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JP2991871B2 - 水添ブロック共重合体エラストマー組成物 - Google Patents

水添ブロック共重合体エラストマー組成物

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JP2991871B2
JP2991871B2 JP4253235A JP25323592A JP2991871B2 JP 2991871 B2 JP2991871 B2 JP 2991871B2 JP 4253235 A JP4253235 A JP 4253235A JP 25323592 A JP25323592 A JP 25323592A JP 2991871 B2 JP2991871 B2 JP 2991871B2
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block copolymer
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素芳 辻本
茂 小田
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車などの安全装置
として用いられるエアバッグシステムのエアバッグカバ
ーにおいて、エアバッグの展開性、展開時の耐飛散性に
優れた水添ブロック共重合体エラストマー組成物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、エアバッグカバーは中に補強用ナ
イロン系ネットを入れたウレタンが使用されている。エ
アバッグカバーは内部に折り畳まれて収納されたエアバ
ッグの膨張展開によって、補強用ナイロン系ネットのな
い薄肉部で破裂するようになっている。しかし、このよ
うなエアバッグカバーは補強用ナイロン系ネットがない
と薄肉の開裂部以外に亀裂が生じたり、カバーが飛散す
る。また、エアバッグカバー成形時、補強用ネットの位
置合わせに時間がかかり、また補強用ナイロン系ネット
の位置ズレによる不良率が高い。ウレタンRIM成形に
よる生産の低さなどが欠点であった。また、補強用ナイ
ロン系ネットをいれない熱可塑性樹脂によるエアバッグ
カバーも数多く検討されたが、硬度が40〜90という
自動車内装部品として人間が不愉快に感じない柔らかさ
で温度−40℃〜90℃において確実にエアバッグが展
開し、エアバッグ展開時にエアバッグカバーが開裂部以
外に亀裂を生じたり、破片が絶対飛散しないことは非常
に困難であるため、温度−40℃〜90℃におけるエア
バッグの展開性、展開時の耐飛散性に優れた硬度40〜
90であるエアバッグカバーは開発されていないのが現
状である。一方、特開平4−28738号公報のような
熱可塑性樹脂組成物が開示されているが、該発明は成形
品やシート等として利用できる熱可塑性樹脂組成物に関
するものであり、該組成物をエアバッグカバー材として
適用した場合、硬度が99以上であるばかりでなく、温
度−40℃〜90℃におけるエアバッグの展開性、展開
時の耐飛散性に劣っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来の自動車
などの安全装置として用いられるエアバッグシステムの
エアバッグカバーではできなかった補強用ナイロン系ネ
ットを必要としない熱可塑性樹脂によるJISK630
1のスプリング硬さ(硬度)40〜90のエアバッグカ
バーを得んとして研究した結果、水添ブロック共重合体
組成物を主成分として使用し、低温側の展開性はf成分
の熱可塑性エラストマーを添加アロイ化することによっ
て改善し、高温側の展開性はポリフェニレンエーテルを
添加アロイ化することによって改善すると言った配合設
計思想で、−40℃〜90℃という特に広い温度範囲で
のエアバッグの展開性、展開時の耐飛散性に優れたエア
バッグカバーを得ることができ、この知見に基づき種々
の研究を進めて本発明を完成するに至ったものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、下記の成
分a〜fを溶融混練してペレット化したエアバッグカバ
ー用水添ブロック共重合体エラストマー組成物である。 (a)少なくとも2個のビニル芳香族化合物を主体とする末端重合体ブロッ クAと、少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする中間重合体 ブロックBとからなるブロック共重合体を水素添加して得られる水添 ブロック共重合体でスプリング硬度(JIS K6301)が99以下のもの 100重量部 (b)パラフィン系オイル 10〜300重量部 (c)非晶性オレフィン系樹脂及びまたは熱変形温度が90℃以上の結晶性 オレフィン系樹脂 5〜100重量部 (d)ポリスチレン樹脂 5〜100重量部 (e)結合単位
【0005】
【化2】
【0006】 (ここで、R1,R2,R3、及びR4はそれぞれ、水素、ハロゲン、炭化水 素基からなる群から選択されるものである)からなり、還元粘度(0.5 g/dlクロロホルム溶液、30℃測定)が0.15〜0.70の範囲に あるホモ重合体及びまたは共重合体であるポリフェニレンエーテル樹脂 5〜 50重量部 (f)動的に加硫されたエチレン−α・オレフィン−非共役ジエン共重合体 ゴムとポリオレフィン系樹脂のブレンド体からなる熱可塑性エラスト マーのうち脆化温度が−50℃以下のもの 10〜150重量部
【0007】本発明で用いられる水添ブロック共重合体
は、少なくとも2個のビニル芳香族化合物を主体とする
末端重合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエン
化合物を主体とする中間重合体ブロックBとからなるブ
ロック共重合体を水素添加して得られるものであり、下
記一般式で示される構造を有するビニル芳香族化合物−
共役ジエン化合物ブロック共重合体の水素添加されたも
のである。 A−(B−A)n 1≦n≦5 この水添ブロック共重合体は、水添ブロック共重合体エ
ラストマー組成物を得るためには硬度99以下、好適に
は90以下のものを使用する必要があるので、ビニル芳
香族化合物を5〜50重量%、好ましくは10〜40重
量%含み、さらにブロック構造について言及すると、ビ
ニル芳香族化合物を主体とする末端重合体Aが、ビニル
芳香族化合物重合体ブロックまたは、ビニル芳香族化合
物を50重量%を越え好ましくは70重量%以上含有す
るビニル芳香族化合物と水素添加された共役ジエン化合
物との共重合体ブロックの構造を有しており、そしてさ
らに、水素添加された共役ジエン化合物を主体とする中
間重合体ブロックBが、水素添加された共役ジエン化合
物重合体ブロック、または水素添加された共役ジエン化
合物を50重量%を越え好ましくは70重量%以上含有
する水素添加された共役ジエン化合物とビニル芳香族化
合物との共重合体ブロックの構造を有するものである。
また、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック
及び水素添加された共役ジエン化合物を主体とする重合
体ブロックがそれぞれ2個以上ある場合は、各重合体ブ
ロックはそれぞれが同一構造でもよく、異なる構造であ
っても良い。
【0008】水添ブロック共重合体を構成するビニル芳
香族化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチ
レン、ビニルトルエン、p−第3ブチルスチレン等のう
ちから1種または2種以上が選択でき、中でもスチレン
が好ましい。また水素添加された共役ジエン化合物を構
成する水添前の共役ジエン化合物としては、例えばブタ
ジエン、イソプレン、2.3−ジメチル−1.3−ブタ
ジエン等のうちから1種または2種以上が選ばれ、中で
もブタジエン、イソプレン及びこれらの組み合わせが好
ましい。また、本発明で用いる水添ブロック共重合体の
数平均分子量(Mn)は5000〜1000000、好
ましくは10000〜800000、更に好ましくは3
0000〜500000の範囲であり、分子量分布Mw
/Mnは10以下である(Mw:重量平均分子量)。さ
らに水添ブロック共重合体の分子構造は、直鎖状、分岐
状、放射状或いはこれらの任意の組み合わせのいずれで
あっても良い。更に、上述のタイプの水添ブロック共重
合体の23℃における動的貯蔵弾性率G’を測定すると
5×102MPa以下である。
【0009】本発明で用いる成分bのパラフィン系オイ
ルは、得られる組成物の硬度を調整し、柔軟性を与える
作用を持つ必須成分である。一般にゴムの軟化、増容、
加工性向上に用いられるプロセスオイルまたはエクステ
ンダーオイルとよばれる鉱物油系ゴム用軟化剤は芳香族
環、ナフテン環、パラフィン鎖の3者が組わさった混合
物であり、パラフィン鎖の炭素数が全炭素数の50%以
上占めるものがパラフィン系と呼ばれ、ナフテン環炭素
数が30から45%のものがナフテン系、芳香環炭素数
が30%を越えるものが芳香族系とされる。本発明の成
分bとして用いられるオイルは上記区分でパラフィン系
のものが好ましく、ナフテン系、芳香族系のものは分散
性、溶解性の点で好ましくない。パラフィン系ゴム用軟
化剤の性状は37.8℃における動粘度はが20〜50
0cst、流動点が−10〜−15℃および引火点が1
70〜300℃を示す。成分bのパラフィン系オイルの
配合量は成分aの100重量部に対して10〜300重
量部であり、好ましくは20〜250重量部である。3
00重量部をこえた配合のものは、軟化剤のブリードア
ウトを生じやすく、最終製品に粘着性を生じる恐れがあ
り、機械的性質を低下せしめる。また、10部未満の配
合では、得られる組成物が樹脂組成物に近くなり、硬度
が増し、柔軟性を失う他に経済的観点からも好ましくな
い。
【0010】次に、本発明の成分cとして用いられてい
る非晶性オレフィン系樹脂は、得られる組成物の加工
性、耐熱性向上に有効であり、環状オレフィン構造を有
する重合体単独ないし環状オレフィンとα−オレフィン
との共重合体であり、その構造及び性質より非晶性ポリ
オレフィンと言える。非晶性オレフィン系樹脂の例とし
ては、下記の様な物が挙げられる。例えば、一般式
(1)で表されるジシクロペンタジエンの開環重合体ま
たはその水添物。
【0011】
【化3】
【0012】この開環重合体は、単量体としてジシクロ
ペンタジエンを使用し、環状オレフィンの公知の開環重
合法により製造することができる。また、この開環重合
体の水素添加物も通常の水素添加反応法を利用して得る
ことができる。及びまた、一般式(2)または一般式
(3)で表される不飽和単量体からなる群から選ばれた
少なくとも一種の化合物等も挙げられる。これらは、シ
クロペンタジエン類と相応するオレフィン類、及び環状
オレフィン類とをディールス・アルダー反応で縮合させ
ることにより容易に製造される。
【0013】
【化4】
【0014】
【化5】
【0015】(式中、n及びmはいずれも0もしくは正
の整数であり、lは3以上の整数であり、R1ないしR
10はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子または炭素水素基
を示す。)及びまた、一般式(4)(式中、R1は水素
原子もしくはメチル基を示し、R2はC1〜C20の炭化水
素基を示す。)及び(5)(R3〜R6は、水素原子また
はR3、R4から構成されるC1〜C10のアルキリデン基
を示す。)で表されるテトラシクロドデセン誘導体の開
環重合体またはその水添物等が挙げられる。なお、これ
らは2種類以上の混合物としても使用できる。
【0016】
【化6】
【0017】
【化7】
【0018】成分cの配合量は、成分a100重量部に
対し5〜100重量部であり、好ましくは10〜70重
量部である。100重量部を越えた配合では、得られる
エラストマー状組成物の硬度が高くなりすぎて柔軟性が
失われ、ゴム的感触の製品が得られないばかりでなく、
高温でのゴム弾性(圧縮永久歪)が極度に悪化し、90
℃でのエアバッグ展開性が好ましくない。また、5重量
部未満の配合では、該c成分が未添加の本発明の組成物
と同等の加工性しか発揮できない。本発明に用いられる
結晶性オレフィン系樹脂は、例えばポリエチレン、アイ
ソタクチックポリプロピレンやプロピレンと他の少量の
α−オレフィンのランダムまたは及びブロック共重合
体、具体的にはポリプロピレン−エチレン共重合体、プ
ロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレンー4ーメ
チルー1ペンテン共重合体、及びポリ4ーメチルー1−
ペンテン、ポリブテン−1等をあげることができる。ま
た、環状オレフィン系樹脂を用いることが有効である。
さらに、ポリエチレンとポリプロピレンといったように
2種以上の結晶性オレフィン樹脂を組み合わせて使用し
ても良い。結晶性オレフィン系樹脂として、アイソタク
チックポリプロピレンまたはその共重合体を用いる場合
のMFR(ASTM-D-1238L条件、230℃)は0.1〜50
g/10分特に0.5〜30g/10分の範囲のものが
好適に使用できる。また、ここで熱変形温度(JIS K720
7 4.6kgf/cm2)を90℃以上に制限したのは、それ未満
の場合は耐熱性向上に効果がないためである。ここに、
挙げたc成分の非晶性オレフィン系樹脂、結晶性オレフ
ィン系樹脂はc成分として併用して配合できる。
【0019】次に本発明の成分dのポリスチレン樹脂
は、得られる組成物の加工性を改良するための必須成分
であり、公知のラジカル重合法、イオン性重合法で得ら
れるものが好適に使用でき、その数平均分子量は500
0〜500000、好ましくは10000〜20000
0の範囲から選択でき、分子量分布Mw/Mnは5以下
のものが好ましい。成分dの配合量は、成分a100重
量部に対し5〜100重量部であり、好ましくは10〜
70重量部である。100重量部を越えた配合では、得
られるエラストマー状組成物の硬度が高くなりすぎて柔
軟性が失われ、ゴム的感触の製品が得られないばかりで
なく、高温でのゴム弾性(圧縮永久歪)が極度に悪化し
90℃でのエアバッグ展開性が好ましくない。また、5
重量部未満の配合では、加工性の改善が発揮されず好ま
しくない。
【0020】次に本発明のe成分として用いられるポリ
フェニレンエーテル樹脂は得られる組成物の90℃での
エアバッグ展開性を改善するための必須成分であり、結
合単位
【0021】
【化8】 (ここで、R1,R2,R3、及びR4はそれぞれ、水素、
ハロゲン、炭化水素基からなる群から選択されるもので
ある)からなり、還元粘度(0.5g/dlクロロホル
ム溶液、30℃測定)が0.15〜0.70の範囲にあ
るものが用いられ、好ましくは0.2〜0.6の範囲の
ものが用いられる。このポリフェニレンエーテル樹脂と
しては公知のものが用い得る。
【0022】具体的な例とすればポリ2,6ージメチル
−1,4フェニレンエーテル、2−メチル−6エチル−
1,4−フェニレンエーテル、2,6ージフェニル−
1,4フェニレンエーテル、2−メチル−6フェニル−
1,4−フェニレンエーテル、2,6ージクロロ−1,
4フェニレンエーテル等が挙げられ、また2,6−ジメ
チルフェノールと他のフェノール類(例えば2,3,6
−トリメチルフェノールや2−メチルー6ーブチルフェ
ノール)との共重合体のごときポリフェニレンエーテル
共重合体も挙げられる。なかでもポリ(2,6−ジメチ
ル−1,4−フェニレン)エーテル、2,6−ジメチル
フェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共
重合体が好ましく、さらに、ポリ(2,6−ジメチル−
1,4−フェニレン)エーテルが好ましい。ポリ(2,
6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルの場合は
還元粘度(0.5g/dlクロロホルム溶液、30℃測
定)が0.15〜0.70の範囲にあるものが用いら
れ、好ましくは0.3〜0.6の範囲のものが用いられ
る。成分eの配合量は、成分a100重量部に対して5
〜50重量部の範囲で好適に選ぶことができる。成分e
が50重量部超の配合では得られるエラストマー状組成
物の硬度が高くなりすぎて柔軟性が失われ樹脂組成物と
なり、ゴム的な感触が得られないばかりか高温でのゴム
弾性が劣り、90℃でのエアバッグ展開性が好ましくな
い。また、成分eが5重量部以下の配合ではポリフェニ
レンエーテルを添加する効果としての90℃でのエアバ
ッグ展開性の改善が認められず好ましくない。
【0023】更に、本発明のf成分として用いられる熱
可塑性エラストマーは−40℃でのエアバッグ展開性を
改善するための必須成分であり、共重合体ゴムにおける
α・オレフィンは炭素数3〜15のものが適する。非共
役ジエンとしてはジシクロペンタジエン、1,4−ヘキ
サジエン、エチリデンノルボルネン、及びメチレンノル
ボルネン等が使用できる。本発明においては入手の容易
さ、耐衝撃性改良の観点からα・オレフィンとしてはポ
リプロピレンが適する。従って、f成分中のエチレン−
α・オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムとしてはい
わゆるEPDMが好適となる。共重合ゴムのエチレン/
α・オレフィン比は重量比で50/50〜90/10、
さらに好適には60/40〜80/20が適する。加硫
剤としては通常のゴム用の加硫剤を用いる事ができ、と
くに硫黄の他にアルキルフェノール・ホルムアルデヒド
樹脂、ジクミルペルオキシドのような有機過酸化物が特
に好適に用いられる。加硫剤の他に加硫助剤、酸化防止
剤等を併用しても良い。アルキルフェノール・ホルムア
ルデヒド樹脂の添加量は共重合体ゴム100重量部に対
して、0.5部〜15重量部の範囲が強度と加工性のバ
ランスの点で好ましい。有機過酸化物の場合、共重合体
ゴム100重量部に対して0.05重量部〜1重量部の
範囲が強度と加工性のバランスの点で好ましい。共重合
体ゴム100重量部に対して、ポリオレフィン系樹脂を
5重量部以上含むことが加工性を保つために不可欠であ
る。共重合体ゴムとポリオレフィン系樹脂のブレンド体
を動的に溶融混練させながら、加硫剤を加えて加硫させ
て本成分fを得る事ができる。f成分を得る方法として
は市販品を入手する方法もあるが、これらのものは加工
性向上のために、本発明のb成分が予め添加されている
場合があるので、b成分の添加量の補正が必要である。
ここで熱可塑性エラストマーの脆化温度を−50℃以下
に規定したのは、それ以上の脆化温度を持つものは−4
0℃でのエアバッグ展開性を改善できない為である。成
分fの配合量は成分a100重量部に対して10〜15
0重量部の範囲で好適に選ぶことができる。成分fが1
50重量部超の配合では得られるエラストマー状組成物
の高温でのゴム弾性が劣り90℃でのエアバッグ展開性
が好ましくないばかりか、高温時の耐熱保形性が著しく
悪化し成形物としての使用に耐えない。また、成分fが
10重量部未満の配合では共重合体ゴムを添加する効果
としての−40℃でのエアバッグ展開性の改善が認めら
れず好ましくない。
【0024】上記した(a)〜(f)成分のほかに、本
発明の組成物はさらに必要に応じて、無機充鎮剤を配合
することも可能である。この無機充鎮剤は、増量剤とし
て製品コストの低下をはかることの利益があるばかりで
なく、品質改良(耐熱保形、難燃性付与等)に積極的効
果を付与する利点もある。無機充鎮剤としては、例えば
炭酸カルシウム、カーボンブラック、タルク、水酸化マ
グネシウム、マイカ、硫酸バリウム、天然ケイ酸、合成
けい酸(ホワイトカーボン)、酸化チタン等があり、カ
ーボンプラックとしてはチャンネルブラック、ファーネ
スブラック等が使用できる。これらの無機充填剤のうち
タルク、炭酸カルシウムは経済的にも有利で好ましいも
のである。さらに必要に応じて造核剤、外滑剤剤、内滑
剤、ヒンダードアミン系光安定剤、ヒンダードフェノー
ル系酸化防止剤、着色剤、シリコンオイル等を添加して
も良い。本発明の組成物を製造する方法としては、通常
の樹脂組成物、ゴム組成物の製造に用いられる一般的な
全ての方法を採用出来る。基本的には機械的溶融混練方
法であり、これ等には単軸押出機、二軸押出機、バンバ
リーミキサー、各種ニーダー、ブラベンダー、ロール等
が用いられる。この際、各成分の添加順序には制限がな
く、例えば、全成分をヘンシェルミキサー、ブレンダー
等の混合機で予備混合し上記の混練機で溶融混練した
り、任意の成分を予備混合しマスターバッチ的に溶融混
練し、さらに残りの成分を添加し溶融混練する等の添加
方法を採用できる。また、この際溶融混練する温度は1
80℃〜300℃のなかから好適に選ぶことが出来る。
ここで得られた水添ブロック共重合体組成物はさらにエ
アバッグカバーの金型を備えた射出成形機に供給し短時
間で射出成形しエアバッグカバーを得ることが出来る。
また、射出成形品の不要なバリ、ランナー部、およびス
プール部は本発明の組成物が熱可塑性であるため、リサ
イクル成形が可能であり、再度エアバッグカバーの素材
として利用出来る長所を持つ。以下、本発明を実施例に
よって更に詳細に説明するが、本発明は、これら実施例
に限定されるものではない。
【0025】
【実施例】以下に示す実施例及び比較例において配合し
た各成分は以下の通りである。 <成分a> ポリスチレン−水素添加されたポリブタジエン−ポリス
チレンの構造を有し、結合スチレン量30%の旭化成製
タフテックH1041 [硬度:86] <成分b> 出光興産製ダイアナプロセスオイルPW−380[パラ
フィン系プロセスオイル、動粘度:381.6cst
(40℃)、30.1(100℃)、平均分子量74
6、環分析値:CA=0%、CN=27%、CP=73
%] <成分c(1)> 三井石油化学製状非晶性オレフィン系樹脂、アペル130A [熱変形温度温度:130℃] <成分c(2)> 日本合成ゴム製非晶性オレフィン系樹脂、ARTON I [熱変形温度温度:165℃] <成分c(3)> 日本ゼオン製非晶性オレフィン系樹脂、ZEONEX 280 [熱変形温度温度:150℃] <成分c(4)> 住友化学製ポリプロピレン樹脂、W501 [MFR(230℃)=8.0g/10分 熱変形温度:115℃] <成分c(5)> 住友化学製ポリプロピレン樹脂、AV664B [MFR(230℃)=5g/10分 熱変形温度温度:122℃] <成分d> 旭化成製ポリスチレン樹脂、スタイロン685 [MFR(200℃)=3g/10分] <成分e(1)> ポリフェニレンエーテル樹脂として、ポリ(2、6ージ
ーメチルー1、4ーフェニレン)エーテル<還元粘度:
0.31>を合成し、成分e(1)とした。 <成分e(2)> ポリフェニレンエーテル樹脂として、2、3、6−トリ
メチルフェノールを5%含む2、6−ジメチルフェノー
ルから、2、6ージメチルーフェノール/2、3、6−
トリメチルフェノール共重合体<還元粘度:0.54>
を合成し、成分e(2)とした。 <成分f(1)> モンサント社製サントプレン201−80[加硫剤:ア
ルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂 脆化温度:
−60℃>] <成分f(2)> 住友化学製住友TPE821[加硫剤:有機過酸化物
脆化温度:−60℃>]
【0026】《実施例1〜18及び比較例1〜8》 表に示した配合割合のものを十分ドライブレンドした
後、二軸混練機を用いて樹脂温260〜275℃になる
ような条件で溶融混練し押し出しペレタイズ化した。こ
のペレットを使用して以下の評価を行った。 (1) 硬度(JIS K6301):プレスシートを作成し測定した。 (2) 外観:射出成形機により、エアバッグカバーの開裂部の厚み0.5mm、エ アバッグカバーの開裂部以外の厚み2〜5mmのエアバッグカバーの 成形品を作製し、目視にてフローマーク、艶等の外観を観察をし、 良好なものを○、やや不良なものを△、不良なものを×とした。 (3) 耐熱保形性:このエアバッグカバー成形品を温度90℃の環境で耐熱保形性 試験を行った。 24時間後保形性が良好でへたり等を生じていないものを○、 へたり等を生じたものを×とした。 (4) 展開試験:このエアバッグカバー成形品を環境温度90℃、23℃及び −40℃でエアバッグ展開試験を行った。 エアバッグカバーの開裂部より良好に展開したものを○、 エアバッグカバーの開裂部以外に亀裂を生じたり、カバーが飛散 したもの、エアバッグが良好に展開しなかったものを×とした。 その結果を実施例として表1、表2、表3に示し、比較
例としては表4、5に示した。この結果から、本発明で
得られた組成物を成形したエアバッグカバーは、硬度4
0〜90であり、しかも−40℃〜90℃のエアバッグ
展開性に優れていることがわかる。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】
【表5】
【0032】
【発明の効果】本発明の組成物により成形したエアバッ
グカバーは−40℃〜90℃間におけるエアバッグ展開
時に開裂部以外に亀裂が生じたりカバーが飛散すること
無しに良好なエアバッグの展開が得られる。また、耐光
老化性、耐熱老化性が良好なため、長期信頼性に優れて
いる。しかも従来のウレタンと補強用ナイロンネットに
較べ、良好な成形加工性がある、良好な生産性がある、
色合わせが簡単である、コストが安価である等利用価値
は非常に大きい。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 71/12 C08L 71/12 91/00 91/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記成分a〜fからなる水添ブロック共
    重合体エラストマー組成物。 (a)少なくとも2個のビニル芳香族化合物を主体とする末端重合体ブロックA と、少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とする中間重合体ブロック Bとからなるブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重 合体でスプリング硬度(JIS K6301) が99以下のもの 100重量部 (b)パラフィン系オイル 10〜300重量部 (c)非晶性オレフィン系樹脂及びまたは熱変形温度が90℃以上の結晶性オレ フィン系樹脂 5〜100重量部 (d)ポリスチレン樹脂 5〜100重量部 (e)結合単位 【化1】 (ここで、R1,R2,R3、及びR4はそれぞれ、水素、ハロゲン、炭化水 素基からなる群から選択されるものである)からなり、還元粘度(0.5 g/dlクロロホルム溶液、30℃測定)が0.15〜0.70の範囲に あるホモ重合体及びまたは共重合体であるポリフェニレンエーテル樹脂 5〜 50重量部 (f)動的に加硫されたエチレン−α・オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム とポリオレフィン系樹脂のブレンド体からなる熱可塑性エラストマーのう ち脆化温度が−50℃以下のもの 10〜150重量部
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