JP2001180512A - 後輪操舵装置の制御装置 - Google Patents
後輪操舵装置の制御装置Info
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- B62D7/06—Steering linkage; Stub axles or their mountings for individually-pivoted wheels, e.g. on king-pins
- B62D7/14—Steering linkage; Stub axles or their mountings for individually-pivoted wheels, e.g. on king-pins the pivotal axes being situated in more than one plane transverse to the longitudinal centre line of the vehicle, e.g. all-wheel steering
- B62D7/15—Steering linkage; Stub axles or their mountings for individually-pivoted wheels, e.g. on king-pins the pivotal axes being situated in more than one plane transverse to the longitudinal centre line of the vehicle, e.g. all-wheel steering characterised by means varying the ratio between the steering angles of the steered wheels
- B62D7/1581—Steering linkage; Stub axles or their mountings for individually-pivoted wheels, e.g. on king-pins the pivotal axes being situated in more than one plane transverse to the longitudinal centre line of the vehicle, e.g. all-wheel steering characterised by means varying the ratio between the steering angles of the steered wheels characterised by comprising an electrical interconnecting system between the steering control means of the different axles
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- B62D5/04—Power-assisted or power-driven steering electrical, e.g. using an electric servo-motor connected to, or forming part of, the steering gear
- B62D5/043—Power-assisted or power-driven steering electrical, e.g. using an electric servo-motor connected to, or forming part of, the steering gear characterised by clutch means between driving element, e.g. motor, and driven element, e.g. steering column or steering gear
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- B62D5/046—Controlling the motor
- B62D5/0469—End-of-stroke control
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 4WS車の後輪操舵装置の小型化、軽量化を
図りつつ、中立位置への戻り動作や操舵角に対応する左
右の外側位置への移動の際にねじ部の噛込み現象の発生
を電気的制御で防止し、円滑な後輪操舵動作を保証す
る。 【解決手段】 4WS車等の後輪操舵装置110の動作
を制御し、電子回路を利用した電気的構成で実現され、
目標操舵角設定部20、実操舵角計測部50、第1操舵
角調整部40、減速量演算部60から構成される。目標
操舵角設定部は目標操舵角に係る信号を出力し、実操舵
角計測装置は後輪の実操舵角を計測して出力し、操舵角
調整部は目標操舵角と実操舵角の差が0になるようにモ
ータの回転動作を制御する駆動信号を生成する。減速量
演算部は、モータ駆動状態を条件にして、実操舵角に係
る信号に基づきモータの実速度を算出し、かつこの実速
度と予め用意された設定速度とを比較して実速度が設定
速度よりも大きいときに減速量を算出し、減速量に係る
信号を出力する。
図りつつ、中立位置への戻り動作や操舵角に対応する左
右の外側位置への移動の際にねじ部の噛込み現象の発生
を電気的制御で防止し、円滑な後輪操舵動作を保証す
る。 【解決手段】 4WS車等の後輪操舵装置110の動作
を制御し、電子回路を利用した電気的構成で実現され、
目標操舵角設定部20、実操舵角計測部50、第1操舵
角調整部40、減速量演算部60から構成される。目標
操舵角設定部は目標操舵角に係る信号を出力し、実操舵
角計測装置は後輪の実操舵角を計測して出力し、操舵角
調整部は目標操舵角と実操舵角の差が0になるようにモ
ータの回転動作を制御する駆動信号を生成する。減速量
演算部は、モータ駆動状態を条件にして、実操舵角に係
る信号に基づきモータの実速度を算出し、かつこの実速
度と予め用意された設定速度とを比較して実速度が設定
速度よりも大きいときに減速量を算出し、減速量に係る
信号を出力する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は後輪操舵装置の制御
装置に関し、特に、4WS車のごとく前輪の操舵に関連
させて後輪を操舵するように構成された車両において後
輪操舵装置の動作を電気的に改良した後輪操舵装置の制
御装置に関する。
装置に関し、特に、4WS車のごとく前輪の操舵に関連
させて後輪を操舵するように構成された車両において後
輪操舵装置の動作を電気的に改良した後輪操舵装置の制
御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、4WS車(四輪操舵車)が知られ
ている。4WS車は、四輪車両の運転においてハンドル
(操舵輪)を切ったときに、前輪の向きを変える(前輪
の転舵)と同時に後輪の向きも変える(後輪の転舵)と
いう仕組みを有している。この仕組みによって、例え
ば、後輪を前輪と同方向に転舵することにより高速走行
中の車線変更において安定して走ることができ、あるい
は、低速走行で狭い場所で右左折するとき後輪を前輪と
逆方向に転舵することにより小回りで右左折することが
できる。前輪の転舵方向に対する後輪の転舵方向は走行
の目的に応じて定められる。かかる4WS車は、通常の
前輪操舵装置と共に、ハンドルの操作に応じて、前輪の
操舵に関連して後輪を操舵する後輪操舵装置を備えてい
る。4WS車において後輪操舵装置は必須の装置であ
る。なお、後輪操舵装置は「後輪転舵装置」とも呼ばれ
るが、本明細書の説明では「後輪操舵装置」という技術
用語を用いることにする。また「操舵」と「転舵」は実
質的に同じ技術的意味である。
ている。4WS車は、四輪車両の運転においてハンドル
(操舵輪)を切ったときに、前輪の向きを変える(前輪
の転舵)と同時に後輪の向きも変える(後輪の転舵)と
いう仕組みを有している。この仕組みによって、例え
ば、後輪を前輪と同方向に転舵することにより高速走行
中の車線変更において安定して走ることができ、あるい
は、低速走行で狭い場所で右左折するとき後輪を前輪と
逆方向に転舵することにより小回りで右左折することが
できる。前輪の転舵方向に対する後輪の転舵方向は走行
の目的に応じて定められる。かかる4WS車は、通常の
前輪操舵装置と共に、ハンドルの操作に応じて、前輪の
操舵に関連して後輪を操舵する後輪操舵装置を備えてい
る。4WS車において後輪操舵装置は必須の装置であ
る。なお、後輪操舵装置は「後輪転舵装置」とも呼ばれ
るが、本明細書の説明では「後輪操舵装置」という技術
用語を用いることにする。また「操舵」と「転舵」は実
質的に同じ技術的意味である。
【0003】従来の後輪操舵装置の基本的な構造を概説
する。4輪車両における車体後部の両側に位置する2つ
の後輪は、それぞれ、軸方向を車幅方向に向けて配置さ
れた1本の操舵ロッドの両端にナックルアーム等の機構
を介して連結されている。操舵ロッドに対して、これ
を、その軸方向であってかつ車両前方に向かって左右の
いずれかの方向に移動させるための機構とその駆動装置
が設けられる。左右の2つの後輪の間には、操舵ロッド
による連結関係が形成されている。操舵ロッドが、その
軸方向にて中央の中立位置にあるとき、両側の2つの後
輪は転舵されることなく車両前方の直進方向に向いてい
る。操舵ロッドが駆動装置の動作に応じて左右のいずれ
かの方向に移動するとき、ナックルアームの作用に基づ
いて、左右2つの後輪は操舵ロッドの移動方向の反対と
なる方向に転舵される。
する。4輪車両における車体後部の両側に位置する2つ
の後輪は、それぞれ、軸方向を車幅方向に向けて配置さ
れた1本の操舵ロッドの両端にナックルアーム等の機構
を介して連結されている。操舵ロッドに対して、これ
を、その軸方向であってかつ車両前方に向かって左右の
いずれかの方向に移動させるための機構とその駆動装置
が設けられる。左右の2つの後輪の間には、操舵ロッド
による連結関係が形成されている。操舵ロッドが、その
軸方向にて中央の中立位置にあるとき、両側の2つの後
輪は転舵されることなく車両前方の直進方向に向いてい
る。操舵ロッドが駆動装置の動作に応じて左右のいずれ
かの方向に移動するとき、ナックルアームの作用に基づ
いて、左右2つの後輪は操舵ロッドの移動方向の反対と
なる方向に転舵される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】次に後輪操舵装置を正
確に理解するため後輪操舵装置の一例を図面を参照して
説明する。図16〜図22は、本出願人が先に提案した
先願に開示される後輪操舵装置の要部構成を概略的に示
す。図16〜図22に示された後輪操舵装置は特願平1
1−169609号の明細書に記述された装置を要約し
て説明するための図である。なおこの特許出願は平成1
1年6月16日に出願され、かつ平成12年3月21日
に特開平2000−79881号として公開されてい
る。本発明は、上記後輪操舵装置の機構の上での望まし
くない点をさらに改良するものである。そこで以下に図
16〜図22に基づき上記特許出願に記述された後輪操
舵装置の改良すべき技術課題を明らかにする。
確に理解するため後輪操舵装置の一例を図面を参照して
説明する。図16〜図22は、本出願人が先に提案した
先願に開示される後輪操舵装置の要部構成を概略的に示
す。図16〜図22に示された後輪操舵装置は特願平1
1−169609号の明細書に記述された装置を要約し
て説明するための図である。なおこの特許出願は平成1
1年6月16日に出願され、かつ平成12年3月21日
に特開平2000−79881号として公開されてい
る。本発明は、上記後輪操舵装置の機構の上での望まし
くない点をさらに改良するものである。そこで以下に図
16〜図22に基づき上記特許出願に記述された後輪操
舵装置の改良すべき技術課題を明らかにする。
【0005】図16は後輪操舵装置の要部を分解して示
す。後輪操舵装置400において、前述した操舵ロッド
440が設けられ、これに平行な位置関係でねじ軸42
1が配置されている。ねじ軸421は、中央を境にして
左右でねじの切り方が逆になっている。そこで、図中、
ねじ軸421では左ねじ部421Lと右ねじ部421R
が示されている。ねじ軸421は、モータ411から減
速機構417を介して回転動力が伝達され、時計方向ま
たは反時計方向に回転する。このねじ軸421に対し
て、左右の位置関係にある左スライドブロック420L
と右スライドブロック420Rが配置される。左右のス
ライドブロック420L,420Rの各々は、雄ねじと
雌ねじによる螺合関係に基づき、ねじ軸421に係合さ
れている。ねじ軸421は、その回転動作および上記螺
合関係に基づき、左右のスライドブロック420L,4
20Rの各々をねじ軸421に平行な方向に移動させる
駆動軸である。ねじ軸421による左右のスライドブロ
ック420L,420Rの移動の例は図18と図19を
参照して後で説明する。操舵ロッド440の中央にセン
タピース441が固定されている。左スライドブロック
420Lと右スライドブロック420Rは、操舵ロッド
440において、センタピース441の両側位置に配置
されている。操舵ロッド440は、左スライドブロック
420Lと右スライドブロック420Rの各々に形成さ
れた孔に貫通されている。
す。後輪操舵装置400において、前述した操舵ロッド
440が設けられ、これに平行な位置関係でねじ軸42
1が配置されている。ねじ軸421は、中央を境にして
左右でねじの切り方が逆になっている。そこで、図中、
ねじ軸421では左ねじ部421Lと右ねじ部421R
が示されている。ねじ軸421は、モータ411から減
速機構417を介して回転動力が伝達され、時計方向ま
たは反時計方向に回転する。このねじ軸421に対し
て、左右の位置関係にある左スライドブロック420L
と右スライドブロック420Rが配置される。左右のス
ライドブロック420L,420Rの各々は、雄ねじと
雌ねじによる螺合関係に基づき、ねじ軸421に係合さ
れている。ねじ軸421は、その回転動作および上記螺
合関係に基づき、左右のスライドブロック420L,4
20Rの各々をねじ軸421に平行な方向に移動させる
駆動軸である。ねじ軸421による左右のスライドブロ
ック420L,420Rの移動の例は図18と図19を
参照して後で説明する。操舵ロッド440の中央にセン
タピース441が固定されている。左スライドブロック
420Lと右スライドブロック420Rは、操舵ロッド
440において、センタピース441の両側位置に配置
されている。操舵ロッド440は、左スライドブロック
420Lと右スライドブロック420Rの各々に形成さ
れた孔に貫通されている。
【0006】左右のスライドブロック420L,420
Rの各々にはクラッチ機構430L,430Rが付設さ
れている。操舵ロッド440が左右のスライドブロック
420L,420Rの各々の孔に貫通されるという配置
関係において、クラッチ機構430L,430Rがオン
動作されると、スライドブロック420L,420Rは
操舵ロッド440に連結される。クラッチ機構430
L,430Rがオフ動作されると、スライドブロック4
20L,420Rと操舵ロッド440との連結は解除さ
れる。上記の連結動作では、左右のスライドブロック4
20L,420Rのいずれか1つが操舵ロッド440と
連結され、残りのスライドブロックは連結解除の状態に
ある。左右のスライドブロック420L,420Rの両
方が同時に操舵ロッド440に連結されることはない。
Rの各々にはクラッチ機構430L,430Rが付設さ
れている。操舵ロッド440が左右のスライドブロック
420L,420Rの各々の孔に貫通されるという配置
関係において、クラッチ機構430L,430Rがオン
動作されると、スライドブロック420L,420Rは
操舵ロッド440に連結される。クラッチ機構430
L,430Rがオフ動作されると、スライドブロック4
20L,420Rと操舵ロッド440との連結は解除さ
れる。上記の連結動作では、左右のスライドブロック4
20L,420Rのいずれか1つが操舵ロッド440と
連結され、残りのスライドブロックは連結解除の状態に
ある。左右のスライドブロック420L,420Rの両
方が同時に操舵ロッド440に連結されることはない。
【0007】クラッチ機構430L,430Rは、それ
ぞれ、横方向に突き出た作動レバー424L,424R
を備えている。作動レバー424L,424Rは、それ
ぞれ、クラッチ機構430L,430Rのクラッチリン
グ432L,432Rに設けられている。作動レバー4
24L,424Rは、ケーシング(図示せず)に形成さ
れた図17に示すごとき案内溝431に沿って移動す
る。案内溝431の横方向溝部分によって作動レバー4
24L,424Rはねじ軸421に平行な方向の移動が
一定の範囲で動くようにされる。従ってスライドブロッ
ク420L,420Rについてのねじ軸421に平行な
方向の動きは制限され、一定範囲内でのみ動き得る。さ
らに作動レバー424L,424Rは、左右のスライド
ブロック420L,420Rがねじ軸421の中央部に
対応する場所に位置するときにだけ、電動アクチュエー
タ425L,425Rの作動により、案内溝431の縦
方向溝部分に沿って動き得る。図17に示される状態で
は、作動レバー424L,424Rは共に案内溝431
の縦方向の部分の上限位置にセットされている。この状
態によれば、左右のスライドブロック420L,420
Rのねじ軸421に平行な方向の動きが全くできないよ
うになっている。
ぞれ、横方向に突き出た作動レバー424L,424R
を備えている。作動レバー424L,424Rは、それ
ぞれ、クラッチ機構430L,430Rのクラッチリン
グ432L,432Rに設けられている。作動レバー4
24L,424Rは、ケーシング(図示せず)に形成さ
れた図17に示すごとき案内溝431に沿って移動す
る。案内溝431の横方向溝部分によって作動レバー4
24L,424Rはねじ軸421に平行な方向の移動が
一定の範囲で動くようにされる。従ってスライドブロッ
ク420L,420Rについてのねじ軸421に平行な
方向の動きは制限され、一定範囲内でのみ動き得る。さ
らに作動レバー424L,424Rは、左右のスライド
ブロック420L,420Rがねじ軸421の中央部に
対応する場所に位置するときにだけ、電動アクチュエー
タ425L,425Rの作動により、案内溝431の縦
方向溝部分に沿って動き得る。図17に示される状態で
は、作動レバー424L,424Rは共に案内溝431
の縦方向の部分の上限位置にセットされている。この状
態によれば、左右のスライドブロック420L,420
Rのねじ軸421に平行な方向の動きが全くできないよ
うになっている。
【0008】以上の構成に基づき、クラッチ機構430
L,430Rの動作が定められ、さらにクラッチ機構4
30L,430Rに関係付けられた左スライドブロック
420Lまたは右スライドブロック420Rの動きが定
められる。操舵ロッド440は、左スライドブロック4
20Lまたは右スライドブロック420Rの動きに応じ
てその軸方向に動くようにされている。
L,430Rの動作が定められ、さらにクラッチ機構4
30L,430Rに関係付けられた左スライドブロック
420Lまたは右スライドブロック420Rの動きが定
められる。操舵ロッド440は、左スライドブロック4
20Lまたは右スライドブロック420Rの動きに応じ
てその軸方向に動くようにされている。
【0009】また操舵ロッド440の軸方向の動作に追
従して作動する追従機構426がセンタピース441の
上側に設けられる。操舵ストロークセンサ427は追従
機構426を介して操舵ロッド440の動作方向と動作
量(移動距離)を検出する。さらに左右のスライドブロ
ック420L,420Rの動きに追従して作動する他の
追従機構428を、代表的に左スライドブロック430
Lに関連して設けている。駆動ストロークセンサ429
は追従機構428を介して左右のスライドブロック43
0L,430Rの動作方向と動作量(移動距離)を検出
する。
従して作動する追従機構426がセンタピース441の
上側に設けられる。操舵ストロークセンサ427は追従
機構426を介して操舵ロッド440の動作方向と動作
量(移動距離)を検出する。さらに左右のスライドブロ
ック420L,420Rの動きに追従して作動する他の
追従機構428を、代表的に左スライドブロック430
Lに関連して設けている。駆動ストロークセンサ429
は追従機構428を介して左右のスライドブロック43
0L,430Rの動作方向と動作量(移動距離)を検出
する。
【0010】また図16において後輪操舵装置400の
下側には、図示しないケーシング内面から突き出させた
ストッパ491が設けられている。ストッパ491は中
立位置を定め、左右のスライダブロック430R,43
0Lの戻り移動において中立位置に停止させるためのも
のである。
下側には、図示しないケーシング内面から突き出させた
ストッパ491が設けられている。ストッパ491は中
立位置を定め、左右のスライダブロック430R,43
0Lの戻り移動において中立位置に停止させるためのも
のである。
【0011】図18と図19は車両において後輪操舵装
置を上側から見た図である。図18と図19において4
44と445は車両の左右の後輪を示し、上方が車両の
前方であり、直進方向となる。図18は左右の後輪44
4,445を直進方向に向って左方向に角度θで転舵さ
せた状態を示し、図19は左右の後輪444,445を
直進方向に向け(中立位置でθ=0)、車両が直進して
いる状態を示す。
置を上側から見た図である。図18と図19において4
44と445は車両の左右の後輪を示し、上方が車両の
前方であり、直進方向となる。図18は左右の後輪44
4,445を直進方向に向って左方向に角度θで転舵さ
せた状態を示し、図19は左右の後輪444,445を
直進方向に向け(中立位置でθ=0)、車両が直進して
いる状態を示す。
【0012】モータ411によってねじ軸421を予め
定められた特定方向に回転させると、左ねじ部421L
と右ねじ部421Rの逆ねじ作用に基づき、左右のスラ
イドブロック420L,420Rは同時に外側に移動し
て互いに遠ざかる。モータ411によってねじ軸421
を上記特定方向の逆方向に回転させると、左ねじ部42
1Lと右ねじ部421Rの逆ねじ作用に基づき、左右の
スライドブロック420L,420Rは同時に内側に移
動して互いに接近する。そこで、例えば中央の中立位置
に位置する右スライドブロック420Rを外側(図18
中の右方向)に移動させるときに、これに先立って前述
のクラッチ機構430Rをオン動作させれば、右スライ
ドブロック420Rが操舵ロッド440に連結され、操
舵ロッド440は右スライドブロック420Rの右方向
の移動に伴って一緒に右方向に移動する。操舵ロッド4
40が右方向に移動すると、図18に示されるごとく、
左右のナックルアーム442,443を介して左右の後
輪444,445が操舵角度θだけ転舵される。
定められた特定方向に回転させると、左ねじ部421L
と右ねじ部421Rの逆ねじ作用に基づき、左右のスラ
イドブロック420L,420Rは同時に外側に移動し
て互いに遠ざかる。モータ411によってねじ軸421
を上記特定方向の逆方向に回転させると、左ねじ部42
1Lと右ねじ部421Rの逆ねじ作用に基づき、左右の
スライドブロック420L,420Rは同時に内側に移
動して互いに接近する。そこで、例えば中央の中立位置
に位置する右スライドブロック420Rを外側(図18
中の右方向)に移動させるときに、これに先立って前述
のクラッチ機構430Rをオン動作させれば、右スライ
ドブロック420Rが操舵ロッド440に連結され、操
舵ロッド440は右スライドブロック420Rの右方向
の移動に伴って一緒に右方向に移動する。操舵ロッド4
40が右方向に移動すると、図18に示されるごとく、
左右のナックルアーム442,443を介して左右の後
輪444,445が操舵角度θだけ転舵される。
【0013】次に、図18に示される外側に移動して離
れた状態にある左右のスライドブロック420L,42
0Rを中央の中立位置に戻し、図19に示すごとく左右
の後輪444,445の操舵角θを0としたいときに
は、モータ411を逆転させてねじ軸421も逆転させ
る。このとき、左右のスライドブロック420L,42
0Rは同時に接近し、右スライドブロック420Rと連
結状態にある操舵ロッド440は左方向に戻される。そ
の結果、左右の後輪444,445が直進方向を向く。
れた状態にある左右のスライドブロック420L,42
0Rを中央の中立位置に戻し、図19に示すごとく左右
の後輪444,445の操舵角θを0としたいときに
は、モータ411を逆転させてねじ軸421も逆転させ
る。このとき、左右のスライドブロック420L,42
0Rは同時に接近し、右スライドブロック420Rと連
結状態にある操舵ロッド440は左方向に戻される。そ
の結果、左右の後輪444,445が直進方向を向く。
【0014】左右のスライドブロック420L,420
Rを同時に中央の位置に向かって接近させるとき、最終
的に、左右のスライドブロック420L,420Rは矢
印498,499に示すごとくストッパ491に左右の
側から接触し、押し付けられる。左右のスライドブロッ
ク420L,420Rは、その接近動作がストッパ49
1によって制限され、これにより中央の中立位置に停止
する。またこのとき左スライドブロック420Lはセン
タピース441の左端にも接触し、その移動が制限され
る。このようにして操舵ロッド440が、操舵によって
中立位置以外のいずれかの位置にある場合に、その後に
おいては、モータ411を逆転させ、操舵ロッド440
を正確に機構上の中立位置に位置合せする。
Rを同時に中央の位置に向かって接近させるとき、最終
的に、左右のスライドブロック420L,420Rは矢
印498,499に示すごとくストッパ491に左右の
側から接触し、押し付けられる。左右のスライドブロッ
ク420L,420Rは、その接近動作がストッパ49
1によって制限され、これにより中央の中立位置に停止
する。またこのとき左スライドブロック420Lはセン
タピース441の左端にも接触し、その移動が制限され
る。このようにして操舵ロッド440が、操舵によって
中立位置以外のいずれかの位置にある場合に、その後に
おいては、モータ411を逆転させ、操舵ロッド440
を正確に機構上の中立位置に位置合せする。
【0015】同様にして、左スライドブロック420L
については、そのクラッチ機構430Lをオン動作させ
ることにより操舵ロッド440と連結し、後輪444,
445を右方向に向けて転舵させ、またその後、直進方
向の中立位置に戻すことができる。
については、そのクラッチ機構430Lをオン動作させ
ることにより操舵ロッド440と連結し、後輪444,
445を右方向に向けて転舵させ、またその後、直進方
向の中立位置に戻すことができる。
【0016】上記構成を有する後輪操舵装置では、次の
ような課題が提起される。
ような課題が提起される。
【0017】左方向または右方向に転舵された後輪44
4,445を直進方向に戻す際、例えば素早い操舵に応
答させてスライドブロック420L,420Rを高速で
中立位置に戻すことがある。この場合、戻りの移動動作
が速すぎると、スライドブロック420L,420Rが
ストッパ491に当たって中立位置で停止しようとする
とき、モータ411の回転動作による慣性の作用が存在
するので、ねじ軸421がさらに回転し、その結果、ス
ライドブロックのねじ孔に押し込まれてしまうことがあ
る。この動作状態を図解する。
4,445を直進方向に戻す際、例えば素早い操舵に応
答させてスライドブロック420L,420Rを高速で
中立位置に戻すことがある。この場合、戻りの移動動作
が速すぎると、スライドブロック420L,420Rが
ストッパ491に当たって中立位置で停止しようとする
とき、モータ411の回転動作による慣性の作用が存在
するので、ねじ軸421がさらに回転し、その結果、ス
ライドブロックのねじ孔に押し込まれてしまうことがあ
る。この動作状態を図解する。
【0018】図20は、一例として、右スライドブロッ
ク420Rがストッパ491の右端面に接触し力が加わ
った状態の要部を拡大して示している。ねじ軸421を
逆方向(矢印451に示す方向)に回転させ、右スライ
ドブロック420Rを左方向(矢印499に示す方向)
に移動させて戻すと、右スライドブロック420Rが中
立位置でストッパ491の右側端面に接触し、押し付け
られる。この状態に関して、図20中、一点鎖線で描か
れた円452を拡大して2つの場合を示したのが、図2
1および図22である。
ク420Rがストッパ491の右端面に接触し力が加わ
った状態の要部を拡大して示している。ねじ軸421を
逆方向(矢印451に示す方向)に回転させ、右スライ
ドブロック420Rを左方向(矢印499に示す方向)
に移動させて戻すと、右スライドブロック420Rが中
立位置でストッパ491の右側端面に接触し、押し付け
られる。この状態に関して、図20中、一点鎖線で描か
れた円452を拡大して2つの場合を示したのが、図2
1および図22である。
【0019】図21および図22では、右スライドブロ
ック420Rの雌ねじ453と、ねじ軸421の右ねじ
部421Rの雄ねじ454との関係が示されている。図
21に示されるごとく、右スライドブロック420Rが
ストッパ491に当たったときにねじ軸421の回転が
直ぐに停止すれば、雄ねじ454において問題となる変
形は生じない。他方、図22に示されるごとく、右スラ
イドブロック420Rがストッパ491に当たったとき
にモータ411の回転動作の慣性力でねじ軸421の回
転の停止が上記慣性で遅れると、雄ねじ454において
問題となる変形(噛込み状態)が生じる。図22に示し
た噛込み状態が発生すると、雌ねじ453から雄ねじ4
54が外れない状態になりやすく、次に後輪を操舵しよ
うとするとき、ねじ軸421の回転を再開できなくな
る。
ック420Rの雌ねじ453と、ねじ軸421の右ねじ
部421Rの雄ねじ454との関係が示されている。図
21に示されるごとく、右スライドブロック420Rが
ストッパ491に当たったときにねじ軸421の回転が
直ぐに停止すれば、雄ねじ454において問題となる変
形は生じない。他方、図22に示されるごとく、右スラ
イドブロック420Rがストッパ491に当たったとき
にモータ411の回転動作の慣性力でねじ軸421の回
転の停止が上記慣性で遅れると、雄ねじ454において
問題となる変形(噛込み状態)が生じる。図22に示し
た噛込み状態が発生すると、雌ねじ453から雄ねじ4
54が外れない状態になりやすく、次に後輪を操舵しよ
うとするとき、ねじ軸421の回転を再開できなくな
る。
【0020】上記の例では後輪転舵後の中立位置への戻
り動作における噛込み状態発生の問題を説明した。しか
しながら、後輪を右方または左方へ転舵させて予め設定
された操舵角に対応する転舵位置へ正確に後輪を向ける
場合にも、外側位置に対応して設けたストッパによって
スライドブロックの停止位置を定めるので、モータの慣
性動作の関係で、同様な問題が生じる。左右の外側位置
に対応して設けられたストッパも、前述のストッパ49
1と同様に、ケーシングの内面に形成された凸部であ
る。
り動作における噛込み状態発生の問題を説明した。しか
しながら、後輪を右方または左方へ転舵させて予め設定
された操舵角に対応する転舵位置へ正確に後輪を向ける
場合にも、外側位置に対応して設けたストッパによって
スライドブロックの停止位置を定めるので、モータの慣
性動作の関係で、同様な問題が生じる。左右の外側位置
に対応して設けられたストッパも、前述のストッパ49
1と同様に、ケーシングの内面に形成された凸部であ
る。
【0021】中立位置への戻り動作、あるいは操舵角に
対応する左右の外側位置への移動動作における上記の噛
込み状態の発生を避けるためには、例えば、十分に大き
な径のねじ軸421と大きな内径の左右のスライドブロ
ック420L,420Rを用い、さらに雄ねじ454や
雌ねじ453の剛性を高めることが必要である。しか
し、この構成を採用すると、後輪操舵装置400が全体
として大型化する。後輪操舵装置400が大型化する
と、大型のモータ411と大電流用駆動回路が必要にな
り、製作コストの上昇を招く。
対応する左右の外側位置への移動動作における上記の噛
込み状態の発生を避けるためには、例えば、十分に大き
な径のねじ軸421と大きな内径の左右のスライドブロ
ック420L,420Rを用い、さらに雄ねじ454や
雌ねじ453の剛性を高めることが必要である。しか
し、この構成を採用すると、後輪操舵装置400が全体
として大型化する。後輪操舵装置400が大型化する
と、大型のモータ411と大電流用駆動回路が必要にな
り、製作コストの上昇を招く。
【0022】なお、後輪操舵装置の機構的構成は、スラ
イドブロック420L,420Rとねじ軸421を利用
して構成された前述の例に限定されない。機構的な面で
その他の構成例を有する後輪操舵装置においても、左右
へ移動するスライド部材とこれらのスライド部材を移動
させる機構との動力伝達機構がねじ軸機構で構成されて
いる限り、前述の噛込みの現象に関する問題は同様に起
きる。
イドブロック420L,420Rとねじ軸421を利用
して構成された前述の例に限定されない。機構的な面で
その他の構成例を有する後輪操舵装置においても、左右
へ移動するスライド部材とこれらのスライド部材を移動
させる機構との動力伝達機構がねじ軸機構で構成されて
いる限り、前述の噛込みの現象に関する問題は同様に起
きる。
【0023】本発明の目的は、上記の問題を解決するこ
とにあり、4WS車の後輪操舵装置の小型化、軽量化を
図りつつ、中立位置への戻り動作や操舵角に対応する左
右の外側位置への移動の際にスライダ部材のねじ部と、
これを左右に移動させるねじ軸機構のねじ部の噛込み現
象の発生を電気的制御で防止し、円滑な後輪操舵動作を
保証する後輪操舵装置の制御装置を提供することにあ
る。
とにあり、4WS車の後輪操舵装置の小型化、軽量化を
図りつつ、中立位置への戻り動作や操舵角に対応する左
右の外側位置への移動の際にスライダ部材のねじ部と、
これを左右に移動させるねじ軸機構のねじ部の噛込み現
象の発生を電気的制御で防止し、円滑な後輪操舵動作を
保証する後輪操舵装置の制御装置を提供することにあ
る。
【0024】
【課題を解決するための手段および作用】本発明に係る
後輪操舵装置の制御装置は、上記の目的を達成するため
に、次のように構成される。
後輪操舵装置の制御装置は、上記の目的を達成するため
に、次のように構成される。
【0025】第1の後輪操舵装置の制御装置(請求項1
に対応)は、4WS車等の後輪操舵装置の動作を制御す
るもので、次の構成を有する。まず制御装置が適用され
る後輪操舵装置は、前提の構成として、後輪操舵を行う
駆動用モータの回転動作に伴って回転する回転力伝達部
材(外側回転筒等)と、逆ねじ関係のねじ部に基づく螺
合部を介して回転力伝達部材の回転力を受け、反対方向
に移動する一対のスライド部材(左右のスライド筒等)
と、一対のスライド部材のいずれか一方と2つの後輪の
間に設けられた操舵ロッドとの間で連結関係を作るクラ
ッチ機構(内側クラッチ筒等)と、前記一対のスライド
部材の中立位置を定め、スライド部材の各々の移動を制
限する第1ストッパとを備える。一対のスライド部材
は、互いに離れるように中央の中立位置から操舵角に対
応する外側位置まで移動し、または互いに接近するよう
に外側位置から中立位置へ移動するように設けられてい
る。螺合部は、回転力伝達部材と一対のスライド部材と
を関係づけ、回転力伝達部材の回転に応じて一対のスラ
イド部材を互いに離れさせまたは接近させる。以上の構
成を有する後輪操舵装置は、クラッチ機構によって一方
のスライド部材と操舵ロッドとの間に連結関係を持たせ
た状態で、モータの回転に基づき一対のスライド部材を
離れさせて後輪を操舵角に転舵させ、モータの逆転に基
づき一対のスライド部材を接近させて後輪を中立位置に
戻すように動作する。一対のスライド部材の戻り動作に
おいて、上記中立位置での停止は、上記第1ストッパを
利用して機構的に設定されている。
に対応)は、4WS車等の後輪操舵装置の動作を制御す
るもので、次の構成を有する。まず制御装置が適用され
る後輪操舵装置は、前提の構成として、後輪操舵を行う
駆動用モータの回転動作に伴って回転する回転力伝達部
材(外側回転筒等)と、逆ねじ関係のねじ部に基づく螺
合部を介して回転力伝達部材の回転力を受け、反対方向
に移動する一対のスライド部材(左右のスライド筒等)
と、一対のスライド部材のいずれか一方と2つの後輪の
間に設けられた操舵ロッドとの間で連結関係を作るクラ
ッチ機構(内側クラッチ筒等)と、前記一対のスライド
部材の中立位置を定め、スライド部材の各々の移動を制
限する第1ストッパとを備える。一対のスライド部材
は、互いに離れるように中央の中立位置から操舵角に対
応する外側位置まで移動し、または互いに接近するよう
に外側位置から中立位置へ移動するように設けられてい
る。螺合部は、回転力伝達部材と一対のスライド部材と
を関係づけ、回転力伝達部材の回転に応じて一対のスラ
イド部材を互いに離れさせまたは接近させる。以上の構
成を有する後輪操舵装置は、クラッチ機構によって一方
のスライド部材と操舵ロッドとの間に連結関係を持たせ
た状態で、モータの回転に基づき一対のスライド部材を
離れさせて後輪を操舵角に転舵させ、モータの逆転に基
づき一対のスライド部材を接近させて後輪を中立位置に
戻すように動作する。一対のスライド部材の戻り動作に
おいて、上記中立位置での停止は、上記第1ストッパを
利用して機構的に設定されている。
【0026】以上の後輪操舵装置に対して本発明に係る
制御装置が設けられる。この制御装置は、電子回路を利
用した電気的構成で実現され、目標操舵角設定部と、実
操舵角計測装置(操舵ストロークセンサと実操舵角計測
部)と、操舵角調整部と、減速量演算部から構成され
る。目標操舵角設定部は目標操舵角に係る信号を出力す
る。実操舵角計測装置は、後輪の実操舵角を計測してこ
の実操舵角に係る信号を出力する。操舵角調整部は、目
標操舵角に係る信号と実操舵角に係る信号を取り入れて
これらの2つの信号の差が0になるようにモータの回転
動作を制御する駆動信号を生成し、この駆動信号をモー
タへ与え、一対のスライド部材を、後輪を目標の操舵角
に転舵させるべく外側位置へ移動させ、または、後輪を
直進方向に向けるべく中立位置へ戻すという機能を有す
る。減速量演算部は、モータの駆動状態を条件にして、
実操舵角に係る信号に基づきモータの実速度を算出し、
かつこの実速度と予め用意された設定速度とを比較して
実速度が設定速度よりも大きいときに減速量を算出し、
減速量に係る信号を出力する。以上の制御装置の構成に
よれば、操舵角調整部は、減速量に係る信号を取り入
れ、駆動信号から減速量を差し引く減算部を含む。
制御装置が設けられる。この制御装置は、電子回路を利
用した電気的構成で実現され、目標操舵角設定部と、実
操舵角計測装置(操舵ストロークセンサと実操舵角計測
部)と、操舵角調整部と、減速量演算部から構成され
る。目標操舵角設定部は目標操舵角に係る信号を出力す
る。実操舵角計測装置は、後輪の実操舵角を計測してこ
の実操舵角に係る信号を出力する。操舵角調整部は、目
標操舵角に係る信号と実操舵角に係る信号を取り入れて
これらの2つの信号の差が0になるようにモータの回転
動作を制御する駆動信号を生成し、この駆動信号をモー
タへ与え、一対のスライド部材を、後輪を目標の操舵角
に転舵させるべく外側位置へ移動させ、または、後輪を
直進方向に向けるべく中立位置へ戻すという機能を有す
る。減速量演算部は、モータの駆動状態を条件にして、
実操舵角に係る信号に基づきモータの実速度を算出し、
かつこの実速度と予め用意された設定速度とを比較して
実速度が設定速度よりも大きいときに減速量を算出し、
減速量に係る信号を出力する。以上の制御装置の構成に
よれば、操舵角調整部は、減速量に係る信号を取り入
れ、駆動信号から減速量を差し引く減算部を含む。
【0027】第1の後輪操舵装置の制御装置によれば、
例えば、後輪転舵の後にモータの逆転で左右のスライダ
部材を中立位置に戻そうとするとき、スライダ部材を中
立位置に停止させるにあたってケーシングに形成された
第1ストッパで機械的構成で強制的に停止させるが、中
立位置となる直前で、モータの実際の回転速度を基準と
なる設定速度と比較してモータの駆動信号を調整し、モ
ータの回転速度を減速し、噛込み状態が発生するのを防
止する。
例えば、後輪転舵の後にモータの逆転で左右のスライダ
部材を中立位置に戻そうとするとき、スライダ部材を中
立位置に停止させるにあたってケーシングに形成された
第1ストッパで機械的構成で強制的に停止させるが、中
立位置となる直前で、モータの実際の回転速度を基準と
なる設定速度と比較してモータの駆動信号を調整し、モ
ータの回転速度を減速し、噛込み状態が発生するのを防
止する。
【0028】第2の後輪操舵装置の制御装置(請求項2
に対応)は、上記の構成において、モータの駆動状態の
上記条件が、一対のスライド部材が中立位置へ戻る移動
でありかつスライド部材が中立位置に近い設定範囲に入
ることであるということで特徴づけられる。これによっ
て、一対のスライド部材が中立位置で停止する直前にモ
ータの回転速度を上記減速量を利用して減速させる。
に対応)は、上記の構成において、モータの駆動状態の
上記条件が、一対のスライド部材が中立位置へ戻る移動
でありかつスライド部材が中立位置に近い設定範囲に入
ることであるということで特徴づけられる。これによっ
て、一対のスライド部材が中立位置で停止する直前にモ
ータの回転速度を上記減速量を利用して減速させる。
【0029】第3の後輪操舵装置の制御装置(請求項3
に対応)は、上記の構成において、最外位置の最外位置
を定め、一対のスライド部材の各々の移動を制限する第
2ストッパを備えており、かつ、モータの駆動状態の上
記条件が、一対のスライド部材が外側位置へ移動しかつ
スライド部材が最外位置に近い設定範囲に入ることであ
るということで特徴づけられている。これにより、一対
のスライド部材が最外位置で停止する直前にモータの回
転速度を減速量を利用して減速させる。
に対応)は、上記の構成において、最外位置の最外位置
を定め、一対のスライド部材の各々の移動を制限する第
2ストッパを備えており、かつ、モータの駆動状態の上
記条件が、一対のスライド部材が外側位置へ移動しかつ
スライド部材が最外位置に近い設定範囲に入ることであ
るということで特徴づけられている。これにより、一対
のスライド部材が最外位置で停止する直前にモータの回
転速度を減速量を利用して減速させる。
【0030】第4の後輪操舵装置の制御装置(請求項4
に対応)は、上記の各構成において、減速量演算部は、
実速度を算出する実操舵角微分器と、実操舵角に対応す
る設定速度を定めた速度マップを有することを特徴とす
る。
に対応)は、上記の各構成において、減速量演算部は、
実速度を算出する実操舵角微分器と、実操舵角に対応す
る設定速度を定めた速度マップを有することを特徴とす
る。
【0031】第5の後輪操舵装置の制御装置(請求項5
に対応)は、前述の回転力伝達部材と、一対のスライド
部材と、逆ねじ関係のねじ部に基づく螺合部と、クラッ
チ機構と、第1ストッパとからなる前提構成を有する後
輪操舵装置において、前述の目標操舵角設定部と、実操
舵角計測装置と、操舵角調整部とを備え、さらにモータ
の駆動状態を条件にし、かつ実操舵角が設定範囲に入っ
たことを条件にしてモータの回転動作を抑制する駆動抑
制信号を出力する駆動抑制部とを備えるように構成され
る。当該操舵角調整部は、駆動抑制信号を取り入れ、こ
の駆動抑制信号で駆動信号を調整し、モータの回転速度
を減速させる。
に対応)は、前述の回転力伝達部材と、一対のスライド
部材と、逆ねじ関係のねじ部に基づく螺合部と、クラッ
チ機構と、第1ストッパとからなる前提構成を有する後
輪操舵装置において、前述の目標操舵角設定部と、実操
舵角計測装置と、操舵角調整部とを備え、さらにモータ
の駆動状態を条件にし、かつ実操舵角が設定範囲に入っ
たことを条件にしてモータの回転動作を抑制する駆動抑
制信号を出力する駆動抑制部とを備えるように構成され
る。当該操舵角調整部は、駆動抑制信号を取り入れ、こ
の駆動抑制信号で駆動信号を調整し、モータの回転速度
を減速させる。
【0032】第6の後輪操舵装置の制御装置(請求項6
に対応)は、上記第5の構成において、上記駆動抑制信
号は、操舵角調整部に設けられたPWM制御信号を生成
する駆動制御部に入力され、駆動抑制信号でPWM制御
信号の生成を停止するように構成される。
に対応)は、上記第5の構成において、上記駆動抑制信
号は、操舵角調整部に設けられたPWM制御信号を生成
する駆動制御部に入力され、駆動抑制信号でPWM制御
信号の生成を停止するように構成される。
【0033】第7の後輪操舵装置の制御装置(請求項7
に対応)は、上記第5の構成において、駆動抑制信号
は、操舵角調整部に設けられた駆動信号を生成するモー
タ駆動用ブリッジ回路に入力され、駆動抑制信号でモー
タ駆動用ブリッジ回路の接続関係を変えてモータの短絡
回路を形成し、モータによる自己発電作用で強制停止す
るようにしたことを特徴とする。
に対応)は、上記第5の構成において、駆動抑制信号
は、操舵角調整部に設けられた駆動信号を生成するモー
タ駆動用ブリッジ回路に入力され、駆動抑制信号でモー
タ駆動用ブリッジ回路の接続関係を変えてモータの短絡
回路を形成し、モータによる自己発電作用で強制停止す
るようにしたことを特徴とする。
【0034】第8の後輪操舵装置の制御装置(請求項8
に対応)は、上記第7の構成において、モータ駆動用ブ
リッジ回路に含まれる4つのスイッチ素子のオン・オフ
動作を駆動抑制信号で制御して短絡回路を形成すること
を特徴とする。
に対応)は、上記第7の構成において、モータ駆動用ブ
リッジ回路に含まれる4つのスイッチ素子のオン・オフ
動作を駆動抑制信号で制御して短絡回路を形成すること
を特徴とする。
【0035】第9の後輪操舵装置の制御装置(請求項9
に対応)は、上記第7の構成において、モータ駆動用ブ
リッジ回路にモータに対して短絡路を形成することが可
能なリレー回路を設け、このリレー回路を駆動抑制信号
で制御して短絡回路を形成することを特徴とする。
に対応)は、上記第7の構成において、モータ駆動用ブ
リッジ回路にモータに対して短絡路を形成することが可
能なリレー回路を設け、このリレー回路を駆動抑制信号
で制御して短絡回路を形成することを特徴とする。
【0036】第10の後輪操舵装置の制御装置(請求項
10に対応)は、上記の各構成において、モータの駆動
状態の上記条件は一対のスライド部材が中立位置へ戻る
移動であり、スライド部材が中立位置に近い設定範囲に
入ることを条件に、駆動抑制手段は、一対のスライド部
材が中立位置で停止する直前にモータの回転を抑制する
ことを特徴とする。
10に対応)は、上記の各構成において、モータの駆動
状態の上記条件は一対のスライド部材が中立位置へ戻る
移動であり、スライド部材が中立位置に近い設定範囲に
入ることを条件に、駆動抑制手段は、一対のスライド部
材が中立位置で停止する直前にモータの回転を抑制する
ことを特徴とする。
【0037】第11の後輪操舵装置の制御装置(請求項
11に対応)は、上記の各構成において、外側位置の最
外位置を定め、一対のスライド部材の各々の移動を制限
する第2ストッパを備え、さらに、モータの駆動状態の
上記条件は一対のスライド部材が外側位置へ移動するこ
とであり、スライド部材が最外位置に近い設定範囲に入
ることを条件に、駆動抑制部は、一対のスライド部材が
最外位置で停止する直前にモータの回転を抑制すること
を特徴とする。
11に対応)は、上記の各構成において、外側位置の最
外位置を定め、一対のスライド部材の各々の移動を制限
する第2ストッパを備え、さらに、モータの駆動状態の
上記条件は一対のスライド部材が外側位置へ移動するこ
とであり、スライド部材が最外位置に近い設定範囲に入
ることを条件に、駆動抑制部は、一対のスライド部材が
最外位置で停止する直前にモータの回転を抑制すること
を特徴とする。
【0038】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な実施形態
を添付図面に基づいて説明する。
を添付図面に基づいて説明する。
【0039】図1に従って本発明の第1の実施形態を説
明する。図1では、4輪操舵式自動車のごとき車両10
0と、この車両100に設けられた左右の2つの後輪1
61,162と、後輪161,162の間に設けられた
後輪操舵装置110と、後輪操舵装置110の動作を制
御する制御装置10が示されている。後輪操舵装置11
0は、車両100における前輪操舵に関連させて後輪1
61,162を転舵させる。後輪操舵装置110の基本
的構成および動作原理は、前述した特願平11−169
609号に開示される後輪操舵装置400と実質的に同
じである。しかしながら、本実施形態による後輪操舵1
10は、装置具体化の観点から、以下に説明されるよう
に細部に関して後輪操舵装置400とは相違する構成を
有している。後輪操舵装置110は、後輪操舵装置40
0で説明した通り、後輪転舵のため移動した操舵ロッド
をその中立位置へ戻すとき、中立位置の位置決めをスト
ッパを利用して機構的に行うという特徴を有している。
後輪操舵装置110は、構成の上で前述の後輪操舵装置
400と実質的に同じであることから、例えば中立位置
への戻り動作での位置決めに関して機構的な面から同じ
問題を有している。すなわち、操舵ロッドの中立位置へ
の戻り動作の際に、左右のスライダ部材のねじ部と、ス
ライダ部材のねじ部と螺合する駆動機構のねじ部との間
で噛込み状態が発生する。そこで制御装置10は、後輪
操舵装置110による後輪操舵の動作を制御するという
一般的な制御機能に加えて、噛込み状態の発生を防止す
るという制御機能をも有している。制御装置10におけ
る当該噛込み状態の発生を電気的または電子的な制御処
理により防止するための制御系の構成部分が、本発明の
特徴的な部分となる。本実施形態による後輪操舵装置用
の制御装置10によれば、操舵ロッドの中立位置への戻
り動作などの際に左右のスライダ部材のねじ部と、これ
に螺合するねじ部との噛込み状態の発生を電気的制御処
理で防止し、これにより円滑な後輪操舵動作を保証して
いる。なお、図1で左側方向が車両100の前部側とな
り、矢印101は車両100の直進方向を示している。
さらに図1では(A)の側を左側、(B)の側を右側と
する。
明する。図1では、4輪操舵式自動車のごとき車両10
0と、この車両100に設けられた左右の2つの後輪1
61,162と、後輪161,162の間に設けられた
後輪操舵装置110と、後輪操舵装置110の動作を制
御する制御装置10が示されている。後輪操舵装置11
0は、車両100における前輪操舵に関連させて後輪1
61,162を転舵させる。後輪操舵装置110の基本
的構成および動作原理は、前述した特願平11−169
609号に開示される後輪操舵装置400と実質的に同
じである。しかしながら、本実施形態による後輪操舵1
10は、装置具体化の観点から、以下に説明されるよう
に細部に関して後輪操舵装置400とは相違する構成を
有している。後輪操舵装置110は、後輪操舵装置40
0で説明した通り、後輪転舵のため移動した操舵ロッド
をその中立位置へ戻すとき、中立位置の位置決めをスト
ッパを利用して機構的に行うという特徴を有している。
後輪操舵装置110は、構成の上で前述の後輪操舵装置
400と実質的に同じであることから、例えば中立位置
への戻り動作での位置決めに関して機構的な面から同じ
問題を有している。すなわち、操舵ロッドの中立位置へ
の戻り動作の際に、左右のスライダ部材のねじ部と、ス
ライダ部材のねじ部と螺合する駆動機構のねじ部との間
で噛込み状態が発生する。そこで制御装置10は、後輪
操舵装置110による後輪操舵の動作を制御するという
一般的な制御機能に加えて、噛込み状態の発生を防止す
るという制御機能をも有している。制御装置10におけ
る当該噛込み状態の発生を電気的または電子的な制御処
理により防止するための制御系の構成部分が、本発明の
特徴的な部分となる。本実施形態による後輪操舵装置用
の制御装置10によれば、操舵ロッドの中立位置への戻
り動作などの際に左右のスライダ部材のねじ部と、これ
に螺合するねじ部との噛込み状態の発生を電気的制御処
理で防止し、これにより円滑な後輪操舵動作を保証して
いる。なお、図1で左側方向が車両100の前部側とな
り、矢印101は車両100の直進方向を示している。
さらに図1では(A)の側を左側、(B)の側を右側と
する。
【0040】最初に機械系を説明する。機械系の説明で
は、図1と共に、図2〜図6を参照する。後輪操舵装置
110の基本的構成および動作原理は、前述した特願平
11−169609号に開示される後輪操舵装置400
と実質的に同じである。他方、上記のごとく装置具体化
の観点から細部に関し相違する構成を有する。後輪操舵
装置110は、後輪操舵装置400で説明した通り、操
舵ロッドをその中立位置へ戻すとき、中立位置の位置決
めを機構的に行うという特徴を有している。後輪操舵装
置110は、モータ120からの回転動力を左右の後輪
161,162の転舵力に変換する直線駆動機構(図2
に示す130)と、転舵方向を選択するクラッチ機構
(図2に示す140L,140R)と、後輪を転舵する
ため左右に移動する操舵ロッド150を備えている。
は、図1と共に、図2〜図6を参照する。後輪操舵装置
110の基本的構成および動作原理は、前述した特願平
11−169609号に開示される後輪操舵装置400
と実質的に同じである。他方、上記のごとく装置具体化
の観点から細部に関し相違する構成を有する。後輪操舵
装置110は、後輪操舵装置400で説明した通り、操
舵ロッドをその中立位置へ戻すとき、中立位置の位置決
めを機構的に行うという特徴を有している。後輪操舵装
置110は、モータ120からの回転動力を左右の後輪
161,162の転舵力に変換する直線駆動機構(図2
に示す130)と、転舵方向を選択するクラッチ機構
(図2に示す140L,140R)と、後輪を転舵する
ため左右に移動する操舵ロッド150を備えている。
【0041】図2〜図6を参照して、直線駆動機構13
0と、左右のクラッチ機構140L,140Rと、操舵
ロッド150の動作に関連する機構を説明する。左右の
2つのクラッチ機構140L,140Rは、クラッチ機
能(操舵ロッド150との連結および連結解除の機能)
を実現する機構であり、左右対象な構造となっている。
左右のクラッチ機構140L,140Rは、同軸の位置
関係にある3重同軸筒構造と、操舵ロッド150の軸方
向での外側または内側に向けての移動を生じさせるねじ
式移動機構とを利用して構成されている。3重同軸筒構
造とねじ式移動機構は以下に詳述される。
0と、左右のクラッチ機構140L,140Rと、操舵
ロッド150の動作に関連する機構を説明する。左右の
2つのクラッチ機構140L,140Rは、クラッチ機
能(操舵ロッド150との連結および連結解除の機能)
を実現する機構であり、左右対象な構造となっている。
左右のクラッチ機構140L,140Rは、同軸の位置
関係にある3重同軸筒構造と、操舵ロッド150の軸方
向での外側または内側に向けての移動を生じさせるねじ
式移動機構とを利用して構成されている。3重同軸筒構
造とねじ式移動機構は以下に詳述される。
【0042】図2は、直線駆動機構130とクラッチ機
構140L,140Rと操舵ロッド150を分解して示
している。外側回転筒131の中に左右の開口から左右
の2つのスライド筒133,134が螺合関係に基づき
挿入される。左右の2つのスライド筒133,134の
各々の中に外側開口から内側クラッチ筒143,144
が挿入される。さらに左右の2つの内側クラッチ筒14
3,144の中に操舵ロッド150が貫通される。図4
に、組み付けられて成る後輪操舵装置110が縦断面図
で示されている。図4で明らかなように、外側回転筒1
31とスライド筒133,134と内側クラッチ筒14
3,144とによって3重同軸筒構造が形成されてい
る。
構140L,140Rと操舵ロッド150を分解して示
している。外側回転筒131の中に左右の開口から左右
の2つのスライド筒133,134が螺合関係に基づき
挿入される。左右の2つのスライド筒133,134の
各々の中に外側開口から内側クラッチ筒143,144
が挿入される。さらに左右の2つの内側クラッチ筒14
3,144の中に操舵ロッド150が貫通される。図4
に、組み付けられて成る後輪操舵装置110が縦断面図
で示されている。図4で明らかなように、外側回転筒1
31とスライド筒133,134と内側クラッチ筒14
3,144とによって3重同軸筒構造が形成されてい
る。
【0043】外側回転筒131は3重同軸筒構造の最も
外側に位置する筒体である。外側回転筒131は直線駆
動機構130を形成する。外側回転筒131には、外側
周囲に外歯歯車132が設けられ、内周面に雌ねじ13
1aが形成されている。外歯歯車132には、モータ1
20の出力軸に固定された歯車121が噛合される。歯
車121と外歯歯車132の間には減速機構を設けるこ
ともできる。後述される図4の構成では減速機構122
が示されている。モータ120は例えば直流モータであ
る。
外側に位置する筒体である。外側回転筒131は直線駆
動機構130を形成する。外側回転筒131には、外側
周囲に外歯歯車132が設けられ、内周面に雌ねじ13
1aが形成されている。外歯歯車132には、モータ1
20の出力軸に固定された歯車121が噛合される。歯
車121と外歯歯車132の間には減速機構を設けるこ
ともできる。後述される図4の構成では減速機構122
が示されている。モータ120は例えば直流モータであ
る。
【0044】外側回転筒131の内周面に形成された雌
ねじ131aは、実際には、その中央から左右の箇所に
おいて互いに逆ねじとなっている。外側回転筒131の
内部には、中間筒となる左右の2つのスライド筒13
3,134が外側回転筒131と同軸になるように配置
されている。スライド筒133,134は、図2に示さ
れるごとく、外周面に雄ねじ133a,134aが形成
されている。スライド筒133の雄ねじ133aとスラ
イド筒134の雄ねじ134aとは、互いに逆ねじとな
っており、さらに外側回転筒131の内周面における対
応する雌ねじと螺合されるように形成されている。スラ
イド筒133,134が外側回転筒131の内部に配置
されるとき、スライド筒133,134の雄ねじ133
a,134aは外側回転筒131の内周面に形成された
対応する箇所の雌ねじに螺合させられる。さらにスライ
ド筒133,134の外周面における軸方向の外側端部
には、摺動案内用の突起133A,134Aが形成され
る。突起133A,134Aは、図示しないケーシング
の一部に係合され、ケーシング対して左右のスライド筒
133,134が回転するのを防止する機能を有する。
ねじ131aは、実際には、その中央から左右の箇所に
おいて互いに逆ねじとなっている。外側回転筒131の
内部には、中間筒となる左右の2つのスライド筒13
3,134が外側回転筒131と同軸になるように配置
されている。スライド筒133,134は、図2に示さ
れるごとく、外周面に雄ねじ133a,134aが形成
されている。スライド筒133の雄ねじ133aとスラ
イド筒134の雄ねじ134aとは、互いに逆ねじとな
っており、さらに外側回転筒131の内周面における対
応する雌ねじと螺合されるように形成されている。スラ
イド筒133,134が外側回転筒131の内部に配置
されるとき、スライド筒133,134の雄ねじ133
a,134aは外側回転筒131の内周面に形成された
対応する箇所の雌ねじに螺合させられる。さらにスライ
ド筒133,134の外周面における軸方向の外側端部
には、摺動案内用の突起133A,134Aが形成され
る。突起133A,134Aは、図示しないケーシング
の一部に係合され、ケーシング対して左右のスライド筒
133,134が回転するのを防止する機能を有する。
【0045】上記の構成によれば、モータ120が特定
方向に回転動作を行うと、歯車121と外歯歯車132
の噛合関係に基づいて外側回転筒131が回転する。外
側回転筒131が回転すると、その内周面の雌ねじ13
1a(実際には逆ねじ関係にある左右のねじ部)と左右
のスライド筒133,134の雄ねじ133a,134
aの噛合関係に基づいて、左右の2つのスライド筒13
3,134を左右の外側方向へスライド移動させる。従
って左右のスライド筒133,134は離れるように軸
方向における外側へ移動する。モータ120が上記特定
方向の逆の方向に回転動作を行うと、外側回転筒131
の回転方向が逆になり、その結果、左右のスライド筒1
33,134を内側方向へスライド移動させる。従って
左右のスライド筒133,134は接近するようにその
軸方向における内側へ移動する。この内側方向への移動
で、左右の2つのスライド筒133,134は、機構上
の中立位置に戻される。なお上記の左右のスライド筒1
33,134のスライド移動において、前述のごとく各
々には突起133A,134Aが設けられているので、
回転することはない。
方向に回転動作を行うと、歯車121と外歯歯車132
の噛合関係に基づいて外側回転筒131が回転する。外
側回転筒131が回転すると、その内周面の雌ねじ13
1a(実際には逆ねじ関係にある左右のねじ部)と左右
のスライド筒133,134の雄ねじ133a,134
aの噛合関係に基づいて、左右の2つのスライド筒13
3,134を左右の外側方向へスライド移動させる。従
って左右のスライド筒133,134は離れるように軸
方向における外側へ移動する。モータ120が上記特定
方向の逆の方向に回転動作を行うと、外側回転筒131
の回転方向が逆になり、その結果、左右のスライド筒1
33,134を内側方向へスライド移動させる。従って
左右のスライド筒133,134は接近するようにその
軸方向における内側へ移動する。この内側方向への移動
で、左右の2つのスライド筒133,134は、機構上
の中立位置に戻される。なお上記の左右のスライド筒1
33,134のスライド移動において、前述のごとく各
々には突起133A,134Aが設けられているので、
回転することはない。
【0046】上記の外側方向への移動動作で、摺動案内
用の突起133A,134Aを、図示しないケーシング
に設けた左右の端部のストッパに接触させ、左右の2つ
のスライド筒133,134の移動を制限する。また機
構上の中立位置から外側に向かって移動した左右のスラ
イド筒133,134が、最外位置を越えないように、
ケーシング内の構造が形成されている。
用の突起133A,134Aを、図示しないケーシング
に設けた左右の端部のストッパに接触させ、左右の2つ
のスライド筒133,134の移動を制限する。また機
構上の中立位置から外側に向かって移動した左右のスラ
イド筒133,134が、最外位置を越えないように、
ケーシング内の構造が形成されている。
【0047】左右の2つのスライド筒133,134の
各々の内部には前述したクラッチ機構140L,140
Rが組み込まれる。図3は、図2に示した左側のクラッ
チ機構140Lの組付け状態における要部の構成を示
す。
各々の内部には前述したクラッチ機構140L,140
Rが組み込まれる。図3は、図2に示した左側のクラッ
チ機構140Lの組付け状態における要部の構成を示
す。
【0048】図2と図3を参照して左側のクラッチ機構
140Lの構造を説明する。ここでは代表的に左側のク
ラッチ機構140Lを説明するが、右側のクラッチ機構
140Rも、構造が点対称になるだけで同じ構造を有し
ている。
140Lの構造を説明する。ここでは代表的に左側のク
ラッチ機構140Lを説明するが、右側のクラッチ機構
140Rも、構造が点対称になるだけで同じ構造を有し
ている。
【0049】図3に示すごとく、クラッチ機構140L
は、ソレノイドを内蔵した電磁アクチュエータ141
と、スライド筒133の内部に同軸の位置関係で配置さ
れ、内接状態で摺動回転できるようにされた内側クラッ
チ筒143とから構成される。内側クラッチ筒143は
スライド筒133の外側開口から挿入される。内側クラ
ッチ筒143の外周端部に形成された突起143Aは、
一点鎖線142Lに示される通り、スライド筒133の
端部に切欠きで形成されたL字型案内溝145Aに係合
され、さらに突出させて、図示しないケーシングに形成
されたコ字型案内溝145Bに係合される。突起143
Aはクラッチレバーとしての機能を有する。図3に示さ
れるごとく、電磁アクチュエータ141は、ソレノイド
への通電によって可動ピン141aを突き出すアクチュ
エータである。電磁アクチュエータ141の可動ピン1
41aは、バネ機構143Bで弾性的に支持された突起
143Aに当たるようになっている。内側クラッチ筒1
43は、バネ機構143Bによって、その軸端から見て
反時計回りに付勢されている。
は、ソレノイドを内蔵した電磁アクチュエータ141
と、スライド筒133の内部に同軸の位置関係で配置さ
れ、内接状態で摺動回転できるようにされた内側クラッ
チ筒143とから構成される。内側クラッチ筒143は
スライド筒133の外側開口から挿入される。内側クラ
ッチ筒143の外周端部に形成された突起143Aは、
一点鎖線142Lに示される通り、スライド筒133の
端部に切欠きで形成されたL字型案内溝145Aに係合
され、さらに突出させて、図示しないケーシングに形成
されたコ字型案内溝145Bに係合される。突起143
Aはクラッチレバーとしての機能を有する。図3に示さ
れるごとく、電磁アクチュエータ141は、ソレノイド
への通電によって可動ピン141aを突き出すアクチュ
エータである。電磁アクチュエータ141の可動ピン1
41aは、バネ機構143Bで弾性的に支持された突起
143Aに当たるようになっている。内側クラッチ筒1
43は、バネ機構143Bによって、その軸端から見て
反時計回りに付勢されている。
【0050】上記構成によれば、図3に示された状態に
おいて、電磁アクチュエータ141のソレノイドに対し
て通電を行うと、その可動ピン141aが突き出され、
バネ機構143Bの付勢力に対抗して内側クラッチ筒1
43の突起143Aを押し下げる。このとき突起143
Aは、案内溝145Aおよび案内溝145Bの円周方向
の部分に沿って移動する。そして、突起143Aが押し
下げられると、内側クラッチ筒143はスライド筒13
3の内部で一定角度回転させられる。
おいて、電磁アクチュエータ141のソレノイドに対し
て通電を行うと、その可動ピン141aが突き出され、
バネ機構143Bの付勢力に対抗して内側クラッチ筒1
43の突起143Aを押し下げる。このとき突起143
Aは、案内溝145Aおよび案内溝145Bの円周方向
の部分に沿って移動する。そして、突起143Aが押し
下げられると、内側クラッチ筒143はスライド筒13
3の内部で一定角度回転させられる。
【0051】さらに内側クラッチ筒143の外端開口部
には内周面の円周方向に沿って内歯歯車状の複数のクラ
ッチ歯143Cが形成されている。他方、内側クラッチ
筒143の内部に貫通される操舵ロッド150の外周面
の円周方向には、クラッチ歯143Cと同じ数の外歯歯
車状の係合歯151が形成されている。クラッチ歯14
3Cと係合歯151は同じピッチとなるように作られて
いる。操舵ロッド150の係合歯151を外側からクラ
ッチ歯143Cにスプライン結合させれば、係合歯15
1がクラッチ歯143Cの間の隙間に入り込む位置関係
にすることができる。
には内周面の円周方向に沿って内歯歯車状の複数のクラ
ッチ歯143Cが形成されている。他方、内側クラッチ
筒143の内部に貫通される操舵ロッド150の外周面
の円周方向には、クラッチ歯143Cと同じ数の外歯歯
車状の係合歯151が形成されている。クラッチ歯14
3Cと係合歯151は同じピッチとなるように作られて
いる。操舵ロッド150の係合歯151を外側からクラ
ッチ歯143Cにスプライン結合させれば、係合歯15
1がクラッチ歯143Cの間の隙間に入り込む位置関係
にすることができる。
【0052】さらに内側クラッチ143の内端開口部に
はさらに内方に延びるロック爪143Dが設けられてい
る。
はさらに内方に延びるロック爪143Dが設けられてい
る。
【0053】上記では代表的に左側のクラッチ機構14
0Lについて述べたが、右側のクラッチ機構140Rも
同様な構成を有する。すなわち、クラッチ機構140R
は、右側のスライド筒134に対応して内側クラッチ筒
144が設けられる。スライド筒134には外側開口に
L字型案内溝146Aが形成され、案内溝146Aに対
応するケーシングの箇所にコ字型案内溝146Bが形成
されている。この場合、L字型案内溝145AとL字型
案内溝146Aとは作り方が異なっている。図2に示さ
れるごとく、L字型案内溝145Aでは軸方向の溝部分
に対して円周方向の上方に向かって溝が切られているの
に対して、L字型案内溝146Aでは軸方向の溝部分に
対して円周方向の下方に向かって溝が切られている。内
側クラッチ筒144の外周面の外側には突起144Aが
形成され、外側開口の内周面の円周方向に沿って複数の
クラッチ歯144Cが形成されている。さらに内側クラ
ッチ筒144の内端開口部にはさらに内方に延びるロッ
ク爪144Dが設けられる。また複数のクラッチ歯14
4Cに対応して操舵ロッド150の外周面の円周方向に
複数の係合歯152が形成されている。さらに右側の内
側クラッチ筒144の突起144Aに対して右側の電磁
アクチュエータ142(図1に示される)が設けられて
いる。
0Lについて述べたが、右側のクラッチ機構140Rも
同様な構成を有する。すなわち、クラッチ機構140R
は、右側のスライド筒134に対応して内側クラッチ筒
144が設けられる。スライド筒134には外側開口に
L字型案内溝146Aが形成され、案内溝146Aに対
応するケーシングの箇所にコ字型案内溝146Bが形成
されている。この場合、L字型案内溝145AとL字型
案内溝146Aとは作り方が異なっている。図2に示さ
れるごとく、L字型案内溝145Aでは軸方向の溝部分
に対して円周方向の上方に向かって溝が切られているの
に対して、L字型案内溝146Aでは軸方向の溝部分に
対して円周方向の下方に向かって溝が切られている。内
側クラッチ筒144の外周面の外側には突起144Aが
形成され、外側開口の内周面の円周方向に沿って複数の
クラッチ歯144Cが形成されている。さらに内側クラ
ッチ筒144の内端開口部にはさらに内方に延びるロッ
ク爪144Dが設けられる。また複数のクラッチ歯14
4Cに対応して操舵ロッド150の外周面の円周方向に
複数の係合歯152が形成されている。さらに右側の内
側クラッチ筒144の突起144Aに対して右側の電磁
アクチュエータ142(図1に示される)が設けられて
いる。
【0054】上記の左右のクラッチ機構140L,14
0Rによれば、予め定められた位置関係にセットするこ
とにより生じるクラッチ歯143C,144Cと係合歯
151,152の係合関係に基づいて、操舵ロッド15
0との連結関係を作ることができる。また内側クラッチ
筒143,144の内端に設けられたロック爪143
D,144Dは、内側クラッチ筒143,144の双方
が同時に回転したときに、互いに係止し合って左右移動
を抑止させる部材である。
0Rによれば、予め定められた位置関係にセットするこ
とにより生じるクラッチ歯143C,144Cと係合歯
151,152の係合関係に基づいて、操舵ロッド15
0との連結関係を作ることができる。また内側クラッチ
筒143,144の内端に設けられたロック爪143
D,144Dは、内側クラッチ筒143,144の双方
が同時に回転したときに、互いに係止し合って左右移動
を抑止させる部材である。
【0055】また操舵ロッド150は、図2および図3
に示すように、例えば左側の端部にガイドピン159が
設けられている。ガイドピン159に対応して、図示し
ないケーシングに凹条案内部が形成されている。操舵ロ
ッド150は、ガイドピン159が凹条(溝)案内部で
摺動状態で移動させられるので、回転を生じることな
く、左右の軸方向に移動することが可能となるように取
り付けられている。なお前述した操舵ロッド150のガ
イドピン159の延出方向には、例えば図2中の左右方
向への操舵ロッド150の移動距離を検出する操舵スト
ロークセンサ157(図1に示される)が設けられてい
る。さらに操舵ロッド150の外周面の軸方向中央部に
は、組付け状態において、左右のスライド筒133,1
34に対応した左右のセンタ突起153,154が形成
されている。左右のスライド筒133,134の内周面
には、センタ突起153,154の外側端面153a,
154aが当たるように、操舵ロッド150に向けた突
起133B,134Bが形成されている。さらに操舵ロ
ッド150の両端部は、ナックルアームを含む左右のリ
ンク機構155,156(図1に示される)を介して自
動車100の左右の後輪161,162に連結される。
左右の後輪161,162は、図示しないキングピンに
よって転舵可能に構成される。
に示すように、例えば左側の端部にガイドピン159が
設けられている。ガイドピン159に対応して、図示し
ないケーシングに凹条案内部が形成されている。操舵ロ
ッド150は、ガイドピン159が凹条(溝)案内部で
摺動状態で移動させられるので、回転を生じることな
く、左右の軸方向に移動することが可能となるように取
り付けられている。なお前述した操舵ロッド150のガ
イドピン159の延出方向には、例えば図2中の左右方
向への操舵ロッド150の移動距離を検出する操舵スト
ロークセンサ157(図1に示される)が設けられてい
る。さらに操舵ロッド150の外周面の軸方向中央部に
は、組付け状態において、左右のスライド筒133,1
34に対応した左右のセンタ突起153,154が形成
されている。左右のスライド筒133,134の内周面
には、センタ突起153,154の外側端面153a,
154aが当たるように、操舵ロッド150に向けた突
起133B,134Bが形成されている。さらに操舵ロ
ッド150の両端部は、ナックルアームを含む左右のリ
ンク機構155,156(図1に示される)を介して自
動車100の左右の後輪161,162に連結される。
左右の後輪161,162は、図示しないキングピンに
よって転舵可能に構成される。
【0056】次に後輪操舵装置110の動作を説明す
る。この説明では、図4〜図6を参照する。図4〜図6
は後輪操舵装置110を組み付けた状態での要部の縦断
面図である。図4〜図6では、モータ120の出力軸に
固定された歯車121と外側回転筒131の外歯歯車1
32との間に減速機構122を設けた例が示されてい
る。また外側回転筒131は、左右に配置された2つの
ベアリング135で回転自在に支持されている。
る。この説明では、図4〜図6を参照する。図4〜図6
は後輪操舵装置110を組み付けた状態での要部の縦断
面図である。図4〜図6では、モータ120の出力軸に
固定された歯車121と外側回転筒131の外歯歯車1
32との間に減速機構122を設けた例が示されてい
る。また外側回転筒131は、左右に配置された2つの
ベアリング135で回転自在に支持されている。
【0057】この実施形態において、最初、左右のスラ
イド筒133,134は、共に中央部にて接近した状態
にあり、中立位置にあるものとする。このとき左右の2
つの後輪161,162は転舵角が0であって直進方向
に向いている。この状態は図4に示されている。図4に
おいて、(a)は後輪操舵装置110の要部縦断面図、
(b)は左右のスライド筒133,134と内側クラッ
チ筒143,144との関係、(c)はケーシングに形
成された案内溝145B,146Bでの突起143A,
144Aの位置を示している。
イド筒133,134は、共に中央部にて接近した状態
にあり、中立位置にあるものとする。このとき左右の2
つの後輪161,162は転舵角が0であって直進方向
に向いている。この状態は図4に示されている。図4に
おいて、(a)は後輪操舵装置110の要部縦断面図、
(b)は左右のスライド筒133,134と内側クラッ
チ筒143,144との関係、(c)はケーシングに形
成された案内溝145B,146Bでの突起143A,
144Aの位置を示している。
【0058】図4に示すごとく、操舵ロッド150が中
央の中立位置にあるとき、左右のスライド筒133,1
34は外側回転筒131の内部でその中央位置にあり、
接近した状態にある。このとき、センタ突起153,1
54は、それぞれ、左右のスライド筒133,134の
内周面に形成された突起133B,134Bに当たって
いる。操舵ロッド150のセンタ突起153,154
に、左右のスライド筒133,134の突起133B,
134Bが当たることによって中央の中立位置が定めら
れ、左右のスライド筒の戻り移動が制限される。左右の
スライド筒133,134が中立位置にあるとき、内側
クラッチ筒143に形成された突起143Aはバネ機構
143BによりL字型案内溝145Aの円周部分の上端
にあり、これに対して、内側クラッチ筒144に形成さ
れた突起144Aはバネ機構144BによりL字型案内
溝146Aの円周部分の下端にあるようにセットされ
る。さらに当該中立位置にあるとき、内側クラッチ機構
143,144が円周方向に関して突起143A,14
4Aの位置に基づき決まる位置に存在するため、内側ク
ラッチ機構143,144のクラッチ歯143C,14
4Cと、操舵ロッド150の係合歯151,152とが
当たった状態にある。従って操舵ロッド150の軸方向
の移動が制限され、操舵ロッド150は中立位置に保持
される。
央の中立位置にあるとき、左右のスライド筒133,1
34は外側回転筒131の内部でその中央位置にあり、
接近した状態にある。このとき、センタ突起153,1
54は、それぞれ、左右のスライド筒133,134の
内周面に形成された突起133B,134Bに当たって
いる。操舵ロッド150のセンタ突起153,154
に、左右のスライド筒133,134の突起133B,
134Bが当たることによって中央の中立位置が定めら
れ、左右のスライド筒の戻り移動が制限される。左右の
スライド筒133,134が中立位置にあるとき、内側
クラッチ筒143に形成された突起143Aはバネ機構
143BによりL字型案内溝145Aの円周部分の上端
にあり、これに対して、内側クラッチ筒144に形成さ
れた突起144Aはバネ機構144BによりL字型案内
溝146Aの円周部分の下端にあるようにセットされ
る。さらに当該中立位置にあるとき、内側クラッチ機構
143,144が円周方向に関して突起143A,14
4Aの位置に基づき決まる位置に存在するため、内側ク
ラッチ機構143,144のクラッチ歯143C,14
4Cと、操舵ロッド150の係合歯151,152とが
当たった状態にある。従って操舵ロッド150の軸方向
の移動が制限され、操舵ロッド150は中立位置に保持
される。
【0059】上記の中立位置の状態において、例えば図
5の矢印101に示されるように操舵ロッド150を右
方向に動かすために、図5中で左側の電磁アクチュエー
タ141を作動させるものとする。左側の電磁アクチュ
エータ141をオン動作させると、突起143Aが押し
下げられ、内側クラッチ筒143が回転し、クラッチ歯
143Cと係合歯151の当接関係が解除され、操舵ロ
ッド150が右方向へ移動できるようになる。
5の矢印101に示されるように操舵ロッド150を右
方向に動かすために、図5中で左側の電磁アクチュエー
タ141を作動させるものとする。左側の電磁アクチュ
エータ141をオン動作させると、突起143Aが押し
下げられ、内側クラッチ筒143が回転し、クラッチ歯
143Cと係合歯151の当接関係が解除され、操舵ロ
ッド150が右方向へ移動できるようになる。
【0060】上記のごとく電磁アクチュエータ141を
作動させた状態で、次にモータ120を或る方向に回転
動作させると、外側回転筒131が回転し、さらに外側
回転筒131の雌ねじと左右のスライド筒133,13
4の雄ねじとの螺合関係に基づいて、左右のスライド筒
133,134が、矢印102に示すごとく互いに離れ
るように、外側回転筒131の両端部の外方に移動す
る。このとき、上記のごとき、操舵ロッド150の複数
の係合歯151の各々は左側のスライド筒133のクラ
ッチ歯143Cの間に位置し、操舵ロッド150の右方
向の移動を制限しない。他方、右側のスライド筒134
のクラッチ歯144Cは操舵ロッド150の右側の係合
歯152に当たっている。このため、操舵ロッド150
はスライド筒134に右方向へ押され、スライド筒13
4の右方向への移動に従って操舵ロッド150は右方向
に移動する。操舵ロッド150の右方向の移動に連動し
て、左右の2つの後輪161,162の向きが自動車1
00の直進方向に対して右方へ転舵される。右方へ転舵
された後輪161,162が目標とする操舵角になるよ
うに、操舵ロッド150の移動は当該操舵角に対応する
外側位置で停止される。操舵ロッド150を、外側位置
の最外位置で停止させるときには、ケーシングに設けら
れた案内溝145B,146Bやケーシングに形成され
た壁部133C,134Cの部分をストッパとして用い
て移動を制限することにより停止させられる。
作動させた状態で、次にモータ120を或る方向に回転
動作させると、外側回転筒131が回転し、さらに外側
回転筒131の雌ねじと左右のスライド筒133,13
4の雄ねじとの螺合関係に基づいて、左右のスライド筒
133,134が、矢印102に示すごとく互いに離れ
るように、外側回転筒131の両端部の外方に移動す
る。このとき、上記のごとき、操舵ロッド150の複数
の係合歯151の各々は左側のスライド筒133のクラ
ッチ歯143Cの間に位置し、操舵ロッド150の右方
向の移動を制限しない。他方、右側のスライド筒134
のクラッチ歯144Cは操舵ロッド150の右側の係合
歯152に当たっている。このため、操舵ロッド150
はスライド筒134に右方向へ押され、スライド筒13
4の右方向への移動に従って操舵ロッド150は右方向
に移動する。操舵ロッド150の右方向の移動に連動し
て、左右の2つの後輪161,162の向きが自動車1
00の直進方向に対して右方へ転舵される。右方へ転舵
された後輪161,162が目標とする操舵角になるよ
うに、操舵ロッド150の移動は当該操舵角に対応する
外側位置で停止される。操舵ロッド150を、外側位置
の最外位置で停止させるときには、ケーシングに設けら
れた案内溝145B,146Bやケーシングに形成され
た壁部133C,134Cの部分をストッパとして用い
て移動を制限することにより停止させられる。
【0061】図5に示された転舵に対応する状態におい
て、次に図6に示すように、モータ120を逆転させる
と、外側回転筒131も逆転し、左右のスライド筒13
3,134が矢印103に示すごとく内側方向に移動さ
れる。このとき、右側のスライド筒134の内周面に形
成された突起134Bがセンタ突起154に当接してセ
ンタ突起154を内側方向へ移動させる。この作用関係
に基づいて、右側のスライド筒134の内側方向への移
動に従って、操舵ロッド150は、矢印104に示され
る左方向に移動し中立位置の方向に戻される。これによ
り2つの後輪161,162の向きが、操舵ロッド15
0の移動に連動して直進方向に戻される。左右のスライ
ド筒133,134が中央の中立位置に戻り、左右のス
ライド筒133,134は、操舵ロッド150のセンタ
突起153,154に当接して移動が制限され、中立位
置に停止される。左右のスライド筒133,134が中
立位置に戻ったときには、電磁アクチュエータ141は
オフ動作され、図4に示した状態になる。これによって
操舵ロッド150は再び中央の中立位置に戻ることにな
る。
て、次に図6に示すように、モータ120を逆転させる
と、外側回転筒131も逆転し、左右のスライド筒13
3,134が矢印103に示すごとく内側方向に移動さ
れる。このとき、右側のスライド筒134の内周面に形
成された突起134Bがセンタ突起154に当接してセ
ンタ突起154を内側方向へ移動させる。この作用関係
に基づいて、右側のスライド筒134の内側方向への移
動に従って、操舵ロッド150は、矢印104に示され
る左方向に移動し中立位置の方向に戻される。これによ
り2つの後輪161,162の向きが、操舵ロッド15
0の移動に連動して直進方向に戻される。左右のスライ
ド筒133,134が中央の中立位置に戻り、左右のス
ライド筒133,134は、操舵ロッド150のセンタ
突起153,154に当接して移動が制限され、中立位
置に停止される。左右のスライド筒133,134が中
立位置に戻ったときには、電磁アクチュエータ141は
オフ動作され、図4に示した状態になる。これによって
操舵ロッド150は再び中央の中立位置に戻ることにな
る。
【0062】図4における操舵ロッド150の上記右方
向の移動において、案内溝145A,145B,146
A,146Bは操舵ロッド150の右方向の移動が阻害
されないように形成されている。
向の移動において、案内溝145A,145B,146
A,146Bは操舵ロッド150の右方向の移動が阻害
されないように形成されている。
【0063】図4において、前述の動作とは反対に、中
立位置にある操舵ロッド150を左方向へ移動させ、そ
れにより後輪161,162を転舵させ、再びもとの中
立位置に戻すときには、右側の電磁アクチュエータ14
2をオン動作させ、かつモータ120を予め定めれられ
た方向に回転動作させることにより、上記の右方向の説
明の場合と同様に行うことが可能である。
立位置にある操舵ロッド150を左方向へ移動させ、そ
れにより後輪161,162を転舵させ、再びもとの中
立位置に戻すときには、右側の電磁アクチュエータ14
2をオン動作させ、かつモータ120を予め定めれられ
た方向に回転動作させることにより、上記の右方向の説
明の場合と同様に行うことが可能である。
【0064】上記のごとく後輪操舵装置110によって
後輪161,162を右方向または左方向に転舵すると
き、その中立位置への戻り動作において、ストッパ部材
で機構的に中立位置に停止させる構成を採用しているの
で、特別な防止策が用意されない限り、前述したように
噛込み状態が発生する。すなわち、中立位置では操舵ロ
ッドのセンタ突起153,154がスライド筒133,
134の内周面に設けられた突起133B,134Bに
当たって当該中立位置に停止することになるが、このと
き、モータ120の回転を減速させない限り、モータの
回転による慣性で外側回転筒131の雌ねじとスライド
筒133,134の雄ねじとの間で噛込み状態が発生す
る。本実施形態による後輪操舵装置110では、かかる
噛込み状態の発生を、以下に説明するごとく、制御装置
10によるモータ120の回転速度を制御することによ
り防止するものである。
後輪161,162を右方向または左方向に転舵すると
き、その中立位置への戻り動作において、ストッパ部材
で機構的に中立位置に停止させる構成を採用しているの
で、特別な防止策が用意されない限り、前述したように
噛込み状態が発生する。すなわち、中立位置では操舵ロ
ッドのセンタ突起153,154がスライド筒133,
134の内周面に設けられた突起133B,134Bに
当たって当該中立位置に停止することになるが、このと
き、モータ120の回転を減速させない限り、モータの
回転による慣性で外側回転筒131の雌ねじとスライド
筒133,134の雄ねじとの間で噛込み状態が発生す
る。本実施形態による後輪操舵装置110では、かかる
噛込み状態の発生を、以下に説明するごとく、制御装置
10によるモータ120の回転速度を制御することによ
り防止するものである。
【0065】上記の機械系の構成に基づいて操舵ロッド
150の右方向または左方向の移動およびこれに伴う後
輪161,162の操舵を行うときには、操舵ストロー
クセンサ157で操舵ロッド150の移動量(L)を検
出しながら、左右の2つの前輪の操舵状況を前提条件と
して、左右の電磁アクチュエータ141,142のオン
・オフ動作とモータ120の回転動作を制御する。この
制御は前述した制御装置10によって行われる。前輪の
操舵に協働させて後輪161,162を右向きまたは左
向きに転舵させ、あるいは直進方向(中立位置)に戻
し、これにより自動車100の走行安定性および走行性
能の向上を補助する後輪操舵が実現される。特に、本実
施形態による制御では、中立位置への戻り動作において
前述の噛込み状態が生じないように、モータ120の戻
り動作のための逆転動作でモータの慣性に配慮して望ま
しい減速制御が行われる。
150の右方向または左方向の移動およびこれに伴う後
輪161,162の操舵を行うときには、操舵ストロー
クセンサ157で操舵ロッド150の移動量(L)を検
出しながら、左右の2つの前輪の操舵状況を前提条件と
して、左右の電磁アクチュエータ141,142のオン
・オフ動作とモータ120の回転動作を制御する。この
制御は前述した制御装置10によって行われる。前輪の
操舵に協働させて後輪161,162を右向きまたは左
向きに転舵させ、あるいは直進方向(中立位置)に戻
し、これにより自動車100の走行安定性および走行性
能の向上を補助する後輪操舵が実現される。特に、本実
施形態による制御では、中立位置への戻り動作において
前述の噛込み状態が生じないように、モータ120の戻
り動作のための逆転動作でモータの慣性に配慮して望ま
しい減速制御が行われる。
【0066】次に、前述の図1、および図7〜図15に
基づいて、上記の制御装置10の構成と制御内容を説明
する。
基づいて、上記の制御装置10の構成と制御内容を説明
する。
【0067】図1に基づいて制御装置10の基本的構成
を説明する。図1に示すごとく制御装置10は目標操舵
角設定部20と転舵方向指示部30と第1操舵角調整部
40と実操舵角計測部50と減速量演算部60を含んで
成る。制御装置10に対して、外部から、後輪161,
162の操舵を指示する指令信号S1が与えられる。指
令信号S1は目標操舵角設定部20に入力される。目標
操舵角設定部20は、指令信号S1に基づいて、後輪1
61,162の転舵方向の情報(信号Drで表される)
と、制御目標量である転舵角(目標操舵角)の情報(信
号θrで表される)とを生成する。転舵方向を表す信号
Drは転舵方向指示部30に与えられる。転舵角を表す
信号θrは第1操舵角調整部40に与えられる。転舵方
向指示部30は、転舵方向を表す信号Drに基づいて、
通常、オフ状態にある左右の2つの電磁アクチュエータ
141,142のいずれか一方をオン動作させる信号を
出力する。第1操舵角調整部40は、転舵角を表す信号
θrに基づいて、モータ120の回転動作量を決定する
駆動信号(駆動電流)IMを生成し出力する。第1操舵
角調整部40での駆動信号IMの生成に関連して、操舵
ストロークセンサ157から出力される操舵ロッド15
0の移動量を表す信号Lを利用して、制御目標量である
転舵角を表す信号θrを調整する。操舵ロッド150の
移動量を表す信号Lは実操舵角計測部50に入力され、
この信号Lに基づいて後輪161,162における実際
の転舵角(実操舵角)と推定される量(信号θRで表さ
れる)を算出する。得られた実際の転舵角を表す信号θ
Rは減速量演算部60と第1操舵角調整部40に与えら
れる。減速量演算部60は、後輪161,162の実際
の転舵角を表す信号θRに基づいて、減速量を表す信号
ωrを算出する。減速量を表す信号ωrを算出するとき
には、モータ120の駆動状態を条件とする。具体的に
は、後述するごとく、モータ120が戻りのための逆転
状態にあるときにωrは算出され、出力される。モータ
120の駆動状態に係る信号は、この実施形態の場合に
は後輪転舵のときに中立位置への戻りのためのモータ逆
転が開始されたか否かを判定すればよいから、例えば図
7に示す第1操舵角調整部40内の第1駆動制御部44
の出力信号を用いて作ることができる。信号ωrは第1
操舵角調整部40に与えられる。上記の第1操舵角調整
部40では、制御目標量である転舵角を表す信号θr
と、実際の転舵角を表す信号θRと、減速量を表す信号
ωrとを用いて駆動信号IMを生成する。
を説明する。図1に示すごとく制御装置10は目標操舵
角設定部20と転舵方向指示部30と第1操舵角調整部
40と実操舵角計測部50と減速量演算部60を含んで
成る。制御装置10に対して、外部から、後輪161,
162の操舵を指示する指令信号S1が与えられる。指
令信号S1は目標操舵角設定部20に入力される。目標
操舵角設定部20は、指令信号S1に基づいて、後輪1
61,162の転舵方向の情報(信号Drで表される)
と、制御目標量である転舵角(目標操舵角)の情報(信
号θrで表される)とを生成する。転舵方向を表す信号
Drは転舵方向指示部30に与えられる。転舵角を表す
信号θrは第1操舵角調整部40に与えられる。転舵方
向指示部30は、転舵方向を表す信号Drに基づいて、
通常、オフ状態にある左右の2つの電磁アクチュエータ
141,142のいずれか一方をオン動作させる信号を
出力する。第1操舵角調整部40は、転舵角を表す信号
θrに基づいて、モータ120の回転動作量を決定する
駆動信号(駆動電流)IMを生成し出力する。第1操舵
角調整部40での駆動信号IMの生成に関連して、操舵
ストロークセンサ157から出力される操舵ロッド15
0の移動量を表す信号Lを利用して、制御目標量である
転舵角を表す信号θrを調整する。操舵ロッド150の
移動量を表す信号Lは実操舵角計測部50に入力され、
この信号Lに基づいて後輪161,162における実際
の転舵角(実操舵角)と推定される量(信号θRで表さ
れる)を算出する。得られた実際の転舵角を表す信号θ
Rは減速量演算部60と第1操舵角調整部40に与えら
れる。減速量演算部60は、後輪161,162の実際
の転舵角を表す信号θRに基づいて、減速量を表す信号
ωrを算出する。減速量を表す信号ωrを算出するとき
には、モータ120の駆動状態を条件とする。具体的に
は、後述するごとく、モータ120が戻りのための逆転
状態にあるときにωrは算出され、出力される。モータ
120の駆動状態に係る信号は、この実施形態の場合に
は後輪転舵のときに中立位置への戻りのためのモータ逆
転が開始されたか否かを判定すればよいから、例えば図
7に示す第1操舵角調整部40内の第1駆動制御部44
の出力信号を用いて作ることができる。信号ωrは第1
操舵角調整部40に与えられる。上記の第1操舵角調整
部40では、制御目標量である転舵角を表す信号θr
と、実際の転舵角を表す信号θRと、減速量を表す信号
ωrとを用いて駆動信号IMを生成する。
【0068】上記において、実操舵角計測部50でLか
らθRを算出するときには、例えば逆三角関数演算が用
いられる。
らθRを算出するときには、例えば逆三角関数演算が用
いられる。
【0069】次に図7〜図9を参照して制御装置10の
構成をさらに詳細に説明する。
構成をさらに詳細に説明する。
【0070】図7では、転舵方向指示部30と第1操舵
角調整部40の内部が詳細に示されている。目標操舵角
設定部20に入力される指令信号S1は、前輪操舵制御
装置190から与えられる。従って、制御装置10によ
って動作制御される後輪操舵装置110は、前輪操舵装
置と関連して動作することになる。目標操舵角設定部2
0の内部では目標操舵角テーブル(マップ)が用意され
ている。目標操舵角設定部20は、この目標操舵角テー
ブルを用いて、指令信号S1に含まれる自動車100の
速度および前輪の操舵角等の操舵状況に係る情報に基づ
き、上記の転舵方向を表す信号Drと転操舵角を表す信
号θrを生成する。
角調整部40の内部が詳細に示されている。目標操舵角
設定部20に入力される指令信号S1は、前輪操舵制御
装置190から与えられる。従って、制御装置10によ
って動作制御される後輪操舵装置110は、前輪操舵装
置と関連して動作することになる。目標操舵角設定部2
0の内部では目標操舵角テーブル(マップ)が用意され
ている。目標操舵角設定部20は、この目標操舵角テー
ブルを用いて、指令信号S1に含まれる自動車100の
速度および前輪の操舵角等の操舵状況に係る情報に基づ
き、上記の転舵方向を表す信号Drと転操舵角を表す信
号θrを生成する。
【0071】転舵方向指示部30は、転舵方向決定部3
1とソレノイド通電部32を含んでいる。転舵方向決定
部31には転舵方向を表す信号Drが入力される。転舵
方向決定部31は、転舵方向を表す信号Drに基づい
て、左右の2つの電磁アクチュエータ141,142の
うちのいずれをオン動作させるかを決定する。転舵方向
決定部31から出力される信号はソレノイド通電部32
に与えられ、ソレノイド通電部32から、決定された電
磁アクチュエータ(141または142)に対して、こ
れをオン動作させるためのソレノイド駆動電流が通電さ
れる。
1とソレノイド通電部32を含んでいる。転舵方向決定
部31には転舵方向を表す信号Drが入力される。転舵
方向決定部31は、転舵方向を表す信号Drに基づい
て、左右の2つの電磁アクチュエータ141,142の
うちのいずれをオン動作させるかを決定する。転舵方向
決定部31から出力される信号はソレノイド通電部32
に与えられ、ソレノイド通電部32から、決定された電
磁アクチュエータ(141または142)に対して、こ
れをオン動作させるためのソレノイド駆動電流が通電さ
れる。
【0072】第1操舵角調整部40は、減算器41とP
ID演算部42と減算器43と第1駆動制御部44と第
1モータ駆動部45によって構成されている。減算器4
1では、第1操舵角調整部40に入力された目標となる
転舵角を表す信号θrから、実際の転舵角を表す信号θ
Rが減算される。減算器41は偏差(θr−θR)を表す
信号Δθrを出力する。信号ΔθrはPID演算部42
に入力される。PID演算部42では、偏差を表す信号
Δθrに対してPID処理(比例・積分・微分の処理)
を行う。PID処理された偏差を表す信号Δθrは、後
輪161,162の転舵量を決める信号となる。後輪操
舵装置110によって後輪の転舵が行われ、信号θRが
信号θrに近づくと、信号Δθrは0に近づく。
ID演算部42と減算器43と第1駆動制御部44と第
1モータ駆動部45によって構成されている。減算器4
1では、第1操舵角調整部40に入力された目標となる
転舵角を表す信号θrから、実際の転舵角を表す信号θ
Rが減算される。減算器41は偏差(θr−θR)を表す
信号Δθrを出力する。信号ΔθrはPID演算部42
に入力される。PID演算部42では、偏差を表す信号
Δθrに対してPID処理(比例・積分・微分の処理)
を行う。PID処理された偏差を表す信号Δθrは、後
輪161,162の転舵量を決める信号となる。後輪操
舵装置110によって後輪の転舵が行われ、信号θRが
信号θrに近づくと、信号Δθrは0に近づく。
【0073】減算器43ではPID処理された信号Δθ
rから減速量を表す信号ωrを減算する。減速量を表す
信号ωrは、この実施形態の場合には、減速量演算部6
0において、モータ120が戻りのための逆転状態が生
じたという条件の下で生成され、出力される。PID処
理された信号Δθrから信号ωrを減算する処理を行う
理由は次の通りである。PID処理された信号Δθrは
後輪161,162の転舵量を決める信号である。後輪
の転舵はモータ120の回転動作で行われるが、モータ
120が回転動作が開始され転舵が完了した後において
モータ120を逆転させ再び操舵ロッド150を中立位
置へ戻すとき、前述のねじの噛合い状態が生じないよう
に中立位置に戻す制御を行うためには、モータ120に
よる慣性も考慮してモータ120の回転動作を減速して
停止させる必要がある。そこで、減速量演算部60で、
実際の転舵角を表す信号θRから、モータ120の動作
停止の関与する減速量に係る信号ωrを算出し、第1操
舵角調整部40の減算器43で、PID処理された信号
Δθrから信号ωrを減算し、駆動信号IMを制限する
ようにした。
rから減速量を表す信号ωrを減算する。減速量を表す
信号ωrは、この実施形態の場合には、減速量演算部6
0において、モータ120が戻りのための逆転状態が生
じたという条件の下で生成され、出力される。PID処
理された信号Δθrから信号ωrを減算する処理を行う
理由は次の通りである。PID処理された信号Δθrは
後輪161,162の転舵量を決める信号である。後輪
の転舵はモータ120の回転動作で行われるが、モータ
120が回転動作が開始され転舵が完了した後において
モータ120を逆転させ再び操舵ロッド150を中立位
置へ戻すとき、前述のねじの噛合い状態が生じないよう
に中立位置に戻す制御を行うためには、モータ120に
よる慣性も考慮してモータ120の回転動作を減速して
停止させる必要がある。そこで、減速量演算部60で、
実際の転舵角を表す信号θRから、モータ120の動作
停止の関与する減速量に係る信号ωrを算出し、第1操
舵角調整部40の減算器43で、PID処理された信号
Δθrから信号ωrを減算し、駆動信号IMを制限する
ようにした。
【0074】減算器43から出力された偏差信号(Δθ
r−ωr)は第1駆動制御部44に入力される。第1駆
動制御部44は、偏差信号(Δθr−ωr)に基づいて
PWM信号(パルス幅変調信号)を生成し出力する。第
1駆動制御部44から出力されたPWM信号は第1モー
タ駆動部45に入力され、ここで駆動信号IMに変換さ
れる。駆動信号IMはモータ120を回転駆動させるた
めの電流である。駆動信号IMは偏差信号(Δθr−ω
r)に基づくPWM信号として生成される。従ってモー
タ120の回転動作はPWMに基づくディーティ制御に
基づいて制御される。
r−ωr)は第1駆動制御部44に入力される。第1駆
動制御部44は、偏差信号(Δθr−ωr)に基づいて
PWM信号(パルス幅変調信号)を生成し出力する。第
1駆動制御部44から出力されたPWM信号は第1モー
タ駆動部45に入力され、ここで駆動信号IMに変換さ
れる。駆動信号IMはモータ120を回転駆動させるた
めの電流である。駆動信号IMは偏差信号(Δθr−ω
r)に基づくPWM信号として生成される。従ってモー
タ120の回転動作はPWMに基づくディーティ制御に
基づいて制御される。
【0075】図8は減速量演算部60の内部構成を示し
ている。減速量演算部60は、入力ゲート61と実操舵
角微分器62と速度マップ63と減算器64と出力ゲー
ト65とから構成される。入力ゲートは61には、実際
の転舵角を表す信号θRがモータ120の駆動条件(こ
の例の場合には逆転状態であること)に従って入力され
る。入力ゲート61が開いているときには、信号θ
Rは、並列に配置された実操舵角微分器62と速度マッ
プ63に入力される。
ている。減速量演算部60は、入力ゲート61と実操舵
角微分器62と速度マップ63と減算器64と出力ゲー
ト65とから構成される。入力ゲートは61には、実際
の転舵角を表す信号θRがモータ120の駆動条件(こ
の例の場合には逆転状態であること)に従って入力され
る。入力ゲート61が開いているときには、信号θ
Rは、並列に配置された実操舵角微分器62と速度マッ
プ63に入力される。
【0076】実操舵角微分器62は信号θRを微分処理
する。実操舵角微分器62は微分処理で得られた信号Δ
θRを出力する。実操舵角微分器62から出力される信
号ΔθRは、実際の操舵角を微分したものであるから、
実際の戻り速度を意味する。
する。実操舵角微分器62は微分処理で得られた信号Δ
θRを出力する。実操舵角微分器62から出力される信
号ΔθRは、実際の操舵角を微分したものであるから、
実際の戻り速度を意味する。
【0077】速度マップ63では、図9のグラフに示さ
れる実操舵角・目標速度変換特性に従って、入力された
信号θRに対応する目標速度(信号ω)が取得され、出
力される。速度マップ63の内容については図9を参照
して後で説明される。減算器64では、信号ΔθRから
信号ωを引いた偏差を表す信号eが求められる。偏差を
表す信号eは出力ゲート65に入力される。出力ゲート
65は、信号eが正の値をとるときには増幅して得られ
た信号ωrを出力し、信号eが負の値をとるときにはそ
の出力を行わない。出力ゲート65は増幅機能を有して
いる。信号ωrは減速量を表す信号である。
れる実操舵角・目標速度変換特性に従って、入力された
信号θRに対応する目標速度(信号ω)が取得され、出
力される。速度マップ63の内容については図9を参照
して後で説明される。減算器64では、信号ΔθRから
信号ωを引いた偏差を表す信号eが求められる。偏差を
表す信号eは出力ゲート65に入力される。出力ゲート
65は、信号eが正の値をとるときには増幅して得られ
た信号ωrを出力し、信号eが負の値をとるときにはそ
の出力を行わない。出力ゲート65は増幅機能を有して
いる。信号ωrは減速量を表す信号である。
【0078】減速量演算部60では、モータ120が逆
転することを駆動条件として、このときの実際の転舵角
を表す信号θRが、入力ゲート61で選択的に入力され
る。モータ120の逆転時の信号θRにおける変化量す
なわち実際の戻り速度(信号ΔθR)を演算すると共に
信号θRを変数として速度マップ63で目標速度を検索
し、対応する目標速度を表す信号ωを決定して取得す
る。次に、実際の戻り速度を表すΔθRから目標速度を
表す信号ωを減算し、出力ゲート65の作用に基づき所
定条件の下でモータ120の減速量を表す信号ωrを出
力する。上記の減算器64と出力ゲート65からなる回
路部分の技術的意味は、実際の戻り速度、すなわち戻り
時のモータ120の実際の回転速度(ΔθR)が、噛込
み状態が発生しないと考えられる目標速度(ω)よりも
大きいときには信号ωrを出力して減速制御を行い、小
さいときにはそのままとして減速制御を行わないという
ことである。すなわち、実際の回転速度(ΔθR)>目
標速度(ω)であるときに、減速量を表す信号ωrを出
し、噛込み状態を防止する減速制御を行う。
転することを駆動条件として、このときの実際の転舵角
を表す信号θRが、入力ゲート61で選択的に入力され
る。モータ120の逆転時の信号θRにおける変化量す
なわち実際の戻り速度(信号ΔθR)を演算すると共に
信号θRを変数として速度マップ63で目標速度を検索
し、対応する目標速度を表す信号ωを決定して取得す
る。次に、実際の戻り速度を表すΔθRから目標速度を
表す信号ωを減算し、出力ゲート65の作用に基づき所
定条件の下でモータ120の減速量を表す信号ωrを出
力する。上記の減算器64と出力ゲート65からなる回
路部分の技術的意味は、実際の戻り速度、すなわち戻り
時のモータ120の実際の回転速度(ΔθR)が、噛込
み状態が発生しないと考えられる目標速度(ω)よりも
大きいときには信号ωrを出力して減速制御を行い、小
さいときにはそのままとして減速制御を行わないという
ことである。すなわち、実際の回転速度(ΔθR)>目
標速度(ω)であるときに、減速量を表す信号ωrを出
し、噛込み状態を防止する減速制御を行う。
【0079】次に図9を参照して速度マップ63の内容
について説明する。速度マップ63は、横軸が実際の転
舵角すなわち実操舵角(θR)を表し、縦軸が目標速度
(ω)を表す座標系において、特定の変換特性で特徴づ
けられた変換テーブルである。横軸においてθRは正負
の値をとり得る。図9では、2つの変換特性63aと変
換特性63bとが示されている。速度マップ63は、メ
モリにおいて変換特性63aと変換特性63bのいずれ
かを格納することにより形成されている。変換特性63
a,63bはそれぞれ目標速度を設定する特性であり、
実操舵角に対して当該変換特性で得られる目標速度は、
噛込み状態が生じない望ましいモータの速度を意味して
いる。従って、或る実操舵角に対して変換特性63aま
たは変換特性63bで定まる目標速度よりも高いモータ
速度は噛込み状態が発生するモータ速度として減速を行
うことが必要となる。なお速度マップとして、変換特性
63aを備えるか、または変換速度63bを備えるか
は、制御の目的に応じて異なる。従って、変換特性は任
意に選択される。また変換特性63a,63bの両方を
備えて選択的に用いるように構成することもできる。
について説明する。速度マップ63は、横軸が実際の転
舵角すなわち実操舵角(θR)を表し、縦軸が目標速度
(ω)を表す座標系において、特定の変換特性で特徴づ
けられた変換テーブルである。横軸においてθRは正負
の値をとり得る。図9では、2つの変換特性63aと変
換特性63bとが示されている。速度マップ63は、メ
モリにおいて変換特性63aと変換特性63bのいずれ
かを格納することにより形成されている。変換特性63
a,63bはそれぞれ目標速度を設定する特性であり、
実操舵角に対して当該変換特性で得られる目標速度は、
噛込み状態が生じない望ましいモータの速度を意味して
いる。従って、或る実操舵角に対して変換特性63aま
たは変換特性63bで定まる目標速度よりも高いモータ
速度は噛込み状態が発生するモータ速度として減速を行
うことが必要となる。なお速度マップとして、変換特性
63aを備えるか、または変換速度63bを備えるか
は、制御の目的に応じて異なる。従って、変換特性は任
意に選択される。また変換特性63a,63bの両方を
備えて選択的に用いるように構成することもできる。
【0080】第1の変換特性63aは、正の範囲では、
θRが0のときに最小値ωminをとり、θRの値が次第に
大きくなると目標速度ωが一定の変化率で次第で大きく
なる特性であり(正の傾きの比例直線特性)、また負の
範囲では、θRが0よりも次第に小さくなるとωが一定
の変化率で次第で大きくなる特性である(負の傾きの比
例直線特性)。変化特性63aによれば、実操舵角θR
が、θ2とθ7で最大値ωmaxとなりかつ0で最小値ωm
inとなり、θ7〜θ2の第1演算範囲で実操舵角に対応
する目標速度(ω)を求める。第1演算範囲で、モータ
120の実際の戻り速度と目標速度とが比較される。
θRが0のときに最小値ωminをとり、θRの値が次第に
大きくなると目標速度ωが一定の変化率で次第で大きく
なる特性であり(正の傾きの比例直線特性)、また負の
範囲では、θRが0よりも次第に小さくなるとωが一定
の変化率で次第で大きくなる特性である(負の傾きの比
例直線特性)。変化特性63aによれば、実操舵角θR
が、θ2とθ7で最大値ωmaxとなりかつ0で最小値ωm
inとなり、θ7〜θ2の第1演算範囲で実操舵角に対応
する目標速度(ω)を求める。第1演算範囲で、モータ
120の実際の戻り速度と目標速度とが比較される。
【0081】第2の変換特性63bは、正の範囲ではθ
Rが0〜θ3のときに最小値ωminをとり、θRの値がθ
3から次第に大きくなると目標速度ωが一定の変化率で
次第で大きくなる特性であり(正の傾きの比例直線特
性)、また負の範囲ではθRが0〜θ8のときに最小値
ωminをとり、θRの値がθ8から次第に大きくなると目
標速度ωが一定の変化率で次第で大きくなる特性である
(負の傾きの比例直線特性)。変化特性63bによれ
ば、実操舵角θRが、θ1とθ6で最大値ωmaxとなりか
つθ8〜θ3で最小値ωminとなり、θ6〜θ1の第2
演算範囲で、入力される実操舵角に対応する目標速度
(ω)を求める。第2演算範囲で、モータ120の実際
の戻り速度と目標速度とが比較される。
Rが0〜θ3のときに最小値ωminをとり、θRの値がθ
3から次第に大きくなると目標速度ωが一定の変化率で
次第で大きくなる特性であり(正の傾きの比例直線特
性)、また負の範囲ではθRが0〜θ8のときに最小値
ωminをとり、θRの値がθ8から次第に大きくなると目
標速度ωが一定の変化率で次第で大きくなる特性である
(負の傾きの比例直線特性)。変化特性63bによれ
ば、実操舵角θRが、θ1とθ6で最大値ωmaxとなりか
つθ8〜θ3で最小値ωminとなり、θ6〜θ1の第2
演算範囲で、入力される実操舵角に対応する目標速度
(ω)を求める。第2演算範囲で、モータ120の実際
の戻り速度と目標速度とが比較される。
【0082】上記のごとく速度マップ63は、メモリに
おいて、上記の正負の実操舵角θRをアドレスとして、
変換特性63aまたは変換特性63bに基づく対応関係
を満たすように各々の目標速度(ω)を登録して成るマ
ップである。かかる速度マップ63を有する減速量演算
部60によれば、後輪の転舵に関する実操舵角θRが中
立位置の近傍の所定の演算範囲(第1演算範囲または第
2演算範囲)の中に入ると、この目標速度(ω)を速度
マップ63から取得し、実際の戻り速度(Δθ R)から
の減算に用いる。
おいて、上記の正負の実操舵角θRをアドレスとして、
変換特性63aまたは変換特性63bに基づく対応関係
を満たすように各々の目標速度(ω)を登録して成るマ
ップである。かかる速度マップ63を有する減速量演算
部60によれば、後輪の転舵に関する実操舵角θRが中
立位置の近傍の所定の演算範囲(第1演算範囲または第
2演算範囲)の中に入ると、この目標速度(ω)を速度
マップ63から取得し、実際の戻り速度(Δθ R)から
の減算に用いる。
【0083】変換特性63aと変換特性63bのうちい
ずれの変換特性を用いるかは、後輪操舵の制御目的に応
じて任意に選択することができる。変換特性63aと変
換特性の63bの違いは次の通りである。同じ実操舵角
に対して、変換特性63aで得られる目標速度の方が変
換特性63bで得られる目標速度よりも大きくなるよう
に設定されている。さらに変換特性63bでは、θ8〜
θ3の間で目標速度が最小の一定値に保持される不変帯
が設定されている。これに対して変換特性63aでは、
上記不変帯なるものは設定されていない。かかる変換特
性については、上記の変換特性63a,63bに限定さ
れず、後輪操舵装置110の操舵特性に応じて任意に定
めることができる。
ずれの変換特性を用いるかは、後輪操舵の制御目的に応
じて任意に選択することができる。変換特性63aと変
換特性の63bの違いは次の通りである。同じ実操舵角
に対して、変換特性63aで得られる目標速度の方が変
換特性63bで得られる目標速度よりも大きくなるよう
に設定されている。さらに変換特性63bでは、θ8〜
θ3の間で目標速度が最小の一定値に保持される不変帯
が設定されている。これに対して変換特性63aでは、
上記不変帯なるものは設定されていない。かかる変換特
性については、上記の変換特性63a,63bに限定さ
れず、後輪操舵装置110の操舵特性に応じて任意に定
めることができる。
【0084】直進方向を向いている後輪161,162
を指令信号S1に基づいて右または左へ転舵するとき、
操舵ロッド150を中立位置から外方へ移動させるた
め、PID演算部42でPID処理された信号Δθrに
基づいて、モータ120の回転動作を決める駆動信号I
Mが作られる。駆動信号IMによってモータ120が回転
動作すると、前述の通り直線駆動機構130の外側回転
筒131の回転が行われ、これに伴って左右の2つのス
ライド筒133,134が共に外方に向けて移動し、さ
らにスライド筒の外方移動に伴って操舵ロッド150
が、転舵方向指示部30の出力信号に基づく内側クラッ
チ筒143,144のクラッチ動作に従って決まる方向
に移動する。これにより、左右の後輪161,162は
目標とする転舵角θrになるように転舵される。
を指令信号S1に基づいて右または左へ転舵するとき、
操舵ロッド150を中立位置から外方へ移動させるた
め、PID演算部42でPID処理された信号Δθrに
基づいて、モータ120の回転動作を決める駆動信号I
Mが作られる。駆動信号IMによってモータ120が回転
動作すると、前述の通り直線駆動機構130の外側回転
筒131の回転が行われ、これに伴って左右の2つのス
ライド筒133,134が共に外方に向けて移動し、さ
らにスライド筒の外方移動に伴って操舵ロッド150
が、転舵方向指示部30の出力信号に基づく内側クラッ
チ筒143,144のクラッチ動作に従って決まる方向
に移動する。これにより、左右の後輪161,162は
目標とする転舵角θrになるように転舵される。
【0085】続いて、上記転舵状態にある後輪161,
162を中立位置に戻すときは、再び入力される指令信
号S1に基づいて目標とする転舵角θrとして0を設定
し、第1操舵角調整部40でモータ逆転用の駆動信号I
Mを生成する。モータ120が駆動信号IMで逆転動作を
行うとき、直線駆動機構130の外側回転筒131が逆
に回転し、これに伴って左右の2つのスライド筒13
3,134が共に内方に向けて互いに接近するごとくス
ライド移動する。さらにスライド筒の移動に伴って操舵
ロッド150が中立位置に向かって移動する。これによ
り、左右の後輪161,162は直進方向に戻される。
このとき、実際の転舵角θRが中立位置の近傍の所定の
演算範囲(第1演算範囲または第2演算範囲)の中に入
り、かつモータ120の実際の戻り速度(ΔθR)が目
標速度(ω)よりも大きいときには、噛込み状態が発生
する可能性が高いので、減算器43で、PID処理され
たΔθrから減速量を表す信号ωrを減算して駆動信号
IMを作り、この駆動信号でモータ120の逆転動作を
減速制御する。
162を中立位置に戻すときは、再び入力される指令信
号S1に基づいて目標とする転舵角θrとして0を設定
し、第1操舵角調整部40でモータ逆転用の駆動信号I
Mを生成する。モータ120が駆動信号IMで逆転動作を
行うとき、直線駆動機構130の外側回転筒131が逆
に回転し、これに伴って左右の2つのスライド筒13
3,134が共に内方に向けて互いに接近するごとくス
ライド移動する。さらにスライド筒の移動に伴って操舵
ロッド150が中立位置に向かって移動する。これによ
り、左右の後輪161,162は直進方向に戻される。
このとき、実際の転舵角θRが中立位置の近傍の所定の
演算範囲(第1演算範囲または第2演算範囲)の中に入
り、かつモータ120の実際の戻り速度(ΔθR)が目
標速度(ω)よりも大きいときには、噛込み状態が発生
する可能性が高いので、減算器43で、PID処理され
たΔθrから減速量を表す信号ωrを減算して駆動信号
IMを作り、この駆動信号でモータ120の逆転動作を
減速制御する。
【0086】Δθrからωrを減算して作られた駆動信
号IMによるモータ120の逆転制御によれば、前述し
た速度マップ63に用意された目標速度(ω)を得るた
めの変換特性(63a,63b)を利用して実操舵角θ
Rに比例した目標速度(ω)を求め、さらに減速量を表
す信号ωrを求め、この信号ωrを制御目標値であるΔ
θrから減じて駆動信号IMを作る。従って、中立位置
の近傍でモータの逆転で減速制御を行い、これによりモ
ータ120の回転トルクに基づくねじ部の噛込みを抑制
することができる。このため、直線駆動機構130にお
ける外側回転筒131とスライド筒133,134との
間を強い力で締め上げることがなく、外側回転筒131
の雌ねじとスライド筒133,134の雄ねじの間で噛
込み状態が生じるのを防止できる。その結果、左右の2
つのスライド筒133,134およびクラッチ機構がロ
ック状態になるのを避けることができる。
号IMによるモータ120の逆転制御によれば、前述し
た速度マップ63に用意された目標速度(ω)を得るた
めの変換特性(63a,63b)を利用して実操舵角θ
Rに比例した目標速度(ω)を求め、さらに減速量を表
す信号ωrを求め、この信号ωrを制御目標値であるΔ
θrから減じて駆動信号IMを作る。従って、中立位置
の近傍でモータの逆転で減速制御を行い、これによりモ
ータ120の回転トルクに基づくねじ部の噛込みを抑制
することができる。このため、直線駆動機構130にお
ける外側回転筒131とスライド筒133,134との
間を強い力で締め上げることがなく、外側回転筒131
の雌ねじとスライド筒133,134の雄ねじの間で噛
込み状態が生じるのを防止できる。その結果、左右の2
つのスライド筒133,134およびクラッチ機構がロ
ック状態になるのを避けることができる。
【0087】以上の制御装置10の構成によれば、後輪
転舵後に中立位置に戻るためのモータ120の逆転動作
の制御に関し、中立位置近傍でモータの実際の回転速度
が目標速度よりも大きいとき減速制御を行うようにした
ため、後輪操舵装置110に設けられた機構上の中立位
置を定める部分で左右のスライド筒133,134が機
構部に当たることなく、緩やかに停止させ、噛込み状態
の発生を防止することができる。
転舵後に中立位置に戻るためのモータ120の逆転動作
の制御に関し、中立位置近傍でモータの実際の回転速度
が目標速度よりも大きいとき減速制御を行うようにした
ため、後輪操舵装置110に設けられた機構上の中立位
置を定める部分で左右のスライド筒133,134が機
構部に当たることなく、緩やかに停止させ、噛込み状態
の発生を防止することができる。
【0088】上記第1実施形態による制御装置10の第
1操舵角調整部40と減速量演算部60に基づく逆転時
の減速制御は、次のように応用することもできる。
1操舵角調整部40と減速量演算部60に基づく逆転時
の減速制御は、次のように応用することもできる。
【0089】後輪操舵装置110によって後輪161,
162を右方向または左方向で予め設定された転舵角で
転舵させる場合において、設定された最大の転舵角(操
舵角)に対応する最外の外側位置に位置決めするときに
もケーシングに設けたストッパ部で機構的に位置決めを
行うので、モータの慣性に起因する上記噛込み状態が発
生する。そこで、このような場合にも、図1、図7、図
8に示した制御装置10によって最外位置での位置決め
における噛込み状態の発生を防止することができる。た
だし、この場合に減算量演算部60の速度マップ63に
は、図10に示される変換特性163aまたは変換特性
163bが格納される。変換特性163aによって第3
演算範囲(θ12〜θM,θ17〜θM)が設定される。
変換特性163bによって第4演算範囲(θ11〜
θM,θ16〜θMであり、θ13〜θ Mおよびθ18〜
θMでωmin)が設定される。この場合の噛込み状態を防
止する減速制御では、減速量演算部60の入力ゲート6
1に入力されるモータ120の駆動状態はモータ120
が正転状態であることを条件として減速量演算が行われ
る。後輪操舵制御によって後輪の実操舵角θRが大きく
なり、最大の転舵角に近い所定の演算範囲(第3演算範
囲または第4演算範囲)に入ると、モータ120の実際
の速度(ΔθR)と、変換特性(163aまたは163
b)で得られる目標速度(ω)とを比較し、実際の速度
が目標速度よりも大きいときには、前述の通り減速制御
を行う。これによって、モータ120の駆動信号IMを
低減し、モータ120の回転を減速して、最大転舵角で
の噛込み状態の発生を防止する。
162を右方向または左方向で予め設定された転舵角で
転舵させる場合において、設定された最大の転舵角(操
舵角)に対応する最外の外側位置に位置決めするときに
もケーシングに設けたストッパ部で機構的に位置決めを
行うので、モータの慣性に起因する上記噛込み状態が発
生する。そこで、このような場合にも、図1、図7、図
8に示した制御装置10によって最外位置での位置決め
における噛込み状態の発生を防止することができる。た
だし、この場合に減算量演算部60の速度マップ63に
は、図10に示される変換特性163aまたは変換特性
163bが格納される。変換特性163aによって第3
演算範囲(θ12〜θM,θ17〜θM)が設定される。
変換特性163bによって第4演算範囲(θ11〜
θM,θ16〜θMであり、θ13〜θ Mおよびθ18〜
θMでωmin)が設定される。この場合の噛込み状態を防
止する減速制御では、減速量演算部60の入力ゲート6
1に入力されるモータ120の駆動状態はモータ120
が正転状態であることを条件として減速量演算が行われ
る。後輪操舵制御によって後輪の実操舵角θRが大きく
なり、最大の転舵角に近い所定の演算範囲(第3演算範
囲または第4演算範囲)に入ると、モータ120の実際
の速度(ΔθR)と、変換特性(163aまたは163
b)で得られる目標速度(ω)とを比較し、実際の速度
が目標速度よりも大きいときには、前述の通り減速制御
を行う。これによって、モータ120の駆動信号IMを
低減し、モータ120の回転を減速して、最大転舵角で
の噛込み状態の発生を防止する。
【0090】上記の速度マップ63において、図9に示
された変換特性と、図10に示された変換特性の両方を
用意して、中立位置への戻り動作、および操舵角に対応
する外側位置への移動動作で、それぞれの状況を認識す
る構成を設け、いずれの場合にも噛込み状態の発生を防
止するように構成することもできる。また図7に示され
た制御装置10の回路構成において、減算器43の配置
位置は図示した位置に限定されない。例えばPID演算
部42の前段に設けることもできる。
された変換特性と、図10に示された変換特性の両方を
用意して、中立位置への戻り動作、および操舵角に対応
する外側位置への移動動作で、それぞれの状況を認識す
る構成を設け、いずれの場合にも噛込み状態の発生を防
止するように構成することもできる。また図7に示され
た制御装置10の回路構成において、減算器43の配置
位置は図示した位置に限定されない。例えばPID演算
部42の前段に設けることもできる。
【0091】次に図11と図12を参照して本発明の第
2実施形態を説明する。図11は図7に対応する図であ
る。図11において、図7で説明された要素と実質的に
同一の要素には同一の符号を付し、その詳細については
先の説明を援用する。第2実施形態による制御装置21
0は、第1実施形態の制御装置10と比較すると、第2
操舵角調整部240と駆動抑制部260の構成が異な
る。駆動抑制部260の具体的な回路構成は図12に示
される。
2実施形態を説明する。図11は図7に対応する図であ
る。図11において、図7で説明された要素と実質的に
同一の要素には同一の符号を付し、その詳細については
先の説明を援用する。第2実施形態による制御装置21
0は、第1実施形態の制御装置10と比較すると、第2
操舵角調整部240と駆動抑制部260の構成が異な
る。駆動抑制部260の具体的な回路構成は図12に示
される。
【0092】第2操舵角調整部240は、減算器41と
PID演算部42と第2駆動制御部244と第1モータ
駆動部45とからなっている。減算器41とPID演算
部42と第1モータ駆動部45は第1実施形態で説明し
たものと同じである。第2駆動制御部244は第1駆動
制御部44と類似する機能を有する。すなわち、PID
演算部42から出力される信号が第2駆動制御部244
に入力され、第2駆動制御部244は、入力された信号
(Δθrに相当)に基づいてPWM信号(パルス幅変調
信号)を生成し出力する。第2駆動制御部244から出
力されたPWM信号は第1モータ駆動部45に入力さ
れ、ここでモータ120を回転させるための駆動信号I
Mに変換される。加えて、第2駆動制御部244には、
PWM信号を生成し出力するのを停止する遮断スイッチ
部を内蔵している。第2駆動制御部244に設けられた
遮断スイッチ部のオン・オフ動作は、駆動抑制部260
から与えられる信号S2に基づいて制御される。この遮
断スイッチ部は、例えば、第2駆動制御部244の動作
開始と共にオン状態に維持され、信号S2が1になるこ
とによりオフ閉状態になる出力ゲートである。
PID演算部42と第2駆動制御部244と第1モータ
駆動部45とからなっている。減算器41とPID演算
部42と第1モータ駆動部45は第1実施形態で説明し
たものと同じである。第2駆動制御部244は第1駆動
制御部44と類似する機能を有する。すなわち、PID
演算部42から出力される信号が第2駆動制御部244
に入力され、第2駆動制御部244は、入力された信号
(Δθrに相当)に基づいてPWM信号(パルス幅変調
信号)を生成し出力する。第2駆動制御部244から出
力されたPWM信号は第1モータ駆動部45に入力さ
れ、ここでモータ120を回転させるための駆動信号I
Mに変換される。加えて、第2駆動制御部244には、
PWM信号を生成し出力するのを停止する遮断スイッチ
部を内蔵している。第2駆動制御部244に設けられた
遮断スイッチ部のオン・オフ動作は、駆動抑制部260
から与えられる信号S2に基づいて制御される。この遮
断スイッチ部は、例えば、第2駆動制御部244の動作
開始と共にオン状態に維持され、信号S2が1になるこ
とによりオフ閉状態になる出力ゲートである。
【0093】駆動制御部260は、図12に示される通
り、入力ゲート61と、抑制範囲設定部262と、それ
ぞれ2入力端子を有する上限比較部263と下限比較部
264とANDゲート265とから成っている。入力ゲ
ート61は第1実施形態で説明したものと同じであり、
実操舵角θRが入力され、モータ120の駆動状態を条
件(逆転状態であること等)にして当該実操舵角を内部
に取り入れる。入力ゲート61から出力された実操舵角
を表す信号は、上限比較部263と下限比較部264の
各々の一方の入力端子に与えられる。上限比較部263
と下限比較部264の各々の他方の入力端子には抑制範
囲設定部262から与えられる。上限比較部263で
は、実操舵角と、抑制範囲設定部262から与えられた
上限に相当する操舵角とが比較され、実操舵角が上限相
当操舵角よりも小さいとき、正論理値「1」が出力され
る。下限比較部264では、実操舵角と、抑制範囲設定
部262から与えられた下限に相当する操舵角とが比較
され、実操舵角が下限相当操舵角よりも大きいとき、正
論理値「1」が出力される。上限比較部263と下限比
較部264の出力はANDゲート265の入力端子に与
えられる。上限比較部263と下限比較部264の出力
が1であるときにのみ、ANDゲート265から出力さ
れる信号S2が1となる。信号S2が1になると、第2
駆動制御部244内の前述の遮断スイッチ部がオフされ
る。
り、入力ゲート61と、抑制範囲設定部262と、それ
ぞれ2入力端子を有する上限比較部263と下限比較部
264とANDゲート265とから成っている。入力ゲ
ート61は第1実施形態で説明したものと同じであり、
実操舵角θRが入力され、モータ120の駆動状態を条
件(逆転状態であること等)にして当該実操舵角を内部
に取り入れる。入力ゲート61から出力された実操舵角
を表す信号は、上限比較部263と下限比較部264の
各々の一方の入力端子に与えられる。上限比較部263
と下限比較部264の各々の他方の入力端子には抑制範
囲設定部262から与えられる。上限比較部263で
は、実操舵角と、抑制範囲設定部262から与えられた
上限に相当する操舵角とが比較され、実操舵角が上限相
当操舵角よりも小さいとき、正論理値「1」が出力され
る。下限比較部264では、実操舵角と、抑制範囲設定
部262から与えられた下限に相当する操舵角とが比較
され、実操舵角が下限相当操舵角よりも大きいとき、正
論理値「1」が出力される。上限比較部263と下限比
較部264の出力はANDゲート265の入力端子に与
えられる。上限比較部263と下限比較部264の出力
が1であるときにのみ、ANDゲート265から出力さ
れる信号S2が1となる。信号S2が1になると、第2
駆動制御部244内の前述の遮断スイッチ部がオフされ
る。
【0094】抑制範囲設定部262と上限比較部263
と下限比較部264とANDゲート265からなる回路
構成で設定される「抑制範囲」は、例えば、図9で示さ
れた変換特性63aで決まる第1演算範囲または変換特
性63bで決まる第2演算範囲、あるいは、図10で示
された変換特性163aで決まる第3演算範囲または変
換特性163bで決まる第4演算範囲である。ここで
「抑制範囲」とは、後輪操舵装置110のモータ120
を回転動作させて後輪161,162を転舵または戻り
動作させる場合において、後輪の実操舵角が当該範囲に
含まれるとき、モータ120の回転を停止(または抑
制)させる範囲を意味する。従って、本実施形態の制御
装置210に基づく後輪操舵の制御では、後輪161,
162の実操舵角が上記の第1演算範囲等に含まれると
き、ANDゲート265の出力信号S2を「1」とし、
これにより駆動信号IMを0にしてモータ120の回転
動作を停止させる。
と下限比較部264とANDゲート265からなる回路
構成で設定される「抑制範囲」は、例えば、図9で示さ
れた変換特性63aで決まる第1演算範囲または変換特
性63bで決まる第2演算範囲、あるいは、図10で示
された変換特性163aで決まる第3演算範囲または変
換特性163bで決まる第4演算範囲である。ここで
「抑制範囲」とは、後輪操舵装置110のモータ120
を回転動作させて後輪161,162を転舵または戻り
動作させる場合において、後輪の実操舵角が当該範囲に
含まれるとき、モータ120の回転を停止(または抑
制)させる範囲を意味する。従って、本実施形態の制御
装置210に基づく後輪操舵の制御では、後輪161,
162の実操舵角が上記の第1演算範囲等に含まれると
き、ANDゲート265の出力信号S2を「1」とし、
これにより駆動信号IMを0にしてモータ120の回転
動作を停止させる。
【0095】抑制範囲を、前述の第1演算範囲、第2演
算範囲、第3演算範囲、第4演算範囲のいずれにするか
ということは、後輪操舵の制御目的に応じて任意に選択
される。抑制範囲として第1演算範囲を用いるときに
は、上限相当操舵角としてθ2が設定され、下限相当操
舵角としてθ7が設定される。同様に、抑制範囲として
第2演算範囲を用いるときには、上限相当操舵角として
θ1が設定され、下限相当操舵角としてθ6が設定され
る。抑制範囲として第3演算範囲を用いるときには、正
の範囲では上限相当操舵角としてθmaxが設定され、下
限相当操舵角としてθ12が設定され、負の範囲では上
限相当操舵角としてθ17が設定され、下限相当操舵角
としてθmax(負の値)が設定される。抑制範囲として
第4演算範囲を用いるときには、正の範囲では上限相当
操舵角としてθmaxが設定され、下限相当操舵角として
θ11が設定され、負の範囲では上限相当操舵角として
θ16が設定され、下限相当操舵角としてθmax(負の
値)が設定される。
算範囲、第3演算範囲、第4演算範囲のいずれにするか
ということは、後輪操舵の制御目的に応じて任意に選択
される。抑制範囲として第1演算範囲を用いるときに
は、上限相当操舵角としてθ2が設定され、下限相当操
舵角としてθ7が設定される。同様に、抑制範囲として
第2演算範囲を用いるときには、上限相当操舵角として
θ1が設定され、下限相当操舵角としてθ6が設定され
る。抑制範囲として第3演算範囲を用いるときには、正
の範囲では上限相当操舵角としてθmaxが設定され、下
限相当操舵角としてθ12が設定され、負の範囲では上
限相当操舵角としてθ17が設定され、下限相当操舵角
としてθmax(負の値)が設定される。抑制範囲として
第4演算範囲を用いるときには、正の範囲では上限相当
操舵角としてθmaxが設定され、下限相当操舵角として
θ11が設定され、負の範囲では上限相当操舵角として
θ16が設定され、下限相当操舵角としてθmax(負の
値)が設定される。
【0096】以上のごとく、抑制範囲設定部262によ
って上限相当操舵角と下限相当操舵角を適宜に設定する
ことにより抑制範囲として第1から第4の演算範囲のい
ずれかを選択して後輪操舵を制御し、前述の噛込み状態
が発生する可能性が高くなった状態で信号S2を「1」
としてモータ120の回転を停止する。すなわち、後輪
161,162の実操舵角が設定された上記演算範囲に
含まれるとき、ANDゲート265の出力信号S2を
「1」とし、第2駆動制御部244内の遮断スイッチ部
をオフにして駆動信号IMを0にし、これによりモータ
120の回転動作を停止する。
って上限相当操舵角と下限相当操舵角を適宜に設定する
ことにより抑制範囲として第1から第4の演算範囲のい
ずれかを選択して後輪操舵を制御し、前述の噛込み状態
が発生する可能性が高くなった状態で信号S2を「1」
としてモータ120の回転を停止する。すなわち、後輪
161,162の実操舵角が設定された上記演算範囲に
含まれるとき、ANDゲート265の出力信号S2を
「1」とし、第2駆動制御部244内の遮断スイッチ部
をオフにして駆動信号IMを0にし、これによりモータ
120の回転動作を停止する。
【0097】モータ120の回転が停止すると、前述の
直線駆動機構130の外側回転筒131の回転トルクが
消失する。このため、第1の実施形態と同様に、スライ
ド筒133,134とクラッチ筒140L,140Rと
の間でロック状態が生じるのを防止することができる。
直線駆動機構130の外側回転筒131の回転トルクが
消失する。このため、第1の実施形態と同様に、スライ
ド筒133,134とクラッチ筒140L,140Rと
の間でロック状態が生じるのを防止することができる。
【0098】上記の第2実施形態による制御装置210
では、駆動抑制部260の抑制範囲設定部262によっ
て上限相当操舵角および下限相当操舵角を設定して第1
〜第4の演算範囲のいずれかを抑制範囲として設定する
ようにしたが、例えば第1演算範囲と第3演算範囲の両
方を抑制範囲として同時に設定するように構成すること
もできる。このような場合には、好ましくは、後輪16
1,162の右方転舵または左方転舵におけるモータ1
20の正転と逆転を識別する構成を付加し、正転時の最
外位置でのモータ停止、逆転時の戻り動作における中立
位置でのモータ停止を行えるように構成される。
では、駆動抑制部260の抑制範囲設定部262によっ
て上限相当操舵角および下限相当操舵角を設定して第1
〜第4の演算範囲のいずれかを抑制範囲として設定する
ようにしたが、例えば第1演算範囲と第3演算範囲の両
方を抑制範囲として同時に設定するように構成すること
もできる。このような場合には、好ましくは、後輪16
1,162の右方転舵または左方転舵におけるモータ1
20の正転と逆転を識別する構成を付加し、正転時の最
外位置でのモータ停止、逆転時の戻り動作における中立
位置でのモータ停止を行えるように構成される。
【0099】なおモータ120の停止を行う抑制範囲と
しては、第1〜第4の演算範囲以外にも後輪制御の目的
に応じて他の範囲を選択することができる。
しては、第1〜第4の演算範囲以外にも後輪制御の目的
に応じて他の範囲を選択することができる。
【0100】また上記の構成において、駆動信号IMを
0にする代わりに、その値を十分に小さな一定値に制限
させてもよい。この他、第2駆動制御部244におい
て、遮断スイッチ部を設ける代わりに、モータ120を
回転駆動を制御するデューティ比の最大値を小さな値に
制限させることもできる。以上のごとく駆動信号または
デューティ比に対して制限を与える構成を採用した方が
余計な回路を付設する必要がなく、構成が簡易であると
いう利点を有する。
0にする代わりに、その値を十分に小さな一定値に制限
させてもよい。この他、第2駆動制御部244におい
て、遮断スイッチ部を設ける代わりに、モータ120を
回転駆動を制御するデューティ比の最大値を小さな値に
制限させることもできる。以上のごとく駆動信号または
デューティ比に対して制限を与える構成を採用した方が
余計な回路を付設する必要がなく、構成が簡易であると
いう利点を有する。
【0101】次に図13〜図15に基づいて本発明の第
3の実施形態を説明する。この実施形態による制御装置
310は、前述の第2実施形態と同様に、直線駆動機構
130の外側回転筒131と左右のスライド筒133,
134との間で噛込み状態の発生の可能性があるときに
モータ120の回転を停止させる機能を有している。た
だしこの実施形態の場合には、モータ120の発電作用
を利用して、モータ120の回転停止を強制的に行い、
停止能力を高めている点で、第2実施形態と異なってい
る。図13において、上記の図7および図11で示した
要素と同一の要素には同一の符号を付して先の説明を援
用し、ここでは詳細な説明を省略する。第2実施形態の
構成と比較すると、制御装置310において第3操舵角
調整部340が設けられている点が異なっている。第3
操舵角調整部340は、減算器41とPID演算部42
と第1駆動制御部44と第2モータ駆動部345から成
る。減算器41とPID演算部42と第1駆動制御部4
4の構成は、第1実施形態の構成と同じである。また制
御装置310は第2実施形態と同様に駆動抑制部260
を有している。駆動抑制部260は、第2実施形態で説
明したものと同じ構成および作用を有している。従って
駆動抑制部260からモータ120の回転を停止させる
タイミングを与える信号S2が出力される。信号S2の
作成方法は図12を参照して先に説明した通りである。
3の実施形態を説明する。この実施形態による制御装置
310は、前述の第2実施形態と同様に、直線駆動機構
130の外側回転筒131と左右のスライド筒133,
134との間で噛込み状態の発生の可能性があるときに
モータ120の回転を停止させる機能を有している。た
だしこの実施形態の場合には、モータ120の発電作用
を利用して、モータ120の回転停止を強制的に行い、
停止能力を高めている点で、第2実施形態と異なってい
る。図13において、上記の図7および図11で示した
要素と同一の要素には同一の符号を付して先の説明を援
用し、ここでは詳細な説明を省略する。第2実施形態の
構成と比較すると、制御装置310において第3操舵角
調整部340が設けられている点が異なっている。第3
操舵角調整部340は、減算器41とPID演算部42
と第1駆動制御部44と第2モータ駆動部345から成
る。減算器41とPID演算部42と第1駆動制御部4
4の構成は、第1実施形態の構成と同じである。また制
御装置310は第2実施形態と同様に駆動抑制部260
を有している。駆動抑制部260は、第2実施形態で説
明したものと同じ構成および作用を有している。従って
駆動抑制部260からモータ120の回転を停止させる
タイミングを与える信号S2が出力される。信号S2の
作成方法は図12を参照して先に説明した通りである。
【0102】図14を参照して第2モータ駆動部345
の具体的構成を説明する。第2モータ駆動部345は、
スイッチ素子としての作用する4つの電界効果トランジ
スタ(FET)Q1〜Q4から成るブリッジ回路であ
る。電界効果トランジスタQ1〜Q4のドレイン・ソー
ス間にはバイパスダイオードD1〜D4が接続されてい
る。ブリッジ回路において、端子Aには正電圧VBの電
源部(バッテリ)349が接続され、端子Bはアース
(GND)に接続されている。中間に位置する出力端子
C,Dの間にモータ120が接続されている。さらに電
界効果トランジスタQ1〜Q4のゲートG1〜G4には
各電界効果トランジスタをオン・オフする信号(信号S
2またはその反転信号)が入力される。
の具体的構成を説明する。第2モータ駆動部345は、
スイッチ素子としての作用する4つの電界効果トランジ
スタ(FET)Q1〜Q4から成るブリッジ回路であ
る。電界効果トランジスタQ1〜Q4のドレイン・ソー
ス間にはバイパスダイオードD1〜D4が接続されてい
る。ブリッジ回路において、端子Aには正電圧VBの電
源部(バッテリ)349が接続され、端子Bはアース
(GND)に接続されている。中間に位置する出力端子
C,Dの間にモータ120が接続されている。さらに電
界効果トランジスタQ1〜Q4のゲートG1〜G4には
各電界効果トランジスタをオン・オフする信号(信号S
2またはその反転信号)が入力される。
【0103】上記のブリッジ回路から成る第2モータ駆
動部345によれば、通常の後輪操舵の動作では、第1
駆動制御部44から出力されるパルス幅変調信号を、4
つの電界効果トランジスタQ1〜Q4の各ゲートG1〜
G4に、所定の論理条件を満たすように入力させ、これ
により、モータ120の回転動作(正転または逆転、お
よび回転速度)を制御している。すなわち、Q1とQ4
のゲートにパルス変調信号を与えて動作させ、かつQ2
とQ3のゲートには何の信号も与えず動作をオフ状態に
保持すると、モータ120に駆動信号IMに基づく電流
が流れて、モータ120を正転させる。反対にQ2とQ
3のゲートにパルス変調信号を与えて動作させ、かつQ
1とQ4のゲートには何の信号も与えず動作をオフ状態
に保持すると、モータ120に逆向きの駆動信号IMに
基づく駆動電流が流れて、モータ120を逆転させる。
動部345によれば、通常の後輪操舵の動作では、第1
駆動制御部44から出力されるパルス幅変調信号を、4
つの電界効果トランジスタQ1〜Q4の各ゲートG1〜
G4に、所定の論理条件を満たすように入力させ、これ
により、モータ120の回転動作(正転または逆転、お
よび回転速度)を制御している。すなわち、Q1とQ4
のゲートにパルス変調信号を与えて動作させ、かつQ2
とQ3のゲートには何の信号も与えず動作をオフ状態に
保持すると、モータ120に駆動信号IMに基づく電流
が流れて、モータ120を正転させる。反対にQ2とQ
3のゲートにパルス変調信号を与えて動作させ、かつQ
1とQ4のゲートには何の信号も与えず動作をオフ状態
に保持すると、モータ120に逆向きの駆動信号IMに
基づく駆動電流が流れて、モータ120を逆転させる。
【0104】上記のように、後輪操舵装置110のモー
タ120を、第2モータ駆動部のブリッジ回路を形成す
る電界効果トランジスタQ1〜Q4のオン・オフ動作を
第1駆動制御部44からの出力信号で制御することに基
づいて、後輪161,162の転舵は制御される。そし
て例えばモータ120が正転され、後輪161,162
が左方または右方に転舵されている場合において、前述
のごとく後輪の実操舵角が、駆動抑制部260で設定さ
れた所定演算範囲に含まれる結果、出力信号S2におい
て「1」が生じると、当該信号S2は正論理として電界
効果トランジスタQ1のゲートG1に入力され、他方、
残りの電界効果トランジスタQ2〜Q4には反転した信
号S2(「0」)が入力される。そうすると、電界効果
トランジスタQ1のみがオン状態になり、電界効果トラ
ンジスタQ2〜Q4はオフ状態になり、その結果、端子
D、逆流バイパス用ダイオードD3、電界効果トランジ
スタQ1、端子C、モータ120の順に閉回路が形成さ
れる。このため、モータ120において、モータ120
自身の回転に基づいて逆起電力VSGが誘起される。モー
タ120にかかる逆起電力が誘起されると、モータ12
0のもともとの回転動作が強制的に抑制され、直線駆動
機構130の外側回転筒131の回転トルクが急激に消
失する。従って、スライド筒133,134の移動速度
を強制的に短時間で減速させ、前述したロック状態の発
生を防止することが可能となる。
タ120を、第2モータ駆動部のブリッジ回路を形成す
る電界効果トランジスタQ1〜Q4のオン・オフ動作を
第1駆動制御部44からの出力信号で制御することに基
づいて、後輪161,162の転舵は制御される。そし
て例えばモータ120が正転され、後輪161,162
が左方または右方に転舵されている場合において、前述
のごとく後輪の実操舵角が、駆動抑制部260で設定さ
れた所定演算範囲に含まれる結果、出力信号S2におい
て「1」が生じると、当該信号S2は正論理として電界
効果トランジスタQ1のゲートG1に入力され、他方、
残りの電界効果トランジスタQ2〜Q4には反転した信
号S2(「0」)が入力される。そうすると、電界効果
トランジスタQ1のみがオン状態になり、電界効果トラ
ンジスタQ2〜Q4はオフ状態になり、その結果、端子
D、逆流バイパス用ダイオードD3、電界効果トランジ
スタQ1、端子C、モータ120の順に閉回路が形成さ
れる。このため、モータ120において、モータ120
自身の回転に基づいて逆起電力VSGが誘起される。モー
タ120にかかる逆起電力が誘起されると、モータ12
0のもともとの回転動作が強制的に抑制され、直線駆動
機構130の外側回転筒131の回転トルクが急激に消
失する。従って、スライド筒133,134の移動速度
を強制的に短時間で減速させ、前述したロック状態の発
生を防止することが可能となる。
【0105】またモータ120が逆転されている場合に
当該回転動作を停止させるときには、電界効果トランジ
スタQ3のゲートG3に信号S2(「1」)が入力さ
れ、その他の電界効果トランジスタのゲートにはその反
転信号を入力することによって、端子C、逆流バイパス
用ダイオードD1、電界効果トランジスタQ3、端子
D、モータ120の順に閉回路を形成する。この閉回路
を形成すると、モータ120において逆起電力が誘起さ
れ、同様にモータ120においてその逆転動作を強制的
に停止させるトルクが発生する。
当該回転動作を停止させるときには、電界効果トランジ
スタQ3のゲートG3に信号S2(「1」)が入力さ
れ、その他の電界効果トランジスタのゲートにはその反
転信号を入力することによって、端子C、逆流バイパス
用ダイオードD1、電界効果トランジスタQ3、端子
D、モータ120の順に閉回路を形成する。この閉回路
を形成すると、モータ120において逆起電力が誘起さ
れ、同様にモータ120においてその逆転動作を強制的
に停止させるトルクが発生する。
【0106】次に図15は、第3実施形態の変形例を示
し、第2モータ駆動部345の他の回路構成例を示して
いる。図15において、図14で説明した要素と実質的
に同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略す
る。図14の回路構成と比較して相違する点は、この第
2モータ駆動部345がリレー駆動部346Aとリレー
接点346Bを備えていることである。リレー駆動部3
46Aは、励磁コイルを含み、端子Aとアースとの間に
接続されている。リレー接点346Bは、ノーマルコン
タクト端子NCと、端子Dに接続されたノーマルオープ
ン端子NOと、端子Cに接続された可動端子346Cを
有する。端子Cに接続された可動端子346Cは、通
常、ノーマルコンタクト端子NCに接続されている。こ
の場合、第2モータ駆動部345は、モータ120に対
して駆動電流を供給する通常のブリッジ回路として動作
する。
し、第2モータ駆動部345の他の回路構成例を示して
いる。図15において、図14で説明した要素と実質的
に同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略す
る。図14の回路構成と比較して相違する点は、この第
2モータ駆動部345がリレー駆動部346Aとリレー
接点346Bを備えていることである。リレー駆動部3
46Aは、励磁コイルを含み、端子Aとアースとの間に
接続されている。リレー接点346Bは、ノーマルコン
タクト端子NCと、端子Dに接続されたノーマルオープ
ン端子NOと、端子Cに接続された可動端子346Cを
有する。端子Cに接続された可動端子346Cは、通
常、ノーマルコンタクト端子NCに接続されている。こ
の場合、第2モータ駆動部345は、モータ120に対
して駆動電流を供給する通常のブリッジ回路として動作
する。
【0107】上記の構成を有する第2モータ駆動部34
5において、駆動抑制部260から出力される前述の信
号S2において「1」が生じると、当該信号S2は正論
理としてリレー駆動部346Aに与えられ、これを駆動
させる。リレー駆動部346Aが動作すると、励磁作用
が生じ、リレー接点346Bにおいて可動端子346C
がノーマルオープンの端子NOに接続される。この結
果、モータ120に関して閉じた回路が形成される。そ
のため、モータ120は発電機として作用し、その発電
作用で制動負荷が作られ、モータ120の回転動作を停
止させる。こうして、モータ120は急速に減速され、
前述の噛込み状態の発生を防止することができる。
5において、駆動抑制部260から出力される前述の信
号S2において「1」が生じると、当該信号S2は正論
理としてリレー駆動部346Aに与えられ、これを駆動
させる。リレー駆動部346Aが動作すると、励磁作用
が生じ、リレー接点346Bにおいて可動端子346C
がノーマルオープンの端子NOに接続される。この結
果、モータ120に関して閉じた回路が形成される。そ
のため、モータ120は発電機として作用し、その発電
作用で制動負荷が作られ、モータ120の回転動作を停
止させる。こうして、モータ120は急速に減速され、
前述の噛込み状態の発生を防止することができる。
【0108】上記実施形態の説明では、駆動抑制部26
0から出力される信号S2を、第2駆動制御部244ま
たは第2モータ駆動部345の内部に入力させる回路構
成例について説明した。その他の構成例として、信号S
2を、例えば、図13の破線347で示すように、第1
駆動制御部44と第2モータ駆動部345の間に設けた
開閉部348に与えて、信号S2において「1」が生じ
たときには開閉部348を閉動作させるように構成する
こともできる。この場合にも、モータ120の過度の回
転を抑制し、前述の噛込み状態の発生を防止することが
できる。
0から出力される信号S2を、第2駆動制御部244ま
たは第2モータ駆動部345の内部に入力させる回路構
成例について説明した。その他の構成例として、信号S
2を、例えば、図13の破線347で示すように、第1
駆動制御部44と第2モータ駆動部345の間に設けた
開閉部348に与えて、信号S2において「1」が生じ
たときには開閉部348を閉動作させるように構成する
こともできる。この場合にも、モータ120の過度の回
転を抑制し、前述の噛込み状態の発生を防止することが
できる。
【0109】前述の各実施形態による制御装置では、図
2で説明した構造を有する後輪操舵装置110を制御す
る例を説明したが、本発明に係る制御装置は、図16に
示した構造を有する後輪操舵装置に適用することもでき
る。前述の実施形態の後輪操舵装置の制御装置は、中立
位置の直進方向状態にある後輪を操舵して中立位置への
戻り動作および外側位置への移動動作での噛込み状態の
発生を防止するようにしたが、後輪操舵の最中での再度
の後輪操舵の際にも、操舵状態に係る情報を取り込むこ
とによって本発明に係る後輪操舵装置の制御装置を同様
に適用することができる。本発明に係る後輪操舵装置の
制御装置は前述の実施形態に限定されず、請求項に記載
された技術的思想から逸脱しない範囲で任意に変更する
ことができる。
2で説明した構造を有する後輪操舵装置110を制御す
る例を説明したが、本発明に係る制御装置は、図16に
示した構造を有する後輪操舵装置に適用することもでき
る。前述の実施形態の後輪操舵装置の制御装置は、中立
位置の直進方向状態にある後輪を操舵して中立位置への
戻り動作および外側位置への移動動作での噛込み状態の
発生を防止するようにしたが、後輪操舵の最中での再度
の後輪操舵の際にも、操舵状態に係る情報を取り込むこ
とによって本発明に係る後輪操舵装置の制御装置を同様
に適用することができる。本発明に係る後輪操舵装置の
制御装置は前述の実施形態に限定されず、請求項に記載
された技術的思想から逸脱しない範囲で任意に変更する
ことができる。
【0110】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように本発明によ
れば、次の効果を奏する。
れば、次の効果を奏する。
【0111】前輪操舵装置に関連して後輪を転舵させる
後輪操舵装置において、逆ねじ作用に基づく螺合関係を
有する直線駆動機構で操舵ロッドを左右の軸方向に移動
させて後輪を左右に転舵させるとき、直線駆動機構内の
左右のスライド部材が中立位置に戻る直前あるいは最外
の外側位置に移動する直前でモータの実際の回転速度を
調べ、基準の設定速度よりも速すぎてねじの螺合部で噛
込み状態が生じるおそれのあるときにはモータの回転速
度を減速させ、またはモータ駆動信号をゼロにし、また
はモータの逆起電力による自己発電作用を利用して急速
に抑制させる電子的な制御回路を設けたため、噛込み状
態の発生を阻止し、ロック状態の発生を防止し、後輪操
舵を円滑に行うことができる。
後輪操舵装置において、逆ねじ作用に基づく螺合関係を
有する直線駆動機構で操舵ロッドを左右の軸方向に移動
させて後輪を左右に転舵させるとき、直線駆動機構内の
左右のスライド部材が中立位置に戻る直前あるいは最外
の外側位置に移動する直前でモータの実際の回転速度を
調べ、基準の設定速度よりも速すぎてねじの螺合部で噛
込み状態が生じるおそれのあるときにはモータの回転速
度を減速させ、またはモータ駆動信号をゼロにし、また
はモータの逆起電力による自己発電作用を利用して急速
に抑制させる電子的な制御回路を設けたため、噛込み状
態の発生を阻止し、ロック状態の発生を防止し、後輪操
舵を円滑に行うことができる。
【0112】後輪操舵装置の制御装置による電子的な制
御に基づいて中立位置戻り時の噛込み状態の発生を防止
するようにしたため、4WS車の後輪操舵装置の小型
化、軽量化を図りつつ、滑らかに動作する後輪操舵装置
を実現することができる。
御に基づいて中立位置戻り時の噛込み状態の発生を防止
するようにしたため、4WS車の後輪操舵装置の小型
化、軽量化を図りつつ、滑らかに動作する後輪操舵装置
を実現することができる。
【図1】本発明の代表的な実施形態による後輪操舵装置
およびその制御装置の構成を概略的に示す構成図であ
る。
およびその制御装置の構成を概略的に示す構成図であ
る。
【図2】図1に示した後輪操舵装置の機械的構成を分解
して示す斜視図である。
して示す斜視図である。
【図3】クラッチ機構における操舵ロッドと内側クラッ
チ筒の関係を分解して示した斜視図である。
チ筒の関係を分解して示した斜視図である。
【図4】組み立てられた状態の機械的構成の要部(a)
と、左右の内側クラッチ筒の関係(b)と、ケーシング
に設けられた左右のコ字型案内溝(c)の関係を示す要
部断面図である。
と、左右の内側クラッチ筒の関係(b)と、ケーシング
に設けられた左右のコ字型案内溝(c)の関係を示す要
部断面図である。
【図5】操舵ロッドを中立位置から外側位置へ移動させ
る機械的構成の動作を説明する要部縦断面図である。
る機械的構成の動作を説明する要部縦断面図である。
【図6】操舵ロッドを外側位置から中立位置へ移動させ
る機械的構成の動作を説明する要部縦断面図である。
る機械的構成の動作を説明する要部縦断面図である。
【図7】図1に示した制御装置の詳細な回路構成を示す
ブロック図である。
ブロック図である。
【図8】図7に示す減速量演算部の詳細な構成を示すブ
ロック図である。
ロック図である。
【図9】速度マップに格納される変換特性例を示す特性
図である。
図である。
【図10】速度マップに格納される他の変換特性例を示
す特性図である。
す特性図である。
【図11】本発明による制御装置の他の実施形態を示す
ブロック図である。
ブロック図である。
【図12】図11に示した駆動抑制部の内部構成を示す
ブロック図である。
ブロック図である。
【図13】本発明の制御装置の他の実施形態を示すブロ
ック図である。
ック図である。
【図14】図13に示した第2モータ駆動部の内部構成
を示す電気回路図である。
を示す電気回路図である。
【図15】図13に示した第2モータ駆動部の他の構成
例を示す電気回路図である。
例を示す電気回路図である。
【図16】本発明の課題を説明する前提となる後輪操舵
装置の機械的構成を説明する要部斜視図である。
装置の機械的構成を説明する要部斜視図である。
【図17】ケーシングに設られたクラッチレバー案内用
の案内溝を示す図である。
の案内溝を示す図である。
【図18】転舵状態に後輪を維持する後輪操舵装置の要
部の平面図である。
部の平面図である。
【図19】直進状態に後輪を維持する後輪操舵装置の要
部の平面図である。
部の平面図である。
【図20】中立位置に戻るときの停止状態におけるスラ
イドブロックの状態を示す部分状態図である。
イドブロックの状態を示す部分状態図である。
【図21】正常な螺合状態を示すねじ部の関係図であ
る。
る。
【図22】噛込み状態が発生した異常な螺合状態を示す
ねじ部の関係図である。
ねじ部の関係図である。
10 制御装置 20 目標操舵角設定部 30 転舵方向指示部 40 第1操舵角調整部 50 実操舵角計測部 60 減速量演算部 100 自動車 110 後輪操舵装置 120 モータ 130 直線駆動機構 140L,140R 内側クラッチ筒 150 操舵ロッド 161,162 後輪 240 第2操舵角調整部 260 駆動抑制部 340 第3操舵角調整部
Claims (11)
- 【請求項1】 モータの回転に伴って回転する回転力伝
達部材と、 互いに離れるように中央の中立位置から操舵角に対応す
る外側位置まで移動し、または互いに接近するように前
記外側位置から前記中立位置へ移動するように設けられ
た一対のスライド部材と、 前記回転力伝達部材と前記一対のスライド部材とを関係
づけ、前記回転力伝達部材の回転に応じて前記一対のス
ライド部材を互いに離れさせまたは接近させるようにし
た逆ねじ関係のねじ部に基づく螺合部と、 前記一対のスライド部材のいずれか一方と、2つの後輪
の間に設けられた操舵ロッドとの間で連結関係を作るク
ラッチ機構と、 前記中立位置を定め、前記一対のスライド部材の各々の
移動を制限する第1ストッパとを備え、 前記クラッチ機構によって前記一対のスライド部材の一
方と前記操舵ロッドとの間に連結関係を持たせた状態
で、前記モータの回転に基づき前記一対のスライド部材
を離れさせて前記後輪を前記操舵角に転舵させ、前記モ
ータの逆転に基づき前記一対のスライド部材を接近させ
て前記後輪を前記中立位置に戻す後輪操舵装置におい
て、 目標操舵角に係る信号を出力する目標操舵角設定手段
と、 前記後輪の実操舵角を計測してこの実操舵角に係る信号
を出力する実操舵角計測手段と、 前記目標操舵角に係る信号と前記実操舵角に係る信号を
取り入れてこれらの2つの信号の差が0になるように前
記モータの回転動作を制御する駆動信号を生成し、この
駆動信号を前記モータへ与え、前記一対のスライド部材
を、前記後輪を前記操舵角に転舵させるべく前記外側位
置へ移動させ、または、前記後輪を直進方向に向けるべ
く前記中立位置へ戻す操舵角調整手段と、 前記モータの駆動状態を条件にして、前記実操舵角に係
る信号に基づき前記モータの実速度を算出し、かつこの
実速度と予め用意された設定速度とを比較して前記実速
度が前記設定速度よりも大きいときに減速量を算出し、
前記減速量に係る信号を出力する減速量演算手段とを備
え、 前記操舵角調整手段は、前記減速量に係る信号を取り入
れ、前記駆動信号から前記減速量を差し引く減算手段を
含むことを特徴とする後輪操舵装置の制御装置。 - 【請求項2】 前記モータの駆動状態の前記条件は、前
記一対のスライド部材が前記中立位置へ戻る移動であり
かつ前記スライド部材が前記中立位置に近い設定範囲に
入ることであり、前記一対のスライド部材が前記中立位
置で停止する直前に前記モータの回転速度を前記減速量
を利用して減速させることを特徴とする請求項1記載の
後輪操舵装置の制御装置。 - 【請求項3】 前記外側位置の最外位置を定め、前記一
対のスライド部材の各々の移動を制限する第2ストッパ
を備え、 前記モータの駆動状態の前記条件は、前記一対のスライ
ド部材が前記外側位置へ移動しかつ前記スライド部材が
前記最外位置に近い設定範囲に入ることであり、前記一
対のスライド部材が前記最外位置で停止する直前に前記
モータの回転速度を前記減速量を利用して減速させるこ
とを特徴とする請求項1記載の後輪操舵装置の制御装
置。 - 【請求項4】 前記減速量演算手段は、前記実速度を算
出する実操舵角微分器と、前記実操舵角に対応する前記
設定速度を定めた速度マップを有することを特徴とする
請求項1〜3のいずれか1項に記載の後輪操舵装置の制
御装置。 - 【請求項5】 モータの回転に伴って回転する回転力伝
達部材と、 互いに離れるように中央の中立位置から操舵角に対応す
る外側位置まで移動し、または互いに接近するように前
記外側位置から前記中立位置へ移動するように設けられ
た一対のスライド部材と、 前記回転力伝達部材と前記一対のスライド部材とを関係
づけ、前記回転力伝達部材の回転に応じて前記一対のス
ライド部材を互いに離れさせまたは接近させるようにし
た逆ねじ関係のねじ部に基づく螺合部と、 前記一対のスライド部材のいずれか一方と、2つの後輪
の間に設けられた操舵ロッドとの間で連結関係を作るク
ラッチ機構と、 前記中立位置を定め、前記一対のスライド部材の各々の
移動を制限する第1ストッパとを備え、 前記クラッチ機構によって一方の前記スライド部材と前
記操舵ロッドとの間に連結関係を持たせた状態で、前記
モータの回転に基づき前記一対のスライド部材を離れさ
せて前記後輪を前記操舵角に転舵させ、前記モータの逆
転に基づき前記一対のスライド部材を接近させて前記後
輪を前記中立位置に戻す後輪操舵装置において、 目標操舵角に係る信号を出力する目標操舵角設定手段
と、 前記モータの実操舵角を計測してこの実操舵角に係る信
号を出力する実操舵角計測手段と、 前記目標操舵角に係る信号と前記実操舵角に係る信号を
取り入れてこれらの2つの信号の差が0になるように前
記モータの回転動作を制御する駆動信号を生成し、この
駆動信号を前記モータへ与え、前記一対のスライド部材
を、前記後輪を前記操舵角に転舵させるべく前記外側位
置へ移動させ、または、前記後輪を直進方向に向けるべ
く前記中立位置へ戻す操舵角調整手段と、 前記モータの駆動状態を条件にし、かつ前記実操舵角が
設定範囲に入ったことを条件にして前記モータの回転動
作を抑制する駆動抑制信号を出力する駆動抑制手段とを
備え、 前記操舵角調整手段は、前記駆動抑制信号を取り入れ、
この駆動抑制信号で前記駆動信号を調整し、前記モータ
の回転速度を減速させることを特徴とする後輪操舵装置
の制御装置。 - 【請求項6】 前記駆動抑制信号は、前記操舵角調整手
段に設けられたPWM制御信号を生成する駆動制御手段
に入力され、前記駆動抑制信号で前記PWM制御信号の
生成を停止するようにしたことを特徴とする請求項5記
載の後輪操舵装置の制御装置。 - 【請求項7】 前記駆動抑制信号は、前記操舵角調整手
段に設けられた前記駆動信号を生成するモータ駆動用ブ
リッジ回路に入力され、前記駆動抑制信号で前記モータ
駆動用ブリッジ回路の接続関係を変えて前記モータの短
絡回路を形成し、前記モータによる自己発電作用で強制
停止するようにしたことを特徴とする請求項5記載の後
輪操舵装置の制御装置。 - 【請求項8】 前記モータ駆動用ブリッジ回路に含まれ
る4つのスイッチ素子のオン・オフ動作を前記駆動抑制
信号で制御して前記短絡回路を形成することを特徴とす
る請求項7記載の後輪操舵装置の制御装置。 - 【請求項9】 前記モータ駆動用ブリッジ回路に前記短
絡路の形成を可能にするリレー回路を設け、このリレー
回路を前記駆動抑制信号で制御して前記短絡回路を形成
することを特徴とする請求項7記載の後輪操舵装置の制
御装置。 - 【請求項10】 前記モータの駆動状態の前記条件は前
記一対のスライド部材が前記中立位置へ戻る移動であ
り、前記スライド部材が前記中立位置に近い前記設定範
囲に入ることを条件に、前記駆動抑制手段は、前記一対
のスライド部材が前記中立位置で停止する直前に前記モ
ータの回転を抑制することを特徴とする請求項5〜9の
いずれか1項に記載の後輪操舵装置の制御装置。 - 【請求項11】 前記外側位置の最外位置を定め、前記
一対のスライド部材の各々の移動を制限する第2ストッ
パを備え、 前記モータの駆動状態の前記条件は前記一対のスライド
部材が前記外側位置へ移動することであり、前記スライ
ド部材が前記最外位置に近い前記設定範囲に入ることを
条件に、前記駆動抑制手段は、前記一対のスライド部材
が前記最外位置で停止する直前に前記モータの回転を抑
制することを特徴とする請求項5〜9のいずれか1項に
記載の後輪操舵装置の制御装置。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000259085A JP2001180512A (ja) | 1999-10-13 | 2000-08-29 | 後輪操舵装置の制御装置 |
US09/680,367 US6381527B1 (en) | 1999-10-13 | 2000-10-05 | Control unit for rear-wheel steering apparatus |
DE10050381A DE10050381B4 (de) | 1999-10-13 | 2000-10-11 | Steuereinheit für eine Hinterrad-Lenkvorrichtung |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29167099 | 1999-10-13 | ||
JP11-291670 | 1999-10-13 | ||
JP2000259085A JP2001180512A (ja) | 1999-10-13 | 2000-08-29 | 後輪操舵装置の制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001180512A true JP2001180512A (ja) | 2001-07-03 |
Family
ID=26558649
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000259085A Pending JP2001180512A (ja) | 1999-10-13 | 2000-08-29 | 後輪操舵装置の制御装置 |
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Country | Link |
---|---|
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JP (1) | JP2001180512A (ja) |
DE (1) | DE10050381B4 (ja) |
Families Citing this family (9)
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---|---|---|---|---|
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DE10338998A1 (de) * | 2003-08-25 | 2005-03-24 | Trw Fahrwerksysteme Gmbh & Co. Kg | Lenkungssystem und Verfahren zur Steuerung eines Fahrzeugs |
JP4079972B2 (ja) * | 2006-02-14 | 2008-04-23 | ファナック株式会社 | 直線駆動装置 |
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