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JP2002049043A - 積層型液晶表示装置及びその製造方法 - Google Patents

積層型液晶表示装置及びその製造方法

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Publication number
JP2002049043A
JP2002049043A JP2001135653A JP2001135653A JP2002049043A JP 2002049043 A JP2002049043 A JP 2002049043A JP 2001135653 A JP2001135653 A JP 2001135653A JP 2001135653 A JP2001135653 A JP 2001135653A JP 2002049043 A JP2002049043 A JP 2002049043A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
substrate
display device
crystal display
partition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001135653A
Other languages
English (en)
Inventor
Yutaka Sawayama
豊 澤山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2001135653A priority Critical patent/JP2002049043A/ja
Publication of JP2002049043A publication Critical patent/JP2002049043A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルムを隔壁として使用した積層型液晶表
示装置の製造方法として、マザーガラスによる処理を可
能にすること、及び各パネルの表示エリア内のみに隔壁
が形成されるようにする。 【解決手段】 積層型液晶表示装置を製造する際に、隔
壁となる高分子薄膜を予め暫定的な支持体となる暫定基
板に添付しておき、その暫定基板に添付した状態でガラ
スなどの基板に貼り合わせた後、暫定基板のみを剥離す
ることで、基板上に高分子薄膜の隔壁を形成すること
で、積層型液晶表示装置を実現することができる。ま
た、隔壁と暫定基板としてドライフィルムレジストを使
用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶層を複数積層
した液晶表示装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】平面型ディスプレイとして重要な位置を
占める液晶表示装置は、いくつかの光学部材により構成
されており、その一例の模式図を図17に示す。図17
の液晶表示装置は、ガラス基板1、液晶層2、配向膜
3、透明電極4、バックライトユニット5、偏光板6の
光学部材により構成されている。なお、図17では透過
型液晶表示装置について記載しているが、反射型液晶表
示装置の場合は、バックライトユニットの代わりが反射
板または反射電極となる。
【0003】このような液晶表示装置を構成する光学部
材は、液晶パネル(以下セルと称する。)により代用で
きることは以前から知られており、例えば2色性色素を
混入した液晶を用いたゲスト−ホスト(以下GHと称す
る。)モードは偏光板に、液晶セルそのものは位相差板
に、コレステリック液晶は選択反射層としてカラーフィ
ルタと反射板を兼ねたものとして使用できる。
【0004】このように液晶セルを光学部材として使用
した場合の利点は、液晶表示装置を構成する各部材の光
学特性も必要に応じて変化させられることである。例え
ば光の利用効率が重要視される反射型液晶表示装置など
では偏光板による光のロス(1/2程度)の発生をなく
すことができ、理屈の上では偏光板を利用した表示方式
と比較して明るさが2倍となる。このような液晶表示方
式としては2層型GH(以下DGHと称する。)モード
などが挙げられる。更に、シアン(C)、マジェンタ
(M)、イエロー(Y)の3原色を積層すれば、カラー
フィルターを用いる必要がなくなり、光の利用効率が一
層向上する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように非常に利点
の多い積層型液晶表示装置であるが、その問題点は積層
方法に有る。例えば2枚の液晶セルを積層した場合の模
式図は図18(a)のようになるが、実際には液晶層2
とそのガラス基板1とでは、厚さとして数10〜数10
0倍もの差が生じ、おおよそ前記縮尺にて図18(a)
を書き直すと図18(b)のようになる。このため例え
ば図19(a)に示すような市松模様を表示した場合、
上部液晶層の白(黒)表示領域9(8)と下部液晶層の
白(黒)表示領域9(8)とに視差が発生する。この時
の状態を図19(b)及び図19(c)に示すが、観察
者11がパネルをパネル法線方向より表示を確認したと
きには問題は生じないものの、法線方向よりある程度傾
けて表示を確認した場合、視差による影10(ボケ)が
発生する。
【0006】この視差を解消するためには、液晶層間に
存在する支持基板を薄くすればよく、例えば100〜3
00μm□の画素の場合、ガラス基板の厚さが数100
μm以下であれば視差の発生が抑えられることが、筆者
らの試算により確認されているが、このような薄いガラ
スを用いる場合には、割れる、欠けるなど製造上の問題
が多数発生する。また各層を独立に駆動する場合、それ
ぞれにスイッチング素子が必要となり、製造コストの大
幅な上昇や1画素あたりの開口率の低下による光のロ
ス、透明電極を複数回通過することによる光のロスが発
生する。
【0007】この問題を解決するために、液晶層を分離
する隔壁に液晶層と同程度以下の厚さのフィルムを使用
した液晶表示装置(月刊FPD Intelligence 1998,8
P.66:IBM、SID '99 P.962:IBM等)が発表されてお
り、その方法であれば、2層の液晶層を独立に駆動する
必要もなく、隔壁を介し駆動することでスイッチング素
子は1枚の基板に形成するだけですむ。隔壁を介し駆動
する際に発生する、隔壁での電圧降下も従来使用される
1mm弱程度のガラス基板にて行なう場合に比べ、格段
に減少するため大幅な改善が期待できると共に、視差の
問題についても大幅に改善される。
【0008】上記文献内にて開示された製造方法では、
液晶層の層厚を確保するために、また隔壁となるフィル
ム13のたわみ、シワをなくすためにフィルム周囲に金
枠14を形成している(図20(a)参照)が、このよ
うな金枠14を用いて作製した場合、次のような問題が
ある。
【0009】前述の文献内の記載では、1つの液晶表示
装置の作製方法についての模式図が開示されているが、
実際の液晶表示装置の貼り合わせ工程は、1枚の大きな
マザーガラスと呼ばれるガラスより、複数枚の表示装置
(パネル)を作製する。この工程に前述の金枠付き隔壁
を用いた製造方法を適応させる場合として以下の2通り
が挙げられる。 1)マザーガラス内の1パネル毎に金枠付のフィルム
(隔壁)を添付する。 2)マザーガラス全面に渡り金枠付のフィルム(隔壁)
を添付する。
【0010】1)の方法の場合、図20(b)に示すよ
うに、貼り合せる一対のマザーガラス内に金枠14がく
ることとなる。この場合、隔壁となるフィルム13を支
持する金枠14がガラス基板の間にくることとなり、こ
の金枠14が液晶層の厚み以下でない限り、図20
(c)に示すようにセル厚不良が発生する。よって1パ
ネル毎に金枠付きの隔壁となる薄膜13を使用する場合
は、マザーガラスより事前に1パネル毎に分断し貼り合
せる必要が生じ、生産性が悪いという欠点が生じる。
【0011】また、2)のようにマザーガラス全面に渡
る隔壁を付加した場合、基板上にパネルとして隔壁の必
要な領域16と隔壁の不要な領域17が発生する(図2
0(d)参照)。この隔壁の不要な領域17の部分には
通常液晶表示装置に外部からの信号を入力するためのド
ライバなどを付加するための端子群37が形成されてい
る。ガラス全面に渡り隔壁を形成した場合、この端子群
37上にも隔壁となるフィルム13が存在するためこの
隔壁の不要な領域17部分の隔壁となるフィルム13の
除去が必要となるが、この部分の隔壁となるフィルム1
3を切断する際、図21に示すようにフィルムカッター
用のカッター34でその下の端子35、または端子上に
形成される絶縁膜(図示せず)等にキズ36を付ける恐
れがある。このようなキズ36が発生した場合、例えば
高湿下にて連続的に表示を行う(高湿下における信頼性
試験など)場合に、端子配線の電食が発生するなどパネ
ル自身の信頼性低下の原因となる。
【0012】以上のことから、フィルムを隔壁として使
用した液晶表示装置の製造方法としては、マザーガラス
による処理(多面取り)が可能であること、事前に各パ
ネルの表示エリア内のみに隔壁が形成されるようにする
ことが望ましい。本発明は前述の問題を解決し、容易に
かつ従来の工法と同様、1枚のマザーガラスにて貼り合
わせ(多面取りが)可能な隔壁を用いた積層型液晶表示
装置の製造方法を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の積層型液晶表示
装置の製造方法は、基板上に、略均一な間隙を形成する
ためのスペーサを形成又は散布する工程と、該基板に、
隔壁となる薄膜が付加された暫定基板を、前記基板のス
ペーサ形成面と前記薄膜とが対向するよう貼り合せる工
程と、前記暫定基板を剥離し、隔壁となる薄膜のみを残
す工程と、前記基板と同様にスペーサを形成又は散布し
た対向側となる基板と、前記薄膜とが対向するよう貼り
合せる工程と、を含むことを特徴としている。
【0014】また、前記暫定基板上に付加された前記薄
膜が予め所定の形状に加工されており、かつ前記基板お
よび前記対向側となる基板上に形成されるシール材の形
成領域が前記薄膜内に収まるように形成されていれば良
い。
【0015】また、前記隔壁と前記暫定基板とがドライ
フィルムレジストからなり、該ドライフィルムレジスト
のレジスト層を隔壁に使用し、ベースフィルムを暫定基
板に使用している。
【0016】また、前記ドライフィルムレジストのレジ
スト層に、光照射領域が硬化するネガ型レジストを用い
ている。
【0017】また、前記ドライフィルムレジストを貼り
合わせる基板上で、表示領域に複数配置される第1のス
ペーサと、表示領域外周に複数配置される第2のスペー
サとを感光性樹脂を用いて同時に形成している。
【0018】また、複数配置された前記第2のスペーサ
のうち、少なくとも最外周のスペーサを環状形状にして
シールに用いている。
【0019】また、前記環状形状のシールの一部にくび
れ部を設け、該くびれ部の箇所で基板を切断してシール
を開口させ、液晶の注入口を形成している。
【0020】また、前記基板上に形成されたスペーサの
高さを、ドライフィルムレジストへの埋没量だけ厚く形
成している。
【0021】また、液晶層を複数積層した積層型液晶表
示装置において、液晶層を分離する隔壁が液晶層の厚さ
以下のフィルムであり、表示エリア内に収まるようパタ
ーン化されている。
【0022】以下、上記構成による作用を説明する。
【0023】本発明により製造される液晶表示装置の模
式図を図1に示す。尚、図1中において液晶層と隔壁と
なるフィルムの断面は同一の縮尺にて記載してある。図
1において、液晶層を複数層に分離するための隔壁とな
る薄膜13に求められる特性としては、a)薄いこと、
すなわち隔壁に分圧される電圧を小さくすると同時に異
なる層間の視差を解消する、b)誘電率が高いこと、す
なわち隔壁に分圧される電圧を小さくする、c)光透過
性の良いこと、すなわち液晶表示装置の明るさが向上で
きる、d)特定波長の光の吸収が無いこと、すなわち液
晶表示装置の着色を防止する、等が挙げられる。このよ
うな部材には高分子フィルムがもっとも適当であるもの
の、数μm程度の膜厚のフィルムでは、シワ、たわみ等
が発生しやすく、また静電気等によりフィルムどうしが
貼りつくなど取り扱いが非常に困難である。
【0024】そこで本発明の製造工程では、隔壁として
機能する薄膜(フィルム)を処理する際に、暫定的な支
持体(以下、暫定基板と称する。)を用いて処理するこ
とで前述の諸問題を解決している。
【0025】この暫定基板をフィルムに添付する事で、
厚さ、強度が増し、ハンドリングが容易になる。また暫
定基板に添付しておくことでフィルム自身の曲がりやタ
ワミが解消されるばかりでなく、フィルム自身が各パネ
ルサイズにカットされていても1枚の基板として用いる
ことができるため、金枠付フィルムでは困難であった多
面取り工程への応用が非常に容易に実現できる。また、
この暫定基板は一時的に使用するものであるため、最終
形態としては存在せず、隔壁となるフィルムの膜厚を増
大させることもない。
【0026】更にフィルムを所望の状態にカットするこ
とについても、前記暫定基板にフィルムを添付した後、
カットすることも可能(暫定基板は最終形態に残らず、
フィルムカット時に発生するキズ等も暫定基板側に発生
し、最終形態のパネルには影響しないため)となる。
【0027】図2(a)〜(f)に本発明による製造方
法の工程フロー(模式図)を示す。
【0028】本発明では、隔壁となる薄膜(フィルム)
21を予め前記暫定基板24上に添付し、この暫定基板
24をガラスなどの液晶表示装置を構成する基板に貼り
合わせる。その後、前記暫定基板24を剥離することで
ガラス基板1上に隔壁となる薄膜21を残し、対向基板
を貼り合わせ液晶表示装置を形成する。
【0029】本発明の積層型液晶表示装置の製造方法に
よれば、液晶層を分離する隔壁として用いる薄膜を、暫
定基板として使用する基材に添付したうえで貼り合わせ
工程を行うことで、取り扱いが非常に困難であった薄膜
を使用した貼り合わせ工程が容易に実現可能となるう
え、前記暫定基板を貼り合わせ工程終了時に剥離するこ
とで隔壁の非常に薄い積層型液晶表示装置が実現でき
る。
【0030】また、隔壁となる薄膜が予め所定の形状に
加工され、基板との接着層が該薄膜内に収まる様形成さ
れることにより、接続用の端子などが形成されたパネル
外周部上を薄膜が覆うことを事前に防ぐことができる。
この結果、基板と薄膜とが貼り合わされた後、薄膜を加
工する必要がなくなりパネル外周部に無用なキズを残さ
なくてすむ。
【0031】また、隔壁と暫定基板とをドライフィルム
レジストにより実現することにより、隔壁をパターン化
する工程として、ナイフ等による機械的な裁断(接触
型)を行う事無く、フォトリソ工程によるパターン形成
(非接触型)が利用できる。これにより、対向基板への
ダメージや裁断線部分での隔壁の変形などを防止でき
る。
【0032】さらに、隔壁となるフィルムのみを予め作
成する必要が無いので、薄膜化が比較的容易であり、ま
た、隔壁材料を延伸する工程を用いないので、不要なリ
ターデイションは発生せず、上層と下層の液晶層のみの
光学特性でディスプレイの特性が決定できる。
【0033】隔壁がリターデイションを有する場合、上
層にて変調されなかった光の偏光状態が隔壁通過後に変
化してしまう。これは隔壁が位相差板として機能してし
まうためであり、例えばコレステリック液晶の2層化を
考えた場合、本来上層にて選択反射されず透過してしま
った円偏光成分が、リターデイションを持つ隔壁を透過
する事で偏光状態が変化する。この結果、下層での選択
反射効率が減少、更に下層で選択反射された円偏光が隔
壁で再度偏光状態が変化し、本来上層部で変調を受けな
いはずの下層での反射光の一部が反射される。この結
果、理想的には上層:50%+下層:50%で100%近い効率を
望めるはずが、隔壁のリターデイションによる偏光変化
分だけ低下してしまう。
【0034】また、ドライフィルムレジストのレジスト
材料に、光が照射された部分が重合反応を起こして現像
後に残るネガ型の感光性樹脂を用いることにより、露光
した時点で感光性樹脂の重合と硬化反応が終了する。こ
のため、ポジ型を採用した場合と比べ、ベースフィルム
を剥離した状態で処理する工程(例えば現像、焼成工
程)において、外的な影響に対し形状の変化が少ない。
【0035】また、感光性樹脂により所望の位置に形成
したスペーサを、表示領域の外周部にも形成することに
より、表示領域全体に渡り所望のセル厚にすることがで
きる。
【0036】また、表示領域の外周部に形成するスペー
サを環状形状にしてシールに用いることにより、基板と
隔壁との接着性を増して液晶層の混ざり合いを防止し、
製造工程途中での基板と隔壁の剥離を防止するととも
に、さらに、ドライフィルムレジストの現像工程で、本
来液晶を入れるための隔壁と基板間に形成した間隙間
へ、現像液や洗浄水等が進入することを防止する。
【0037】また、環状形状のシールの一部にくびれを
設け、該くびれ部の箇所で基板を切断してシールを開口
させ液晶の注入口を形成することにより、レジストの現
像工程で現像液や洗浄水等が進入することを防止すると
ともに、液晶の注入口を容易に形成できる。
【0038】また、前記基板上に形成されたスペーサの
高さを、ドライフィルムレジストへの埋没量だけ厚く形
成することにより、セル厚の減少を防止できる。
【0039】また、積層型液晶表示装置の液晶層を分離
する隔壁が液晶層の厚さ以下のフィルムであり、表示エ
リア内に収まるようパターン化されているため、視差の
発生が抑えられ、さらに多面取りに適した積層型液晶表
示装置となる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態に従い本発明の
積層型液晶表示装置及びその製造方法を詳細に説明す
る。
【0041】(実施の形態1)図1及び図2を用いて実
施の形態1について説明する。まず、図1に示すように
積層型液晶表示装置は、ガラス基板1上に透明電極4が
形成され、さらに配向膜3が形成された一対の基板間を
隔壁となる薄膜13を間隙に挟み柱状などのスぺーサ1
8により支持される。このガラス基板1と隔壁となる薄
膜13および柱状などのスぺーサで囲まれた空間の上部
には上部液晶層22が存在しており、一方、下部には下
部液晶層23が存在している構成になっている。
【0042】図2には本実施の形態1での液晶表示装置
の作製フローを示しており、以下のフローにより作製さ
れる。
【0043】図2(a)では、透明電極4付きガラス基
板1上に感光性樹脂材料19を塗布する。図2(b)で
は、フォトリソ工程により感光性樹脂材料19のパター
ニング後、スペーサ(柱状)18を形成する。図2
(c)では、前記ガラス基板1に配向処理(例えばラビ
ング処理、配向膜は図示せず。)を施す。図2(d)で
は、隔壁となる薄膜21を添付した暫定基板24を下部
液晶層用シール材26にて貼り合わせる。図2(e)で
は、暫定基板24を剥離する。図2(f)では、透明電
極4及びスペーサ(柱状)18を別途形成した対向基板
であるガラス基板1を貼り合わせる。
【0044】このように隔壁となる薄膜21を、一旦暫
定基板24に添付することで、隔壁となる薄膜21の持
つ諸問題(たわみ、シワ、曲がり、薄膜どうし貼りつ
く)の発生をなくすことが出来るとともに、暫定基板2
4の存在により薄膜21配向処理時などにおける取り扱
いが容易となる。以下、具体的に説明する。
【0045】ガラス基板(1737ガラス:コーニング
社製)1上にITO(インジウム・チン・オキサイド)
等の透明導電膜をスパッタ装置により50〜100[n
m]成膜した後、このITOを所定の形状にフォトリソ
工程を用いてパターニングして、透明電極4を形成す
る。このITO付きガラス基板1上に感光性樹脂材料1
9をスピンコータにより5μm程度塗布(図2(a))
した後、フォトリソ工程にてパターニング及び焼成する
ことでスペーサ(柱状)18を形成(図2(b))す
る。このように作製されたガラス基板1に配向膜(オプ
トマーAL−4552:JSR社製:図示せず)をスピ
ンコータにより塗布した後、ラビング・ローラー20に
より配向処理を施す(図2(c))。
【0046】次に隔壁として膜厚7.5μmのポリイミ
ド(以下PIと称する)フィルム(カプトン:デュポン
社製)である薄膜21を暫定基板24であるUVテープ
(ELEGRIP TAPE UHP−1525F8:
Disco社製)上に添付する。
【0047】この暫定基板24上の隔壁となる薄膜(P
Iフィルム)21の表面をUVランプによるドライ洗浄
にて表面処理した後、前記ガラス基板1と同様に配向処
理を施す。
【0048】次に、ガラス基板1と隔壁となる薄膜21
が対向するように暫定基板24とを下部液晶層用シール
材(UV硬化性シール材)26にて貼り合わせる(図2
(d))。尚、ガラス基板1上に形成した下部液晶層用
シール材(UV硬化性シール材)26には5.1μmの
ファイバースペーサが混入され、更に下部液晶層用シー
ル材(UV硬化性シール材)26のパターンは暫定基板
24上に添付した隔壁となる薄膜(PIフィルム)21
の範囲内に収まるよう形成されている。
【0049】暫定基板24として使用したUVテープ
は、紫外線を照射することによりその粘着力が著しく低
下するという特徴を持つ。このため、下部液晶層用シー
ル材(UV硬化性シール材)26の硬化を完了させた後
に暫定基板24の隔壁となる薄膜21を添付していない
表面側より紫外線を照射し、隔壁となる薄膜(PIフィ
ルム)21との密着力を下げ、暫定基板24を剥離し易
くすることでガラス基板1上にスペーサ18の高さを保
った間隙を有し、膜厚7.5μm程度の隔壁となる薄膜
21が形成される(図2(e))。次に、対向ガラス基
板となるガラス基板1に形成した上部液晶層用シール材
(UV硬化性シール材)25により隔壁となる薄膜21
と対向ガラス基板となるガラス基板を貼り合わせる(図
2(f))。
【0050】以上の工程により、液晶層が隔壁となる薄
膜21により分離された積層型液晶表示装置が、一対の
ガラス基板間で実現できる。この分離された上部液晶層
22、下部液晶層23にそれぞれ別種の液晶材料を注
入、または層毎に異なる配向処理を施す(この場合、上
下層で同一の液晶を注入することも可)ことで、従来の
液晶表示装置ではなし得なかった機能を付加することが
可能となる。
【0051】尚、本実施の形態において示した工程はあ
くまでも一例であり、上記内容に限定されるものではな
く、たとえば液晶の配向制御方法についてもラビング法
だけでなく、SiOの斜方蒸着、偏光UV光を用いるな
どの方法が利用できる。また、具体例中において隔壁と
なる薄膜21としてデュポン社製のカプトンを採用して
いるが、カプトンは可視光の短波長側を吸収するため黄
色に着色している。しかしながら耐熱性、耐薬品性に優
れることから本実施の形態においては工程を説明する上
での利便性から採用した。ただし、隔壁となる薄膜21
が本実施の形態に限定されないことは自明である。
【0052】(実施の形態2)図2〜5を用いて実施の
形態2について説明する。本実施の形態2ではコレステ
リックの選択反射を利用した表示モードについて述べ
る。本実施の形態2において使用する液晶表示装置は、
実施の形態1と同様に、図2に記載の作製フローにより
作製される。尚、本実施の形態2においては、ガラス基
板1及び隔壁となる薄膜21に対し施す配向処理の方向
が反平行となるよう処理されている。また、隔壁となる
薄膜21と前面及び背面のガラス基板1とを貼り合わせ
る際のシールパターンは、図3に示すように注入口が異
なる位置に設定されている。これは以下に示す理由によ
る。
【0053】コレステリック液晶の選択反射は、 λ=nave×p (式1) ここで、λ:選択反射の光の波長、nave:液晶層の平
均屈折率、p:液晶層のねじれピッチ。式1にて表され
る波長の光の中で、分子のねじれる方向と等しい回転の
円偏光を反射するものである。
【0054】図5にその分光反射特性の一例を示すが、
波長600〜650[nm]の範囲の光を約50%反射
している(図中31、32でありそれぞれ右ねじれ、左
ねじれである。)。自然光は一般に左右の円偏光の組み
合せと考えられることから、1層のコレステリック液晶
層の選択反射効率は最大でも50%となる。このため、
入射する光の全てを反射しようとした場合、右ねじれの
コレステリック層と左ねじれのコレステリック層を積層
する必要が生じる。図5には積層した場合の分光反射特
性33も併記する。図5に記載の分光反射特性31、3
2、33を比較すれば一目瞭然であるが、互いに逆回転
にねじれ配向したセルを積層することで、入射光の変調
(選択反射)効率が格段に向上する。しかしながら上
層、下層とでねじれ方向を変えるためには異なる液晶を
注入する必要が生じることから、本実施の形態2にて示
す積層型液晶表示装置では、図3に示すように、異なる
位置に注入口29が配置されており、その結果2種類の
異なる液晶を独立に注入することが可能となる。図4は
その工程の一例であるが、先ず上層、下層いずれか一方
に液晶を、セル内を真空脱気することで液晶導入方向2
8より導入する(図4(a))。先に液晶を導入した側
を封止材27にて封止した後、もう一方の領域も真空脱
気にて(図4(a)とは異なる)液晶を液晶導入方向2
8より導入(図4(b))することで、上下層それぞれ
独立に液晶を注入することが出来る(図4(c))。
【0055】このように、本実施の形態2において作製
された2層型コレステリック液晶表示装置の分光反射特
性30は、図5に示すとおり前述の31と32の特性を
有するセルを2枚重ねた物の分光反射特性33とほぼ同
等の分光反射特性となることから、本実施の形態2での
有効性が確認できた。
【0056】尚、本実施の形態2にて示したものはあく
までも一例であり選択反射波長の設定値もこれに限定さ
れるものではない。また、実施の形態中では同一波長で
左右両円偏光を反射させる形態について述べたが、各層
毎に異なる波長を反射する液晶を注入する事で、マルチ
カラーとする事も、本実施の形態2の応用にて実現可能
である。また液晶の導入方法についても、本実施の形態
では各層ごとに順次導入したが、シール材のパターンを
最適化することで両層に同時に異なる液晶を導入するこ
とも可能である。
【0057】(実施の形態3)図6および図7を用いて
実施の形態3について説明する。
【0058】本実施の形態3では、本発明の製造方法を
用いてマザーガラスからの多面取りを行った場合につい
て述べる。基本的な工程のフローとしては、実施の形態
1と同様であり、本件では多面取りを行うために、事前
に隔壁である薄膜を所定の形状に加工する部分について
詳細に述べる。
【0059】本実施の形態3にて使用する暫定基板(隔
壁用のフィルム付)は図6に記載する手法にて作製され
る。
【0060】図6(a)は、暫定基板24に隔壁となる
薄膜13を添付する。図6(b)は、暫定基板24上に
添付された隔壁となる薄膜13をフィルムカット用のカ
ッター34で破線に示すラインで、所定の形状にカット
する。図6(c)は、不要な部分の隔壁用フィルムを剥
離し暫定基板24上にはパネルの隔壁となる薄膜21の
みが残る。
【0061】このように作製された隔壁となる薄膜21
付暫定基板24を、図6に示すように、実施の形態1同
様の工程を用いて、ガラス基板1に添付することで、パ
ネルの表示エリア(図20(d)記載の隔壁の必要な領
域16)のみに隔壁となる薄膜21を形成することが可
能となる。尚、本実施の形態において使用する暫定基板
24は、実施の形態1同様にUV光の照射により粘着力
が変化する部材を採用しているため、カットした後取り
除く部分のみ露光すれば容易に取り除くことができる。
また、この暫定基板24として使用した部材は、最終形
態としては残るものではなく隔壁用のフィルム切断時に
若干キズが発生しても、パネル自身には何ら影響しな
い。また、この暫定基板24とガラス基板1とのアライ
メントについても、ガラス基板1上に形成したシール材
15が隔壁となる薄膜21内に収まれば良い程度の荒い
精度ですむため製造上の問題も非常に小さい。
【0062】本実施の形態では、事前に不要部分を剥離
しているが、図7のような工程も考えられる。図6
(b)の工程を実施した後、ガラス基板1と貼り合せる
(図7(a))。隔壁が不要な部分はUV光が透過しな
いようにマスク38を行い、その後、隔壁が必要となる
領域にUV光を照射し(図7(b))、暫定基板24を
剥離することでガラス基板1上には隔壁用となる薄膜2
1のみが残り、隔壁の不要な領域17は暫定基板24と
共に剥離される(図7(c))。このようにして作製さ
れた基板に対向基板を貼り合わせることで積層型液晶表
示装置が実現される。
【0063】(実施の形態4)本実施の形態では、隔壁
と暫定基板との2つの機能を兼ね持つドライフィルムレ
ジストを用いた積層型液晶表示装置の製造方法について
説明する。
【0064】最初に図8を用いて、本実施の形態で使用
するドライフィルムレジストの作成方法を説明する。
【0065】透明なベースフィルム39(例えばPE
T:ポリエチレンテレフタレート)が巻き取りローラ側
へ移動しながら、スリット71(例えばキスタッチリバ
ース方式の塗工機)の下方においてスリットから吐出さ
れた感光性樹脂材料40がベースフィルム上に均一に塗
布され、さらにヒータ66上を通過することにより塗布
した感光性樹脂材料が乾燥される。
【0066】続いて、感光性樹脂40の損傷、異物の付
着を防止する保護フィルム層41(例えばPETフィル
ム)が貼り合わされドライフィルムレジストが完成す
る。
【0067】なお、感光性樹脂の材料は限定されるもの
ではなく、公知の材料を使用できるが、特にアクリル系
の(ネガ型)感光性樹脂材料がより好ましい。ネガ型の
感光性樹脂材料は、露光された部分が重合硬化反応を起
こして現像後に残る。このため、焼成により重合硬化反
応が進行するポジ型に比べ、焼成工程間での外的な影響
を受け難くする効果がある。
【0068】本実施の形態では、上記方法にて、400
μmのPETフィルム上に膜厚1μmのネガ型のアクリ
ル樹脂層を塗布してドライフィルムレジストを作成し、
隔壁及び暫定基板として使用した。
【0069】続いて、本実施の形態の製造方法における
各工程について説明する。本製造方法は図9及び図10
に示す以下の工程から成る。 (1)スペーサとなる感光性樹脂材料の塗布(図9
(a)) (2)スペーサ、環状シールの形成(図9(b)
(c)) (3)液晶注入口(脱気口)の形成(図9(d)) (4)配向処理(図9(e)) (5)ドライフィルムレジストの貼り合わせ(図10
(a)) (6)隔壁の形成と暫定基板の切り離し(図10(b)
(c)) (7)対向基板の貼り合わせ(図10(d)) これらの工程の内、実施の形態1(図2)と共通する部
分は省略し、ここではドライフィルムレジストを用いた
製造方法の特徴部について述べる。
【0070】図11を用いて、ドライフィルムレジスト
を基板上へ貼り合わせる工程について説明する。転写に
は真空ラミネータを用いるが、この真空ラミネータとし
ては、ANGER ELECTRONIC(アンガー・
エレクトロニック)GMBH社製のVACUUM LA
MINATOR TYPE VCL等がある。
【0071】真空ラミネータにセットされたドライフィ
ルムレジスト42は、ロールから引出されながら剥離機
68でレジスト上の保護フィルムが剥された後、圧着ロ
ーラ67により基板に圧着される。なお、図11ではベ
ースフィルム巻取りローラー70と他方の剥離機68を
別途備えおり、ドライフィルムレジストを基板に圧着し
た後、連続して暫定基板(ベースフィルム)を剥すこと
も可能である。
【0072】ここで、図9(A)の要部拡大図に示すよ
うに、基板上のスペーサ18はドライフィルムレジスト
42にある程度埋没する形で圧着されている。したがっ
て、この埋没量44を、転写する際の圧力、温度、送り
速度といった工程条件から見積もってスペーサの高さを
設定する必要がある。
【0073】本実施の形態では、事前の条件出しで、厚
さ1μmのドライフィルムを転写する場合、実際に形成
される間隙部の高さはスペーサ高より0.5μm程低く
なることが判明したため、間隙部の高さを5μmにする
ためにスペーサ高は5.5μmに設定した。
【0074】なお、隔壁51は暫定基板を剥離した後、
基板ごと200℃で1時間焼成され硬化反応は完全に終
了する。このため、対向基板側に形成するスペーサ18
は、隔壁であるドライフィルムレジストに埋没すること
がないため、所望のセル厚の高さに設定すればよい。
【0075】次に、ドライフィルムレジストの貼り合わ
せにおいて生じる、ベースフィルムのたわみによるセル
厚異常の防止に有効な形態を説明する。例えば、表示領
域などスペーサが密に存在する領域では、スペーサの埋
没量だけを考慮すれば所定のセル厚が得られるが、スペ
ーサの密度が低い領域では、ベースフィルムが400μ
mと厚いため、貼りつける際の圧着力によりベースフィ
ルムがたわみ、図13(a)のようにドライフィルムレ
ジストと基板が直接貼り合わされたり、その周辺の表示
領域49でセル厚が薄くなってしまう問題がある。
【0076】そこで、図12に示すように、本実施の形
態ではスペーサを形成するとき、表示領域56内にスペ
ーサ18(スペーサ群61)を形成すると同時に、表示
領域56の外周に沿って全体を囲う環状形状のパターン
46(以下、このパターンを環状シール46と称する)
も併せて形成している。
【0077】図12及び図13(b)に示すように、環
状シール46を形成することにより、スペーサ密度の低
い部分でのベースフィルムのたわみを防止し、セル厚を
均一にすることができる。また、環状シールを複数形成
したり、表示領域56と環状シールとの間に点状または
線状の他のスペーサを形成して、基板との接着性を高め
ることもできる。
【0078】スペーサ及び環状シールと貼り合わされた
ドライフィルムレジストは、フォトリソ工程により隔壁
の形状にパターン化される。具体的には、図10(b)
に示すように、基板1上にドライフィルムレジスト42
が転写された後、マスクを介してレジスト層に露光を行
い、ベースフィルムの剥離、現像工程を経て、所望の領
域のみに隔壁51を形成することができる。
【0079】このドライフィルムレジスト42のフォト
リソ工程では、環状シール46とドライフィルムレジス
ト42とで間隙部47を密閉することで、隔壁部へ現像
液や洗浄水が進入することを防止できる。
【0080】図10(d)に示す隔壁を設けた基板と対
向基板の貼り合せは、(1)対向基板上に形成されたス
ペーサ及び環状シールの頂点部分に接着剤をつけ貼り合
せる(環状シールにシールとしての機能を付加する)、
(2)従来のLCD同様にシール材により上下基板を貼り
合せる等の方法が用いられ、上記の方法のいずれか、ま
たは併用して貼り合せる事も可能である。
【0081】次に、液晶の注入工程について説明する。
本実施の形態では環状シール46を設けているため、従
来の液晶表示装置のような液晶注入口は形成していな
い。そのため、図9(d)に示すように、スペーサを形
成後、基板1の表示領域外でありかつ環状シール内に1
φのダイヤモンド電着ドリルにて複数個の貫通孔50を
空けて、液晶の注入口および脱気口を形成している。
【0082】また、この貫通孔50は、ドライフィルム
レジスト42の現像工程で隔壁部へ現像液や洗浄水の進
入を防止するため、基板裏面よりカプトンテープ(デュ
ポン社製)73で液晶注入工程まで一時的に塞いでい
る。(なお、この貫通孔50については図の煩雑化を避
けるため、図9(e)−図10(d)では省略してい
る。) 液晶の注入方法は、図14(a)に示すように、上下基
板に空けられた複数個所の貫通孔50のうち、1〜数点
を液晶導入口54に、残りの穴を間隙部内の空気の脱気
口55として使用して上下層から同時に行った。
【0083】このように、上下層から同時に注入、脱気
することにより、隔壁が1μmと薄い場合でも、2層間に
圧力差が生じないため隔壁がつぶれることを防止でき
る。図14(b)に1層づつ液晶を注入した場合を示
す。
【0084】以上の工程により積層型液晶表示装置が作
成される。尚、本実施の形態4にて示した、スペーサ、
環状シール等の形状はあくまでも一例であり、特に本実
施の形態に限定されるものではない。
【0085】(実施の形態5)環状シールの目的の一つ
である水分の進入防止機能を必要とする工程は、隔壁の
フォトリソ工程までであり、以降の工程では水分が進入
するような工程は無い。そのため、隔壁のフォトリソ工
程が終了後は、パネル端辺に従来と同様の注入口を形成
しても、問題は生じない。その手法について図15〜1
6を用いて説明する。
【0086】図15に示すように本実施の形態では、環
状形状のシール材は表示領域全体を囲む最外周の環状シ
ール57と、基板の切断により注入口が開口するように
一部がくびれ形状になったシール58を環状シール57
の内側に配置した多重構造にしている。
【0087】また、環状シールの多重構造は、図16に
示すように前記環状シール57と前記シール58とを組
み合わせたシール形状にしても良い。
【0088】この環状シールの多重構造は、実施の形態
4と同様に製造過程において、表示領域外周のセル厚を
確保することと、フォトリソ工程での水分の進入防止す
ることを満足し、さらに対向基板と貼り合わせ後に上下
基板のくびれ部を設けた端面(図中一点鎖線:A−A)
で切断することにより、くびれ部が開口し注入口65を
容易に形成できる。この注入口65を使用して従来と同
様に液晶を注入することができる。
【0089】このように、環状シールを多重構造にする
ことにより、隔壁との接着強度を増すことができ、膜は
がれ等といった不良の発生を低減できる。さらに、従来
と同じ液晶注入工程を用いることができ、積層型液晶表
示装置を容易に製造することができる。
【0090】尚、本実施の形態にて示したスペーサ、環
状シール、注入口の形状、及び設置場所はあくまでも1
例であり、特に本実施の形態に限定されるものではな
い。
【0091】
【発明の効果】以上のように、本発明の製造方法を利用
することにより、従来のような中間基板による視差の発
生を防止し、多面取りが可能な積層型液晶表示装置が製
造可能となる。
【0092】また、隔壁と暫定基板の機能を有するドラ
イフィルムレジストを利用することにより、隔壁の薄膜
化がより容易に行え、隔壁のリターデイションを無く
し、隔壁の機械的裁断に起因する諸問題も防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法による積層型液晶表示装置の
断面図である。
【図2】本発明の製造方法の工程フローの一例を説明す
る図である。
【図3】実施の形態2におけるシールパターンの斜視図
である。
【図4】実施の形態2における液晶の注入方法を説明す
る図である。
【図5】実施の形態2により作製された積層型コレステ
リック液晶表示装置の分光反射特性と、従来の1層及び
2層を積層したセルの分光反射特性を説明する図であ
る。
【図6】実施の形態3にて記載の隔壁となる薄膜21付
き暫定基板24の作製方法(その1)を説明する図であ
る。
【図7】実施の形態3にて記載の積層型液晶表示装置の
別の製造方法を説明する図である。
【図8】ドライフィルムレジストの製造方法の模式図で
ある。
【図9】実施の形態4に記載の積層型液晶表示装置の製
造方法を説明する図である。
【図10】実施の形態4に記載の積層型液晶表示装置の
製造方法を説明する図である。
【図11】ドライフィルムレジストの転写工程を説明す
る図であり、Aは要部拡大図である。
【図12】基板上にスペーサ、環状シール、貫通孔を形
成した上面図である。
【図13】ドライフィルムレジストのたわみを説明する
図である。
【図14】液晶注入工程を説明する図である。
【図15】多重の環状シールによる液晶注入口の形成方
法を説明する図である。
【図16】他の環状シールによる液晶注入口の形成方法
を説明する図である。
【図17】従来の液晶表示装置の模式図である。
【図18】積層型液晶表示装置の模式図を示し、図18
(b)は図18(a)の模式図を実際の縮尺に近い状態
で記載した模式図である。
【図19】視差による表示特性劣化の説明図である。
【図20】金枠による薄膜フィルムを用いる製造方法を
説明する図である。
【図21】隔壁用のフィルムをカットする場合の問題点
を示す。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 液晶層 3 配向膜 4 透明電極 5 バックライト・ユニット 6 偏光子 7 反射板 8 黒表示領域 9 白表示領域 10 視差による影 11 観察者 12 パネル 13 隔壁となる薄膜 14 金枠 15 シール材 16 隔壁の必要な領域 17 隔壁の不要な領域 18 (柱状)スペーサ 19 感光性樹脂材料 20 ラビング・ローラ 21 隔壁となる薄膜 22 上部液晶層 23 下部液晶層 24 暫定基板 25 上部液晶層用シール材 26 下部液晶層用シール材 27 封止材 28 液晶導入方向 29 注入口 30 実施の形態2にて作製したセルの分光反射特
性 31 右ねじれセルの分光反射特性 32 左ねじれセルの分光反射特性 33 31と32の特性を有するセルを2層積層し
たセルの分光反射特性 34 フィルムカット用のカッター 35 端子 36 キズ 37 端子群 38 マスク 39 ベースフィルム 40 感光性樹脂(ドライフィルムレジスト) 41 保護フィルム 42 ト゛ライフィルムレシ゛スト 43 スペーサ高 44 スペーサのドライフィルムレジストへの埋没
分 45 セル厚 46 環状シール 47 ドライフィルムレジストと基板間の間隙部 48 マザーガラスでのパネル間隔 49 ドライフィルムレジスト転写時のたわみによ
るセル厚不良部分 50 基板に形成された貫通孔 51 隔壁 52 ドライフィルムレジストによる隔壁を形成し
た基板 53 対向基板 54 液晶導入口 55 脱気口 56 表示領域 57 パネル周辺全体を囲う環状シール 58 注入口を設けた環状シール 59 液晶の回り込み防止用環状シール 60 分断ライン 61 スペーサ形成領域(表示領域) 62 隔壁の変形により間隙部のつぶれた部分 63 表示エリア周辺 64 真空ポンプ 65 注入口 66 ヒータ 67 圧着ローラー 68 剥離器 69 保護フィルム巻き取りローラ 70 ベースフィルム巻き取りローラ 71 スリット 72 ドライフィルムレジストの膜厚 73 カプトンテープ 74 シール材 75 開閉バルブ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、略均一な間隙を形成するため
    のスペーサを形成又は散布する工程と、 該基板に、隔壁となる薄膜が付加された暫定基板を、前
    記基板のスペーサ形成面と前記薄膜とが対向するよう貼
    り合せる工程と、 前記暫定基板を剥離し、隔壁となる薄膜のみを残す工程
    と、 前記基板と同様にスペーサを形成又は散布した対向側と
    なる基板と、前記薄膜とが対向するよう貼り合せる工程
    と、を含むことを特徴とする積層型液晶表示装置の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記暫定基板上に付加された前記薄膜が
    予め所定の形状に加工されており、かつ前記基板および
    前記対向側となる基板上に形成されるシール材の形成領
    域が前記薄膜内に収まるように形成されることを特徴と
    する請求項1記載の積層型液晶表示装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記隔壁と前記暫定基板とがドライフィ
    ルムレジストからなり、該ドライフィルムレジストのレ
    ジスト層を隔壁に使用し、ベースフィルムを暫定基板に
    使用することを特徴とする請求項1記載の積層型液晶表
    示装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記ドライフィルムレジストのレジスト
    層に、光照射領域が硬化するネガ型レジストを用いるこ
    とを特徴とする請求項3記載の積層型液晶表示装置の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 前記ドライフィルムレジストを貼り合わ
    せる基板上で、表示領域に複数配置される第1のスペー
    サと、表示領域外周に複数配置される第2のスペーサと
    を感光性樹脂を用いて同時に形成することを特徴とする
    請求項3乃至4記載の積層型液晶表示装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 複数配置された前記第2のスペーサのう
    ち、少なくとも最外周のスペーサを環状形状にしてシー
    ルに用いることを特徴とする請求項5記載の積層型液晶
    表示装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記環状形状のシールの一部にくびれ部
    を設け、該くびれ部の箇所で基板を切断してシールを開
    口させ、液晶の注入口を形成することを特徴とする請求
    項6記載の積層型液晶表示装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記基板上に形成されたスペーサの高さ
    を、ドライフィルムレジストへの埋没量だけ厚く形成す
    ることを特徴とする請求項3乃至7記載の積層型液晶表
    示装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 液晶層を複数積層した積層型液晶表示装
    置において、 液晶層を分離する隔壁が液晶層の厚さ以下のフィルムで
    あり、表示領域内に収まるようパターン化されているこ
    とを特徴とする積層型液晶表示装置。
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