[go: up one dir, main page]

JP2002127922A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置

Info

Publication number
JP2002127922A
JP2002127922A JP2000330625A JP2000330625A JP2002127922A JP 2002127922 A JP2002127922 A JP 2002127922A JP 2000330625 A JP2000330625 A JP 2000330625A JP 2000330625 A JP2000330625 A JP 2000330625A JP 2002127922 A JP2002127922 A JP 2002127922A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
motor
current
steering
resistance value
value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000330625A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3915964B2 (ja
Inventor
Yoshiyuki Sumimoto
義行 住本
Tetsuya Fukumoto
哲也 福本
Shinjiro Matsukawa
真二郎 松川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Omron Corp, Omron Tateisi Electronics Co filed Critical Omron Corp
Priority to JP2000330625A priority Critical patent/JP3915964B2/ja
Publication of JP2002127922A publication Critical patent/JP2002127922A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3915964B2 publication Critical patent/JP3915964B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
  • Power Steering Mechanism (AREA)
  • Control Of Direct Current Motors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転センサレスの構成で、変動する抵抗値R
のデータを適正に確保しつつ、これに基づき正確に回転
数ωの推定演算を実行し、回転数ωを使用した電流制限
制御を的確に実現できる電動パワーステアリング装置を
提供する。 【解決手段】 制御回路2に、保舵状態においてω=0
として電圧と電流から抵抗値Rを演算する機能(モータ
抵抗学習部7)と、この抵抗値Rからモータ回転数を推
定演算する機能(モータ回転推定演算部5)と、このモ
ータ回転数の推定値から保舵状態を判定する機能(操舵
状態判定部11)と、この保舵状態の判定結果に基づい
て電流制限処理を実行する機能(リミッタ計算部13、
電流リミッタ12)を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両において操舵
補助トルクを発生させる電動パワーステアリング装置に
係わり、保舵状態においてアシストモータの電流制限を
実行する電動パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電動パワーステアリング装置
は、ハンドル操作によりステアリングシャフトに発生す
る操舵トルクをトルクセンサ(操舵トルク検出手段)に
より検出し、それに応じてステアリングシャフト等に取
り付けられたアシストモータ(以下、場合により単にモ
ータという)に電流を流して操舵補助トルクを発生させ
るものである。そのためのアシストモータの電流制御に
は、通常四つのFET(電界効果トランジスタ)で構成
されるHブリッジ回路を用い、このHブリッジ回路より
なる駆動回路(モータ駆動手段)を介してアシストモー
タをPWM(パルス幅変調)方式で駆動する。そして、
検出された操舵トルクに応じて電流指令値が演算され、
例えば、前記電流指令値に基づく電流制御信号(例え
ば、PWM駆動のデューティ比を決める信号)の値と実
際のアシストモータの電流値との差(偏差)に応じて、
前記電流制御信号を修正するフィードバック制御によ
り、前記アシストモータの電流値を操舵トルクに応じた
好ましい値に制御する。ここで、前記電流指令値の演算
や、上記フィードバック制御処理を含む前記電流制御信
号の生成などは、通常マイクロコンピュータ(以下、マ
イコンという)を含む制御回路によって行われる。
【0003】ところでこの種の装置では、操舵がなされ
ていない保舵状態(モータ回転数や操舵補助トルクの変
化がほぼゼロで、さらにモータ回転数がほぼゼロの状
態)においてモータの電流制限(即ち、モータ電流の最
大値を100%未満に減少させる処理)を行うことが好
ましい。保舵状態では、通常大きな操舵補助トルクを必
要としないので、無駄な電力消費や発熱を確実に回避す
るためである。また、ハンドル端当て操作状態(ラック
エンド状態)でかつ保舵状態であるような場合には、運
転者がハンドルを意識的に切り増ししていないにもかか
わらず、操舵補助トルクが無駄に大きく発生している
(即ち、過大なモータ電流が流れている)恐れがあり、
このような状況は、確実に回避すべきだからである。そ
こで従来では、モータの回転(或いはハンドルの回転)
を検出する回転センサを設けて、この回転センサによっ
て得られた回転数のデータによって上述したような保舵
状態(特に、ラックエンドでの保舵状態)を判定し、そ
の判定結果に基づいて電流制限を実行する構成となって
いた。
【0004】なお、上記回転センサは、モータ回転数を
利用した他の制御にも利用可能である。例えば、この種
の装置では、操舵フィーリングの向上等を図るべく、モ
ータの回転数を考慮したより高度なモータの制御を行う
こともある。例えば、高速走行時などにハンドル操作の
手応え感を増すために、ハンドル角速度(即ち、モータ
回転数)の負帰還による制御を付加する場合がある。こ
れは、モータの電流(即ち、操舵補助トルク)の大きさ
をハンドル角速度の大きさに応じて減らし、場合によっ
ては操舵トルクと反対方向の操舵補助トルクを発生させ
るものであり、これによりハンドル操作の手応え感を車
速などに応じたより好ましいものにするためのものであ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようなモ
ータ回転数を使用した制御では、モータ回転数のデータ
を必要な程度に精度良く得られることが当然必要であ
り、この回転数のデータが不正確になると、必要な操舵
補助トルクが発生されないなどの不具合をかえって生じ
させてしまうことになりかねない。ところが、そのため
にモータ回転数を検知するための回転センサ(例えば、
モータの回転角度又は回転角速度を検出するセンサ、或
いはハンドル又はステアリングシャフトの回転角度又は
回転角速度を検出するセンサ)を設けることは、コスト
面や車両への搭載性(装置の組付け性や小型化)の面か
ら困難であり、市場ではそのような回転センサを設けな
い回転センサレスの構成が強く望まれている。というの
は、このような回転センサを設けようとすると、そのセ
ンサ自体のコストが装置コストに上乗せされ、かつ、そ
のセンサ自体の配置スペースが車両内に必要になるとと
もに、車両において前述の駆動回路や制御回路が収納さ
れる制御ユニットから、このようなセンサ類が配置され
る箇所(例えばアシストモータの配置個所)まで、その
センサのための信号線や電源線を敷設するというめんど
うな作業や、その信号線等の敷設のためのスペースが、
さらに必要となるからである。
【0006】そのために近年では、例えば特開平11−
59463号公報に開示されているように、制御ユニッ
ト内の演算回路(例えば、前述のマイコンよりなる制御
回路)において、モータの電流IMと電圧VM(印加電
圧)と抵抗値Rから下記式(1)によりモータの回転数
ωをリアルタイムに推定演算して求めることが提案され
ている。なお、Kはモータの誘起電圧定数である。 ω=1/K・(VM−R・IM) …(1) また上記公報には、上記式(1)の演算で使用するため
の抵抗値Rを、回転数ωがゼロになっていること(即
ち、保舵状態であること)を判定して、上記式(1)に
おいてω=0として得られる下記式(2)から適宜演算
して求める技術が提案されている。 R=VM/IM …(2)
【0007】しかしながら、上記従来のパワーステアリ
ング装置では、上記公報にも示されているように、操舵
角センサ等の回転検出手段によって回転数ωがゼロにな
っていることを判定するか、或いはモータの電流制御信
号(電動機電流信号)が通常の操舵における最大値(最
大目標電流信号)を越えている場合に回転数ωがゼロに
なっていると判定して、前記抵抗値Rを求める演算を実
行する構成となっていた。このため、以下のような問題
があった。即ち、操舵角センサ等の回転検出手段を用い
る場合には、せっかく回転数ωを演算推定する構成であ
るにもかかわらず、回転センサレスの構成にならず、前
述したような装置の高コスト化や車両への搭載性の悪化
を招来する。さらにいえば、操舵角センサがあるのであ
れば、その出力を微分等すれば回転数ωの値が得られる
のに、わざわざ抵抗値Rを求めてさらに回転数ωを推定
演算する処理が無駄になっている。
【0008】また、いずれの場合にも、回転数ωがゼロ
になる状態とならなければ、抵抗値Rの最新値が得られ
ないため、抵抗値Rをその時点でより正しい値に補正又
は更新登録する学習の頻度が十分高くできず、温度によ
る抵抗値Rの変化を十分に反映させることができない欠
点がある。なお、経年変化によるモータの抵抗値の変化
は、一般に緩やかであるが、温度に起因する変化(或い
は変動)は、比較的短時間でその変化量も大きい。その
ため、特にこの温度に起因する抵抗値変化を十分に反映
させるためには、より頻繁な抵抗値Rの学習が必要にな
るが、従来の構成では、このような頻繁な学習ができな
いか、或いは不十分であった。特に、電流制御信号が最
大値を越えた場合に回転数ωがゼロであると判定する構
成では、回転数ωが実際にゼロとなっている状態を毎回
判定できず、通常ではめったに行われないような特殊な
操作(即ち、前記公報にも記載されているようにラック
エンドで保舵しているような操作)が行われて回転数ω
がゼロになったときに初めて、抵抗値Rの推定演算に基
づく抵抗値Rの学習が実現されるから、学習頻度が極め
て低く不十分であり、特に温度変化に起因する抵抗値R
の変化の影響を回転数ωの推定演算に反映することは、
実際にはほとんど不可能となる。したがって総括する
と、従来では、回転センサレスの構成で、常に変化又は
変動する抵抗値Rのデータを適正に確保して、このデー
タに基づき十分正確に回転数ωの推定演算を実行し、さ
らにこの回転数ωの推定値に基づいて回転数を利用した
制御(特に電流制限制御)を的確に実行することができ
なかった。そこで本発明は、回転センサレスの構成で、
抵抗値Rのデータを適正に確保しつつ、このデータに基
づき十分正確に回転数ωの推定演算を実行し、回転数ω
を使用した制御(少なくとも、電流制限制御)を的確に
実現するための、優れた機能を備えた電動パワーステア
リング装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願第1の発明による電
動パワーステアリング装置は、車両の操舵系に連結され
て操舵補助トルクを発生させるためのアシストモータ
と、前記操舵系の操舵トルクを検出する操舵トルク検出
手段と、少なくともこの操舵トルク検出手段による操舵
トルク検出値を含むパラメータに基づいて、前記アシス
トモータを制御する制御ユニットとを有する電動パワー
ステアリング装置であって、前記制御ユニットが、前記
アシストモータへの印加電圧を検出するモータ電圧検出
手段と、前記アシストモータに流れる電流を検出するモ
ータ電流検出手段と、前記アシストモータの抵抗値を記
憶する抵抗値記憶手段と、前記モータ電圧検出手段及び
モータ電流検出手段により検出されている電圧及び電
流、並びに前記モータ抵抗値記憶手段に記憶されている
最新の抵抗値から前記アシストモータの回転数を推定演
算する回転数演算手段と、少なくとも、前記操舵トルク
検出値の変動量が既定値以下であり、かつ、前記回転数
演算手段により推定演算される回転数の変動量が既定値
以下になったことを条件として、保舵状態であると判断
する操舵状態判定手段と、少なくとも、前記操舵状態判
定手段によって保舵状態であることが判断されているこ
とを条件として、前記モータ電圧検出手段及びモータ電
流検出手段により検出されている電圧及び電流から、前
記回転数がゼロであるとして前記アシストモータの抵抗
値を推定演算するモータ抵抗値演算手段と、このモータ
抵抗値演算手段によって求められた抵抗値を、新たな抵
抗値として前記抵抗値記憶手段に登録する抵抗値記憶処
理手段と、少なくとも、前記操舵状態判定手段によって
保舵状態であることが判断されていることを条件とし
て、前記アシストモータに流れる電流を制限する電流制
限手段とを備えたものである。
【0010】なおここで、「抵抗値記憶手段」、「回転
数演算手段」、「操舵状態判定手段」、「モータ抵抗値
演算手段」、「抵抗値記憶処理手段」、及び「電流制限
手段」は、例えばマイコンを含む回路とそのROM等に
登録されたプログラムにより実現される。なお、上記
「制御ユニット」は、例えば、モータを制御するための
モータ駆動手段(例えば前述したHブリッジ回路)と、
このモータ駆動手段に所定の制御信号(例えば、電流制
御信号)を出力してモータの作動状態(例えば、電流の
大きさや方向)を制御するモータ制御手段(例えばマイ
コンを含む回路)とを備えているが、上記「回転数演算
手段」等が、このモータ制御手段と同一の回路(共通の
CPU)によって実現されていてもよい。また、「モー
タ電圧検出手段」は、例えば、前述したHブリッジ回路
におけるモータ接続端子間の電位差をモータ電圧値とし
て検出する回路である。また、「モータ電流検出手段」
は、例えば、前述したHブリッジ回路の電源ライン上に
接続されたシャント抵抗の両端子間の電位差をモータ電
流値として検出する回路である。
【0011】また、回転数演算手段による回転数の推定
演算は、例えば周期的に行えばよい(後述する他の発明
でも同様)。また、モータ抵抗値演算手段による上記抵
抗値の推定演算は、操舵状態判定手段によって保舵状態
であることが判断されたときに毎回行う必要は、必ずし
もない。また、モータ抵抗値演算手段による推定演算
は、前述した式(2)によるものである。また、抵抗値
記憶処理手段による抵抗値の更新登録は、モータ抵抗値
演算手段による上記抵抗値の推定演算が実行されたとき
に無条件に実行するものでもよいし、例えば、推定演算
された最新の抵抗値と抵抗値記憶手段の記憶値の差が規
定の許容値を越えている場合にのみ実行するようにして
もよい(後述する発明でも同様)。また、モータ抵抗値
演算手段によって求められた抵抗値の抵抗値記憶処理手
段による登録は、以前の抵抗値を消去して同じエリアに
行う更新登録でもよいし、以前の抵抗値を残したまま別
のエリアに登録するものでもよい(後述する発明でも同
様)。また、回転数の推定演算に使用する「最新の抵抗
値」とは、登録された抵抗値が複数ある場合には、その
うちの最新のものであり、抵抗値の更新登録が未だ一度
も行われていない場合には、初期値として登録された抵
抗値(最初の基準値)である(後述する発明でも同
様)。
【0012】この発明によれば、操舵状態判定手段が、
操舵トルク検出値の変動量が既定値以下(例えばゼロ又
はその近傍の値以下)であり、かつ、モータの回転数推
定値の変動量が既定値以下(例えばゼロ又はその近傍の
値以下)になったことを条件として、保舵状態であると
判断する。即ち、トルク変動量と回転数変動量が小さい
状態を、保舵判断の条件としている。このような状態
は、回転数ωがゼロの状態(保舵状態)しかほとんどあ
り得ないので(トルク変動量と回転数変動量を小さく維
持しつつハンドルを回転させることは困難であるた
め)、相当の精度で保舵状態が判断でき、しかも、必ず
しもハンドル端当て操作状態のような特殊な状態に限ら
れず、回転数ωが実際にゼロの状態が広く判定できる。
このため、回転センサレスの構成でありながら、上記保
舵状態の判断に基づいて行われるモータ抵抗値演算手段
による抵抗値の演算推定の頻度(即ち、温度変化及び経
年変化を含めた最新の抵抗値の学習頻度)を、従来より
も格段に高めることができ、装置の高コスト化や車両搭
載性の悪化を招来することなく、上記回転数演算手段に
よる回転数の推定演算の精度及び信頼性を向上させ、ひ
いてはこの回転数の推定値を用いたモータの制御(特
に、モータの電流制限制御)の的確性や実効性を格段に
向上させることができる。なおこの場合、回転センサが
全く不要な構成となるので、もちろんそのための配線
(制御ユニットと回転センサ間の信号線等)も不要とな
る。また、上記回転数演算手段による回転数の推定演算
に使用する電圧や電流としては、例えば前述したような
制御ユニット内の回路によって実現された前記モータ電
圧検出手段及びモータ電流検出手段により検出されたも
のが使用されるため、この電圧や電流を検出するセンサ
やそのための配線を制御ユニット外に設ける必要もな
い。したがって、制御ユニット外のセンサ数や配線数が
格段に低減された車両搭載性の高い安価な装置が実現で
きる。
【0013】また、この発明の好ましい一態様は、前記
操舵状態判定手段が、保舵状態であると判断する条件と
して、前記モータ電流検出手段により検出されている電
流が既定値以上であることをさらに付加したものであ
る。この場合、保舵状態の判断がより確実になる。とい
うのは、モータの電流は、操舵トルクに応じて制御され
るのが基本であるから、この場合、電流が相当量(既定
値以上)あるということは、操舵トルクが相当量多くあ
るということである。そして、トルク変動量と回転数変
動量を非常に小さく維持しつつ、相当量の操舵トルクで
ハンドルを回転させることは非常に困難であるから、ト
ルク変動量と回転数変動量が非常に小さく、かつ操舵ト
ルクが相当量あるということは、保舵状態以外にまずあ
り得ない。このため、保舵状態の判断がより確実にな
る。ちなみに、アイスバーンなどの抵抗の極端に少ない
路面上にタイヤがある場合には、トルク変動量と回転数
変動量を小さく維持しつつハンドルを回転させることは
可能であるが、このような状況でも、さらに操舵トルク
を相当量に保ちつつハンドルを回転させることができな
いから、このような特殊な状況であっても、本態様であ
れば、誤った保舵判断(実際には、回転数がゼロでない
のに保舵状態と判断してしまうこと)がなされてしまう
可能性が極めて少ない。
【0014】なお、本態様における「既定値」(上述し
た保段判断のための電流のしきい値)は、上述したよう
な作用効果をより高度に達成するためには、なるべく大
きな値に設定することが好ましいが、あまりこの値を大
きく設定すると、保舵判断の頻度(即ち、最新の抵抗値
の学習頻度)が低下する傾向にあるため、そのバランス
を考慮して上記「既定値」を設定すべきである。少なく
とも、従来のようにモータの最大電流値以上とすること
は、避けなければならない。但し、後述するように、モ
ータ温度による抵抗値の補正(温度補正)を行う態様の
場合には、上述した学習頻度の低下の問題は考慮する必
要はなく、上記「既定値」は大きな値とすることが好ま
しい(この場合には、最大電流値としてもよい)。とい
うのは、後述の温度補正がなされれば、温度変化に対す
る学習を行う必要がなくなり、モータ電流値の初期的な
ばらつき(製品毎のばらつき)や長時間をかけて徐々に
変化する経年変化の影響を反映させるためにのみ、最新
の抵抗値の推定演算を実行すればよいからである。
【0015】また、この発明の好ましい他の態様は、前
記モータ抵抗値演算手段が、前記推定演算を実行する条
件として、前記操舵状態判定手段が、保舵状態であるこ
とを判断している時間が規定時間を越えたことをさらに
付加したものである。この場合、抵抗値の推定演算の精
度がさらに高まる。実際には保舵状態でないのに瞬間的
に前述した保段判断の条件が成立して、抵抗値の推定演
算が実行されてしまう可能性がなくなるからである。
【0016】また、本願第2の発明は、前記第1の発明
と同様の電動パワーステアリング装置であって、前記制
御ユニットが、前記アシストモータに流れる電流を制御
するためのモータ駆動手段と前記アシストモータへの印
加電圧を検出するモータ電圧検出手段と、前記電流を検
出するモータ電流検出手段と、前記アシストモータの抵
抗値を記憶する抵抗値記憶手段と、前記モータ電圧検出
手段及びモータ電流検出手段により検出されている電圧
及び電流、並びに前記モータ抵抗値記憶手段に記憶され
ている最新の抵抗値から前記回転数を推定演算する回転
数演算手段と少なくとも、前記操舵トルク検出値の変動
量が既定値以下であり、かつ、前記回転数演算手段によ
り推定演算される回転数の変動量が既定値以下であるこ
とを条件として、安定操舵状態であること、さらには保
舵状態であることを判断する操舵状態判定手段と、少な
くとも、前記操舵状態判定手段によって安定操舵状態で
あることが判断されており、かつ、前記モータ電流検出
手段により検出されている電流がゼロでないこと(即
ち、後述する式(3)による演算が可能となるような電
流値が存在していること)を条件として、前記電流の大
きさが低下する方向に前記モータ駆動手段の制御信号を
一時的かつ強制的に変化させる電流低減制御手段と、こ
の電流低減制御手段による前記制御信号の変化の開始前
後における、前記モータ電圧検出手段及びモータ電流検
出手段により検出されている電圧及び電流から、前記回
転数の変化がゼロであるとして前記アシストモータの抵
抗値を推定演算するモータ抵抗値演算手段と、このモー
タ抵抗値演算手段によって求められた抵抗値を、新たな
抵抗値として前記抵抗値記憶手段に登録する抵抗値記憶
処理手段と、少なくとも、前記操舵状態判定手段によっ
て保舵状態であることが判断されていることを条件とし
て、前記アシストモータに流れる電流を制限する電流制
限手段とを備えたものである。
【0017】なおここで、「抵抗値記憶手段」、「回転
数演算手段」、「操舵状態判定手段」、「電流低減制御
手段」、「モータ抵抗値演算手段」、「抵抗値記憶処理
手段」、及び「電流制限手段」は、例えばマイコンを含
む回路とそのROM等に登録されたプログラムにより実
現され、やはり、前述したモータ制御手段と同一の回路
によって実現されていてもよい。また、「モータ駆動手
段」は、例えば前述したHブリッジ回路である。また、
「安定操舵状態」とは、急激な操舵がなされていない状
態(回転数の変化がほぼゼロの状態)であり、保舵状態
(回転数がゼロ)と、ゆっくりした操舵状態(回転数が
ほぼ一定の状態)とを含む。この第2の発明における抵
抗値演算手段における抵抗値の推定演算は、回転数がゼ
ロであることを必ずしも前提とせず、回転数の変化(角
加速度)がゼロ(厳密には、所定の誤差範囲内でほぼゼ
ロであればよい)であることを前提とするものであるか
らである。また、同様の理由から、本発明の「操舵状態
判定手段」は、抵抗値推定演算の前提条件である安定操
舵状態と、電流制限制御の前提条件である保舵状態と
を、例えば別個に判定するものである。そして、安定操
舵状態を判定するためのトルク変動量やモータ回転数変
動量に対するしきい値としての「既定値」は、必ずしも
ゼロ近傍である必要性はなく、保舵状態の判断のための
「既定値」とは別個の比較的大きな値に設定してもよ
い。但し、抵抗値推定演算の前提条件である安定操舵状
態を保舵状態のみに限定的にとらえて、単一の「既定
値」で実質的に保舵状態のみを判定するような態様も含
まれる。
【0018】また、モータ抵抗値演算手段による上記抵
抗値の推定演算は、操舵状態判定手段によって安定操舵
状態であることが判断されたときに毎回行う必要は、必
ずしもない。また、モータ抵抗値演算手段による抵抗値
Rの推定演算は、具体的には下記式(3)により行う。 R=(VM0−VM1)/(IM0−IM1) …(3) ここで、VM0,IM0は、電流低減制御手段による電
流変化開始直前(制御信号変化開始直前)の電圧と電流
であり、VM1,IM1は、電流低減制御手段による電
流変化開始直後(制御信号変化開始直後)の電圧と電流
である。また、上記式(3)は、電流変化の開始直前直
後における各電圧と電流から前述の式(1)でそれぞれ
求められる回転数(又は誘起電圧)が等しいとして導か
れるものである。また、電流低減制御手段による電流変
化(制御信号変化)の幅は、上記式(3)が成立する限
りにおいて、必ずしも限定されるものではないが、操舵
上の違和感の発生と上記推定演算の精度を考慮して設定
すべきである。というのは、電流変化の幅が大きすぎる
と、一時的であるにせよ、操舵補助トルクが急低下して
操舵トルクが急増するので、操作者が操舵上の違和感
(操舵違和感)を感じる恐れが高くなる。また一方、電
流変化の幅が小さすぎると、上記式(3)による抵抗値
の推定演算の精度が劣化する恐れがある。そこで、この
ようなバランスを考慮して、上記電流変化の幅を設定す
べきである。具体的には、例えばモータのその時点の電
流が50〜60Aの場合、減少幅を10〜20A程度
(即ち、20〜30%程度)に設定すればよい。
【0019】この発明によれば、操舵状態判定手段が前
述したような安定操舵状態(保舵状態に限定してもよ
い)を判定したことを条件に、電流低減制御手段による
強制的な電流変化(以下、電流低減制御という)が一時
的に実行され、この強制的な電流変化の開始前後におけ
る電圧及び電流から抵抗値が推定演算される。すなわ
ち、必ずしも保舵状態に限定されないより広い条件で、
抵抗値が精度よく推定演算される。このため、回転セン
サレスの構成でありながら、モータ抵抗値演算手段によ
る抵抗値の演算推定の頻度(即ち、温度変化及び経年変
化を含めた最新の抵抗値の学習頻度)を、さらに格段に
高めることができ、装置の高コスト化や車両搭載性の悪
化を招来することなく、上記回転数演算手段による回転
数の推定演算の精度及び信頼性を向上させ、ひいてはこ
の回転数の推定値を用いたモータの制御(特に、電流制
限制御)の的確性や実効性を格段に向上させることがで
きる。なおこの場合も、回転センサが全く不要な構成と
なって、そのための配線も不要となり、電圧や電流を検
出するセンサやそのための配線を制御ユニット外に設け
る必要もないのは、前記第1の発明と同様である。
【0020】なお、この発明の好ましい一態様は、前記
電流低減制御手段が前記制御信号を変化させる変化量
を、操舵違和感を生じない範囲に制限したものである。
この場合、前述したような操舵違和感発生の恐れがなく
なる利点がある。また、この発明の好ましい他の態様と
しては、前記電流低減制御手段が前記制御信号を変化さ
せる変化量を、前記モータ電流検出手段により検出され
ている電流に基づいてその都度設定する構成でもよい。
このようにすると、電流の変化幅を常に最適値に維持す
ることが可能となり、抵抗値の推定演算の精度を高く維
持しつつ、操舵違和感の発生を確実に回避又は抑制でき
る。というのは、操舵違和感は、人間の感覚としてその
時点の電流(即ち、操舵トルク)が大きいほど感じ易く
なるため、操舵違和感を確実に回避又は抑制するために
は、その時点の電流が大きい程、上記電流の変化幅の割
合をより少なくする必要がある。一方、抵抗値の推定演
算の精度を高く保持するためには、その時点の電流が小
さい程、上記電流の変化幅の割合を大きくして、変化幅
の絶対値を十分に確保する必要がある。即ち、電流の変
化幅の最適値は、その時点の電流に対して常に一定割合
ではない。そこで、例えば、その時点の電流の大きさに
逆比例した割合で電流の変化幅を決定してやれば、より
好ましい最適な変化幅に維持されることになる。
【0021】また、この発明の好ましい態様は、前記電
流低減制御手段が前記制御信号を変化させる回数を制御
ユニットの起動毎に制限する構成である。この構成によ
れば、操舵違和感の可能性発生の弊害を必要最小限に抑
制できる利点がある。即ち、この第2の発明の場合に
は、前述したように発生頻度の高い安定操舵状態になっ
たことをきっかけとして電流の変化(前述した電流低減
制御)が行われるので、場合によっては、過度にこの電
流低減制御がなされて、操舵違和感発生の機会を不必要
に増加させてしまう恐れがある。しかしこのように、電
流低減制御の頻度が制御ユニットの起動毎に制限されれ
ば、このような操舵違和感発生の機会の不必要な増加を
抑制できる。なお、通常この種の装置の制御ユニット
は、車両のイグニションスイッチのオン操作により起動
されるため、このような制限を設けても、少なくとも抵
抗値の経年変化の影響を反映させるための定期的な抵抗
値の学習が可能となる。また、この発明の好ましい他の
態様は、前記電流低減制御手段が前記制御信号を変化さ
せる規定時間当たりの頻度を既定値以下に制限したもの
である。この構成によっても、同様に、操舵違和感発生
の可能性を必要最小限に抑制できる利点がある。
【0022】また、前記第1の発明と第2の発明の好ま
しい態様は、前記アシストモータの温度検出値又は温度
推定値を出力するモータ温度出力手段と、前記モータ温
度出力手段から出力されている温度検出値又は温度推定
値より、予め設定された温度特性に基づいて、前記抵抗
値記憶手段に記憶されている抵抗値を必要に応じて補正
して、補正後の抵抗値を前記抵抗値記憶手段に登録する
モータ抵抗値補正手段とを、さらに備えたものである。
【0023】ここで、「モータ温度出力手段」は、例え
ば、モータに付設された温度センサからの検出信号を受
信し、必要に応じて検出信号の増幅などを行ってモータ
温度を示す信号(温度検出値)を出力する回路である。
或いは、この「モータ温度出力手段」は、例えば特開平
4−71379号公報に示されているような公知の方法
で、例えば上記モータ電流検出手段により検出された電
流値からモータの温度を推定演算し、その演算結果(温
度推定値)を出力する手段であるまた、「抵抗値を必要
に応じて補正して」とは、記憶されている抵抗値が、そ
の時点の温度検出値又は温度推定値からして適正範囲な
ものと判断される場合には、上記モータ抵抗値補正手段
が上記補正を必ずしも実行しなくてもよいことを意味す
る。また、モータ抵抗値補正手段による補正について
は、例えば周期的に行って逐次補正後の抵抗値(少なく
とも最新のもの)を登録(記憶)している態様でもよい
が、回転数演算手段による回転数の推定演算を実行する
際に(つまり、必要なときのみ)、その演算に先だって
行うようにしてもよい。
【0024】また、補正後の抵抗値の前記抵抗値記憶手
段への登録は、補正前の抵抗値を消去して同じエリアに
行う更新登録でもよいし、補正前の抵抗値を例えば補正
用の基準値として残したまま別のエリアに登録するもの
でもよい。また、この補正後の抵抗値の登録は、必ずし
も不揮発性メモリへの登録でなくてよく、基準値として
の抵抗値が残されていれば、回転数の推定演算で使用す
るために一時的に行う記憶でもよい。また、補正前の抵
抗値を消去して補正後の抵抗値を登録する態様の場合に
は、その補正に使用したモータ温度のデータが補正後の
抵抗値のデータと対応付けられて把握された状態にして
おく必要がある。その抵抗値がモータ温度何度に対応す
るものか不明であると、温度特性線図上での位置が定ま
らずその後の温度補正ができないからである。なおこの
ことは、抵抗値記憶手段に最初に登録する基準となる抵
抗値(初期値)についても同様である。
【0025】この構成によれば、前述した各種の効果に
加えて、次のような優れた効果が得られる。即ち、温度
変化に起因する抵抗値の変動に対しては、上記モータ抵
抗値補正手段によって、抵抗値を常に適正な値に維持で
きるため、前述した第1又は第2の発明における抵抗値
の推定演算に基づく最新の抵抗値の学習は、他の要因に
よる抵抗値の変化(経年変化や初期的なばらつきによる
変化)のみに対処するために実施すればよい(即ち、学
習頻度が極端に低くても問題ない)。このため、第1の
発明においては、前述した保舵判断の条件における既定
値をより厳しい値に設定して、保舵判断を極めて信頼性
の高いものとし、ひいては抵抗値の推定演算の精度(さ
らには、回転数推定演算の精度)を極めて高くすること
ができる。また、第2の発明においては、電流低減制御
の頻度を極端に制限して、電流の変化による操舵違和感
の発生の可能性(或いはその頻度)を著しく減少させる
ことができる。
【0026】また、本願第3の発明は、前記第1の発明
と同様の電動パワーステアリング装置であって、前記制
御ユニットが、前記アシストモータへの印加電圧を検出
するモータ電圧検出手段と、前記アシストモータに流れ
る電流を検出するモータ電流検出手段と、前記アシスト
モータの抵抗値を記憶する抵抗値記憶手段と、前記アシ
ストモータの温度検出値又は温度推定値を出力するモー
タ温度出力手段と、前記モータ温度出力手段から出力さ
れている温度検出値又は温度推定値により、予め設定さ
れた温度特性に基づいて、前記抵抗値記憶手段に記憶さ
れている抵抗値を必要に応じて補正して、補正後の抵抗
値を前記抵抗値記憶手段に登録するモータ抵抗値補正手
段と、前記モータ電圧検出手段及びモータ電流検出手段
により検出されている電圧及び電流、並びに前記モータ
抵抗値記憶手段に記憶されている最新の抵抗値から前記
アシストモータの回転数を推定演算する回転数演算手段
と、少なくとも、前記操舵トルク検出値の変動量が既定
値以下であり、かつ、前記回転数演算手段により推定演
算される回転数の変動量が既定値以下になったことを条
件として、保舵状態であることを判断する操舵状態判定
手段と、少なくとも、前記操舵状態判定手段によって保
舵状態であることが判断されていることを条件として、
前記アシストモータに流れる電流を制限する電流制限手
段とを備えたものである。即ち、この第3の発明の装置
は、モータ抵抗値の操舵状態に応じた学習は行わず、温
度補正のみを行うものである。
【0027】なお、モータ抵抗値補正手段による抵抗値
の温度補正が、常に基準となる抵抗値(温度補正の基準
値)を記憶保持しつつ、この基準値をその時点の温度で
補正して適正な抵抗値を演算する態様の場合(後述する
第3形態例のような場合)には、上記モータ抵抗値演算
手段の推定演算により得られた新たな抵抗値は、必要に
応じて温度換算(基準温度の場合の抵抗値への変換)を
行い、この換算後のデータを基準となる抵抗値として登
録する必要がある。この発明によれば、モータ抵抗値補
正手段が上記補正を例えば一定周期で随時行う構成とす
ることによって、回転センサレスの構成であっても、温
度変化に起因するモータ抵抗値の変化や変動に対する学
習を十分な頻度で行うことができるから、装置の高コス
ト化や車両搭載性の悪化を招来することなく、上記回転
数演算手段による回転数の推定演算の精度及び信頼性を
向上させ、ひいてはこの回転数の推定値を用いたモータ
の制御(特に、電流制限制御)の的確性や実効性を格段
に向上させることができる。
【0028】なお、本願各発明における「電流制限手
段」は、少なくとも、前記操舵状態判定手段によって保
舵状態であることが判断されていることを条件として、
モータ電流を制限するものである。しかし、この電流制
限手段が電流制限を実行する条件として、検出されてい
る電流が既定値以上であること、又は/及び、検出され
ている操舵トルクが既定値以上であること、をさらに付
加してもよい。モータ電流や操舵トルクが相当大きいこ
とを条件に付加すれば、単なる保舵状態でなく、ロック
エンド保舵状態(ロックエンドでの保舵状態)に的を絞
って電流制限制御が効果的に実行できるからである。な
お、ここでいう電流の「既定値」は、保舵状態を判断す
るための前述の「既定値」よりも大きな値である。ま
た、前記電流制限手段は、電流制限を実行する条件が成
立したときに、即座に電流制限制御(モータ電流を10
0%未満に制限する制御)を実行してもよいが、この条
件が成立している時間が規定時間以上になったときに、
電流制限制御を実行する態様でもよい。この場合、電流
制限制御がより的確になされる。実際には電流制限制御
すべきでないのに瞬間的に上記条件が成立して、電流制
限制御が不適当なときに実行されてしまう可能性がなく
なるからである。また、前記電流制限手段による電流制
限制御は、例えばモータ電流の上限値を一定幅だけ減ら
すものであってもよいが、上記条件が成立している時間
の経過に応じて、モータ電流の上限値を連続的又は段階
的に減少させるものであってもよい。この場合、急激な
電流制限が即座に実行される場合の問題点(まんがい
ち、電流制限制御すべきでない時期に電流制限が急激に
なされて、操舵違和感が生じたりする恐れ)が解消され
る。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態例を図
面に基づいて説明する。 (第1形態例)まず、前述した第1の発明に対応する一
形態例である電動パワーステアリング装置を説明する。
図1は、本形態例の装置(主に制御ユニットの構成及び
機能)を示す機能ブロック図である。本装置は、車両の
操舵系に連結されて操舵補助トルクを発生するアシスト
モータ1(以下、場合により単にモータ1という)と、
このモータ1を図示省略した駆動回路(モータ駆動手
段)を介して制御する制御回路2とを備える。ここで、
駆動回路は、前述したHブリッジ回路よりなるもので、
Hブリッジ回路を構成する4個のFET(図示省略)は
制御回路2から出力されるPWM駆動信号を含む駆動信
号(本発明の制御信号に相当)によって動作する。
【0030】制御回路2は、具体的にはマイコンを含む
回路よりなる処理手段であり、図1に示すように、指令
値作成部3、電流制御部4、モータ回転推定演算部5、
モータ抵抗学習部7と、ローパスフィルタ部8、差分演
算部9,10、操舵状態判定部11、電流リミッタ1
2、及びリミッタ計算部13を、処理機能として有す
る。ここで、モータ回転推定演算部5は、本発明の回転
数演算手段に相当している。また、モータ抵抗学習部7
は、本発明のモータ抵抗値演算手段(場合によっては、
さらにモータ抵抗値補正手段)と抵抗値記憶処理手段を
構成し、ローパスフィルタ部8、差分演算部9,10、
及び操舵状態判定部11は、操舵状態判定手段を構成す
る。また、制御回路2や上述の駆動回路は、ユニットケ
ース内の基板上に形成されており、全体として制御ユニ
ットを構成している。また、本発明の抵抗値記憶手段
は、例えば制御回路2を構成するマイコンのROM又は
RAM等(図示省略)によって構成されており、この抵
抗値記憶手段の所定エリアには、基準の抵抗値R0が予
め登録される。また、図示省略しているが、制御ユニッ
ト内の基板上には、本発明のモータ電流検出手段やモー
タ電圧検出手段に相当する電流検出回路又は電圧検出回
路と、場合によっては、モータ温度出力手段に相当する
モータ温度出力回路が形成されている。
【0031】指令値作成部3は、車両の操舵系の操舵ト
ルクを検出する図示省略したトルクセンサ(操舵トルク
検出手段)からの操舵トルク検出値の信号(トルク信
号)を含むパラメータから、基本的に操舵トルクの方向
及び大きさに応じた電流指令値を演算し出力する。なお
この場合、指令値作成部3には、電流指令値を決定する
パラメータとして図示省略した車速センサの出力(即
ち、車速の信号)や、モータ回転推定演算部5から出力
される回転数ωのデータ(即ちハンドル角速度と等価な
信号)も入力されており、これらの信号によって電流指
令値が適宜変化することで、一律に操舵トルクに応じた
ものでなく、状況に応じたより好ましい操舵補助トルク
を発生させる構成となっている。即ち、車速が比較的小
さいときには操舵補助トルクを比較的大きな値に設定し
たり、或いは、前述したようにハンドル角速度の負帰還
処理を行うことによって、ハンドル角速度に応じて操舵
補助トルクが減少するように(或いは逆方向の操舵補助
トルクとなるように)、電流指令値を変化させる処理な
どが行われる。
【0032】電流制御部4では、電流指令値と実際のモ
ータ電流値(前記電流検出回路の出力)から、PWM駆
動信号のデューティ比を含む電流制御信号の内容を決定
し、さらにそれをFET駆動用の信号に変換して出力す
る。例えば、電流指令値が左方向の電流を指令するもの
であれば、左方向側のFETに対するPWM駆動信号を
含む所定の駆動信号を出力することを決定し、そのPW
M駆動信号のデューティ比は、例えば電流指令値の大き
さを実際のモータ電流値(即ち、フィードバック値)の
大きさとの差(即ち、偏差)に応じて修正した値とす
る。つまり、フィードバック制御(PD制御等)によっ
て、実際の電流値の大きさと方向が電流指令値の大きさ
と方向に追従するように、制御信号の内容を決定する。
【0033】モータ回転推定演算部5では、前記電圧検
出回路及び電流検出回路により検出されている電圧及び
電流、並びに抵抗値記憶手段に記憶されている最新の抵
抗値R(これが未登録の場合には、基準の抵抗値R0)
から回転数ωを、前述の式(1)により推定演算する。
モータ抵抗学習部7では、操舵状態判定部11によって
保舵状態であることが規定時間以上継続して判断されて
いることを条件として、前記電圧検出回路及び電流検出
回路により検出されている電圧及び電流から、回転数ω
がゼロであるとして、前記式(2)によって抵抗値Rを
推定演算する。そして例えば、この抵抗値Rを抵抗値記
憶手段の所定エリアに更新登録する(古い抵抗値Rを消
去して登録する)。
【0034】なお、モータ温度センサを設けて抵抗値の
温度補正を行う場合には、モータ抵抗学習部7は、その
ための機能をも有する。即ち、モータ抵抗学習部7で
は、前記モータ温度出力回路から出力されている温度検
出値により、予め設定された温度特性に基づいて、抵抗
値記憶手段に記憶されている抵抗値R(これが未登録の
場合には、基準の抵抗値R0)を必要に応じて補正し
て、補正後の抵抗値を最新の抵抗値Rとして抵抗値記憶
手段に登録する。なお、基準の抵抗値R0としては、基
準温度(例えば20℃)時におけるモータ1の標準的な
抵抗値(設計値又は出荷試験における測定値等)が予め
登録されている。そして温度特性としては、例えば図2
(b)に示すような、上記基準の抵抗値R0に対する温
度補正用の補正係数Kと、モータ温度tとの関係が、デ
ータテーブル或いは関数(数式)として与えられ、予め
前述のROM等に登録されている。したがって、この場
合具体的にここで行われる補正処理は、例えば、まず補
正前の抵抗値R1の対応温度T1と、その時点の温度T
2を読み取り、それらに対する補正係数K1,K2を上
記データテーブル又は関数から求め、次いで、求めた係
数K1,K2から補正後の抵抗値R2(=R1・(K2
/K1))を得る。そして例えば、この抵抗値R2を前
述した抵抗値記憶手段の所定エリアに更新登録する(古
い抵抗値R1を消去して登録する)ものである。なお、
前述の推定演算或いは上記補正演算で得られた抵抗値
が、以前に登録されている抵抗値と同じか、或いはその
差が許容誤差範囲内に有る場合には、この更新登録を行
わない構成でもよい。また、古い抵抗値は必ずしも消去
する必要はない。また、補正係数Kのデータは、モータ
コイルを構成する材料(例えば銅)の物性として容易に
得られる。また、上記補正演算の実行周期は、制御回路
2を構成するマイコンの処理能力の範囲内で自由に設定
可能であり、少なくとも従来の抵抗値推定演算よりも遙
かに高い頻度で実行可能であることはいうまでもない。
【0035】ローパスフィルタ部8では、入力の高周波
成分を除去するローパスフィルタ(LPF)としての処
理を行い、トルク信号からノイズ等の影響を除去する。
なお、このローパスフィルタ部8は、マイコンの処理と
して実現できるが、ハード(フィルタ回路)として構成
することも容易であることはいうまでもない(差分演算
部9,10などの他の要素も同様である)。差分演算部
9,10は、トルク信号T(ローパスフィルタ部8の出
力)や、回転数ω(モータ回転推定演算部5の出力)の
差分ΔT又はΔω(即ち、微分値)を演算して、操舵状
態判定部11へ出力する要素である。なお、差分ΔT又
はΔωは、例えば一定のサンプリング周期毎に読み取ら
れるトルク信号Tや回転数ωの値の、最後に読み取られ
た値と、前回読み取られた値との差である。操舵状態判
定部11は、差分ΔT及びΔωが既定値以下(ゼロ又は
その近傍)であり、かつ、電流IMが既定値以上であれ
ば、保舵状態であると判定してその信号を出力する(或
いは、その情報を設定する)ものである。
【0036】次に、電流リミッタ12及びリミッタ計算
部13は、本発明の電流制限手段を構成している。この
うちリミッタ計算部13は、電流制限制御の実行条件を
例えば周期的に判断し、実行条件が成立したときには、
モータ電流の制限値を決定して電流リミッタ12に対し
て設定するものである。電流制限制御の実行条件は、少
なくとも保舵状態判定部11によって保舵状態が判定さ
れていることであり、場合によっては、モータ電流(検
出値)が既定値以上であること、又は/及び、操舵トル
ク(例えばLPF8の出力)が既定値以上であることが
付加される。このような実行条件が成立すると、リミッ
タ計算部13は、この実行条件が成立し続けている経過
時間tをカウントし、図2(a)に示すように予め設定
されたデータテーブル又は関数から、電流制限の制限値
(図2(a)の場合、単位は%)を求め、電流リミッタ
12に対して設定する。なお、図2(a)において制限
値が100%というのは、電流制限なしの意味である。
一方、電流リミッタ12は、指令値作成部3からの電流
指令値と、リミッタ計算部13によって設定されている
制限値の大きさを比較し、小さい方を最終的な電流指令
値として電流制御部4に出力するものである。これによ
り、電流指令値は、設定されている制限値以下に制限さ
れる。
【0037】なお、前述したモータ抵抗値の学習機能
(温度補正除く)を実際に実現するための制御回路2の
動作(マイコンの処理内容)は、例えば図3に示すよう
な一連の処理を周期的に繰り返すものとすればよい。即
ち、まずステップS11で、トルク信号Tを読み出し、
次いでステップS12で、このトルク信号Tのローパス
フィルタ処理を行う。次に、ステップS13では、ロー
パスフィルタ処理後のトルク信号Tであって前回の記憶
値(1シーケンス前にステップS12で得られたトルク
信号Tの値)から、今回得られた最新の値(直前に実行
されたステップS12で得られたトルク信号Tの値)を
減算して、差分ΔTを求める。次に、ステップS14で
は、ステップS13で求めた差分ΔTが既定値以下か否
か(この場合ゼロか否か)判定し、ゼロであればステッ
プS5に進み、そうでなければ1シーケンスの処理を終
了する。そして、ステップS15では、モータ回転推定
演算部5で求められている最新の回転数ω、及び1シー
ケンス前のこのステップで読み込まれた回転数ωの記憶
値を読み出し、次のステップS16で、この記憶値から
最新の回転数ωの値を減算して差分Δωを求める。次
に、ステップS17では、差分Δωが既定値(ゼロ又は
その近傍値)以下であるか否か判定し、既定値以下であ
ればステップS18に進み、そうでなければ1シーケン
スの処理を終了する。
【0038】次いで、ステップS18では、その時点の
前記電流検出回路の出力値(即ち電流IMの検出値)を
読み取る。次に、ステップS19では、ステップS18
で読み取った電流IMが既定値(例えばモータ1の定格
電流の50%)以上か否か判定し、既定値以上であれば
保舵状態であるとしてステップS20に進み、そうでな
ければ1シーケンスの処理を終了する。そして、ステッ
プS20では、ステップS19の判定が連続して肯定的
になっている状態(即ち、保舵状態であると連続して判
断されている状態)の経過時間を計測するための処理
(所定のタイマの計時動作を開始させたり、カウントア
ップしたりする処理)を実行する。次に、ステップS2
1では、ステップS20の処理で計測されている経過時
間が既定値(例えば1秒程度)以上となったか否か判定
し、既定値以上であればステップS22に進み、そうで
なければ1シーケンスの処理を終了する。そして、ステ
ップS22では、その時点の前記電圧検出回路の出力値
(即ち電圧VMの検出値)を読み取る。次いで、ステッ
プS23では、ステップS18で読み込んだ電流IM
と、ステップS22で読み込んだ電圧VMから、前述の
式(2)の演算を行って抵抗値Rを求め、最新の抵抗値
Rとして例えばマイコンのRAMの所定のメモリエリア
に登録する。そして、このステップS23を経ると1シ
ーケンスの処理を終了する。
【0039】以上説明した装置によれば、操舵状態判定
部11等の機能(ステップS11〜S19の処理で実現
される機能)によって、操舵トルク検出値の変動量(差
分ΔT)が既定値以下であり、かつ、モータ1の回転数
変動量(この場合、回転数ωの差分Δω)が既定値以下
になったこと、さらには検出されている電流IMが既定
値以上であることを条件として、保舵状態であると判断
する。このような状態は、回転数ωがゼロの状態(保舵
状態)しかほとんどあり得ないので、相当の精度で保舵
状態が判断でき、しかも、必ずしもハンドル端当て操作
時のような特殊な状態に限られず、回転数ωが実際にゼ
ロの状態が広く判定できる。このため、回転センサレス
の構成でありながら、上記保舵状態の判断に基づいて行
われる抵抗値Rの演算推定(ステップS23の処理)の
頻度(即ち、温度変化及び経年変化を含めた最新の抵抗
値の学習頻度)を、従来よりも格段に高めることがで
き、装置の高コスト化や車両搭載性の悪化を招来するこ
となく、上記モータ回転推定演算部5による回転数ωの
推定演算の精度及び信頼性を向上させ、ひいてはこの回
転数ωの推定値を用いたモータ1の制御(特に、電流リ
ミッタ12等による電流制限制御)の的確性や実効性を
格段に向上させることができる。
【0040】特にこの形態例では、保舵状態であると判
断する条件として、検出されている電流が既定値以上で
あることを付加しているので(ステップS19)、前述
したように、保舵状態の判断がより確実になる。また、
この形態例では、抵抗値Rの推定演算を実行する条件と
して、保舵状態であることを判断している時間が規定時
間を越えたことをさらに付加している(ステップS2
0,S21)から、前述したように、抵抗値の推定演算
の精度がさらに高まり、ひいては、この抵抗値の推定値
を用いた回転数の推定演算の精度がさらに向上し、さら
にはこの回転数の推定値を用いたモータの制御がさらに
的確なものとなる。また、温度補正を行う場合には、抵
抗値の推定値の精度がさらに高まる。なおこの場合、回
転センサが全く不要な構成となるので、もちろんそのた
めの配線(制御ユニットと回転センサ間の信号線等)も
不要となる。また、回転数の推定演算に使用する電圧や
電流としては、前述した制御ユニット内の検出回路によ
り検出されたものが使用されるため、この電圧や電流を
検出するセンサやそのための配線を制御ユニット外に設
ける必要もない。したがって、制御ユニット外のセンサ
数や配線数が格段に低減された車両搭載性の高い安価な
装置が実現できる。
【0041】また、前述した電流制限制御の実行条件と
して、検出されている電流が既定値以上であること、又
は/及び、検出されている操舵トルクが既定値以上であ
ることをさらに付加した場合には、単なる保舵状態でな
く、ロックエンド保舵状態に的を絞って電流制限制御が
効果的に実行できる。また本形態例では、前記リミッタ
計算部13の機能によって、電流制限の実行条件が成立
したときに、即座に電流制限制御が実行されるのではな
く、この条件が成立している時間が規定時間以上になっ
たときにはじめて、電流制限制御が実行される(図2
(a)参照)。このため、電流制限制御がより的確にな
される。また、本形態例の電流制限制御は、上記条件が
成立している時間の経過に応じて、モータ電流の上限値
を連続的に減少させるものである(図2(a)参照)。
このため、急激な電流制限が即座に実行される場合の問
題点(まんがいち、電流制限制御すべきでない時期に電
流制限が急激になされて、操舵違和感が生じたりする恐
れ)が解消される。
【0042】(第2形態例)次に、前述した第2の発明
に対応する一形態例である電動パワーステアリング装置
を説明する。図4は、本形態例の装置を示す機能ブロッ
ク図である。なお以下では、第1形態例(図1)と同様
の要素には、同符号を付して重複する説明を省略する。
本装置は、第1形態例に対して、機能の異なるモータ抵
抗学習部7aと操舵状態判定部11aを備え、さらに、
出力低減演算部14及び出力間引部15が付加されたも
のである。ここで、出力低減演算部14及び出力間引部
15は、本発明の電流低減制御手段を構成している。
【0043】この場合、モータ抵抗学習部7aでは、出
力低減演算部14から間引き中(電流低減制御中)を示
す信号(間引中信号)が入力されると、この間引中信号
の立ち上がりの直前直後に検出されている電圧及び電流
(VM0,IM0とVM1,IM1)から、回転数ωの
変化がゼロであるとして前記式(3)により抵抗値Rを
推定演算する。そして例えば、この抵抗値Rを前述した
抵抗値記憶手段の所定エリアに更新登録する(古い抵抗
値Rを消去して登録する)。また、このモータ抵抗学習
部7aは、場合によっては前述の温度補正を行う機能も
有する。
【0044】操舵状態判定部11aは、第1形態例の操
舵状態判定部11と同様に、保舵状態を判定してその情
報をリミッタ計算部13に出力する機能を有する。ま
た、この操舵状態判定部11aは、差分ΔT及びΔωが
既定値以下(ゼロ又はその近傍)であれば、安定操舵状
態であると判定してその信号(操舵安定中信号)を出力
低減演算部14に出力する(或いは、その情報を設定す
る)ものである。出力低減演算部14では、操舵状態判
定部11aによって安定操舵状態であることが判断され
ており、かつ、電流IMが既定値以上(少なくともゼロ
でない状態)であることを条件として、電流低減制御の
電流変化量ΔIM(PWM駆動信号のデュティー比の間
引量)を、その時点で検出されている電流IMに応じて
決定し、間引量の信号を出力する。具体的には、図5
(b)に示すように予め設定された関係(データテーブ
ル又は関数式)から電流変化量ΔIMを決定し、さら
に、電源電圧Vや抵抗値R(設計値等の理想的な抵抗値
でもよい)から、その電流変化量ΔIMに相当するデュ
ティー比の間引量(ΔIM/(V/R))を求めてその
信号を出力する。なお、ここで決定される電流変化量Δ
IMは、操舵違和感を生じない範囲に制限されている。
そして、出力間引部15では、出力低減演算部14から
上記間引量の信号が出力されると、電流制御部4から出
力されているPWM駆動信号のデュティー比をその間引
量の信号分だけ一時的に(例えば、1msec程度の
間)減衰させて前記駆動回路に出力する。また、出力間
引部15は、出力低減演算部14から上記間引量の信号
が出力されていない状態では、電流制御部4から出力さ
れているPWM駆動信号を含む駆動信号を単にそのまま
伝達する。この出力間引部15によって、上記間引量の
信号に応じた減衰が実行されると、例えば図5(a)に
示すように、電流IMが一時的に電流変化量ΔIMだけ
減少する。
【0045】なお、以上説明した機能(温度補正を除く
モータ抵抗値の学習機能)を実際に実現するための制御
回路2の動作(マイコンの処理内容)は、例えば図6に
示すような一連の処理を周期的に繰り返すものとすれば
よい。即ち、まずステップS31で、電流低減制御実行
中か否か判定し、実行中であればステップS43に進
み、そうでなければステップS32に進む。そしてステ
ップS32で、トルク信号Tを読み出し、次いでステッ
プS33で、このトルク信号Tのローパスフィルタ処理
を行う。次に、ステップS34では、ローパスフィルタ
処理後のトルク信号Tであって前回の記憶値(1シーケ
ンス前にステップS33で得られたトルク信号Tの値)
から、今回得られた最新の値(直前に実行されたステッ
プS33で得られたトルク信号Tの値)を減算して、差
分ΔTを求める。次に、ステップS35では、ステップ
S34で求めた差分ΔTが既定値以下か否か(この場合
ゼロか否か)判定し、ゼロであればステップS36に進
み、そうでなければ1シーケンスの処理を終了する。そ
して、ステップS36では、モータ回転推定演算部5で
求められている最新の回転数ω、及び1シーケンス前の
このステップで読み込まれた回転数ωの記憶値を読み出
し、次のステップS37で、この記憶値から最新の回転
数ωの値を減算して差分Δωを求める。次に、ステップ
S38では、差分Δωが既定値(ゼロ又はその近傍値)
以下であるか否か判定し、既定値以下であればステップ
S39に進み、そうでなければ1シーケンスの処理を終
了する。
【0046】次いで、ステップS39では、その時点の
前記電流検出回路及び電圧検出回路の出力値を、電流低
減制御直前の電流IM0及び電圧VM0として読み取
る。次に、ステップS40では、ステップS39で読み
取った電流IM0が既定値(例えばモータ1の定格電流
の10%)以上か否か判定し、既定値以上であればステ
ップS41に進み、そうでなければ1シーケンスの処理
を終了する。そして、ステップS41では、電流低減制
御の電流変化量ΔIMを、図5(b)に示す関係から決
定し、次のステップS42でその電流低減制御を開始す
る。一方、ステップS43では、その時点の前記電流検
出回路及び電圧検出回路の出力値を、電流低減制御開始
直後の電流IM1及び電圧VM1として読み取る。そし
て、ステップS44では、ステップS39とS43で読
み込んだ電流と電圧(IM0,VM0とIM1,VM
1)から、前述の式(3)の演算を行って抵抗値Rを求
め、最新の抵抗値Rとして抵抗値記憶手段の所定のメモ
リエリアに登録する。次いで、ステップS45では、ス
テップS42で開始した電流低減制御を停止する(電流
低減制御を止める)。そして、このステップS45を経
ると1シーケンスの処理を終了する。
【0047】以上説明した装置によれば、操舵状態判定
部11aが前述したような安定操舵状態を判定したこと
を条件に、電流低減できる程度のモータ電流が流れてい
ることを確認した上で、強制的な電流変化(電流低減制
御)が一時的に実行され、この強制的な電流変化の開始
前後における電圧及び電流から抵抗値Rが推定演算され
る。すなわち、必ずしも保舵状態に限定されないより広
い条件で、抵抗値Rが精度よく推定演算される。このた
め、回転センサレスの構成でありながら、抵抗値の演算
推定の頻度(即ち、温度変化及び経年変化を含めた最新
の抵抗値の学習頻度)を、従来よりもさらに格段に高め
ることができ、装置の高コスト化や車両搭載性の悪化を
招来することなく、回転数の推定演算の精度及び信頼性
を向上させ、ひいてはこの回転数の推定値を用いたモー
タの制御(特に、前述した電流制限制御)の的確性や実
効性を格段に向上させることができる。またこの形態例
では、電流低減制御による電流変化量を、操舵違和感を
生じない範囲に制限しているので、前述したような操舵
違和感が生じなくなる利点がある。またこの形態例で
は、上記電流変化量を、検出されている電流に基づいて
その都度設定する構成となっている。このため、電流の
変化幅を常に最適値に維持することが可能となり、抵抗
値の推定演算の精度を高く維持しつつ、操舵違和感の発
生を確実に回避できる。
【0048】(第3形態例)次に、前述した第3の発明
に対応する一形態例である電動パワーステアリング装置
を説明する。図7は、本形態例の装置を示す機能ブロッ
ク図である。本装置は、第1形態例に対して、モータ抵
抗学習部7の代わりに、抵抗値の温度補正のみを行うモ
ータ抵抗温度補正部6を備えたものである。即ち、この
第3形態例の装置は、モータ抵抗値の操舵状態に応じた
学習は行わず、温度補正のみを行うものである。モータ
抵抗温度補正部6は、前記モータ温度出力回路から出力
されている温度検出値により、図2(b)のように予め
設定された温度特性に基づいて、抵抗値記憶手段に記憶
されている基準の抵抗値R0を必要に応じて補正して、
補正後の抵抗値を最新の抵抗値Rとして抵抗値記憶手段
(例えば前述したRAM内の所定エリア)に登録するも
のである。具体的には、まずその時点の温度tを読み取
り、それに対する補正係数Kを図2(b)のようなデー
タテーブル又は関数から求め、次いで、求めた係数Kを
基準の抵抗値R0に乗算することで最新の抵抗値R(=
R0・K)を得る。そして例えば、この抵抗値Rを抵抗
値記憶手段の所定エリアに更新登録する(古い抵抗値R
を消去して登録する)ものである。この装置によれば、
モータ抵抗温度補正部6による上記温度補正が例えば一
定周期で随時行われる構成とすることによって、回転セ
ンサレスの構成であっても、温度変化に起因するモータ
抵抗値の変化や変動に対する学習を十分な頻度で行うこ
とができるから、装置の高コスト化や車両搭載性の悪化
を招来することなく、モータ回転推定演算部5による回
転数の推定演算の精度及び信頼性を向上させ、ひいては
この回転数の推定値を用いたモータの制御(特に、電流
制限制御)の的確性や実効性を格段に向上させることが
できる。
【0049】なお本発明は、以上説明した形態例に限ら
れるものでなく、課題を解決するための手段の欄でも述
べたように、各種の態様や変形があり得る。例えば、第
2形態例における電流低減制御の回数を制御ユニットの
起動毎に制限したり、電流低減制御の規定時間当たりの
頻度を既定値以下に制限してもよい。また、電流低減制
御の代わりに、電流が一時的かつ強制的に増加するよう
に制御して、抵抗値を推定演算することも原理的には可
能である。
【0050】
【発明の効果】本願第1の発明によれば、操舵状態判定
手段が、操舵トルク検出値の変動量が既定値以下(例え
ばゼロ又はその近傍の値以下)であり、かつ、アシスト
モータの回転数推定値の変動量が既定値以下(例えばゼ
ロ又はその近傍の値以下)になったことを条件として、
保舵状態であると判断する。即ち、トルク変動量と回転
数変動量が小さい状態を、保舵判断の条件としている。
このような状態は、回転数ωがゼロの状態(保舵状態)
しかほとんどあり得ないので、相当の精度で保舵状態が
判断でき、しかも、必ずしもハンドル端当て操作状態の
ような特殊な状態に限られず、回転数ωが実際にゼロの
状態が広く判定できる。このため、回転センサレスの構
成でありながら、上記保舵状態の判断に基づいて行われ
るモータ抵抗値演算手段による抵抗値の演算推定の頻度
(即ち、温度変化及び経年変化を含めた最新の抵抗値の
学習頻度)を、従来よりも格段に高めることができ、装
置の高コスト化や車両搭載性の悪化を招来することな
く、回転数演算手段による回転数の推定演算の精度及び
信頼性を向上させ、ひいてはこの回転数の推定値を用い
たモータの制御(特に、電流制限制御)の的確性や実効
性を格段に向上させることができる。
【0051】本願第2の発明によれば、操舵状態判定手
段が前述したような安定操舵状態を判定したことを条件
に、電流低減制御手段による強制的な電流変化(電流低
減制御)が一時的に実行され、この強制的な電流変化の
開始前後における電圧及び電流から抵抗値が推定演算さ
れる。すなわち、必ずしも保舵状態に限定されないより
広い条件で、抵抗値が精度よく推定演算される。このた
め、回転センサレスの構成でありながら、モータ抵抗値
演算手段による抵抗値の演算推定の頻度(即ち、温度変
化及び経年変化を含めた最新の抵抗値の学習頻度)を、
従来よりもさらに格段に高めることができ、装置の高コ
スト化や車両搭載性の悪化を招来することなく、回転数
演算手段による回転数の推定演算の精度及び信頼性を向
上させ、ひいてはこの回転数の推定値を用いたモータの
制御(特に、電流制限制御)の的確性や実効性を格段に
向上させることができる。
【0052】本願第3の発明によれば、モータ抵抗値補
正手段がモータ抵抗値の温度補正を例えば一定周期で随
時行う構成とすることによって、回転センサレスの構成
であっても、温度変化に起因するモータ抵抗値の変化や
変動に対する学習を十分な頻度で行うことができるか
ら、装置の高コスト化や車両搭載性の悪化を招来するこ
となく、回転数演算手段による回転数の推定演算の精度
及び信頼性を向上させ、ひいてはこの回転数の推定値を
用いたモータの制御(特に、電流制限制御)の的確性や
実効性を格段に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電動パワーステアリング装置の制御ユニット
(第1形態例)を示す図である。
【図2】同装置における電流制限特性等を示す図であ
る。
【図3】同装置の動作(抵抗値学習)を示すフローチャ
ートである。
【図4】電動パワーステアリング装置の制御ユニット
(第2形態例)を示す図である。
【図5】同装置の電流低減制御による電流の変化例等を
示す図である。
【図6】同装置の動作(抵抗値学習)を示すフローチャ
ートである。
【図7】電動パワーステアリング装置の制御ユニット
(第3形態例)を示す図である。
【符号の説明】
1 アシストモータ 2 制御回路(制御ユニット、抵抗値記憶手段) 3 指令値作成部 4 電流制御部 5 モータ回転推定演算部(回転数演算手段) 6 モータ抵抗温度補正部(モータ抵抗値補正手段) 7,7a モータ抵抗学習部(モータ抵抗値演算手段、
抵抗値記憶処理手段、モータ抵抗値補正手段) 8 ローパスフィルタ部(操舵状態判定手段) 9 差分演算部(操舵状態判定手段) 10 差分演算部(操舵状態判定手段) 11,11a 操舵状態判定部(操舵状態判定手段) 12 電流リミッタ(電流制限手段) 13 リミッタ計算部(電流制限手段) 14 出力低減演算部(電流低減制御手段) 15 出力間引部(電流低減制御手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B62D 107:00 B62D 107:00 117:00 117:00 119:00 119:00 137:00 137:00 (72)発明者 松川 真二郎 京都府京都市下京区木津屋橋通西洞院東入 ル東塩小路町606番地 オムロンソフトウ エア株式会社内 Fターム(参考) 3D032 CC27 CC30 CC48 DA09 DA15 DA23 DA63 DA64 DA65 DA67 DB13 DC03 DC09 DC12 DC34 DD10 DD15 DD17 DE06 EB13 EC23 GG01 3D033 CA03 CA13 CA16 CA20 CA21 5H571 AA03 BB07 CC04 EE02 GG02 GG04 HD02 JJ03 JJ04 JJ16 JJ17 JJ24 JJ25 JJ26 JJ28 LL14 LL15 LL22 LL23 LL34

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の操舵系に連結されて操舵補助トル
    クを発生させるためのアシストモータと、前記操舵系の
    操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、少なくと
    もこの操舵トルク検出手段による操舵トルク検出値を含
    むパラメータに基づいて、前記アシストモータを制御す
    る制御ユニットとを有する電動パワーステアリング装置
    であって、 前記制御ユニットが、 前記アシストモータへの印加電圧を検出するモータ電圧
    検出手段と、 前記アシストモータに流れる電流を検出するモータ電流
    検出手段と、 前記アシストモータの抵抗値を記憶する抵抗値記憶手段
    と、 前記モータ電圧検出手段及びモータ電流検出手段により
    検出されている電圧及び電流、並びに前記モータ抵抗値
    記憶手段に記憶されている最新の抵抗値から前記アシス
    トモータの回転数を推定演算する回転数演算手段と、 少なくとも、前記操舵トルク検出値の変動量が既定値以
    下であり、かつ、前記回転数演算手段により推定演算さ
    れる回転数の変動量が既定値以下になったことを条件と
    して、保舵状態であることを判断する操舵状態判定手段
    と、 少なくとも、前記操舵状態判定手段によって保舵状態で
    あることが判断されていることを条件として、前記モー
    タ電圧検出手段及びモータ電流検出手段により検出され
    ている電圧及び電流から、前記回転数がゼロであるとし
    て前記アシストモータの抵抗値を推定演算するモータ抵
    抗値演算手段と、 このモータ抵抗値演算手段によって求められた抵抗値
    を、新たな抵抗値として前記抵抗値記憶手段に登録する
    抵抗値記憶処理手段と、 少なくとも、前記操舵状態判定手段によって保舵状態で
    あることが判断されていることを条件として、前記アシ
    ストモータに流れる電流を制限する電流制限手段とを備
    えたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 【請求項2】 前記操舵状態判定手段が、保舵状態であ
    ると判断する条件として、前記モータ電流検出手段によ
    り検出されている電流が既定値以上であることをさらに
    付加したことを特徴とする請求項1記載の電動パワース
    テアリング装置。
  3. 【請求項3】 前記モータ抵抗値演算手段が、前記推定
    演算を実行する条件として、前記操舵状態判定手段が、
    保舵状態であることを判断している時間が規定時間を越
    えたことをさらに付加したことを特徴とする請求項1又
    は2記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 【請求項4】 車両の操舵系に連結されて操舵補助トル
    クを発生させるためのアシストモータと、前記操舵系の
    操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、少なくと
    もこの操舵トルク検出手段による操舵トルク検出値を含
    むパラメータに基づいて、前記アシストモータを制御す
    る制御ユニットとを有する電動パワーステアリング装置
    であって、 前記制御ユニットが、 前記アシストモータに流れる電流を制御するためのモー
    タ駆動手段と 前記アシストモータへの印加電圧を検出するモータ電圧
    検出手段と、 前記電流を検出するモータ電流検出手段と、 前記アシストモータの抵抗値を記憶する抵抗値記憶手段
    と、 前記モータ電圧検出手段及びモータ電流検出手段により
    検出されている電圧及び電流、並びに前記モータ抵抗値
    記憶手段に記憶されている最新の抵抗値から前記回転数
    を推定演算する回転数演算手段と少なくとも、前記操舵
    トルク検出値の変動量が既定値以下であり、かつ、前記
    回転数演算手段により推定演算される回転数の変動量が
    既定値以下であることを条件として、安定操舵状態であ
    ること、さらには保舵状態であることを判断する操舵状
    態判定手段と、 少なくとも、前記操舵状態判定手段によって安定操舵状
    態であることが判断されており、かつ、前記モータ電流
    検出手段により検出されている電流がゼロでないことを
    条件として、前記電流の大きさが低下する方向に前記モ
    ータ駆動手段の制御信号を一時的かつ強制的に変化させ
    る電流低減制御手段と、 この電流低減制御手段による前記制御信号の変化の開始
    前後における、前記モータ電圧検出手段及びモータ電流
    検出手段により検出されている電圧及び電流から、前記
    回転数の変化がゼロであるとして前記アシストモータの
    抵抗値を推定演算するモータ抵抗値演算手段と、 このモータ抵抗値演算手段によって求められた抵抗値
    を、新たな抵抗値として前記抵抗値記憶手段に登録する
    抵抗値記憶処理手段と、 少なくとも、前記操舵状態判定手段によって保舵状態で
    あることが判断されていることを条件として、前記アシ
    ストモータに流れる電流を制限する電流制限手段とを備
    えたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  5. 【請求項5】 前記電流低減制御手段が前記制御信号を
    変化させる変化量を、操舵違和感を生じない範囲に制限
    したことを特徴とする請求項4記載の電動パワーステア
    リング装置。
  6. 【請求項6】 前記電流低減制御手段が前記制御信号を
    変化させる変化量を、前記モータ電流検出手段により検
    出されている電流に基づいてその都度設定することを特
    徴とする請求項4又は5記載の電動パワーステアリング
    装置。
  7. 【請求項7】 前記電流低減制御手段が前記制御信号を
    変化させる回数を制御ユニットの起動毎に制限すること
    を特徴とする請求項4乃至6の何れかに記載の電動パワ
    ーステアリング装置。
  8. 【請求項8】 前記電流低減制御手段が前記制御信号を
    変化させる規定時間当たりの頻度を既定値以下に制限し
    たことを特徴とする請求項4乃至7の何れかに記載の電
    動パワーステアリング装置。
  9. 【請求項9】 前記アシストモータの温度検出値又は温
    度推定値を出力するモータ温度出力手段と、 前記モータ温度出力手段から出力されている温度検出値
    又は温度推定値より、予め設定された温度特性に基づい
    て、前記抵抗値記憶手段に記憶されている抵抗値を必要
    に応じて補正して、補正後の抵抗値を前記抵抗値記憶手
    段に登録するモータ抵抗値補正手段とをさらに備えたこ
    とを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の電動パ
    ワーステアリング装置。
  10. 【請求項10】 車両の操舵系に連結されて操舵補助ト
    ルクを発生させるためのアシストモータと、前記操舵系
    の操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、少なく
    ともこの操舵トルク検出手段による操舵トルク検出値を
    含むパラメータに基づいて、前記アシストモータを制御
    する制御ユニットとを有する電動パワーステアリング装
    置であって、 前記制御ユニットが、 前記アシストモータへの印加電圧を検出するモータ電圧
    検出手段と、 前記アシストモータに流れる電流を検出するモータ電流
    検出手段と、 前記アシストモータの抵抗値を記憶する抵抗値記憶手段
    と、 前記アシストモータの温度検出値又は温度推定値を出力
    するモータ温度出力手段と、 前記モータ温度出力手段から出力されている温度検出値
    又は温度推定値により、予め設定された温度特性に基づ
    いて、前記抵抗値記憶手段に記憶されている抵抗値を必
    要に応じて補正して、補正後の抵抗値を前記抵抗値記憶
    手段に登録するモータ抵抗値補正手段と、 前記モータ電圧検出手段及びモータ電流検出手段により
    検出されている電圧及び電流、並びに前記モータ抵抗値
    記憶手段に記憶されている最新の抵抗値から前記アシス
    トモータの回転数を推定演算する回転数演算手段と、 少なくとも、前記操舵トルク検出値の変動量が既定値以
    下であり、かつ、前記回転数演算手段により推定演算さ
    れる回転数の変動量が既定値以下になったことを条件と
    して、保舵状態であることを判断する操舵状態判定手段
    と、 少なくとも、前記操舵状態判定手段によって保舵状態で
    あることが判断されていることを条件として、前記アシ
    ストモータに流れる電流を制限する電流制限手段とを備
    えたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  11. 【請求項11】 前記電流制限手段が前記電流を制限す
    る条件として、前記モータ電流検出手段により検出され
    ている電流が既定値以上であることをさらに付加したこ
    とを特徴とする請求項1乃至10の何れかに記載の電動
    パワーステアリング装置。
  12. 【請求項12】 前記電流制限手段が前記電流を制限す
    る条件として、前記操舵トルク検出手段により検出され
    ている操舵トルクが既定値以上であることをさらに付加
    したことを特徴とする請求項1乃至11の何れかに記載
    の電動パワーステアリング装置。
  13. 【請求項13】 前記電流制限手段は、前記電流を制限
    する条件が成立している時間が規定時間以上になったと
    きに、前記電流を100%未満に制限することを特徴と
    する請求項1乃至12の何れかに記載の電動パワーステ
    アリング装置。
  14. 【請求項14】 前記電流制限手段は、前記電流を制限
    する条件が成立している時間の経過に応じて、前記電流
    の上限値を連続的又は段階的に減少させることを特徴と
    する請求項1乃至13の何れかに記載の電動パワーステ
    アリング装置。
JP2000330625A 2000-10-30 2000-10-30 電動パワーステアリング制御装置 Expired - Lifetime JP3915964B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000330625A JP3915964B2 (ja) 2000-10-30 2000-10-30 電動パワーステアリング制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000330625A JP3915964B2 (ja) 2000-10-30 2000-10-30 電動パワーステアリング制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002127922A true JP2002127922A (ja) 2002-05-09
JP3915964B2 JP3915964B2 (ja) 2007-05-16

Family

ID=18807110

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000330625A Expired - Lifetime JP3915964B2 (ja) 2000-10-30 2000-10-30 電動パワーステアリング制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3915964B2 (ja)

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005019012A1 (ja) * 2003-08-26 2005-03-03 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha 電動式パワーステアリング装置用制御装置
JP2008184088A (ja) * 2007-01-31 2008-08-14 Hitachi Ltd 車両駆動装置
JP2010137775A (ja) * 2008-12-12 2010-06-24 Nsk Ltd 電動パワーステアリング装置
KR100966269B1 (ko) 2004-12-09 2010-06-28 주식회사 만도 전동식 파워 스티어링 시스템에서의 모터 전류제한 제어방법
WO2010150745A1 (ja) * 2009-06-23 2010-12-29 株式会社ジェイテクト モータ制御装置および電動パワーステアリング装置
JP2011087412A (ja) * 2009-10-15 2011-04-28 Jtekt Corp モータ制御装置および電動パワーステアリング装置
JP2012029358A (ja) * 2010-07-20 2012-02-09 Jtekt Corp モータ制御装置
JP2012056353A (ja) * 2010-09-06 2012-03-22 Jtekt Corp 電動パワーステアリング装置
JP2012076733A (ja) * 2010-09-06 2012-04-19 Jtekt Corp 電動パワーステアリング装置
CN102473746A (zh) * 2009-07-23 2012-05-23 丰田自动车株式会社 光电转换元件
JP5464299B2 (ja) * 2011-03-17 2014-04-09 トヨタ自動車株式会社 電動パワーステアリング装置
WO2018207680A1 (ja) * 2017-05-08 2018-11-15 アルプス電気株式会社 回転角度検出器付き電動機、電動機の回転角度検出器、及び、整流子を備えた電動機の回転角度を検出する方法
CN113423630A (zh) * 2019-02-12 2021-09-21 株式会社万都 转向控制装置和转向控制方法
JP2022521072A (ja) * 2019-02-15 2022-04-05 エムシーアイ(ミラー コントロールズ インターナショナル)ネザーランド ベー.フェー. 電気モータアセンブリにおける抵抗の判別

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20180009472A1 (en) * 2015-02-02 2018-01-11 Nsk Ltd. Steering holding judging apparatus for vehicle and electric power steering apparatus equipped with the same

Cited By (27)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005019012A1 (ja) * 2003-08-26 2005-03-03 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha 電動式パワーステアリング装置用制御装置
CN100381322C (zh) * 2003-08-26 2008-04-16 丰田自动车株式会社 电动式动力转向装置用控制装置
KR100966269B1 (ko) 2004-12-09 2010-06-28 주식회사 만도 전동식 파워 스티어링 시스템에서의 모터 전류제한 제어방법
JP2008184088A (ja) * 2007-01-31 2008-08-14 Hitachi Ltd 車両駆動装置
US7816874B2 (en) 2007-01-31 2010-10-19 Hitachi, Ltd. Vehicle driving system
JP2010137775A (ja) * 2008-12-12 2010-06-24 Nsk Ltd 電動パワーステアリング装置
WO2010150745A1 (ja) * 2009-06-23 2010-12-29 株式会社ジェイテクト モータ制御装置および電動パワーステアリング装置
JP2011010379A (ja) * 2009-06-23 2011-01-13 Jtekt Corp モータ制御装置および電動パワーステアリング装置
US8496085B2 (en) 2009-06-23 2013-07-30 Jtekt Corporation Motor control device and electric power steering apparatus
CN102460948A (zh) * 2009-06-23 2012-05-16 株式会社捷太格特 马达控制装置以及电动动力转向装置
CN102473746A (zh) * 2009-07-23 2012-05-23 丰田自动车株式会社 光电转换元件
JP2011087412A (ja) * 2009-10-15 2011-04-28 Jtekt Corp モータ制御装置および電動パワーステアリング装置
JP2012029358A (ja) * 2010-07-20 2012-02-09 Jtekt Corp モータ制御装置
JP2012076733A (ja) * 2010-09-06 2012-04-19 Jtekt Corp 電動パワーステアリング装置
CN102398630A (zh) * 2010-09-06 2012-04-04 株式会社捷太格特 电动动力转向装置
EP2426031A3 (en) * 2010-09-06 2012-11-14 Jtekt Corporation Electric power steering system
JP2012056353A (ja) * 2010-09-06 2012-03-22 Jtekt Corp 電動パワーステアリング装置
US8838340B2 (en) 2010-09-06 2014-09-16 Jtekt Corporation Electric power steering system
CN102398630B (zh) * 2010-09-06 2015-12-02 株式会社捷太格特 电动动力转向装置
JP5464299B2 (ja) * 2011-03-17 2014-04-09 トヨタ自動車株式会社 電動パワーステアリング装置
WO2018207680A1 (ja) * 2017-05-08 2018-11-15 アルプス電気株式会社 回転角度検出器付き電動機、電動機の回転角度検出器、及び、整流子を備えた電動機の回転角度を検出する方法
JPWO2018207680A1 (ja) * 2017-05-08 2020-01-23 アルプスアルパイン株式会社 回転角度検出器付き電動機、電動機の回転角度検出器、及び、整流子を備えた電動機の回転角度を検出する方法
CN113423630A (zh) * 2019-02-12 2021-09-21 株式会社万都 转向控制装置和转向控制方法
CN113423630B (zh) * 2019-02-12 2023-05-02 汉拿万都株式会社 转向控制装置和转向控制方法
JP2022521072A (ja) * 2019-02-15 2022-04-05 エムシーアイ(ミラー コントロールズ インターナショナル)ネザーランド ベー.フェー. 電気モータアセンブリにおける抵抗の判別
JP7420823B2 (ja) 2019-02-15 2024-01-23 エムシーアイ(ミラー コントロールズ インターナショナル)ネザーランド ベー.フェー. 電気モータアセンブリ、電気モータのモータ抵抗を判別する方法、及びコンピュータプログラム
US12199547B2 (en) 2019-02-15 2025-01-14 Mci (Mirror Controls International) Netherlands B.V. Resistance determination in an electric motor assembly

Also Published As

Publication number Publication date
JP3915964B2 (ja) 2007-05-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100338965B1 (ko) 전기 파워 스티어링 시스템의 제어 장치
JP3915964B2 (ja) 電動パワーステアリング制御装置
JP2002362392A (ja) 電動パワーステアリング制御システム
JPH08119134A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP3988065B2 (ja) 直流モータ駆動装置および電動パワーステアリング制御装置
JP3578048B2 (ja) 車両の電動パワーステアリング装置
CN107155391B (zh) 电动机控制装置及使用了该电动机控制装置的电动助力转向装置
EP1518776A1 (en) Control apparatus for an electrically driven power steering
JP2001278083A (ja) 電動パワーステアリング制御装置
JP3885920B2 (ja) 電動パワーステアリング制御装置
JP6136803B2 (ja) モータ制御装置及びそれを用いた電動パワーステアリング装置
JP3692660B2 (ja) 電動パワ−ステアリング装置の制御装置
JP2001138928A (ja) 車両の電動パワーステアリング装置
JP3633358B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2003237605A (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置
JP5991273B2 (ja) 電動パワーステアリング制御装置
JP2005081986A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP4715302B2 (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置
JP3376978B2 (ja) 車両の電動パワーステアリング装置
JP2004276805A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2004074983A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2002029444A (ja) 電動パワーステアリング装置
JPH0867262A (ja) 電動パワ−ステアリング装置の制御装置
JPH0939809A (ja) 電動パワ−ステアリング装置の制御装置
JP2001171537A (ja) 電動パワーステアリング装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060725

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060808

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060928

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061102

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061225

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070118

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070131

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 3915964

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110216

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110216

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110216

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120216

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120216

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130216

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140216

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term