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JP2001346695A - 加熱調理器具 - Google Patents

加熱調理器具

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Publication number
JP2001346695A
JP2001346695A JP2000171534A JP2000171534A JP2001346695A JP 2001346695 A JP2001346695 A JP 2001346695A JP 2000171534 A JP2000171534 A JP 2000171534A JP 2000171534 A JP2000171534 A JP 2000171534A JP 2001346695 A JP2001346695 A JP 2001346695A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heating
heating plate
temperature
heat
cooking
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000171534A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshitaka Kawasaki
良隆 川崎
Ikuko Tanaka
郁子 田中
Akiko Sugiyama
亜希子 杉山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2000171534A priority Critical patent/JP2001346695A/ja
Publication of JP2001346695A publication Critical patent/JP2001346695A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Cookers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の加熱調理器は加熱面の温度が低いため
食材の食味や食感を損なっていた。 【解決手段】 加熱プレート12を約500度もの高温
に加熱昇温させるとともに、加熱面の30%以下となる
突起部14を設け、食材と非接触の平面部13からの輻
射熱で食材を加熱することで、食材の食味や食感を損な
わない加熱調理器具を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、調理食材を加熱し
て調理する加熱調理器具において、食材への熱伝達を主
に輻射加熱によって行う加熱調理の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】肉や野菜などの食材を加熱して調理する
加熱調理器具、いわゆるホットプレートは従来より各種
実用されているが、この種の器具において、熱源として
はガスコンロ等の燃焼熱を利用するものや、電熱ヒータ
による発熱を用いたもの、あるいはIHヒータと呼ばれ
る電磁誘導加熱を利用したもの等があり、またこれらの
熱を受けて食材に熱を伝える器具(加熱プレート)とし
ては、鉄製やアルミニウム製のものが一般的に用いられ
ている。
【0003】図8は、従来の加熱調理器具の部分縦断面
図である。この従来の加熱調理器具においては、熱源に
よって加熱された加熱プレート上に食材を載置して加熱
調理するが、加熱プレートの加熱面(食材に接触するプ
レートの上表面)は、平坦な平滑面または図8に示すよ
うな一部に溝部を設けた凹凸面で構成されていた。図8
の構成では、アルミニウム製の加熱プレート31は底部
に埋設された電熱ヒータ32により加熱され、温度検出
部33によって検出された温度に応じて加熱制御部(詳
細は省略)34で電熱ヒータ32への通電量が制御され
ており、その設定温度は調理の用途に応じて制御つまみ
35で自在に設定できるよう構成されている。加熱プレ
ート31上には食材36が載置され、この食材36下面
が加熱プレート31の平面部37に接触して加熱され、
また食材36から浸出した汁液は溝部38を介して流出
するようになっている。この構成では、平面部37の総
面積は加熱プレート31上面の総面積に対して、溝部3
8のない平滑面形状では10割となるが、溝部38を有
するものでも8割程度を占めており、食材36への熱供
給の大部分は、食材36と平面部37とが接触した部分
で熱が伝導する熱伝達によって行われることになる。こ
のため、加熱プレート31の温度を過剰に上げると食材
36の表面のみが急速に加熱され、内部への熱浸透が行
われない状況となる。この状況を避けるため、加熱プレ
ート31の表面温度が250〜350℃程度に制御する
のが一般的である。しかしながらこの温度では、例えば
肉類や魚介類などの加熱調理において、表面の迅速な加
熱と適度な内部への熱浸透により、内部の肉汁を保存し
ながら適度な加熱調理を行うことが困難で、食材36の
食味や食感を損なうという問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
の有する問題点を解決することを課題とし、食材の食味
や食感を維持し得る加熱調理器具を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載の本発明は、調理食材を載置して加熱
する加熱プレートと、前記加熱プレートの温度を検出す
る検温手段と、前記加熱プレートを所定温度に加熱昇温
せしめる加熱手段と、前記検温手段と連動して前記加熱
手段の入力を制御する制御手段とを備え、前記加熱プレ
ートの調理食材を載置する側の面に多数の突起体を配置
し、前記多数の突起体の頂部の合計の面積が、前記加熱
プレートの調理食材を載置する側の面の面積に対して3
0%以下とした加熱調理器具を構成したことを特徴とす
る。
【0006】また、上記課題を解決するため、請求項2
記載の本発明は、前記加熱プレートの調理食材を載置す
る側の面の、少なくとも前記多数の突起体の配置部以外
の面を高輻射率とした請求項1記載の加熱調理器具を構
成したことを特徴とする。
【0007】また、上記課題を解決するため、請求項3
記載の本発明は、前記加熱プレートの熱伝導性を大と
し、前記突起体の熱伝導性を小とした請求項1または2
記載の加熱調理器具を構成したことを特徴とする。
【0008】また、上記課題を解決するため、請求項4
記載の本発明は、前記加熱プレートの調理食材を載置す
る側の面の、少なくとも前記突起体の配置部以外の面
を、相互に連通する溝形状に構成とするとともに、周縁
部に向けて下方傾斜させた請求項1、2または3記載の
加熱調理器具を構成したことを特徴とする。
【0009】また、上記課題を解決するため、請求項5
記載の本発明は、前記加熱手段は電磁誘導の加熱手段と
し、前記加熱プレートの少なくとも底部を電磁誘導加熱
可能な材料で構成するとともに、前記底部を遮熱部材で
覆い、さらに前記底部と遮熱部材との間に小空間を設
け、前記遮熱部材の熱伝導性を小となるように構成した
請求項1ないし4いずれかに記載の加熱調理器具を構成
したことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。なお本発明の実施には加熱プ
レートを所定温度に加熱するための各種手段が用いられ
るが、その方式としてはガスコンロ等の火炎燃焼熱を用
いる方式、電熱ヒータによる抵抗発熱を用いる方式、電
熱ランプを用いてその輻射熱により加熱する方式、ある
いは渦電流によって加熱プレートを電磁誘導加熱する方
式等の各種の方式があるが、使用場所や設置条件等に応
じて任意に選択することができ、これらはいずれも従来
から一般的に採用されている手段であり、本明細書では
これらについての技術的説明は省略する。また、加熱プ
レートの温度検出および制御手段としては、サーミスタ
や熱電対を加熱プレートに接触配置させて温度情報を検
出し、電気回路によって温調する方式や、バイメタルや
形状記憶合金によって温度情報を機械的動作に変換し、
加熱入力を制御する方式などがあるが、最適な方式を任
意に選択可能であり、これらについても従来より一般的
に用いられているもので、ここでの詳細な説明は省略す
る。
【0011】(実施の形態1)図1は、本発明に係る加
熱調理器具の第1の実施の形態の平面図、図2は同加熱
調理器具の要部縦断面図である。図1および図2におい
て、11は渦電流を発して加熱プレート12を所定温度
に加熱昇温せしめる電磁誘導加熱を行う加熱部、12は
加熱部11上に載置され、食材を加熱調理する鋳鉄製の
加熱プレート、15は加熱プレート15の温度を検出す
るサーミスタを埋め込んだ温度検出部、16は温度検出
部15と連動して必要加熱量を制御する制御回路を内蔵
した制御部である。ここで加熱プレート12の調理食材
を載置する側の面は、断面台形状の多数の突起部14が
配置されており、ここに載置されて加熱される食材は、
突起部14の先端に支えられ、平面部13からは突起部
14の高さに相当する距離だけ遊離して中空に位置する
よう構成されている。
【0012】次に、本実施の形態の動作と効果について
説明する。加熱プレート12上に載置された食材は、突
起部14に支えられて中空に浮遊した状態で保持され、
一部は突起部14からの直接の熱伝導によって熱供給を
受けるものの、大部分は平面部13からの輻射熱の供給
を受けて加熱される。突起部14は断面台形状になって
おり、ここでの熱供給量は微少であるから、加熱プレー
ト12の温度を所定温度の比較的高温(例えば500℃
程度)に加熱昇温させても、食材の載置によって、突起
部14の食材が接触する部分の温度は低下し、ここに接
触する食材が過熱されて炭化に近い状態になることは避
けられる。一方平面部13から発せられる輻射熱は、上
方の食材の有無に大きな影響を受けずにほぼ安定した温
度状態を維持し、安定的な輻射熱(その大部分は波長3
μm以上の遠赤外線)を供給することができる。
【0013】従来の接触型の食材載置による熱伝導加熱
の場合と加熱プレート12の表面温度を比較する(従来
例では加熱プレート31の表面温度)と、図3に示すよ
うな温度変化の差が得られる。すなわち、従来の熱伝導
加熱(●印)では、食材の載置によって急激に加熱プレ
ート31の表面温度が低下し、これを補うために加熱制
御部34での制御機能が動作して加熱入力が増加され、
所定の設定温度に昇温される。食材が追加載置される毎
にこの制御が繰り返され、加熱状態は不安定となって、
食材の加熱調理に適した温度を維持することが困難とな
る。さらに食材表面の過熱炭化を避けるためには、過熱
プレート31の表面温度設定はあまり高温にはできず、
食材の食味や食感を維持確保するが困難な状態で使用せ
ざるを得ない。
【0014】これに対して本実施の形態(○印)では、
食材の載置によって加熱プレート12の表面温度はほと
んど変化せず、所定の加熱条件を維持し得る安定した状
態が確保できる。同時に加熱プレート12の設定温度
(所定温度)は、食材と平面部13との直接接触がな
く、遠赤外線を主体とした輻射加熱によって加熱調理さ
れるから、食材の表面を適度に加熱して、表面に被覆保
護層を形成し、内部の肉汁を浸出させることなく保持で
きるように加熱調理できると同時に、内部へは食材自体
の熱伝達により穏やかにかつ均一に熱供給がなされ、食
味と食感を高度に維持した加熱調理が可能となるという
効果が得られる。
【0015】この効果は、加熱プレート12の総面積
(A)に対して突起部14の食材へ接触する頂部の合計
の面積(B)が小さいほどより効果が高い。そこで、突
起体の頂部の合計の面積を変化させたときの、牛肉片の
加熱調理状態を比較した。(実験1)は、突起部を断面
台形状の円柱構造とした場合、(実験2)は、突起部を
断面台形状のレール構造とした場合である。
【0016】(実験1)図1に示す構成で、外形30c
mの円形の鋳鉄製加熱プレート12の表面に、高さ1c
mの断面台形状の円柱構造の突起部14を148個、均
等間隔で立設した。突起部14は、底部と先端部との外
形寸法比を3:2とし、先端部外径寸法は、1mm、2
mm、6mm、10mm、12mm、15mm、16m
mの7種類とした。試験条件は、加熱プレート12の平
面部の表面温度が500℃となるように加熱した後、突
起部14上に牛肉片を載置して1分間加熱し、牛肉片の
加熱調理状態と加熱プレート12の平面部の到達最低温
度差(初期の500℃と牛肉片載置によって低下した最
低温度との差)を観察、測定した。
【0017】(実験2)外形30cmの円形の鋳鉄製加
熱プレート12の表面に、高さ1cmの断面台形状のレ
ール構造の直線状の突起部14を14列、均等間隔で立
設した。突起部14は底部と先端部との断面幅寸法比を
3:2とし、先端幅寸法は、1mm、2mm、4mm、
6mm、8mm、10mm、12mmの7種類とした。
試験条件は(実験1)と同一とした。
【0018】(表1)は、この二つの実験結果をまとめ
たものである。
【0019】
【表1】
【0020】上記のように、加熱プレート12の総面積
に対して突起部14の食材への接触面積が大きくなるに
つれて、熱伝導による加熱プレート12の平面部温度が
低下して輻射熱量が大きく低下し、突起部14との非接
触部分では加熱量不足による未調理部分(加熱状態が弱
く、食材の適切な加熱調理状態に至っていない部分)が
生じている。同時に、突起部14との接触部分では、熱
伝導による集中加熱が行われるために、その部分のみが
過熱状態となって表面の炭化傾向が見られるようにな
る。上記(表1)の結果から、突起体14の頂部の合計
の面積は、加熱プレート12の調理食材を載置する側の
面の面積に対して30%以下にする必要があると言え
る。
【0021】なお本実施の形態では、加熱部11の加熱
手段として電磁誘導加熱を用いているため、加熱プレー
ト12の構成材質を鋳鉄としているが、電熱ヒータや燃
焼熱あるいは電熱ランプ等の熱源を用いた場合には、ア
ルミニウム製や銅製、あるいは黒鉛製などの耐熱性で熱
伝導性に優れた材料を使用することも可能である。
【0022】なお、鋳鉄製や黒鉛製の加熱プレートでは
それ自体の生地で高い輻射率が確保でき、少なくとも多
数の突起体の配置部以外の面を高輻射率とできるが、ア
ルミニウムや銅などの金属を使用する場合には金属生地
の輻射率が低くなる。したがって平面部13からの輻射
熱供給を確保するためには、加熱プレート12の表面
層、特に平面部13には、金属やセラミック粉末の溶射
や耐熱塗料の塗布など、高輻射率の耐熱材料で被覆処理
しておけばよい。
【0023】(実施の形態2)本発明の第2の実施の形
態について説明する。本実施の形態は、基本的な構成お
よび動作等は(実施の形態1)と同様であるが、加熱プ
レートの平面部と突起部との材質を変化させ、突起部構
成体を平面部上に添装している点が異なる。したがっ
て、この相違点を中心に本実施の形態を説明する。
【0024】図4は本発明の第2の実施の形態の加熱調
理器具の要部斜視図である。図4において、加熱プレー
ト22は鋳鉄製で、その上面は平滑に構成されており平
面部23を形成している。ここに格子状に成形され、上
面の面積が平面部23面積の15〜20%となるセラミ
ック製の突起部24が載置された構成となっている。す
なわち平面部23は熱伝導性の大きな材質であり、突起
部23は熱伝導性の小さな材質となっている。
【0025】この構成とすることにより、食材を突起部
24上に載置した時、食材と突起部24との接触部にお
ける伝導熱伝達が継続的かつ大量に行われることが一層
強調され、平面部の温度変化を小さく抑えると同時に食
材の過熱炭化を防止することができる。特に平面部23
の温度を高温にして加熱調理の速度を速めようとした場
合には効果的で、部分的にでも食材の品質を損なうこと
なく、また断熱効果をももたらす非熱伝導性の突起部2
4によって熱損失も少なく、食材に最適な条件を確保し
て加熱調理ができるものである。
【0026】なお突起部24は、本実施の形態のように
格子状あるいは同心円状等の一体構成でも、幾つかに分
割された構成でもよく、肉や野菜類の加熱には比較的目
の細かい網目状一体構成の突起部24を用い、魚貝類の
ように大きな固形体の加熱には分割された棒状や断片状
の突起部24を複数個用い、適宜分散して平面部23と
の接触を防止するという使用法も可能であり、いずれも
本発明の効果を損なうものではない。
【0027】また突起部24の構成素材としては、材質
そのものが熱伝導率の小さいセラミックやガラスを用い
ることが最適であるが、平面部23との間で点接触また
は線接触となることによって熱伝導を抑制する構成体、
例えばステンレス製の円柱状線材を用いた金網等を用い
ることも可能で、食材への熱伝達を小さくできるもので
あればよい。
【0028】(実施の形態3)本発明の第3の実施の形
態について説明する。本実施の形態は、基本的な構成お
よび作用は(実施の形態1)と同様であるが、平面部1
3の構成に特徴がある。この点を中心に本実施の形態を
説明する。
【0029】図5は本発明の第3の実施の形態の加熱調
理器具の要部平面図、図6は同加熱調理器具の要部縦断
面図である。図5および図6において、アルミニウム製
の加熱プレート12の加熱面には、周方向に6等分され
た同心円状の突起部14が立設されており、その間を相
互に連通させる形の溝形状を呈して平面部13が配置さ
れている。また平面部13は、中央部から周縁部に向け
て下方傾斜する構造となっている。この構成において、
突起部14の先端に支持された形で食材が載置され、主
に平面部13からの輻射加熱によって食材は加熱調理さ
れるが、食材が肉類や魚介類のように肉汁や油脂を浸出
させるものを調理する場合には、浸出した肉汁や油脂が
高温の平面部13に滴下する。滴下物がここに滞留した
場合には、高温に加熱されて分解あるいは炭化し、平面
部13の表面を覆って輻射熱の発散を低下させるととも
に、炭化物や分解生成物が飛散して異臭や油煙等で室内
を汚染することになる。ここで平面部13を相互に連通
させ、かつ周縁部に向けて傾斜するよう構成すれば、滴
下物は連通する平面部を順次流れて加熱プレート12周
縁部に排出され、ここに排出口を設けるか他の手段(例
えば使用者の除去操作)で加熱プレート12外に除去す
ることができ、主たる加熱面である平面部13の輻射熱
発散を損なうことなく、また油煙や異臭を発散すること
なく、食材の風味も損なわずに加熱調理することができ
る。
【0030】なおこの平面部13には、輻射率を高くす
ると同時に撥水撥油性のある塗膜で被覆処理することに
よって、上記効果はより有効に発揮される。この平面部
13の連通構造は、必ずしも本実施の形態のように直線
ないしは曲線の溝状とする必要はなく、図1の(実施の
形態1)で示したような突起部14が分散配置された状
態でも、平面部を周縁部に向けて下方傾斜させていれ
ば、結果的には同様の効果を得ることができ、本効果を
損なうものではない。
【0031】(実施の形態4)図7は本発明の第4の実
施の形態の電磁誘導加熱器の要部縦断面図である。図7
において、加熱部11は渦電流を発する電磁誘導加熱式
で構成され、これに搭載される加熱プレート12は電磁
誘導加熱材料である鋳鉄で構成され、少なくとも底部が
電磁誘導加熱材料となっている。加熱プレート12の加
熱面には、平面部13上に多数の突起部14が分散配置
されており、また加熱プレート12の底面に接触してサ
ーミスタを内臓した温度検知部15が備えられ、これと
連動して制御部16が加熱部11に配設されている。こ
こで加熱プレート12の底面外周には、小空間である断
熱空間17を介して周囲を覆う熱伝導性の小さい薄板セ
ラミック製の断熱カバー18が、緩衝部材19を介して
嵌装されている。断熱カバーは、電磁誘導加熱に対して
ほとんど影響しない材料であればよい。さらに、緩衝部
材19を介しているので、加熱プレート12と断熱カバ
ー18との間の熱膨張の差により生ずる応力を吸収する
ことができる。
【0032】加熱プレート12上の食材の加熱調理に
は、食材の種類や調理仕様によって異なるものの、加熱
速度と食味確保のためにある程度の高温状態(通常は4
00〜600℃)が必要になるが、加熱プレート12を
直接加熱部11に搭載した時、昇温した加熱プレート1
2から熱伝導によって加熱部11も温度上昇を受けるこ
とになる。加熱部11内には各種の電気部品が収納され
ており、著しい温度上昇はこれらの部品の損傷を招くこ
とになって、このため加熱プレート11の温度上昇には
ある程度までの限界が生じてくる。ここで上記構成とす
れば、断熱空間17と断熱カバー18とで加熱プレート
12からの熱伝導を抑制することができ、加熱プレート
12の温度を600℃程度まで上昇させても、加熱プレ
ート12の底部を遮熱部材である断熱カバー18で覆
い、断熱性を有する断熱空間17を設ける構成としてい
るので、熱は断熱空間17の断熱性に逆らって伝わるの
で熱が多量に伝わることを防ぐことができ、加熱部11
の上面温度は200℃程度に維持することが可能とな
り、加熱部11の熱損傷を防止することが可能となる。
【0033】断熱空間17の断熱性を高めるには、断熱
空間17を構成する各面の輻射率を小さくし、外気が入
りにくくする等空気の対流が起こりにくい構成(場合に
よっては真空)にすればよい。これは従来より一般的に
用いられているもので、ここでの詳細な説明は省略す
る。
【0034】電磁誘導加熱では、加熱部11の上面で形
成される渦電流内に加熱プレート12が存在する必要が
あるが、断熱空間17および断熱カバー18の構成によ
って断熱層を薄くすると同時に、この空間を考慮した最
適位置での渦電流発生を加熱部11で設定構成すること
により、エネルギー損失なく加熱プレート12を誘導加
熱することができる。かくして加熱プレート12の温度
は十分高温に加熱することができ、ここからの輻射伝熱
を主体にした加熱によって食材の風味や食感を維持し、
高速に加熱調理する器具を提供することが可能となる。
【0035】さらに、加熱プレート12の底部を小空間
である断熱空間17を介して断熱カバー18で覆う構成
を適当なものとすることにより、断熱カバー18の下面
(すなわち、電磁誘導加熱器との接触部)の温度を広く
市販されている従来の電磁誘導加熱器にも使用可能な温
度以下とすることができ、電磁誘導加熱器用加熱プレー
トとして提供することも可能となる。
【0036】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明に係る
加熱調理器具は、食材の加熱における熱伝達方式を、伝
導熱伝達を抑制するよう調理食材との接触面積を低減
し、高温に昇温された加熱プレートの平面部からの輻射
伝熱を主体とすることによって、加熱部の温度変化を小
さくするとともに食材の食味や食感を損なうことなく最
適の調理を可能にするもので、効率的で食味豊かな食生
活の実現に寄与できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の加熱調理器具の平
面図
【図2】同加熱調理器具の要部縦断面図
【図3】同加熱調理器具と、従来の加熱調理器具の温度
特性を比較した図
【図4】本発明の第2の実施の形態の加熱調理器具の要
部斜視図
【図5】本発明の第3の実施の形態の加熱調理器具の要
部平面図
【図6】同加熱調理器具の要部縦断面図
【図7】本発明の第4の実施の形態の電磁誘導加熱器の
要部縦断面図
【図8】従来の加熱調理器具の部分縦断面図
【符号の説明】
11 加熱部 12,22 加熱プレート 13,23 平面部 14,24 突起部 15 温度検出部 16 制御部 17 断熱空間 18 断熱カバー 19 緩衝部材 31 加熱プレート 32 電気ヒータ 33 温度検出部 34 加熱制御部 35 制御つまみ 36 食材 37 平面部 38 溝部
フロントページの続き (72)発明者 杉山 亜希子 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 3K051 AB04 AC33 AC54 AD03 AD10 AD15 CD42 CD43 CD44 4B040 AA03 AA08 AB04 AC03 AE13 CA02 CA04 CA06 CA08 CA12 CA13 CA16 EA02 EA08 EB01 EB14 JA02 JA15 JA17 JA19 LA03 LA04 NA02 4B055 AA13 BA22 BA66 CA02 CB03 CC03 CC46 CD04 CD05 DA02 DB03 DB07 DB08 DB14 DB21 FA04 FB02 FB15 FB23 FC04 FC08 FC09 FC12 FD03 FE01 GA04 GB09 GC03 GC13 GC18

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】調理食材を載置して加熱する加熱プレート
    と、前記加熱プレートの温度を検出する検温手段と、前
    記加熱プレートを所定温度に加熱昇温せしめる加熱手段
    と、前記検温手段と連動して前記加熱手段の入力を制御
    する制御手段とを備え、前記加熱プレートの調理食材を
    載置する側の面に多数の突起体を配置し、前記多数の突
    起体の頂部の合計の面積が、前記加熱プレートの調理食
    材を載置する側の面の面積に対して30%以下とした加
    熱調理器具。
  2. 【請求項2】前記加熱プレートの調理食材を載置する側
    の面の、少なくとも前記多数の突起体の配置部以外の面
    を高輻射率とした請求項1記載の加熱調理器具。
  3. 【請求項3】前記加熱プレートの熱伝導性を大とし、前
    記突起体の熱伝導性を小とした請求項1または2記載の
    加熱調理器具。
  4. 【請求項4】前記加熱プレートの調理食材を載置する側
    の面の、少なくとも前記突起体の配置部以外の面を、相
    互に連通する構成とするとともに、周縁部に向けて下方
    傾斜させた請求項1、2または3記載の加熱調理器具。
  5. 【請求項5】前記加熱手段は電磁誘導の加熱手段とし、
    前記加熱プレートの少なくとも底部を電磁誘導加熱可能
    な材料で構成するとともに、前記底部を遮熱部材で覆
    い、さらに前記底部と遮熱部材との間に小空間を設け、
    前記遮熱部材の熱伝導性を小となるように構成した請求
    項1ないし4いずれかに記載の加熱調理器具。
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