JP2002173575A - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents
熱可塑性エラストマー組成物Info
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Abstract
系ネットを必要とせずにスプリング硬さ(硬度)40〜
98の非塗装エアバッグカバーに用いられる新規かつ安
価な熱可塑性エラストマー組成物を提供する。 【解決手段】 a成分の水添ブロック共重合体として知
られるスチレン系エラストマーのうち特に数平均分子量
が70000以上のものを主成分とし、b成分のパラフ
ィン系オイルを添加アロイ化することによって柔軟性、
成形性を改善し、c成分のプロピレンと炭素数2〜8の
α−オレフィンとの共重合体、d成分のプロピレン系熱
可塑性エラストマーを添加アロイ化することによって高
温、低温での展開性能、耐傷つき性、成形性を改善し、
材料単価の低減化を実現し、e成分の粘度が50000
cst以上のシリコーンオイルにより耐傷つき性、べた
つき性、射出成形時の離形性を改善する。
Description
装置として用いられるエアバッグシステムのエアバッグ
カバーにおいて、エアバッグの展開性、展開時の耐飛散
性に優れ、塗装が必要なく、かつ安価な熱可塑性エラス
トマー組成物に関するものである。
イロン系ネットを入れたウレタンが使用されており、内
部に折り畳まれて収納されたエアバッグの膨張展開によ
って、補強用ナイロン系ネットのない薄肉部で破裂する
ようになっている。しかし、このようなエアバッグカバ
ーは補強用ナイロン系ネットを使用しない場合では、破
裂時に薄肉の開裂部以外に亀裂が生じる、あるいはカバ
ーが飛散するといった問題が生じる。補強用ナイロン系
ネットを使用した場合では、エアバッグ展開時の開裂性
の問題は解決されるものの、エアバッグカバー成形時、
補強用ネットの位置合わせに時間がかかる。補強用ナイ
ロン系ネットの位置ずれによる不良率が高くなる、ある
いはウレタンRIM成形によるため生産性が低くなると
いった欠点があった。
系ネットを入れない熱可塑性樹脂によるエアバッグカバ
ーも数多く検討されたが、これらのものでは硬度が40
〜98という自動車内装部品として人間が不愉快に感じ
ない柔らかさで、温度−40℃〜90℃において確実に
エアバッグが展開し、エアバッグ展開時にエアバッグカ
バーが開裂部以外に亀裂を生じたり、破片が絶対飛散し
ないということは非常に困難であった。その中でも、一
部のポリオレフィン系熱可塑性樹脂において、成形直後
の状態では温度−40℃〜90℃において良好な展開性
能を有するものの、高温老化試験、あるいは耐候性試験
後にポリオレフィン系熱可塑性樹脂の結晶化度の変化な
どの相構造の変化に伴う物性の変化により、これらの高
温老化試験、耐候性試験後において温度−40℃〜90
℃におけるエアバッグの展開性、展開時の耐飛散性が満
足できないのが現状である。
バッグカバーは、そのほとんどが爪、衣服などによる
傷、べたつきなどの不快な触感、太陽光による変色を抑
えるために塗装がなされており、生産性・経済性などの
面から塗装の必要ないエアーバッグカバーが求められて
きた。これまで耐傷つき性の向上、あるいはべたつきの
抑制のために、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級
脂肪酸アミドといった有機滑剤や、低粘度のシリコーン
オイルを添加し、成形品の表面滑り性を大きくすること
で改良する試みがなされている。しかしながら、これら
のものは経時あるいは熱などにより表面へ著しく移行す
るために、成形品の外観が損なわれたり、耐傷つき性が
低下してしまう問題がある。
などの安全装置として用いられるエアバッグシステムの
エアバッグカバーにおいて、補強用ナイロン系ネットを
必要とせずJIS K6253のスプリング硬さ(硬
度)40〜98の非塗装エアバッグカバーに用いられる
新規な熱可塑性エラストマー組成物を提供することにあ
る。
究を進めた結果、a成分の水添ブロック共重合体として
知られるスチレン系エラストマーのうち特に数平均分子
量が70000以上のものを主成分とし、b成分のパラ
フィン系オイルを添加アロイ化することによって柔軟
性、成形性を改善し、c成分のプロピレンと炭素数2〜
8のα−オレフィンとの共重合体、d成分のプロピレン
系熱可塑性エラストマーを添加アロイ化することによっ
て高温、低温での展開性能、耐傷つき性、成形性を改善
し、材料単価の低減化を実現し、e成分の粘度が500
00cst以上のシリコーンオイルにより耐傷つき性、
べたつき性、射出成形時の離形性を改善するという配合
設計思想で、−40℃〜90℃という広い温度範囲で展
開性、展開時の耐飛散性に優れたエアバッグカバーを得
ることができ、かつこれらの最適な組み合わせにより、
成形直後のみならず高温老化試験、耐候性試験後も−4
0℃〜90℃という広い温度範囲で展開性、展開時の耐
飛散性に優れた塗装の必要のない、材料単価の低減化を
実現したエアバッグカバーを得ることを見いだし、本発
明を完成するに至ったものである。
a、b、c、d、eを溶融混練してペレット化した、エ
アバッグカバーに好適な高温、低温展開性能に優れる熱
可塑性エラストマー組成物を提供するものである。 (a)少なくとも2個のビニル芳香族化合物を主体とす
る末端重合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエ
ン化合物を主体とする中間重合体ブロックBとからなる
ブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック
共重合体でスプリング硬度(JIS K6253) が99以下のも
ので、かつ数平均分子量が70000以上のもの 5〜
45重量% (b)パラフィン系オイル 5〜30重量% (c)プロピレンと炭素数2〜8のα−オレフィンとの
共重合体 5〜35重量% (d)触媒を用いる多段重合法により製造された(イ)
プロピレンと炭素数3〜30のα−オレフィンとの共重
合体及び(ロ)エチレンとプロピレンとの共重合体から
なるプロピレン系熱可塑性エラストマー 5〜90重量
% (e)粘度(JIS Z8803、25℃)が5000
0センチストークス以上であるシリコーンオイル 0.
1〜10重量%
する。本発明のa成分として用いる水添ブロック共重合
体は、少なくとも2個のビニル芳香族化合物を主体とす
る末端重合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエ
ン化合物を主体とする中間重合体ブロックBとからなる
ブロック共重合体を水素添加して得られるものであり、
下記一般式で示される構造を有するビニル芳香族化合物
−共役ジエン化合物ブロック共重合体の水素添加された
ものである。 A−(B−A)n (1≦n≦5) この水添ブロック共重合体は、水添ブロック共重合体エ
ラストマー組成物を得るために硬度99以下、好適には
90以下のものを使用する必要があるので、ビニル芳香
族化合物を5〜50重量%、好ましくは10〜40重量
%含み、さらにブロック構造について言及すると、ビニ
ル芳香族化合物を主体とする末端重合体Aが、ビニル芳
香族化合物重合体ブロックまたは、ビニル芳香族化合物
を50重量%を越え好ましくは70重量%以上含有する
ビニル芳香族化合物と水素添加された共役ジエン化合物
との共重合体ブロックの構造を有しており、さらに、水
素添加された共役ジエン化合物を主体とする中間重合体
ブロックBが、水素添加された共役ジエン化合物重合体
ブロック、または水素添加された共役ジエン化合物を5
0重量%を越え好ましくは70重量%以上含有する水素
添加された共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物との
共重合体ブロックの構造を有するものである。また、ビ
ニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック及び水素
添加された共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロッ
クがそれぞれ2個以上ある場合は、各重合体ブロックは
それぞれが同一構造でもよく、異なる構造であっても良
い。
香族化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチ
レン、ビニルトルエン、p−第3ブチルスチレン等のう
ちから1種または2種以上が選択でき、中でもスチレン
が好ましい。また水素添加された共役ジエン化合物を構
成する水添前の共役ジエン化合物としては、例えばブタ
ジエン、イソプレン、2.3−ジメチル−1.3−ブタ
ジエン等のうちから1種または2種以上が選ばれ、中で
もブタジエン、イソプレン及びこれらの組み合わせが好
ましい。さらに水添ブロック共重合体の分子構造は、直
鎖状、分岐状、放射状或いはこれらの任意の組み合わせ
のいずれであっても良い。また、本発明で用いるa成分
の水添ブロック共重合体の数平均分子量(Mn)は70
000以上、好ましくは90000〜200000の範
囲であり、分子量分布Mw/Mnは10以下(Mw:重
量平均分子量)、好ましくは5以下、さらに好ましくは
2以下である。数平均分子量が70000未満の場合、
十分な強度を付与することができない。分子量分布が1
0をこえると強度が低下する。a成分の配合量として
は、5〜45重量%で、好ましくは25〜35重量%で
ある。a成分の配合量が5重量%未満では、低温時に十
分な強度、あるいは耐衝撃性を付与することができず、
45重量%を超える場合は、流動性が著しく低下するた
め成形直後に良好な外観の成形品を得ることができな
い。また、a成分の水添ブロック共重合体は、数平均分
子量が大きいため作業性改善のために、パラフィン系オ
イルをあらかじめ添加した品を適宜用いることができ
る。
オイルは、得られる組成物の硬度を調整し、柔軟性を与
える作用を持つ必須成分である。一般にゴムの軟化、増
容、加工性向上に用いられるプロセスオイルまたはエク
ステンダーオイルとよばれる鉱物油系ゴム用軟化剤は芳
香族環、ナフテン環、パラフィン鎖の3者が組み合わさ
った混合物であり、パラフィン鎖の炭素数が全炭素数の
50%以上占めるものがパラフィン系と呼ばれ、ナフテ
ン環炭素数が30から45%のものがナフテン系、芳香
環炭素数が30%を越えるものが芳香族系とされる。本
発明の成分bとして用いられるオイルは上記区分でパラ
フィン系のものが好ましく、ナフテン系、芳香族系のも
のは分散性、溶解性の点で好ましくない。パラフィン系
ゴム用軟化剤の性状は37.8℃における動粘度はが2
0〜500cst、流動点が−10〜−15℃および引
火点が170〜300℃を示す。b成分のパラフィン系
オイルの配合量は5〜30重量%であり、好ましくは1
0〜25重量%である。b成分の配合量が5重量%未満
では流動性が著しく低下するため成形直後に良好な外観
の成形品を得ることができず、30重量%を越えた配合
では低温での耐衝撃性が著しく低下するために−40℃
でのエアバッグカバー展開時に良好な展開性能を発揮す
ることができない。
炭素数2〜8のα−オレフィンとの共重合体は、得られ
る組成物の加工性、耐熱性向上に有効であり、例えばプ
ロピレンと他の少量のα−オレフィンのランダムまたは
及びブロック共重合体、具体的にはプロピレン−エチレ
ン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロ
ピレン−4−メチル−1ペンテン共重合体、及びポリ4
−メチル−1−ペンテン、ポリブテン−1等があげら
れ、なかでもエチレン−プロピレンブロック共重合体が
好ましく、その中でもエチレン含有量が2〜30重量%
のものが好ましい。さらに高温老化試験、耐候性試験で
の物性の変化を抑えるために造核剤が添加されているこ
とが好ましい。このプロピレンと炭素数2〜8のα−オ
レフィンとの共重合体のメルトフローレート(ASTM-D-1
238L条件、230℃)は0.1〜60g/10min特に
0.5〜50g/10minの範囲のものが好適に使用
できる。メルトフローレートが0.1g/10min未
満では、成形時の流動性が悪化し、60g/10min
より大きいと耐熱性が低下するので好ましくない。c成
分の配合量としては、5〜35重量%であり、好ましく
は15〜25重量%である。c成分の配合量が5重量%
未満では高温時に十分な強度、あるいは耐衝撃性を付与
することができず、35重量%を越えると、低温での耐
衝撃性が著しく低下するために−40℃でのエアバッグ
カバー展開時に良好な展開性能を発揮することができな
い。
熱可塑性エラストマーは、得られる組成物の加工性、耐
熱性向上、−40℃でのエアバッグ展開性、耐傷つき性
を改善し、低グロスと材料単価の低減化に有効であり、
製法については触媒を用いた多段重合法(特開平1−2
97408号公報等)が用いられる。このプロピレン系
エラストマーのメルトフローレート(ASTM−D−1
238L条件、230℃)は0.5〜40g/10mi
nが好ましく、さらには1〜30g/10minの範囲
のものがより好ましい。メルトフローレートが0.5g
/min未満では成形時の流動性が悪化し、40g/m
inを越えると耐熱性が低下するので好ましくない。d
成分の配合量としては、5〜90重量%であり、好まし
くは10〜60重量%である。d成分の配合量が5重量
%未満では高温時に十分な強度、あるいは耐衝撃性を付
与することができず、d成分の配合量が90重量%を超
えると、低温での耐衝撃性が著しく低下するために−4
0℃でのエアバッグカバー展開時に良好な展開性能を発
揮することができない。
は、耐傷つき性を付与し、エラストマー特有のべたつき
を防ぎ、射出成形時の離型性を改善する成分である。こ
のシリコーンオイルの分子構造におけるシロキサン主鎖
の結合する置換基の種類については特に限定するもので
はないが、その中でもジメチルシリコーンオイル、メチ
ルフェニルシリコーンオイル、あるいはアルキル変性シ
リコーンオイルが好適に用いられる。このe成分である
シリコーンオイルの粘度は50000cst以上、好ま
しくは100000以上である。シリコーンオイルの粘
度が50000cst未満では初期の耐傷つき性、べた
つきが改良されるものの経時、あるいは熱による成形品
表面への移行が著しくなり好ましくない。e成分の配合
量としては0.1〜10重量%、好ましくは0.1〜3
重量%である。0.1重量%未満では耐摩耗性、べたつ
きを十分に改良することができず、10重量%を越える
と成形外観が得られず、コストアップを招く。また、こ
のシリコーンオイルの使用にあたっては、シリコーンオ
イルの分散性向上、作業性改善のために、あらかじめ熱
可塑性樹脂に練り込んだものを使用することはなんら差
し支えない。
明の組成物はさらに必要に応じて、無機充填剤、ポリス
チレン樹脂のような安価な樹脂を配合することも可能で
ある。これらは、増量剤として製品コストの低下をはか
ることの利益があるばかりでなく、品質改良(無機充填
剤:耐熱保形、難燃性付与等、ポリスチレン樹脂:加工
性向上等)に積極的効果を付与する利点もある。無機充
填剤としては、例えば炭酸カルシウム、カーボンブラッ
ク、タルク、水酸化マグネシウム、マイカ、硫酸バリウ
ム、天然ケイ酸、合成けい酸(ホワイトカーボン)、酸
化チタン等があり、カーボンブラックとしてはチャンネ
ルブラック、ファーネスブラック等が使用できる。これ
らの無機充填剤のうちタルク、炭酸カルシウムは経済的
にも有利で好ましいものである。また、この目的で使用
できるポリスチレン樹脂は、ラジカル重合法、イオン性
重合法で得られるものが好適に使用でき、その数平均分
子量は5000〜500000、好ましくは10000
〜200000の範囲から選択でき、分子量分布Mw/
Mnは5以下のものが好ましい。さらに必要に応じて造
核剤、外滑剤、内滑剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミ
ン系光安定剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、着
色剤等を添加しても良い。
通常の樹脂組成物、ゴム組成物の製造に用いられる一般
的な方法を採用できる。基本的には機械的溶融混練方法
であり、これらには単軸押出機、二軸押出機、バンバリ
ーミキサー、各種ニーダー、ブラベンダー、ロール等が
用いられる。この際、各成分の添加順序には制限がな
く、例えば、全成分をヘンシェルミキサー、ブレンダー
等の混合機で予備混合し上記の混練機で溶融混練した
り、任意の成分を予備混合しマスターバッチ的に溶融混
練し、さらに残りの成分を添加し溶融混練する等の添加
方法を採用できる。また、この際溶融混練する温度は1
70℃〜300℃の中から好適に選ぶことができる。こ
こで得た水添ブロック共重合体組成物はさらにエアバッ
グカバーの金型を備えた射出成形機に供給し短時間で射
出成形しエアバッグカバーを得ることができる。また、
射出成形品の不要なバリ、ランナー部、およびスプール
部は本発明の組成物が熱可塑性であるため、リサイクル
成形が可能であり、再度エアバッグカバーの素材として
利用出来る長所を持つ。
明するが、本発明は、これら実施例に限定されるもので
はない。以下に示す実施例及び比較例において配合した
各成分は以下の通りである。 <成分a>旭化成製タフテックH1272:ポリスチレ
ン−水素添加されたポリイソプレン−ポリスチレンの構
造を有し、結合スチレン量35重量%、数平均分子量が
約120000(パラフィンオイル(出光興産製ダイア
ナプロセスオイルPW−380[パラフィン系プロセス
オイル、動粘度:381.6cst(40℃)、30.1
(100℃)、平均分子量746、環分析値:CA=0
%、CN=27%、CP=73%])35%重量%油添
品) <成分b>出光興産製ダイアナプロセスオイルPW−3
80:パラフィン系プロセスオイル、動粘度:381.
6cst(40℃)、30.1(100℃)、平均分子
量746、環分析値:CA=0%、CN=27%、CP=
73% <成分c>トクヤマ製MS650:エチレン−プロピレ
ンブロック共重合体:メルトフローレート10g/10
min(JIS K7210) <成分d>モンテルエスディーケーサンライズ製キャタ
ロイKS−084P:多段重合法により製造された
(イ)プロピレンと炭素数3〜30のα−オレフィンと
の共重合体及び(ロ)エチレンとプロピレンとの共重合
体からなるプロピレン系熱可塑性エラストマー:メルト
フローレート30g/10min(ASTM−D−12
38) <成分e>東レ・ダウコーニングシリコーン製シリコ−
ンコンセントレートBY27−001:ストレートシリ
コ−ンオイル:PP=50:50、粘度100000c
st以上(25℃)、メルトフローレート16.4(2
30℃、2.16kg)
た配合割合のものを十分ドライブレンドした後、二軸混
練機を用いて樹脂温170〜230℃になるような条件
で溶融混練し押し出しペレタイズ化した。このペレット
を使用して以下の評価を行った。 (1)硬度(JIS K6253):このペレットよりプ
レスシートを作成し測定した。 (2)外観:このペレットより射出成形機で、エアバッグ
カバーの開裂部の厚み0.5mm、エアバッグバーの開
裂部以外の厚み2〜5mmのエアバッグカバーの成形品
を作製し、目視にてフローマーク、艶等の外観を成形直
後、及び温度110℃、400時間の高温老化試験後で
観察し、良好なものを○、不良なものを×とした。 (3)耐熱保形性:このエアバッグカバー成形品を温度1
10℃の環境で耐熱保形性試験を行った。24時間後保
形性が良好でへたり等を生じていないものを○、へたり
等を生じたものを×とした。
グカバー成形品を環境温度90℃、23℃及び−40℃
でエアバッグ展開試験を行った。エアバッグカバーの開
裂部より良好に展開したものを○、エアバッグカバーの
開裂部以外に亀裂を生じたり、カバーが飛散したもの、
エアバッグが良好に展開しなかったものを×とした。 (4)-2.高温老化試験後:このエアバッグカバー成形品を
温度110℃の環境で高温老化試験を行った。400時
間の高温老化試験後、環境温度90℃、23℃及び−4
0℃でエアバッグ展開試験を行った。エアバッグカバー
の開裂部より良好に展開したものを○、エアバッグカバ
ーの開裂部以外に亀裂を生じたり、カバーが飛散したも
の、エアバッグが良好に展開しなかったものを×とし
た。 (5)耐傷つき性試験:このエアバッグカバー成形品の上
面を垂直荷重が100gf、成形品表面との接触面積が
約1平方センチメートルになるカナキン3号布により、
往復距離100ミリメートルを毎秒100ミリメートル
で10回往復させた。試験後の成形品表面を目視により
観察し、傷がほとんど目立たないものを○、不良を×と
した。
示した。尚、表中の成分aの数値は成分a中の油展オイ
ル成分を除いた重量%である。成分aを使用している場
合、表中の成分bの数値は成分a中の油展オイル成分の
重量%を成分bの重量%に加えた部数である。この結果
から、本発明で得られた組成物を成形したエアバッグカ
バーは、硬度40〜98であり、しかも−40〜90℃
のエアバッグ展開性に優れていることがわかる。
グカバーは−40〜90℃におけるエアバッグ展開時に
開裂以外に亀裂が生じたりカバーが飛散することなしに
良好なエアバッグの展開が得られる。また、耐高温老化
性、耐候性等の長期信頼性にも優れている。しかも従来
のウレタンと補強用ナイロン系ネットに比べて良好な成
形加工性があり、良好な生産性があり、色合わせが簡単
であり、かつ材料単価が安価である等利用価値は非常に
大きい。
Claims (1)
- 【請求項1】 下記(a)〜(e)からなる熱可塑性エ
ラストマー組成物。 (a)少なくとも2個のビニル芳香族化合物を主体とす
る末端重合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエ
ン化合物を主体とする中間重合体ブロックBとからなる
ブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック
共重合体でスプリング硬度(JIS K6253) が99以下のも
ので、かつ数平均分子量が70000以上のもの 5〜
45重量% (b)パラフィン系オイル 5〜30重量% (c)プロピレンと炭素数2〜8のα−オレフィンとの
共重合体 5〜35重量% (d)触媒を用いる多段重合法により製造された(イ)
プロピレンと炭素数3〜30のα−オレフィンとの共重
合体及び(ロ)エチレンとプロピレンとの共重合体から
なるプロピレン系熱可塑性エラストマー 5〜90重量
% (e)粘度(JIS Z8803、25℃)が5000
0センチストークス以上であるシリコーンオイル 0.
1〜10重量%
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