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JP2002008845A - 加熱装置および画像形成装置 - Google Patents

加熱装置および画像形成装置

Info

Publication number
JP2002008845A
JP2002008845A JP2000186340A JP2000186340A JP2002008845A JP 2002008845 A JP2002008845 A JP 2002008845A JP 2000186340 A JP2000186340 A JP 2000186340A JP 2000186340 A JP2000186340 A JP 2000186340A JP 2002008845 A JP2002008845 A JP 2002008845A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heating
recording material
image
fixing
rotator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000186340A
Other languages
English (en)
Inventor
Tokuyoshi Abe
篤義 阿部
Masahiro Suzuki
雅博 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2000186340A priority Critical patent/JP2002008845A/ja
Publication of JP2002008845A publication Critical patent/JP2002008845A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定した被記録材の搬送を実現することがで
きないという課題があった。 【解決手段】 加圧ローラ駆動の電磁誘導加熱装置にお
いて、定着ベルトに回転検知手段を設けて、定着ベルト
の回転速度をモニタし、定着ベルトの回転速度が略一定
になるように、加圧ローラの回転速度を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁誘導加熱方式
の加熱装置、及び前記加熱装置を像加熱装置として備え
た電子写真装置・静電記録装置などの画像形成装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】便宜上、加熱装置として、複写機・プリ
ンタ等の画像形成装置に具備させ、トナー画像を被記録
材に加熱定着させる像加熱装置(定着装置)を例にして
説明する。
【0003】画像形成装置においては、電子写真プロセ
ス・静電記録プロセス・磁気記録プロセス等の適宜の画
像形成プロセス手段部で被記録材(転写材シート・エレ
クトロファックスシート・静電記録紙・OHPシート・
印刷用紙・フォーマット紙など)に転写方式あるいは直
接方式にて形成担持させた目的の画像情報の未定着画像
(トナー画像)を被記録材面に永久固着画像として加熱
定着させる定着装置としては熱ローラ方式の装置が広く
用いられていた。近時はクイックスタートや省エネルギ
ーの観点からベルト加熱方式の装置が実用化されてい
る。また電磁誘導加熱方式の装置も提案されている。 a)熱ローラ方式の定着装置 これは、定着ローラ(加熱ローラ)と加圧ローラとの回
転する圧接ローラ対を基本構成とし、このローラ対の相
互圧接部である定着ニップ部に画像定着すべき未定着ト
ナー画像を形成担持させた被記録材を導入して挟持搬送
させ、定着ローラの熱と定着ニップ部の加圧力にて未定
着トナー画像を被記録材面に熱圧定着させるものであ
る。
【0004】定着ローラは、一般に、アルミニウムの中
空金属ローラを基体(芯金)とし、その内空に熱源とし
てのハロゲンランプを挿入配設してあり、ハロゲンラン
プの発熱で加熱され、外周面が所定の定着温度に維持さ
れるようにハロゲンランプヘの通電が制御されて温調さ
れる。
【0005】特に、最大4層のトナー画像層を十分に加
熱溶融させて混色させる能力を要求される、フルカラー
の画像形成を行う画像形成装置の定着装置としては、定
着ローラの芯金を高い熱容量を有するものにし、またそ
の芯金外周にトナー画像を包み込んで均一に溶融するた
めのゴム弾性層を具備させ、そのゴム弾性層を介してト
ナー画像の加熱を行っている。また、加圧ローラ内にも
熱源を具備させて加圧ローラも加熱・温調する構成にし
たものもある。
【0006】しかし、熱ローラ方式の定着装置は画像形
成装置の電源をオンにして同時に定着装置の熱源である
ハロゲンランプに通電を開始しても、定着ローラの熱容
量が大きく、定着ローラ等が冷え切っている状態時から
所定の定着可能温度に立ち上がるまでにはかなりの待ち
時間(ウエイトタイム)を要し、クイックスタート性に
欠ける。また画像形成装置のスタンバイ状態時(非画像
出力時)も何時でも画像形成動作が実行できるようにハ
ロゲンランプに通電して定着ローラを所定の温調状態に
維持させておく必要があり、電力消費量が大きい等の問
題があった。
【0007】また、上述のフルカラーの画像形成装置の
定着装置のように特に熱容量の大きな定着ローラを用い
るものにおいては、温調と定着ローラ表面の昇温とに遅
延が発生するため、定着不良や光沢ムラやオフセット等
の問題が発生していた。 b)フィルム加熱方式の定着装置 フィルム加熱方式の定着装置は、例えば特開昭63−3
13182号公報・特開平2−157878号公報・特
開平4−44075号公報・特開平4−204980号
公報等に提案されている。
【0008】即ち、加熱体としてのセラミックヒータ
と、加圧部材としての加圧ローラとの間に耐熱性フイル
ム(以下、フイルムまたは定着ベルトと称する)を挟ま
せてニップ部を形成させ、このニップ部のフイルムと加
圧ローラとの間に画像定着すべき未定着トナー画像を形
成担持させた被記録材を導入して該フィルムと一緒に挟
持搬送させることで、ニップ部においてセラミックヒー
タの熱をフィルムを介して被記録材に与え、またニップ
部の加圧力にて未定着トナー画像を被記録材面に熱圧定
着させるものである。
【0009】このフィルム加熱方式の定着装置は、セラ
ミックヒータ及び定着フィルムとして低熱容量の部材を
用いてオンデマンドタイプの装置を構成することがで
き、画像形成装置の画像形成実行時のみ熱源としてのセ
ラミックヒータに通電して所定の定着温度に発熱させた
状態にすればよく、画像形成装置の電源オンから画像形
成実行可能状態までの待ち時間が短く(クイックスター
ト性)、スタンバイ時の消費電力も大幅に小さい(省電
力)等の利点がある。
【0010】ただし、最大4層のトナー画像層を十分に
加熱溶融させて混色させる能力を要求されるフルカラー
の画像形成を行う画像形成装置の定着装置としては、画
像を包み込んで均一に溶融するため、フイルムの外周に
ゴム弾性層を具備させる必要がある。このゴム弾性層は
熱容量が大きいためにフイルム加熱装置の特徴であるク
イックスタート性が失われてしまう。
【0011】また、大きな熱量が要求されるフルカラー
画像形成装置や高速機種用の定着装置としては熱供給量
に難点がある。 c)電磁誘導加熱方式の定着装置 実開昭51−109739号公報には、磁束により定着
ローラに電流を誘導させてジュール熱によって発熱させ
る誘導加熱定着装置が開示されている。これは、誘導電
流の発生を利用することで直接定着ローラを発熱させる
ことができて、ハロゲンランプを熱源として用いた熱ロ
ーラ方式の定着装置よりも高効率の定着プロセスを達成
している。
【0012】しかしながら、磁場発生手段としての励磁
コイルにより発生した交番磁束のエネルギーが定着ロー
ラ全体の昇温に使われるため放熱損失が大きく、投入エ
ネルギーに対する定着エネルギーの密度が低く効率が悪
いという欠点があった。
【0013】そこで、定着に作用するエネルギーを高密
度で得るために発熱体である定着ローラに励磁コイルを
接近させたり、励磁コイルの交番磁束分布を定着ニップ
部近傍に集中させたりして、高効率の定着装置が提案さ
れた。
【0014】図19は、励磁コイルの交番磁束分布を定
着ニップに集中させて効率を向上させた電磁誘導加熱方
式の定着装置の一例を示す概略構成図である。図19に
おいて、10は電磁誘導発熱層(導電体層、磁性体層、
抵抗体層)を有する、電磁誘導発熱する発熱回転体とし
ての円筒状の定着ベルトである。
【0015】16は横断面略半円弧状樋型のベルトガイ
ド部材であり、円筒状の定着ベルト10はこのベルトガ
イド部材16の外側にルーズに外嵌させてある。15は
べルトガイド部材16の内側に配設した磁場発生手段で
あり、励磁コイル18とE型の磁性コア(芯材)17と
からなる。
【0016】30は加圧部材としての弾性加圧ローラで
あり、定着ベルト10を挟ませてベルトガイド部材16
の下面と所定の圧接力をもって所定幅の定着ニップ部N
を形成させて相互圧接させてある。上記磁場発生手段1
5の磁性コア17は定着ニップ部Nに対応位置させて配
設してある。
【0017】加圧ローラ30は駆動手段Mにより矢示の
反時計方向に回転駆動される。この加圧ローラ30の回
転駆動による該加圧ローラと定着ベルト10の外面との
摩擦力で該定着ベルトに回転力が作用して、この定着ベ
ルト10の内面が定着ニップ部Nにおいて、ベルトガイ
ド部材16の下面に密着して摺動しながら矢示の時計方
向に加圧ローラ30の回転周速度にほぼ対応した周速度
をもって該ベルトガイド部材の外回りを回転状態になる
(加圧ローラ駆動方式)。
【0018】ベルトガイド部材16は、定着ニップ部N
への加圧、磁場発生手段15としての励磁コイル18と
磁性コア17の支持、定着ベルト10の支持、この定着
ベルト10の回転時の搬送安定性を図る役目をする。こ
のベルトガイド部材16は磁束の通過を妨げない絶縁性
の部材であり、高い荷重に耐えられる材料が用いられ
る。
【0019】励磁コイル18は不図示の励磁回路から供
給される交番電流によって交番磁束を発生する。交番磁
束は定着ニップ部Nの位置に対応しているE型の磁性コ
ア17により定着ニップ部Nに集中的に分布し、その交
番磁束は定着ニップ部Nにおいて定着ベルト10の電磁
誘導発熱層に渦電流を発生させる。この渦電流は電磁誘
導発熱層の固着抵抗によって電磁誘導発熱層にジュール
熱を発生させる。
【0020】この定着ベルト10の電磁誘導発熱は交番
磁束を集中的に分布させた定着ニップ部Nにおいて集中
的に生じて該定着ニップ部が高効率に加熱される。定着
ニップ部Nの温度は、不図示の温度検知手段を含む温調
系により励磁コイル18に対する電流供給が制御される
ことで、所定の温度に維持されるように温調される。
【0021】而して、加圧ローラ30が回転駆動され、
それに伴って円筒状の定着ベルト10がベルトガイド部
材16の外回りを回転し、励磁回路から励磁コイル18
への給電により、上記のように定着ベルト10の電磁誘
導発熱がなされて、定着ニップ部Nが所定の温度に立ち
上がって温調された状態において、不図示の画像形成手
段部から搬送された未定着トナー画像tが形成された被
記録材Pは定着ニップ部Nの定着ベルト10と加圧ロー
ラ30との間に画像面が上向き、即ち定着ベルト面に対
向して導入され、定着ニップ部Nにおいて画像面が定着
ベルト10の外面に密着して該定着ベルトと一緒に定着
ニップ部Nを挟持搬送されていく。
【0022】この定着ニップ部Nを定着ベルト10と一
緒に被記録材Pが挟持搬送されていく過程において、定
着ベルト10の電磁誘導発熱で加熱されて被記録材P上
の未定着トナー画像tが加熱定着される。被記録材Pは
定着ニップ部Nを通過すると回転定着ベルト10の外面
から分離して排出搬送されていく。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】クイックスタートを実
現するために、電磁誘導加熱方式の加熱装置において、
熱容量の小さい定着ベルトを採用すると、定着ベルト自
身は直接駆動をかけられる程の剛性を得るのは難しいた
め加圧ローラなどに従動する構成で定着ベルトを駆動す
る。
【0024】そこで、加圧ローラで定着ベルトを駆動す
る電磁誘導加熱方式の加熱装置において、加圧ローラの
回転を開始時に加圧ローラと定着ベルトがスリップして
定着ベルトが回転しないと、熱容量の小さい定着ベルト
は発熱域が過昇温してしまい該定着ベルトを破損する可
能性があった。特に、発熱域がニップ外に及ぶ場合には
従来のフィルム加熱方式の定着器より遥かに昇温速度が
速いので、定着ベルトを破損する可能性が更に高かっ
た。
【0025】また、定着ベルトが回転してない状態で被
記録材が定着ニップに進入してきた場合、被記録材が定
着ニップを通過することができずジャムが発生する可能
性があった。
【0026】また、加圧ローラで定着ベルトを駆動する
電磁誘導加熱方式の加熱装置において、加圧ローラの弾
性層が熱膨張すると、加圧ローラの外周長が長くなる。
この状態で加圧ローラ軸を定速回転させると、加圧ロー
ラの温度が上昇すると、一回転あたりの搬送距離が長く
なる。そのため、クイックスタートで使用する場合、朝
一のように室温付近から加熱を開始して加圧ローラ温度
が低い場合の被記録材の搬送速度と、連続プリント時で
加圧ローラ温度が高くなった場合の被記録材の搬送速度
とでは、紙の搬送速度が変化するという問題があった。
【0027】従来の加圧ローラ駆動の加熱装置で、定着
ニップの搬送速度が変化する画像形成装置においては、
転写ニップと定着ニップの間の距離を長くして、そこに
被記録材にループを持たせるための谷状に搬送経路をも
つことで定着ニップと転写ニップの搬送速度差を吸収す
る構成をとるものがあった。
【0028】しかし、転写ニップと定着ニップの距離が
長くなるため、装置本体が大きくなってしまったり、フ
ァーストプリントタイムが長くなってしまうという問題
があった。また、コシの強い厚紙のような被記録材では
谷状の搬送経路に沿わず、転写ニップと定着ニップを直
線的に結んでしまうため、定着ニップと転写ニップの搬
送速度差を吸収できず、画像が伸びてしまう問題があっ
た。
【0029】また、従来の加圧ローラ駆動の加熱装置
で、プリント枚数から加圧ローラ温度を予測し、加圧ロ
ーラの回転速度を変化させることで転写ニップと定着ニ
ップの距離を短くして、画像の伸びを防止する工夫がな
された画像形成装置もあるが、すべての環境や被記録材
の種類に対して予測することは難しく、予測が合わない
場合に画像が伸びてしまうという問題があった。
【0030】白黒の画像形成装置または、カラー画像形
成装置でも中間転写体を用いてカラー画像が一括して被
記録材に転写されるような場合には、画像が伸びるとい
う問題であるが、カラー画像形成装置でも、定着ベルト
上に複数の感光体をタンデムに並べ順次トナー画像を被
記録材に転写するような場合には、被記録材は複数の転
写ニップにまたがった状態で定着ニップに進入する場合
がある。
【0031】この状態で、定着ニップにおける被記録材
搬送速度が変化した場合は色ずれの発生となり、より画
像品質を著しく低下させてしまう場合がある。タンデム
型のカラー画像形成装置においては感光ドラムを複数個
ほぼ一列に並べる必要があるため、最終転写ニップと定
着間の距離を搬送速度変化を吸収できるだけの距離をと
ると、装置が大型化してしまうという問題があった。
【0032】そこで本発明は上記のような問題を解消す
るためになされたもので、弾性層を有する駆動ローラと
しての加圧ローラ駆動による電磁誘導発熱方式の加熱装
置において、定着ベルトの回転検知を安価な構成で実現
することで、定着ベルトの破損を防止する。
【0033】また、定着ベルトの回転速度を検知して、
定着ベルトの回転速度の変化を加圧ローラの回転速度に
フィードバックすることで、加圧ローラの外径変化によ
る被記録材搬送速度の変化を補正して、被記録材を安定
した速度で搬送できる加熱装置を提供することを目的と
する。
【0034】像加熱装置として、上記加熱装置を備え、
高品質の画像を形成することのできる画像形成装置を提
供することを目的とする。
【0035】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を有
することを特徴とする加熱装置および画像形成装置であ
る。 (1)磁場発生手段の磁界の作用で電磁誘導発熱する発
熱回転体と、前記発熱回転体を摩擦力により駆動する弾
性層を有する駆動回転体と、前記発熱回転体の回転を検
知する回転検知手段を有する加熱装置において、前記回
転検知手段を用いて回転速度を検出し、この検出した回
転速度を元に前記駆動回転体の回転速度を制御すること
を特徴とする加熱装置。 (2)前記駆動回転体は前記発熱回転体と相互圧接して
ニップ部を形成する加圧回転体であることを特徴とする
(1)記載の加熱装置。 (3)前記発熱回転体表面に回転検知パターンを形成し
たことを特徴とする(1)または(2)記載の加熱装
置。 (4)前記発熱回転体とともに回転する補助部材に回転
検知パターンを形成したことを特徴とする(1)または
(2)記載の加熱装置。 (5)前記発熱回転体の回転を直接伝達される伝達手段
を設け、前記伝達手段に前記回転検知パターンを形成し
たことを特徴とする(1)または(2)記載の加熱装
置。 (6)前記回転検知パターンから前記回転検知手段を用
いて回転速度を検出することを特徴とする(3)から
(5)のうちのいずれか1項記載の加熱装置。 (7)前記発熱回転体は無端ベルトであることを特徴と
する(1)から(6)のうちのいずれか1項記載の加熱
装置。 (8)前記無端ベルトの発熱域を二ップ部の被記録材の
進入側上方に位置させたことを特徴とする(7)記載の
加熱装置。 (9)前記回転検知手段は被記録材の搬送状態を同時に
検知できることを特徴とする(1)から(7)のうちの
いずれか1項記載の加熱装置。 (10)前記駆動回転体が回転しているにもかかわらず
前記発熱回転体の回転が検知されない場合、前記発熱回
転体の発熱を停止することと前記駆動回転体の回転を停
止することをを特徴とする(1)から(8)うちのいず
れか1項記載の加熱装置。 (11)被記録材に画像を形成する画像形成手段と、
(1)から(10)のうちのいずれか1項記載の加熱装
置を具備し、前記加熱装置を前記画像形成手段により被
記録材上に形成した画像を加熱処理する像加熱装置とし
て備えたことを特徴とする画像形成装置。 (12)被記録材に画像を形成する画像形成手段が複数
あり、前記被記録材に画像を形成する部位の1カ所以上
と前記ニップ部が同時に前記被記録材を挟持搬送するこ
とを特徴とする(11)記載の画像形成装置。 (13)前記被記録材は略垂直に搬送されることを特徴
とする(11)または(12)記載の画像形成装置。
【0036】
【発明の実施の形態】(第1の実施例) 定着装置(加熱装置)100 図1は、本発明加熱装置による定着装置100を示す要
部の正面模型図、図2は図1における要部の横断側面模
型図、図3は要部の縦断正面模型図である。
【0037】この加熱装置100は図19に示した従来
装置と同様に、円筒状の電磁誘導発熱性ベルトを用い
た、加圧ローラ駆動方式、電磁誘導加熱方式の装置であ
る。図19の装置と共通の構成部材部分には同一の符号
を付して再度の説明を省略する。
【0038】磁場発生手段は磁性コア17a・17b及
び励磁コイル18からなる。磁性コア17a・17bは
高透磁率の部材であり、フェライトやパーマロイ等とい
ったトランスのコアに用いられる材料がよく、より好ま
しくは100kHz以上でも損失の少ないフェライトを
用いるのがよい。励磁コイル18には給電部18a・1
8bに励磁回路27(図4)を接続してある。この励磁
回路27は20kHzから500kHzの高周波をスイ
ッチング電源で発生できるようになっている。励磁コイ
ル18は励磁回路27から供給される交番電流(高周波
電流)によって交番磁束を発生する。
【0039】16a,16bは横断面略半円弧状樋型の
ベルトガイド部材であり、開口側を互いに向かい合わせ
て略円柱体を構成し、外側に円筒状の電磁誘導性発熱ベ
ルトである定着ベルト10をルーズに外嵌させてある。
前記ベルトガイド部材16aは、磁場発生手段としての
磁性コア17a・17bと励磁コイル18を内側に保持
している。
【0040】22はベルトガイド部材16bの内面平面
部に当接させて配設した横長の加圧用剛性ステイであ
る。19は磁性コア17a・17b及び励磁コイル18
と加圧用剛性ステイ22の間を絶縁するための絶縁部材
である。加圧用剛性ステイ22の両端部と装置シャーシ
側との間にそれぞれ加圧バネ25a・25bを縮設する
ことで加圧用剛性ステイ22に押し下げ力を作用させて
いる。これによりベルトガイド部材16aの下面と加圧
ローラ30の上面とが定着ベルト10を挟んで圧接して
所定幅の定着ニップ部Nが形成される。
【0041】加圧ローラ30は駆動手段Mにより矢示の
反時計方向に回転駆動される。この加圧ローラ30の回
転駆動による前記加圧ローラ30と定着ベルト10の外
面との摩擦力で該定着ベルトに回転力が作用し、前記定
着ベルト10の内面が定着ニップNにおいて、摺動部材
40の下面に密着して摺動しながら矢示の時計方向に加
圧ローラ30の回転周速度にほぼ対応した周速度をもっ
て、ベルトガイド部材16a,16bの外回りを回転状
態になる。
【0042】この場合、定着ニップ部Nにおける摺動部
材40の下面と定着ベルト10の内面との相互摺動摩擦
力を低減化させるために定着ニップ部Nの摺動部材40
の下面と定着ベルト10の内面との間に耐熱性グリスな
どの潤滑剤を介在させることもできる。これは、摺動部
材40としてアルミナを用いた場合のように表面滑り性
が材質的によくない或いは仕上げ加工を簡素化した場合
に、摺動する定着ベルト10に傷をつけて定着ベルト1
0の耐久性が悪化してしまうことを防ぐものである。
【0043】加圧部材としての加圧ローラ30は、芯金
30aと、前記芯金周りに同心一体にローラ状に成形被
覆させたシリコーンゴム・フッ素ゴムなどの耐熱性・弾
性材層30bと、表層に設けたフッ素樹脂などの離型性
の良い離型層30cとの構成であり、芯金30aの両端
部を装置のシャーシ側板金間に回転自由に軸受け29a
・29bで保持させて配設してある。
【0044】フランジ部材23a・23bは定着ベルト
10の両端に固定して取り付けられている。また、ベル
トガイド部材16a・16bのアセンブリの左右両端部
に外嵌し、前記左右位置をフランジ規制部材24a・2
4bで規制しつつ回転自在に取り付け、定着ベルト10
の回転時に該定着ベルトの端部を円形状で受けて、定着
ベルト10のベルトガイド部材長手に沿う寄り移動を規
制するとともに定着ベルト端部の破損防止の役目をす
る。
【0045】図5に示すように、ベルトガイド部材16
aの周面に、その長手方向に所定の間隔を置いて凸リブ
部16eを形成具備させ、ベルトガイド部材16aの周
面と定着ベルト10の内面との接触摺動抵抗を低減させ
て定着ベルト10の回転負荷を少なくしている。このよ
うな凸リブ部はベルトガイド部材16bにも同様に形成
具備することができる。
【0046】図5は交番磁束の発生の様子を模式的に表
したものである。磁束Cは発生した交番磁束の一部を表
す。図5(a)に示すように、磁性コア17a・17b
に導かれた交番磁束(C)は、磁性コア17aと磁性コ
ア17bとの間において定着ベルト10の電磁誘導発熱
層1に渦電流を発生させる。この渦電流は電磁誘導発熱
層1の固有抵抗によって該電磁誘導発熱層にジュール熱
(渦電流損)を発生させる。ここでの発熱量Qは電磁誘
導発熱層1を通る磁束の密度によって決まり図5のグラ
フような分布を示す。図5(b)に示すグラフは、縦軸
が磁性コア17aの中心を0とした角度θで表した定着
ベルト10における円周方向の位置を示し、横軸が定着
ベルト10の電磁誘導発熱層1での発熱量Qを示す。こ
こで、発熱域Hは最大発熱量をQとした場合、発熱量が
Q/e以上の領域と定義する。これは、定着に必要な発
熱量が得られる領域である。
【0047】この定着ニップ部Nの温度は、不図示の温
度検知手段を含む温調系により励磁コイル18に対する
電流供給が制御されることで所定の温度が維持されるよ
うに温調される。26は定着ベルト10の温度を検知す
るサーミスタなどの温度センサであり、本例においては
温度センサ26で測定した定着ベルト10の温度情報を
もとに定着ニップ部Nの温度を制御するようにしてい
る。
【0048】而して、定着ベルト10が回転し、励磁回
路27から励磁コイル18への給電により上記のように
定着ベルト10の電磁誘導発熱がなされて、定着ニップ
部Nが所定の温度に立ち上がって温調された状態におい
て、画像形成手段部から搬送された未定着トナー画像t
の形成された被記録材Pが定着ニップ部Nの定着ベルト
10と加圧ローラ30との間に画像面が上向き、即ち定
着ベルト面に対向して導入され、定着ニップ部Nにおい
て画像面が定着ベルト10の外面に密着して定着ベルト
10と一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。こ
の定着ニップ部Nを定着ベルト10と一緒に被記録材P
が挟持搬送されていく過程において、定着ベルト10の
電磁誘導発熱で加熱されて被記録材P上の未定着トナー
画像tが加熱定着される。被記録材Pは定着ニップ部N
を通過すると、回転定着ベルト10の外面から分離して
排出搬送されていく。被記録材上の加熱定着トナー画像
は定着ニップ部通過後、冷却して永久固着像となる。
【0049】本例においては、図6に示すように、定着
ベルト10の発熱域Hの対向位置に、暴走時の励磁コイ
ル18への給電を遮断する温度検知素子であるサーモス
イッチ50を配設している。
【0050】図6は本例で使用した安全回路の回路図で
ある。温度検知素子であるサーモスイッチ50は十24
VDC電源とリレースイッチ51と直列に接続されてお
り、サーモスイッチ50が切れると、リレースイッチ5
1への給電が遮断され、リレースイッチ51が動作し、
励磁回路27への給電が遮断されることにより、励磁コ
イル18への給電を遮断する構成をとっている。サーモ
スイッチ50はOFF動作温度を220℃に設定した。
【0051】また、サーモスイッチ50は定着ベルト1
0の発熱域Hに対向して定着ベルト10の外面に非接触
に配設し、サーモスイッチ50と定着ベルト10との間
の距離は略1mmとした。これにより、定着ベルト10
にサーモスイッチ50の接触による傷が付くことがな
く、耐久による定着画像の劣化を防止することができ
る。
【0052】本例によれば、定着ベルト10の発熱域H
を定着ニップ部Nの被記録材Pの進入側上方に位置させ
たので、装置故障による定着装置暴走時、図19に示し
た従来装置のような定着ニップNで発熱する構成とは違
い、定着ニップNに紙が挟まった状態で定着器が停止
し、励磁コイル18に給電が続けられ定着ベルト10が
発熱し続けた場合でも、紙が挟まっている定着ニップ部
Nでは発熱していないために紙が直接加熱されることが
ない。また、発熱量が多い発熱域Hには、サーモスイッ
チ50が配設してあるため、サーモスイッチ50が22
0℃を感知して、サーモスイッチが切れた時点で、リレ
ースイッチ51により励磁コイル18への給電が遮断さ
れる。
【0053】本例によれば、紙の発火温度は約400℃
近辺であるため、紙が発火することなく、定着ベルト1
0の発熱を停止することができる。温度検知素子として
サーモスイッチのほかに温度ヒューズを用いることもで
きる。
【0054】本例ではトナーtに低軟化物質を含有させ
たトナーを使用したため、定着装置にオフセット防止の
ためのオイル塗布機構を設けていないが、低軟化物質を
含有させていないトナーを使用した場合にはオイル塗布
機構を設けてもよい,また、低軟化物質を含有させたト
ナーを使用した場合にもオイル塗布や冷却分離を行って
もよい。A)励磁コイル18励磁コイル18はコイル
(線輸)を構成させる導線(電線)として、一本ずつが
それぞれ絶縁被覆された銅製の細線を複数本束ねたもの
(束線)を用い、これを複数回巻いて励磁コイルを形成
している。本例では10ターン巻いて励磁コイル18を
形成している。
【0055】絶縁被覆は定着ベルト10の発熱による熱
伝導を考慮して耐熱性を有する被覆を用いるのがよい。
たとえば、ポリアミドイミドやポリイミドなどの被覆を
用いるとよい。励磁コイル18は外部から圧力を加えて
密集度を向上させてもよい。
【0056】励磁コイル18の形状は、図5(a)に示
すように発熱層1の曲面に沿うようにしている。本例で
は定着ベルト10の発熱層と励磁コイル18との間の距
離は略2mmになるように設定した。励磁コイル保持部
材19の材質としては絶縁性に優れ、耐熱性がよいもの
がよい。例えば、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリイ
ミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、P
EEK樹脂、PES樹脂、PPS樹脂、PFA樹脂、P
TFE樹脂、FEP樹脂、LCP樹脂などを選択すると
よい。
【0057】磁性コア17a・17b及び励磁コイル1
8と、定着ベルト10の発熱層1の間の距離はできる限
り近づけた方が磁束の吸収効率が高いのであるが、この
距離が5mmを越えるとこの効率が著しく低下するた
め、5mm以内にするのがよい。また、5mm以内であ
れば、定着ベルト10の発熱層1と励磁コイル18の距
離が一定である必要はない。
【0058】励磁コイル18の励磁コイル保持部材19
からの引出線すなわち18a・18b(図4)について
は、励磁コイル保持部材19から外の部分について束線
の外側に絶縁被覆を施している。 B)定着ベルト10 図7は本例における定着ベルト10の層構成模型図であ
る。本例の定着ベルト10は、電磁誘導発熱性の定着ベ
ルト10の基層となる金属ベルト等でできた発熱層1
と、その外面に積層した弾性層2と、その外面に積層し
た離型層3の複合構造のものである。発熱層1と弾性層
2との間の接着、弾性層2と離型層3との間の接着のた
め、各層間にプライマー層(不図示)を設けてもよい。
略円筒形状である定着ベルト10において発熱層1が内
面側であり、離型層3が外面側である。前述したよう
に、発熱層1に交番磁束が作用することで前記発熱層1
に渦電流が発生して該発熱層が発熱する。その熱が弾性
層2・離型層3を介して定着ベルト10を加熱し、前記
定着ニップNに通紙される被加熱材としての被記録材P
を加熱してトナー画像の加熱定着がなされる。
【0059】a.発熱層1 発熱層1はニッケル、鉄、強磁性SUS、ニッケル−コ
バルト合金といった強磁性体の金属を用いるとよい。非
磁性の金属でも良いが、より好ましくは磁束の吸収の良
いニッケル、鉄、磁性ステンレス、コバルト−ニッケル
合金等の金属が良い。
【0060】その厚みは次の式で表される表皮深さより
厚くかつ200μm以下にすることが好ましい。表皮深
さσ[m]は、励磁回路の周波数f[Hz]と透磁率μ
と固有抵抗ρ[Ωm]で σ=503×(ρ/fμ)1/2 と表される。
【0061】これは電磁誘導で使われる電磁波の吸収の
深さを示しており、これより深いところでは電磁波の強
度は1/e以下になっており、逆にいうと殆どのエネル
ギーはこの深さまでで吸収されている(図9)。
【0062】発熱層1の厚さは好ましくは1〜100μ
mがよい。発熱層1の厚みが1μmよりも小さいとほと
んどの電磁エネルギーが吸収しきれないため効率が悪く
なる。また、発熱層1が100μmを超えると剛性が高
くなりすぎ、また屈曲性が悪くなり回転体として使用す
るには現実的ではない。従って、発熱層1の厚みは1〜
100μmが好ましい。
【0063】b.弾性層2 弾性層2は、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシ
リコーンゴム等で耐熱性がよく、熱伝導率がよい材質で
ある。弾性層2の厚さは10〜500μmが好ましい。
この弾性層2は定着画像晶質を保証するために必要な厚
さである。
【0064】カラー画像を印刷する場合、特に写真画像
などでは被記録材P上で大きな面積に渡ってベタ画像が
形成される。この場合、被記録材の凹凸あるいはトナー
層の凹凸に加熱面(離型層3)が追従できないと加熱ム
ラが発生し、伝熱量が多い部分と少ない部分で画像に光
沢ムラが発生する。伝熱量が多い部分は光沢度が高く、
伝熱量が少ない部分では光沢度が低い。
【0065】弾性層2の厚さとしては、10μm以下で
は被記録材あるいはトナー層の凹凸に追従しきれず画像
光沢ムラが発生してしまう。また、弾性層2が1000
μm以上の場合には弾性層の熱抵抗が大きくなり、クイ
ックスタートを実現するのが難しくなる。より好ましく
は弾性層2の厚みは50〜500μmがよい。
【0066】弾性層2の硬度は、硬度が高すぎると被記
録材あるいはトナー層の凹凸に追従しきれず画像光沢ム
ラが発生してしまう。そこで、弾性層2の硬度としては
60゜(JIS−A)以下、より好ましくは45゜(J
IS−A)以下がよい。
【0067】弾性層2の熱伝導率λに関しては、 2.5×10−3〜8.4×10−3[W/cm・°
C](6×10-4〜2×10-3[ca1/cm・sec
・deg]) がよい。
【0068】熱伝導率λが 2.5×10−3[W/cm・°C](6×10-4[c
a1/cm・sec・deg]) よりも小さい場合には、熱抵抗が大きく、定着ベルトの
表層(離型層3)における温度上昇が遅くなる。
【0069】熱伝導率λが 8.4×10−3[W/cm・°C](2×10-3[c
a1/cm・sec・deg]) よりも大きい場合には、硬度が高くなりすぎたり、圧縮
永久歪みが悪化する。
【0070】よって熱伝導率λは 2.5×10−3[W/cm・°C](6×10-4[c
a1/cm・sec・deg])〜8.4×10
−3[W/cm・°C](2×10-3[ca1/cm・
sec・deg])がよい。
【0071】より好ましくは 3.3×10−3[W/cm・°C](8×10-4[c
a1/cm・sec・deg])〜6.3×10
−3[W/cm・°C](1.5×10-3[ca1/c
m・sec・deg]) がよい。
【0072】c.離型層3 離型層3はフッ素樹脂、シリコーン樹脂、フルオロシリ
コーンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、PFA,P
TFE,FEP等の離型性かつ耐熱性のよい材料を選択
することができる。
【0073】離型層3の厚さは1〜100μmが好まし
い。離型層3の厚さが1μmよりも小さいと塗膜の塗ム
ラで離型性の悪い部分ができたり、耐久性が不足すると
いった問題が発生する。また、離型層が100μmを超
えると、熱伝導が悪化するという問題が発生し、特に樹
脂系の離型層の場合は硬度が高くなりすぎ、弾性層2の
効果がなくなってしまう。
【0074】また図8に示すように、定着ベルト10の
構成において、発熱層1のベルトガイド面側(発熱層1
の弾性層2とは反対面側)に断熱層4を設けてもよい。
断熱層4としては、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリ
アミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、P
ES樹脂、PPS樹脂、PFA樹脂、PTFE樹脂、F
EP樹脂などの耐熱樹脂がよい。
【0075】また、断熱層4の厚さとしては10〜10
00μmが好ましい。断熱層4の厚さが10μmよりも
小さい場合には断熱効果が得られず、また、耐久性も不
足する。一方、1000μmを超えると、磁性コア17
a・17b及び励磁コイル18から発熱層1の距離が大
きくなり、磁束が十分に発熱層1に吸収されなくなる。
【0076】断熱層4は、発熱層1に発生した熱が定着
ベルトの内側に向かわないように断熱できるので、断熱
層4がない場合と比較して被記録材P側への熱供給効率
が良くなる。よって、消費電力を抑えることができる。 C)回転速度検知 図1に示すように、発熱回転体の回転を直接伝達される
手段としての定着ベルト10の端部の被記録材Pが通過
しない領域に、特定波長の光を吸収する回転検知パター
ン60を形成してある。たとえば、幅2mm、長さ10
mmの帯状パターンを定着ベルト表面に等間隔に20本
形成してある。パターン間の距離は2mmとした。ま
た、図2に示すように回転検知パターン60の対向位置
には、発光素子および反射光受光素子からなる光学セン
サ61が配設してある。
【0077】光学センサ61は発光素子と受光素子から
なり、発光素子から発せられた光は定着ベルト10上の
回転検知パターン60の位置で反射され受光素子で検知
する。受光素子で得られた光量は電気信号に変換され、
変換された電気信号は制御回路(不図示)に取り込ま
れ、電気信号の変化を監視することができる。
【0078】本例においては、電気信号は受光素子で得
られた光量を電圧値に変換したものである。以後、この
変換された電圧値を検出電圧値という。光学センサ61
の発光素子から発せられた光は、回転検知パターン60
により吸収されると、受光素子で検知する光量が減少す
るので検出電圧値も減少する。
【0079】そのため、図10に示すように定着ベルト
10が回転すると、検出電圧値は回転検知パターン60
の位置に応じて変化する。ここで電圧値のピーク間を1
周期として考える。回転検知パターンは前述したように
光を吸収するパターンであるため、検出電圧値は光学セ
ンサ61の中央の位置に回転検知パターン60が位置す
るときに最小となり、光学センサ61の中央の位置に回
転検知パターン60の中間が位置するときに最大値とな
る。
【0080】本例では、光学センサ61で検知した回転
検知パターン60の電気信号の周期から定着ベルト10
の回転速度つまり被記録材Pの搬送速度を算出する。検
出電圧値のピーク間である1周期の時間をモニターし、
この時間の変化量に応じて駆動手段Mの回転速度にフィ
ードハックをかけることを行っている。
【0081】例として、以下、定着ベルト10が1se
c間に1回転するような場合を想定して説明を行う。第
1の実施例で説明したように定着ベルト10の1周に対
して20本の回転検出パターンがある。よって、図10
に示すように定着ベルト10を1sec間に1回転させ
ると、1周期50msecの電圧変動信号が得られる。
【0082】加圧ローラ30の温度が室温状態で上記の
ように定着ベルトの回転速度を設定すると、加熱動作を
開始して1枚目の被記録材が定着ニップに到達するまで
に、加圧ローラの熱膨張によって加圧ローラ外周長が長
くなる。さらに、連続プリントや間欠プリントを行うと
加圧ローラ温度はさらに上昇し、加圧ローラ外周長はさ
らに長くなる。加圧ローラの熱膨張量は加圧ローラの外
径、弾性層の厚さ、熱膨張率等の設定の仕方、加圧ロー
ラ温度により異なるが、加圧ローラ軸の回転角速度が一
定の場合、加圧ローラ表面速度は温度上昇によって数パ
ーセント増加することになる。
【0083】例えば、5パーセント加圧ローラ表面速度
が速くなると、被記録材の搬送速度も略5パーセント速
くなり、定着ベルトの回転検知の1周期は 50msec×(100−5)%=47.5msec と短くなり、被記録材の搬送速度が速くなる。
【0084】定着ニップNの搬送速度をVf、転写ニッ
プT2の搬送速度をVtとすると、室温時にVf≒Vt
とした場合、電磁誘導加熱が開始され加圧ローラ径が膨
張するとVf>Vtとなり、被記録材が定着ニップに進
入すると、定着ニップと転写ニップ間で被記録材を引張
ってしまう。
【0085】そこで、本実施例では、定着ベルトの回転
検知の1周期を略50msecで一定値を保持できるよ
うに加圧ローラの駆動手段Mの回転速度にフィードバッ
クをかける。フィードバック制御は、一般的なPLL
(フェーズド・ロックド・ループ)制御、PID(比例
積分微分)制御などで行うと良い。このフィードバック
制御を実現するためにはオペアンプなどからなる回路
や、DSP(デジタル・シグナル・プロセッシング)を
用いると良い。制御定数は回転速度や加圧ローラの熱膨
張量に合わせて設定できる。このフィードバック制御に
より、回転検知の1周期が設定値(本例では50mse
c)より短くなれば駆動手段Mの回転速度を遅くし、回
転検知の1周期が設定値よりも長くなれば、駆動手段M
の回転速度を速くする制御を行う。この制御により、定
着ベルトの回転速度を略一定に保つことができる。よっ
て、被記録材を安定した速度で搬送することができる。
【0086】本例では、初期設定として室温時の定着ニ
ップNの搬送速度と転写ニップT2の搬送速度を略等し
く設定したが、この初期設定値は任意の加圧ローラ温度
に対して設定しても同様の効果が得られる。また、被記
録材の搬送と画像に影響を与えない範囲でVf<Vtと
するのが好ましい。これは被記録材が定着ニップNと転
写ニップT2間で引張られないことを確実にするために
有効である。
【0087】本発明では、加圧ローラ駆動の加熱装置に
おいて、熱容量の小さい定着ベルトを使用して室温から
のクイックスタートが実現できる電磁誘導加熱方式の加
熱装置で、定着ベルト10の回転検知周期をモニタし、
加圧ローラの熱膨張による搬送速度の変化分を駆動手段
Mの回転速度にフィードバックをすることで搬送速度変
化を補正することができる。よって被記録材の安定した
搬送が可能となるとともに、定着ニップNと転写ニップ
T2の間の距離を短くすることが可能となり、画像形成
装置本体の小型化が可能となる。さらに、ファーストブ
リントタイムの短縮が可能となる。
【0088】また、本例のように中間転写体を用いてカ
ラー画像が一括して被記録材に転写するカラー画像形成
装置、または、白黒の画像形成装置(不図示)におい
て、定着ニップN部での被記録材の搬送速度が略一定に
保つことができるので、定着ニップ部の搬送速度を転写
ニップの搬送速度とほぼ同等かわずかに遅くすること
で、被記録材が定着ニップに進入しても被記録材を引張
ることがないので画像の伸びが発生することがない。
【0089】さらに、カラー画像形成装置でも、搬送ベ
ルト上に複数の感光体をタンデムに並べ順次トナー画像
を被記録材に転写するような場合でも、画像の伸びが発
生せず、加えて、被記録材が複数の転写ニップにまたが
った状態で、定着ニップに被記録材が進入する場合で
も、定着ニップN部での被記録材の搬送速度を略一定に
保つことができるので、転写ニップの搬送速度とほぼ同
等かわずかに定着ニップ部での搬送速度を遅くすること
で、被記録材が定着ニップに進入しても被記録材を引っ
張ることがなくなり、色ずれが発生しない良好な画像品
質を得ることができる。
【0090】タンデム型のカラー画像形成装置において
は感光ドラムを複数個ほぼ一列に並べる必要があるた
め、最終転写ニップと定着間の距離は搬送速度変化を吸
収できるだけの距離をとると、装置が大型化してしまう
という問題があったが、加圧ローラ駆動方式の加熱装置
であっても本発明を実施することで本体の小型化が図れ
る。
【0091】さらに、タンデム型でも略垂直に被記録材
を搬送した場合、搬送ベルト後端と定着ニップNの距離
の関係は、最小通紙長さを考えると、被記録材の画像面
側で被記録材を保持すると画像が乱れてしまうため、搬
送ベルト後端と定着ニップの間の距離をLTFとし、最小
通紙長さをLSPとすると、 LTF<LSP を満足する必要がある。加圧ローラ駆動の加熱装置にお
いて本発明を実施することで、タンデム型の略垂直に被
記録材を搬送する画像形成装置で搬送ベルト後端と定着
ニップNの距離を短くすることができ、より小さいサイ
ズの被記録材を搬送可能にするためには特に有効であ
る。
【0092】本例では、特定波長の光を吸収する回転検
知パターンを形成したが、定着ベルト表面よりも反射率
の高いパターンを形成することができる。この場合は回
転検知パターンの中間の位置よりも回転検知パターンの
中心の方が検出電圧値は高くなる。要は、検出電圧値の
コントラストが取れ、回転状態を検知できるようなパタ
ーンを形成すればよい。同様に、検出パターンの代わり
に定着ベルトにスリットを入れることも可能である。
【0093】また、同様の効果が得られる構成として図
11に示すように、定着ベルト10の端部保護を目的と
した補助部材であるフランジ部材23bに回転検出パタ
ーンを設けることができる。この場合は図12に示すよ
うに回転検知パターンとしてスリット62を放射状に設
けることができ、さらに、このスリット62を挟んで、
発光素子63と透過光受光素子64が向き合うように配
設することができる。この場合は、上記スリット62の
場合では注意しなければならないパターン面の汚れによ
る電圧値変動を考慮しなくて良い。
【0094】さらに、回転検知パターンの数は要求され
る検知精度に応じて任意に設定でき、必要に応じて定着
ベルト周中のパータン幅、パターン間隔を変更すること
もできる。 (第2の実施例)本例では、第1の実施例の図11およ
び図12において用いられた光学センサである発光素子
63と受光素子64を被記録材Pの搬送状態検知センサ
として活用する例について説明する。
【0095】画像形成装置内には被記録材Pの搬送状態
をモニタするために搬送経路上にセンサをいくつか配設
している。そして、被記録材Pが通常の搬送状態と異な
る状態になったとき、つまり、被記録材Pが規定のタイ
ミングでセンサ位置を通過しなかった場合に、ジャムと
判断して画像形成過程を中止し、ユーザに知らせる。
【0096】そこで、本例では、図13、図14、図1
5に示すように定着ニップ後に設けた排紙検知用アーム
65から得られる被記録材Pの通過情報と第1の実施例
で使用した光学センサで同時にモニタする。
【0097】被記録材Pが定着ニップNを通過して排紙
検知用アーム65を動かす仕組みを簡単に説明する。排
紙検知用アーム65は被記録材Pの通過位置に配設され
回転軸に固定されている。回転軸は不図示の位置決め手
段により回転可能に固定されている。さらに回転軸には
遮光板66が固定されており、排紙検知用アーム65に
連動して動く。
【0098】そして、遮光板66は光学検知センサの発
光素子63と受光素子64の間に移動可能に設置する。
図14は被記録材Pが排紙検知用アーム65を押す前の
状態である(排紙センサoff)。図15は被記録材が
排紙検知用アーム65を押した状態(排紙センサon)
で、このアームの動きが回転軸を介して遮光板66を矢
印の方向へ動かす。そして、被記録材Pが通過し排紙検
知用アーム65が元の位置に戻ると、これに連動して遮
光板66も元の位置(図14)に戻る。遮光板66の移
動先は前記回転検知用のスリット62の一部を遮蔽する
ように設定されており、本例ではスリット62の約50
パーセント遮蔽するように配設した。
【0099】上記のように被記録材Pが排紙検知用アー
ム65の位置にある場合(排紙センサon)とない場合
(排紙センサoff)で、図16に示すように得られる
検出電圧値が変化する。本例では約50パーセント遮光
することで電圧レベルも約50パーセント減少する(電
圧降下)。このピーク電圧値の変化をモニタすることで
被記録材の搬送状態をモニタすることができる。搬送状
態は、ピーク電圧値からの減少量、ピーク電圧値からの
減少率、設定したしきい値を下回った場合などから判断
することができる。
【0100】以上のように、本実施例では、前記第1の
実施例で記述した定着ベルト10の回転検知に加えて被
記録材Pの搬送状態も同じ光学検知素子でモニタするこ
とが可能となった。このため、安価に定着ベルト10の
回転を検知することが可能な画像形成装置の提供が可能
となった。 (第3の実施例)本例では、第1及び第2の実施例で検
出した定着ベルト10の回転速度から該定着ベルトの回
転状態をモニタし、以下の制御を行う。図17に示すよ
うに定着ベルトが回転していない場合(停止時)には、
定着ベルトの停止した位置に応じて一定の電圧値を示
す。そこで、この電圧値を監視することで、定着ベルト
10の回転を検知することが可能となる。もし、加圧ロ
ーラ30を回転させたにもかかわらず、定着ベルト10
の回転が検知されなかった場合、つまり、電圧値が一定
値を示していた場合には、定着ベルト10が回転してい
ないと判断して、電磁誘導発熱を停止させるとともに、
画像形成動作を停止させる。
【0101】また、図17に示すように1周期の時間に
ついて電圧値が正常の速度で回転しているとき(正常
時)の周期よりも長い周期で検出された場合(スリップ
時)には、定着ベルト10がスリップしている判断して
電磁誘導発熱を停止させるとともに、画像形成動作を停
止させる。ここで、正常の速度とは、熱膨張で加圧ロー
ラ30の回転角速度が変化する最大の値よりも速く加圧
ローラを回転させたにもかかわらず1周期の時間が設定
値よりも長くなった場合のことをいう。
【0102】ここで、たとえば、画像形成装置のオペレ
ーションパネル(不図示)や、接続されている画像入力
装置(コンピュータなど)に定着ベルト10の回転不良
状態を表示させることができる。
【0103】図17は図2に示した光学センサ61を用
いた例について説明したが、図11、図13に示した光
学センサの場合でも同様の制御を行うことができる。
【0104】本発明により、加圧ローラを回転させたに
もかかわらず定着ベルトが回転しなかった場合や定着ベ
ルトがスリップした場合に加熱動作を安全に停止するこ
とができる。特に、発熱域がニップ外に及び昇温速度が
速い場合でも定着ベルト10の破損を防止することがで
きる。 (その他) 1)定着ベルト10から直接回転を伝達する手段を設け
て、この手段に光学センサ61を設けても良い。具体的
には、直接回転を伝達する手段としてフランジ部材23
の外周をギア形状とし、この手段として直接回転を伝達
されたもうひとつのギアに回転検出パターンを形成する
ことができる。
【0105】2)回転検知パターンと光学センサはエン
コーダを用いることができる。
【0106】3)電磁誘導発熱性の定着ベルト10は、
モノクロあるいは1パスマルチカラー画像などの加熱定
着用の場合は弾性層2を省略した形態のものとすること
もできる。発熱層1は樹脂に金属フィラーを混入して構
成したものとすることもできる。発熱層単層の部材とす
ることもできる。
【0107】4)加圧部材30側からも被記録材に熱エ
ネルギーを供給するために、加圧部材30側にも電磁誘
導加熱などの発熱手段を設けて、所定の温度に加熱・温
調する装置構成にすることもできる。
【0108】5)定着ベルト10は剛体ローラなど他の
形態の部材にすることもできる。
【0109】6)本発明の加熱装置は実施例の画像加熱
定着装置に限らず、画像を把持した被記録材を加熱して
つや等の表面性を改質する像加熱装置、仮定着する像加
熱装置、その他、被加熱材の加熱乾燥装置、加熱ラミネ
ート装置など、広く被加熱材を加熱処理する手段・装置
として使用できる。 (第4の実施例)画像形成装置例図18は前記各実施例
に示した加熱装置を加熱定着装置として適用した本発明
の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。本例の
画像形成装置は電子写真カラープリンタである。図18
において、101は有機感光体やアモルファスシリコン
感光体でできた感光体ドラム(像担持体)であり、矢示
の反時計方向に所定のプロセススピード(周速度)で回
転駆動される。感光体ドラム101はその回転過程で帯
電ローラ等の帯電装置102で所定の極性・電位の一様
な帯電処理を受ける。
【0110】次いでその帯電処理面にレーザ光学籍(レ
ーザスキャナー)110から出力されるレーザ光103
による、目的の画像情報の走査露光処理を受ける。レー
ザ光学籍110は不図示の画像読み取り装置等の画像信
号発生装置からの目的画像情報の時系列電気デジタル画
素信号に対応して変調(オン/オフ)したレーザ光10
3を出力して回転感光体ドラム101面に走査露光した
目的画像情報に対応した静電潜像が形成される。109
はレーザ光学箱110からの出力レーザ光を感光体ドラ
ム101の露光位置に偏向させるミラーである。
【0111】フルカラー画像形成の場合は、目的のフル
カラー画像における第1の色分解成分画像、例えばイエ
ロー成分画像についての走査露光・潜像形成がなされ、
その潜像が4色カラー現像装置104のうちのイエロー
現像器104Yの作動でイエロートナー画像として現像
される。そのイエロートナー画像は感光体ドラム101
と中間転写体ドラム105との接触部(或いは近接部)
である1次転写部T1において中問転写体ドラム105
の面に転写される。中間転写体ドラム105面に対する
トナー画像転写後の回転感光体ドラム101面はクリー
ナ107により転写残りトナー等の付着残留物の除去を
受けて清掃される。
【0112】上記のような帯電・走査露光・現像・一次
転写・清掃のプロセスサイクルが、目的のフルカラー画
像の第2の色分解成分画像(例えばマゼンタ成分画像、
マゼンタ現像器104Mが作動)、第3の色分解成分画
像一(例えばシアン成分画像、シアン現像器104Cが
作動)、第4の色分釦成分画像(例えば黒成分画像、黒
現像器104BKが作動)の各色分解成分画像について
順次実行され、中間転写体ドラム105面にイエロート
ナー画像.マゼンタトナー画像・シアントナー画像・黒
トナー画像の都合4色のトナー画像が順次重ねて転写さ
れて、目的のフルカラー画像に対応したカラートナー画
像が合成形成される。
【0113】中間転写体ドラム105は、金属ドラム1
05a上に中抵抗の弾性層105bと高抵抗の表層10
5cを有するもので、感光体ドラム101に接触して或
いは近接して該感光体ドラムと略同じ周速度で矢示の時
計方向に回転駆動され、中間転写体ドラム105の金属
ドラム105aにバイアス電位を与えて、感光体ドラム
101との電位差で該感光体ドラム側のトナー画像を前
記中間転写体ドラム105面側に転写させる。
【0114】上記の中間転写体ドラム105面に合成形
成されたカラートナー画像は、前記中間転写体ドラム1
05と転写ローラ106との接触ニップ部である二次転
写部T2において、前記二次転写部T2に不図示の給紙
部から所定のタイミングで送り込まれた被記録材Pの面
に転写されていく。転写ローラ106は被記録材Pの背
面からトナーと逆極性の電荷を供給印加されることで、
中間転写体ドラム105面側から被記録材P側へ合成カ
ラートナー画像を順次に一括転写する。
【0115】二次転写部T2を通過した被記録材Pは中
間転写体ドラム105の面から分離されて像加熱装置
(定着装置)100へ導入され、未定着トナー画像の加
熱定着処理を受けてカラー画像形成物として機外の不図
示の排紙トレーに排出される。被記録材Pに対するカラ
ートナー画像転写後の中間転写体ドラム105は、クリ
ーナ108により転写残りトナー・紙粉等の付着残留物
の除去を受けて清掃される。このクリーナ108は、常
時は中間転写体ドラム105に非接触状態に保持されて
おり、中間転写体ドラム105から被記録材Pに対する
カラートナー画像の二次転写実行過程において、中間転
写体ドラム105に接触状態に保持される。
【0116】また転写ローラ106も常時は中間転写体
ドラム105に非接触状態に保持されており、中間転写
体ドラム105から被記録材Pに対するカラートナー画
像の二次転写実行過程において、中問転写体ドラム10
5に被記録材Pを介して接触状態に保持される。
【0117】本例装置は、白黒画像などモノカラー画像
のプリントモードも実行できる。また両面画像プリント
モード、或いは多重画像プリントモードも実行できる。
【0118】両面画像プリントモードの場合は、像加熱
装置100を出た1面目画像プリント済みの被記録材P
は、不図示の再循環搬送機構を介して表裏反転されて再
び二次転写部T2へ送り込まれて2面に対するトナー画
像転写を受け、再度、像加熱装置100に導入されて2
面に対するトナー画像の定着処理を受けることで両面画
像プリントが出力される。
【0119】多重画像プリントモードの場合は、像加熱
装置100を出た1回目画像プリント済みの被記録材P
は、不図示の再循環搬送機構を介して表裏反転されずに
再び二次転写部T2へ送り込まれて1回目画像プリント
済みの面に2回目のトナー画像転写を受け、再度、像加
熱装置100に導入されて2回目のトナー画像の定着処
理を受けることで多重画像プリントが出力される。
【0120】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
加圧ローラ駆動の加熱装置において、熱容量の小さい定
着ベルトを使用して室温からのクイックスタートが実現
できる電磁誘導加熱方式の加熱装置で、定着ベルトの回
転検知周期をモニタし、加圧ローラの熱膨張による搬送
速度の変化分を駆動手段の回転速度にフィードバックを
することで搬送速度変化を補正することができる。よっ
て、被記録材の安定した搬送が可能となるとともに、定
着ニップと転写ニップの間の距離を短くすることが可能
となり、本発明加熱装置を加熱定着装置として適用した
画像形成装置本体の小型化が可能となる。さらに、ファ
ーストプリントタイムの短縮が可能となる。
【0121】また、定着ニップN部での被記録材の搬送
速度を略一定に保つことができるので、定着ニップ部の
搬送速度を転写ニップの搬送速度とほぼ同等かわずかに
遅くすることで、被記録材が定着ニップに進入しても被
記録材を引張ることがないので画像の伸びが発生するこ
とがない。
【0122】さらに、カラー画像形成装置で、搬送ベル
ト上に複数の感光体をタンデムに並べ、順次トナー画像
を被記録材に転写するような場合でも、画像の伸びが発
生せず、加えて、被記録材が複数の転写ニップにまたが
った状態で、定着ニップに被記録材が進入する場合で
も、定着ニップN部での被記録材の搬送速度を略一定に
保つことができるので、転写ニップの搬送速度とほぼ同
等かわずかに定着ニップ部での搬送速度を遅くすること
で、被記録材が定着ニップに進入しても被記録材を引っ
張ることがなくなり、色ずれが発生しない良好な画像品
質を得ることができる。
【0123】また、定着ベルトの発熱域を定着ニップ部
の被記録材の進入側上方に位置させたので、装置故障に
よる定着装置暴走時、定着ニップに紙が挟まった状態で
定着器が停止し、励磁コイルに給電が続けられ定着ベル
ト10が発熱し続けた場合でも、紙が挟まっている定着
ニップ部では発熱していないために紙が直接加熱される
ことがない。
【0124】さらに、タンデム型の画像形成装置でも略
垂直に被記録材を搬送した場合、画像を乱すことなく搬
送ベルト後端と定着ニップNの距離を短くすることがで
き、より小さいサイズの被記録材の搬送が可能となる。
【0125】また、定着ベルトの回転検知に加えて被記
録材の搬送状態も同じ光学センサでモニタすることが可
能となる。このため、安価に定着ベルトの回転を検知す
ることが可能な画像形成装置の提供が可能となる。
【0126】また、加圧ローラを回転させたにもかかわ
らず定着ベルトが回転しなかった場合や定着ベルトがス
リップした場合に加熱動作を安全に停止することができ
る等の効果がある。
【0127】また、被記録材に画像を形成する画像形成
手段と、上記した本発明の加熱装置とを具備し、この加
熱装置を画像形成手段により被記録材上に形成した画像
を該被記録材に加熱定着処理する像加熱装置として構成
したので、高品質の画像を形成することのできる画像形
成装置を得ることができる等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明加熱装置としての第1の実施の形態を
示す要部の正面模型図である。
【図2】 その加熱装置の要部の横断側面模型図であ
る。
【図3】 その加熱装置の要部の横断正面模型図であ
る。
【図4】 磁場発生手段と励磁回路の関係を示した図で
ある。
【図5】 磁場発生手段と発熱量Qの関係を示した図で
ある。
【図6】 励磁コイルの巻き方を示した図である。
【図7】 電磁誘導発熱性の定着ベルトの層構成模型図
である。
【図8】 電磁誘導発熱性の定着ベルトの層構成模型図
である。
【図9】 発熱層深さと電磁波強度の関係を示したグラ
フ図である。
【図10】 検知電圧値の時間変化を示したグラフ図で
ある。
【図11】 別の形態の加熱装置の要部の正面模型図で
ある。
【図12】 別の形態の加熱装置の要部の横断側面模型
図である。
【図13】 第2の実施例の加熱装置の要部の正面模型
図である。
【図14】 その要部の排紙センサoffにおける横断
側面模型図である。
【図15】 同じくその要部の排紙センサonにおける
横断側面模型図である。
【図16】 第2の実施例の検知電圧値と時間の関係を
示したグラフ図である。
【図17】 第3の実施例の検知電圧値の時間変化を示
したグラフ図である。
【図18】 本発明加熱装置を加熱定着装置として適用
した画像形成装置の概略構成図である。
【図19】 従来の定着装置の横断側面模型図である。
【符号の説明】
1 発熱層 2 弾性層 3 離型層 4 断熱層 10 定着ベルト 16 ベルトガイド 17a,17b 磁性コア 18 励磁コイル 19 励磁コイル保持部材 23a・23b 定着ベルト端部の規制・保持用フラン
ジ部材 26 温度検知素子(サーミスタ) 27 励磁回路 30 加圧回転体としての加圧ローラ 60 回転検知パターン 61 光学センサ 62 スリット 63 発光素子 64 受光素子 65 排紙検知用アーム 66 遮光板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H033 BA11 BA12 BA25 BA31 BA32 BE06 CA13 3K059 AA08 AB19 AB27 AB28 AC47 AD08 AD29 AD30 AD32 AD34 BD23 CD10 CD75

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁場発生手段の磁界の作用で電磁誘導発熱
    する発熱回転体と、前記発熱回転体を摩擦力により駆動
    する弾性層を有する駆動回転体と、前記発熱回転体の回
    転を検知する回転検知手段とを有する加熱装置におい
    て、前記回転検知手段を用いて回転速度を検出し、検出
    した回転速度を元に前記駆動回転体の回転速度を制御す
    ることを特徴とする加熱装置。
  2. 【請求項2】前記駆動回転体は前記発熱回転体と相互圧
    接してニップ部を形成する加圧回転体であることを特徴
    とする請求項1の記載の加熱装置。
  3. 【請求項3】前記発熱回転体表面に回転検知パターンを
    形成したことを特徴とする請求項1または請求項2記載
    の加熱装置。
  4. 【請求項4】前記発熱回転体とともに回転する補助部材
    に回転検知パターンを形成したことを特徴とする請求項
    1または請求項2記載の加熱装置。
  5. 【請求項5】前記発熱回転体の回転を直接伝達される手
    段を設け、前記手段に前記回転検知パターンを形成した
    ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の加熱装
    置。
  6. 【請求項6】前記発熱回転検知パターンから前記回転検
    知手段を用いて回転速度を検出することを特徴とする請
    求項3から請求項5のうちのいずれか1項記載の加熱装
    置。
  7. 【請求項7】前記発熱回転体は無端ベルトであることを
    特徴とする請求項1から請求項6のうちのいずれか1項
    記載の加熱装置。
  8. 【請求項8】前記無端ベルトの発熱域を二ップ部の被記
    録材の進入側上方に位置させたことを特徴とする請求項
    7記載の加熱装置。
  9. 【請求項9】前記回転検知手段は被記録材の搬送状態を
    同時に検知できることを特徴とする請求項1から請求項
    7のうちのいずれか1項記載の加熱装置。
  10. 【請求項10】前記駆動回転体が回転しているにもかか
    わらず前記発熱回転体の回転が検知されない場合、前記
    発熱回転体の発熱を停止するとともに前記駆動回転体の
    回転を停止することを特徴とする請求項1から請求項9
    のうちのいずれか1項記載の加熱装置。
  11. 【請求項11】被記録材に画像を形成する画像形成手段
    と、請求項1から請求項10のうちのいずれか1項記載
    の加熱装置を具備し、前記加熱装置を前記画像形成手段
    により被記録材上に形成した画像を加熱処理する像加熱
    装置として備えたことを特徴とする画像形成装置。
  12. 【請求項12】被記録材に画像を形成する画像形成手段
    が複数あり、前記被記録材に画像を形成する部位の1カ
    所以上と前記ニップ部が同時に前記被記録材を挟持搬送
    することを特徴とする特許請求項11記載の画像形成装
    置。
  13. 【請求項13】前記被記録材は略垂直に搬送されること
    を特徴とする請求項11または請求項12記載の画像形
    成装置。
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