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JP2001354734A - 側鎖型液晶ポリマーおよびその製造方法 - Google Patents

側鎖型液晶ポリマーおよびその製造方法

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Publication number
JP2001354734A
JP2001354734A JP2000137262A JP2000137262A JP2001354734A JP 2001354734 A JP2001354734 A JP 2001354734A JP 2000137262 A JP2000137262 A JP 2000137262A JP 2000137262 A JP2000137262 A JP 2000137262A JP 2001354734 A JP2001354734 A JP 2001354734A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
side chain
liquid crystal
crystal polymer
type liquid
monomer unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000137262A
Other languages
English (en)
Inventor
Sadahiro Nakanishi
貞裕 中西
Shusaku Nakano
秀作 中野
Shu Mochizuki
周 望月
Masahiro Yoshioka
昌宏 吉岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP2000137262A priority Critical patent/JP2001354734A/ja
Publication of JP2001354734A publication Critical patent/JP2001354734A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Liquid Crystal (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複屈折率特性を制御しうる液晶ポリマーを提
供すること。 【解決手段】 正の複屈折率を有するフラグメント側鎖
を含有するモノマーユニット(a)と前記モノマーユニ
ット(a)のフラグメント側鎖よりも小さい正の複屈折
率を有するフラグメント側鎖を含有するモノマーユニッ
ト(b)を含有することを特徴とする側鎖型液晶ポリマ
ー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、側鎖型液晶ポリマ
ーおよびその製造方法に関する。本発明の側鎖型液晶ポ
リマーは、光学素子に好適な複屈折率特性を有し、たと
えば、視角補償板、位相差板、コレステリック反射板等
の各種光学素子に用いられる。
【0002】
【従来の技術】液晶ポリマーは光学的異方特性を有する
ことから、液晶ディスプレイなどの光学用途への応用例
が数多く報告されている。たとえば、液晶ポリマーは、
その複屈折現象を利用して、視角補償板、位相差板、コ
レステリック反射板などの用途に用いられている。一般
に、サーモトロピック性の液晶ポリマーでは、ポリマー
を適当な温度に加熱するか、あるいは等方相からの冷却
によつて複屈折性を発現させることができる。
【0003】しかし、前記液晶ポリマーの複屈折性の程
度は、液晶ポリマーに固有な値であるため、液晶ポリマ
ーの複屈折率を変化させるには液晶ポリマーの素材その
ものを変えて各々の液晶ポリマーの複屈折率を確認しな
ければならなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、複屈折率特性を制御しうる液晶ポリマーを提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す側鎖型
液晶ポリマーにより、上記目的を達成しうることを見出
し本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、正の複屈折率を有す
るフラグメント側鎖を含有するモノマーユニット(a)
と前記モノマーユニット(a)のフラグメント側鎖より
も小さい正の複屈折率を有するフラグメント側鎖を含有
するモノマーユニット(b)を含有することを特徴とす
る側鎖型液晶ポリマー、に関する。
【0007】本発明の側鎖型液晶ポリマーは、正の複屈
折率特性を持つモノマーユニット(a)の他に、当該モ
ノマーユニット(a)よりも小さな正の複屈折率特性を
持つモノマーユニット(b)を有しているため、当該モ
ノマーユニット(b)の割合(共重合比)を適宜に調整
して側鎖型液晶ポリマーを製造することにより、モノマ
ーユニット(a)の単独からなる側鎖型液晶ポリマーよ
りも複屈折率特性を小さくすることで側鎖型液晶ポリマ
ーの複屈折率特性を所望の複屈折値に制御しうる。こう
した側鎖型液晶ポリマーの複屈折率特性の制御により高
性能な光学素子の作製が可能となる。
【0008】前記モノマーユニット(a)は複屈折現象
を利用して、視角補償板、位相差板、コレステリック反
射板等において複屈折率特性を示しうる程度の正の複屈
折率を有しているのが好ましい。一方、モノマーユニッ
ト(b)は、前記正の複屈折率よりも小さな複屈折率
で、前記正の大きな複屈折率と組み合わせた場合に、複
屈折率特性を小さくしうる程度の複屈折率を有している
ものが好ましい。
【0009】モノマーユニット(a)、モノマーユニッ
ト(b)のフラグメント側鎖の複屈折率は、(a)/
(b)>1であり、好ましくは(a)/(b)>1.
1、より好ましくは(a)/(b)>1.5である。一
方、(a)/(b)の値が大きくなると、複屈折率特性
を制御し難くなる傾向があるため、(a)/(b)<1
00、さらには(a)/(b)<10のものが好まし
い。
【0010】前記モノマーユニット(a)におけるフラ
グメント側鎖は、アルコキシ基、シアノ基、フルオロ基
およびアルキル基から選ばれるいずれか少なくとも一つ
の置換基を含むことが好ましい。このような置換基を有
するフラグメント側鎖を有するモノマーユニットは、良
好な複屈折率特性を示す。
【0011】前記モノマーユニット(a)としては、た
とえば、一般式(a):
【化4】 (ただし、R1 は水素原子またはメチル基を、aは1〜
6の正の整数を、X1 は−CO2 −基または−OCO−
基を、R2 はシアノ基、アルコキシ基、フルオロ基また
はアルキル基を、bおよびcはそれぞれ1または2の整
数を示す。)で表されるモノマーユニットがあげられ
る。かかる一般式(a)で表されるモノマーユニットが
複屈折率特性において好ましい。
【0012】また前記モノマーユニット(b)における
フラグメント側鎖は、アルコキシ基、シアノ基、フルオ
ロ基、アルキル基およびピリダジン基から選ばれるいず
れか少なくとも一つの置換基を有することが好ましい。
このような置換基を有するフラグメント側鎖を有するモ
ノマーユニットにより、複屈折率特性の制御が可能であ
る。
【0013】前記モノマーユニット(b)としては、た
とえば、一般式(b):
【化5】 (ただし、R3 は水素原子またはメチル基を、dは1〜
6の正の整数を、eは1または2の正の整数を、X2
−CO2 −基または−OCO−基を、R4 は一般式
(c):
【化6】 (式中、R5 はシアノ基、フルオロ基、アルコキシ基ま
たはアルキル基を示す。)で表される置換基を示す。)
で表されるモノマーユニットがあげられる。かかる一般
式(b)で表されるモノマーユニットが複屈折率特性の
制御において好ましい。
【0014】また、モノマーユニット(a)とモノマー
ユニット(b)の割合は、特に制限されるものではな
く、モノマーユニットの種類にもよって異なるが、
(b)/{(a)+(b)}=0. 01〜0. 8(モル
比)とするのが好ましい。かかる範囲で、モノマーユニ
ット(b)の割合を適宜に変更して、側鎖型液晶ポリマ
ーの複屈折率特性を制御する。
【0015】また、側鎖型液晶ポリマーの重量平均分子
量が、2千〜10万であるのが好ましい。重量平均分子
量をかかる範囲に調整することにより液晶ポリマーとし
ての性能を発揮する。側鎖型液晶ポリマーの重量平均分
子量が過少では非流動層としての成膜性に乏しくなる傾
向があるため、重量平均分子量は2.5千以上とするの
がより好ましい。一方、重量平均分子量が過多では液晶
としての配向性、特にラビング配向膜等を介したモノド
メイン化に乏しくなって均一な配向状態を形成しにくく
なる傾向があるため、重量平均分子量は5万以下とする
のがより好ましい。
【0016】また、本発明の側鎖型液晶ポリマーは、通
常、モノドメイン配向性を有するものであり、任意の複
屈折率値のものが得られることから、液晶ポリマーの光
学異方性を利用した各種の光学材料の高性能化が可能と
なる。
【0017】さらに、本発明は、正の複屈折率を有する
フラグメント側鎖を含有するモノマー(a)と、前記モ
ノマー(a)のフラグメント側鎖よりも小さい正の複屈
折率を有するフラグメント側鎖を含有するモノマー
(b)を共重合することにより、モノマー(a)のフラ
グメント側鎖の複屈折率特性を制御することを特徴とす
る前記側鎖型液晶ポリマーの製造方法、に関する。
【0018】前記側鎖型液晶ポリマーは、正の複屈折率
を有するフラグメント側鎖を含有するモノマー(a)の
共重合成分として、前記モノマー(a)のフラグメント
側鎖よりも小さい正の複屈折率を有するフラグメント側
鎖を含有するモノマー(b)を用いたものであり、モノ
マー(b)の割合を適宜に調整することにより、モノマ
ー(a)の正の複屈折率を有するフラグメント側鎖の複
屈折率特性を所望の値になるように制御した側鎖型液晶
ポリマーを製造することができる。
【0019】また、本発明は、正の複屈折率を有するフ
ラグメント側鎖を含有するモノマーユニット(a)を含
有する側鎖型液晶ポリマーの複屈折特性を、前記側鎖型
液晶ポリマーに、共重合モノマーユニットとして、前記
モノマー(a)のフラグメント側鎖よりも小さい正の複
屈折率を有するフラグメント側鎖を含有するモノマーユ
ニット(b)を含有させ、モノマーユニット(b)の割
合を変化させることにより、所望の値に制御する方法、
に関する。
【0020】モノマーユニット(a)のフラグメント側
鎖よりも小さい正の複屈折率を有するフラグメント側鎖
を含有するモノマーユニット(b)の割合の調整によ
り、側鎖型液晶ポリマーの複屈折特性の制御ができる。
【0021】さらに、本発明は、前記側鎖型液晶ポリマ
ーからなる光学素子に関する。さらに、本発明は、前記
光学素子を用いた液晶ディスプレイに関する。本発明の
側鎖型液晶ポリマーは、光学素子として有用で、液晶デ
ィスプレイに用いられる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の側鎖型液晶ポリマーは、
前記モノマーユニット(a)、モノマーユニット(b)
に対応するアクリル系モノマーまたはメタクリル系モノ
マーを共重合することにより調製できる。なお、モノマ
ーユニット(a)、モノマーユニット(b)に対応する
モノマーは公知の方法により合成できる。モノマーユニ
ット(a)、モノマーユニット(b)中の置換基となり
うるアルキル基、アルコキシ基の炭素数は通常1〜6程
度のものが用いられる。
【0023】共重合体の調製は、例えばラジカル重合方
式、カチオン重合方式、アニオン重合方式などの通例の
アクリル系モノマー等の重合方式に準じて行うことがで
きる。なお、ラジカル重合方式を適用する場合、各種の
重合開始剤を用いうるが、そのうちアゾビスイソブチロ
ニトリルや過酸化ベンゾイルなどの分解温度が高くもな
く、かつ低くもない中間的温度で分解するものが好まし
く用いられる。
【0024】得られた側鎖型液晶ポリマーは、従来の配
向処理に準じた方法により、ネマチック液晶配向の非流
動層を形成する。配向処理法としては、たとえば、プラ
スチック基板上にポリイミドやポリビニルアルコール等
からなる配向膜を形成してそれをレーヨン布等でラビン
グ処理した後、その上に液晶ポリマーを展開してガラス
転移温度以上、等方相転移温度未満に加熱し、液晶ポリ
マー分子が配向した状態でガラス転移温度未満に冷却し
てガラス状態とし、当該配向が固定化された固化層を形
成する方法等が挙げられる。さらに,液晶ポリマーの配
向方法として上記ラビングの代わりに延伸フィルムを配
向膜として用いる方法やシンナメートやアゾベンゼンを
有するポリマーあるいはポリイミドに偏光紫外線を照射
して配向膜とする方法、磁場、電磁配向、ずり応力操
作、あるいは延伸による配向操作を用いることができ
る。
【0025】前記の基板としては、例えばトリアセチル
セルロースやポリビニルアルコール、ポリイミドやポリ
アリレート、ポリエステルやポリカーボネート、ポリス
ルホンやポリエーテルスルホン、エポキシ系樹脂の如き
プラスチックからなるフィルム、あるいはガラス板など
の適宜なものを用いうる。基板上に形成した液晶ポリマ
ーの非流動層は、基板との一体物としてそのまま光学素
子の形成に用いることができ、基板より剥離してフィル
ムなどからなる光学素子の形成に用いることもできる。
【0026】液晶ポリマーの展開は、加熱溶融方式によ
ってもよいし、溶剤による溶液として展開することもで
きる。その溶剤としては、例えば塩化メチレンやシクロ
ヘキサノン、トリクロロエチレンやテトラクロロエタ
ン、N−メチルピロリドンやN,N−ジメチルホルムア
ミド、テトラヒドロフランやジオキサン、ジメチルスル
ホキシドなどの適宜なものを用いうる。展開は、バーコ
ーターやスピナー、ロールコーターなどの適宜な塗工機
にて行うことができる。
【0027】形成する液晶ポリマーの非流動層の厚さ
は、0.5〜20μmが好ましい。厚さが薄すぎると複
屈折特性を示しにくくなるため、1μm以上が好まし
い。厚さが厚すぎると均一配向性に劣って複屈折特性を
示さない場合があり、また配向処理に長時間を要するこ
となどより10μm以下とするのが好ましい。なお、光
学素子の形成に際しては、当該液晶ポリマー以外のポリ
マーや安定剤、可塑剤などの無機や有機、あるいは金属
類などからなる種々の添加剤を必要に応じて配合するこ
とができる。
【0028】前記液晶ポリマーから得られる光学素子と
しては、視角補償板、位相差板、カラー反射板などが挙
げられる。これらいずれの光学素子においても、複屈折
の制御がその光学特性に大きく影響する。このように複
屈折を制御した液晶ポリマーから得られる光学素子は、
液晶ディスプレイの表示品位向上に役立つ。
【0029】
【実施例】以下に製造例、実施例をあげて本発明を具体
的に説明する。
【0030】合成例1(モノマーユニット(a)に対応
するモノマーの合成)
【化7】 式(a1)で表されるアクリル系モノマーの合成例を化
7に示した。
【0031】水酸化カリウム溶液(KOH300g,エ
タノール700ml,水300ml)に、4−ヒドロキ
シ安息香酸276g(2mol)と触媒量のヨウ化カリ
ウムを加えて溶解した。加温状態でエチレンクロロヒド
リン177g(2.2mol)をゆっくり加えて約15
時間還流した(反応とともに塩化カリウムが析出し
た)。反応終了後エタノールを留去し、水2リットル中
に反応液を加えた。この水溶液をジエチルエーテルで2
回洗浄後、水層を4×103 mol/m3 塩酸で酸性と
した。得られた沈殿物をろ過、乾燥後、エタノールで再
結晶して、4−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸を
得た(収量290g,収率82%,純度98%)。
【0032】4−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸
182g(1mol)、ヒドロキノン40g、pートル
エンスルホン酸40g、アクリル酸600mlをベンゼ
ン/トルエン=1/1(重量比)の混合溶媒600ml
に溶解した。Dean−Stark管を用いて理論量の
水が系外に除かれるまで還流(約15時間)した。次に
反応液をジエチルエーテル4リットルに入れ、温水洗浄
を行なった。さらに飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナト
リウムで乾燥した。溶媒を留去し、得られた固体をアセ
トン/ヘキサン=1/1(重量比)の混合溶媒で再結晶
し、4−(2−プロペノイルオキシエトキシ)安息香酸
を得た(収量153g,収率65%,純度97%)。
【0033】4−(2−プロペノイルオキシエトキシ)
安息香酸23.6g(0.1mol)をアセトン400
mlに加えた。さらにトリフルオロ酢酸無水物20.8
ml(0.15mol)を加えて攪拌した。4−シアノ
−4´−ヒドロキシビフェニル19.5g(0.1mo
l)を反応液に加え室温で6時間反応させた。反応液を
留去後、ジエチルエーテルに溶解して、水、炭酸水素ナ
トリウム飽和水溶液及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、得られた固体を
アセトニトリル600mlで再結晶し、目的物の(a
1)モノマーを得た(収量29.3g,収率71%,純
度99%)。
【0034】合成例2(モノマーユニット(b)に対応
するモノマーの合成)
【化8】 式(b1)で表されるアクリル系モノマーの合成例を化
8に示した。
【0035】p−メトキシフェノール15g(121m
mol) 、4−(2−プロペノイルオキシエトキシ)安
息香酸30g(127mmol) 、ジメチルアミノピリ
ジン0.8g(6mmol,式中DMAP) および少量
の重合禁止剤として2, 6−ジ−tert−ブチル−p
−クレゾールを含有する塩化メチレン溶液250mlを
500mlナスフラスコに仕込んで懸濁液とし、次いで
これに塩化メチレン50mlで希釈したジシクロヘキシ
ルカルボジイミド25.4g(125mmol,式中D
CC) を少量ずつ加え、終夜攪拌した。析出したジシク
ロヘキシルウレアをろ別し、塩化メチレンを加えて全量
を600mlにしてから、ろ液を塩酸水溶液、飽和炭酸
水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸
マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。粗生成物を熱
イソプロパノールから再結晶することにより精製し、目
的物のモノマー(b1)を得た(収量31 g ,収率75
%)。
【0036】実施例1(側鎖型液晶ポリマーの合成)
【化9】 化9中、nは側鎖型液晶ポリマーを構成する(b1)モ
ノマーのモル%を示す。なお、化9は便宜的に側鎖型液
晶ポリマーをブロック体で表した。
【0037】表1に示す所定量の前記(a1)モノマー
と前記(b1)モノマーおよびジメチルアセトアミド
(DMAc)/テトラヒドロフラン(THF)=4/1
(重量比)の混合溶媒30mlを三つ口フラスコに仕込
んだ後、窒素気流下で加熱攪拌してモノマーを完全に溶
解した。そこへ少量の前記混合溶媒に溶解したアゾビス
イソブチロニトリル(AIBN)100mgを滴下し
た。6時間還流した後、加熱を止め反応液を室温に戻し
てから、反応溶液をメタノール150ml中へ滴下して
ポリマーを再沈殿させた。ポリマーをろ別し、メタノー
ル/THF=3/2(重量比)の混合溶媒50mlで洗
浄した後、ろ別、乾燥して側鎖型液晶ポリマーを得た。
反応基質の(a1)モノマーと(b1)モノマーの使用
量、(b1)モノマーの割合、得られた側鎖型液晶ポリ
マーの収量、収率、重量平均分子量を表1に示す。
【0038】ガラス基板上にポリビニルアルコール(日
本合成化学製,NH−18)の5%水溶液を2000r
pm、20秒の条件でスピンコートし、150℃で30
分間加熱した後、ラビングして配向膜とした。次いで、
上記で得られた側鎖型液晶ポリマーのシクロヘキサノン
溶液(濃度25重量%)を、配向膜上にスピンコート
し、100℃に加熱して側鎖型液晶ポリマーを配向させ
た。側鎖型液晶ポリマーの膜厚は2.2μmであった。
【0039】[複屈析率測定]得られた液晶ポリマー配
向物の正面位相差(△n・d)および膜厚(d)を測定
した結果から、複屈折率(△n)を以下の式で算出し
た。正面位相差(△n・d)はセナルモン法により測定
した。結果を表1に示す。 複屈折率(△n)=正面位
相差(△n・d)/側鎖型液晶ポリマー配向物膜厚
(d)。
【0040】[位相差(Δn・ d) の波長分散測定]
モノクロメーターにより測定光の波長を変えて,セナル
モン法により液晶ポリマー配向物の正面位相差(Δn・
d) を測定した。位相差の波長分散(α)を以下のよ
うに定義した。結果を表1に示す。
【0041】α=Δn・d(450nm)/Δn・d
(590nm)。
【0042】なお、(a1)モノマーのみで形成される
側鎖型液晶ポリマー、(b1)モノマーのみで形成され
る側鎖型液晶ポリマーも前記と同様に合成し、前記と同
様にして複屈折率(0.30)および位相差の波長分散
(α:1.170)を算出した。結果を表1に示す。
【0043】
【表1】 表1から、本発明の側鎖型液晶ポリマーは、(a1)モ
ノマーユニットに代表される正の大きい複屈折率を有す
るフラグメント側鎖に対して、(b1)モノマーユニッ
トに代表される正の小さい複屈折率を有するフラグメン
ト側鎖の割合を調整することにより、複屈折率特性を
(a1)フラグメントのみで形成される側鎖型液晶ポリ
マーの特性(Δn=0.30)と(b1)フラグメント
のみで形成される側鎖型液晶ポリマーの特性(Δn=
0.15)の間で制御しうることが認められる。
【0044】また、液晶ディスプレイの表示品位の向上
のためには液晶ディスプレイの液晶の複屈折(Δn)の
波長分散と位相差板の複屈折の波長分散が一致すること
が望ましいと考えられており、これまで、液晶のΔnに
応じて位相差板としてポリカーボネート(α:1.1
0)やポリエーテルサルホン(α:1.17)などの高
分子材料を延伸したものが使用されているが、表1に示
す通り、本発明の側鎖型液晶ポリマーは、ポリカーボネ
ートとポリエーテルサルホンの間の複屈折(Δn)の波
長分散を連続的に制御可能であり、位相差板の液晶ディ
スプレイの液晶の複屈折波長分散との一致が容易にな
る。
【0045】合成例3(モノマーユニット(b)に対応
するモノマーの合成)
【化10】 式(b2)で表されるアクリル系モノマーを合成例2と
同様に合成した。
【0046】p−フルオロフェノール5g(44. 6m
mol) 、4−(2−プロペノイルオキシエトキシ)安
息香酸10. 64g(45mmol) 、ジメチルアミノ
ピリジン0.8g(6mmol,式中DMAP) および
少量の重合禁止剤として2,6−ジ−tert−ブチル
−p−クレゾールを含有する塩化メチレン溶液100m
lを500mlナスフラスコに仕込んで懸濁液とし、次
いでこれに塩化メチレン50mlで希釈したジシクロヘ
キシルカルボジイミド9. 29g(45mmol,式中
DCC) を少量ずつ加え、終夜攪拌した。析出したジシ
クロヘキシルウレアをろ別し、塩化メチレンを加えて全
量を600mlにしてから、ろ液を塩酸水溶液、飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫
酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。粗生成物を
へキサンから再結晶することにより精製し、目的物のモ
ノマー(b2)を得た(収量7. 41 g ,22. 4mm
ol, 収率50%)。
【0047】実施例2(側鎖型液晶ポリマーの合成) 実施例1において、表1に示す所定量(b1)モノマー
を表2に示す所定量(b2)モノマーに代えた以外は実
施例1と同様にして、側鎖型液晶ポリマーを得た。反応
基質の(a1)モノマーと(b2)モノマーの使用量、
(b1)モノマーの割合、得られた側鎖型液晶ポリマー
の収量、収率、重量平均分子量を表2に示す。
【0048】次いで、実施例1と同様にして、複屈析率
および位相差(Δn・ d) の波長分散(α)を測定し
た。配向させた側鎖型液晶ポリマーの膜厚は2.4μm
であった。結果を表2に示す。
【0049】なお、(a1)モノマーのみで形成される
側鎖型液晶ポリマー、(b2)モノマーのみで形成され
る側鎖型液晶ポリマーも前記と同様に合成し、前記と同
様にして複屈折率等を算出した。結果を表2に示す。
【0050】
【表2】 表2から、本発明の側鎖型液晶ポリマーは、(a1)モ
ノマーユニットに代表される正の大きい複屈折率を有す
るフラグメント側鎖に対して、(b2)モノマーユニッ
トに代表される正の小さい複屈折率を有するフラグメン
ト側鎖の割合を調整することにより、複屈折率特性を
(a1)フラグメントのみで形成される側鎖型液晶ポリ
マーの特性(Δn=0.30)と(b2)フラグメント
のみで形成される側鎖型液晶ポリマーの特性(Δn=
0.09)の間で制御しうることが認められる。また、
ポリカーボネート(α:1.10)とポリエーテルサル
ホン(α:1.17)の間の複屈折(Δn)の波長分散
を連続的に制御可能であり、位相差板の液晶ディスプレ
イの液晶の複屈折波長分散との一致が容易になる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 望月 周 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 吉岡 昌宏 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 2H049 BA06 BA42 BB43 BC04 2H091 FA11X FA11Z FA14Z FB02 FC01 GA01 JA01 KA02 4J100 AL08P AL08Q BA02P BA02Q BA05Q BA15P BA15Q BA40P BB07Q BC43P BC43Q BC44P CA04 DA01 DA63 FA03 FA19 JA32 JA39

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正の複屈折率を有するフラグメント側鎖
    を含有するモノマーユニット(a)と前記モノマーユニ
    ット(a)のフラグメント側鎖よりも小さい正の複屈折
    率を有するフラグメント側鎖を含有するモノマーユニッ
    ト(b)を含有することを特徴とする側鎖型液晶ポリマ
    ー。
  2. 【請求項2】 正の複屈折率を有するフラグメント側鎖
    を含有するモノマーユニット(a)における、当該フラ
    グメント側鎖が、アルコキシ基、シアノ基、フルオロ基
    およびアルキル基から選ばれるいずれか少なくとも一つ
    の置換基を含むことを特徴とする請求項1記載の側鎖型
    液晶ポリマー。
  3. 【請求項3】 正の複屈折率を有するフラグメント側鎖
    を含有するモノマーユニット(a)が、一般式(a): 【化1】 (ただし、R1 は水素原子またはメチル基を、aは1〜
    6の正の整数を、X1 は−CO2 −基または−OCO−
    基を、R2 はシアノ基、アルコキシ基、フルオロ基また
    はアルキル基を、bおよびcはそれぞれ1または2の整
    数を示す。)で表されるモノマーユニットである請求項
    1または2記載の側鎖型液晶ポリマー。
  4. 【請求項4】 正の複屈折率を有するフラグメント側鎖
    を含有するモノマーユニット(b)における、当該フラ
    グメント側鎖が、アルコキシ基、シアノ基、フルオロ基
    およびアルキル基から選ばれるいずれか少なくとも一つ
    の置換基を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    かに記載の側鎖型液晶ポリマー。
  5. 【請求項5】 正の複屈折率を有するフラグメント側鎖
    を含有するモノマーユニット(b)が、一般式(b): 【化2】 (ただし、R3 は水素原子またはメチル基を、dは1〜
    6の正の整数を、eは1または2の正の整数を、X2
    −CO2 −基または−OCO−基を、R4 は一般式
    (c): 【化3】 (式中、R5 はシアノ基、フルオロ基、アルコキシ基ま
    たはアルキル基を示す。で表される置換基を示す。)で
    表されるモノマーユニットである請求項1〜4のいずれ
    かに記載の側鎖型液晶ポリマー。
  6. 【請求項6】 重量平均分子量が、2千〜10万である
    請求項1〜5のいずれかに記載の側鎖型液晶ポリマー。
  7. 【請求項7】 モノドメイン配向性を有する請求項1〜
    6のいずれかに記載の側鎖型液晶ポリマー。
  8. 【請求項8】 正の複屈折率を有するフラグメント側鎖
    を含有するモノマー(a)と、前記モノマー(a)のフ
    ラグメント側鎖よりも小さい正の複屈折率を有するフラ
    グメント側鎖を含有するモノマー(b)を共重合するこ
    とにより、モノマー(a)のフラグメント側鎖の複屈折
    率特性を制御することを特徴とする請求項1〜7のいず
    れかに記載の側鎖型液晶ポリマーの製造方法。
  9. 【請求項9】 正の複屈折率を有するフラグメント側鎖
    を含有するモノマーユニット(a)を含有する側鎖型液
    晶ポリマーの複屈折特性を、前記側鎖型液晶ポリマー
    に、共重合モノマーユニットとして、前記モノマー
    (a)のフラグメント側鎖よりも小さい正の複屈折率を
    有するフラグメント側鎖を含有するモノマーユニット
    (b)を含有させ、モノマーユニット(b)の割合を変
    化させることにより、所望の値に制御する方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜7のいずれかに記載の側鎖
    型液晶ポリマーからなる光学素子。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の光学素子を用いた液
    晶ディスプレイ。
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