着色剤
は短時間に、かつ実質的に脱色することができるので、
塗膜の硬化を塗膜の脱色という簡便な方法によって判断
でき、さらに従来法に比して短時間に、塗膜全体を実質
的に透明とすることができる。現場施工においては、人
体や環境への影響から、用いるプライマーや光退色性着
色剤は水性の形態であることが好ましい。
コーティング剤からなる層、の構成を有している。本発
明のプライマー層は必須成分として光退色性着色剤およ
び光開始剤を含有しており、光重合性コーティング剤は
必須成分として光重合性樹脂および光開始剤を含有して
いる。このような構成を有する膜に光を照射すれば塗膜
が硬化するのと同時にプライマー層中の光退色性着色剤
は短時間に、かつ実質的に脱色することができるので、
塗膜の硬化を塗膜の脱色という簡便な方法によって判断
でき、さらに従来法に比して短時間に、塗膜全体を実質
的に透明とすることができる。現場施工においては、人
体や環境への影響から、用いるプライマーや光退色性着
色剤は水性の形態であることが好ましい。
【0025】以下、本発明の硬化塗膜形成方法を、その
手順に沿って詳細に説明する。 (1)まず、被塗面にプライマーを塗布する。プライマー
を塗布する前に被塗面に前処理を行ってもよい。被塗面
への前処理としては、通常行われる前処理が挙げられ、
例えば被塗面のサンディング、脱脂や洗浄などが挙げら
れる。被塗面が床であり、その表面にワックスが塗布さ
れている場合には、ワックス剥離を前処理として行う。
プライマー層は、硬化膜厚が、通常0.1〜100μ
m、好ましくは1〜50μmとなるように被塗面に塗布
する。
手順に沿って詳細に説明する。 (1)まず、被塗面にプライマーを塗布する。プライマー
を塗布する前に被塗面に前処理を行ってもよい。被塗面
への前処理としては、通常行われる前処理が挙げられ、
例えば被塗面のサンディング、脱脂や洗浄などが挙げら
れる。被塗面が床であり、その表面にワックスが塗布さ
れている場合には、ワックス剥離を前処理として行う。
プライマー層は、硬化膜厚が、通常0.1〜100μ
m、好ましくは1〜50μmとなるように被塗面に塗布
する。
【0026】プライマーの塗布は、慣用の方法で行えば
よく、例えばローラー、スプレー吹き付け、刷毛、ムー
トン、モップ、ワックスパットやスポンジなどの塗布器
具や塗布装置を用いるあらゆる方法が挙げられる。
よく、例えばローラー、スプレー吹き付け、刷毛、ムー
トン、モップ、ワックスパットやスポンジなどの塗布器
具や塗布装置を用いるあらゆる方法が挙げられる。
【0027】プライマー層を硬化させる場合には、プラ
イマー層は、光重合性コーティング剤を塗布する前に硬
化させずに、光重合性コーティング剤の塗布後に光重合
性コーティング剤からなる層と同時に硬化させても;光
重合性コーティング剤を塗布する前に硬化させておいて
もどちらでもよい。もちろん、プライマー層が光照射に
よってのみ硬化する場合には、前者の方法を用いること
になり、プライマー層が光以外によって硬化する場合に
は、どちらの方法を用いてもよい。もちろん後者の方法
を用いる場合には、光退色性着色剤が実質的に脱色しな
いようにするため、光照射による硬化以外の方法、例え
ば常温硬化や加熱硬化などの方法によって硬化させる。
現場施工上からは、プライマー層を硬化(ただし、光硬
化以外)後、光重合性コーティング剤を塗布するのが好
ましい。
イマー層は、光重合性コーティング剤を塗布する前に硬
化させずに、光重合性コーティング剤の塗布後に光重合
性コーティング剤からなる層と同時に硬化させても;光
重合性コーティング剤を塗布する前に硬化させておいて
もどちらでもよい。もちろん、プライマー層が光照射に
よってのみ硬化する場合には、前者の方法を用いること
になり、プライマー層が光以外によって硬化する場合に
は、どちらの方法を用いてもよい。もちろん後者の方法
を用いる場合には、光退色性着色剤が実質的に脱色しな
いようにするため、光照射による硬化以外の方法、例え
ば常温硬化や加熱硬化などの方法によって硬化させる。
現場施工上からは、プライマー層を硬化(ただし、光硬
化以外)後、光重合性コーティング剤を塗布するのが好
ましい。
【0028】本発明におけるプライマー層は、光退色性
着色剤を含有しており、目視で色の濃淡を確認しながら
プライマーを塗布することができるため、プライマーの
塗り残しや塗りムラをほとんど生じることなく、被塗面
全体にほぼ均一なプライマー層を形成することができ
る。また、プライマー層は、被塗面への光重合性コーテ
ィング剤の浸透を抑制し、塗膜の乾燥厚みを正確に制御
したり、光重合性コーティング剤からなる層と被塗面と
の密着性を付与したり、被塗面との剥離性を付与するこ
とができる。
着色剤を含有しており、目視で色の濃淡を確認しながら
プライマーを塗布することができるため、プライマーの
塗り残しや塗りムラをほとんど生じることなく、被塗面
全体にほぼ均一なプライマー層を形成することができ
る。また、プライマー層は、被塗面への光重合性コーテ
ィング剤の浸透を抑制し、塗膜の乾燥厚みを正確に制御
したり、光重合性コーティング剤からなる層と被塗面と
の密着性を付与したり、被塗面との剥離性を付与するこ
とができる。
【0029】(2)次に、光重合性コーティング剤をプラ
イマー層上に塗布する。光重合性コーティング剤は、光
重合性コーティング剤からなる層の硬化後の膜厚が好ま
しくは1μm以上、より好ましくは5μm以上になるよ
うにプライマー層上に塗布すればよい。また、光重合性
コーティング剤からなる層の硬化後の膜厚が1000μ
m以下、好ましくは500μm以下になるように被塗面
に塗布すればよい。硬化後の膜厚が1000μmを超え
る場合、塗布作業が長時間になり、さらに塗膜の乾燥や
硬化に必要な時間や照射光量も大きくなるほか、収縮に
よる塗膜の割れや被塗面の反りがおおきくなり易くなる
恐れがある。光重合性コーティング剤の塗布もプライマ
ーの塗布と同様な方法で行えばよい。
イマー層上に塗布する。光重合性コーティング剤は、光
重合性コーティング剤からなる層の硬化後の膜厚が好ま
しくは1μm以上、より好ましくは5μm以上になるよ
うにプライマー層上に塗布すればよい。また、光重合性
コーティング剤からなる層の硬化後の膜厚が1000μ
m以下、好ましくは500μm以下になるように被塗面
に塗布すればよい。硬化後の膜厚が1000μmを超え
る場合、塗布作業が長時間になり、さらに塗膜の乾燥や
硬化に必要な時間や照射光量も大きくなるほか、収縮に
よる塗膜の割れや被塗面の反りがおおきくなり易くなる
恐れがある。光重合性コーティング剤の塗布もプライマ
ーの塗布と同様な方法で行えばよい。
【0030】光重合性コーティング剤が水性エマルショ
ン系または水性ディスパーション系のように白濁してい
る(水性エマルション系では、乳化剤により光重合性コ
ーティング剤成分が液滴となり、水中に分散しており;
水性ディスパーション系では、光重合性コーティング剤
成分が粒子として分散している)形態である場合、塗布
した光重合性コーティング剤からなる層の白濁の度合い
によって、塗り残しや塗りムラを目視で簡便に判断でき
るため、プライマー層全体にほぼ均一な光重合性コーテ
ィング剤からなる層を形成することができる。
ン系または水性ディスパーション系のように白濁してい
る(水性エマルション系では、乳化剤により光重合性コ
ーティング剤成分が液滴となり、水中に分散しており;
水性ディスパーション系では、光重合性コーティング剤
成分が粒子として分散している)形態である場合、塗布
した光重合性コーティング剤からなる層の白濁の度合い
によって、塗り残しや塗りムラを目視で簡便に判断でき
るため、プライマー層全体にほぼ均一な光重合性コーテ
ィング剤からなる層を形成することができる。
【0031】本発明においては、いずれの硬化を行う際
にも、層中に溶剤が残存する場合には層を乾燥させて溶
剤を除去することが必要である。各層の乾燥は、通常塗
料を乾燥させる方法(例えば、自然乾燥、熱風乾燥な
ど)によって行うことができる。
にも、層中に溶剤が残存する場合には層を乾燥させて溶
剤を除去することが必要である。各層の乾燥は、通常塗
料を乾燥させる方法(例えば、自然乾燥、熱風乾燥な
ど)によって行うことができる。
【0032】(3)塗膜を硬化させる。上記(1)および(2)
により得られた塗膜を、光照射により硬化させる。光照
射方法は、特に限定はなく、現場施工においては被塗面
を移動することができないため、紫外線照射装置を移動
させて光照射するのが好ましい。紫外線照射装置とは、
200nm〜800nmの範囲内の波長を有する紫外線
および可視光を発生する光源と反射板からなる照射部と
電源、電源コード、冷却ファンが一体となった装置であ
る。これらの紫外線照射装置やその使用方法について
は、特許公報第258810号およびUSP6,09
6,383号などに開示されている。200nm〜80
0nmの範囲内の波長を有する紫外線および可視光を発
生する光源としては、特に限定はなく、例えば低圧水銀
灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、
キセノンランプなどが挙げられる。
により得られた塗膜を、光照射により硬化させる。光照
射方法は、特に限定はなく、現場施工においては被塗面
を移動することができないため、紫外線照射装置を移動
させて光照射するのが好ましい。紫外線照射装置とは、
200nm〜800nmの範囲内の波長を有する紫外線
および可視光を発生する光源と反射板からなる照射部と
電源、電源コード、冷却ファンが一体となった装置であ
る。これらの紫外線照射装置やその使用方法について
は、特許公報第258810号およびUSP6,09
6,383号などに開示されている。200nm〜80
0nmの範囲内の波長を有する紫外線および可視光を発
生する光源としては、特に限定はなく、例えば低圧水銀
灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、
キセノンランプなどが挙げられる。
【0033】照射面での照射量は、好ましくは1〜50
00mJ/cm2であり、より好ましくは10〜300
0mJ/cm2である。本発明の塗膜は、比較的低照射
量でも短時間に、かつ実質的に脱色することができるた
め、上記範囲内で照射量を適宜調整すればよい。照射面
での照射光量が1mJ/cm2未満の場合には、塗膜の
硬化速度が遅くなったり未反応成分が残ったりする恐れ
があり、照射光量が5000mJ/cm2を超える場合
には、照射能力の低い設備を用いるときは長い照射時間
が必要となり、また、短時間でその照射光量を照射しよ
うとすると、照射能力の高い設備が必要となるため設備
費が高くなり、その上、塗膜劣化の恐れがある。
00mJ/cm2であり、より好ましくは10〜300
0mJ/cm2である。本発明の塗膜は、比較的低照射
量でも短時間に、かつ実質的に脱色することができるた
め、上記範囲内で照射量を適宜調整すればよい。照射面
での照射光量が1mJ/cm2未満の場合には、塗膜の
硬化速度が遅くなったり未反応成分が残ったりする恐れ
があり、照射光量が5000mJ/cm2を超える場合
には、照射能力の低い設備を用いるときは長い照射時間
が必要となり、また、短時間でその照射光量を照射しよ
うとすると、照射能力の高い設備が必要となるため設備
費が高くなり、その上、塗膜劣化の恐れがある。
【0034】本発明の硬化塗膜形成方法は、様々な用途
に適用可能であり、現場施工においても適用できる。例
えば、被塗面が床材である場合にも有用であり、本発明
における「床材」とは、床用として通常使用される材料
からなるものであればどのような形態および状態のもの
でもよい。床材としては、例えば、i)塩化ビニルなどの
樹脂系材料、ii)フローリングなどの木質系材料、iii)
磁器タイルなどのセラミック系材料、iv)大理石などの
石材料、v)モルタルなどのコンクリート系材料などが挙
げられる。
に適用可能であり、現場施工においても適用できる。例
えば、被塗面が床材である場合にも有用であり、本発明
における「床材」とは、床用として通常使用される材料
からなるものであればどのような形態および状態のもの
でもよい。床材としては、例えば、i)塩化ビニルなどの
樹脂系材料、ii)フローリングなどの木質系材料、iii)
磁器タイルなどのセラミック系材料、iv)大理石などの
石材料、v)モルタルなどのコンクリート系材料などが挙
げられる。
【0035】本発明の硬化塗膜形成方法は、床材の表面
に塗膜を設けた塗り床材に対しても適用でき、当該塗り
床材の表面に設けた塗膜の材料としては、通常塗り床材
の表面に設けた塗膜の材料として用いるものであれば特
に限定はなく、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル
樹脂、MMA樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられ
る。
に塗膜を設けた塗り床材に対しても適用でき、当該塗り
床材の表面に設けた塗膜の材料としては、通常塗り床材
の表面に設けた塗膜の材料として用いるものであれば特
に限定はなく、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル
樹脂、MMA樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられ
る。
【0036】i)塩化ビニルなどの樹脂系材料の床材とし
ては、コンポジションビニル床タイル、ホモジニアスビ
ニル床タイルなどのビニル床タイル、クッションフロア
などの発泡ビニル床シート、織布積層ビニル床シート、
不織布積層ビニル床シートなどのビニル床シート、リノ
リューム床材、コルクタイル、ゴムタイルなどの自然素
材のタイルなどが挙げられる。
ては、コンポジションビニル床タイル、ホモジニアスビ
ニル床タイルなどのビニル床タイル、クッションフロア
などの発泡ビニル床シート、織布積層ビニル床シート、
不織布積層ビニル床シートなどのビニル床シート、リノ
リューム床材、コルクタイル、ゴムタイルなどの自然素
材のタイルなどが挙げられる。
【0037】ii)フローリングなどの木質系材料の床材
としては、単層フローリング、複合フローリング、フロ
ーリングボード、フローリングブロック、モザイクパー
ケット、防音床、遮音二重床、フリーアクセスフロアな
どが挙げられる。
としては、単層フローリング、複合フローリング、フロ
ーリングボード、フローリングブロック、モザイクパー
ケット、防音床、遮音二重床、フリーアクセスフロアな
どが挙げられる。
【0038】iii)磁器タイルなどのセラミック系材料の
床材としては、磁器タイルのほかに陶製タイル、陶製ブ
ロック、ノンスリップタイルなどを用いることができ
る。
床材としては、磁器タイルのほかに陶製タイル、陶製ブ
ロック、ノンスリップタイルなどを用いることができ
る。
【0039】iv)大理石などの石材料の床材としては、
大理石のほかに、御影石、レジンテラゾやセメントテラ
ゾなどのテラゾなどが挙げられる。
大理石のほかに、御影石、レジンテラゾやセメントテラ
ゾなどのテラゾなどが挙げられる。
【0040】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。以下の実施例および比較例において、(1)プライ
マー塗布時に塗り残しや塗りムラを容易に目視で確認で
きるかどうか、および(2)光照射後の塗膜の硬化状態
を塗膜の脱色によって判断できるかどうか調べた。
(2)については、光照射直後に行った。また、(1)
において、目視で確認できる場合は○、できない場合は
×;(2)において、紫外線照射装置の除去から5秒経
過する前に、塗膜の色が脱色したことを目視で確認でき
る場合は○、プライマー層で着色した色が紫外線照射装
置の除去から5秒を超えてもまだ残っていると目視で確
認できる場合は×、とそれぞれ評価し、表1にまとめ
た。尚、「部」とは重量部のことであり、「%」は全て
重量%である。
するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。以下の実施例および比較例において、(1)プライ
マー塗布時に塗り残しや塗りムラを容易に目視で確認で
きるかどうか、および(2)光照射後の塗膜の硬化状態
を塗膜の脱色によって判断できるかどうか調べた。
(2)については、光照射直後に行った。また、(1)
において、目視で確認できる場合は○、できない場合は
×;(2)において、紫外線照射装置の除去から5秒経
過する前に、塗膜の色が脱色したことを目視で確認でき
る場合は○、プライマー層で着色した色が紫外線照射装
置の除去から5秒を超えてもまだ残っていると目視で確
認できる場合は×、とそれぞれ評価し、表1にまとめ
た。尚、「部」とは重量部のことであり、「%」は全て
重量%である。
【0041】実施例1 水性エマルションからなるポリウレタン樹脂(アビシア
製 ネオレッツR972 固形分39%)50部を水道
水50部で希釈し、そこに光退色性着色剤としてUV
BLUE 784(三井化学(株)社製)を0.005
%および光開始剤としてダロキュア1173(チバ・ス
ペシャリティ・ケミカルズ(株)製)1%を加えたもの
をプライマーとした。調製したプライマーを白色のポリ
エステル化粧板に硬化膜厚が5μmとなるようにローラ
ーで塗布し、塗膜を硬化させるため室温で30分間放置
した。プライマーを塗布した際に、プライマーの塗り残
しや塗りムラを目視で確認ができるかどうか判定した。
さらに、光重合性コーティング剤として、ウィナップト
ップコート((株)玄技術研究所製;水性エマルション
系;光開始剤含有光重合性樹脂、光重合性樹脂:光開始
剤含有比=100:8(重量))をローラーで硬化膜厚
が15μmとなるように塗布した。溶剤を蒸発させるた
め、室温で1時間放置後、移動式の紫外線照射装置(L
100型 (株)玄技術研究所製)を用いて、300m
J/cm 2の光を照射した。この時、瞬時に脱色するか
どうかを目視で判定した。
製 ネオレッツR972 固形分39%)50部を水道
水50部で希釈し、そこに光退色性着色剤としてUV
BLUE 784(三井化学(株)社製)を0.005
%および光開始剤としてダロキュア1173(チバ・ス
ペシャリティ・ケミカルズ(株)製)1%を加えたもの
をプライマーとした。調製したプライマーを白色のポリ
エステル化粧板に硬化膜厚が5μmとなるようにローラ
ーで塗布し、塗膜を硬化させるため室温で30分間放置
した。プライマーを塗布した際に、プライマーの塗り残
しや塗りムラを目視で確認ができるかどうか判定した。
さらに、光重合性コーティング剤として、ウィナップト
ップコート((株)玄技術研究所製;水性エマルション
系;光開始剤含有光重合性樹脂、光重合性樹脂:光開始
剤含有比=100:8(重量))をローラーで硬化膜厚
が15μmとなるように塗布した。溶剤を蒸発させるた
め、室温で1時間放置後、移動式の紫外線照射装置(L
100型 (株)玄技術研究所製)を用いて、300m
J/cm 2の光を照射した。この時、瞬時に脱色するか
どうかを目視で判定した。
【0042】実施例2 溶剤型2液ポリウレタン樹脂塗料(Vローズ 玄々化学
工業(株) 固形分25%)を規定通りに配合し、これ
に光退色性着色剤としてUV BLUE 236(三井
化学(株)社製)0.1%および光開始剤としてダロキ
ュア1173(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ
(株)製)1%を加えたものをプライマーとした。調製
したプライマーを白色のポリエステル化粧板に硬化膜厚
が10μmとなるようにスプレーで塗布し、塗膜を硬化
させるため室温で2時間放置した。プライマーを塗布し
た際に、プライマーの塗り残しや塗りムラを目視で確認
ができるかどうか判定した。さらに、光重合性コーティ
ング剤として、ウィナップトップコート((株)玄技術
研究所製;水性エマルション系;光開始剤含有光重合性
樹脂、光重合性樹脂:光開始剤含有比=100:8(重
量))をローラーで硬化膜厚が15μmとなるように塗
布した。溶剤を蒸発させるため、室温で1時間放置後、
紫外線照射装置(H05−L21 アイグラフィック
(株)社製)を用いて、1500mJ/cm2の光を照
射した。この時、瞬時に塗膜が脱色するかどうかを目視
で判定した。
工業(株) 固形分25%)を規定通りに配合し、これ
に光退色性着色剤としてUV BLUE 236(三井
化学(株)社製)0.1%および光開始剤としてダロキ
ュア1173(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ
(株)製)1%を加えたものをプライマーとした。調製
したプライマーを白色のポリエステル化粧板に硬化膜厚
が10μmとなるようにスプレーで塗布し、塗膜を硬化
させるため室温で2時間放置した。プライマーを塗布し
た際に、プライマーの塗り残しや塗りムラを目視で確認
ができるかどうか判定した。さらに、光重合性コーティ
ング剤として、ウィナップトップコート((株)玄技術
研究所製;水性エマルション系;光開始剤含有光重合性
樹脂、光重合性樹脂:光開始剤含有比=100:8(重
量))をローラーで硬化膜厚が15μmとなるように塗
布した。溶剤を蒸発させるため、室温で1時間放置後、
紫外線照射装置(H05−L21 アイグラフィック
(株)社製)を用いて、1500mJ/cm2の光を照
射した。この時、瞬時に塗膜が脱色するかどうかを目視
で判定した。
【0043】比較例1 光開始剤であるダロキュア1173(チバ・スペシャリ
ティ・ケミカルズ(株)製)をプライマーに配合せず、
かつプライマーを硬化膜厚が5μmとなるように塗布す
る以外、実施例1と全く同様に行った。塗膜の色は24
時間経過しても完全に脱色しなかった。
ティ・ケミカルズ(株)製)をプライマーに配合せず、
かつプライマーを硬化膜厚が5μmとなるように塗布す
る以外、実施例1と全く同様に行った。塗膜の色は24
時間経過しても完全に脱色しなかった。
【0044】比較例2 光退色性着色剤であるUV BLUE 784(三井化
学(株)社製)をプライマーに配合せず、かつプライマ
ーを硬化膜厚が5μmとなるように塗布する以外、実施
例1と全く同様に行った。光照射前の塗膜の色がないた
め、塗膜全体が実質的に透明であることを目視で確認す
ることはできなかった。
学(株)社製)をプライマーに配合せず、かつプライマ
ーを硬化膜厚が5μmとなるように塗布する以外、実施
例1と全く同様に行った。光照射前の塗膜の色がないた
め、塗膜全体が実質的に透明であることを目視で確認す
ることはできなかった。
【0045】比較例3 光開始剤であるダロキュア1173(チバ・スペシャリ
ティ・ケミカルズ(株)製)をプライマーに配合しない
以外、実施例2と全く同様に行った。塗膜の色は24時
間経過しても完全に脱色しなかった。
ティ・ケミカルズ(株)製)をプライマーに配合しない
以外、実施例2と全く同様に行った。塗膜の色は24時
間経過しても完全に脱色しなかった。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】本発明の方法によれば、塗膜の硬化を塗
膜の脱色という簡便な方法によって判断でき、さらに塗
膜全体の色を従来法に比して短時間に塗膜全体を実質的
に透明とし、塗膜上から見た時に被塗面本来の色が見え
るため、紫外線照射装置や人体が未硬化部に接触するこ
とを未然に防ぐことができ、塗膜に損傷を与えたり、美
観を損ねることが少なくなり、手直しの手間を省くこと
ができて能率的であり、現場施工上優れた方法であると
いえる。また、本発明の方法ではプライマー層に光退色
性着色剤を含有しているため、色の濃淡を目視で確認し
ながらプライマー層を塗布することができるため、プラ
イマー層の塗り残しや塗りムラを生じることなく、被塗
面全体にほぼ均一なプライマー層を形成することができ
る。これにより、塗膜の品質を安定に維持することがで
きる。さらに、本発明の方法における、光重合性コーテ
ィング剤が水性エマルション系の形態または水性ディス
パーション系の形態である場合、光重合性コーティング
剤は白濁しているため、塗布した光重合性コーティング
剤からなる層の白濁の度合いによって、塗り残しや塗り
ムラを目視で簡便に判断できるため、プライマー層全体
にほぼ均一な光重合性コーティング剤からなる層を形成
することができる。
膜の脱色という簡便な方法によって判断でき、さらに塗
膜全体の色を従来法に比して短時間に塗膜全体を実質的
に透明とし、塗膜上から見た時に被塗面本来の色が見え
るため、紫外線照射装置や人体が未硬化部に接触するこ
とを未然に防ぐことができ、塗膜に損傷を与えたり、美
観を損ねることが少なくなり、手直しの手間を省くこと
ができて能率的であり、現場施工上優れた方法であると
いえる。また、本発明の方法ではプライマー層に光退色
性着色剤を含有しているため、色の濃淡を目視で確認し
ながらプライマー層を塗布することができるため、プラ
イマー層の塗り残しや塗りムラを生じることなく、被塗
面全体にほぼ均一なプライマー層を形成することができ
る。これにより、塗膜の品質を安定に維持することがで
きる。さらに、本発明の方法における、光重合性コーテ
ィング剤が水性エマルション系の形態または水性ディス
パーション系の形態である場合、光重合性コーティング
剤は白濁しているため、塗布した光重合性コーティング
剤からなる層の白濁の度合いによって、塗り残しや塗り
ムラを目視で簡便に判断できるため、プライマー層全体
にほぼ均一な光重合性コーティング剤からなる層を形成
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 5/00 C09D 5/00 D 7/12 7/12 201/00 201/00 Fターム(参考) 4D075 AE03 BB42Z BB46Z BB54Z CA13 CA47 CB06 DA06 DA23 DA25 DB12 DB14 DB20 DB21 DB35 DB38 DB43 DB47 DB48 DB50 DC02 EA06 EA07 EA13 EA41 EB07 EB16 EB19 EB22 EB24 EB32 EB33 EB35 EB36 EB38 EB42 EC07 EC11 EC37 4J038 BA021 BA201 CD091 CF021 CG001 DA141 DA161 DB001 DD121 DD181 DD231 DG001 DL031 JB16 KA03 KA08 MA08 NA01 PA12 PA17 PB05
Claims (7)
- 【請求項1】 被塗面に、必須成分として光退色性着色
剤および光開始剤を含有するプライマーを塗布してプラ
イマー層を形成後、該プライマー層上に必須成分として
光重合性樹脂および光開始剤を含有する光重合性コーテ
ィング剤を塗布し、光照射することによって塗膜を硬化
させることを特徴とする、硬化塗膜形成方法。 - 【請求項2】 光退色性着色剤がアゾ系化合物である、
請求項1記載の硬化塗膜形成方法。 - 【請求項3】 紫外線照射装置を移動させて光照射す
る、請求項1または2記載の硬化塗膜形成方法。 - 【請求項4】 被塗面が床材である、請求項1〜3のい
ずれかに記載の硬化塗膜形成方法。 - 【請求項5】 プライマーが水性の形態である、請求項
1〜4のいずれかに記載の硬化塗膜形成方法。 - 【請求項6】 光重合性コーティング剤が水性の形態で
ある、請求項1〜5のいずれかに記載の硬化塗膜形成方
法。 - 【請求項7】 光重合性コーティング剤が水性エマルシ
ョン系の形態または水性ディスパーション系の形態であ
る、請求項6記載の硬化塗膜形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000382984A JP2002177880A (ja) | 2000-12-15 | 2000-12-15 | 硬化塗膜形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000382984A JP2002177880A (ja) | 2000-12-15 | 2000-12-15 | 硬化塗膜形成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002177880A true JP2002177880A (ja) | 2002-06-25 |
Family
ID=18850712
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000382984A Pending JP2002177880A (ja) | 2000-12-15 | 2000-12-15 | 硬化塗膜形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002177880A (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002285098A (ja) * | 2001-03-27 | 2002-10-03 | Konishi Co Ltd | 退色性塗布用樹脂組成物 |
JP2005334868A (ja) * | 2004-04-26 | 2005-12-08 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 紫外線硬化樹脂の再生方法及び再生装置と、その再生方法を用いた光記録媒体の製造方法 |
JP2007502905A (ja) * | 2003-06-12 | 2007-02-15 | バルスパー ソーシング,インコーポレイティド | 反応性希釈剤を含有する塗料およびその製造方法 |
JP2009235326A (ja) * | 2008-03-28 | 2009-10-15 | Asahi Kasei Chemicals Corp | 有機・無機複合体 |
US7846984B2 (en) | 2004-04-26 | 2010-12-07 | Panasonic Corporation | Method and apparatus for recycling ultraviolet curing resin, and method for manufacturing optical recording medium using that recycling method |
JP2012061436A (ja) * | 2010-09-17 | 2012-03-29 | Bekku Kk | 塗装方法 |
JP2012086153A (ja) * | 2010-10-19 | 2012-05-10 | Bekku Kk | 被膜形成方法 |
JP2013023592A (ja) * | 2011-07-21 | 2013-02-04 | Auto Kagaku Kogyo Kk | プライマー組成物、並びに当該プライマー組成物を用いたシーリング材の施工方法および防水材の施工方法 |
CN109627959A (zh) * | 2018-11-06 | 2019-04-16 | 青岛展辰新材料有限公司 | 一种水性uv高丰满高透清底漆及其制备方法和应用 |
JP2020195973A (ja) * | 2019-06-04 | 2020-12-10 | イビデン株式会社 | 紫外線照射用冶具及び抗微生物組成物のコート方法 |
-
2000
- 2000-12-15 JP JP2000382984A patent/JP2002177880A/ja active Pending
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US9469780B2 (en) | 2003-06-12 | 2016-10-18 | Valspar Sourcing, Inc. | Coating compositions containing reactive diluents and methods |
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CN109627959A (zh) * | 2018-11-06 | 2019-04-16 | 青岛展辰新材料有限公司 | 一种水性uv高丰满高透清底漆及其制备方法和应用 |
CN109627959B (zh) * | 2018-11-06 | 2021-02-02 | 青岛展辰新材料有限公司 | 一种水性uv高丰满高透清底漆及其制备方法和应用 |
JP2020195973A (ja) * | 2019-06-04 | 2020-12-10 | イビデン株式会社 | 紫外線照射用冶具及び抗微生物組成物のコート方法 |
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