【発明の詳細な説明】
抗微生物ペルオキシダーゼ組成物
本発明は微生物細胞又は微生物、より詳しくは洗濯物、硬質表面、皮膚、歯又
は粘膜に存在する微生物細胞又は微生物を死滅又は抑制することのできる食品、
化粧品、塗料、コーティング等の保存用の酵素組成物に関連し、この組成物はペ
ルオキシダーゼ及び電子供与体として作用する増強剤を含んで成る。
発明の背景
様々な酵素的抗微生物組成物が当業界において公知である。例えば、WO 94/0
4127号は抗微生物的に有効な濃度のヒポチオシアナイトイオンを供することので
きる安定化歯みがき組成物を開示する。この組成物は過酸化水素を生成できるオ
キシドリダクターゼ及び唾液の中に通常存在するチオシアネートイオンを酸化し
て抗微生物性ヒポシアナイトイオンにすることのできるペルオキシダーゼを含む
。適当なペルオキシダーゼにはラクトペルオキシダーゼ、ミエロペルオキシダー
ゼ、唾液性ペルオキシダーゼ及びクロロペルオキシダーゼが挙げられる。
EP-A-0,500,387号において、ペルオキシド及びハライドの存在下で標的微生物
に特異的に結合してその増殖を阻害するハロペルオキシダーゼ、例えばミエロペ
ルオキシダーゼ、好酸球オキシダーゼ、ラクトペルオキシダーゼ及びクロロペル
オキシダーゼを含んで成る酵素的抗微生物組成物が開示されている。
WO 95/27046号はバナジウムクロロペルオキシダーゼ、ハライドイオン及び過
酸化水素又は過酸化水素生成剤を含んで成る抗微生
物組成物を開示する。
本発明の目的は微生物細胞を死滅又は抑制するため、即ち消毒又は保存のため
の組成物を提供することにあり、これは使用し易く、且つ公知の消毒用及び保存
用組成物及び方法の有効な代替品である。
発明の概要
驚くべきことに、真菌コプリヌス(Coprinus)に由来するペルオキシダーゼ酵
素と電子供与体として作用する増強剤との併合作用は、例えば硬質表面、皮膚、
粘膜、口腔、毛髪又は洗濯物に過酸化水素の存在下で適用したときに、今までに
知られていない抗微生物効果を供することが見い出された。
従って、これらの発見に基づき、本発明は、第一の観点において、真菌コプリ
ヌスに由来する又は産生されるペルオキシダーゼ、増強剤、及び過酸化水素又は
過酸化水素起源を含んで成る又はそれらより本質的に成る酵素的抗微生物組成物
を提供する。
本発明の組成物は抗微生物成分として、かかる成分の必要とされるあらゆる状
況、例えば食品、飲料品、化粧品、香料、コンタクトレンズ製品、食品成分又は
酵素組成物の保存のため;例えばヒト又は動物の皮膚、毛髪、口腔、粘膜、創傷
、挫傷又は目に使用するための消毒剤として;洗濯物の微生物細胞を死滅させる
ため;及び硬質表面の洗浄又は消毒のための洗浄組成物又は消毒剤の中に組込む
ために有用である。
従って、更なる観点において、本発明は洗濯物の中に存在する微生物を抑制す
るための方法(ここでこの洗濯物は当該組成物を含んで成る浸漬、洗濯又はすす
ぎ液で処理する);硬質表面上での微生物増殖を阻害する方法(ここでこの表面
は当該組成物と接触させる
);及びヒト又は動物の皮膚、粘膜、歯、創傷、挫傷又は目に存在する微生物を
死滅又はその増殖を阻害する方法(ここで死滅又は抑制すべきこれらの細胞又は
皮膚、粘膜、歯、創傷又は挫傷を当該組成物と接触させる)を提供する。
発明の詳細な説明
「微生物細胞」とは細菌又は真菌細胞を意味し、そして「微生物」とは真菌、
細菌又は酵母を意味する。
「硬質表面」とは本明細書においては微生物が本質的に侵入できない任意の表
面を意味するように用いている。硬質表面の例は金属、例えばステンレススチー
ル、プラスチック、ゴム、ボード、ガラス、木材、紙、繊維、コンクリート、岩
、大理石、石膏及びセラミック材料より成る表面であり、それは任意的に塗料、
エナメル等でコーティングされていてよい。この硬質表面は冷却塔、水処理プラ
ント、乳製品、食品加工用プラント、化学又は薬品処理プラントの処理設備部材
であってもよい。従って、本発明に係る組成物は慣用の現場清浄(cleaning-in-
place:C-I-P)システムにおいて有用である。
本明細書において、「殺菌」とは細菌細胞を死滅させることのできることと理
解される。
本明細書において、「静菌」とは細菌の増殖を抑制できる、即ち、細菌細胞の
増殖を抑制できることと理解される。
本明細書において、「殺真菌」とは真菌細胞を死滅させることのできることと
理解される。
本明細書において、「静真菌」とは真菌の増殖を抑制できる、即ち、真菌細胞
の増殖を抑制できることと理解される。
何ら理論に拘束されたいわけではないが、本発明の併合ペルオキ
シダーゼ/増強剤系の抗微生物作用における重要な反応は必須タンパク質及び酵
素スルフィドリル基の酸化にあるものと信じられている。
ペルオキシダーゼ酵素は電子供与体、例えばハライドイオン又はチオシアネー
トイオン(SCN-、シュードハライド)のハロゲン又はその他の酸化剤に至るH2O2依
存性酸化を触媒できる。この酸化剤は微生物の成分に対して求電子攻撃を与え、
必須酵素、輸送系及びその他の機能的な成分の化学修飾をもたらす。スルフヒド
リル基は求電子攻撃に特に感受性であり、そして通常は容易に酸化される基より
も多量に存在する。芳香族アミノ酸残基も攻撃に対して感受性である。抗微生物
作用のほとんどの態様はこのような求核成分の化学修飾と関係している。抗微生
物活性は酸化剤の安定性を高める因子を好むが、但しかかる因子はその求電子特
性又は微生物の膜に侵入するその能力を妨害するものであってはならない。H2O2
自体は強力な酸化剤であるが、H2O2分子は安定化されており、そして生物材料と
ゆっくりと反応する。また、ほとんどの細胞はH2O2を迅速に消失せしめる酵素を
もっている。ハライド又はSCN-等のペルオキシダーゼ触媒化酸化はH2O2の酸化力
を、より迅速に反応し、且つその標的細胞が防御し得ないように保存する。(Th omas
,E.L.「The Lactoperoxidase System」Pruitt K.M.及びTenovuo J.O.編
,New York,1985)。
ペルオキシダーゼにより触媒される反応は下記の通りである。
H2O2+AH2→2H2O+A
(ここで、AH2及びAは適当な電子供与体の還元及び酸化形態である。あるいは
、ハライド又はチオシアネートの場合、下記の通りである。
H2O2+X-→H2O+OH-
過酸化水素はオキシドリダクターゼ及びかかる酵素に特異的な基質により発生
し得、特に共反応体として水及び電子供与体として酸素を利用するオキシドリダ
クターゼにより発生し得る。適当なオキシドリダクターゼにはグルコースオキシ
ダーゼ、ガラクトースオキシダーゼ、グリコレートオキシダーゼ、ラクテートオ
キシダーゼ、L−グルノラクトンオキシダーゼ、L−2−ヒドロキシ酸オキシダ
ーゼ、アルデヒドオキシダーゼ、キサンチンオキシダーゼ、D−アスパラギン酸
オキシダーゼ、L−アミノ酸オキシダーゼ、D−アミノ酸オキシダーゼ、モノア
ミンオキシダーゼ、ピリドキシアミンホスフェートオキシダーゼ、ジアミンオキ
シダーゼ及びスルフィットオキシダーゼが挙げられる。グルコースオキシダーゼ
が最も好ましい。適当な基質は選定の特定のオキシドリダクターゼに特異的であ
り、且つ当業者は周知のものである。例えば、ベータ−D−グルコースはグルコ
ースオキシダーゼに特異的な基質である。その他の適当な基質には、限定するこ
となく、D−グルコース、D−ガラクトース、L−ソルボース、エタノール、チ
ラミン、1,4−ジアミノブタン、2−アミノフェノール、グリコレート、L−
ラクテート、2−デオキシ−D−グルコース、L−グルノラクトン、L−ガラコ
ノラクトン、D−マンノラクトン、L−2−ヒドロキシイソカプロエート、アセ
トアルデヒド、ブチルアルデヒド、キサンチン、D−アスパラギン酸塩、D−グ
ルタミン酸塩、L−アミノ酸及びD−アミノ酸が挙げられる。
酵素的に発生する過酸化水素を使用することが好都合であり得、なぜならその
起源は生物関連条件下で比較的低濃度の過酸化水素をもたらすからである。低濃
度の過酸化水素はペルオキシダーゼ触媒化反応の速度の上昇をもたらす。
過酸化水素は酵素そのものに添加してもよく、又は過硼酸塩もし
くは過炭酸塩、好ましくは過炭酸ナトリウム又は過硼酸ナトリウムにより発生し
得る。
酵 素
本発明の方法において採用するペルオキシダーゼは好ましくは植物(例えば西
洋ワサビ又はダイズペルオキシダーゼ)又は微生物、例えば真菌類もしくは細菌
類、より好ましくは副分類担子菌類(Basidiomycotina)に属する株、担子菌酵母
網(Basidiomycetes)、特にコプリヌス属、特にコプリヌス・シネレウス(C.ci
nereus)f.マイクロスポラス(microsporus)(IFO 8371)又はコプリヌス・マクロ
リズス(C.macrorhizus)等により産生可能である。
本発明の方法において利用するペルオキシダーゼ酵素は単一成分(組換)酵素
、即ち、本質的にその他のタンパク質又は酵素タンパク質を含まない酵素であっ
てよい。組換酵素は当業者を慣用の標準技術に従ってクローニング及び発現され
うる。しかしながら、この酵素は主要酵素成分として所望の酵素活性を発揮する
酵素は任意的に富んでいる酵素調製品、例えば単一成分酵素調製品の形態で使用
してもよい。
詳しくは、組換製造されてペルオキシダーゼはコプリヌス種、特にC.マクロ
ハズスもしくはC.シネレウスよりWO 92/16634号に従って誘導されたペルオキ
シダーゼ、又はその変異体、例えばWO 94/12621に記載の変異体である。従って
、有用な組換ペルオキシダーゼはコプリヌス種ペルオキシダーゼをコードするSE
Q ID No.1に示すDNA配列又はその適当な修飾体を含んで成るDNA構築体を利用す
ることにより製造し得る。
DNA配列の適当な修飾の例はペルオキシダーゼの別のアミノ酸配列は供さな
いが、当該DNA構築体を導入する宿主生物のコドン用法に対応するヌクレオチド
置換であるか、又は異なるアミノ酸配列を
供する、それ故可能としては異なるタンパク質構造であって天然酵素とは異なる
特性を有するペルオキシダーゼ突然変異体を供しうるヌクレオチド置換である。
可能な修飾のその他の例は1もしくは複数個のヌクレオチドの配列への挿入、1
もしくは複数個のヌクレオチドの配列のいづれかの末端への付加、又は1もしく
は複数個のヌクレオチドのいづれかの末端もしくは配列内での欠失である。
当該ペルオキシダーゼをコードするDNA構築体は確立されている標準方法、例
えばS.L.Beaucage and M.H.Caruthers,Tetrahedron Letters 22,1981,pp.185
9-1869に記載のホスホアミジット法又はMatthesらEMBO Journal 3,1984,pp.80
1-805に記載の方法により合成的に調製されうる。ホスホアミジット法に従うと
、オリゴヌクレオチドを例えば自動DNAシンセサイザーで合成し、精製し、アニ
ーリングし、ライゲーションし、そして適当なベクターの中にクローニングする
。
当該DNA構築体はゲノム又はcDNA起源のもの、例えばゲノム又はcDNAライブラ
リーを調製し、そして標準技術に従って合成オリゴヌクレオチドプローブを利用
するハイブリダイゼーションによりペルオキシダーゼの全体又は一部をコードす
るDNA配列をスクリーニングすることにより得られるものであってもよい(Sambr
ookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual 第2版;Cold Spring Harbo
r,1989参照)。この場合、当該ペルオキシダーゼをコードするゲノム又はcDNA
配列をアミノ酸置換を導入することを所望する部位に対応する部位において、周
知の手順に従う相同組換のための所望のアミノ酸配列をコードする合成オリゴヌ
クレオチドを利用する部位特異的突然変異誘発等により修飾してよい。
最後に、当該DNA構築体は合成とゲノム起源との複合体、合成とcDNA起源との
複合体、又はゲノムとcDNA起源との複合体であって、
合成、ゲノム又はcDNA起源(適宜)のフラグメントをライゲーションすることに
より調製したものであってよく、そのフラグメントは標準の技術に従い、DNA構
築体全体の様々な部分に相当する。当該DNA構築体は例えばUS 4,683,202又はR.K
.Saikiら、Science 239,1988,pp.487-491に記載の通りにして特異的プライマ
ーを利用するポリメラーゼ連鎖反応により調製してもよい。
当該DNA構築体は組換発現ベクターに通常挿入する。これは組換DNA手順に好適
に委ねることのできうる任意のベクターであってよく、ベクターの選定は往々に
してそれを導入する宿主細胞に依存するであろう。かくして、当該ベクターは自
己複製式ベクター、即ち、染色体外質として存在し、その複製が染色体の複製と
は独立しているベクター、例えばプラスミドであってよい。他方、このベクター
は、宿主細胞に導入したときに、宿主細胞ゲノムの中に組込まれ、そしてそれが
組込まれる染色体と一緒に複製しうるものであってよい。
当該ベクターにおいて、ペルオキシダーゼをコードするDNA配列は適当なプロ
モーター及びターミネーター配列に作用可能式に連結されているべきである。こ
のプロモーターは選定の宿主細胞において転写活性を示す任意のDNA配列であっ
てよく、そして宿主細胞に対して同族又は異種のタンパク質をコードする遺伝子
に由来しうる。適当なプロモーターの例は上記のものである。ペルオキシダーゼ
をコードするDNA配列、プロモーター及びターミネーターのそれぞれをライゲー
ションするのに利用する手順並びにそれらを適当なベクターの中に挿入する手順
は当業者に周知である(例えば、Sambrookら、前掲を参照のこと)。
宿主細胞は発現ベクターで形質転換させる。この宿主細胞は糸状菌の細胞であ
り、そして好ましくは上記のアスペルギルス(Asperg illus
)種の細胞である。
当該形質転換宿主細胞を培養するのに用いる培地は糸状菌を増殖させるのに適
当な任意の慣用の培地であってよい。これらの形質転換体は通常安定であり、そ
して陶汰圧抜きで培養してよい。しかしながら、形質転換体が不安定であること
がわかったなら、細胞の中に導入する選択マーカーを選択のために使用してよい
。ヘミン又はヘム含有材料(例えばヘモグロビン又は赤血球)を培地に添加する
場合、ヘムタンパク質の収量は著しく増大しうる。
宿主細胞から分泌する成熟ヘムタンパク質は培地から、周知の手順、例えば細
胞を遠心分離又は濾過により培地から分離させ、そしてこの培地のタンパク質性
成分を硫酸アンモニウムの如き塩により沈殿させ、次いでイオン交換クロマトグ
ラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等の如きクロマトグラフィー手順
により回収するのに好都合でありうる。
本発明との関連において、ペルオキシダーゼ作用性化合物はチトクロム、ヘモ
グロビン、又はペルオキシダーゼ酵素に由来するペルオキシダーゼ活性フラグメ
ント、及びその合成又は半合成誘導体、例えば鉄ポルフィン、鉄ポルフィリン、
及び鉄フタロシアニン、並びにそれらの誘導体を含んで成る。ペルオキシダーゼ活性の決定:1ペルオキシダーゼ単位(POXU)は下記の分析
用条件下で1分間当り1μmolの過酸化水素の変換を触媒する酵素の量である:0
.88mMの過酸化水素、1.67mMの2,2’−アジノビス(3−エチルベンゾチアゾ
リン−6−スルホネート)、0.1Mのリン酸バッファー、pH7.0、30℃でのインキ
ュベーション、418nmでの比色追跡;分子励起係数ε=3.6×104M-1・cm-1。
ペルオキシダーゼ酵素は使用準備済み液体、即ち、洗浄液、消毒
液、保存液、足湯等1ml当り0.01〜100POXUに相当して本発明の組成物の中に存
在しうる。
増強剤
本発明の好適な態様において、電子供与体として作用できる増強剤はイオン性
ヨージドの起源であって、水性溶液の中で変換するのに十分な時間及び条件下で
接触したときにヨウ素へと酵素的に変換されうるものである。
ヨウ素(I2)は、いくつかを例に挙げると、スキンクレンザー、例えば創傷消
毒剤、コンタクトレンズクリーニング及び水質衛生設備の如き幾多の状況のため
の消毒剤として幅広く利用されている。更に、ヨウ素は触媒においても、有用で
あり動物飼料添加剤、薬品及びポリマー前駆添加剤として有用である。消毒剤の
I2を基礎とする系が極めて有効であるが、いくつかの要因がI2の直接適用を制
約する特に、I2の貯蔵、輸送及び取り扱いは極めて危険であり、その理由は製
造に関わる化学薬品及びI2自体の中程度な濃度でさえものその毒性にある。一
般に、I2は天然起源、例えばブラインから、強力な無機酸、塩素ガス、及びそ
の他の有害化学薬品を利用する処理により得られる。工業用及び家畜用消毒のた
めの単純なI2溶液に代わるI2担体としてヨードホアが開発されている。更に、
I-塩及び化学酸化剤からI2を発生できる二重系も有用である。これらの系は共
に大量の潜在的に毒性な量の副産物の廃棄の必要性を構築する。大量スケールで
I2を工業的に生産する及び消毒剤としてI2を利用する別の途がI2のペルオキ
シダーゼ系発生において見い出されている(US 4,282,324;US 4,617,190;US 4,5
88,586;US 4,937,072;US 5,055,287;US 5,227,161;US 5,169,455;US 4,996,146;
US 4,576,817)。かかる方法には、ペルオキシダーゼ酵素、酸化剤H2O2、及びイ
オン性起源の利用が関わっている。
残念ながら、この方法は有害且つ揮発性の過酸化物又は過酸を必要とする欠点を
有し、それは輸送又は追加の酵素的もしくは化学的工程により in situで発生
されるものであり、このことは当該系をより複雑及び/又は費用のかさむものと
する。
本明細書において、イオン性ヨージドの好適な起源は水溶性ヨージド塩、例え
ばアルカリ金属ヨージド塩、例えばヨウ化カリウム(KI)、ヨウ化ナトリウム(N
aI)又はヨウ化リチウム、ヨウ化アンモニウム、ヨウ化カルシウムである。ヨウ
化ナトリウム及びヨウ化カリウムが好ましい。
その他の好適な増強剤はチオシアネートイオン(SCN-)の起源、例えばチオシア
ン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸アンモニア及びその他の
チオシアネート塩、好ましくはチオシアン酸ナトリウム及びチオシアン酸カリウ
ムである。
別の好適な態様において、有用な増強剤は下記の式により表わされる化合物で
ある:
〔式中、Xは(−O−)又は(−S−)を表わし、そして置換基R1−R9は同一
又は異なるものであってよく、独立して下記の基のいづれかを表わす:水素、ハ
ロゲン、ヒドロキシ、ホルミル、カルボキシ並びにそのエステル及び塩、カルバ
モイル、スルホ並びにそのエステル及び塩、スルファモイル、ニトロ、アミノ、
フェニル、、C1−C14アルキル、C1−C5アルコキシ、カルボニル−C1−C5
アルキル、アリールC1−C5アルキル(ここでカルバモイ
ル、スルファモイル及びアミノ基は未置換であるか、又は1又は2個の置換基R10
により更に置換されていてよく、そしてフェニルは未置換であるか又は1又は
複数個の置換基R10により更に置換されていてよく、そしてC1−C14アルキル
、C1−C5アルコキシ、カルボニル−C1−C5アルキル及びアリールC1−C5ア
ルキル基は飽和又は不飽和、枝分れ又は枝分れしていないものであってよく、そ
して未置換であるか1又は複数個の置換基R10により更に置換されていてよい)
;
ここで置換基R10は下記の基のいづれかを表わす:ハロゲン、ヒドロキシ、ホ
ルミル、カルボキシ並びにそのエステル及び塩、カルバモイル、スルホ並びにそ
のエステル及び塩、スルファモイル、ニトロ、アミノ、フェニル、アミノアルキ
ル、ピペリジノ、ピペラジニル、ピロリジン−1−イル、C1−C5アルキル、C1
−C5アルコキシ(ここでカルバモイル、スルファモイル及びアミノ基は未置換
であるか又は1又は2個のヒドロキシ、C1−C5アルキル、C1−C5アルコキシ
により更に置換されていてよく;そしてフェニルは1又は複数個の下記の基によ
り置換されていてよい:ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、ホルミル、カルボキシ
並びにそのエステル及び塩、カルバモイル、スルホ並びにそのエステル及び塩、
並びにスルファモイル;そしてC1−C5アルキル及びC1−C5アルコキシ基は更
に飽和又は不飽和、枝分れ又は枝分れしていなくてよく、そして更には1又は2
個の下記のいづれかの基により置換されていてよい:ハロゲン、ヒドロキシ、ア
ミノ、ホルミル、カルボキシ並びにそのエステル及び塩、カルバモイル、スルホ
並びにそのエステル及び塩、並びにスルファモイル);
又は上記一般式において置換基R1〜R9のうちの2つが一緒になって基−B−
を形成している(ここでBは下記の基のいづれかを
表わす:(−CHR10−N=N−),(−CH=CH−)n,(−CH=N−)n又は(−
N=CR10−NR11−)、かかる基において、nは1〜3の整数を表わし、R10は上
記の置換基であり、そしてR11はR10と定義する)〕。上記の式が2個以上のR10
置換基を含んで成るなら、これらR10置換基は同一又は異なるものであってよ
い。
特定の態様において、当該増強剤は10−メチルフェノチアジン、フェノチアジ
ン−10−プロピオン酸、N−ヒドロキシスクシニミドフェノチアジン−10−プロ
ピオネート、10−エチルフェノチアジン−4−カルボン酸、10−エチルフェノチ
アジン、10−プロピルフェノチアジン、10−イソプロピルフェノチアジン、メチ
ルフェノチアジン−10−プロピオネート、10−フェニルフェノチアジン、10−ア
リルフェノチアジン、10−(3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピル
)フェノチアジン、10−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)フェノチアジン
、2−メトキシ−10−メチルーフェノチアジン、1−メトキシ−10−メチルフェ
ノチアジン、3−メトキシ−10−メチルフェノチアジン、3,10−ジメチルフェ
ノチアジン、3,7,10−トリメチルフェノチアジン、10−(2−ヒドロキシエ
チル)フェノチアジン、10−(3−ヒドロキシプロピル)フェノチアジン、3−
(2−ヒドロキシエチル)−10−メチルフェノチアジン、3−ヒドロキシメチル
−10−メチルフェノチアジン、3,7−ジブロモフェノチアジン−10−プロピオ
ン酸、フェノチアジン−10−プロピオンアミド、クロルプロマジン、2−クロロ
−10−メチルフェノチアジン、2−アセチル−10−メチルフェノチアジン、10−
メチルフェノキサギン、10−エチルフェノキサジン、フェノキサジン−10−プロ
ピオン酸、10−(2−ヒドロキシエチル)フェノキサジン又は4−カルボキシフ
ェノキサジン−10−プロピオン酸である。
有用な増強剤のその他の例は下記の式の化合物である;
(式中、Aは基、例えば−D,−CH=CH−D,−CH=CH−CH=CH−D,−CH=
N−D,−N=N−D又は−N=CH−Dであり、ここでDは−CO−E,−SO2−
E,−N−XY及び−N+−XYZより成る群から選ばれ、ここでEは−H,−OH,−
R又は−ORであってよく、そしてX及びY及びZは同一又は異なっていてよく、
そして−H及び−Rより選ばれ;RはC1−C16アルキル、好ましくはC1−C8
アルキルであり、ここでアルキルは飽和又は不飽和、枝分れ又は枝分れしていな
くてよく、そして任意的にカルボキシ、スルホ又はアミノ基により置換されてお
り;そしてB及びCは同一又は異なっていてよく、そしてCmH2m+1より選ばれ、
ここで1≦m≦5である)。
好適な態様において、上記式におけるAは−CO−Eであり、それにおいてはE
は−H,−OH,−R又は−ORであり、RはC1−C16アルキル、好ましくはC1−
C8アルキルであり、ここでアルキルは飽和又は不飽和、枝分れ又は枝分れして
いなくてよく、そして任意的にカルボキシ、スルホ又はアミノ基により置換され
ており;そしてB及びCは同一又は異なっていてよく、そしてCmH2m+1より選ば
れ、ここで1≦m≦5である。
上記式において、Aは図示の如きヒドロキシ基に対してパラ位の代わりにメタ
位で配置されていてよい。
特定の態様において、当該増強剤はアセトシリンゴン、メチルシ
リンゲート、エチルシリンゲート、プロピルシリンゲート、ブチルシリンゲート
、ヘキシルシリンゲート又はオクチルシリンゲートである。
更に有用な増強剤は下記式のアジノ化合物である:
A=N−N=B
(式中、記号A及びBは同一又は異なるものであってよく、独立して次の置換
基II,III,IV及びVのいづれかであってよい: ここでかかる置換基において、記号X及びYは同一又は異なるものであってよ
く、独立して炭素、窒素(当該窒素は未置換であるか置換基R5により置換され
ていてよい)、硫黄、酸素、セレン又はテルルであってよく;
そしてかかる置換基において置換基R1,R2,R3及びR4は
同一又は異なるものであってよく、独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、C1
−C3アルコキシ基、ホルミル基、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、C1−
C5アルキル基(ここでアルキル基は更に飽和又は不飽和であり、線形又は枝分
れしてよい)又はアミノ基(ここで当該アミノ基は未置換であるか、又は1又は
2個の置換基R5により更に置換されていてよい)を表わす;
ここで置換基R5はハロゲン、ヒドロキシ基、C1−C3アルコキシ基、C1−C5
アルキル基又はアミノ基を表わす)。
当該ペルオキシダーゼ増強剤は遊離形態又は付加塩の形態であってよい。
好適な態様において、置換基R1,R2,R3及びR4は同一又は異なるものであ
ってよく、独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、C1−C3アルキル基又はス
ルホ基を表わす。好ましくは、ハロゲンはフルオロ、クロロ又はブロモである。
好ましくは、C1−C3アルキル基はメチル、エチル、プロピル又はイソプロピル
である。
好適な態様において、置換基R5はハロゲン、ヒドロキシ基、C1−C3アルコ
キシ基、C1−C3アルキル基又はアミノ基を表わす。
最も好適な態様において、本発明のペルオキシダーゼ増強剤は2,2’−アジ
ノ−ビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スルホネート)である。ABTSと略
されるこの化合物は発色原基質であり、そして一般的なペルオキシダーゼ及びフ
ェノールオキシダーゼアッセイ試薬である。
更に、ABTSは公知且つ上記の増強剤とは対照的に、アルカリ性の高い条件下、
即ち、pH9以上でペルオキシダーゼ増強剤として作用することができる。この特
徴はABTSを、pH7〜13の域、特にpH8〜
12の域、好ましくはpH9〜11の域で機能することを意図する洗浄組成物等に含ま
せることを可能にする。
当該増強剤は抗微生物組成物の中で基質(微生物細胞、バイオマス)1g当り
0.005〜1000μmole、好ましくは基質1g当り0.05〜500μmole、より好ましくは
基質1g当り0.5〜100μmoleに相当する濃度において存在していてよい。
増強剤のラジカルの安定性
何ら理論に拘束されるわけでもないが、関連の水性媒体の中で当該増強剤が形
成するラジカルの半減期とその効率性との間には正の関係があり、またその半減
期はp−ヒドロキシ桂皮酸、2,4−ジクロロフェノール、p−ヒドロキシベン
ゼンスルホネート、バニリン及びp−ヒドロキシ安息香酸(即ち、WO 92/18683
に開示の増強剤)より成る群から選ばれる任意の物質の半減期よりも有意に長い
と現状考えられている。
当該ラジカルの半減期はとりわけ水性媒体のpH、温度及び緩衝剤に依存するた
め、これらの要因全てが様々な増強剤のラジカルの半減期を比較するときに同じ
であることは非常に重要である。
当該組成物
本発明の酵素組成物は更に補助剤、例えば湿潤剤、増粘剤、緩衝剤、安定化剤
、香料、着色料、充填剤等を更に含んで成ってよい。
有用な湿潤剤は界面活性剤、即ち、非イオン性、アニオン性、両性又は双イオ
ン性界面活性剤である。有用な界面活性剤の例は下記の「用途」のもとで記す。
本発明の組成物は使用前に水に溶解する粉末の形態で使用してよく、又はゲル
化製品もしくは液体製品であってよい。この組成物は濃縮製品又は使用準備済み
製品であってよい。
使用の際、濃縮製品を典型的には水で希釈して有効な抗微生物活
性を有する媒体にし、消毒又は保存する物体に適用し、そして存在する微生物と
反応させる。
至適pH条件は通常ペルオキシダーゼ酵素の至適安定性及び至適活性、増強剤の
至適安定性及び至適反応性(酸化電位)、並びに緩衝系の選定に従う。
用 途
本発明の組成物は洗剤又は洗浄組成物において有用なより多くのタイプの酵素
、好ましくはプロテアーゼ、アミラーゼ、クチナーゼ、ペルオキシダーゼ、オキ
シダーゼ、ラッカーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ及びリパーゼより成る群から
選ばれる少なくとも更なる酵素を含んで成る洗剤又は洗浄組成物の中に組込んで
よい。界面活性剤系
本発明に係る洗浄組成物は界面活性剤系を含んで成り、ここでその界面活性剤
は非イオン及び/又はアニオン及び/又はカチオン及び/又は両性及び/又は双
イオン性及び/又は半極性界面活性剤より選ばれうる。
界面活性剤は典型的には0.1〜60重量%のレベルで存在する。
界面活性剤は当該組成物中に存在する酵素成分と適合するように配合するのが
好ましい。液体又はゲル組成物中では、当該界面活性剤は最も好ましくはこのよ
うな組成物中の任意の酵素の安定性を促進する、又は少なくとも分解しないよう
に配合する。
本発明に従って利用する好適な系は界面活性剤として本明細書に記載の1又は
複数種の非イオン性及び/又はアニオン性界面活性剤を含んで成る。
アルキルフェノールのポリエチレン、ポリプロピレン及びポリブチレンオキシ
ド縮合物が本発明の非イオン性界面活性剤として利用するのに適当であり、ポリ
エチレンオキシド縮合物が好ましい。こ
れらの化合物には、直鎖又は枝分れ鎖の形態の約6〜約14個の炭素原子、好まし
くは約8〜約14個の炭素原子を含むアルキル基をもつアルキルフェノールと、ア
ルキレンオキシドとのアルキルフェノールの縮合製品が挙げられる。好適な態様
において、エチレンオキシドはアルキルフェノール1モル当り、約2〜約25モル
、より好ましくは約3〜約15モルのエチレンオキシドに相当する量で存在する。
このタイプの市販の非イオン性界面活性剤にはGAF Corporationより市販のIgepa
l(商標)CO-630;並びにRohm & Haas Companyより市販のTriton(商標)X-45,
X-114,X-100及びX-102が挙げられる。これらの界面活性剤は一般にアルキルフ
ェノールアルコキシレート(例えば、アルキルフェノールエトキシレート)と称
されている。
約1〜約25モルのエチレンオキシドを有する第一及び第二脂肪族アルコールの
縮合製品が本発明の非イオン性界面活性剤系の非イオン界面活性剤として使用す
るのに適当である。脂肪族アルコールのアルキル鎖は直鎖又は枝分れ、第一又は
第二であってよく、そして一般に約8〜約22個の炭素原子を含む。好ましいのは
約8〜約20個の炭素原子、より好ましくは約10〜約18個の炭素原子を含むアルキ
ル基をもつアルコールと、アルコール1モル当り約2〜約10モルのエチレンオキ
シドとの縮合製品である。アルコール1モル当り約2〜約7モルのエチレンオキ
シド、そして最も好ましくは2〜5モルのエチレンオキシドが前記縮合製品の中
に存在する。このタイプの市販の非イオン性界面活性剤の例には、Union Carbid
e Corporationにより市販のTergitol(商標)15-S-9(C11−C15線形アルコー
ルと9モルのエチレンオキシドとの縮合製品)、Tergitol(商標)24-L-6 NMW(
C12-14第一アルコールと6モルのエチレンオキシドとの、狭い分子量分布を有
する縮合製品);Shell Chemical Compa
nyより市販のNeodol(商標)45-9(C14−C15線形アルコールと9モルのエチレ
ンオキシドとの縮合製品)、Neodol(商標)23-3(C12-13線形アルコールと3.0
モルのエチレンオキシドとの縮合製品)、Neodol(商標)45-7(C14-15線形ア
ルコールと7モルのエチレンオキシドとの縮合製品)、Neodol(商標)45-5(C14-15
線形アルコールと5モルのエチレンオキシドとの縮合製品)、The Procter
& Gamble Companyより市販のKyro(商標)EOB(C13−C15アルコールと9モル
のエチレンオキシドとの縮合製品)、及びHoechstより市販のGenapol LA 050(
C12-14アルコールと5モルのエチレンオキシドとの縮合製品)が挙げられる。
これらの製品における好適なHLB域は8〜11、そして最も好ましくは8〜10であ
る。
本発明の界面活性剤系の非イオン性界面活性剤として更に有用なのは、約6〜
約30個の炭素原子、好ましくは約10〜約16個の炭素原子を含む疎水性基と、多糖
、例えばポリグリコシド、約1.3〜約10、好ましくは約1.3〜約3、最も好ましく
は約1.3〜約2.7の糖単位を含む親水性基とを有するUS 4,565,647号に開示のアル
キル多糖類である。5又は6個の炭素原子を含む任意の還元糖、例えばグルコー
ス、ガラクトース及びガラクトシル成分をグルコシル成分に代用できる(任意的
に疎水性基は2−,3−,4−等の位に付加しており、グルコシド又はガラクト
シドに対してグルコース又はガラクトースを供する)。糖間結合は例えば追加の
糖単位の一の位置と、先行の糖単位の2−,3−,4−及び/又は6−位との間
であってよい。
好適なアルキルポリグリコシドは下記式を有する:
R2O(CnH2nO)t(グリコシル)x
式中、R2はアルキル、アルキルフェニル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシ
アルキルフェニル及びそれらの混合物より成る群から
選ばれ、ここでそのアルキル基は約10〜約18個、好ましくは約12〜約14個の炭素
原子を含み、nは2又は3、好ましくは2であり、tは0〜約10、好ましくは0
であり、そしてxは約1.3〜約10、好ましくは約1.3〜約3、最も好ましくは約1.
3〜約2.7である。グリコシルは好ましくはグルコースに由来する。このような化
合物を調製するには、まずアルコール又はアルキルポリエトキシアルコールを形
成し、次いでそれをグルコース又はグルコース起源と反応させ、グルコシドを形
成する(1位に付加)。追加のグリコシル単位はその1位と先行のグルコシ単位
の2−,3−,4−及び/又は6−位との間に、好ましくは主に2−位との間に
付加してよい。
プロピレンオキシドとプロピレングリコールとの縮合により形成されるエチレ
ンオキシドと疎水性塩基との縮合生成物も本発明の追加の非イオン性界面活性剤
系として利用するのに適当である。このような化合物の疎水性部分は好ましくは
約1500〜約1800の分子量を有し、そして水不溶性を示すであろう。ポリオキシエ
チレン成分のこの疎水性部分への付加は分子全体の水溶性を高める傾向にあり、
そしてこの製品の液体的特徴はポリオキシエチレン含有量が当該縮合製品の総重
量の約50%である時点まで保持され、その含有量は約40モルまでのエチレンオキ
シドとの縮合に相当する。このタイプの化合物の例にはBASFより市販の一定の市
販のPluronic(商標)界面活性剤が挙げられる。
本発明の非イオン性界面活性剤系の非イオン性界面活性剤として利用するのに
更に適切なのはエチンオキシドと、プロピレンオキシド及びエチレンジアミンの
反応に由来する生成物との縮合製品である。このような製品の疎水性成分はエチ
レンジアミン及び過剰のプロピレンオキシドの反応生成物より成り、そして一般
に約2500〜約3000の分子量を有する。この疎水性成分はエチレンオキシドと、そ
の縮合製品が約40〜約80重量%のポリオキシエチレンを含み、且つ約5,000〜約1
1,000の分子量を有する程度に至るまで縮合させる。非イオン界面活性剤のこの
タイプの例はBASFにより市販されている一定の市販のTetronic(商標)化合物で
ある。
本発明の界面活性剤系の非イオン性界面活性剤として利用するのに適当なのは
アルキルフェノールのポリエチレンオキシド縮合物、第一及び第二脂肪族アルコ
ールと約1〜約25モルのエチレンオキシドとの縮合製品、アルキル多糖、及びそ
の混合物である。最も好ましいのは3〜15個のエトキシ基を有するC8−C14ア
ルキルフェノールエトキシレート及び2〜10個のエトキシ基を有するC8−C18
アルコールエトキシレート(好ましくは平均C10)、及びそれらの混合物である
。
非常に好適な非イオン性界面活性剤は次式のポリヒドロキシ脂肪酸アミド界面
活性剤である:
式中、R1はHであり、又はR1はC1-4,炭化水素基、2−ヒドロキシエチル
、2−ヒドロキシプロピル又はその混合物であり、R2はC5-31炭化水素基であ
り、そしてZは鎖に少なくとも3個のヒドロキシル基が直接結合した線形炭化水
素鎖を有するポリヒドロキシ炭化水素基又はそのアルコキシル化誘導体である。
好ましくは、R1はメチルであり、R2は直鎖C11-15アルキル又はC16-18アルキ
ル又はアルケニル鎖、例えばココナッツアルキル又はその混合物であり、そして
Zは還元糖、例えばグルコース、フルクトース、マルトース又はラクトースから
還元アミノ化反応において誘導されたものである。
非常に好適なアニオン性界面活性剤にはアルキルアルコキシル化
スルフェート界面活性剤が挙げられる。その例は式RO(A)mSO3Mの水溶性塩又は酸
(ここでRは未置換のC10−C24アルキル又はC10−C24アルキル成分、好まし
くはC12−C20アルキルを有するヒドロキシアルキル基もしくはヒドロキシアル
キルであり、Aはエトキシ又はプロポキシ単位であり、mは0より大きく、典型
的には約0.5〜約6、より好ましくは約0.5〜約3であり、そしてMはH又はカチ
オンであり、かかるカチオンは例えば金属カチオン(例えばナトリウム、カリウ
ム、リチウム、カルシウム、マグネシウム等である)、アンモニウム又は置換化
アンモニウムカチオンである。アルキルエトキシル化スルフェート及びアルキル
プロポキシル化スルフェートがここでは考慮される。置換化アンモニウムカチオ
ンの特異的な例にはメチル−、ジメチル−、トリメチル−アンモニウムカチオン
、並びに四級アンモニウムカチオン、例えばテトラメチルアンモニウム及びジメ
チルピペルジニウムカチオン、並びにアルキルアミン、例えばエチルアミン、ジ
エチルアミン、トリエチルアミンに由来するもの、並びにそれらの混合物等が挙
げられる。典型的な界面活性剤はC12−C18アルキルポリエトキシレート(1.0)
スルフェート(C12-C18E(1.0)M)、C12−C18アルキルポリエトキシレート(2.25
)スルフェート(C12-C18(2.25)M)及びC12−C18アルキルポリエトキシレート(
3.0)スルフェート(C12-C18E(3.0)M)、並びにC12−C18アルキルポリエトキシ
レート(4.0)スルフェート(C12-C18E(4.0)M)であり、ここでMはナトリウム及
びカリウムより好適に選ばれる。使用する適当なアニオン性界面活性剤は「The
Journal of the American Oil Chemists Society」52(1975),pp.323-329に従っ
て気性SO3によりスルホン化されたC8−C20カルボン酸(即ち、脂肪酸)の線形
エステルを含むアルキルエステルスルホネートである。適当な出発材料には獣脂
、ヤシ油等に由来する天然
脂肪物質が含まれるであろう。
好適なアルキルエステルスルホネート界面活性剤、特に洗濯用のものは次式の
構造のアルキルエステルスルホネート界面活性剤を含んで成る:
式中、R3はC8−C20炭化水素基、好ましくはアルキル又はその組合せであり
、R4はC1−C6炭化水素基、好ましくはアルキル、又はそれらの組合せであり
、そしてMはアルキルエステルスルホネートと水溶性塩を形成するカチオンであ
る。適当な塩形成カチオンには金属、例えばナトリウム、カリウム及びリチウム
、並びに置換化又は未置換のアンモニウムカチオン、例えばモノエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンが挙げられる。好ましくは、
R3はC10−C16アルキルであり、そしてR4はメチル、エチル又はイソプロピル
である。特に好ましいのはR3がC10−C16アルキルであるメチルエステルスル
ホネートである。
その他の適当なアニオン性界面活性剤には式ROSO3Mの水溶性塩又は酸であるア
ルキルスルフェート界面活性剤であり、ここでRは好ましくはC10−C24炭化水
素基、好ましくはアルキル又はC10−C20アルキル成分を有するヒドロキシアル
キル、より好ましくはC12−C18アルキル又はヒドロキシアルキルであり、そし
てMはH又はカチオン、例えばアルカリ金属カチオン(例えばナトリウム、カリ
ウム、リチウム)であり、又はアンモニウムもしくは置換アンモニウム(例えば
メチル−、ジメチル−及びトリメチルアンモニウムカチオン、並びに四級アンモ
ニウムカチオン、例えばテトラメチルア
ンモニウム及びジメチルピペルジニウムカチオン、並びにアルキルアミン、例え
ばエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンに由来する四級アンモニウ
ムカチオン、並びにそれらの混合物等である)。典型的には、C12−C16のアル
キル鎖は低めの洗浄温度(例えば約50℃以下)のために好ましく、そしてC16−
C18のアルキル鎖は高めの洗浄温度(例えば約50℃)のために好ましい。
界面活性の目的のために有用なその他のアニオン性界面活性剤も本発明の洗濯
洗浄組成物の中に含ませてよい。これらには石けんの塩(例えば、ナトリウム、
カリウム、アンモニウム及び置換化アンモニウム塩、例えばモノ−、ジ−及びト
リ−エタノールアミン塩)C8−C22第一又は第二アルカンスルホネート、C8−
C24オレフィンスルホネート、例えば英国特許明細書第1,082,179号に記載の如
きアルカリ土類金属クエン酸塩の熱分解生成物のスルホン化により調製したスル
ホン化ポリカルボン酸、C18−C24アルキルポリグリコールエーテルスルフェー
ト(10モルまでのエチレンオキシドを含む)、アルキルグリセロールスルホネー
ト、脂肪アシルグリセロールスルホネート、脂肪オレイルグリセロールスルフェ
ート、アルキルフェノールエチレンオキシドエーテルスルフェート、パラフィン
スルホネート、アルキルホスフェート、イセチオネート、例えばアシルイセチオ
ネート、N−アシルタウレート、アルキルスクシナメート及びスルホスクシネー
ト、スルホシクシネートのモノエステル(特に飽和及び不飽和C12−C18モノエ
ステル)及びスルホスクシネートのジエステル(特に飽和及び不飽和C6−C12
ジエステル)、アシルサルコシネート、アルキル多糖のスルフェート、例えばア
ルキルポリグルコシドのスルフェート(下記の非イオン性非硫酸塩型化合物)及
びアルキルポリエトキシカルボキシレート、例えば式RO(CH2CH2O)k−CH2COO−M+
のもの(ここでRはC8−C22ア
ルキル、kは1〜10の整数、そしてMはカチオンを形成する可溶性塩である)が
挙げられうる。樹脂酸及び水素化樹脂酸、例えばロジン、水素化ロジン、並びに
獣脂油の中に存在する又は由来する樹脂酸及び水素化樹脂酸も適切である。
アルキルベンゼンスルホネートが非常に好ましい。特に好ましいのは線形(直
鎖)アルキルベンゼンスルホネート(LAS)であり、そのアルキル基は10〜18個の
炭素原子を含むのが好ましい。
更なる例は「Surface Active Agents and Detergents」(Vol.I及びII、Schwa
rtz,Perry and Berch)に記載されている。様々なかかる界面活性剤は一般にUS
3,929,678号にも開示されている(第23欄、第58行〜第29欄、第23行;引用する
ことで本明細書に組入れる)。
含ませる場合、本発明の洗濯洗浄組成物は典型的には約1〜約40重量%、好ま
しくは約3〜約20重量%のかかるアニオン性界面活性剤を含んで成る。
本発明の洗濯洗浄組成物は上記したもの以外のカチオン性、両性、双イオン性
及び半極性界面活性剤、並びに非イオン性及び/又はアニオン性界面活性剤も含
みうる。
本発明の洗濯洗浄組成物において利用するのに適当なカチオン性界面活性剤は
一本の長鎖炭化水素基を有するものである。かかるカチオン性界面活性剤の例に
はアンモニウム界面活性剤、例えばアルキルトリメチルアンモニウムハロゲニド
、及び次式を有する界面活性剤が挙げられる:
[R2(OR3)y][R4(OR3)y]2R5N+X-
式中、R2はアルキル鎖の中に約8〜約18個の炭素原子を有するアルキル又は
アルキルベンジル基であり、各R3は−CH2CH2−,−CH2CH(CH3)−,−CH2CH(CH2
OH)−,−CH2CH2CH2−及びその混合物
より成る群から選ばれ;各R4はC1−C4アルキル、C1−C4ヒドロキシアルキ
ル、2個のR4基を連結することにより形成されるベンジル環、−CH2CHOHCHOHCO
R6CHOHCH2OH(式中、R6は任意のヘキソース又は約1000未満の分子量を有するヘ
キソースポリマーである)及びyが0でないときには水素より成る群から選ばれ
;R5はR4と同一であるか又はアルキル鎖であり、ここで炭素原子の総数又はR2
+R5は約18より大きくなく;各yは0〜約10であり、そしてy値の合計は0〜
約15であり;そしてXは任意の適合性アニオンである。
非常に好ましいカチオン性界面活性剤は次式を有する本組成物において有用な
水溶性四級アンモニウム化合物である:
R1R2R3R4N+X- (i)
式中、R1はC8〜C16アルキルであり、各R2,R3及びR4は独立してC1−C4
アルキル、C1−C4ヒドロキシアルキル、ベンジル及び−(C2H40)xHであり、こ
こでxは2〜5の値を有し、そしてXはアニオンである。R2,R3又はR4のう
ち1個以下がベンジルであるべきである。
R1の好適なアルキル鎖はC12−C15であり、特にアルキル基がココナッツも
しくはヤシカーネル(kernel)脂肪に由来する場合又はオレフィン単位もしくは
オキソアルコール合成により合成的に誘導されたものである場合にそうである。
R2,R3及びR4についての好適な基はメチル及びヒドロキシエチル基であり
、そしてアニオンXはハライド、メトスルフェート、アセテート及びホスフェー
トイオンから選ばれうる。
本発明において利用するのに適当な式(i)の四級アンモニウム化合物の例は
:
ココナッツトリメチルアンモニウムクロリド又はブロミド;
コココナッツメチルジヒドロキシエチルアンモニウムクロリド又はブロミド;
デシルトリエチルアンモニウムクロリド;
デシルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロリド又はブロミド;
C12-15ジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロリド又はブロミド;
ココナッツジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロリド又はブロミド;
ミリスチルトリメチルアンモニウムメチルスルフェート;
ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド又はブロミド;
ラウリルジメチル(エテノキシ)4アンモニウムクロリド又はブロミド;
であり、そして
R2,R3,R4がメチルである式(i)の化合物);
ジアルキルイミダゾリン〔式(i)の化合物〕。
本発明において有用なその他のカチオン界面活性剤はUS 4,228,044及びEP 000
,224にも記載されている。
含ませる場合、本発明の洗濯洗浄組成物は典型的には0.2〜約25重量%、好ま
しくは約1〜約8重量%のかかるカチオン界面活性剤を含んで成る。
両性界面活性剤も本発明の洗濯洗浄組成物において利用するのに適当である。
これらの界面活性剤は第一又は第三アミンの脂肪族誘導体として、又は複素環式
第二及び第三アミンであって脂肪族基が直鎖又は枝分れ鎖であるアミンの脂肪族
誘導体として広く記述する
。脂肪族置換基の一つは少なくとも約8個の炭素原子、典型的には約8〜約18個
の炭素原子を含み、そして少なくとも一つはアニオン水溶性基、例えばカルボキ
シ、スルホン酸、硫酸基を含む。両性界面活性剤の例についてはUS 3,929,678(
第19欄、第18〜35行)を参照のこと。
含ませる場合、本発明の洗濯洗浄組成物は典型的には0.2〜約15重量%、好ま
しくは約1〜約10重量%のかかる両性界面活性剤を含んで成るであろう。
双イオン性界面活性剤も洗濯洗浄組成物において利用するのに適当である。こ
れらの界面活性剤は第二及び第三アミンの誘導体、複素環式第二及び第三アミン
の誘導体、又は四級アンモニウム、四級ホスホニウムもしくは第三スルホニウム
化合物の誘導体として広く記述する。双イオン性界面活性剤の例についてはUS 3
,929,678(第19欄、第38行〜第22欄第48行)を参照のこと。
含ませる場合、本発明の洗濯洗浄組成物は典型的には0.2〜約15重量%、好ま
しくは約1〜約10重量%のかかる双イオン性界面活性剤を含んで成る。
半極性非イオン性界面活性剤は非イオン性界面活性剤の特殊なカテゴリーであ
り、それには約10〜約18個の炭素原子の1個のアルキル成分と約1〜約3個の炭
素原子を含むアルキル基及びヒドロキシアルキル基より成る群から選ばれる成分
2個とを含む水溶性アミンオキシド;約10〜約18個の炭素原子の1個のアルキル
成分と約1〜約3個の炭素原子を含むアルキル基及びヒドロキシアルキル基より
成る群から選ばれる成分2個とを含む水溶性ホスフィンオキシド;並びに約10〜
約18個の炭素原子の1個のアルキル成分と約1〜約3個の炭素原子のアルキル及
びヒドロキシアルキル成分より成る群から選ばれる成分1個とを含む水溶性スル
ホキシドが挙げられる。
半極性非イオン性洗浄界面活性剤には次式を有するアミンオキシド界面活性剤
が挙げられる:
式中、R3は約8〜約22個の炭素原子を含むアルキル、ヒドロキシアルキルも
しくはアルキルフェニル基又はそれらの混合物であり;R4は約2〜約3個の炭
素原子を含むアルキレンもしくはヒドロキシアルキレン基又はそれらの混合物で
あり;xは0〜約3であり;そして各R5は約1〜約3個の炭素原子を含むアル
キルもしくはヒドロキシアルキル基又は約1〜約3個のエチレンオキシド基を含
むポリエチレンオキシド基である。R5基は例えば酸素又は窒素原子を介して互
いと結合して環構造を形成してよい。
このようなアミンオキシド界面活性剤には、特に、C10−C18アルキルジメチ
ルアミンオキシド及びC8−C12アルコキシエチルジヒドロキシエチルアミンオ
キシドが挙げられる。
含ませる場合、本発明の洗濯洗浄組成物は典型的には0.2〜約15重量%、好ま
しくは約1〜約10重量%のかかる半極性非イオン性界面活性剤を含んで成る。
ビルダー系
本発明に係る組成物は更にビルダー系を含んで成る。任意の慣用のビルダー系
がここで利用するのに適当であり、それにはアルミノシリケート材料、シリケー
ト、ポリカルボキシレート及び脂肪酸、エチレンジアミンテトラアセテート、金
属イオン封鎖剤、例えばアミノポリホスホネート、特にエチレンジアミンテトラ
メチレンホスホン酸及びジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸の如き
材料が挙げられる。周知の環境的理由のためにあまり好ましくはな
いが、リン酸ビルダーもここで利用できうる。適当なビルダーは無機イオン変換
材料、一般には無機水和化アルミノシリケート材料、より詳しくは水和化合成ゼ
オライト、例えば水和化ゼオライトA,X,B,HS又はMAPでありうる。
その他の適当な無機ビルダー材料は層状シリケート、例えばSKS-6(Hoechst
)である。SKS-6は珪酸ナトリウム(Na2Si2O5)より成る結晶層状シリケートで
ある。
1個のカルボキシ基を含む適当なポリカルボキシレートには乳酸、グリコール
酸並びにベルギー特許第831,368号、同第821,369号及び同第821,370号に開示の
それらのエーテル誘導体が挙げられる。2個のカルボキシ基を含むポリカルボキ
シレートには、コハク酸、マロン酸、(エチレンジオキシ)二酢酸、マレイン酸
、ジグリコール酸、酒石酸、タルトロン酸及びフマル酸、並びにドイツ公開公報
第2,446,686号、同第2,446,487号、米国特許第3,935,257号に記載のエーテルカ
ルボキシレート、並びにベルギー特許第840,623号に記載のスルフィニルカルボ
キシレートが挙げられる。3個のカルボキシ基を含むポリカルボキシレートには
、特に、水溶性シトレート、アコニトレート及びシトラコネート、並びにスクシ
ネート誘導体、例えば英国特許第1,379,241号に記載のカルボキシメチルオキシ
スクシネート、オランダ出願第7,205,873号記載のラクトスクシネート、及び英
国特許第1,387,447号に記載の2−オキサ−1,1,3−プロパントリカルボキ
シレートが挙げられる。
4個のカルボキシ基を含むポリカルボキシレートには英国特許第1,261,829号
に開示のオキシジスクシネート、1,1,2,2−エタンテトラカルボキシレー
ト、スルホ置換基を含む1,1,3,3−プロパンテトラカルボキシレート、例
えば英国特許第1,398,421号及び同第1,398,422号に開示のスルホスクシネート誘
導体、並び
に英国特許第1,082,179号に記載のスルホン化熱分解シトレート、更には英国特
許第1,439,000号に開示のホスホン置換基を含むポリカルボキシレートが挙げら
れる。
脂環式及び複素環式ポリカルボキシレートにはシクロペンタン−cis,cis−ci
s−テトラカルボキシレート、シクロペンタジエニドペンタカルボキシレート、
2,3,4,5−テトラヒドロフラン−cis,cis,cis−テトラカルボキシレー
ト、2,5−テトラヒドロフラン−cis,ジスカルボキシレート、2,2,5,
5−テトラヒドロフランテトラカルボキシレート、1,2,3,4,5,6−ヘ
キサン−ヘキサカルボキシレート並びに多価アルコール、例えばソルビトール、
マンニトール及びキシリトールのカルボキシメチル誘導体が挙げられる。芳香族
ポリカルボキシレートにはメリチン酸、ピロメリチン酸及び英国特許第1,425,34
3号に開示のフタル酸誘導体が挙げられる。
以上のうち、好適なポリカルボキシレートは1分子当り3個までのカルボキシ
基を含むヒドロキシカルボキシレート、より詳しくはシトレートである。
本発明において利用するのに好適なビルダー系には水不溶性アルミノシリケー
トビルダー、例えばゼオライトA又は層状シリケート(SKS-6)と、水溶性カル
ボキシレート封鎖剤、例えばクエン酸との混合物である。
本発明に係る洗浄組成物に含ませるのに適当な封鎖剤はエチレンジアミン−N
,N’−ジコハク酸(EDDS)又はそのアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモ
ニウムもしくは置換化アンモニウム塩、又はそれらの混合物である。好適なEDDS
化合物はその遊離酸形態及びそのナトリウム又はマグネシウム塩である。EDDSの
かかる好適なナトリウム塩の例にはNa2EDDS及びNa4EDDSが挙げられる。EDDSの
かかる好適なマグネシウム塩の例にはMgEDDS及びMg2EDDSが挙げられる。マグネ
シウム塩が本発明に係る組成物に含ませるのに最も好適である。
好適なビルダー系には、水不溶性アルミノシリケートビルダー、例えばゼオラ
イトAと、水溶性カルボキシレートキレート化剤、例えばクエン酸との混合物が
挙げられる。
顆粒組成物において利用するためのビルダー系の一部を構成しうるその他のビ
ルダー材料には、無機材料、例えばアルカリ金属カーボネート、ビカーボネート
、シリケート、並びに有機材料、例えば有機ホスホネート、アミノポリアルキレ
ンホスホネート及びアミノポリカルボキシレートが挙げられる。
その他の適当な水溶性有機塩はホモもしくはコポリマー酸又はその塩であって
、ポリカルボン酸が2個以下の炭素原子で互いと離されている2個以上のカルボ
キシル基を含んで成るものである。
このタイプのポリマーはGB-A-1,592,756に開示されている。かかる塩の例はMW
2000〜5000のポリアクリレート、及び無水マレイン酸とのそのコポリマーであ
り、かかるコポリマーは20,000〜70,000、特に約40,000の分子量を有する。
洗浄ビルダー塩は通常5〜80重量%の量で、当該組成物に含ませる。液体洗剤
のためのビルダーの好適なレベルは5〜30%である。酵 素
好適な洗浄組成物は、本発明の酵素調製品に加えて、洗浄性能及び/又は布帛
ケア利点を供するその他の酵素を含んで成る。
かかる酵素にはプロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、アミラーゼ、セルラー
ゼ、ペルオキシダーゼ、オキシダーゼ(例えばラッカーゼ)が挙げられる。プロテアーゼ
:アルカリ溶液の中で使用するのに適当な任意のプロ
テアーゼを利用してよい。適当なプロテアーゼには動物、植物又は微生物起源の
ものが挙げられる。微生物起源が好ましい。化学的又は遺伝子的に改変された突
然変異体が含まれる。プロテアーゼはセリンプロテアーゼ、好ましくはアルカリ
微生物プロテアーゼ又はトリプシン様プロテアーゼである。アルカリプロテアー
ゼの例はスブチリシン、特にバチルス(Bacillus)に由来のもの、例えばスブチ
リシンNovo、スブチリシンカールスバーグ、スブチリシン309、スブチリシン147
及びスブチリシン168である(WO 89/06279に記載)。トリプシン様プロテアーゼの
例はトリプシン(例えばブタ又はウシ起源)及びWO 89/06270に記載のフサリウ
ム(Fusarium)プロテアーゼである。
好適な市販のプロテアーゼ酵素には商標名Alcalase,Savinase,Primase,Dur
azym及びEsperaseでNovo Nordisk A/S(デンマーク)により販売されているもの
、商標名Maxatase,Maxacal,Maxapem,Properase,Purafect及びPurafect OXPで
Genecor Internationalにより販売されているもの、並びに商標名Opticlean及び
OptimaseでSolvay Enzymesにより販売されているものが挙げられる。プロテアー
ゼ酵素は本発明に係る組成物の中に、当該組成物の0.00001〜2重量%の酵素タ
ンパク質のレベル、好ましくは当該組成物の0.0001〜1重量%の酵素タンパク質
のレベル、より好ましくは当該組成物の0.001〜0.5重量%の酵素タンパク質のレ
ベル、更により好ましくは当該組成物の0.01〜0.2重量%の酵素タンパク質のレ
ベルで組込ませてよい。リパーゼ
:アルカリ溶液において利用するのに適当な任意のリパーゼが利用でき
うる。適当なリパーゼには細菌又は真菌起源のものが挙げられる。化学的又は遺
伝子的に改変された突然変異体が挙げられる。
有用なリパーゼの例にはフミコラ・ラヌギノーザ(Humicola lanuginosa)リ
パーゼ、例えばEP258,068及びEP305,216に記載のもの、リゾムコール・ミーヘイ
(Rhizomucor miehei)リパーゼ、例えばEP 238,023に記載のもの、カンジダ(C andida
)リパーゼ、例えばC.アンタルクチカ(C .antarctica)リパーゼ、例
えばEP 214,761に記載のC.アンタルクチカリパーゼA又はB、シュードモナス
(Pseudomonas)リパーゼ、例えばP.アルカリジェネス(P .alcaligenes)及
びP.シュードアルカリジェネス(P .pseudoalc aligenes)リパーゼ、例えばE
P 331,376に記載のもの、P.セパシア(P .cepacia)リパーゼ、例えばEP 331,
376に記載のもの、P.スタッツェリ(P .stutzeri)リパーゼ、例えばGB 1,372
,034号に記載のもの、P.フルオレセンス(P .fluorescens)リパーゼ、バチル
スリパーゼ、例えばB.スブチリス(B .subtilis)リパーゼ(Dartoisら、(1993
),Biochemica et Biophysica acta 1131,253-260)、B.ステアロサーモフィ
ルス(B .stearothermophilus)リパーゼ(JP 64/744992)及びB.ピュミルス(B .pumilus
)リパーゼ(WO 91/16422)が挙げられる。
更に、クローニングされたいくつかのリパーゼ、例えばYamaguchiら(1991)Gen
e 103,61-67に記載のペニシリウム・カメンベルチイ(Penicillium camemberti i
)リパーゼ、ゲオトリカム・カンジドウム(Geotricum candidum)リパーゼ(Sc
himada Y.ら(1989)J.Biochem.,106,383-388)、及び様々なリゾプス(Rhizo pus
)リパーゼ、例えばR.デレマー(R .delemar)リパーゼ(Hass,M.J.ら(1
991)Gene 109,117-113)、R.ニベウス(R .niveus)リパーゼ(Kugiyamaら(
1992)Biosci.Biotech.Biochem.56,716-719)及びR.オリザ(R .oryzae)リ
パーゼが有用でありうる。
その他のタイプの脂質分解酵素、例えばクチナーゼ、例えばWO
88/09367に記載のシュードモナス・メンドシナ(P .mendocina)に由来するク
チナーゼ、又はフサリウム・ソラニ・ピシ(Fusarium solani pisi)に由来する
クチナーゼ(例えばWO 90/09446に記載)も有用でありうる。
特に適当なリパーゼはMl Lipase(商標)、Lumafast(商標)及びLipomax(商標)(G
enecor)、Lipolase(商標)及びLipolase Ultra(商標)(Novo Nordisk A/S)及び
リパーゼP「Amano」(Amano Pharmaceutical Co.Ltd.)である。
これらのリパーゼは通常当該洗浄組成物の中に、当該組成物の0.00001〜2重
量%の酵素タンパク質のレベルにて、好ましくは当該組成物の0.0001〜1重量%
の酵素タンパク質のレベルにて、より好ましくは当該組成物の0.001〜0.5重量%
の酵素タンパク質のレベルにて、更により好ましくは当該組成物の0.01〜0.2重
量%の酵素タンパク質のレベルにて組込ませる。アミラーゼ
:アルカリ溶液の中で使用するのに適切な任意のアミラーゼ(α及び
/又はβ)が利用できうる。適当なアミラーゼには細菌又は真菌起源のものが挙
げられる。化学的又は遺伝子的に改変された突然変異体が挙げられる。アミラー
ゼには、例えばGB 1,296,839に詳細に記載のB.リシェニホルミス(B .licheni formis
)の特製の株より得られるα−アミラーゼが挙げられる。市販のアミラー
ゼにはDuramyl(商標)、Termamyl(商標)、Fungamyl(商標)及びBAN(商標)(Novo
Nordisk A/Sより入手可能)並びにRapidase(商標)及びMaxamyl P(商標)(Genecor
より入手可能)が挙げられる。
これらのアミラーゼは通常当該洗浄組成物の中に、当該組成物の0.00001〜2
重量%の酵素タンパク質のレベルにて、好ましくは当該組成物の0.0001〜1重量
%の酵素タンパク質のレベルにて、より好ましくは当該組成物の0.001〜0.5重量
%の酵素タンパク質のレ
ベルにて、更により好ましくは当該組成物の0.01〜0.2重量%の酵素タンパク質
のレベルにて組込ませる。セルラーゼ
:アルカリ溶液中で使用するのに適当な任意のセルラーゼが利用でき
うる。適当なセルラーゼには細菌又は真菌起源のものが挙げられる。化学的又は
遺伝子的に改変された突然変異体が挙げられる。適当なセルラーゼはUS 4,435,3
07に開示され、それはフミコラ・インソレンスから産生された真菌セルラーゼを
開示する。特に適当なセルラーゼは着色ケア利点を有するセラミーゼである。か
かるセルラーゼの例はヨーロッパ特許出願第0,495,257号に記載されているセル
ラーゼである。
市販のセルラーゼにはフミコラ・インソレンスの株により産生されるCelluzym
e(商標)(Novo Nordisk A/S)及びKAC-500(B)(商標)(花王(株))である。
これらのセルラーゼは通常当該洗浄組成物の中に、当該組成物の0.00001〜2
重量%の酵素タンパク質のレベルにて、好ましくは当該組成物の0.0001〜1重量
%の酵素タンパク質のレベルにて、より好ましくは当該組成物の0.001〜0.5重量
%の酵素タンパク質のレベルにて、更により好ましくは当該組成物の0.01〜0.2
重量%の酵素タンパク質のレベルにて組込ませる。ペルオキシダーゼ/オキシダーゼ
:ペルオキシダーゼ酵素は過酸化水素又はその
起源(例えば過炭酸塩、過硼酸塩又は過硫酸塩)との組合せで使用する。オキシ
ダーゼ酵素は酵素との組合せで使用される。双方のタイプの酵素は「溶液の漂白
」のため、即ち、染色布帛から別の布帛への繊維染料の転移をそれらの布帛を洗
濯液の中で一緒に洗濯した場合に防ぐため、例えばWO 94/12621及びWO 95/014
26に記載の如き増強剤と一緒に使用される。適当なペルオキシダーゼ/オキシダ
ーゼには植物、細菌又は真菌起源のものが挙げら
れる。化学的又は遺伝子的に改変された突然変異体が挙げられる。
ペルオキシダーゼ及び/又はオキシダーゼ酵素は通常当該洗浄組成物の中に、
当該組成物の0.00001〜2重量%の酵素タンパク質のレベルにて、好ましくは当
該組成物の0.0001〜1重量%の酵素タンパク質のレベルにて、より好ましくは当
該組成物の0.001〜0.5重量%の酵素タンパク質のレベルにて、更により好ましく
は当該組成物の0.01〜0.2重量%の酵素タンパク質のレベルにて組込ませる。
上述の酵素の混合物、特にプロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ及び/又はセ
ルラーゼの混合物は本発明に包含される。
本発明の酵素又は任意のその他の当該洗浄組成物の中に組込まれる酵素は、当
該洗浄組成物の中に当該組成物の0.00001〜2重量%の酵素タンパク質のレベル
にて、好ましくは当該組成物の0.0001〜1重量%の酵素タンパク質のレベルにて
、より好ましくは当該組成物の0.001〜0.5重量%の酵素タンパク質のレベルにて
、更により好ましくは当該組成物の0.01〜0.2重量%の酵素タンパク質のレベル
にて組込ませる。漂白剤
:本発明の洗浄組成物の中に含ませることのできるその他の任意の洗浄成
分には漂白剤、例えばPB1,PB4及び400〜800ミクロンの粒径を有する過炭酸塩が
挙げられる。これらの漂白剤成分は1又は複数種の酸素漂白剤を含むことができ
、そして選定の漂白剤に依存して、1又は複数種の漂白活性化剤を含みうる。存
在しているなら、酸素漂白化合物は典型的には約1〜約25%のレベルで存在して
いるであろう。一般に、漂白化合物は非液体製剤、例えば顆粒洗浄剤中の任意の
追加の成分である。
ここで利用するための漂白剤は酵素漂白剤及び当業界公知のその他のものを含
む洗浄組成物に有用な任意の漂白剤であってよい。
本発明に適当な漂白剤は活性化又は非活性化漂白剤であってよい
。
使用できうる酸素漂白剤の一のカテゴリーは過カルボン酸漂白剤及びその塩が
含まれる。このクラスの剤の適当な例には、マグネシウムモノペルオキシフタレ
ート六水和物、メタクロロ過安息香酸、4−ノニルアミノ−4−オキソペルオキ
シ酪酸及びジペルオキシドデカンジオン酸のマグネシウム塩が挙げられる。かか
る漂白剤はUS 4,483,781、US 740,446、EP 0,133,354及びUS 4,412,934に開示さ
れている。非常に好ましい漂白剤にはUS 4,634,551に開示の6−ノニルアミノ−
6−オキソペルオキシカプロン酸も挙げられる。
使用できうる漂白剤の別のカテゴリーはハロゲン漂白剤を含む。ヒポハライト
漂白剤の例には、例えばトリクロロイソシアヌル酸並びにナトリウム及びカリウ
ムジクロロイソシアヌレート並びにN−クロロ及びN−ブロモアルカンスルホン
アミドが挙げられる。かかる材料は通常最終製品の0.5〜10重量%、好ましくは
1〜5重量%で添加される。
過酸化水素遊離剤は漂白活性化剤、例えばテトラアセチルエチレンジアミン(
TAED)、ノナノイルオキシベンゼンスルホネート(NOBS、US 4,412,934に記載)
、3,5−トリメチルヘキサノールオキシベンゼンスルホネート(ISONOBS、EP 1
20,591に記載)又はペンタアセチルグルコース(PAG)と組合せて使用でき、それら
漂白活性化剤は過加水分解されて活性漂白物質として過酸を形成し、向上した漂
白効果が得られる。また、非常に適切なのは漂白活性化剤C8(6−オクタンア
ミド−カプロイル)オキシベンゼンスルホネート、C9(6−ノナンアミドカプ
ロイル)オキシベンゼンスルホネート及びC10(6−デカンアミドカプロイル)
オキシベンゼンスルホネート又はそれらの混合物である。更に有用な活性化剤は
例えばヨーロッパ特許出願第91870207.7号に開示のアシル化クエン酸エステル
である。
本発明に係る洗浄組成物において使用するための有用な漂白剤、例えばペルオ
キシ酸並びに漂白活性化剤及び過酸素漂白化合物を含んで成る漂白系等はUSSN 0
8/136,626に記載されている。
過酸化水素は、洗浄及び/又はすすぎ工程の開始又は最中にて過酸化水素を発
生させることのできる酵素系(即ち、酵素とそのための基質)を添加することに
よって存在させることもできうる。かかる酵素系はヨーロッパ特許出願EP 0,537
,381号に開示されている。
酸素漂白剤以外の漂白剤が当業界において公知であり、そしてここで利用でき
うる。特に注目の非酸素漂白剤の一のタイプには光活性化漂白剤、例えばスルホ
ン化亜鉛及び/又はアルミニウムフタロシアニンが挙げられる。これらの材料は
洗浄工程の際に支持体の上に沈着できうる。光の照射により、酸素の存在下で、
例えば日光の下で乾かすために衣服を干すことにより、スルホン化亜鉛フタロシ
アニンは活性化され、その結果支持体は漂白される。好適な亜鉛フタロシアニン
及び光活性化漂白方法はUS 4,033,718号に記載されている。典型的には、洗浄組
成物は約0.025〜約1.25重量%のスルホン化亜鉛フタロシアニンを含むであろう
。
漂白剤は更にマンガン触媒を含んで成りうる。マンガン触媒は例えば「Effice
nt manganese catalysts for low-temperature bleaching」Nature 369,1994
,pp.637-639に記載の化合物のいづれかであってよい。泡立ち抑制剤
:その他の任意的な成分は泡立ち抑制剤、典型的にはシリコーン及
びシリカ−シリコーン混合物である。シリコーンは一般にアルキル化ポリシロキ
サン材料で代表され得、一方シリカは通常細分化形態で使用され、典型的にはシ
リカエアロゲル及びキセロゲル並びに様々なタイプの疎水性シリカである。これ
らの材料は粒
子として組込むことができ、それにおいては泡立ち抑制剤は好都合には水溶性又
は水分散性の実質的に非界面活性洗浄剤不浸透性担体の中に遊離可能式に組込ま
れている。他方、かかる泡立ち抑制剤は液体担体の中に溶解又は分散され、そし
て1又は複数のその他の成分に散布により適用されうる。
好適なシリコーン泡立ち調節剤はUS 3,933,672に開示されている。その他の極
めて有用な泡立ち抑制剤はドイツ特許出願DTOS2,646,126号に開示の自己乳化性
シリコーン泡立ち抑制剤である。かかる化合物の例はDow Corningより市販のDC-
544であり、それはシロキサン−グリコールコポリマーである。特に好適な泡立
ち調節剤はシリコーン油と2−アルキルアルカノールとの混合物を含んで成る泡
立ち抑制系である。適当な2−アルキルアルカノールはブチルオクタノールであ
り、それは商標名Isofol 12Rで市販されている。
かかる泡立ち抑制系はヨーロッパ特許出願EP 0,593,841に記載されている。
特に好適なシリコーン泡立ち調節剤はヨーロッパ特許出願第92201649.8号に記
載されている。前記組成物はシリコーン/シリカ混合物を、フュームド非孔質シ
リカ、例えばAerosil(登録商標)との組合せにおいて含んで成りうる。
上記の泡立ち抑制剤は通常当該組成物の0.001〜2重量%、好ましくは0.01〜
1重量%のレベルで使用する。その他の成分
:洗浄組成物の中で使用されるその他の成分、例えば汚れ懸濁剤、
汚れ遊離剤、蛍光増白剤、研磨剤、殺菌剤、曇り阻害剤、着色料及び/又は封入
化もしくは非封入化香料を使用してよい。
特に適当な封入材料は水溶性カプセルであり、それは例えばGB 1,464,616に開
示の多糖及びポリヒドロキシ化合物のマトリックスよ
り成る。
その他の適当水溶性封入材料は例えばUS 3,455,838に記載の置換化ジカルボン
酸の末糊化デンプン酸エステルより誘導されてデキストリンを含んで成る。この
ような酸エステルデキストリンは好ましくはワキシーメイズ、ワキシーソーガム
、サゴ、タピオカ及びポテトの如きデンプンから調製される。前記封入材料の適
切な例にはNational Starchより製造されたN-Lokが挙げられる。N-Lok封入材料
は改質メイズデンプン及びグルコースより成る。このデンプンはオクテニルコハ
ク酸無水物の如き一価の置換化基の付加により改質されている。
ここで適当な再付着防止剤及び汚れ懸濁剤にはセルロース誘導体、例えばメチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びヒドロキシメチルセルロース、
並びにホモ又はコポリマーポリカルボン酸又はそれらの塩が挙げられる。このタ
イプのポリマーには、ビルダーとして前述したポリアクリレート及び無水マレイ
ン酸−アクリル酸コポリマー、並びに無水マレイン酸とエチレン、メチルビニル
エーテル又はメタクリル酸とのコポリマーが挙げられ、ここで無水マレイン酸は
コポリマーの20モル%以上を構成する。これらの材料は通常当該組成物の0.5〜1
0重量%、より好ましくは0.75〜8重量%、最も好ましくは1〜6重量%のレベ
ルで使用される。
好適な蛍光増白剤はアニオン性であり、その例はニナトリウム4,4'−ビス
−(2−ジエタノールアミノ−4−アニリノ−S−トリアジン−6−イルアミノ
)スチルベン−2:2’ジスルホネート、二ナトリウム4,4’−ビス−(2−
モルホリノ−4−アニリノ−S−トリアジン−6−イルアミノ)スチルベン−2
:2’−ジスルホネート、二ナトリウム4,4’−ビス−(2,4−ジアニリノ
−S−トリアジン−6−イルアミノ)スチルベン−2:2’−ジス
ルホネート、一ナトリウム4’,4”−ビス−(2,4−ジアニリノ−S−トリ
アジン−6−イルアミノ)スチルベン−2−スルホネート、二ナトリウム4,4
’−ビス−(4−フェニル−2,1,3−トリアゾール−2−イル)−スチルベ
ン−2,2’−ジスルホネート、二ナトリウム4,4’−ビス−(2−アニリノ
−4−(1−メチル−2−ヒドロキシエチルアミノ)−S−トリアジン−6−イ
ルアミノ)−スチルベン−2,2’−ジスルホネート、ナトリウム2(スチルビ
ル−4”−(ナフト−1’,2’:4,5)−1,2,3−トリアゾール−2”
−スルホネート及び4,4’−ビス(2−スルホスチリル)ビフェニルである。
その他の有用なポリマー材料はポリエチレングリコール、特に分子量1000〜10
000、より詳しくは2000〜8000、そして最も好ましくは約4000のものである。こ
れらは0.20〜5重量%、より好ましくは0.25〜2.5重量%のレベルで使用する。
これらのポリマー及び前述のホモ又はコポリマーポリカルボキシレートは白色性
の維持、布帛灰分沈着、並びに粘土、タンパク質性及び酸化性汚れに対する洗浄
性能の遷移金属不純物の存在下での向上のために有用である。
本発明の組成物において有用な汚れ遊離剤は様々な配列におけるテレフタル酸
とエチレングリコール及び/又はプロピレングリコール単位の慣用のコポリマー
又はターポリマーである。かかるポリマーの例はUS 4,116,885及び4,711,730並
びにEP 0,272,033に開示されている。EP 0,272,033に従う特に好適なポリマーは
次式を有する:
(CH3(PEG)43)0.75(POH)0.25[(T-PO)2.8(T-PEG)0.4]
T(POH)0.25((PEG)43CH3)0.75
(ここでPEGは−(OC2H4)O−であり、POは(OC3H6O)であり、そしてTは(pOOC6H4
CO)である)。
更に非常に有用なのはジメチルテレフタレート、ジメチルスルホイソフタレー
ト、エチレングリコール及び1,2−プロパンジオールのランダムコポリマーで
あり、その末端群は主たるスルホベンゾエートと二次的なエチレングリコール及
び/又は1,2−プロパンジオールのモノエステルとより成る。その狙いは両端
をスルホベンゾエート基でキャッピングされたポリマーを得ることであり、本発
明においては「主として」、本発明における当該コポリマーのほとんどがスルホ
ベンゾエート基によりエンドキャッピングされているであろう。しかしながら、
一部のコポリマーは不完全にキャッピングされ、従ってその末端群はエチレング
リコール及び/又は1,2−プロパンジオールのモノエステルより成り、それ故
「二次的」なかかる物質より成っていてよい。
本発明における選定のポリエステルは約46重量%のジメチルテレフタル酸、約
16重量%の1,2−プロパンジオール、約10重量%のエチレングリコール、約13
重量%のジメチルスルホ安息香酸及び約15重量%のスルホイソフタル酸を含み、
そして約3,000の分子量を有する。これらのポリエステル及びその調製方法はEP
311,342に詳細に記載されている。柔軟剤
:布帛柔軟剤も本発明に係る洗濯洗浄組成物の中に組込んでよい。これら
の剤は無機又は有機タイプであってよい。無機柔軟剤は典型的にはGB-A 1400,89
8及びUS 5,019,292に開示のスメクタイト(smectite)粘土である。有機布帛柔
軟剤にはGB-A1 514,276及びEP 0,011,340に開示の水不溶性第三アミン、並びにE
P B-0 026,528に開示のそれらのモノC12−C14第四アンモニウム塩との組合せ
、並びにEP 0,242,919に開示の二長鎖アミドが挙げられる。布帛柔軟系のその他
の有用な有機成分にはEP 0,299,575及び0,313,146に開示の高分子量ポリエチレ
ンオキシド材料が挙げられる。
スメクタイト粘土のレベルは通常5〜15重量%、より好ましくは8〜12重量%
であり、かかる材料は当該製剤の残りの成分に乾燥混合成分として添加される。
有機布帛柔軟剤、例えば水不溶性第三アミン又は二長鎖アミド材料は0.5〜5重
量%、通常は1〜3重量%のレベルで組込まれ、一方高分子量ポリエチレンオキ
シド材料及び水溶性カチオン材料は0.1〜2重量%、通常は0.15〜1.5重量%のレ
ベルで添加される。これらの材料は通常この組成物のスプレー乾燥部分に添加さ
れるが、ある状況においては、それらを乾燥混合粒子として添加、又は溶融液体
としてこの組成物の他の固体成分に散分することがより好都合でありうる。ポリマー塗料転移阻害剤
:本発明に係る洗浄組成物は0.001〜10重量%、好まし
くは0.01〜2重量%、より好ましは0.05〜1重量%のポリマー染料転移阻害剤を
も含んで成りうる。当該ポリマー染料転移阻害剤は通常洗浄組成物の中に、有色
布帛からそれと一緒に洗濯する布帛への染料の転移を阻害するために組込まれる
。これらのポリマーは、染着布帛から流出した染料が洗濯液の中のその他の物品
に付着する機会を得る前にその不堅牢染料と錯形成又はそれを収着せしめる能力
を有する。
特に適切なポリマー染料転移阻害剤はポリアミンN−オキシドポリマー、N−
ビニル−ピロリドンとN−ビニルイミダゾールとのコポリマー、ポリビニルピロ
リドンポリマー、ポリビニルオキサゾリドン及びポリビニルイミダゾール、又は
それらの混合物である。
かかるポリマーの添加は本発明に係る酵素の性能も高める。
本発明に係る洗浄組成物は液体、ペースト、ゲル、バー又は顆粒形態であって
よい。無塵顆粒はUS 4,106,991及び同4,661,452(共にNovo Nordisk A/S)に開
示の通りに製造し得、そして任意的に当業界公知の方法によりコーティングが施
されうる。ワキシーコーテ
ィング材料の例は平均分子量1000〜20000のポリ(エチレンオキシド)製品(ポリ
エチレングリコール、PEG);16〜50エチレンオキシド単位を有するエトキシル化
ノニルフェノール;アルコールが12〜20個の炭素原子を含み、且つ15〜80個のエ
チレンオキシド単位のあるエトキシル化脂肪アルコール;脂肪酸;並びに脂肪酸
のモノ−、ジ−及びトリグリセリドである。流動床技術による適用に適切な膜形
成コーティング材料の例はGB 1,483,591に記載されている。
本発明に係る顆粒組成物は「コンパクトフォーム」であってもよく、即ち、そ
れらは慣用の顆粒洗剤よりも相対的に高い密度を有してよい。かかる場合、本発
明に係る顆粒洗浄組成物は慣用の顆粒洗剤よりも少なめの量の「無機充填塩」を
含むであろう。典型的な充填塩は硫酸塩及び塩化物のアルカリ土類金属塩、典型
的には硫酸ナトリウムである。「コンパクト」洗剤は典型的には10%以下の充填
塩を含んで成る。本発明に係る液体組成物は「濃縮フォーム」であってもよく、
かかる場合、本発明に係る液体洗浄組成物は慣用の液体洗剤よりも少なめの量の
水を含むであろう。典型的には、濃縮液体洗剤の水分含量は洗浄組成物の30重量
%未満、より好ましくは20重量%未満、最も好ましくは10重量%未満である。
本発明の組成物は例えば手洗い用及び洗濯機用洗浄組成物、汚れた布帛の前処
理において使用するのに適当な組成物、リンス入り布帛柔軟組成物、並びに一般
の家庭硬質表面洗浄作業及び食器洗浄作業において使用するための組成物等とし
て配合されうる。
以下の実施例は本発明の組成物を例示するためであり、本発明の範囲を限定す
るものではない。当該洗浄組成物において、略した成分表示は下記の意味を有す
る:
LAS:ナトリウム線形C12アルキルベンゼンスルホネート
TAS:ナトリウム獣脂アルキルスルフェート
XYAS:ナトリウムC1X−C1Yアルキルスルフェート
SS:式2−ブチルオクタノン酸の第二石けん界面活性剤
25EY:平均Yモルのエチレンオキシドと縮合したC12−C15の主として線形の
第一アルコール
45EY:平均Yモルのエチレンオキシドと縮合したC14−C15の主として線形の
第一アルコール
XYEZS:1モル当り平均Zモルのエチレンキシドと縮合したC1x−C1Yナトリ
ウムアルキルスルフェート
非イオン性:商標名Plurafax LF40下でBASF Gmbhより販売の平均エトキシル化
度3.8及び平均プロポキシル化度4.5のC13−C15複合エトキシル化/プロポキシ
ル化脂肪アルコール
CFAA:C12−C14アルキルN−メチルグルカミド
TFAA:C16−C18アルキルN−メチルグルカミド
シリケート:非晶質珪酸ナトリウム(SiO2:Na2O比=2.0)
NaSKS-6:式δ−Na2Si2O5の結晶層状シリケート
カーボネート:無水炭酸ナトリウム
ホスフェート:トリポリリン酸ナトリウム
MA/AA:平均分子量約80,000の1:4のマレイン酸/アクリル酸コポリマー
ポリアクリレート:商標名PA30でBASF Gmbhより販売されている平均分子量8,0
00のポリアクリレートホモポリマー
ゼオライトA:1−10マイクロメーターの範囲における一次粒径を有する式Na12
(AlO2SiO2)12・27H2Oの水和化ナトリウムアルミノシリケート。
シトレート:クエン酸三ナトリウム二水和物
クエン酸:クエン酸
過硼酸塩:実験式NaBO2・H2O2の無水過硼酸ナトリウム一水和物
漂白剤
PB4:無水過硼酸ナトリウム四水和物
過炭酸塩:実験式2Na2CO3・3H2O2の無水過炭酸ナトリウム漂白剤
TAED:テトラアセチルエチレンジアミン
CMC:ナトリウムカルボキシメチルセルロース
DETPMP:商標名Dequest 2060でMonsantoより市販のジエチレントリアミンペン
タ(メチレンホスホン酸)
PVP:ポリビニルピロリドンポリマー
EDDS:ナトリウム塩の形態のエチレンジアミン−N,N’−ジコハク酸〔S,
S〕異性体
泡立ち抑制剤:25%のパラフィン融点50℃、17%の疎水性シリカ、58%のパラ
フィン油
顆粒泡立ち抑制剤:12%のシリコーン/シリカ、18%のステアリルアルコール
、70%の顆粒状デンプン
スルフェート:無水硫酸ナトリウム
HMWPEO:高分子量ポリエチレンオキシド
TAE25:獣脂アルコールエトキシレート(25)洗剤例I
本発明に係る顆粒布帛洗浄組成物は下記の通りに調製し得る:
ナトリウム線形C12アルキルベンゼンスルホネート 6.5
硫酸ナトリウム 15.0
ゼオライトA 26.0
ナトリウムニトリロトリアセテート 5.0
本発明の酵素 0.1
PVP 0.5
TAED 3.0
硼酸 4.0
過硼酸塩 18.0
フェノールスルホネート 0.1
微量成分 100に至る洗剤例II
本発明に係るコンパクト顆粒布帛洗浄組成物(密度800g/l)は下記の通り
に調製し得る:
45AS 8.0
25E3S 2.0
25E5 3.0
25E3 3.0
TFAA 2.5
ゼオライトA 17.0
NaSKS-6 12.0
クエン酸 3.0
カーボネート 7.0
MA/AA 5.0
CMC 0.4
本発明の酵素 0.1
TAED 6.0
過炭酸塩 22.0
EDDS 0.3
顆粒泡立ち抑制剤 3.5
水/微量成分 100%に至る洗剤例III
着色布帛の洗濯において極めて有用である本発明に係る顆粒布帛洗浄組成物は
下記の通りに調製し得る:
LAS 10.7 −
TAS 2.4 −
TFAA − 4.0
45AS 3.1 10.0
45E7 4.0 −
25E3S − 3.0
68E11 1.8 −
25E5 − 8.0
シトレート 15.0 7.0
カーボネート − 10
クエン酸 2.5 3.0
ゼオライトA 32.1 25.0
Na-SKS-6 − 9.0
MA/AA 5.0 5.0
DETPMP 0.2 0.8
本発明の酵素 0.10 0.05
シリケート 2.5 −
スルフェート 5.2 3.0
PVP 0.5 −
ポリ(4−ビニルピリジン)−N−オキ − 0.2
シド/ビニルイミダゾールとビニルピロ
リドンとのコポリマー
過硼酸塩 1.0 −
フェノールスルホネート 0.2
水/微量成分 100%に至る洗剤例IV
「洗濯を通じて柔軟性にする」能力を供する本発明に係る顆粒布
帛洗浄組成物は下記の通りにして調製し得る:
45AS − 10.0
LAS 7.6 −
68AS 1.3 −
45E7 4.0 −
25E3 − 5.0
ココ−アルキルジメチルヒドロキシエチ 1.4 1.0
ルアンモニウムクロリド
シトレート 5.0 3.0
Na-SKS-6 − 11.0
ゼオライトA 15.0 15.0
MA/AA 4.0 4.0
DETPMP 0.4 0.4
過硼酸塩 15.0 −
過炭酸塩 − 15.0
TAED 5.0 5.0
スメタイト粘土 10.0 10.0
HMWPEO − 0.1
本発明の酵素 0.10 0.05
シリケート 3.0 5.0
カーボネート 10.0 10.0
顆粒泡立ち抑制剤 1.0 4.0
CMC 0.2 0.1
水/微量成分 100%に至る洗剤例V
本発明に係る強力液体布帛洗浄組成物は下記の通りに調製し得る:
I II
LAS酸形態 − 25.0
クエン酸 5.0 2.0
25AS酸形態 8.0 −
25AE2S酸形態 3.0 −
25AE7 8.0 −
CFAA 5 −
DETPMP 1.0 1.0
脂肪酸 8 −
オレイン酸 − 1.0
エタノール 4.0 6.0
プロパンジオール 2.0 6.0
本発明の酵素 0.10 0.05
ココ−アルキルジメチルヒドロキシエチ − 3.0
ルアンモニウムクロリド
スメクタイト粘土 − 5.0
PVP 2.0 −
水/微量成分 100%に至る
好適な態様において、当該洗剤又は洗浄組成物は当該増強剤を細胞の死滅又は
抑制のために有効な量で、好ましくは1ppmを超える量で、より好ましくは10ppm
を超える量で含んで成る。
食品、飲料品、化粧品、例えばローション、クリーム、ゲル、オイントメント
、石ケン、シャンプー、コンディショナー、発汗防止剤、デオドラント、マウス
ウォッシュ;コンタクトレンズ製品、酵素調製品又は食品成分の保存のために使
用する場合、本発明の方法において使用する組成物は保存剤の入っていない食品
、飲料品、化粧品、コンタクトレンズ製品、食品成分又は抗炎症製品の中に微生
物細胞の死滅又は増殖の阻害のために有効な量で組込んでよい。
かくして、本発明の方法において利用する組成物は例えばアクネ、目又は口内
感染症、皮膚感染症の処置のための消毒剤として、発汗防止剤又はデオドラント
において、足湯塩において、コンタクトレンズ、硬質表面、歯(口内ケア)、創
傷、挫傷等の洗浄最終消毒のために有用でありうる。
本発明の方法は比較的高いpHで好適に実施でき、なぜならその殺菌活性は高い
pH値で最高となると考えられているからである。
一般に本発明の組成物は任意の硬質表面の洗浄、消毒又は微生物増殖の阻害の
ために有用であると考えられている。本発明の組成物との接触に好都合でありう
る表面の例は例えば食品加工プラント、乳製品、化学品又は薬品加工プラント、
水質衛生プラント及び冷却塔において使用される処理設備の表面である。本発明
の組成物は注目の表面の洗浄、消毒又は微生物増殖の阻害に有効な量で使用すベ
きである。
更に、本発明の組成物はあらゆる種類の処理設備の洗浄のための現場清浄(C.
I.P.)システムにおいて好適に利用されうる。
本発明を以下の非限定例により説明する。
実施例1
様々な増強剤を使用してのコプリヌス・シネレウス組換ペルオキシダーゼの抗
菌活性
Novo Nordisk A/S,DK-2880 Bagsvaerd,Denmarkより入手可能なコプリヌス・
シネレウスIFO 8371組換ペルオキシダーゼ(rCIP)の抗菌活性をリン酸バッファ
ーの中で、下記の増強剤で試験した:ナトリウムチオシアネート(NaSCN)、ヨウ
化カリウム(KI)、10−フェノチアジンプロピオン酸(PPT)、ブチルシリンゲー
ト(BS)及び2,2’−アジノビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スル
ホネート)(ABTS)。過酸化水素をグルコースオキシダーゼにより発生させるか、
又は5mMの濃度で直接添加した。基質成分による妨害を避けるため、この実験を
増殖基質の代わりにバッファーの中で実施した。
P.フルオレセンス(P.fluorescens)(104cfu/ml)をrCIP(3POXU/ml)、及
びグルコースオキシダーゼ/グルコース又は過酸化水素のそれぞれと組合せた種
々の増強剤(5mM)で15分(pH6.0、40℃)処理した。殺菌活性はプレート測定
及びMalthusの中でのインキュベーションにより決定した。Malthus装置により測
定した検出時間を標準曲線によりcfu/mlへと変換した。
総生存細胞数を数えるときは間接Malthus測定器を使用した(Malthus Flexi M2
060,Malthus Instrument Limited)。3mlの増殖培地を間接Malthusセルの外側
チャンバーに移し、そして0.5mlの無菌KOH(0.1M)を内側チャンバーに移した
。細胞懸濁物を酵素処理の後にMalthusセルの外側チャンバーに移した。細胞が
外側チャンバーの中で増殖すると、それらはCO2を産生し、それは内側チャンバ
ーの中のKOHに溶け、KOHの導電率を変える。酵素処理を生き抜いた呼吸細胞によ
り産生されるCO2の量を生存細胞数の評価のために利用した。導電率の変化がMal
thusにより測定可能な場合、検出時間(dt)を記録する。dtは、cfu/mlをdtに
相関させた検量曲線を利用してコロニーカウント数へと変換する(fig.1)。
fig.1にその結果を処理を生き抜いた細胞数として示す(Malthus実験及びプレ
ート計測の双方の平均)。使用濃度におけるグルコースオキシダーゼ及び過酸化
水素は殺菌活性を有し、増強剤とは独立に、細胞数を104cfu/mlから約102〜103
cfu/mlへと下げる。
rCIPはNaSCN又はKIを増強剤として使用した場合にP.フルオレセンスに対し
て統計学的に有意な殺菌活性を有した。PPTは若干の
殺菌活性を有するが、10%のレベルにおいてのみ統計学的に有意であった。KIを
増強剤として使用すると、活性はプレート計数及びMalthusの決定により双方と
も100%の殺菌性であった。
実施例2
P.アエルギノーザ(P.aeruginosa)及びS.アウレウス(S.aureus)に対する
rCIP及びKIの抗菌活性rCIPの抗菌活性をシュードモナス・アエルギノーザATCC 1
0146及びスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)ATCC 25923
に対し、リン酸バッファー中で(pH6.0)、電子供与体としてのヨウ化カリウム
及び電子受容体としての過酸化水素を添加して試験した。細胞(約107cfu/ml)
を酵素と40℃で15分インキュベーションし、そして実験を23の要因デザインを
2回再現させて実施した。殺菌活性はMalthus内でのインキュベーションにより
決定した。Malthus装置により測定した検出時間を標準曲線によりcfu/mlへと変
換した。
P.アエルギノーザについての結果
rCIPとKI及び過酸化水素との組合せはP.アエルギノーザの99.4
%を死滅させ、これはペルオキシダーゼ抜きの過酸化水素とKIとの組合せを比べ
て有意なペルオキシダーゼ効果である。
S.アウレウスについての結果 S.アウレウスに対する殺菌活性はペルオキシダーゼ、過酸化水素及びヨウ化
カリウムの組合せについて有意であり、一方、ヨージドを組合せた過酸化水素の
活性は全く観察されなかった。活性はcfu/mlの98%の低下として観察された。
ペルオキシダーゼの濃度を1 POXU/mlに高め、且つ過酸化水素及びヨウ化カリ
ウムの濃度を1 mMに高めることは細胞懸濁物の全滅をもたらした。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
A61K 31/5415 A61K 31/54 602
38/44 45/00
45/00 C11D 3/386
C11D 3/386 3/48
3/48 A61K 37/50
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S
D,SZ,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ
,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU
,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,
CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G
B,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE,KG
,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,
LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N
O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG
,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,
US,UZ,VN,YU