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JP2001062912A - 二軸配向ポリエステルフィルム及びその製造方法 - Google Patents

二軸配向ポリエステルフィルム及びその製造方法

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Publication number
JP2001062912A
JP2001062912A JP23750399A JP23750399A JP2001062912A JP 2001062912 A JP2001062912 A JP 2001062912A JP 23750399 A JP23750399 A JP 23750399A JP 23750399 A JP23750399 A JP 23750399A JP 2001062912 A JP2001062912 A JP 2001062912A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
polyester film
biaxially oriented
oriented polyester
winding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP23750399A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Nagura
浩司 名倉
Yutaka Yagami
豊 八上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Polyester Film Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Polyester Film Corp filed Critical Mitsubishi Polyester Film Corp
Priority to JP23750399A priority Critical patent/JP2001062912A/ja
Publication of JP2001062912A publication Critical patent/JP2001062912A/ja
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク塗工性及びスリット性に優れた二軸配
向ポリエステルフィルムを提供する。 【解決手段】 二軸配向ポリエステルフィルムは局在電
荷数が5個/m2 以下であり、好ましくは1個/m2
下である。また、前記ポリエステルフィルムは少なくと
も片面の粗さが、中心線平均粗さ(Ra)で0.02〜
1μmである。この二軸配向ポリエステルフィルムは、
延伸後のフィルムを室温において、相対湿度30〜95
%の雰囲気下で除電装置を用いて除電しつつ巻き取るこ
とにより得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗工性及びスリッ
ト性に優れた二軸配向ポリエステルフィルム及びその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
二軸配向ポリエステルフィルムは、感熱転写用、感熱孔
版用、コンデンサ用などの工業用ベースフィルムとして
利用されている。これらの用途において、フィルムはイ
ンク塗布、金属蒸着、またはラミネート加工等の様々な
工程を経て、目的とする商品となるが、ベースフィルム
に静電気が存在すると、多くの不具合が生ずる。例え
ば、感熱転写用の二軸配向ポリエステルフィルムは、通
常、片面に熱溶融性または昇華性のインク層を設け、ま
た反対面に耐熱層を設けるが、ベースフィルムの静電気
が、インク層または耐熱層等の塗布時及び乾燥時にむら
やはじきなどの塗布欠陥を発生させたり、フィルムの走
行性を悪化させ、巻きずれやしわを発生させるという問
題を生じる。また、感熱孔版用の二軸配向ポリエステル
フィルムは、通常、片面に接着層を設け、紙と貼り合わ
せ、反対面に易滑層を設けるが、ベースフィルムの静電
気が接着層または易滑層の塗布時及び乾燥時にむらやは
じきなどの塗布欠陥を発生させたり、紙との貼り合わせ
において接着不良を発生させるという問題を生じる。コ
ンデンサ用の二軸配向ポリエステルフィルムは、用途に
よって、片面または両面に金属蒸着層、誘電体層を設け
たり、金属箔や他のフィルムを重ねて巻き取るが、ベー
スフィルムの静電気がフィルムの走行性を悪化させ巻き
ずれやしわを発生させるという問題を生じる。
【0003】本発明は前記従来の問題点に鑑みてなされ
たものであって、その第1の目的はインク塗工性及びス
リット性に優れた二軸配向ポリエステルフィルムを提供
することにあり、第2の目的はその製造方法を提供する
ことにある。なお、「スリット性に優れる」とは、巻き
上げたフィルム原反を巻き出しながら使用用途に合った
幅にスリット(切断)して再度巻き取る時に、切断面が
揃っていること、また、巻き取る時にフィルムがずれず
にきれいに巻き上げられるということを意味する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題に鑑
み鋭意検討した結果、ある特定の物性に関して一定の値
を有するフィルムが前記課題を克服し、工業用ベースフ
ィルムとして有用であることを見いだし本発明を完成す
るに至った。
【0005】前記第1の目的を達成するため、請求項1
に記載の発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、表面
に局在する電荷が5個/m2 以下であることを特徴とす
る。請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明
において、前記表面に局在する電荷が1個/m2 以下で
ある。
【0006】請求項3に記載の発明では、請求項1又は
請求項2に記載の発明において、前記ポリエステルフィ
ルムは少なくとも片面の粗さが、中心線平均粗さ(R
a)で0.02〜1μmである。
【0007】また、第2の目的を達成するため、請求項
4に記載の発明では、溶融したポリエステル樹脂をダイ
からシート状に押し出し、キャスティングドラムに密着
させて冷却固化して得た非晶質の未延伸シートを、所定
の倍率で縦方向及び横方向に延伸し、延伸後、延伸時の
温度より高い温度で熱処理を行い、その後、室温におい
て相対湿度30〜95%の雰囲気下で除電装置を用いて
除電しつつ巻き取ることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明でいうポリエステルとは、テレフタル酸、2,6
−ナフタレンジカルボン酸のような芳香族ジカルボン酸
またはそのエステルと、エチレングリコールを主たる出
発原料として得られるポリエステルを指すが、他の成分
を含有していても構わない。この場合ジカルボン酸成分
としてはテレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、2,
6−ナフタレンジカルボン酸及びその異性体、アジピン
酸、セバシン酸、及びp−オキシエトキシ安息香酸など
のオキシカルボン酸の中から1種または2種以上を用い
ることができる。グリコール成分としては、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール、ネオペンチルグリコールなどの中から1種または
2種以上を用いることができる。いずれにしても本発明
のポリエステルとは繰り返し構造単位の80モル%以上
がエチレンテレフタレート単位またはエチレン−2,6
−ナフタレート単位を有するポリエステルを指す。
【0009】また、本発明のポリエステルフィルムは、
かかるポリエステルを出発原料とする縦、横両方向に配
向されたポリエステルフィルムであるが、後述する方法
で測定した局在電荷数は5個/m2 以下、好ましくは1
個/m2 以下でなければならない。この値が5個/m2
を超えると、感熱転写用または感熱孔版用のベースフィ
ルムとして使用された場合、インク層、耐熱層、接着層
または易滑層の塗布時及び乾燥時において、むらやはじ
きなどの塗布欠陥が発生しやすくなり、これが原因とな
って塗布ぬけや紙との貼り合わせ不良が発生するという
問題を生じる。また、感熱転写用、感熱孔版用またはコ
ンデンサ用のベースフィルムとして使用された場合、搬
送、巻き上げ時において、フィルムが部分的にべたつき
やすくなり、これが原因となって巻ずれやしわが発生す
るという問題を生じる。
【0010】この局在電荷数を5個/m2 以下にするた
めにはポリエステルフィルムの巻き取り工程において、
室温下、フィルム近傍の相対湿度を30〜95%とする
のがよい。より好ましくは巻き取り中のフィルムの幅方
向の両端部の相対湿度を50〜95%とするのがよい。
相対湿度が30%より低いと、巻き取り中のフィルム間
の摩擦で静電気が発生しやすくなり好ましくない。相対
湿度が95%を超えると、巻き取り中のフィルム間でブ
ロッキングが発生しやすくなり問題となる。また、必要
に応じて交流または直流の除電装置を用いて除電するの
がよい。
【0011】また、少なくとも片面の表面粗さが、中心
線平均粗さ(Ra)で0.02〜1μmとするのがよ
い。Raが0.02μmより小さいと滑り性が悪くな
り、巻き取り中のフィルム間の摩擦で静電気が発生した
り、フィルムにしわが入ったり、加工時のトラブルが発
生したりして好ましくない。Raが1μmを超えると感
熱転写用又は感熱孔版用の場合は印字の鮮明さに欠け、
感度の低下をもたらしたり、サーマルヘッドの摩耗の原
因となり、実用上問題となる。また、コンデンサ用の場
合は層間密着性が低下したり、容量低下の原因となり実
用上問題となる。
【0012】かかる表面粗さのフィルムを得る方法のう
ちのひとつにポリエステル製造時に反応系内に溶存して
いる金属化合物、例えばエステル交換反応後系内に溶存
している金属化合物にリン化合物等を作用させて微細な
粒子を析出させる方法、いわゆる析出粒子法がある。し
かし、この方法は析出粒子量に限界があるため、今ひと
つのいわゆる添加粒子法が好ましく用いられる。
【0013】添加粒子法とはポリエステル製造工程から
製膜前の押出し工程のいずれかの工程でポリエステルに
不活性な微細粒子を配合させる方法であり、この不活性
微粒子としては例えば、カオリン、タルク、炭酸マグネ
シウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、リン酸リチウム、リン酸カルシウ
ム、リン酸マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ
素、酸化チタン、フッ化リチウム等及びCa、Ba、Z
n、Mnなどのテレフタル酸塩等から選ばれた1種以上
の金属化合物あるいはカーボンブラック等を挙げること
ができるが、これらに限られるものではない。この不活
性微粒子の形状は球形、塊状、あるいは扁平状のいずれ
であってもよく、またその硬度、比重、色等についても
特に制限はない。また、不活性微粒子の平均粒径は、通
常、等価球直径で0.1〜10μm、好ましくは0.3
〜3μmの範囲から選ばれる。また、そのフィルムに対
する配合量は0.01〜5重量%、好ましくは0.05
〜3重量%、さらに好ましくは0.05〜2重量%の範
囲から選択される。
【0014】また、同じ目的で種々の樹脂、潤滑剤を塗
布してもよいし、粗面化フィルムの複合、溶融押出し後
のフィルムの結晶化促進、サンドマット法、薬品処理
法、コーティングマット法など公知の方法を適宜適用す
ることもできる。
【0015】本発明のフィルム厚さは特に限定されない
が、感熱転写用、感熱孔版用、コンデンサ用等の10μ
m以下の薄いフィルムに対して、特に本発明の効果は顕
著である。
【0016】次に本発明のポリエステルフィルムの製造
方法について具体的に説明するが、以下の製造例に限定
されるものではない。まず、ポリエステルチップを乾燥
し、溶融後スリット状のダイからシート状に押出し、静
電密着法で密着させながら30〜50℃に冷却したキャ
スティングドラムで冷却固化して未延伸シートを形成す
る。そのシートを縦方向に高倍率の高温縦延伸、すなわ
ち、1ないし2以上の複数の区間で80〜130℃に加
熱し、それぞれロール間の周速差により合計倍率が3〜
5倍になるように延伸した後、90〜130℃、4.0
〜6.0倍で横延伸し、次いで100〜250℃で熱処
理を行い、二軸配向ポリエステルフィルムを得る。ま
た、必要に応じて上記の横延伸の次に延伸温度95〜1
20℃、延伸倍率1.01〜2.5倍の再縦延伸後、熱
処理したり、さらに横延伸後、熱処理を施して2軸配向
ポリエステルフィルムを得ることができる。また、必要
に応じて工程内でポリエステルフィルムにコロナ放電処
理やコーティング処理を行ってもよい。このフィルムは
室温下、相対湿度30〜95%の雰囲気内で製品ロール
として巻き上げる。
【0017】次に上記のようにして得られた本発明の二
軸配向ポリエステルフィルムに転写インキ層を形成す
る。その際、必要に応じてコロナ放電処理やアンダーコ
ートなどの前処理を行ってもよい。転写インキは、特に
限定されるものではなく周知のものを用いることができ
る。具体的にはバインダ成分、着色成分などを主成分と
し必要に応じて柔軟剤、可撓剤、融点調節剤、平滑化
剤、分散剤などを添加剤成分として混入させてもよい。
【0018】上記主成分の具体例としては、バインダー
成分としてパラフィンワックス、カルナウバワックス、
エステルワックスなど周知のワックス類や、低融点の各
種高分子類が有用であり、着色剤成分としては、カーボ
ンブラックや各種の有機、無機顔料ないしは染料が有用
である。またインキには昇華性のものも含まれる。
【0019】転写インキ層を本発明のフィルムの片面に
設ける方法としては、周知の方法、例えばホットメルト
塗工、溶剤を添加した状態でグラビア、リバース、スリ
ットダイ方式などの溶液塗工方法などを用いることがで
きる。
【0020】なお、フィルムの転写インキ層の設けてい
ない側に、サーマルヘッドのスティッキングを防ぐた
め、公知の融着防止層を設けることが望ましい。 (実施例)以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実
施例に限定されるものではない。
【0021】なお、本発明で用いた評価法は次のとおり
である。 (1)局在電荷数 水に超音波を与えて霧を発生させる超音波霧化装置、霧
を噴き出すノズル、霧を拡散させずに充満させる箱を設
けたフィルムの張架装置を使用する。
【0022】所定の幅、長さに切り出したフィルムを上
記装置の箱に張架し、超音波霧化装置内で水に超音波を
与えて発生させた霧を、フィルム下側の箱内部に充満さ
せ、フィルムに接触させる。数分後、フィルム表面に局
在する電荷に霧が付着して発生する長径1mm以上の白
色斑点の数を、目視または画像処理により測定する。フ
ィルムの測定面積は3m2 以上とし、下式から局在電荷
数を算出する。
【0023】局在電荷数(個/m2 )={霧が付着した
白色斑点の数(個)}/{フィルムの測定面積
(m2 )} (2)塗工性 フィルム張力:1.82kg/mm2 、フィルム速度:
120m/min.、乾燥温度:100℃の条件下、バ
ーコート方式でフィルムの片面にシリコーン変性ウレタ
ン樹脂からなる厚さ0.3μmの耐熱層を設け、ロール
状に巻き取る。続いてフィルム張力:1.82kg/m
2 、フィルム速度:80m/min.、乾燥温度:7
0〜50℃の条件下、グラビアコート方式で上記耐熱層
を設けた面と反対側のフィルム面にエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体60部、カーボンブラック25部、水素添加
ロジン15部からなる塗布量1.6g/m2 のインク層
を設け、ロール状に巻き取る。
【0024】上記の工程内で各塗布層の塗工性を、それ
ぞれ下記の3段階で評価する。 ○…工程内で塗布欠陥は全く発生せず問題ない。 △…工程内で長径1mm未満の塗布欠陥が5個/m2
下発生する。
【0025】×…工程内で長径1mm以上の塗布欠陥が
6個/m2 以上発生する。 (3)巻き取り性 上記(2)の工程内での巻き取り性を、それぞれ下記の
3段階で評価する。
【0026】 ○…スリット、巻き上げは良好で問題ない。 △…やや蛇行するが、巻ずれには至らない。 ×…巻ずれ、しわが発生する。
【0027】(4)表面粗さ(Ra) 中心線平均粗さRa(μm)をもって表面粗さとする。
(株)小坂研究所製表面粗さ測定機(SE−3F)を用
いて次のようにして求めた。すなわち、フィルムの断面
曲線からその中心線の方向に基準長さL(2.5mm)
の部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線X軸、縦
倍率の方向をY軸として粗さ曲線y=f(x)で表した
とき、次の式で与えられた値を(μm)で表す。中心線
平均粗さは、試料フィルム表面から10本の断面曲線を
求め、これらの断面曲線から求めた抜き取り部分の中心
線平均粗さの平均値で表した。なお、触針の先端半径は
5μm、荷重は30mgとし、カットオフ値は0.08
mmとした。
【0028】
【数1】 (実施例1)平均粒径1.3μmの二酸化ケイ素を0.
7重量%含有するポリエチレンテレフタレートを乾燥後
308℃で溶融し、T型ダイよりシート状に押し出し、
速度60m/min.で回転する43℃に設定したキャ
スティングドラムへ静電密着法で密着させ、冷却固化し
て非晶質の未延伸シートを得た。続いて、縦方向に10
1℃で2.7倍、さらに80℃で1.59倍延伸した
後、横方向に110℃で4.62倍延伸した。さらに2
35℃で熱処理を行い、室温に冷却し、相対湿度55%
の雰囲気下、交流の除電装置を用いて巻き取り、厚さ
2.5μmの二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィ
ルムを得た。
【0029】上記フィルムに耐熱層及びインク層を設
け、さらにリボン状にスリットして加工性を評価した。
得られた結果を他の実施例及び比較例のそれとともに表
1に示す。 (実施例2)熱処理後のフィルムを室温に冷却し、相対
湿度30%で巻き取る以外は、実施例1と同じ方法で、
厚さ2.5μmの二軸配向ポリエチレンテレフタレート
フィルムを得た。
【0030】次に、得られたフィルムを用いて実施例1
と同様に加工性を評価した。 (比較例1)熱処理後のフィルムを室温に冷却し、相対
湿度25%、除電なしで巻き取る以外は、実施例1と同
じ方法で、厚さ2.5μmの二軸配向ポリエチレンテレ
フタレートフィルムを得た。
【0031】次に、得られたフィルムを用いて実施例1
と同様に加工性を評価した。
【0032】
【表1】 表1の結果から明らかなとおり、本発明の要件を満たす
実施例1及び実施例2のフィルムは優れた特性を有して
いるのに対し、局在電荷数の多い比較例1はインク塗工
性及び巻き取り性が劣る。
【0033】この実施の形態では以下の効果を有する。 (1) 二軸配向ポリエステルフィルムの局在電荷数が
5個/m2 以下であることにより、感熱転写用、感熱孔
版用又はコンデンサ用のベースフィルムとして使用され
た場合、搬送、巻き上げ時において、フィルムが部分的
にべたつき難くなり、巻ずれやしわが発生するのが抑制
されて巻き取り性が良くなる。また、感熱転写用または
感熱孔版用のベースフィルムとして使用された場合、イ
ンク層、耐熱層、接着層または易滑層の塗布時及び乾燥
時において、むらやはじきなどの塗布欠陥が発生するの
を抑制できる。
【0034】(2) 前記局在電荷数が1個/m2 以下
の場合は、巻き取り性及び塗工性がより向上する。 (3) 二軸配向ポリエステルフィルムは少なくとも片
面の粗さが、中心線平均粗さ(Ra)で0.02〜1μ
mであるため、滑り性が良くなる。その結果、巻き取り
中のフィルム間の摩擦で静電気が発生したり、フィルム
にしわが入ったり、加工時のトラブルが発生したりする
ことが抑制される。また、感熱転写用又は感熱孔版用の
フィルムとして使用する場合、印字の鮮明さが確保さ
れ、感度の低下やサーマルヘッドの摩耗が少なくなる。
また、コンデンサ用のフィルムとして使用する場合は、
層間密着性の低下や容量低下が防止される。
【0035】(4) 延伸後のポリエステルフィルムを
室温において相対湿度30〜95%の雰囲気下で除電装
置を用いて除電しつつ巻き取ることにより目的の二軸配
向ポリエステルフィルムが得られるため、既設のポリエ
ステルフィルム製造設備を利用して容易に製造できる。
【0036】(5) 所望の表面粗さのフィルムを得る
方法として添加粒子法を用い、配合する不活性微粒子の
平均粒径を等価球直径で0.1〜10μm、好ましくは
0.3〜3μmの範囲とし、また、そのフィルムに対す
る配合量を0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜
3重量%、さらに好ましくは0.05〜2重量%の範囲
とすることにより、簡単に所望の表面粗さのフィルムを
得ることができる。
【0037】前記実施の形態から把握できる請求項記載
以外の発明(技術的思想)について、以下にその効果と
ともに記載する。 (1) 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発
明において、前記ポリエステルフィルムはその厚さが1
0μm以下である。この場合、厚いフィルムに比較して
インク塗工性及びスリット性の向上効果が顕著になる。
【0038】(2) 請求項4に記載の発明において、
所望の表面粗さのフィルムを得る方法として添加粒子法
を用い、配合する不活性微粒子の平均粒径を等価旧直径
で0.1〜10μmとし、そのフィルムに対する配合量
を0.01〜5重量%とする。この場合、簡単に所望の
表面粗さのフィルムを得ることができる。
【0039】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜請求項
3に記載の発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、イ
ンク塗工性及びスリット性に優れ、その工業的価値は高
い。
【0040】請求項2に記載の発明の二軸配向ポリエス
テルフィルムは、局在電荷数が1個/m2 以下のため、
インク塗工性及びスリット性がより向上する。請求項3
に記載の発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、巻き
取り性が向上する。
【0041】請求項4に記載の発明によれば、インク塗
工性及び巻き取り性に優れた二軸配向ポリエステルフィ
ルムを既設のポリエステルフィルム製造設備を利用して
容易に製造できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA43 AA45 AA46 AF36Y BB08 BC01 BC16 4F210 AA24 AB17 AE01 AG01 AM27 AR20 QC06 QD04 QD16 QG01 QG18 QW06 QW50

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 局在電荷数が5個/m2 以下であること
    を特徴とする二軸配向ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 前記局在電荷数が1個/m2 以下である
    請求項1に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 前記ポリエステルフィルムは少なくとも
    片面の粗さが、中心線平均粗さ(Ra)で0.02〜1
    μmである請求項1又は請求項2に記載の二軸配向ポリ
    エステルフィルム。
  4. 【請求項4】 溶融したポリエステル樹脂をダイからシ
    ート状に押し出し、キャスティングドラムに密着させて
    冷却固化して得た非晶質の未延伸シートを、所定の倍率
    で縦方向及び横方向に延伸し、延伸後、延伸時の温度よ
    り高い温度で熱処理を行い、その後、室温において相対
    湿度30〜95%の雰囲気下で除電装置を用いて除電し
    つつ巻き取ることを特徴とする二軸配向ポリエステルフ
    ィルムの製造方法。
JP23750399A 1999-08-24 1999-08-24 二軸配向ポリエステルフィルム及びその製造方法 Pending JP2001062912A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017211643A (ja) * 2016-05-20 2017-11-30 住友化学株式会社 積層フィルムの製造方法および偏光板の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017211643A (ja) * 2016-05-20 2017-11-30 住友化学株式会社 積層フィルムの製造方法および偏光板の製造方法

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