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JP4527839B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、トロイド状をしたタイヤ内部の円管長さに起因して生じ、不快な車室内騒音発生の一因となる空洞共鳴音を、他の性能を犠牲にすることなく、有効に低減することができる空気入りタイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
空気入りタイヤは、内部に空気を張った弾性体であり、その構造上、外部から加振力を与えると、この加振力によってタイヤのトレッド部とサイドウォール部、さらには内部の空気が振動するが、この空気の振動が共鳴(共振)を起こすと、いわゆる空洞共鳴音を発し、これが車軸を通じて車室内に伝達されて不快な車室内騒音発生の一因となっている。
【0003】
また、空洞共鳴音を発する周波数(以下「共鳴周波数」という。)は、タイヤ内部の空気の音速と円管長さとから一義的に定まるものであるため、タイヤサイズを変更しない限り、タイヤの共鳴周波数は一定である。例えば、通常の乗用車用タイヤの場合、その円管長さから共鳴周波数は概ね200〜270Hzである。
【0004】
空洞共鳴音は、その発生要因が空気の共鳴であることから、空気入りタイヤにおいては不可避的に発生する現象であり、故に、従来は、タイヤ構造を改良しても空洞共鳴音を低減することは難しいと考えられていた。
【0005】
そのため、従来は、例えば特開昭62−050203号公報等に記載されているように、タイヤ内部にスポンジを挿入することによって、タイヤ内部の音場を改良する方法のようにタイヤ構造の改良以外の方法によって空洞共鳴音を低減するしか術がなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上掲公報に記載された方法は、空洞共鳴音を低減する効果は認められるものの、タイヤが製品になった後に装着する手法であるため、装着するのに手間がかかるとともに、コストの点でも好ましくない。
【0007】
そこで、発明者は、タイヤ構造を改良することによって空洞共鳴音を低減する手段を開発するため種々の検討を行った。
【0008】
まず、発明者は、タイヤの振動モードと空洞共鳴音との関係について詳細に調査した。
【0009】
その結果、タイヤの振動モードは、タイヤ幅方向で見た場合、初期には、図3に示すように両ビードを固定端として断面高さがタイヤ幅方向で一様に変化し、振動前のタイヤ(破線)を基準(定常波)とすると、2節を有するように変形する振動モード(以下「2節モード」という。)が主であり、その後、図4に示すように、4節を有するように変形する振動モード(以下「4節モード」という。)に移行し、さらに、6節、8節、--を有するように変形する種々の振動モードに順次移行することが判明した。
【0010】
そして、2節モードの周波数帯域は、乗用車用タイヤの場合、通常は、図5に示すように、およそ30〜300Hzの範囲であり、よって、共鳴周波数(200〜270Hz)は2節モードの周波数帯域に位置しており、これが空洞共鳴音を大きくしている原因であることを突き止めた。
【0011】
次に、発明者は、各振動モードの周波数帯域をシフトさせ、このときの空洞共鳴音の変化を詳細に調査したところ、共鳴周波数が4節モードの周波数帯域に位置する場合に、空洞共鳴音が小さくなることを見出した。
【0012】
この発明の目的は、4節モードの周波数帯域を低周波数側にシフトさせて共鳴周波数を4節モードの周波数帯域に位置させることによって、トロイド状をしたタイヤ内部の円管長さに起因して生じ、不快な車室内騒音発生の一因となる空洞共鳴音を、他の性能を犠牲にすることなく有効に低減された空気入りタイヤを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明は、タイヤ周方向を含む平面に対し70〜90°の角度で傾斜配列されたコードをゴム引きしてなる少なくとも1プライのカーカスと、このカーカスのクラウン部外周に、前記平面に対し比較的小さな角度で傾斜して延びるコードのゴム引き層の少なくとも2層からなり、かつそのうちの2層のゴム引き層はコードが前記平面を挟んで互いに交差する配置関係になる交差ベルト層を形成してなるベルトと、前記平面に対して平行に延びる少なくとも1本の周方向溝を配設して複数の陸部列を形成したトレッド部とを有する空気入りタイヤにおいて、カーカスの剛性を、中央プライ部に位置するコード部分の撚り数を、前記中央プライ部以外のプライ部に位置するコード部分の撚り数よりも多くして、中央プライ部と他のプライ部分とで異ならせることを特徴とする空気入りタイヤである
【0014】
ここで、カーカスクラウン部の「幅中央域」とは、具体的にはタイヤ赤道面を中心としてトレッド幅の0.2〜0.5倍の範囲をいい、また、「中央プライ部」とは、具体的にはタイヤ赤道面を中心とし、ベルトを構成するコードゴム引き層のうち、下層のコードゴム引き層の幅の0.2〜0.6倍の範囲をいう。
【0016】
さらに、中央プライ部に位置するコード部分の撚り数と他のプライ部に位置するコード部分の撚り数との差は20%以上であることがより好適である。
【0017】
さらにまた、プライのコードは、1本又は2本以上の有機繊維フィラメントを引きそろえて、S方向またはZ方向に加撚した片撚りコードであるか、又は、1本又は2本以上の有機繊維フィラメントを引きそろえて下撚りを加え、これを2本以上引きそろえて下撚りとは反対方向に上撚りを加えたもろ撚りコードであることが好ましい。尚、プライのコードがもろ撚りコードである場合には、カーカスコードの剛性は、中央プライ部と他のプライ部とで上撚りでの撚り数を変えることによって異ならせることがより好適である。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明に従う空気入りタイヤの代表的な幅方向断面を示したものであり、図中1は空気入りタイヤ、2はタイヤ赤道面、3はカーカス、4はカーカスのクラウン部、5及び6はゴム引き層、7は交差ベルト層、8はベルト、9a〜9dは周方向溝、10a〜10eは区画陸部、11はトレッド部である。
【0019】
図1に示すタイヤ1は、タイヤ赤道面2に対し70〜90°の角度で傾斜配列されたコードをゴム引きしてなる少なくとも1プライ(図1では1プライ)のカーカス3と、このカーカス3のクラウン部4の外周に、前記平面2に対し比較的小さな角度で傾斜して延びるコードのゴム引き層の少なくとも2層(図1では2層)からなり、かつそのうちの2層のゴム引き層5,6はコードがタイヤ赤道面2を挟んで互いに交差する配置関係になる交差ベルト層7を形成してなるベルト8と、タイヤ赤道面2に対して平行に延びる少なくとも1本の周方向溝9a〜9d(図1では4本)を配設して複数の区画陸部10a〜10eを形成したトレッド部11とを有している。
【0020】
そして、この発明の構成上の主な特徴は、カーカス3の剛性を、クラウン部4の幅中央域13に位置するプライ部分12aと、それ以外のプライ部分12b,12cとで異ならせることにある。
【0021】
以下、この発明を完成させるに至ったプロセスをこの発明の作用とともに説明する。
図6に示すように、タイヤに外部から加振力Finputを与えると、タイヤ内部の空気が振動し、これが共鳴したときに空洞共鳴音を発するが、この空洞共鳴音を発する共鳴周波数では、タイヤ周上に1次の圧力分布が発生し、この圧力分布が周上で不均一となり、圧力差が生じることによってタイヤ軸力Fspindleが発生し、これが車軸加振力として車輌を加振し、車室内騒音の原因となっている。
【0022】
共鳴周波数fは、タイヤ内部の空気の音速をV、円管長さをLとすると、f=V/Lの式から一義的に定まることから、タイヤサイズを変更しない限り共鳴周波数は常に一定である。
【0023】
また、タイヤ内部における圧力と体積の関係を理想的な断熱変化で考えると、以下に示す関係式が成り立つ。
ΔP=−γ(ΔV/V)P
但し、γは比熱比
【0024】
この関係式からタイヤ内部の圧力変化(ΔP)を小さくするには、タイヤの体積変化(ΔV)、換言すれば、単位長さ当たりの体積変化である断面積変化(ΔS)を小さくすればよいことがわかる。
【0025】
発明者は、タイヤ内部の圧力変化を小さくすれば、この圧力変化に比例して車軸に伝達される加振力も小さくなり、これに伴って、空洞共鳴音が小さくなると考え、タイヤ内部の圧力変化を小さくするための検討を行った。
【0026】
通常のタイヤの場合、共鳴周波数が位置する振動モードは2節モードである。つまり、圧力変化が最大となる内部空気の共鳴の腹の部分(図6の+、−の部分)においても2節モードであり、このモード形態によって周方向単位長さあたりの断面積(体積)変化が決まるとすれば、結局モード形態による断面積変化と対応して圧力変化が生じていると考えることができる。
【0027】
図7は、加振力を与える前のタイヤ輪郭(実線)に、2節モードのときのタイヤ輪郭(破線)と4節モードのときのタイヤ輪郭(一点鎖線)を重ねて描いたものである。
【0028】
この図から、タイヤ断面積の変化量を画像処理することによって求めると、2節モード及び4節モードでのタイヤ断面積は、いずれも加振力を与える前のタイヤの断面積と比べると減少しており、また、2節モードのときの断面積の変化量を100としたとき、4節モードのときのそれは45と小さく、4節モードのときのタイヤ内部の圧力変化は2節モードのときのそれよりも小さいことが判明した。
【0029】
また、乗用車用タイヤの場合、2節モードの周波数帯域は、図5に示すように、通常はおよそ30〜300Hzの範囲であって、共鳴周波数(200〜270Hz)は、タイヤ内部の圧力変化の大きな2節モードの周波数帯域に位置するため、発明者は、これが空洞共鳴音を大きくしている原因であると考えた。
【0030】
そこで、発明者は、さらに検討を進めたところ、4節モードの周波数帯域を低周波数側にシフトさせて、共鳴周波数を4節モードの周波数帯域に位置するように設定すれば、空洞共鳴音は小さくなることを見出した。
【0031】
また、4節モードの周波数帯域を低周波数側にシフトさせる手段としては、トレッド部の幅方向剛性を低減させることが有用であることも見出した。
【0032】
トレッド部の幅方向剛性に対して寄与するタイヤの構成部分としては、カーカスクラウン部の外周に配置した交差ベルト層がある。例えば、タイヤに内圧を適用したとき、交差ベルト層を構成する各ゴム引き層のコードは、タイヤ赤道面に対する傾斜角度が小さくなる方向に移動して内圧保持に寄与するものの、カーカスプライのコードにはほとんど引張応力が作用しない。これは、カーカスのクラウン部に位置するプライ部分は、タイヤ内圧を保持するためには寄与していないことを意味している。
【0033】
しかしながら、トレッドセンター部が局所的に変形する場合、即ち、図4に示すようにタイヤが4節モードの変形をする場合には、カーカスプライの有機繊維コードにタイヤ幅方向への引張力が作用し、本来、引張力に対しては非常に強い物性を有する有機繊維コードがこの引張力に対抗して剛性を発揮することになり、これは、タイヤ幅方向剛性を低減させる上で好ましくない。
【0034】
そこで、発明者は、カーカスの剛性を、クラウン部の幅中央域に位置する中央プライ部と、それ以外のプライ部分とで異ならせるように構成されていれば、内圧保持には特に影響を与えることなく、トレッドセンター部が局所的に変形する場合のタイヤ幅方向剛性を有効に低減でき、この結果、4節モードの周波数帯域が低周波数側にシフトして、共鳴周波数をこの帯域に位置させることができ、これによって、空洞共鳴音を低減することができると考えた。
【0035】
尚、上記構成だと、タイヤのばね定数やブロック剛性に影響を与えないのでその他のタイヤ性能が低下することはない。
【0036】
勿論、4節モードの周波数帯域を低下させる手段として、それ以外の部分の剛性を変化させる手段や、タイヤ重量を増やす手段も考えられる。
【0037】
しかし、トレッド部以外の部分で剛性を低下させる手段を用いる場合は、タイヤのばね定数も変化することになるため、操縦性などのその他の性能に与える影響が大きいため、好ましくない。
【0038】
また、タイヤ重量を増加する手段を用いる場合は、剛性を増加させずに局所的に大きく重量を増加させることは困難である。例えば、サイドのゴム層の厚さを大きくすることで重量増を行っても、ゴム層の厚さが大きくなるため、断面2次モーメントが大きくなり、曲げ剛性も増加するため、重量増の効果を効率よく得ることができない。さらに、車両の燃費の面からも重量増加は望ましくない。
【0039】
よって、タイヤの基本特性に対する影響が小さく、かつ4節モードの周波数帯域を低下させる適正な手段としては、カーカス3の剛性を、クラウン部4の幅中央域13に位置する中央プライ部12aと、それ以外のプライ部分12b,12cの剛性とで異ならせるように構成されていることにあるといえる。
【0040】
また、カーカスプライ12の剛性、特に幅方向剛性を、中央プライ部12aと他のプライ部12b,12cとで異ならせる手段としては、プライ12に埋設したコード14の剛性を、各プライ部分12a、12b又は12cごとに調整すること、より具体的には、中央プライ部12aと他のプライ部12b,12cとに埋設されたコード14の撚り数を変えることによって異ならせることができるが、他の手段を用いてもよい。
【0041】
さらに、中央プライ部12aに位置するコード部分14aの撚り数は、他のプライ部12b,12cに位置するコード部分14a,14bの撚り数よりも多いことが幅方向剛性低下の点で好ましく、より好適には、中央プライ部12aに位置するコード部分14aの撚り数は、他のプライ部12b,12cに位置するコード部分14b,14cの撚り数よりも20%以上多くする。
【0042】
加えて、プライ12のコード14は、1本又は2本以上の有機繊維フィラメントを引きそろえて、S方向またはZ方向に加撚した片撚りコードであるか、または、1本又は2本以上の有機繊維フィラメントを引きそろえて下撚りを加え、これを2本以上引きそろえて下撚りとは反対方向に上撚りを加えたもろ撚りコードのいずれであってもよい。
【0043】
尚、プライ12のコード14がもろ撚りコードである場合には、カーカスプライ12の剛性は、上撚り時の撚り数を、中央プライ部12aに位置するコード部分14aと、他のプライ部12b,12cに位置するコード部分14b,14cとで変えることによって異ならせることが剛性低下の点でより好ましい。
【0044】
上述したところは、この発明の実施形態の一例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更を加えることができる。例えば、図1では、カーカス3を1プライで構成した場合について示したが、2プライ以上で構成することもでき、この場合には、全てのプライとも、剛性変化させるプライ部分の配設位置を一致させることが好ましい。
【0045】
【実施例】
次に、この発明に従う空気入りタイヤを試作し、性能評価を行ったので、以下で説明する。
・実施例1
実施例1のタイヤは、図1に示すタイヤ幅方向断面を有し、タイヤサイズが195/65R14であり、トレッド部11に、タイヤ周方向に沿って延びる4本の周方向溝9a〜9d(幅:8mm、深さ:8mm)を配設し、ベルト8は、2層のコードゴム引き層5,6をコードが交差するように積層した交差ベルト7(コード材質:スチール、コード配設角度:±24 °)であり、カーカス3は、コードをゴム引きした1プライ(コード材質:PET、コード角度:90°)で構成し、そのプライ12の中央プライ部12aの幅を、タイヤ赤道面2を中心とする60mmの範囲とし、中央プライ部12aに位置するコード部分14aの撚り数を、それ以外のプライ部分12b,12cに位置するコード部分14b,14cの撚り数の1.28倍とした。尚、その他のタイヤ構造については、通常の乗用車用タイヤとほぼ同様に構成した。
【0046】
・実施例2
実施例2のタイヤは、カーカスプライ12の中央プライ部12aの幅を、タイヤ赤道面2を中心とする80mmの範囲とし、中央プライ部12aに位置するコード部分14aの撚り数を、それ以外のプライ部分12b,12cに位置するコード部分14b,14cの撚り数の1.20倍としたこと以外は実施例1のタイヤとほぼ同様な構造を有する。
【0047】
・実施例3
実施例3のタイヤは、カーカスプライ12の中央プライ部12aの幅を、タイヤ赤道面2を中心とする80mmの範囲としたこと以外は実施例1のタイヤとほぼ同様な構造を有する。
【0048】
・実施例4
実施例4のタイヤは、カーカスプライ12の中央プライ部12aの幅を、タイヤ赤道面2を中心とする80mmの範囲とし、中央プライ部12aに位置するコード部分14aの撚り数を、それ以外のプライ部分12b,12cに位置するコード部分14b,14cの撚り数の1.52倍としたこと以外は実施例1のタイヤとほぼ同様な構造を有する。
【0049】
・従来例
従来例のタイヤは、カーカスプライ12のコードの撚り数を、中央プライ部12aと、それ以外のプライ部分12b,12cの撚り数と同じにしたこと以外は実施例1のタイヤとほぼ同様な構造を有する。
【0050】
(性能評価)
上記各供試タイヤについて、タイヤモードの周波数及び車室内騒音を測定したので以下で説明する。
タイヤモードの周波数は、上記各供試タイヤをアルミニウム製の標準リム(14−6JJ)に組み付け、空気圧を200kPaとしたタイヤ車輪をインパクト試験機にセットし、このタイヤ車輪のトレッド部に加振力を与えることによって測定した。
【0051】
車室内騒音は、上記タイヤ車輪を2000ccクラスの乗用車(タイヤ荷重:2名乗車相当)に装着し、この車両を通常よりも荒れたアスファルト路(テストコース)を車速50km/hで走行させ、このとき、ドライバーの耳元の位置に設置した測定器によって測定した。
【0052】
表1にこれらの測定結果を示す。尚、表1中のタイヤモードの周波数は、従来例に対する低下量(Hz)で示してあり、また、車室内騒音は、従来例に対する騒音レベルの低下量(dB)で示してある。
【0053】
【表1】
Figure 0004527839
【0054】
表1の結果から、実施例1〜4はいずれも、従来例よりも騒音レベルが低減されていた。また、実施例1〜4を比較すると、タイヤモード周波数と車室内騒音とが比例関係にあることがわかる。
【0055】
【発明の効果】
この発明は、トロイド状をしたタイヤ内部の円管長さに起因して生じ、不快な車室内騒音発生の一因となる空洞共鳴音を、他の性能を犠牲にすることなく有効に低減された空気入りタイヤの提供が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に従う空気入りタイヤの幅方向断面図である。
【図2】 図1のカーカスプライ12に埋設したコードのうち1本のコードの一部のみを抜き出したときの平面図である。
【図3】 2節モードのタイヤの変形状態を説明するための図である。
【図4】 4節モードのタイヤの変形状態を説明するための図である。
【図5】 周波数に対する力の伝達率をプロットしたときの一例を示す図である。
【図6】 インパクト試験機によってタイヤトレッド部に加振力Finputを与えたときの車軸力に伝達される力Fspindleを説明するための図である。
【図7】 加振前のタイヤの輪郭線(実線)に対し、2節モードで変形したときのタイヤの輪郭線(破線)と4節モードで変形したときのタイヤの輪郭線(一点鎖線)とを重ねた描いたときの図である。
【符号の説明】
1 空気入りタイヤ
2 タイヤ赤道面
3 カーカス
4 カーカス3のクラウン部
5,6 ゴム引き層
7 交差ベルト層
8 ベルト
9a〜9d 周方向溝
10a〜10d 陸部列
11 トレッド部
12 カーカス3のプライ
12a プライ12の中央プライ部
12b,12c プライ12の他のプライ部
13 カーカスクラウン部4の幅中央域
14 プライ12に埋設されたコード

Claims (4)

  1. タイヤ周方向を含む平面に対し70〜90°の角度で傾斜配列されたコードをゴム引きしてなる少なくとも1プライのカーカスと、このカーカスのクラウン部外周に、前記平面に対し比較的小さな角度で傾斜して延びるコードのゴム引き層の少なくとも2層からなり、かつそのうちの2層のゴム引き層はコードが前記平面を挟んで互いに交差する配置関係になる交差ベルト層を形成してなるベルトと、前記平面に対して平行に延びる少なくとも1本の周方向溝を配設して複数の陸部列を形成したトレッド部とを有する空気入りタイヤにおいて、
    カーカスの剛性を、中央プライ部に位置するコード部分の撚り数を、前記中央プライ部以外のプライ部に位置するコード部分の撚り数よりも多くして、中央プライ部と他のプライ部分とで異ならせることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 中央プライ部に位置するコード部分の撚り数と他のプライ部に位置するコード部分の撚り数との差は、20%以上である請求項1に記載した空気入りタイヤ。
  3. プライのコードは、1本又は2本以上の有機繊維フィラメントを引きそろえて、S方向またはZ方向に加撚した片撚りコードである請求項1または2に記載した空気入りタイヤ。
  4. プライのコードは、1本又は2本以上の有機繊維フィラメントを引きそろえて下撚りを加え、これを2本以上引きそろえて下撚りとは反対方向に上撚りを加えたもろ撚りコードであり、かつ、カーカスの剛性は、上撚り時の撚り数を、中央プライ部に位置するコード部分と、他のプライ部に位置するコード部分とで変えることによって異ならせる請求項1または2に記載した空気入りタイヤ。
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