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JP2002052273A - クッション材用細巾織物およびクッション材 - Google Patents

クッション材用細巾織物およびクッション材

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Publication number
JP2002052273A
JP2002052273A JP2000244603A JP2000244603A JP2002052273A JP 2002052273 A JP2002052273 A JP 2002052273A JP 2000244603 A JP2000244603 A JP 2000244603A JP 2000244603 A JP2000244603 A JP 2000244603A JP 2002052273 A JP2002052273 A JP 2002052273A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fabric
elongation
narrow
yarn
inch
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000244603A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoko Takahashi
朋子 高橋
Yoshiomi Hotta
義臣 堀田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
Priority to JP2000244603A priority Critical patent/JP2002052273A/ja
Publication of JP2002052273A publication Critical patent/JP2002052273A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Woven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた伸長回復性と応力保持性を有する為に耐
久弾発性があり、弛みがなく、寸法安定性に富むととも
に、耐摩耗性性があり、非常にソフトな風合いを有する
椅子張り用細巾織物を提供する。 【解決手段】少なくとも経糸にポリトリメチレンテレフ
タレート繊維マルチフィラメント糸を用いた細巾織物で
あって、該細巾織物の2.5%伸長時の回復性が85%
以上で、かつ2.5%伸長状態下15分後の応力保持性
が85%以上であるクッション材用細巾織物および前記
細巾織物で構成されたクッション材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はクッション材用細巾
織物およびクッション材に関し、さらに詳しくは風合い
が柔軟で、優れた伸長回復性と応力保持性を有するため
に耐久弾発性があり、弛みがなく、寸法安定性に富むと
ともに耐磨耗性にも優れた、椅子、ソファー、ベット、
ハンモック等に好適に用いられるクッション材用細巾織
物およびこれを用いたクッション材に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、椅子やソファー、ベットなどのク
ッション材には、金属スプリングや発泡ウレタンフォー
ムなどが使用されている。しかし、金属スプリングは、
弾発耐久性や寸法安定性に富むものの、金属特有の硬さ
により、ソフトで快適なクッション性は得られず、座り
心地や寝心地に劣るものであった。一方、ウレタンフォ
ームの場合は、初期圧縮が硬く、その後急に沈み込むと
いう独特の圧縮特性を示すためにクッション性に乏し
く、底突感が大きく、また通気性に劣り蒸れ易く、クッ
ション材として好まれないことが多い。またポリマーが
柔らかく、発泡しているため、圧縮に対する反発性を出
すためには密度を高くしなければならないという欠点が
あった。
【0003】そこで近年、熱可塑性繊維クッション材の
使用が提案されている。このような繊維成型クッション
材としては、熱接着性繊維を含有する短繊維をウェッブ
化し、次いで圧縮して熱成型したもの(例えば、特公平
1−18183号公報、特開平4−126856号公
報)、非弾性繊維を熱可塑性エラストマーで固着したク
ッション構造体(PCT/JP91/00703号公
報)等が知られている。また特開平6−7562号公報
にはへたりを改良する目的でブチレンテレフタレートと
共重合ポリエステルよりなる繊維を用いることが提案さ
れている。しかし、上記熱可塑性繊維成型クッション材
は、圧縮弾性が低い、風合いが硬い、繰り返し圧縮を受
けた時の風合い、硬さ、厚みの変化が大きい、接着点の
破壊による形態変化を生じるなどの欠点があった。この
問題を解決するため、低融点ポリマー組成の変更や低融
点繊維の断面形状変更などが試みられたが、繊維化の際
の紡糸性の悪化やクッション特性の不足等の問題があっ
た。また高融点繊維の断面形状の変更を試みたもので
は、熱処理する際の潜在捲縮発現で成型収縮が大きくな
ったり、ウエブ化の際のカード工程でのトラブル、むら
の発生が大きいという問題点があった。また圧縮による
歪も残りやすいという欠点があった。またブチレンテレ
フタレート共重合ポリエステルを用いたクッション構造
体の場合は、通常のポリエチレンテレフタレートを使用
した場合と比べ、クッション材としての弾発性が低く、
回復耐久性も低くなるといった欠点があった。従って、
風合いがソフトで適度な弾発感やクッション性を有し、
かつ、たわみやへたりがなく、寸法保持性に富むクッシ
ョン材の開発が強く望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
従来技術の問題点を解決し、風合いが柔軟で、長時間の
使用に際しても適度な弾発感、クッション性を保持し、
かつ、たわまずへたらない、伸長回復性、応力保持性に
非常に優れたクッション材用細巾織物およびクッション
材を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
について鋭意検討した結果、特定の繊維素材を少なくと
も経糸に用いた細巾織物をクッション材とすることによ
り、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達
したものである。本願で特許請求される発明は以下のと
おりである。 (1)少なくとも経糸にポリトリメチレンテレフタレー
ト繊維マルチフィラメント糸を用いた細巾織物であっ
て、該細巾織物の2.5%伸長時の回復性が85%以上
で、かつ2.5%伸長状態下15分後の応力保持性が8
5%以上であることを特徴とするクッション材用細巾織
物。 (2)前記細巾織物で構成されたクッション材。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のクッション材用細巾織物
は、椅子、ソファー、ベット等のクッション材として用
いられるだけでなく、椅子、ソファー、ベット等の表皮
材として用いることができる。この場合、表皮材以外の
クッション材としては、本発明の細巾織物をクッション
材として用いるのが最適であるが、従来のクッション材
を用いてもよい。また、本発明におけるクッション材用
細巾織物は、ハンモック等のように表皮材のみで構成さ
れるものにも用いることができる。
【0007】本発明におけるクッション材用細巾織物に
は、少なくとも経糸にポリトリメチレンテレフタレート
繊維マルチフィラメント糸が用いられる。本発明に用い
られるポリトリメチレンテレフタレート繊維は、トリメ
チレンテレフタレート単位を主たる繰り返し単位とする
ポリエステル繊維であり、例えばトリメチレンテレフタ
レート単位が約50モル%以上、好ましくは70モル%
以上、さらに好ましくは80モル%以上、さらに好まし
くは90モル%以上のものをいう。従って、第三成分と
して、他の酸成分および/またはグリコール成分の合計
量が、約50モル%以下、好ましくは30モル%以下、
さらに好ましくは20モル%以下、さらに好ましくは1
0モル%以下の範囲で含有されたポリトリメチレンテレ
フタレート繊維を包含する。
【0008】ポリトリメチレンテレフタレートは、テレ
フタル酸またはその機能的誘導体と、トリメチレングリ
コールまたはその機能的誘導体とを、触媒の存在下で、
適当な反応条件下に結合せしめることにより合成され
る。この合成過程において、適当な一種または二種以上
の第三成分を添加して共重合ポリエステルとしてもよ
い。またポリエチレンテレフタレート等のポリトリメチ
レンテレフタレート以外のポリエステル、ナイロン、ポ
リトリメチレンテレフタレート等を別個に合成した後、
ブレンドしたり、複合紡糸(鞘芯、サイドバイサイド
等)してもよい。
【0009】添加する第三成分としては、シュウ酸、ア
ジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカ
ルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、イソフタル酸、ソジ
ウムスルホイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、エチ
レングリコール、1,2−プロピレングリコール、テト
ラメチレングリコール等の脂肪族グリコール、シクロヘ
キサンジメタノール等の脂環族グリコール、1,4−ビ
ス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等の芳香族を含
む脂肪族グリコール、ポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール等のポリエーテルグリコール、ω−
オキシカプロン酸等の脂肪族オキシカルボン酸、P−オ
キシ安息香酸等の芳香族オキシカルボン酸などが挙げら
れる。これらは一個または三個以上のエステル形成性官
能基を有する安息香酸またはグリセリン等の化合物も重
合体が実質的に線状である範囲内で使用できる。さらに
二酸化チタン等の艶消剤、リン酸等の安定剤、ヒドロキ
シベンゾフェノン誘導体等の紫外線吸収剤、タルク等の
結晶化核剤、アエロジル等の易滑剤、ヒンダードフェノ
ール誘導体等の抗酸化剤、難燃剤、制電剤、顔料、蛍光
増白剤、赤外線吸収剤、消泡剤等が含有されていてもよ
い。
【0010】ポリトリメチレンテレフタレート繊維の紡
糸法には特に限定はなく、例えば、1500m/分程度
の巻取り速度で未延伸糸を得た後、2〜3.5倍程度で
延撚する方法、紡糸−延撚工程を直結した直延法(スピ
ンドロー法)、巻取り速度5000m/分以上の高速紡
糸法(スピンテイクアップ法)、紡糸後、一度水浴で冷
却してから延伸する方法などが挙げられる。本発明にお
いて、経糸に用いられるポリトリメチレンテレフタレー
ト繊維の形態はマルチフィラメント糸とすることが必要
である。モノフィラメント糸とした場合には経糸方向の
剛性が増して経糸方向の伸長回復性に劣るものとなる。
【0011】マルチフィラメント糸は、長さ方向に均一
なものや太細のあるものでもよく、その単糸断面は、丸
型、三角、L型、T型、Y型、W型、八葉型、偏平、ド
ッグボーン型等の多角形型、多葉型、中空型や不定形な
ものでもよい。またマルチフィラメント糸の単糸繊度
は、耐摩耗性および風合いの点から、0.1〜5.6d
tex程度が好ましく、マルチフィラメント糸の繊度
は、細巾織物の設計強度や厚さを任意に設定する点か
ら、56〜1670dtex程度とするのが好ましい。
【0012】上記マルチフィラメント糸条は原糸が最適
であるが、マルチフィラメント糸であれば、混繊糸、仮
撚加工糸(POYの延伸仮撚糸を含む)、空気噴射加工
糸等の嵩高加工糸でもよい。またマルチフィラメント糸
を用いた複合糸でもよく、精紡での複合であるサイロフ
ィル、コアヤーンをはじめ、交撚糸、カバリング糸、複
合仮撚糸(伸度差仮撚を含む)、2フィード空気流体噴
射加工糸であってもよく、必要に応じて適宜選定すれば
よい。ポリトリメチレンテレフタレート原糸の好適な繊
維物性としては、10%伸長時の弾性回復性が70%以
上であることが好ましく、より好ましくは80〜100
%である。弾性回復率が70%未満の場合には、椅子張
り地に使用した時の荷重伸びに対する回復率が悪くなる
傾向にある。
【0013】またマルチフィラメント糸は無撚糸、実質
的な無撚糸または撚り糸の形態で用いることができる
が、必要不可欠な耐摩耗性を向上させ、さらに伸長回復
特性の向上や経糸の無糊製織が可能となるなどの点か
ら、撚り糸の形態で使用するのが好ましい。撚り糸の形
態としては、単糸撚り糸使い、双糸撚り糸使い、または
3子撚り糸使いであってもよいが、撚り止めセットを必
要とせず、また無糊製織が可能で、かつ高度な摩擦耐久
性とソフトな風合いを得ることができる点から、下撚と
上撚の撚方向を異方向とした、いわゆる諸撚り糸が特に
好ましい。
【0014】撚り糸の撚係数(K)〔=原糸の繊度(d
tex)1/2 ×撚数(t/m)〕は1,000〜5,0
00の範囲とするのが好ましい。撚係数が1,000未
満では耐摩耗性が低下し、糊付けが必要になる場合があ
る。また撚係数が5,000を超えるとビリツキが強く
なり、準備工程や製織工程での操業性、織物品質に問題
が発生しやすくなる。また撚り止めセットは行ってもよ
いが、行わない方が結晶構造が弛まないために伸長回復
性能が高度に保持することができる。
【0015】本発明において、細巾織物の緯糸には特に
制限はなく、レギュラーポリエステル繊維、ポリプロピ
レン繊維、ポリアミド繊維、芳香族ポリアミド繊維など
の合成繊維、綿や麻などの天然繊維などを使用してもよ
いが、上記経糸に使用するポリトリメチレンテレフタレ
ート繊維マルチフィラメント糸の撚り糸を用いるのが好
ましい。また緯糸としては、経糸の機能を妨げない範囲
であればマルチフィラメント糸に限らず、モノフィラメ
ント糸なども使用することができる。また細巾織物の巾
方向の形態を保持するために比較的剛性の高い繊維を用
いてもよい。
【0016】本発明におけるクッション材用細巾織物
は、該織物を経糸方向に2.5%伸長させた時の回復率
が85%以上、好ましくは90%以上、さらに好ましく
は95%以上であり、かつ2.5%伸長状態下における
15分後の応力保持率が85%以上、好ましくは90%
以上、さらに好ましくは95%以上であることが必要で
ある。上記伸長回復率および応力保持率が85%未満で
は、長時間に亘って連続的な負荷荷重を受けて伸長させ
られた場合に、織物の応力緩和による疲労現象が大きく
なり、負荷を解いた後の戻りが悪くなり、弾発感が消失
し、織物がたわんでしまう。
【0017】細巾織物の織組織としては、平織組織を初
めとして、綾織組織やこれから誘導された変化組織など
を用いることができる。中でも2/1ツイル、2/2ツ
イル、3/1ツイルなどに代表される1完全組織の経糸
枚数が比較的少ない方がシンプルな綾織組織を選択する
より好ましい。綾織組織にすることにより、平織組織に
比べて組織拘束力が弱まるため、経糸方向の強力利用率
が向上し、細巾織物の柔軟性が得られやすくなる。な
お、経糸の浮きが長く連続する組織や、朱子綾組織など
の経糸の浮きが多い組織は耐スナッギング性や耐ピリン
グ性などの摩擦耐久性に劣る場合がある。
【0018】細巾織物の密度は、椅子等のクッション材
のスペック(巾、厚さ、設計強力)を満たすように、原
糸強度や原糸繊度、さらに織組織を考慮して最適な設計
を行うのが好ましい。経糸の好ましい密度は、カバーフ
ァクター(CF)〔=経糸の繊度(dtex)1/2 ×経
糸の密度(本/インチ)〕でいうと、概ね2,000〜
7,000の範囲で選定されるが、これに限定されるも
のではない。細巾織物は、通常、15〜330mmの巾
で製織される。製織するための織機としては、リボン織
機やニードル織機などを用いることができる。ニードル
織機は開口量が小さいことに加え、経糸が織機部品と接
触することが少ないために高速製織が可能であり、また
製織コスト低減化の観点からも好ましい。
【0019】細巾織物は、織成後、加熱条件下で経糸方
向に適度な延伸処理を行うことによって熱安定性が向上
し、より優れた伸長回復機能を発揮する。その場合の好
ましい加熱温度は90℃〜170℃の範囲であり、より
好ましくは120℃〜140℃である。加熱温度が90
℃未満では熱固定効果が低いため、応力保持性能が十分
に発揮できない場合があり、170℃を超える高温域で
はポリトリメチレンテレフタレート繊維の熱硬化現象に
よる織物の風合い硬化が起こりやすくなる。また好まし
い延伸率は−3%〜5%の範囲である。延伸率が−3%
未満では生機中の経糸の弛みが十分に除去されず、高度
な応力保持性が得られない場合があり、5.0%を超え
る高延伸域では延伸機のパワー不足が起こったり、織物
の設計規格によっては延伸加工時に破断する場合があ
る。
【0020】また細巾織物の耐摩耗性を向上させるため
に、延伸加工時に耐摩耗性に優れ、かつ樹脂皮膜の柔軟
な水溶性ポリウレタン樹脂を含浸させてもよい。さらに
布帛表面の平滑性および繊維同士の滑り性を向上させて
クッション材とした時の弾発性、応力分散性、弾性回復
性および耐久性を向上させるために、前記樹脂液の中に
シリコーン系平滑剤をブレンドしてもよい。細巾織物を
クッション材として使用する場合の形態としては、細巾
織物を織物状に組み合わせたものや、織物状にせずに並
べたものを、1層または何層かを積層してクッション材
としたものが挙げられる。該クッション材の上部に表皮
材としての布帛などを積層してベット、椅子、ソファー
等に用いられる。また表皮材を用いずに、ビーチチェア
ーやサマーベッドのようにクッション材を兼ねた表皮材
として用いてもよい。さらにハンモックや荷棚のよう
に、織物や編物状に細巾織物を組み合わせてクッション
材としてもよい。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳しく説明する
が、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。な
お、実施例および比較例における評価は以下の方法によ
り測定した。 (1) ηsp/cの測定 ηsp/cは、ポリマーを90℃でo−クロロフェノー
ルに1g/デシリットルの濃度で溶解し、その後、得ら
れた溶液をオストワルド粘度管に移し35℃で測定し、
下記式より算出した。 ηsp/c=((T/T0 )−1)/C T :試料溶液の落下時間(秒) T0 :溶剤の落下時間(秒) C :溶液濃度(g/デシリットル)
【0022】(2) 細巾織物の破断強伸度の測定 島津製作所製の引張試験機を用い、つかみ間隔10c
m、引張速度10cm/minで、伸長し破断するまで
の伸度とその時の応力を測定した。 (3) 細巾織物の2.5%伸長時の弾性回復率の測定 島津製作所製の引張試験機を用い、つかみ間隔10c
m、引張速度10cm/minで、伸長率2.5%まで
伸長した後、同じ速度で収縮させ、応力−歪曲線を描
く。収縮中、応力が0になった時の伸度を残留伸度Aと
する。弾性回復率は以下の式に従って求めた。 2.5%伸長時の弾性回復率=[(10−A)/10]
×100% (4) 2.5%伸長時の応力保持率の測定 島津製作所製の引張試験機を用い、つかみ間隔10c
m、引張速度10cm/minで、経方向に伸長率2.
5%まで伸長させ、この状態で15分間放置する。2.
5%伸長時の応力値(A)と、15分後の応力値(B)
を読み取る。応力保持率は以下の式によって求めた。 応力保持率=[B/A]×100(%)
【0023】(5) 2.5%伸長15分保持後の弾性回復
率の測定 島津製作所製の引張試験機を用い、つかみ間隔10c
m、引張速度10cm/minで、経方向に伸長率2.
5%まで伸長させ、この状態で15分間放置する。その
後同じ速度で収縮させ応力−歪曲線を描く。収縮中、応
力が0になった時の伸度を残留伸度Aとする。弾性回復
率は以下の式に従って求めた。 2.5%伸長15分放置後の弾性回復率=[(10−A)
/10]×100 % (6) 10%伸長時の弾性回復率の測定 島津製作所製の引張試験機を用い、つかみ間隔10c
m、引張速度10cm/minで、伸長率10%まで伸
長した後、同じ速度で収縮させ、応力−歪曲線を描く。
収縮中、応力が0になった時の伸度を残留伸度Aとす
る。弾性回復率は以下の式に従って求めた。 10%伸長時の弾性回復率=[(10−A)/10]×
100% (7) 風合い、クッション性、へたりの評価 細巾織物を平織物状に組み合わせ、スチールパイプ枠に
張ってサマーベッドを試作した。このベットに寝た時の
風合い、クッション性を10人の被験者にて官能評価し
た。また20分使用後の布帛のへたり具合を視覚判定し
た。
【0024】実施例1 ηsp/c=0.8のポリトリメチレンテレフタレート
を紡糸温度265℃、紡糸速度1200m/分で未延伸
糸を得、次いでホットロール温度60℃、ホットプレー
ト温度140℃、延伸倍率3倍、延伸速度800m/分
で延撚して167dtex/48fの延伸糸を得た。延
伸糸の強伸度、弾性率、並びに10%伸長時の弾性回復
率は、各々4.0cN/dtex、46%、26.5c
N/dtex並びに98%であった。得られた167d
tex/48fのポリトリメチレンテレフタレート繊維
糸条を2本引き揃えて92t/m撚糸した糸を経糸およ
び緯糸に用い、細巾ニードル織機により2/2ツイル組
織の生機を得た。本生機を延伸加工機にかけて140℃
で経糸方向に0.5%延伸し、経285本/インチ、緯
70本/インチ密度の細巾織物を得た。この織物の破断
強度は1,037N/1cm巾、破断伸度57%であっ
た。得られた細巾織物は、表1に示すように、優れた弾
性回復率と応力保持率を有するとともに、ソフトな風合
いでクッション性に優れ、使用後のへたりもないもので
あった。
【0025】実施例2 実施例1において、延伸率を1%とする以外は実施例1
と同様の方法で経287本/インチ、緯69本/インチ
密度の延伸織物を得た。この織物の破断強度は1,06
8N/1cm巾、破断伸度は57%であった。得られた
細巾織物は、表1に示すように、優れた弾性回復性と応
力保持性を有するとともに、ソフトな風合いでクッショ
ン性に優れ、使用後のへたりも少ないものであった。 実施例3 実施例1において、延伸加工温度を120℃、延伸率を
3%とする以外は実施例1と同様の方法で経284本/
インチ、緯69本/インチ密度の延伸織物を得た。この
織物の破断強度は1,030N/1cm巾、破断伸度は
62%であった。得られた細巾織物は、表1に示すよう
に、優れた弾性回復性と応力保持性を有するとともに、
非常にソフトな風合いでクッション性に優れ、使用後の
へたりも少ないものであった。
【0026】実施例4 実施例1において、織組織を3/1ツイルとする以外は
実施例1と同様の方法で経330本/インチ、緯70本
/インチ密度の延伸織物を得た。この織物の破断強度は
1,212N/1cm巾、破断伸度は58%であった。
得られた細巾織物は、表1に示すように、優れた弾性回
復性と応力保持性を有するとともに、ソフトな風合いで
クッション性に優れ、使用後のへたりも少ないものであ
った。 実施例5 実施例4において、延伸率を1%とする以外は実施例4
と同様の方法で経332本/インチ、緯69本/インチ
密度の延伸織物を得た。この織物の破断強度は1,24
8N/1cm巾、破断伸度は58%であった。得られた
細巾織物は、表1に示すように、優れた弾性回復性と応
力保持性を有するとともに、ソフトな風合いでクッショ
ン性に優れ、使用後のへたりも少ないものであった。
【0027】実施例6 実施例3において、織組織を3/1ツイルとする以外は
実施例3と同様の方法で経328本/インチ、緯69本
/インチ密度の延伸織物を得た。この織物の破断強度は
1,231N/1cm巾、破断伸度は67%であった。
得られた細巾織物は、表1に示すように、優れた弾性回
復性と応力保持性を有するとともに、ソフトな風合いで
クッション性に優れ、使用後のへたりも少ないものであ
った。 実施例7 実施例1において、緯糸を550dtex/96fのポ
リエチレンテレフタレート繊維糸条を2本引き揃えて8
0t/m撚糸した糸を用い、延伸温度140℃、延伸率
を0%とした以外は実施例1と同様の方法で経282本
/インチ、経71本/インチ密度の細巾織物を得た。こ
の織物の破断強度は、1,010N/1cm巾、破断伸
度は56%であった。得られた細巾織物は、表1に示す
ように、優れた弾性回復性と応力保持性を有するととも
に、ソフトな風合いでクッション性に優れ、使用後のへ
たりも少ないものであった。
【0028】実施例8 実施例7において、延伸率を1%とする以外は実施例7
と同様の方法で経284本/インチ、緯69本/インチ
密度の延伸織物を得た。この織物の破断強度は1,01
2N/1cm巾、破断伸度は57%であった。得られた
細巾織物は、表1に示すように、優れた弾性回復性と応
力保持性を有するとともに、ソフトな風合いでクッショ
ン性に優れ、使用後のへたりも少ないものであった。 実施例9 実施例7において、織組織を3/1ツイルとする以外は
実施例7と同様の方法で経326本/インチ、緯70本
/インチ密度の延伸織物を得た。この織物の破断強度は
1,180N/1cm巾、破断伸度は65%であった。
得られた細巾織物は、表1に示すように、優れた弾性回
復性と応力保持性を有するとともに、ソフトな風合いで
クッション性に優れ、使用後のへたりも少ないものであ
った。
【0029】実施例10 実施例9において、延伸率を1%とする以外は実施例9
と同様の方法で経327本/インチ、緯70本/インチ
密度の延伸織物を得た。この織物の破断強度は1,18
2N/1cm巾、破断伸度は64%であった。得られた
細巾織物は、表1に示すように、優れた弾性回復性と応
力保持性を有するとともに、ソフトな風合いでクッショ
ン性に優れ、使用後のへたりも少ないものであった。 実施例11 実施例8において、緯糸を550dtexのポリエチレ
ンテレフタレート繊維モノフィラメント糸条とした以外
は実施例8と同様の方法で経324本/インチ、経69
本/インチ密度の細巾織物を得た。この織物の破断強度
は、1,241N/1cm巾、破断伸度は64%であっ
た。得られた細巾織物は、表1に示すように、優れた弾
性回復性と応力保持性を有するとともに、ソフトな風合
いでクッション性に優れ、使用後のへたりも少ないもの
であった。
【0030】実施例12 実施例11において、織組織を2/2ツイルとした以外
は実施例11と同様の方法で経280本/インチ、経6
9本/インチ密度の細巾織物を得た。この織物の破断強
度は、1,062N/1cm巾、破断伸度は60%であ
った。得られた細巾織物は、表1に示すように、優れた
弾性回復性と応力保持性を有するとともに、ソフトな風
合いでクッション性に優れ、使用後のへたりも少ないも
のであった。
【0031】比較例1 実施例1において、1,670dtex/192fのポ
リエチレンテレフタレート繊維糸条に52t/m撚糸し
た糸を経糸に、1,100dtex/96fのポリエチ
レンテレフタレート繊維糸条を2本引き揃えて60t/
m撚糸した糸を緯糸に用い、得られた生機を165℃で
経方向に1.0%延伸した延伸した以外は実施例1と同
様の方法で経78本/インチ、緯30本/インチ密度の
細巾織物を得た。この織物の破断強度は2.842N/
1cm巾、破断伸度は18%であった。得られた細巾織
物は表1に示すように、弾性回復性、応力保持性が低
く、風合いが非常に硬く、クッション性に劣り、使用後
にへたり易いものであった。
【0032】比較例2 比較例1において、延伸率を3%とした以外は比較例1
と同様の方法で経79本/インチ、緯29本/インチ密
度の細巾織物を得た。この織物の破断強度は2,881
N/1cm巾、破断伸度は17%であった。得られた細
巾織物は、表1に示すように、弾性回復性、応力保持性
が低く、風合いが非常に硬く、クッション性に劣り、使
用後にへたり易いものであった。
【0033】比較例3 比較例1において、織組織を3/1ツイルとした以外は
比較例1と同様の方法で経78本/インチ、緯30本/
インチ密度の細巾織物を得た。この織物の破断強度は
2,852N/1cm巾、破断伸度は18%であった。
得られた細巾織物は、表1に示すように、弾性回復性、
応力保持性が低く、風合いが非常に硬く、クッション性
に劣り、使用後にへたり易いものであった。
【0034】比較例4 比較例3において、延伸率を3%とした以外は比較例3
と同様の方法で経79本/インチ、緯29本/インチ密
度の細巾織物を得た。この織物の破断強度は2,930
N/1cm巾、破断伸度は17%であった。得られた細
巾織物は、表1に示すように、弾性回復性、応力保持性
が低く、風合いが非常に硬く、クッション性に劣り、使
用後にへたり易いものであった。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】請求項1および2記載の本発明によれ
ば、優れた伸長回復性と応力保持性を有するために耐久
弾発性があり、弛みやへたりを発生させることがなく、
寸法安定性に富むとともに、耐摩耗性性があり、非常に
ソフトな風合いを有する、優れたクッション材を提供で
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L035 BB31 BB77 BB89 BB91 DD14 EE08 EE20 FF10 4L048 AA22 AB07 BA01 BB01 CA04 CA12 DA13

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも経糸にポリトリメチレンテレ
    フタレート繊維マルチフィラメント糸を用いた細巾織物
    であって、該細巾織物の2.5%伸長時の回復性が85
    %以上で、かつ2.5%伸長状態下15分後の応力保持
    性が85%以上であることを特徴とするクッション材用
    細巾織物。
  2. 【請求項2】 前記細巾織物で構成されたクッション
    材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009249793A (ja) * 2008-04-10 2009-10-29 Teijin Fibers Ltd カーシート用布帛

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JP2009249793A (ja) * 2008-04-10 2009-10-29 Teijin Fibers Ltd カーシート用布帛

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