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JP2001341241A - 積層フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

積層フィルムおよびその製造方法

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JP2001341241A
JP2001341241A JP2000168608A JP2000168608A JP2001341241A JP 2001341241 A JP2001341241 A JP 2001341241A JP 2000168608 A JP2000168608 A JP 2000168608A JP 2000168608 A JP2000168608 A JP 2000168608A JP 2001341241 A JP2001341241 A JP 2001341241A
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JP
Japan
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film
resin
laminated film
weight
acid
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Application number
JP2000168608A
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Hagumu Takada
育 高田
Arimichi Shirakawa
有理 白河
Takashi Mimura
尚 三村
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Publication of JP2001341241A publication Critical patent/JP2001341241A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】各種被覆物との常態下での接着性を向上させる
と同時に、経時安定性や湿熱処理後の接着性も向上させ
た積層フィルムとその製造方法を提供すること。 【解決手段】熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面
に、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂およびウレタン樹
脂から選ばれてなる少なくとも1種の樹脂とアミドエポ
キシ化合物を主たる構成成分としてなる積層膜が設けら
れ、かつ、その積層膜において樹脂100重量部に対
し、アミドエポキシ化合物が固形分重量比で2重量部以
上、200重量部以下含まれている積層フィルムであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層フィルムに関
し、詳しくは本発明は、各種被覆物との常態下での接着
性に優れ、更に、経時安定性や湿熱処理後の接着性にも
優れた積層フィルムおよびその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルフィルム、ポリカーボネー
トフィルム、アクリル系フィルム、オレフィンフィル
ム、ポリアミドフィルムおよびポリ塩化ビニルフィルム
などの熱可塑性樹脂フィルム、中でも延伸などにより配
向処理を施された熱可塑性樹脂フィルムは、優れた機械
的特性、耐熱性および透明性などを有し、各種用途の基
材フィルムとして広く使用されている。
【0003】特に、二軸配向ポリエステルフィルムは、
寸法安定性、機械的特性、耐熱性、透明性、電気的特性
および耐薬品性などに優れた性質を有することから、磁
気記録材料、包装材料、電気絶縁材料、各種写真材料お
よびグラフィックアーツ材料などの多くの用途の基材フ
ィルムとして広く使用されている。
【0004】ところが、一般に、二軸配向ポリエステル
フィルムは表面が高度に結晶配向しているため、各種塗
料やインキとの接着性に乏しいという欠点を有してい
る。このため、従来から、ポリエステルフィルム表面に
種々の方法で接着性を与えるための検討がなされてき
た。
【0005】従来、熱可塑性樹脂フィルムに対する接着
性付与の方法として、基材フィルムである熱可塑性樹脂
フィルムに各種の易接着処理、例えば、表面のコロナ放
電処理、紫外線照射処理またはプラズマ処理などを行な
う表面活性化法、酸、アルカリまたはアミン水溶液など
の薬剤による表面エッチング法、あるいは、フィルム表
面に接着性を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、
ウレタン樹脂またはポリオレフィン樹脂などの各種樹脂
をプライマー層として設ける方法などが検討されてい
る。
【0006】特に、基材フィルムにプライマー層を設け
る方法は、種々の被覆物に対応できる接着性物質を選択
してコーティングすることが可能であることから、水溶
性あるいは水分散性のポリエステル樹脂、アクリル樹
脂、ウレタン樹脂あるいはアクリルグラフトポリエステ
ル樹脂などを接着性物質として、ポリエステルフィルム
に積層したものなどが提案されている(特開昭55−1
5825号公報、特開昭58−78761号公報、特開
昭60−248232号公報、特開昭62−20494
0号公報、特開平1−108037号公報および特開平
4−263937号公報など)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来の技術には次のような問題点がある。
【0008】被覆物との接着性において、ポリエステル
樹脂は接着性が悪く、またアクリル樹脂やウレタン樹脂
も接着性が不十分な場合が多い。さらに、接着性を向上
させるためにメラミン架橋剤などを添加使用することも
行なわれるが、基材フィルムに被覆物を設け耐湿熱下で
保存した場合、逆に接着性が著しく低下する現象が発生
したりするなど問題が多いのが現状である。
【0009】本発明は、これらの欠点を解消せしめ、各
種被覆物との常態下での接着性に優れ、更に、経時安定
性や湿熱処理後の接着性にも優れた積層フィルムとその
製造方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成する本
発明の積層フィルムは、熱可塑性樹脂フィルムの少なく
とも片面に、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂およびウ
レタン樹脂から選ばれてなる少なくとも1種の樹脂とア
ミドエポキシ化合物を主たる構成成分としてなる積層膜
が設けられ、かつ、該積層膜において樹脂100重量部
に対し、アミドエポキシ化合物が固形分重量比で2重量
部以上、200重量部以下含まれてなることを特徴とす
る積層フィルムである。
【0011】この積層フィルムにおいては、積層膜を構
成する樹脂がアクリル樹脂を主たる構成成分とするこ
と、アミドエポキシ化合物の添加量が、樹脂100重量
部に対し、固形分重量比で3重量部以上、50重量部以
下であること、および熱可塑性樹脂フィルムが、ポリエ
チレンテレフタレートフィルムまたはポリエチレン−
2,6−ナフタレートフィルムであることが好ましい態
様として含まれている。
【0012】また、本発明の積層フィルムの製造方法
は、熱可塑性樹脂フィルムに積層膜を設けるに際し、結
晶配向が完了する前の熱可塑性樹脂フィルムの少なくと
も片面に、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂およびウレ
タン樹脂から選ばれてなる少なくとも1種の樹脂とアミ
ドエポキシ化合物を主たる構成成分とする積層膜形成塗
液を塗布後、少なくとも一方向に延伸、熱処理を施すこ
とを特徴とする積層フィルムの製造方法であり、樹脂1
00重量部に対するアミドエポキシ化合物の割合が、固
形分重量比で2重量部以上、200重量部以下であるこ
とが好ましい態様として含まれている。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明について更に詳細に
説明をする。
【0014】本発明でいう熱可塑性樹脂フィルムとは、
熱によって溶融もしくは軟化するフィルムの総称であっ
て、特に限定されるものではないが、代表的な熱可塑性
樹脂フィルムとしては、ポリエステルフィルム、ポリカ
ーボネートフィルム、ポリメチルメタクリレートフィル
ムやポリスチレンフィルムなどのアクリル系フィルム、
ポリプロピレンフィルムやポリエチレンフィルムなどの
ポリオレフィンフィルム、ナイロンなどのポリアミドフ
ィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリウレタンフィル
ムおよびフッ素系フィルムなどが挙げられる。熱可塑性
樹脂フィルムを構成する熱可塑性樹脂は、ホモポリマー
でも共重合ポリマーであってもよい。
【0015】これらの熱可塑性樹脂フィルムうち、機械
的特性、寸法安定性および透明性などの点で、ポリエス
テルフィルム、ポリカーボネートフィルム、アクリル系
フィルムおよびポリアミドフィルムなどが好ましく、更
に、機械的強度と汎用性などの点で、ポリエステルフィ
ルムが好ましく用いられる。
【0016】以下、ポリエステルフィルムを熱可塑性樹
脂フィルムの代表例として説明するが、本発明はこれに
限定されるものではない。
【0017】本発明の積層フィルムに用いられるポリエ
ステルフィルムにおいて、ポリエステルとは、エステル
結合を主鎖の主要な結合鎖とする高分子化合物の総称で
あって、好ましいポリエステルとしては、エチレンテレ
フタレート、プロピレンテレフタレート、エチレン−
2,6−ナフタレート、ブチレンテレフタレート、プロ
ピレン−2,6−ナフタレート、エチレン−α,β−ビ
ス(2−クロロフェノキシ)エタン−4,4’−ジカル
ボキシレートなどから選ばれた少なくとも1種の構成成
分を主要構成成分とするポリエステルを用いることがで
きる。これら構成成分は、1種のみ用いても、2種以上
併用してもよいが、中でも品質、経済性などを総合的に
判断すると、エチレンテレフタレートを主要構成成分と
するポリエステルを用いることが特に好ましい。また、
使用基材に熱や収縮応力などが作用する用途に用いられ
る場合、例えば、光学用途で光源などの発熱体に近い部
位で使用される場合や、紫外線硬化型樹脂層を設けるな
どのように樹脂の収縮を伴う場合においては、耐熱性や
剛性に優れたポリエチレン−2,6−ナフタレートを用
いることが好ましい。また、これらポリエステルには、
更に他のジカルボン酸成分やジオール成分が一部、好ま
しくは20モル%以下共重合されていてもよい。 更
に、このポリエステル中には、各種添加剤、例えば、酸
化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有
機の易滑剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充
填剤、帯電防止剤および核剤などがその特性を悪化させ
ない程度に添加されていてもよい。
【0018】上述したポリエステルの極限粘度(25℃
のo−クロロフェノール中で測定)は、0.4〜1.2
dl/gが好ましく、より好ましくは0.5〜0.8d
l/gの範囲にあるものが本発明を実施する上で好適で
ある。
【0019】上記ポリエステルを使用したポリエステル
フィルムは、その少なくとも片面に積層膜が設けられた
状態においては、二軸配向されたものであるのが好まし
い。二軸配向ポリエステルフィルムとは、一般に、未延
伸状態のポリエステルシートまたはフィルムを長手方向
および幅方向に各々2.5〜5倍程度延伸され、その
後、熱処理が施されて、結晶配向が完了したものであ
り、広角X線回折で二軸配向のパターンを示すものをい
う。
【0020】ポリエステルフィルムの厚みは、特に限定
されるものではなく、本発明の積層フィルムが使用され
る用途に応じて適宜選択されるが、機械的強度、ハンド
リング性などの点から、通常は好ましくは1〜500μ
m、より好ましくは5〜300μm、最も好ましくは3
0〜210μmである。また、得られたフィルムを各種
の方法で貼り合わせて用いることもできる。
【0021】また、受像シート用途、ラベル用途、記録
カード用途などでは、基材フィルムとして白色ポリエス
テルフィルムを好適に用いることができる。
【0022】この白色ポリエステルフィルムは、白色に
着色されたポリエステルフィルムであれば特に限定され
るものではないが、白色度は65〜150%が好まし
く、より好ましくは80〜120%であり、また光学濃
度は100μm換算で、0.5〜5が好ましく、より好
ましくは1〜3である。例えば、光学濃度が小さい基材
フィルムを使用した場合は、隠蔽性が劣り、例えば、ラ
ベルなどでは、貼付面などの着色が透過し表面の印刷層
の美観が損なわれ易く、一方、白色度が小さい場合は、
肉眼で見た場合白さが減少しやすく、白色ポリエステル
フィルムとしては好ましくない。
【0023】このような白色度と光学濃度を得る方法
は、特に限定されないが、通常は無機粒子あるいはポリ
エステルと非相溶の樹脂の添加により得ることができ
る。添加する量は特に限定されないが、無機粒子の場
合、好ましくは5〜35重量%、より好ましくは8〜2
5重量%である。一方、非相溶性の樹脂を添加する場合
は、好ましくは3〜35体積%、より好ましくは6〜2
5体積%である。
【0024】該無機粒子は特に限定されないが、好まし
くは平均粒径0.1〜4μm、より好ましくは0.3〜
1.5μmの無機粒子などをその代表的なものとして用
いることができる。具体的には、硫酸バリウム、炭酸カ
ルシウム、硫酸カルシウム、酸化チタン、シリカ、アル
ミナ、チタン酸バリウム、タルク、クレーなどあるいは
これらの混合物を使用でき、これらの無機粒子は他の無
機化合物、例えば、リン酸カルシウム、酸化チタン、雲
母、ジルコニア、酸化タングステン、フッ化リチウム、
フッ化カルシウムなどと併用されてもよい。
【0025】上述のポリエステルと非相溶の樹脂として
は、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフ
タレートやポリエチレン−2,6−ナフタレートと混合
する場合についていえば、アクリル樹脂、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、変性オレフィン樹脂、ポリブチレ
ンテレフタレート系樹脂、フェノキシ樹脂およびポリフ
ェニレンオキシドなどを用いることができ、当然、上述
した無機粒子と併用してもよい。例えば、特に、ポリエ
ステルに無機粒子やポリエステルと非相溶の樹脂を混合
して2軸延伸し、内部に空洞を有する、比重が0.5〜
1.3の白色ポリエステルフィルムは、基材フィルム自
体が軽量化できる、受像シート用途で用いた場合、印刷
特性が向上するなどの長所がある。
【0026】また、白色ポリエステルフィルムとして
は、他の色に着色されたフィルム(その着色方法は特に
限定されないが、通常は顔料、染色による着色が用いら
れる)、あるいは透明なフィルムとの2層以上の積層体
を使用してもよい。
【0027】本発明において、積層膜とは、基材シート
となる熱可塑性樹脂フィルムの表面に積層構造的に形成
されて存在する膜状のものをいう。該積層膜自体は、単
一層であっても複数層からなるものであってもよい。
【0028】本発明にかかる積層膜は、アクリル樹脂、
ポリエステル樹脂およびウレタン樹脂から選ばれてなる
少なくとも1種の樹脂とアミドエポキシ化合物を主たる
構成成分とし、かつ、該積層膜において該樹脂100重
量部に対し、アミドエポキシ化合物が固形分重量比で2
重量部以上、300重量部以下含まれてなるものであ
る。アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂に
関しては、それぞれ単独で用いてもよく、また、異なる
2種類の樹脂、例えば、ポリエステル樹脂とウレタン樹
脂、ポリエステル樹脂とアクリル樹脂、あるいはウレタ
ン樹脂とアクリル樹脂を組み合わせて用いてもよく、3
種類を組み合わせて用いてもよい。
【0029】本発明の積層フィルムにおいて、積層膜の
構成成分として用いられるポリエステル樹脂は、主鎖あ
るいは側鎖にエステル結合を有するもので、ジカルボン
酸とジオールから重縮合して得られるものである。
【0030】該ポリエステル樹脂を構成するカルボン酸
成分としては、芳香族、脂肪族、脂環族のジカルボン酸
や3価以上の多価カルボン酸を使用することができる。
【0031】芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、フタル酸、2,5
−ジメチルテレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボ
ン酸、ビフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジ
カルボン酸、1,2−ビスフェノキシエタン−p,p’
−ジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸などを
用いることができる。これらの芳香族ジカルボン酸は、
積層膜の強度や耐熱性の点で、好ましくは全ジカルボン
酸成分の30モル%以上、より好ましくは35モル%以
上、最も好ましくは40モル%以上のものを用いること
が好ましい。
【0032】また、脂肪族および脂環族のジカルボン酸
としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼラ
イン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、1,3−シク
ロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカ
ルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸など、
およびそれらのエステル形成性誘導体を用いることがで
きる。
【0033】ポリエステル樹脂のグリコール成分として
は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリ
エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3
−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−
ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7
−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,
9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、2,
4−ジメチル−2−エチルヘキサン−1,3−ジオー
ル、ネオペンチルグリコール、2−エチル−2−ブチル
−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−イソブ
チル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5
−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6
−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノ
ール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−
シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4−テトラ
メチル−1,3−シクロブタンジオール、4,4’−チ
オジフェノール、ビスフェノールA、4,4’−メチレ
ンジフェノール、4,4’−(2−ノルボルニリデン)
ジフェノール、4,4’−ジヒドロキシビフェノール、
o−,m−,およびp−ジヒドロキシベンゼン、4,
4’−イソプロピリデンフェノール、4,4’−イソプ
ロピリデンビンジオール、シクロペンタン−1,2−ジ
オール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘ
キサン−1,4−ジオールなどを用いることができる。
【0034】また、ポリエステル樹脂を水系樹脂とした
塗液として用いる場合には、ポリエステル樹脂の水溶性
化あるいは水分散化を容易にするため、スルホン酸塩基
を含む化合物や、カルボン酸塩基を含む化合物を共重合
することが好ましい。
【0035】カルボン酸塩基を含む化合物としては、例
えば、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリ
ット酸、無水ピロメリット酸、4−メチルシクロヘキセ
ン−1,2,3−トリカルボン酸、トリメシン酸、1,
2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4
−ペンタンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベ
ンゾフェノンテトラカルボン酸、5−(2,5−ジオキ
ソテトラヒドロフルフリル)−3−メチル−3−シクロ
ヘキセン−1,2−ジカルボン酸、5−(2,5−ジオ
キソテトラヒドロフルフリル)−3−シクロヘキセン−
1,2−ジカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン
酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、
1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、エチレ
ングリコールビストリメリテート、2,2’,3,3’
−ジフェニルテトラカルボン酸、チオフェン−2,3,
4,5−テトラカルボン酸、エチレンテトラカルボン酸
など、あるいはこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類
金属塩、アンモニウム塩等を挙げることができるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0036】スルホン酸塩基を含む化合物としては、例
えば、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、
4−スルホイソフタル酸、4−スルホナフタレン−2,
7−ジカルボン酸、スルホ−p−キシリレングリコー
ル、2−スルホ−1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)
ベンゼンなどあるいはこれらのアルカリ金属塩、アルカ
リ土類金属塩、アンモニウム塩を用いることができる
が、これに限定されるものではない。
【0037】また、本発明においては、ポリエステル樹
脂として、変性ポリエステル共重合体、例えば、アクリ
ル、ウレタン、エポキシなどで変性したブロック共重合
体、グラフト共重合体なども使用可能である。
【0038】好ましいポリエステル樹脂としては、酸成
分としてテレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸、5
−ナトリウムスルホイソフタル酸、グリコール成分とし
てエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4
−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールから選ばれ
る共重合体などが挙げられる。耐水性が必要とされる場
合は、5−ナトリウムスルホイソフタル酸の代わりに、
トリメリット酸をその共重合成分とした共重合体なども
好適に用いることができる。
【0039】本発明の積層フィルムにおいて、積層膜に
用いられるポリエステル樹脂は、以下の製造法によって
製造することができる。例えば、ジカルボン酸成分とし
て、テレフタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸、グリコール成分としてエチレングリコ
ール、ネオペンチルグリコールからなるポリエステル樹
脂について説明すると、テレフタル酸、イソフタル酸、
5−ナトリウムスルホイソフタル酸とエチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコールとを直接エステル化反応さ
せるか、テレフタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウム
スルホイソフタル酸及びエチレングリコール、ネオペン
チルグリコールとをエステル交換反応させる第一段階
と、この第一段階の反応生成物を重縮合反応させる第二
段階とによって製造する方法などにより製造することが
できる。
【0040】この際、反応触媒として、例えば、アルカ
リ金属、アルカリ土類金属、マンガン、コバルト、亜
鉛、アンチモン、ゲルマニウム、チタン化合物などを用
いることができる。
【0041】また、カルボン酸を末端および/または側
鎖に多く有するポリエステル樹脂を得る方法としては、
特開昭54−46294号公報、特開昭60−2090
73号公報、特開昭62−240318号公報、特開昭
53−26828号公報、特開昭53−26829号公
報、特開昭53−98336号公報、特開昭56−11
6718号公報、特開昭61−124684号公報、特
開昭62−240318号公報などに記載の3価以上の
多価カルボン酸を共重合した樹脂により製造することが
できるが、むろんこれら以外の方法であってもよい。
【0042】また、本発明にかかる積層膜に用いられる
ポリエステル樹脂の固有粘度は、特に限定されないが、
接着性の点で0.3dl/g以上であることが好まし
く、より好ましくは0.35dl/g以上、最も好まし
くは0.4dl/g以上であることである。ポリエステ
ル樹脂のガラス転移点(以後、「Tg」と略称する)
は、0〜130℃であることが好ましく、より好ましく
は10〜85℃である。Tgが0℃未満では、例えば耐
熱接着性が劣り、逆に130℃を超える場合、樹脂の安
定性や水分散性が劣る場合があるので好ましくない。
【0043】本発明の積層フィルムにおいて、積層膜の
構成成分として用いられるウレタン樹脂は、アニオン性
基を有する水溶性あるいは水分散性のウレタン樹脂であ
れば特に限定されるものではなく、主要構成成分として
は、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物を共
重合して得られるものである。
【0044】該ウレタン樹脂としては、カルボン酸塩
基、スルホン酸塩基、または硫酸半エステル塩基の導入
により水への親和性が高められたウレタン樹脂などを用
いることができる。カルボン酸塩基、スルホン酸塩基、
または硫酸半エステル塩基などの含有量は、0.5〜1
5重量%が好ましい。
【0045】ポリオール化合物としては、例えば、ポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ
エチレン・プロピレングリコール、ポリテトラメチレン
グリコール、ヘキサメチレングリコール、ヘキサメチレ
ングリコール、テトラメチレングリコール、1,5−ペ
ンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、ポリカプロラクトン、ポリヘキサメチレン
アジペート、ポリテトラメチレンアジペート、トリメチ
ロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリン、
アクリル系ポリオールなどを用いることができる。
【0046】また、ポリイソシアネート化合物として
は、例えば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ジ
フェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシア
ネートとトリメチロールプロパンの付加物、ヘキサメチ
レンジイソシアネートとトリメチロールエタンの付加物
などを用いることができる。
【0047】ここで、ウレタン樹脂の主要な構成成分
は、上記ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物
の他に、鎖長延長剤や架橋剤などを含んでいてもよい。
【0048】鎖延長剤あるいは架橋剤としては、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオー
ル、ジエチレングリコール、エチレンジアミン、ジエチ
レントリアミンなどを用いることができる。
【0049】アニオン性基を有するウレタン樹脂は、例
えば、ポリオール、ポリイソシアネート、鎖延長剤など
に、アニオン性基を有する化合物を用いる方法、生成し
たウレタン樹脂の未反応イソシアネート基とアニオン性
基を有する化合物を反応させる方法、あるいはウレタン
樹脂の活性水素を有する基と特定の化合物を反応させる
方法などを用いて製造することができるが、特に限定さ
れるものではない。
【0050】また、アニオン性基を有するウレタン樹脂
としては、分子量300〜20000のポリオール、ポ
リイソシアネート、反応性水素原子を有する鎖長延長剤
及びイソシアネート基と反応する基、及びアニオン性基
を少なくとも1個有する化合物からなる樹脂が好まし
い。
【0051】ウレタン樹脂中のアニオン性基は、好まし
くはスルホン酸基、カルボン酸基およびこれらのアンモ
ニウム塩、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩ある
いはマグネシウム塩として用いられ、特に好ましくは、
スルホン酸塩基である。
【0052】ポリウレタン樹脂中のアニオン性基の量
は、0.05重量%〜8重量%が好ましい。0.05重
量%未満では、ウレタン樹脂の水分散性が悪くなる傾向
があり、8重量%を超えると、樹脂の耐水性や耐ブロッ
キング性が劣る傾向がある。
【0053】本発明の積層フィルムにおいて、積層膜の
構成成分として用いられるアクリル樹脂に関し、該アク
リル樹脂を構成するモノマー成分としては、例えば、ア
ルキルアクリレート、アルキルメタクリレート(アルキ
ル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イ
ソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチ
ル基、2−エチルヘキシル基、ラウリル基、ステアリル
基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、フェ
ニルエチル基など)、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメ
タクリレートなどのヒドロキシ基含有モノマー、アクリ
ルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミ
ド、N−メチルメタクリルアミド、N−メチロールアク
リルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N
−ジメチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルア
クリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、
N−フェニルアクリルアミドなどのアミド基含有モノマ
ー、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,
N−ジエチルアミノエチルメタクリレートなどのアミノ
基含有モノマー、グリシジルアクリレート、グリシジル
メタクリレートなどのエポキシ基含有モノマー、アクリ
ル酸、メタクリル酸およびそれらの塩(リチウム塩、ナ
トリウム塩、カリウム塩など)などのカルボキシル基ま
たはその塩を含有するモノマーなどを用いることがで
き、これらは1種もしくは2種以上を用いて共重合され
る。更に、これらは他種のモノマーと併用することがで
きる。
【0054】ここで他種のモノマーとしては、例えば、
アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基含有モノマ
ー、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸およびそれ
らの塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アン
モニウム塩など)などのスルホン酸基またはその塩を含
有するモノマー、クロトン酸、イタコン酸、マレイン
酸、フマール酸およびそれらの塩(リチウム塩、ナトリ
ウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩など)などのカル
ボキシル基またはその塩を含有するモノマー、無水マレ
イン酸、無水イタコン酸などの酸無水物を含有するモノ
マー、ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート、
スチレン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテ
ル、ビニルトリスアルコキシシラン、アルキルマレイン
酸モノエステル、アルキルフマール酸モノエステル、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリル、アルキルイタコ
ン酸モノエステル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、塩化
ビニルなどを用いることができる。
【0055】また、本発明において用いることができる
アクリル樹脂としては、変性アクリル共重合体、例え
ば、ポリエステル、ウレタン、エポキシなどで変性した
ブロック共重合体、グラフト共重合体なども使用可能で
ある。
【0056】本発明において用いられるアクリル樹脂の
ガラス転移点(Tg)は特に限定されるものではない
が、好ましくは−10〜90℃、より好ましくは0〜5
0℃、最も好ましくは10〜40℃である。Tgが低い
アクリル樹脂を用いる場合は耐熱接着性が劣ったり、ブ
ロッキングしやすい傾向があり、逆に高すぎる場合は接
着性が悪くなったり、造膜性が劣ることがあり好ましく
ない。また、該アクリル樹脂の分子量は5万以上が好ま
しく、より好ましくは30万以上とすることが接着性の
点で望ましい。
【0057】本発明において用いられる好ましいアクリ
ル樹脂としては、メチルメタクリレート、エチルアクリ
レート、n−ブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート、アクリルアミド、N−メチロールアク
リルアミド、アクリル酸から選ばれる共重合体などであ
る。
【0058】本発明では、該アクリル樹脂を水に溶解、
乳化、あるいは懸濁し、水系アクリル樹脂として用いる
ことが、環境汚染や塗布時の防爆性の点で好ましい。こ
のような水系アクリル樹脂は、親水性基を有するモノマ
ー(アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、ビニ
ルスルホン酸およびその塩など)との共重合や反応性乳
化剤や界面活性剤を用いた乳化重合、懸濁重合、ソープ
フリー重合などの方法によって作成することができる。
【0059】特に、本発明においては、アクリル樹脂を
用いることが、各種被覆物との接着性や加熱時のヘイズ
アップ抑制性の点で好ましく、特に基材フィルムとして
ポリエステルフィルムを用いた場合、オリゴマー析出抑
制性に優れるなどの点でアクリル樹脂がより好ましく用
いられる。更に、ポリエステルフィルムとの接着性を考
慮すると、アクリル樹脂とウレタン樹脂、あるいはアク
リル樹脂とポリエステル樹脂を併用することも好適に用
いることができ、この場合の両樹脂の混合比は任意に選
ぶことができるが、アクリル樹脂が相対的に多く含まれ
る方が好ましい。この場合、アクリル樹脂の混合割合
は、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重
量%以上である。
【0060】本発明の積層フィルムにおいて、積層膜の
構成成分として用いられるアミドエポキシ化合物に関
し、該アミドエポキシ化合物を構成する成分としては、
その分子内にアミド結合とエポキシ基を有するものであ
れば特に限定されるものではなく、更に、アミド結合間
に3級あるいは4級の窒素原子が存在しているものが好
ましく、より好ましくは主鎖末端にエポキシ基を有する
ものである。
【0061】また、該アミドエポキシ化合物中にはハロ
ゲン化物が含有されていてもよく、イオン化された状態
であってもよく、本発明では特に塩化物イオンが好まし
く用いられる。
【0062】本発明において好適に用いることができる
アミドエポキシ化合物としては、例えば、下記式で示さ
れる化合物を例示することができるが、これに限定され
るものではない。なお、下記式中、Rはアルキル鎖(簡
易的に全て同じRと表現しているが、各々異なっていて
もよいし、同じでも構わない)、アリール鎖を表し、
(EPO)は末端にグリシジル基を有するエポキシ系官
能基を表す。 HO(OC-R-CONH-R-N(EPO)-R)m---(OC-R-CONH-R-N(EPO)-R)
n---CH3 HO(OC-R-CONH-R-N(EPO)-R)m---(OC-R-CONH-R-N(EPO)2-
R)n---CH2OH HO(OC-R-CONH-R-N(EPO)-R)m---(OC-R-CONH-R-N(EPO)2-
R)n---(EPO) HO(OC-R-CONH-R-N(EPO)-R-NH)m---(OC-R-CONH-R-N(EPO)
2-R-NH)n---CH2OH HO(OC-R-CONH-R-N(EPO)-R-NH)m---(OC-R-CONH-R-N(EPO)
2-R-NH)n---(EPO) HO(OC-R-CONH-R-N(EPO)2-R-NH)m---(OC-R-CONH-R-N(EP
O)-R-NH)n---(EPO) HO(OC-R-CONH-R-N(EPO)2-R-NH)m---(OC-R-CONH-R-N(EP
O)2-R-NH)n---(EPO) また、アミドエポキシ化合物は市販されているものを用
いることも可能であり、例えば、三井化学(株)の“ユ
ーラミン”なども好適に用いることができる。
【0063】本発明にかかる積層膜において、樹脂とア
ミドエポキシ化合物の割合は、該樹脂100重量部に対
し、アミドエポキシ化合物が固形分重量比で2重量部以
上、200重量部以下含まれてなることが必要である
が、接着性、特に湿熱下での接着性の点で3重量部以
上、50重量部以下が好ましく、より好ましくは3重量
部以上、20重量部以下である。
【0064】本発明にかかる積層膜においては、各種の
架橋剤を添加することができる。
【0065】用いられる架橋剤は、上記した樹脂に存在
する官能基、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル
基、メチロール基、アミド基などと架橋反応しうるもの
であれば特に限定されるものではなく、例えば、メラミ
ン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、イソシアネート系
架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メチ
ロール化あるいはアルキロール化した尿素系、アクリル
アミド系、ポリアミド系樹脂、各種シランカップリング
剤、各種チタネート系カップリング剤などを用いること
ができる。特に、メラミン系架橋剤、オキサゾリン系架
橋剤が、樹脂との相溶性、接着性などの点から好適に用
いることができる。
【0066】本発明において用いられるメラミン系架橋
剤は、特に限定されないが、メラミン、メラミンとホル
ムアルデヒドを縮合して得られるメチロール化メラミン
誘導体、メチロール化メラミンに低級アルコールを反応
させて部分的あるいは完全にエーテル化した化合物、あ
るいはこれらの混合物などを用いることができる。ま
た、メラミン系架橋剤としては単量体、2量体以上の多
量体からなる縮合物、あるいはこれらの混合物などを用
いることができる。エーテル化に使用する低級アルコー
ルとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、イ
ソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノー
ルなどを用いることができる。官能基としては、イミノ
基、メチロール基、あるいはメトキシメチル基やブトキ
シメチル基などのアルコキシメチル基を1分子中に有す
るもので、イミノ基型メチル化メラミン樹脂、メチロー
ル基型メラミン樹脂、メチロール基型メチル化メラミン
樹脂、完全アルキル型メチル化メラミン樹脂などであ
る。その中でも、イミノ基型メラミン樹脂、メチロール
化メラミン樹脂が好ましく、最も好ましくは、イミノ基
型メラミン樹脂である。更に、メラミン系架橋剤の熱硬
化を促進するため、例えば、p−トルエンスルホン酸な
どの酸性触媒を用いてもよい。
【0067】本発明において用いられるオキサゾリン系
架橋剤は、該化合物中に官能基としてオキサゾリン基を
有するものであれば特に限定されるものではないが、オ
キサゾリン基を含有するモノマーを少なくとも1種以上
含み、かつ、少なくとも1種の他のモノマーを共重合さ
せて得られるオキサゾリン基含有共重合体からなるもの
が好ましい。
【0068】オキサゾリン基を含有するモノマーとして
は、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−
メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−
2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾ
リン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾ
リン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾ
リンなどを用いることができ、これらの1種または2種
以上の混合物を使用することもできる。中でも、2−イ
ソプロペニル−2−オキサゾリンが工業的にも入手しや
すく好適である。
【0069】オキサゾリン系架橋剤において、オキサゾ
リン基を含有するモノマーに対して用いられる少なくと
も1種の他のモノマーとしては、該オキサゾリン基を含
有するモノマーと共重合可能なモノマーであれば、特に
限定されないが、例えば、アクリル酸メチル、メタクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、
アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸−
2−エチルヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシ
ルなどのアクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エス
テル類、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレ
イン酸などの不飽和カルボン酸類、アクリロニトリル、
メタクリロニトリルなどの不飽和ニトリル類、アクリル
アミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルア
ミド、N−メチロールメタクリルアミドなどの不飽和ア
ミド類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニル
エステル類、メチルビニルエーテル、エチルビニルエー
テルなどのビニルエーテル類、エチレン、プロピレンな
どのオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ
化ビニルなどの含ハロゲン−α,β−不飽和モノマー
類、スチレン、α−メチルスチレンなどのα,β−不飽
和芳香族モノマー類などを用いることができ、これらは
1種または2種以上の混合物を使用することもできる。
【0070】本発明にかかる積層膜においては、樹脂と
架橋剤は任意の比率で混合して用いることができるが、
本発明の効果をより顕著に発現させるには、架橋剤は、
樹脂に対し1〜50重量部添加することが好ましく、よ
り好ましくは3〜25重量部添加である。架橋剤の添加
量が、1重量部未満添加の場合、その添加効果が小さ
く、また、50重量部添加を超える場合は、接着性が低
下する傾向がある。
【0071】また、積層膜中には本発明の効果が損なわ
れない範囲内で、各種の添加剤、例えば、酸化防止剤、
耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑
剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、帯
電防止剤、核剤などが配合されていてもよい。
【0072】特に、積層膜中に無機粒子を添加したもの
は、易滑性や耐ブロッキング性が向上するので更に好ま
しい。この場合、添加する無機粒子としては、シリカ、
コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナゾル、カオリ
ン、タルク、マイカ、炭酸カルシウムなどを用いること
ができる。用いられる無機粒子は、平均粒径0.005
〜5μmが好ましく、より好ましくは0.01〜3μ
m、最も好ましくは0.05〜2μmであり、積層膜中
の樹脂に対する混合比は特に限定されないが、固形分重
量比で0.05〜10重量部が好ましく、より好ましく
は0.1〜5重量部である。
【0073】本発明の積層フィルムを製造するに際し
て、ポリエステルフィルム上に積層膜を設ける好ましい
方法としては、ポリエステルフィルムの製造工程中に基
材フィルム上に積層膜塗液を塗布し、基材フィルムと共
に延伸する方法が好適である。中でも、生産性を考慮す
ると、製膜工程中に、塗布方法で積層膜を設ける方法が
最も好適である。
【0074】例えば、溶融押し出しされた結晶配向前の
ポリエステルフィルムを長手方向に2.5〜5倍程度延
伸し、一軸延伸されたフィルムに連続的に塗液を塗布す
る。塗液が塗布されたポリエステルフィルムは、段階的
に加熱されたゾーンを通過しつつ乾燥され、幅方向に
2.5〜5倍程度延伸される。更に、連続的に150〜
250℃の加熱ゾーンに導かれ結晶配向を完了させる方
法(インラインコート法)によって得ることができる。
【0075】本発明においては、塗液を塗布する前に、
基材フィルムの表面(上記例の場合では、一軸延伸ポリ
エステルフィルム)にコロナ放電処理などを施し、該基
材フィルム表面の濡れ張力を、好ましくは47mN/m
以上、より好ましくは50mN/m以上とすることが、
積層膜の基材フィルムとの接着性を向上させることがで
きるので好ましい。
【0076】積層膜の厚みは、特に限定されないが、通
常は0.01〜5μmの範囲が好ましく、より好ましく
は0.02〜2μm、最も好ましくは0.05μm〜
0.5μmである。積層膜の厚みが薄すぎると接着性不
良となる場合がある。
【0077】基材フィルムであるポリエステルフィルム
上への塗液の塗布方法は、各種の塗布方法、例えば、リ
バースコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、
バーコート法、マイヤーバーコート法、ダイコート法、
スプレーコート法などを用いることができる。
【0078】次に、本発明の積層フィルムの製造方法に
ついて、ポリエチレンテレフタレート(以下、「PE
T」と略称する)を基材フィルムとした例について説明
するが、これに限定されるものではない。
【0079】本発明の上述した様々な環境下においても
接着性に優れた積層フィルムは、熱可塑性樹脂フィルム
(PETフィルム)の少なくとも片面に、アクリル樹
脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂から選ばれてなる
少なくとも1種の樹脂とアミドエポキシ化合物を主たる
構成成分としてなる積層膜が設けられ、かつ、該積層膜
において樹脂成分100重量部に対し、アミドエポキシ
化合物が固形分重量比で2重量部以上、200重量部以
下含有させることによって製造することができる。 よ
り具体的には、例えば、極限粘度0.5〜0.8dl/
gのPETペレットを真空乾燥した後、押し出し機に供
給し、260〜300℃で溶融し、T字型口金よりシー
ト状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度
10〜60℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付け
て、冷却固化せしめて未延伸PETフィルムを作成す
る。この未延伸フィルムを70〜120℃に加熱された
ロール間で縦方向(フィルムの進行方向)に2.5〜5
倍延伸する。このようにして得られたPETフィルムの
少なくとも片面にコロナ放電処理を施し、該表面の濡れ
張力を47mN/m以上とし、その処理面に本発明にか
かる積層膜形成塗液を塗布する。次いで、積層膜形成塗
液を塗布したフィルムをクリップで把持して70〜15
0℃に加熱された熱風ゾーンに導き、乾燥した後、幅方
向に2.5〜5倍延伸し、引き続き160〜250℃の
熱処理ゾーンに導き、1〜30秒間の熱処理を行ない、
結晶配向を完了させる。この熱処理工程中において、必
要に応じて幅方向あるいは長手方向に3〜12%の弛緩
処理を施してもよい。二軸延伸は、縦、横逐次延伸ある
いは同時二軸延伸のいずれでもよく、また縦、横延伸
後、縦、横いずれかの方向に再延伸してもよい。また、
ポリエステルフィルムの厚みは特に限定されるものでは
ないが、1〜500μmが好ましく用いられる。
【0080】本発明の上記例において、積層膜が設けら
れる基材フィルム(PETフィルム)中に、積層膜形成
組成物、あるいはこれらの反応生成物から選ばれる少な
くとも1種の成分を含有させることができる。この場合
は、積層膜と基材フィルムとの接着性が向上する、積層
フィルムの易滑性が向上するなどの効果がある。その成
分の添加量は、1種であれ複数種であれ、その添加量の
合計が5ppm以上20重量%未満であることが、接着
性、易滑性の点で好ましい。かかる成分を基材フィルム
に含有させる方法としては、環境保護、生産性を考慮す
ると、該積層膜形成組成物を含む再生ペレットを用いる
方法が好適である。
【0081】このようにして得られた本発明の積層フィ
ルムにおいては、積層膜上に各種の印刷インキや紫外線
硬化型樹脂など様々な被覆物を設けることができる。そ
して、状態下での接着性に優れ、更に経時安定性や湿熱
処理後の接着性にも優れたものとすることができるの
で、各種用途の基材フィルムとして広く用いることがで
きる。例えば、本発明の積層フィルムは、ラベル、X線
写真フィルム、テレホンカードやパチンコカードなどの
プリペイドカード用、拡散板やプリズムフィルムやAR
フィルムなどの光学用フィルム、光記録カード、電気絶
縁部材、オーディオ用やビデオ用やコンピューター用な
どの磁気テープ、ジアゾフィルム、蒸着フィルムなどの
極めて広範な用途の基材フィルムとして用いることがで
きる。
【0082】[特性の測定方法および効果の評価方法]
本発明における特性の測定方法および効果の評価方法は
次のとおりである。
【0083】(1)積層膜の厚み (株)日立製作所製の透過型電子顕微鏡HU−12型を
用い、積層膜を設けた積層フィルムの断面を観察した写
真から積層膜の厚みを求めた。厚みは、測定視野内の3
0個の平均値とした。
【0084】(2)接着性−1(常態下での接着性) 紫外線硬化型インキとして、東洋インキ製造(株)製F
LASH DRY(FDカルトンP墨)およびT&K東
華(株)製ベストキュアー161墨を用い、ロールコー
ト法で積層膜上に約1.5μm厚みに塗布した。その
後、照射強度80W/cmの紫外線ランプを用い、照射
距離(ランプとインキ面の距離)9cmで5秒間照射
し、紫外線硬化型インキを硬化させた。接着性評価は以
下の方法で行なった。
【0085】積層膜に1mm2のクロスカットを100
個入れ、ニチバン(株)製セロハンテープをその上に貼
り付け、ゴムローラーを用いて、荷重19.6Nで3往
復させ、押し付けた後、90度方向に剥離し、インキ硬
化膜の残存した個数により4段階評価(◎:100、
○:80〜99、△:50〜79、×:0〜49)し
た。(◎)と(○)を接着性良好とした。
【0086】(3)接着性−2(耐湿熱接着性) 上記(2)と同様にして、積層膜上に紫外線硬化型イン
キを硬化させた層を設けた後、60℃、相対湿度90%
で24時間放置したものと、72時間放置したものに対
し、上記(2)と同様の接着性評価を行なった。なお、
紫外線硬化型インキは、T&K東華(株)製ベストキュ
アー161墨を用いた。
【0087】(4)耐ボイル性 上記(2)と同様にして積層膜上に紫外線硬化型インキ
を硬化させた層を設けた後、沸騰水中で5分間煮沸した
後、付着した水分をふき取り、3分間風乾した後、上記
(2)と同様の接着性評価を行なった。なお、紫外線硬
化型インキは、T&K東華(株)製ベストキュアー16
1墨を用いた。
【0088】(5)加熱時のヘイズアップ 積層フィルムを、オーブン中170℃で、10分間加熱
した後、スガ試験機(株)製全自動直読ヘイズコンピュ
ーター「HGM−2DP」を用い、サンプルのヘイズを
測定した。3回測定した平均値を、50μm当たりに換
算し、該サンプルのヘイズ値とした。なお、前もって測
定しておいた処理前のサンプルとのヘイズ値の差(Δ
H)を計算により求めた。なお、この値の小さい方が、
環境変化による影響が小さく、優れている。
【0089】 ΔH=(処理後のヘイズ値)−(処理前のヘイズ値) なお、基材フィルムが白色のフィルムは測定から除外し
た。これは白色フィルムは遮光性が高く、測定精度上十
分な透過光が得られなかったためであり、実質的には測
定不可能であるためである。
【0090】(6)ガラス転移温度(Tg) セイコー電子工業(株)製ロボットDSC(示差走査熱
量計)RDC220にセイコー電子工業(株)製SSC
5200ディスクステーションを接続して測定した。D
SCの測定条件は次のとおりである。即ち、試料10m
gをアルミニウムパンに調整後、DSC装置にセツトし
(リファレンス:試料を入れていない同タイプのアルミ
ニウムパン)、300℃の温度で5分間加熱した後、液
体窒素中を用いて急冷処理をする。この試料を10℃/
分で昇温し、そのDSCチャートからガラス転移点(T
g)を検知する。
【0091】
【実施例】次に、実施例に基づいて本発明を説明する
が、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではな
い。
【0092】(実施例1)A層/B層/A層構成の3層
積層フィルムのA層として、結晶融解熱量が48J/g
のポリプロピレン樹脂(アイソタクチックインデックス
=87%、メルトフローインデックス=2.7g/10
分)に、架橋有機粒子として粒径2μmのポリメタクリ
ル酸系重合体の架橋粒子(架橋PMMA)を0.12重
量%添加したA層組成物を用意し、このA層組成物を一
軸押出機に供給して260℃で溶融させた。次に、B層
として、ポリプロピレン樹脂(アイソタクチックインデ
ックス=96.5%、メルトフローインデックス=2.
3g/10分)に、帯電防止剤としてアルキルジエタノ
ールアミン脂肪酸エステルとグリセリン脂肪酸エステル
の混合物(固形分重量比で50対50)を0.8重量%
添加してB層組成物とし、このB層組成物をもう1台別
の一軸押出機に供給して250℃で溶融させた。次い
で、それぞれ瀘過フイルターを経た後に、三層成形口金
にて、A層/B層/A層となるように口金内で合流させ
てシート状に押出して、20℃の温度に加熱した金属ド
ラムに巻き付けて冷却し、厚さ1400μmのシートを
得た。
【0093】次いで、得られたシートを150℃に保た
れたオーブンに通して予熱し、引き続き該シートを13
3℃に保ち周速差を設けたロール間に通し、長手方向に
4倍に延伸して50℃に冷却した。このようにして得ら
れたフィルムに、窒素パージしながらコロナ放電処理を
施し、基材フィルムの濡れ張力を56mN/mとし、そ
の処理面に下記組成の積層膜形成塗液を塗布した。積層
膜形成塗液を塗布したフィルムをテンターに導き、クリ
ップで把持しながら、170℃の温度で予熱し、引き続
き162℃で幅方向に7倍に延伸し、次いで、幅方向に
8%の弛緩を与えつつ、162℃の温度で熱固定をした
後、巻き取り、結晶配向の完了した積層フィルムを得
た。得られた積層フィルムの基材フィルムにおけるA層
/B層/A層の厚み構成比は1/8/1であり、基材フ
ィルム厚みは50μm、積層膜の厚みは0.08μmで
あった。結果を表1に示す。
【0094】「積層膜形成塗液」 ・ウレタン樹脂:大日本インキ(株)製“ハイドラン”
AP−20 ・アミドエポキシ化合物:三井化学(株)製“ユーラミ
ン”P−5600 ・メラミン架橋剤:メチロール化メラミンを、イソプロ
ピルアルコールと水との混合溶媒(10/90(重量
比))に希釈した塗液 上記したウレタン樹脂100重量部に対して、固形分重
量比でアミドエポキシ化合物を2重量部添加し、更にメ
ラミン架橋剤を5重量部添加したものを積層膜形成塗液
とした。
【0095】(実施例2)平均粒径0.4μmのコロイ
ダルシリカを0.015重量%、平均粒径1.4μmの
コロイダルシリカを0.005重量%含有するPETペ
レット(極限粘度0.63dl/g)を十分に真空乾燥
した後、押し出し機に供給し285℃で溶融し、T字型
口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用
いて表面温度25℃の鏡面キャスティングドラムに巻き
付けて冷却固化し未延伸フィルムを得た。この未延伸フ
ィルムを89℃に加熱して長手方向に3.5倍延伸し、
一軸延伸フィルム(基材PETフィルム)とした。この
基材PETフィルムフィルムに空気中でコロナ放電処理
を施し、一軸延伸した基材PETフィルムの濡れ張力を
55mN/mとし、その処理面に下記組成の積層膜形成
塗液を塗布した。ついで、積層膜形成塗液を塗布した一
軸延伸フィルムをクリップで把持しながら予熱ゾーンに
導き、90℃で乾燥後、引き続き連続的に105℃の加
熱ゾーンで幅方向に3.5倍延伸し、更に、230℃の
加熱ゾーンで熱処理を施し、結晶配向の完了した積層P
ETフィルムを得た。このとき、基材PETフィルム厚
みは50μmであり、積層膜の厚みは0.1μmであっ
た。結果を表1に示す。
【0096】「積層膜形成塗液」 ・アクリル樹脂:(アクリル樹脂1) メチルメタクリレート 60重量% エチルアクリレート 37重量% アクリル酸 1重量% N−メチロールアクリルアミド 2重量% 上記組成で共重合したアクリル樹脂共重合体の水性エマ
ルジョン。 ・アミドエポキシ化合物: 三井化学(株)製“ユーラミン”P−5600 上記したアクリル樹脂100重量部に対して、固形分重
量比でアミドエポキシ化合物を5重量部添加したものを
積層膜形成塗液とした。
【0097】(実施例3)実施例2の積層膜形成塗液
で、アミドエポキシ化合物の添加量を10重量部とした
以外は、実施例2と同様にして積層フィルムを得た。結
果を表1に示す。
【0098】(実施例4)実施例2の積層膜形成塗液
で、アミドエポキシ化合物の添加量を40重量部とした
以外は、実施例2と同様にして積層フィルムを得た。結
果を表1に示す。
【0099】(実施例5)実施例2の積層膜形成塗液
で、アミドエポキシ化合物の添加量を100重量部とし
た以外は、実施例2と同様にして積層フィルムを得た。
結果を表1に示す。
【0100】(実施例6)実施例2の積層膜形成塗液
で、アクリル樹脂を下記のアクリル樹脂とした以外は、
実施例2と同様にして積層フィルムを得た。結果を表1
に示す。 ・アクリル樹脂:(アクリル樹脂2) メチルメタクリレート 43重量% エチルアクリレート 50重量% アクリロニトリル 5重量% アクリル酸 1重量% N−メチロールアクリルアミド 1重量% 上記組成で共重合したアクリル樹脂共重合体の水性エマ
ルジョン。
【0101】(実施例7)実施例2で、積層膜形成塗液
を下記組成とした以外は、実施例2と同様にして積層フ
ィルムを得た。結果を表1に示す。
【0102】「積層膜形成塗液」 ・アクリル樹脂:(アクリル樹脂1) メチルメタクリレート 60重量% エチルアクリレート 37重量% アクリル酸 1重量% N−メチロールアクリルアミド 2重量% 上記組成で共重合したアクリル樹脂共重合体の水性エマ
ルジョン。 ・ウレタン樹脂:大日本インキ(株)製“ハイドラン”
AP−20 ・アミドエポキシ化合物:三井化学(株)製“ユーラミ
ン”P−5600 上記したアクリル樹脂とウレタン樹脂を、固形分重量比
で70/30となるように混合したもの100重量部に
対して、固形分重量比でアミドエポキシ化合物を2重量
部添加したものを積層膜形成塗液とした。
【0103】(比較例1)実施例2の積層膜形成塗液
で、アミドエポキシ化合物を添加せずに積層膜形成塗液
とした以外は、実施例2と同様にして積層フィルムを得
た。結果を表1に示す。
【0104】(比較例2)実施例2の積層膜形成塗液
で、アミドエポキシ化合物の添加量を1重量部とした以
外は、実施例2と同様にして積層フィルムを得た。結果
を表1に示す。
【0105】(比較例3)実施例2の積層膜形成塗液
で、アミドエポキシ化合物の添加量を250重量部とし
た以外は、実施例2と同様にして積層フィルムを得た。
結果を表1に示す。なお、塗剤のポットライフも短く、
得られたフィルムの塗布外観も悪いものであった。
【0106】(実施例8)実施例2で、積層膜形成塗液
を下記組成とした以外は、実施例2と同様にして積層フ
ィルムを得た。結果を表1に示す。
【0107】「積層膜形成塗液」 ・ポリエステル樹脂:(ポリエステル樹脂1) ・酸成分 テレフタル酸 50モル% イソフタル酸 29モル% セバチン酸 20モル% 5−ナトリウムスルホイソフタル酸 1モル% ・ジオール成分 エチレングリコール 55モル% ネオペンチルグリコール 44.5モル% ポリエチレングリコール (分子量:4000) 0.5モル% 上記酸成分とジオール成分からなるポリエステル樹脂
(Tg:4℃)の水分散体。 ・ポリエステル樹脂:(ポリエステル樹脂2) ・酸成分 テレフタル酸 40モル% イソフタル酸 40モル% セバチン酸 20モル% ・ジオール成分 エチレングリコール 55モル% ネオペンチルグリコール 43モル% ポリエチレングリコール (分子量:1540) 2モル% 上記酸成分とジオール成分からなるポリエステル樹脂
(Tg:24℃)の水分散体。 ・アミドエポキシ化合物:三井化学(株)製“ユーラミ
ン”P−5600 ・メラミン架橋剤:メチロール化メラミンを、イソプロ
ピルアルコールと水との混合溶媒(10/90(重量
比))に希釈した塗液。
【0108】上記したポリエステル樹脂−1とポリエス
テル樹脂−2を、固形分重量比で60/40となるよう
に混合したもの100重量部に対して、固形分重量比で
アミドエポキシ化合物を3重量部添加し、更にメラミン
架橋剤を5重量部添加したものを積層膜形成塗液とし
た。
【0109】(実施例9)実施例3において、PETペ
レットをポリエチレン−2,6−ナフタレート(以下、
「PEN」と略称する)ペレットに代え、PENフィル
ムとした以外は、実施例3と同様にして積層フィルムを
得た。結果を表1に示す。
【0110】(実施例10)ポリメチルペンテンを5重
量%を含有するPETペレット(極限粘度0.63dl
/g)を十分に真空乾燥した後、285℃に加熱された
押し出し機Aに供給した。また、酸化チタンを7重量%
微分散したPETペレット(極限粘度0.63dl/
g)を十分に真空乾燥した後、285℃に加熱された押
し出し機Bに供給した。押し出し機AとBより押し出さ
れたポリマを、B/A/Bの3層構成となるように共押
し出しにより積層し、T字型口金よりシート状に押し出
し、静電印加キャスト法を用いて表面温度25℃の鏡面
キャスティングドラムに巻き付けて冷却固化し未延伸フ
ィルムを得た。
【0111】このようにして得られた未延伸フィルム
を、90℃に加熱して長手方向に3.4倍延伸し、一軸
延伸フィルムとした。この一軸延伸フィルムに空気中で
コロナ放電処理を施し、基材フィルムの濡れ張力を55
mN/mとし、その処理面に実施例3と同じ積層膜形成
塗液を塗布した。積層膜形成塗液を塗布した一軸延伸フ
ィルムをクリップで把持しながら予熱ゾーンに導き、9
0℃で乾燥後、引き続き連続的に105℃の加熱ゾーン
で幅方向に3.4倍延伸し、更に、210℃の加熱ゾー
ンで熱処理を施し、結晶配向の完了した積層PETフィ
ルムを得た。このとき、基材PETフィルム厚みは50
μm(厚み比はB/A/B=5/90/5)、積層膜の
厚みは0.1μmであった。
【0112】結果を表1に示す。フィルム内部に微細な
空洞を有するため、ハンドリング性、印刷特性とも極め
て良好であり、かつ、軽量化できるなどメリットが多
い。
【0113】(実施例11)酸化チタンを16重量%微
分散したPETペレット(極限粘度0.62dl/g)
を十分に真空乾燥した後、押し出し機に供給し285℃
で溶融し、T字型口金よりシート状に押し出し、静電印
加キャスト法を用いて表面温度25℃の鏡面キャスティ
ングドラムに巻き付けて冷却固化し未延伸フィルムを得
た。この未延伸フィルムを92℃に加熱して長手方向に
3.4倍延伸し、一軸延伸フィルムとした。この一軸延
伸フィルムに空気中でコロナ放電処理を施し、基材フィ
ルムの濡れ張力を55mN/mとし、その処理面に実施
例3と同じ積層膜形成塗液を塗布した。積層膜形成塗液
を塗布した一軸延伸フィルムをクリップで把持しながら
予熱ゾーンに導き、90℃で乾燥後、引き続き連続的に
105℃の加熱ゾーンで幅方向に3.5倍延伸し、更
に、230℃の加熱ゾーンで熱処理を施し、結晶配向の
完了した積層PETフィルムを得た。このとき、基材P
ETフィルム厚みは50μm、積層膜の厚みは0.1μ
mであった。結果を表1に示す。
【0114】
【表1】
【0115】
【発明の効果】本発明によれば、熱可塑性樹脂フィルム
に、特定の混合比率の樹脂とアミドエポキシ化合物から
なる積層膜を設けることで、各種被覆物との常態下での
接着性に優れ、更に、経時安定性や湿熱処理後の接着性
にも優れた効果を発現するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C09J 7/02 C09J 7/02 Z Fターム(参考) 4F100 AH02A AH02B AH03A AH03B AK01A AK25A AK25B AK41B AK42A AK51B AL05A BA02 BA15 EH112 EH462 EJ372 EJ422 JB16A JJ03 JL11 JM02B YY00A YY00B 4J002 BC021 BD031 BD101 BE041 BF021 BG051 BG061 BG071 BG101 BG131 BH021 BN231 BQ001 CD132 CD191 CF041 CF051 CF061 CF141 CG011 CG041 CK021 CK041 4J004 AA10 AA13 AA14 AA15 AA16 CA06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面
    に、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂およびウレタン樹
    脂から選ばれてなる少なくとも1種の樹脂とアミドエポ
    キシ化合物を主たる構成成分としてなる積層膜が設けら
    れ、かつ、該積層膜において該樹脂100重量部に対
    し、アミドエポキシ化合物が固形分重量比で2重量部以
    上、200重量部以下含まれてなることを特徴とする積
    層フィルム。
  2. 【請求項2】 積層膜を構成する樹脂がアクリル樹脂を
    主たる構成成分とすることを特徴とする請求項1に記載
    の積層フィルム。
  3. 【請求項3】 アミドエポキシ化合物の添加量が、樹脂
    成分100重量部に対し、固形分重量比で3重量部以
    上、50重量部以下であることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の積層フィルム。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂フィルムが、ポリエチレン
    テレフタレートフィルムまたはポリエチレン−2,6−
    ナフタレートフィルムであることを特徴とする請求項
    1、2または3に記載の積層フィルム。
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂フィルムが、アクリル樹
    脂、ウレタン樹脂、アミドエポキシ化合物、あるいはこ
    れらの反応生成物の少なくとも1種を、合計で5ppm
    以上20重量%未満含有した組成物からなることを特徴
    とする請求項1、2、3または4に記載の積層フィル
    ム。
  6. 【請求項6】 熱可塑性樹脂フィルムに積層膜を設ける
    に際し、結晶配向が完了する前の熱可塑性樹脂フィルム
    の少なくとも片面に、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂
    およびウレタン樹脂から選ばれてなる少なくとも1種の
    樹脂とアミドエポキシ化合物を主たる構成成分とする積
    層膜形成塗液を塗布後、少なくとも一方向に延伸、熱処
    理を施すことを特徴とする積層フィルムの製造方法。
  7. 【請求項7】 樹脂100重量部に対するアミドエポキ
    シ化合物の割合が、固形分重量比で2重量部以上、20
    0重量部以下であることを特徴とする請求項6記載の積
    層フィルムの製造方法。
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