JP2001085039A - 燃料電池システム - Google Patents
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- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
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- H01M8/06—Combination of fuel cells with means for production of reactants or for treatment of residues
- H01M8/0606—Combination of fuel cells with means for production of reactants or for treatment of residues with means for production of gaseous reactants
- H01M8/0612—Combination of fuel cells with means for production of reactants or for treatment of residues with means for production of gaseous reactants from carbon-containing material
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
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- General Chemical & Material Sciences (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】燃料電池システムの燃料改質器5において改質
ガスのCO濃度を低減するとともに、改質反応維持のた
めの外部加熱手段を不要にする。 【解決手段】燃料改質器5に原燃料の部分酸化反応に対
して活性を呈する触媒を設けるとともに、水蒸気を導入
し、この燃料改質器5内において部分酸化反応と水性ガ
スシフト反応とを生ずるようにする。
ガスのCO濃度を低減するとともに、改質反応維持のた
めの外部加熱手段を不要にする。 【解決手段】燃料改質器5に原燃料の部分酸化反応に対
して活性を呈する触媒を設けるとともに、水蒸気を導入
し、この燃料改質器5内において部分酸化反応と水性ガ
スシフト反応とを生ずるようにする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は燃料電池システムに
関する。
関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池は、負極に送り込む水素を燃料
とし、正極に送り込む酸素を酸化剤として、これらを電
解質を通じて反応させる発電器として一般に知られてい
る。この燃料電池に使用する水素は炭化水素又はメタノ
ールを改質することによって生成することができる。
とし、正極に送り込む酸素を酸化剤として、これらを電
解質を通じて反応させる発電器として一般に知られてい
る。この燃料電池に使用する水素は炭化水素又はメタノ
ールを改質することによって生成することができる。
【0003】特公昭58−57361号公報には、ロジ
ウム触媒の存在下、炭化水素に、空気、又は空気と酸
素、又は空気と水蒸気を作用させ、部分酸化法によって
水素及びCO(一酸化炭素)を得ることが記載されてい
る。反応温度は690〜900℃である。空気及び酸素
は炭化水素の酸化剤として用いられ、水蒸気は酸化反応
で酸化されずに残る燃料から水蒸気改質反応で水素を生
成する目的に用いられている。従って、炭化水素に空気
と水蒸気とを作用させたときにロジウム触媒上で生ずる
反応は部分酸化反応と水蒸気改質反応である。
ウム触媒の存在下、炭化水素に、空気、又は空気と酸
素、又は空気と水蒸気を作用させ、部分酸化法によって
水素及びCO(一酸化炭素)を得ることが記載されてい
る。反応温度は690〜900℃である。空気及び酸素
は炭化水素の酸化剤として用いられ、水蒸気は酸化反応
で酸化されずに残る燃料から水蒸気改質反応で水素を生
成する目的に用いられている。従って、炭化水素に空気
と水蒸気とを作用させたときにロジウム触媒上で生ずる
反応は部分酸化反応と水蒸気改質反応である。
【0004】特開昭54−76602号公報には、81
5〜1930℃及び1〜250絶対気圧の条件下におい
て、炭化水素に自由酸素を含むガスを作用させ、部分酸
化によって水素とCOとを生成する方法が記載され、ま
た、その際に水蒸気を温度モデレータ、炭化水素燃料の
予熱、分散、移動のために添加することが記載されてい
る。
5〜1930℃及び1〜250絶対気圧の条件下におい
て、炭化水素に自由酸素を含むガスを作用させ、部分酸
化によって水素とCOとを生成する方法が記載され、ま
た、その際に水蒸気を温度モデレータ、炭化水素燃料の
予熱、分散、移動のために添加することが記載されてい
る。
【0005】特開平6−92603号公報には、炭化水
素と酸素含有ガスと水蒸気とを、触媒の存在下、2〜1
00バールの圧力、750〜1200℃(好ましくは1
000〜1200℃)の温度で部分酸化反応させること
により、水素とCOとを生成することが記載されてい
る。
素と酸素含有ガスと水蒸気とを、触媒の存在下、2〜1
00バールの圧力、750〜1200℃(好ましくは1
000〜1200℃)の温度で部分酸化反応させること
により、水素とCOとを生成することが記載されてい
る。
【0006】特開平7−57756号公報には、触媒の
存在下、炭化水素に水蒸気を作用させ、水蒸気改質反応
によって水素及びCOを生成する燃料改質器に、酸素を
導くことによって炭化水素の部分酸化反応を同時に起こ
させるようにした燃料電池発電システムが記載されてい
る。これは、水蒸気改質反応が吸熱反応であるから、発
熱反応である部分酸化反応を利用して水蒸気改質反応に
必要な熱を補うというものである。
存在下、炭化水素に水蒸気を作用させ、水蒸気改質反応
によって水素及びCOを生成する燃料改質器に、酸素を
導くことによって炭化水素の部分酸化反応を同時に起こ
させるようにした燃料電池発電システムが記載されてい
る。これは、水蒸気改質反応が吸熱反応であるから、発
熱反応である部分酸化反応を利用して水蒸気改質反応に
必要な熱を補うというものである。
【0007】特開平10−308230号公報には、触
媒の存在下、炭化水素を部分酸化反応によって水素に改
質する燃料改質器と、この改質の際に生成するCOを水
性ガスシフト反応によって酸化させるCO変成器と、さ
らに残存するCOを選択酸化させる選択酸化器とを備え
た燃料電池発電装置が記載されている。また、上記部分
酸化反応に対して活性を呈する触媒の他に炭化水素の水
蒸気改質反応に対して活性を呈する触媒を上記燃料改質
器に充填するとともに、この改質器に炭化水素、酸素及
び水蒸気を供給することにより、炭化水素の部分酸化反
応と水蒸気改質反応とによって水素を生成することも記
載されている。
媒の存在下、炭化水素を部分酸化反応によって水素に改
質する燃料改質器と、この改質の際に生成するCOを水
性ガスシフト反応によって酸化させるCO変成器と、さ
らに残存するCOを選択酸化させる選択酸化器とを備え
た燃料電池発電装置が記載されている。また、上記部分
酸化反応に対して活性を呈する触媒の他に炭化水素の水
蒸気改質反応に対して活性を呈する触媒を上記燃料改質
器に充填するとともに、この改質器に炭化水素、酸素及
び水蒸気を供給することにより、炭化水素の部分酸化反
応と水蒸気改質反応とによって水素を生成することも記
載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述の通り、炭化水素
を部分酸化反応によって水素に改質するに当たり、触媒
の存在下で炭化水素に酸素及び水蒸気を作用させること
は知られているが、その水蒸気は吸熱反応である水蒸気
改質反応を得るために、あるいは温度調節等のために添
加されている。これでは、改質反応を維持するために燃
料改質器に伝熱面積の大きな外部加熱手段を設ける必要
があるとともに、炭化水素の部分酸化反応や水蒸気改質
反応によって生成するCOによって燃料電池の触媒電極
が被毒することを避けるためにこのCOを酸化除去する
大型の変成器を必要とする。
を部分酸化反応によって水素に改質するに当たり、触媒
の存在下で炭化水素に酸素及び水蒸気を作用させること
は知られているが、その水蒸気は吸熱反応である水蒸気
改質反応を得るために、あるいは温度調節等のために添
加されている。これでは、改質反応を維持するために燃
料改質器に伝熱面積の大きな外部加熱手段を設ける必要
があるとともに、炭化水素の部分酸化反応や水蒸気改質
反応によって生成するCOによって燃料電池の触媒電極
が被毒することを避けるためにこのCOを酸化除去する
大型の変成器を必要とする。
【0009】なお、上記特開平7−57756号公報や
特開平10−308230号公報に記載されているよう
に、水蒸気改質反応による吸熱分を部分酸化反応による
発熱で補うことにより、外部加熱手段を不要にするとい
う考え方もあるが、メタンの場合、水蒸気改質反応の反
応熱は約205kJ/モル(吸熱)であるのに対して、
部分酸化反応の反応熱は約36kJ/モルであって、そ
の熱量差が大きい。従って、主として水蒸気改質反応を
起こさせるために水蒸気を添加するという考え方では外
部加熱手段をなくすことは実際には難しい。
特開平10−308230号公報に記載されているよう
に、水蒸気改質反応による吸熱分を部分酸化反応による
発熱で補うことにより、外部加熱手段を不要にするとい
う考え方もあるが、メタンの場合、水蒸気改質反応の反
応熱は約205kJ/モル(吸熱)であるのに対して、
部分酸化反応の反応熱は約36kJ/モルであって、そ
の熱量差が大きい。従って、主として水蒸気改質反応を
起こさせるために水蒸気を添加するという考え方では外
部加熱手段をなくすことは実際には難しい。
【0010】すなわち、本発明の課題は、上述の燃料改
質反応を維持するために要求される外部加熱量を少なく
すること、ひいては零にすることを課題の一つとする。
質反応を維持するために要求される外部加熱量を少なく
すること、ひいては零にすることを課題の一つとする。
【0011】また、本発明は、燃料の改質によって生ず
るCO量を極力低減すること、そして、このことにより
CO変成器の負担を軽減することも課題の一つとする。
るCO量を極力低減すること、そして、このことにより
CO変成器の負担を軽減することも課題の一つとする。
【0012】また、本発明は、燃料電池システム全体と
して熱の有効利用を図ること、そして、システム構成の
簡素化を図ることも課題とする。
して熱の有効利用を図ること、そして、システム構成の
簡素化を図ることも課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題に対して、部分酸化反応と水性ガスシフト反応とを逐
次的に進行させようにしている。
題に対して、部分酸化反応と水性ガスシフト反応とを逐
次的に進行させようにしている。
【0014】すなわち、本発明は、炭化水素系の原燃料
を改質して水素を生成するための燃料改質器(5)と、
この燃料改質器(5)によって生成された水素を燃料と
して発電する燃料電池とを備える燃料電池システムにお
いて、上記燃料改質器(5)には、上記原燃料の部分酸
化反応に対して活性を呈する触媒(27)が設けられ、
上記燃料改質器(5)内において上記部分酸化反応によ
って生成するCOを反応物として水性ガスシフト反応を
生ずるように当該改質器(5)に水蒸気を供給する水蒸
気供給手段(35,40)を備えていることを特徴とす
る。
を改質して水素を生成するための燃料改質器(5)と、
この燃料改質器(5)によって生成された水素を燃料と
して発電する燃料電池とを備える燃料電池システムにお
いて、上記燃料改質器(5)には、上記原燃料の部分酸
化反応に対して活性を呈する触媒(27)が設けられ、
上記燃料改質器(5)内において上記部分酸化反応によ
って生成するCOを反応物として水性ガスシフト反応を
生ずるように当該改質器(5)に水蒸気を供給する水蒸
気供給手段(35,40)を備えていることを特徴とす
る。
【0015】上記逐次反応を式で表せば次のようにな
る。
る。
【0016】 CnHm+(n/2)O2→nCO+(m/2)H2 ……(1) CO+H2O→CO2+H2 ……(2) (1)式が部分酸化反応であり、この反応によって目的
とする水素が得られるとともに、同時に生ずるCOが
(2)式の水性ガスシフト反応によって酸化され、その
際に水素が発生する。原料ガスへの水蒸気の添加は
(1)の部分酸化反応における燃料転化率には大きな影
響を与えないが、その添加により(2)の水性ガスシフ
ト反応を生じ易くなる(平衡が生成側に傾く)から、水
素の収率が高くなる。
とする水素が得られるとともに、同時に生ずるCOが
(2)式の水性ガスシフト反応によって酸化され、その
際に水素が発生する。原料ガスへの水蒸気の添加は
(1)の部分酸化反応における燃料転化率には大きな影
響を与えないが、その添加により(2)の水性ガスシフ
ト反応を生じ易くなる(平衡が生成側に傾く)から、水
素の収率が高くなる。
【0017】(1)の部分酸化反応は発熱反応であり、
原燃料CnHmがメタン(CH4)の場合はΔH=−36.
07kJ/molである。(2)の水性ガスシフト反応
も発熱反応であって、ΔH=−41.12kJ/mol
である。従って、改質反応を開始させるために燃料改質
器(5)又は原料ガス(原燃料、酸素又は空気、並びに
水蒸気)を所定温度まで加熱する必要があるものの、反
応が始まった後は、反応を維持するに必要な熱が反応熱
によって得られ、外部からの加熱量を少なくすることが
でき、ひいては外部加熱を不要にすることができる。
原燃料CnHmがメタン(CH4)の場合はΔH=−36.
07kJ/molである。(2)の水性ガスシフト反応
も発熱反応であって、ΔH=−41.12kJ/mol
である。従って、改質反応を開始させるために燃料改質
器(5)又は原料ガス(原燃料、酸素又は空気、並びに
水蒸気)を所定温度まで加熱する必要があるものの、反
応が始まった後は、反応を維持するに必要な熱が反応熱
によって得られ、外部からの加熱量を少なくすることが
でき、ひいては外部加熱を不要にすることができる。
【0018】また、(1)の部分酸化反応によって生ず
るCOが(2)の水性ガスシフト反応によって酸化され
るため、当該燃料改質器(5)から燃料電池へ向けて送
られる改質ガスのCO濃度が低くなる。従って、CO変
成器(COを水性ガスシフト反応によって酸化させる)
やCO選択酸化反応器を設ける場合でも、それらの負担
が小さくなり、それらの小型化が図れる。
るCOが(2)の水性ガスシフト反応によって酸化され
るため、当該燃料改質器(5)から燃料電池へ向けて送
られる改質ガスのCO濃度が低くなる。従って、CO変
成器(COを水性ガスシフト反応によって酸化させる)
やCO選択酸化反応器を設ける場合でも、それらの負担
が小さくなり、それらの小型化が図れる。
【0019】上記燃料改質器(5)の出口ガス中のCO
に対するCO2 の比であるCO2 /CO比が0.2以上
となるように上記水性ガスシフト反応を調整すれば、水
素の収率を高め、かつ後段のCO変成器の負荷を減らす
ことができる。
に対するCO2 の比であるCO2 /CO比が0.2以上
となるように上記水性ガスシフト反応を調整すれば、水
素の収率を高め、かつ後段のCO変成器の負荷を減らす
ことができる。
【0020】この点は後述する実施例でさらに明らかに
なるが、CO2 /CO比が高いということは、水性ガス
シフト反応が進んでいるということであり、それによ
り、水素が発生するからである。
なるが、CO2 /CO比が高いということは、水性ガス
シフト反応が進んでいるということであり、それによ
り、水素が発生するからである。
【0021】上記CO2 /CO比の増大、すなわち、水
性ガスシフト反応の進行には、上記燃料改質器(5)に
対する原燃料と水蒸気との供給割合が関係し、原燃料の
炭素のモル数に対する水蒸気のモル数の比H2O /Cが
0.5以上となるようにすることが好ましい。
性ガスシフト反応の進行には、上記燃料改質器(5)に
対する原燃料と水蒸気との供給割合が関係し、原燃料の
炭素のモル数に対する水蒸気のモル数の比H2O /Cが
0.5以上となるようにすることが好ましい。
【0022】本発明では水蒸気は水性ガスシフト反応の
ために添加されるものであり、H2O /C比が高くなる
と、それによって水性ガスシフト反応が良く進行するこ
とになる。当該比が0.5未満であれば、水性ガスシフ
ト反応が十分に促進されず、得られるガスのCO濃度が
高くなるため、CO変成器の小型化が図れない。また、
水素の収率も向上しない。
ために添加されるものであり、H2O /C比が高くなる
と、それによって水性ガスシフト反応が良く進行するこ
とになる。当該比が0.5未満であれば、水性ガスシフ
ト反応が十分に促進されず、得られるガスのCO濃度が
高くなるため、CO変成器の小型化が図れない。また、
水素の収率も向上しない。
【0023】また、このように当該H2O /C比を0.
5以上にすることにより、水性ガスシフト反応によって
改質ガスのCO濃度が確実に低下するから、CO変成器
の過昇温を防止することができる。すなわち、改質ガス
中のCO濃度が高い場合、該変成器はそこでの水性ガス
シフト反応によって温度が過度に上昇し(例えば、変成
器入口ガス温度よりも100K以上高温になり)、触媒
のシンタリングないしは早期劣化を招くことがあるが、
これが防止される。
5以上にすることにより、水性ガスシフト反応によって
改質ガスのCO濃度が確実に低下するから、CO変成器
の過昇温を防止することができる。すなわち、改質ガス
中のCO濃度が高い場合、該変成器はそこでの水性ガス
シフト反応によって温度が過度に上昇し(例えば、変成
器入口ガス温度よりも100K以上高温になり)、触媒
のシンタリングないしは早期劣化を招くことがあるが、
これが防止される。
【0024】上記H2O /C比は3以下であることが好
ましい。この比を高めること、すなわち、水蒸気量を多
くすることは上記水性ガスシフト反応を促進する上では
有利になるが、水蒸気量を増やすためにはそれだけ多く
の熱量を必要とし、システム全体としてみたときのエネ
ルギー効率が低下する。そのために、当該比を3以下に
するものである。
ましい。この比を高めること、すなわち、水蒸気量を多
くすることは上記水性ガスシフト反応を促進する上では
有利になるが、水蒸気量を増やすためにはそれだけ多く
の熱量を必要とし、システム全体としてみたときのエネ
ルギー効率が低下する。そのために、当該比を3以下に
するものである。
【0025】上記燃料改質器(5)の出口ガス温度は8
00℃以下であることが好ましい。上述の如く部分酸化
反応及び水性ガスシフト反応は発熱反応であるから、吸
熱反応である水蒸気改質反応の場合とは違って当該反応
温度が高くなり過ぎると、反応の進行に不利になるため
である。当該出口ガス温度の下限は450℃程度が好ま
しい。これよりも低温になると、部分酸化反応及び水性
ガスシフト反応が進み難くなるためである。
00℃以下であることが好ましい。上述の如く部分酸化
反応及び水性ガスシフト反応は発熱反応であるから、吸
熱反応である水蒸気改質反応の場合とは違って当該反応
温度が高くなり過ぎると、反応の進行に不利になるため
である。当該出口ガス温度の下限は450℃程度が好ま
しい。これよりも低温になると、部分酸化反応及び水性
ガスシフト反応が進み難くなるためである。
【0026】上記燃料改質器(5)に対する原燃料と酸
素との供給割合は、原燃料の炭素のモル数に対する酸素
のモル数の比O2 /Cが上記部分酸化反応におけるO2
/C量論比の0.9倍以上となるようにすることが好ま
しい。
素との供給割合は、原燃料の炭素のモル数に対する酸素
のモル数の比O2 /Cが上記部分酸化反応におけるO2
/C量論比の0.9倍以上となるようにすることが好ま
しい。
【0027】ここで、上記部分酸化反応におけるO2 /
C量論比は、上記(1)式から明らかなように0.5で
あるから、当該O2 /C比は0.45以上ということに
なる。これにより、当該燃料改質器(5)に供給する原
料ガスの流速(空間速度)が高い場合でも、燃料転化率
(改質率)を高いものにすることができる。
C量論比は、上記(1)式から明らかなように0.5で
あるから、当該O2 /C比は0.45以上ということに
なる。これにより、当該燃料改質器(5)に供給する原
料ガスの流速(空間速度)が高い場合でも、燃料転化率
(改質率)を高いものにすることができる。
【0028】なお、当該比の下限を上記量論比よりも低
くすると、原燃料の一部が水蒸気改質反応を起こす可能
性があるが、その割合は僅かであり、主反応たる部分酸
化反応に及ぼす熱的影響(温度低下)は問題にならな
い。
くすると、原燃料の一部が水蒸気改質反応を起こす可能
性があるが、その割合は僅かであり、主反応たる部分酸
化反応に及ぼす熱的影響(温度低下)は問題にならな
い。
【0029】水蒸気改質反応をできるだけ生じないよう
にするには、当該比を上記量論比よりも大きく、すなわ
ち、0.5よりも大きくすればよい。但し、当該比が大
きくなり過ぎると、完全酸化反応を生じ易くなって水素
の収率が低下するから、当該比の上限は上記O2 /C量
論比の1.5倍、すなわち、0.75程度にすることが
好ましい。
にするには、当該比を上記量論比よりも大きく、すなわ
ち、0.5よりも大きくすればよい。但し、当該比が大
きくなり過ぎると、完全酸化反応を生じ易くなって水素
の収率が低下するから、当該比の上限は上記O2 /C量
論比の1.5倍、すなわち、0.75程度にすることが
好ましい。
【0030】上記炭化水素系の原燃料としては、上記メ
タンの他、プロパン、天然ガス(LNGを含む)、ナフ
サ、灯油、液化石油ガス(LPG)、都市ガス等を採用
することができる。
タンの他、プロパン、天然ガス(LNGを含む)、ナフ
サ、灯油、液化石油ガス(LPG)、都市ガス等を採用
することができる。
【0031】部分酸化反応に対して活性を呈する触媒
(27)の触媒金属としては、ロジウム及びルテニウム
が好ましい。これらの触媒金属は、担体(サポート)に
対して金属単体の形で担持させても合金の形で担持させ
ても、化合物、例えば酸化物の形で担持させたものであ
ってもよい。また、2種以上の触媒金属(例えばロジウ
ムとルテニウムの2種)を同じ担体に担持させたもので
あっても、それぞれ別個の担体に担持された2種以上の
触媒金属の混合物であってもよい。
(27)の触媒金属としては、ロジウム及びルテニウム
が好ましい。これらの触媒金属は、担体(サポート)に
対して金属単体の形で担持させても合金の形で担持させ
ても、化合物、例えば酸化物の形で担持させたものであ
ってもよい。また、2種以上の触媒金属(例えばロジウ
ムとルテニウムの2種)を同じ担体に担持させたもので
あっても、それぞれ別個の担体に担持された2種以上の
触媒金属の混合物であってもよい。
【0032】担体としては、比表面積の大きな無機多孔
質体が好ましく、例えばアルミナが好ましい。
質体が好ましく、例えばアルミナが好ましい。
【0033】上記担体に触媒金属を担持させてなる触媒
(27)は、ペレット状で燃料改質器(5)に充填する
ことができ、また、バインダによってモノリス担体、例
えばハニカム状のものに担持させるようにすることがで
きる。
(27)は、ペレット状で燃料改質器(5)に充填する
ことができ、また、バインダによってモノリス担体、例
えばハニカム状のものに担持させるようにすることがで
きる。
【0034】上記原料ガスのうち酸素(又は空気)及び
水蒸気は、各々の供給源を別個に設けて燃料改質器
(5)に供給することができるが、燃料電池の排ガスを
それらに利用することもできる。すなわち、燃料電池の
酸素極から排出されるガスには、電池反応に使用されな
かった酸素と、電池反応によって生成する水蒸気とが含
まれている。そこで、この酸素極の排ガスを上記燃料改
質器(5)に対して供給する排ガス供給手段を設けるよ
うにすれば、上記酸素(又は空気)供給源、水蒸気供給
源及びそれらの供給管を省略することが可能になり、燃
料電池システムの構成が簡素になる。但し、酸素(又は
空気)や水蒸気の補給手段を別に設けて、上記酸素極の
排ガスに補給するようにしてもよい。
水蒸気は、各々の供給源を別個に設けて燃料改質器
(5)に供給することができるが、燃料電池の排ガスを
それらに利用することもできる。すなわち、燃料電池の
酸素極から排出されるガスには、電池反応に使用されな
かった酸素と、電池反応によって生成する水蒸気とが含
まれている。そこで、この酸素極の排ガスを上記燃料改
質器(5)に対して供給する排ガス供給手段を設けるよ
うにすれば、上記酸素(又は空気)供給源、水蒸気供給
源及びそれらの供給管を省略することが可能になり、燃
料電池システムの構成が簡素になる。但し、酸素(又は
空気)や水蒸気の補給手段を別に設けて、上記酸素極の
排ガスに補給するようにしてもよい。
【0035】また、上記燃料電池の出力電流を調節する
出力電流調節手段を設ければ、それによって上記燃料改
質器(5)に供給される排ガスの酸素濃度及び水蒸気濃
度を所定範囲になるように調節することができる。
出力電流調節手段を設ければ、それによって上記燃料改
質器(5)に供給される排ガスの酸素濃度及び水蒸気濃
度を所定範囲になるように調節することができる。
【0036】すなわち、燃料電池における燃料(水素)
利用率及び酸素(空気)利用率は、該燃料電池の負荷
(電力使用量)によって変動する。つまり、燃料電池に
対する燃料流入量及び酸素流入量を一定にしたとき、該
電池の出力電流値を変化させれば、電池反応によって消
費される水素及び酸素の量が変化し、それに伴って発生
する水蒸気量も変化する。従って、この出力電流値を調
節することにより、燃料改質に適した所定酸素濃度及び
水蒸気濃度の排ガスを燃料改質器(5)に供給すること
ができる。
利用率及び酸素(空気)利用率は、該燃料電池の負荷
(電力使用量)によって変動する。つまり、燃料電池に
対する燃料流入量及び酸素流入量を一定にしたとき、該
電池の出力電流値を変化させれば、電池反応によって消
費される水素及び酸素の量が変化し、それに伴って発生
する水蒸気量も変化する。従って、この出力電流値を調
節することにより、燃料改質に適した所定酸素濃度及び
水蒸気濃度の排ガスを燃料改質器(5)に供給すること
ができる。
【0037】上記燃料電池は、その酸素利用率が0.4
〜0.75(供給酸素量の40〜75%)となるように
出力電流を調節することが好ましい。これにより、燃料
改質器(5)の原料ガスの H2O/C比を0.67〜
3.0程度に調節することができる。
〜0.75(供給酸素量の40〜75%)となるように
出力電流を調節することが好ましい。これにより、燃料
改質器(5)の原料ガスの H2O/C比を0.67〜
3.0程度に調節することができる。
【0038】すなわち、燃料電池では理論的には酸素消
費量の2倍の水蒸気が発生するから(O2+2H2→2H
2O)、酸素利用率が0.4のときは、その倍の0.8
相当の水蒸気が発生し、残存酸素量は0.6相当量にな
る。従って、当該排ガスのH 2O/O2比は(0.8/
0.6)となる。この排ガスの燃料改質器(5)への供
給量を原料ガスのO2 /C比が化学量論比である0.5
となるように調節すれば、この原料ガスのH2O/C比
は次のようになる。
費量の2倍の水蒸気が発生するから(O2+2H2→2H
2O)、酸素利用率が0.4のときは、その倍の0.8
相当の水蒸気が発生し、残存酸素量は0.6相当量にな
る。従って、当該排ガスのH 2O/O2比は(0.8/
0.6)となる。この排ガスの燃料改質器(5)への供
給量を原料ガスのO2 /C比が化学量論比である0.5
となるように調節すれば、この原料ガスのH2O/C比
は次のようになる。
【0039】H2O/C比=0.5×(0.8/0.
6)=約0.67 同様に酸素利用率0.75の場合を計算すると、次のよ
うになる。
6)=約0.67 同様に酸素利用率0.75の場合を計算すると、次のよ
うになる。
【0040】 H2O/C比=0.5×(1.5/0.25)=3 上述の如く上記燃料改質器によれば、CO濃度の低い改
質ガスが得られるが、そのCO濃度をさらに低下させる
ために、CO高温変成器、CO低温変成器及びCO部分
酸化反応器のうちの少なくとも1つを設け、それを通過
させて燃料電池に供給するようにすることができる。
質ガスが得られるが、そのCO濃度をさらに低下させる
ために、CO高温変成器、CO低温変成器及びCO部分
酸化反応器のうちの少なくとも1つを設け、それを通過
させて燃料電池に供給するようにすることができる。
【0041】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、燃料改質
器(5)と燃料電池とを備える燃料電池システムにおい
て、燃料改質器(5)には炭化水素系原燃料の部分酸化
反応に対して活性を呈する触媒(27)を設けるととも
に、この燃料改質器(5)内において当該部分酸化反応
によって生成するCOを反応物として水性ガスシフト反
応を生ずるように当該改質器(5)に水蒸気を供給する
水蒸気供給手段を備えているから、部分酸化反応と水性
ガスシフト反応によって水素の収率を高めることができ
るとともに、燃料の改質反応を維持するための外部加熱
手段を小型にすることができ、若しくはこの外部加熱手
段を省略することができ、しかも、改質ガス中のCO濃
度が低下し、CO濃度低減のための後処理装置の小型化
が図れる。
器(5)と燃料電池とを備える燃料電池システムにおい
て、燃料改質器(5)には炭化水素系原燃料の部分酸化
反応に対して活性を呈する触媒(27)を設けるととも
に、この燃料改質器(5)内において当該部分酸化反応
によって生成するCOを反応物として水性ガスシフト反
応を生ずるように当該改質器(5)に水蒸気を供給する
水蒸気供給手段を備えているから、部分酸化反応と水性
ガスシフト反応によって水素の収率を高めることができ
るとともに、燃料の改質反応を維持するための外部加熱
手段を小型にすることができ、若しくはこの外部加熱手
段を省略することができ、しかも、改質ガス中のCO濃
度が低下し、CO濃度低減のための後処理装置の小型化
が図れる。
【0042】また、上記燃料改質器(5)の出口ガス中
のCO2 /CO比が0.2以上となるように上記水性ガ
スシフト反応を調整すれば、水素の収率を高める上で有
利になり、上記燃料改質器(5)に供給するH2O /C
比を0.5以上となるようにするものによれば、水性ガ
スシフト反応を起こして水素収率を高める上で有利にな
る。
のCO2 /CO比が0.2以上となるように上記水性ガ
スシフト反応を調整すれば、水素の収率を高める上で有
利になり、上記燃料改質器(5)に供給するH2O /C
比を0.5以上となるようにするものによれば、水性ガ
スシフト反応を起こして水素収率を高める上で有利にな
る。
【0043】また、上記燃料改質器(5)の出口ガス温
度を800℃以下にすれば、部分酸化反応及び水性ガス
シフト反応を効率良く進める上で有利になる。
度を800℃以下にすれば、部分酸化反応及び水性ガス
シフト反応を効率良く進める上で有利になる。
【0044】上記燃料改質器(5)に供給する原料ガス
のO2 /C比を上記部分酸化反応におけるO2 /C量論
比の0.9倍以上となるようにすれば、燃料転化率(改
質率)を高いものにする上で有利になる。
のO2 /C比を上記部分酸化反応におけるO2 /C量論
比の0.9倍以上となるようにすれば、燃料転化率(改
質率)を高いものにする上で有利になる。
【0045】また、上記H2O /C比の上限を3.0に
すれば、エネルギーロスを少なくすることができ、上記
O2 /C比を上記O2 /C量論比の1.5倍以下にすれ
ば、原燃料が完全燃焼することを防止し、燃料の改質効
率を高く維持する上で有利になる。
すれば、エネルギーロスを少なくすることができ、上記
O2 /C比を上記O2 /C量論比の1.5倍以下にすれ
ば、原燃料が完全燃焼することを防止し、燃料の改質効
率を高く維持する上で有利になる。
【0046】上記燃料改質器(5)の触媒(27)とし
て、ロジウム又はルテニウムを含有するものを用いれ
ば、上記部分酸化反応を進める上で有利になる。
て、ロジウム又はルテニウムを含有するものを用いれ
ば、上記部分酸化反応を進める上で有利になる。
【0047】燃料電池の酸素極の排ガスを上記燃料改質
器(5)に改質用ガスとして供給すれば、酸素(又は空
気)の供給源、水蒸気供給源及びそれらの供給管を省略
することが可能になり、燃料電池システムの構成を簡素
なものにする上で有利になる。その場合、燃料電池の出
力電流を調節する出力電流調節手段を設ければ、上記燃
料改質器(5)に供給される排ガスの酸素濃度及び水蒸
気濃度を燃料改質に適した所定範囲になるように調節す
ることが容易になる。
器(5)に改質用ガスとして供給すれば、酸素(又は空
気)の供給源、水蒸気供給源及びそれらの供給管を省略
することが可能になり、燃料電池システムの構成を簡素
なものにする上で有利になる。その場合、燃料電池の出
力電流を調節する出力電流調節手段を設ければ、上記燃
料改質器(5)に供給される排ガスの酸素濃度及び水蒸
気濃度を燃料改質に適した所定範囲になるように調節す
ることが容易になる。
【0048】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
に基づいて説明する。
【0049】<燃料電池システムの全体説明>図1に示
す燃料電池システム構成において、1は触媒電極である
酸素極(カソード)2と同じく触媒電極である水素極
(アノード)3とを有する固体高分子電解質型の燃料電
池であり、酸素極2には空気圧縮機4が空気供給管10
によって接続され、水素極3には燃料改質器5が改質ガ
ス供給管20によって接続されている。改質ガス供給管
20には、第1熱交換器6、CO高温変成器7、第2熱
交換器8、CO低温変成器9、第3熱交換器11、CO
選択酸化反応器12及び第4熱交換器13が、燃料電池
1に向かって順に設けられている。
す燃料電池システム構成において、1は触媒電極である
酸素極(カソード)2と同じく触媒電極である水素極
(アノード)3とを有する固体高分子電解質型の燃料電
池であり、酸素極2には空気圧縮機4が空気供給管10
によって接続され、水素極3には燃料改質器5が改質ガ
ス供給管20によって接続されている。改質ガス供給管
20には、第1熱交換器6、CO高温変成器7、第2熱
交換器8、CO低温変成器9、第3熱交換器11、CO
選択酸化反応器12及び第4熱交換器13が、燃料電池
1に向かって順に設けられている。
【0050】燃料改質器5には原燃料源(都市ガス)1
4が原料ガス供給管30によって接続されている。この
原料ガス供給管30にはガス圧縮機15及び脱硫器16
が燃料改質器5に向かって順に設けられている。また、
燃料改質器5には、上記空気圧縮機4から部分酸化反応
用の空気を供給すべく上記空気供給管10から分岐した
管が接続されているとともに、水性ガスシフト反応用の
水蒸気を得るための水を噴霧供給すべく水タンク17が
供給管40によって接続されている。水供給管40には
ポンプ18が設けられている。
4が原料ガス供給管30によって接続されている。この
原料ガス供給管30にはガス圧縮機15及び脱硫器16
が燃料改質器5に向かって順に設けられている。また、
燃料改質器5には、上記空気圧縮機4から部分酸化反応
用の空気を供給すべく上記空気供給管10から分岐した
管が接続されているとともに、水性ガスシフト反応用の
水蒸気を得るための水を噴霧供給すべく水タンク17が
供給管40によって接続されている。水供給管40には
ポンプ18が設けられている。
【0051】原燃料源14からの原燃料、空気圧縮機4
からの空気及び水タンク17からの水蒸気は燃焼器19
によって加熱して燃料改質器5に供給できるようになっ
ている。また、改質ガス供給管20の第1熱交換器6の
上流部位には水性ガスシフト反応用の水蒸気を得るため
の水を噴霧供給すべく上記水供給管40から分岐した管
が接続されている。改質ガス供給管20の第3熱交換器
11の上流部位には選択酸化反応器12のための空気を
供給すべく上記空気供給管10から分岐した管が接続さ
れている。
からの空気及び水タンク17からの水蒸気は燃焼器19
によって加熱して燃料改質器5に供給できるようになっ
ている。また、改質ガス供給管20の第1熱交換器6の
上流部位には水性ガスシフト反応用の水蒸気を得るため
の水を噴霧供給すべく上記水供給管40から分岐した管
が接続されている。改質ガス供給管20の第3熱交換器
11の上流部位には選択酸化反応器12のための空気を
供給すべく上記空気供給管10から分岐した管が接続さ
れている。
【0052】燃料電池1の酸素極2の排ガス及び水素極
3の排ガスは、気水分離器21,22に通した後に合流
させて燃焼用ガスとしてガス管50により燃焼器19に
送るように構成されている。酸素極2の排ガスは弁23
によって大気に適宜排出できるようになっている。上記
ガス管50は、上記第4熱交換器13、第3熱交換器1
1及び第2熱交換器8を順に通るように配管されてお
り、排ガスは各熱交換器における改質ガスとの熱交換に
よって加熱されて燃焼器19に供給されるようになって
いる。従って、改質ガスは逆に各熱交換器で冷却されて
燃料電池1に送られることになる。第1熱交換器6には
別の冷却水管24が通されていて、改質ガスはその冷却
水との熱交換によって冷却されるようになっている。
3の排ガスは、気水分離器21,22に通した後に合流
させて燃焼用ガスとしてガス管50により燃焼器19に
送るように構成されている。酸素極2の排ガスは弁23
によって大気に適宜排出できるようになっている。上記
ガス管50は、上記第4熱交換器13、第3熱交換器1
1及び第2熱交換器8を順に通るように配管されてお
り、排ガスは各熱交換器における改質ガスとの熱交換に
よって加熱されて燃焼器19に供給されるようになって
いる。従って、改質ガスは逆に各熱交換器で冷却されて
燃料電池1に送られることになる。第1熱交換器6には
別の冷却水管24が通されていて、改質ガスはその冷却
水との熱交換によって冷却されるようになっている。
【0053】上記燃料改質器5には部分酸化反応に活性
を呈する触媒(Ru又はRhをAl2O3に担持させてな
る触媒)が充填され、CO高温変成器7には高温(40
0℃前後)での水性ガスシフト反応に活性を呈する触媒
(Fe2O3,Cr2O3)が充填され、CO低温変成器9
には低温(180℃前後)での水性ガスシフト反応に活
性を呈する触媒(CuO,ZnO)が充填され、CO選
択酸化反応器12にはCOの選択酸化反応に活性を呈す
る触媒(Ru又はPtをAl2O3又はゼオライトに担持
させてなる触媒)が充填され、燃焼器19には燃焼触媒
が充填されている。また、燃料改質器5には予熱用の電
気ヒータが設けられている。
を呈する触媒(Ru又はRhをAl2O3に担持させてな
る触媒)が充填され、CO高温変成器7には高温(40
0℃前後)での水性ガスシフト反応に活性を呈する触媒
(Fe2O3,Cr2O3)が充填され、CO低温変成器9
には低温(180℃前後)での水性ガスシフト反応に活
性を呈する触媒(CuO,ZnO)が充填され、CO選
択酸化反応器12にはCOの選択酸化反応に活性を呈す
る触媒(Ru又はPtをAl2O3又はゼオライトに担持
させてなる触媒)が充填され、燃焼器19には燃焼触媒
が充填されている。また、燃料改質器5には予熱用の電
気ヒータが設けられている。
【0054】図2は燃料改質器5と燃焼器19とを一体
にした反応装置25を示す。同図の反応装置25におい
ては、上部の燃料改質器5と下部の燃焼器19との間に
電気ヒータ26が組み込まれている。燃料改質器5の部
位にはハニカム状のモノリス担体に触媒を担持させたハ
ニカム触媒27が装填されている。燃焼器19の部位に
は燃焼触媒28が充填されており、この燃焼器19の触
媒充填部を貫通するように原料ガス通路29が下端の原
料ガス入口31から電気ヒータ配設部に延びている。ま
た、同図において、32は改質ガスの出口、33は燃料
電池1からの排ガスの入口、34は燃焼排ガスの出口で
ある。
にした反応装置25を示す。同図の反応装置25におい
ては、上部の燃料改質器5と下部の燃焼器19との間に
電気ヒータ26が組み込まれている。燃料改質器5の部
位にはハニカム状のモノリス担体に触媒を担持させたハ
ニカム触媒27が装填されている。燃焼器19の部位に
は燃焼触媒28が充填されており、この燃焼器19の触
媒充填部を貫通するように原料ガス通路29が下端の原
料ガス入口31から電気ヒータ配設部に延びている。ま
た、同図において、32は改質ガスの出口、33は燃料
電池1からの排ガスの入口、34は燃焼排ガスの出口で
ある。
【0055】上記燃料電池システムにおいては、その起
動時には燃料改質器5の温度が低いために電気ヒータが
作動されて触媒が活性を呈する温度になるまで、例えば
460℃程度まで加熱される。起動後は電気ヒータは停
止され、原料ガス(原燃料、空気及び水蒸気の混合ガ
ス)が燃焼器19で予熱されるだけになる。原料ガス
は、H2O /C比が0.5〜3になるように、O2 /C
比が0.45〜0.75になるように、原燃料、空気及
び水蒸気の供給量が調整され、また、燃料改質器5の出
口ガス温度は800℃以上に上昇しないように別途調整
される。最も好ましい操作条件は、上記H2O /C比が
1.0、O2 /C比が0.52〜0.60(好ましくは
0.56)、燃料改質器5の出口ガス温度が720℃、
燃料改質器5の出口ガスのCO2/CO比が0.4とい
うものである。
動時には燃料改質器5の温度が低いために電気ヒータが
作動されて触媒が活性を呈する温度になるまで、例えば
460℃程度まで加熱される。起動後は電気ヒータは停
止され、原料ガス(原燃料、空気及び水蒸気の混合ガ
ス)が燃焼器19で予熱されるだけになる。原料ガス
は、H2O /C比が0.5〜3になるように、O2 /C
比が0.45〜0.75になるように、原燃料、空気及
び水蒸気の供給量が調整され、また、燃料改質器5の出
口ガス温度は800℃以上に上昇しないように別途調整
される。最も好ましい操作条件は、上記H2O /C比が
1.0、O2 /C比が0.52〜0.60(好ましくは
0.56)、燃料改質器5の出口ガス温度が720℃、
燃料改質器5の出口ガスのCO2/CO比が0.4とい
うものである。
【0056】原燃料は脱硫された後に空気及び噴霧水と
共に電気ヒータ又は燃焼器19によって加熱されて燃料
改質器5の触媒に供給される。この加熱によって噴霧水
は水蒸気になる。燃料改質器5の触媒上では原燃料の部
分酸化反応が起こり、水素とCOとが生成する((1)
式参照)。この燃料改質器5内には水蒸気が存在するた
め、同時に水性ガスシフト反応が起こって水素と二酸化
炭素とが生成し、CO濃度が低下する((2)式参
照)。
共に電気ヒータ又は燃焼器19によって加熱されて燃料
改質器5の触媒に供給される。この加熱によって噴霧水
は水蒸気になる。燃料改質器5の触媒上では原燃料の部
分酸化反応が起こり、水素とCOとが生成する((1)
式参照)。この燃料改質器5内には水蒸気が存在するた
め、同時に水性ガスシフト反応が起こって水素と二酸化
炭素とが生成し、CO濃度が低下する((2)式参
照)。
【0057】燃料改質器5を出た改質ガスは、第1熱交
換器6によって400℃程度まで温度が下がってCO高
温変成器7へ送られ、そこの触媒上で生ずる水性ガスシ
フト反応によってさらにCO濃度が低下する。CO高温
変成器7を出た改質ガスは第2熱交換器8によって18
0℃程度まで温度が下がってCO低温変成器9へ送ら
れ、そこの触媒上で生ずる水性ガスシフト反応によって
さらにCO濃度が低下する。CO低温変成器9を出た改
質ガスは第3熱交換器11によって140℃程度まで温
度が下がってCO選択酸化反応器12へ送られ、そこの
触媒上で生ずるCOの選択酸化反応によってCO濃度が
さらに低下する。CO選択酸化反応器12を出た改質ガ
スは第4熱交換器13によって80℃程度まで温度が下
がって燃料電池1の水素極3に入る。
換器6によって400℃程度まで温度が下がってCO高
温変成器7へ送られ、そこの触媒上で生ずる水性ガスシ
フト反応によってさらにCO濃度が低下する。CO高温
変成器7を出た改質ガスは第2熱交換器8によって18
0℃程度まで温度が下がってCO低温変成器9へ送ら
れ、そこの触媒上で生ずる水性ガスシフト反応によって
さらにCO濃度が低下する。CO低温変成器9を出た改
質ガスは第3熱交換器11によって140℃程度まで温
度が下がってCO選択酸化反応器12へ送られ、そこの
触媒上で生ずるCOの選択酸化反応によってCO濃度が
さらに低下する。CO選択酸化反応器12を出た改質ガ
スは第4熱交換器13によって80℃程度まで温度が下
がって燃料電池1の水素極3に入る。
【0058】燃料電池1では水素極3の電極表面で2H
2→4H++4e-、酸素極2の電極表面でO2+4H++
4e-→2H2Oの電池反応を起こす。従って、酸素極2
の排ガスには電池反応に使われなかった余剰空気と電池
反応によって生じた水蒸気とが含まれる。一方、水素極
3の排ガスには電池反応に使用されなかった水素、未改
質の原燃料、空気及び水蒸気が含まれる。
2→4H++4e-、酸素極2の電極表面でO2+4H++
4e-→2H2Oの電池反応を起こす。従って、酸素極2
の排ガスには電池反応に使われなかった余剰空気と電池
反応によって生じた水蒸気とが含まれる。一方、水素極
3の排ガスには電池反応に使用されなかった水素、未改
質の原燃料、空気及び水蒸気が含まれる。
【0059】酸素極2及び水素極3の各排ガスは気水分
離器21,22を通って合流し、第4熱交換器13、第
3熱交換器11及び第2熱交換器8によって熱交換によ
り加熱されて燃焼器19に送られる。この排ガスには含
まれている水素及び酸素は、燃焼器19において燃焼触
媒の作用によって反応し、その反応熱が原料ガスの予熱
源となり、また、この排ガスに含まれている未改質の原
料も同時に燃焼して予熱源となる。
離器21,22を通って合流し、第4熱交換器13、第
3熱交換器11及び第2熱交換器8によって熱交換によ
り加熱されて燃焼器19に送られる。この排ガスには含
まれている水素及び酸素は、燃焼器19において燃焼触
媒の作用によって反応し、その反応熱が原料ガスの予熱
源となり、また、この排ガスに含まれている未改質の原
料も同時に燃焼して予熱源となる。
【0060】<H2O/C比とCO2/CO比と水素収量
比との関係>図3には燃料改質器5に導入される原料ガ
スのH2O/C比(原燃料の炭素のモル数に対する水蒸
気のモル数の比)と、燃料改質器5から出る改質ガスの
CO 2/CO比(改質器出口ガス中のCOに対するCO
2 の比)と、該燃料改質器5による水素収量比(H2O
/C比が0.5であるときの水素収量を1とする比)と
の関係が示されている。燃料改質器5の運転条件は、そ
の入口ガス温度が460℃、O2/C比(原燃料の炭素
のモル数に対する酸素のモル数の比)が0.56、ガス
圧が150kPaというものである。
比との関係>図3には燃料改質器5に導入される原料ガ
スのH2O/C比(原燃料の炭素のモル数に対する水蒸
気のモル数の比)と、燃料改質器5から出る改質ガスの
CO 2/CO比(改質器出口ガス中のCOに対するCO
2 の比)と、該燃料改質器5による水素収量比(H2O
/C比が0.5であるときの水素収量を1とする比)と
の関係が示されている。燃料改質器5の運転条件は、そ
の入口ガス温度が460℃、O2/C比(原燃料の炭素
のモル数に対する酸素のモル数の比)が0.56、ガス
圧が150kPaというものである。
【0061】同図によれば、H2O/C比が増大するに
つれてCO2/CO比が増大している。CO2/CO比が
大きいということは燃料改質器5においてCOがCO2
に変化しているということである。この変化の原因とし
ては、原燃料の完全酸化反応とCOの水性ガスシフト反
応とが考えられるが、H2O/C比の増大、すなわち、
水蒸気量が増えることによって完全酸化反応が進み易く
なることは考えられないから、燃料改質器5において水
蒸気の添加により水性ガスシフト反応が効率良く進んだ
ことがわかる。
つれてCO2/CO比が増大している。CO2/CO比が
大きいということは燃料改質器5においてCOがCO2
に変化しているということである。この変化の原因とし
ては、原燃料の完全酸化反応とCOの水性ガスシフト反
応とが考えられるが、H2O/C比の増大、すなわち、
水蒸気量が増えることによって完全酸化反応が進み易く
なることは考えられないから、燃料改質器5において水
蒸気の添加により水性ガスシフト反応が効率良く進んだ
ことがわかる。
【0062】そうして、同図から、H2O/C比を0.
5以上にすれば水素収量が増大すること、また、この水
素収量の増大のためにはCO2/CO比が0.2以上に
なるように、燃料改質器5における水性ガスシフト反応
を調整すればよいこと、つまり原料ガス組成、反応温度
等を調整すればよいことがわかる。
5以上にすれば水素収量が増大すること、また、この水
素収量の増大のためにはCO2/CO比が0.2以上に
なるように、燃料改質器5における水性ガスシフト反応
を調整すればよいこと、つまり原料ガス組成、反応温度
等を調整すればよいことがわかる。
【0063】<燃料改質器の触媒の種類が改質ガス組成
に与える影響>燃料改質器5に使用する触媒の種類を変
えて燃料改質を行なったときの燃料改質器5の入口ガス
組成(原料ガス組成)と出口ガス組成(改質ガス組成)
との関係を表1に示す。触媒の種類は、Ni−Al2O3
(NiをAl2O3に担持させてなる触媒)、Rh−Al
2O3(RhをAl2O3に担持させてなる触媒)及びRu
−Al2O3(RuをAl2O3に担持させてなる触媒)の
3種である。
に与える影響>燃料改質器5に使用する触媒の種類を変
えて燃料改質を行なったときの燃料改質器5の入口ガス
組成(原料ガス組成)と出口ガス組成(改質ガス組成)
との関係を表1に示す。触媒の種類は、Ni−Al2O3
(NiをAl2O3に担持させてなる触媒)、Rh−Al
2O3(RhをAl2O3に担持させてなる触媒)及びRu
−Al2O3(RuをAl2O3に担持させてなる触媒)の
3種である。
【0064】
【表1】
【0065】同表によれば、Rh−Al2O3触媒及びR
u−Al2O3触媒ではメタンの水素への転化率が高い
が、Ni−Al2O3触媒ではその転化率が低い。これか
ら、燃料改質器5にはRh−Al2O3触媒又はRu−A
l2O3触媒を用いることが好ましいことがわかる。
u−Al2O3触媒ではメタンの水素への転化率が高い
が、Ni−Al2O3触媒ではその転化率が低い。これか
ら、燃料改質器5にはRh−Al2O3触媒又はRu−A
l2O3触媒を用いることが好ましいことがわかる。
【0066】<Rh−Al2O3触媒においてH2O/C
比が改質ガス組成に与える影響>燃料改質器5にRh−
Al2O3触媒を採用し、H2O/C比を変えて燃料改質
を行なったときの燃料改質器5の入口ガス組成(原料ガ
ス組成)と出口ガス組成(改質ガス組成)との関係を表
2に示す。
比が改質ガス組成に与える影響>燃料改質器5にRh−
Al2O3触媒を採用し、H2O/C比を変えて燃料改質
を行なったときの燃料改質器5の入口ガス組成(原料ガ
ス組成)と出口ガス組成(改質ガス組成)との関係を表
2に示す。
【0067】
【表2】
【0068】同表によれば、H2O/C比が大きくなる
ことによってCO2/CO比が増大し、また、水素収量
が増えている。これは図3に示す結果と符合する。
ことによってCO2/CO比が増大し、また、水素収量
が増えている。これは図3に示す結果と符合する。
【0069】<燃料電池システムの別の実施形態>図4
には燃料電池システムの別の実施形態が示されている。
先のシステムとの相違点は、燃料改質器5に対して空気
圧縮機4の空気及び水タンク17の水を導入することに
代えて酸素極2の排ガスを供給管35によって供給する
点、電気負荷36に対して燃料電池1と別の電源37と
を並列に接続し、燃料電池1の出力電流値を調節する電
力調節器38を設けた点、空気供給管10から原料ガス
供給管30に向かって延設した分岐管に流量調節弁39
を設けて空気補給手段を構成した点である。
には燃料電池システムの別の実施形態が示されている。
先のシステムとの相違点は、燃料改質器5に対して空気
圧縮機4の空気及び水タンク17の水を導入することに
代えて酸素極2の排ガスを供給管35によって供給する
点、電気負荷36に対して燃料電池1と別の電源37と
を並列に接続し、燃料電池1の出力電流値を調節する電
力調節器38を設けた点、空気供給管10から原料ガス
供給管30に向かって延設した分岐管に流量調節弁39
を設けて空気補給手段を構成した点である。
【0070】すなわち、上述の如く酸素極2の排ガスに
は水蒸気及び未使用の空気が含まれているから、この排
ガスを燃料改質器5に原燃料改質用のガスとして用い、
この排ガスの組成を燃料改質に適するものにするために
電力調節器38を設けたものである。電力調節器38に
よる燃料電池1の出力電流値の調節により、この燃料電
池1の水素及び空気の利用率が変わり、酸素極2の排ガ
スの酸素濃度及び水蒸気濃度が変化することになる。こ
の調節によって不足する電力は別の電源37によって補
われることになる。
は水蒸気及び未使用の空気が含まれているから、この排
ガスを燃料改質器5に原燃料改質用のガスとして用い、
この排ガスの組成を燃料改質に適するものにするために
電力調節器38を設けたものである。電力調節器38に
よる燃料電池1の出力電流値の調節により、この燃料電
池1の水素及び空気の利用率が変わり、酸素極2の排ガ
スの酸素濃度及び水蒸気濃度が変化することになる。こ
の調節によって不足する電力は別の電源37によって補
われることになる。
【0071】燃料電池1における水素の使用量が1L/
min.(0℃,1気圧)のときにその利用率が100%で
あるとすると、そのときの出力電流値Aは理論的には次
のようになる。
min.(0℃,1気圧)のときにその利用率が100%で
あるとすると、そのときの出力電流値Aは理論的には次
のようになる。
【0072】 A=2nF =143(アンペア) (A;C(クーロン)/sec,n:モル/sec,F:ファ
ラデー定数) 従って、出力電流値を上記理論値よりも下げると水素利
用率(燃料利用率)及び空気利用率が低下することにな
る。この場合、空気利用率は例えば0.4〜0.75の
範囲で調節することになる。
ラデー定数) 従って、出力電流値を上記理論値よりも下げると水素利
用率(燃料利用率)及び空気利用率が低下することにな
る。この場合、空気利用率は例えば0.4〜0.75の
範囲で調節することになる。
【0073】また、空気利用率を高めた場合に不足する
空気は空気圧縮機4からの空気を流量調節弁39によっ
て導入して補うことになる。
空気は空気圧縮機4からの空気を流量調節弁39によっ
て導入して補うことになる。
【0074】<燃料利用率と燃料転化率との関係>図5
は原燃料源14から供給される原燃料のうち未改質の原
燃料及び未使用の水素を燃料ガスの予熱に使用する燃料
電池システムにおいて、エネルギー効率が最も高くな
る、燃料電池1の燃料利用率と燃料改質器5の燃料転化
率との関係をグラフにしたものである。
は原燃料源14から供給される原燃料のうち未改質の原
燃料及び未使用の水素を燃料ガスの予熱に使用する燃料
電池システムにおいて、エネルギー効率が最も高くな
る、燃料電池1の燃料利用率と燃料改質器5の燃料転化
率との関係をグラフにしたものである。
【0075】例えば、燃料転化率は0.94のときに最
もエネルギー効率の高い燃料利用率は0.98となる。
この例では原燃料のうちの改質されなかった残り6%の
原燃料と、改質ガス中の電池反応に利用されなかった残
り2%の水素とが原料ガスの予熱に利用されることにな
る。
もエネルギー効率の高い燃料利用率は0.98となる。
この例では原燃料のうちの改質されなかった残り6%の
原燃料と、改質ガス中の電池反応に利用されなかった残
り2%の水素とが原料ガスの予熱に利用されることにな
る。
【0076】なお、上記各実施形態では、燃焼器19を
設けて、燃料電池1の排ガスを原料ガスの予熱に利用す
るようにしたが、燃焼器19を省略し、この排ガスを触
媒で燃焼させて他の熱源とすることができる。燃料改質
器5で生ずる部分酸化反応及び水性ガスシフト反応がい
ずれも発熱反応であるから、起動時に電気ヒータによっ
て燃料改質器5を反応温度まで高めた後は、それらの反
応熱で反応温度が維持されるからである。
設けて、燃料電池1の排ガスを原料ガスの予熱に利用す
るようにしたが、燃焼器19を省略し、この排ガスを触
媒で燃焼させて他の熱源とすることができる。燃料改質
器5で生ずる部分酸化反応及び水性ガスシフト反応がい
ずれも発熱反応であるから、起動時に電気ヒータによっ
て燃料改質器5を反応温度まで高めた後は、それらの反
応熱で反応温度が維持されるからである。
【図1】本発明の実施形態に係る燃料電池システムの構
成図。
成図。
【図2】同システムの燃料改質器及び燃焼器の構造を示
す断面図。
す断面図。
【図3】原料ガスのH2O/C比と改質ガスのCO2/C
O比と水素収量比との関係を示すグラフ図。
O比と水素収量比との関係を示すグラフ図。
【図4】本発明の別の実施形態に係る燃料電池システム
の構成図。
の構成図。
【図5】燃料電池システムのエネルギー効率が最も高く
なる燃料利用率と燃料転化率との関係を示すグラフ図。
なる燃料利用率と燃料転化率との関係を示すグラフ図。
【符号の説明】 1 燃料電池 2 酸素極 3 水素極 4 空気圧縮機(空気源) 5 燃料改質器 7 CO高温変成器 14 水タンク(水蒸気源) 27 触媒 35 排ガス供給管(排ガス供給手段) 38 電力調節器(出力電流調節手段) 39 流量調節弁(空気補給手段) 40 水供給管(水蒸気供給手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡本 康令 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内 (72)発明者 米本 和生 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内 Fターム(参考) 4G040 EA02 EA03 EA06 EB03 EB16 EB32 EB43 EC03 5H027 AA06 BA01 BA05 BA09 BA10 BA16 BA17 MM01 MM26
Claims (14)
- 【請求項1】 炭化水素系の原燃料を改質して水素を生
成するための燃料改質器(5)と、この燃料改質器
(5)によって生成された水素を燃料として発電する燃
料電池(1)とを備える燃料電池システムにおいて、 上記燃料改質器(5)には、上記原燃料の部分酸化反応
に対して活性を呈する触媒(27)が設けられ、 上記燃料改質器(5)内において上記部分酸化反応によ
って生成するCOを反応物として水性ガスシフト反応を
生ずるように当該改質器(5)に水蒸気を供給する水蒸
気供給手段(35,40)を備えていることを特徴とす
る燃料電池システム。 - 【請求項2】 請求項1に記載されている燃料電池シス
テムにおいて、 上記燃料改質器(5)の出口ガス中のCOに対するCO
2 の比であるCO2 /CO比が0.2以上となるように
上記水性ガスシフト反応が調整されていることを特徴と
する燃料電池システム。 - 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載されている
燃料電池システムにおいて、 上記燃料改質器(5)に対する原燃料と水蒸気との供給
割合は、原燃料の炭素のモル数に対する水蒸気のモル数
の比H2O /Cが0.5以上となるようにされているこ
とを特徴とする燃料電池システム。 - 【請求項4】 請求項3に記載されている燃料電池シス
テムにおいて、 上記H2O /C比が3以下であることを特徴とする燃料
電池システム。 - 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれか一に記
載されている燃料電池システムにおいて、 上記燃料改質器(5)の出口ガス温度が800℃以下で
あることを特徴とする燃料電池システム。 - 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれか一に記
載されている燃料電池システムにおいて、 上記燃料改質器(5)に対する原燃料と酸素との供給割
合は、原燃料の炭素のモル数に対する酸素のモル数の比
O2 /Cが上記部分酸化反応におけるO2 /C量論比の
0.9倍以上となるようにされていることを特徴とする
燃料電池システム。 - 【請求項7】 請求項1乃至請求項5のいずれか一に記
載されている燃料電池システムにおいて、 上記燃料改質器(5)に対する原燃料と酸素との供給割
合は、原燃料の炭素のモル数に対する酸素のモル数の比
O2 /Cが上記部分酸化反応におけるO2 /C量論比よ
りも大になるようにされていることを特徴とする燃料電
池システム。 - 【請求項8】 請求項6又は請求項7に記載されている
燃料電池システムにおいて、 上記O2 /C比が上記O2 /C量論比の1.5倍以下で
あることを特徴とする燃料電池システム。 - 【請求項9】 請求項1乃至請求項8のいずれか一に記
載されている燃料電池システムにおいて、 上記触媒(27)の活性点がロジウム及びルテニウムの
少なくとも一方によって形成されていることを特徴とす
る燃料電池システム。 - 【請求項10】 請求項9に記載されている燃料電池シ
ステムにおいて、 上記触媒(27)がハニカム状のモノリス担体に担持さ
れていることを特徴とする燃料電池システム。 - 【請求項11】 請求項1乃至請求項10のいずれか一
に記載されている燃料電池システムにおいて、 上記水蒸気供給手段として、上記燃料電池の酸素極から
排出されるガスを上記燃料改質器(5)に対して供給す
る排ガス供給手段(35)を備えていることを特徴とす
る燃料電池システム。 - 【請求項12】 請求項11に記載されている燃料電池
システムにおいて、 上記燃料改質器(5)に供給される排ガスの酸素濃度及
び水蒸気濃度が所定範囲になるように上記燃料電池の出
力電流を調節する出力電流調節手段(38)を備えてい
ることを特徴とする燃料電池システム。 - 【請求項13】 請求項11に記載されている燃料電池
システムにおいて、 上記燃料電池の酸素利用率が0.4〜0.75となるよ
うに該燃料電池の出力電流を調節する出力電流調節手段
を備えていることを特徴とする燃料電池システム。 - 【請求項14】 請求項11に記載されている燃料電池
システムにおいて、 上記燃料改質器(5)に空気を補給する空気補給手段
(39)を備えていることを特徴とする燃料電池システ
ム。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25718699A JP2001085039A (ja) | 1999-09-10 | 1999-09-10 | 燃料電池システム |
PCT/JP2000/006075 WO2001019727A1 (fr) | 1999-09-10 | 2000-09-06 | Appareil de production de gaz hydrogene et dispositif de pile a combustible |
KR1020017005883A KR20010075696A (ko) | 1999-09-10 | 2000-09-06 | 수소가스 생성장치 및 이를 이용한 연료전지 시스템 |
EP00956985A EP1148024A4 (en) | 1999-09-10 | 2000-09-06 | DEVICE FOR PRODUCING HYDROGEN-GAS AND USE THIS GAS IN A FUEL CELL SYSTEM |
CN00801930A CN1321136A (zh) | 1999-09-10 | 2000-09-06 | 氢气发生装置及使用该装置的燃料电池 |
US11/347,305 US20060143983A1 (en) | 1999-09-10 | 2006-02-06 | Apparatus for producing hydrogen gas and fuel cell system using the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25718699A JP2001085039A (ja) | 1999-09-10 | 1999-09-10 | 燃料電池システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001085039A true JP2001085039A (ja) | 2001-03-30 |
Family
ID=17302884
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25718699A Pending JP2001085039A (ja) | 1999-09-10 | 1999-09-10 | 燃料電池システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001085039A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US8808935B2 (en) | 2006-08-31 | 2014-08-19 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Fuel cell system |
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-
1999
- 1999-09-10 JP JP25718699A patent/JP2001085039A/ja active Pending
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KR20110086371A (ko) * | 2010-01-22 | 2011-07-28 | 한국생산기술연구원 | 가스 연료 개질기 |
KR101693714B1 (ko) | 2010-01-22 | 2017-01-09 | 한국생산기술연구원 | 가스 연료 개질기 |
US8268266B2 (en) | 2010-08-10 | 2012-09-18 | General Electric Company | System for heat integration within a gas processing section |
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