JP2002120511A - 空気入りタイヤ - Google Patents
空気入りタイヤInfo
- Publication number
- JP2002120511A JP2002120511A JP2000317824A JP2000317824A JP2002120511A JP 2002120511 A JP2002120511 A JP 2002120511A JP 2000317824 A JP2000317824 A JP 2000317824A JP 2000317824 A JP2000317824 A JP 2000317824A JP 2002120511 A JP2002120511 A JP 2002120511A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tire
- carcass
- cord
- inner liner
- tread portion
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 230000002093 peripheral effect Effects 0.000 claims abstract description 8
- 239000000835 fiber Substances 0.000 claims description 43
- 239000011324 bead Substances 0.000 claims description 10
- 239000002131 composite material Substances 0.000 description 7
- 239000004745 nonwoven fabric Substances 0.000 description 6
- 238000012360 testing method Methods 0.000 description 5
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 4
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 4
- 238000000034 method Methods 0.000 description 4
- 229910000831 Steel Inorganic materials 0.000 description 3
- 230000000052 comparative effect Effects 0.000 description 3
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 3
- 238000005259 measurement Methods 0.000 description 3
- 239000010959 steel Substances 0.000 description 3
- 229920000297 Rayon Polymers 0.000 description 2
- 239000000463 material Substances 0.000 description 2
- 229920000728 polyester Polymers 0.000 description 2
- 239000002964 rayon Substances 0.000 description 2
- 239000004953 Aliphatic polyamide Substances 0.000 description 1
- OKTJSMMVPCPJKN-UHFFFAOYSA-N Carbon Chemical compound [C] OKTJSMMVPCPJKN-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 229920000742 Cotton Polymers 0.000 description 1
- 239000004677 Nylon Substances 0.000 description 1
- 239000004642 Polyimide Substances 0.000 description 1
- 239000004372 Polyvinyl alcohol Substances 0.000 description 1
- 229920002978 Vinylon Polymers 0.000 description 1
- 239000011358 absorbing material Substances 0.000 description 1
- 229920003231 aliphatic polyamide Polymers 0.000 description 1
- XAGFODPZIPBFFR-UHFFFAOYSA-N aluminium Chemical compound [Al] XAGFODPZIPBFFR-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 229910052782 aluminium Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000004760 aramid Substances 0.000 description 1
- 229920003235 aromatic polyamide Polymers 0.000 description 1
- 239000010426 asphalt Substances 0.000 description 1
- 230000005540 biological transmission Effects 0.000 description 1
- 230000015572 biosynthetic process Effects 0.000 description 1
- 229910052799 carbon Inorganic materials 0.000 description 1
- 229920002678 cellulose Polymers 0.000 description 1
- 239000001913 cellulose Substances 0.000 description 1
- 238000012790 confirmation Methods 0.000 description 1
- 238000005516 engineering process Methods 0.000 description 1
- 238000011156 evaluation Methods 0.000 description 1
- 239000003365 glass fiber Substances 0.000 description 1
- 238000009863 impact test Methods 0.000 description 1
- 238000011835 investigation Methods 0.000 description 1
- 238000000465 moulding Methods 0.000 description 1
- 229920005615 natural polymer Polymers 0.000 description 1
- 229920001778 nylon Polymers 0.000 description 1
- 229920001721 polyimide Polymers 0.000 description 1
- 229920002451 polyvinyl alcohol Polymers 0.000 description 1
- 230000003014 reinforcing effect Effects 0.000 description 1
- 238000011160 research Methods 0.000 description 1
- 238000000638 solvent extraction Methods 0.000 description 1
- 229920001059 synthetic polymer Polymers 0.000 description 1
Landscapes
- Tires In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 不快な車室内騒音の一因となる空洞共鳴音の
レベルを、他の性能を犠牲にすることなく有効に低減す
る。 【解決手段】 カーカス(6)と、カーカスのクラウン部
(7)の外周側で、コードよりなる二枚以上のベルト層
(8、9)から構成したベルト(11)と、カーカス(6)の内周
側に配設したインナーライナ(14)とを具え、トレッド部
(2)のタイヤ踏面部にタイヤ周方向に延びる少なくとも
一本の周方向溝(12a〜12d)を区画して、トレッド部(2)
のタイヤ踏面部の両端間に複数の陸部列(13a〜13e)が形
成され、カーカスクラウン部(7)の幅中央域(15)に、タ
イヤ周方向に少なくとも一箇所のコード切除領域(16)を
区画形成し、インナーライナ(14)のタイヤ幅方向での引
張弾性率を、カーカス(6)の、コード延在方向での引張
弾性率の1/5以下とする。
レベルを、他の性能を犠牲にすることなく有効に低減す
る。 【解決手段】 カーカス(6)と、カーカスのクラウン部
(7)の外周側で、コードよりなる二枚以上のベルト層
(8、9)から構成したベルト(11)と、カーカス(6)の内周
側に配設したインナーライナ(14)とを具え、トレッド部
(2)のタイヤ踏面部にタイヤ周方向に延びる少なくとも
一本の周方向溝(12a〜12d)を区画して、トレッド部(2)
のタイヤ踏面部の両端間に複数の陸部列(13a〜13e)が形
成され、カーカスクラウン部(7)の幅中央域(15)に、タ
イヤ周方向に少なくとも一箇所のコード切除領域(16)を
区画形成し、インナーライナ(14)のタイヤ幅方向での引
張弾性率を、カーカス(6)の、コード延在方向での引張
弾性率の1/5以下とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、トロイド状をし
たタイヤを適用リムに組み付けて所定空気圧を充填する
ことで区画される円環状のタイヤ内部空間の周長に起因
して生じ、不快な車室内騒音の一因となる空洞共鳴音の
レベルを、他の性能を犠牲にすることなく、有効に低減
した空気入りタイヤに関するものである。
たタイヤを適用リムに組み付けて所定空気圧を充填する
ことで区画される円環状のタイヤ内部空間の周長に起因
して生じ、不快な車室内騒音の一因となる空洞共鳴音の
レベルを、他の性能を犠牲にすることなく、有効に低減
した空気入りタイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】空気入りタイヤは、内部に空気圧を充填
した弾性体であり、その構造上、外部から加振力を与え
ると、この加振力によってタイヤのトレッド部とサイド
ウォール部、さらには内部の空気が振動するが、この空
気の振動が共鳴(共振)を起こすと、いわゆる空洞共鳴
音を発し、これが車軸を介して車室内に伝達されて不快
な車室内騒音の一因となっている。
した弾性体であり、その構造上、外部から加振力を与え
ると、この加振力によってタイヤのトレッド部とサイド
ウォール部、さらには内部の空気が振動するが、この空
気の振動が共鳴(共振)を起こすと、いわゆる空洞共鳴
音を発し、これが車軸を介して車室内に伝達されて不快
な車室内騒音の一因となっている。
【0003】また、空洞共鳴音を発する周波数(以下
「共鳴周波数」という。)は、タイヤ内部での空気の振
動伝播速度と、上記円環状のタイヤ内部空間の周長とか
ら一義的に定まるものであるため、タイヤサイズを変更
しない限り、タイヤの共鳴周波数は一定である。例え
ば、通常の乗用車用タイヤの場合、その周長から共鳴周
波数は200〜270Hz程度である。
「共鳴周波数」という。)は、タイヤ内部での空気の振
動伝播速度と、上記円環状のタイヤ内部空間の周長とか
ら一義的に定まるものであるため、タイヤサイズを変更
しない限り、タイヤの共鳴周波数は一定である。例え
ば、通常の乗用車用タイヤの場合、その周長から共鳴周
波数は200〜270Hz程度である。
【0004】空洞共鳴音は、その発生要因が空気の共鳴
であることから、空気入りタイヤにおいては不可避的に
発生する現象であり、故に、従来は、タイヤ構造を改良
しても空洞共鳴音のレベルを低減することは困難である
と考えられていた。
であることから、空気入りタイヤにおいては不可避的に
発生する現象であり、故に、従来は、タイヤ構造を改良
しても空洞共鳴音のレベルを低減することは困難である
と考えられていた。
【0005】そのため、従来は、例えば特開昭62−0502
03号公報等に記載されているように、タイヤ内部にスポ
ンジ等の吸音材を挿入することによって、タイヤ内部の
音場を改良する方法のようにタイヤ構造を改良せずに空
洞共鳴音のレベルを低減していた。
03号公報等に記載されているように、タイヤ内部にスポ
ンジ等の吸音材を挿入することによって、タイヤ内部の
音場を改良する方法のようにタイヤ構造を改良せずに空
洞共鳴音のレベルを低減していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記公報に
記載された方法によって空洞共鳴音のレベルを低減させ
た場合には、当該方法が、タイヤを製品とした後にスポ
ンジを装着するものであるため、その装着に手間がかか
るという作業上の問題があるとともに、コストに関して
も問題があった。
記載された方法によって空洞共鳴音のレベルを低減させ
た場合には、当該方法が、タイヤを製品とした後にスポ
ンジを装着するものであるため、その装着に手間がかか
るという作業上の問題があるとともに、コストに関して
も問題があった。
【0007】そこで、発明者は、製品タイヤにスポンジ
を装着するという、手間およびコストのかかる方法に代
わりに、タイヤの構造自体を改良する方法によって、空
洞共鳴音のレベルの低減を達成する、新規な技術を開発
するために、種々の検討を行った。
を装着するという、手間およびコストのかかる方法に代
わりに、タイヤの構造自体を改良する方法によって、空
洞共鳴音のレベルの低減を達成する、新規な技術を開発
するために、種々の検討を行った。
【0008】まず、発明者がタイヤの振動モードと空洞
共鳴音のレベルとの関係について詳細に調査したとこ
ろ、タイヤの振動モードは、タイヤ幅方向で見た場合、
初期には、図4に示すように、両ビードを固定端として
断面高さがタイヤ幅方向で一様に変化し、振動前のタイ
ヤ(破線)を基準(定常波)とすると、2節を有するよ
うに変形する振動モード(以下「2節モード」とい
う。)が主であり、その後、図5に示すように、4節を
有するように変形する振動モード(以下「4節モード」
という。)に移行し、さらに、6節、8節、--を有する
ように変形する種々の振動モードに順次移行することが
判明した。
共鳴音のレベルとの関係について詳細に調査したとこ
ろ、タイヤの振動モードは、タイヤ幅方向で見た場合、
初期には、図4に示すように、両ビードを固定端として
断面高さがタイヤ幅方向で一様に変化し、振動前のタイ
ヤ(破線)を基準(定常波)とすると、2節を有するよ
うに変形する振動モード(以下「2節モード」とい
う。)が主であり、その後、図5に示すように、4節を
有するように変形する振動モード(以下「4節モード」
という。)に移行し、さらに、6節、8節、--を有する
ように変形する種々の振動モードに順次移行することが
判明した。
【0009】そして、2節モードの周波数帯域は、乗用
車用タイヤの場合、通常は、図6に示すように、およそ
30〜300Hzの範囲であり、よって、共鳴周波数(200〜27
0Hz)は2節モードの周波数帯域に位置しており、これ
が空洞共鳴音のレベルを大きくしている原因であること
を突き止めた。
車用タイヤの場合、通常は、図6に示すように、およそ
30〜300Hzの範囲であり、よって、共鳴周波数(200〜27
0Hz)は2節モードの周波数帯域に位置しており、これ
が空洞共鳴音のレベルを大きくしている原因であること
を突き止めた。
【0010】次に、発明者は、各振動モードの周波数帯
域をシフトさせ、このときの空洞共鳴音のレベルの変化
を詳細に調査したところ、共鳴周波数が4節モードの周
波数帯域に位置する場合に、空洞共鳴音のレベルが小さ
くなることを見出し、さらに、共鳴周波数が4節モード
の周波数帯域に位置しない場合であっても、相対的に4
節モードの周波数帯域に近づいた場合には、空洞共鳴音
のレベルが比較的小さくなるということも併せて見出し
た。したがって、2節、4節の各振動モードの周波数帯
域を低周波数側にシフトさせることが好ましいことが明
らかとなった。
域をシフトさせ、このときの空洞共鳴音のレベルの変化
を詳細に調査したところ、共鳴周波数が4節モードの周
波数帯域に位置する場合に、空洞共鳴音のレベルが小さ
くなることを見出し、さらに、共鳴周波数が4節モード
の周波数帯域に位置しない場合であっても、相対的に4
節モードの周波数帯域に近づいた場合には、空洞共鳴音
のレベルが比較的小さくなるということも併せて見出し
た。したがって、2節、4節の各振動モードの周波数帯
域を低周波数側にシフトさせることが好ましいことが明
らかとなった。
【0011】そして発明者は、以上の知見に基づき、2
節、4節の各振動モードの周波数帯域の低周波数側への
シフトを、タイヤ構造を改良することにより達成するべ
く、さらに研究・解析を進めた結果、タイヤの2節、4
節の振動モード形態から、タイヤのトレッド部の幅方向
の引張弾性率を低下させることが効果的に上記シフトを
促し、その結果、空洞共鳴音のレベルを有利に低減する
に至ることを見出した。
節、4節の各振動モードの周波数帯域の低周波数側への
シフトを、タイヤ構造を改良することにより達成するべ
く、さらに研究・解析を進めた結果、タイヤの2節、4
節の振動モード形態から、タイヤのトレッド部の幅方向
の引張弾性率を低下させることが効果的に上記シフトを
促し、その結果、空洞共鳴音のレベルを有利に低減する
に至ることを見出した。
【0012】この発明は、従来技術が抱える問題点を解
決することを課題とするものであり、それの目的とする
ところは、4節モードの周波数帯域を低周波数側にシフ
トさせて、共鳴周波数を4節モードの周波数帯域に入れ
込むことまたは近づけることにより、円環状のタイヤ内
部空間の周長に起因して生じ、不快な車室内騒音発生の
一因となる空洞共鳴音のレベルを、他の性能を犠牲にす
ることなく有効に低減した空気入りタイヤを提供するに
ある。
決することを課題とするものであり、それの目的とする
ところは、4節モードの周波数帯域を低周波数側にシフ
トさせて、共鳴周波数を4節モードの周波数帯域に入れ
込むことまたは近づけることにより、円環状のタイヤ内
部空間の周長に起因して生じ、不快な車室内騒音発生の
一因となる空洞共鳴音のレベルを、他の性能を犠牲にす
ることなく有効に低減した空気入りタイヤを提供するに
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明の空気入りタイ
ヤは、トレッド部と、サイドウォール部と、ビード部と
を具えるとともに、ゴム被覆したコードを、タイヤ周方
向に対して70〜90°の角度で、それぞれのビード部
の半径方向内方端近傍にわたってトロイダルに配設し
た、一枚以上のカーカスプライにより形成したカーカス
と、カーカスのクラウン部の外周側でトレッド部全域に
わたり配設した、コードよりなる二層以上のベルト層に
より形成したベルトと、カーカスの内周側に配設したイ
ンナーライナとを具え、トレッド部のタイヤ踏面部に、
タイヤ周方向に延びる少なくとも一本の周方向溝を区画
することによって、トレッド部のタイヤ踏面部の両端間
に複数の陸部列が形成され、カーカスのクラウン部の幅
中央域に、タイヤ周方向に少なくとも一箇所のコード切
除領域を区画形成し、インナーライナのタイヤ幅方向で
の引張弾性率を、カーカスの、コード延在方向での引張
弾性率の1/5以下としたものである。
ヤは、トレッド部と、サイドウォール部と、ビード部と
を具えるとともに、ゴム被覆したコードを、タイヤ周方
向に対して70〜90°の角度で、それぞれのビード部
の半径方向内方端近傍にわたってトロイダルに配設し
た、一枚以上のカーカスプライにより形成したカーカス
と、カーカスのクラウン部の外周側でトレッド部全域に
わたり配設した、コードよりなる二層以上のベルト層に
より形成したベルトと、カーカスの内周側に配設したイ
ンナーライナとを具え、トレッド部のタイヤ踏面部に、
タイヤ周方向に延びる少なくとも一本の周方向溝を区画
することによって、トレッド部のタイヤ踏面部の両端間
に複数の陸部列が形成され、カーカスのクラウン部の幅
中央域に、タイヤ周方向に少なくとも一箇所のコード切
除領域を区画形成し、インナーライナのタイヤ幅方向で
の引張弾性率を、カーカスの、コード延在方向での引張
弾性率の1/5以下としたものである。
【0014】まずここで、空洞共鳴音のレベルの低減に
ついてのメカニズムに基づいて、出願人が採用した実施
手段について説明する。そもそも、発明者はタイヤの2
節、4節の各振動モードの周波数帯域を低周波数側へシ
フトさせることを、タイヤのトレッド部の幅方向の引張
弾性率を低下させることにより実現することが効果的で
あるという知見に基づき、トレッド部の幅方向の引張弾
性率を低下させるべく種々の試みを行ったが、最終的
に、この引張弾性率を、カーカスクラウン部の幅中央域
に、タイヤ周方向に少なくとも一箇所のコード切除領域
を区画形成することにより行ったのは以下の理由によ
る。
ついてのメカニズムに基づいて、出願人が採用した実施
手段について説明する。そもそも、発明者はタイヤの2
節、4節の各振動モードの周波数帯域を低周波数側へシ
フトさせることを、タイヤのトレッド部の幅方向の引張
弾性率を低下させることにより実現することが効果的で
あるという知見に基づき、トレッド部の幅方向の引張弾
性率を低下させるべく種々の試みを行ったが、最終的
に、この引張弾性率を、カーカスクラウン部の幅中央域
に、タイヤ周方向に少なくとも一箇所のコード切除領域
を区画形成することにより行ったのは以下の理由によ
る。
【0015】すなわち、一般にタイヤの構成部材の中
で、トレッド部の空気圧保持機能に対して支配的である
のは、スチールコードからなるベルトであって、カーカ
スは殆ど空気圧保持機能に寄与しないこと、およびトレ
ッド部の中央領域の変形に対する引張弾性率に対して支
配的であるのは、カーカスであることに鑑み、カーカス
をそのクラウン部の幅中央域において切除すれば、空気
圧保持機能を犠牲にすることなく、トレッド部の中央領
域の変形に対する引張弾性率を低下させて、4節モード
の周波数帯域を低周波数側にシフトさせることができ、
これにより不快な車室内騒音発生の一因となる空洞共鳴
音のレベルを有効に低減できるからである。
で、トレッド部の空気圧保持機能に対して支配的である
のは、スチールコードからなるベルトであって、カーカ
スは殆ど空気圧保持機能に寄与しないこと、およびトレ
ッド部の中央領域の変形に対する引張弾性率に対して支
配的であるのは、カーカスであることに鑑み、カーカス
をそのクラウン部の幅中央域において切除すれば、空気
圧保持機能を犠牲にすることなく、トレッド部の中央領
域の変形に対する引張弾性率を低下させて、4節モード
の周波数帯域を低周波数側にシフトさせることができ、
これにより不快な車室内騒音発生の一因となる空洞共鳴
音のレベルを有効に低減できるからである。
【0016】ここで、カーカスのクラウン部の「幅中央
域」とは、具体的には、タイヤ赤道面を中心とし、ベル
トを構成する少なくとも二枚のベルト層のうち、最も下
層に位置するベルト層の幅の20〜60%の領域をいう。
域」とは、具体的には、タイヤ赤道面を中心とし、ベル
トを構成する少なくとも二枚のベルト層のうち、最も下
層に位置するベルト層の幅の20〜60%の領域をいう。
【0017】またここで、コード切除領域は、タイヤ周
方向に沿って線状又は帯状に連続して又は断続的に延び
るものであるとし、さらに、コード切除領域は、タイヤ
幅方向に断続的な複数位置に設けることができるもので
ある。
方向に沿って線状又は帯状に連続して又は断続的に延び
るものであるとし、さらに、コード切除領域は、タイヤ
幅方向に断続的な複数位置に設けることができるもので
ある。
【0018】さらに、カーカスが二枚以上のカーカスプ
ライからなる場合には、トレッド部の幅方向の引張弾性
率を有効に低減するべく、全てのカーカスプライとも、
コード切除領域の区画形成位置を一致させて設けるもの
とする。
ライからなる場合には、トレッド部の幅方向の引張弾性
率を有効に低減するべく、全てのカーカスプライとも、
コード切除領域の区画形成位置を一致させて設けるもの
とする。
【0019】以上の記載事項を前提として、この空気入
りタイヤでは、インナーライナのタイヤ幅方向での引張
弾性率を、カーカスの、コード延在方向での引張弾性率
の1/5以下とすることで、タイヤトレッド部の幅方向
の引張弾性率を一層有利に低下させることができ、した
がって、タイヤの2節、4節の各振動モードの周波数帯
域を大幅に低周波数側へシフトさせることができ、その
結果、空洞共鳴音のレベルを効果的に低減することがで
きる。
りタイヤでは、インナーライナのタイヤ幅方向での引張
弾性率を、カーカスの、コード延在方向での引張弾性率
の1/5以下とすることで、タイヤトレッド部の幅方向
の引張弾性率を一層有利に低下させることができ、した
がって、タイヤの2節、4節の各振動モードの周波数帯
域を大幅に低周波数側へシフトさせることができ、その
結果、空洞共鳴音のレベルを効果的に低減することがで
きる。
【0020】かかる空気入りタイヤにおいてより好まし
くは、インナーライナに、タイヤ周方向に対して70〜
90°で延在する繊維コードよりなる繊維コード層の少
なくとも一層を含ませる。これによれば、カーカスにコ
ード切除領域を区画形成することにより、タイヤ成型時
に筒状に成型したカーカスを拡張させてベルトに貼り付
けるに十分足る、カーカスの引張強度が確保できなくな
るも、インナーライナに繊維コード層を含ませること
で、上記引張強度減少分をインナーライナの繊維コード
による引張強度増加分により補償し、カーカスを一部分
不連続にしながらタイヤを成型することができる。
くは、インナーライナに、タイヤ周方向に対して70〜
90°で延在する繊維コードよりなる繊維コード層の少
なくとも一層を含ませる。これによれば、カーカスにコ
ード切除領域を区画形成することにより、タイヤ成型時
に筒状に成型したカーカスを拡張させてベルトに貼り付
けるに十分足る、カーカスの引張強度が確保できなくな
るも、インナーライナに繊維コード層を含ませること
で、上記引張強度減少分をインナーライナの繊維コード
による引張強度増加分により補償し、カーカスを一部分
不連続にしながらタイヤを成型することができる。
【0021】また好ましくは、インナーライナに、短繊
維の集合体からなる短繊維層の少なくとも一層を含ませ
る。かかる空気入りタイヤによれば、インナーライナに
繊維コード層を含ませる場合と同様に、短繊維層を含ま
せることで、カーカス構造に起因する引張強度減少分を
インナーライナの繊維コードによる引張強度増加分によ
り補償し、カーカスを一部分不連続にしながらタイヤを
成型することができる。
維の集合体からなる短繊維層の少なくとも一層を含ませ
る。かかる空気入りタイヤによれば、インナーライナに
繊維コード層を含ませる場合と同様に、短繊維層を含ま
せることで、カーカス構造に起因する引張強度減少分を
インナーライナの繊維コードによる引張強度増加分によ
り補償し、カーカスを一部分不連続にしながらタイヤを
成型することができる。
【0022】さらに好ましくは、短繊維層を構成する短
繊維の延在方向を、タイヤ周方向に対して70〜90°
の一方向とする。これによれば、短繊維の総量を抑制し
ながら、必要なタイヤ幅方向引張強度を確保できるた
め、コスト・重量面でより有利となる。
繊維の延在方向を、タイヤ周方向に対して70〜90°
の一方向とする。これによれば、短繊維の総量を抑制し
ながら、必要なタイヤ幅方向引張強度を確保できるた
め、コスト・重量面でより有利となる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の実施の形態を
図面に示すところに基づいて説明する。図1は、この発
明にかかる空気入りタイヤの代表的な幅方向断面、図2
は図1のタイヤのカーカスのコード配列状態を示す図で
あり、図中1は空気入りタイヤ、2はトレッド部、3は
サイドウォール部、4はビード部、5はタイヤ周方向を
含む平面、6はカーカス、7はカーカスのクラウン部、
8および9はベルト層、10は交差ベルト層、11はベ
ルト、12a〜12dは周方向溝、13a〜13eは陸部
列、そして14はインナーライナを示すものである。
図面に示すところに基づいて説明する。図1は、この発
明にかかる空気入りタイヤの代表的な幅方向断面、図2
は図1のタイヤのカーカスのコード配列状態を示す図で
あり、図中1は空気入りタイヤ、2はトレッド部、3は
サイドウォール部、4はビード部、5はタイヤ周方向を
含む平面、6はカーカス、7はカーカスのクラウン部、
8および9はベルト層、10は交差ベルト層、11はベ
ルト、12a〜12dは周方向溝、13a〜13eは陸部
列、そして14はインナーライナを示すものである。
【0024】ここで、図1に示すように、タイヤ1を、
タイヤ周方向を含む平面5(図1ではタイヤ赤道面)に
対し70〜90°の角度で延在されたコードをゴム引きして
なり、ビードコア4aの周りでタイヤ幅方向内側から外
側に巻返した、少なくとも一枚(図1では一枚)のカー
カスプライからなるカーカス6と、カーカス6のクラウ
ン部7の外周側に、平面5に対し比較的小さな角度で傾
斜して延びるコードからなるベルト層の少なくとも二層
(図1では二層8,9)からなり、かつそのうちの二層
8,9のコードが平面5を挟んで互いに交差する配置関
係になる交差ベルト層10を形成してなるベルト11
と、平面5に対して平行に延びる少なくとも一本(図1
では四本)の周方向溝12a〜12dを配設して複数の陸
部列13a〜13eを形成したトレッド部2と、カーカス
6の内周側に位置してトロイダルに延在するインナーラ
イナ14とから構成し、カーカス6のクラウン部7の幅
中央域15に位置する部分の少なくとも一箇所(図1で
は五箇所)に、コード切除領域16を区画形成する。
タイヤ周方向を含む平面5(図1ではタイヤ赤道面)に
対し70〜90°の角度で延在されたコードをゴム引きして
なり、ビードコア4aの周りでタイヤ幅方向内側から外
側に巻返した、少なくとも一枚(図1では一枚)のカー
カスプライからなるカーカス6と、カーカス6のクラウ
ン部7の外周側に、平面5に対し比較的小さな角度で傾
斜して延びるコードからなるベルト層の少なくとも二層
(図1では二層8,9)からなり、かつそのうちの二層
8,9のコードが平面5を挟んで互いに交差する配置関
係になる交差ベルト層10を形成してなるベルト11
と、平面5に対して平行に延びる少なくとも一本(図1
では四本)の周方向溝12a〜12dを配設して複数の陸
部列13a〜13eを形成したトレッド部2と、カーカス
6の内周側に位置してトロイダルに延在するインナーラ
イナ14とから構成し、カーカス6のクラウン部7の幅
中央域15に位置する部分の少なくとも一箇所(図1で
は五箇所)に、コード切除領域16を区画形成する。
【0025】そして、インナーライナ14のタイヤ幅方
向での引張弾性率を、カーカス6の、コード延在方向で
の引張弾性率の1/5以下とする。ちなみに、インナー
ライナ14のタイヤ幅方向での引張弾性率を、10〜3
00N/mmとすることが好ましい。
向での引張弾性率を、カーカス6の、コード延在方向で
の引張弾性率の1/5以下とする。ちなみに、インナー
ライナ14のタイヤ幅方向での引張弾性率を、10〜3
00N/mmとすることが好ましい。
【0026】ここでは、インナーライナ14に、タイヤ
周方向に対して70〜90°で延在する繊維コードより
なる繊維コード層の少なくとも一層を含ませ、または、
インナーライナ14に、短繊維の集合体からなる短繊維
層の少なくとも一層を含ませる。
周方向に対して70〜90°で延在する繊維コードより
なる繊維コード層の少なくとも一層を含ませ、または、
インナーライナ14に、短繊維の集合体からなる短繊維
層の少なくとも一層を含ませる。
【0027】たとえば、インナーライナ14に含ませる
短繊維層を不織布により構成することができ、この不織
布を構成する繊維の直径または最大径を、0.0001
〜0.1mm、とくには0.0001〜0.005mmとす
ると好ましく、また、繊維の長さが極端に短いと、繊維
間の絡み合いが不十分となって、インナーライナ14が
補強層としての強度を十分に保持することができないこ
とに鑑み、短繊維の長さを、8mm以上、とくには10mm
以上とすると好ましい。
短繊維層を不織布により構成することができ、この不織
布を構成する繊維の直径または最大径を、0.0001
〜0.1mm、とくには0.0001〜0.005mmとす
ると好ましく、また、繊維の長さが極端に短いと、繊維
間の絡み合いが不十分となって、インナーライナ14が
補強層としての強度を十分に保持することができないこ
とに鑑み、短繊維の長さを、8mm以上、とくには10mm
以上とすると好ましい。
【0028】また、不織布の厚みを、0.05〜2.0
mm、とくには0.1〜0.5mmとすると好ましい。これ
は、その厚みが0.05mm未満では、不織布としての均
一性を維持することが困難であり、また、2.0mmを超
えると、繊維をゴムと複合させた場合に、ゲージ厚が厚
くなり、タイヤ重量の増加等を招く点で好ましくないか
らである。
mm、とくには0.1〜0.5mmとすると好ましい。これ
は、その厚みが0.05mm未満では、不織布としての均
一性を維持することが困難であり、また、2.0mmを超
えると、繊維をゴムと複合させた場合に、ゲージ厚が厚
くなり、タイヤ重量の増加等を招く点で好ましくないか
らである。
【0029】そして、繊維とゴムとの複合体中の繊維の
割合を4〜50mass%とすると好ましい。これは、繊維
の割合が4mass%未満では、繊維の均一性が維持でき
ず、複合体としての引張強度のばらつきが大きくなるた
めであり、また、50mass%を超えると、繊維とゴムと
の複合体の繊維連続層の比率が大きくなり、複合体の耐
久性が低下するためである。
割合を4〜50mass%とすると好ましい。これは、繊維
の割合が4mass%未満では、繊維の均一性が維持でき
ず、複合体としての引張強度のばらつきが大きくなるた
めであり、また、50mass%を超えると、繊維とゴムと
の複合体の繊維連続層の比率が大きくなり、複合体の耐
久性が低下するためである。
【0030】加えて、繊維とゴムとの複合体の目付を
0.1〜3.0N/m2とすると好ましい。これは、目
付が0.1N/m2未満では、繊維の均一性が維持でき
ず、複合体としての引張強度のばらつきが大きくなるた
めであり、また、3.0N/m2を超えると、不織布内
部の空隙にゴムが浸透しにくくなり、複合体の対剥離性
が低下するためである。
0.1〜3.0N/m2とすると好ましい。これは、目
付が0.1N/m2未満では、繊維の均一性が維持でき
ず、複合体としての引張強度のばらつきが大きくなるた
めであり、また、3.0N/m2を超えると、不織布内
部の空隙にゴムが浸透しにくくなり、複合体の対剥離性
が低下するためである。
【0031】ちなみに、不織布を構成する繊維の材質と
しては、綿、レーヨン、セルロースなどの天然高分子繊
維、脂肪族ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアル
コール、ポリイミド、芳香族ポリアミドなどの合成高分
子繊維、およびカーボン繊維、ガラス繊維、スチールワ
イヤなどのうちから適宜選択した少なくとも一種類の繊
維が挙げられる。
しては、綿、レーヨン、セルロースなどの天然高分子繊
維、脂肪族ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアル
コール、ポリイミド、芳香族ポリアミドなどの合成高分
子繊維、およびカーボン繊維、ガラス繊維、スチールワ
イヤなどのうちから適宜選択した少なくとも一種類の繊
維が挙げられる。
【0032】さらに、インナーライナ14を構成する短
繊維の延在方向を、タイヤ周方向に対して70〜90°
の一方向とすると一層好ましい。この場合の具体的態様
としては、有機繊維コードを複数本互いに平行に並べ
て、ゴムにより被覆し、そのコード径を0.1〜0.3
mmとし、その打ち込み本数を20〜70本/50mm
とするとともに、有機繊維コード種をたとえばナイロ
ン、ポリエステル、レーヨンまたはビニロンとすること
ができる。
繊維の延在方向を、タイヤ周方向に対して70〜90°
の一方向とすると一層好ましい。この場合の具体的態様
としては、有機繊維コードを複数本互いに平行に並べ
て、ゴムにより被覆し、そのコード径を0.1〜0.3
mmとし、その打ち込み本数を20〜70本/50mm
とするとともに、有機繊維コード種をたとえばナイロ
ン、ポリエステル、レーヨンまたはビニロンとすること
ができる。
【0033】
【実施例】まず、この発明に従う空気入りタイヤを試作
し、性能評価を行ったので、以下で説明する。実施例タ
イヤ1〜9は、タイヤサイズが195/65R14であり、ト
レッド部に、タイヤ周方向に沿って延びる四本の周方向
溝(幅:8mm、深さ:8mm)を配設し、ベルトは、二層
のベルト層をコードが交差するように積層した交差ベル
ト(コード材質:スチール、コード配設角度:±24°)
であり、カーカスは、コードをゴム引きした一枚のカー
カスプライ(コード材質:PET、コード角度:90°)
で構成した。そしてコード切除領域およびインナーライ
ナについての各諸元は表1に示すものとし、その他のタ
イヤ構造については、通常の乗用車用タイヤとほぼ同様
に構成した。
し、性能評価を行ったので、以下で説明する。実施例タ
イヤ1〜9は、タイヤサイズが195/65R14であり、ト
レッド部に、タイヤ周方向に沿って延びる四本の周方向
溝(幅:8mm、深さ:8mm)を配設し、ベルトは、二層
のベルト層をコードが交差するように積層した交差ベル
ト(コード材質:スチール、コード配設角度:±24°)
であり、カーカスは、コードをゴム引きした一枚のカー
カスプライ(コード材質:PET、コード角度:90°)
で構成した。そしてコード切除領域およびインナーライ
ナについての各諸元は表1に示すものとし、その他のタ
イヤ構造については、通常の乗用車用タイヤとほぼ同様
に構成した。
【0034】そして、比較のため、カーカスプライがコ
ード切除領域を持たないこと以外は実施例タイヤ1と同
様な構造を有する比較例タイヤ1についても試作、性能
評価を行った。
ード切除領域を持たないこと以外は実施例タイヤ1と同
様な構造を有する比較例タイヤ1についても試作、性能
評価を行った。
【0035】(性能評価)上記各供試タイヤについて、
ハンマーによるインパクト試験、実車走行による車室内
騒音測定試験を行ったので、以下で説明する。タイヤモ
ードの周波数は、上記各供試タイヤをアルミニウム製の
標準リム(14−6JJ)に組み付け、空気圧を200kPaとし
たタイヤ車輪をインパクト試験機にセットし、このタイ
ヤ車輪のトレッド部にハンマーにより加振力を与えるこ
とによって測定した。
ハンマーによるインパクト試験、実車走行による車室内
騒音測定試験を行ったので、以下で説明する。タイヤモ
ードの周波数は、上記各供試タイヤをアルミニウム製の
標準リム(14−6JJ)に組み付け、空気圧を200kPaとし
たタイヤ車輪をインパクト試験機にセットし、このタイ
ヤ車輪のトレッド部にハンマーにより加振力を与えるこ
とによって測定した。
【0036】車室内騒音は、上記タイヤ車輪を2000ccク
ラスの乗用車(タイヤ荷重:2名乗車相当)に装着し、
この車両を通常よりも荒れたアスファルト路(テストコ
ース)を車速50km/hで走行させ、このとき、ドライバ
ーの耳元の位置に設置した測定器によって測定した。
ラスの乗用車(タイヤ荷重:2名乗車相当)に装着し、
この車両を通常よりも荒れたアスファルト路(テストコ
ース)を車速50km/hで走行させ、このとき、ドライバ
ーの耳元の位置に設置した測定器によって測定した。
【0037】表1にこれらの測定結果を示す。尚、表1
中のタイヤモードの周波数は、従来例に対する低下量
(Hz)で示してあり、また、車室内騒音は、従来例に対
する騒音レベルの低減量(dB)で示してある。
中のタイヤモードの周波数は、従来例に対する低下量
(Hz)で示してあり、また、車室内騒音は、従来例に対
する騒音レベルの低減量(dB)で示してある。
【0038】
【表1】
【0039】表1の結果から、実施例タイヤ1〜9はい
ずれも、比較例タイヤ1よりも騒音レベルが低減されて
いることが判る。
ずれも、比較例タイヤ1よりも騒音レベルが低減されて
いることが判る。
【0040】次に、インナーライナのタイヤ幅方向での
引張弾性率と、カーカスのコード延在方向での引張弾性
率との比を種々変化させた場合の、空洞共鳴音のレベル
の低減効果の確認試験を実施例タイヤ10〜12および
比較例タイヤ2〜4について行った。なお、これらの実
施例タイヤおよび比較例タイヤの各タイヤ構造について
は、表2に示すインナーライナについての各諸元を有
し、その他の構造については、実施例タイヤ1と同様の
ものとする。その結果を図3に示す。
引張弾性率と、カーカスのコード延在方向での引張弾性
率との比を種々変化させた場合の、空洞共鳴音のレベル
の低減効果の確認試験を実施例タイヤ10〜12および
比較例タイヤ2〜4について行った。なお、これらの実
施例タイヤおよび比較例タイヤの各タイヤ構造について
は、表2に示すインナーライナについての各諸元を有
し、その他の構造については、実施例タイヤ1と同様の
ものとする。その結果を図3に示す。
【0041】
【表2】 これによれば、上記比が1/5以下、すなわち図3にお
いて20%以下の場合について空洞共鳴音のレベルの優
れた低減効果が確認された。
いて20%以下の場合について空洞共鳴音のレベルの優
れた低減効果が確認された。
【0042】
【発明の効果】かくして、この発明によれば、トロイド
状をしたタイヤを適用リムに組み付けて所定空気圧を充
填することで区画される円環状のタイヤ内部空間の周長
に起因して生じ、不快な車室内騒音発生の一因となる空
洞共鳴音のレベルを、他の性能を犠牲にすることなく有
効に低減された空気入りタイヤを提供することができ
る。
状をしたタイヤを適用リムに組み付けて所定空気圧を充
填することで区画される円環状のタイヤ内部空間の周長
に起因して生じ、不快な車室内騒音発生の一因となる空
洞共鳴音のレベルを、他の性能を犠牲にすることなく有
効に低減された空気入りタイヤを提供することができ
る。
【図1】 この発明にかかる空気入りタイヤの幅方向断
面図である。
面図である。
【図2】 図1のタイヤのカーカスプライのコードの配
列状態を示す図である。
列状態を示す図である。
【図3】 インナーライナのタイヤ幅方向での引張弾性
率と、カーカスのコード延在方向での引張弾性率との比
を種々変化させた場合の、空洞共鳴音の低減効果を示す
グラフである。
率と、カーカスのコード延在方向での引張弾性率との比
を種々変化させた場合の、空洞共鳴音の低減効果を示す
グラフである。
【図4】 2節の振動モードでのタイヤの変形状態を示
す図である。
す図である。
【図5】 4節の振動モードでのタイヤの変形状態を示
す図である。
す図である。
【図6】 周波数に対する力の伝達率をプロットしたと
きの一例を示す図である。
きの一例を示す図である。
1 空気入りタイヤ 2 トレッド部 3 サイドウォール部 4 ビード部 4a ビードコア 5 タイヤ周方向を含む平面 6 カーカス 7 カーカス3のクラウン部 8,9 ベルト層 10 交差ベルト層 11 ベルト 12a〜21d 周方向溝 13a〜13e 陸部列 14 インナーライナ 15 カーカスクラウン部4の幅中央域 16 コード切除領域
Claims (4)
- 【請求項1】 トレッド部と、サイドウォール部と、ビ
ード部とを具えるとともに、ゴム被覆したコードを、タ
イヤ周方向に対して70〜90°の角度で、それぞれの
ビード部の半径方向内方端近傍にわたってトロイダルに
配設した、一枚以上のカーカスプライにより形成したカ
ーカスと、カーカスのクラウン部の外周側でトレッド部
全域にわたり配設した、コードよりなる二層以上のベル
ト層により形成したベルトと、カーカスの内周側に配設
したインナーライナとを具え、トレッド部のタイヤ踏面
部に、タイヤ周方向に延びる少なくとも一本の周方向溝
を区画することによって、トレッド部のタイヤ踏面部の
両端間に複数の陸部列が形成された空気入りタイヤにお
いて、 カーカスのクラウン部の幅中央域に、タイヤ周方向に少
なくとも一箇所のコード切除領域を区画形成し、インナ
ーライナのタイヤ幅方向での引張弾性率を、カーカス
の、コード延在方向での引張弾性率の1/5以下として
なる空気入りタイヤ。 - 【請求項2】 前記インナーライナに、タイヤ周方向に
対して70〜90°で延在する繊維コードよりなる繊維
コード層の少なくとも一層を含ませてなる請求項1に記
載の空気入りタイヤ。 - 【請求項3】 前記インナーライナに、短繊維の集合体
からなる短繊維層の少なくとも一層を含ませてなる請求
項1もしくは2に記載の空気入りタイヤ。 - 【請求項4】 前記短繊維の延在方向を、タイヤ周方向
に対して70〜90°の一方向としてなる請求項3に記
載の空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000317824A JP2002120511A (ja) | 2000-10-18 | 2000-10-18 | 空気入りタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000317824A JP2002120511A (ja) | 2000-10-18 | 2000-10-18 | 空気入りタイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002120511A true JP2002120511A (ja) | 2002-04-23 |
Family
ID=18796552
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000317824A Pending JP2002120511A (ja) | 2000-10-18 | 2000-10-18 | 空気入りタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002120511A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008149928A (ja) * | 2006-12-19 | 2008-07-03 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | 空気入りタイヤ |
JP2008296814A (ja) * | 2007-06-01 | 2008-12-11 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | 空気入りタイヤ |
JP2009269503A (ja) * | 2008-05-08 | 2009-11-19 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 空気入りタイヤ |
-
2000
- 2000-10-18 JP JP2000317824A patent/JP2002120511A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008149928A (ja) * | 2006-12-19 | 2008-07-03 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | 空気入りタイヤ |
JP2008296814A (ja) * | 2007-06-01 | 2008-12-11 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | 空気入りタイヤ |
JP2009269503A (ja) * | 2008-05-08 | 2009-11-19 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 空気入りタイヤ |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
RU2566593C2 (ru) | Пневматическая шина | |
JP4785820B2 (ja) | タイヤとリムの組立体 | |
JP3974437B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
US20140216624A1 (en) | Pneumatic tire and method for manufacturing the same | |
EP0686514B1 (en) | Pneumatic radial tyre and method of making the same | |
JP2003220806A (ja) | 空気入りタイヤおよびその製造方法 | |
JP2001239804A (ja) | 空気入りタイヤとリムとの組立体 | |
JPH10291403A (ja) | 空気入りラジアルタイヤ | |
JP2975438B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JPH0624214A (ja) | 空気入りラジアルタイヤ | |
JP2002120511A (ja) | 空気入りタイヤ | |
EP2960074B1 (en) | Pneumatic tire and production method therefor | |
JP4224800B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
EP1214205B1 (en) | Method and deadening device for reducing the noise in a vehicle during travel, and tyre wheel provided with said device | |
US20020144760A1 (en) | Method and deadening device for reducing the noise in a vehicle during travel, and tyre wheel provided with the said device | |
JP5478745B1 (ja) | 空気入りタイヤ及びその製造方法 | |
JPH0872506A (ja) | 乗用車用空気入りタイヤ | |
JP2002205515A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP2014159225A (ja) | 空気入りタイヤ及びその製造方法 | |
JP4527839B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP2002096609A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP2002192909A (ja) | タイヤ・リムホイール組立体及び空気入りタイヤ | |
JP2001294015A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP4119686B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP3391609B2 (ja) | ラジアルタイヤ |