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JP2001138975A - 自動二・三輪車 - Google Patents

自動二・三輪車

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Publication number
JP2001138975A
JP2001138975A JP2000185430A JP2000185430A JP2001138975A JP 2001138975 A JP2001138975 A JP 2001138975A JP 2000185430 A JP2000185430 A JP 2000185430A JP 2000185430 A JP2000185430 A JP 2000185430A JP 2001138975 A JP2001138975 A JP 2001138975A
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JP
Japan
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engine
frame
side pivot
fuel injection
injection device
Prior art date
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Granted
Application number
JP2000185430A
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English (en)
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JP2001138975A5 (ja
JP3765966B2 (ja
Inventor
Kazuhito Hotsuta
万仁 堀田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2000185430A priority Critical patent/JP3765966B2/ja
Priority to IT2000TO000835A priority patent/IT1320616B1/it
Priority to IDP20000745D priority patent/ID27140A/id
Publication of JP2001138975A publication Critical patent/JP2001138975A/ja
Publication of JP2001138975A5 publication Critical patent/JP2001138975A5/ja
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Publication of JP3765966B2 publication Critical patent/JP3765966B2/ja
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Landscapes

  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)
  • Automatic Cycles, And Cycles In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スロットルボディや燃料噴射装置に物品収納
部が干渉することなく、物品収納部の収納容量を増し、
吸気系の各部品と防振リンクの干渉を防止する。 【解決手段】 シート及び物品収納部21の下方に、シ
リンダが前方略水平に延びるエンジン110を備えたス
イング式パワーユニット16を配置し、左右一対の防振
リンク93で車体フレーム11に支持させた自動二輪車
である。エンジンの吸気系を構成するエアクリーナ13
1、コネクティングチューブ132、スロットルボディ
133、インレットパイプ134を車体後方から前方へ
向けて略水平に配置してエンジンに接続した。エンジン
とインレットパイプとの接合部よりも車体前方位置で、
前上方から後下方へ向けてエンジンに燃料噴射装置14
0を取付けた。左右の防振リンク間に挟まれる空間に、
インレットパイプを通した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動二・三輪車に関
する。
【0002】
【従来の技術】自動二・三輪車としては、例えば、特開
平3−213482号公報「自動二・三輪車の吸気通路
配置構造」が知られている。上記従来の技術は、同公報
の第1図に示される通り、シート13(番号は公報に記
載されたものを引用した。以下同じ。)及びヘルメット
収納室12の下方に、シリンダが前方略水平に延びるエ
ンジンEを備えたスイング式パワーユニットPを配置
し、防振リンクLで車体フレームFに支持させた、スク
ータ型自動二輪車Vである。
【0003】さらに上記従来の技術は、同公報の第2図
に示される通り、パワーユニットPの後部上部にエアク
リーナ38を取付けたものであり、このエアクリーナ3
8から取入れた吸気を、コンチューブ42並びにキャブ
レタ39を介してエンジンEに導入するというものであ
る。ヘルメット収納室12の下方に、エアクリーナ3
8、コンチューブ42並びにキャブレタ39からなる吸
気系を通し、この吸気系の下方にエンジンEを配置し
た。さらにまた、上記従来の技術は、同公報の第2図及
び第4図に示される通り、側面視において吸気系の一部
であるキャブレタ39やコンチューブ42を、防振リン
クLに重なるようにして配置したものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術は、同
公報の第2図に示される通り、キャブレタ39にヘルメ
ット収納室12が干渉しないように、ヘルメット収納室
12(物品収納部に相当。)の下面を上方へ凹ませたも
のである。キャブレタ39の単品の高さ寸法が大きいか
らである。しかし、ヘルメット収納室12の収納容量
は、できるだけ大きいことが好ましい。
【0005】そのためには、キャブレタ39の代りに、
比較的高さ寸法が小さなスロットルボディを採用するこ
とが考えられる。スロットルボディを用いた場合には、
スロットルボディとエンジンEとの間を接続するインレ
ットパイプ或はスロットルボディに燃料噴射装置を取付
け、この燃料噴射装置に燃料供給配管を接続することに
なる。一般に、燃料噴射装置の燃料供給配管の高さ寸法
は、比較的大きい。このため、エンジンE周りに広いス
ペースを確保する必要がある。このようなことが、自動
二・三輪車等の小型車両にスロットルボディや燃料噴射
装置を搭載する制約になっていた。
【0006】さらには、車体フレームFに防振リンクL
を介してパワーユニットPをスイング可能に取付けてい
るので、吸気系の一部であるキャブレタ39やコンチュ
ーブ42と防振リンクLとの干渉を防止する配慮が必要
であり、設計上の制約になっていた。
【0007】さらにまた、エンジンEのインレットパイ
プ或はスロットルボディに燃料噴射装置を取付けるの
で、パワーユニットPの振動が燃料噴射装置に伝わる。
パワーユニットPの振動が燃料噴射装置の作動に影響を
及ぼさないようにするための、配慮が必要である。
【0008】そこで本発明の目的は、(1)自動二・三
輪車等の小型車両に、従来の気化器に代えてスロットル
ボディや燃料噴射装置を採用するにあたり、これらの部
材に物品収納部が干渉することなく、物品収納部の収納
容量を容易に増すことができること、(2)吸気系の各
部品と防振リンクとの干渉を防止すること、及び(3)
パワーユニットの振動が燃料噴射装置の作動に影響を及
ぼさないようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1は、シート及び物品収納部の下方に、シリン
ダが前方略水平に延びるエンジンを備えたスイング式パ
ワーユニットを配置し、左右一対の防振リンクで車体フ
レームに支持させた自動二・三輪車において、エンジン
の吸気系を構成するエアクリーナ、コネクティングチュ
ーブ、スロットルボディ、インレットパイプを車体後方
から前方へ向けて略水平に配置してエンジンに接続し、
エンジンとインレットパイプとの接合部よりも車体前方
位置にて、前上方から後下方へ向けてエンジンに燃料噴
射装置を取付け、左右一対の防振リンク間に挟まれる空
間に、インレットパイプを通したことを特徴とする。
【0010】一般に、スロットルボディの単品の高さ寸
法は、気化器の単品の高さ寸法よりも小さい。従来の気
化器を、スロットルボディ並びに燃料噴射装置に置換し
た。スロットルボディに、略水平なインレットパイプを
介して燃料噴射装置を接続し、さらに、インレットパイ
プを、左右一対の防振リンク間に挟まれる空間に通し
た。インレットパイプは、吸気を通す細長い管であるか
ら、スロットルボディや燃料噴射装置よりも、比較的小
型である。小型のインレットパイプを左右の防振リンク
間に通したのであるから、防振リンクのスイング量にか
かわらず、左右一対の防振リンクとインレットパイプと
の間に一定の隙間を常に確保することができる。このた
め、設計自由度が増す。
【0011】スロットルボディから離れた位置で、エン
ジンに燃料噴射装置を取付けた。このため、吸気系に組
込んだスロットルボディの最上部位の高さを、従来の気
化器を配置した場合に比べて、抑制することができる。
さらには、シリンダが前方略水平に延びるエンジンとイ
ンレットパイプとの接合部よりも車体前方位置で、前上
方から後下方へ向けてエンジンに燃料噴射装置を取付け
た。このため、燃料噴射装置の取付け高さを、抑制する
ことができる。このようなことから、スロットルボディ
や燃料噴射装置と、その上方に配置した物品収納部の底
部との間のスペースを確保することは容易である。従っ
て、シートの高さを抑制しつつ、物品収納部の収納容量
を確保することができる。
【0012】請求項2は、シート及び物品収納部の下方
に、シリンダが前方略水平に延びるエンジンを備えたス
イング式パワーユニットを配置し、防振リンクで車体フ
レームに支持させた自動二・三輪車において、物品収納
部の底部とエンジンの上面との間で且つ物品収納部の底
部に寄せて、車体フレームにフレーム側ピボットを設
け、エンジンの最上部位と略同等の高さで且つ前記フレ
ーム側ピボットよりも後方位置で、エンジンにエンジン
側ピボットを設け、フレーム側ピボットに防振リンクを
介してエンジン側ピボットを揺動自在に支持し、フレー
ム側ピボットよりも車体前方側でエンジンに燃料噴射装
置を取付け、この燃料噴射装置からフレーム側ピボット
までの前後方向距離を、フレーム側ピボットからエンジ
ン側ピボットまでの前後方向距離と同等又はそれよりも
小さく設定し、燃料噴射装置の取付け高さをフレーム側
ピボットとエンジン側ピボットとの間に設定したことを
特徴とする。
【0013】フレーム側ピボットから燃料噴射装置まで
の直線距離は、フレーム側ピボットからエンジン側ピボ
ットまでの直線距離よりも小さい。この結果、パワーユ
ニットと共にエンジン側ピボットがスイングしたとき
に、エンジン側ピボットの変位量に比べて、燃料噴射装
置の変位量は小さい。従って、パワーユニットがスイン
グしたときに、物品収納部の底部と燃料噴射装置との間
の隙間を確保し易い。
【0014】請求項3は、車体フレームの後半部の下方
に、シリンダが前方略水平に延びるエンジンを備えたス
イング式パワーユニットを配置し、防振リンクで車体フ
レームに支持させた自動二・三輪車において、エンジン
の上面よりも上方で車体フレームにフレーム側ピボット
を設け、エンジンの最上部位と略同等の高さで且つフレ
ーム側ピボットよりも後方位置で、エンジンにエンジン
側ピボットを設け、フレーム側ピボットに防振リンクを
介してエンジン側ピボットを揺動自在に支持し、フレー
ム側ピボットよりも車体前方側でエンジンに燃料噴射装
置を取付け、この燃料噴射装置の軸線を、フレーム側ピ
ボットとエンジン側ピボットとを通る直線に対し略平行
に配置したことを特徴とする。
【0015】パワーユニットの振動(エンジン振動や路
面振動等)の振動方向は、フレーム側ピボットとエンジ
ン側ピボットとを通る直線に対して、略直交する方向で
ある。一方、燃料噴射装置の弁は、燃料噴射装置の軸線
の方向に開閉作動するものであり、この軸線は、フレー
ム側ピボットとエンジン側ピボットとを通る直線に対し
て略平行である。このことから、パワーユニットから燃
料噴射装置へ伝わる振動の方向は、燃料噴射装置の軸線
に対して、上下方向に略直交すると言える。仮に、パワ
ーユニットから燃料噴射装置へ伝わる振動の方向が、燃
料噴射装置の軸線の方向に一致する場合には、振動が燃
料噴射装置に増幅して伝わったり干渉することにより、
燃料噴射装置の作動に影響を及ぼし得る。これに対して
本発明は、パワーユニットから燃料噴射装置へ伝わる振
動の方向が、燃料噴射装置の軸線に対して略直交するの
で、パワーユニットの振動が燃料噴射装置の作動に影響
を及ぼすことはないと言える。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図面に
基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、
「左」、「右」、「上」、「下」は運転者から見た方向
に従い、Frは前側、Rrは後側、Lは左側、Rは右
側、CLは車幅中心(車体中心)を示す。また、図面は
符号の向きに見るものとする。
【0017】図1は本発明に係る自動二輪車の左側面図
である。自動二輪車10は、車体フレーム11と、車体
フレーム11のヘッドパイプ12に取付けたフロントフ
ォーク13と、フロントフォーク13に取付けた前輪1
4と、フロントフォーク13に連結したハンドル15
と、車体フレーム11の後上部に取付けたスイング式パ
ワーユニット16と、パワーユニット16の後部に取付
けた後輪17と、車体フレーム11の後部上部にパワー
ユニット16を懸架するリヤサスペンション18と、車
体フレーム11の後部上部に取付けた物品収納部21
と、物品収納部21の上部に取付けたシート22と、物
品収納部21の後方で車体フレーム11の後部上部に取
付けた燃料タンク23と、車体フレーム11を覆うボデ
ィカバー30とを、主要構成としたスクータ型車両であ
る。
【0018】パワーユニット16は、物品収納部21及
びシート22の下方に配置したものである。物品収納部
21はヘルメット等の各種物品Pを収納する収納ボック
スである。ボディカバー30は、ヘッドパイプ12の前
部を覆うフロントカバー31と、運転者の脚部を覆うた
めのレッグシールド32と、運転者の足載せのためのス
テップフロア33と、ステップフロア33の下方に配置
して車体フレーム11の下部を覆うアンダカバー34
と、車体フレーム11の後半部を覆うリヤサイドカバー
35とからなる。図中、41はフロントサスペンショ
ン、42はヘッドランプ、43はメータ、44はフロン
トフェンダ、45はハンドルカバー、46はメインスタ
ンド、47はリヤフェンダである。
【0019】図2は本発明に係る自動二輪車の後部拡大
側面図である。車体フレーム11は、ステップフロア3
3の下方で、前部の前フレーム60と後部の後フレーム
70とに前後二分割した分割フレームである。後フレー
ム70は後端部にサブフレーム80を、ボルト止めした
ものである。
【0020】パワーユニット16は、前部のエンジン1
10と後部の無段変速機161との組合せ構造である。
エンジン(内燃機関)110は、シリンダを車体前方へ
向けてほぼ水平に配置した、単気筒4サイクル水冷式エ
ンジンである。無段変速機161は、例えばベルト式変
速機である。この図は、後輪17の左側方にエアクリー
ナ131を配置し、このエアクリーナ131をパワーユ
ニット16の後部上部に取付けたことを示す。51はエ
ンジン用排気管、52はマフラである。
【0021】図3は本発明に係る自動二輪車の後部拡大
平面図であり、パワーユニット16の右側にエンジン用
ラジエータ53を一体に設けたことを示す。サブフレー
ム80は、左右の起立した物品収納部用ポスト81,8
1と、物品収納部用ポスト81,81間を繋いだ連結ス
テー82とからなる。54は点火プラグである。
【0022】図4は本発明に係る車体フレームの分解斜
視図である。前フレーム60は、ヘッドパイプ12と、
ヘッドパイプ12から下方へ延びたダウンフレーム部6
1と、ダウンフレーム部61の下端から後方へ二股状に
延びた左右一対のフロア支持フレーム部62,62と、
これらのフロア支持フレーム部62,62の後端間に掛
け渡したクロスメンバ63とからなる、平面視略ロ字状
枠の一体鋳造フレームである。
【0023】ダウンフレーム部61は、前方及び下方を
開放した溝形フレームであり、溝内に複数のリブ61a
・・・(・・・は複数を示す。以下同じ。)を一体に形成した
ものである。左右のフロア支持フレーム部62,62
は、上方を開放して一直線状に延びた溝形フレームであ
る。左右のフロア支持フレーム部62,62の各後端部
は、前下がりに傾斜した傾斜面に形成し、これらの傾斜
面を前部結合面64,64とし、これらの前部結合面6
4,64に、前後2個ずつのボルト孔64a・・・を形成
したものである。さらに、左の前部結合面64には1個
の嵌合凹部64bを形成し、右の前部結合面64には前
後2個の嵌合凹部64b,64bを形成した。クロスメ
ンバ63は、正面視上開放コ字状部材であり、その車幅
中央部の高さをフロア支持フレーム部62,62よりも
下位に設定したものである。
【0024】後フレーム70は、左右一対の主フレーム
部71,71と、左右の主フレーム部71,71の前後
方向の中間部間に掛け渡した前部クロスメンバ72と、
左右の主フレーム部71,71の後端間に掛け渡した後
部クロスメンバ73とからなる、一体鋳造フレームであ
る。左右の主フレーム部71,71は、前端部が略水平
で、その後端から上方へ延び、その上端からさらに後上
方へ延びることによって、全体的に後上がりに傾斜した
部材である。これらの主フレーム部71,71の前端部
は、前下がりに傾斜した傾斜面に形成し、これらの傾斜
面を後部結合面74,74とし、これらの前部結合面6
4,64に、前後2個ずつのボルト孔74a・・・を形成
したものである。さらに、後部結合面74,74に、上
記嵌合凹部64b・・・に嵌合する3個の嵌合凸部74b・
・・を形成した。
【0025】前部結合面64,64に後部結合面74,
74を重ね合わせ、嵌合凹部64b・・・に嵌合凸部74
b・・・を嵌合して位置合せし、ボルト孔64a・・・並びに
ボルト孔74a・・・に挿通したボルト75A・・・とナット
75B・・・にて結合することにより、前フレーム60に
後フレーム70を一体的に結合することができる。前フ
レーム60及び後フレーム70は、例えば、アルミニウ
ム合金の鋳造品である。図中、76はリヤサスペンショ
ン取付部、77・・・はサブフレーム取付部である。
【0026】図5は本発明に係るパワーユニット取付構
造の要部を断面した左側面図であり、車体フレーム11
の後フレーム70に、防振機能を有する防振リンク機構
90を介して、パワーユニット16(図2参照)の前部
を上下スイング自在に取付けたことを示す。
【0027】図6は図5の6−6線断面図であり、後フ
レーム70に物品収納部21を取付けた状態で示す。物
品収納部21は、底部21aを車体左から右へ傾斜さ
せ、底部21aから下方へ膨出した左右の前部脚部21
b,21bを一体に形成したものである。前部クロスメ
ンバ72に左右の前部脚部21b,21bを載せて、ボ
ルト・ナット78,78で止めることにより、後フレー
ム70に物品収納部21の前部下部を取付けることがで
きる。
【0028】防振リンク機構90は、後フレーム70の
左右の主フレーム部71,71に左右一対のフレーム側
ピボット92,92を設け、これらのフレーム側ピボッ
ト92,92よりも後下方位置で、エンジン110にエ
ンジン側ピボット95を設け、左右のフレーム側ピボッ
ト92,92に、左右一対の防振リンク93,93を介
して、エンジン側ピボット95を揺動自在(スイング自
在)に支持する機構である。
【0029】詳しくは、左右の主フレーム部71,71
は、中間部に左右一対の支持孔79,79を同軸に開
け、これらの支持孔79,79にゴムブッシュ91,9
1を圧入にて取付け、これらのゴムブッシュ91,91
に左右一対のフレーム側ピボット(第1ピボット軸)9
2,92を挿通し、これらのフレーム側ピボット92,
92に左右一対の防振リンク93,93の上端部を上下
スイング自在に取付けたものである。
【0030】一方、エンジン110は、シリンダブロッ
ク112(図2参照)に左右一対のハンガ部112a,
112aを一体に形成し、これらのハンガ部112a,
112aに左右一対の支持孔112b,112bを同軸
に開け、これらの支持孔112b,112bにゴムブッ
シュ94,94を圧入にて取付け、これらのゴムブッシ
ュ94,94に1本の長いエンジン側ピボット(第2ピ
ボット軸)95を挿通し、このエンジン側ピボット95
に左右の防振リンク93,93の下端部を上下スイング
自在に取付けたものである。96は管状のスペーサであ
る。
【0031】左右のフレーム側ピボット92,92は、
車幅方向の同一軸心上に配置したボルト・ナットであ
る。左右のフレーム側ピボット92,92を分離して短
いものにしたので、これらのフレーム側ピボット92,
92が前部クロスメンバ72や左右の前部脚部21b,
21bに干渉することはない。左右の防振リンク93,
93は、フレーム側ピボット92,92の軸心と直交す
る方向に延びたリンクプレート(板材)である。エンジ
ン側ピボット95は、フレーム側ピボット92,92に
並行に配置したボルト・ナットである。
【0032】以上の説明から明らかなように、(1)左
右の主フレーム部71,71に、ゴムブッシュ91,9
1並びにフレーム側ピボット92,92を介して、左右
の防振リンク93,93の上端部を上下スイング自在に
取付けるとともに、(2)左右の防振リンク93,93
の下端部に、ゴムブッシュ94,94並びにエンジン側
ピボット95を介して、エンジン110の左右のハンガ
部112aを上下スイング自在に取付けることができ
る。しかも、エンジン110の振動を、ゴムブッシュ9
1,91,94,94が弾性変形することによって吸収
することができる。
【0033】一旦図5に戻って説明を続けると、左又は
右の防振リンク93は、前端部に前部ストッパラバー1
02を備えるとともに、後端部に後部ストッパラバー1
04を備える。詳しくは、左右一方の防振リンク93
は、フレーム側ピボット92とエンジン側ピボット95
とを通る直線A1よりも前部に、ボックス状の前部ラバ
ー装着部101を取付け、この前部ラバー装着部101
に弾発部材からなる前部ストッパラバー102を取付
け、また、直線A1よりも後部に、ボックス状の後部ラ
バー装着部103を取付け、この後部ラバー装着部10
3に弾発部材からなる後部ストッパラバー104を取付
けたものである。
【0034】主フレーム部71は、前部ストッパラバー
102を当てるための前部ストッパ面71aと、後部ス
トッパラバー104を当てるための後部ストッパ面71
bとを形成したものである。従って、左右の防振リンク
93(この図では左のみを示す。以下同じ。)のスイン
グ運動は、前部・後部ストッパ面71a,71b及び前
部・後部ストッパラバー102,104により、弾発的
に規制される。すなわち、前部・後部ストッパラバー1
02,104は、左右の防振リンク93が上下スイング
するときの緩衝作用をなすとともに、図に示す中立位置
への復元作用をすることになる。
【0035】図7は本発明に係るスイング式パワーユニ
ット周りの側面図である。エンジン110は、クランク
ケース111から車体前方へ向って、シリンダブロック
112並びにその内部のシリンダ(図示せず)を前方略
水平に延出し、シリンダブロック112の前端にシリン
ダヘッド115をボルト止めにて接合し、シリンダヘッ
ド115の前端にヘッドカバー117をボルト止めにて
接合したものである。
【0036】この図は、エアクリーナ131と、エアク
リーナ131の出口に接続したコネクティングチューブ
(連結チューブ)132と、コネクティングチューブ1
32の下流端に接続したスロットルボディ133と、ス
ロットルボディ133の下流端に接続したインレットパ
イプ134と、インレットパイプ134の下流端に接続
した吸気通路122とによって、エンジン110の吸気
系130をなすことを示す。このような吸気系130の
うち、エアクリーナ131とコネクティングチューブ1
32とスロットルボディ133とインレットパイプ13
4とを、車体後方から前方へ向けて略水平な状態で、エ
ンジン110の上方に配置し、さらに、インレットパイ
プ134の下流端をエンジン110の吸気通路122に
接続した。
【0037】スロットルボディ133は、インレットパ
イプ134の上流端に接続するとともにクランクケース
111の略上方に配置したものであり、絞り弁135を
内蔵した。絞り弁135は、吸気通路122の上流側に
配置して、吸気通路122の断面積を調節する弁であ
る。
【0038】左右一対のフレーム側ピボット92(この
図では左のみ示す。以下同じ。)は、物品収納部21の
底部21aとエンジン110の上面U1との間で且つ物
品収納部21の底部21aに寄せた位置にあり、左右一
対のエンジン側ピボット95の高さH1は、エンジン1
10の最上部位U2と略同等の高さで且つフレーム側ピ
ボット92よりも後方位置にある。すなわち、フレーム
側ピボット92の後下方の位置にエンジン側ピボット9
5を配置した。
【0039】フレーム側ピボット92よりも車体前方側
に燃料噴射装置140を配置し、燃料噴射装置140か
らフレーム側ピボット92までの前後方向距離X1を、
フレーム側ピボット92からエンジン側ピボット95ま
での前後方向距離X2と同等又はそれよりも小さく設定
し、燃料噴射装置140の取付け高さH2を、フレーム
側ピボット92とエンジン側ピボット95との間に設定
した。
【0040】図8は本発明に係るスイング式パワーユニ
ット周りの平面図であり、左右一対の防振リンク93,
93間に挟まれる空間Sに、インレットパイプ134を
通したことを示す。インレットパイプ134は、シリン
ダ軸線Oと略平行に並べて、その上流端を車体後方に向
けた吸気管である。
【0041】図9は本発明に係るエンジンのシリンダヘ
ッド周りの側面断面図である。エンジン110は、クラ
ンクケース111(図2参照)から車体前方へ向って、
シリンダブロック112内のシリンダ113を略水平に
延出し、シリンダ113にピストン114を挿通し、シ
リンダヘッド115に燃焼室116を設け、シリンダヘ
ッド115とヘッドカバー117とで動弁室118を形
成し、この動弁室118に動弁機構150を収納したも
のである。
【0042】シリンダヘッド115は、燃焼室116に
連なり吸気弁121を備えた吸気通路122と、燃焼室
116に連なり排気弁125を備えた排気通路126と
を、一体に形成したものである。吸気弁121は、燃焼
室116と吸気通路122との間に配置して両者の間を
開閉する弁であり、排気弁125は、燃焼室116と排
気通路126との間に配置して両者の間を開閉する弁で
ある。動弁機構150は、カムシャフト151と、2個
のロッカシャフト152,152と、2個のロッカアー
ム153,153と、吸気弁121のバルブステム12
1aと、排気弁125のバルブステム125aとからな
る。154,154はバルブスプリング、155,15
5はリテーナである。
【0043】吸気通路122は、燃焼室116に連なる
下流側から上流側へ向って、吸気弁121の位置からシ
リンダ113の軸線Oに略平行に且つ燃焼室116から
遠ざかる方向(この図の左側)に延出した後、シリンダ
113の軸線Oにほぼ直角に外方へ屈曲し、再びシリン
ダ軸線に略平行に延出する、略U字形状の通路であっ
て、この通路は、シリンダヘッド115内で、車体前方
(この図の左側)に向って凸である。このような形状の
吸気通路122は上流端122aを、シリンダ113と
シリンダヘッド115との接合面Bの延長線Cの近傍に
配置したものである。ここで、延長線Cの近傍とは、延
長線C上を包含する。上流端122aは、シリンダヘッ
ド115の上部に車体後方(この図の右側)に向って開
口し、その開口部に形成したフランジ122bを、イン
レットパイプ134の下流端にボルト止めにて接続した
ものである。
【0044】シリンダブロック112は冷却液通路11
2cを設け、また、シリンダヘッド115も冷却液通路
128を設けたものである。少なくともシリンダヘッド
115内に設けた冷却液通路128は、主に燃焼室11
6の冷却を行うものであるが、吸気通路122のU字底
部の周囲にも設けたことを特徴とする。具体的には、吸
気通路122の屈曲した底部の周囲を冷却液通路128
で囲うようにした。
【0045】本発明は、吸気系のうち、インレットパイ
プ134の上流側にある絞り弁135(図7参照)と吸
気弁121との間に燃料噴射装置140を配置したもの
である。燃料噴射装置140は、前上方から後下方へ向
けた状態でエンジン110に取付けたものであり、その
取付け位置は、エンジン110とインレットパイプ13
4との接合部、すなわち、吸気通路122のフランジ1
22bとインレットパイプ134の下流端との接続部よ
りも車体前方位置である。
【0046】具体的には、略U字形状の吸気通路122
の屈曲した底部、すなわち、吸気通路122の前端部
(この図の左側)に取付口129を形成し、この取付口
129に燃料噴射装置140を、前上方から吸気通路1
22の下流側へ向けて取付けた。すなわち、前上方の燃
料噴射装置140から吸気弁121へ向って燃料Fuを
噴射するように、料噴射装置140を傾けて取付けた。
さらに詳しくは、吸気通路122における略U字形状の
外側、すなわち、吸気通路122の屈曲した底部のう
ち、屈曲半径の大きい内壁側bに燃料噴射装置140を
配置した。燃料噴射装置140は上端の燃料入口部14
1にフィードパイプ142を嵌合にて取付け、このフィ
ードパイプ142を介して燃料ホース146(図7参
照)を接続するようにしたものである。
【0047】図10(a),(b)は本発明に係る燃料
噴射装置の構成図であって、(a)は燃料噴射装置14
0の側面構成を示し、(b)は(a)のb矢視方向の構
成を示す。燃料噴射装置140は、図示せぬ電子制御ユ
ニットで演算された噴射信号に基づいて、燃料を噴射す
るインジェクタであり、例えば、ソレノイドバルブ式ノ
ズルからなる。143は噴射ノズル、144は端子、1
45はカプラである。
【0048】図11は本発明に係る防振リンク機構と燃
料噴射装置の関係を示す左側面図であり、燃料噴射装置
140を模式的な断面で表したものである。本発明は、
自動二輪車10(図2参照)を側方から見たときに、フ
レーム側ピボット92よりも車体前方側でエンジン11
0に燃料噴射装置140を取付け、この燃料噴射装置1
40の軸線A2を、フレーム側ピボット92とエンジン
側ピボット95とを通る直線A1に対し略平行に配置し
たことを特徴とする。ここで、燃料噴射装置140の軸
線A2とは、燃料噴射装置140における弁149の中
心を通る直線である。弁149は軸線A2の方向に作動
するものである。
【0049】燃料噴射装置140は、噴射信号に基づき
ソレノイド147が励磁してプランジャ148を吸引す
ることでスライドさせ、プランジャ148のスライドに
応じて弁149が開くことにより、燃料入口部141か
ら供給された燃料を噴射ノズル143から噴射させるこ
とができる。
【0050】次に、上記構成の作用を図7〜図9及び図
11に基づき説明する。図7に示すように、スロットル
ボディ133よりも下流側にあるシリンダヘッド115
に、車体前方に向って凸となる略U字形状の吸気通路1
22を設け、この吸気通路122の前端部に燃料噴射装
置140を配置した。すなわち、スロットルボディ13
3から離れた位置で、エンジン110に燃料噴射装置1
40を取付けた。一般に、スロットルボディ133の単
品の高さ寸法は、気化器の単品の高さ寸法よりも小さ
い。吸気系130に組込んだスロットルボディ133の
最上部位U3の高さを、従来の気化器を配置した場合に
比べて、抑制することができる。
【0051】さらに、シリンダが前方略水平に延びたエ
ンジン110と、インレットパイプ134との、接合部
よりも車体前方位置で、前上方から後下方へ向けてエン
ジン110に燃料噴射装置140を取付けた。すなわ
ち、スロットルボディ133やインレットパイプ134
よりも低い位置に、シリンダヘッド115を配置し、こ
のシリンダヘッド115に設けた略U字形状の吸気通路
122の前端部に、燃料噴射装置140を前上方から吸
気通路122の下流側へ向けて取付けた。このため、燃
料噴射装置140の取付け高さH2を、より抑制するこ
とができる。
【0052】フレーム側ピボット92から燃料噴射装置
140までの直線距離を、フレーム側ピボット92から
エンジン側ピボット95までの直線距離よりも小さくす
ることができる。この結果、パワーユニット16と共に
エンジン側ピボット95がスイングしたときに、エンジ
ン側ピボット95の変位量に比べて、燃料噴射装置14
0の変位量は小さくてすむ。従って、パワーユニット1
6がスイングしたときに、物品収納部21の底部21a
と燃料噴射装置140との間の隙間δを確保し易い。
【0053】このようなことから、パワーユニット16
がスイングしたときであっても、スロットルボディ13
3を含む吸気系130、燃料噴射装置140、燃料噴射
装置140に接続する燃料ホース146等の燃料供給配
管の総高さを抑制することができ、これらの各部品とそ
の上方に配置した物品収納部21の底部21aとの間の
スペースδに余裕ができる。従って、物品収納部21の
底部21aを上方へ凹ませる必要はなく、この結果、物
品収納部21の収納容量を増すことが容易である。さら
には、シート22(図1参照)の高さを下げつつ、物品
収納部21の収納容量を確保することができる。
【0054】図7及び図8に示すように、防振リンク9
3,93のスイング量にかかわらず、左右一対の防振リ
ンク93,93とインレットパイプ134との間に一定
の隙間を常に確保することができる。このため、設計自
由度を増すことができる。
【0055】図9に示すように、略U字形状の吸気通路
122の屈曲した底部に燃料噴射装置140を配置した
ので、燃料噴射装置140から吸気弁121に向って燃
料Fuを噴射させることは容易である。
【0056】さらに、略U字形状の吸気通路122の上
流端122aを、シリンダ113とシリンダヘッド11
5との接合面Bの延長線Cの近傍に配置したので、燃焼
室116の冷却を行う冷却液通路128を取り回して、
吸気通路122をも冷却することができる。この結果、
吸気がエンジン110からの熱伝導によって加熱される
ことを、より抑制することができる。
【0057】吸気通路122内の吸気の流れは乱流であ
る。略U字形状の吸気通路122内における内側aと外
側bとでは(屈曲半径の小さい内壁側aと大きい内壁側
bとでは)、吸気流は外側bに沿って多く流れる。吸気
が比較的多量に流れる屈曲半径の大きい内壁側bに、燃
料噴射装置140を配置して、燃料Fuを噴射するの
で、多量の吸気によって燃料Fuの霧化促進作用を、よ
り高めることができる。
【0058】さらにまた、図7に示すように、スイング
式パワーユニット16のエンジン110は、シリンダブ
ロック112並びにその内部のシリンダを前方略水平に
延したものである。エンジン110の一次振動は、前方
略水平に延びたシリンダ軸線Oの方向(矢印方向)に
発生する。一次振動を緩和させるために、エンジン11
0のクランクシャフト119は図示せぬバランスウエイ
トを備える。クランクシャフト119は車幅方向(図表
裏方向)に水平配置したものである。この結果、エンジ
ン110にはシリンダ軸線Oと直交する略上下方向(矢
印方向)に二次振動が発生し得る。
【0059】これら一次・二次振動を合成した振動、す
なわち、自動二輪車10のエンジン110の主振動につ
いては、一般に、シリンダ軸線Oに対して後上がり方向
(矢印方向)に発生するように設定する。従って、エ
ンジン110の主振動の振動方向は、フレーム側ピボッ
ト92とエンジン側ピボット95とを通る直線A1に対
して、略直交する方向である。このように設定すること
で、車体フレーム11に伝わるエンジン110の主振動
(以下、単に「エンジン振動」と言う。)を低減させる
ことができる。
【0060】さらには、自動二輪車10の走行中に路面
の凹凸によってパワーユニット16が受ける振動(以
下、単に「路面振動」と言う。)の振動方向も、フレー
ム側ピボット92とエンジン側ピボット95とを通る直
線A1に対して、略直交する上下方向である。
【0061】一方、図10に示す燃料噴射装置140の
弁149は、軸線A2の方向に開閉作動するものであ
る。この軸線A2は、フレーム側ピボット92とエンジ
ン側ピボット95とを通る直線A1に対して略平行であ
る。このことから、図7に示すパワーユニット16から
燃料噴射装置140へ伝わる振動(エンジン振動や路面
振動等)の方向は、燃料噴射装置140の軸線A2に対
して、上下方向に略直交すると言える。
【0062】仮に、パワーユニット16から燃料噴射装
置140へ伝わる振動の方向が、燃料噴射装置140の
軸線A2の方向に一致する場合には、振動が燃料噴射装
置140の弁149に増幅して伝わったり干渉すること
により、弁149の開閉作動に影響を及ぼし得る。これ
に対して本発明は、パワーユニット16から燃料噴射装
置140へ伝わる振動の方向を、軸線A2に対して略直
交させたので、パワーユニット16の振動が燃料噴射装
置140の弁149の作動に影響を及ぼすことはないと
言える。従って、燃料噴射装置140を確実に作動させ
ることができる。
【0063】なお、上記本発明の実施の形態において、
(1)自動二輪車に限定されるものではなく、自動三輪
車であってもよい。 (2)車体フレーム11は前後二分割フレームに限定さ
れるものではなく、一体フレームであってもよい。 (3)請求項2及び請求項3の防振リンク機構90は、
車体フレーム11に少なくとも1個のフレーム側ピボッ
ト92を設け、エンジン110に少なくとも1個のエン
ジン側ピボット95を設け、フレーム側ピボット92
に、少なくとも1個の防振リンク93を介して、エンジ
ン側ピボット95を揺動自在に支持するものであればよ
い。
【0064】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1は、気化器よりも単品の高さ寸法が小さ
なスロットルボディを採用し、エンジンの吸気系を構成
するエアクリーナ、コネクティングチューブ、スロット
ルボディ、インレットパイプを車体後方から前方へ向け
て略水平に配置してエンジンに接続し、エンジンとイン
レットパイプとの接合部よりも車体前方位置にて、前上
方から後下方へ向けてエンジンに燃料噴射装置を取付
け、左右一対の防振リンク間に挟まれる空間に、比較的
小型のインレットパイプを通したので、防振リンクのス
イング量にかかわらず、左右一対の防振リンクとインレ
ットパイプとの間に一定の隙間を常に確保することがで
きる。このため、設計自由度が増すことができる。
【0065】さらには、スロットルボディから離れた位
置で、エンジンに燃料噴射装置を取付けたので、吸気系
に組込んだスロットルボディの最上部位の高さを、従来
の気化器を配置した場合に比べて、抑制することができ
る。さらにまた、シリンダが前方略水平に延びるエンジ
ンとインレットパイプとの接合部よりも車体前方位置
で、前上方から後下方へ向けてエンジンに燃料噴射装置
を取付けたので、燃料噴射装置の取付け高さを、抑制す
ることができる。このようなことから、スロットルボデ
ィや燃料噴射装置とその上方に配置した物品収納部の底
部との間のスペースを確保することは容易である。従っ
て、シートの高さを下げつつ、物品収納部の収納容量を
確保することができる。
【0066】請求項2は、物品収納部の底部とエンジン
の上面との間で且つ物品収納部の底部に寄せて、車体フ
レームにフレーム側ピボットを設け、エンジンの最上部
位と略同等の高さで且つ前記フレーム側ピボットよりも
後方位置で、エンジンにエンジン側ピボットを設け、フ
レーム側ピボットに防振リンクを介してエンジン側ピボ
ットを揺動自在に支持し、フレーム側ピボットよりも車
体前方側でエンジンに燃料噴射装置を取付け、この燃料
噴射装置からフレーム側ピボットまでの前後方向距離
を、フレーム側ピボットからエンジン側ピボットまでの
前後方向距離と同等又はそれよりも小さく設定し、燃料
噴射装置の取付け高さをフレーム側ピボットとエンジン
側ピボットとの間に設定したので、フレーム側ピボット
から燃料噴射装置までの直線距離を、フレーム側ピボッ
トからエンジン側ピボットまでの直線距離よりも小さく
することができる。この結果、パワーユニットと共にエ
ンジン側ピボットがスイングしたときに、エンジン側ピ
ボットの変位量に比べて、燃料噴射装置の変位量は小さ
くてすむ。従って、パワーユニットがスイングしたとき
に、物品収納部の底部と燃料噴射装置との間の隙間を確
保し易い。このため、パワーユニットがスイングしたと
きであっても、燃料噴射装置や燃料噴射装置に接続する
燃料供給配管の総高さを抑制することができ、これらの
各部品とその上方に配置した物品収納部の底部との間の
スペースに余裕ができる。従って、物品収納部の底部を
上方へ凹ませる必要はなく、この結果、物品収納部の収
納容量を増すことが容易である。
【0067】請求項3は、エンジンの上面よりも上方で
車体フレームにフレーム側ピボットを設け、エンジンの
最上部位と略同等の高さで且つフレーム側ピボットより
も後方位置で、エンジンにエンジン側ピボットを設け、
フレーム側ピボットに防振リンクを介してエンジン側ピ
ボットを揺動自在に支持し、フレーム側ピボットよりも
車体前方側でエンジンに燃料噴射装置を取付け、この燃
料噴射装置の軸線を、フレーム側ピボットとエンジン側
ピボットとを通る直線に対し略平行に配置したことを特
徴とする。
【0068】パワーユニットの振動(エンジン振動や路
面振動等)の振動方向は、フレーム側ピボットとエンジ
ン側ピボットとを通る直線に対して、略直交する方向で
ある。一方、燃料噴射装置の弁は、燃料噴射装置の軸線
の方向に開閉作動するものであり、この軸線は、フレー
ム側ピボットとエンジン側ピボットとを通る直線に対し
て略平行である。このことから、パワーユニットから燃
料噴射装置へ伝わる振動の方向は、燃料噴射装置の軸線
に対して、上下方向に略直交すると言える。仮に、パワ
ーユニットから燃料噴射装置へ伝わる振動の方向が、燃
料噴射装置の軸線の方向に一致する場合には、振動が燃
料噴射装置に増幅して伝わったり干渉することにより、
燃料噴射装置の作動に影響を及ぼし得る。これに対して
本発明は、パワーユニットから燃料噴射装置へ伝わる振
動の方向を、燃料噴射装置の軸線に対して略直交させた
ので、パワーユニットの振動が燃料噴射装置の作動に影
響を及ぼすことはないと言える。従って、燃料噴射装置
を確実に作動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動二輪車の左側面図
【図2】本発明に係る自動二輪車の後部拡大側面図
【図3】本発明に係る自動二輪車の後部拡大平面図
【図4】本発明に係る車体フレームの分解斜視図
【図5】本発明に係るパワーユニット取付構造の要部を
断面した左側面図
【図6】図5の6−6線断面図
【図7】本発明に係るスイング式パワーユニット周りの
側面図
【図8】本発明に係るスイング式パワーユニット周りの
平面図
【図9】本発明に係るエンジンのシリンダヘッド周りの
側面断面図
【図10】本発明に係る燃料噴射装置の構成図
【図11】本発明に係る防振リンク機構と燃料噴射装置
の関係を示す左側面図
【符号の説明】
10…自動二輪車、11…車体フレーム、16…スイン
グ式パワーユニット、21…物品収納部、21a…物品
収納部の底部、22…シート、92…フレーム側ピボッ
ト、93…防振リンク、95…エンジン側ピボット、1
10…内燃機関(エンジン)、113…シリンダ、14
0…燃料噴射装置、A1…フレーム側ピボットとエンジ
ン側ピボットとを通る直線、A2…燃料噴射装置の軸
線、C…エンジンとインレットパイプとの接合部(シリ
ンダとシリンダヘッドとの接合面の延長線)、H1…エ
ンジン側ピボットの高さ、H2…燃料噴射装置の取付け
高さ、S…左右一対の防振リンク間に挟まれる空間、U
1…エンジンの上面、U2…エンジンの最上部位、X1
…燃料噴射装置からフレーム側ピボットまでの前後方向
距離、X2…フレーム側ピボットからエンジン側ピボッ
トまでの前後方向距離。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート及び物品収納部の下方に、シリン
    ダが前方略水平に延びるエンジンを備えたスイング式パ
    ワーユニットを配置し、左右一対の防振リンクで車体フ
    レームに支持させた自動二・三輪車において、 前記エンジンの吸気系を構成するエアクリーナ、コネク
    ティングチューブ、スロットルボディ、インレットパイ
    プを車体後方から前方へ向けて略水平に配置してエンジ
    ンに接続し、 前記エンジンと前記インレットパイプとの接合部よりも
    車体前方位置にて、前上方から後下方へ向けてエンジン
    に燃料噴射装置を取付け、 前記左右一対の防振リンク間に挟まれる空間に、前記イ
    ンレットパイプを通したことを特徴とする自動二・三輪
    車。
  2. 【請求項2】 シート及び物品収納部の下方に、シリン
    ダが前方略水平に延びるエンジンを備えたスイング式パ
    ワーユニットを配置し、防振リンクで車体フレームに支
    持させた自動二・三輪車において、 物品収納部の底部とエンジンの上面との間で且つ物品収
    納部の底部に寄せて、車体フレームにフレーム側ピボッ
    トを設け、 前記エンジンの最上部位と略同等の高さで且つ前記フレ
    ーム側ピボットよりも後方位置で、エンジンにエンジン
    側ピボットを設け、 フレーム側ピボットに防振リンクを介してエンジン側ピ
    ボットを揺動自在に支持し、 フレーム側ピボットよりも車体前方側でエンジンに燃料
    噴射装置を取付け、この燃料噴射装置からフレーム側ピ
    ボットまでの前後方向距離を、フレーム側ピボットから
    エンジン側ピボットまでの前後方向距離と同等又はそれ
    よりも小さく設定し、燃料噴射装置の取付け高さをフレ
    ーム側ピボットとエンジン側ピボットとの間に設定した
    ことを特徴とする自動二・三輪車。
  3. 【請求項3】 車体フレームの後半部の下方に、シリン
    ダが前方略水平に延びるエンジンを備えたスイング式パ
    ワーユニットを配置し、防振リンクで前記車体フレーム
    に支持させた自動二・三輪車において、 エンジンの上面よりも上方で前記車体フレームにフレー
    ム側ピボットを設け、 前記エンジンの最上部位と略同等の高さで且つ前記フレ
    ーム側ピボットよりも後方位置で、エンジンにエンジン
    側ピボットを設け、 フレーム側ピボットに防振リンクを介してエンジン側ピ
    ボットを揺動自在に支持し、 フレーム側ピボットよりも車体前方側でエンジンに燃料
    噴射装置を取付け、この燃料噴射装置の軸線を、フレー
    ム側ピボットとエンジン側ピボットとを通る直線に対し
    略平行に配置したことを特徴とする自動二・三輪車。
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